古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:総選挙




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 私は、産経新聞が嫌いです。しかし、時には素晴らしい記事を掲載する新聞であることには敬意を持っています。産経新聞について「自称・全国紙」とか「自民党の機関紙」と書くこともありますが、関係者の皆様には、強者のご寛恕を願っておきたいと思います。

 

 しかし、今回の総選挙の選挙運動期間中に山田美樹代議士(当時は自民党公認候補・東京一区選出、当選二回・細田[安倍]は所属)の選挙運動員が起こした事故に関する記事はいただけません。

 

 私が問題にしたいのは、事故の描写の部分で、「バイクは転倒し、男性は頭などに全治約2週間の軽傷を負った」の部分です。この事件を最初にスクープ報道した毎日新聞の記事を参照していただけると分かりますが、毎日新聞は、「男性は転倒して一時意識不明となり、搬送先で外傷性くも膜下出血と診断されて2週間以上入院した。半年間の通院が必要で運転もできない状態だという」と書いています。

 

 産経新聞も毎日新聞も記事によると、「警視庁神田署によると」と書いています。それなのに、記事の内容の詳しさの違いはどこから来るのでしょうか。神田署が毎日新聞には詳しい情報を教えて、産経新聞には簡単な情報しか教えていないということは考えにくいです。

 

 更におかしいのは、産経新聞が「軽傷」と表現したことです。本当に軽傷だったらどんなに良かったかと思いますが、毎日新聞の記事の内容から察するに、これはとても「軽傷」などと言えるものではありません。一時的に意識不明になり、外傷性くも膜下出血を発症した人に「軽傷ですね」と産経新聞の記者の方は言えるのでしょうか?産経新聞にも一応入社試験があって、国語力も考査されるはずですが、どのような試験が行われたのでしょうか。

 

 前の記事でも書きましたが、私の父はくも膜下出血を発症して倒れました。そして、もう40年以上も後遺症に苦しんでいます。個人差があるとは言え、この病気は生命を脅かすような重大なものです。新聞の使命としては、この病名についても触れて、人々にくも膜下出血について関心を持ってもらう、自分たちでも調べたり、気を付けたりして、予防をしてもらうというものがあると思います。

 

 

 この産経新聞の書きぶりでは、真実を伝えているようで伝えていませんし、新聞の使命を忘れています。国民大衆に奉仕しているのではなく、自民党に奉仕しているとしか思えません。事故が如何にも軽いものであったかのように描写することで、少しでも印象を悪いものにしないようにしようとしているかのようです。

 

 私は産経新聞が自民党を応援し、他の政党をくさすのは構わないと思っています。しかし、そのために真実を曲げ、印象操作をするような報道をするのは間違っていると思います。応援しているのなら、悪い時には悪いと批判し、叱正ができるようにすることが本当の支持者ではないでしょうか。これでは「贔屓の引き倒し」で、応援しているようで、実際には自民党をダメにしているようなものです。

 

 そして、このような調子では、「本当に」自民党の機関紙となってしまって、産経新聞は腐れ果ててしまうのだと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「山田美樹氏の運動員、選挙期間中に人身事故」

 

産経新聞電子版 2014年12月27日

http://www.sankei.com/affairs/news/141227/afr1412270015-n1.html

 

  衆院選東京1区で海江田万里民主党前代表(65)を破った自民党の山田美樹氏(40)の男性運動員が、選挙期間中の12日にバイクの男性がからむ人身事故を起こしていたことが27日、警視庁神田署への取材で分かった。

 

 同署によると、事故は12日午後1時半ごろ発生。東京都千代田区神田神保町の交差点近くで、山田氏の街頭演説を支援するため駆けつけた30代の男性運動員が車から降りる際に右ドアを開けたところ、後ろから来た60代の印刷関連会社勤務の男性が運転するバイクと接触した。バイクは転倒し、男性は頭などに全治約2週間の軽傷を負った。

 

 男性が救急車に搬送される際、山田氏は現場から約30メートル先で街頭演説を行っていたという。 

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 先日の総選挙で、渡辺喜美氏が無所属で出馬し、落選しました。父である渡辺美智雄氏から守り続けてきた議席を失ってしまいました、何でも1963年からだそうですから、東京オリンピックの前から50年以上にわたって守り続けてきた議席だったわけです。その時に20歳になって初めて選挙に行って、渡辺美智雄と投票用紙に書いて以降、50年以上、渡辺と書き続けた有権者がいて、その人はもう70歳を超えているのです。大変な歴史です。

