古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:米大統領選挙

ダニエル・シュルマン
講談社
2015-09-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 今回は、ヒラリーを支える側近の美女フーマ・アベディンに関する記事をご紹介します。アベディンは、1976年生まれで、父親はインド、母親はパキスタンからの移民でした。両親ともに博士号を取得した教育者です。彼女が2歳の時に良心の仕事の関係で、サウジアラビアのジェッダに移り住み、18歳までそこで育ちました。ですから、英語、ウルドゥー語、アラビア語を話すことが出来ます。ワシントンにあるジョージ・ワシントン大学入学のためにアメリカに戻りましたが、母親はまだジェッダの大学で社会学を教えています。1996年にホワイトハウスンのインターンとなり、ファーストレイディー、ヒラリーの下に配属されました。それ以降、ヒラリーの側を離れずに仕え続けています。

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フーマ・アベディン

 

 2010年に当時連邦下院議員であったアンソニー・ウェイナーと結婚し、男児が誕生しました。このウェイナーは、2011年にツイッターで誤って、自分の性器の写真を複数の人たちに送ってしまうという事件を起こしてしまいました。これは、妻であるフーマに送るつもりが間違ってツイッターで複数の人たちに送ることになってしまい、大きなスキャンダルとなりました。ウェイナーは2013年にニューヨーク市長選挙の民主党予備選に出馬しましたが、このスキャンダルも影響して惨敗してしまいました。

 

 フーマ・アベディンは常にヒラリーと一緒にいることから、「2人は同性愛の関係にあるのではないか」と噂されてきました。その噂はウェイナーとの結婚で鎮静化しましたが、それでもまだくすぶっているようです。ヒラリーに20年間仕え続けた女性フーマ・アベディンはヒラリーが大統領になった場合、重要スタッフ(首席補佐官[この人物を通さねば誰も大統領に会えない、側用人的役割]、次席補佐官あたり)となるでしょう。

 

 今からこの美人をよく覚えておきたいものです。

 

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ヒラリーの影(Hillary's shadow

―前国務長官の忠実なアシスタントとしての日々を数年過ごしたのち、フーマ・アベディン(Huma Abedin、1976年―)はヒラリーの選挙ティームの中核として頭角を現しつつある

 

アニー・カーニ筆

2015年7月2日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/story/2015/07/hillary-clinton-2016-campaign-huma-abedin-119671.html

 

ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton、1947年―)は5月のある日、ニューハンプシャー州にあるスマッティ醸造所の倉庫で行われた選挙運動イヴェントを終えた。群衆は彼女に近づき、一緒に写真を撮ったり、握手したりしていた。

 

 クラシックなトィードのネイヴィーシフト・ドレスに身を包んだクリントンから数メートル離れたところで、フーマ・アベディン(Huma Abedin、1976年―、39歳)が彼女のボスであるヒラリーを追いかけます群衆の中にいた。アベディンは現在のスタッフの中でヒラリーに最も長く仕えている人物だ。彼女は知り合いと楽しげにお喋りをしていた。しかし、公園で子供が遊んでいる姿を見守る母親のように、アベディンはヒラリーが視線から消えないように警戒しながら追い続け、いつでも動けるように身構えていた。

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 アベディンは19歳の時にファースト・レディー・オフィスでインターンを始めた。それから常に政治の世界にいたヒラリーの身近に仕えた「ボディ・ウーマン」(政界用語で政治家の個人アシスタント)であった。アベディンにヒラリーの世話をする仕事が回ってくるのは自然なことであったし、アベディンがヒラリーの周囲数メートルにいつもいることは、ヒラリーにとっては当たり前のことになっている。

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政界関係者や評論家たちの中には、ここ数年色々な出来事があったにもかかわらず、アベディンが今でもヒラリーの側近にいることに驚きを隠さない人々がいる。2013年、アベディンは、ヒラリーの許から少しの間離れて、別の役割を果たした。アベディンは夫の選挙運動を支える妻、夫と一緒に演説したり、人々と触れ合したりする妻の役割を果たした。彼女の夫は元アメリカ連邦下院議員アンソニー・ウェイナー(Anthony Weiner、1964年―)で、2013年にニューヨーク市長選挙に立候補した。アベディンは夫の出馬表明にヴィデオメッセージの形で登場し、ニューヨークでの選挙運動に参加した。しかし、選挙期間中にウェイナーはセクスティング(携帯電話やパソコンで自分の性的な写真を送ること)をしていたことを暴露され逆上してしまった。アベディンは夫の選挙運動から離れて、ヒラリーの元に戻り、ヒラリーの選挙運動に戻った。アベディンは再び厳しい戦いとなることが確実な大統領選挙に参加することになったのだ。

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 選挙運動について回るのは年の若いスタッフであるのが普通だ。しかし、アベディンはボディーガードと一緒に彼女に周囲におり、ヒラリーがアイオワまで飛行機で行くときにブリトーボウルを買ってきて欲しいと頼んだのはアベディンに対してであった。ヒラリーが4月にボストンからワシントンまで飛行機のファーストクラスで飛んだ時、隣の席にはアベディンがいた。これは目撃者の話であるが、昨年の夏、ヒラリーの回顧録『ハード・チョイス(厳しい選択)』の宣伝のために、ヒラリーが『グラマー』誌のグラビアの写真撮影を行った時、アベディンはスタジオの中にいた。アベディンはスタジオのソファーが柔らかすぎてヒラリーが沈みこんでしまわないかをチェックしたり、撮影の衣装を選んだりしていた。

 

 アベディンは早くから選挙運動や本の宣伝で陣頭指揮を取ってきたが、彼女は早い段階から今のような大きな役割を果たしてきたわけではない。ある人物によると、アベディンはヒラリーについて行くだけの地位から選挙運動の実務全般を監督する地位、そしてヒラリーの代理をする仕事までするようになっている、ということだ。

 

