古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:肺炎

 古村治彦です。

 日本政府は「観光立国」を目指している。2020年夏には東京(と札幌やそのほかの地域)でオリンピック・パラリンピックが開催されることもあり、訪日客4000万人を目指している。世界GDPの40%近くを占め、世界経済の成長エンジンとなっているアジア諸国は人々の生活水準も上がり、海外旅行にも行ける人の数が増えており、海外旅行先として日本が選ばれることも多い。日本全国の観光地で様々な言語が飛び交うようになっている。

 私が生まれ育った鹿児島市にもいくつか観光地があり、その最大のものはやはり桜島であり、建造物で言えば、薩摩藩の藩主であり英明で知られた島津斉彬を祀った照国神社や、藩主の別邸を中心とした磯庭園だ。少し足を延ばせば有名な温泉地である指宿もある。こうした場所で、中国、台湾、韓国からの団体旅行客が多く見られるようになった。

 しかし、今回の新型コロナウイルスの感染拡大が起きた。中国で人々が長期休暇となる春節の時期に起きてしまった。この時期は中国から日本に多くの観光客が訪れる。しかし、急遽キャンセルになった。下の記事が示すように影響は大きく深刻だ。

(貼り付けはじめ)

●「新型肺炎、奈良観光に大打撃 人出は「10分の1に」」

2/2() 10:29 配信朝日新聞デジタル

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200202-00000013-asahi-soci

 新型コロナウイルスは奈良の観光にも影響を及ぼしている。奈良県内に住むバス運転手の男性(60代)への感染が判明してから初めての週末を迎えた1日、奈良公園(奈良市)周辺の人出は少なかった。観光バスの出入りは減り、ホテルや旅館ではキャンセルが相次いでいる。

 この日の午前11時過ぎから午後3時半まで奈良公園周辺を歩くと、散策する人の姿はまばら。大勢の外国人観光客がシカにせんべいをやる光景もほとんど見られなかった。例年なら中国の春節にあたり、中国人観光客でにぎわう時期だ。

 鹿せんべいを売る行商組合の男性(58)は「春節なのに、すごく少ない。去年の10分の1くらい。中国人だけでなく全体的に減った感じ。しょうがないですが」と話した。

 中国は感染拡大を防ぐため、1月27日から国外旅行を含む団体ツアーを禁止にしている。翌28日、バス運転手の男性の感染が明らかになった。荒井正吾知事は、男性の運転するバスが奈良公園に1時間ほど立ち寄ったことを明かしたうえで、「県内での感染は想像しにくい」と強調した。

 だが観光客の不安は残る。東大寺や興福寺ではマスク姿の参拝者が目立った。東大寺の近くを家族4人で歩いていた三重県伊勢市の乾智典さん(41)は「子どもがシカを見たいというので連れてきました。ぎりぎりまで迷ったけど、屋外やし大丈夫かなと」

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●「新型コロナウイルスで中国人観光客「40万人減」の可能性」

白井 咲貴日経ビジネス記者 2020130

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00105/013000003/

 新型コロナウイルスの経済面への影響が心配される中、観光業に新たな懸念が出てきた。40万人近い中国人が日本への旅行を取りやめる可能性だ。

 中国人が観光ビザを取得する場合、日本の旅行会社が身元保証人となった「身元保証書」の発行を受ける必要がある。日本旅行業協会(JATA)によると、「127日から3月までに来日する観光客の身元保証書を約40万件発行していた」という。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で中国政府が127日以降の海外への団体旅行を禁止した影響もあり、「100%とは言わないが、ほとんどの人が日本への旅行を取りやめることになるだろう」(JATA)。今後、訪日客が激減する可能性がある。

 日本政府観光局(JNTO)によると、20192月の訪日中国人は約72万人、3月は約69万人だった。23月で仮に40万人近くが旅行を取りやめれば、大きな影響が出るのは間違いない。特に今年は「1月中旬までの身元保証書の発行数は前年を大きく上回って推移していた」(JATA)ため、機会損失は大きい。

 すでに影響も出始めている。大手旅行会社の国内旅行責任者は「取引のある旅館でキャンセルが相次いでいる。中国人客のキャンセルの穴を埋めるため、日本人へ積極的にプロモーションしていく」と話す。

 重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した03年時点で44万人だった訪日中国人は、ビザの緩和やLCC(格安航空会社)の増加などで19年には959万人と20倍以上になった。日韓関係の悪化で韓国人観光客が激減する中、中国人観光客は観光業にとって頼みの綱だった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大により「40万人減」という大きな打撃を受ける可能性が出てきた。観光関連産業の先行きに不透明感が漂っている。

(貼り付け終わり)

 中国政府は中国国民の海外旅行禁止措置を取っており、現在旅行で滞在している人たちもいずれ帰国することになる。今回の新型コロナウイルスの感染拡大がどれほどの影響を持つものなのかは終息してみて、統計上の数字を見て見なければ最終的なことは分からないが、素人が推計をして見てもかなり深刻であることが分かる。日本政府観光局が出している統計データは大変詳細なものであり、参考になる。

