古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:米朝首脳会談

 古村治彦です。

 

 今回は、北朝鮮が核関連施設内部の改修や増設をしているのではないかということを示す衛星写真が出たという記事をご紹介します。これらの写真が捏造でないならば、北朝鮮ではまだ核関連施設の閉鎖やそれに向けた準備などは行われていないということになります。もし寧辺核研究施設内で、原子力発電所建設に向けた実験を行い、そのために施設を改修するというのなら、それを世界に向けて通告し、中を公開すべきです。そのような通告を行わずに、改修や増設を行うというのは疑念を招く行動であり、共同宣言の内容に違反するものです。

 

 アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長が共同宣言に署名して以降、北朝鮮が非核化にとりかかったという話は寡聞にして聞きません。非核化に向けた作業内容と工程、スケジュールについて細かい話し合いが行われているという話も入ってきません。これらについての話し合いは共同宣言に沿ったものですし、話し合いの場にカメラが入って全てを生中継する必要はありませんが、もし話し合いが行われているのなら、その事実を公開することはトランプ大統領と金委員長にとって批判を跳ね返すなど利益となります。

 

 北朝鮮が共同宣言を盾にして、サボタージュを決め込むということは最悪のシナリオです。「あなたたちは“安全の保証”を与えるという宣言に署名した」ということで、攻められないということになって好き放題にやられるということは最悪です。

 

 また、共同宣言内容に違反しても、違反した場合のペナルティについて取り決めがある訳ではありません。また、北朝鮮は中国と韓国の「後ろ盾」があるので、アメリカはもう北朝鮮を約束違反で批判することはできても、実効性のある攻撃はできないと踏んでいるでしょう。

 

 このように考えていくと、共同宣言の内容があれでよかったのかということにどうしてもなります。戦争にならずに済んでよかったというのは分かりますが、北朝鮮が約束違反をした場合、具体的には核兵器を放棄せず、更に研究開発を続けたるという最悪のシナリオになる可能性について考えが足りなかったということになります。

 

 まずは一日も早く、朝鮮半島の非核化、まずは北朝鮮の核兵器とミサイル放棄に向けての実務者レヴェルでの話が開始されねば何事も始まりません。しかし、それがいつ始まるのか、今のところ分かっていないということになれば、悲観的にならざるを得ないということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

衛星写真は、北朝鮮が核研究施設の改善を示している(Satellite images show North Korea upgrading nuclear research facility: report

 

アヴェロイ・アナポール筆

2018年6月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/international/394326-satellite-images-show-north-korea-upgrading-nuclear-research-facility

 

最新の研究によると、先週撮影された複数の衛星写真から、北朝鮮が核研究施設を大幅に改善していることが分かった。

 

北朝鮮に関する分析機関「38ノース」は、ドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の指導者である金正恩委員長が朝鮮半島の非核化を求める合意文書に署名してから数週間後の複数の写真を入手した。

 

複数の衛星写真は、北朝鮮が寧辺核研究施設内の改善を急速に行っていることを示している。

 

改善の内容は、冷却水用のポンプ小屋の新設、複数の新たな建造物、冷却水用の貯水池の完成、放射化学実験施設の稼働といったものだ。研究によれば、原子炉が稼働中かどうかは不明であるということだ。

 

「38ノース」は、金正恩委員長が手順を変更するように命令しない限り、核関連施設で働く職員たちは「通常通りの任務」を遂行するだろうと強調している。

 

トランプ大統領と金委員長との間の合意は、今月シンガポールで開催された歴史的な首脳会談で共同宣言として署名された。共同宣言では、アメリカが「安全の保証」を与える義務を負い、その代償として朝鮮半島の非核化が達成されるとされた。批判的な人々は、合意内容は曖昧で、アメリカが手にできるものが保証されない一方で、北朝鮮に与えるものが大きすぎると主張している。

 

米朝首脳会談が行われる直前、北朝鮮は豊渓里核実験場を破壊したと主張した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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今の巨大中国は日本が作った


