古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:秀和システム

 古村治彦です。

 今回は7月16日に発売となった、下條竜夫(げじょうたつお)著『物理学者が解き明かす邪馬台国の謎 卑弥呼の本名は玉姫であり、邪馬台国は太宰府にあった』(秀和システム)をご紹介する。
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物理学者が解き明かす邪馬台国の謎 卑弥呼の本名は玉姫であり、邪馬台国は太宰府にあった

 下條竜夫氏は兵庫県立大学理学研究科准教授を務め、私とは副島隆彦門下の同僚となる。下條氏はこれまでに『物理学者が解き明かす重大事件の真相』『物理学者が解き明かす思考の整理法』という2冊の単著を出している。

 今回のテーマは日本古代史、多くの人々が関心を持っている邪馬台国(やまたいこく)だ。下條氏は邪馬台国の秘密を明らかにしている。物理学者がどのように古代史の謎に挑むか、是非皆さんで確かめていただきたい。是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

はじめに

●邪馬台国の謎

日本の歴史上の最大の謎は、卑弥呼(ひみこ)と邪馬台国(やまたいこく)である。

 中国の歴史書の『三国志』「東夷伝」の倭人の条(くだり)に卑弥呼と邪馬台国が紹介されている。卑弥呼は「鬼道(きどう)」と呼ばれる怪しげな呪術(じゅじゅつ)を使いながら倭国の女王として祀(まつ)りあげられたと書いてある。なぜ、そんな人物が女王になったのかはわからない。その卑弥呼が住んだ国と書いてあるのが邪馬台国である。ここも謎に包まれている。場所さえ特定できない。

 この本の中で詳しく述べるが、それ以外にも多くの謎がある。卑弥呼など存在しなかったという説もある。三百年以上の間、侃侃諤諤(かんかんがくがく)と議論が続いている。

 この本では私はひとつの事実を仮定して、それをもとに邪馬台国の謎のすべてを解明しようと思う。

 その仮定とは、『三国志』の列伝に登場する五斗米道(ごとべいどう)の教祖である張魯(ちょうろ)という人がいる。その姉妹、張玉蘭(ちょうぎょくらん)こそが卑弥呼であるという事実である。

 この事実自体は文献がないので証明ができない。歴史というのは文字があって、つまり歴史書に記述があってはじめて議論ができる。記述がない場合、歴史にはならない。しかし、この仮定によってあらゆる邪馬台国にまつわる謎がすべて解ける。本当にすべての人が納得のいく形で解けてしまう。

 これは数学で言えば「公理」にあたる。違う公理を用いると、違う数学が生まれる。平行な直線は交わらないというユークリッド幾何学に対して、平行な直線も交わるとしてできた非ユークリッド幾何学が有名だ。同様にある歴史の史実を仮定することで、全く違う歴史像が生まれてくる。

 この本では、まず第1章で邪馬台国の謎を俯瞰(ふかん)する。八つの謎を、過去の文献を参考に見ていく。そして、その後、第2章以下でその八つの謎をすべて解いていく。余計ではあるが、卑弥呼は美人だったことまでも、史実をもとに明らかにしていく。第2章および第3章では卑弥呼とは誰だったのか、そして第4章では、邪馬台国がどこにあったかを詳細に説明する。さらに、第5章では、単なる祈祷師(きとうし)・呪術師(じゅじゅつし)と思われていた卑弥呼が、実は日本の文化の基礎をつくった最重要人物だと考えられることを明らかにする。

●なぜ物理学者が歴史の本を書くのか

 この本は『物理学者が解き明かす重大事件の真相』『物理学者が解き明かす思考の整理法』に続く、私が書いた三冊目の本である。

 私は物理学を専攻し研究する学者である。物理学者がこの手の歴史本にかかわるなら、アイソトープの半減期による年代決定、含有物の元素組成比による制作地決定など、物理学的計測手法のデータを基にした考察を書くのが普通だろう。しかし、この本には、その手の計測結果やデータはほとんど出てこない。したがって、著者が物理学者である理由は特にない。もしかしたら、この本を手にとった方の中に科学的計測がでてこないことにガッカリした人がいるかもしれない。

 ただ、科学=サイエンスに従事するものとして以下のことに挑戦してみたかった。

 まず、科学の伝統的な手法、祖述(先人の学説を受け継いで発展させること)をつかって、日本の歴史に挑戦してみたかった。特に、中国史の専門家の岡田英弘氏の学問を土台として、日本の歴史に挑戦してみたかった。

 日本人は、専門外の人の意見をあまり重く見ない。日本古代史の研究者も中国史を専門とする岡田英弘氏を相手にしない。丸山眞男(まるやままさお)という戦後の政治学者は、専門分野に閉じこもり、他の優れた学説を取り入れない、このような学者の頑(かたく)なな態度を「タコつぼ型という学問に対する日本独自の態度」と表現した。我々は優れた過去の学説に対しては、引用する形できちんと取り上げるべきである。ある優れた学説を受け継ぎ、きちんとその内容と優れた点を説明し、その上に自分の発見した事実を積み重ね、自分の説を展開していく。科学はこれにより進んでいく。同じことを、日本の歴史学でやってみたかった。第5章で詳しく述べる。

 ただし、通常の科学の手法は使えない。科学では、いくつかの実験的事実、観測した事実から、ひとつ、あるいは複数の命題や法則を導いていく。これが王道である。これをcorrespondence theory of truth(真理の対応説)という。歴史は科学ではないが、同様に、古い文献の記述の信頼性から真実を議論する。これはその文献の信頼度で決まり、歴史学者によって徹底的に議論されている。門外漢の私が口を出す余地はない。

 しかし、実はもうひとつ、いくつかの事実関係の「整合性」から真実を求める方法がある。これをcoherence theory of truth(真理の整合説)という。物理学者は基本つかわない、というか嫌われている。しかし、たまにつかうこともある。例えば日本人初のノーベル賞をとった湯川秀樹の中間子論は、当時観測されていなかった新しいボーズ粒子の存在を仮定してできあがっている。この粒子を中間子(メソン)と呼ぶ。中間子を仮定すれば陽子同士の結合が説明でき、素粒子の議論全体が整合する。ただし、この中間子論は、中間子が発見されるまでは物理学者のニールス・ボーアなどに「見つかってもいない粒子を勝手に存在することにするのか」と酷評された。したがって、学問としては異端な方法に分類される。しかし、この事実関係の「整合性」から真実を求める方法、つまり真理の整合説なら、私でも歴史学に対応することができ、新しい知見が生まれる余地がある。第2章から第4章でこの整合性で議論する。

 そして、読者の方々には最後まで読んだ後で、これらのやり方が本当に正しいかどうか判断していただきたい。

 しかし、それでも自分の専門分野以外をやるのは勇気がいる。特に門外漢である日本の古代史に関する本を出版することには抵抗があった。しかし、私の師である副島隆彦先生が紹介してくれたラルフ・ウォルドー・エマソンの次のことばに励はげまされて世に出すことにした。ここに引用しておく。

「自分の考えを信じること、自分にとっての真実はすべての人にとって真実だと信じること」

「私が何かに気づけば、私の子孫も、いずれは全人類もそれに気づくだろう。たとえ私以前には誰ひとり、それに気づいた人がいなかったとしても、私がそれを知覚したことは太陽の存在と同じくらい、揺るぎない事実だからだ」

(ラルフ・ウォルドー・エマソン『自己信頼(Self-Reliance)』より引用)

 この本から、理科系の人間がどのような思考をして文科系の問題にアプローチしているのかを知っていただけたら幸いです。

令和四年五月

下條竜夫

=====

『物理学者が解き明かす邪馬台国の謎』◆ 目次

はじめに 1

邪馬台国の謎 1

なぜ物理学者が歴史の本を書くのか 3

第1章 邪馬台国の謎 15

「魏志倭人伝」が語る邪馬台国 17

卑弥呼が存在したという形跡は日本にない 19

なぜ卑弥呼は王になれたのか 22

邪馬台国の場所はどこなのか 23

なぜ卑弥呼は豪華な返礼品をもらえたのか 28

なぜ魏の王朝の鏡が日本にあるのか 34

第2章 なぜ卑弥呼は王になれたのか 41

鬼道とは五斗米道という道教の神のことである 43

五斗米道とはどんな宗教か 48

鬼道と鬼神の違い 58

鬼道とは五斗米道の神様=天神のこと 60

卑弥呼は中国五斗米道の始祖、張陵の孫である 62

卑弥呼の本当の名前は玉姫 64

卑弥呼は魏の皇帝と縁戚関係にある 68

なぜ「魏志倭人伝」に詳しい卑弥呼の記述があるのか 77

第3章 『日本書紀』と『古事記』に登場する玉依姫が卑弥呼である 81

玉姫とは神武天皇の母である玉依姫のことである 83

万世一系とは卑弥呼の子孫の物語である 90

卑弥呼は美人だった 95

第4章 邪馬台国があったのは間違いなく太宰府である 99

「魏志倭人伝」が邪馬台国の距離と方角を間違えた理由 101

改ざん前の報告書を推測する 106

「魏志倭人伝」の距離の記述を復元すれば太宰府に到達する 107

玉依姫を主祭神とする竈門神社 112

なぜ天神様が太宰府天満宮に祀られているのか 117

太宰府は九州の交通網の要所にある 123

出雲がなぜ古代の大都市なのか 126

卑弥呼の墓は大おお野の 城じょう市にある 134

なぜ奈良に大和があるのか 137

第5章 日本の文化の礎いしずえをつくった卑弥呼 143

「誠の道」という日本独自の思想 146

二十四節気が明らかにする日本の古代史 155

一月中、七月中、十月中という三つの祝宴 161

道教国家日本 165

日本古代史の真実を暴いた岡田英弘氏 166

おわりに 177

参考文献 180

=====

おわりに

 第1章の冒頭に、最初の謎として卑弥呼のいた形跡、例えば、ゆかりの神社や名が入った遺跡がまったくないのはなぜだろうかと述べた。だが、実際はその逆だった。日本には卑弥呼の軌跡(きせき)がいたるところに溢(あふ)れている。

