古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:習近平

 古村治彦です。

 

 今年の6月に米朝首脳会談が行われ、共同宣言が出されました。「これで、北朝鮮はすぐに核兵器を放棄する、良かった良かった、金正恩もドナルド・トランプもいい人じゃん」という雰囲気が醸成されました。これ以降、どのような進展があったのか、よく分からない状況です。北朝鮮が積極的に核兵器放棄に向けた動きを行っているようには見えません。

 

 マイク・ポンぺオ国務長官が4度目の訪朝をするという発表がなされました。アメリカという国家のこれほどの高官がこのような短期間でこれほどの頻度で北朝鮮を訪問するというのは異例なことでした。しかし、直前になって、トランプ大統領がポンぺオ長官の訪朝を中止させました。

 

 トランプ大統領は北朝鮮との交渉が進展しておらず、それは中国の責任だというツイートをしています。しかし、これは、6月の米朝首脳会談と共同宣言を発表した時点で、中国が北朝鮮への制裁を骨抜きにすることは容易に予想が出来たことで、もしトランプ大統領がそのことを今頃になって怒っているということであれば、それはトランプ大統領の不明ということになります。

 

 ですから、トランプ大統領の中国に対する発言は、中国に対して北朝鮮に対してもっと強く影響力を行使して、とりあえず、核兵器関連を急速に解決できる方向に勧めて欲しいという意図があると考えられます。中国を批判しているように見せながら、何とかならないかとお願いというか、依頼、説得をしているということだと思います。中国がこれでどう動くかが注目されます。

 

ポンぺオ国務長官は、幻と終った訪朝発表の際に、スティーヴン・ビーガン(Stephen Biegun)という人物を特別代表に任命して、帯同させると発表しました。これからビーガンがアメリカの対北朝鮮交渉で重要な役割を果たすことになるという意味の発表でした。

stephenbiegun001
スティーヴン・ビーガン

 

 ビーガン(1963年生まれ)は、自動車メーカー大手のフォード社の外国政府担当副社長を務めています。ですが、政府機関で仕事をしていた時期が長い人物です。1984年にミシガン大学を卒業、専攻はロシア語と政治学だったそうです。その後、1992年から1994年まで国際共和研究所(International Republican InstituteIRI)のロシア駐在部長を務めました。IRIは共和党系のNGOで、はっきり言えば、世界各国で民主化(democratization)を進めるため、NGOの外見を持った準政府機関です。民主党系には全米民主研究所(National Democratic InstituteNDI)というNGOがあります。

 

 IRINDIに資金を提供しているのは、こちらもNGOの外見を持っているが、実質的にはアメリカ連邦議会から資金を提供されている、全米民主政治体制のための基金(National Endowment for DemocracyNED)です。NEDIRINDIはアメリカの介入主義のための準政府機関です。このことについては、拙著『アメリカ政治の秘密』(2012年、PHP研究所)で取り上げています。ビーガンは「非民主国家の民主化(democratization of nondemocratic states)」のための人材ということになります。

 

 その後、連邦下院外交委員会のスタッフ(海外援助予算、貿易政策、ヨーロッパ担当)、連邦上院外交委員会のスタッフ(1994-1998年)、首席スタッフ(1999-2000年)、を務めました。共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領(在任:2001-2009年)が誕生すると、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)事務総長(2001-2003年)、国家安全保障問題担当大統領補佐官コンドリーザ・ライスの上級スタッフを務めました。ホワイトハウスでは国家安全保障会議の運営を取り仕切っていたそうです。

 

 その後は、連邦上院議員で共和党連邦上院院内総務を務めた、重鎮ビル・ファーストの国家安全保障問題担当アドヴァイザーを務め、フォード社の副社長に就任しました。ビーガンはアジアの専門家でもなく、国家安全保障問題を中心に活動してきたことを考えると、今回の人事は不思議な感じがします。

 

 北朝鮮担当特別代表にはこれまで、韓国系、アジア系の人物が就いていました。今回ロシア専門家が就任したということは、北朝鮮問題をアジア系の人々の手から離して、新たな道筋を探そうとしているのではないかと考えられます。そして、ロシアを引き入れて、中国の北朝鮮に対する影響力を減少させ、相対的にアメリカの影響力を増大させようという考えがあるのではないかと思います。

 

 更に言うと、ビーガンの前歴を考えると、ビーガンの特別代表就任は北朝鮮に対する圧力とも考えられます。これまでのように甘やかして下手(したて)には出ない、北朝鮮問題を国家安全保障上の専門家であり、かつ、非民主国家の民主化の専門家が、北朝鮮を国家安全保障上の問題として捉え、民主化のアプローチから交渉の場に立つ、というのは、北朝鮮からすれば「体制保障をもらっているのに、これでは話が違う」ということになります。更に、ビーガンがロシア専門家ということを考えると、ロシアの影響力を使おうというトランプ大統領の意図が感じられます。

 

 米朝交渉が停滞気味のまま、中間選挙ということになると、北朝鮮に対する弱腰(appeasement toward North Korea)という形での批判が起こり、共和党内部からもトランプ大統領に対する批判が出て来てしまう可能性が考えられます。そうなると選挙戦は難しくなってしまうということになってしまいます。ですから、それまでに何とか形だけでもなんとか進展のようなものが見えるようにしたいということだろうと考えられます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ氏、北朝鮮の非核化進展遅れは中国のせいと」

BBC 20180831

https://www.bbc.com/japanese/45364594

 

ドナルド・トランプ米大統領は29日、北朝鮮の非核化に具体的進展が乏しいことについて、中国の責任だとツイッターで非難した。

 

トランプ氏は、「ホワイトハウスの声明」と大文字で題した上で、連続ツイートを投稿した。

 

「ドナルド・J・トランプは、北朝鮮が中国からとてつもない圧力を受けていると強く感じている。これは、我々と中国政府が大きく対立している貿易問題のせいだと考える。同時に、中国が北朝鮮に」

 

「資金や燃料、肥料その他の必需品を含め、相当な支援を提供していることを承知している。これは迷惑だ! それでもなお大統領は、金正恩氏と自分の関係はとても良好で温かいものだと考えており、現時点では」

 

「米韓合同軍事演習に大金を使う必要はないと考えている。それに大統領は、その気になればいつでもただちに韓国や日本との合同演習を再開できる。そうなったら、前よりもはるかに大規模なものになる。米中貿易やその他の」

 

「相違点については、いずれトランプ大統領と中国の偉大な習近平主席が解決する。2人の関係と絆は、いまだにとても強力だ」

 

大統領のツイートとは裏腹に、ジェイムズ・マティス米国防長官は28日、韓国との合同軍事演習を再開する見通しだと発言したばかり。マティス長官は、「最大規模の演習をいくつか延期したのは、シンガポール首脳会談後に誠意を示すためだったが、現時点ではこれ以上、演習を中止する予定はない」と説明した。北朝鮮は、米韓合同演習を「挑発的」だと異議を唱えておえり、6月の米朝首脳会談では米国側が一時中止に応じていた。

 

外交部の華春瑩報道官は、「問題解決のためには、米国は責任転嫁ではなく、自分自身を見つめるべきだ」と批判した。

 

6月にシンガポールで開いた米朝首脳会談では、北朝鮮が「朝鮮半島の完全非核化」に合意し、トランプ氏は「北朝鮮の核の脅威はなくなった」と宣言した。

 

しかしそれ以来、北朝鮮による核開発施設や発射台の解体は十分に進んでいない、核放棄は具体的に進展していないという専門家の指摘が相次いでいる。

 

トランプ氏の連続ツイートは、その責任はすべて中国にあると批判しつつも、北朝鮮の金氏だけでなく、中国の習主席も称賛し、個人的関係の良さを強調している。

 

批判と称賛と警告が分かりにくく混ざり合った大統領ツイートの背景には、歴史的な首脳会談に伴う具体的な成果を求める批判や圧力を政権が意識していることの表れともみられる。

