古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:祥伝社

古村治彦です。

 今回は、副島隆彦の最新刊『金融恐慌が始まるので 金(きん)は3倍になる』(祥伝社)をご紹介します。発売は12月1日です。
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金融恐慌が始まるので 金は3倍になる

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にして、是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

まえがき

 この本の書名は、『ドルが没落するので 金(きん)は3倍になる』である。まさしくそのまま本書を貫(つらぬ)く私の主張である。なぜ金(ゴールド)が、これから今の3倍になるのか。しかも、それは3年後(2027年)である。その理由は、アメリカの金融市場が崩れて(コラプス)米ドルによる世界支配が終わるからだ。だから、まだまだ今のうちに金を買いなさい、という本である。

 とくに、これまでまだ一度も金(きん)を買ったことのない人は、「今すぐ買いなさい」と私は言う。それに対して。これまでに金を買ってきた人は、金(きん)1グラム=9000円(小売り)を割ったら買いなさい。金は9月の終わりから10月の初めにかけて、少し値下がりした。だから、値下がりの節目(ふしめ)である小売り(リーテイル)で9000円(卸売[おろしうり]、ホールセールスで8000円)になったら、買い増しなさい。とくに、これからは金貨(ゴールドコイン)で買い増しなさい。その買い方は、本書P28以下で、指図(さしず)します。

 金の値段(小売)は8月29日に1グラム=1万円を突破した。このあと1万円を割って、9621円(10月6日) まで下がっている。だが、大きくは、すでに達成された1グラム=1万円(小売)の大台は維持されて基調は変わらない。10月26日には1万0569円の高値を付けた。いくらアメリカ政府(米財務省とFRB)とゴールドマン・サックスが結託(けつたく)して、米ドルの信用を守り抜くために、金(きん)への憎しみを込めて、金(きん)の先物市場(ペイパー・ゴールド。証券化された紙キレの金)を使って、NY先物(さきもの)市場(フューチャー・マーケット)で金(きん)の値段を、必死で上から叩いて押し潰(つぶ)すとしても、もう、そろそろ限界に来つつある。

 現在の世界の金融・経済は、もう何が起きてもおかしくはない。それぐらいの激しい変動期に入っている。

 表面上は、金融市場(株(ストツク)と債券(ボンド)と為替(FX)など)は今も穏やかに、大変化は起きていないように見える。いや、そのように見せかけている。だから、世界の足元の地盤(グラウンド)はしっかりしているように見える。だが本当は、アメリカを中心にしてかなりぐらぐらとしている。これを loose the ground(ルーズ・ザ・グラウンド) という。地盤が崩れつつある。

 比較相対的(comparatively[コンパラテイヴリー])に、日本は大丈夫である。なぜなら、ここまで30年間、日本はずっとヒドい不況と不景気(これがデフレ経済)で痛めつけられて、日本の国民生活はヒドい貧乏状態を続けてきた。だから、日本は足腰がしっかりしているのである。目下(もっか)の世界を吹き荒れる、金融恐慌と大戦争(核戦争(ニユークレア・ウオーフエア)を含む)の予兆と恐怖が押し寄せても、日本国民は、さらにじっと我慢して、この大混乱期を乗りこえるだろう。

 私はこれまでずっと当たり前のことを書いてきた。私はこの生き方の態度を変えない。この26年間、自分が書いてきた本たちで、ずっと「金を買いなさい。必ず上がるから」「アメリカ発の金融恐慌になる。アメリカは、世界覇権(ワールド・ヘジエモニー)を失う」と、ずっと書いてきた。1998年6月に出版した『悪(あく)の経済学』(祥伝社刊)から、ずっとである。

 このことで私は、自分の主張が26年間まったく変わらないことを確認できる。あの26年前の1998年ごろは、金1グラムは1200円であった。だから1キロの延()べ板で120万円だった。それが26年後の今、1グラム=1万100円になったので、1キロ=1000万円である。8・4倍である。これ以上は、私は自分で自分を褒()める言葉を使わない。自惚(うぬぼ)れでものを言う奴を、人々は軽蔑するからだ。すべては、冷静な客観的事実(オブジェクティブ・ファクト)で判定される。

 この私が、これから3年後には、金1グラムはさらに実質3万円(小売)になるだろうと書くのだから、皆さんは私の主張に耳を傾けるべきだ。

 もう、私の、この一見(いっけん)、傲慢(ごうまん)な書き方に、書評(ブックレビュー)で悪罵(あくば)を投げる者はいなくなった。金融の専門家を名乗る人々を含めてだ。「副島、ハズレー」と以前書いた者たち自身が、ハズレーの人生を歩んでいる。

 どうやらウクライナでの戦争は、ロシアの勝ちのようである。日本国内では今もテレビ、新聞を始め、「ウクライナ軍が勝利、前進をしている」という報道がまだずっと続いている。まともな知能と判断力を持つ人ならば「あれ、おかしいなぁ。ロシアと中国がそんなに負けているようには見えない」と思っている。この感覚と判断が正しい。私たちは、日本国内の、嘘だらけの洗脳報道に騙(だま)されないようにしなければいけない。あいつらはアメリカの手先たちだ。

 アメリカ政府は、もうほとんど金(きん)を持っていない。貿易決済(ぼうえきけっさい)用に金(きん)を全部使ってしまった。これまでずっと公表されてきた8200トンは、ほとんど無い。ケンタッキー州のフォート・ノックス米陸軍基地の洞窟(どうくつ)にあるFRB(NY連銀[ニューヨークれんぎん])の金庫は、ほぼスッカラカンである。ただし、アメリカの金持ち層は、イーグル金貨(コイン)(アメリカの国章である白頭(はくとう)ワシの絵が刻印されている)を中心に、金(きん)を持っている。

 この本では、その他いろいろの金融市場の数値や金融理論を使いながら、ドルによる世界支配がもうすぐ終わることを証明していく。

 私の本の書き方は、横綱相撲である。私は今さら、私と対立する主張をする者たちを大技(おおわざ)で投げ飛ばすことはない。投げ飛ばすと自分の体にも打撃が来るからだ。それよりは、ぐっと両手で相手を押さえて、じりじりと押してそのまま土俵を割らせる。これが横綱相撲である。そろそろ、周(まわ)りの人たちからもそのように見えるだろう。