 卑弥呼=玉依姫を主祭神(しゅさいじん)とする神社は、第2章、第3章で取り上げた京都の河合(かわい)神社、福岡の竈門(かまど)神社以外にもたくさんある。北は宮城県から南は鹿児島県まで、それこそ日本中にたくさんある。また、鬼道とは「天神」のことだと第2章で述べた。福岡の「天神」は九州最大の繁華街である。また、大阪の「天神」橋筋商店街と言えば六百以上の店舗が並ぶ日本一長い商店街のことである。日本は卑弥呼で溢れている。

この本で私が提示したのは、卑弥呼の新しいイメージである。今までは、卑弥呼は、よく言えば呪術師(じゅじゅつし)、悪く言えばただの占い婆さんであった。「王になったのは占いがよく当たるからだろう」という記述を何回か読んだことがある。その程度の認識であった。

しかし、卑弥呼はそういう人物ではない。『三国志』の「張魯伝」にあった「人々に正直であること、偽らないこと、病気になったら自分の過ちを告白すること」を、教えただろう。食べ物に困った人に食事を与えるための義舎もつくっただろう。しかも中国の奥地である漢中あたりから、危険な玄界灘と対馬海峡を渡って倭に来る気概をもっていた。だから、卑弥呼は凛とした美しい人だったと私は思う。

「卑弥呼は聖母マリヤのような人だっただろう」とここにはっきり書いておこう。これは、ただの比喩ではない。古代道教とは、実は東に流れてきたキリスト教なのである。私の先生の副島隆彦氏がそう書いている。第2章に書いてあるように「山上の垂訓」があり、義舎はまるで「修道院」、そして鬼卒は「修道者」のようである。だから、卑弥呼は本当に聖母マリヤのように聖人としてたてまつられていたと思う。そうでなければ、神武天皇の母として日本の歴史書に残ることはなかっただろう。

 もし私のこの見方に賛同してくれる歴史小説家の方がいたら、この本の内容を、ぜひ小説かドラマにしてほしい。「私のアイデアを盗用するな」などと野暮なことは言わない。絶世の美女である張玉蘭が、化外(けがい)の地、倭にわたる。東夷というのは中国皇帝に朝貢する国の呼び名であり、しない国はさらにその先という意味で化外と呼ばれる。そして、苦労して現地にとけこんでいく。姪が王室に嫁いだというので、貢物(みつぎもの)を送ったら、驚くほどの多量の返礼品と王の金印を送ってきた。

 そういう、現実が想像を上回った歴史ドラマだと私は思う。

本書を上梓するにあたっては秀和システムの小笠原豊樹編集長にお世話になりました。御礼申し上げます。また、副島隆彦氏から、岡田英弘氏に関する情報を含め、たくさんのアドバイスをいただきました。ここに感謝いたします。また、この本が書けたのは玉姫様の御加護とお導きの賜物(たまもの)と思っております。謹んで感謝の意を表したいと思います。どうもありがとうございました。

令和四年五月

下條 竜夫

(貼り付け終わり)

(終わり)※6月28日には、副島先生のウクライナ戦争に関する最新分析『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープ・ステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする』が発売になります。


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 古村治彦です。
 副島隆彦先生の最新刊『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする 』が2022年6月28日に発売される。本書は2022年2月24日に勃発したウクライナ戦争の最新分析となっている。以下にまえがき、目次、あとがきを貼り付ける。
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プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする

(貼り付けはじめ)

まえがき

 この本の内容は、表紙の書名に書いたとおり、「プーチンを罠に嵌(は)め、策略に陥れた英米(えいべい)ディープステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする」である。この書名(タイトル)で私の考えをはっきりと言い表した。

 この本は、この2022年2月24日、突如始まったウクライナ戦争で、日本人が何を深刻に感じたかを探(さぐ)る本である。

 私の結論は、「日本は平和な、中立国であるべきだ」である。これから世界は荒々しい戦

争(動乱)と大恐慌の時代に入る。もう安易な考えは通用しない。

 この齢(とし)になってこんなことが起きてしまった。私はウクライナ問題の専門家ではない。ロシアの政治の内部の動きもあまり知らない。普通の日本人として、2月24日からのプーチン大統領の命令(独断)によるウクライナ総攻撃(侵攻)に驚いて、慌てふためいて、それから3か月、ずっとネット上のニューズと情報文を朝も昼もなく追いかけて収集した。

 それでも私は、世界情勢を大きく見る目を40年間かけて自力で養ってきた。ウクライナ戦争が勃発(ブレイクアウト)して、これからの世界(人類の歴史)が大きく変わるのだ、ということは、嫌というほど分かる。

 私はもう自分が死ぬことはそれほど恐くない。もう十分に生きたという気持ちがある。だ

が若い人たちは戦争で死にたくないだろう。小さな子供を抱えている親たちはもっと死ぬ訳(わけ)にはゆかない。

 おそらく今度のウクライナ戦争は、このまま第3次世界大戦 [ザ ・サード・ワールド・ウォー](WW)にまでつながってゆく。私は冷酷にそのように予測(予言)する。それがいつ始まるか、だ。もうこのままでは、世界は収まらなくなった。

 私たちがたっぷりと享受した「世界の平和な時代」は終わりつつある。敗戦後(1945

年から)77年間、日本はずっと平和であった。世界中では、あちこちの国々で動乱と戦争があったが、日本は幸運にも直接の戦争の脅威に晒(さら)されなかった。アメリカさまに守っていただいたからだ(その代わり、お金もたくさん取られた)。

 日本はアメリカの家来、子分の国(属国)として諾々(だくだく)とアメリカの言うことを聞いて、それでも、これだけの豊かな国(本当は国民生活はかなり貧乏だ)になった。

 今度のウクライナのように悲惨なことになりたくない。と日本人は皆、本能で本気で思った。

 あんなにウクライナ人たちのように、激しい憎しみをもってロシア兵と、命を賭けて戦う

ことができるか。と自問すると、日本人は誰もがそんなことはできない。自分は戦争(殺し

合い)なんかする気がない、とハタと気づいて分かる。ごくごく一部の狂信的な者たちを除

いて。

 今度のウクライナ戦争で世界中の軍人が、日本の自衛官も真っ青になった。「オレもあん

な風に、ロシア兵のように戦車ごと吹き飛んで死ぬのかよ」とゾッとしたはずなのだ。これ

までずっとアメリカと共に、中国と戦うぞ、と偉そうなことを言ってきた者たち全員が、今、

心底(しんそこ)慄(ふる)えあがっているはずなのだ。

=====

『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする』◆ 目次

まえがき 1

第1章 ウクライナ戦争は核戦争まで行く。だが日本は大丈夫だ論 11

本当に核戦争になる 12

現実が未来予測を追い越す 16

世界で1億人が死ぬ 27

「ブチャの虐殺」の真実 30

ゼレンスキーそのものがネオナチ 42

ロシアの軍事作戦は国連憲章第51条に基づく 48

国連人権委員会のロシア追放決議は93対100で「可決」だった 54

核兵器の「×共同保有」議論は消えた 61

英情報機関が動いていた 72

台湾有事を煽動するのは日本のネオナチ 76

中国はドローンの最先端技術をロシアに渡すだろう 84

アメリカ軍将校がロシア軍の位置情報を解析して教えている 88

マリウポリで一般住民を人間の盾にしたアゾフ連隊 92

世界金融市場の動き 94

第2章 プーチンは罠に嵌はめられた 103

プーチンは開戦から罠に嵌められた 104

大暴落したルーブルは今や逆に大高騰 110

悪魔崇拝のディープステイトは世界中を火の海にする肚はらだ 114

手ぐすね引いて待ち構えていたアメリカ軍とNATO軍 118

戦争は続く。停戦はない。2024年に世界恐慌に突入する 122

第3章 ゼレンスキーはネオナチで大悪人 129

ゼレンスキーは『1984』のビッグブラザー 130

ウクライナは生物兵器と中性子爆弾の開発、製造をしていた 138

ディープステイトが仕組んだ世界中の集団発狂状態 143

日本は〝風の谷のナウシカ〟である 147

回廊国家は中立国として注意深く生きねばならない 150

ウクライナ国民の4割はロシア系 154

台湾人とは何か 158

今時キエフにいる日本人は日本政府の特務機関の〝鉄砲玉〟だ 161

日本政府は本当はロシアと対立したくない 163

インドのモディが重要 164

第4章 人類(人間)は狂ったサルである 169

狂ったサルは殺し合いをやめない 170

悪いのは米と英―これが本当の真実 175

日本には核は落ちて来ない 180

「責任はアメリカにある」のさらに一歩先まで行けない遠藤誉女史 184

「戦争の責任は米国とNATOにある」―J・ミアシャイマーとE・トッド 190

「サイバー戦に敗れたロシア軍は負ける」説 199

テレビのコメンテイターは軍事オタクとディープステイトの手先だらけ 202

第5章 ウクライナの歴史 209

1000万人が餓死した1933~1934年の〝ホロドモール〟 210

ヤヌコーヴィッチ政権のときウクライナは豊かな国だった 213

ネオナチとは何か 216

白人優越思想の起源 222

マリウポリ陥落 228

悪魔どもを滅ぼすまでプーチンは負けない 233

あとがき 241

=====

あとがき

 私は、この本で国論(こくろん)を変えたい。そして日本政府の対外(たいがい)政策の変更に影響を与えようと決意している。

 この5月18日に、ウクライナ戦争に決定的な戦況(せんきょう)の変化があった。ロシア軍が、この天王山(てんのうざん)の戦いに勝ち、ウクライナ軍は敗北をした。ウクライナ軍は「勝って兜(かぶと)の緒(お)を締めよ」(北条早雲[そううん]の嫡男[ちゃくなん]。後北条氏2代目北条氏綱[うじつな]の言葉)をせず、調子( 図[])に乗って東部に進撃して大敗北した。

