古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:社会主義

 古村治彦です。

 

 今回はNBCニュースとウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査の結果についての記事をご紹介します。2020年の米大統領選挙に向けて、いろいろと動き出している中で、現在の状況はどうなっているのかを知る上で重要な内容が多く含まれています。

 

 トランプ大統領の支持率は安定しています。今回の世論調査の結果では46%で、前回に比べて3ポイント上昇しています。記事中のグラフに示されている通り、トランプ大統領の支持率は4割台中盤でずっと安定しています。

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 次に2020年の選挙で誰に投票するかという質問に41%がトランプ大統領と答え、48%が民主党の候補者に投票すると答えました。こうして見ると、トランプ大統領には不利な状況のようですが、民主党ではまだ候補者は決まっておらず、誰が有利ということもないので、この数字の差ほどにトランプ大統領が負けているということはありません。

 

 今回の世論調査で興味深かったのは、大統領にふさわしい人物像という質問があって、例えば、男性、とか女性、ゲイやレズビアンというものや、75歳以上の人物などという項目がありました。その中で、ふさわしくないという答えが多かったトップ(ワースト)3が、「イスラム教徒(ふさわしい:49%、ふさわしくない:49%)」「75歳以上の人物(37%、62%)」「社会主義者(25%、72%)」でした。

 

 民主党の予備選挙に関して世論調査を行うとトップ2に入るのが、ジョー・バイデン前大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)です。しかし、この2人とも有権者がふさわしくないと考える人物像に当てはまってしまいます。

 

 また、民主党支持者たちにどのような候補者が望ましいかという質問をしたところ、トランプ大統領に確実に勝てる候補者という答え(40%)よりも自分たちの考えに合う政策を主張する候補者という答え(56%)の方が多いという結果が出ました。

 

 こうして考えると、民主党内の予備選挙で勝利して大統領選挙本選挙の民主党候補者になるためには、左寄りの政策を訴えねばならないが、それで本選挙に勝てるかどうかは分からない、社会主義者だと受け止められたら、勝利者はおぼつかない、というジレンマに陥ることになります。

 

 2008年と2012年の大統領選挙でバラク・オバマが勝利を収めましたが、そのどちらの時もジョン・マケイン(と副大統領候補サラ・ペイリン)、ミット・ロムニー(と副大統領候補ポール・ライアン)は共和党の予備選挙で勝利するために右に寄り過ぎたために、本選挙で勝利を収めることが出来ませんでした。こうしたジレンマに2020年の民主党が陥る可能性があります。

 

 こうして見ると、トランプ大統領は決して不利な状態に置かれているのではないということが分かります。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:10名中4名がトランプ再選に投票と答える(Poll: 4 in 10 would vote to reelect Trump

 

カイル・バラック筆

2019年3月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/432358-poll-4-in-10-would-vote-to-reelect-trump

 

NBCニュース・ウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査の結果が日曜日に発表された。調査に答えた人の41%が来年の大統領選挙で「絶対に」もしくは「高い可能性で」トランプ大統領に投票するだろうと答えた。

 

約半数にあたる48%が「絶対に」もしくは「高い可能性で」民主党の候補者に投票するだろうと答えた。

 

今回の世論調査では、トランプ大統領の仕事ぶりに対する支持率は1月に比べて3ポイント上昇し、46%であった。

 

共和党支持者の大多数は大統領の仕事ぶりを評価し、地方在住者、大学の学位を持たない白人、男性、白人全体の過半数も評価した。

 

一方、アフリカ系アメリカ人の大多数がトランプ大統領に対して否定的な考えを示した。ラティーノ、女性、18歳から34歳までの人たち、大学の学位を持つ白人、無党派の過半数も否定的な考えを示した。

 

NBC・ウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査は2019年2月24日から27日かけて900名の成人に実施され、誤差は3.3ポイントである。

 

=====

 

NBC・ウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査:2020年の大統領選挙はトランプ大統領にとって困難が待ち構えているが、共和党員や支持者からは強固な支持を獲得(NBC News/WSJ poll: 2020 race will be uphill for Trump, but he has strong party loyalty

―NBC・ウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査の結果では、トランプ大統領はロシア疑惑に関する捜査と国境の壁建設について向かい風を受けているが、共和党員や支持者からの強固な支持と好況によって支えられている、という結果が出た

 

2019年3月3日

マーク・マレー筆

NBCニュース

https://www.nbcnews.com/politics/meet-the-press/nbc-news-wsj-poll-2020-race-will-be-uphill-trump-n978331

 

