古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:石原慎太郎

 古村治彦です。

 

 舛添要一東京都知事が、2015年6月15日に、東京都議会に対して、「2016年6月21日付で辞任したい」と申し出ました。ここ数カ月の舛添氏の政治資金の使い道に対する批判から、与党的立場である自民党と公明党を含む都議会の各会派は都知事に対する不信任案提出を決めていました。不信任案が可決されると、都知事は辞職するか、都議会を解散するかを選択し、決定しなくてはなりません。

 

 舛添氏に対するマスコミの報道と都議会における都議会議員の攻撃に対しては、「やり過ぎだ」「虐めだ」「法律に違反していないのにここまで攻撃するのは前近代的で、部族社会的だ(ここには一種の非西洋的な社会に対する蔑視が含まれていますが)」といった批判が行われています。

 

 今回の舛添氏の辞任騒動について、『ニューヨーク・タイムズ』紙が報道しました。それは以下のような記事です。

 

Tokyo Governor, Yoichi Masuzoe, Resigns Over Spending Scandal

By JONATHAN SOBLE

JUNE 15, 2016

http://www.nytimes.com/2016/06/16/world/asia/tokyo-governor-yoichi-masuzoe-resigns.html?ref=asia&_r=0

 

 記事のタイトルは「舛添要一東京都知事が政治資金支出スキャンダルで辞任」というものです。内容な今回の騒動の内容を客観的に報道しているものです。

 

 その内容を簡単に箇条書きでまとめます。

 

=====

 

・東京都知事舛添要一氏が水曜日(2016年6月15日)に辞意表明。政治活動のための資金を個人的な旅行や楽しみのために使ったことを認めた。これで人々の興奮と怒り(furor)を掻き立てた。

 

・ここ2年半で2人目の金銭を巡るスキャンダルで辞任する都知事となった。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催地東京にとっては痛手。

・ここ数カ月、舛添都知事の支出に関しては人々の怒りが醸成されてきた。都知事は今年のリオデジャネイロのオリンピックに出席できるまで都知事を続けさせてほしいと都議会に頼んだ。東京は次回の開催地として注目させるためだ。

 

・「私の懸念はオリンピックなのです」と語った。

 

・支持率の急落と政治的な同盟者の変心と離脱(defection)が辞任の最終的な決め手となった。

 

・舛添氏が自身と家族のために支出した金額は、現代の政治とカネを巡るスキャンダルの基準に照らし合わせてみると、巨額と言うには程遠い。レストランでの食事に数百ドル、ホテル滞在に数千ドルを支出した。

 

・舛添氏が雇った弁護士たちが支出を調査し、そこで、ここ数年の支出のうち、440万円(約4万1000ドル)が「不適切だが、違法ではない(inappropriate, but not illegal)」支出であることが分かった。舛添氏は謝罪し、支出に関して「いくつかの公私混同(some mixing of public and personal)」があったが、意図的にルールを破ったのではないと述べた。

 

・支出が少額であったことが彼の助けにならなかった。

 

・人々の怒りは深まった。今回のエピソードを象徴する言葉が「せこい」だ。せこいは「安い、小さい」を意味する。舛添氏が、少額の税金を納めている納税者と政治資金を寄付した人々のお金を温泉旅行に使ったことで、より人々の神経を逆なでしたと言えるだろう。それは、彼がそれらのお金を全てだまし取ったよりも怒りを掻き立てたと思われる。

 

 右寄りの政党である自由民主党所属の都議会議員である神林茂氏は、弁護士たちによる報告書が出た後、「私は怒っています。せこい、あまりにせこい」と述べた。自民党は舛添氏が政治家のキャリアの大部分を過ごした正当であり、都知事選挙で彼を応援した政党である。「せこい」という言葉は、今回のスキャンダルに言及する際に新聞やSNSで頻繁に使われた。

 