 

 渡辺氏は、2006年に第一次安倍内閣で初入閣し、改革派の政治家としてメディアにもよく出ていましたし、規制改革担当大臣や金融担当大臣も歴任しました。安倍内閣時代に国家公務員の人材バンクを設立したことでも知られています。しかし、2009年には自民党を離党し、みんなの党を結党しました。そして、急激ではないにしても、着実に党勢を拡大させていきました。

 

 しかし、渡辺氏は安倍晋三氏のシンパであったために、みんなの党がややもすると、安倍自民党を支援する方向に動き、野党でもなく、与党でもない、「ゆ」党のような存在になってしまい、存在が埋没してしまいました。

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渡辺喜美 

 

 そこにDHCの創業者からのお金の借り入れ問題を巡り、みんなの党は分裂してしまいました。そして、2014年にはみんなの党が解党してしまい、無所属で立候補、落選の憂き目に遭ってしまいました。

 

 下の記事によると、安倍首相はシンパである渡辺氏を落選させたくないと考えていたようですが、現在の自民党栃木県連の会長であり、選挙対策本部長である茂木(もてぎ)敏充氏が積極的に渡辺氏落選に向けた動きを行っていたようです。


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茂木敏充
 

 茂木氏は1993年に日本新党ブームで初当選し、日本新党解党後は無所属から自民党に入党しました。彼はデビューが自民党ではないし、二世議員でもないのです。それで、恵まれた渡辺氏に対してライヴァル心を燃やしていたことでしょう。しかし、渡辺美智雄氏以来の地盤と知名度を誇る渡辺喜美氏に対抗することは難しかったでしょう。

 

 それでも、いつの間にか立場は逆転し、渡辺氏は一敗地にまみれました。その原動力となったのが茂木氏であったようです。1993年に初当選した茂木氏、1996年に初投資した渡辺氏、まさかこういう人生の巡り会わせが待っているということは、若き日の二人には想像もできなかったでしょう。

 

 そう考えると、「絶頂期を迎えているということは後は落ちるだけだ」とか「人生何が起きるか分からない」とかそういった人生訓を思い出してしまいます。

 

 政治の世界の浮き沈みを見て、自分の人生について思いを致すことがあります。何が幸いし、何がつまずきの原因になるかは分かりません。それでも、自分が腐りきってしまわないように、人間としておかしくならないように気を付けて生きていかねばならないということを改めて思います。

 

(雑誌記事転載貼り付けはじめ)

 

●「崩れ落ちた渡辺50年王国に 泣きっ面に蜂の家宅捜索」

 

(週刊朝日 20141226日号掲載) 20141218()配信

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20141218-2014121700053/1.htm

 

「私が不器用であったために、問題が大きくなり、心から反省しています」

 

 高倉健を思わせる“不器用男”フレーズで敗戦の弁を述べた渡辺喜美氏(62)。隣では、不仲説が報道されながらも、二人三脚で選挙区を回ったまゆみ夫人がうつむいて涙を流していた。父である故・美智雄氏が、1963年に初当選してから築き上げてきた渡辺王国が崩れ落ちた瞬間だった。

 

 不器用な男の迷走が表面化したのは今年4月。化粧品会社会長から8億円を借り入れていた問題で、みんなの党の代表を辞任。安倍政権との協力路線も反発を招き、党は空中分解した。さらに、落選翌日には渡辺氏の事務所を東京地検特捜部が家宅捜索していたことも報道された。

 

 ただ、自民党内には渡辺氏を落とすことに消極的な声もあったという。その代表格が安倍晋三首相だ。ある自民党職員がこう言う。

 

「総理は盟友の喜美さんを落選させたくないのか、栃木3区に入るとは一切言わなかった」

 

 渡辺氏は金融緩和推進派で、安倍首相と政策の考え方が近い。街頭演説でも、

 

「安倍さんが首相になって自民党は改革する政党に戻った」(渡辺氏)

 

 と、戦う相手の自民党をベタ褒めしていたほどだ。

 

 だが、苦しい時期の自民党を見捨てて離党したことから、党内では今でも「渡辺許すまじ」の声は大きい。

 

「栃木5区の茂木敏充選対委員長がやたら張り切って、3区の応援に入っていた。茂木と喜美は昔から犬猿の仲。『喜美を落選させる!』と息巻いていたよ」(前出の自民党職員)

