古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:総選挙

 古村治彦です。

 

 2017年10月22日の投開票日まであとわずかとなってきました。現在のところ、自公連立政権が勝利する、ということになりそうですが、まだ分かりません。そもそも自公連立政権の勝利とは何か、ということになりますが、だいぶトーンが楽観的になっているようです。安倍氏の側近である萩生田光一幹事長代行の発言を見ると、9月末の段階では、大量に議席を失っても過半数であれば、「勝利」だと言っていました。下に掲載した新聞記事をご覧ください

 

(貼り付けはじめ)

 

●「勝敗ライン「自公過半数」=萩生田氏」

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092400282&g=pol

 

 自民党の萩生田光一幹事長代行は24日のNHK番組で、次期衆院選の勝敗ラインについて、「自民、公明両党で過半数をしっかり超えていく」と述べた。自公両党は現在、衆院で3分の2を超える議席を占めている。

 この後、萩生田氏は東京都内で記者団に「今これだけの勢力を持って国民の負託をいただいているのに大きく減っていいとは毛頭考えていない。全員当選に向けて努力する」とも語った。(2017/09/24-12:49

 

(貼り付け終わり)

 

 しかし、このような弱気な発言は選挙情勢の好転で引っ込んでしまいました。下に張り付けた記事にあるように、「絶対安定多数が勝敗ライン」ということになりました。これは衆議院で261議席を獲得するということを意味します。過半数は233ですから、弱気の時に比べて30以上上積みした数字です。本当はもっと獲得できるが、用心して低めにラインを設定して、それでも261議席以上ということにしているのでしょう。絶対安定多数とは、国会の各委員会で自公が委員長を全て取って、なおかつ委員の数が過半数になる状態です。

 

「与党で絶対安定多数」が目標=自民幹部【17衆院選】

10/17() 0:11配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000000-jij-pol

 

 自民党の萩生田光一幹事長代行は16日のBS日テレの番組で、衆院選の目標議席について「絶対安定多数は欲しいのが正直なところだ」と述べ、自民、公明の与党で261議席の確保を目指す考えを示した。絶対安定多数は常任委員長ポストを占め、かつ委員数でも野党を上回る議席数。安倍晋三首相は、与党で過半数(233議席)を勝敗ラインに掲げている。

 

(貼り付け終わり)

 

 安倍首相が続投ということになると、自民党と公明党は9条改憲を本格的に始動させることになるようです。今回の総選挙で、憲法改正云々を最大の争点にせず、消費税増税と北朝鮮問題を強調してきたはずですが、自民党と公明党は9条改憲を狙っています。選挙で強調しなかった部分を、「選挙で勝利したから」という理由で強引に推し進めてくる、いつものやり方です。しかも、選挙で勝てそうだからとコソコソと話を出してくるというのは、責任ある与党のやり方とは思えません。火事場泥棒そのものです。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「自民「9条改正」案、秋に提示か 衆院選の堅調報道受け」

 

10/17() 7:45配信 朝日新聞デジタル

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000008-asahi-pol

 

 自民、公明両党で300議席をうかがう――朝日新聞をはじめ報道各社が実施した衆院選の情勢調査結果が出た。自民党内では結果を受け、秋に臨時国会を召集し、党として憲法9条の改正原案を示す案が早くも浮上。安倍晋三首相も選挙後の改憲議論を見据え、布石を打ち始めた。

 

 情勢調査で自民党の堅調ぶりが伝わって以降、党憲法改正推進本部の幹部の間では、選挙後に首相指名を行う特別国会の閉幕後、改めて臨時国会を召集し、自民党の9条改正原案を示す案が浮上。幹部の一人は「我々の考え方、議論の方向性を示せるかどうかだ」と語る。

 

 安倍首相は憲法改正について、街頭演説でほとんど触れていない。だが、今回は自らが提案した「自衛隊明記」など改憲4項目を公約に盛り込み、テレビ出演では自衛隊を明記することについて党内の意見は「まとまっている」と強調。衆院選公示翌日には、テレビ番組で自民党の高村正彦副総裁について、「任期の間は務めてもらう」と表明した。衆院選に立候補しなかった高村氏を来年9月の任期まで引き続き副総裁として遇し、改憲に向けた党内外の調整役として、議論を加速させる考えだ。

 

 これに対し、公明党の山口那津男代表は「国民の理解の成熟がなければ、発議して信を問うのは時期尚早になる」と慎重姿勢だ。希望の党の小池百合子代表も首相提案に基づく自衛隊明記は「大いに疑問がある」としている。立憲民主党や共産党、社民党は首相提案を批判しており、各党の獲得議席によって、9条改正をめぐる議論の展開は大きく変わる可能性がある。

 

(貼り付け終わり)

 

 情けないことには、下の記事にありますように、憲法9条の変更に関して、安倍首相は、「安保法制ができたからアメリカがせっつかなくなったので、必要ないのですよ」と政治ジャーナリストの田原総一朗氏に語ったということです。そもそも安倍首相の改憲論はアメリカからせっつかれてのことで、彼には何の教示も考えもないことを示しています。改憲派の人々は以下の記事を読んでもまだ安倍首相のような情けない人物が日本のリーダーたるべきと考えるのでしょうか。正々堂々と主張し、虚心坦懐に話し合い、真摯な姿勢で人々に語り掛け納得してもらう、これがリーダーだと思いますが、安倍首相にはこれらの要素は一切ないと断言したいと思います。このようなリーダーは日本の憲政史上でも稀な存在であると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「争点・衆院選2017/1(その2止) 9条か、他のテーマか 安倍改憲、狙いは変転 選挙結果でリセットも」