 

=====

 

●「米国務長官「非核化前進見込めず」」

毎日新聞2018825 2229(最終更新 825 2229)

https://mainichi.jp/articles/20180826/k00/00m/030/118000c

 

 【ワシントン渋江千春、高本耕太】トランプ米大統領は24日、ポンペオ国務長官に対し、来週予定していた北朝鮮訪問を取りやめるよう指示したと、同日のツイッターで明らかにした。初の米朝首脳会談(6月12日)で合意した北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉が難航しており、ツイッターでも「現時点で大きな前進があるとは思えないため」と理由に掲げている。

 

 トランプ氏はこれまで集会などで北朝鮮との協議を「極めて順調に進んでいる」と繰り返し評価してきた。20日のロイター通信によるインタビューでも「北朝鮮が具体的な非核化措置を取っていると信じる」と述べていた。だが、この発言後も北朝鮮側から積極姿勢が示されなかったことから、評価を転換させ、不満を表明した。

 

 また、トランプ氏は24日のツイッターで、北朝鮮の後ろ盾である中国との貿易戦争にも言及し、「我々が貿易の分野で中国に強硬な姿勢をとっていることから、中国はかつてのように(北朝鮮の)非核化プロセスに協力していない」と非難した。

 

 今後のポンペオ氏の訪朝時期については、米中間の貿易関係が改善された後になる可能性が高いとも述べた。米中間の貿易戦争が泥沼化するなか、中国が北朝鮮への影響力を対米取引カードとして使う事態を避けたいという思惑も透けて見える。

 

 一方、トランプ氏は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対しては敬意を示したうえで「近く会えることを楽しみにしている」と呼びかけ、2度目の米朝首脳会談に強い意欲を示した。

 

 ポンペオ氏は、北朝鮮訪問が実現していれば、訪朝後に日本や韓国を訪問し、河野太郎外相や康京和(カン・ギョンファ)外相とそれぞれ会談して訪朝結果を説明する方向で調整していた。

 

=====

 

●「米国務長官が来週訪朝=特別代表にフォード副社長」

 

8/24() 0:42配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180824-00000001-jij-n_ame

 

 【ワシントン時事】ポンペオ米国務長官は23日、北朝鮮を来週訪問すると明らかにした。

 

 また、米自動車大手フォード・モーターのスティーブン・ビーガン副社長を北朝鮮担当の特別代表に起用し、訪朝にも同行させると発表した。具体的進展が見られない北朝鮮の非核化で、事態打開を目指す。

 

 ポンペオ氏の北朝鮮訪問は7月以来で、中央情報局(CIA)長官時代を含め4回目。ポンペオ氏は記者団に「外交を通じて北朝鮮の脅威を解消することが、引き続きトランプ大統領の最優先課題だ」と述べ、交渉進展に意欲を示した。

 

 国務省のナウアート報道官は23日の記者会見で、ポンペオ氏と金正恩朝鮮労働党委員長との会談は現時点で予定されていないと述べた。ポンペオ氏は7月の前回訪問でも、正恩氏と会談していない。

 

 ビーガン氏は記者団に「(北朝鮮問題は)困難で容易に解決できるものではない。北朝鮮国民の平和な未来を実現するため、可能なあらゆる機会を捉えなければならない」と語った。

 

 ビーガン氏はブッシュ(子)政権時代の200103年、当時のライス大統領補佐官(国家安全保障担当)の上級スタッフを務めた。マクマスター前大統領補佐官の辞任が取り沙汰された際、後任候補として名前が挙がったこともある。 

 

(貼り付け終わり)


kizudarakenojinsei001
 傷だらけの人生 (ベスト新書)


(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 少し古くなりますが、日本の安全保障関係とアメリカの保護貿易政策による米中貿易戦争に関する記事をご紹介いたします。この論稿の要旨は「日本はトランプの貿易政策などによって酷い目に遭うので、それならば中国に色気を見せることも考えられるが、やっぱりアメリカから離れられない」というものです。

 

 日本がアメリカから離れるということを想像することは難しいことです。中国が経済力と影響力を増大させる中で、それでは日本が中国に近づくということは短期的にはあり得ません。しかし、日本はアメリカとの関係について、もっと現実的に動くという選択肢はあります。中国が伸びてきている以上、中国にも近づき、かつその関係を使って、アメリカに対して条件闘争を行うというものです。

 

 最初から「ご無理ごもっとも」で何でも相手の言う通りに全てを受け入れるというのは、よほど特殊な関係です。個人間で考えても分かります。日米関係はこの特殊な関係になっています。それが帝国・属国関係ということになります。何でもかんでもアメリカの言いなりになる、アメリカの利益のために日本の利益を犠牲にする、それは究極的にはそれで平和を買うということ、それは戦後日本が到達した一つの見識かも知れません。

 

 しかし、貿易戦争で関税を課され、プラスして防衛力増強を求められ、アメリカらの武器購入を求められるということは、お金をさらに貢ぐということです。貢がれたお金はアメリカとアメリカ国民のために使われるもので、日本人のためではありません。そのような関係でいいのか、というときに、中国との関係を深めておけば、それを使って、条件闘争が出来る可能性もあります。

 

 ところが、日中関係は不自然なほどに敵対的です。この不自然なほどの敵対関係で得をするのはアメリカです。中国との関係がこうである以上、日本はアメリカに益々べったりということになるからです。

 

 このような状況で本当に良いのかということを考えるべき時期に来ているのではないかと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

日本の中国との合意は純粋なプラグマティズム(Japan’s China Deals Are Pure Pragmatism

―ドナルド・トランプでさえも日本政府を中国政府の陣営に押し込むことはできない

 

J・バークシャー・ミラー筆

2018年7月3日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2018/07/03/japans-china-deals-are-pure-pragmatism/

 

複数の専門家たちは最近になって、ドナルド・トランプ大統領の予測不可能で大胆な外交政策によって、アメリカにとって東アジア地域の最重要の同盟国である日本を中国の陣営に押しやることになると分析している。『ウォールストリート・ジャーナル紙』紙に掲載された記事「トランプの貿易戦争は、日本と中国を協力させることに」の中で、両国を「奇妙な同志(strange bedfellows)」と表現した。また、東アジア地域のライヴァルである日本と中国の雪解けの原因がトランプの政策による非確実性であると主張する人々も存在する。

 

この日中の接近という主張にはいくつかの真実が含まれているが、日本政府がすぐにアメリカ政府を捨てて中国政府の側につくということはない。日本の対中国政策は、中国の力が強くなり、東アジアにおけるアメリカの役割が不透明化している中で、よりプラグマティック(現実的、実践的)になりつつあるが、日本が最終的に望むことは、アメリカが東アジアからいなくなることである。

 

トランプ大統領の外交政策はジェットコースターに乗っているようなものだ。これは日本では特に痛切に感じられている。トランプは大統領に就任して最初の週に、トランプ大統領は環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)からのアメリカの離脱を発表した。TPPは、アジア太平洋地域の旗艦となる貿易合意であり、もともとはアメリカが主導し、日本の安倍晋三首相が協力してきた。その後、トランプ大統領は、日本と韓国を含む長年の同盟諸国に脅しをかけている。トランプはこれらの国々はアメリカとの同盟関係において最低限度のコストで最大の利益を得ていると非難している。

 

トランプ大統領は最近、貿易に関して全面攻勢に出て、これが同盟諸国やライヴァル諸国に影響を与えている。日本は、カナダやEUと同様に、長年にわたりアメリカに対して忠実な同盟国であり続けてきたのに、貿易問題に対して何らの恩恵も受けていない。トランプ政権は日本の鉄鋼とアルミニウムに対して大幅な関税引き上げを行った。トランプ政権は、アメリカの国家安全保障上にとって関税引き上げのような厳しい措置は必要不可欠な措置なのだと主張している。