 

 一方、みんなの党のかつての同志である浅尾慶一郎氏(50)は余裕の当選を決めた。解党のドタバタは選挙戦に影響しなかった。長年、浅尾氏を応援してきた神奈川県議は、「こんなに反応がいいのは、小泉進次郎と浅尾ぐらい」と笑う。渡辺氏とは違い、有権者の支持は揺るがなかった。

 

※週刊朝日  20141226日号

 

(雑誌記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

  

 古村治彦です。

 

 昨日、2014年12月14日、総選挙の投開票が行われました。投票率は52。66%(前回から6.66%減)と戦後最低、単純に比較はできませんが、明治時代からこれまで47回行われてきた総選挙の中で最低を記録しました。日本各地で冬本番を迎え氷点下まで冷え込み、雪も降るという悪条件の中でありましたが、有権者の過半数の方々が投票されたということになります(期日前投票は前回よりも多くなったという報道もありました)。

 

 結果は皆さんがご承知のように、自民党と公明党の与党が326議席(自民党:291議席;公明党:35)を獲得しました。今回議員定数が5減らされて総数が475(小選挙区295;比例区:180)となりましたので、3分の2(317議席)を9議席超えることになりました。自民党は公示前から2議席減らし、公明党は4議席増やすということで、「圧勝」と表現するメディアもありました。

 

 民主党は公示前が62議席だったものを73議席に伸ばし、維新の党は42議席から41議席へとほぼ横ばい、次世代の党は公示前19議席から2議席へと大幅に減らし、社民は2議席で変わらず、生活の党は公示前5議席から2議席へと後退しました。共産党は小選挙区で議席を獲得し、比例でも20議席を獲得し、公示前8議席から大きく躍進し、21議席となりました。

 

 選挙戦の早い段階から、自民党が単独で300議席を超えるとか、自民党の機関紙と成り下がっている、自称・全国紙の産経新聞などは、自民党だけで3分の2を超える317議席に迫る勢いなんて嬉々として報じていましたが、蓋を開けてみれば291議席となりました。確かに過半数も絶対安定多数も超えましたが、300議席を与えなかったところに日本国民の絶妙なバランス感覚を見たように思います。そして、これは「憲法改正にはノーだ」という意思表示であると思います。公明党が31議席から35議席に増えたのも、与党内で一定のブレーキ役を果たして欲しいという国民の願いが反映されたものと思います。


お訴えばかりで聞く耳を持たないある政治家 

 

 民主党は海江田万里代表が比例復活もできずに落選するという結果になってしまいました。海江田氏は党の代表を辞任すると発表しました。また、菅直人氏が475番目に当選を決めるという体たらくでしたが、何とか議席を増やすことができました。しかし、民主党には気を引き締めてもらいたいと思います。財務省の口車に乗せられたアホである皆さん方が当選できたのは、積極的な支援があったからではありません。「鼻をつまんで」「煮え湯を飲む」覚悟で涙を流しながら、戦略的な投票のために皆さんに投票した多くの方がの意向をしっかりと胸に刻んで国家に登院してもらいたいと思います。もしこれから変な動きをしたら次はもうありません。維新の党は最後持ち直したという感じですが、橋下徹共同代表の「ゆ党」的な態度では限界がありますし、大阪と東京と両方に本部があって、大阪ウィングと東京ウィングでは全く別の感じがします。維新の党の動きが野党再編の口火を切ることになると思います。

 

 今回、野党側は選挙協力を行いました。維新と社民が選挙協力をしたところもありましたし、民主党と維新の党の選挙協力は完全ではありませんでしたが、かなり行われました。その結果の検証はこれからなされねばなりませんが、一定の成果を得たのではないかと思います。その意味で、海江田氏は大きな仕事を成し遂げたと思います。

 

生活の党は、小沢一郎代表と玉城デニー氏が維新の党に移籍した太田和美氏、木内孝胤氏、初鹿明博氏、牧義夫氏、民主党に移った小宮山泰子氏、鈴木克昌氏がそれぞれ比例復活を果たしました。生活の党は3名の議員が落選となりましたが、小沢氏に近い政治家たちはうまく生き残ることができました。これから野党再編そして再建に向けて重要な役割を果たしてもらいたいと思います。

 