 アベディンがヒラリーの旅行について行く場合、彼女には様々な仕事が待っている。ヒラリーは、先週行われたクレメンタ・ピンクニー(黒人教会銃乱射事件の被害者)の葬儀に参列するためにサウスカロライナ州に向かった。この時、アベディンはヒラリーの代わりにサウルカロライナ州議会の議員2人と会談した。

 

 ヒラリーがニューヨーク市長ビル・デブラシオ(Bill de Blasio、1961年―)に会うために向かっている時に渋滞に巻き込まれたことがあった。この時の会談の後、デブラシオはヒラリーに対する支持を表明することを拒否した。アベディンはヒラリーが到着するまでの45分間、デブラシオと一対一で話をし続けた。

 

 無駄口を叩かない忠実なアシスタントからクリントン陣営の中心人物へとアベディンの役割が大きく変化した。クリントン陣営のある人物は次のように語っている。「あらゆる点から考えてみて、アベディンはクリントンの選挙運動ティームのナンバー3です。彼女より上には、選挙運動委員長のジョン・ポデスタ(John Podesta、1949年―)と選挙運動責任者のロビー・ムック(Robby Mook、1979年―)がいるだけです。」

 

 アベディンは、影響力の点でヒラリーの長年の側近シェリル・ミルズ、マギー・ウィリアムズ、フィリップ・レインズと肩を並べるようになった。しかし、これらの人々は現在の選挙運動では何も仕事をしていない。アベディンはヒラリーの古くからの側近の最古参として選挙運動に参加し、ヒラリーが常に求めている役割を果たしている。それは、強くて、信頼できる女性のアドヴァイザーだ。

 

 国務省時代にヒラリーとアベディンと共に最高幹部として働いたある人物は、2人が20年のうちの殆どの期間にわたり離れることなく過ごしてきたことからくる、強いつながりが存在することを認めている。

 

 ヨーロッパ・ユーラシア問題担当国務次官補を務めたフィル・ゴードン(Phil Gordon、1962年―)は、「長い時間、遠い外国に行くなど一緒に過ごすと、家族になるんですよ」と語った。ゴードンは国務省でアベディンと一緒に働いた。ゴードンは続けて次のように述べた。「ヒラリー・クリントンは彼女の成長を20年にわたって見守って来たんですから。2人はそれぞれの家族よりも長い時間を一緒に過ごしてきたのですよ」。

 

 アベディンは2016年の大統領選挙において、クリントン陣営内で頭角を現し、重責を担うことになる。それによって、ヒラリー側近としての力の源泉となった、ヒラリーの代役を務めるという役割の一部を放棄しなくてはならなくなる。

 

 火曜日の夜に米国務省が数千通にも及ぶヒラリーのEメールを公表した。その中で、アベディンがヒラリーの生活を24時間にわたって整理・調整する役割を果たしていたことが明らかになった。元国連大使の故リチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke、1941―2010年)、元副大統領アル・ゴア(Al Gore、1948年―)、連邦上院議員チャック・シューマー(Chuck Schumer、1950年―)、そして元大統領ビル・クリントン(Bill Clinton、1946年―)がヒラリーと連絡を取る際にまずアベディンに電話をしていたことが分かったのだ。アベディンはヒラリーの美容室と病院の予約をしていた。服薬ガイドがどこにあるかも知っていた。毎日仕事に関わる概要書を届けていた。彼女は家にいても仕事場にいてもいつでもヒラリーとコンタクトを保っていた。

 

 あるEメールでは、ヒラリーはアベディンに対して「ベッドルームのドアが閉まっていたらノックするようにしてちょうだい」と書いていた。ヒラリーは仕事中でも家からでもEメールをアベディンに送っていた。その中にはすぐにジョークの種になったものもあった。アベディンはファックスの使い方が分からずに苛立つヒラリーに対して使い方を教えるEメールを送っていた。アベディンは「受話器を取ります。そして電話番号を押します。そしてそのままにしておきます」と書いて送っていた。

 

 情報通によると、アベディンは通常、政策検討会議において聞き役に徹するということだ。それでもEメールが示しているように、アベディンは私的に外交政策について意見を述べることもあった。2009年にヨルダンのアブドラ国王がフセイン王子を王太子に決定した後、アベディンはヒラリーに次のような内容のEメールを送った。「個人的には、今回の王太子の指名によってフセイン王子の地位は安泰になりました。父親アブドラ国王に忠誠を誓う人々からの反対に心配する必要がなくなりましたから」。

 

 アベディンが送ったEメールなどよりも重要なことは、アベディンがヒラリーの考えと同じ考えをすることが出来るという点だ。

 

 アル・ゴアのアドヴァイザーを務め、アベディンとは長年の友人関係にあるマイケル・フェルドマン(Michael Feldman、1968年―)は、次のように語っている。「今回、フーマの果たす役割はとても重要です。ですから彼女は選挙運動に深く関わっているんです。アベディンは他の誰も真似できないことですが、ヒラリーと同じ判断を下し、考えをし、ほぼ同じ記憶を持っているのです。自分の外見ではなく、内面の代わりをしてくれる人がいれば、だいぶ時間の節約になるでしょう。これが2人を固く結びつけている接着剤みたいなものなのです」。

 

 アベディンは周囲の人たちに、ヒラリーは連邦上院議員から、大統領選挙候補者、国務長官、私人に戻る、そして再び大統領選挙候補者になるというキャリアを経ているが、彼女が新しいステージに行く度に、ヒラリーから離れて政治以外の場所に機会を求めようと考えたことがあると発言したことがあるそうだ。彼女の選択はいつも自分に合った仕事があるかどうかが基準となった。アベディンは息子を育てながら、それと同じくらいの力を注ぎたいと思える政治家はヒラリー以外にいないと考えている。ヒラリーに対する忠誠心によってアベディンの役割と責任は重要になっていき、その結果として選挙運動ティームに参加することになった。

 

