古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:連邦上院

 古村治彦です。

 

 アメリカで行われた最新の世論調査の結果、調査対象の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた、ということです。59%が弾劾手続き開始に反対、35%が弾劾手続き開始に賛成、6%が分からないと答えたとそうです。

stateoftheunionaddressdonaldtrump002

 

 民主党支持者の66%、共和党支持者の6%、無党派の30%が弾劾手続き開始に賛成ということです。共和党支持者の6%という数字は分かりますが、民主党支持者の66%という数字は意外に低いなという印象です。前回ご紹介した別の世論調査の結果では、民主党支持者のトランプ大統領への不支持率は8割を超えていました。大統領を弾劾するということはそれだけ重いことであり、軽々に行うべきではないとアメリカ国民の多くが考えているのでしょう。

 

 年齢別では若い年齢層の人々の方がトランプ大統領弾劾手続き開始に賛成しているということです。それでも18歳から34歳までの人たちで42%ですし、それより上は3割台、65歳以上の人々では29%ですから、やはり全体として大統領を弾劾すべきではない、ということだと思います。

 

 連邦議会でも民主党執行部は慎重な姿勢を取っているようです。弾劾手続きを始めて、連邦上院で否決となれば、民主党側にダメージがありますし、決定的な証拠がない以上、感情的に「トランプ大統領は不適格だ」ということだけでは進められないということになります。連邦下院でも訴追決議が出来るかどうか、その過程で民主党内が分裂するということも考えられますので、どうしても慎重にならざるを得ません。

 

 ロシア疑惑の根本は、当時のトランプ陣営はロシアによる大統領選挙への介入があることを知っていたのか、依頼したのかということであって、更に言えば共謀したのか、という疑惑です。ロシアからすれば、民主党の候補者だったヒラリー・クリントンが大統領になればロシアに対して厳しい態度で臨んでくることは明らかでしたし、それを防ぐために何とかしてヒラリーを落選させねばならない、ということになります。そして、実際にヒラリーは落選しました。

 

 アメリカの複数の情報機関がロシアによる選挙介入があったという報告を出しているのは良いのですが、それではトランプ大統領がロシアに選挙介入を依頼したかどうか、一緒になって妨害活動を行ったのかどうか、ということが焦点になります。トランプの選挙陣営の幹部たちでロシア大使やロシア人と接触したという人たちが出たり、別の罪で有罪になったりした人たちが出て、話を複雑にしていますが、トランプ大統領自身が関与した決定的な証拠、ぐうの音も出ない証拠が出てくれば別ですが、そうでなければ弾劾は難しいということになります。

 

 弾劾の手続きは連邦下院が過半数で認めた場合には、訴追決議が可決ということになり、連邦上院で裁判が行われ、有罪かどうか決められます。裁判では、連邦下院議員の代表が検事役を務め、連邦上院議員が陪審員となります。裁判官は連邦最高裁判事です。連邦上院議員の3分の2以上の賛成があって弾劾決議ということになります。こうして見ると、弾劾まで至るのは大変なことだということが分かります。

 

 ロシア疑惑を別の角度から見ると、世界のデモクラシーのチャンピオンであるアメリカの国民がロシアの選挙介入にころっと騙されて、ロシアの思い通りの選挙結果を出したということです。世界中にデモクラシーのすばらしさを説き、世界中の国々がデモクラシーになれば万事解決、平和な世界になる、そのためにアメリカは特別な使命を与えられたのだ、などと威張っているアメリカ人が現代のデモクラシーの欠点を曝け出し、それにまんまと引っかかったということは、厳しい言い方をすればお笑い草ということになります。

 

 トランプ大統領が明日にも失職するのではないか、と日本でも専門家たちが嬉しそうに語っていましたが、トランプ大統領が選挙介入に同意し、依頼している音声録音記録でも出ない限りは、弾劾で失職ということはなさそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:アメリカ国民の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた(Poll: Majority of Americans says Trump should not be impeached

 

マイケル・バーク筆

2019年3月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/432683-poll-majority-of-americans-dont-believe-trump-should-be-impeached

 

キュニピアック大学の全国世論調査の結果が火曜日に発表された。世論調査対象者の過半数は、トランプ大統領が弾劾されるべきではないと考えていると答えた、ということだ。

 

調査対象となった有権者の59%が連邦議会はトランプ大統領に対する弾劾手続きを開始すべきではないと答え、35%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。残りの6%がトランプ大統領は弾劾されるべきかどうか分からないと答えた。

 