副島隆彦

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まえがき

1章 金(きん)の値段は3倍にハネ上がる

● 金は再高騰して、1グラム=1万4000円へ

● なぜ「売り」と「買い」の差額が、わずかなのか

●「野口(のぐち)コイン」を勧める

● 金貨〝ヒロヒト・コイン〟の謎

● 買取業者に注意せよ

● その古い金貨(アンテイーク・コイン)は本物か

● 金1グラムが、いくらになったら買い時なのか

● 金・ドル体制が終わる

●「金〝資源〟本位制」が世界規模で誕生する

● 米ドルは世界の基軸通貨ではなくなる

2章 世界で「脱ドル化(デイー・ダラライゼイシヨン)」が進んでゆく

● 世界の中心が、欧米から貧乏大国同盟に移ってゆく

● 脱ドル化(ディー・ダラライゼイション)が世界で進む

● 2024年、BRICS新通貨(BRICS債券)の誕生

●「アメリカの副島隆彦」は何を書いたか

● 世界中の有識者たちが震え上がった

●「ドル覇権(ヘジェモニー)の崩壊」が始まる

● 米国務長官と財務長官は、なぜ慌(あわ)てて中国へ行ったのか

● だから金は、3年後、3倍に跳()ね上がる

3章 金利(イールド)の上昇から不景気(リセツシヨン)突入へ

● 造幣局の職員が金貨を売る

● 中央銀行は、財務省の振り出す国債を引き受けてはいけない

● 近代経済学(アメリカ計量経済学)の滅亡

● 属国・日本は耐え続ける

● 米国債の利回りが上昇している。要注意だ

● 格下げされた米国債

●「利回りの上昇」から「景気後退」を予測したアナリスト

● リスク資産(株式)の暴落が起きるだろう

● 日本はインフレではない

● アメリカ人のバブル不動産投資は止まらない

● 不況入りの条件が整った

● なぜ実質金利(リアル・イールド)が重要なのか

● 住宅ローン金利は、日米でこれほど違う

● 株価だけが異常に高い2社

● リセッション(不景気突入)は、いつ来るか

4章 お金も腐る

● 中古品が投げ売りになって、モノが腐る

● 銀行が買った日本国債を日銀の口座に寝かしておくと……

● 危ない銀行と健全な銀行

● 米地銀、連鎖破綻の真相

● 債券市場(ボンド・マーケツト)が恐ろしいことになっている

● 次のシリコンバレー銀行(バンク)はどこか

● SBI新生銀行を中心に、日本の地銀の再編が進む

● ますます世界で「脱ドル化(デイー・ダラライゼーシヨン)」が進む

5章 半導体の先端技術で読むこれからの世界

● ファーウェイの最新スマホ「Mate(メイト) 60」の衝撃

● 半導体の「6分野」を説明する

●「線幅2ナノ」の技術競争に中国企業が加わった

● TSMCとトヨタとソニーの関係

● 日本のロジック半導体で起きた〝問題〟とは

● 量子コンピュータを世界で初めて開発した日本人

● アメリカが日本の半導体メーカーを潰した

● 私は日米半導体戦争の動きを見続けてきた

● 東芝はNAND型フラッシュメモリーの発明者を冷遇した

● キオクシアとWD、経営統合の裏で……

● 中国の技術がアメリカを凌(りよう)()する

● 中国が主導する世界最先端企業連合

●「台湾有事」と騒ぐな

● アップルの製品は、ほとんど中国製だ

● GAFA+Mの「土台」となる半導体企業が重要だ

● ナノチップ製造に必要な露光装置

● NAND型について、副島隆彦が説明する

あとがき

巻末特集

半導体の新技術で

大成長する15銘柄

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あとがき

 この本を書き上げて、私の頭の中ではっきりと纏(まと)まったのは、私が作った「お金も(退蔵[たいぞう]していると)腐(くさ)るのだ」理論である。これは、経済学理論としてきわめて斬新(ざんしん)なものであり、おそらくこれまで誰も提言しなかった。私はすでに、アメリカ理論経済学(近代経済学(モダーン・エコノミツクス)の現代版)は、学問(サイエンス)としては死んで絶滅した、という本を1冊書いている。『経済学という人類を不幸にした学問』(日本文芸社、2020年刊)である。

 アメリカ帝国の〝衰退と没落(フォール・ダウン)〟が誰の目(頭)にも明瞭になって来た。それは世界政治の勢力論としてだけでなく、金融・経済の領域では、米ドルによる世界一局支配が一気に崩れつつあることからも分かる。世界貿易の決済通貨としての米ドルの比率は、もうすぐ50パーセントを割るだろう。

 英と米がウクライナ戦争を用意周到に、虎視眈々(こしたんたん)と仕掛けて、ロシアのプーチンを罠(わな)に嵌()めようとした。ロシアルーブルを国際送金決済システム(SWIFT[スウィフト])から遮断(しゃだん)し、追放した(2022年2月)。そのことで、かえって、現在も続く金ドル体制(およびドル石油体制)が動揺し、打撃を受けた。そして中東産油諸国(アラビア、イスラム圏)が、アメリカの支配から脱出しつつある。このことによく表われている。

 私が本書で唱導(しょうどう)する「お金(マネー)も腐(くさ)る」論は、米ドルという通貨(カレンシー)の信用崩壊は、その背後にある「10年物(もの)米国債の暴落」という債券市場(ボンド・マーケツト)で長期金利がハネ上がってゆくことが、今のアメリカの最大の危機であり、もうすぐ金融(および財政)危機(マネタリー・アンド・ファイナンシャル・クライシス)が起きる必然を洞察(どうさつ)したことである。

 ここで「金利が上がる」とは、中古の(既発債の)国債市場で、実質利回り(リアル・イールド)real yield)の下落が、市場関係者たちの、目下の最大の恐怖の的(まと)であることを、本書で描き出したことにある。これが「お金も(放っておくと)腐る」理論として、私の頭の中で結実した。

 本書書き上げの伴走は、いつものとおり岡部康彦氏にお願いした。コロナ・ウイルス騒ぎとワクチンという、これもアメリカが仕組んだ日本民族抹殺計画に、身をもって自分の体の痛みに耐えながら、この本は成った。記して感謝します。

2023年11月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『金融暴落は続く。今すぐ金を買いなさい』(祥伝社)をご紹介します。発売日は2022年11月1日です。
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金融暴落は続く。今すぐ金を買いなさい

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

まえがき

 この本で書く一番大事なことは、以下の事実である。

 実は金(きん)の価格が、世界値段では、ものすごく値上がりしているという事実である。金は、実はロシアをはじめBRICs(ブリツクス)諸国では、1オ(ウ)ンス( once 31・1グラム)で、2700ドルである。これの日本円での価格は、ちょうど1グラム=1・2万円である。金はもう1グラム=1万円を超えているのだ。

 ところが、私たちが今、日本国内で金(きん)を買おうとすると、1グラム=8600円ぐらい(田中貴金属の小売値段)である。安い。100グラムの金の小さな板だったら86万円である。1グラムあたり、世界値段と3400円の差が出ている。