 ヒラリーの下で国務副長官を務め、現在もアドヴァイザーとして彼女の信頼を受けているトム・ナイデス(Tom Nides、)は次のように語っている。「フーマはお金や地位など欲しくないんですよ。彼女は有能ですから何でもできたでしょうし、お金を稼ぐこともできたでしょう。ヒラリーの許からとっくの昔に離れていてもおかしくはないんです。それでも彼女はそうしなかった。彼女は心の底からヒラリー・クリントンを信頼しているのです」。

 

 2016年の米大統領選挙に向けた選挙運動ティーム作りの中で、アベディンの影響力は大きくなっていった。選挙運動ティーム作りの1年半の間、アベディンは、ヒラリーが面接をする前に、幹部となる人々全てと面談し、ヒラリーと会わせる人を選抜した。アベディンは選挙運動責任者の面接も担当し、数名の候補者の面接も行った。その中には、ムックも含まれていた。

 

 ナイデスは、「選挙運動が始まる前に彼女と会わなかった選挙運動の幹部は1人もいません」と述べた。アベディンは、これまでの1年、ヒラリーに通じる唯一の公式なチャンネルだった。また、ヒラリーの古くからの支援者たちにとって、情報を得たり、ヒラリーと面会したりする際にまず電話をかける相手がアベディンになった。昨年4月、ポデスタとムックが正式に選挙運動ティームに参加するとなった時、2人はアベディンに選挙運動ティームの「副委員長」に正式になるべきだと提案した。

 

 ポデスタは次のように語っている。「フーマが若いインターンだった時、私はホワイトハウスにいました。そんな彼女が今やティームの重責を担うようになっているんですからね。彼女は多彩な才能を持ち、頭脳明晰です。彼女は謙虚でありながら、戦略眼を持っていて、彼女以上の同僚は望めないでしょう」。

 

 選挙運動のある実務担当者は、アベディンの新しい役割として、資金集めイヴェントの主役となり、寄付をしてくれる人々の前で話をすることになるだろうと述べている。

 

 ニューヨークのブルックリンにある選挙事務所で、アベディンは角にあるオフィスの1つを与えられている。そこからラハイーストリヴァーとブルックリン橋が見渡せる。約30名の選挙運動スタッフが彼女に直接報告にやって来る。彼女が担当しているのは、ヒラリーに提出するブリーフ書類作成、スケジュール管理、宣伝、通信、旅行とイヴェント参加管理の各ティームである。アベディンはミッドタウンにある2つ目の選挙事務所でも仕事をしているが、そこにも個人オフィスを与えられている。

 

 アベディンは最新の機械が苦手だということは知られている。彼女は毎朝、新聞記事の切り抜きで最新ニュースをチェックしている。アベディンはツイッターを始めるタイミングを見計らっている。彼女はツイッターで自身の生活や政治以外の趣味などについて人々に見せることになる。彼女はスパイスの効いた民族料理をこよなく愛しているが、そうしたことを多くの人々に知らせることになるだろう。

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フーマとヘバ・アベディン

 

 現在のところ、アベディンはSNSには彼女の妹ヘバを通じて登場している。ヘバは「ヒルスターターズ」と呼ばれるヒラリーの政治資金集めを行う人たちの1人であり、ヒラリーの資金集めイヴェントのちょっとした内部での写真をSNSによく掲載している。先週、ヘバ・アベディンは、プラザ・ホテルで行われた歌手レイディー・ガガがヒラリーのための資金集めイヴェントに参加し、舞台裏で撮影した姉フーマとの写真を掲載した。フーマには表に出ていうる時間はそんなにない。朝8時から夜10時半まで電話はひっきりなしにかかってくるし、3歳になる息子との時間も作らねばならない。選挙運動の広報担当者によると、火曜日、この日はアベディンにとって特に忙しい日ではなかったが、13件の電話に出て、同日に開催された4件のクリントン陣営政治資金集めイヴェントのうちの2つに出席した、ということだ。

 

 これは2008年の時に比べてアベディンがより重要な仕事を任されていることを示している。2008年、アベディンは旅行担当の責任者であった。長年にわたりヒラリーのスタッフを務めているマンディ・グランワルドは当時のアベディンの役割は、ドラマ『マッシュ』に出てくる鋭い洞察力を持つキャラクターであるレイダーのようなものだと述べた。2008年当時のアベディンの役割についてグランワルドは『ヴォーグ』誌とのインタヴューで次のように語っている。「エアコンで室内が冷えすぎている時、フーマはそこにショールを持って待っているんですよ」。

 

 アベディンは『ポリティコ』誌の取材に対して、今回の大統領選挙に関して、これまでは違う動機で臨もうとしていると答えた。

 

アベディンは次のように語っている。「2008年の大統領選挙は私にとって初めての大統領選挙の選挙運動となりました。私は毎日興奮の真っただ中にいました。ヒラリー・クリントンのために働いてきた時間を通じて、私は世界を見てきたし、人生を賭けるに足るだけの貴重な経験をすることが出来ました。ですから、今回の選挙でどうしてヒラリーのためにまた働くのかと聞かれるんですけど、それは私が彼女に勝って欲しいと真剣に思っているからです」。アベディンは続けて、「私の息子がこれから成長していくこの国の大統領に最もふさわしい人物」がヒラリーだと固く信じているし、彼女はお手本だとも述べている。

 

 ヒラリーの国務長官時代、アベディンとヒラリーの関係が余りにも緊密なので、ア連邦議会はアベディンが特別な扱いを受けているのではないかとして調査を行っている。アベディンは国務長官ヒラリー・クリントンの首席アドヴァイザーを務めていたが、同時に外部の顧客たちのコンサルタントとして活動することも認められていた。顧客には、ビル・クリントンの補佐官を務めたダグ・バンド(Doug Band、1972年―)が設立した会社テネオとクリントン財団が含まれていたアベディンの顧客と彼等かの報酬は、アベディンの税務申告書類には記載されていなかった。

 

 チャック・グラスリー(Chuck Grassley、1933年―)連邦上院議員は、アベディンが国務省に在職中に、彼女とその他の人々がテネオと連絡を取り合っていたかを示す証拠が国務省から提出されるのを待っている段階である。グラスリー議員の広報担当者は「議員は、国務省に対して、アベディンの私的なEメールの公表を繰り返し求めている」と語った。