世論調査の結果は、トランプ大統領が弾劾されるべきかどうかについて党派性に沿って分裂していることが明らかになった。民主党支持と答えた調査対象の有権者の3分の2は連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。共和党支持の6%、無党派の30%が大害手続き開始を支持した。

 

より年齢の若い有権者たちは、連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。18歳から34歳の有権者の42%が弾劾手続き開始を支持した。

 

35歳から49歳までの人々の38%、50歳から64歳までの人々の36%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。65歳以上の人々の29%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。

 

ラシーダ・タリブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)とスティーヴ・コーエン(テネシー州選出、民主党)をはじめとする民主党所属の連邦議員たちはトランプ大統領の弾劾に賛成票を投じると表明している。大富豪の民主党の大口献金者トム・ステイヤーはトランプ大統領の弾劾を求めた。

 

しかし、連邦議会民主党執行部は弾劾に関する話を深刻化させないようにしている。連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は先週、大統領の弾劾は「意見が分かれ、分裂を招く」問題だと発言した。

 

世論調査は2019年3月1日から4日にかけて、1120名の有権者へのインタヴューに実施された。誤差は3.4ポイントである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 先週末、ドナルド・トランプ大統領は国家非常事態宣言に署名しました。これは、トランプ大統領自身が公約として掲げてきたアメリカ・メキシコ国境に沿って、壁を建設するための予算を捻出するためのものです。この国家非常事態宣言に関しては、民主、共和両党から合法性や実行についての疑義や批判が出ています。

 

 トランプ大統領は国境の壁建設のために57億ドルの予算を要求しました。昨年の中間選挙の結果、連邦上院では共和党、連邦下院では民主党がそれぞれ過半数を握りました。そして、連邦上院では57億ドルの予算を認める内容の予算案が可決され、連邦下院に送られ否決され、一方、連邦下院では57億ドルの予算を含まない予算案が可決され、連邦上院に送られ否決されるということが起きました。その結果、2018年12月末から今年の1月末まで35日に渡り、政府機能の約4分の1が閉鎖となり、数百万の連邦政府職員が無給状態となりました。

 

 その後、3週間のつなぎ予算が成立しましたが、その期限が2019年2月16日までとなっていました。そこを過ぎても妥協が成立しなければ、再び政府機能閉鎖ということになるところでした。しかし、連邦議会では国境における物理的な障壁建設のために13億7500万ドルの予算を認めることで妥協が成立し、予算案が連邦上下両院で可決され、大統領の許に送られました。それにトランプ大統領が署名して予算は成立し、政府機能閉鎖は回避されることになりました。焦点は57億ドルにかなり足りない予算案に大統領が署名するかどうかでしたが、トランプ大統領の出した結論は、この予算案には署名する、加えて、国家非常事態宣言も行う(宣言書に署名する)というものでした。

 

 連邦議会民主、共和両党では、それぞれ連邦上院議員1名と連邦下院議員1名、計4名を両党の代表者として出して交渉を行い、2019年2月11日の夜に妥協が成立しました。焦点は予算の規模もそうでしたが、連邦移民関税捜査局(ICE)の収容センターのベッド数でした。このベッド数が多ければ、誰でも彼でも捕まえることが出来るが、収容数に制限があれば、より重大な人たちだけを捕まえることになる、活動を制限することが出来る、ということで、民主、共和両党はここで争っていましたが、ある意味では玉虫色の妥協で、どのようにも解釈できるような条項で折り合ったようです。

 

 トランプ大統領は国境の壁建設に57億ドルを要求していましたが、認められたのは13億7500万ドルでした。トランプ大統領はこの予算案に署名をすることに同意したので、これを受け入れたということになります。その上で、国家非常事態宣言に署名したので、足りない分をこの宣言を利用して、予算の付け替えなどで賄おうとしていることになります。これに対して、議会の役割を無視する暴挙だ、悪しき前例になるという批判が共和党からも出ています。

 

 連邦上院の多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は国家非常事態宣言に慎重な姿勢でしたが、宣言前日に連邦上院の議場でトランプ大統領が宣言を行うとマコーネル自身に伝えたこと、そして宣言を支持することを表明し、流れが出来ました。連邦上院共和党は壁建設の予算を盛り込んだ予算案を連邦上院で可決させていたのですから、それは理解できます。

 

 トランプ大統領の国家非常事態宣言で事態がどう動くかはこれから注意を要する動きです。

 

(貼り付けはじめ)

 

連邦議員たちは政府機能閉鎖を避けるために「原則として」合理に達した(Lawmakers reach agreement 'in principle' to avert shutdown

 

ジョーダン・カーニー筆

2019年2月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/429525-lawmakers-reach-agreement-in-principle-to-avert-shutdown  

 

