古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:自民党

 古村治彦です。

 安倍晋三元首相の銃撃暗殺事件から、日本政治においては、「政治と宗教」のつながりが焦点になっている。具体的には統一教会と政界(主に自民党)のつながりが取り沙汰されている。私は政治家たちがどの宗教を信仰していてもそれは自由であるが、その情報は公開され、有権者へ投票の際の判断材料として提供されるべきだと考えている。それが嫌なら立候補しなければよい。そして、各政党はどの組織からどのような支援を受けているのかを明確に発表すべきだと考えている。これも有権者の判断のためだ。
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 統一教会は反社会的な行動のために多くの裁判で敗訴となっている。霊感商法や正体を隠しての勧誘や脱会の際の強引な引き留めなどが社会問題となり、かつ合同結婚式という、見知らぬ男女が結婚式で初めて会って有無を言わさずに結婚させられてしまうという儀式などのために、危険視されてきた。マスコミでは1980年代から1990年代にかけて報道されたがそれ以降は報道がなくなっていた。しかし、今回の安倍晋三元首相銃撃事件によってクローズアップされ、統一教会が政界に深くかかわっていることが明らかになった。統一教会と政界の接点の中心にいたのが安倍晋三という人物であった。より大きく言えば、自民党と活発な政治活動を続ける宗教を結び付ける存在が安倍晋三元首相だった。
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 安倍晋三元首相は2006年9月に首相に就任した。その前には安倍元首相や日本の右翼勢力の危険性は取り沙汰されていた。日本国際問題研究所のウェブサイトに玉本偉(たまもとまさる)研究員の論稿(英語で書かれた)が掲載された。その論稿は小泉純一郎首相が周囲の反対を押し切って靖国神社参拝を強行し、「ザ・カルト・オブ・ヤスクニ(the Cult of Yasukuni)」勢力が台頭し、また日本が右傾化することで周辺諸国から孤立するという内容であった。この論稿に対して、産経新聞の古森義久(当時のワシントン特別論説員)が新聞で取り上げ批判した。日本国際問題研究所が外務省からの補助金で運営されている団体なのにこのような偏向した内容の論稿を掲載して良いのかという論理で、日本国際問題研究所に「公開質問状」となる記事を掲載した。日本国際問題研究所の佐藤行雄理事長は狼狽し、産経新聞に謝罪文を送り掲載された。そして、玉本研究員をけん責処分俊、研究員の論説記事を全て削除した。

 それに対して、ニューアメリカ財団研究員スティーヴン・クレモンスは『ワシントン・ポスト』紙に「日本の思想警察の台頭」という記事を掲載した。これは日本の右翼勢力が、暴力も使いながら、言論封殺を行っており、その代表例が古森による玉本論文非難だという内容だった。古森はワシントン・ポストに反論文を掲載した。この頃、加藤紘一衆議院議員(当時)の自宅が放火され全焼するなど、右翼勢力による暴力まで用いた言論封殺の動きが活発だった。第一次安倍政権時代の分析については、副島隆彦先生と弟子たちの論文集『最高支配層だけが知っている日本の真実』(成甲書房)に詳しく書かれている。
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 安倍晋三元首相は、神道政治連盟、日本会議(生長の家の学生部から出た組織)、そして統一教会と深い関係を持ち、「政治と宗教」を象徴する人物であった。2006年の第一次政権時代から、右翼的な宗教との関係があり、日本の右傾化を進めたということになる。そして、国民全体がそれを許容した。その結果が現在のような閉塞状況であり、自民党の極端な右傾化、復古主義である。私たちは「カルト・オブ・ヤスクニ」という言葉をしっかりと覚えておかねばならない。これらの宗教団体は一様に日本国憲法の変更を主張し、自民党の憲法草案はそうした主張が多く盛り込まれたものとなっている。戦前への復古を目指す。このような動きについて、今回の安倍元首相銃撃暗殺事件を契機にして、国民に広く周知され、そうした動きが阻止されるということを願う。

(貼り付けはじめ)

神道は長い間日本の政治と絡み合ってきた-そして、安倍晋三はその多くの団体と関わりを持ってきた(Shinto religion has long been entangled with Japan’s politics – and Shinzo Abe was associated with many of its groups

ケイトリン・ウゴレッツ筆(カリフォルニア大学サンタバーバラ校東アジア言語・文化研究科、博士取得候補者)

『ザ・カンヴァセイション』誌

2022年7月18日

https://theconversation.com/shinto-religion-has-long-been-entangled-with-japans-politics-and-shinzo-abe-was-associated-with-many-of-its-groups-186697

ケイトリン・ウゴレッツは、この記事から利益を得るいかなる企業や組織にも勤務したり、コンサルタントとして相談を受けたり、株式を所有したり、資金提供を受けたりはしておらず、学術分野における任命以上の重要な所属についても明らかにしていない。

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安倍晋三前首相の写真の前で献花する人々。安倍晋三元首相の葬儀を前に、弔問に並ぶ人々(2022年7月12日、東京・増上寺にて)。

安倍晋三元首相の狙撃犯とされる山上徹也容疑者は、安倍首相が統一教会として知られる、救世主の登場を約束する新興宗教運動とつながりがあったことが動機だと警察に供述した。

山上容疑者は、母親がこの団体に「多額の寄付(huge donation)」をしていたと説明し、母親を破産させ家庭を崩壊させたのはこの教会だと非難した。2022年7月11日の記者会見で、統一教会の日本支部長は、山上容疑者と安倍元首相は信者ではないが、山上容疑者の母親が信者であることを認めた。

統一教会は1954年、韓国の宗教指導者、故文鮮明(Sun Myung Moon)によって設立された。文鮮明は、家族を救い、世界平和を実現するために、自分はイエスから遣わされたと主張した。彼の信者は一般的に「ムーニーズ(Moonies)」と呼ばれている。

文鮮明は宗教活動以外にも国際的なビジネス取引や保守的な反共産主義の政治に深く関与した。

安倍家と統一教会の政治的なつながりは、母方の祖父・岸信介、父・安倍晋太郎と3代にわたっている。安倍晋三は2021年の時点でも統一教会関連のイヴェントに有料スピーカーとして登場した。

今回の銃撃の背後に考えられる動機は、日本を最も宗教的でない国の一つと見ている多くの人々を驚かせた。日本の宗教を研究対象としている学者として、私は安倍元首相と彼の政党である保守系与党である自民党が、いくつかの宗教的伝統や宗教政党とつながりを持っていることを知っている。しかし、安倍首相と神道との深いつながりがニュースになることはほとんどない。その理由は不明だ。

神道は長い間、安倍元首相の政治の一部であり、今も自民党にとってそうである。

●神道とは何か?(What is Shinto?

神道は、仏教と並ぶ日本の二大宗教の1つだ。多くの宗教的伝統と同様に、神道は人々にとって異なる意味を持つことがある。ある人々にとっては、日本人の中心的な信仰ということになる。また、神道を宗教として捉えていない人たちもいる。

神道は通常「神々の道(Way of the Gods)」と訳される。簡単に言うと、神道は「カミ(Kami)」と呼ばれる神々を崇拝することに焦点を当てた儀式の伝統の集合だ。これらの強力な神々は、作物の成長を助け、人々の健康を守るなど、多くのことに責任があると信じられている。

神道の神々の中には、日本の皇室とつながりのある神々がいることが知られている。特に太陽の女神(sun goddess)である天照大神(Amaterasu)は、日本の天皇や皇后の祖先であり、国の守護神として崇められている。伊勢神宮(Grand Shrines of Ise)は、日本で最も神聖な場所とされている。

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黒いスーツに身を包んだ男たちが一列になって歩く儀式的な行列。日本の中部にある三重県の伊勢市にある伊勢神宮の外宮(outer shrine)を後にする日本の、明仁上皇(2019年4月18日撮影)。

神道の儀式は、日本中、いや世界中の神社の神職が、神とその管轄下にある地域社会の人々のために行うものである。天皇陛下も毎年、五穀豊穣を祈り、即位や退位の際に国民のために神事を執り行う。

神事に参加することが神聖で、精神を高揚させるという人々もいる。また、神社に参拝することは、単に伝統や国の誇りの問題である人々もいる。

●神道との絡み合い(Entanglement with politics

神道は政治や国家と長い間複雑に絡み合ってきた歴史がある。現存する最古の日本の書物は、天皇や公家がその子孫であると主張する神々の神話的な行為を想起させ、彼らの支配を正当化するものであった。

研究者ジョリオン・トーマスは、著書『偽装された自由(Faking Liberties)』の中で、近代日本における宗教のあり方をめぐる100年にわたる議論の中心に神道があったことを明らかにしている。19世紀まで、日本には西洋で考えられているような「宗教(religion)」という概念はなく、日本語で「宗教」という言葉もなかった。しかし、1889年の明治憲法に信教の自由の権利(the right to religious freedom)が盛り込まれると、政府はどのような伝統や集団が宗教的であるかそうではないかを決定しなければならなくなった。

当時、神道は公式に分裂していた。天皇や神である祖先に関する儀式は無宗教の民間の儀式(「国家神道(State Shinto)」と呼ばれることもある)として、それ以外の個人の信仰や実践に関することは私的宗教として分類された。