 次世代の党については、私は「政界における在特会」のような存在だとツイッターなどで書いてきましたが、この勢力が比例で140万票を獲得しながら、議席を獲得できなかったことに安堵しています。また、19議席から盤石の選挙基盤を持つ2名のヴェテラン政治家たちだけが当選ということで、次世代の党はほぼ壊滅状態で、自民党に合流させてもらうしかないのではないかと思います。それでも140万票を獲得したという事実は重いものです。それだけ現状に不満を持ち、排外主義的な主張に共感する人々が増えているのだろうと思います。

 

 共産党は大躍進でした。投票率が下がる中、前回よりも得票数を伸ばし、オール沖縄態勢で小選挙区で1議席を確保し、各比例ブロックで議席を獲得しました。ヴェテラン党員という人から、こう言うと大変失礼ですが、これまでの共産党の候補とはイメージが違う若い人まで候補者の多様性が有権者に受けたのではないかと思います。また、アベノミクスに対する批判票の受け皿にもなったと言えるでしょう。気になったのは、小選挙区での得票数が約703万票で、比例では約603万票と100万票の差があるという点です。小選挙区で共産党の候補に投票した有権者が比例区でどの党に投票したのか気になるところです。これは私の推測ですが、共産党の支持者の方々で一定数の皆さんが、「自主的に」野党共闘で民主党や社民党に投票されたのではないかと思います。

 

 私が比例で投票した社民党ですが、2議席を守り切ったという感じですが、照屋氏と吉川氏とともに九州・沖縄の議員となります。沖縄の票に支えられた政党であり、地域政党に近い感じになっています。社民党は次の参議院議員選挙でしっかりと3議席以上を確保していってもらいたいと思います。吉田党首のキャラクターと国会での質問に期待したいと思います。

 

 私は今回の選挙について、「中間層(middle-class)の減少によって、二極化が進んだために、自共が勝利を収めた」と考えます。比較政治学の研究では、中間層という概念は民主政治体制にとって重要なものであるとされています。中間層の定義はいろいろとありますが、取得の額よりも、教育や職業に重きを置いた定義となっていて、教師や会社員、自営業者などが含まれます。

 中間層が増えていくと、民主政治制度に移行することが多くなるし(因果関係はまだ証明されておらず、相関関係の身です)、民主政治制度に移行した後、それが後退することは少なると言われています。オバマ大統領の演説を聞いていると、「分厚い中間層を作る」とか「中間層を助ける」という言葉がよく出てきますが、それほど民主政治体制にとって中間層の存在は重要なのです。

 

 日本は1980年代には8割以上の国民が「自分は中間層だ」と考える国でした。今の中国などを見ていると分かりますが、急速な経済発展にはどうしても経済格差の拡大が付き物なのですが、日本は比較的平等な社会を実現しつつ、10%以上の経済成長を成し遂げました。これを世界は「奇跡(economic miracle)」と賞賛したのです。そのために、社会不安もなく、社会主義的だと揶揄されながらですが、穏やかに暮らすことができました。

 

しかし、2000年代以降の自民党政治と現在のアベノミクスで日本の中間層は壊されています。その多くが上昇していくなら結構なことなのですが、現状はそうではないようです。そうなると、中間層から脱落したり、現状に不満を持ったりする人々が多くなります。そういう人たちから、自民党や次世代の党の排外主義的、攻撃的な政策を支持する人々と、全く逆でより進んだ所得の再分配を求めて共産党の政策に賛同する人たちが出てきます。

 

 私はこの中間層の減少が、日本の民主政治体制にとって深刻な影響を与えるのではないかと危惧しています。しかし、私は失望していません。今回の選挙では自民党と与党が勝ちましたが、衆議院での改憲の発議は難しいでしょうし、参議院では改憲勢力が3分の2を押さえている訳ではありません。次の参議院議員選挙(2016年)で国民が再び絶妙のバランス感覚を発揮すれば改憲の発議はできないでしょう。

 

 ですから今回の選挙結果を残念には思っても、失望することはありません。まだまだ続いていく物語の序章に過ぎません。

 では最後に1曲。Heatwaveで「Still Burning」。


 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 いよいよ明日、2014年12月14日に総選挙の投開票が行われます。思えば、安倍晋三総理大臣が州銀員を解散すると発表した頃はまだ秋の気配が残っていましたが、今やすっかり冬本番となりつつあります。明日投票予定の皆様はどうぞ風邪などひかないように、暖かい格好でお出かけください。

 

