古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:産経新聞





アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、自称・全国紙の産経新聞の以下の卑劣な記事を取り上げたいと思います。このブログでは、東京一区選出の山田美樹議員(自民党、当選2回、細田[安倍]派所属)の事件についての産経新聞の愚劣な記事も以前に取り上げました。

 

 今回の産経新聞の記事は、イスラム国による二邦人の殺害事件について、安倍政権の対応を批判した政治家や有名人の発言の一部を切り取り、それを列挙し、「イスラム国寄り?」として批判するものです。まずもって卑怯愚劣なのは、「?」です。産経新聞は、安倍政権批判の人々を「イスラム国寄り」だと断定したいが、さすがにそこまではと思ったのか、「?」をつけて「逃げて」います。その卑怯未練な姿勢がまず、保守派を自称する新聞としては最低最悪です。

 

 この「安倍政権批判=イスラム国寄り、テロ擁護、テロリスト」の愚劣なレッテル貼りはインターネット上で、いわゆる「ネット右翼」「JNSCメンバー(自民党が組織したインターネット上の「突撃隊」)」によって蔓延させられました。私も「イスラム国派」認定をされました。

 

 彼らは「尊い生命が失われた事件を“利用”して(さんざん自己責任論を振り回していたのに)、安倍政権を批判するのはテロ擁護だ」と言いますが、「この事件を“利用”して、安倍政権反対派にテロリストのレッテルを張り、言論を封殺しようとしている」のです。

 

 産経新聞はこうした言論封殺の片棒を担いでいる訳です。マスコミ、言論機関としての自殺行為をしてしまっているのです。産経新聞のこれまでの報道姿勢を見てみると、もう自殺してしまって、今やゾンビのようになっていると言った方が良いのかもしれません。産経新聞はもう民間会社のふりを止めて、自民党の機関紙になって本社も永田町の自民党本部に移してしまえばどうでしょうか。

 

 そして、私は次のように提案します。産経新聞は名前を『フェルキッシャー・ベオバハター(民族的観察者)』と変えたらどうでしょうか。ちなみに『フェルキッシャー・ベオバハター』紙は、ナチスの機関紙の名前です。今の産経新聞にこれ以上のぴったりの名前はないと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「「イスラム国寄り」?発言、野党・元官僚続々」

 

産経新聞 24()755分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150204-00000088-san-pol

 

 ■「口実を与えたか検証」「殺人の引き金」

 

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の日本人人質「殺害」事件をめぐり、安倍晋三首相の対応が「(事件を起こす)口実を与えた」といった指摘が野党から相次いでいる。「話ができる集団ではない」(菅義偉(すが・よしひで)官房長官)相手との交渉の余地がない中、「イスラム国が口実とした」とは表現せず、政府の責任追及の材料とする意図が透けてみえる。こうした批判は過去に政府の中枢を担った元官僚からも続出している。(酒井充)

 

 ◆首相「気配り不必要」

 

 「質問はISIL(イスラム国)に対し批判をしてはならないような印象を受ける。それはまさにテロリストに屈することになる」

 

 首相は3日の参院予算委員会で、質問に立った共産党の小池晃政策委員長を、こう突き放した。小池氏は首相が1月17日にエジプトで行った演説で、イスラム国対策として2億ドル(約236億円)の人道支援を表明したことを追及。「拘束された日本人に危険を与える可能性があったのではないか」と再三問い詰めた。

 

 首相は「過激主義と戦うイスラムの国々をしっかりと支援していくと表明することが極めて重要だ」と強調。「テロリストに過度な気配りをする必要は全くない」と声を張った。

 

 共産党も含め野党各党はイスラム国を非難しているが、小池氏のように「イスラム国側に立った視点」も目立つ。民主党の枝野幸男幹事長は1日、首相の支援表明について「口実を与えるようなことにつながっていないか検証したい」と記者団に語った。言葉を選びつつも、口実を与えた可能性があるのは首相だと言わんばかりだった。

 

 イスラム国に対峙(たいじ)する中東諸国への2億ドルの人道支援の一部は、平成26年度補正予算案に盛り込まれている。政府が補正予算案を閣議決定したのは、人質事件が明らかになった1月20日より前の1月9日。この時や首相演説時に懸念を示す野党は見当たらなかった。

 

 ◆解放へ首相辞任提案

 

 イスラム国側に一定の理解を示すような言動は元官僚からも出ている。

 