第二次世界大戦後、アメリカを中心とする連合諸国(the Allies led by the United States)は日本に占領政府(occupation government)を作り、戦後の国家から神道の全てを宗教に分類して分離した。しかし、他の宗教と同様に、神道も日本の政治と関わりを持ち続けた。

日本における重要な団体の一つに、神道政治連盟(Shinto Association for Spiritual LeadershipSAS)がある。神道政治連盟(SAS)は、約8万社の神社が加盟する神社本庁(Association of Shinto Shrines)の政治部門として1969年に設立された。

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黒いスーツを着た3人の男性が先行している神職と他の3人に頭を下げられながら廊下を歩く。2005年8月15日、物議を醸した東京の靖国神社で戦没者への祈りを捧げた後、神職の後を歩く安倍晋三元首相(当時自民党副幹事長)。

研究者のマーク・マリンズによると、ナショナリスト集団の目的は、天皇の権力を増大し、憲法を改め、学校で神道の道徳教育を実施することである。また、日本の過去の軍国主義を象徴する空間として物議を醸している東京の靖国神社への政府関係者の参拝も支持している。この神社では、植民地支配や戦犯を含む戦没者の霊が、神道の神々として祀られている(are enshrined as Shinto deities)。

安倍首相とその政権は、数十年にわたり神道政治連盟(SAS)と緊密に連携してきた。2016年、安倍内閣の閣僚20人のうち19人が神道政治連盟に所属していた。14人は日本会議(Japan ConferenceNippon Kaigi)のメンバーだった。日本会議は、日本を守る会(Society to Defend Japan)などの神道系団体とつながりのある、神道政治連盟とは別の右翼民族主義団体である。安倍首相は日本会議のメンバーであり、特別顧問を務めていた。

安倍首相とその家族は、政府以外の右翼的な宗教プロジェクトにも関連している。2017年、安倍夫妻は超国家主義的な私立神道小学校に関する汚職スキャンダルに巻き込まれた。土地取得のための政府の巨額値引きに疑問が生じ、安倍夫妻は関係を断ち切り、学校の計画は頓挫した。

ナショナリズムとは別に、安倍は環境保護主義など現代神道の他の側面の政治化に貢献した。2016年、彼はG7首脳を、天照大神が祀られている三重県の伊勢神宮内宮(Inner Shrine of Ise)に招待した。この訪問では、植樹式(tree-planting ceremony)が行われた。学者であるアイケ・ロッツは、安倍がこの行事を利用して正当性を獲得し、国家的な公的精神性(national public spirituality)の一形態として神道を推進したと書いている。

安倍晋三は首相在任中も、そしてその後も、各世代の保守派、ナショナリスト、信奉者にとって、神道政治のリーダーでありモデルであった。この遺産は今後も生き続けている。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の博士課程に在籍するケイトリン・ウゴレッツは、日本の宗教、グローバリゼーション、デジタル技術、大衆文化を専門とする研究者だ。博士論文の研究テーマは、世界規模の神道信者のデジタルエスノグラフィーとオンライン神道共同体の成長というものだ。また、デジタル技術とソーシャルメディアの時代における東アジアの宗教の権威、信憑性、帰属意識、革新性に関連する問題にも関心を持っている。ゲームやアニメのプロジェクトで日本の宗教と大衆文化に関するコンサルティングを行った経験があり、ユーチューブ(YouTube)の教育チャンネル「Eat Pray Anime」を主宰している。

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日本の思想警察の台頭(The Rise of Japan's Thought Police

スティーヴン・クレモンス筆

2006年8月27日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/archive/opinions/2006/08/27/the-rise-of-japans-thought-police/7953533b-62bf-482b-b854-acb7436c4dd5/

他の国であれば、政策通の間で繰り広げられる、利害関係の薄い争いに過ぎないかもしれない。しかし、受け入れ可能なナショナリズムを見つけるのに苦労している日本では、最近起こった、新聞の論説委員と一流の外交政策シンクタンクの編集者との間の激しい争いは、はるかに憂慮すべきものであった。公人に対する右翼の威嚇キャンペーンの最新の攻撃は、言論の自由を圧殺し市民社会の後退を招いているのだ。

2006年8月12日、超保守的な(ultra-conservative)産経新聞に所属するワシントンを本拠とする論説委員である古森義久は、日本国際問題研究所(Japan Institute of International AffairsJIIA)が運営するオンライン・ジャーナル「コメンタリー」の編集長である玉本偉の記事を攻撃した。玉本の記事は、反中国的な恐怖を煽り、戦没者を祀る神社への公式参拝に代表されるような、日本における新しい「タカ派ナショナリズム(hawkish nationalism)」の台頭を懸念するものであった。古森はこの記事を「反日(anti-Japanese)」と決めつけ、主要な著者を「極左知識人(extreme leftist intellectual)」であると非難した。

しかし、古森はそれだけにとどまらなかった。小森は研究所の佐藤幸雄所長に対して、小泉純一郎首相が毎年靖国神社(Yasukuni Shrine)に参拝していることに疑問を呈する著者である玉本を支援するために税金を使ったことについて謝罪するよう要求したのである。

驚くべきことに、佐藤は古森の要求に従った。日本国際問題研究所のウェブサイトは日本の外交政策と国家アイデンティティの問題について率直な議論をする場であるべきだという彼自身の声明も含めてもそうだ。佐藤所長は先週、産経新聞の編集部に手紙を送り、許しを請い、「コメンタリー」の編集管理を全面的に見直すことを約束した。

佐藤の古森と産経新聞に対する降伏は息を呑むほどの出来事であった。しかし、日本を覆っている政治的雰囲気の中では驚くには当たらない。最近のナショナリズムの高まりに刺激され、1930年代の軍国主義(militarism)、天皇崇拝(emperor-worship)、「思想統制(thought control)」への回帰を切望する過激な右翼活動家たちが、より主流の世界に進出し、自分の考えにそぐわない人々を攻撃し始めたのだ。

先週、こうした過激派の一人が、小泉純一郎首相の今年の靖国参拝を批判した元首相候補の加藤紘一の実家を焼き払ったばかりだ。数年前には、富士ゼロックスの小林・トニー・陽太郎会長が「小泉首相は靖国参拝を止めるべきだ」と発言した後、自宅を手製の爆弾で狙われたことがある。爆弾は爆発する前に解体されたが、小林は殺害の脅迫を受け続けた。圧力はその効果をもたらした。小林が率いる大企業の連合組織である経済同友会は、小泉首相の中国に対する強硬姿勢や靖国参拝に対する批判を撤回し、小林は現在ボディーガードと一緒に行動している。

2003年、当時の田中均外務審議官は自宅で時限爆弾を発見した。北朝鮮に甘いということで狙われた。その後、保守派の石原慎太郎都知事が講演で、田中に対する攻撃は「自業自得(had it coming)」と主張した。

自由な発想と脅迫が対峙する(free-thinking-meets-intimidation)もう一つの例は国際的に尊敬されている慶応大学の名誉教授の岩男寿美子である。昨年2月、日本の多くが女性の皇位継承を支持する用意があることを示唆する論文を発表した後、右翼活動家が彼女を脅迫した。彼女は主張の撤回を発表し、現在は身を隠していると伝えられている。

このような過激な言動は、過去に起きた不穏な響きを呼び起こす。1932年5月、犬養毅首相は、満州における中国の主権(recognition of Chinese sovereignty over Manchuria)を認め、議会制民主政治体制(parliamentary democracy)を堅く守ることに反対した右翼活動家の一団によって暗殺された。第二次世界大戦後、右翼の狂信者たちは主に影に隠れていたが、日本の国体(national identity)、戦争責任(war responsibility)、皇室制度(imperial system)に関する微妙な話題に近づきすぎたり、公然と発言したりする人々を脅かすことはあった。

今日の右派による脅迫について憂慮すべき重要な点は、それが機能していること、そしてそれがメディアの中に相互主義を見出したことである。産経新聞の古森は、最近の事件の犯人たちと直接の関係はないが、自分の言葉が頻繁に彼らを動かしていること、そして彼らの行動が自分の発言に恐怖感を与える力を与え、彼らが議論を封じるのを助けていることに気づいていないことはないだろう。更に悪いことに、日本の現首相である小泉純一郎も、来月の選挙で後継者となるであろう安倍晋三も、日本の主要な穏健派の言論が自由に表現されることを抑圧しようとする人々を糾弾するようなことは何も言っていない。

脅迫のケースはまだまだたくさんある。私はここ数日、日本のトップクラスの学者、ジャーナリスト、政府の公務員など数十人と話をした。彼らの多くは、右派からの暴力や嫌がらせを恐れて、数々の事件について公に言及しないよう私に懇願してきた。ある政治評論家は私にこう書いた。「右翼が私の書くものを監視し、さらに問題を起こそうと待ち構えているのは知っている。このような人たちのために時間やエネルギーを無駄にしたくない」。

日本にはナショナリズムが必要だ。しかし、健全なナショナリズムが必要だ。タカ派的で過激なものではないナショナリズムが必要だ。最近、こうしたタカ派的で過激なナショナリズムのために、この国で最も優秀な人たちの多くがその見解を明確に示すことができない状態を余儀なくされている。

スティーヴン・クレモンス:ニューアメリカ財団American Strategy Program)アメリカ戦略プログラム部長兼日本政策研究所(Japan Policy Research Institute)共同創設者。

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私は過激派を支持しない(I Don't Back Extremists