 

 ヒラリーにとって、アベディンが側近の中にいることは、ホワイトハウスを狙う最終的な戦いにとって必要不可欠なことであり、2人の間にある信頼関係がその基になっている。前述のゴードンは国務長官と大統領選挙候補者の生活について次のように語っている。「一晩中飛行機に乗って旅をし、小さい部屋に入れられてあらゆることをこなすことを求められ、肉体的にも精神的にもボロボロになってしまうんですよ。そういう時、秘密を守ってくれる信頼感が欲しくなるんです。そういう時、フーマのような存在の人が絶対に必要なんですよ」。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 
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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-09-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 2016年の米大統領選挙では今のところ、民主党のヒラリー・クリントン元国務長官が最有力候補です。民主党の指名争いでも断トツのトップで、共和党の候補者との一対一の世論調査(●●対ヒラリー・クリントンになったらあなたはどちらに投票しますか)でも、共和党候補者たちを上回る結果が出ています。

 

 しかし、ヒラリー大統領への道のりは決して安易なものではありません。民主党では今のところ、左派のバーニー・サンダース上院議員が対抗馬として2番手につけています。サンダースが2番手につけているという事実、アメリカの有権者の意識がこれまでの数回の選挙とは違ってきていると言うことが出来ます。

 

 予備選挙での戦い方で、「相手に対して沈黙することが最良の戦略」という場合があり、今回の場合、ヒラリー陣営がその点で間違いを犯したようです。まさに「いつどこで戦うかを知っている方が勝つ」そのものですが、これを知ることが至難の業です。

 

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クリントン陣営がサンダースへの攻撃を激化させている(Clinton camp sharpens attack on Sanders

 

ニオール・スタネイジ筆

2015年6月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/246220-clinton-camp-sharpens-attack-on-sanders

 

 ヒラリー・クリントンの支持者たちはリベラル派のライバルであるバーニー・サンダースに対してこれまでになく、より激しく攻撃している。

 

 彼らの採用している戦術に対して、民主党内部にはあまりにひどい攻撃だと呆れている人たちがいる。ヴァーモント州選出の無所属の連邦上院議員サンダースの支持者たちは、これはサンダースが支持を広げていることの証拠であると主張している。

 

 サンダースの上級顧問タッド・デヴァインは次のように語った。「敵と敵を代表する人々が自分たちを批判するようになったら、何かが動き出しているのだと認識するでしょう。何かうまくいっていなくてこちらに害がないと判断する人間を攻撃しないのは政治における基本的な法則ですよ」。

 

 クレイリー・マカスキル連邦上院議員(ミズーリ州選出、民主党)はヒラリーを支持している・マカスキル議員は木曜日の朝にサンダースに対する攻撃を開始した。議員はMSNBCの番組「モーニング・ジョー」に出演し、「サンダース議員は過激なメッセージを発し、極めて非現実的なことを主張している」と批判した。

 

 マカスキル議員はメディアに対しても、「ヒラリー・クリントンやその他の候補者たちに対するのと同じくらいの熱心さでサンダース議員に対して事細かな調査を行っていない」と不満を漏らした。

 

 今月初め、クリントン支持であるルイス・ガイテレス連邦下院議員(イリノイ州選出、民主党)は移民問題についてサンダースを批判した。

 

 ガイテレス議員はラリー・キングの番組「ポリティック・キング」に出演し、キングに対して「サンダースが移民を好きなのかどうか分からない。何故なら彼は移民について何も語らないようであるからだ」と述べた。

 

 最新の世論調査によると、サンダースへの支持は拡大している。特に予備選挙において早い段階で党員習慣と選挙が行われるアイオワ州とニューハンプシャー州で支持が高まっている。

 

 サンダースにとっての最高の結果は木曜日の夜にもたらされた。CNNWMURの共同世論調査の結果によると、ニューハンプシャー州でクリントンとの差を8%に縮めた。

 

 しかし、この結果はたまたま起きた偶然の産物ではない。

 

  差フォーク大学が実施した世論調査によると、ニューハンプシャー州でサンダースはヒラリーに10ポイント差を付けられている。具体的には、サンダースの支持率31%、ヒラリーは41%である。モーニング・コンサルト社の世論調査によると、ニューハンプシャー州におけるヒラリーとサンダースの支持率の差は12ポイントである。ブルームバーグ社がアイオワ州で実施した世論調査の結果は、サンダースの支持率24%、ヒラリーの支持率50%だった。

 

「ヒラリー・クリントンが民主党の大統領候補最有力である」という事実を覆す数字は出ていない。

 

 しかし、これらの世論調査が示しているのはサンダースの支持率の急激な伸びである。1カ月前にサンダースが正式に選挙運動を開始してから、ニューハンプシャー州での彼の支持率は2倍になった。サンダースの選挙運動には多くの人々が集まるようになっている。先週の土曜日、デンヴァー大学で行われたサンダースの演説にはおよそ5000名の人々が集まった。

 

 ヒラリーを支持している人々の中には、サンダースを攻撃することで、かえってサンダースのアピールを人々に浸透させてしまうのではないかと恐れを抱いる人たちも出てきている。

 

 クリントン政権下のホワイトハウスで働き、2000年の大統領選挙では当時の副大統領アル・ゴア陣営で働いたクリス・リーへインは「世論調査で支持率を伸ばしている候補者たちは、弱点探しのための精査の対象となる」と述べた。しかし、彼は同時に、「クリントン支持者には新たな争いを作ることに関しては慎重になって欲しい。争いによってサンダースは益々勢いづく」とも述べた。

 

 別の民主党所属のストラティジストは匿名を条件にして、クリントン陣営からの反撃によってサンダース陣営が活気づくことを恐れていると述べた。

 