※日本政府観光局のウェブサイト上にある統計データ↓

https://statistics.jnto.go.jp/graph/#category--10

2019年の訪日外国人旅行者の合計は3188万2100名だった。2018年は3119万1856名で、約70万名の増加となった。日本の「観光立国」戦略は推進され、成果を上げている。訪日外国人旅行者の平均滞在日数は約5日間、一人当たりの平均旅行支出額(宿泊・飲食・娯楽など)は約15万3000円(2018年)です。2019年も一人当たりの支出に大きな変化がないものとすると、約3200万人の人が平均15万円のお金を使うということになるから、単純に計算すると、合計で約4兆8000億円のお金を日本で使っているということになる。

foreignvisitorsaverageexpendituregrap20112018001

中国からの旅行者は2019年では959万4300名で、全体の約30%を占めている。中国からの旅行者が国・地域別では第1位です。第2位は韓国からの旅行者で、558万4600名で約17.5%、3位は台湾からの旅行者で、489万600名で約15.4%となっている。

foreignvistorstojapannumbersgraph20182019001 

 訪日観光客の80%は東アジア地域、東南アジア地域プラスインドからとなっている。やはり欧米諸国やアフリカ、南米地域からは「日本は遠い」ということになるのだろう。また、アフリカや南米地域には発展途上国も多く、海外旅行を楽しむ余裕がある人も少ないのだろう。

 訪日観光客数上位3名の国々の平均的な訪問客にはそれぞれ特徴がある。例えば、韓国からの訪問客の滞在日数は平均で2.8日、台湾で3.7日となっている。考えてみれば、私たち日本人も韓国や台湾はお手軽な海外旅行先ということもあり、週末の金曜日の夜から日曜日までという旅程を組む場合が多い。逆から考えれば、韓国や台湾からでも日本は週末に訪れることができるお手軽な国ということになるのだろう。

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中国人訪日観光客は平均滞在日数が5.2日で、平均で22万円のお金を使う。その内訳を見ると、買い物に11万円を使うとなっている。私たちが報道などで見る「中国人の爆買い」は統計上の数字でも分かり興味深い。約900万人が22万円のお金を使うというのは、総計すると1兆9800億円を使うということになる。訪日外国人観光客全体で4兆8000億円なので、40%以上を中国人訪日観光客(訪問者数で言えば30%)が占めることになる。中国からのお客さんは「お金を落としてくれる上得意」ということになる。

chinesevisitorsaverageexpenditure2018001

今回の事態で中国からの訪日観光客がどれだけ減るのか分からない。事態がピークを越えた、終息に向かっているとなっても、中国政府やWHO(世界保健機関)が終息宣言を出さなければ、中国の人々が海外旅行に出かけるということにはならないだろう。また、他国からの旅行者も減少するだろう。事態の推移を見なければ分からないが、2021年からは回復傾向になっていくであろうが、今年は厳しいと思っていた方が良いだろう。

今年は東京でオリンピック・パラリンピックが開催される。中国もまたメダル大国であり、中国からたくさんの人々が中国選手の応援に来ることが予想される。そうなると厄介なのが訪日中国人に対するヴィザ発給だ。終息宣言があって、また通常通りということになるだろうか。SARSの事例から、新型コロナウイルスがピークを過ぎるのは今年の5月から6月と予測する医学者もいる。オリンピック・パラリンピックの直前だ。

封じ込めは中国国内から人々が出ないということで行われている。終息宣言が出ても、それではすぐにまたいつも通りとなるかどうか、日中両国政府にとって頭が痛い問題だ。日本政府としては日本国内の世論もあり、医師の健康診断を受け、新型コロナウイルスに感染していないことを示す証明書を中国からの訪問客が提出することを義務付けるだろう。これは訪問予定者にとって手間となり、それなら訪日は諦めようということになれば中国からの訪日客は減少する。

また、オリンピックを機会にして中国以外の国々からの訪日も増えることが予想された。しかし、今回のウイルスの封じ込めがいつまでかかるかに依るが、見込まれていた訪日客は減ることが容易に予想される。アジアを一緒くたにして見る傾向が強い欧米諸国では、人々の間で日本は中国の隣で危険だという心情が残る可能性がある。そうなれば海外向けに発売していたチケットがどうなるか分からない。キャンセルされて、それが再発売されるとなれば、日本国内で売れる。しかし、海外との間でのキャンセルと払い戻し手続きを行い、国内で再販売手続きを行うのは大変な手間となる。
 オリンピックの場合、特定の種目で世界の超一流のプロスポーツ選手が出場する。例えば、バスケットボールではアメリカ代表はNBAのスタープレイヤーたちで構成される「ドリームティーム」となる。サッカーも年齢制限があるものの、こちらも各国を代表する若手のスタープレイヤーが多く出場する。新型コロナウイルスが収束して間もない段階で、東京で開催されるオリンピックに、これらのプレイヤーが出場することをサラリーを払っている所属ティームやリーグが快く送り出すかとなると不透明だ。彼らの身体と技能を高額のお金を出して買っているのはこうしたティームだ。どのように判断するか、そして、プレイヤー自身がどのように判断するか不透明だ。もし、世界のスタープレイヤーたちの出場辞退となれば、せっかくの人気の花形種目の観客席がガラガラということにもなりかねない。