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 古村治彦です。

 

 シンガポールでの米朝首脳会談が終了して約2週間の時間が経過しました。その間に、シンガポールで発表された共同宣言の内容の空疎さに対して世界中から懸念が表明されています。非核化に向けての詳細なスケジュールと方法が全く記載されていない中で、アメリカが北朝鮮に対して、「安全上の保証(security guarantee)」を与えるという内容は一方的過ぎる内容です。

 

 この2週間の間に米朝間で何か具体的な動きがあったとは寡聞にして知りません。両国における非核化に向けた交渉は共同宣言の内容に沿ったものですから、何も秘密裏に行う必要はありません。交渉の全てを公開する必要はありませんが、開催日時や場所、参加者の名前くらいは出しても不都合ではないし、それらを出してアピールしたほうが、「内容が決まっていない」「大丈夫か」といった懸念の声を抑えることが出来ます。

 

 そうした中で、ホワイトハウスから連邦議会に送られた定期報告書の中に、「北朝鮮はいまだにアメリカにとって大きな脅威である」という文言が使われていることが分かりました。そのことを紹介した記事を以下にご紹介いたします。

 

 これから分かることは、米朝首脳会談以降、米朝間では何も事態が進展していないということです。何か良い兆候があれば、中身が公開される報告書のような文書に、「とび抜けた、そして桁外れの脅威(unusual and extraordinary threat)」という文言は使わないでしょう。

 

 しかも、米朝首脳会談以降のドナルド・トランプ大統領の各種発言の内容は、「皆さん、良かったですね、北朝鮮はもはや脅威ではなく、私たちは安全になりました」というものですから、それと矛盾する内容をホワイトハウスが連邦議会に報告書として提出するというのは、重大なことです。大統領の発言を否定する内容なのですから。

 

 こうしてみると、米朝首脳会談は「成功」で終わったものの、そこから事態は良い方向に進んでいないのではないかという懸念が出ます。マイク・ポンぺオ国務長官は、トランプ政権の任期の終わりまでに何とかしたいという趣旨の発言をしていますが、うまくいくのか懸念があります。共同宣言によって、アメリカは軍事力を使って北朝鮮に迫るというオプションは封印されました。北朝鮮はまだ核兵器を保有しています。それで果たして北朝鮮と交渉できるだろうか、アメリカが望む合意を得られるだろうか、懸念があります。

 

 朝鮮半島の非核化への道はいまだ遠し、ということになりそうです。

 

 

(貼り付けはじめ)

 

ホワイトハウス:北朝鮮は「とび抜けた、そして桁外れの脅威」を示している(White House: North Korea presents 'unusual and extraordinary threat'

 

マロリー・シェルボーン筆

2018年6月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/393673-white-house-north-korea-presents-unusual-and-extraordinary-threat-to

 

ホワイトハウスは金曜日に発表した声明の中で、北朝鮮はアメリカにとって「とび抜けた、そして桁外れの」脅威のままであると述べた。トランプ大統領は先週、北朝鮮は「もはや核兵器を持つ脅威の存在」ではないと発言したが、その内容と異なる声明が発表された。

 

トランプ政権は金曜日、連邦議会に対して通常の定期報告を行ったが、その中で、北朝鮮に対する経済制裁を維持するべき理由となる脅威はまだ存在すると述べた。

 

報告書の中には「朝鮮半島における武器に使用可能な燃料物質の存在と拡散の危険、そして北朝鮮政府の各種行動と諸政策は、アメリカ合衆国の国家安全保障、外交政策、経済にとってのとび抜けた、そして桁外れの脅威となっている」という文言が含まれている。

 

先週、トランプ大統領はシンガポールにおいて北朝鮮の指導者金正恩と首脳会談を行った。シンガポールからの帰国の途上、トランプ大統領は、北朝鮮政府は「もはや」核兵器による脅威をアメリカに与えない、と述べた。

 