ワシントン発。2020年の大統領選挙まで1年半を残す時期になった。最新のNBCニュース・ウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査によると、ドナルド・トランプ大統領は再選に向けていくつかの障害に直面していることが分かった。

 

10名中4名が来年のトランプ大統領の再選に投票すると答えた。58%の人がロシア疑惑についてトランプ大統領が正直で信頼に足る人物ではないと考えていると答えた。60%が大統領の国境の壁建設のための国家非常事態宣言に対して支持しないと答えた。

 

しかし、トランプ大統領を倒したいと考えている民主党員や支持者たちは自分たちに対してハードルを設定している。大統領の仕事ぶりに対する支持率は安定しているし、共和党員や支持者たちの約90%が支持している。アメリカ人の過半数は経済に対して信頼を持っており、翌年に景気後退にはならないと確信している。

 

これらをまとめ、NBC・ウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査を実施した民主党系と共和党系の世論調査専門家たちは、2020年の米大統領選挙は接戦とはならないだろうと予測している。

 

民主党系の世論調査専門家ピーター・ハートは「ゲームの現在の状況は45対55で大統領に不利となっている」と述べた。

 

共和党系の世論調査専門家ビル・マキンターフは更に「こうした経済に関する数字が変わらなければ、現職大統領が有利ということになる」と述べている。

 

そして、もう一人の民主党系の世論調査専門家フレッド・ヤンは、大統領選挙の形は、トランプ大統領に対する民主党の候補者が正式に決まる時に変わるだろう、と述べた。

 

ヤンは更に「2016年の選挙で私が痛みを感じながら学んだもう一つの教訓は、選挙というものは候補者たちの中から1名を選ぶことで、1名に対して支持するか、しないかの投票ではない、ということだ」と述べた。

 

NBC・ウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査は2019年2月24日から27日まで実施された。この週はトランプ大統領にとって大変な週となった。トランプ大統領の元顧問弁護士で裏の汚れ役を務めたマイケル・コーエンに対する連邦議会の公聴会、アメリカと北朝鮮との間の核開発に関する交渉が失敗に終わったこと、民主党が過半数を握っている連邦下院がトランプ大統領の国境の壁建設をめぐる非常事態宣言を覆えそうとしていることなどが起きた。

 

■トランプ大統領の仕事に対する支持率は46%

―トランプ大統領の支持率は就任以来比較的安定している

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大統領に対する姿勢は一定を保っている。アメリカ人の46%がトランプ大統領の仕事ぶりを評価している。これは1月に比べて3ポイント上昇となった。しかし、この上昇は誤差の範囲内である。

 

トランプ大統領への支持率が高い諸グループ:共和党支持者(88%)、地方在住者(60%)、大学の学位を持たない白人(60%)、男性(54%)、白人全体(54%)

 

トランプ大統領への支持率が低い諸グループ:アフリカ系アメリカ人(88%)、ラティーノ(64%)、女性(61%)、18歳から34歳までの人々(57%)、大学の学位を持つ白人(55%)、無党派(51%)

 

有権者登録をしている人の41%が2020年の大統領選挙でトランプ大統領に「絶対に」「高い可能性で」投票するだろうと答えた。一方、民主党の候補者に「絶対に」「高い可能性で」投票するだろうと答えたのは48%だった。

 

■2020年にトランプに投票すると答えた割合対歴代大統領

―トランプ大統領に関して、大統領在任期間中の同時期に再選に向けた数字で、オバマ前大統領、ブッシュ前大統領よりも悪い数字が出た

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これらの数字は2012年大統領選挙に向けた同じ時期2011年にバラク・オバマ前大統領が直面した数字よりも悪い数字になっている。2011年の時には、オバマ大統領(当時)に投票するだろうと答えたのは45%で、共和党の候補者に投票すると答えたのは40%だった。

 

しかし、トランプ大統領の数字は、1995年1月段階のビル・クリントン元大統領の数字とほぼ同じだ。この時、38%がクリントン大統領(当時)に投票すると答え、42%が共和党の候補者に投票すると答えた。

 

オバマ前大統領、クリントン元大統領は共に再選を果たした。

 

●大統領の人物像として最も人気の高いものと最も人気が低いもの

 

最も人気が高い人物像:アフリカ系アメリカ人(合計で87%が「熱烈に支持」もしくは「受け入れやすい」と答えた)、白人男性(86%)、女性(84%)、ゲイかレズビアンの人物(68%、2006年の43%から上昇)

 

最も人気が低い人物像:イスラム教徒(49%が「熱烈に支持」もしくは「受け入れやすい」と答えた、2015年の32%から上昇)、75歳以上の人物(37%)、社会主義者(25%)