 弁護士たちが不適切な支出だと認めたものの中には、わずか数ドルの漫画本、上海の土産屋で買った絹の書道家用のローブが含まれていた。舛添氏は、政治活動にのみ支出されることを認められた彼の選挙組織にこれらの代金を付けていた。しかし、この法律の政治活動の定義は曖昧で、政治家たちは日常的に政治資金を自身の私的な支出に当てていると専門家たちは述べている。

 

 舛添氏の公務での出張のコストも批判の対象となった。彼はロンドン、ニューヨーク、パリに大規模な職員グループを連れて出張した。飛行機はファーストクラス、滞在先のホテルは高級だった。彼は都庁のリムジンを使って昨年4月までに東京南西にある温泉に48回行ったことが報道された。

 

・ある時、「世界の主要都市のリーダーが二流のビジネスホテルに滞在できますか?」と述べた。オリンピック開催を控え、東京のブランドを高める必要があると彼は述べた。批判が高まるにつれ、舛添氏は悔悟の念を表明するようになったが、ダメージは大きかった。

 

・舛添氏は政治学者、テレビのコメンテイたーの後、政治の世界に入り、2000年代には厚生労働大臣を務めた。2014年には、政治資金スキャンダルで辞任した猪瀬直樹氏の後任の都知事に当選した。

 

 猪瀬氏は2013年12月に、選挙期間中に病院経営者から50万ドル以上のお金を借りたことを認めた。猪瀬氏は、このお金は政治に使う意図のないものであったと否定したが、批判者たちは、これは秘密の政治資金の寄付だと主張した。

 

・自由民主党を含む7会派は水曜日(6月15日)に舛添氏に対する不信任案を提出する準備をしていた。これが彼の辞任の後押しとなった。最近の各新聞の世論調査では、約75%の人々が舛添氏の辞任を望むという結果が出ていた。

 

・舛添氏の後任を決める選挙は7月31日か8月7日に行われると予想される。7月10日には参議院議員選挙もあり、政治的に忙しい日程となる。

 

・猪瀬氏と同じく、舛添氏はオリピックを支持しているが、膨れ上がるコストに歯止めをかけようとした。彼は、デザインのために予算を大幅に上回る建設費を必要とするメイン会場の予算支出の肩代わりを拒絶した。デザインはより安く済むものに変更された。

 

・彼は繰り返し納税者のお金を無駄に使わないと述べたが、これが彼に跳ね返ってくることになった。

 

=====

 

 このNYTの記事では、今回の騒動の経過と内容が良くまとまって紹介されています。NYT東京支局のジョナサン・ソーブル記者が執筆した記事ですが、彼の眼には、「せこい」という言葉が印象的だったようです。「せこい」という言葉は、私たち日本人は日常で使う言葉で、あまりいい意味では使いません。「けち」よりももっとお金に執着し、使い方がせせこましいという感じで使いますが、ソーブル記者は、「安い、小さい」という意味だと紹介しています。ちょっと翻訳しにくい言葉です。

 

 この記事の柱は、2本あって、1本目は、「せこい(=安い、小さい)」で表現されるものです。舛添氏の騒動では、約440万円が「不適切だが、違法ではない」支出という調査結果が出ました。この額が政治とおかけのスキャンダルではかなりの少額であるということ、その支出が数百円の漫画本やお土産のローブであったことを書いています。

 

そして、この金額の小ささがと支出内容の小ささが、少ない所得から必死になって税金を支払っている納税者をかえって怒らせたとあります。

 

 ここで読み取れるのは、前任者だった猪瀬直樹氏、その前の都知事であった石原慎太郎氏との対比です。「額の小ささ」「日常感あふれる使い道」に人々は怒りを募らせながら、石原慎太郎氏の尖閣諸島の途による購入で集めた寄付金や新銀行東京につぎ込んだお金などには怒りの矛先は向かわなかったということです。石原氏は「せこく」なかったがゆえに無駄遣いを許されたということができます。「人は小さな嘘は見破るが、大きな嘘は信じてしまう」ということの具体例です。