 

毎日新聞20171012日 東京朝刊

http://mainichi.jp/senkyo/articles/20171012/ddm/003/010/039000c

 

 「いよいよ憲法改正ですね」。昨年8月31日、首相官邸の首相執務室で安倍晋三首相と向き合ったジャーナリストの田原総一朗氏が水を向けた。その1カ月前の参院選で自民党は圧勝し、与党に日本維新の会などを加えた改憲勢力が衆参両院で改憲発議に必要な3分の2を超えていた。

 

 宿願の改憲へ環境が整ったはずなのに、首相からは意外な言葉が返ってきた。

 

 「大きな声では言えませんが、改憲する必要はなくなったんです」。首相が言うには、従来の米国は「集団的自衛権を日本が行使できないから日米同盟がうまくいかない」と不満を示していた。だが、集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法が2015年9月に成立したことで「決めたら米国は何も言わなくなった。満足したんだ」。

 

 首相の改憲論の源流は祖父で元首相の岸信介にあるとされる。岸は1960年の日米安全保障条約改定の際に首相を辞任した。晩年の岸に二十数回インタビューした原彬久東京国際大名誉教授は「岸は、改憲で集団的自衛権(の行使)を認めてから、真の意味での相互防衛条約になる日米安保改定をもう一度やりたかった。それが岸が目指した真の独立だ」と話す。

 

 安保条約改定には至っていないが、日米防衛指針(ガイドライン)改定や安保法などにより在日米軍と自衛隊の役割分担は進んでいる。祖父の目標に近づいた首相だが、改憲をあきらめたわけではなかった。

 

 首相は田原氏に次の一手を明かした。「憲法学者の7割近くが『自衛隊は違憲』と言っている。だから9条に自衛隊を認める言葉を入れたらどうかと思う」。首相は今年5月3日、この自衛隊明記案を提起した。

 

 自民党が12年にまとめた憲法改正草案は、憲法9条2項(戦力不保持)を削除して「国防軍」の保持を盛り込む内容で、2項削除を支持する側には首相提案への反発も根強い。

 

 首相は5月22日夜、3人の国際政治学者を首相公邸に招き、フランス料理とワインでもてなした。その席で三浦瑠麗東京大政策ビジョン研究センター講師が「私たちの世代の責任として9条2項は削除すべきだ」と主張したが、首相は「公明党を通らない。不可能だ」と取り合わなかった。

 

 公明党は過去に、憲法9条1項(戦争放棄)と2項を堅持したうえで自衛隊の存在を書き加える「加憲」を主張したことがある。首相はこれなら公明党の理解を得られると考えたが、公明党は安保法の制定によって「9条加憲の必要はなくなった」とのスタンスだ。

 

 押しつけ憲法観で首相と通じる希望の党の小池百合子代表も「大いに疑問がある」と対決姿勢をとる。ただ、同党は候補者に対し、報道各社のアンケートで「自衛隊の役割を明記する9条改正」について聞かれたら「賛成」と答えるよう指導している。9条加憲に協力する余地もありそうだ。

 

 安倍首相が政権に返り咲いて最初に掲げた改憲項目は、改憲発議の要件を衆参両院の過半数に引き下げる96条改正だった。それが批判を浴びると、大規模災害や有事の特例を定める緊急事態条項に移り、最近は教育無償化と9条加憲だ。その都度、維新や公明党に秋波を送ってきたが、発議できる見通しは立たない。

 

 集団的自衛権の行使容認という祖父から引き継いだ念願の一部を達成した今、首相の頭にあるのは「現行憲法初の改正」という実績づくりなのかもしれない。

 

 「安倍改憲」に反対してきた民進党が事実上解党し、憲法改正に積極的な希望の党が誕生したことにより、衆院選後は改憲論議の加速も予想される。選挙結果次第では9条論議がリセットされ、希望の党などが主張するテーマに論点が移る可能性もある。【野口武則】

 

 希望の党の小池百合子代表は政界入りの理由を「湾岸戦争の頃の国会の動きをキャスターとして伝えながら、これはアカンと。憲法改正の必要性を痛感したから」(2013年、保守系雑誌のインタビュー)と語る。本来は自民党憲法改正草案に近い9条改正の立場とみられるが、今回の衆院選では「9条に絞って議論すると、それだけで時間が費やされる」とこだわらない。

 

 希望の党の衆院選公約には知る権利、地方自治の分権に加え、「原発ゼロ」の憲法明記や1院制による議員定数削減まで盛り込まれ、検討テーマは多様だ。

 

 自民党は「自衛隊の明記、教育無償化・充実強化、緊急事態対応、参院の合区解消」の4項目を公約に明記し、「初めての憲法改正を目指す」とした。ただ、自衛隊の明記などには党内に異論もあり、「党内外の十分な議論を踏まえ」との条件を付けている。

 

 公明党は自衛隊明記について「理解できないわけではないが、多くの国民は憲法違反の存在とは考えていない」と否定的な見解を公約の末尾に特記した。

 

 日本維新の会は「教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置」が3本柱。公約には「国民の生命・財産を守るための9条改正」も記した。安倍晋三首相との一致点を探ることも可能な書きぶりの一方、幅広いテーマで希望の党と連携することもできそうだ。