 いったい何が起きているのか。

 ただし私が「世界値段」と書いたのは、ロシア政府が6月に、「金1グラムを、=5000ロシアルーブルとする」と決めて固定したからである。この固定値段を、フィックスト・プライス fixed price と言う。ロシア中央銀行は、世界に向かって、金の地金(じがね)を持参した人にこの値段で買い取ると発表した。だから前述したように、日本円なら1グラムを1万2000円なのである。現在「1ルーブル=2・4円」である(図表を参照)

 だが日本人は、1キロの金の延()べ板(いた)を(自分の)ポケットに入れて、モスクワに飛行機で飛んでいくわけには、そう簡単にはいかない。

 今、日本の金券ショップ(古物商の認可だけ)では、金(きん)1グラム=8460円とかで買い取っている。いわゆるバッタ屋と呼ばれる「おたからや」や「大(だい)(こく)()」のような業者が、どんどん金を買い取っている。それらの金(きん)は、いったいどこに行くのか。興味津々(しんしん)である。

 まさか日本の暴力団とロシアのマフィアが組んで、北海道の漁民たちの漁船で、いつもはタラバガニやシャケやウニを、半分非合法で買い取っている、その船でロシアに金の地金(ゴールド・インゴット)を持ち出しているか分からない(笑)。

 このように金の値段はどんどん上がっている。アメリカは、自分のドル体制とドル紙幣を守りたいから、憎(にく)き金の価格をニューヨークやシカゴでたたき落している。貴金属の先物(さきもの)の市場で、金ETF(イーティーエフ)という仕掛けを使って、たたき落している。政府自(みずか)ら、こんなみっともないことをしている。

 アメリカ政府(NY連邦銀行が係)は、公表している8300トンの金を、もうほとんど持っていない。すっからかんなのだ。だから金が憎らしくて憎らしくて仕方がない。

だから、この本の読者になってくれる皆さんは、金の価格は、これからもっと2倍、3倍になってゆくのだという私の考え(近未来への予言)を信じてください。

 この本の第1章から、このことをガンガン書いていきます。

 ここまで書いたとおり、金(きん)は次第に世界値段のほうに近寄ってゆく。だから、日本国内でも1グラム=1万2000円になる。わざわざ金の延()べ板(いた)を、暴力団に頼んでロシアに持ち出さなくても(笑)、手持ちの金を黙ってじっと持っていればいいのである。

 だから、まだ金(きん)を買ったことのない人は、今からでもいいから金を買いなさい。あなたの旧(ふる)くからの友だちで、金を1グラム2000円とか、3000円で買った人たちを妬(ねた)んでばかりいないで。決心して買いなさい。もうすぐ買えなくなる。だから私はこの本の表紙に、表題(タイトル)に「今こそ金を買いなさい」と打ち込んだ。

 すでに金(きん)を買ってたくさん持っている人たちは、新たな金融制度の大変動(新円切り替えのリデノミネーション)が起きたときに、さらに金の値段も上がるのだが、そのときどのように売るかは前の本で書いた。「それは何ですか、教えてください」という人は勉強が足りない。人が儲かったことを妬(ねた)んで羨(うらや)んで嫉妬(しっと)してばかりいないで、自分で動きなさい。

副島隆彦

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目次

まえがき

1章 金は〝世界値段〟に近づいてゆく

● 金の世界値段は1グラム=1万2000円

● 値段の格差を、どう埋めてゆくか

● 米政策金利はどこまで上げられるのか

● 金利の上げ下げは政府の武器

● 危険な相場と国家自身が張る金融バクチ

● アメリカに迫り来るバブル崩壊

● 危険な債券市場に手を出すな

● 債権()と債券()の違い

● 年金が半分に減らされる!?

● 本当の円とドルの力を「購買力平価」で見る

● 中国人が日本のワンルームマンションを買う理由

● 私たちは、生きてゆく

2章 金融暴落は続く

● 連鎖する大暴落

● 自分で自分に借金をしている

● 2023年末、NY発の大恐慌突入

● ウクライナ開戦と同時期の金融緩和

● 〝日本売りの仕掛人〟は、なぜ負けたのか

● なぜ円安が進んだのか

● ミセス・ワタナベの勝利

● リーマン・ショックの再来

● ドルペグ制の仕組み

● 英ポンドを暴落させたジョージ・ソロス

● 米国債の秘密

● 中国が米国債を売れば、アメリカの金融市場は崩壊する

● 米国債を売らせない法律とは

3章 世界恐慌突入は2024年

● 世界経済体制が変更される

● アメリカを襲う不動産バブル

● ノンバンクがふたたび暴れる

14年前、リーマンは人身御供にされた

● 資本主義の原理を政治力でゆがめた

● 2024年、大恐慌突入の序曲

● 日本の不動産を買う中国人や韓国人たち

4章 賢く金を買う

● 金の値段をどう読むか

● 金の売り方と金券ショップ

● 金券ショップが買い集めた金は、どこへ行くのか

● 自分の金は倉庫業者に預けなさい

● なぜパラジウムは値上がりするのか

● プラチナの可能性

● ソフトバンク、5兆円赤字決算の原因

●「アリババへの投資を5分で決めた」は本当か

● QRコードで成長するPayay

● 新生銀行買収と北尾吉孝

● テレビ朝日買収騒動と孫正義の黒幕

●「評価」と「再評価」は違う

5章 資源〝貧乏〟大国が台頭する

● 仮想通貨を買ってはいけない

● ロシアルーブルは強い

● 金本位制が復活する

●「8515」の時代

● 人民元がルーブルと結合した

● SWIFTからCIPSへ

附章 安倍晋三暗殺の真実

● 統一教会への組織解散命令

● カルトとは何か

● 副島隆彦も命を狙われた

●〝安倍処分〟を世界最高度で決定した者たちの実名

あとがき

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あとがき

 この本を書き終えて、つくづく思う。

 私は、この「エコノ・グローバリスト・シリーズ」25冊を毎年1冊、1998年から書いて出版し続けてきた。

 四半世紀が経()って、まさしくエコノ・グローバリスト econo-globalists たち、すなわち「経済面の地球支配者」たちが滅びつつある。彼らの現在の通称(つうしょう)は、 the Deep State(ザ・ディープステイト) である。

 際限なく(リミツトレス)刷って世界中に垂れ流したドル紙幣が、およそ100兆ドル(1・4京[けい]円)ある。それと貸借(たいしゃく)を取っている米国債の無制限の大増刷が、もはやこれ以上は許されない時代になりつつある。