トランプ大統領は6がウ13日にツイッターを更新し、その中で「やっと帰国できた。長旅だった。しかし、皆さん方全員、私が大統領に就任した時よりも安全だと感じているはずだ。北朝鮮からの核の脅威はもはや存在しない」と述べた。

 

トランプ大統領は更に次のように書いた。「金正恩との会談は興味深く、素晴らしい経験だった。北朝鮮は将来発展する大いなる可能性を秘めている!」

 

民主党連邦上院院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は声明の中で、トランプ政権の連邦議会に対する報告の中の文言とトランプ大統領の発言が矛盾していることを批判した。

 

シューマーは次のように述べている。「トランプ大統領の政権が議会に提出した報告書はここ数週間のトランプ大統領の発言の内容を完全に否定するものだ。私たちは北朝鮮との交渉を写真撮影の機会以上に深刻に受け止めるべきだ。北朝鮮問題は解決したと発言することは全く内容を伴わない、意味のないことだ」。

 

トランプ大統領と金委員長は共同宣言に署名した。その内容は、アメリカは北朝鮮に対して例外なき「安全に関する保証」を与えるとし、それに対して金委員長は「朝鮮半島の完全な非核化に向けて一貫したたゆみない努力を行う責任を負う」を行うとした。

 

しかし、共同宣言には共同宣言で謳われた約束を米朝両国がどのように達成するのかについて詳細な内容は一切含まれていない。

 

トランプ大統領は更にアメリカが北朝鮮と非核化について交渉を行っている間は、韓国との共同軍事演習を行わないと述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 2018年6月12日、シンガポールのセントーサ島でアメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談が開催されました。一対一の会談、拡大会合、ワーキングランチと続き、最後に共同宣言に両首脳が署名をし、会談は終了しました。その後、トランプ大統領だけが記者会見に応じ、金委員長はその頃には既に中華航空機でシンガポールを後にしていました。

 

 「包括的」な合意は、結局何も具体的なことは盛り込まれていませんでした。アメリカが執拗に求めたCVIDcomplete, verifiable, irreversible denuclearization)、「完全な検証可能な不可逆的な非核化」という言葉も出てきませんでした。「朝鮮半島における完全な非核化(complete denuclearization of the Korean Peninsula)」という金委員長が使い続けた言葉が出て来ています。いつまでに、誰が、どのような形で非核化を検証するということもはっきり明記されていません。トランプ大統領は他人事みたいに「15年くらいかかると言う専門家もいる」と述べています。これに対して、アメリカのドナルド・トランプ大統領による北朝鮮に対する「安全の保証(security guarantee)」という言葉は明記されています。こちらは、アメリカが北朝鮮を軍事的に攻撃することはないということを意味します。

 

 こうしてみると、アメリカはCVIDを引っ込めた上で、北朝鮮の主張を受け入れたということで、北朝鮮の勝利ということになり、更に言えば、中国の勝利ということになります。トランプ大統領は大統領選挙期間中から在韓米軍の撤退や日本や韓国の核武装を容認ということを述べていました。

 

 韓国にしてみれば、安全保障上の脅威はなくなり、言葉の障壁のない安い労働力と生産拠点を手に入れられる可能性が高まり、曖昧な形で決着したことで、北朝鮮は核保有国のまま、もしくはその疑惑の余地が残るまま(金正恩委員長や北朝鮮の「約束」「決意」を額面通りに受け取るお人よしは世界でも少数だと思います)となり、韓国は実質的に核保有国としてのステータスを手に入れることになります。北朝鮮と韓国は「一体化」し(自由主義的民主政治体制国家と奇妙な世襲制抑圧的スターリン主義国家が「統一」できるとは考えられません)、経済発展と軍事力を手に入れることになるということになります。懸念は、韓国企業が大規模に北朝鮮に進出することが出来るのか、そんなことをすれば、世襲制の首領に対する個人崇拝をしている北朝鮮国民の強固な思想に影響が出るのではないか、韓国企業の輸出品に対して、「人々を抑圧している北朝鮮の国民に作らせた製品」ということで、反対運動が起きるのではないかということです。