 このストラティジストは次のように語った。「クレイリー・マカスキルがサンダースを名指しで批判したのは失敗だ。全くもって戦略的は動きではない。サンダースに対する最良の反応は沈黙だ。彼の支持者たちをこれ以上活気づけ、声高にする理由を与えないようにしなくては。反撃するというのはクリントン陣営の選挙戦にとってマイナスだ」。

 

 クリントン陣営の選挙運動がまだ正式な形で整っていない段階で、マカスキルがサンダースを厳しく批判したことは、民主党内部の疑念の的になっている。

 

 前述の匿名のストラティジストは、「マカスキルは、クリントン陣営に対する彼女の忠誠心を証明するために、自分の考えに基づいて、自発的に激しい批判をすべきであった」と述べた。マカスキルは、2008年の厳しかった米大統領選挙において、ヒラリーではなく、当時上院議員であったバラク・オバマを支持した。

 

 デヴァインは、「通常、このような人々は一定の方向に誘導されなければ、つまり道筋を他人から示してもらわねば、こうしたことを続けることはない野田」と述べた。デヴァインはそのような戦術とサンダースの選挙運動の違いを際立たせようとしている。彼は次のように述べた。「私たちはヒラリー陣営とは別のゲームをやろうとしている。私たちは有権者たちに直接訴える。相手を誹謗中傷するような政治を拒絶する。諸問題と現実に向き合う」。

 

 ヒラリー・クリントンの広報担当者はこの件についてのコメントを拒否した。

 

 今回2016年の大統領選挙におけるヒラリーの選挙運動は、2008年の時の失敗を避けようと躍起になっているというのが支持者、批判者双方の一致した見方である。この時は、オバマが最終的に民主党の米大統領選挙候補指名をもぎ取った。

 

 2008年の米大統領選挙について考えてみよう。クリントン支持者の中には、出来るだけ早くオバマに対して厳しい批判を行うようにすべきだったのだ、と主張している人々がいる。しかし、2007年の段階で既に、オバマは現在のサンダースよりも、手ごわい競争相手の位置に既についていた。今回の選挙において、クリントン陣営は、意図とは全く逆の結果を生み出すことになる激しい攻撃をサンダースに対して可能であろうか?

 

 政治におけるコミュニケイションが専門のボストン大学教授トービー・バーコヴィッツは次のように語っている。「クリントン陣営は、サンダースは脅威ではないと明言すべきだったと思うが、彼は既に地歩を固めつつある。バーニー・サンダースを標的にして攻撃を行うことは最良の戦略ではないと思う。それは、そんなことをすれば彼に酸素ボンベを与えるようなものだからだ。一方で、もし彼を無視したら、彼はより大きな騒音を出して、クリントン陣営を悩ませるだろう」。

 

 クリントン陣営のサンダースに対する反攻を難しくしているもう1つの大きな変化は、民主党の予備選挙に参加する有権者たちが政治的に左に移動しているということだ。

数回前の選挙においては、 2000年のゴア、2004年のジョン・ケリー上院議員(当時、マサチューセッツ州選出、民主党)のようなエリート層を代表する候補者は、主流派から外れている左派系の候補者を激しく批判して、打撃を与えることが出来た。

 

 サンダースが国民皆保険や教育予算の大幅な増額のためにウォール街の大企業に新たに税金をかけることを支持していることを批判することは、逆効果になる可能性が高い。また、クリントン陣営が本選挙において進歩的な有権者が自分に投票してくれるように努力しているがそれを台無しにしてしまうだろう。

 

デヴァインは最近のクリントン陣営からの攻撃は「全く影響をあたえていない」と述べ、続けて「バーニー・サンダースは彼の政治的な志向を隠したりしない。国民皆保険のような彼の考えについて、議論をすることを私たちは望んでいる」。

 

=====

 

アル・ゴア:「ヒラリーが勝つというには早すぎる」(Al Gore: 'Too early' to pick Hillary

 

マーク・ヘンシュ筆

2015年6月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/246299-al-gore-too-early-to-pick-hillary

 

アル・ゴア元副大統領は金曜日、ヒラリー・クリントンが大統領選挙に勝利して大統領としてホワイトハウス入りすると考えるかどうかについて発言を否定した。

 

 ヒラリーがファーストレイディーだった当時、身近な場所で副大統領を務めていたゴアは、フランス滞在中に、誰が次の大統領になるかと質問された。

 

 『ニューヨーク・ポスト』紙によると、「私はその質問に答えるのを拒絶できないだろうが、それでもなんとかその質問に答えないようにしたいね」とゴアは語ったということである。

 

 彼はフランスのカンヌで開催されているカンヌ・ライオンズ・フェスティヴァル・オブ・クリエイティヴィティに出席し、WPPの会長マーティン・ソレル卿に「誰が勝つかなんて言うのはまだ早すぎると思う」と述べた。

 

 ソレル卿は「私はヒラリーが勝つと思う。地上で最も力を持つ国の大統領に女性が就任するなんて素晴らしいことじゃないか」と応じた。

 

 ニューヨーク・ポスト紙によると、ゴアは笑顔を見せたが、それ以上は何も発言しなかったということだ。

 

 彼はそれ以降もカンヌに滞在したが、2016年の米大統領選挙については沈黙を守った。それでもゴアは、議会を支配していると彼が主張する特殊利益を持つ富裕層を攻撃することは忘れなかった。

 

 ゴアは「アメリカの民主政治体制で最も機能不全を起こしているのは連邦議会、立法機関だ。なぜなら連邦議員たちは金持ちや特殊利益を持つ人々からお金を貰おうと汲々としているからだ」と述べた。

 

 ゴアは、ロビイストとロビー活動を通じて流れ込む政治資金が、気候変動に対する行動を止めてしまうことで、結果的にアメリカの安全を脅かしていると主張している。

 

 彼は「アメリカの民主政体は乗っ取られている」と述べた。

 

 ゴアは「特殊利益を持つ人々から流れ込む巨額の政治資金によって、公共の利益に資する意義深い改革がことごとく頓挫させられている。こんなことを言わねばならないのは本当に残念だ」と語った。