 なぜならロシアのプーチン大統領が、今年の4月から、ロシア産天然ガスはルーブル通貨でしか売らない、と宣言した。それと同じくして、金(きん)を固定価格(フイツクスド・プライス)にして、「金1グラム=5000ルーブルでロシア中央銀行が買い取る」とした。これで実物資産(タンジブル・アセット)に裏打ちされたお金しか通用しなくなる。

 欧米白人文明のG7(ジーセブン)体制に対決して、中国とロシアを先頭にした非白人の貧乏〝資源〟大国による〝新興国(ニユー)G8〟の連合が出来上がりつつある。「15(欧米):85(その他)」の世界である。

 このことを本書でずっと説明した。

 本書も祥伝社(を定年退職した)岡部康彦氏と、熱海の寓居(ぐうきよ)で寝泊まりして完成させた。記して感謝します。

 私たちは四半世紀、幾山河(いくさんが)を渡ってここまで来た。私は自分の命が尽きるときまで、このシリーズを書き続ける。

2022年11月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。
副島先生新刊書影

金とドルは光芒を放ち 決戦の場へ (単行本)

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『金(きん)とドルは 光芒(こうぼう)を放ち決戦の場へ』(祥伝社、2020年11月)をご紹介します。発売は2020年11月1日です。以下にまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき

 金(きん)の値段が、私が予測(予言)したとおり、この7月に大きく上昇した。

 私の言うことを聞いて、今年の5月にさらに金を買い増した(あるいは買い直[なお]した)人たちまでは大きな利益を出した。他の人たちのことは知らない。人それぞれがすることだから、千差万別(せんさばんべつ)である。

 人々の金銭欲望はすさまじい。「あのとき(手持ちの金[きん]を)売らないで、ずっと持っていたら今ごろ1億円になっていた」、「副島先生の言うとおり、金を早めに買い戻しておけば儲(もう)かったのに」と、悔やんでいる人たちの話は私の耳に入っている。

 私は一体、こういう欲ボケ人間たちのために、ずっと自分の金融本を23年間も書いてきたのか。きっとそうだ。誰でも分かるとおり、私は〝金買(きんか)え評論家〟であるから、みんなの期待を裏切ってはいけない。ただし、私の本を買って読んでくれる人たちだけの世界のことである。今ごろ急に、初めて私の本に近寄ってきて「金(きん)を買っておけばよかった」と言う人たちのことなんか知らないよ。

 でも私は、今年、降って湧いたコロナ馬鹿(ばか)騒ぎの中で、店のドアをそっと開けて入ると中にお客がたくさんいるレストランのオヤジ(経営者)のような気持ちで、ずっと金融本を書いてきた。朝、シャッターをガラガラと開けながら「今日は何十人、客が来るかなあ」と空の天気を見ながら、その日の仕入れや算段(さんだん)を立てている店主と、まったく気持ちは同じで、もの書き業をやっている。

 この半年間で私が一番大事だと思うのは、4月27日に、日銀・黒田東彦(くろだはるひこ)総裁が、「(市場から、いや本当は日本政府から)国債を無制限に購入する。必要なだけいくらでも買う」(新聞各社が報道)と言い切ったときだ。このことは1章で論じるが、こんな「いくらでも買って、お札(さつ)(現金、日銀券)を渡す。だから、財投債(ざいとうさい)でも大企業の社債でもCP(シーピー)(コマーシャル・ペーパー)でも、いくらでも持ってこい。無利子・無担保で、無制限に買ってやる」と言ったのである。このことの重要性を、ちょっとでも頭のしっかりした人は本気で考えなければいけない。

 日本経済に大変なことが起きている、という自覚がないなら金融や経済のことを考える資格も知能もないということになる。金融や経済の専門家ぶって、偉そうなことを言っているんじゃない! 世界の時流(じりゅう)に乗ってMMT(エムエムティ)(現代金融理論)に嵌()まるしかない若手の経済学者たちへの対応は、本書ではあまりできなかった。だが、彼らの国家社会主義[こっかしゃかいしゅぎ](ムッソリーニ主義)への危険な道を、私は見抜いている。

 CPというのは、例えば三井(みつい)物産や大成(たいせい)建設の本社の資金部が、ガチャンガチャンと、約束手形(プロミサリー・ノート)の用紙1枚に、2000億円とかを打ち込んで、そのまま日銀に持ち込むということだ。ただの約手(やくて)だ。そうしたら無審査で、手数料ただで、2000億円の現金が大企業の口座に振り込まれる、ということだ。民間銀行だったら、日銀に有()る自分の口座に自動的に付け替えられる。これが〝無利子(ゼロ金利)・無担保〟の時代だ。企業財産に抵当権を付けられることがないということなのだ。

 こんな恐ろしく馬鹿げたことを、米、欧、日の先進国の〝ダンゴ3兄弟〟はやっている。それを今や堂々と、恥ずかしげもなくやっている。中堅企業や中小企業であっても、県の財政局に「助けてください。資金繰(しきんぐ)りができない」と言いさえすれば、無利子・無担保で5億円ぐらいはすぐに下()りる。

 私は何も憂国(ゆうこく)の士()ぶって、現世(げんせ)を嘆き悲しんで、悲観して屈原(くつげん)が汨羅(べきら)の淵(ふち)に身を投げた、というようなドラマチックを装(よそお)わない。さっさと行くところまで行けばいい、と冷ややかに見ている。

 たった従業員5人、10人の製造業や流通業にも、無利子・無担保で7000万円の県の融資が下りたようだ。「そのお金で先生。オレは金(きん)を買ったよ。何に使ってもいい(使途[しと]を問わない)と言われたからさ」と聞いて、その社長と私は2人で笑った。世の中こんなもんだ。「まあ、5年で(元本[がんぽん]だけ)返せばいいんだから。その間に金(きん)がグーンと上がれば、我が社は儲かるよ」と言われた。「先生の予言は大丈夫でしょうね」と念を押された。私はギクッとしたが、今さら後(あと)には退()けない。ただ、「法人買()いの場合は、危ないから、急激に値上がりしたところで手放しなさいよ」と忠告した。

 私はこの本で、金(きん)を社長、経営者が、個人ではなく法人(会社、企業)でも買う、という人たち向けにも初めて書く。私が何も威張(いば)っているわけではないと分かるでしょ。

 もうすでに金融評論家たちは全滅していなくなった。金融や経済の本は、もう書店に並んでいない。私には競争相手がいない。自分の客(読者)になってくれる人たち相手に、さらに本当のことをガリガリ書くだけである。