 

■社会主義者であること、もしくは75歳以上が大統領選挙候補にとって最も望ましくない人物像

―40歳以下の人物はより多くの有権者が受け入れている

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社会主義に関しては、アメリカ人全体の18%がこの言葉を肯定的にとらえ、50%が否定的にとらえている。

 

資本主義という言葉に関してはちょうど逆の結果が出た。50%が肯定的に、19%が否定的にとらえている。

 

●民主党支持者たちは現実主義よりも大胆さを選ぶ

 

これから1年後に民主党の予備選挙が実施される。そうした中で、民主党の予備選挙に参加すると答えた有権者のうちの55%が、大きな変化をもたらすであろう政策(そのためのコストと法案通過の困難さはあるにしても)を提案する候補者を望むと答えた。一方、42%は変化をもたらさない(コストは低く、法案通過もより容易)であろう候補者を支持すると答えた。

 

更には、民主党予備選挙に参加すると答えた有権者の56%が、自分たちの考えと合う諸問題についての考えを持つ候補者を望むと答えた。一方、40%は2020年の選挙でトランプ大統領を打ち破る最良の機会を民主党に与える候補者を望むと答えた。

 

共和党系の世論調査専門家マキンターフは「民主党の予備選挙に参加する有権者たちはより大きな変化と彼らの考えに沿う政策を訴える候補者を探しているということを示す兆候であると私は考える」と述べている。

 

2020年の選挙(大統領、連邦上下両院、知事)に関して、38%の人々が、二大政党制は著しく破壊され、第三党が必要になる、と答えた。この数字はまだ少数派ということになるが、1995年以降、この質問で出た最高の数字ということになる。

 

共和党に関しては、共和党の予備選挙に参加すると答えた有権者のうち37%がトランプに対抗する候補者が出て欲しいと答え、59%がその考えに反対した。

 

●約60%がトランプ大統領はロシア疑惑に関して正直に発言していないと答えた

 

2016年の米大統領選挙に対してロシアが介入したのではないかという疑惑に関する捜査について、37%のアメリカ人がトランプ大統領は正直であり信頼に足ると考えていると答えた。一方、58%はそうではないと答えた。

 

支持政党で見ると興味深い対比が出てくる。共和党支持者の75%は、トランプ大統領が正直で信頼に足る人物だと考えていると答え、無党派の27%、民主党支持の6%がそのように答えた。

 

ロバート・ムラー特別検察官によるロシア疑惑に関する捜査に関し、48%がトランプの大統領職に対する適格性についてこれまでよりも大きな疑念を抱くようになったと答え、47%がより大きな疑念を抱いてはいないと答えた。

 

そして、アメリカ人の3分の2にあたる、66%が、ムラー特別検察官の捜査結果を公開して欲しいと答えた。

 

●経済についての楽観論と悲観論

 

経済に対する見方については、アメリカ人の53%がこれからの12カ月でアメリカが景気後退に入ることはないと考えていると答え、33%がそれに不同意すると答えた。

 

しかし、各人の経済状態について質問すると、59%が2019年は消費を抑制し、貯蓄に回す年だ、何故ならより厳しい時代がやってくると考えているからだ、と答えた。一方、34%は、2019年を消費拡大と機会獲得の年になると考えていると答えた。

 

NBC・ウォールストリート・ジャーナル紙共同世論調査は2019年2月24日(日)から27日(水)にかけて900名の成人に対して実施された。その半分は携帯電話で行われた。誤差は±3.3ポイントである。

 

世論調査はまた有権者登録をしている720名(誤差は±3.7%)、民主党の予備選挙に行く答えた247名(誤差は6.3%)、共和党の予備選挙に行くと答えた210名(誤差は6.8%)に対しても実施された。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 前回、トランプ大統領の一般教書演説についての記事などをご紹介しました。私が一般教書演説を聞いていて驚いたのは、「社会主義に対する警告」でした。私が若い頃に、持て囃されたフランシス・フクヤマの「歴史の終わり」論では、資本主義(Capitalism、キャピタリズム)と民主政治体制(Democracy、デモクラシー)が最終的に勝利し、アメリカは勝利者だということになっていました。

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 しかし、21世紀のアメリカ議会で、大統領が自国内の社会主義を求める声に警告を発し、わざわざ「アメリカは社会主義国にはならない」と述べたというのは驚きでした。社会主義とは最も対極にある国であるはずの、資本主義と民主政治体制が高度に発達した総本山、アメリカで、大統領が社会主義の台頭に言及したというのは驚きでした。それくらいに、人々の平等を求める声、格差是正を求める声がアメリカ国内で大きくなっている、ということが示唆されるものでした。