 

彼は続けて「特殊利益を持つ人々は、アメリカが思慮深く世界をリードしていくことに対して永続的な影響力を持っている」とも述べた。

 

 ゴアは長年にわたり、気候変動に対して積極的な行動を取るように主張してきた。気候変動に対する彼の活動が、2006年に発表されたドキュメンタリー映画「不都合な真実」の主題となった。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23






 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は米大統領選挙の民主党予備選の台風の目、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出)についての記事をご紹介いたします。

 

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バーニー・サンダースを見くびるな(Don't Underestimate Bernie Sanders

―ヴァーモント州選出連邦上院議員バーニー・サンダースの「アメリカの超富裕層が如何にアメリカの経済を歪め、政府を買収してきたか」という純粋な怒りが聴衆を熱狂させるだろう。

 

ピーター・ベイナート筆

2015年5月6日

『ジ・アトランティック』誌

http://www.theatlantic.com/politics/archive/2015/05/dont-underestimate-bernie-sanders/392450/

 

 新たに大統領選挙出馬を表明したバーニー・サンダース(Bernie Sanders、1941年―)は、日曜日にテレビ番組に出演し、司会のジョージ・ステファノポロス(George Stephanopoulos、1961年―)に対して、「私を見くびらないでくれ」と語った。これは素晴らしいアドヴァイスになるだろう。


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バーニー・サンダース
 

 これまでの基準から言えば、サンダースの出馬などお笑い草だ。彼の知名度は低く、大口の政治献金をしてくれる支持者もいないし、カリスマ性もない。ワシントン政界の基準で言えば、彼はイデオロギー的に極端だ。しかし、彼のような弱点を持った候補者たちが人々を熱狂させてきた歴史もある。ジェリー・ブラウン(Jerry Brown、1938年―)について考えてみよう。ブラウンは金欠で変わり者という評判がありながら、1992年の米大統領選挙でビル・クリントン(Bill Clinton、1946年―)に対して最後まで食らいついた候補者となった。パット・ブキャナン(Pat Buchanan、1938年―)の名前も思い出す。1996年の米大統領選挙の共和党予備選挙でブキャナンがニューハンプシャー州で勝利を収めたことで、共和党の主流派に恐怖感を与えた。2003年の米大統領選挙の民主党予備選でハワード・ディーン(Howard Dean、1948年―)は最初期待されていなかったが、一時は最有力候補となった。彼はアイオワの党員集会の前に失速してしまった。2012年、ロン・ポール(Ron Paul、1935年―)は米大統領選挙の共和党予備選挙でニューハンプシャー州の予備選で第2位に食い込み、アイオワの党員集会の結果ではトップと3ポイント差まで迫った。

 

 これら反乱者全てに共通する点は何か?彼らは彼らの時代の人々が持つ怒りや不平不満の代弁者となった。連邦議員たちの銀行業界との癒着スキャンダルや議員たちの歳費の増額に対して、ブラウンは「汚職、立身出世主義、ワシントンの選挙コンサルタントの連邦状態からアメリカを取り戻す」と訴えた。グローバライゼーションが深化していく状況で、ブキャナンは「この国の国民の雇用をアメリカに忠誠心を持たない多国籍企業に利益をもたらす貿易協定の締結のために犠牲するようなことに警戒の目を向ける保守主義」を標榜した。民主党では下部の活動家たちは指導部がイラク戦争を支持したことに対して裏切られたと感じた。この時、ディーンは「自分は民主党内部の民主派を代表する」と述べた。

 

 現在の民主党の内部で最も力強い怒りの声が表出されたのは2011年のザコッティ公園に数千人の人々が集まった時であった。彼らの声がビル・デブラシオ(Bill De Blasio、1961年―)をニューヨーク市長に押し上げた。これは予想外の出来事であった。そして、進歩派の人々の間でエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren、1949年―)は英雄となっている。超富裕層はアメリカ経済を歪め、アメリカ政府を買収しているという信念がそこにある。この不平不満は強力なもので、ヒラリーの言葉遣いにも反映されているが、テッド・クルーズ(Ted Cruz、1970年―)さえもこうした発言をしている。クリントン財団を巡るスキャンダルや共和党の候補者たちの億万長者たちへのおもねりのせいで、大統領選挙が進むにつれて人々の不平不満が高まっているように見える。

 

 多くの専門家が理解しているように、サンダースは、アメリカの富裕層1%に対する怒りを吸収するためのより良い位置を占めている。第一に、サンダースはヒラリーに挑戦する唯一の民主党の政治家だと見られている。特にマーティン・オマリー(Martin O’Malley、1963年―)はボルティモアの暴動で影響を受けた。サンダースは候補者が乱立する状態になるよりも、今の方がメディアの関心を集めることが出来るだろう。第二に、ヒラリー・クリントンが左派の方にシフトしつつあるが、彼女はウォール街と深いつながりを持っており、ウォール街から多額の政治資金を集める必要があり、民主党左派から完全に支持を集めることは難しい。ヒラリーは大統領選挙出馬を正式に発表して3週間経つが、キーストーン・パイプラインや環大西洋、環太平洋貿易協定について明確な立場を表明していない。進歩派の人たちはこれらについて反対している。第三に、1990年代には存在しなかったリベラル派メディアであるMSNBC、ムーヴオン、デイリー・コスが存在している。こうしたリベラル派メディアは民主党内で最も野心的で非妥協的な進歩的な主張をする候補者の主張を多く報道する。

 