副島隆彦

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目次

まえがき

1章 目先の目標は、金1gグラム 1万円だ 

金は1グラム8000円近くまで上がった 

日銀は730トンあるはずの金を、手元に持っていない 

2024年に金融体制の大変動が起きる 

金とドルは、4年後の「決戦の場」へ 

ゴールドマン・サックスが受けた打撃 

金は5倍に値上がりする 

円ドル相場の歴史から分かること 

金を売るときの課税はどうなるのか 

今の株価は吊り上げ相場である 

アメリカ(FRBと財務省)も日本(日銀)も資金を無制限供給 

1オンス=2300ドルという予測 

MMT理論と「ベイシック・インカム」が結びついた 

アメリカの世界支配の終わり 

2章「金の取引停止」が迫っている 

これからの金の値段 

「リデノミ」は金にどんな影響を与えるか 

アメリカで金の取引が禁じられた歴史 

ヘッジファンドの主宰者が警告する「金が買えなくなる動き」 

金地金と金貨が足りない 

飛行機で現物を運べば大金が稼げる 

金先物もの市場は崩壊する 

法人で金を買う 

税務署が嫌がることとは 

「客が選別される時代」が始まった 

金きんの代替物としての銀

金貨(コイン)も買う 

もはや不動産は優良なものしか資産にならない 

3章 国に狙われる個人資産 

バフェットはなぜ金鉱山の株を買ったのか 

「中間業者」に金を売る 

財産税が狙う国民の個人資産 

国の標的は小金持ち層(資産家)だ 

世界の中央銀行3つの「資金の動き」が分かる 

米、欧、日で〝資産総額〟は2400兆円! 

金融秩序が破壊される 

「バーゼル・クラブ」の秘密 

4章 次の株価暴落を予言する 

これから株価はどうなるのか 

10年の「輪切り」で日本の株価を考える

金融大変動の〝法則〟が見えてきた 

巨大バブルのあとの30年間、日本はデフレのままである 

HFT(超高速取引)も追いつけない暴落が来る 

「GAFA+M(マイクロソフト」の動き 

ソフトバンクグループの株投資の限界 

MMT理論の源流はミルトン・フリードマンである 

ファシズムの復活 

人類を不幸にした経済学 

5章 国民を一元管理する菅政権 

菅義偉政権はどこへ向かうか 

私が1年前に予言したこと 

日本の首相はアメリカが決める 

首相の背後にいる男 

悪の思想と秘密結社 

国民を一元的に管理して飼い殺しにする政策 

コロナ対策という〝ショック・ドクトリン〟 

世界の動きを読む 

中国はコロナを「迎撃」した 

あとがき 

巻末特集 金融恐慌にも動じない鉱物資源株25

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あとがき

 金(きん)の値段が、今年3月に、1オンス(31・1グラム)1500ドルから、2000ドルまで上がった(P17のグラフ参照)。今は1900ドルぐらいだ。これが1800ドルを割るようなら直ちに買い増し(ヽヽヽヽ)なさい。と言われても、何のことだか分からない人が今も大半だ。

 それなら、日本円で金(きん)の「国内小売(こうり)価格」が1グラム5000円から8000円近くまで行った。今は7200円ぐらいだ(P5のグラフ参照)。これが1グラム7000円(小売)を割るようだったら、急いで買い増ししなさい。

 これなら分かるだろう。ただし、卸売(おろしうり)(業者間[かん]での値段)は、これから1グラム700円を差し引いたものだ。だから、現在は、1グラム6500円である。

 こう書くと、もう分からなくなる。私は今や〝金買(きんか)え評論家〟であるから、どうやって人々に「金の買いどき、売りどき」を説明するか、で苦労してきた。ちょっと難しいことを書くと、もう読者は分からなくなる。わかったふりをして読み飛ばす。それでもP5などのグラフを見ると、それだけで、金(きん)の値動きが一目瞭然で分かる。そのとき私の説得はホントウ(真実)なのだと分かる。ここに私の本を読む効用がある。だから買って読みなさい。ネットでチャラチャラ、金融情報を拾い読みしてもダメです。それだと思考に体系性(システム)を獲得できない。

 私は、今も、一体どこまで分かりやすく書いたら、皆にこの世の大きな真実を分かってもらえるかで、苦心惨憺(さんたん)している。もの書き業の苦しさは、一旦(いったん)世に出たあとは、このことに尽きる。もうプロのもの書きになって36年になるが、今もこのことで嫌(いや)になるほど苦しんでいる。いくつになっても、人生、楽になるということがない。人(ひと)それぞれの苦しみがあるだろう。

 私は、自分の書く本の客(読者)になってくれる人たちのために頑張り続ける。それ以外の目標はない。この世の隠された真実を暴き立て人々に知らせること。これ以外に私にはすることがない。ただし、その真実は、「世の中(世界)の大きな枠組(わくぐ)みの中の真実」を表(おもて)に出すこと、でなければならない。私の苦闘はあと暫(しばら)く続く。

 この本も祥伝社の岡部康彦氏の手を煩(わずら)わせた。社長になった辻浩明氏から「本を書いてくださいよ」と頼まれたのが1997年だったから、今年で23年になる。この本の表紙に「エコノ・グローバリスト・シリーズ23」と打ち込んでいるのは、この本が23冊目であることを示している。頭はまだ大丈夫だが、体のほうにガタが来()始めた。何とかこれを修理しながら、時代に合わせて前に前に進まなければ(マルシオン、マルシオン)ならない。記して感謝します。

2020年10月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 副島隆彦先生の最新刊『米中激突恐慌』が発売されます。以下にまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。参考にして、お手に取ってお読みください。よろしくお願いします。

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米中激突恐慌-板挟みで絞め殺される日本 (Econo-Globalists 22)

(貼り付けはじめ)

まえがき

この本を書き上げた直後(9月30日)、私はヨーロッパから情報をもらった。名門ドイツ銀行(ヨーロッパ最大の民間銀行。ドイツの中央銀行[ブンデスバンク]ではない)が破綻(はたん)する。ヨーロッパに金融危機(フアイナンシヤル・クライシス)が起きる。日本円は、激しく円高になる。1ドル=100円を割って80円、60円台になるだろう。

ヨーロッパ(EU)とアメリカ(トランプ政権)の貿易戦争(トレイド・ウオー)も始まった。制裁関税のかけ合いだ。欧米白人文明の内部分裂が起きている(10月2日)。

(きん)が、この6月初めから急激に上がりだした。

1トロイオンス(31.1グラム)が1560ドル(9月4日)まで上がった。日本の国内の価格では、1グラムが5300円(9月5日。卸値[おろしね])になった。「金(きん)を買うように」と、ずっと勧(すす)めてきた私の考えの勝利である。このあと、金(きん)はもっと上がってゆく。これまで金を買ったことのない人は、今のうちに金(きん)の地金(じがね)を買ったほうがいい。長い目で見て、金はもっともっと上がる。今の2倍になる。第2章で、これからの動きを詳しく予測する。