月曜日夜、連邦議員たちは今週土曜日に迫った二度目の一部政府機能閉鎖を避けるために「原則として」合意に達したと発言した。

 

リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)は「素晴らしい夜になった。私たちは、国土安全保障省に関する法案、その他の6つの法案に関して原則として合意に達した」と述べた。

 

パトリック・リーヒー連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)、ニタ・ロウリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、ケイ・グランガー連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)といった連邦上院と下院の歳出委員会の幹部メンバーがシェルビーと同席して交渉し、シェルビーは合意に達したことを発表した。

 

状況の打開は4名の中核となる連邦議員たちが、同委に達するために月曜日の夜に3度の交渉を持った後に訪れた。それまでにも週末に期日が迫った政府機能の一部閉鎖を避けるために交渉が続けられていた。

 

交渉役となった議員たちは、火曜日までに法案を提出することを目指すスタッフと詳細について話すことはせずに、大枠について交渉を行った。ロウリーは法案について希望を持っている、水曜日には「素晴らしい成果」を発表できると述べていた。

 

ある連邦議会関係者は本誌の取材に対して、法案には物理的な障壁のために13億7500万ドルの予算が含まれていると述べた。この金額は2018年度予算と同額ということになる。この人物は、一時的な合意内容には、コンクリート製の壁の使用を禁じるという一項が入っているということだ。しかし、連邦議会の幹部スタッフたちは、これによってリオグランデ渓谷のアメリカ・メキシコ国境に新たに約55マイル(約80キロ) の障壁を建設 するための予算になると述べている。

 

交渉役の議員たちが動意に達することが可能となれば、月曜日午前の段階で2つの重要な問題で民主、共和両党が分裂していた状態からのUターンということになる。その2つの問題とは、アメリカ・メキシコ国境に沿っての物理的な障壁の建設と移民関税捜査局(ICE)の収容センターのベッドをめぐる問題であった。

 

民主党側はトランプ政権が「重大な犯罪者たち」に注力させるようにするためにICEの収容センターのベッド数に上限を設け、その上限はオバマ政権時代に設定された数と同等とすることを提案した。交渉役の議員たちはICEをめぐる争いを解決せずに、ひとまず棚上げすることにした。

 

シェルビーは「私たちは原則論について協議した。そうすることで事態を打開できると考えた」と述べた。

 

民主党側は国境から離れたアメリカ国内のICEの収容センターのベッド数を16500床に制限するという要求を取り下げた。

 

月曜日の夜、ICEに関するその他の詳細に関しては、はっきりとした取り決めはなく、どうともとれるような複雑な内容になっており、これが同意にとってのハードルとなる兆候もあった。

 

ある連邦議会スタッフは、合意ではICEの収容センターのベッド数を40520床にすることが含まれていると述べた。しかし、連邦議会の幹部級のスタッフたちは、一時的な合意には、「トランプ大統領が要求している52000床を設置できるようにする柔軟な条項が入っている」とも述べている。

 

シェルビーは、合意にはアメリカ・メキシコ国境に沿った物理的な障壁のための予算も含まれていると述べた。しかし、その金額、更には連邦上院が最初に可決した予算案に含まれていた16億ドルという金額よりも多いのかどうか、ということについては明言を避けた。

 

トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境の壁建設に57億ドルの予算を要求してきた。しかし、17名の連邦議員からなるグループは先週、国境警備関連予算で13億ドルと20億ドルという2つの主張があり、この違いをできるだけ狭めるために交渉を行っていた。

 

月曜日の夜、連邦議員たちは妥協を成立させた両党の執行部を支持すると述べた。

 

リーヒーは「私たちの中で、自分が得たいものすべてを得た人間は誰一人としていない。しかし、私たちはアメリカ合衆国にとって最善のものを得ようとしている」と述べた。

 

リーヒーは「私たち4名が合意をもたらせなければ、現在の議会で合意に達することはできなかったであろう」と述べた。

 

交渉では、災害支援に関しては最終合意に至らなかった。この点に関しては、民主、共和両党が別々に発表することになるが、7つの遺された歳出予算法案は今回のパッケージに含まれることになった。

 

連邦議会では土曜日の時点で、2019年度の予算案について7つの法案を可決し、トランプ大統領の許に届けた。これは連邦議会の予算の約25%をカヴァーするものだ。その中には国土安全保障省の予算も含まれている。

 

合意は月曜日の夜に成立した。それでもスケジュールはタイトなままだ。期限までに予算案を連邦議会で可決してトランプ大統領の許に届けねばならない。

 