 

 立憲民主党は公約に「安保法制を前提とした9条改悪に反対」と明記したうえで「解散権の制約や知る権利などの憲法論議を進める」とした。同党の枝野幸男代表は今回の衆院解散を批判し、「首相が自由に議会を解散できるのは先進国では少数派だ」として解散権の制約を主張する。

 

 共産、社民両党は改憲自体に反対している。

 

(貼り付け終わり)

 

 今回の選挙で奇妙なことは、選挙では自公が勝利をおさめそうですが、安倍氏の続投を望む雰囲気でないということです。以下の新聞記事にありますように、安倍氏続投を望まない人が約半数で臨む人々よりも多いという世論調査の結果が出ています。安倍政権の支持率は、森友学園小学校・加計学園岡山理科大学獣医学部問題で、大きく低下しています。自民党・安倍内閣としては、野党にごたごたを「起こさせて」、漁夫の利で、選挙で「勝利して」、「スキャンダルを国民は重要視していない、安倍内閣は信任されたのだ、首相は続投だ」ということにしたいのでしょう。この点で、小池氏と前原氏の希望の党創設と民進党の「排除されながらの」一部合流という茶番は自公連立政権を利するものとなります。

 

 私は小沢一郎代議士と前原誠司代議士は「小異を捨てて大同につく」ということで、野党再編の計画を立てて、それに人気のあった小池百合子都知事を巻き込もうとしたのだろうと思います。小池氏の人気を利用しようとしたのだろうと思います。小池氏側はただ利用されるほどのお人よしではないでしょうから、2人の誘いを受けて、国政における勢力を一気に増やして、あわよくば首相を目指す、ということを考えたと思います。そこで、自分とは考えが合わない民進議員の一部を切り捨て、その分を希望の党プロパーで埋め合わせて、150議席から200議席を獲得して、首相を目指すということになったと思います。こうして、主に前原氏が小池氏と交渉したのだと思いますが、前原氏が手玉に取られてしまって、計画は崩壊してしまったのだろうと思います。

 

 いまや立憲民主党が支持率で希望の党を抜いたという話も出ています。話は変わりますが、安倍首相が関西で阪神タイガースの名前を演説の中で出して、「私はここにいる間は阪神ファンだ。阪神は負けても名前を変えない」と発言したことについて、タイガースファンである私としては強烈な違和感を覚えました。関西にいるときだけタイガースファンだ、などと言って喜ぶ人が多いとは思えません。そして、タイガースの歴史を自身の知識として振り返って、あることに思い至りました。このことについては安倍首相に感謝しています。

 

 日本プロ野球が2リーグ分立する際に、タイガースは、パシフィックリーグの毎日オリオンズに選手を大量に引き抜かれました。別当薫や土井垣武といった強力打線を支えたスター選手が高額の年俸にも誘われて、ティームを離脱しました。ダイナマイト打線とまで評されたタイガースは瓦解してしまいました。しかし、初代ミスタータイガース(闘将・景浦將を初代とすれば二代目)、藤村富美男はタイガースに残りました。そして、戦力低下したティームを鼓舞し、強力巨人に立ち向かい、ホームランを量産しました。タイガースファンは、藤村を讃えました。その中には、上岡龍太郎少年もいました。私は上岡龍太郎がこの時のことを語り、「藤村は男だと思った」と語ったシーンをテレビで見て、少年タイガースファンとして、感動したことを覚えています。私は今回の野党のごたごたの中で、藤村となったのは立憲民主党を立ち上げた枝野幸男代議士だと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「毎日新聞調査:「安倍首相続投望まず」47%」

 

20171016 235分 毎日新聞

http://news.livedoor.com/article/detail/13752483/

 

 毎日新聞が13~15日に実施した特別世論調査で、衆院選後も安倍晋三首相が首相を続けた方がよいと思うかを聞いたところ、「よいとは思わない」が47%で、「よいと思う」の37%を上回った。

 

 今回の情勢調査で自民党は300議席を超える可能性があるという結果が出たが、首相の人気とは必ずしも合致していない。

 

 安倍首相の続投を「よいとは思わない」は立憲民主支持層で89%、希望支持層で80%、共産支持層で88%に上った。「支持政党はない」と答えた無党派層でも「よいとは思わない」(59%)が「よいと思う」(25%)を大きく上回った。

 

 逆に自民支持層では「よいと思う」が76%に達した。公明支持層も57%が続投を望んでおり、与党支持層と野党支持層で結果が分かれた。

 

 「よいとは思わない」と答えた人の比例代表の投票先は、立憲民主党が26%で最も多く、希望の党20%▽共産党11%--などとなった。首相に批判的な層の投票先が野党各党に分散していることがうかがえる。自民党も12%あった。

 

 一方、「よいと思う」と答えた人の61%は自民党を挙げた。

 

 主な政党支持率は、自民29%▽立憲10%▽希望9%▽公明5%▽共産4%▽維新3%▽社民1%--など。無党派層は28%だった。

 

 無党派層の比例代表の投票先は、自民16%、立憲15%、希望11%の順になった。【吉永康朗】

 

調査の方法

 

 13~15日の3日間、全国289小選挙区ごとにコンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に、調査員が電話をかけるRDS法を使いJNNと協力して実施した。福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。全国の有権者7万3087人から回答を得た。

 

(貼り付け終わり)