 この戦争が始まって、3か月が経った。激しい戦闘の様子が、SNSの映像(動画)で流

れ続けて、私もそれらを追いかけ続けて、その中で自分の考え、立場、思想を明確にしてき

た。ロシア軍の戦車が次々に待ち伏せしたウクライナ軍のドローンと「ジャベリン」(携帯

式の対[たい]戦車誘導ミサイル)で吹き飛んで、散乱しているロシア兵の死体もたくさん見た。

 私は、日本国で、民間人国家戦略家( a Civilian National Strategist [ア・シヴィリアン・ナショナル・ストラテジスト] )を自称してきた。こう英語で書くとおり、私は私的な部内( private sector [プライヴェット・セクター])でしか自分の考えを主張( assertion [

サーション])できない。大きな勢力や集団、団体を背後に持たない私の考え(アサーション)の表明は無力であり意味を持たない。

 結論として、私は、ロシアの体制を支えているプーチンを全面支持し、全面的に応援する

立場になった。一言でプーチンが正しい。プーチンが指導する今のロシア国民の戦いはすば

らしい。このように私は旗幟[きし](敵、味方)を鮮明にしている。だから読者になってくれる者は極(きわ)めて限られてくる。商業出版物としてこういう著者の生き方は決して上手(うま)い生き方ではない。

 しかし今はもう世界的な緊急事態なのである。曖昧(あいまい)な態度を取ってはいられない。

 今も続いている愚劣なるウクライナのゼレンスキー大統領という男は、私にとっての敵である。ネオナチの極(ごく)悪人である。そしてゼレンスキーを背後から操(あやつ)って、ウクライナ国民を鉄砲玉のように使っている、西側(ザ・ウェスト)のアメリカのバイデン大統領たちは極悪人である。そこの主要な閣僚たちは、強固な反共右翼の統一教会 Moonie の大幹部たちである。今もヒラリー・クリントンがバイデンの背後で動いている。とりわけ、「ヘビのジェイク」“ Snakey Jake [スネイキー・ジェイク] Jacob [ジェイコブ]と呼ばれる安全保障担当大統領補佐官と、ヴィクトリア・ヌーランド国務次官(アンダー・セクレタリー)は、悪魔教(Diabolism [ダイアボリズム])の祭司で、人類を滅ぼそうとしている悪魔(ディアボロー)そのものである。11月のアメリカの総選挙(中間選挙 [ミッドターム・エレクション])で公職から攻め落とさなければいけない。

 このまま突き進めば、やっぱり人類は核戦争にまで至るし、第3次世界大戦(WWⅢ)に

突入してゆく。

 ここでは一切の甘い考えや、どっちつかずの中途半端(アメリカの俗語で half-ass [ハーフ・アス]と言う。お尻の半分だけ座席に腰かけている状態)な考えは、すべて消し飛んで消えてなくなる。

 私はプーチン支持であり、プーチンが戦っている敵であるディープステイト(陰に隠れる

世界支配者たち)と、自分の命を賭けた戦いを日本の言論でやってきた。

 ドイツの政治学者カール・シュミット( Carl Schmitt 1888-1985)が断言したとおり、「政治とは、敵と味方の区別をつけること、である」。

 私は日本国内における自分の敵たちを明確に識別し、彼らと、自分の運命としての持ち場

である日本という土俵で闘い続ける。

 幸い、日本国民の努力もあるから、日本には核兵器は落ちて来ない。だが、日本にもゼレ

ンスキーのような極悪人の人造人間のようなやつが現れて頭[あたま](ヘッド。首相)になるようならば、アメリカ製の核兵器を導入するだろうから、その時は、そこに向かってロシア及び中国の核が飛んで来る。

 この3か月の間に日本政府が行った一番重要な政治決断は、4月12日に、松野官房長官が、記者会見で、「日本は、AUKUS [オーカス](米、英、豪の国家情報共有協定)に参加することを拒否します」と言ったことだ。

 このAUKUS [オーカス]は、QUAD [クアッド](米、日、豪、インド戦略対話)が5月24日に東京で崩れたあとに出てきた反(はん)中国の、中国包囲網のための軍事同盟である。AUKUSは、Five Eyes(ファイブ・アイズ。5つの目)と呼ばれる英米系アングロ族の国家情報共有組織の一部である。中国は、はっきりと「AUKUSは、中国を包囲するためのアジア版のNATO(ネイト)である」と言っている。だから、日本政府(岸田文雄政権)が明確にこれへの参加の誘いを断ったことは、すばらしいことである。日本は、ロシア、中国ともケンカしないで仲良くしてゆくべきなのだ。

 私たち日本人は、今の平和憲法を死守しなければいけない。そして、「非核3原則」(1.核を作らない。2.持たない。3.[アメリカに]持ち込ませない)を堅持して、徹底的に平和な中立国 a non-aligned country(ア・ノンアラインド・カントリー) として生き延びなければいけない。

 そして、「アジア人どうし戦わず」(戦争だけはしてはならない)である。この標語は私が作ったものだ。

 私たちの日本国は、じつは、遠くで起きたウクライナ戦争で、

Japan is not the stakeholder [ステイクホールダー](利害関係人)in the Ukrainian war. ”

「日本は、ウクライナ戦争の関係当事者ではない」なのだ。これが国際社会からの冷厳なる

認定であって、日本はウクライナ戦争では傍観者(オブザーバー)である。

 だが、私たちはこんなに騒いだ。血相を変えた。ゾっとした。テレビやネットの情報や映

像(動画)に釘付(くぎづ)けになった。何故なのか。そのことを私はこの本一冊で、その謎を解いた。

私たちは、今、迫り来る何に脅(おび)えながら生きているのか。それをこの本で私は解き明かした。

 最後に。私の苦悩の3か月間を、脇でずっと見ていて、私が刻々と変わる戦況[せんきょう]war situation [ウォーシチュエイション] )で追い詰められながら書いた文章をこうして一冊の本に纏(まと)めてくれた、秀和システム編集部の小笠原豊樹氏に感謝します。

2022年5月

副島隆彦 

(貼り付け終わり)

(終わり)

※6月28日には、副島先生のウクライナ戦争に関する最新分析『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープ・ステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする』が発売になります。


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 古村治彦です。

 2022年3月26日に西森マリー著『カバールの民衆「洗脳」装置としてのハリウッド映画の正体』(秀和システム)が発売になります。監修者は副島隆彦先生です。著者に森マリー先生は『[新版]ディープ・ステイトの真実 日本人が絶対知らない!アメリカ〝闇の支配層〟 』『世界人類の99.99%を支配する カバールの正体』の著者です。今回はハリウッド映画550本を解説しています。

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カバールの民衆「洗脳」装置としてのハリウッド映画の正体

 以下に監修者のことば、まえがき、目次、あとがきを貼り付けます。参考にしてぜひ手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

監修者のことば 副島隆彦

 

 西森マリーと私たちの、闘いは続く。

 人類の大敵 Deep State ディープ・ステイトを、さらに上から操(あやつ)る Cabal(カバール)の存在を、私たちに西森マリーが、前の本『カバールの正体』(秀和システム)で教えてくれた。

 今度は西森マリーは、ハリウッドに進撃した。ここも悪魔たちの巣窟(そうくつ)である。アメリカのカリフォルニアの無法者たちの荒野に、〝正義のガンマン〟(女性だからガン・パーソ[ス]ン?)がひとりで立ち向かう。私たちは固唾(かたず)を飲んで見守る。彼女はひとりで戦う。私たちはドキドキしながらそのあとを追いかける。「ホテル・カリフォルニア」(本書328ページ)を皆で合唱しながら。そして、この本から大量のお勉強をする。

「あー、もの凄くいい勉強になったー。これで創業113年(1909年にD・W・グリフィスたちが始めた)のハリウッドの全体像が分かったゾー」となる。このことをこの本の冒頭で私が請け負う。

 この一冊で合計550本のハリウッド映画界の真の正体が、透け透けに、透けて、見えた!