 

 トランプ大統領は記者会見で在韓米軍の撤退についても言及しました。これで勝利を得るのは中国です。朝鮮戦争は韓国と北朝鮮の戦い(内戦)ですが、中国人民志願軍とアメリカ軍との戦いでもありました。中国はユーラシア大陸の東の地上からアメリカ軍を追い出すことに成功しました(期日は決まっていませんが)。北朝鮮をずっと支援してきて、核兵器を持たせるまでにエスカレートさせたことに対する責任がありながら、その責任に対して、何らの行動もせずに、アメリカに任せて、それに便乗してアメリカの朝鮮半島からの撤退を勝ち取りました。

 

 ここで厳しい状況に置かれるのは日本です。下に記事を貼りましたが、米朝首脳会談の直前、アメリカ政府は「日本にプルトニウム削減要求」を行いました。その理由は「 核不拡散で懸念」ということです。北朝鮮の核兵器開発問題に関してアメリカ議会で証言を求められたヘンリー・キッシンジャーが「北朝鮮の核武装自体は恐れていない。しかし、これによって連鎖的に韓国と日本が核武装することが怖い」という発言をしたことは既にこのブログでもご紹介しました。アメリカは従属国である日本に原子力発電所を売りつけて、プルトニウムを保有させながら、これが核兵器に転用されることを恐れて保有量を削減するように求めてきました。これは、アメリカが朝鮮半島は放棄するが、日本列島は放棄しない、アメリカ軍の駐留経費を払ってくれ、その他にも金を貢いでくれる従属国である日本を手放す気などないということを高らかに宣言しているようなものです。

 

 トランプ大統領は非核化の費用を日韓に負担させると述べました。安全保障上、この費用負担は日本にとって受け入れるべきものだと考えます。しかし、費用負担する以上、日本の企業に非核化のプロセスに関わらせることは当然だと思いますが、日本や韓国で実際に核兵器の解体に関わった人間は多くないでしょうから、どうしてもアメリカ、ロシア、中国といった企業が主導権を握り、日本や韓国は資金を出させられるだけということになるでしょう。更には、北朝鮮に対する経済支援でも日本はお金を出させられることになるでしょう。こちらもある程度の負担は仕方がないと考えますが、北朝鮮で主体的に活動するのは韓国企業や中国企業ということになって、日本企業が入る余地があまりないのではないかと考えられます。

 

 米朝首脳会談の共同声明は、アメリカの衰退とそれでもアメリカは日本を手放さずに従属国として握りしめ、さらに絞り上げ続けるということを明確にしたものとなりました。朝鮮半島は全体で中国のものとなりました。韓国と北朝鮮にとっては歴史的に見て、中国の「冊封体制」に朝鮮半島が戻れたという面で喜ばしいことかもしれません。しかし、日本は従属国としての負担がさらに重くなるのだろうということで陰鬱な気分になります。

 

(貼り付けはじめ)

 

Full text of US-North Korea joint statement in Singapore

June 12, 2018 (Mainichi Japan)

 

https://mainichi.jp/english/articles/20180612/p2g/00m/0in/100000c

 

The following is the full text of the U.S.-North Korea joint statement released by the White House on June 12, 2018:

 

--

 

Joint Statement of President Donald J. Trump of the United States of America and Chairman Kim Jong Un of the Democratic People's Republic of Korea at the Singapore Summit

 

President Donald J. Trump of the United States of America and Chairman Kim Jong Un of the State Affairs Commission of the Democratic People's Republic of Korea (DPRK) held a first, historic summit in Singapore on June 12, 2018.

 

President Trump and Chairman Kim Jong Un conducted a comprehensive, in-depth, and sincere exchange of opinions on the issues related to the establishment of new U.S.-DPRK relations and the building of a lasting and robust peace regime on the Korean Peninsula. President Trump committed to provide security guarantees to the DPRK, and Chairman Kim Jong Un reaffirmed his firm and unwavering commitment to complete denuclearization of the Korean Peninsula.