 

 安倍首相の続投を望まないが、自公が選挙で勝利する、ということになるのはおかしいようにも思いますが、日本は議院内閣制であって、大統領制ではないので、国民が安倍首相の続投を望まなくても、彼に不信任の投票をすることはできません。あくまで自分の住む小選挙区の候補者に一票、比例に一票ということになります。

 

 安倍首相を支持し、自民党を支持するならば、投票は簡単で、小選挙区で自民党もしくは公明党の候補者に、比例でも同じように自民党か公明党に入れれば済みます。しかし、自民党は支持するが、安倍首相の続投は望まないという場合は難しくなります。この場合には小選挙区では自公の候補者に入れて、比例で別の党、できれば、立憲民主か共産党、もしくは社民党に入れるべきではないかと考えます。自民党が議席を伸ばせばそれは安倍首相続投ということになります。自民党支持だけど安倍首相続投は困るという方は、このように比例で自公以外の政党に入れると、自公の議席の伸びを抑制することができます。そうすれば、安倍首相の続投に対して反対の意思表示となりますし、うまくいけば、議席が伸びずに、安倍首相の責任論ということになります。

 

 自公以外の支持者の方は、今回は野党が分立して難しい選択を迫られることになりました。自民党に近い考えの希望の党や日本維新の会を支持する方はそれぞれに投票されればよいかと思います。ただ、現在、どちらの党も勢いが振るわないという世論調査の結果も出ています。希望の党では、結局、選挙区を変えなかった民進党に所属していた前職が自力で当選することがほとんどで、希望の党プロパーの候補者たちは厳しいと思われます。それでもそれぞれの小選挙区における候補者の方の考えや個性を考えて、是々非々で投票されることになるのではないかと思います。しかし、小池百合子都知事の考えが全て通るようなことはもう起きないでしょうし、神通力と幻想がなくなった小池氏に対しては強烈な巻き返しもあるでしょうから、希望の党は選挙後に瓦解することもあると思います。そこを視野に入れての投票行動をお願いしたいと思います。

 

 もともとの野党共闘の枠組みに近い、立憲民主、共産、社民の支持者の方は、小選挙区のこれらの党の候補者がいる場合にはその候補者に、比例でもこの中のいずれかの党に投票されることになるでしょう。その場合には、共産党に入れることで、共産党の共闘に対する貢献に報いることができるでしょう。私は比例では社民党に投票することを考えています。小選挙区には立憲民主の候補者がいるのでこの人物に投票します。立憲民主、共産、社民の共闘野党が大きく勢力を伸ばせるよう、投票してくださるようにお願い申し上げます。

 

 

 今週末の日本列島には台風が近づき、全国的に雨模様だということです。そうなると投票率が低下してしまいます。今回の選挙もまた大変重要ですから、お天気とお時間が許す方はぜひ期日前投票をご利用になるようにお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「期日前投票者数が、過去最高に。どうしてこんなに増えた?」

 

5日間で4107108人。有権者の3.86%にあたる人が期日前投票をしました。

 

20171017 0924 JST | 更新 20171017 0924 JST

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/16/early-voting_a_23245370/

 

朝日新聞社提供

 

 総務省は16日、衆院選の期日前投票(小選挙区)について、公示翌日の11日から15日までの5日間の中間状況を発表した。投票者は410万7108人で、有権者(9日時点)の3・86%にあたる。投票者、割合ともに、衆院選で期日前投票が導入された2005年以降で最も高かった。

 

 期日前投票の期間は、公示翌日から原則として投票日前日の午後8時まで。開始5日間の状況は、前回の14年衆院選と比べて投票者で約140万7千人増、有権者に占める割合で1・26ポイント増となっている。

 

 すべての都道府県で投票者が増えた。増加率が最も大きかったのは福井県の2・37倍で、新潟、島根、岐阜、茨城の4県でも2倍を超えた。同省は「制度が浸透してきたのに加え、駅前や商業施設など人が集まりやすい場所に期日前投票所が設置されたことが要因」とみている。

 

(朝日新聞デジタル 20171016 2040)

 

(貼り付け終わり)

 

 最後に、私はどなたがどの政党、どの候補者に投票されてもそれを罵倒したり、馬鹿にしたりはしません。投票されるという行為自体が民主政治体制(デモクラシー)を支える最も重要な要素であって、参政権を行使されたことで、民主国家・日本を構成されるにふさわしい方だと思うからです。それぞれが判断されたことですから、それを罵倒したり、馬鹿にしたりは私にはできません。

 

 国民の多くが安倍首相の続投に反対している状況で、自公連立政権が勝利するということは、非常に奇妙なことですが、政治制度と選挙制度を考えるとこのようなことが起きるのだろうと思います。ですから、私たちは、自分たちの意思をよりダイレクトに反映させるために、戦略的な投票をする、そのために考えなければならないということになります。一人ひとりが考えて投票することが日本のデモクラシーを発展させることになると考えます。

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 私は、産経新聞が嫌いです。しかし、時には素晴らしい記事を掲載する新聞であることには敬意を持っています。産経新聞について「自称・全国紙」とか「自民党の機関紙」と書くこともありますが、関係者の皆様には、強者のご寛恕を願っておきたいと思います。

 

 しかし、今回の総選挙の選挙運動期間中に山田美樹代議士(当時は自民党公認候補・東京一区選出、当選二回・細田[安倍]は所属)の選挙運動員が起こした事故に関する記事はいただけません。