 私は、小選挙区では民主党の候補、比例区では社民党に投票する予定です。これは私なりに考えた結果であり、これを皆さんにお勧めするつもりはありません。ごくごく当たり前のことですが、どの候補者でも党でもご自分が一票を投じたいと思う候補者や党に投票していただきたいと思います。

 

 大手マスコミの調査によると、今回の選挙は、自民党が圧勝するであろうと予想されています。自民党が単独で衆議院の議席の3分の2に当たる317議席を獲得するのではないかという予想も出ています。

 

 今回の選挙は、どの党も大きな支持を得ていない中で、比較相対的に一番支持を得ている自民党が選挙制度上、多くの議席を獲得することになります。現在の小選挙区比例代表並立制と呼ばれるもので、私たちは小選挙区で1票、比例区で1票を投じることができます。世論調査の結果から分かることは、「小選挙区では自民党以外に投票するが、比例区ではバランスを取って自民党に入れる」としている有権者の方々がたくさんおられるということです。

 

 これは絶妙なバランス感覚と言えますが、現行の選挙制度の場合には、小選挙区と比例代表でそれぞれに重複して立候補できるので、「比例復活当選」となって、小選挙区で落選しても、議員として国会に議席を占める人々が出ることになっています。この絶妙なバランス感覚が、制度のお蔭でうまく表現されないということになります。このことは、私たちが得た教訓ということになるでしょう。

 

 私は2012年12月に自民党が政権に復帰してからの、集団的自衛権の容認、消費税の税率を8%に引き上げたこと、特定秘密保護法の成立といったことに対して、全て反対です。ですから、上記のように自民党と公明党以外に投票します。

 

 更に言えば、2012年以降の自民党は、傲慢で不寛容な党に変質しました。これは、トップである安倍晋三総裁とその周辺にいる側近たちの性格がそのまま反映されています。ツイッターやこのブログでも紹介してきましたが、言論封殺や立憲主義を全く理解していない行動や言動を見ていて、この党は本当に「自由」と「民主」を標榜しているのだろうかと呆れてしまいました。

 

 このような性格の党が政権を担い、しかも単独で憲法改正の発議ができる議席数を占めることになったらどうなるのだろうか、と私は懸念を持っています。更に言えば、1990年代に選挙制度改革で議論され、コンセンサスを得たのは、「政権交代が起きやすい制度にする。そのために、できれば二大政党制を実現させるが、移行期として小政党も存続できるように比例代表制も認める」ということでした。実際にはこのようなことは画餅に帰し、現実は全く違うことが起きています。

 

 しかし、1996年に初めて現在の選挙制度下で総選挙が行われて以降(議席数は漸減されています)、政権交代が起きたのは2009年の1度だけ、そして、2005年以降の選挙は1つの党が大量の議席を獲得して、巨大与党となる傾向が出てきました。そして、現在の状況では、「1強多弱時代」となり、「新55年体制」(小沢一郎・生活の党党首の発言から)となって、自民党が野党からの牽制もなく、緊張感を欠いた状態で、好き放題のことをできるようになるでしょう。

 

 その行きつく先は憲法改正で、アメリカと一緒に、軍事的に世界に打って出る、アメリカのお先棒を担がされ、損だけを押し付けられることになります。2016年の参議院議員選挙が重要なターニングポイントになるでしょう。アメリカはヒラリー・クリントンが大統領になった場合、冒険主義的に、人道を掲げて、世界各地に軍事介入を行うでしょう。日本はそれに巻き込まれ、最前線に立たされることになるでしょう。そして、このような状況を積極的に促進する政治家たちが自民党以外からも多数出てくるだろうと思います。私は何度も「米政翼賛会(U.S. Rule Asssistance Assocition)」と呼んできました。民主党や維新の党の一部から自民党に迎合する人々が出てくるでしょう。彼らは、米政(ヒラリー)翼賛会となるでしょう。

 

 自民党の「一党支配体制(one-party dominance)」がやがて、「柔らかい権威主義体制(soft authoritarianism)」となって、デモクラシーが圧迫され、窒息死するかどうか、今回の選挙は、日本のデモクラシーが完全に死んでしまうかどうかの重要な選挙となります。

 

 皆様には、ぜひ投票に行っていただき、賢明なご判断をお願い申し上げたいと思います。私は大変に悲観的ですが、それでもなお、そして自分の一票が微々たるものであろうとも、自分の信念に従って投票してまいります。それが私なりの「愛国」的行為だと信じています。