 

 記事では、政治資金規正法における政治活動の定義が曖昧なために、政治家たちは日常的に私的な支出も政治資金につけ回している、という専門家の主張を紹介しながら、政治資金規正法の不備を紹介しています。政治家にとっては便利な法律かもしれませんが、政治資金収支報告書を精査されてしまえば、何かしら不備やら私的な支出が見つかるようになっている現在の法律は、いつでも、政治家のスキャンダルを作り上げることが出来るようにしているとも言えます。

 

 この記事ではっきりと書かれているのは、舛添氏が東京オリンピックの膨れ上がるコストを肩代わりすることを拒否したという点です。2016年3月末に、森喜朗、遠藤俊明・オリンピック担当大臣、舛添都知事の間で、東京都が国立競技場建設費のうち500億円を支出することに合意したというニュースはありました。しかし、基本的に「納税者のお金は無駄に使わない」というのが舛添氏の姿勢ならば、これからどこまで膨れ上がるか分からないオリピックの経費の大いなる無駄遣いにとっては邪魔な存在であって、その存在を政治資金スキャンダルで葬ってしまおうという動きがあってもおかしくはありません。

 

(終わり)






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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2014年12月14日に行われた総選挙で一党だけ大敗を喫した政党がありました。それは平沼赳夫氏率いる「次世代の党(The Party of Future Generations)」です。公示前には衆議院議員が19名いて、選挙には公認候補を48名擁立して、結果は小選挙区で2名の当選を出したのみで、比例区では誰も当選者を出すことができませんでした。比例区の票は全国で約141万票を獲得しましたが、その「人気」と「知名度」とは裏腹に惨敗を喫しました。

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参議院議員が6名いますので、現在でも政党要件を満たすことができますし、2016年改選議員が2名ですので、最悪当選者を出せなくても、衆参で6名の議員は確保できるので、少なくとも2019年までは何とか政党要件を満たして、政党助成金を受け取ることができます。

 

 大変皮肉だなと思ったのは、発信力がある議員たちが顔を揃えていながら、代表の平沼氏が「急な解散で知名度が不足していた」と総括していたことです。石原慎太郎、平沼赳夫、園田博之、藤井孝男、中山成彬、中山恭子、松沢成文、中田宏、山田宏などの大臣や地方自治体の首長を経験し、テレビや新聞などにも取り上げられる機会が多かった人々が集まっていたことを考えると、知名度不足などと言えるのだろうか、と首をかしげたくなります。これに加えて、お騒がせな人たちではありますが、田母神俊雄、西村眞吾といった人々もいた訳です。

 

 私は、知名度不足などではなくて、彼らの主張が全く有権者に受け入れられなかったことを素直に受け入れるべきではないかと思います。「ああいう人たちはあくまでトリックスターであるが、自分の一票を託せるような人たちではない」と多くの有権者が考えたのだと思います。ネット世論が何とも頼りないものであることを政治家たちはいつ気付くのでしょうか。加藤の乱以来、彼らは周囲が見えなくなると、ネット世論の身を盲信し、そして消え去っていきました。ネット選挙などというものは幻影に過ぎません。

 

 下に貼り付けた朝日新聞の記事は次世代の惨敗について詳しく分析しています。記事では、「保守の理念」に執着し、生活に密着した政策を打ち出せなかったことが惨敗につながったと分析しています。

 

 私は、次世代の党が「保守」なのかどうか疑問を持っています。保守という言葉の定義については語り出すときりがありません。しかし、私は次世代の党が有権者に「保守」であるとは認識されず、自民党の支持者を惹きつけることもできずに、「立ち枯れて」しまったのだと思います。また、今の自民党は政治の世界でぎりぎり許されるところまで右側に拡大しているので、自生台の党の生存できる空間は既に存在していませんでした。自民党の中に、「この人は次世代の党の方がお似合いなのに」という程度の低い政治家の数が多くなってきました。