訪日観光客が10%減少した場合、単純計算で約5000億円のお金が日本国内に落ちないということになる。上得意の中国からの訪問客数が仮に半分となれば、1兆円近いお金が落ちないということになる。ここで完璧なシミュレーションなどできないので、何とも言えないが、かなり大きなマイナスの影響が出るということは覚悟しておかねばならない。日本のGDPは約550兆円だ。1兆円程度のお金は大したことではないということも言えるが、観光業にとっては大打撃となる。日本政府は既に観光業に対して影響を緩和する政策を実施すると発表している。私は昨年行った消費増税をいったん中止するというくらいのことを実施すべきだと考える。

 また、中国経済全体の減速は避けられない状況であり、そうなれば世界経済全体も沈滞することになる。日本もその影響をまともに受けることになるだろう。そのことを考え、大規模な対策を打ち出さねば、オリンピック・パラリンピックのお祭り気分もなく、沈滞した1年となってしまう。

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 ヒラリーが9月11日の911事件追悼式典で途中退席し、卒倒する様子が撮影されました。その後、ヒラリー選対がその2日前にヒラリーが肺炎だと診断されていたことを発表しました。これ以降、アメリカ大統領選挙の最大の関心事がヒラリーとトランプの健康状態になっています。

 

 9月11日までも、ヒラリーには健康問題が付きまとってきました。年齢を見て、トランプが70歳、ヒラリーが68歳、日本で言えば、後期高齢者ということになりますから、病気や体の不調が出てくるのは当然ですが、アメリカ大統領という激職では不健康ですから休み休みやりますということは通りません。

 

 考えてみると、1980年代までの大統領は70歳代ということもありました。しかし、1992年にビル・クリントンが当選して以来、ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマと3代続けて若い人たちが大統領になってきました。それに合わせて、それぞれの子供たちが成長し、入学や結婚ということを一緒に体験してきました。アメリカ大統領が若くなったことで、健康問題については選挙戦のテーマにはなりませんでした。

 

このアメリカ大統領の「若者路線」がヒラリーの夫ビル・クリントンから始まったというところが興味深いところです。世代論的に言えば、ベイビーブーマーの最後の輝きということでしょうか。

 

 トランプはこの健康問題をうまく利用しようとしています。テレビの健康番組に出演し、そこで、自分の健康診断書を司会者でもある医師に手渡したということです。その内容は明らかにされていませんし、テレビ番組の中で明らかにされることはないということです。

 

 この診断書を手渡すというパフォーマンスはトランプが自分で考えた演出で、選対としては驚いたことでしょう。しかし、ここまでやれば、診断書が公表されなくても、トランプはオープンで健康だという印象付けが出来ます。

 

 一方、ヒラリーはより詳しい健康診断書を公開するということです。かかりつけ医であるバーダック医師もマスコミ向けに書簡を送り、その中で、「肺炎以外」はとても元気であると書いています。血圧やコレステロール値も発表しました。

 

 こうした動きを受けて、アメリカの有権者がどのような判断を下すのか注目です。

 

(貼りつけはじめ)

 

ヒラリー・クリントンが医療記録を公開(Clinton releases medical records

 

リサ・へーゲン筆

2016年9月14日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/295977-clinton-to-release-medical-records-this-hour-report

 

民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは水曜日、医療記録からより詳しい情報を公開した。彼女の医療記録には、かかりつけ医の「彼女は素晴らしい精神状態にある」とする発言も含まれている。

 

リサ・バーダック医学博士は、先週の金曜日にヒラリーを肺炎と診断し、その後今週になって数回にわたりヒラリーを診察し、「肺炎以外は彼女の肉体は完全に通常状態にある」と発言した。

 

ヒラリーのかかりつけ医師バーダック博士は、「深刻ではない、伝染性のない細菌性の肺炎」があることを発見したと述べた。

 

バーダック医師はマスコミ向けの書簡の中で、「それ以外の診察では、肉体の健康状態は通常通りであり、精神状態は大変素晴らしい」と書いている。書簡は下の部分に掲載している。

 

バーダック医師は「私の全体から受ける印象は、クリントン夫人は健康であり、鼻炎と耳感染症、最近診断した肺炎以外には今年に入って新たに発症した病気は存在しない」と書いている。

 

バーダック医師は「ヒラリー・クリントンは健康であり続けており、アメリカ合衆国大統領として公務に就くことに適している」とも書いている。

 