 

 私が問題にしたいのは、事故の描写の部分で、「バイクは転倒し、男性は頭などに全治約2週間の軽傷を負った」の部分です。この事件を最初にスクープ報道した毎日新聞の記事を参照していただけると分かりますが、毎日新聞は、「男性は転倒して一時意識不明となり、搬送先で外傷性くも膜下出血と診断されて2週間以上入院した。半年間の通院が必要で運転もできない状態だという」と書いています。

 

 産経新聞も毎日新聞も記事によると、「警視庁神田署によると」と書いています。それなのに、記事の内容の詳しさの違いはどこから来るのでしょうか。神田署が毎日新聞には詳しい情報を教えて、産経新聞には簡単な情報しか教えていないということは考えにくいです。

 

 更におかしいのは、産経新聞が「軽傷」と表現したことです。本当に軽傷だったらどんなに良かったかと思いますが、毎日新聞の記事の内容から察するに、これはとても「軽傷」などと言えるものではありません。一時的に意識不明になり、外傷性くも膜下出血を発症した人に「軽傷ですね」と産経新聞の記者の方は言えるのでしょうか?産経新聞にも一応入社試験があって、国語力も考査されるはずですが、どのような試験が行われたのでしょうか。

 

 前の記事でも書きましたが、私の父はくも膜下出血を発症して倒れました。そして、もう40年以上も後遺症に苦しんでいます。個人差があるとは言え、この病気は生命を脅かすような重大なものです。新聞の使命としては、この病名についても触れて、人々にくも膜下出血について関心を持ってもらう、自分たちでも調べたり、気を付けたりして、予防をしてもらうというものがあると思います。

 

 

 この産経新聞の書きぶりでは、真実を伝えているようで伝えていませんし、新聞の使命を忘れています。国民大衆に奉仕しているのではなく、自民党に奉仕しているとしか思えません。事故が如何にも軽いものであったかのように描写することで、少しでも印象を悪いものにしないようにしようとしているかのようです。

 

 私は産経新聞が自民党を応援し、他の政党をくさすのは構わないと思っています。しかし、そのために真実を曲げ、印象操作をするような報道をするのは間違っていると思います。応援しているのなら、悪い時には悪いと批判し、叱正ができるようにすることが本当の支持者ではないでしょうか。これでは「贔屓の引き倒し」で、応援しているようで、実際には自民党をダメにしているようなものです。

 

 そして、このような調子では、「本当に」自民党の機関紙となってしまって、産経新聞は腐れ果ててしまうのだと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「山田美樹氏の運動員、選挙期間中に人身事故」

 

産経新聞電子版 2014年12月27日

http://www.sankei.com/affairs/news/141227/afr1412270015-n1.html

 

  衆院選東京1区で海江田万里民主党前代表(65)を破った自民党の山田美樹氏(40)の男性運動員が、選挙期間中の12日にバイクの男性がからむ人身事故を起こしていたことが27日、警視庁神田署への取材で分かった。

 

 同署によると、事故は12日午後1時半ごろ発生。東京都千代田区神田神保町の交差点近くで、山田氏の街頭演説を支援するため駆けつけた30代の男性運動員が車から降りる際に右ドアを開けたところ、後ろから来た60代の印刷関連会社勤務の男性が運転するバイクと接触した。バイクは転倒し、男性は頭などに全治約2週間の軽傷を負った。

 

 男性が救急車に搬送される際、山田氏は現場から約30メートル先で街頭演説を行っていたという。 

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 先日の総選挙で、渡辺喜美氏が無所属で出馬し、落選しました。父である渡辺美智雄氏から守り続けてきた議席を失ってしまいました、何でも1963年からだそうですから、東京オリンピックの前から50年以上にわたって守り続けてきた議席だったわけです。その時に20歳になって初めて選挙に行って、渡辺美智雄と投票用紙に書いて以降、50年以上、渡辺と書き続けた有権者がいて、その人はもう70歳を超えているのです。大変な歴史です。

 

 渡辺氏は、2006年に第一次安倍内閣で初入閣し、改革派の政治家としてメディアにもよく出ていましたし、規制改革担当大臣や金融担当大臣も歴任しました。安倍内閣時代に国家公務員の人材バンクを設立したことでも知られています。しかし、2009年には自民党を離党し、みんなの党を結党しました。そして、急激ではないにしても、着実に党勢を拡大させていきました。

 

 しかし、渡辺氏は安倍晋三氏のシンパであったために、みんなの党がややもすると、安倍自民党を支援する方向に動き、野党でもなく、与党でもない、「ゆ」党のような存在になってしまい、存在が埋没してしまいました。

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渡辺喜美 

 

 そこにDHCの創業者からのお金の借り入れ問題を巡り、みんなの党は分裂してしまいました。そして、2014年にはみんなの党が解党してしまい、無所属で立候補、落選の憂き目に遭ってしまいました。

 

 下の記事によると、安倍首相はシンパである渡辺氏を落選させたくないと考えていたようですが、現在の自民党栃木県連の会長であり、選挙対策本部長である茂木(もてぎ)敏充氏が積極的に渡辺氏落選に向けた動きを行っていたようです。