 

日本はまたトランプ政権が北朝鮮との合意で譲歩し過ぎたと懸念を持っている。共同宣言の内容は具体性に欠け、アメリカ政府は中国の東アジア地域における攻勢に対処するにあたり、いくつかの効果の薄い対策は行っているが、包括的な戦略を持っていないと日本は考えている。日本は、トランプ政権が主導してきた北朝鮮を交渉のテーブルにつかせることを目的とする最大限の圧力の熱心な支持者であった、しかし、現在、日本は最近の情勢と出来事について、米朝間で、アメリカが北朝鮮に代償なしに妥協しているということに懸念を持っている。

 

シンガポールでの米朝首脳会談の直後、トランプ大統領は、今年の後半に予定されていた米韓合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」の延期を提案した。トランプ大統領の発表は、日本や韓国に相談することなくなされたものだった。この発表によって、アメリカの朝鮮半島における役割についての疑問が醸成されている。トランプの発表は日本と韓国に相談することなくなされたもので、朝鮮半島に対するアメリカのアプローチに対する疑念を駆り立てることになった。日本政府はトランプが演習について「挑発的」でかつ「費用負担が大きい」と述べたことについても深く憂慮している。トランプのあけすけな言葉遣いによって、ホワイトハウスは地域の同盟諸国をアメリカの対アジア政策と地域の安定にとっての必要不可欠な要素ではなく、財政上、安全保障上の負担だという考えを強めているのではないかという懸念を同盟諸国は持っている。

 

同時に、日中関係において大きな改善が起きている。先月(2018年5月)、日本は李克強国務院総理を迎え、また日中韓3か国の首脳会談のために韓国の文在寅大統領も訪日した。李克強訪日中、日本と中国は一帯一路協議会の設立と東シナ海における意図しない衝突を避けるための空海における接触に関するメカニズムの長年にわたる議論を終わらせた。東シナ海では島々を巡り日中間で衝突が継続している。貿易問題に関しては、日中両国は相互依存関係にあり、トランプの保護主義的な動きに対抗し、東アジア地域の安定した貿易環境を促進することで共通の利益を持っている。貿易協定に関して日中は全く別の意図を持っているが、両国は二国間、そして日中韓自由貿易協定とより大きな地域包括経済パートナーシップを通じて多国間の交渉を続けている。

 

しかし、このような関係改善の動きは歓迎されているが、進みは遅い。言い換えるならば、現状は、雪解けではなく、現実主義に基づいた動きということである。日中関係における戦略に関する不信が生み出す構造的な問題は尖閣諸島の領有権問題と東シナ海に埋蔵されている天然資源の問題である。中国の地域における攻勢と急速な軍の近代化、日米同盟の存在、台湾との関係は根深い問題で、解決に向けた取り組み話されていない。二つ目に、トランプ政権が同盟諸国に対して敵意を持った言葉遣いをしていることに対して、日本と同盟諸国の中で、懸念が広がっている。これは正当な懸念である。日本政府は国家安全保障の保証者としてアメリカをつなぎ留めたいとしている。トランプの言葉遣いがどんなに荒くても、日本政府にとっての要点は全く変わらないのだ。

 

日本は、貿易に関してのアメリカの保護主義的な主張を攻撃するようなことはしない。アメリカの保護主義派アジアにおけるアメリカの信頼性を減少させ、中国の地位を上昇させることになる。日本は、外交上の集中的な攻勢を通じて、アメリカを東アジア地域に関与させ続けようと努力を続けている。この外交上の攻勢は南アジアと東南アジアで展開されている。安倍首相はインド、ヴェトナム、フィリピンなどの諸国家との戦略上の関係を結び、発展させようとしている。この動きは頼りにならないアメリカに対してバランスをとることではなく、二国間の関係を束ねた網を通じてアメリカを東アジア地域に関与させる続けることが目的である。更には、日本は、日米関係を通じて、航行の自由と国際法を通じての紛争の解決のようなアメリカの目的を支持するのである。

 

最後に、安倍政権の下で、日本は安全保障と防衛に対する姿勢を改善し続けている。こうした動きはこれまでの日本の各政権が進めたプロセスの一部であり、進化である。安倍政権下での重要な変化は、国家安全保障会議の設置、国家安全保障戦略の策定、米国との二国間の防衛ガイドラインの見直しといったもので、アメリカの撤退の恐怖を和らげるためではなく、日米同盟をより完全に、そして強化することを目的としたものだ。

 

日中関係の最近の動きは無内容なものではないが、和解に向けた兆候ということでもない。これからの数か月、私たちは中国政府と日本政府との関係がより現実的な方向に進むだろう。しかし、紛争に関して和解が進むものではない。安倍首相率いる自民党の運命は重要な役割を果たす可能性がある。安倍首相が自民党総裁として3期目を務める、つまり首相を務めることが継続できるならば、中国との関係の動きはこれまで通り進む。しかし、安倍首相が継続できないとなると、日中関係の不安定さが増すことになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 日本時間の昨日夜、アメリカのドナルド・トランプ大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長・朝鮮人民共和国国務委員長に書簡を送り、6月12日にシンガポールで開催予定だった米朝首脳会談を中止すると通告しました。私は最初、「延期なのかな」とのんきに考えていましたが、「postpone(延期)ではなく、cancel(中止)である」と分かり、驚きました。延期ならば、現在までの準備と枠組みで開催される可能性は残りますが、中止となると、これは米朝首脳会談開催の可能性はほぼなくなったということになります。

 

 以下にトランプ大統領が金委員長に宛てた書簡の文面と拙訳、関連記事を貼り付けます。

 

 今年3月に韓国の大統領補佐官が平壌を訪問し、金委員長と会談し、その直後に補佐官がホワイトハウスを訪問し、米朝首脳会談開催提案をトランプ大統領に伝え、トランプ大統領が承諾してから事態は大きく動き始めました。金委員長は指導者となって初めての外遊として中国の北京を訪問し、習近平国家主席と会談しました。また、4月には南北首脳会談が開催され、融和ムードが一気に高まりました。

 

 しかし、5月に入って金委員長が中国の大連を訪問し、習近平国家主席と再び会談を持ってから、状況は変化し始め、5月中旬には北朝鮮が予定されていた南北閣僚級会談の中止を発表し、合わせて韓米合同の空軍演習を軍事的挑発行為だと非難し、米朝首脳会談開催を再考しなければならないと発表しました。

 

 それ以降も、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官の発言やマイク・ペンス副大統領の発言に北朝鮮が不快感を表明し、米朝首脳会談の開催を再考するということが続き、ついに米朝首脳会談は、延期ではなく中止ということになりました。

 

 北朝鮮はボルトン補佐官の「リビア型」という言葉に非常に神経を尖らせていました。リビア型とは2003年に当時のリビアの指導者ムアンマール・カダフィ氏とアメリカで合意したもので、全ての核兵器やミサイル兵器を廃棄する代わりに経済援助を行うということでした。実際にリビアは経済援助や海外、特にイタリアからの投資もあり、経済的に順調になりました。しかし、2011年のアラブの春で、民主化運動が発生し、カダフィ氏は権力の座から追われ、最終的に殺害されました。また、リビアは不安定な状況に陥るということになりました。

 

 北朝鮮としては、核兵器を放棄することで経済援助を得られてもそれは一時的なことで、最終的にはアメリカの支援を受けた民主化運動によって体制転覆が行われるという恐れを持っているようです。そうなれば、現在の北朝鮮の支配階級やエリート階級の人々は、人々の恨みによる復讐の対象になって、生命の危機にさえ晒されることになりますから、核兵器を手放すということはなかなか難しいことです。ミャンマーの軍事政権はここのところでうまく退いたと思います。恐らく中国の助言を受け入れてさっと後ろに引いたということだと思います。アウンサン・スー・チー女史は政治運営・国家運営の大変さを実感していることでしょう。