 

 次世代の党の排外主義的、自民党を糺すとして公明党攻撃を始めたことに対して、有権者は警戒感を持ったのだと思います。「いくらなんでもこんな政党は面白おかしい分には構わないけど、勢力を持たせてはいけない」というバランス感覚が働いたのだと思います。多くの有権者たちが、「この人たちは、戦前、戦中に回帰しようと言っているのだ」と直感的に判断し、危険を察知して、選択肢から外したのでしょう。そうした中で140万の票を得たことは、大変なことですが、この政党を支持した有権者が140万以上もいたということは日本が衰退基調に入っていることを示しているのではないかと考えます。

 私はツイッターで「次世代の党は政界における在特会のようだ」と書いたことがありました。その在特会では、前会長の桜井誠氏が次世代の党に投じたと発表したそうです。この寮舎の共通点は、それぞれ政界と市民社会という自分たちがいたいと思う場所に自分たちの居場所がないということです。 

 

 次世代の党に集まったのは、前回の選挙で落選すべき議員たちでした。日本維新の会を結党して、橋下徹氏の個人的な力を利用して、ゾンビのように生き返っただけの議員たちでした。今回、この橋下氏の個人的な風を起こす力を利用できなければ、結局落選するしかありませんでした。

 

 次世代の党は、ゾンビ議員たちが「辞世の句」を詠むための党だと言えると思います。若い議員の方々は彼らのお付き合いすることもないとは思いますが、好き好きですから仕方がありませんね。彼らの党名の英訳である「party of future generations」が何とも悲しく響いてしまいます。当選したのが70歳以上の大ヴェテランだけでしたから。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

次世代の党惨敗、ネット右派頼み限界 理念先行薄い政策

 

朝日新聞デジタル 1220()1439分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141220-00000026-asahi-pol

 

 自民党の右に柱を立てる――国家や民族を重視する本格的な右派政党として衆院選に臨んだ次世代の党。インターネットで活発に発言する右派勢力などを頼りに、強い保守色を前面に出して戦った。だが、公認48人に対して当選は2人と惨敗。識者からは、保守の理念が先行し、生活に密着した政策に結びつけられなかったとの指摘が出ている。

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 選挙結果を総括した19日の次世代の党の会議。平沼赳夫党首は、落選議員らを前に「私の力が足らず、心から反省している」と頭を下げた。石原慎太郎最高顧問も「十分な応援ができなかった」と謝罪した。

 

 旧日本維新の会から分裂し、8月に結党した次世代の党は、平沼氏や石原氏ら自民党よりも保守的な理念を掲げる政治家の「オールスターチーム」の様相だった。衆院選では中国批判、慰安婦問題に加え、「根拠がない」との批判を浴びながらも、独自調査をもとに「在日外国人の生活保護受給率は日本人の8倍」などと訴え、「生活保護は日本人に限定」とする社会保障制度の抜本改革も公約に掲げた。

 

 次世代の選挙戦の象徴は、2月の東京都知事選で61万票を獲得した元自衛隊航空幕僚長の田母神俊雄氏だ。東京12区で公明党の太田昭宏国土交通相にぶつけ、支持母体の創価学会を徹底的に攻撃した。

 

 記者会見で田母神氏は「安倍晋三首相の足を引っ張る公明党を政権から分離させ、自民・次世代の連立政権を作らねば、日本は取り戻せない」と述べ、街頭演説でも徹底した公明党、創価学会批判を続けた。

 

 ネット上で発言する右派の支持を得ようと、積極的なネット戦略も展開した。「子育て犠牲にしてまでなぜ働くのか」「慰安婦問題はでっちあげ」など、「誰もが知らんふりするタブー」を斬るとして、キャラクター「タブーブタ」を一刀両断する動画を制作。動画の再生回数は30万回を超えた。

 

 ツイッターも自民、公明に次ぐ約1万2千フォロワーを獲得。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠前会長が「期日前投票で小選挙区、比例ともに次世代に一票を投じてきました」とツイートするなど、右寄りのネット世論に浸透したようでもあった。