バーダックは、ヒラリーの最新の健康に関する数値について、「ヒラリー・クリントンンの血圧は最高血圧100、最低血圧70で、脈拍数は70(1分間)、コレステロールは189だった」と語った。

 

バーダックは、ヒラリーの肺炎治療のために処方箋医薬品であるレヴァクインを処方している。

 

ヒラリーの医療記録が出される数時間前、共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは、テレビ番組の「ザ・ドクター・オズ・ショー」の収録中に自身の最新の医療検査の結果を公表した。この番組は木曜日に放送される。

 

ヒラリーが週末に健康に関する事件を起こすまで肺炎という診断を発表しなかったことについて多くの批判や疑問が寄せられるようになっている。それを受けて、トランプは68歳のヒラリーにプレッシャーをかけようとしている。

 

先週日曜日に911事件追悼式典の際に、ヒラリーはふらつき、ヴァンに乗り込むのに苦労した。

 

ヒラリー選対は、卒倒の様子が表面化した後になってようやく、ヒラリーが卒倒した日曜日の2日前に肺炎と診断されたことを発表した。

 

肺炎から回復中のヒラリーは、トランプが大統領職に耐えられるスタミナがあるのかという疑問を呈する中で、より詳細な医療記録報告書を公開すると発言してきた。ヒラリーは木曜日に選挙戦に復帰予定だ。

 

ヒラリーは2013年に医師からの診断書を公表している。これには、2012年の脳震盪から完全に回復していること、血液の凝固についての検査でも陰性だったことが書かれていた。

 

トランプが疑念を呈したことで、ヒラリーの健康に関する様々な噂話が飛び交うようになったが、トランプ自身も彼自身の健康について人々の関心を集める結果になった。

 

公開されたトランプの健康情報は少ない。トランプのかかりつけ医が「彼は最も健康な大統領になるだろう」と書いた書簡だけしかなく、それも多くの批判を浴びた。

 

ハロルド・ボーンスタイン博士は先月、彼は5分で書簡を書き上げたことを認めた。

 

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トランプは「ザ・ドクター・オズ・ショー」で健康診断の結果を公表(Trump shares physical exam results on 'The Dr. Oz Show'

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年9月14日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/295915-trump-gives-dr-oz-physical-results

 

水曜日、トランプはテレビ番組「ザ・ドクター・オズ・ショー」の収録に参加し、その中で自身の最新の健康診断の結果を公表した。しかし、それから数時間後、トランプ選対は、健康診断結果はテレビでは詳しく発表されない予定だと発表した。

 

共和党大統領選挙候補者トランプは、テレビ司会者のメウメット・オズに1ページの自身が先週享けた健康診断結果の要約を手渡した、とCNNは報じた。トランプはオズと彼の健康について話した。

 

この様子は木曜日に放送される予定だ。トランプの健康診断結果の要約は公表されなかった。また、マスコミ関係者は番組収録に立ち会うことを許可されなかった。

 

トランプの健康診断の結果は日中のテレビ番組の中で明らかにされることになるだろう。しかし、水曜日の午前中の段階ではトランプ選対はこうした予想を打ち消そうと必死になっている様であった。

 

トランプ選対の幹部たちは水曜日の朝の段階で、「ドクター・オズとの話ではトランプの健康状態について直接話すことはないだろう。話では、活動的な生活様式やポジティヴな考え方の重要性など一般的な健康問題と健康に関する政治問題に限られるだろう」と語っていた。

 

「ザ・ドクター・オズ・ショー」は、トランプを診察した医師は、ハロルド・ボーンスタイン医学博士だと発表した。

 

ボーンスタイン医師は長年にわたりトランプを診察してきた。昨年、短い書簡を発表し、その中で「トランプはこれまでで最も健康な大統領になるだろう」と書いて物議をかもした。ボーンスタインは、この書簡について、自身のオフィスの外にリムジンを待たせて、5分で書き上げたものだと暴露した。

 

トランプの娘イヴァンカも番組に出演し、トランプが発表した6週間の有給の産休について言及した。

 

「ザ・ドクター・オズ・ショー」への出演は、女性有権者向けのアピールのためのトランプ選対の戦略の一環だ。各種世論調査では、女性有権者の過半数がヒラリーを支持しているという結果が出ている。

 

番組の広報によると、ドクター・オズは1時間以上の対話の中で、トランプを「詳しく問診した」ということだ。

 

ドクター・オズは、トランプに対して、神経の健康、頭と首、ホルモンのレヴェル、循環器の健康維持について話した。

 

ドクター・オズは共和党員で、2008年の大統領選挙ではジョン・マケイン連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)を支持した。

 

トランプの周囲の人々は、ヒラリーが肺炎の診断を受けたことに関してあまりにも秘密主義的だと批判している。それに合わせて、トランプは自身の健康情報を公開し、それを透明性を証明する手段にしようとしている。