 

 2016年米大統領選挙民主党予備選挙でのバーニー・サンダースの善戦、2018年の中間選挙でアレクサンドリア・オカシオ=コルテスの登場など、「民主社会主義者」を自認する政治家たちが存在感を増しています。

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当該部分を聞くサンダース
 

 これはポピュリズムという幅の広い思想運動の中で、左派的な動きとして、民主社会主義者たちが台頭しており、この右派的な動きは、トランプ大統領の誕生であり、言ってみれば、コインの表裏の関係にあると私は考えています。

 

 トランプ大統領を支持したのは、旧来の共和党の支持者の一部に加えて、元々は民主党支持で、労働組合にも参加していた、白人の労働者たちでした。アパラチア山脈からラストベルトと呼ばれる五大湖周辺の工業地帯に住んでいる人たちです。大学教育など高等教育を受けておらず、所得が低い労働者は本来であれば民主党の支持基盤でしたが、トランプ大統領を応援しました。

 

 これは民主党がエリート主義に陥り、ウォール街の大手金融機関などから多額の献金を受ける政治家たちが増え、口では人権や福祉などを唱えるが、実際に貧困層や労働者のために何もやっていないではないか、更に言えば、移民やマイノリティの人権のことばかりで、白人である自分たちの人権のことなど何も言わない、という怒りが旧来の民主党支持者たちの間に広まり、こうした人々がトランプ大統領を支持しました。こうした流れには、人権や福祉に対する懐疑も加わっています。

 

 一方、左派的な動きもまた、既成の民主党主流派、民主党エスタブリッシュメントに対する怒りから出てきたものです。エスタブリッシュメントは民主党の支持基盤をないがしろにしている、ウォール街とのつながりが深いから大企業や富裕層の利益ばかりを守っている、という怒りから、進歩主義派、民主社会主義者が存在感を増すようになりました。

 

 右派ポピュリズムと左派ポピュリズムと分類して良いと思います。既存の政治家やシステムが一般国民である自分たちのためになっていない、活動していない、機能していないという怒りから、ワシントンを変えなければならないということになり、新しい政治家たちやこれまで隅に追いやられていた政治家たちを自分たちの代表としてワシントンの既存勢力を攻撃させるという動きになりました。人々の怒りと既存の存在に対する攻撃性はポピュリズムの特徴です。

 

 それにしても、一般教書演説で、「社会主義」という言葉が出てきたのは驚きでした。中国を攻撃するためのレトリックなのかと思いましたが、アメリカ国内で社会主義を求める声が大きくなっていることに対する懸念であったということが驚きです。資本主義が高度に発達してその内包する矛盾が深刻になり、社会主義へと移行する、もしくは階級闘争が激化するというマルクスの考えが現実に起きているかのようです。

 

 アメリカでは長く国民皆保険ということはタブー視されてきました。何度もこの話はしているのですが、今回もします。2000年代前半に私はアメリカの大学に留学しました。そこで、日本政治の授業を履修しました。先生は日本の大学に留学経験もあり、日本語も堪能な人でした。日本の社会保障制度を取り上げた授業の回がありました。そこで、ポロっと「日本は国民皆保険です。国民皆保険ではないというのは、世界の先進国ではアメリカだけです」と言いました。何の悪気もなく、アメリカを批判するということでもありませんでした。

 

 しかし、次の授業の際に先生は「前回、私は世界の先進国の中で国民皆保険ではないのはアメリカだけですと述べました。これはアメリカを批判する意図ではありませんでした。また、私は社会主義者ではありません」と冒頭に述べました。私は驚いて、授業の後にどうしてそのような発言をなさったのですか、と質問したところ、「学部の事務所に学生の親という人から電話があって、アメリカを批判する反米的な社会主義者を雇っているのか、という抗議の電話があったから、説明しておこうと思って発言した」と教えてくれました。

 

 講義をしてきた親御さんは、国民皆保険は社会主義的な制度で、資本主義で自由主義なアメリカにはそぐわないと考えていたのでしょう。しかし、この考えに従うと、G7に加盟している先進諸国はほぼ全て社会主義国ということになります。

 

 アメリカには社会主義という言葉に対するアレルギーがあり、かつ、平等を志向するような政策には簡単に社会主義という言葉をレッテル貼りして非難する傾向があるようです。

 