 

 しかし、ふたをあければ、わずか2議席。当選はいずれも強固な地盤を持つ平沼氏(岡山3区)と園田博之氏(熊本4区)のベテラン議員だった。目玉候補の田母神氏も東京12区で約3万9千票にとどまり、4候補中最下位。平沼党首は15日未明の会見で、「急な解散で党の知名度が不足していた」と語った。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 昨日、石原慎太郎氏が記者会見で政界引退を表明しました。

 

 石原慎太郎氏は、1968年から1972年まで参議院議員、1972年から1995年まで衆議院議員、1999年から2012年まで東京都知事、2012年から2014年まで再び衆議院議員、その間に環境庁長官や運輸大臣を務めました。昭和の大俳優・石原裕次郎との兄として、若くして芥川賞を受賞した作家として、華やかな生涯であったと言えましょう。

 

 彼は1995年に「日本の政治に失望した」として衆議院議員を辞職しました。そして、1999年に「裕次郎の兄です」という言葉と共に東京都知事選に立候補し、衆議院議員時代よりも政界における存在感を増しました。東京都知事時代は、排ガス規制や外形標準課税などの政策で注目されました。

 

 2000年代以降の石原氏の動きはおかしなものでした。排外的、ナショナリスティックな発言が過激さを増し、一言で言えば「だんだんおかしくなっていった」と言うことになると思います。

 

 その最たる例が2012年4月に尖閣諸島を東京都が購入するという発表をアメリカの首都ワシントンにあるヘリテージ財団で行ったことです。これによって、当時の野田佳彦総理大臣は、政府による買い上げで「国有化」を行わざるを得なくなり、中国との関係を一気に悪化させることになりました。ヘリテージ財団に関しては、アメリカ国内でも「あのシンクタンクはおかしい。昔は良かったが、今は変な動きをしている」という声が上がっています。そのことは本ブログ内でも紹介しました。この時、尖閣諸島の購入資金で寄付に応じてきたと思うのですが、そのお金はどこに行ったのか、石原氏はきちんと説明する義務があると思います。

 

 そして、昨日の会見ですが、最後っ屁とばかりに、日本維新の会で共同代表を務めていた橋下徹・大阪市長を未来の総理候補と持ち上げ、「演説がうまい、若い時のヒトラー」みたいだと発言しました。これは石原氏なりの皮肉と間接的な攻撃、褒め殺しなのだと思いますが、先進国の、民主国家の政治家を務め、その国の首都の知事を務めた政治家の見識としては最低のものだと思います。

 

 石原慎太郎氏、1995年に衆議院議員を辞職した段階で公職に就かず、作家として発言しているだけであれば良かったのですが、公職に就いて、最後の最後で日中関係を悪化させるという国益を損なう行為を行い、また、民主国家の政治家としてはあるまじき発言で政界を去っていくことになりました。彼の存在は日本の政治のトリックスター、プロレスで言うと、ギミックということになると思います。

 

 決して本流にもなれず、かといって真面目にもなれず(プロレスのギミックはまじめでストイックです)、あの若い時からのヘラヘラ顔のまま50年近くを政治の世界で過ごしてきたのです。最後の最後で、次世代の党の方々と一緒に「討ち死」しましたが、それが日本政治に彼が行った貢献と言えなくもなりません。

 

 晩節を汚すという言葉があります。若き日の石原氏も恐らく、人生の先輩たちのことで、「晩節を汚した」という批判をしてきたことでしょう。人間、引き際が見事であるということは大変に難しいことなのだと思います。だから、年下の人間から「晩節を汚した」という批判を受けるのは、年上の人間の仕事なのかもしれません。「老兵は死なず、ただ消え去るのみ(Old soldiers never die, but fade away)」というマッカーサーの言葉を考えると、あのヘラヘラ顔のままで去っていく石原慎太郎氏、ある意味で憐れな人であったと今は思います。