 

 アメリカとしては、北朝鮮が韓国と中国を巻き込んでブロックを形成し、アメリカと対等と交渉しようとしたことに不快感を持っていたことでしょう。今週、韓国の文在寅大統領がホワイトハウスを訪問し、米韓首脳会談が行われました。その直後に会談の場に記者たちが招き入れられ、懇談会形式になったところで、トランプ大統領は文大統領が隣にいるのに、「米朝首脳会談がうまくいかない可能性が大いにある」と述べました。これでは文大統領の面目は丸潰れ、融和ムードを演出してきた韓国側に冷水を浴びせかけることになりました。

 

 また、トランプ大統領は金委員長が中国を訪問してから態度が変わったとわざわざ述べて不快感を表明しました。こうして、中朝韓のブロックに痛撃を与えて、あくまで主導権はアメリカにあるのだということを示しました。

 

 アメリカにとっては北朝鮮や韓国は問題ではなく、中国こそが朝鮮半島の非核化の重要な相手ということになります。日本も韓国も北朝鮮も当事者にはなり得ません。しかし、朝鮮日報の記事にあるように、韓国も日本もアメリカが北朝鮮攻撃をする場合にはお金を出させられるということです。これが従属国の悲しい現実です。日本のネトウヨと呼ばれる人々は、喜んで出せ、何なら少し寄付しようか、くらいに思っているでしょうか、何ともおめでたい人々です。

 

 そして、今回のトランプ大統領から金委員長宛てに出された書簡は慇懃無礼の典型例であり、挑発的でもあります。しかし、そもそもは「米朝首脳会談がうまくいかない可能性」について言及したのは北朝鮮です。「そう、そんなにいろいろと言うなら止めましょう」とアメリカが言う余地を与えてしまいました。

 

 この手紙で言いたいことは、「いつの日かあなたに会えることを楽しみにしています。その時には私は勝者、あなたは敗者として命乞いをしているでしょう」「全面的に降伏して、無条件で降伏する(核兵器とミサイルをアメリカが検証し監視できる状態で完全廃棄すること)気になったら会っても良いですよ」ということです。

 

 これはいわゆる最後通牒であり、日本人にとってなじみ深いもので例えれば、太平洋戦争開戦直前に、アメリカのコーデル・ハル国務長官が日本に発した「ハルノート」です。

 

 北朝鮮はこの書簡を受けて、しばらくアメリカに再考の時間を与えると反応しています。そう述べるしかないでしょう。頼みの中国に相談しているかもしれません。中国がアメリカとの関係を致命的なまでに悪化させてまで北朝鮮を擁護するのかどうかということになりますが、これは難しいでしょう。ロシアも同じです。「あなたたちは少し調子に乗りすぎてしまったんじゃないですか、こちらに頼られても困るんですよ」というのが中露の対応になるでしょう。

 

 「米朝首脳会談による朝鮮半島の非核化」という枠組み、スキームが消え去りました。残ったのは、「アメリカの国家安全保障上の脅威となっている北朝鮮の核兵器とミサイルの除去をどう行うか」ということです。北朝鮮が追い求めていた「核兵器を持つ大国として承認されて、この核兵器を取引材料にして、自国に有利な交渉を行い、合意を達成する」ということは現時点ではうまくいかないことになりました。アメリカは既に軍事行動を示唆するような動きを見せています。アメリカの北朝鮮に対する軍事行動を制止できるとすれば中国だけです。

 

ここで中国が「アメリカの参加する形での北朝鮮の核兵器とミサイルの完全廃棄を私の責任でやります。もし北朝鮮がそれを裏切って核兵器を何とか秘匿しようなどとしたら私たちがアメリカも承認する形と内容で懲罰します」と言えれば、アメリカは軍事行動をはしないでしょうが、これでは北朝鮮の全面降伏と一緒です。そして、中国は嫌な仕事を押し付けられることになります。

 

 融和ムードの中で見えなかった北朝鮮は追い詰められているという現実が顕わになってきました。この融和ムードを作った人々に現状の大きな責任があると私は考えます。楽観主義は私たちを殺す(Optimism kills us all)ということを改めて学ぶ機会となりました。

 

(貼り付けはじめ)

 

朝鮮民主主義人民共和国国務委員長

金正恩閣下

ピョンヤン

 

親愛なる委員長

 

私たちは、私たちとあなた方の両者が長い時間をかけて実現を追い求めた首脳会談に関連する私たちとあなた方の間で最近まで行った交渉や議論に対するあなたのかけた時間、忍耐、努力に大いに感謝いたします。首脳会談は6月12日にシンガポールで開催される予定になっていました。私たちは首脳会談を北朝鮮が求めていると知らされた立場です。しかし、私たちにとって知らされた側であるということは全くもって重要なことではありません。私はあなたと共にその場に立つことをとても楽しみにしていました。悲しいことですが、あなた方のごく最近の声明の中で示された多くの怒りと敵意を基に考えて、私は、この長い時間をかけて計画されてきた首脳会談を現時点で開催するのは不適当だと考えます。従いまして、本書簡をもちまして、両当事者の利益となるでありましょうが、世界にとって害悪となるであろうシンガポールでの首脳会談を開催しないことを表明いたします。あなたは核兵器についてお話になっています。しかしながら、私たちの持つ核兵器は巨大で強力なものであり、それらを使わないで済むことを神に祈ります。

 

私は、私とあなたとの間で素晴らしい対話がなされる準備が出来つつあると感じていました。究極的には私とあなたの対話こそが重要でありました。いつの日か、あなたにお目にかかれることを楽しみにしております。一方、私は人質を解放してくださったことに感謝をしたいと思います。彼らは現在家に戻り、家族と暮らしています。人質解放は美しい行動でありました。私はそのことに深く感謝いたします。

 

もしあなたが今回の重要な首脳会談と関連のあることで考えを変えたら、いつでも私宛てに電話や手紙をいただきたく存じます。世界は、そして特に北朝鮮は、平和の継続と大きな繁栄や富を得るための絶好の機会を失いました。今回の機会が失われたことは歴史上、真に悲しい瞬間となります。

 

敬具(心を込めて)

 

アメリカ合衆国大統領

ドナルド・J・トランプ

 

=====

 

His Excellency

Kim Jong Un

Chairman of the State Affairs Commission

of the Democratic People's Republic of Korea

Pyongyang

 

Dear Mr. Chairman:

 

We greatly appreciate your time, patience, and effort with respect to our recent negotiations and discussions relative to a summit long sought by both parties, which was scheduled to take place on June 12 in Singapore. We were informed that the meeting was requested by North Korea, but that to us is totally irrelevant. I was very much looking forward to being there with you. Sadly, based on the tremendous anger and open hostility displayed in your most recent statement, I feel it is inappropriate, at this time, to have this long-planned meeting. Therefore, please let this letter serve to represent that the Singapore summit, for the good of both parties, but to the detriment of the world, will not take place. You talk about nuclear capabilities, but ours are so massive and powerful that I pray to God they will never have to be used.

 

I felt a wonderful dialogue was building up between you and me, and ultimately, it is only that dialogue that matters. Some day, I look very much forward to meeting you. In the meantime, I want to thank you for the release of the hostages who are now home with their families. That was a beautiful gesture and was very much appreciated.

 

If you change your mind having to do with this most important summit, please do not hesitate to call me or write. The world, and North Korea in particular, has lost a great opportunity for lasting peace and great prosperity and wealth. This missed opportunity is a truly sad moment in history.