 社会主義という言葉が21世紀のアメリカ議会の議場で大統領の口から出たという事実、これがアメリカの最先端の状況を示しているように思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

オカシオ=コルテスや進歩主義派の人物たちがトランプ大統領は社会主義という言葉を威嚇戦術として使用したと批判(Ocasio-Cortez, progressives accuse Trump of using socialism as scare tactic

 

ジュリーグレイス・ブルフケ筆

2019年2月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/428663-ocasio-cortez-progressives-accuse-trump-of-using-socialism-as-scare-tactic

 

進歩主義派の民主党所属連邦議員たちは、トランプ大統領が一般教書演説の中で、アメリカ国内で社会主義を求める声が大きくなっているという警告を発したことを、威嚇戦術(scare tactics)を使って自分たちを危険だとレッテル貼りしたと批判した。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は記者団からトランプの発言について質問され次のように答えた。「素晴らしかったと思う。大統領は怖がっている。彼は全てのものが彼に迫ってきていると感じ、世論の支持を得るための戦いに敗れつつあることを認識している」。

 

オカシオ=コルテスは民主社会主義者で、昨年夏に民主党予備選挙で勝利を受けて、政治の世界で名声を獲得した。単一支払者医療保険制度(single-payer health care system)を主張するリベラル派の連邦下院議員たちの仲間入りをした。また、最富裕層に対しての税率を上げることとクリーンエネルギー分野での雇用を創出するためのプログラムに資金提供するための「グリーン・ニューディール(Green New Deal)」を主張している。

 

ニューヨーク州選出の連邦議員オカシオ=コルテスは、トランプの発言内容を「信じられない」ものと評し、「自分たちの提案に対抗するための実質的な提案を彼は出来ないのだ」と述べた。

 

プラミラ・ジャヤパル連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)は進歩主義派連邦議員連盟の共同会長だ。ジャヤパル議員は、議員連盟の提案は過激なものではなく、提案内容の多くは西洋諸国で既に実施されているものだと述べた。

 

ジャヤパル議員は「全ての人のためのメディケアや最富裕層への増税、グリーン・ニューディールのような素晴らしい考えをトランプ大統領は警戒しているのだと思う。それで彼はこうした考えに社会主義というレッテル貼りをしたいのだ」と述べた。

 

「トランプ大統領は先進諸国で行われている政策について懸念を持っており、それに社会主義というレッテルを貼りたいのだ。しかし、こうした諸政策は世界の先進諸国で実際に実行されている。これらの政策は先進諸国において制度化され、それらの上に社会が構成されている」。

 

一般教書演説の中で、トランプは社会主義によってヴェネズエラでは経済上、政治上の訳斎が引き起こされたと述べた。

 

トランプ大統領は演説の中で次のように語った。「現在、アメリカ合衆国の国内では、私たちの国で社会主義を採用しようという声が上がっている。これは警戒を要することだ。アメリカは、政府による強制、独占、統制ではなく、自由と独立の上に創設された。私たちは生まれながらに自由で、これからも自由であり続ける。今夜、私たちはアメリカがこれからも社会主義国となることは決してないという決意を新たにする」。

 

共和党側の出席者たちは演説のこの部分に対して、トランプ大統領にスタンディングオヴェイションで称賛を与えた。

 

新人のラシーダ・トレイブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)は議員当選以来、トランプ大統領に対して厳しい批判を行っている。トレイブ議員は、トランプ大統領が社会主義を理解していないと批判し、トランプ大統領の言葉によって国家の更なる分裂が進んでいると考えていると述べた。

 

トレイブ議員は「人々の多くは社会主義を理解していないと思う。図書館や郵便局は社会主義だと思う。我が国にあり私たちが大事にしている制度の多くは平等という価値観を基礎にしている」と述べた。

 

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 古村治彦です。

 

 アメリカ人の社会主義に対する拒否感は強いものがあります。それは、戦後アメリカがソ連との間で冷戦を戦い、1980年代末に勝利したことで、「自分たちが保持しているデモクラシー(民主政治体制)と資本主義が正しかったのだ、私たちは勝ったのだ」ということです。

 

 その後、市場至上主義によって、アメリカでは格差が拡大し、中間層が縮小し、更に、2008年のリーマンショックもあり、経済的に苦しいという人々が増えていきました。

 

 こうした中で、アメリカでは「富の再分配」を求める動きが大きくなっているように感じます。2016年の米大統領選挙では民主党のヒラリー・クリントンが有利であると考えられていました。しかし、民主党の予備選挙で、社会主義者を自認するバーニー・サンダースに苦しめられました。ヒラリーもリベラルですが、バーニー・サンダースは更に左派の立場を主張し、民主党内で大きな支持を得ました。