 

(テレビ・新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「石原氏が政界引退会見」

 

2014年12月16日 テレビ東京

http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/mplus/news/post_80911/

 

半世紀近くにわたった政治家人生に別れを告げました。衆議院選挙に出馬し落選した次世代の党の石原最高顧問は先ほど会見を開き、政界から引退すると正式に表明しました。自主憲法の制定を掲げた次世代の党が選挙で大敗したことについては「国民の関心は憲法にない」と淡々とした表情で語りました。また将来の総理大臣候補として維新の党の橋下共同代表をあげ「彼ほど演説の上手い人はいない。若いときのヒトラーだ」と語るなど独特の石原節でエールを送りました。

 

●「石原慎太郎氏が引退表明=「悔いなし、晴れ晴れ」」

 

時事通信 1216()1830分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141216-00000127-jij-pol

 

 衆院選で落選した次世代の党の石原慎太郎最高顧問(82)は16日、日本記者クラブで会見し、政界引退を表明した。「仲間の若い武士たちのために一緒に戦って討ち死にした。肉体的にひびが入り、国会議員の中で最高齢になった」と説明した。選挙を機に引退する意向だった石原氏は、次世代の比例代表東京ブロック名簿の最下位に登載されていた。

 

 石原氏は「悔いはない。晴れ晴れとした気持ち」と強調。旧日本維新の会でともに共同代表を務めた橋下徹大阪市長について「彼は天才だ。再登場すると思うし、させなければいけない」と期待を示した。橋下氏に衆院選出馬をぎりぎりまで働き掛けていたことも明かした。

 

 今後は若手芸術家の育成などに携わる考えを示し、「言いたいことを言ってやりたいことをやって、人から憎まれて死にたい」と語った。「中国は嫌いだ。共産党の独裁を壊滅させなければ駄目だ」と持論を展開する場面もあった。

 

(テレビ・新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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 古村治彦です。



 2013年12月19日、猪瀬直樹東京都知事が辞職を表明しました。これを受けて、今後行われる都知事選挙の候補者の名前が多く報道されています。「橋本聖子参議院議員(自民党)、小池百合子代議士(自民党)菅直人代議士・元首相(民主党)、蓮舫参議院議員(民主党)舛添要一元厚労相(民主党からの擁立の可能性)下村博文代議士・文部科学相(自民党)、丸川珠代参院議員(自民党)、片山さつき参院議員(自民党)、東国原英夫

代議士(日本維新の会を離党・辞職予定)、川淵三郎(首都大学東京理事長・日本サッカー協会最高顧問)」の名前が挙げられています。



 これから選挙が近づいていくにつれて、どんどん候補者が絞られていくでしょう。今まで挙げられた人々の多くが現職の国会議員や大臣であることを考えると、それらの職を擲って、都知事選挙に挑むとは考えにくいです。もし選挙に敗れたら無色になってしまうのですから。そこで、注目されるのは、川淵三郎氏です。川淵氏はサッカーのプロリーグであるJリーグの創設に関わり、チェアマンとなりました。チーム名に企業名をつけることを認めない姿勢を貫き、読売の渡邉恒雄氏(読売ヴェルディを認めるように主張しました)と対立しました。2002年から2008年まで日本サッカー協会日本サッカー協会会長(キャプテンと自称しました)を務めました。日本サッカーのプロ化、日本代表チームの強化(1998年のワールドカップ初出場から連続して本大会に出場できるほどになりました)に功績があった人物です。



 川淵氏は、猪瀬直樹氏の都知事選挙の選対本部長(実務に携わっていないでしょう)ということで、安倍晋三首相と石原慎太郎代議士(前東京都知事)との間で、有力な候補者であることが確認されています。川淵氏は、日本サッカー協会の重鎮であること、早稲田大学出身で文教族の大物政治家たち(森喜朗元首相や下村博文文科相など。早大雄弁会系は文教族になる人が多かった)との関係も深いこと、スポーツ関係に幅広い人脈がることなどから、東京オリンピックの開催準備には適した人物ということになると思います。