 

日曜日にヒラリーがよろけて、ヴァンに乗り込むのに苦労している様子が撮影されたヴィデオ映像が拡散されてからやっと、ヒラリー選対は、その2日前の金曜日にヒラリーが肺炎の診断を受けていたことを公表した。日曜日の出来事以降、ヒラリーは選挙戦を数日休み、木曜日から復帰することになっている。

 

ヒラリーが卒倒し、その後にその前に肺炎の診断を受けていたというニュースが出る前、トランプは先週、健康診断を受けていた。

 

トランプはこれまで繰り返し、大統領職の厳しさを乗り切るための強さとスタミナに欠けていると批判してきた。

 

トランプに近い人々の中には、ヒラリーの健康についての陰謀論に与している人たちがいる。

 

トランプの報道担当カタリナ・ピアソンは先月、ヒラリーは脳の障害が原因で珍しい病気にかかっていると発言した。

 

ヒラリーに近い人々は、最近になって、トランプの健康状態について疑問を呈することでやり返している。

 

オバマ大統領の選対責任者を務めたデイヴィッド・プロウフは火曜日、トランプの体重が有権者にとっての懸念となるかもしれないと発言した。

 

MSNBCの番組に出演したプロウフは「彼は70歳です。彼は、ウィリアム・タフト以来、歴代で最も重い大統領、候補者です。これは言いがかりではありません」と述べた。

 

(貼りつけ終わり)







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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙で私が参考しているウェブサイトに、2008年、2012年のアメリカ大統領選挙で、ニューヨーク・タイムズ紙上で鮮やかな予測を行った、ネイト・シルヴァーの「ファイヴサーティーエイト(FiveThirtyEight)」(http://fivethirtyeight.com/politics/)があります。

 

 ネイト・シルヴァーは、統計学を基にして、いわゆる「ファイヴサーティーエイト・モデル」と呼ばれる方程式を使い、大統領選挙の予測をやっています。現在の最新の結果では、ヒラリー・ヒラリーの勝利確率を69.3%、ドナルド・トランプの勝利確率を30.7%としています。一時期は89%対10%くらいでしたから、トランプが巻き返し、ヒラリーの健康問題で、ヒラリーは大きくつまずいているということになります。

 

 ヒラリーが倒れる前に、ネイト・シルヴァーが共和党支持のお金持ち向けの非公開の講演が行い、そこでは、「トランプにも勝つチャンスはあるが、最終的にはヒラリーが勝つだろう」と述べたということです。

 

 ヒラリーの健康問題という「想定外の」出来事が起きて、シルヴァーはどのような立場を取るのかを注目しています。

 

 ヒラリーの健康問題に関して、民主党の幹部クラスからは、「ヒラリーが病気のために選挙を続けられなくなった場合のプランを練っておくべき」という主張が出ています。

 

 今からでも候補者の差し替えは可能ですが、ヒラリーが亡くなるとか、重病で意志を伝えられない状態になるとか、そういうことにでもならない限り、ヒラリーは何が何でも選挙を続けると言うでしょう。

 

 しかし、「民主党の歴史の中で最弱の候補者」とまで呼ばれてしまったヒラリーではなく、「サンダースが良かったな」「バイデンが良かったな」という人たちは多いと思われます。

 

 ただ、健康不安が世界中に知られてしまった以上、ヒラリーが病気のために選挙戦が続けられなくなってしまうことを想定してのプラン作りは、危機対応の一環として、民主党の組織としては当然やらねばならないことです。

 

 しかし、これが行われてしまうと、ヒラリーの病気は相当深刻なんだと人々に受け取られてしまうことになり、選挙を続ける上では致命的なことになってしまいます。

 

 ヒラリーが窮地に追い込まれた、そういう状況になっています。

 

(貼り付けはじめ)

 

ネイト・シルヴァーが共和党の大口献金者たち向けの非公開の講演を行った(Nate Silver gives GOP donors a closed-door presentation

 

ジョナサン・スワン筆

2016年9月12日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/295469-nate-silver-gives-gop-donors-a-closed-door-presentation

 

ウェブサイト「ファイヴサーティーエイト」を運営するESPNのジャーナリスト、ネイト・シルヴァーが、先週マンハッタンで共和党への大口献金者たちの集まりで、2016年の大統領選挙における激戦州について講演を行った。

 

シルヴァーは、「アメリカン・オポチュニティ・アライアンス」からの依頼と報酬を受けて、講演を行った。このグループは、アメリカ国内でも有数の共和党の大口献金者たちが率いている団体だ。幹部には、ヘッジファンドを経営している大富豪ポール・シンガーとメジャーリーグのシカゴ・カブスのオーナーであるリケッツ一族が含まれている。

 

献金者たちの集まりは9月7日から8日にかけて、有名なシェフであるエリック・リパート経営のニューヨークにあるレストラン、ル・ベルナルディン・プリーヴのダイニングで、大口献金者たちの集まりがあり、そこで、シルヴァーは非公開で講演を行った。