 

Convinced that the establishment of new U.S.-DPRK relations will contribute to the peace and prosperity of the Korean Peninsula and of the world, and recognizing that mutual confidence building can promote the denuclearization of the Korean Peninsula, President Trump and Chairman Kim Jong Un state the following:

 

1. The United States and the DPRK commit to establish new U.S.-DPRK relations in accordance with the desire of the peoples of the two countries for peace and prosperity.

 

2. The United States and the DPRK will join their efforts to build a lasting and stable peace regime on the Korean Peninsula.

 

3. Reaffirming the April 27, 2018 Panmunjom Declaration, the DPRK commits to work toward complete denuclearization of the Korean Peninsula.

 

4. The United States and the DPRK commit to recovering POW/MIA remains, including the immediate repatriation of those already identified.

 

Having acknowledged that the U.S.-DPRK summit -- the first in history -- was an epochal event of great significance in overcoming decades of tensions and hostilities between the two countries and for the opening up of a new future, President Trump and Chairman Kim Jong Un commit to implement the stipulations in this joint statement fully and expeditiously. The United States and the DPRK commit to hold follow-on negotiations, led by the U.S. Secretary of State, Mike Pompeo, and a relevant high-level DPRK official, at the earliest possible date, to implement the outcomes of the U.S.-DPRK summit.

 

President Donald J. Trump of the United States of America and Chairman Kim Jong Un of the State Affairs Commission of the Democratic People's Republic of Korea have committed to cooperate for the development of new U.S.-DPRK relations and for the promotion of peace, prosperity, and security of the Korean Peninsula and of the world.

 

DONALD J. TRUMP

 

President of the United States of America

 

KIM JONG UN

 

Chairman of the State Affairs Commission of the Democratic People's Republic of Korea

 

June 12, 2018

 

Sentosa Island

 

Singapore

 

=====

 

● 「 米朝首脳会談 」北朝鮮、非核化を約束 声明に具体策盛らず 」

 

2018年6/12() 21:04配信 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20180613/k00/00m/030/103000c

 

 【シンガポール高本耕太、渋江千春】トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は12日午前9時(日本時間同10時)過ぎから、シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで会談した。

 

 米朝首脳会談は史上初めて。両首脳は米国が北朝鮮に「安全の保証を提供」し、北朝鮮は「朝鮮半島の完全な非核化に対する揺るぎない約束を再確認」する共同声明に署名した。

 

 しかし、日米韓が求める北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」は言及されず、非核化協議のスタート地点に立ったとの位置付けにとどまった。

 

 会談後の記者会見でトランプ氏は「完全非核化には技術的に長い時間がかかる」と述べた。両国は今後も合意の履行のための協議を継続することになっており、来週にもポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が非核化の詳細について、北朝鮮側と協議するという。

 

 声明では米国と北朝鮮が「新たな関係を作る」と強調。休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終結について「朝鮮半島の持続的で安定した平和体制の構築に向け努力する」と記された。また、朝鮮戦争で死去した米兵の遺骨収集で協力することも確認した。

 

 トランプ氏は記者会見で、非核化に向けた具体的なスケジュールや方策が定められなかったことについて「時間がなかった」と述べた。ただ、金委員長が会談で、ミサイルエンジンの実験施設を破壊すると約束したと説明。「これは大きなことだ」と指摘した。北朝鮮は弾道ミサイル発射実験の凍結については具体的な行動を米国側に伝えたことになる。

 

 一方で、トランプ氏は、北朝鮮との対話が継続する間は米韓合同軍事演習を中止するとも示唆し、演習の費用が高額となることと共に「(北朝鮮に対して)挑発的だ」と、その理由を説明した。ただ、制裁については当面維持する方針を示した。

 