 

 そして、共和党側では型破りのドナルド・トランプが既成の政治家たちを次々と破り、共和党の候補者となりました。本選挙ではトランプがヒラリーを破り、大統領になりました。トランプを支持したのが旧来は民主党を支持していた、工業地帯(ラストベルト)の白人労働者たちであったという分析がなされました。「Make America Great Again」「America First」で、簡単に言えば、「アメリカ国民の生活が第一なのだ」ということになります。トランプ大統領をポピュリズムだという人たちもいます。トランプ大統領は、中国製品に対する関税をかけるという形で貿易戦争を仕掛けています。こうした関税をかけて国内産業を守れ、雇用を守れという動きは、1980年代の日米貿易摩擦を思い出していただくと、民主党側が主張する政策です。しかし、共和党で、自由貿易を守る立場であるはずのトランプ大統領が関税をかけて、貿易戦争を仕掛けています。

 

 下に掲載した記事で紹介されていますが、民主党支持者や党員たちの間で社会主義を肯定的にとらえるという人たちが増えているようです。これは今までの流れに沿うもので、「富の再分配」を求めるというアメリカ国民の間の大きな流れがあり、それが共和党、民主党両方に大きな影響を与えているということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ギャロップ社世論調査:民主党の党員たちは資本主義よりも社会主義を肯定的に見ている(Gallup: Dems more positive about socialism than capitalism

 

マイケル・バーク筆

2018年8月13日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/401527-gallup-more-democrats-positive-about-socialism-than-capitalism

 

ギャロップ社が月曜日に発表した世論調査の結果によると、民主党の党員たちは資本主義よりも社会主義をより肯定的に見ている、ということだ。

 

調査によると、民主党の党員で社会主義を支持すると答えたのは57%であった。この数字は2010年からほぼ変化していない。しかし、資本主義を肯定的に見ている割合は47%にとどまった。この数字はギャロップ社がこれまでに同様の質問で行った3回の世論調査の中で最も低い数字となった。

 

ギャロップ社は過去10年に同様の世論調査をしてきたが、民主党の党員たちの中で資本主義ではなく、社会主義をより肯定的に見る割合が上回ったのは初めてのことだ。

 

一方、共和党の党員たちは社会主義よりも資本主義を好んでいる。世論調査によると、共和党の党員の71%が資本主義を肯定的に評価し、16%が社会主義を肯定的に評価しているということだ。

 

民主党の党員たちの資本主義に対する姿勢の変更は、アメリカ政治において、自分のことを社会主義者、もしくは民主社会主義者だと考える候補者たちの躍進が起きているこの時期に起きていることなのだ。

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は、2016年の米大統領選挙の民主党予備選挙でヒラリー・クリントンを苦しめた。今年6月、民主社会主義者を自称するアレクサンドリア・オカシオ=コルテスはニューヨークの予備選挙で10期連続当選の現職ジョセフ・クローリー連邦下院議員を破ったことで、民主党の体制派に大きなショックを与えた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 日本の将来像を20年から30年先で表しているアメリカ社会で左派がどのように活動しているかについての記事をご紹介いたします。

 

==========

 

左派を再建したいですか?それなら社会主義について真剣に考えてみましょう(Want to Rebuild the Left? Take Socialism Seriously

―ネオリベラル的な経済政策とそれが生み出した格差が深刻化する30年間だった。私たちは今社会主義的理想が再生しているのを目撃している

 

クシュマ・サワント(Kshama Sawant)筆

3015年3月23日

『ザ・ネイション』誌

http://www.thenation.com/article/198425/socialist-politics-heart-rebuilding-left?utm_source=facebook&utm_medium=socialflow#

 

 2011年12月、シアトルのオキュパイ運動のキャンプの盛り上がりが退潮していっていた。この時、人々は次のように自問自答した。「次に来るのは何だ?」。この疑問は多くの人々に共有された。ニューヨークのザコッティ公園のキャンプでも同様であった。林立した点とは姿を消し、私たちの精神は捨て去られた。それでも何かしら力を得たという感覚はそのまま残った。

 

 オキュパイ運動は巨大企業に対する怒りと階級分裂の深刻化の認識を力強く主張していた。オキュパイ運動の成功の鍵は、オバマ大統領の当選に貢献した多数の若者たちの参加であった。彼らはそれぞれのアメリカンドリームの実現に向けての第一歩を記したばかりの人々だ。そんな彼らが直面したのは、大学の学位と引き換えにして得たのが多額の学生ローンと生活できないほどに低い賃金という現実であった。