あと一度、下(した)()し(下落)したら、そこでサッと拾い(買い)なさい。

株価は、NY(ニユーヨーク)でも日本でも、最高値を更新しつつあるように見えた。だが、もうすぐ暴落が起きる。いくら上がっていると言っても、ジェットコースターと同じで、急降下する。この動きを2カ月周期で繰り返す。今の世界の金融市場は、きわめて不安定である。

このことを投資家、資産家、企業経営者は、肌身(はだみ)でよく分かっている。私たちは注意深くならなければいけない。常に慎重になって、用心しなければいけない。調子に乗って、また大損して痛い目に遭()うのは自分だ。ただし、生来(せいらい)の博奕(ばくち)打ちの才能のある人は別である。彼らは瞬時(しゅんじ)に動く。そうでないと、勝ち残れない。そういう人々は、私の本から世界の金融の動きの知識と情報だけ、取って行ってください。

この本では、米と中が、防衛(軍事)と金融経済の両面でぶつかることで、世界が不安定になって、金融恐慌が起きることをずっと説明してゆく。

アメリカと中国が貿易戦争(トレイド・ウオー)(ハイテク、IT[アイテイ]戦争でもある)で激しく衝突するたびに、NYや東京の株価が落ちる。そのせいで、世界中が不安定だ。このことを投資家や資産家が、心配して動揺している。自分の金融資産や投資した資金が、安全に守られるか、という根本的な不安を抱えて、そのことを口に出し始めている。

「株や債券の値下がりを見越して、先物(さきもの)の売りで儲けを出そう」とか、「金(きん)の地金(じがね)が値上がり出したので、そっちに短期間だけ資金を移そう」とかいう、安易な考えはダメだ。どうも、アメリカを中心にした戦後76年目の、世界金融体制(金・ドル体制。ブレトンウッズ体制)の崩壊、終わりが近づいている。そのことを投資家や資産家が、肌合いで敏感に感じ取っている。

私は最近、彼らから、直接の苛立(いらだ)ちや訴えを聞くようになった。彼らの、投資家としての動物的な勘(かん)から来る不安に対して、私はどのような理論と対策を立てることができるか、を真剣に考えている。

米と中が、世界覇権(ワールド・ヘジェモニー world hegemony )すなわち、世界の支配権をめぐって激突している。これが今の不安定な金融市場の大きな原因である。この本の英文書名に載()せたとおり、" The US‐China Hegemonic Cold war "「ザ・ユーエス・チャイナ・ヘジェモニック・コールド・ウォー」である。それは去年(2018年)3月に、貿易戦争(トレイド・ウオー)の火ぶたが切られたときからだ。米トランプ大統領が、先制攻撃(プリエンプテイブ・アタツク)で先に手を出した。

「もうこれ以上、中国を放っておくことはできない」と。さあ、それでだ。この戦いは、アメリカと中国の、果たしてどちらが勝つか。

日本国内では、今もなお、保守的な資産家や投資家、企業経営者たちは、「絶対に、アメリカが勝つ」と固く信じている。「やっぱりアメリカは強いんだー」と威勢よく言っている。だから、彼らは「NYや東京の株は、まだまだ上がり続ける」、そして「円ドルの為替(かわせ)相場は、強いドルが続くので、1ドル=130~140円の円安ドル高になる」と予想している。そういう人が多い。果たしてそうか。

私、副島隆彦の本の読者であれば、もう少し深い知恵に基づく、別の見方をする。このことをずっと、この本で説明してゆく。

副島隆彦

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目 次

まえがき

第1章 「米中激突 恐慌」と日本

●中国に対する、アメリカ国民の切迫感とは

●なぜトランプは「2人の主要閣僚」を叱りつけたのか

●市場を直撃した大統領のトゥイッター

●消費税10%で日本の景気はどうなるか

●ジェットコースター相場で、下落(11月)上昇(12月)暴落(2020年1月)

●反中国の「フォアマン・レイバラー」とは何か

●〝スプートニク・ショック〟の再来

●アメリカ人は中国への親近感を抱き続けてきた

●これからの株価を予測する

●トランプの「(政策)金利を下げろ」は正しいのか

●逃げ場がなくなる先進国

●2024年、先進国の財政崩壊(フィナンシャル・カタストロフィー)が起きる

●中央銀行総裁と財務長官の違い

●トランプは、アメリカの隠された大借金を無視できない

●「強いドル」の終わり

●恐るべき中国のプラットフォーマー

●銀行が消滅する時代

●日本が買わされたのは、トウモロコシだけではなく大量の兵器

第2章 今こそ金(ゴールド)を握りしめなさい

●金(きん)を買う人、売る人が増えている

●あと2年で金(きん)1オンス=2000ドルに

●世界金価格を決めるのは上海とロンドン

●ウソの統計数字に騙(だま)されてはいけない

●中国とロシアは、米国債を売って金(きん)を買った

●最後の買い場がやってきた

第3章 米中貿易戦争の真実

●米と中の冷戦(コールド・ウオー)はどのように進行したか

●ファーウェイ副社長の逮捕と、中国人物理学者の死

●トランプを激怒させた中国からの政府公電

●「アメリカ政府による内政干渉を許さない」

●なぜトランプは折れたのか

●李()(こう)(しよう)になぞらえられていた劉鶴

●対中国制裁関税「第4弾」の復活

●妥協派と強硬派――アメリカ国内が分裂している

●米国のIT企業とファーウェイ

●アメリカに敗北し続けてきた日本

第4章 米国GAFA 対 中国BATHの恐るべき戦い

●アリババ(BATHのA)の金融商品が与えた衝撃

●追い詰められたアップル社

●トランプはアメリカ帝国の墓掘り人になる

●アリババの歴史と全体像

●7000倍の資産膨張

●貿易戦争からハイテク戦争、そして金融戦争へ

●「中国の手先」と非難されるグーグル

●ホワイトハウスに呼びつけられたグーグルのCEO

●未知なる最先端の何ごとかが進行している

第5章 金融秩序の崩壊

●日本が買わされている米国債の秘密

●ECB総裁が「恐慌突入」を認めた

●2024年、10000円が1000円になる

あとがき

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あとがき

この『米中激突 恐慌』は、表紙に打ち込んだとおり、 Econo-Globalists 「エコノ・グローバリスト・シリーズ」の22冊目である。よくもまあ22年間も、私は金融本を毎年、書き続けて、生きながらえたものだ。我ながら感心する。