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茂木敏充
 

 茂木氏は1993年に日本新党ブームで初当選し、日本新党解党後は無所属から自民党に入党しました。彼はデビューが自民党ではないし、二世議員でもないのです。それで、恵まれた渡辺氏に対してライヴァル心を燃やしていたことでしょう。しかし、渡辺美智雄氏以来の地盤と知名度を誇る渡辺喜美氏に対抗することは難しかったでしょう。

 

 それでも、いつの間にか立場は逆転し、渡辺氏は一敗地にまみれました。その原動力となったのが茂木氏であったようです。1993年に初当選した茂木氏、1996年に初投資した渡辺氏、まさかこういう人生の巡り会わせが待っているということは、若き日の二人には想像もできなかったでしょう。

 

 そう考えると、「絶頂期を迎えているということは後は落ちるだけだ」とか「人生何が起きるか分からない」とかそういった人生訓を思い出してしまいます。

 

 政治の世界の浮き沈みを見て、自分の人生について思いを致すことがあります。何が幸いし、何がつまずきの原因になるかは分かりません。それでも、自分が腐りきってしまわないように、人間としておかしくならないように気を付けて生きていかねばならないということを改めて思います。

 

(雑誌記事転載貼り付けはじめ)

 

●「崩れ落ちた渡辺50年王国に 泣きっ面に蜂の家宅捜索」

 

(週刊朝日 20141226日号掲載) 20141218()配信

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20141218-2014121700053/1.htm

 

「私が不器用であったために、問題が大きくなり、心から反省しています」

 

 高倉健を思わせる“不器用男”フレーズで敗戦の弁を述べた渡辺喜美氏(62)。隣では、不仲説が報道されながらも、二人三脚で選挙区を回ったまゆみ夫人がうつむいて涙を流していた。父である故・美智雄氏が、1963年に初当選してから築き上げてきた渡辺王国が崩れ落ちた瞬間だった。

 

 不器用な男の迷走が表面化したのは今年4月。化粧品会社会長から8億円を借り入れていた問題で、みんなの党の代表を辞任。安倍政権との協力路線も反発を招き、党は空中分解した。さらに、落選翌日には渡辺氏の事務所を東京地検特捜部が家宅捜索していたことも報道された。

 

 ただ、自民党内には渡辺氏を落とすことに消極的な声もあったという。その代表格が安倍晋三首相だ。ある自民党職員がこう言う。

 

「総理は盟友の喜美さんを落選させたくないのか、栃木3区に入るとは一切言わなかった」

 

 渡辺氏は金融緩和推進派で、安倍首相と政策の考え方が近い。街頭演説でも、

 

「安倍さんが首相になって自民党は改革する政党に戻った」(渡辺氏)

 

 と、戦う相手の自民党をベタ褒めしていたほどだ。

 

 だが、苦しい時期の自民党を見捨てて離党したことから、党内では今でも「渡辺許すまじ」の声は大きい。

 

「栃木5区の茂木敏充選対委員長がやたら張り切って、3区の応援に入っていた。茂木と喜美は昔から犬猿の仲。『喜美を落選させる!』と息巻いていたよ」(前出の自民党職員)

 

 一方、みんなの党のかつての同志である浅尾慶一郎氏(50)は余裕の当選を決めた。解党のドタバタは選挙戦に影響しなかった。長年、浅尾氏を応援してきた神奈川県議は、「こんなに反応がいいのは、小泉進次郎と浅尾ぐらい」と笑う。渡辺氏とは違い、有権者の支持は揺るがなかった。

 

※週刊朝日  20141226日号

 

(雑誌記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

  

 古村治彦です。

 

 昨日、2014年12月14日、総選挙の投開票が行われました。投票率は52。66%(前回から6.66%減)と戦後最低、単純に比較はできませんが、明治時代からこれまで47回行われてきた総選挙の中で最低を記録しました。日本各地で冬本番を迎え氷点下まで冷え込み、雪も降るという悪条件の中でありましたが、有権者の過半数の方々が投票されたということになります(期日前投票は前回よりも多くなったという報道もありました)。

 

 結果は皆さんがご承知のように、自民党と公明党の与党が326議席(自民党:291議席;公明党:35)を獲得しました。今回議員定数が5減らされて総数が475(小選挙区295;比例区:180)となりましたので、3分の2(317議席)を9議席超えることになりました。自民党は公示前から2議席減らし、公明党は4議席増やすということで、「圧勝」と表現するメディアもありました。

 

 民主党は公示前が62議席だったものを73議席に伸ばし、維新の党は42議席から41議席へとほぼ横ばい、次世代の党は公示前19議席から2議席へと大幅に減らし、社民は2議席で変わらず、生活の党は公示前5議席から2議席へと後退しました。共産党は小選挙区で議席を獲得し、比例でも20議席を獲得し、公示前8議席から大きく躍進し、21議席となりました。

 

 選挙戦の早い段階から、自民党が単独で300議席を超えるとか、自民党の機関紙と成り下がっている、自称・全国紙の産経新聞などは、自民党だけで3分の2を超える317議席に迫る勢いなんて嬉々として報じていましたが、蓋を開けてみれば291議席となりました。確かに過半数も絶対安定多数も超えましたが、300議席を与えなかったところに日本国民の絶妙なバランス感覚を見たように思います。そして、これは「憲法改正にはノーだ」という意思表示であると思います。公明党が31議席から35議席に増えたのも、与党内で一定のブレーキ役を果たして欲しいという国民の願いが反映されたものと思います。


お訴えばかりで聞く耳を持たないある政治家 

 