 

 キャンプの中と外で、ウォール街の道徳面での破綻についての議論が戦わされ、それが資本主義の継続性事態に対する疑問に発展していった。資本主義の代替物に関する議論は、以前は行われていたがそれは姿を消していた。それが復活したのである。

 

 社会主義はこれまで何回も死を宣告されてきた。ベルリンの壁崩壊とそれに続く東欧諸国の「共産主義」体制の崩壊の後、世界の資本エリートたちはこれまでにないほどのレヴェルでイデオロギー的に攻撃的になった。彼らは社会主義に対してだけでなく、労働階級による団結しての闘争という考えに対しても追悼記事を書いた。

 

 ネオリベラリズムに基づいた自由を追求した政策が進められた最近の30年が過ぎて、格差がこれまでにないほど拡大したことで、階級に関する疑問が再び出てくるようになった。そして、社会主義思想における新たな利点が主張されるようになっている。2011年12月にピュー・リサーチ・センターの調査によると、18歳から29歳までの若いアメリカ人たちの半分が社会主義を積極的に評価しているという結果が出ている。

 

 オキュパイ運動が激化した冬、私の属する組織「ソーシャリスト・アルタナティヴ」で議論が沸騰した。2012年の大統領選挙を控え、大企業中心の政治に対する代替となるために、「ソーシャリスト・アルタナティヴ」はアメリカ全体99%の地域で選挙に候補者を擁立した。

 

 ここシアトルでは、ワシントン州下院議員選挙に社会主義的な「オキュパイ運動」の候補者として立候補した。アメリカの他の大都市と同じく、シアトルの政治の世界では民主党が独占的な地位を占めている。シアトルはアメリカで最も賃貸料の上昇スピードが速く、中心部の高級化が急速に進んでいる。その結果、富裕層がシアトル政治の中心となっている。私の選挙運動は、大企業中心のネオリベラル的な政治に対する賛成と反対を問う住民投票であった。私は率直に教育予算、公共交通予算、社会サーヴィス予算の削減に反対し、富裕層に対する課税強化と最低時給15ドルの導入を主張した。

 

 私は社会主義を主張した候補者としてここ数十年間で最高の得票数を記録した。そして、2013年にシアトル市議会議員選挙に立候補した。私は再び、反大企業的な要求を掲げて選挙運動を行った。賃貸料の規制、社会サーヴィスの完全無料化のために「百万長者に対する課税」、シアトル全体での最低時給15ドルを公約として掲げた。「ソーシャリスト・アルタナティヴ」に属する、既成政党に属さない独立系の立候補者として選挙運動を行ったのだが、現状維持的な大企業中心の政治に対する有権者の怒りを集めることができた。シアトルでは、市議会議員の議員たちは自分たちの給料を年12万ドルに設定している。これは、アメリカの大都市40の中で上から2番目の高給になる。私は大企業からの政治献金を受け取らず、私が市議会議員になったらシアトルの労働者の平均年収4万ドルしか受け取らないと公約した。私はまた、残りの8万ドルは各種の社会運動の構築のために使うと約束した。

 

 私の選挙運動には400名以上のヴォランティアの方々が参加してくれた。労働組合が支援してくれ、民主党左派の人々の間に支持基盤が広がっていった。更にはシアトル最大の独立系新聞『ザ・ストレンジャー』から強力な支持を得ることが出来た。そして、最低時給引き上げの雰囲気が醸成されていった。私が大企業の利益を代表しなければ、訴えた諸問題の解決することはできないはずであった。私以外の立候補者たち、ほとんどは民主党所属だったが、私が選挙運動で掲げた諸問題に触れることを徹底的に避けた。草の根運動の力がここで発揮され、ほとんどの政治家たちは選挙戦終盤の数週間で、私が訴えた諸問題について反応するようになった。そして、最低時給の引き上げを人々が求め、政治家たちは不熱心ながらも支持するようになった。

 

 今回、私は約9万5000票を獲得し、16年間にわたり議席を守ってきた現職を破り、当選することが出来た。定員9名のシアトル市議会には現在、民主党所属議員が8名、社会主義者の議員が1名属している。

 

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 私が選挙運動で訴えた諸問題解決に向けて多数派を構成する見通しは、市議会の外の、一般の人々と協力することがなければ全くない。しかし、市議会の中でたった1議席でも占めていることは、普通の人々の利益を増進させるためにはかけがえのないものとなる。

 