 第四に、サンダースにはウォーレンが持つカリスマ性がない。ウォーレンがロバート・ケネディ(Robert Kennedy、1925―1968年)だとすると、サンダースはユージーン・マッカーシー(Eugene McCarthy、1916―2005年)だ。サンダースは成功した過去の反乱者たちと重要な要素を共有している。それは信頼性(authenticity)だ。ロン・ポールと同じく、サンダースは長年主流派からの嘲りを受けながらも、長年にわたり、イデオロギー的な主張を変えずに来た。 そして彼はこうした主張を率直にまた述作を使うことなく訴え続けてきた。「どうして大統領選挙に立候補したのか?」という質問に対して、主流派の候補者たちは当たり障りのない、決まりきった文言で答える。サンダースはこの質問をしたステファノポロスに対して「私たちの経済と政治を牛耳っている富裕層に対峙できる候補者が私しかいないからだ」と答えた。サンダースは自分が主張する民主的社会主義の具体例がスカンディナヴィア諸国であると述べた。この時、ステファノポロスは逆襲に出て、「共和党側は貴方に対して次のように攻撃するでしょう。サンダースはアメリカをスカンディナヴィア諸国のようにしたいのだ、と」と述べた。しかし、サンダースは全くひるまなかった。サンダースは「そうです、そうなんですよ」と答えた。「それのどこが悪いんですか?所得が上がり富の平等化が進んでそれの何が悪いんですか?我が国において中間層が今よりも増えて彼らの購買力が上がることの何が問題なのですか?」とサンダースは語った。

 

 アメリカ国民の多くはアメリカの経済システムをスカンディナヴィア諸国のようにしたいと望んでいるのだろうか?それは恐らく違うだろう。しかし、民主党支持のリベラル派の多くはそうだ。更に重要なことは、民主党支持のリベラル派の多くは、自分の信念を曲げない候補者を欲している。それは、彼らがワシントンの常識に怒りを持っているからだ。彼らがディーンを応援した理由はそこにあったし、民主党主流派に対する拒絶がサンダースの応援の中心となっている。

 

 私はサンダースがヒラリーを破るとは考えられない。それはサンダースがヒスパニックや黒人でヒラリー支持の人々の姿勢を変えることは難しいと考えるからだ。ハワード・ディーンとロン・ポールが示しているように、大口の政治献金者の支援がない候補者たちは、インターネットを通じて小口の政治献金を広く集めることで多くの政治資金を集めることが出来る。その結果として、主流派メディアからの尊敬を集めることが出来る。サンダースは政治資金集めに苦労している。しかし、ピーター・ウィーバーが書いているように、サンダースは大統領選挙出馬を正式に表明した最初の日に、3万5000人の人たちから150万ドルのお金を集めることが出来た。この金額は共和党の候補者たちが立候補表明の最初の日にそれぞれが集めたお金の金額を超えている。

 

 サンダースがヒラリーに挑戦すると表明した日、コメディアンで司会者のジョン・スチュアート(Jon Stewart、1962年―)は次のようにコメントした。「サンダースは政治生活を通じて原理原則を曲げずにやって来た。それでもヒラリーはサンダースを破るだろう」。現在のところ、スチュアートやその他の進歩派の人々は、25%はサンダースについて賞賛すべきだと考えているが、75%は大統領選挙への出馬は馬鹿げていると見ている。このバランスが変化し始めると、2016年の民主党の大統領選挙予備選は人々の予想よりも面白いものとなるだろう。

 

(終わり)









 
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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-07-29



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 2016年の米大統領選挙に向けてアメリカがいよいよ盛り上がってきました。本命視されている民主党のヒラリー・クリントンに続いて、共和党のジェブ・ブッシュが出馬表明しました。今回は、まだ出馬表明していない大物たちについての記事をご紹介します。この人たちが出馬するかどうかを発表した時点で正式に選挙戦が過熱していくことでしょう。

 

==========

 

2016年米大統領選挙への出馬が噂されている大物の名前(Big names to enter ’16 fight

 

ジョナサン・イースリー筆

2015年6月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/245575-big-names-to-enter-16-fight

 

 2016年の米大統領選挙の民主、共和両党の予備選挙には多くの人々が立候補を表明している。しかし、まだ立候補を表明していない人々がいる。

 

 民主党の予備選挙でヒラリー・クリントン(Hillary Clinton、)に挑戦し、民主党の大統領選挙候補者になろうとする人々はまだ複数存在する。一方、共和党では現在12名が立候補を表明しているが、この数は16にまで増えるだろうと予想されている。

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ヒラリー・クリントン

 まだ立候補を表明していない人々の中には大物も含まれている。

 

 ここでこれから立候補を表明する可能性がある大物たちについて見ていこう。

 

●共和党

 

・スコット・ウォーカー(Scott Walker、1967年―)

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スコット・ウォーカー

 

 ウィスコンシン州知事は共和党予備選に立候補すると考えられている。

 

 ウォーカーは今年初めアイオワ州で演説を行った。この演説が評判呼び、ウォーカーは有力な立候補者と見られるようになった。彼の支持率は一定の基準を保っている。

 

 ウォーカーはジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事と支持率の面で拮抗している。ウェブサイト「リアル・クリア・ポリティックス」の世論調査の平均では、全国的に見てウォーカーはブッシュを上回っている。

 

 各種世論調査の結果を見ると、アイオワ州では、彼の次に位置する人物に平均して8.5%もの大差をつけている。多くの人々は、ウォーカーがアイオワ州で強さを見ているのは、共和党内部のエリート層と庶民層両方にアピールすることに成功しているのだと指摘している。

 

 ウォーカーは、ウィスコンシン州議会が予算を決定した後に、米大統領選挙へ出馬するかどうかの決断を公表すると述べている。

 

 発表は6月末に行われると予想されている。そして、ウォーカーは立候補を表明し、選挙戦を7月中旬に開始するものと見られている。

 

・クリス・クリスティ(Chris Christie、1962年―)

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クリス・クリスティ

 

 ニュージャージー州知事クリスティは2015年にスキャンダルに見舞われ、痛手を負った。このスキャンダルは同州内のジョージ・ワシントン橋の道路を封鎖したことで、これはクリスティの再選に支持を表明しなかった市長に対する復讐であった。

 

 「パブリック・ポリシー・ポーリング」が今週発表した報告書によると、クリスティは、共和党の主要な立候補者、立候補予想者の中で最も低い支持率を記録したということである。