 民主党は海江田万里代表が比例復活もできずに落選するという結果になってしまいました。海江田氏は党の代表を辞任すると発表しました。また、菅直人氏が475番目に当選を決めるという体たらくでしたが、何とか議席を増やすことができました。しかし、民主党には気を引き締めてもらいたいと思います。財務省の口車に乗せられたアホである皆さん方が当選できたのは、積極的な支援があったからではありません。「鼻をつまんで」「煮え湯を飲む」覚悟で涙を流しながら、戦略的な投票のために皆さんに投票した多くの方がの意向をしっかりと胸に刻んで国家に登院してもらいたいと思います。もしこれから変な動きをしたら次はもうありません。維新の党は最後持ち直したという感じですが、橋下徹共同代表の「ゆ党」的な態度では限界がありますし、大阪と東京と両方に本部があって、大阪ウィングと東京ウィングでは全く別の感じがします。維新の党の動きが野党再編の口火を切ることになると思います。

 

 今回、野党側は選挙協力を行いました。維新と社民が選挙協力をしたところもありましたし、民主党と維新の党の選挙協力は完全ではありませんでしたが、かなり行われました。その結果の検証はこれからなされねばなりませんが、一定の成果を得たのではないかと思います。その意味で、海江田氏は大きな仕事を成し遂げたと思います。

 

生活の党は、小沢一郎代表と玉城デニー氏が維新の党に移籍した太田和美氏、木内孝胤氏、初鹿明博氏、牧義夫氏、民主党に移った小宮山泰子氏、鈴木克昌氏がそれぞれ比例復活を果たしました。生活の党は3名の議員が落選となりましたが、小沢氏に近い政治家たちはうまく生き残ることができました。これから野党再編そして再建に向けて重要な役割を果たしてもらいたいと思います。

 

 次世代の党については、私は「政界における在特会」のような存在だとツイッターなどで書いてきましたが、この勢力が比例で140万票を獲得しながら、議席を獲得できなかったことに安堵しています。また、19議席から盤石の選挙基盤を持つ2名のヴェテラン政治家たちだけが当選ということで、次世代の党はほぼ壊滅状態で、自民党に合流させてもらうしかないのではないかと思います。それでも140万票を獲得したという事実は重いものです。それだけ現状に不満を持ち、排外主義的な主張に共感する人々が増えているのだろうと思います。

 

 共産党は大躍進でした。投票率が下がる中、前回よりも得票数を伸ばし、オール沖縄態勢で小選挙区で1議席を確保し、各比例ブロックで議席を獲得しました。ヴェテラン党員という人から、こう言うと大変失礼ですが、これまでの共産党の候補とはイメージが違う若い人まで候補者の多様性が有権者に受けたのではないかと思います。また、アベノミクスに対する批判票の受け皿にもなったと言えるでしょう。気になったのは、小選挙区での得票数が約703万票で、比例では約603万票と100万票の差があるという点です。小選挙区で共産党の候補に投票した有権者が比例区でどの党に投票したのか気になるところです。これは私の推測ですが、共産党の支持者の方々で一定数の皆さんが、「自主的に」野党共闘で民主党や社民党に投票されたのではないかと思います。

 

 私が比例で投票した社民党ですが、2議席を守り切ったという感じですが、照屋氏と吉川氏とともに九州・沖縄の議員となります。沖縄の票に支えられた政党であり、地域政党に近い感じになっています。社民党は次の参議院議員選挙でしっかりと3議席以上を確保していってもらいたいと思います。吉田党首のキャラクターと国会での質問に期待したいと思います。

 

 私は今回の選挙について、「中間層(middle-class)の減少によって、二極化が進んだために、自共が勝利を収めた」と考えます。比較政治学の研究では、中間層という概念は民主政治体制にとって重要なものであるとされています。中間層の定義はいろいろとありますが、取得の額よりも、教育や職業に重きを置いた定義となっていて、教師や会社員、自営業者などが含まれます。

 中間層が増えていくと、民主政治制度に移行することが多くなるし(因果関係はまだ証明されておらず、相関関係の身です)、民主政治制度に移行した後、それが後退することは少なると言われています。オバマ大統領の演説を聞いていると、「分厚い中間層を作る」とか「中間層を助ける」という言葉がよく出てきますが、それほど民主政治体制にとって中間層の存在は重要なのです。

 

 日本は1980年代には8割以上の国民が「自分は中間層だ」と考える国でした。今の中国などを見ていると分かりますが、急速な経済発展にはどうしても経済格差の拡大が付き物なのですが、日本は比較的平等な社会を実現しつつ、10%以上の経済成長を成し遂げました。これを世界は「奇跡(economic miracle)」と賞賛したのです。そのために、社会不安もなく、社会主義的だと揶揄されながらですが、穏やかに暮らすことができました。

 

しかし、2000年代以降の自民党政治と現在のアベノミクスで日本の中間層は壊されています。その多くが上昇していくなら結構なことなのですが、現状はそうではないようです。そうなると、中間層から脱落したり、現状に不満を持ったりする人々が多くなります。そういう人たちから、自民党や次世代の党の排外主義的、攻撃的な政策を支持する人々と、全く逆でより進んだ所得の再分配を求めて共産党の政策に賛同する人たちが出てきます。

 