2006年11月11日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/archive/opinions/2006/11/11/i-dont-back-extremists/f78707dc-62cb-4715-b224-89621adb50d1/

「日本の思想警察の台頭」(8月27日)という記事の中で、筆者スティーヴ・クレモンスは私の誠実さに対する攻撃を行い、また重要な事実についても間違っている。クレモンスの発言と事実は次の通りである。

クレモンス氏:産経新聞と古森義久は、「1930年代の軍国主義への回帰を切望する極右活動家の過激化したグループ」と何らかの形で連携している。

私の回答:産経新聞は毎日220万部発行されている日本の主流な新聞である。産経新聞も私もそのような活動家たちとは全く関係がない。

クレモンス氏:小森氏は「自分の言葉がしばしば彼ら(テロリスト)を活気づけ、彼らの行動が今度は彼の主張に対して恐怖感を煽る力を与え、彼らが議論を封じるのを助けることを認識していないことはないだろう」。

私の回答:クレモンス氏は、私が意図的にテロ行為を鼓舞しようとしていると非難している。彼はこの主張に対して何の立証もしないし、することもできない。要するに、産経新聞も私もそのような行為を糾弾し、反対しているのである。

産経新聞は、小泉純一郎首相の政敵である加藤紘一の自宅を放火した事件を厳しく非難している。

小泉純一郎首相の政敵である加藤紘一の自宅を放火した事件では、加藤自らが編集部に感謝の言葉を述べている。

クレモンス氏:古森氏は表現の自由を抑圧した。

私の回答:私は、政府の出資する研究所が、海外の読者に向けて、政府の政策や指導者について、非常に意見の多い批判や誤った報道を英語で発信していることを報道した。私は言論の自由を強く支持しており、政府が出資している客観的であるべき政策研究機関がこのような攻撃を助長していることを国民に知らせることもその一つだ。クレモンス氏が主張するように、私は誰かに謝罪やその他の行動を要求したことはない。

古森義久

編集委員

産経新聞、東京

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 安倍晋三元首相の銃撃暗殺事件から約2週間が経過した。岸田文雄首相は安倍元首相の「国葬」を9月に執り行うと発表した。自民党の茂木敏充幹事長は国葬反対の国民の声を「承知していない」と切り捨てた。根拠となる法律もなく、国会で審議を行うこともなく、閣議決定のみで国葬を強行している。そのような強行突破での実施が死者を悼む行事となるのかどうか甚だ疑問だ。

 安倍元首相を銃撃したとして殺人容疑で逮捕された山上徹也容疑者の供述から、自民党と統一教会の関係に人々の関心が集まった。強引な勧誘や実質的な献金強制、それに合同結婚式などが日本で報道されたのは1980年代から90年代にかけてであった。その当時、一家離散の悲劇に苦しむ人々や全財産を失って悲嘆にくれる人々の姿が報道された。現在、「信教の自由で不幸になるのは自己責任だ(自由権)」という一般論を並べ立てながら、統一教会を遠回しに擁護する論調がマスコミ(五大新聞社と五大テレビ局)でも流されていたが、その実態に再び焦点があてられることで少しずつ消えているようだ。

 統一教会の問題点はそのカルト性と政治への接近の2つが挙げられる。カルト性については1980年代からずっと報じられてきた。しかし、実生活では、統一教会と名乗らずに別の名前の団体として人々を勧誘し、最終的には信者にしてしまうということが起きている。私の学生時代には過激派(革マル派)が学生自治会を牛耳っており、立て看板、ビラを通じて、「統一教会、原理研には気をつけろ」という警告を盛んに出していた。私は「革マル派に入るのだって危ないではないか」と思いながら、ビラを流し読んでいた。ただ、当時の報道(1990年代)もあって気を付けるようにはしていた。

 統一教会の政治との関わり、特に自民党との関わりは、「政治の玄人」「政治のプロ」のような人々からの話からの知識として知っていた。「自民党の議員事務所には統一教会系の統一日報が置いてある」「無給のスタッフを各議員事務所に派遣している」「選挙の動員などにも協力している」といったことは聞いていた。また、アメリカの日本研究分野の大物であるリチャード・J・サミュエルズの『マキァヴェッリの子どもたち』という日本とイタリアの19世紀以降の歴代指導者の比較研究では、岸信介、文鮮明、笹川良一の関係について言及されている。

 韓国発祥の統一教会が現在のような巨大な宗教帝国となったのは、日本の資金のおかげである。日本からの資金が全体の7割を占めるということは、日本以外の国々では強引な献金や霊感商法は行っていないということになる。日本の統一教会は集金マシーンとなっている。そこには日本による植民地支配の歴史を絡めての「贖罪意識」を刺激しての集金ということもあるようだ。そして、自民党との大物政治家たちのつながりを誇示することで、統一教会はその「正当性」を人々にアピールしてきた。その代表格が安倍晋三元首相だ。

 山上徹也容疑者のものと思われるツイッターアカウントが発見され(現在は凍結中)、その中で、山上容疑者が安倍晋三元首相を支持する「ネトウヨ」的な書き込みが多くなされていることが明らかにされた。それなのにどうして安倍元首相を銃撃するに至ったのかということであるが、自分の家族を崩壊させた統一教会と安倍元首相との間に緊密な関係があることを知った、最初は教団の最高幹部を狙ったが攻撃が不可能なので安倍元首相に標的を変えたということになっている。ここのところはより緻密な分析が必要であろう。

 統一教会にとって日本と自民党という存在は宗教帝国として拡大していく上で欠くことができない存在となった。結果として、統一教会が自民党に対する影響力を持つまでに至ったということも言われている。しかし、より直接的に言えば、日本人の膏血を絞ることで肥え太った統一教会との関係を清算せずにずっと持ち続けた日本人が日本の国民政党たる資格があるのか、ということだ。彼らが述べる「家族・家庭の重要さ」「国民の生命財産を守る」という言葉は何の意味もなく、空虚なものでしかないということになる。

(貼り付けはじめ)

安倍元首相と日本が文鮮明の統一教会にとっていかに重要な存在になったか(How Abe and Japan became vital to Moon’s Unification Church
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安倍晋三元首相を暗殺した容疑者は、安倍元首相が母親の金銭トラブルの原因とされる宗教団体と関係があったため、恨んでいると警察に語ったとメディアは報じている。(キヨシ・オオタ/ブルームバーグ・ニューズ)

マーク・フィッシャー筆

2022年7月12日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/12/unification-church-japan-shinzo-abe/

悲嘆にくれる高齢者たちをターゲットにした訪問販売戦術を用いて、そして著名な政治家の育成などで、統一教会は何十年もかけて、日本を最も信頼できる利益の中心地として確立してきたと、故文鮮明牧師の多くの部門を持つ精神的・経済的世界帝国を調査分析する捜査官たちは口々に語る。

今、安倍晋三元首相を暗殺した容疑者は、自身の母親の破産を宗教団体のせいだと考えていると警察に話し、統一教会が犯人の母親が日本支部の会員だったことを確認した後、日本において長い間論争の的になっていた統一教会の役割について再び精査される状況になっている。

日本国内での報道によれば、銃撃の容疑者である山上徹也は、母親が宗教団体に大金を寄付するよう圧力をかけられ、経済的に破綻したと警察に供述しているということだ。

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7月8日の奈良での暗殺現場で、警備員にタックルされる安倍元首相狙撃容疑者の男。(読売新聞社/ロイター経由)。

統一教会の日本支部を運営する田中富広会長は月曜日の記者会見で、山上容疑者の母親は1998年に入信し、その後一時的に退会し、今年になって復帰したと述べた。教会幹部は、母親が団体に献金していたという情報はなく、山上容疑者自身が教会に所属していたという記録もないと述べた。警察はまだその宗教団体名を明らかにしていない。

火曜日、日本のメディアは、奈良の統一教会の建物のファサードから弾痕が発見されたと報じた。日本のテレビ局であるフジニューズネットワークによると、山上容疑者は安倍元首相を撃つ前にそこで銃のテストをしたと捜査当局に語ったという。

統一教会は日本で数十の教会を管理しており、奈良の教会もその一つで、安倍元首相が金曜日に銃撃された場所から数百メートルしか離れていない。

安倍元首相は他の多くの世界的指導者と同様に、統一教会関連のイヴェントに有料スピーカーとして出演していたが、最近では9月にドナルド・トランプ元大統領も出演した番組に出演し、ヴィデオリンクを通じて講演を行った。

トランプ前大統領は文鮮明の未亡人であり、統一教会で「真の母(True Mother)」として知られる韓鶴子が主催した「希望の集会」で、彼女を「偉大な人物」と呼び、「世界中の平和のための彼女の驚くべき仕事」を賞賛した。彼は文鮮明夫妻に感謝の言葉を述べた。「彼らが地球全体に引き起こしたインスピレーションは信じられないほどだ」。 文鮮明は2012年に死去し、それ以来、彼の妻と子供たちは彼のビジネスや他の組織の支配権をめぐって争ってきた。

安倍首相はトランプ大統領が出演した同じ番組で、韓鶴子に「世界の紛争解決、特に朝鮮半島の平和的統一に向けたあなたのたゆまぬ努力に深く感謝する」と表明した。

自らを救世主(messiah、メシア、メサイア)と称する文鮮明は、イエスから地上での活動を継続するよう指示されたと説いた。

その歴史を通して、文鮮明の教会とその関連団体は、世界の政治指導者、有名人、他の宗教の著名な聖職者たちを講演に招くために高額の謝金を支払ってきた。これは、統一協会を有名で尊敬される人物と関連づけることによって信用を勝ち取るための長年のキャンペーンの一部である。