 

会合には40名弱の献金者たちが出席した。また、共和党の職員やストラティジストもその場にいた。出席者によると、水曜日の午後に行われたシルヴァーの講演が2日間の会合のハイライトだった、ということだ。

 

出席者のツイートによると、統計学を駆使するシルヴァーは、一枚のスライドを見せながら、ドナルド・トランプの勝つ確率についてまとめを話した。そのツイートには、次のように書かれていた。「注目点。第一に世論調査の結果では両候補は競っていること、第二に、ヒラリー・クリントンはいまだにリードしていること、第三にトランプは勝つ可能性があること、第四にそれでもヒラリー・クリントンが恐らく勝利するであろうこと」。

 

シルヴァーはその後、ネヴァダ州からフロリダ州までの激戦州の地図を献金者たちに見せた。そして、ファイヴサーティーエイトの編み出したモデルを基にした党派に偏らない分析と予測を披露した。

 

出席者たちは口々にシルヴァーの洞察は傾聴に値するものであると述べた。しかし、彼らは、シルヴァーのウェブサイトに掲載されている様々な形のデータについてはよく分かっていないということであった。

 

シルヴァーの講演に出席したのは、ポール・シンガーとトッド・リケッツ、トランプ選対の財政副委員長のロン・ワイズナー、ミシガン州の大富豪でアメリカでも屈指の政治好きの一族の一員ベッツィー・デヴォス、ケンタッキー州の炭鉱王であり、トランプ支持者のジョー・クラフト、ニューヨークを拠点とする投資家クリフ・アスネスであった。

 

出席者と彼らの一族は、これまで共和党に数億ドルの献金をしてきた。そして、今年の連邦上下両院の選挙で、共和党が両院で過半数を維持するために必要な資金を党に供給するために主要な役割を演じている。

 

シルヴァーにいくら支払われたのか、そして、彼が民主党の大口献金者の集まりで似たような講演を行うのかどうかは不明だ。

 

出席者たちは本誌に対して、シルヴァーは彼らに対して戦略に関しての助言を行うことはなかったと述べた。

 

今回の記事のために、シルヴァーには数回にわたって取材依頼を出したが、返事はなかった。ESPNの報道担当は、この講演の重要性を低く見せようとした。

 

ESPNの報道担当エイミー・フィリップスは次のように語った。「今回の講演は良く行われる形のもので、講演で話された情報と予測はファイヴサーティーエイトのウェブサイトで見ることが出来るものです」。

 

シルヴァーは、2008年と2012年の米大統領選挙に置いて、当時雇用されていたニューヨーク・タイムズ紙のために正確な予測を行い、世界的に有名になった。

 

2013年にシルヴァーとファイヴサーティーエイトはESPNに移籍した。そこで彼は、全米各地の選挙を取材する記者たちを統括している。シルヴァーのウェブサイトは政治からスポーツまでを網羅し、データを主眼とした記事を掲載している。シルヴァーはまた、ABCニュースにコメンテイターとして出演している。

 

38歳になるシルヴァーは、2008年の大統領選挙で当時のイリノイ州選出上院議員バラク・オバマを公然と支持し、それ以来、自分自身の政治信条をリベラルとリバータリアンの中間だとしてきた。

 

高名なジャーナリストが個人的な仕事で収入を高めることは珍しいことではない。シルヴァーと同じくらいのランクのジャーナリストであれば、たいていの場合、講演会で各地を訪問する。その中には非公開のものをやる場合もあるし、労働組合や企業グループの講演会で人前に出ることもある。

 

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民主党全国委員会元委員長がヒラリーの緊急時のプランを立てることを求める(Former DNC chairman calls for Clinton contingency plan

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年9月12日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/295504-former-dnc-chairman-calls-for-clinton-contingency-plan

 

民主党全国委員会の委員長を務めた人物が月曜日、『ポリティコ』誌の取材に対して、「民主党全国委員会は、ヒラリー・クリントンが健康問題のために選挙が続けられずに離脱するケースに備えて、善後策を用意すべきだ」と述べた。

 

ドン・フォウラーは、クリントン政権下の1995年から1997年にかけて民主党全国委員会委員長を務めた。ファウラーは、日曜日の911事件追悼式典後にヒラリー・クリントンがよろけた後に、緊急プランの策定を求めた。

 

ファウラーはポリティコ誌に対して、「この時点で必要なことは民主党を救うために素晴らしい政治指導者たちが一堂に会することだ。そうすれば月曜日の午後6時にはプランはできているだろう」と述べた。

 

ファウラーは、ヒラリーが肺炎から回復することを期待しているとも述べた。ヒラリーは肺炎のために日曜日の式典を途中退席することになった。しかし、民主党全国委員会が他のオプションについて考慮しないのは間違いだとも述べた。

 