 この本を書き進めながら、第4章に入ったところで異変が起きた。私の脳にひらめきが起きた。第3章までは、まあ私のいつもの金融と経済(そしてそれを世界政治の動きから見る)の、どぎついあれこれの洞察(どうさつ)である。

第4章に来て、私は急に一気に、高いところに到達した。問題は、米と中の貿易戦争が、IT(アイテイ)ハイテク戦争に姿を変えたことではなかった。現下(げんか)の貿易戦争は、本当は金融戦争だったのである。すでに5(フアイブ)(ジー)の世界規準を握った中国ファーウェイ(華為技術)社をめぐるあれこれの抗争と、米中政府間(かん)の激突ではなかった。問題は、ファーウェイではなく、アリババ(及びテンセント)だったのだ。アリババが先駆(せんく)して握りしめた、スマホ決済と与信(金融)、さらには預金機能(金融商品のネット販売だ)が、世界の金融体制を根底から覆(くつがえ)しつつある。まさしく大(だい)銀行消滅である。クレジット会社もカード会社も銀行も、世界中で消滅してゆく。

 ヨーロッパ近代(モダーン)が始まって、ちょうど500年である。この近代500年間の欧米白人文明が敗北しつつある。問題はファーウェイではなく、アリババだったのだ。真に頭のいい人は、本書の第4章を読んで驚愕してください。ついでに、ソフトバンクの孫正義(そんまさよし)氏の力(ちから)の謎と裏側もバッサリと解いた。乞()うご期待だ。

 私とともに、この20年間、「エコノ・グローバリスト・シリーズ」で走り続けてくれた、担当編集者の岡部康彦氏が、満期退職した。岡部氏が念入りに下ごしらえしてくれたので、本書の第4章の快挙も成し遂げることができた。彼との仕事での長い付き合いは、このあとも続く。記して感謝する。

2019年10月

副島隆彦

(貼り付け終わり)
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銀行消滅 新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)体制へ (Econo-Globalists 20)

(終わり)

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決定版 属国 日本論
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 古村治彦です。

 

 今回は2018年11月2日に発売となる副島隆彦先生の最新刊『「トランプ暴落」前夜』をご紹介いたします。10月中旬から世界的に株式が下落していますが、本書ではいち早くそのことを警告しています。


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「トランプ暴落」前夜 破壊される資本主義

 

 以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、ぜひ手にとってご覧ください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

 嵐の前の静けさである。

 

 本は、その最初に一番重要なことを書かなければいけない。それは結論でもある。アメリカの大学の論文の書き方指導(ライテイング)では、「一番大事なことを頭(あたま)に書きなさい」と教える。だから私も、この本の初めを大事なことから書いて読者に伝える。

 

 年内は、株価も他の金融市場も大きくは崩れない。年明けの2019年1月から崩れるだろう。それでもまだ大した株の崩れ、大暴落ではない。その次の年の2020年が米大統領選挙の年である。その翌年、2021年が危ない。

 

そして、その先、今から6年後の2024年に、株価が大暴落を起こして、世界は大恐慌に突入するだろう。その年に、日本でも預金封鎖(よきんふうさ)が断行される。

 

 前のP3の表に、これらのことを書いた。今後の世界の動きを、このように予言(予測)して私が作成した年表である。今年(2018年)から10年後の2027年までを、この表で時系列に並べている。

 

なぜ私が2024年を大恐慌突入の年とする、と決めたか。

 

それはアメリカのドナルド・トランプ大統領が、この年に任期を終えるからだ。2024年は、トランプの2期目4年の最後の年である。このときトランプは、もうすべての方策が尽きて、どうしようもなくなる。このころからヨーロッパ諸国を初めとして、世界中で金融危機が起こる。先進国の諸国の財政が破綻(はたん)し、崩壊してゆく。当然、日本もこれに含まれる。

 

トランプは1期目4年の終わりの年である、今から2年後の2020年11月の大統領選挙に勝つだろう。そして次の4年(2期目)を務(つと)める。そのときには、トランプは「もう俺は好きなようにやる」と居直る。それでも次から次へと起こる難事、難題を処理することだけで手一杯となる。攻めの政治(それまでに蓄[たくわ]えた政治資源に頼る)が、もうできなくなって、守りの政治になる。トランプはボロボロになって、2024年になると「俺はもう知らん。どうにでもなれ」と責任を回避する。その次の大統領が誰になるか、まだ分からない。だが誰が次の大統領になっても、アメリカの国力の大きな低下と衰退は止められない。

 

〝リーマン・ショック〟から10年である。

 

あのときは深く仕組まれていたとおり、ジョージ・ブッシュ(アホ息子のほう)大統領の最後の年であり、黒人のバラク・オバマが大統領として現われた。それが〝9・15リーマン・ショック〟の始まりであり、大統領選挙はその2カ月後の11月3日であった。

 

これらの動きは大きく仕組まれているのだ。私は当時、このことを予言(予測)して当てた。知っている人は、みんな知っている。

 

まさにあのときと同じように、次の時代の大きな図式がつくられてゆく。その年が2024年である。

 

トランプは2期8年で、それ以上はもう出られない(任期は2025年1月まで)。「あとは野となれ山となれ」”Après(アプレ) moi(モワ), le() deluge(デリユージユ) である。

 

トランプなりには、あれこれ努力して頑張った、となる。

 

それでもアメリカ帝国は、もうどうにもならない状況に落ち込んでゆく。

 

「だけど俺は、大(だい)戦争(ラージ・ウォー)だけはしなかったからな」というのが、最大の言い訳となるだろう。トランプは根()っからの商売人であるから、なんとかかんとか諸外国を虐(いじ)めまくって、世界中から資金を奪い取り、自国民(アメリカ国民)の利益になるように、最大限の人気取りの政治をやり続ける。これが「アメリカ・ファースト!」 America First!  自国民優先主義である(× アメリカ第一主義は誤訳。意味不明)。

 

「(諸)外国のことなんか知ったことか。俺はアメリカだけの大統領だ」

 

それでも。

 

アメリカ政府(アメリカ財務省とF(エフ)(アール)(ビー))が秘密で抱え込んでいる、裏(うら)帳簿(オフ・ブック off book )の財政赤字が、どうしようもないくらいに巨額(60兆ドル 6600兆円)になっている。連邦(れんぽう)政府(Federal[フエデラル] Government[ガヴアメント] ワシントンの中央政府)の分だけで、これだけある。他に50州と40の大都市の分が隠れている。それと、健康保険と年金だ。これらの真実が外側に露出し露見して、巨大な危機が起きるだろう。同じ先進国であるヨーロッパ(EU[イーユー])のほうがもっとヒドい。

 