 

 多くの世論調査の結果を見ても、クリスティはドナルド・トランプの次に共和党員、共和党支持者たちの間で支持率が低くなっている。

 

 クリスティはニューハンプシャー州で遊説を行い、タウンホールでの演説会を行うことで、支持を回復させようとしている。クリスティはニューハンプシャー州で勝利を得ることが予想されている。

 

 共和党員、共和党支持者たちは、クリスティの政治的技術を過小評価すべきではないとしつつも、彼の人気や支持率が急落していることは明確に認めねばならないと言っている。

 

 クリスティの選挙ティームは既に結成済みであり、彼は大統領選挙へ出馬する可能性が高い。

 

. クリスティは、今月初めにウェブサイト「NJドットコム」に対して次のように語った。「現在のところ、私は8番目中の8番目、9番目以降の人々の間ではトップに立っている。しかし大統領選挙全体で見たらどうだろうか。私は何とか1位を占めることが出来ると考えている」。

 

・ジョン・カシック(John Kasich、1952年―)

 
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ジョン・カシック
 

 オハイオ州知事カシックは共和党予備選挙のダークホースと見られている。

 

 2015年4月、政治資金集めのために政治行動委員会を作り、予備選挙のための遊説が増えていく中で、その資金に充てている。

 

 カシックは政治資金を寄付してくれる人々に対して、自分の決断を見守ってくれるように求めている。一方、選挙戦に向けた選挙ティームを結成しつつある。

 

 表面上は、穏健な、エリート好みの候補者がこれ以上出馬する余地は存在しないように思われる。カシックは移民政策や全米統一の学力基準(Common Core)について、共和党の熱心な支持者たちの考えとは違うものを持っているのである。

 

 もし共和党の候補者たちで今日討論会(共和党の第1回目の討論会で参加が許されるのは10人だけ)が開かれたら、彼は参加資格すら持っていないことになる。リアル・クリア・ポリティックスの平均では、彼は現在13番手に位置している。支持率は1.8%しかない。

 

 最近のある世論調査の結果では、オハイオ州でカシックはヒラリーをリードしている。オハイオ州は激戦州であり、2016年米大統領選挙本選挙の結果にとって重要な州である。

 

 カシックはエリート層向けに受けが良い候補者がいない状況で、ジェブ・ブッシュは共和党の指名を一気に受けることが出来ないことを指摘し、自分ならそれができると訴えている。

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ジェブ・ブッシュとコルンバ夫人
 
 

 先月、ワシントンでカシックは記者団に対して、「私が最も経験豊富だ、以上」と述べた。

 

 『ワシントン・ポスト』紙の記事によると、カシックは7月か8月に予備選挙への出馬を発表する予定だということだ。

 

・ボビー・ジンダル(Bobby Jindal、1971年―)

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ボビー・ジンダル

 ルイジアナ州知事ジンダルは来週水曜日に大きな発表をする予定である。彼は大統領選挙への出馬を表明するだろう。

 

 ジンダルは大統領選挙で大穴扱いで、ほとんどの世論調査で何とか名前を載せてもらっている状況だ。

 

ジンダルは自身を保守主義の先導者と規定し、社会問題における保守派が重視する宗教の自由のような諸問題について、オバマ政権に対する主要な批判者だとしている。

 

 ジンダルのメッセージはアイオワ州の有権者たちに受けるだろう。アイオワ州では、共和党の候補者の中で同じ社会的保守派である連邦上院議員テッド・クルーズ(テキサス州選出)とベン・カーソン、連邦上院議員リック・サントラム(ペンシルヴァニア州選出)と争うことになる。

 

しかし、ジンダルは共和党内の討論会を通じて人々の支持を集めると思われる。リアル・クリア・ポリティックスの平均によると、ジンダルは現在のところ、全国的に見て15番手の位置にあり、支持率は1%ほどしかない。

 

●民主党

 

・ジム・ウェッブ(Jim Webb、1946年―)

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ジム・ウェッブ
 

 ヴァージニア州選出連邦上院議員であったジム・ウェブは、昨年11月に2016年の米大統領選挙への出馬を検討すると述べて、いち早くレースに参加を表明した。

 

 それ以降、彼は沈黙を守っており、多くの人々は彼が民主党予備選に出馬することを真剣に考えているのかどうか疑問を持っている。

 

 ウェブはヴェトナム戦争に従軍した経験を持ち、所得格差に特化した大変に進歩的な主張を行っている。

 

 しかし、ウェッブの支持率は大変に低い。ヒラリーを追いかける候補者たちの2番手くらいに付けている。リアル・クリア・ポリティックスの平均によると、全国的に見て、平均で1.6%の支持率しかない。彼はロードアイランド州知事だったリンカーン・チャフィーだけを上回っている状況である。

 

 ウェブサイト「バズフィード」によると、今週初め、ウェッブは大統領選挙出馬を「2週間以内に」発表すると述べたということである。

 

・ジョー・バイデン副大統領(Joe Biden、1942年―)

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ジョー・バイデン

 

 『USニュース・アンド・ワールド・レポート』紙が今週掲載した記事によると、ジョー・バイデン副大統領は8月1日までに大統領選挙出馬を表明するということだ。

 

 バイデン副大統領はデラウェア州司法長官を務めた息子ボー・バイデンの死去に伴い、喪に服している。ボー・バイデンは先月、脳腫瘍によって亡くなった。

 

 USニュース・アンド・ワールド・レポート紙の記事によると、バイデン副大統領は大統領選挙への出馬を断念していないということだ。

 

 バイデンはヒラリーにとって手ごわい候補者となる。バイデンはヴァーモント州選出連邦議員バーニー・サンダースと支持率の面で拮抗しており、リアル・クリア・ポリティックスの四トン調査の平均では全国的には民主党内で第2位につけている。

 

 現在でも、ヒラリー・クリントンの支持率は大変高い状況であり、リアル・クリア・ポリティクスの世論調査の平均によると、その数字は47%に達している。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 
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