  例えば、81ページに出てくる映画『戦争の犬たち(ザ・ドッグズ・オヴ・ウォー)』の脚本家ゲイリー・デヴォアーは真実を描こうとして、CIAと深く付き合い過ぎた。1998年に車ごと排水路に嵌(は)まった姿で死体で見つかった。彼は両手を切断されていた。「余計なことを書くな」という警告だ。そして132ページの「(アメリカ海軍のファレル中佐は)実はソ連のスパイだった」というコトバが重要だ。

 ハリウッド映画をエンタメ(娯楽)としてしか見てこなかった人たちに、そろそろ本気になってもらいたい。映画を本気で見て、本気で、「ことの真相(それは複雑な顔をしている)はどうだったのか」を、この本と共に考えることで自分の脳を訓練しなさい。それが本当に自分の頭がよくなる秘訣です。日本でも三浦春馬[はるま](2020年7月18日)と竹内結子[ゆうこ](同年9月27日)の不審死があった。

  私が、この40年やって来たアメリカ政治思想研究の3割ぐらいは、ハリウッド・アメリカ映画( MGM[エムジーエム]社のイギリス製も含む)を見て真剣に考えたことで作られてきた。実は、私だってハリウッド映画評論の本を4冊書いている。恐ろしいのは、大衆へのプロパガンダ(情報操作と宣伝活動)だけではない。カバールは、権力者たちに反抗し抵抗する者たちの団体にスパイを潜り込ませて内部から攪乱(かくらん)し、おかしくすることである。

 すべては仕組まれている。世界中の大きな事件は、たいてい裏側に策略がある。老人になって古狸(ふるだぬき)になった私は、大きな真実が透けて見えるようになった。

 西森マリーが世界を頂点から支配するCabal カバールに向かって突撃してゆく、のと同じように、私は日本の持ち場で大きな真実を探り当てつつある。

 それは、日本共産党結党(創立)100周年である今年に、満天下に暴かれるべき真実である。1922年に結党したときの創立メンバーのひとりである野坂参三(のさかさんぞう)(長く共産党議長だった)は、最初から日本政府の内務省警保局(けいほきょく)特高(とっこう)(特別高等警察)が送り込んだスパイであった。今では政治問題に関わる知識人たちが知っている事実である。

 野坂は、事実が発覚した1992年(今から30年前)に共産党を除名されて翌年、101歳で死んだ。この年の9月に『週刊文春』の記事で事実が暴かれて共産党内が大騒ぎになったからだ。だが、真に恐ろしいのは、この『週刊文春』(文藝春秋)に情報を与えたとされる元共産党員を自称する者たち自身が、実は共産党に潜り込んでいた国家スパイ(公安警察)だったのである。潜入者の工作員(こうさくいん)を infiltrator(インフィルトレイター)と言う。まさしくこれがハリウッド映画のおはこ(十八番)であり、典型である。戦前、多くの共産党員を拷問にかけ殺害した日本の特高の後身(こうしん)が今の警察庁(警視庁ではない)である。

 かつて松本清張(1909-1992)という大(だい)作家がいた。彼が1964~1971年に書いたシリーズ『昭和史発掘』(これも『週刊文春』)に情報提供したのも、元共産党員たちだったとされる。そして真実はやはり共産党に潜り込んでいた政治警察官(ソートポリス)たちだったのだ。このようにして日本を代表する立派な大(だい)新聞社や大(だい)出版社たちも汚れている。私は、これらの秘密に関わる者たちすべてを許さない。すべて真実を暴き出す。

 さらには、東京大学の教授たちで敗戦後の日本の左翼と民主勢力を代表した〝岩波(書店)

朝日(新聞)文化〟の、その頂点にいた南原繁(なんばらしげる)総長と愛弟子の丸山眞男(まるやままさお)までが、真実は旧内務省警保局に関係していたのである。日本のすべての左翼とリベラル派は心底、震撼しなければいけない。

 私は、これらのことを最新刊の佐藤優(まさる)氏(彼は外務省の対外(たいがい)情報官、インテリジェンス・オフィサーの国家スパイだった)との対談本で話した。

  同じくアメリカ共産党CPUSA(シーピーユーエスエー)も、創立(結党)102年になるのだが(中国共産党は1年遅れで101周年)、結党時の創設者(ファウンダー)であるジョン・リード(『世界を震撼させた10日間』の著者)がモスクワで病死したあと、2人のアメリカ人の指導者(書記長)がいた。ウィリアム・フォスター William Foster とアール・ブラウダー Earl Browder である。内部で対立した。このうちの後者のアール・ブラウダーは、結党時からアメリカ連邦政府FBIが送り込んだスパイであった。まさしく日本の野坂参三である。この真実はアメリカ本国の左翼知識人の間で最近ようやく知られるようになった。アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『ターミネーター』(1984年)で、ターミネーターと戦う人類の生き残りたちの最高指導者がターミネーターであった。だから、私たちは、絶対に真実を伝え合わず、バカの振りをして生き延びろ、と私は自分の本で書いた。

 私は1950年代の〝赤狩り〟の旋風(マッカーシズム)の嵐をまともに受けた、真面目なアメリカ左翼知識人たちの研究もずっとやってきた。

私たちのこの世界はもともとこのように恐ろしい。テレビドラマも映画もいつも必ず「警察のスパイがいる」のである。西森マリーが描き出した今回のハリウッドの大作たちの裏側の真実すなわち Cabal による「世界民衆洗脳(プロパガンダ)」を、私たちは今こそ学ぼう。

  西森マリーが生(な)まの英語で読んで見て知った諸真実を、直流電気のように私たちに日本語(文)で教えてくれる。有り難いことである。私たち日本人も、Deep StateCabal との戦いを、前に前に推し進めなければいけない。

 

2022年2月23日

副島隆彦

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はじめに ── この本を楽しむための予備知識

Niemand ist mehr Sklave, als der sich für frei hält, ohne es zu sein.

Goethe

自分が自由だと誤認している人ほど、奴隷と化している人はいない。

ゲーテ

 

アメリカ国歌 The Star-Spangled Banner「星条旗」は、「砲弾が炸裂する中、夜(よ)

を徹して、星条旗が翻(ひるがえ)り、今もなお自由の大地 the land of the free と勇者の故郷に、我々の旗がはためいている」という内容の歌です。奴隷時代の黒人は別として、自由を求めて新天地に移住した初代アメリカ人も、近代に入ってからアメリカにやってきた移民も、アメリカ人のほとんどが「アメリカは自由の国・大地」 the land of the free だと信じています。

 しかし、実際は、アレグザンダー・ハミルトンが中央銀行を設立して以来、ほんの一時期を除き、アメリカは大銀行家集団の借金奴隷と化しているのです。

 アメリカで唯一貨幣発行権を有する連邦準備制度・連邦準備銀行は、大銀行家の集団が牛耳(ぎゅうじ)る私設機関です。まさしく1982年のルイス対(たい)合衆国の裁判で、第9控訴裁判所が「連邦準備銀行は独立した私有企業である」という判決を下しています。この私設機関が発行した貨幣を、利子を取ってアメリカ政府に貸し付ける、という形でアメリカ経済が成り立っています。つまり、連邦準備制度・連邦準備銀行が最初の1ドルを政府に貸し出した時点で、政府はすでに利子付きの借金を負い、アメリカ人はその借金を私設機関である連邦準備制度・連邦準備銀行に払うために高い税金を課せられているのです。

 ですから、アメリカ政府が連邦準備制度から脱出して、独自の貨幣を発行するまでは、アメリカ人もアメリカ在住者も、みな借金奴隷であり、自由人とはほど遠い存在です。

 IMFや世界銀行は、連邦準備制度、連邦準備銀行の世界ヴァージョンなので、この2機関(IMFと世界銀行)に加盟するメンバーも、みな借金奴隷です。

 ハリウッドが送り出す映画は、こうした現実に人々が気づかないようにするためのミスディレクション(誤誘導)です。

 ローマ帝国がパンとサーカスで人々を満足させ、元老院にとって不都合な現実から注意をそらしたのと同じように、支配層はハリウッドに娯楽映画を作らせて、人々を楽しませ、支配層に対する不平不満が爆発しないようにしているのです。

 映画・音楽業界(日本語の芸能界)が、英語で entertainment industry エンターテインメント(娯楽)業界と呼ばれるのは偶然ではありません。映画『グラディエーター』のマキシマス(ラッセル・クロウ)は、複数の対戦相手を殺した後、支配者層の人間の観客席に槍を投げ込み、唖然とする観客に向かってこう言っています。

 Are you not entertained ? Are you not entertained ? Is this not why you are here ?「楽し

んでないのか? 楽しませてもらってない、とでも言うのか?(人殺しを見て)楽しむためにここに来たんだろう?」

 ハリウッド映画は、大衆に日々の不満を忘れさせ、支配層にとって不都合な事実に気づかせないようにするためのpsyop(サイオプ psychological operation 心理操作作戦)なのです。

 

 本題に入る前に拙著『ディープ・ステイトの真実』、『カバールの正体』をまだ読んでいない人のために、カバールに関しておさらいしておきましょう。

カバールとは、中世から続いている大銀行家・大富豪、英国、オランダなどの王室、ヴァチカン上層部の支配層集団のことです。カバールは、国家という概念を廃止し、人口を大幅に削減して、世界を一つにまとめたワン・ワールドを形成し、完全な独裁政権を樹立しようとしています。CIA、FBI、MI6(エムアイシックス)、NATO(ネイトー)、大手報道組織はカバールの執行機関で、カバールの目的を達成するために、戦争を起こし、スパイ活動を行い、賄賂(わいろ)やハニートラップで政治家や判事を恐喝し、カバールが望む政策を展開させています。

英米の報道機関はそもそもカバールにとって都合のいい情報を流すためのフェイク・ニューズ拡散機関で、この報道機関から諜報機関が生まれました。

 この本では、さらに一歩踏み込んで、「映画もカバールの報道機関である」ということを、

揺るぎない事実を提示しながら証明していきます。

 映画の筋書きよりもおもしろい映画業界の真相を、じっくりとお楽しみください!