 

Sincerely yours,

 

Donald J. Trump

President of the United States of America

 

=====

 

●「対北軍事行動の費用を韓日が負担、トランプ大統領が可能性を示唆」

 

2018/05/25 08:29 朝鮮日報

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/05/25/2018052500782.html

 

 トランプ米大統領は24日(現地時間)、ホワイトハウスで金融規制緩和関連法案に署名するのに先立ち、612日に予定されていた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談を中止したことについて語った。同大統領は「ジェームズ・マティス国防長官と合同参謀本部と話した」「必要ならば、全世界で最も強力で、最近さらに強化された我が軍が準備できている」と言った。

 

 さらに、トランプ大統領は「韓国と日本と話した」「北朝鮮が愚かで無謀な行動をするなら、韓国と日本が準備できているのはもちろん、不幸な状況が必然的に起こった場合は作戦中に米国に発生するコストや財政的コストのかなりの部分を喜んで引き受けるだろう」と、軍事作戦を展開する場合は韓国と日本が費用を分担するだろうと述べた。

 

キム・ナムヒ記者

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版

 

=====

 

●「北朝鮮第1外務次官「予想外で非常に遺憾」米に再考促す」

 

ソウル=武田肇20185250842分 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASL5T2QVXL5TUHBI00H.html?iref=com_alist_8_03

 

 北朝鮮の金桂寛(キムゲグァン)・第1外務次官は25日、トランプ米大統領が6月12日の米朝首脳会談中止を明らかにしたことについて、「予想外であり、非常に遺憾だ」とする談話を発表した。「我々はいつでもどんな方法でも向き合って問題を解決する用意がある」と強調し、事実上、再考を促している。朝鮮中央通信が伝えた。

 

 金次官は談話で「我々はトランプ大統領が過去のどの大統領もできなかった英断を下し、首脳の出会いを作るために努力したことを内心、高く評価してきた」と言及。「我々の国務委員長(金正恩〈キムジョンウン〉朝鮮労働党委員長)も準備に向けてあらゆる努力を傾けてきた」と強調した。

 

 金次官は16日、米国側が求めた非核化の方式に不満を示し「一方的に核放棄だけを強要しようとすれば、来たる朝米首脳会談に応じるか再考するほかない」との談話を発表し、トランプ氏が会談に後ろ向きになる転機となった。(ソウル=武田肇)

 

=====

 

●「米朝首脳会談中止は「極めて遺憾」、北朝鮮」

 

5/25() 8:07配信 AFP=時事

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180525-00000004-jij_afp-int

 

AFP=時事】北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は25日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が6月に予定されていた米朝首脳会談を中止すると発表したことは「極めて遺憾」だとする北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン、Kim Kye Gwan)第1外務次官の声明を報じた。

 

 金第1外務次官は声明で、首脳会談中止が突然発表されたことは北朝鮮にとって予想外であり、極めて遺憾だと言わざるを得ないとした上で、北朝鮮としては問題解決のため、いつ、いかなる形ででも直接会談する意向があることを改めて米側に伝える、と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News

 

=====

 

●「トランプ氏、米朝会談を中止 北朝鮮の「愚かな」行動に警告」

 

5/25() 3:37配信 AFP=時事

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180525-00000000-jij_afp-int

 

AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は24日、6月に予定されていた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長との首脳会談を中止すると表明した。北朝鮮が「すさまじい怒り」と「敵意」を示したことが会談中止の理由としている。

 

 トランプ大統領は金委員長宛ての書簡で、シンガポールで612日に予定されていた史上初の米朝首脳会談の中止を通達。この前日には、北朝鮮がマイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領を「無知でばかげている」と非難し、態度を硬化させていた。

 

 トランプ大統領はその後、ホワイトハウス(White House)で会見し、北朝鮮が「愚かな、または無謀な行動」を取った場合、韓国と日本が米国と共に対応する準備ができていると述べた。

 

 トランプ大統領はまた、制裁を通して北朝鮮に「最大の圧力」をかけ続けると表明。一方で、金委員長との会談は依然として実現可能だとの考えを示し、自身は会談を待ち望んでいたと強調した。【翻訳編集】 AFPBB News

 

=====

 

●「米副大統領の発言「無知でばかげている」 北高官、会談再考を警告」

 

2018524 10:38 発信地:ソウル/韓国 AFP通信

http://www.afpbb.com/articles/-/3175763?utm_source=yahoo&utm_medium=news&cx_from=yahoo&cx_position=r1&cx_rss=afp&cx_id=3175906

 

524 AFP】(更新)北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ、Choe Son-hui)外務次官は24日、来月に予定される米朝首脳会談で米政府を手玉に取ろうとするのは「大きな過ち」だと北朝鮮側に警告したマイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領の発言について、「無知でばかげている」と厳しく非難し、会談を中止する可能性に言及した。

 

 ペンス副大統領は21日、米FOXニュース(Fox News)とのインタビューで金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長に向け、来月シンガポールで開催予定の米朝首脳会談で「ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を手玉に取れると考えるのは大きな過ちになる」と述べた。

 

 さらに、リビアの最高指導者だった故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が核開発計画の放棄に同意した数年後に反体制派の蜂起で殺害されたことに言及し、北朝鮮も同じ命運をたどる可能性があると指摘した。

 

 

 この発言について崔氏は、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)を通じ、「米副大統領の口からそのような無知でばかげた発言が飛び出すとは、驚きを隠せない」との声明を発表。「抑制の利いていない、厚かましい発言だ」と激しく非難した上で、「米国が同じ席に着くことを望まないのなら、わが国は対話を懇願することも、わざわざ説得することもしない」と述べ、米朝首脳会談の再考を金委員長に進言する可能性に言及した。(c)AFP

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


imanokyodaichuugokuwanihonjingatsukutta001

今の巨大中国は日本が作った


shinjitsunosaigoutakamori001
真実の西郷隆盛
 

semarikurudaibourakutosensoushigekikeizai001

迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 2018年6月12日に開催される予定の初の米朝首脳会談(ドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との間の会談)に関し、トランプ大統領が「うまくいかない可能性が大いにある」と発言しました。トランプ大統領は「it won’t work out」と発言し、その後に「That’s OK」と述べました。That’s OKという言葉は「それはそれで仕方がない、他に方法があるさ」と訳せると思いますが、やはり、米朝首脳会談、更には北朝鮮の非核化については楽観的な状況ではないようです。

trumpmoon001

 

 トランプ大統領は韓国の文在寅大統領をホワイトハウスに迎え、米韓首脳会談を行った後に、文大統領と一緒に記者を招き入れた中で、「うまくいかない可能性が大いにある」と発言しました。この点が重要です。2018年4月27日の文大統領と金委員長との間の南北首脳会談で、一気に融和ムードが出現し、非核化はもう実現したのも同じだという雰囲気になりました。

 

 しかし、その後、金委員長が飛行機で中国の大連に向かい、3月末に続いて、中国の習近平国家主席と会談を持ってから、楽観的な状況ではなくなってきました。その後、北朝鮮は南北閣僚級会談を取り止め、米韓空軍による共同演習を挑発行為だと非難し、米朝首脳会談の実現についても再考しなければならないと発表しました。

 

 こうして融和ムードがなくなってしまいました。そして、トランプ大統領は米朝首脳会談が上手くいかない可能性を示唆しました。しかも、融和ムードを作り出した文在寅韓国大統領を傍らに座らせて、記者団との懇談の中でそのように述べました。文大統領の面目は丸つぶれになりました。また、金委員長と北朝鮮の態度が習近平国家主席との2回目の会談以降に変化したことにも不快感を表明しています。

 

 今回の北朝鮮の非核化はアメリカの国家安全保障上の脅威の除去ということになります。アメリカの領土に届く長距離ミサイルに核兵器が積まれて飛んでくる、ということはアメリカにとって最悪の脅威です。ですからこの脅威の除去はアメリカの優先政策となります。しかも、この脅威の除去は「確実に検証(確認)され、逆戻りしない」ことが求められています。ですから、中途半端なところで妥協することは、トランプ大統領自身の正統性を毀損することになります。ですから、どこまでも真剣でかつ一方的なものとならざるを得ません。

 