 2020年東京オリンピックの招致に関しては、内閣官房参与の平田竹男・早稲田大学スポーツ科学研究科教授がキーマンとなっています。平田教授は、1982年に横浜国立大学から通産省に入省し(同期に安倍晋三首相の政務秘書官である今井尚哉)、エネルギー畑を歩いた人物ですが、途中、日本サッカーのプロ化にかかわり、2002年には日本サッカー協会に転職し、専務理事となりました。そして、2006年からは早稲田大学教授となりました。平田氏の持つサッカー人脈(高円宮妃久子さまの招致活動への参加がその最たる例です)、エネルギー外交人脈が東京オリンピック誘致に貢献したことは自明のことですが、それが東京都知事の候補者にも及ぼうとしているのだろうと私は考えます。


 ここら辺の人脈関係については、来年1月に出版する『ハーヴァード大学の秘密』(PHP研究所)に書いております。

 川淵氏は権力志向が強い人物という評価があるところから、都知事という地位には興味があるのではないかと思います。川淵氏が自公の候補者ということになると、他の勢力には大きな脅威になることは間違いありません。川淵氏より知名度や実績が上の人物となるとなかなかいないのですから。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「川淵三郎氏で候補一致か 安倍首相と石原前都知事 都知事選で意見交換」



DAILY NOBORDER 1219()2253分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131219-00010003-noborder-pol&pos=1



猪瀬都知事が辞職を表明したことを受けて、各党・各会派は早速、次の都知事候補選びに入った。



「猪瀬都知事を作った人物に責任を取ってもらうのがいい」(自民党幹部)



党内のこうした声を受けて、自民幹部の一人は安倍首相の元を訪れ、石原慎太郎前都知事との接触を求めていたという。



実際に、猪瀬知事辞職の前日(18日)、安倍首相は、「日本維新の会」の石原代表らと官邸で昼食を取りながら後継知事について意見を交わしていた。



首相と前知事の二人が、次期都知事候補として意見を一致させたのが、猪瀬知事の選対本部長でもあった首都大学東京理事長で、日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎氏だった。



確かに、元Jリーグチェアマンでオリンピックを控える国際都市「東京の顔」としても申し分ない。



だが、不安も除去できなかったという。



「猪瀬知事が、行政経験のない政治のアマチュアだったということが今回の辞職劇ではっきりした。川淵氏も同じではないかという不安は拭えない。仮にそうなったとしても党として推すのは難しいのではないか」(同自民党幹部)



自民党内では他にも、橋本聖子参議院議員、小池百合子衆議院議員など女性議員を推す声も上がっている。



石破茂幹事長は、都知事選のタイムスケジュールを考えると「今年中の候補者決定が望ましい」と答えた。



時間はない。果たして、安倍政権は新しい「東京の顔」に意中の人物を据えられるのだろうか?



●「都知事選 民主に舛添氏擁立論、浮上 菅元首相や蓮舫氏…人材難深刻」



産経新聞 1220()755分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131220-00000115-san-pol



東京都知事選をめぐり、候補者探しに苦しんでいるのは民主党も一緒だ。浮上してくるのは菅直人元首相や蓮舫元行政刷新担当相といった毎度おなじみの顔ぶれで、人材難は深刻。こうした中、党内からは舛添要一元厚生労働相の擁立を求める声がにわかに浮上してきた。



「厚労相としての経験も十分ある。舛添さんにする可能性はある」



民主党都連幹部は19日、産経新聞の取材にこう語った。党勢が低迷し、かつこれ以上国会議員を減らすわけにはいかない党執行部は、党所属国会議員を擁立するのには否定的。党内で名前が取り沙汰される菅氏も同日、国会内で記者団に「地球が逆さに回ってもない」と出馬を否定した。