 日本人拉致問題について、トランプ氏は「会談の中で提起した」と述べたが、共同声明には盛り込まれなかった。北朝鮮国内の人権問題についても、非核化に比べると短い時間だが協議はしたという。

 

 この日の首脳会談は、会談場でトランプ氏と金委員長が握手をするところから始まった。最初に通訳のみを交えたトランプ氏と金委員長による1対1の膝詰め形式で約40分行った後、拡大会合には米国はポンペオ氏やボルトン氏、北朝鮮は党副委員長の金英哲(キム・ヨンチョル)、李洙墉(リ・スヨン)の両氏、李容浩(リ・ヨンホ)外相らが加わった。

 

 両首脳は昼食後にホテルの敷地内を並んで歩くなど、友好ムードが演出された。共同声明の署名式でトランプ氏は「非常に重要で包括的な文書だ」と発言。金委員長は「過ぎ去った過去を覆い隠し、新しい出発を知らせる歴史的な文書に署名。世界は重大な変化を目にすることになる」と語っていた。

 

 トランプ氏は金委員長がホワイトハウスへの招待を受け入れたとも述べた。 ポンペオ氏は首脳会談後、結果について日本の河野太郎外相、韓国の康京和外相に電話で説明した。

 

 トランプ氏は12日午後6時半ごろ、帰国の途についた。一方、ロイター通信は、金委員長は同日午後9時、北朝鮮に向けて出発する見通しと伝えた。

 

=====

 

●「米、日本にプルトニウム削減要求  核不拡散で懸念、政府は上限制で理解求める」

 

2018/6/10付日本経済新聞 朝刊

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO31583890Z00C18A6MM8000/

 

 米政府が、日本が保有するプルトニウムの削減を求めてきたことが9日分かった。プルトニウムは原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理で生じ、核兵器の原料にもなるため、米側は核不拡散の観点から懸念を示す。日本は保有量の増加を抑える上限制(キャップ制)を導入し理解を求める。プルトニウムを再利用する核燃料サイクル(総合2面きょうのことば)を進める日本の原子力政策に影響を与えそうだ。(略)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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古村治彦です。

 

今回は、訪米した金英哲朝鮮労働党副委員長についての記事をご紹介します。

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金英哲は朝鮮労働党中央委員会副委員長や東一戦線部長を務めています。朝鮮人民軍では大将まで昇進し(一度は大将まで進みながら上将に降格されてしまいましたがまた昇進)、偵察総局長・副総参謀長を務めました。以下の記事にあるように、韓国海軍の艦船「天安」の沈没事件や南北の国境近くにある延坪島への砲撃事件に関与し、また、サイバー攻撃事件であるソニー・ピクチャーズへのハッキング事件にも関与しているとされています。

 

経歴を見ると、1946年生まれで、万景台革命学院、金日成軍事総合大学を卒業と出てきます。金英哲の両親は北朝鮮の成立や朝鮮戦争で国家に貢献したので、その子供として、北朝鮮の一番のエリートコースを進むことが出来たのだと思われます。世代としては、金正日と同世代の革命第二世代とも呼ぶべき世代に属していると思います。


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その後は朝鮮人民軍に入り、昇進していきます。そして、2009年に新設された朝鮮人民軍偵察総局の初代局長に就任します。この部局は、北朝鮮の外国におけるスパイネットワークを管理したり、サイバー攻撃を行ったりする部局だと言われています。下の記事で、金英哲を「スパイの元締め」と呼んでいるのはそのためです。2010年代には、北朝鮮の強硬な外交姿勢を主導した人物と言われています。

 

2011年から権力の座に座った金正恩は既に多数の幹部クラスの人々を粛清しています。実の叔父である張成沢を死刑にしています。金英哲は1960年代から50年以上にわたり、粛清の波を生き延びてきたということは、相当な経験と現状把握力と危険を察知する嗅覚の持ち主だということになります。この金英哲がマイク・ポンぺオのカウンターパート、交渉担当者として出てきたということは、北朝鮮は彼らなりに相当の譲歩を行う覚悟があるということだと思います。