 「核放棄をすれば、金委員長の支配体制を認めて、海外からの投資を認めてやる」というのは最大限の譲歩です。しかし、金委員長は分かっています。いったん核兵器を放棄してしまえば、ある期間は海外からの投資もあって豊かになるかもしれないが、結局は自分の体制は崩壊させるということをです。これはリビアを見れば分かります。

 

 核兵器をすぐに放棄しなければ最悪の場合にはアメリカから攻撃を受けてしまうかもしれない、すぐに放棄すればある期間は大丈夫かもしれないが、体制崩壊が起きる可能性が高いということになります。金委員長は核兵器を保有し、核兵器を持つ大国として認めてもらえて、核兵器とミサイルが取引材料となるはずだったのが、ミサイルまで作ってしまったことを後悔しているのではないかと思います。

 

 トランプ大統領の「それはそれで下が無い、他に方法があるさ(That’s OK)」という言葉が何を意味するのか、ということが重要です。トランプ大統領の本意は分かりませんが、アメリカは北朝鮮に比べて、色々な選択肢があるということであり、余裕があるということです。

 

 米朝は対等ではありません。アメリカと対等に話せるとすればそれは中国です。ですから、朝鮮半島の非核化は米中の駆け引きということになります。問題は、中国がどう考えるのか、アメリカに対してどのように対応するのかということになります。中国の出方が注目されます。

 

 トランプ大統領は、「中国と韓国が北朝鮮の側について動こうとしているみたいだが、あんまりアメリカを舐めるなよ」ということを言いたかったのではないかと私は考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

Doubts grow over Trump-Kim summit

 

BY REBECCA KHEEL AND JORDAN FABIAN - 05/22/18 05:28 PM EDT  2,827

http://thehill.com/homenews/administration/388884-doubts-grow-over-trump-kim-summit

 

President Trump’s plans for a historic nuclear summit with North Korea were thrown into further doubt on Tuesday after a meeting with South Korean President Moon Jae-in.

 

During the huddle, Trump expressed confidence that North Korean leader Kim Jong Un is “serious” about denuclearization but also acknowledged the likelihood that the June 12 summit in Singapore falls through.

 

There’s a very substantial chance that it won’t work out, and that’s OK,” Trump said in the Oval Office, with Moon at his side. “That doesn’t mean it won’t work out over a period of time, but it may not work out for June 12.”

 

Trump’s uncertainty has been driven by a harder line coming out of North Korea, which has frustrated administration officials and thrown a wrench into planning just weeks before the summit.

 

The visit from Moon, who has already held his own groundbreaking summit with Kim, provided an opportunity for the South Korean leader to give Trump his assessment on North Korea’s rhetorical shift and determine if the meeting is still feasible.

 

Top administration officials refused to place odds on whether the Trump–Kim summit will happen, but said they are moving ahead with planning.

 

Secretary of State Mike Pompeo made a surprise appearance in his department’s press briefing room, his first since becoming chief diplomat, to assure the administration "will do what it takes” to make the summit happen.

 

We’re working toward June 12,” he said.

 

White House press secretary Sarah Huckabee Sanders echoed those comments, saying “we’re going to continue in preparations, and we’ll see what happens.”

 

If the summit falls through, it would be a stinging defeat for Trump, who has made nuclear diplomacy his top foreign policy objective. No sitting U.S. president has met with the leader of North Korea, and Trump has openly mused about how brokering a nuclear deal could win him a Nobel Peace Prize.

 

Analysts were divided on whether Trump’s latest comments signal the summit’s demise or are a negotiating tactic to regain leverage over Pyongyang.

 

Jessica Lee, interim executive director at the Council of Korean Americans, said it is difficult to tell whether Trump is “posturing” or sending “a genuine sign that [the] U.S. is losing faith in the process.”

 

The fact that the summit is in jeopardy this close to the date should be a wake-up call to all who thought war with North Korea was a distant possibility,” she wrote in an email.

 

The first indication the summit could be in jeopardy came last week, when North Korea scrapped high-level talks with the South and threatened to walk away from negotiations with Trump if the U.S. continued to demand “unilateral” nuclear disarmament.

 

A top North Korean officials also blasted national security adviser John Bolton, who said a nuclear deal could follow a “Libya model.”

 

Libya struck an agreement with the U.S. in 2003 to surrender its nuclear weapons in exchange for sanctions relief. But eight years later, Col. Moammar Gadhafi, Libya’s longtime ruler, was ousted from power in a popular uprising and killed by NATO-backed rebels.

 

Trump distanced himself from those comments and stressed that Kim’s safety would be ensured under any deal that eliminates his nuclear weapons, an apparent attempt to reassure the North Koreans and bring them back to the table.

 

We will guarantee his safety,” Trump said, adding that if the U.S. and North Korea strike a deal, Kim would “be very proud” of what he did for his country.

 

There were other signs the talks could remain on track.

 

Foreign journalists arrived in North Korea on Tuesday to watch the dismantling of the Punggye-ri nuclear test site later in the week as North Korea promised, though analysts have cast doubt on the sincerity of the move since international nuclear inspectors have not been invited to observe.

 

With Pyongyang’s threat to cancel the Trump summit, Moon arrived in Washington with a goal of resuscitating the diplomatic process. Moon was elected to office pledging a rapprochement with the North and was instrumental in brokering the diplomatic opening with the U.S.

 

But North Korea’s shift back to aggressive rhetoric led some to question whether Moon previously overstated Pyongyang’s willingness to denuclearize.

 

In a sign the allies may not be on the same page, Moon’s national security adviser told reporters on the way to Washington that there was a “99.9 percent chance” the Trump–Kim summit will happen “as scheduled.”

 

In the meeting with Trump, Moon stressed that the “fate and the future” of the Korean Peninsula depend on a successful summit.

 

I'll spare no efforts to the end to support the success of the upcoming U.S.-North Korea summit,” Moon said in the Oval Office. “I have every confidence that President Trump will be able to achieve a historic feat of making the upcoming U.S.-North Korea summit successful and end the Korean War that has been lasting for the past 65 years.”

 

Regional experts said domestic politics may ultimately push Trump and Kim past their differences and back to the negotiating table. Both Trump and Moon have placed a “significant amount of their political capital” on a Korea deal, Lee said.

 

I think there is enough domestic support for talks to take place, and they should remain the course,” she said. “Failure to do so will usher a fresh wave of volatility and brinkmanship and put American lives, lives of our allies, and the entire global economy at risk.”

 

=====

 

●「<米国>トランプ氏「体制を保証」北朝鮮の非核化見返り」

 

2018年5/18() 11:03配信 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20180518/k00/00e/030/210000c

 

 【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は17日、来月に予定される北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談を巡り、非核化プロセスとして北朝鮮が反発する「リビア方式」について、「我々が検討しているモデルではない」と明言した。

また「ディール(取引)に応じれば、金正恩は力強い保証を得られるだろう」と強調し、非核化に応じれば体制を保証する考えを示した。首脳会談についても「(開催の)予定に変わりはない」と述べた。

 

 リビアの最高指導者だったカダフィ大佐が米英との2003年の合意に基づき核兵器計画を一括放棄したリビア方式について、段階的非核化の過程で体制保証や経済支援を勝ち取りたい北朝鮮は拒否する姿勢を繰り返し明示。16日には、米韓両軍の共同訓練実施やボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の「北朝鮮にリビア方式適用」発言に反発し、米朝首脳会談の取りやめを警告した。

 

 これに関し、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「カダフィとの間では体制保証に関する合意はなかった」として、リビア方式は対北朝鮮には当てはまらないとの考えを強調。その上で、非核化に応じれば「金(委員長)は自国にとどまり、統治を続ける。北朝鮮は非常に豊かな国家になるだろう」と語った。

 