アメリカ国内と世界各地で文鮮明のビジネスと政治的な行動について長年研究してきたラリー・ジリオックスは土曜日に次のように述べた。「彼らは自分たちに正当性を与えてくれる人になら誰にでも金を出す。大きな名前(有名性)は小さな名前を次々と引きつけ、地元のベンチャー企業を助けることができる」。

具体例を挙げる。1990年代半ば、ジョージ・HW・ブッシュ元大統領やジェラルド・フォード元大統領、コメディアンのビル・コスビー、ソ連のゴルバチョフ元書記長などが、日本とワシントンで開かれた文明性主催の会議で講演を行った。ブッシュは、あの世での愛する人の幸せを保証するために何百万ドルも寄付するよう圧力をかけられたとして、統一教会と文氏が経営するハッピーワールド社を訴えた何千人もの日本人に対して、日本の裁判所が1億5000万ドル以上の賠償金を認めた数ヶ月後に講演を行った。

(ワシントン・ポスト紙が彼の出演について報じた後、ブッシュは当時一般的に8万ドル程度だった講演料を慈善団体に寄付することにした)

学者や政府の調査員たちによる統一教会に関するいくつかの研究によれば、60年代以上にわたり、統一教会とその様々な分派は、アメリカを含む世界各地の事業を助成する収益センターとして日本に依存してきたという。

『ワシントン・タイムズ』紙や他の多くの国でのメディア事業など、文鮮明の最も有名な構想のいくつかが損失を出しても、統一教会は主に「霊的販売(spiritual sales)」と呼ばれるものに基づく強力な収益源を日本部門に期待することができた。

かつて統一教会員で、その後精神衛生カウンセラーになり、破壊的カルトについての本の著者でもあるスティーヴ・ハサンは土曜日次のように述べた。「日本の統一教会員たちは、死亡記事を詳しく調べ上げ、亡くなった人の家族の家のドアをノックして、『亡くなったあなたの愛する人が私たちと通信している。その人は銀行に行って、あなたの愛する人が霊界で昇天できるように統一教会にお金を送ってほしい』と述べた。このような行動をしてきたの

統一教会のルーツは韓国だが、統一教会を研究してきた複数の歴史家の研究によれば、伝統的に教会の富の70%を提供してきたのは日本であったという。日本の元教会幹部はかつてワシントン・ポスト紙に、文鮮明の組織が1970年代半ばから80年代半ばにかけて、日本からアメリカに8億ドルを送金したと語った。

統一協会の元幹部ロン・パケットは1997年にワシントン・ポスト紙に次のように語っている。「文鮮明は韓国と日本からマンハッタン・センター(ニューヨーク市にある教会の主要施設の一つ)に現金の入った袋を何百と送ってきた。そのお金がどこから来るのかと尋ねるといつも答えはただ『お父様から』というものだった。統一教会員たちが使う「お父様」とは文鮮明を意味する。

日本では長年、統一教会信者たち(Unificationists)が高麗人参や、文鮮明が韓国で経営する会社で作られた石塔のミニチュアなどの宗教用品を売る光景をよく目にした。統一教会信者たちは、その商品に霊的な力が宿っていると主張し、日本では集団訴訟に発展し、数百人が示談を勝ち取った。

日本の小政党であるNHK党の黒川敦彦代表は、先月のテレビ放送で、統一教会は「反日カルト」であり、1958年に統一教会が日本に最初に進出したのは安倍首相の祖父である岸信介元首相のせいであると述べた。文鮮明は1975年に日本で最初の新聞を創刊し、その後すぐに彼の特徴である信者の集団結婚を日本に持ち込んだ。

前述のハッサンによると、文鮮明の神学では、彼の母国である韓国は世界を支配する運命にある支配者民族の故郷である「アダム」の国であり、日本は韓国に従属する「イヴ」の国であるという。統一教会では、イヴがサタンと性的関係を持ち、人類を堕落させ、文鮮明が人類を救済するようになったと教えられている。

文鮮明の未亡人である韓鶴子は現在、統一教会の正式な後継団体である「世界平和統一家庭連合(Family Federation for World Peace and Unification)」を統括している。文氏の息子亨進(ヒョンジン、通称:ショーン)が立ち上げた対抗組織も、日本に進出している。ペンシルヴァニア州ニューファンドランドに拠点を置く世界平和統一神殿(World Peace and Unification Sanctuary)は、「鉄の棒の牧師たち(Rod of Iron Ministries)」として知られ、AR-15アサルト銃は「攻撃的な悪魔の世界から身を守るため」の宗教儀式に重要な役割を果たすと説いている。

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2018年2月、ペンシルヴァニア州ニューファンドランドにある世界平和統一聖堂で、装填されていない武器を手にする礼拝者たち。

ヒョンジンの兄クックジン(國進、通称ジャスティン)は教会界で「真の息子(True Son)」と呼ばれ、ペンシルヴァニア州グリーリーに武器製造会社カー・アームズ社(Kahr Arms)を所有し、2010年に父親から日本に派遣され、教会の法的地位を剥奪しようとする動きに反発した。

國進はその年の演説で次のように述べた。「警察が私たちの教会に対してかなり大規模な捜査を行っていたので非常に困難な時期だった。警察は私たちの教会を徹底的に調査した。彼らは私たちの教会のメンバーを逮捕し、私たちの教会を捜索していた。それも1つや2つの場所だけでなく、多くの場所で捜索が行われた」。

演説の中で、國進は、教会が日本人に、亡くなった、愛する人の霊を救うために多額の寄付をするよう圧力をかけていたことを否定した。彼は、日本における教会の大口献金者の多くにインタヴューしたことがあると述べた。國進は「私は彼らに、“何があなたをそんなに寄付する気にさせるのですか”と尋ねた。そして、非常に多くのケースで、兄弟姉妹は、先祖がやってきて、そうするようにと言ったと私に言ってくれたのだ」と述べた。

※東京を拠点とするジュリア・ミオ・イヌマは本記事の作成に貢献した。

※マーク・フィッシャー:上級編集員。様々なテーマを網羅。ワシントン・ポスト紙のエンタープライズエディター、ローカルコラムニスト、ベルリン支局長を経て、メトロ、スタイル、ナショナル、海外デスクで30年にわたり、政治、教育、ポップカルチャーなど、さまざまな分野を取材してきた。 ツイッターアカウント:@mffisher

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。

 2022年7月10日に第26回参議院選挙の投開票が実施された。結果は自民党が改選前議席(55議席)から8議席を増やして63議席増やして大勝ということになった。公明党は1議席減らして13議席となったが、「与党で過半数」という岸田文雄元首相が掲げた勝敗ラインを超えることになり、岸田首相は初めての国政選挙で勝利した。自民党は非改選55議席と足して、参議院で118議席(参院全体で248議席・過半数は125議席)となった。公明党は非改選14議席と足して27議席となり、自公連立与党で145議席(3分の2の議席数は165議席)となった。
2022upperhouseelectionresults20220711511

 「与党系野党(ゆ党)」の日本維新の会は改選前6議席から6増の12議席となり、参院全体では非改選と合計して21議席となった。憲法の変更を進める勢力これで166議席となり、3分の2を超えた。新たに与党系野党の仲間入りをした国民民主党は改選前7議席から2減の5議席となり、非改選と合わせて10議席となった。与党系はこれで176議席となった。参院全体の7割を与党系が占め、「大政翼賛会」体制が盤石なものとなった。
2022upperhouseelectionresults20220711512

 野党第一党の立憲民主党は惨敗だった。開戦前23議席から6減の17議席で、非改選と合わせて39議席となった。共産は改選前6議席から2減の4議席で非改選と合わせて11議席となった。れいわ新選組は改選0議席から今回3名が当選し、非改選と合わせて5議席となった。社民党は現有1議席を確保した。政党要件である得票率2%を確保した。NHK党、参政党は1議席ずつ獲得し加えて政党要件を突破した。NHK党は2議席を持つことになった。
2022upperhouseelectionresults20220711513

 自民党大勝、安倍晋三元首相の暗殺が大きく影響と考えられるが、私はそれについては疑問を持っている。下記2つの記事を参考にしてみていきたい。投票率について言うと、前回の衆院選の投票率は55.93%で、今回の参院選が52.05%だったことから、投票に行った人の数は減っている。安倍氏への弔意を示すためならば、投票率が挙がっても良さそうなものだが、選挙に行かないという決定をした人が前回衆院選よりも増えたということになる。最近の酷暑も外出をためらわせることもあっただろう。しかし、期日前投票は過去最高を記録したということで、組織票関係は日曜日の前に既に済ませるということになっているのだろう。