日本だって同じだ。日本政府も同じく、アメリカへの巨額な貢(みつ)ぎ金(上納金[じょうのうきん]。すでに1400兆円)を含めた隠れ財政赤字が原因で、大きな経済変動が発生する。それはもはや従来のような金融危機ではなく、財政危機(ファイナンシャル・クライシス financial crisis )である。

 

もしかしたら、それは財政崩壊(ほうかい)(ファイナンシャル・カタストロフィ financial catastrophe )にまで至る。これは、アメリカの巨額の隠れ財政赤字を元凶とする、世界的な大恐慌突入と軌()を一(いつ)にしたものとなるだろう。それまで、あと6年である。

 

 私はこれまでどおり、金融予言者としての自覚と自信を持って、自分の人生で残り最後の大きな知識・言論の闘いを推()し進めてゆく。私の言うこと(書くこと)に耳を傾(かたむ)けてくれる人たちでいい。本気で自分の財産(金融資産)を守りたいと思う人は、私の主張に注目してください。

 

副島隆彦

 

=====

 

まえがき

 

1章 2019年の「トランプ暴落」

 

●今の株高は人工的に吊り上げられている

●なぜ私は〝リーマン・ショック〟と〝オバマ当選〟を当てたか

●米ドル基軸通貨体制の終わり

●跳ね上がった日米の長期金利(国債利回り)

●恐ろしいジャンク・ボンド市場

●政府の〝秘密〟が金融市場に伝わった

●「引き金(トリガー)」を引くのはどこだ

●世界的財政崩壊の時限爆弾

●〝食べられないお金〟とは何か

●米、中、ロの〝3帝会談〟が開かれる

●NYダウと日経平均は、いつ連動して落ちるのか

 

2章 アメリカ「貿易戦争」の正体

 

●中国からの輸入品すべてに25%の関税をかけると18兆円の増収

●「米国債売却」か「人民元切り上げ」か

●アメリカの「資本収支」は黒字である

●もめていた「NAFTA(ナフタ)」(北米自由貿易協定)

●2国間交渉に持ち込むトランプの「本当の目的」とは

●日本車の対米輸出は、これからどうなるのか

●「アメリカ・ファースト!」は「アメリカ国内優先主義」だ

●兵器購入と引き替えの追加関税回避

 

3章 2024年の大恐慌に向けて

    世界はこう動く          

 

●トランプ自身が認めた、アメリカの大借金問題

●「高関税はスゲー」  

●エネルギー計画に示された「推定50兆ドル」の隠された真実  

●「50兆ドル分の埋蔵エネルギー」は、政府債務60兆ドルの「反対勘定」だ  

●6大IT銘柄の異常な株高現象  

●新興国の債券暴落は、どれほど危険なのか  

●公的マネー(GPIFと日銀)が日本の株価を吊り上げている  

●ヘッジファンドが仕掛ける空売り  

●イーロン・マスク(テスラ)は、なぜ中国に飛んだのか  

●日本と中国が電気自動車で組む  

●ZOZO前澤友作社長とイーロン・マスク  

●ラーム・エマニュエル(シカゴ市長)と前大統領夫人の秘密  

●2024年までを見越した動きが始まっている  

 

4章 金(きん)(ゴールド)とドルの戦いは続く  

 

●戦争が起きてもおかしくはなかった  

●やがて新しい時代の金融秩序が誕生する  

●日銀は長期金利の上昇を容認したのか  

●ロシアの米国債売却vs.アメリカ政府  

 

副島隆彦の特別コラム

仮想通貨への投資は危ない  

 

 

5章 近づく国家財政破綻  

 

●世界金融危機の再来――〝リーマン・ショック〟の当事者が発言したこと  

●あの投資家が「政府債務が原因の金融危機」を警告  

●ノーベル賞候補の日本人経済学者も「危ない」と言った  

●日銀は緩和マネーの供給を止められない  

●アメリカは長期国債を超()長期債に秘密で〝洗い替え〟している  

●日本は衰退しつつある  

●危険な金融商品に手を出してはいけない  

 

あとがき  

 

巻末特集

産業廃棄物と都市鉱山

推奨銘柄25        

 

=====

 

あとがき

 

 本文で書き忘れたことを、最後に書く。この本の英文書名である「トランプ・カタストロフィ」 Trump Catastrophe の由来について、である。

 

 迫り来つつある今度の経済危機(エコノミツク・クライシス)は、単なる金融危機(ファイナンシャル・クライシス)では済まない。今度襲いかかってくる危機は、各国政府の財政破綻、崩壊(ファイナンシャル・カタストロフィ)を原因とする、資本主義の全般的な危機、である。

 

今度は、もう1929年の大恐慌( The Great Depression  グレイト・デプレッション)のようなデプレッション(恐慌)では済まない。だから、カタストロフィ(崩壊)である。

 

1980年代の、アメリカの不況は、レーガン不況 Reagan(レーガン) Recession(リセツシヨン) で済んだ。当時のロナルド・レーガン政権は、サプライサイド改善政策(ポリシー)(減税と緊縮財政)で乗り切れる、と思って失敗した。だがビル・クリントン政権(1992年から)のときに、大(だい)景気回復を達成した。ポール・ボルカーFRB議長が、悪性のインフレ退(たい)()の高金利政策(実に、なんとFFレート=短期金利19%まで行った)をして、劇薬を呑ませて、アメリカ国民を苦しめて、それで達成した。

 

今はデフレから脱出するために、年率2%のインフレを待望しているのだ。隔世の感がある。

 

日本はアメリカにまんまと嵌()められて、1993年から25年間も続く慢性不況(デプレッション)で、ずっと不景気(リセツシヨン)に国民が苦しんでいる。今も地獄だ。

 

カタストロフィ理論は、たしか1970年代末に、フランスの文明論者のルネ・トム René F. Thom が唱えた。これをイギリス人でオックスフォード大学教授のクリストファー・ズィーマン Christopher Zeeman が増幅した。

 

日本の人口は、このあと22年後には2000万人減って1億人になる。今の1億2700万人が、2040年には、1億700万人になる(国立社会保障・人口問題研究所)。これでは、まったく元気が出ない。

 

まったくヒドい国になったものだ、の慨嘆(がいたん)しか出ない。国民はしっかりしているのに。指導者(政治家)が粗悪なのだ。彼らはこの責任を自覚しない。

 

最後に。この本も祥伝社書籍出版部の岡部康彦氏にお世話になった。7月、8月の熱暑と、9月の暴風雨を乗り切って、できた。

 

2018年10

副島隆彦

 

(貼り付け終わり)


trumpbourakuzenya001
 
「トランプ暴落」前夜 破壊される資本主義

 

(終わり)

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