 本文の記述の典拠となる資料、ビデオのURLは、秀和システムのホームページhttps://

www.shuwasystem.co.jp/ にある本書のサイトのサポート欄に掲載してあります。

 

【注】この本では、〝ハリウッド〟を映画業界の代名詞として使っているので、大手英国映画会社の作品も〝ハリウッドのサイオプ〟の一環としてご紹介しております。

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『カバールの民衆「洗脳」装置としての ハリウッド映画の正体』目次

 

監修者のことば 1

はじめに ── この本を楽しむための予備知識 7

 

第1章 プロパガンダ映画の黎明 ── 第1次世界大戦 19

英・戦争宣伝局(ウェリントン・ハウス)という偽にせ情報制作機関 19

爆薬を輸送していたルシタニア号 27

 

第2章 プロパガンダ映画への全面協力 ── 第2次世界大戦 29

ドイツへの反感を強化した『美女ありき』 29

スパイ活動のほかプロパガンダも担ったOSS(戦略情報局) 32

強まるOSSとハリウッドの関係 35

短編映画『ロード・トゥ・ヴィクトリー』 40

OWI(戦時情報局)の設立により一貫性のあるプロパガンダを拡散 43

OWIの映画製作配給7つの原則 45

『カサブランカ』は恋愛映画ではありません 47

制作された数百本の戦争プロパガンダ映画 55

ディズニーは120%大政翼賛 57

 

第3章 ペンタゴンとCIA 63

ミリタリーエンターテインメント・コンプレックス(軍娯楽複合体) 63

国防省広報局のハリウッド担当、フィル・ストラブ 65

「アメリカ軍は正義の味方!」を植えつけろ 69

国務省傘下のCIAはもっとあくどい 75

CIAはどんな監督・脚本家、有名スターでも黙らせる 79

ペンタゴンが〝イノシシ〟なら、CIAは〝クモ〟 86

ヒッチコックもCIAに使われた 89

 

第4章 FBIの影響力 95

ハリウッド・スターも監視したフーヴァーFBI長官 96

従わなければ〝人格抹殺〟 100

どんな修正、改ざん、カットが行われるか 104

 

第5章 戦争、紛争、テロ、革命 109

フランス革命もの ──『マリー・アントワネット』 109

ナポレオンもの ──『ワーテルロー』他 112

南北戦争もの ──『風と共に去りぬ』、『グローリー』 114

ロシア革命もの ──『追想』、『ドクトル・ジバゴ』 115

第2次世界大戦もの⑴ ──『パットン大戦車軍団』 118

第2次世界大戦もの⑵ ──『プライベート・ライアン』『パールハーバー』 123

ロシアの脅威・冷戦もの ──『007/ロシアより愛をこめて』『若き勇者たち』他 127

ロシアの脅威・ポスト冷戦もの ──『ロシア・ハウス』『クリムゾン・タイド』他 132

ベトナムもの ──『ディア・ハンター』『地獄の黙示録』他 134

中東もの ──『アラビアのロレンス』『エンテベの勝利』他 138

ムジャーヒディーンもの ──『ランボー3/怒りのアフガン』他 151

9・11もの ──『ユナイテッド93』『ワールド・トレード・センター』他 155

アフリカの紛争もの ──『レッド・スコルピオン』 158

 

第6章 ホロコースト、ユダヤ人差別もの 163

長蛇の作品リスト 163

『シンドラーのリスト』に記された但し書き 177

600万人という数字 181

 

第7章 噓の上塗り、フェイク・ヒストリー 185

十字軍、テンプル騎士団もの ── 軍事と金融の癒着の隠蔽 185

リンカーン暗殺もの──本当はリンカーンを憎んでいた北部の銀行家 188

連邦銀行もの ── タイタニック沈没の真実 189

フォークランド紛争もの ── 英国海軍、石油会社のグラディオ 192

フランクリン・ルーズヴェルトもの ── 米国史上最悪の大統領を糊塗(こと) 195

ローザ・パークスもの ── 驚きの公民権運動勝利のシンボル 196

イスラム教テロもの ── フェイク映像は簡単に作れる 201

 

第8章 リミティド・ハングアウト ~限定的露呈~ 205

大きな機密を守るために小さな機密をわざと漏らす 205

「ジャーナリストは正義の味方」という誤認を広めた映画 206

CIAの犯罪を隠蔽するための映画 213

グラディオ、資金洗浄、爆弾テロの真実を隠蔽するために 222

 

第9章 イルージョンの刷り込み 229

イングランド王族もの ──〝英国王室は名誉ある家族〟という噓 229

ウォール・ストリートもの ──〝誰でも株で儲けられる〟という幻想 230

サクセス・ストーリーもの ── 本当は〝私たちはみな借金奴隷〟 232

奴隷もの ──〝奴隷がいたのは大昔のこと〟という幻想 233

弁護士もの ──〝アメリカの司法制度は公正〟という幻想 237

政治もの ──〝2大政党制は機能している〟という幻想 240

陰謀もの⑴ ──〝気象兵器は存在しない〟と思う人こそ陰謀論者 241

陰謀もの⑵ ──〝政府による人殺しなど映画の中でしかあり得ない〟という幻想 244

エイリアンもの ──〝宇宙人が攻めてくる!〟に気をつけろ 250

〝小さな幸せで満足しよう!〟も立派なサイオプ 253

 

第10章 予知映画 255

007シリーズ ── 近未来情報がいっぱい 255

宇宙もの ──『2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』他 258

サイボーグ/ロボット/アンドロイド/AIもの ──〝まもなく現実になりますよ〟 261

記憶操作/マインド・コントロール/VRもの ── 現実世界の不満を爆発させない 263

クローン/臓器搾取もの ── すでに現実化、ただし超富裕層だけ 264

人体交換もの ── 来る受け容れの日のための心の準備 265

異種間恋愛・友情もの──〝超人〟やハイブリッド人間に慣れさせる 266

人口削減・食糧不足・階級闘争もの ── ディストピア映画の真骨頂 267

ナチスSFもの ── なぜ〝彼ら〟は南極に行くのか 269

危険な未来もの ── アメリカがディストピア化する 272

警察国家/監視もの ── このディストピアならすでに現実化した 274

パンデミック/伝染病もの ── コロナウイルスへの心の予行演習 276

環境破壊/地球温暖化もの ── 地球を壊しているのは本当は誰か 277

オバマ政権2期目以降のディストピアもの ──〝無駄な抵抗はやめよ〟という警告 280

 

第11章 ソウシャル・エンジニアリング 287

ダイアモンドは永遠の愛の印 ──『ダイヤモンドは永遠に』他 287

タバコはクール ──『アイ・ラヴ・ルーシー』他 291

プロダクト・プレイスメント ── 映画の中でのブランドの宣伝 293

ペドフィリアの通常化 ──『ロリータ』『アメリカン・ビューティー』他 294

ヒッピーもの ──『イージー・ライダー』『ヘアー』他 301

女権拡大/働く女性/ハウスハズバンド美化もの 303

シングル・マザー謳歌もの 305

LGBTもの 310

〝過剰社会的正義の追究者(SJW)〟 313

〝白雪姫をやめて黒雪姫を、白鳥の湖の代わりに黒鳥の湖を〟 316

 

第12章 アートも音楽もマインド・コントロールの道具 319

アートもカバールのサイオプの道具だった 319

カウンター・カルチャーのミュージシャンの多くが軍人の子どもなのはなぜ 320

〝ホテル・カリフォルニア〟の歌詞の意味 328

 

あとがき 332

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あとがき

 

All the world’s a stage, And all the men and women merely players.

Shakespeare

この世はすべて一つの舞台、男も女も人間はみな単なる役者にすぎない。

シェイクスピア

 

 ハリウッド Hollywood holly「ヒイラギ」wood「木、森」という意味です。常緑樹(evergreen)のヒイラギは、ギリシア・ローマ時代から神聖な木と見なされ、ドロイド(古代ケルト社会の魔術師)はヒイラギの枝を魔法の杖として使っていました。

 ラジオやテレビの番組は、英語ではプログラム program 、番組編成はプログラミングprogramming で、コンピュータのプログラミングと同じです。ウェブスターの辞書は、動詞の program の意味を、to predetermine the thinking, behavior「思想や行動をあらかじめ定める」と定義しています。

 ハリウッド映画は、人々が真実に気づかないようにするための魔法、ラジオやテレビは人々の思想や行動を操縦するためのプログラミングです。

 シェイクスピアの言葉通り、私たちは皆、カバールが作ったシナリオやトレンドに踊らされ、カバールの手下であるセレブやニュースキャスターのいいなりになって、まったく自覚がないままカバールにとって都合のいい役目を果たし、役柄を演じているのです。

 地球全体が『トゥルーマン・ショー』(1998年、本書275ページ) のセット、世界人口の99・99%がトゥルーマンで、無数のトゥルーマンたちが、人口削減を目指すカバールが繰り出す戦争、革命、テロ、暴動、経済恐慌、地震、ハリケーン、吹雪、干ばつ、飢餓、疫病を必死にかいくぐりながら生きている ―― これが現実です。

 私がこの「あとがき」を書いている最中も、カバールがワグ・ザ・ドッグ(重要な事実から注意をそらすための偽旗[にせはた]作戦)を展開し、「ロシアがウクライナを侵略した!」と騒ぎ立てています。実際は、ウクライナで資金洗浄や生物兵器開発などを行うカバールの手下どもをロシア軍が成敗しているだけで、民間人を攻撃しているのはウクライナ人のネオナチです。

 カバールの連中は、フェイク・ニューズを信じ切っている sheeple(羊のように従順な人々)を見て、「バカどもを、またしてもまんまと騙してやった!」と、大笑いしています。

 CIA、FBI、NSAなどは Alphabet agencies アリファベット・エイジェンシーズと呼ばれていますが、カバールに都合の悪い映像や情報を削除する YouTube 、グーグルの親会社が Alphabet Inc. という名称なのは、偶然ではありません。YouTube もグーグルもアルファベット・エイジェンシーの一員で、カバールの偽情報拡散・情報操作機関です。

 人類は偽情報の泥沼の中で溺れています。

 しかし、トランプ大統領がフェイク・ニューズの実態を晒し出してくれたおかげで、アメリカ人の半数がしっかり目覚めました。

 アメリカでは、一部の報道機関やSNSが「オバマ政権がトランプ候補のオフィス、トランプ大統領のホワイトハウスを盗聴していた」という事実を報道しています。オバマやヒラリーの犯罪が白日の下に晒され、バイデンの化けの皮(ラテックスのマスク)が剝がされる日も、そう遠くはないでしょう。

 CNNのコロナ担当、ドクター・ウェンが、ボストン・マラソン爆弾テロ(グラディオ)でクライシス・アクトレスをやっていた映像にも再び注目が集まっています。(明らかにクロマキーを使ったフェイク・インタビューで笑えます!)

  https://www.youtube.com/watch?v=fwlc0eg15RU

 ホワイトハウスのセットにいるバイデンを記者たちが撮影している写真も出回っています。

 https://archive.fo/oAd0f

 https://archive.fo/SEc4g

 

 カナダのジャスティン・トルドー首相(フィデル・カストロの息子)が、ワクチン義務化に反対する人々の銀行口座を封鎖したときは、リベラル派さえも「やりすぎでは?」と思いました。

 アメリカの経済が破綻するのは時間の問題です。激しいインフレや食料不足などが起きて、大恐慌時代のようなパニックに陥れば、果てしなく愚鈍なバイデン支持者も自分たちが実は奴隷なのだ、と気づいてくれるでしょう!