しかし、シェルビーは金曜日の夜に交渉が妥結しなかったことを重視してはいなかった。記者団に対して、今週末からの政府機能の一部閉鎖は起きないだろうと考えていると述べた。

 

トランプ大統領は先月、3週間の一時的解決案に署名することに同意した。これによって、アメリカ史上最長となった予算執行停止を終わらせることが出来た。連邦議員たちは、二度目の政府機能の一部閉鎖を望んでいない。

 

月曜日の夜の状況打開を促したものについて問われ、シェルビーは、週末に交渉が平行線のままでは再び政府機能閉鎖にまで至ってしまうという恐怖感が大きくなっていたことが理由だと答えた。

 

シェルビーは次のように述べた。「私たち全員は協力しなければならないというより大きな席に無我あることを認識している。政府機能閉鎖がまた起きるかどうかは分からない。一つ言えることは、政府機能閉鎖が起きるかもしれないということが、私たちを協力することに駆り立てているということだ」。

 

状況打開へと事態が急変する兆候を見せたのは月曜日の夜で、シェルビーとリーヒーが一緒に記者団の前に立ち、合意まであと一歩のところまで来ており、火曜日になる前には交渉を終わらせることが出来ると述べた。

 

シェルビーは記者団に対して「私たちは合意に向けて話し合っている」と述べた。

 

交渉役の議員たちが月曜日の夜に「原則として」同意に達したとは言え、政治的な地雷がまだ存在している。トランプ大統領が合意によって可決される法案に署名する前に、その地雷を爆発させないように民主、共和両党内それぞれで争いを起こさせないようにする必要がある。

 

民主党の進歩主義派の議員たちは物理的な障壁への予算案については採決を行わないように求める可能性が高い。一方、共和党保守派の議員たちは、ICEに対する制限となる可能性のある条項や国境地帯の安全対策にとっては生ぬるい内容だと考える内容については反対することになるだろう。

 

グラグナーは同意の内容が法案として連邦議会で可決されることに自信を示しつつ、「私たち全員は民主、共和両党をそれぞれ支持する有権者たちとそれぞれに属する連邦議員たちと話をして内容を理解してもらえると思う」と発言した。

 

合意が発表された段階では、トランプ大統領がそれを支持するのかどうかはっきりしなかった。

 

シェルビーは交渉期間中に大統領と直接話すことはなかったが、ホワイトハウスとは相談をしていた。大統領は木曜日から月曜日の夜まで国境地帯で選挙運動を行っていた。

 

シェルビーは、トランプ大統領が何を「行い、発言し、書くか」を予測できないとしながらも、大統領はシェルビーに対して、「立法で解決が出来るのであれば、それを進めて欲しい」と再三にわたって述べた、とも発言した。

 

連邦議会で合意が出来なければ、トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境に壁を建設するために国家非常事態を宣言するのではないかという流れになっている。ホワイトハウスのミック・マルヴァニー大統領首席補佐官は今週末、トランプ政権は壁建設のための予算を獲得するための方法を模索していると述べた。

 

マルヴァニーはテレビ番組「フォックスニース・サンディ」に出演し、次のように述べた。「私たちは皆さんが与えてくれるだけの資金を手にすることになる。そして、私たちは南部国境を固めるために、合法的に資金を探すことになる。しかし、連邦議会の強力があろうとなかろうと、壁建設を進めるだろう」。

 

考証に参加したある共和党所属の連邦議員は、障壁建設のための予算を確保するために、大統領令(executive action)を発令することになると確信していると述べた。

 

この議員は「大統領は、交渉の結果がどのようなことになっても、最終的に大統領令を発することになる考えらえる」と述べた。

 

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トランプ大統領は国境の状況に関する合意の成果である法案に署名し、国家非常事態を宣言する(Trump to sign border deal, declare national emergency

 

アレクサンダー・ボルトン筆

2019年2月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/430070-mcconnell-trump-to-sign-border-deal-declare-national-emergency  

 

トランプ大統領は故郷の壁建設を要求しているが、これに予算をつけるために国家非常事態宣言を行うだろう、と連邦上院多数派院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)が木曜日、連邦上院議場で発言した。

 

木曜日の午後3時過ぎ、マコーネルは次のように発言した。「私はトランプ大統領と話す機会があり、ここで同僚議員の皆さんに申し上げたいが、彼は法案に署名する意思があることが分かった。大統領はまた署名すると同時に国家非常事態宣言を行うことになるだろう。私は国家非常事態宣言を支持するであろうことを示しておく」。

 

ホワイトハウスは、マコーネル議員の発言の数分後にサラ・ハッカビー・サンダース報道官からのEメールによる声明の形で、トランプ大統領が法案に署名する予定であることを認めた。