ファウラーは「何も準備しないというのは間抜けということになる」と述べた。

 

ヒラリーの側近たちは今週の後半にはヒラリーが選挙戦に復帰するだろうと述べている。

 

ヒラリー選対はすぐにより詳しい医療記録を公開する予定でもある。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 

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 古村治彦です。

 

 私がここ最近のブログ記事で書いてきましたが、ついにヒラリーに健康問題が出てきました。これまでもなんだかんだと言われてきましたが、ついに医師が「肺炎である」と発表しました。ヒラリーのかかりつけ医師であるリサ・バーダック博士は7月末に、甲状腺機能低下と季節性の花粉症はあるが、ヒラリーは健康だと発表していました。しかし、肺炎とう診断を下したという声明を日曜日の夜に発表しました。


 日曜日の日中に行われた911事件(2001年9月11日発生の同時多発テロ事件)の追悼式典で、ヒラリー・クリントンは途中退席し、車に乗り込むときに倒れ込むということが起きました。これによってヒラリーの健康問題が一気にアメリカ政治最大の関心事となりました。


 

倒れ込むヒラリー


90分後に娘チェルシーのアパートから出てくるヒラリー


 バーダック医師がヒラリーを診察したのは金曜日で、この時にヒラリーが肺炎にかかっているという診断を下しました。金曜日には2つの選挙資金集めのイヴェント、国家安全保障関連の会議(これは長時間にわたったようです)、そしてCNNのインタヴューを受けて帰宅後にバーダック医師から診察を受け、肺炎という診断を受けたということです。

 

 日曜日には911事件の追悼式典があることは分かっていたでしょうから、この式典に向けて体調を整えたと思われますが、やはり肺炎ではきつかったものと思われます。熱中症と脱水症状のために途中退席、車に乗るときにふらつくということになりました。

 

 肺炎は恐ろしい病気です。皆さんもご自宅の近くの病院に行かれると思いますが、65歳以上の方向けに肺炎予防の注射を受けましょうという啓蒙ポスターがあります。高齢者になると肺炎が命取りになる場合もあります。ですから、無理をすることは禁物です。しかし、ヒラリーは学生時代はガリ勉少女(勉強し過ぎで視力が悪くなって友達に手を引いてもらっていたという逸話があるそうです)、弁護士時代も猛烈な仕事人間だったそうで、周囲の休息の勧めも聞き入れなかったと思われます。しかし、体は正直です。

 

 911事件の追悼式典途中に退席してふらつくということは、大きな失点です。21世紀のアメリカにとって最大の事件の式典で倒れるということは政治家としてはもっともあってはならないことです。しかし、これが現実に起きてしまったということは、ヒラリーの体力や計画性、そして判断力に対して、アメリカの有権者が大きな疑念を持つことになります。これを払拭することは容易なことではありません。

 

私は2016年8月29日の本ブログ記事「ウィキリークスによるリーク第二弾でヒラリーがどれほどのダメージを受けるか」の中で次のように書きました。

 

「このように一度目の威力を十分に見せつけていますから、民主党側やヒラリー側にとっては十分に脅威となります。恐怖や懸念で神経が消耗するでしょうし、民主党内部や選対内部で、「あいつは裏切り者ではないか」という疑心暗鬼が広がります」

 

 私は、ジュリアン・アサンジのリーク予告が、ヒラリーの神経を痛めつけ、ついに肉体が悲鳴を上げたのではないかと思います。1回目のリークの効果が余りにも大きかったので、2回目をやるということは、ヒラリーと民主党にとっては大きな負担になったものと思われます。

 

 最後にこういうことを書くとオカルトめいてしまいますが、911の追悼式典で倒れたということが余りにも象徴的で、被害者が、自分たちがダシにされて起きたイラク戦争に賛成し、これからもロシアや中国と敵対的な姿勢で臨もうとするヒラリーに不信任を突きつけたということも言えるのではないかとさえ思ってしまいます。

 

 これでヒラリーはかなり不利になりました。私はこれまでアメリカ大統領選挙でヒラリーが有利だと考えてきましたが、今回の事件で、6対4でトランプが有利になったと思います。ただ、ヒラリーが民主党の強い州をきちんと固めている状況ですので、トランプが圧勝するのではなく、僅差になると考えます。

 

(貼りつけはじめ)

 

ヒラリー・クリントンは肺炎にかかり、カリフォルニア州への遊説を取り止め(Clinton has pneumonia, cancels California swing

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年9月11日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/295354-doctor-clinton-has-pneumonia-was-dehydrated-and

 

ヒラリー・クリントンは肺炎にかかったことを日曜日の夜に彼女のかかりつけの医師が声明として発表した。これは大統領選挙の行方を左右しかねない可能性がある

 

ヒラリーの健康は人々の関心の的となってきた。最近では、先週の月曜日にオハイオ州クリーヴランドでの選挙集会で咳をしたことが人々の関心を集めた。

 