 私はこの中間層の減少が、日本の民主政治体制にとって深刻な影響を与えるのではないかと危惧しています。しかし、私は失望していません。今回の選挙では自民党と与党が勝ちましたが、衆議院での改憲の発議は難しいでしょうし、参議院では改憲勢力が3分の2を押さえている訳ではありません。次の参議院議員選挙(2016年)で国民が再び絶妙のバランス感覚を発揮すれば改憲の発議はできないでしょう。

 

 ですから今回の選挙結果を残念には思っても、失望することはありません。まだまだ続いていく物語の序章に過ぎません。

 では最後に1曲。Heatwaveで「Still Burning」。


 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 いよいよ明日、2014年12月14日に総選挙の投開票が行われます。思えば、安倍晋三総理大臣が州銀員を解散すると発表した頃はまだ秋の気配が残っていましたが、今やすっかり冬本番となりつつあります。明日投票予定の皆様はどうぞ風邪などひかないように、暖かい格好でお出かけください。

 

 私は、小選挙区では民主党の候補、比例区では社民党に投票する予定です。これは私なりに考えた結果であり、これを皆さんにお勧めするつもりはありません。ごくごく当たり前のことですが、どの候補者でも党でもご自分が一票を投じたいと思う候補者や党に投票していただきたいと思います。

 

 大手マスコミの調査によると、今回の選挙は、自民党が圧勝するであろうと予想されています。自民党が単独で衆議院の議席の3分の2に当たる317議席を獲得するのではないかという予想も出ています。

 

 今回の選挙は、どの党も大きな支持を得ていない中で、比較相対的に一番支持を得ている自民党が選挙制度上、多くの議席を獲得することになります。現在の小選挙区比例代表並立制と呼ばれるもので、私たちは小選挙区で1票、比例区で1票を投じることができます。世論調査の結果から分かることは、「小選挙区では自民党以外に投票するが、比例区ではバランスを取って自民党に入れる」としている有権者の方々がたくさんおられるということです。

 

 これは絶妙なバランス感覚と言えますが、現行の選挙制度の場合には、小選挙区と比例代表でそれぞれに重複して立候補できるので、「比例復活当選」となって、小選挙区で落選しても、議員として国会に議席を占める人々が出ることになっています。この絶妙なバランス感覚が、制度のお蔭でうまく表現されないということになります。このことは、私たちが得た教訓ということになるでしょう。

 

 私は2012年12月に自民党が政権に復帰してからの、集団的自衛権の容認、消費税の税率を8%に引き上げたこと、特定秘密保護法の成立といったことに対して、全て反対です。ですから、上記のように自民党と公明党以外に投票します。

 

 更に言えば、2012年以降の自民党は、傲慢で不寛容な党に変質しました。これは、トップである安倍晋三総裁とその周辺にいる側近たちの性格がそのまま反映されています。ツイッターやこのブログでも紹介してきましたが、言論封殺や立憲主義を全く理解していない行動や言動を見ていて、この党は本当に「自由」と「民主」を標榜しているのだろうかと呆れてしまいました。

 

 このような性格の党が政権を担い、しかも単独で憲法改正の発議ができる議席数を占めることになったらどうなるのだろうか、と私は懸念を持っています。更に言えば、1990年代に選挙制度改革で議論され、コンセンサスを得たのは、「政権交代が起きやすい制度にする。そのために、できれば二大政党制を実現させるが、移行期として小政党も存続できるように比例代表制も認める」ということでした。実際にはこのようなことは画餅に帰し、現実は全く違うことが起きています。

 

 しかし、1996年に初めて現在の選挙制度下で総選挙が行われて以降(議席数は漸減されています)、政権交代が起きたのは2009年の1度だけ、そして、2005年以降の選挙は1つの党が大量の議席を獲得して、巨大与党となる傾向が出てきました。そして、現在の状況では、「1強多弱時代」となり、「新55年体制」(小沢一郎・生活の党党首の発言から)となって、自民党が野党からの牽制もなく、緊張感を欠いた状態で、好き放題のことをできるようになるでしょう。

 

 その行きつく先は憲法改正で、アメリカと一緒に、軍事的に世界に打って出る、アメリカのお先棒を担がされ、損だけを押し付けられることになります。2016年の参議院議員選挙が重要なターニングポイントになるでしょう。アメリカはヒラリー・クリントンが大統領になった場合、冒険主義的に、人道を掲げて、世界各地に軍事介入を行うでしょう。日本はそれに巻き込まれ、最前線に立たされることになるでしょう。そして、このような状況を積極的に促進する政治家たちが自民党以外からも多数出てくるだろうと思います。私は何度も「米政翼賛会(U.S. Rule Asssistance Assocition)」と呼んできました。民主党や維新の党の一部から自民党に迎合する人々が出てくるでしょう。彼らは、米政(ヒラリー)翼賛会となるでしょう。

 

 自民党の「一党支配体制(one-party dominance)」がやがて、「柔らかい権威主義体制(soft authoritarianism)」となって、デモクラシーが圧迫され、窒息死するかどうか、今回の選挙は、日本のデモクラシーが完全に死んでしまうかどうかの重要な選挙となります。

 

 皆様には、ぜひ投票に行っていただき、賢明なご判断をお願い申し上げたいと思います。私は大変に悲観的ですが、それでもなお、そして自分の一票が微々たるものであろうとも、自分の信念に従って投票してまいります。それが私なりの「愛国」的行為だと信じています。

 それでは一曲どうぞ。ARBで「抵抗の詩」。


 

(終わり)









 

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