 読者の皆さんが、テレグラムや Truth Social で真実を広め、フェイク・リアリティの中でぼんやりしている人々を起こす〝目覚まし作業〟に参加してくれますように!!

 

最後に、今回も丁寧に監修をしてくださった副島隆彦先生と、ドイツ語の翻訳を助けてくださった小笠原豊樹さんに、深くお礼を申し上げます。

 

この本の記述の根拠となる出典、ビデオのURLは秀和システムのホームページ https://

www.shuwasystem.co.jp/ の本書のサイトのサポート欄に掲載してあります。

 

2022年2月24日、不法移民が溢れかえるテキサスにて

西森マリー

 

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

anatanokojinshisanwonanigaattemomamorinuke501
 
政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!

 今回は、私の友人である根尾知史(ねおともし)氏のデビュー作『政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!』(秀和システム)をご紹介します。

 根尾氏は金融コンサルタントとして活動しているが、今回、財産保全の方法をまとめた著作を発表することになりました。これが根尾氏のデビュー作となる。

 以下に監修者のことば、まえがき、目次、あとがきを貼り付けます。

 是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

監修者のことば(副島隆彦)

『政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!』を、私の弟子の根尾知史君が書き上げた。

 根尾君は日本の資産家や経営者たちが外国で資産を保全することをサポートするコンサルタントである。彼は多くの資産家、経営者への助言者としての付き合いの中から、目の前の現実の問題で困っている客たち(患者である)が訴えてくる必死の疑問に対応し、解決策(ソルーション)を提示することで優れた専門家になっていった。

 まさしく「客に教えられ」た。「お客様が訴えてくる真剣な質問、悩み」こそは、医者も弁護士も、各種の教師たちも、福祉ケアマネージャーたちも、専門家が第一番にするべきことだ。

 ここに、日本の小()金持ちたちが抱えている切実な課題に対処する本をまとめることができた。

 日本の資産家、経営者たちのために本当に役に立つ、諸外国の現場で、実際に身につけた経験から得た、貴重な情報がたくさん書かれている。これらの知識と情報が、日本人に届けられることは、大変喜ばしいことである。

 21ページ以下に、いまからでも、余計な預貯金や株、債券など国内の金融資産(ペーパーマネー)を減らして、世界共通の永遠の実物資産[じつぶつしさん](タンジブル・アセット)である金[きん](ゴールド)に換えて、安全に保管する方法が具体的に書かれている。

 31ページ以下に、世界の大(だい)資産家たちが、どのように資産を国際貿易都市にある高級品専用の倉庫や貸金庫で、その売り買いや遺産継承まで行っているのか。その実態を、面白く教えてくれている。

 22ページで、こう書かれている。「世界には、高価な美術品や宝飾品、貴金属、さらには、温度や湿度の管理が必要な絵画や高級ワイン、大きなものではヴィンテージもののクラシック・カーまで、〝高級で高価な実物資産〟がある。この高級品貸(かし)金庫を使っている富裕層の人たちは、ふつうの金融資産を信用していない。だから、いろいろなもっと価値の高い実物資産の形で、資産を海外にまで分散して置きたがるのである」という。

 世界の大資産家たちは、世界各国の「保税地区」に、実物資産で資産を上手に保存している。

 82ページで、これから政府が実行する預金封鎖[よきんふうさ](バンクアカウント・クランプダウン)を回避するための、鋭い対応策が書かれている。

 114ページで、いざ外国へ資産を移すときに注意するべきこと。あなたの人生の「出口戦略(でぐちせんりゃく)」が必要であることを訴えている。

「出口戦略(エグジット・ストラテジー exit strategy )」とは、ひと言で言うと「売るか、引き継がせるか」の決断である。いざという時のために「誰に売るか、誰に引き継がせるか」を決めておくべきだ。そのために、日頃から書面に一筆サインだけすればいいようにしておく。そのための手順のノウハウが書かれている。

 これからの世界は激しく動く。一体何が起こるか分からない。きっとこのままでは済まない。現金のお金はあっという間に紙切れになる。「やっぱり金(きん)を買うべきだ」という、本書の帯のサブタイトルに至りつく。それを諸外国で実行すべきなのである。

 故に、本書の購買を強く推薦する。

2021年1220

副島隆彦

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はじめに ―― 今、生き抜くためにどうしても大切なお金について考える

 2022年、現在の日本で、資産家層、富裕層は、いまや「金持ち難民」と呼ばれている。本当に、金持ち難民になっている。資産家たちが安心して暮らせる国がないのである。国が、あなたたち金持ちの資産を狙って、税金で奪(うば)いとろうとする。だから、資産を抱えて、諸国をさまようしかなくなっている。もはや「キャピタル・フライト」すなわち、資産の国外避難さえも、難しくなっている。

 だがしかし、まだ資産保全の方法は、ある。いまからでも間に合いますよ。資産家たちはすでにこれまでに「タンス預金」や「銀行預金」をやってきた。しかし、もう日本では、自分の資産を守りきれない。国家が、政府が、あなたの資産を奪(うば)い取りにきているからだ。

「国家は国民の福祉(幸福な生活)のためにある」というのは、ウソである。国家は、あなたの生活を守ってくれない。「政府は、国民の幸せのために、国民の皆様が納める税金が必要なのです」というのは、税金を取るための口実である。

「税金」はすべて「悪」である。税金を納めるのは、何か良いことだと思っているのは間違っている。税金は、無理やり国に取られるものなのだ。「増税」「重税」は、国民を苦しめ、国の経済から生気(せいき)を奪いとる。だから、私たちは、常に減税を要求しなければならない。

「いかに、税金の負担を減らすか」という議論をしなければならない。ところが、そんな議論なんかさせてくれない。だから、私たちは自分の資産を国外に移して、守り抜かなければならない。

 本当は政府がやるべきことは、「いかに正しく税金を使うか」である。ところが現状は、そうなっていない。政府の税金の取り立ては、金持ち層にとってヒドいことになっている。日本は「重税国家」だ。本来なら、私たちは、「いかに効率よく政府を運営するか。いかに正しく無駄なく、税金を使うか。無駄な歳出を減らして、どれだけ税金をなくせるか」を、国民みんなで議論するべきなのだ。

 「資本主義(キャピタリズム)の崩壊が近い」と騒がれて久しい。しかし最近、本当に怪しくなってきた。

 経済も金融も、「資本主義(キャピタリズム)」というシステムでできあがっている。すなわち、「お金(資本=キャピタル)」を中心に、世の中は動いている。「お金」を中心に経済活動、商業取引が行われている。もっと簡単に言うと、いまの世の中は「お金中心主義」である。「お金」がないと、不幸なのである。お金がないと必要なものは何も買えない。商品やサービスの交換ができない仕組みになっている。地球上のあらゆる経済活動、金融、貿易、国家の財政までをも動かしている「骨格」である。

 何をするにしても、私たちは「お金(すなわち資金、元手[もとで]、資本)」が必要である。「お金」がないと、まず「衣食住」が維持できない。つまり、「お金」がなければ「生きていけない」世の中になっている。だからどうしても、「お金」を得るためになんとか収入を得られる職業、事業、稼業(かぎょう)に、みんな就いている。

 これが「資本主義」経済だ。これ以上の、何か高尚(こうしょう)な定義や講釈は要()らない。小難しい、偉そうな解説も必要ない。それらは、切りのない議論になってしまう。私たちが毎日行っている、お金の使い方やお金の計算が、最も大切である。

 それに対して、「私は、自分は《自給自足》で生きている。私はすべての衣食住を、自分で調達し、自分で作り上げて生きる。誰かに《お金》を支払って手に入れる(購入する)ことはしない。私は、《資本主義》のシステムを、すべて拒否する」

 こういう人がいてもいい。実際、いまそうした「自給自足」の生き方、考え方は、静かなブームでもある。

 いくら額(ひたい)に汗して、嫌な思いをして働いても、たいしたお金にならない。「お金持ち」は、すでにお金持ちである。親の財産があって、今の自分がいる。そして、自分の力でお金持ちになった人も、2割はいるだろう。