そこで白羽の矢が立ったのが知名度の高い舛添氏だ。19日に開いた幹部会では舛添氏に関し「特定秘密保護法についてはうちと近い」などの声が出た。



当の舛添氏は19日、都内で記者団に「いま充電中。何も決めていない。何も考えていない」と肯定も否定もせず、けむに巻いた。その上でエールを送った先は新党「結いの党」。「新党がいかに難しいかは、苦労したから分かる。15人いるなら頑張れば何かやれるかもしれない」と語り、民主党については「もっとしっかりしてもらわないと。ひどすぎる」とこき下ろした。



相思相愛にならない民主党と舛添氏。実は民主党は昨年12月の都知事選の際も舛添氏に出馬を要請したが、断られている。



「候補者を担ぐというより、そっと背中を押す程度になるだろう」と語るのはある幹部。無党派層がカギを握る「首都決戦」で、信頼を回復できていない民主党が前面に出るのは避けたい-。これこそが執行部の本音にほかならない。(坂井広志)



●「<都知事選>女性議員や閣僚浮上 候補選び本格化」



毎日新聞 1219()2341分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131219-00000150-mai-pol



東京都の猪瀬直樹知事の辞職表明を受け、与野党は19日、知事選へ候補者選定を本格化した。安倍晋三首相は自民党の石破茂幹事長に「行政手腕があり、勝てる候補」の人選を急ぐよう指示。民主党は、自公民3党の「相乗り」は困難との認識が大勢だ。政府・与党内では、複数の女性国会議員や現職閣僚らが浮上。ただ、最後に名乗りを上げる「後出しじゃんけん」が有利との見方もあり、情勢は混沌(こんとん)としている。【高橋恵子、飼手勇介、光田宗義】



自民党は都知事選の告示まで約1カ月という短期間で有権者への浸透を図ろうと、年内にも候補の人選を終えるのが基本戦略だ。都連会長の石原伸晃環境相は19日、河村建夫選対委員長と党本部で会談。都連は20日の役員会で人選を協議する。政府・自民党は今週末以降に、名前が取りざたされている「候補者候補」について独自の電話調査を行い、都民の志向を見極めたい考えだ。



自民都連や五輪関係者からは、東京五輪の準備を急ピッチで進める必要から、冬季五輪メダリストの橋本聖子参院議員(49)や、スポーツ担当の下村博文文部科学相(59)に出馬を求める動きがある。



金銭受領問題で傷ついた都のイメージ回復のため、首相官邸や都連幹部には「後任は女性がいい」との意見が多く、東京選出の丸川珠代参院議員(42)を推す声もある。小池百合子元防衛相(61)、片山さつき参院議員(54)らも取りざたされているが、19日に名乗りを上げた人はいなかった。



野党は、安倍政権の支持率が急落したことを踏まえ、都知事選を巻き返しの第一歩にしようと狙う。来年の通常国会で特定秘密保護法の廃止法案を提出する民主党は、19日午後に幹部が都知事選への対応を協議。大畠章宏幹事長は記者会見で「自公民3党で1人の候補を推すことは難しい」と相乗りを否定し、人選を急ぐ考えを示した。共産党は独自候補を擁立する構えだ。ただ、秘密保護法の国会審議などで内部が揺れた日本維新の会、みんなの党、結いの党などの対応は未定で、野党内の思惑は定まっていない。



過去の都知事選では知名度の高いタレント候補らに与野党の候補がたびたび敗れており、▽日本維新の会を離党した東国原英夫前衆院議員(56)▽7月に議員を引退した舛添要一元厚生労働相(65)--の動向に、各党は神経をとがらせている。東国原氏は19日、「現時点で(出馬の)計画はない」と述べるにとどめた。与党内では舛添氏を推す声があるほか、「勝てる候補に乗るべきだ」との声も漏れる。民主党幹部は「うちはいつも後出しじゃんけんでやられる」と警戒した。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



(終わり)


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