 

金英哲は孫くらいの年齢である金正恩に北朝鮮のおかれている現状を説き、いざとなれば、自分が悪者になるので、何とか体制保障を勝ち取るために相当な条件の譲歩を許してくれるように説得したのではないかと思います。そして、金正恩の親書を持って渡米しました。親書の中身は発表されていません。概要すら漏れてきていません。あんなに大きな封筒で、表彰状みたいなものであろうということは皆分かっているのに、肝心の中身が分からないのです。アメリカ政府からも漏れてこないというのは、北朝鮮にとって相当重要なことが書かれているということだと思いますが、これ以上のことは分かりません。

 

ポンぺオもCIA長官を1年ほど務めましたので、金英哲と同じく、スパイの親玉とも言えるでしょう。スパイの親玉を務めた人物同士が米朝首脳会談の下交渉の最高責任者ということになりました。12日の米朝首脳会談開催までにどんなことが起きるのか、会談で何が話されるのか、注視していきたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

ポンぺオと対峙する北朝鮮政府高官はスパイの元締めであり、金正恩を教育した人物で、粛清を生き延びた(North Korean Facing Pompeo Is a Master Spy Who Helped Groom Kim, Then Survived His Purges

―アメリカ政府高官たちは、金英哲(Kim Yong Chol)のニューヨーク訪問は、18年ぶりの北朝鮮政府高官の訪米で、米朝首脳会談を救うことを目的としていると述べた。

 

ロビー・グラマー筆

2018年5月31日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2018/05/31/north-korean-facing-pompeo-is-a-master-spy-who-helped-groom-kim-then-survived-his-purges-asia-diplomacy-nuclear-summit-trump-kim-jong-un-kim-yong-chol/

 

核兵器を巡る交渉を復活させるために、マイク・ポンぺオ国務長官と会談を行っている北朝鮮政府高官は、北朝鮮のスパイ網の元締めを務めた人物であり、北朝鮮がここ数年にわたり実行してきた軍事作戦にも関係している。2014年に起きたソニー・ピクチャーズに対するサイバー攻撃はその最たるものだ。これによってソニー・ピクチャーズは大きな被害を受け、財政的にも数百万ドルの損失を出した。

 

金英哲は水曜日の夕方、ニューヨークでポンぺオと会談を持った。アメリカ政府高官たちは、北朝鮮の最高幹部クラスの訪米は18年ぶりのことだと述べた。2人はフィレミヨンとヴァニラアイスクリームの夕食を楽しみ、木曜日朝から公式の会談を再開したと国務省は発表した。

 

分析家たちは次のように考えている。ポンぺオと金英哲の会談は両者の間の個人的な親密さを醸成している可能性がある。そして、彼らの会談は、北朝鮮政府の核開発プログラム中止を目的とするアメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談実現にとって重要な役割を果たすことになる。

 

北朝鮮との交渉を担当した経験を持ち、現在はリチャードソン・センター・フォ・グローバル・エンゲイジメントの副会長ミッキー・バーグマンは、「個人的な関係がより重要だ。それは、北朝鮮の人々は個人的関係に価値を置くからだ」と述べている。リチャードソン・センターは世界各国の政治犯の釈放を求めて活動している非営利組織だ。

 

外交官や情報機関関係者たちは、金英哲は北朝鮮における黒幕と呼べる人物の中で最も力を持つ人物であり、金体制の中を生き延びた人物であると評している。金英哲がアメリカ政府との交渉に出てきたことは、金英哲が、金正恩以外で北朝鮮の方向を変えることが出来る巨大な影響力を持っていることを示している。

 

73歳になる金英哲は、北朝鮮を支配する朝鮮労働党の副委員長である。そして、北朝鮮の独裁者3代に仕えた人物である。金英哲はこれまで何度もあった粛清の嵐を生き延びた。2011年に金正恩が権力の座に就いてから北朝鮮政府の高官たちの多くが粛清されたが、彼は生き延びた。