 トランプ氏は体制を保証することで、リビアのケースとは異なると主張し、北朝鮮に対話に応じるよう求めたとみられる。だが「核の一括放棄」の要求までは取り下げる意図はないとみられ、米朝は首脳会談に向け、水面下で激しい攻防を展開しているようだ。

 

 トランプ氏は「この瞬間も会談に向けた両国の調整が続いている。北朝鮮は何事もなかったように、会談場所や式次第について協議している」と明かした。一方で「会談が開かれれば開かれるし、そうでなければ次の段階に進むまでだ」と圧力強化を示唆した。

 

 また、北朝鮮が南北閣僚級会談を急きょ中止するなど態度を硬化させていることに関し、トランプ氏は「中国が影響を及ぼしている可能性がある」と指摘。今月8日に金委員長と中国の習近平国家主席が2回目の会談を持ったことに「少し驚いた」と述べ、「それ以降に状況が変わったように思う」と語った。

 

=====

 

●「北朝鮮非核化は「リビア方式」にしない トランプ米大統領 (North Korea summit: Trump says no 'Libya model')」

 

2018年5月18日 BBC 

http://www.bbc.com/japanese/44164998

 

ドナルド・トランプ大統領は17日、北朝鮮の非核化について、いわゆる「リビア方式」は適用しないと発言した。非核化後に体制が覆されたリビアの経緯を知る北朝鮮の、懸念緩和が目的とみられる。「リビア方式」に言及したジョン・ボルトン大統領補佐官の発言と食い違う形になった。

 

2003年に当時のリビア指導者、ムアンマル・カダフィ大佐は核兵器の放棄に同意した。しかし、2011年には西側諸国が後押しする反体制勢力によって殺害されている。

 

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が北朝鮮の非核化で「リビア方式」の適用に言及したことで、北朝鮮は懸念を強めていた。

 

北朝鮮は16日、来月12日に予定される米朝首脳会談を見送る可能性を警告。一方のトランプ大統領は17日、会談は今でも予定通り開かれるとの考えを示した。

 

トランプ氏の発言

 

ボルトン氏が同席するなか、トランプ大統領は「北朝鮮については、リビア方式は全く念頭にない」と語った。

 

トランプ氏は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と合意したい取引の内容は、「(金委員長が)そこにい続けるものだ。(金委員長が)国にいて、自分で統治して、国がとても裕福になるというものだ」と述べた。

 

「韓国を見てみればいい。産業という意味では、実際には韓国方式だ。(中略)彼らは勤勉で、ものすごい人たちだ」

 

米朝首脳会談については、「我々の知る限り、北朝鮮については何も変わっていない。何も聞かされていない。変わるのならそれでもいいし、そうでないなら、会談はとても成功するんじゃないかと思う」と語った。

 

北朝鮮からの視点

 

北朝鮮は17日、南北間の問題が解決されるまでは韓国との協議を再開しないと表明した。

 

北朝鮮は、11日に始まった米韓の合同空軍演習に反発している。北朝鮮は合同演習を侵略の予行練習だとみなしており、16日に予定されていた閣僚級会談を見送った。

 

北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた、対韓窓口機関の祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長の発言は、以前のような攻撃的な調子で、韓国政府は無能でばかげていると述べている。

 

李委員長はさらに、北朝鮮が「人間のくず」と呼ぶ脱北者に韓国の国会で演説するのを許したと批判した。

 

韓国の首都ソウルで取材するローラ・ビッカー記者は、米朝首脳会談を数週間後に控えるなかで、北朝鮮の論調の変化が17日にも再度示されたと指摘した。さらに同記者は、米国と韓国から譲歩が得られるまで対話を拒否すると、北朝鮮は圧力をかけていると語った。

 

リビア方式がなぜ話題に

 

北朝鮮は、ボルトン大統領補佐官を名指しして批判しつつ、米朝首脳会談を見送る姿勢を示した。

 

16日にKCNAが伝えた金桂冠(キム・ケガン)第1外務次官の談話は、「我々は彼に対する嫌悪感を隠しはしない」と述べている。

 

北朝鮮は、ボルトン氏が先月29日のインタビューで「リビア方式」に言及したことを念頭に置いているとみられる。

 

2003年にリビアのカダフィ大佐は大量破壊兵器計画の放棄を表明し、国際社会を驚かせた。数カ月のうちに米国の対リビア制裁のほぼ全てが解除された。各国との外交関係も回復し、リビアは孤立状態を脱した。しかし2011年には、北大西洋条約機構(NATO)が支援する反政府勢力によってリビア政権は崩壊。カダフィ大佐は反政府勢力に拘束され、殺害された。

 

非核化問題はどうなるのか

 

先月27日に行われた南北間の首脳会談では、朝鮮半島の非核化に向けて協力すると合意された。

 

しかし、北朝鮮が表明している「非核化」の約束は、米政府が要求する「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)とは違う可能性が高い。

 

韓国の聯合ニュースは、康京和(カン・ギョンファ)外相が17日に、北朝鮮と米国の間には「非核化を実現する方法」をめぐってずれがあると国会議員らの前で述べたと伝えた。

 

北朝鮮は先週、今月23日から25日にかけ、北東部の豊渓里にある核実験場の廃棄を開始すると発表した。しかし海外専門家による現場訪問については、言及がなかった。

 

マイク・ポンペオ米国務長官が今月9日に北朝鮮を再度訪問した際、ポンペオ長官は、北朝鮮の非核化には、米国やほかの国の「しっかりとした検証」の仕組みが必要だと強調した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


imanokyodaichuugokuwanihonjingatsukutta001

今の巨大中国は日本が作った


shinjitsunosaigoutakamori001
真実の西郷隆盛
 

semarikurudaibourakutosensoushigekikeizai001

迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 北朝鮮が核実験施設の「破壊」を外国(日本や独仏を除く)の記者団に公開するという発表がありましたが、その後、態度を硬化させ、予定されていた南北の閣僚級会談を中止する、その理由は米韓両空軍の共同訓練が軍事的挑発(military provocation)だからだ、と発表しました。

 

 北朝鮮が外国の記者団を招待して、核実験施設の破壊を取材させるということで、北朝鮮の宣伝攻勢、プロパガンダはかなり進んでいるなという印象を持ちました。しかし、これは、「検証可能な非核化」には程遠いものです。検証とは知識と経験を持つ専門家たちがきちんと手続きを踏んで「確実に破壊され、この実験場は二度と使えません」という確証を報告書にまとめるということで、ただジャーナリストを連れまわすだけでは、ただの宣伝広報活動に過ぎません。

 

 今回、軍事演習を理由にして強硬な発表をしましたが、これまでにもアメリカ軍と韓国軍の軍事演習は多く行われてきましたし、これを軍事的挑発行為とするのは少々無理があります。それならば北朝鮮の核実験の方がより危険度が高い軍事的挑発行為ということになります。

 

 北朝鮮はまた米朝首脳会談の実現の可能性について言及し、中止を仄めかすような表現をしています。

 

 米韓両空軍と北朝鮮空軍や北朝鮮の対空システムとの間では力の差が大きく、米韓両軍が航空戦力で攻撃をすれば北朝鮮は抵抗するでしょうが、敗北は必至ということになります。アメリカ軍単独の攻撃でも結果はあまり変わらないでしょう。北朝鮮は今回の発表通りに、「アメリカ軍による先制攻撃」を何よりも恐れているということになります。

 

 これまで南北関係の改善、米朝首脳会談の下準備などで融和的なムードが出ていました。これまで国を出ることがなかった金正恩労働党委員長が3月末、5月前半に2度も中国を訪問し、習近平国家主席と話をするということもありました。しかし、北朝鮮側からこのような発表が出され、融和ムードに水が差されることになりました。

 