 それでは一曲どうぞ。ARBで「抵抗の詩」。


 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2014年12月14日の総選挙の投開票が近づいてきました。各陣営必死の選挙戦が続いていると思います。気候はどんどん冬本番に近づき、体力も消耗していくのと合わせて、風など病気にかかりやすくなっていると思います。選挙に関わっておられる方々もそうでない方も健康にはご留意ください。

 

 下の2本の新聞記事を読めば、自民党のやっていることは結局、国民をバカにしている、もしくは政策云々と言いながら、全く政策なんてやる気がなくて、官僚に任せているだけであることが分かります。

 

 今回の総選挙について、安倍晋三首相は「アベノミクスについて国民に信を問う」と言い、消費税増税について「代表なくして課税なし」という迷言を残しました。

 

 私は、「2017年4月に必ず消費税を10%にすると約束した総理大臣を党の代表である総裁に戴いている自由民主党の議員が代表にふさわしいとは思いません。それは私が消費税を10%にするべきではないと考えているからです。ですから、消費税10%増税に慎重、もしくは凍結を主張している候補に投票します」と言いたいと思います。

 

自由民主党の候補者に投票して、自分たちの代表になってもらったら、「そうですか、皆さん、消費税増税をして欲しいんですね、そのために自由民主党の候補を議員にして、代表にして国会に送り込んできたのですね。それなら皆さんのご希望通りに致しますよ。ええ、国民の意思、民意ですからね」となります。

 

 さて、選挙戦ですが、どうも自民党の候補者の皆さんは、自党の総裁が打ち出した争点である「アベノミクス」について言及を避ける傾向があるようです。何故なんでしょう?自信を持って、「アベノミクスを続けさせてください。皆さん、アベノミクスのお蔭で景気が良くなっている、自分の給料がどんどん上がって物を買いたいと実感しておられるでしょう。そして、景気がどんどん良くなって、2017年4月には確実に消費税を10%に引き上げることができるようになります」と訴えればよいのです。また、集団的自衛権の容認(解釈改憲)についても「難しい話になるから」と避けるのではなく、演説の中で言及すべきではないですか。TPPについても農業が盛んな地域のポスターで反対と書いておきながら、その姿勢を転換したことをきちんと説明すべきではないですか。

 

 どうしてこういうことができていないのでしょうか。それは、自民党の候補者たちが、こうしたことについて官僚任せできちんと知らないし、景気が良くなっているという実感なんて言っちゃったら、そんなものはないのだから、有権者から「あいつ、なにを言っているんだ」と反感を持たれてしまうからではないでしょうか。

 

 私は、下の新聞記事の中で取り上げられている、埼玉五区に含まれる自治体で暮らしています。この選挙区では、枝野幸男氏(民主)、牧原秀樹氏(自民)、山本悠子氏(共産)が立候補しています。下の記事では、牧原氏が枝野氏を追い上げている、激しい接戦になっているということです。

 

「牧原秀樹 選挙ポスター」で検索していただくと、今回の総選挙での牧原候補のポスターの画像が出てきます。この選挙ポスターには「さいたま在住 電車通勤」と書かれています。そして、選挙カーに乗ったご本人の口から「今回の選挙ではさいたま市に実際に住んでいる議員を選ぶかどうかが大事な争点です」と言われたのを私は聞きました。

 

私は悲しくなりました。枝野氏がさいたま市から国会に通っていないということを指摘して、それを争点にすると牧原氏は言っているのです。牧原氏は自分が総理大臣になっても、または自民党の重職に就いてもさいたま市から電車通勤をなさるのでしょう。そうでなければ、この点を争点にして選挙戦を展開するわけがありません。そして、牧原氏はさいたま市から通えないような重職に就くことになったら、潔く議員を辞職されるのでしょう。

 

と言うことは、牧原氏は「自分は重職に就く意図は持たないし、責任ある立場を忌避して、あくまでさいたま市から通える範囲の仕事しかしない」ということになります。それはそれで立派な御見識ですが、有権者の皆さんはそれで良いのでしょうか。経済や安全保障について話をしてもらいたい、とは思われませんか。はっきり言って、電車通勤だろうが、議員宿舎に住んでいようがなんだろうが、立派な見識を持って国のために働いてくれたらそれで良い訳です。恐らく有権者の劣情を誘いたいと思っての、さいたま市に住んでいるかどうかを争点にするのは有権者をバカにしていろとしか思えません。