 また、各政党の比例における得票数と得票率を見ると、以下の通りとなる。

・自由民主党

衆院選:1991万4883票(34.7%)→参院選:1825万8791票(34.4%

・公明党

衆院選:711万4282票(12.4%)→参院選:618万1431票(11.7%

・立憲民主党

衆院選:1149万2094票(20%)→参院選:676万9789票(12.8%

・日本維新の会

衆院選:805万830票(14.0%)→参院選:784万5985票(14.8%

・日本共産党

衆院選:416万6076票(7.3%)→参院選:361万8342票(6.8%

・国民民主党

衆院選:259万3396票(4.5%)→参院選:315万9110票(6%

・れいわ新選組

衆院選:221万5648票(3.9%)→参院選:231万9159票(4.4%

・参政党

衆院選:0票(擁立せず)→参院選:176万8349票(3.3%

・社民党

衆院選:101万8588票(1.8%)→参院選:125万8621票(2.4%

NHK

衆院選:79万6788票(1.4% ※当時の名称は「NHKと裁判してる党 弁護士法72条違反で」)→参院選:125万3875票(2.4%

 自民党は横ばい、公明党はやや減少というところだ。全体で一人負けとなっているのが立憲民主党だ。得票率を4割減させ、日本維新の会に逆転されている。しかし、日本維新の会も横ばいである。現職がいる大阪と兵庫で勝利を収めたがその他の地域では浸透できず、東京でも敗北した。ここが一つの最大拡大圏ということになるだろう。国民民主党、社民党は投票率が下がった中で得票数、得票率を上げている。国民民主党はこれから「ゆ党」として存在感を増していくだろう。第二経団連と化した連合にとっては支持しやすい政党が出来た。連合の存在意義が問われるが現在の状況では御用組合、第二経団連以上の存在にはなれないだろう。

 こうしたことを考えてみると、国民は政治に関心を失い、とりあえずということで、自民党に入れているということが考えられる。「これまでもずっと自民党だったし今回もそしてこれからも自民党」という惰性が働いている。安倍晋三元首相の「弔い合戦」にすらならなかった。それこそは日本政治の危機と言えるだろう。

(貼り付けはじめ)

●「安倍氏の遺志継ぐ」自民が大勝。立憲は苦戦、議席を伸ばしたのは“あの党”だった【参院選の結果まとめ】

吉川慧

『ビジネス・インサイダー』誌

Jul. 11, 2022, 09:40 AM 政治31,777

https://www.businessinsider.jp/post-256460

2022年の参院選のポイント10

自民単独で改選議席の過半数、与党で参院全体の過半数超え

改憲4党で改憲発議に必要な参院全体「3分の2」超え

立憲は公示前勢力を下回る

日本維新の会が議席増

公明、共産、国民は議席減

れいわ新選組は議席増、山本太郎代表が当選

社民党は政党要件維持、福島瑞穂党首が当選

NHK党も政党要件維持、「ガーシー」が当選

政治団体「参政党」が比例で1議席、比例得票2%超えで国政政党へ

女性当選者が過去最多の30

改選125議席を争った第26回参院選が1031日投開票され、自民党が単独で63議席(選挙区45・比例18)を獲得し、改選議席125の過半数を占め、大勝。公示前111議席から119議席となった。一方、野党第1党の立憲民主党は現有議席を下回った。NHKなどが開票速報で伝えた。

参議院の非改選を含めた定数は248。今回は改選124議席と神奈川選挙区の補欠選挙を合わせて125議席を争った。

岸田文雄首相は勝敗ラインについて「与党で過半数」と述べていたが、それを上回った。

また今回の選挙で憲法改正に前向きな自民・公明・日本維新の会・国民民主党の「改憲4党」が参院全体の3分の2166議席)を超える177議席となった。

今回の参院選で、投開票2日前の78日、奈良市で演説中の安倍晋三元首相が銃で撃たれ死亡した。首相経験者が殺害されたのは戦後初めてのことだ。

首相経験者の現職国会議員が凶弾に倒れた異例の事態に、与野党を問わず「民主主義に対する攻撃だ」と非難の声が挙がった。

翌日の選挙戦最終日となる9日、東京・銀座四丁目交差点で開かれた自民党の街頭演説会。演説開始前には安倍氏への黙祷が呼びかけられた。街宣車と聴衆の間には距離がとられ、SPや警察官が列を形成して目を光らせていた。

党の選挙スタッフは喪章をつけていた。SPと見られる人が選挙スタッフに「自民党さん?喪章をつけてください」と声をかけている場面も。喪章は関係者を見分ける意味合いもあるようだった。

応援弁士は「テロに屈することなく選挙を戦い抜く」「絶対に負けられない戦い」「安倍氏の遺志を継ぐ」と話し、候補者も「安倍先生の思い描いた未来を引き継いでいかなければ」(東京選挙区・生稲晃子氏)など、安倍氏の遺志を引き継ぐ姿勢を鮮明にし、有権者に投票を訴えていた。

立憲・泉代表「右と左に野党が分かれている」 党勢立て直しが急務

立憲民主党は公示前45[改選23]で、今回獲得したのは17議席(選挙区10・比例7)にとどまった。新勢力は38議席。野党第1党は維持したが、現有を下回る苦戦。比例の得票は維新を下回った。党勢の衰退になかなか歯止めがかからない。

3年前と6年前の参院選では、立憲などの野党は321人区で原則候補者を一本化し、与野党対決に持ち込んだ。

今回は「32人の1人区が大事だと考えていた」(西村智奈美幹事長)としながらも、野党統一候補の調整ができたのは11選挙区にとどまった。

結果、野党系候補は1人区で428敗。新潟の森ゆうこ氏など著名な議員が議席を失った。小沢一郎氏の地元の秋田でも現職が敗北し、自民党が30年ぶりに議席を獲得した。

泉健太代表は10日の会見で「共闘すれば勝てる、しなかったから勝てないという単純な話ではない」とは言うものの、1人区は選挙全体の勝敗をカギを握るとされる。このままでは政権交代は遠のくばかりだ。

激戦の東京選挙区(6人区)では蓮舫氏が現有議席を確保。ただ、過去の選挙ではトップ当選だったが今回は4番手。NHKで当確が出たのは午後9時前後だった。

泉代表の地元である京都選挙区(2人区)では、自民や維新の新人と激しく争った福山哲郎前幹事長が議席を守った。

蓮舫氏は党への支持が広がらなかった理由について「何をやりたい政党なのか何をしてくれる政党なのかメッセージ性が薄かったと思う」と話した。

共産党との共闘を嫌う立憲の支持団体の一つ「連合」との足並みの乱れも垣間見えた。

2月、連合は今回の参院選の基本方針で、支援政党を明記しないという異例の方針を決めた。さらに1人区で立憲と国民民主党が競合することを容認した。立憲と国民民主党の間で一人区での候補者調整が進まなかったことで、組織の分裂を防ぐ目的があった。参院選を控え、自民党も連合に接近。野党勢力の分断を図る狙いが伺えた。

連合との距離感について、泉代表は10日の会見では「現場では惜しみない支援があり、勢いをつけていただいた」「政党自身が積極的に支援してもらえるよう、政治の側こそ努力すべきことがある」と連合への感謝を述べた。

かつて泉代表が「兄弟政党」と語ったことがある国民民主党(代表:玉木雄一郎氏)との関係については、こう語った。

「現場では生活者目線の物価対策、働き方改善、賃上げなど一緒に訴えるという環境は全国各地、地域地域の中には存在していると思う。そうした声を両党の本部は重く受け止めなければならない」

「働く人の立場を守るためにどう行動してくべきか、両党の執行部は真剣に考える時が来ている」

いずれにしろ、党勢の立て直しが急務となることは、泉代表も痛感しているようだ。

泉代表が「6年前の選挙と野党の状況は随分変わった。右の野党、左の野党にわかれ、それぞれがまとまれない状況が続いている」と述べるように、自民党に対抗できず、野党間のつぶしあいで存在感を発揮できない状況が続いている。

ただ、今後も自らが党の立て直しを図る意思を示し、党代表からの辞任は否定した。

維新「1521」へ議席増

野党第1党の立憲が議席を減らした一方、昨年の衆院選に続いて議席を増やしたのが日本維新の会だ。

公示前は15議席[改選6]だったが、今回は12議席を獲得。比例だけで見れば得票は立憲を上回る野党第1党に。新勢力は21議席と躍進した。

ただ、選挙区は4議席にとどまり東京などでは敗北。関西圏では強いが全国政党となるには課題もありそうだ。松井一郎代表は10日の会見で「躍進という結果ではない。少し期待値が上がったのかな、という受け止めだ」と述べた。

また松井代表は「次の代表に引き継ぎたい」として党代表を辞任する意向を示した。すでに20234月の大阪市長の任期満了とともに政界引退の意向も表明しており、世代交代を図る方針だ。

比例区では現職の石井苗子氏、新人の松野明美氏や中条きよし氏、元都知事の猪瀬直樹氏らが当選確実となった。

れいわ議席増、社民は政党要件維持、NHK党は「ガーシー」当選

その他の党の情勢をNHKの開票情報から見てみよう。

自民党と連立を組む公明党は公示前28[改選14]で、今回13議席を獲得。1議席を失い、27議席となった。

共産党は公示前13[改選6]議席で、今回は4議席を獲得。2議席減の11議席となった。激戦の東京選挙区(6人区)では現職の山添拓氏が3番手で当選。議席を守った。

国民民主党は公示前12[改選7]議席で、今回は5議席を獲得。新勢力は2議席減の10議席となった。

公選法上の政党要件を維持できるか、党の存亡を賭けた戦いと位置づけて戦った社民党は、共同通信によると比例区で2%を得票してなんとか政党要件を死守。全国比例の福島瑞穂党首が5回目の当選を果たし、公示前の1議席を守った。