 

CIAの分析官を務め、現在はシンクタンクであるCSISの朝鮮半島専門研究員を務めるスー・ミー・テリーは、「金正恩は権力の座に就き、数百名の人物を粛清した。金英哲は粛清を生き延びただけでなく、金正恩の右腕となることができた」と語った。

 

テリーは続けて「金英哲は金正恩の考えを代弁することが出来る。彼以外にそのようなことが出来る人物はいない」と語った。

 

2009年から2016年にかけて、金英哲は北朝鮮の情報機関とサイバーセキュリティー担当部署である偵察総局の責任者を務めた。ここで彼は北朝鮮による西側諸国や韓国に対するサイバー攻撃にかかわった。2012年に韓国で北朝鮮のスパイネットワークが一斉検挙されたことで、金英哲は降格処分となったと考えられている。しかし、「リハビリテーション」と呼ばれる期間を経て、復活した。

 

CIA分析官を務め、現在はブルッキングス研究所に所属する北朝鮮専門家のジュン・パクは、権力の座に就いたばかりの金正恩の教育に金英哲は貢献したと述べている。

 

ジュン・パクは次のように述べた。「北朝鮮におけるスパイ組織は極めて重要な存在だ。特に指導者の教育機関には重要な役割を果たす。金正恩が権力の座に就いてから7年間、金英哲は恐らく失敗をしなかったのであろう。そして、金正恩の信頼を勝ち取ったのだろう」。

 

金英哲は1960年代に韓国との国境にある非武装地帯の衛兵からキャリアをスタートさせた。その後、国連との連絡将校や金正日の護衛を務め、1990年代から2000年代後半には南北交渉における軍事交渉担当官を務めた。

 

金正恩の側近として、金英哲将軍はアメリカによる制裁の対象者となっている。

 

金英哲はスパイ組織の責任であった時期に起きた韓国に対する2度の攻撃で主要な役割を果たしたと考えられている。2010年3月、韓国海軍の艦船が魚雷攻撃を受け、46名の乗組員が死亡した。同年末、韓国のある島が砲撃を受け、4名が死亡し、19名が負傷した。

 

2014年北朝鮮はソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃を実行した。これは金英哲の直接の指示だと考えられている。この時、ソニー・ピクチャーズは、金正恩の暗殺のシーンがあるコメディ映画を発表した後であった。

 

最近になって、金英哲は北朝鮮の外交の中心的存在となっている。金英哲は、南北の非武装地帯での南北首脳会談において、北朝鮮側代表団に参加し、2度も韓国の文在寅大統領と会談している

 

金英哲は今年2月に韓国で開催された冬季オリンピックへの北朝鮮代表団に参加している。閉会式で、トランプ大統領の娘で補佐官でもあるイヴァンカの近くで無表情で起立している金英哲の様子は映像に残っている。お互いはお互いの存在を無視していた。

 

金英哲はニューヨークを訪問し、ポンぺオと3度目の会談を行った。CIAの前長官で現在は国務長官のポンぺオは今年に入って2度北朝鮮を極秘に訪問し、拘留されていた3名のアメリカ人の解放に成功し、6月12日にシンガポールで開催される米朝首脳会談の地ならしを行った。

 

先週、トランプ大統領は首脳会談を突如キャンセルした。キャンセルを通知する書簡の中で、トランプ大統領は北朝鮮のアメリカに対する「大いなる怒りと敵意の公表」に言及した。しかし、トランプ大統領は首脳会談の実現可能性についても言及した。

 

ホワイトハウスのジョー・ハジン次席補佐官率いるアメリカ代表団(「プレ・アドヴァンス」ティーム)は現在シンガポールに滞在し、予定されている米朝首脳会談の後方支援準備を行っている。

 

これとは別に、アメリカの幹部外交官と安全保障担当が、南北の間にある非武装地帯で北朝鮮政府の担当者たちと交渉を行っている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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今の巨大中国は日本が作った


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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