 駐イラン大使の経験がある孫崎享氏はツイッターで「安倍発言で殺人の引き金」などと投稿。小泉純一郎政権などで5年近く安全保障・危機管理担当の官房副長官補を務めた柳沢協二氏はインターネット番組で、人質解放のための首相辞任を提案した。

 

 元経済産業省官僚の古賀茂明氏は1月23日のテレビ朝日番組で、「首相は有志連合の仲間に入れてほしいと思っている」「首相は本当は空爆や武器供与を願っている」と根拠不明の持論を展開。外交や危機管理の専門家とは言い難い古賀氏の主張は6分以上続いたが、司会者が逆の立場から発言することはなかった。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)










 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 私は、産経新聞が嫌いです。しかし、時には素晴らしい記事を掲載する新聞であることには敬意を持っています。産経新聞について「自称・全国紙」とか「自民党の機関紙」と書くこともありますが、関係者の皆様には、強者のご寛恕を願っておきたいと思います。

 

 しかし、今回の総選挙の選挙運動期間中に山田美樹代議士(当時は自民党公認候補・東京一区選出、当選二回・細田[安倍]は所属)の選挙運動員が起こした事故に関する記事はいただけません。

 

 私が問題にしたいのは、事故の描写の部分で、「バイクは転倒し、男性は頭などに全治約2週間の軽傷を負った」の部分です。この事件を最初にスクープ報道した毎日新聞の記事を参照していただけると分かりますが、毎日新聞は、「男性は転倒して一時意識不明となり、搬送先で外傷性くも膜下出血と診断されて2週間以上入院した。半年間の通院が必要で運転もできない状態だという」と書いています。

 

 産経新聞も毎日新聞も記事によると、「警視庁神田署によると」と書いています。それなのに、記事の内容の詳しさの違いはどこから来るのでしょうか。神田署が毎日新聞には詳しい情報を教えて、産経新聞には簡単な情報しか教えていないということは考えにくいです。

 

 更におかしいのは、産経新聞が「軽傷」と表現したことです。本当に軽傷だったらどんなに良かったかと思いますが、毎日新聞の記事の内容から察するに、これはとても「軽傷」などと言えるものではありません。一時的に意識不明になり、外傷性くも膜下出血を発症した人に「軽傷ですね」と産経新聞の記者の方は言えるのでしょうか?産経新聞にも一応入社試験があって、国語力も考査されるはずですが、どのような試験が行われたのでしょうか。

 

 前の記事でも書きましたが、私の父はくも膜下出血を発症して倒れました。そして、もう40年以上も後遺症に苦しんでいます。個人差があるとは言え、この病気は生命を脅かすような重大なものです。新聞の使命としては、この病名についても触れて、人々にくも膜下出血について関心を持ってもらう、自分たちでも調べたり、気を付けたりして、予防をしてもらうというものがあると思います。

 

 

 この産経新聞の書きぶりでは、真実を伝えているようで伝えていませんし、新聞の使命を忘れています。国民大衆に奉仕しているのではなく、自民党に奉仕しているとしか思えません。事故が如何にも軽いものであったかのように描写することで、少しでも印象を悪いものにしないようにしようとしているかのようです。

 

 私は産経新聞が自民党を応援し、他の政党をくさすのは構わないと思っています。しかし、そのために真実を曲げ、印象操作をするような報道をするのは間違っていると思います。応援しているのなら、悪い時には悪いと批判し、叱正ができるようにすることが本当の支持者ではないでしょうか。これでは「贔屓の引き倒し」で、応援しているようで、実際には自民党をダメにしているようなものです。

 

 そして、このような調子では、「本当に」自民党の機関紙となってしまって、産経新聞は腐れ果ててしまうのだと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「山田美樹氏の運動員、選挙期間中に人身事故」

 

産経新聞電子版 2014年12月27日

http://www.sankei.com/affairs/news/141227/afr1412270015-n1.html

 

  衆院選東京1区で海江田万里民主党前代表(65)を破った自民党の山田美樹氏(40)の男性運動員が、選挙期間中の12日にバイクの男性がからむ人身事故を起こしていたことが27日、警視庁神田署への取材で分かった。

 

 同署によると、事故は12日午後1時半ごろ発生。東京都千代田区神田神保町の交差点近くで、山田氏の街頭演説を支援するため駆けつけた30代の男性運動員が車から降りる際に右ドアを開けたところ、後ろから来た60代の印刷関連会社勤務の男性が運転するバイクと接触した。バイクは転倒し、男性は頭などに全治約2週間の軽傷を負った。

 

 男性が救急車に搬送される際、山田氏は現場から約30メートル先で街頭演説を行っていたという。 

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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