れいわ新選組は山本太郎代表が東京選挙区で当選し、国政に復帰。比例では重度障害がある天畠大輔氏、コメンテーターの水道橋博士氏も議席を獲得し、公示前2議席から5議席に勢力を伸ばした。

NHK党は比例で1議席を獲得し、公示前勢力と合わせて2議席に。政党要件も維持した。YouTubeで「ガーシー」を名乗り、芸能界のスキャンダル話の暴露で話題を集めた東谷義和氏の当確も伝えられた。

政治団体「参政党」が比例で1議席、国政政党へ。

今回の参院選で新たに議席を得たのが、政治団体の参政党だ。比例で1議席を獲得。公選法上で政党要件を満たす得票率2%を超えることが確実となったと共同通信が伝えた。

参政党は自民党からの出馬経験がある元吹田市議会議員の神谷宗幣事務局長らが一昨年に設立した保守色が強い政治団体。主にTikTokInstagramなどのSNSYouTubeのショート動画などで演説の「切り抜き」動画が拡散され、急速に支持を広げた。

今回初の国政選挙への挑戦で選挙区に45人、比例で5人を擁立。党員・サポーター数は約82000人、選挙資金約5億円は党費や寄付・クラウドファンディングで集めたという。

参政党は、「学力(テストの点数)より学習力(自ら考え自ら学ぶ力)の高い日本人の育成」「化学的な物質に依存しない食と医療の実現と、それを支える循環型の環境の追求」「日本の舵取りに外国勢力が関与できない体制づくり」を3つの重点政策とした。

具体的には、探究型フリースクールを地方自治体が作れるようにする法改正、国や地域・伝統を大切に思える自尊史観の教育、農薬や肥料・化学薬品を使わない農業と漁業の推進、外国資本の企業買収や土地買収を困難にする法律制定、外国人労働者の増加抑制、外国人参政権を認めないことなどを主張。また、政府の新型コロナ対策を批判。ワクチンを打ちたくなければ打たない自由もあると訴える。また、戦後教育や既存のマスメディアへの批判を唱えている。

女性当選者、過去最多の29

今回の参院選では全候補者545人のうち女性候補者数は過去最多の181人に。全候補者に占める女性候補者の割合も過去最高の33.2%となった。選挙の結果、女性の当選者は30人でこれまでの最多となった。

※最新の情報に記事を更新しました(2022/07/11 12:21

(文・吉川慧)

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国民民主党、実は人気を伸ばしていた?自民・公明は微減、立民は大幅マイナス...参院選「党派別得票率」を見る

議席を減らした国民民主に明るい兆し?社民党は政党要件を維持。

ハフポスト日本版編集部

20220711 1231 JST | 更新 1日前

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62cb8575e4b06e3d9bb6ecee

参議院議員選挙は710日に投開票され、憲法改正に前向きな自民・公明・維新・国民の4政党の議席が全体の3分の2を超える177議席に到達。与党勝利が大々的に伝えられる結果となった。

一方で、20211031日に実施された衆議院議員選挙と、今回の参院選で、政党や政治団体などに票を投じる比例代表の得票を見ていくと、違った傾向も見えてくる。

■自公は減少、立民は大幅に減らす

衆院選の比例代表では政党や政治団体名に、参院選ではそれに加えて候補者名にも投票可能。いずれの場合も、党派別の得票数として集計される。

去年の衆院選と今回の参院選を比べると、党派別の得票率、つまり政党や政治団体が獲得した票の割合は次の通りとなっている(参院選の得票数はNHKのまとめを参考にしている)。

なお、衆院選の投票率は55.93%で、今回の参院選が52.05%となっている。そのため、全体の票数は衆院選の方が多い。得票数では按分を切り捨て、得票率では小数点第2位を四捨五入している。

自由民主党

衆院選:19914883票(34.7%

参院選:18258791票(34.4%

公明党

衆院選:7114282票(12.4%

参院選:6181431票(11.7%

立憲民主党

衆院選:11492094票(20%

参院選:6769789票(12.8%

日本維新の会

衆院選:805830票(14.0%

参院選:7845985票(14.8%

日本共産党

衆院選:4166076票(7.3%

参院選:3618342票(6.8%

国民民主党

衆院選:2593396票(4.5%

参院選:3159110票(6%

れいわ新選組

衆院選:2215648票(3.9%

参院選:2319159票(4.4%

参政党

衆院選:0票(擁立せず)

参院選:1768349票(3.3%

社民党

衆院選:1018588票(1.8%)

参院選:1258621票(2.4%

NHK

衆院選:796788票(1.4% ※当時の名称は「NHKと裁判してる党 弁護士法72条違反で」)

参院選:1253875票(2.4%

※議席を獲得した政党・政治団体のみ記載

■国民民主に明るい兆し?

強固な支持基盤を固め選挙運動を展開する自民党と公明党は、全体の得票率では微減だった。減少ぶりが目立つのは立憲民主党。野党共闘を旗印に掲げて臨んだ衆院選と違い、今回は与野党一騎討ちの構図を十分に作りきれなかった。

選挙前勢力から議席を積み増した日本維新の会は、全体の得票率も微増だった。

国民民主党は改選7議席から、選挙後は5議席と減らした。しかし全体の投票数が衆院選と比べて減ったのにも関わらず、比例票は増加。割合も4.5%から6%へ増やすなど明るい兆しを残した。

社民党は、比例代表の得票率が2%を上回らないと公職選挙法上の政党要件を維持できない選挙だった。党首の福島みずほ氏も当選となり、支持層の危機感が反映された可能性がある。

参政党は170万を超える比例票を獲得。YouTubeTiktokなど、SNSを通じた選挙戦略が奏功したとみられる。

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 古村治彦です。

 

 2019年7月21日に参議院選挙の投開票が行われました。開票は22日になっても続けられましたが、大勢は21日の段階で判明しました。

 

 今回は、自民党と公明党の与党は選挙の対象となった124議席のうち71議席を獲得し、過半数を超えましたが、改選議席からは6議席を減らしました。公明党は改選議席数を維持しましたので、自民党が減らしたということになります。新潟、山形、秋田、岩手、宮城といった本州北部の各県で野党勢力が勝利しました。これらの地域は米どころですから、私はツイッター上で、これは「rice rebellion(お米反乱・反抗)」と書きました。吉本興業の社長さんと同じで全く受けませんでしたが。

 

 ヨーロッパでは労働者と農業従事者が連帯する「レッド・グリーン同盟(Red Green Alliance)」という考え方があり、政治の場面で実現することもありました。日本では、戦後の一時期、戦前の農民運動の流れから農民組合が左傾化していた時期もありましたが、農協(農業協同組合)は自民党の大きな支持基盤でした。労働組合は、官公庁の労組自治労や日教組を中心とする総評が日本社会党、民間企業の労組を中心とする同盟が民社党を支持していました。

 

 戦後すぐの人口や就労者数を考えると、農業地帯に基盤を置くというのは当然のことでした。戦後すぐの日本の就労者数に占める農業従事者の割合は50%程度でした。その後、重工業を中心とする輸出型企業の成長による高度経済成長時代に、地方から多くの若者が都市部で就労するようになり、農業従事者の割合は低下していきました。

 

 それでもいわゆる一票の格差問題ということがあるように、地方からの議員選出数が人口に比べて多い、という状態も続き、自民党は地方を基盤としてきました。自民党は、食糧管理制度を維持しての米価の高値維持や公共事業を通じて、高度経済成長の果実を地方に行きわたらせる政策を実施ました。これを補償型政治(Compensation Politics)と言います。その見返りとして、自民党は地方で勝利し、安定した基盤を築くことが出来ました。

 

 しかし、平成に入り、経済が停滞する中で、農業や公共事業、補償型政治は衰退していきます。そうした中で、補償型政治を代表する「田中派・竹下派」の流れをぶち壊す、小泉政治が出てきて、地方は息の根を止められました。旧民主党に参加した小沢一郎代議士が、農家の個別補償制度を主張し、民主党政権時代に実施しましたが、これは小沢代議士が田中角栄元首相の流れにある人であることを示しています。

 

 それでも地方ではいまだに自民党支持が強固な訳ですが、今回地方で自民党に対して異議申し立てが起きたことは注目されます。それでも自民党は小泉・安倍・麻生路線のアメリカ型システムによる改革(破壊)政策を実施し、都市部に住む、中間層(安定した雇用と比較的高い給与が保障されている)の支持を得ることに成功しています。

 

 立憲民主党、国民民主党では、立民が議席を増やし、国民民主は微減ということになりました。複数区での候補者調整がもう少しできていれば、当選できたかもしれないという惜敗した候補者たちが出たのは残念なことでした。これは他の野党でもあったことで、次の選挙での野党共闘の際の教訓にすべきことです。たとえば、東京都選挙区、立民2名、国民民主1名が立候補しました。立民の山岸一生氏が惜敗しました。大阪府選挙区では、立民、共産、国民民主の候補者が共に落選ということになりました。ここで何とかならなかったのかという思いに駆られます。

 

 立民の枝野幸男代表は立民の野党第一党の地位を確固、不動のものとすることに終始し、野党共闘に後ろ向きだったという批判も起きています。国民民主とは感情的な行き違いもある、共産党とも相容れないということも言われました。全てある部分では本当のことなんでしょう。しかし、それでも全国の一人区のうち、10で野党側が勝利を収めることが出来たというところを考え、次はもっとうまくやってください、と希望するばかりです。立民をあしざまに攻撃することは簡単ですが、それではもっと大きな敵を見逃すことになります。