 

 牧原氏はほんの一例でありますが、私は、自民党の候補者たちは争点をずらして、ごまかしての選挙戦を展開しているのだろうと類推しています。彼らは、「選挙期間中は何でも言えばいいや、終わったら、あれ、そんなこと言いましたかねとごまかせば、有権者は忘れているし、そもそも政治に対する関心も薄いしな」と思っておられるのでしょう。

 

 このようにしてしまったのは国民の側にも大きな責任があると思います。現状を少しでも改善する方向に進めるには、自分の一票を投じることであると思います。是非選挙に行って、投票していただきたいと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「<衆院選>「アベノミクス」避ける ツイッターで自民候補」

 

毎日新聞 20141210()730分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141210-00000005-mai-soci

 

2014generalelection0009

各党候補者のツイッター発信数(12月2~8日)

 

 衆院選(14日投開票)で安倍晋三首相が争点に位置づけた経済政策「アベノミクス」が自民党候補者のツイッター上の発信(ツイート)ではあまりつぶやかれていない。短文を投稿するツイッターでは各党候補者の発信は街頭演説などの告知が中心になるが、民主、共産などの野党候補は安倍政権の政策批判にも活用。対し自民党候補のツイートは争点への言及を避ける傾向にある。

 

【自民は「ゾウ」、ニホンオオカミは…】

 

 毎日新聞と立命館大(西田亮介・特別招聘(しょうへい)准教授)の「インターネットと政治」共同研究では、公示日(2日)までにツイッターアカウントを開設し、8日までに1回以上発信した候補者334人のツイートを収集。小野塚亮・慶応大SFC研究所上席所員の協力を得て、単語を集計・分析した。

 

 8日までの総ツイート数は1万1570。最も多くつぶやかれたのは「演説」(2869回)。2位以下は「選挙」(2679回)▽「駅」(1887回)--と続き、街頭演説などの告知が候補者ツイートの中心になっていることがうかがわれる。政策関連の単語は「消費」(429回)が32位、「原発」(403回)が36位に入り、「アベノミクス」(290回)は51位だった。

 

 「消費」の約6割に当たる267回、「原発」の半数近い195回、「アベノミクス」の94回は共産党候補のツイートで、全体の上位に入っていない「集団」も97回。政党別の候補者ツイート数は同党が自民、民主両党を上回っており、共産党候補がツイッターを積極的に活用して消費増税などの政策批判を展開していることが分かる。

 

 「アベノミクス」をつぶやいているのは共産党のほか生活の党79回、民主党52回。野党候補がアベノミクスの負の側面を批判しているのに対し、自民党候補は41回しかなく、ツイッター上での論戦に発展していない。民主党候補は「原発」を103回ツイートしている。

 

 自民党候補のツイートでは政策関連の単語は少なく、「経済」が「アベノミクス」より多い64回、「景気」が38回出てくる程度。世論の賛否が分かれる争点は避ける傾向がうかがえる。【石戸諭、大隈慎吾】

 

 

●「瀬戸際の海江田氏、自民に不快感 民主幹部の選挙区に続々大物投入は「嫌がらせ」」

 

2014129()2012分配信 J-CASTニュース

http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/jcast-20141209-222840/1.htm

 

 

   新聞各紙の情勢調査で与党の優勢が明らかになるなか、焦点になりそうなのが野党「大物議員」の当落だ。選挙区別の情勢調査の結果では民主党の海江田万里代表を筆頭に「激しく競り合っている」などと書かれ、きわどい状況の幹部が続出している。調査結果が出てからも与党は「大物」を続々と民主党の幹部が立候補している選挙区に投入している。

 

   さらに情勢は厳しくなりそうで、海江田氏はこういった自民党の手法に「あんなのは戦略とは言えませんよ、嫌がらせですよ」と露骨に不快感を示した。

 

A氏とB氏が競っている」という表現では先に出てくるA氏が優勢

 

   衆院選公示以降、選挙区ごとの情勢調査の結果を紙面に掲載したのは日経、読売、毎日の3紙だ。日経と読売は1223日に行った世論調査の基礎データを共有し、データの集計、分析は独自に行った。毎日の調査は1257日にかけて行われた。

 

   情勢調査では、例えば「A氏とB氏が競っている」という表現の場合、一般的には先に名前が登場するA氏の方がリードしているとされる。民主党の海江田万里代表が出馬している東京1区に関する表現は、こうなっている。