 北朝鮮としては、アメリカ軍による攻撃の可能性がゼロではないと考えており、その可能性を少しでも減らすために、今回のような発表をしたと私は考えます。宥和ムードではありますが、それはあくまで私たち当事者以外の傍観者たちの間だけのことです。北朝鮮としてはぎりぎりの状況にあると自分たちの立ち位置を認識しているようです。それは当然のことで、生きるか死ぬかという駆け引きをやっているのですから、周りが良かった、良かったといっても、まだ何も決まっている訳ではないのですから、それと一緒になって浮かれることはできません。

 

 私は、中国の習近平国家主席と金正恩労働党委員長が2度会談を持ち、その内容が重要ではないのかと考えます。中国としてはアメリカと争ってまで北朝鮮を守るというのは現状ではやりたくありません。ですから、中朝首脳会談の内容もきちんとアメリカ側に伝えています。中国の習近平国家主席は、トランプ大統領の考えや行動を金正恩委員長に伝えているでしょう。その中で、生半可な対応をすれば深刻な結果を招くという警告が習主席から出されていると思います。「朝鮮半島の非核化にはアメリカ軍の撤退も含まれるというのは中国としても歓迎できるが、アメリカ、トランプ大統領はそれでは済まない。まずは北朝鮮による一方的な核放棄、検証受け入れをしてからということになる。それがあなたにできるか」ということを言われたのだろうと思います。

 

 金委員長としてはリビアの指導者だったカダフィの末路についてよく分かっていますから苦悩するでしょう。核兵器を完全放棄しても遅かれ早かれ滅亡、核兵器を完全放棄しなければこちらも滅亡、ということになります。「何とか体制保障、一時的でもいい、その後は最低限財産を持って中国かロシアに亡命させてくれないか」というのが金委員長の希望でしょう。

 

 融和ムードはあくまで周囲だけの話であって、北朝鮮は瀬戸際にまで追い詰めれており、中国も韓国も自国の存亡を賭けてまで北朝鮮を救うという状況でもないということになっており、米朝首脳会談までの道のりは厳しいものとなるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

北朝鮮、南北閣僚級会談を中止=「米朝」へ揺さぶり-合同訓練に反発、急きょ通告

 

2018年5月16日 時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018051600238&g=int

 

 【ソウル時事】北朝鮮国営の朝鮮中央通信は16日、米韓空軍が開始した航空戦闘訓練「マックス・サンダー」を「軍事的挑発」だと強く非難、16日に予定していた韓国との閣僚級会談を中止せざるを得なくなったと伝えた。また米国に対して「朝米首脳対面(会談)の運命について熟考しなければならない」と警告。6月12日の米朝首脳会談の取りやめの可能性を示唆し、揺さぶりを掛けた。これに対し、米政府は会談の準備を続ける姿勢を示している。

 

 韓国統一省報道官は16日、北朝鮮の通告について遺憾の意を表明し、「早期に会談に応じるよう求める」と呼び掛けた。

 

 朝鮮中央通信は、米韓訓練について「(北朝鮮への)空中からの先制打撃(攻撃)と制空権掌握を目的としている」と批判。戦略爆撃機B52や最新鋭ステルス戦闘機F22など100機余りが投入されており、4月27日に板門店で開催された文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の南北首脳会談で署名された「板門店宣言」に対する「露骨な挑戦」だと反発した。

 

 その上で、「南朝鮮(韓国)と米国は、板門店宣言のインクが乾く前に大規模な合同訓練を展開し、われわれの平和的な努力と善意に挑発で応えた」と非難した。さらに「米国と南朝鮮が北南関係の改善と朝米対話局面が戦争演習の免罪符になると考えるなら、それより大きな誤算はない」と主張し、「われわれは、米国と南朝鮮当局の今後の態度を鋭意注視する」と述べ、合同訓練の中止を暗に求めた。

 

 韓国統一省によると、北朝鮮は16日午前0時半(日本時間同)ごろ、閣僚級会談の首席代表、祖国平和統一委員会の李善権委員長の名前で通知文を韓国側に送付。合同訓練を理由に閣僚級会談を無期延期すると通告してきた。閣僚級会談では、南北首脳会談を受け、南北離散家族の再会行事や将官級軍事会談の開催などについて協議するとみられていた。

 

 韓国大統領府高官は合同訓練の日程や規模を変更する可能性に関しては「今のところ、そのような計画はないと理解している」と述べた。(2018/05/16-11:06

 

=====

 

北朝鮮は領空を開き、核実験施設の破壊を取材させるためにメディアを招く(North Korea will open air space, invite media to cover dismantlement of nuclear test site

 

ジョシュ・デリック筆

2018年5月12日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/international/387406-north-korea-will-open-air-space-invite-media-to-cover-dismantlement-of

 

北朝鮮は航空可能領域制限を緩和し、これまで数十年行っていた海外メディアの北朝鮮国内取材へのアクセスを与える見通しだ。これは外交交渉に先駆けて核実験施設を破壊することを海外に向けて誇示するためだ。

 

北朝鮮の国営通信とロイター通信によると、北朝鮮は土曜日、アメリカ、韓国、その他の国々からの記者たちを招待し、「核実験の非継続の透明性を確保する」ことを認めた、ということだ。

 

外国からの記者たちを入国させるために、北朝鮮は5月23日から25日にかけて、彼らに中国から飛行機で入国してもらう目的で、「領空を開く」ことになる。北朝鮮の海岸沿いの年である元山に到着した後、記者たちは、万塔山近くの「山深い、人も住んでいない地域」にあるとされる核実験施設まで電車で向かうことになる。

 

今回の北朝鮮の発表の前に、ドナルド・トランプ大統領は北朝鮮の指導者金正恩朝鮮労働党委員長との歴史的な会談の日時と場所を正式に発表した。会談は6月12日にシンガポールで開催されることに決まった。

 

金正恩は先月、韓国の文在寅大統領との会談の前に、北朝鮮が核実験を停止すると発表した。金正恩はこれまで繰り返し朝鮮半島の非核化の希望を表明してきた。金正恩の主張する非核化には韓国とアメリカからの譲歩が必要となるだろう。

 

米朝首脳会談の前の下交渉で今週金正恩と会談を持ったマイク・ポンぺオ国務長官は、会談の後で、完全な非核化には、アメリカと他国による「明確な検証」が必要となるだろうと述べた。

 

=====

 

●「北、核実験場23~25日廃棄 現地取材、日本は除外」

 

5/13() 7:55配信 産経新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180513-00000003-san-kr

 

 【ソウル=名村隆寛】北朝鮮外務省は12日、北東部の豊渓里(プンゲリ)の核実験場を廃棄する式典を、今月23~25日の間に行うと発表した。朝鮮中央テレビなど北朝鮮メディアが報じた。

 

 発表によると、式典では核実験場全ての坑道を爆破し、入り口を閉鎖する。その後、地上の観測施設や設備を撤去し、周辺を閉鎖するという。

 

 式典は気象条件を考慮するとし、実験場廃棄の透明性を示すために、外国メディアの現地取材を許可する用意があるとしている。取材の便宜を図るため、北京からのチャーター便の準備もあるという。外国メディアは中国、ロシア、米国、英国、韓国に限定し日本は含まれていない。

 

 核実験場の閉鎖について北朝鮮は「5月中の閉鎖」や、米韓の専門家、メディアへの公開を表明していた。6月12日に予定される米朝首脳会談に向け、核凍結、廃棄の姿勢をアピールするものとみられ、外国メディア受け入れ名目の外貨獲得の狙いもうかがえる。

 

 核実験場は坑道入り口がふさがれても、全体を爆破しない限り、簡単に復元できる。このため、核実験場の廃棄式典は海外に核放棄を示すパフォーマンスの場となる可能性もある。

  

(貼り付け終わり)


(終わり)

imanokyodaichuugokuwanihonjingatsukutta001

今の巨大中国は日本が作った


shinjitsunosaigoutakamori001
真実の西郷隆盛
 

semarikurudaibourakutosensoushigekikeizai001

迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

このページのトップヘ