 

 共産党は微減でしたが、野党共闘にもより前向きで、今回自民党の議席減に貢献したと言えると思います。社民党は政党要件を喪失するのではないかという危機感の中、得票率2%を超え、吉田忠智前党首が国政復帰を果たしました。低投票率の中、前回よりも少しですが、比例での得票数を伸ばしたというのは、改憲に反対する人たちが投票したということなのだろうと思います。愚直さというものに時に神様は微笑むものなのでしょう。

 

 れいわ新選組とNHKから国民を守る党がそれぞれ2議席、1議席を獲得し、政党要件を満たしました。これが今回の選挙のハイライトで、自民党の勝ち負けということすら、どっかに追いやられてしまうほどでした。

 

 れいわ新選組は4月に旗揚げされました。この時、私は「大丈夫かな、山本太郎議員は東京都選挙区から出馬したほうがいいんじゃないか」と考えていました。先を見る目がないことは、2016年のアメリカ大統領選挙の結果を外したことでも知られていますので、今更驚く人はいないと思いますが、れいわ新選組に対する支持の盛り上がりは予想を超えるものでした。消費税廃止、財源については原題貨幣理論(MMTModern Monetary Theory)という新鮮な訴えで、現在、生活苦に陥っている若者層(20代から40代まで)の支持を得ました。

 

 れいわ新選組の台頭は、欧米で起きている流れに連なるものです。イギリス労働党では、ジェレミー・コービンが党首となり躍進、アメリカ民主党では、2016年大統領選挙でヒラリー・クリントンを追い詰めたバーニー・サンダースの高い人気、突如すい星のように登場したアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員の活躍といったことに連なるものです。

 

 冷戦終結、ソ連崩壊以降、リベラルや進歩主義派といった人々の旗色は悪く、市場原理を基盤とする新自由主義が世界を席巻しました。しかし、新自由主義(むき出しの資本主義)による矛盾もまた同時に世界を覆いました。日本も例外ではありません。格差(inequality)が拡大する中で、新自由主義への疑問と異議申し立てが起きました。

 

 その時に、ずっとぶれずに進歩主義的考えを堅持していたコービンやサンダースを人々が「発見」しました。そして、欧米で大きな流れとなっています。既存のリベラルはまたエスタブッシュメントなのだという考えが広がり、人々の怒りが燃え上がりました。これが現在のポピュリズムの正体です。ポピュリズムは右と左に同時に出現しました。アメリカでは、ドナルド・トランプ大統領の出現とAOCの出現は右と左で全く違うように見えますが、同根の現象なのです。ポピュリズムは間欠泉のようなものだと思います。あちこちからお湯が吹きあがりますが、同じお湯です。怒りのお湯です。今回、N国党が議席を獲得しました。こちらもポピュリズムの右側の吹き上がりということになります。

 

 エスタブリッシュメント批判、エリート批判という点でとらえるならば、こうした動きは立民に対する批判ということも言えます。興味深かったのは、立民のブレーンとされる大学教授や知識人たちが、選挙戦中盤以降、れいわ新選組の批判を始めたことです。ポピュリズムは危険だ、山本太郎は危険だ、という言葉が飛び交いました。この構図は現在のアメリカ民主党内で起きているエスタブリッシュメント・主流派(ヒラリー派)と進歩主義派(サンダースやAOC)の内部対立と同じだと私は考えます。

 

 立民の東京都選挙区に立候補した山岸一生氏の最初の選挙ポスターが象徴的だと思います。そこには「元朝日新聞記者」「筑駒中、高、東大法学部卒」としか書かれていませんでした。このポスターは選挙戦が進むにつれて印刷し直され、貼り直されたそうですが、これで「ほー、素晴らしい、是非投票しよう」となると考え、それを「お前はアホか」と止める人がいなかった、結局時間と資源の無駄遣いをした、ということは象徴的です。

 

 生活者の目線はそこにありません。そして、「なんだよ、お前も結局はエリートで、俺たちを抑圧する側出身の奴じゃないか」ということになります。「山岸さんは自分から握手を求めに行くような気さくな人ですよ」ということでしたが、そんなことは当たり前じゃないでしょうか。選挙運動中に有権者が握手をしに来てくれるのを待っている候補者がどこにいるでしょうか。人気アイドルの握手会じゃあるまいし。

 

 立民は「令和デモクラシー」という大正デモクラシーになぞらえたスローガンを掲げましたが、どれほどの人たちの記憶に残っているでしょうか。立憲主義を透明に入れていることは素晴らしいし、これからも党勢を拡大していって欲しいと思いますが、「上から目線」という点は改善されるべきだと思います。

 

 自公維新で3分の2以下になりましたが、野党側の動き次第で、改憲が進んでしまう可能性が高い、微妙な議席配分となっています。是非野党勢力には小異を捨てて大同につく、「国民の生活が第一」で進んでいっていただきたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

参院選当選者確定…与党、改選議席から6減らす

 

読売新聞 2019年7月22日

https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20190722-OYT1T50215/

 

 21日に投票が行われた第25回参院選は22日午前、当選者が全て確定した。

 

 自民、公明の与党は改選定数124の過半数(63)を超える計71議席を獲得したが、改選議席(77)からは6減らした。自民党が確保した57議席は、2016年参院選の56議席(追加公認含む)を上回ったものの、圧勝した13年の65議席には及ばなかった。宮城、滋賀、大分など8選挙区では、現職が落選した。公明党は選挙区選に擁立した7人全員が当選し、比例選の7議席を合わせると、党としての過去最多に並ぶ14議席を獲得した。

 

 立憲民主党は比例選で自民党に次ぐ8議席を獲得し、改選9議席から17議席に伸ばした。改選8議席の国民民主党は2減の6議席にとどまった。旧民進党を源とする立民、国民両党の議席を合わせると計23議席で、16年に民進党が獲得した32議席を下回った。両党が1人区で支援した無所属の野党統一候補は8人が当選した。

 

 共産党は改選8議席から1減らした。日本維新の会は関東でも議席を獲得し、10議席に伸長した。社民党は改選1議席を死守した。諸派のれいわ新選組は2議席、NHKから国民を守る党は1議席をそれぞれ比例選で獲得した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

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 昨日、自由民主党の総裁選挙の投開票が実施されました。地方党員票405票、国会議員票405票の行方に注目が集まりました。事前の予想では、国会議員票は安倍晋三氏が8割を固め、更に支持を伸ばす(無派閥や自主投票の派閥を切り崩す)、石破氏は、50票は固めたので、上積みを目指す(できれば20票)、地方票では安倍陣営は、55%は取りたい(もともとは6割以降)とし、石破陣営は150票以上を取り、国会議員票と合わせて200票を目安としたいとしていました。

 

 9月20日午後に投開票が行われ、国会議員票は、安倍氏が329票(約81%)、石破氏が73票(18%)、地方票は、安倍氏が224票(約55%)、石破氏が181票(約45%)を獲得しました。合計は、安倍氏が553票(約68%)、石破氏が254票(約32%)、白票が3票(そのうちの1票は船田元衆議院議員と自ら公表)という結果になりました。

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 この結果について、「安倍氏がダブルスコアで圧勝、石破氏が惨敗、接戦、前線なんてとんでもない」という主張や、「事前の予想よりも石破氏が善戦した。国会議員票は事前予測よりも20票程度増えているし(安倍陣営の出陣式に出た議員数よりも獲得票数は少ない)、地方票はダブルスコアの差ではなかった、200票が目安だったがそれを50以上超えた」という主張が出ています。

 

 安倍陣営としては、今期(2021年9月まで)が最後の任期となるため、できれば圧勝、トリプルスコアかそれ以上で勝利を収めたかったはずです。最後の任期ということで、安部氏の求心力はどうしても低下してしまいます。アメリカ大統領の場合も三選はできないために、二期目の後半は力を失います。これをレイムダック現象と言います。安倍氏にとって最後の残る影響力維持の手段は、後継者指名ということになります。これをうまく使ったのが中曽根康弘元首相です。竹下登、安倍慎太郎、宮澤喜一の「ニューリーダー」たちを競わせて政権を最後まで運営しました。

 

 選挙前から、細田派(安倍派)、麻生派、二階派、岸田派、石原派、竹下派の一部が安倍氏支持を表明したために、勝負の行方は動きようがありませんでした。岸田派を率いる岸田文雄政調会長が安部氏支持を表明するのかどうかが注目されましたが、岸田氏が安倍氏支持を表明したことで、勝負の大勢は決しました。竹下派は竹下亘氏が石破氏支持を表明しましたが、自主投票となったために、分裂状態となりました。

 

 今回の総裁選挙は自民党の派閥の変質が顕著に表れたことです。自民党の派閥と言えば、総理総裁を目指す大物議員が物心両面で子分となる議員たちの面倒を見るというものでした。また、派閥の中には次を狙う若手(プリンス)がおり、協力と対立を繰り返してきました。総裁選挙となれば、次を狙う、次の次を狙うという大派閥の合従連衡があり、ポストを狙う中間派の派閥が誰を支持するかで冷徹な分析を行うということがありました。しかし、現在の派閥の多くは総理総裁を目指さない人物が派閥の長を務め、次の次を目指すプリンス不在状態の派閥が多いというのが現在の状況です。これが安倍一強状態を生み出している原因の一つと言えます。