 市議会議員選挙から数週間して、ソーシャリスト・アルタナティヴと私は「15ナウ」運動を開始した。この運動は草の根運動で、シアトルの労働組合と共同して最低時給15ドル実現のために支持基盤を拡大しようとする運動である。2014年4月、3カ月の選挙運動と近隣共同体グループのシアトル市全体に張り巡らされたネットワークと共同して運動を構築の後、15ナウは「市条例修正」を市議会に提出した。シアトル財界のリーダーたちは11月に住民投票によって可決されることを恐れて、自分たちの敗北を限定的にするために、最低時給15ドル条例に賛成した。そして、この条例にはいくつかの落とし穴を彼らは設けた。

 

 条例に落とし穴(修正までの期間を長くする、チップを時給に含む、十代と障がい者に対する準最低時給)が設けられたのは、私たちの運動の努力に対する大企業側からの反撃の強さと民主党内部の複雑さを反映している。しかし、最終的には、富裕層からシアトルの10万人の低所得者に対して10年間で30億ドルを移転に成功したのである。

 

 大企業に対して比較的な運動の強さのおかげで、私が市議会議員になりたての1年目、次々と諸問題に対してこの同じ過程(広範な運動の形成)によって対処していった。私たちは「ピープルズ・バジェット」連合を形成し、社会サーヴィス向けの予算の増額を勝ち取った。その中には、女性ホームレスのための1年を通じたシェルター予算や野宿しているホームレスのための基本的なサーヴィス供給予算が含まれていた。私たちは給与の低い市職員たちの給料を合計で160万ドル分増額させ、労働法施行の強化を実現した。私たちは賃借人と地域共同体組織と一緒になって、低所得者向け住宅に対する、オーウェルの小説に出てきそうな悪夢のような攻撃と戦った。私たちはこれを「ステッピング・フォーワード」と呼ばれた。この攻撃はシアトル市住宅当局によるもので、5年間で家賃を4倍に引き上げるというものであった。アメリカ先住民の活動家たちを組織化して、私たちは「インディジェナス・ピープルズ・ディ」(アメリカ全体ではコロンブス・ディとして祝日になっている)を創設した。これは、植民地主義の下で行われた野蛮な暴力と大量虐殺に焦点を当て、アメリカ先住民共同体で今でも続く貧困化と孤立化に対する戦いの必要性を認識するためのものであった。私たちは抑圧的な課税、賃貸料の値上げ、気候変動、少年犯罪に対する運動を拡散し、支援する手助けをしている。

 

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 これらの前進全ては私たちが必要としている根本的な変化のほんの一部でしかない。低所得者向けの住宅を守ることに成功したことは大きな勝利であるが、私たちはさらに多くの住宅を建設しなければならない。社会サーヴィスのための予算を引き上げることは必要なステップであるが、さらに多くの人々が社会サーヴィスを必要としている。純粋な社会主義は社会全体を計画し、合理的で、民主的な、そして持続可能な基盤に基づいた経済を意味する。そして、環境を守りながら全ての人々に高い生活水準を保障することである。

 

 社会主義的なシアトル市政を発展させようとするいかなる試みも不可避的に資源と技術の面で制限がかかってしまう。また、地元以外からの政治的な攻撃も起きている。政治的な攻撃は最低時給15ドル実現に対して起きたように思われる。シアトルで最低時給15ドルが実現したことで、ワシントン州レヴェルでシアトルの最低時給条例を非合法化することを目的とする動きが起き、この条例は脅威に晒されている。社会主義者たちは、アメリカ全土、そして世界規模での労働者たちの相互依存からの強さを引き出すことで、これらの諸問題を乗り越えることが出来る。

 

 アメリカの左派は共和党と民主党の外側に構築されねばならない。民主、共和両党の指導者たちは繰り返し、超富裕層と資本主義システムを擁護するために努力すると表明している。両党から独立した労働者階級の力を構築することでのみ進化が起きるのだ。

 

 今年もまた経済格差、人種と性別に基づいた抑圧、警察の暴力、気候変動に対する闘争が継続されるだろう。こうした問題に直面して、私が市議会議員として得た経験が社会主義を現実政治に活かすために役立てると希望を持っている。アメリカの労働組合の再建にも役立つと考える。

 

 私たちが勝利を得るには、左派が労働者階級と虐げられた人々の利益を擁護するかどうかにかかっている。どれほど支配エリートが受け入れられ、資本主義と共存できるかということに関係なく、左派は労働者階級と虐げられた人々の利益をしっかり守ることが大切なのだ。

 

 これが政治に対する社会主義的アプローチの重要な要素なのである。

 

(終わり)









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