 そして、自分で「お金」を稼いでも、どうもこの「お金」そのものの信用が、かなり落ちてきて、怪しくなってきた。私たちが、いくら「お金」をため込んでも、その「お金」の価値そのものがどんどん減っている。これを「インフレ」という。政府がどんどんお金を刷るものだから、お金の量がどんどんふくらんで、「膨張[ぼうちょう](インフレート)」している。だから、その価値はどんどん下がるいっぽうだ。

 反対に、通貨(お金)が不足して経済の拡大が制限されることを「デフレ(デフレーション。通貨量の減少。経済の拡大が制限されて不況になること)」という。「デフレ」は、不況なのである。

 私たちはまず、生きるために、生活を維持し、何らかの活動や人生の目標を継続させなければいけない。そのために、「お金(元手、資金源、資本、キャピタル)」が必要だ。これが、「資本主義」のシステムである。これが、私たちが逃げることのできない現実の世界だ。お金のシステムは、「感情」や「好き嫌い」ではない。人類は長い年月をかけて、この仕組み

を作り上げたのだ

 だから私たちは、自分が持っている「お金」を、しっかりと守り続けなければならない。あなたの資産が、今の政府の異常な資産強奪であるいろいろな種類の「重税」から逃れるための各種の情報を、この本で提供する。この本では、そのための考え方と、具体的な手段をご紹介する。

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『政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!目次

はじめに ―― 今、生き抜くためにどうしても大切なお金について考える 1

監修者のことば(副島隆彦) 9

第1章 あなたの資産をどう守り抜くか 15

やっぱり「金」を買うしかない 16

海外で金(ゴールド)を購入し、海外の高級品貸金庫を利用する 21

オークションは豪華なお芝居(しばい)である 28

外国口座を上手に使いこなす 33

外国の資金も、いざというときは日本で引き出せる 36

外国の高級品貸金庫を日本国内にいながら活用する 40

外国へ資金を送金するのは大変だ 42

外国人の口座情報を交換する「CRS」制度について 48

アメリカが世界に押しつけた「FATCA」という法律 50

どこの国の政府も、外国の富裕層、資産家たちに、自国に来てほしい 52

「プライベート・ジェット」は、究極の資産保全 55

「暗号資産(仮想通貨)」は、資産になるか? 60

「高級品倉庫」は、高級ワインの長期運用をするところ 66 香港の国際金融システムを中国は守り抜く 68

中国の「国債」は、外国人でも購入できる 75

海外の口座で「中国株」を買う、という方法もある 78

第2章 資産保全のために今からできること 81

「個人口座」から「法人口座」へ資金を移すと「預金封鎖」の被害を回避できる! 82

「給付金をデジタル通貨で配る」と言えば、マイナンバー制度は広まる 87

日本の銀行の貸金庫は、セキュリティに問題あり 91

寺田倉庫という、アジアの富裕層も利用する、日本の「高級品貸金庫」について 92

日本国内で金(きん)を買う 103

海外で金を売買する場合 111

「外国への資産分散」を始めるには、人生の「出口戦略」が必要である 114

日本でする「外貨預金」はやめるべきだ 118

第3章 日本人が知らない東南アジアの経済成長の実態 125

タイが先頭を切って外国人客を受け入れ始めた 126

タイ、シンガポールに続いて、マレーシアが外国人客の受け入れを始める 136

マレーシアの「外国人富裕層向け長期滞在ビザ」MM2Hの現状 139

タイで長期滞在のビザを取るには 148

まずは現地へ行って「短期滞在」してみよう 154

「海外不動産」を、ひとつは保有する 163

日本基準で建設された、バンコクの高級コンドミニアム 166

 海外タックスヘイヴン事情 171

世界的に厳しくなっている海外の「法人口座」の開設・維持 180

イギリスの伝統的な「タックスヘイヴン」 187

第4章 デジタル法定通貨の世界をどう生き抜くか 193

「デジタル人民元」が北京冬季オリンピックでデビュー 194

世界が中国の「デジタル人民元」を追いかけている 199

「デジタル通貨(暗号通貨、クリプトカレンシー)」はサイバー・スパイ 206

中国政府がいまでも、金地金(ゴールド)を買い増している理由 213

中国人はいまでも金(きん)を買い続けている 220

中国政府が「金地金」を世界中から集める、ある特別なルート 225

「コロナ対策費(コロナマネー)」で大盤振る舞い。その「財源」は? 232

あとがき 241

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あとがき

 時代はまさに激動期である。そこに、新型コロナウイルスの「パンデミック危機」が襲いかかった。世界の経済活動は、いっきに凍結された。世界中で、海外渡航がいっせいにできなくなった。

 各国の政府は、国民に「外出制限」や「営業規制」を強要し始めた。私は、世界はまさに、

「戦時下」の真っただ中にあるのだ、と考えるしかほかに、この現状を理解することができなかった。まるで、「第3次世界大戦」が、いま目の前で起こっているようだ。

新型コロナ危機が「口実」であるとはいえ、アメリカもヨーロッパも日本も、政府が「無制限」にお金を発行し始めた。これも軍部が政権を奪(うば)いとった時に、同じことをした。「戦費」を、財源もないのにどんどん増刷させた。その結果が「ハイパーインフレ(紙幣の紙クズ化)」と「預金封鎖(よきんふうさ)」であった。

 だから、世界中の資産家たちが、慌てて、自分たちの資産を「実物資産(金地金(ゴールド)、高級品、不動産)」に換え始めた。もう彼らは、「金融資産(お金、ペーパーマネー、証券、債券類)」を信用していない。

(もの)に換えた以上、安全に保管する場所が必要だ。だから時代は、「世界中の保税(ほぜい)地区にある高級品倉庫に、資産を逃がせ」なのである。

欧米日の先進諸国が、合計2800兆円(25兆ドル)という恐ろしい金額の「コロナマネー」を、刷り散らかした。先にも書いたとおり、アメリカの昨年1年間のGDP(国内総生産)21兆ドル(2300兆円)よりも大きい。もうあとは野となれ、である。

 欧米の西洋諸国は、「近代資本主義」、「自由主義経済」と「デモクラシー(民主政体)」を人類のなかに築き上げてきた。

 そしていま、自分たちの手で、自(みずか)らそれをひっくり返す「グレート・リセット(ご破産[はさん])」をする、と言い出した。

 一昨年、2020年のはじめに「新型コロナ危機」が始まってから、やたらと「脱成長(だつせいちょう)」をいう経済学者や評論家が出てきた。

「脱成長」とは、元気のいい、経済成長を続けるアジアや、中東、アフリカ、南米の新興諸国の、成長・発展を押さえつける思想である。

 貧しかった国々から、どんどん新しい経済発展が起こることを「阻止する」。人類の「生気を奪い取る」恐ろしいイデオロギー(政治思想、信念)である。

 彼らは、新興の国々から、新しい経済拡大と発展が起こることを、どうしても抑(おさ)え込みたいのである。

 欧米のグローバル・エリートたち、世界の権力者たち、支配者たちは、そのために「脱成長(degrowth、ディグロウス)」という奇怪なスローガンをぶち上げた。

「おまえたち貧乏な途上国の有色人種たちは、もうこれ以上、経済成長、技術発展などするな。地球の環境が悪くなる。いまの貧しい、無知なレベルのままで、自然と暮らして、幸せで満足していろ」ということである。そのことが、「脱成長」、「SDGs(持続可能な開発)」や「ESG(環境、社会、企業統治)」など、生気のないキャッチフレーズによく表れている。

 人間は、元気いっぱいであるべきだ。どんどん成長していいのだ。自分の持てる能力をはばたかせて、どんどん発展していかなければ済まない。そのように生まれついている。

 社会や経済の「平等」とか、地球の「環境保護」のために、自分たちが「豊かに成長、発展することを犠牲にせよ、我慢せよ」という。「抑制(よくせい)」することを押しつける経済学が、「脱 成長」の理論なのである。

 マレーシアやタイを始め、アジアの新興諸国には、まだまだ「成長」の可能性がある。欧米の西洋白人の権力者たちは、自分たちがさんざん成長、開発し尽くして、戦後の世界的な経済成長の時代を生き抜いてきた。自分たちだけは、いい思いをして高齢化しただけなのだ。

 若い経済の生き生きとした、むせぶような高度成長の熱気、有り余(あま)る激しい活力に、辟易(へきえき)しているのだ。

 ごちゃごちゃと人口が密集し、子どもをたくさん産み、やかましくて若い元気な東南アジア人、中国人やインド人たち、中南米やアフリカの若者たち、中東のイスラム原理主義に熱狂する若いムスリムたちに、嫌気がさしているのである。

 しかし、時代はまさに、新興大国の「ブリックス(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)」や南米、アフリカ、中東、中央アジア、そして東南アジアの若い世代の熱狂が、これからの世界を侵食し、動かしていく。

 これが真実である。世界の支配層である欧米白人の権力者たちは、このことに心底、怯(おび)えているのだ。

 だから、「脱成長」のキャンペーンで「成長するのはいけないことだ」と、世界の人々を洗脳している。「脱成長」を提唱する学者や評論家たちに、その「自覚」はあるのだろうか。

*         *         *

  私たち日本人は、いまや、地球の裏側から、インターネット上のSNSという新しい通信手段で、アメリカや世界の政治や経済の動きを、リアルタイムで知ることができるようになった。腐りはてた「マスゴミ」である大手の新聞やテレビや雑誌は、もう瀕死(ひんし)状態である。

 第1章で書いたとおり、英語という「言葉の壁」さえも、最先端のソフトやアプリ、インターネットで乗り越えられる。「辞書機能」や「自動翻訳」などのおかげで、ずいぶん楽に、英文も読みこなせるようになった。