 

 今回の自民党総裁選挙について、私は1970年の佐藤栄作首相の自民党総裁選四選の故事を思い出していました。宏池会の前尾繁三郎は佐藤四選に協力する代わりに人事で優遇してもらうことを約束して、総裁選挙出馬見送り、佐藤支持に回りました。小派閥を率いる三木武夫は負けることが分かっていながら総裁選挙に出馬しました。結果は、佐藤が当選しましたが、三木も善戦となりました。結果として、前尾は約束を反故にされ、派閥内で不満が高まり、大平正芳に派閥の領袖の座を譲ることになりました。一方、三木武夫は存在感を増し、「三大角福中(三木武夫・大平正芳・田中角栄・福田赳夫・中曽根康弘)」の一角を占める存在になり、後に総理総裁となりました。岸田氏と石破氏の決断が後々どのような結果を生み出すのか興味深いところです。

 

 党員票に目を移すと、47都道府県の中で、山形、茨城、群馬、富山、三重、鳥取、島江、徳島、高知、宮崎で石破氏が安倍氏を上回る得票を得ました。これらの県からは石破氏を支持する代議士が出ていることもあって、このような結果になったものと思われます。議員票で安倍氏が329票(81%、国会議員329名)を得たことを考えると、この329名が必死になって働きかけをしていれば、地方票の55対45という割合は変えられた可能性があります。もしかすると、必死に働きかけを行ってこの数字まで持って行ったということも考えられます。そうなると、安倍陣営が「地方の反乱」と驚愕した理由は分かります。

 

 今回の結果は、安倍氏にとって良かった点もあります。石破氏が善戦したことで、ポスト安倍の競争は厳しいものとなります。今の時点では、石破氏が一番手となります。ポスト安倍を目指して今回は出馬しなかった岸田氏は石破氏の後塵を拝することになります。そうなると、岸田氏にとっては、安倍氏からの後継指名が必要となります。安倍氏から後継指名を得るためには忠勤に励む必要があります。安倍氏は政権の基盤を固めるために、今回の石破氏の善戦を利用することが出来ます。


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 安倍政権の期限が最長で2021年9月までとなりました。この3年間で、改憲が最大のテーマとなります。改憲に関しては協力体制と共に日程も重要になってきます。日程がきつい、余裕がない中で、国民投票を実施することはかなり難しいことになりそうです。安倍政権下での改憲は厳しいということになります。99勝しながら最後の大事な戦いで負けてすべてを失ってしまった項羽のようになることもあるでしょう。憲政史上、最長の期間首相を務めながら、自身が掲げた最大のテーマを実現できなかった首相として退任してもらうことを私は個人的に望んでいます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●改憲、険しい道のり=首相本腰も日程窮屈-自民総裁選

 

2018920日 時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018092000718&g=pol

 

 自民党総裁選で3選を果たした安倍晋三首相は、任期中の憲法改正実現に本腰を入れる構えだ。秋の臨時国会で9条に自衛隊を明記する自民党の条文案を提示し、国会での改憲論議を軌道に乗せたい考えだが、来年は参院選や天皇陛下退位など大型行事が目白押し。国会発議と国民投票を行うには日程が窮屈な上に、他党との協議も難航が予想される。国民的な議論が深まっているわけでもなく、道のりは険しい。

 

 「総裁選の最大の争点だった。結果が出た以上、大きな方針に向かって一致結束して進んでいかなければならない」。首相は20日の新総裁記者会見でこう語り、改めて改憲案提出を目指す考えを示した。

 

 首相は昨年5月、改正憲法の2020年施行を目指すと表明し、党憲法改正推進本部に改憲案のとりまとめを指示。同本部は今年3月、自衛隊の根拠規定追加を柱とする4項目の改憲案について一任を取り付けた。だが、森友・加計学園問題など一連の政権不祥事に野党が抵抗を強め、通常国会では論議は進まなかった。

 

 首相は総裁選で、改憲への機運を高めるため、自衛隊をめぐる違憲論争に「終止符を打とう」などと再三訴えた。改憲を3期目の主要課題に掲げ、求心力を維持する思惑もある。首相と連携する麻生派が8月、来年夏の参院選までの国民投票実施を提言したのもその一環とみられる。

 

 ただ、首相は総裁選で石破茂元幹事長の善戦を許した。石破氏は記者団に、改憲について「スケジュール感ありきでなく丁寧に説明すべきだ」と注文を付けており、条文案提出をにらんだ駆け引きが展開されそうだ。

 

 来年は4月に統一地方選と天皇退位、夏に参院選、10月には消費税増税が予定されている。国民投票には発議から60~180日以内に行うとの規定があるが、3月までは19年度予算案の審議が優先され、改憲論議に求められる「静かな環境」を確保しにくい。参院選の結果、自民、公明両党に日本維新の会などを加えた改憲勢力が発議に必要な3分の2を割り込めば、状況は一層厳しくなる。

 

 首相としては野党第1党の協力も得て進めたい考えだが、立憲民主党の枝野幸男代表は「安倍政権での改憲は阻止する」と公言している。公明党の山口那津男代表も19日の記者会見で「各種世論調査では優先順位は高くない」と慎重姿勢を示した。(2018/09/20-21:05

 

=====

 

●「安倍首相、伸び悩んだ党員票 自民幹部「地方の反乱だ」」

 

与党担当キャップ・佐藤徳仁20189201529

https://www.asahi.com/articles/ASL9N4G34L9NUTFK00T.html?ref=yahoo

 

 自民党総裁選は、安倍晋三首相が石破茂・元幹事長を破り、連続3選を果たした。しかし、国会議員票で8割の支持を得ながら、世論に近いとされる全国の党員らの支持が5割半ばにとどまった。首相陣営から聞こえるのは歓声ではなく、驚き、当惑だ。

 

 今回の総裁選では、派閥がこぞって首相支持を表明し、2012年の政権復帰後に進んだ「安倍一色」に染まる党内状況を反映する展開をたどった。首相陣営は当初、党員票でも国会議員票に匹敵する7割以上の得票を目指した。

 

 ところが、7日の告示以降は、「石破氏が6年前に獲得した55%は超えたい」(陣営事務総長の甘利明・元経済再生相)と予防線を張るようになった。6年前の総裁選は安倍、石破両氏を含む5氏による争いだったため、一騎打ちとなった今回とは比較にならない。55%はかなり低めの目標と受け止められたが、結果はその55%をわずかに上回ったに過ぎなかった。

 

 首相陣営からは「ショックだ」「参院選が心配だ」との声が相次ぎ、自民党幹部は「地方の反乱だ」と語った。

 

 8割を超えた国会議員票でも、両陣営ともに50票台とみてきた石破氏が73票を獲得。表向きは首相支持を表明しながら、逆の投票行動を取った議員が複数いることをうかがわせる結果となった。

 

 来年に統一地方選と参院選を控えるなか、首相の評価をめぐる国会議員と党員の意識のズレは、今後の政権運営の大きな不安定要素となり得る。首相が手にした新たな3年間は、波乱含みのスタートとなる。(与党担当キャップ・佐藤徳仁)

 

=====

 

●「安倍氏、東京・大阪などで上回る 地方票の開票結果」

 

20189201600分 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASL9N546XL9NUTFK01M.html?ref=yahoo

 

 自民党総裁選で地方票の開票の結果、石破茂・元幹事長の得票が安倍晋三首相を上回ったのは山形、茨城、群馬、富山、三重、鳥取、島根、徳島、高知、宮崎の10県だった。一方、安倍氏は政権幹部の地元である福岡や神奈川、和歌山のほか、東京、大阪などで石破氏を上回った。

 

      安倍晋三氏   石破茂氏

 

北海道   11711   9819

 

青森県    3480   2517

 

岩手県    2568   2170

 

宮城県    4299   3301

 

秋田県    3229   2843

 

山形県    3172   4402

 

福島県    5209   4368

 

茨城県    9927  13951

 

栃木県    6257   5124

 

群馬県    6802   7847

 

埼玉県   12177  10257

 

千葉県    9131   8238

 

東京都   33351  24110

 

神奈川県  20901  13371

 

新潟県    8880   7384

 

富山県    9452  10685

 

石川県    9161   4936

 

福井県    4786   2791

 

山梨県    6902   5310

 

長野県    5406   5391

 

岐阜県   10955   9630

 

静岡県    9410   6916

 

愛知県   14611  12122

 

三重県    3437   4194

 

滋賀県    4056   2991

 

京都府    5073   3807

 

大阪府   11813   7620

 

兵庫県    8193   7063

 

奈良県    3332   1674

 

和歌山県   8698   2003

 

鳥取県     421   7933

 

島根県    2257   7748

 

岡山県    7060   5218

 

広島県   15095   6171

 

山口県   12488   1760

 

徳島県    2925   3963

 

香川県    6752   4783

 

愛媛県    6945   5581

 

高知県    1499   3778

 

福岡県   10442   5883

 

佐賀県    3343   3149

 

長崎県    7167   4704

 

熊本県    6143   5011

 

大分県    5768   3542

 

宮崎県    3112   4380

 

鹿児島県   5938   4478

 

沖縄県    1753   1086

 

計    355487 286003

 

(自民党本部の発表による)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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