 

「再選を目指す山田と党代表の海江田が小差で競り合う」(読売)

「山田が自民支持層の7割の支持を固め、会社員、自営業者、主婦層など幅広い支持を得て先行。海江田は民主支持層の8割近くを押さえたが、無党派層などへの広がりを欠き、苦しい戦い」(日経)

「山田氏と海江田氏が激しく競り合っている」(毎日)

 

   3紙で濃淡の違いがあるものの、自民党の山田美樹氏が先行しているというニュアンスでは共通している。埼玉5区から出馬している枝野幸男幹事長については各紙で判断が割れているが、自民党の牧原秀樹氏との厳しい戦いを強いられているのは間違いない。

 

「枝野と牧原がしのぎを削る争い」(読売)

「牧原と枝野が接戦を展開」(日経)

「知名度があり幅広い世代から支持を集めて先行する枝野氏を、牧原氏が猛追する」(毎日)

 

   09年の衆院選では、公明党の太田昭宏代表(当時)と北側一雄幹事長(同)が落選し、党の役職も辞任に追い込まれている。海江田氏は12年の衆院選では小選挙区で落選し、比例東京ブロックで復活当選している。

 

●旧みんなの党、元幹部で明暗分かれそう

 

   自民党は、埼玉5区に続々と大物議員を送り込んでいる。ざっと名前を挙げると石破茂地方創生担当相(1130日)、三原じゅん子女性局長(121日)、小泉進次郎復興政務官(122日)、菅義偉官房長官(125日)、小池百合子元防衛相(126日)、谷垣禎一幹事長(127日)、安倍晋三首相(129日)といった具合で、総力戦に近い状況だ。

 

   東京18区の菅直人元首相は、自民党の土屋正忠氏に相当なリードを許していると読み取れ、比例で復活できるかどうかが焦点だ。

 

4度目の戦いとなる土屋と菅が激戦を展開」(読売)

「連続当選を狙う土屋がリード。主婦層の支持を広げる。元首相の菅は知名度を生かし、会社員や自営業者の支持拡大を急ぐ」(日経)

「土屋氏がリードし、元首相の菅氏が追う」(毎日)

 

   解党したみんなの党は、元幹部の間で明暗が分かれそうだ。結いの党から維新の党に合流した江田憲司氏(神奈川8区)や、解党時の代表だった浅尾慶一郎氏(神奈川4区)は、3紙とも優勢を伝えている。半面、「創業者」の渡辺喜美氏は

 

「簗と渡辺の接戦」(読売)

「簗と渡辺が競り合う」(日経)

「簗氏が優勢」(毎日)

 

●小沢氏についても厳しい調査結果

 

   かつて「小沢王国」と呼ばれた岩手4区にも地殻変動が起きている。読売、日経は

 

16選を目指す小沢と藤原が予断を許さない展開」(読売)

「小沢と藤原が激しく競い合う」(日経)

 

と伝えている。生活の党の小沢一郎代表が、かろうじて自民党の藤原崇氏を破るとみているようだ。毎日新聞の結果は、さらに小沢氏にとって厳しい内容だ。

 

「若さをアピールする藤原氏が幅広い年代に浸透し、一歩リード」

「小沢氏は後援会の高齢化、党の縮小が影響し、勢いに陰り」

 

   加えて、生活の党についても

 

「比例代表も伸びず、公示前勢力(5議席)の維持は困難だ」

 

と、比例区で議席獲得は難しいという見通しだ。小沢氏にすれば、小選挙区で落選した場合、比例区でも復活できない可能性があるという前代未聞の事態だ。

 

   3紙以外にも、産経が121011日、朝日が11日に選挙区ごとの情勢調査の結果を掲載予定だ。

 

   自民党は、枝野氏以外の民主党幹部の選挙区にも続々と大物議員を応援に送り込んでいる。こういった自民党の動きについて、海江田氏は129日夕方、東京・四ツ谷駅前での街頭演説を終えた後、

 

「あんなのは戦略とは言えませんよ、(自民のやり方は)嫌がらせですよ。戦略というのは、もっと大所高所から問いかけることで、嫌がらせですよ」

 

などと不快感を示した。この日、海江田氏は公示から初めて自らの選挙区に入り、街頭演説を行った。海江田氏は「地元は温かい」と手ごたえを感じながらも、「楽な戦いは1回もない」と、厳しさを実感している様子だった。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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