しかし、季節性のアレルギーのせいだったとヒラリーが主張していた咳が、金曜日に診断された肺炎のせいであったと思われる。

 

リサ・R・バーダック医学博士は選対を通じて声明を発表した。ヒラリーは、日曜日の911事件から途中退席後につまずく様子をヴィデオ映像に撮られたが、その日の夜にバーダック医師は診察結果を公表した。

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事件の後にチャパクアのヒラリーの自宅で診断し、彼女の卒倒は脱水症状と熱中症を起こしていたとバーダックは発言した。

 

バーダックは、ヒラリーが「水分を補給し、順調に回復している」と述べた。

 

しかし、ヒラリー選対は、マスコミから、マスコミがヒラリーの健康を評価させないようにし、911事件の追悼式典からの退席の際にもマスコミを近づけさせなかったことについて激しく批判された。

 

ワシントン・ポスト紙の政治記者でヒラリー番の記者団のリーダーであるアン・ゲランはCNNマネーに対して次のように語った。「日曜日の911事件の追悼式で起きたことが示しているのは、記者団を近くにいさせることの重要性ということです。そうすることで次のアメリカ大統領になる可能性のある人物の動静をきちんと報道されるのです」。

 

ワシントン・ポスト紙のクリス・シリーザは、先週のヒラリーの健康問題についての「陰謀論」を批判していたが、日曜日には自分の考えを変えたと語っている。

 

シリーザは次のように書いている。「昨日までであれば、ヒラリーとヒラリー選対は健康に関する様々な疑問を笑い飛ばさせただろうが、ヒラリーの“熱中症”のために、彼らはもう笑い飛ばすことは出来なくなった。証拠はないものの彼女の健康が問題だという話が大きくなっている中で、しかも多くのカメラや記者団がいる重要なイヴェントである911事件の追悼式典でこういうことが起きてしまったのだ」。

 

共和党の大統領選挙候補者ドナルド・トランプが、選挙戦におけるヒラリーのスタミナについて常に疑問を呈するようになったここ数週間で、ヒラリーの健康に関する疑問がいくつも出されるようになった。

 

先週、ヒラリーの咳が止まらない姿が映像で流された。その後に、トランプはインタヴューを受け、その中で、もし彼女が医療記録を公表するならば、自分も公表すると述べた。

 

ワシントン・ポスト紙の記者によると、トランプは、ヒラリーが911事件の追悼式典を途中退席したと伝えられたそうだ。しかし、トランプは式典のあった日曜日には何のコメントも発表しなかった。

 

金曜日、バーダック医師はヒラリーを肺炎と診断した。この日、ヒラリーは予定を詰め込んでいた。ブルームバーグ誌の記者ジェニファー・アプスタインによると、ヒラリーは2つの資金集めイヴェントと長時間の国家安全保障関連の会議、そしてCNNのインタヴューを受けていた。


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アプスタインは、ヒラリー選対から、ヒラリーが医師の診察を受けたという話を聞かなかったと書いている。

 

SNS上では多くの人々が、日曜日の事件が起きなければ、ヒラリーの病気は隠されたままだったのではないかという疑いを持っている。一方、ヒラリーを擁護する人々もいる。

 

ヒラリー支持のミシガン州元知事ジェニファー・グランホルムはツイッター上で、「病気を通じて強くなるというのは女性がやってきていることだ」と書いた。


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ブルームバーグ誌の取材に対して、民主党全国委員長暫定委員長ドンナ・ブラジーレは「クリントン前長官が既に気分が良くなっていると聞いてホッとしている。また、早い回復となることを祈っている」と語った。

 

ブラジーレ委員長はまた、「クリントン前国務長官が選挙活動に戻り、勝利への道を歩み続けることを期待する」とも述べた。

 

ヒラリー選対は日曜日の深夜にヒラリー・クリントンのカリフォルニア訪問をキャンセルすると発表した。ヒラリーは月曜日から資金集めパーティーとテレビ番組「エレン」出演のためにカリフォルニア州訪問を予定していた。

 

日曜日にニューヨーク市で開催された追悼式典を退席する際にヒラリーのよろけながら黒いヴァンに乗り込む様子を映した映像はインターネットを通じてすぐに拡散された。

 

ヒラリーの側近たちは、ヒラリー・クリントンが「暑すぎる」と感じ、娘チェルシーの高級マンションの部屋で休憩しようとしたのだと語った。

 

ヒラリーは90分後に姿を現し、記者団に対して、気分が良くなったと語った。その後、ヒラリーはニューヨーク州チャパクアの自宅に戻り、そこでバーダック医師の診察を受けた。

 

バーダック医師は、7月末に発表した文書の中で、ヒラリー・クリントンは、甲状腺機能低下と季節性の花粉症はあるが、「健康」だと述べていた。

 

7月末の文書では、2012年に起きた脳震盪についても言及している。

 

(貼りつけ終わり)










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