 くだらないテレビの御用学者や評論家たちよりもずっと早く、ライヴで、正確に、刻一刻と変わるアメリカや中国、世界の情勢を知ることができる。情報は、自分で集められる。

 このような時代だからこそ、「低成長」に甘んじるべきではない。自分から「脱成長」などと、言うこと自体がおかしい。若いうちにどんどん、活気のある「高成長(高度経済成長)」を続ける、「アジア」へ向かうべきである。アジアがあるユーラシア大陸こそが、世界 の中心となりつつある。

若くて柔軟なうちに、元気なアジアの人々とたくさん交流して、度胸をつけるのがいい。「英語の壁」だって、アジア人どうしの「ブロークン・イングリッシュ」で、すぐに気心が通じるようになる。

 若い日本人(ヤング・ジャパニーズ)な じ として、どんどんアジア諸国へ出て行く。その第一歩として、「香港」はとても馴染みやすい国だ。行ってみれば分かる。なおかつ、世界からみた香港は、「中国へのゲートウェイ」である。第1章の後半に書いたとおりだ。国際貿易と国際金融の「ハブ(hub)」である。

 高校生や大学生のご子息がいる方々には、いつも私は、このように話す。実際、大学生の子どもと一緒に、香港まで貸金庫や口座の開設に訪れた人もたくさんいる。

 それらの子息は、高校や大学の「交換留学」の制度を使って、カナダやオーストラリア、アメリカ、イギリスなど欧米の英語圏へ半年、1年と短期留学をしている学生が多い。そうした子供たちは、親から「おまえは、外国に行っていたんだから、少しは英語を話してみろ。通訳できるか」などと言われる。

 本人たちも、欧米の英語に慣れて、少しは会話ができるようになっている。それで、香港

の銀行の窓口で香港人の行員と会話をしてみる。ところが、ぜんぜん通じない。まず、アクセントが強い。独特の聞きなれない言い回しがある。かつ、非常に早口である。この「香港英語」が、まったく聞き取れないのである。

 それで、あまりの英会話の通じなさに、「ショック」を受けるのだ。これは、本人たちの英語力のせいではない。問題なのは、香港人の訛(なま)りの強い「香港英語」のせいである。

 しかしこれで一念発起(いちねんほっき)して、本気で英語の勉強を始めたお子さんたちが、何人もいた。これが、私がこの仕事をやっていて、本当に嬉しかったことのひとつである。

 じっさい、1年後くらいにもう一度、香港やタイ、マレーシアなどへ、私が主催するツアーで戻ってくる。そしてその時には、十分に、香港人の英語としっかりやり取りできるくらいの自信をつけているのだ。

 こうした、現場で実際に通じなかった体験が、英語をどうやって勉強したらいいのか、ちょっとした視点や視野、気づき、を与えてくれたのである。

 私自身、アメリカに留学していた。帰国して就いた仕事で、香港人と英語でやり取りするようになった。アメリカ英語に慣れていたせいもある。「アメリカ英語」だって、「イギリス英語(クイーンズ・イングリッシュ)」を話すイギリス人が聴けば、「べらんめえ調」の巻き舌、 妙にアクセントが強い、田舎(いなか)の方言のような英語である。 

私も最初は、香港人が話す英語を聞き取ることができなかった。しかし、何度も香港人と話しているうちに、そうでないことに気がつく。彼らの英語の発音がおかしいのだ。イントネーションから音の長短や、アクセントのある音節の場所まで、とにかく、ヘンなのである。

 香港人が話す英語には、独特のイントネーションや単語のアクセントがある。彼らが話す「広東語(かんとんご)」という、独自の中国語のせいだ。

「広東語」は、中国の標準語である「北京語(普通話(プートンホワ))」とは、まったく違う発音をする。文法や単語も、ところどころ違いがある。漢字は難しい繁体字(はんたいじ)である。

 たとえば、「カード・ナンバー」(カード番号)の発音は、「カッナンバー」あるいは「カーナンバー(自動車番号)」にしか聞こえない。ほかにも、たとえば「ウイストゥン」に聞こえるのは、「ウエスタン(western)」のことであった。

 分からなかった「香港英語」の発音やイントネーションから、もとの英語の単語を探し出つぶすしかない。比べて確かめて、ひとつひとつ、潰していく。

 私は、そのようにして、香港人がしゃべっている「英語」がなんとか分かるようになるまで、1年くらいかかった。

*         *         *

 激動の時代のまっただ中で、先が見えない不安ばかりがつのる。しかし、新しい世界史の幕開けという、新鮮で青天井(あおてんじょう)の、好奇心にあふれる時代でもある。

「日本の外側の世界」を、ゆがみなく見ることができれば、たくさんの可能性が広がっている。日本人は、目の前に広がるアジアの世界へ向かうべきである。

 日本は、アメリカとも中国ともバランスを取りながら、ゆったりと立ち回ればいいのだ。日本人はすぐに「長いものに巻かれろ」で、強そうなアメリカの「グローバリスト(地球支配主義者)」や世界のエリート権力者たちに、考えもなく引っぱられていく。ふらふらとついて行く。

 私たちは騙(だま)されると、最後は「戦争」に巻き込まれる結果になる。これまでの日本の「戦争」は、政治家も国民もみんなで騙されて、引きずり出されたものばかりだ。歴史をじっくり検証すれば、必ず分かる。

 第3章でも書いたとおり、タイとシンガポールが、昨年11月に、外国人旅客を受け入れ始めた。12月からは、オーストラリアやアメリカ、イギリス、イタリアなども観光客を受け入れ始めている。

中東の「保税特区(フリーポート)」であるドバイは、ワクチンを接種していない外国人旅行客も、「PCR検査の陰性証明」だけで受け入れている。それで、シンガポールやヨーロッパの資産家や事業家たちが、どんどんうるさい規制を嫌って、自由でオープンなドバイへ移り住んでいる。この2年間で、世界の富裕層とその資金が集まり続けて、ドバイはすごいことになったようだ。

 今春、2月の「北京冬季オリンピック」で、中国政府も少しずつ、外国人の受け入れを再開するだろうと、私は予測している(中国の国会にあたる全人代(せんじんだい)がある3月より後という情報もある)。

 中国が動き出せば、周りのアジア諸国は、それに続いてどんどん国境を開いていくだろう。あともう少しの辛抱(しんぼう)である。

  だから、どのような「危機」が起きようとも、自分ができるやり方で、自分ができる限りの対策を実行することである。粛々(しゅくしゅく)と、淡々(たんたん)と、しかし着実に慎重に、冷静に、強い決意を持ってこれからも、自分たちの資産を、そして人生を守り抜くべきである。

 ふりまわされることなく、自分の頭で考えて、自分がもっている常識の感覚(コモン・センス)を信じる。自分のできる限りで、実際に対策と準備をやってみる。自分で現場まで出かけていって、自分の目で見て、体感する。自分で動いて経験することが、もっとも重要である。

 そして、自分にできるだけの備(そな)えをやったら、あとは、それで安心すること。どっしりと構えて、何があってもゆったりと、おおらかに構えて生きるだけである。

*         *         *

 私のような名もない人間が、何とか一冊まとめて、出版することができました。大切なここうしょうとは、「高尚な知識」や「政治談義」や「経済評論」ではなく、私にしか書けない、海外の現地の、現場の生(なま)の情報である。と、監修をいただいた副島隆彦先生からも、出版に多大なるご尽力をいただいた小笠原編集長からも、何度も厳しく言われた。

 私が、これまでの事業の経験から知り得たことで、私だから書けること、世の中にまだ伝えられていない真実の情報を書くように、指導された。

 ご自身の大切な資産を、本気で切実に保全することを考えて悩んでいる方々のために、こ うした情報がどれだけ貴重で、価値があるか。どれだけ、その知識を、読者の皆様の人生の 「備え」「準備」「危機対策」のために役立てていただけるか。このことだけを忘れるな、と厳しく繰り返し、言い聞かされた。

 執筆(しっぴつ)というのは、ともすれば勝手に、自分が言いたいこと(書きたいこと)ばかりを、つらつらと語り始めてしまう。そして読み手を見失う。書き手は、読者を置き去りにしてはいけないのである。

 私が、この度の、最初の単著の執筆で、気付き、学ぶことができたのはその事でした。

 なかなか原稿が仕上がらず、大変なご迷惑をおかけした、秀和システムの小笠原豊樹編集長に、最後に、心より御礼を申し上げます。

2021年12

根尾知史 

●著者問い合わせ先  piaport8@outlook.com

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。
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悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

 2021年5月29日に最新刊『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』(秀和システム)が発売になりました。5月29日に新宿にある紀伊國屋書店に行きましたところ、3階の政治・社会のアメリカ関係の棚に平積みして置いてありました。他の地域や書店では棚への配置が若干遅れてしまうことがあります。できましたら、6月1日以降に書店にお出かけいただき、手に取ってお読みいただください。
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 アマゾンでは昨晩、全体で600位台、アメリカのエリアスタディ部門で2位を記録しました。好調なスタートとなりました。電子書籍版も発売スタートとなりました。私の友人、知人数名から「電子書籍版で早速手に入れた」という連絡を貰い、電子書籍が結構普及しているものだと認識することができました。
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 アマゾンで「一時的に在庫切れ」という表示が出て慌てました。出版社やアマゾンは何をやっているんだと頭に来ましたが、すぐに「在庫あり」となりました。アマゾンは完全にコンピュータ管理になっていて、アマゾンの倉庫に在庫がなくなり、取次会社の倉庫に注文が入り届けられるまでに表示される定型のフレーズだとそうです。

 全国の書店やアマゾンで「一時的に在庫切れ」となって注文が舞い込む形になればと密かに願っています。是非、手に取ってお読みください。

(終わり)

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