 

サンダースは声明の中で次のように述べた。「トランプ大統領は政府予算法案に署名することになる。そして、これまでも述べてきたように、大統領はもう一つの行政行動を行う予定でもある。その中には国家非常事態宣言も含まれる。これは国境における国家安全保障上、人道上の危機を止めることを確かなものとするためのものだ」。

 

サンダース報道官は加えて、トランプ大統領が「国境を守り、私たちの偉大な国を守るために、壁を建設するという彼の公約を果たすために動いている」とも述べた。この発言は、政府予算を巡る合意と法案への署名はアメリカ南部国境に沿って壁を建設するというトランプ大統領の公約が果たされていない、とする保守派からの批判に向けてのものである。

 

マコーネルは、これまでトランプ大統領に国家非常事態宣言を行わないようにと助言してきたと報じられてきたが、大統領の行動を支持することになると発言した。

 

連邦上院多数派院内総務マコーネルは、大統領が国境の障壁のための予算として連邦議会で妥協が成立した13億7500万ドルの予算案に署名することになると述べた。

 

『ワシントン・ポスト』紙は、今月初めに、マコーネルが非公式の場で、トランプ大統領に対して国境の壁建設の予算のための国家非常事態宣言を実施しないように、それは共和党内部からも反発が出るからと忠告した、と報じた。

 

しかし、共和党の指導者であるマコーネルは火曜日にトランプ大統領に対して、7つの予算法案からなる包括的な予算案に署名するように促した。この予算案ではトランプ大統領が壁建設のために要求していた57億ドルの一部しか支給されないことになっている。

 

マコーネルは記者団に対して、「私は、国境を守るための大統領の努力の一環として合法的に実施できる手段について、大統領はなんでも実施して良いと考えている。それで何か困るようなこともない」と述べた。

 

マコーネルのスタッフは、国家非常事態宣言が大統領側からの提案の中に合法的な方法として入っていたと明言した。しかし、トランプ政権は壁建設に向けた動きに介入がないために陣日をしているに過ぎないと明言していた。

 

連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は即座に、民主党側はトランプ大統領と戦うことを示唆した。

 

シューマーは「大統領が国家非常事態宣言を行うだろうという発言があった。私は大統領がそのようなことをしないことを願う。それは間違った行為だ」と述べた。

 

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は共和党側に警告を発した。その中で、もしトランプ大統領が国境の壁建設のために国家非常事態宣言を行うならば、次に民主党から大統領が出る場合には、その大統領は銃による暴力について同じく国家非常事態宣言を行うことになるだろうと述べた。

 

ペロシは連邦議事堂の中で記者団に対して、「民主党から出た大統領も同じく国家非常事態宣言を行うことができる。それならば、現在トランプ大統領が実施しようとしていることが前例となる。これは共和党側にとって大いなる不安と混乱をもたらすことになる」と述べた。

 

ペロシは木曜日、トランプ大統領が行うであろう国家非常事態宣言に対して法的な手段で対抗する可能性を否定した。しかし、連邦下院多数党院内総務ステニィ・ホイヤー連邦下院議員(メリーランド州選出、民主党)は水曜日、民主党は法的手段で対抗することになると述べた。

 

サンダース報道官は木曜日、ホワイトハウスは国家非常事態宣言に対する民主党側からの法的手段での対抗に対する準備を済ませていると述べた。

 

サンダースは大統領執務室近くの彼女のオフィスの外で記者団に対して、「私たちは既に十分に準備している。しかし、その準備が実行に移されないことを願う。大統領は彼の責務を果たしている。連邦議会も自分たちの責務を果たして欲しい」と述べた。

 

連邦上院歳出委員会委員長リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)は、水曜日の夜にトランプ大統領と話した。シェルビーは国家非常事態宣言を支持すると述べた。

 

今週の火曜日と水曜日に明らかになったのは、トランプ大統領が予算の組み換えをしても、壁建設という彼の目標を達成するために十分な予算は獲得できないということであった。

 

共和党に属する連邦議員の中には、国防総省の麻薬防止プロジェクトから8億ドルを割くことはできると主張している人たちもいる。しかし、連邦上院国防委員会の共和党側のあるメンバーは匿名を条件に、この予算の2億ドル以上は現在実施されている麻薬防止作戦で既に費消されていることを明らかにした。

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しかし、連邦上院共和党はここ数週間、国家非常事態宣言は長期にわたる法廷闘争の対象となり、上訴されるか、連邦最高裁で判決が下されるまで、連邦判事によって国家非常事態宣言の効力が停止される可能性が高いこと憂慮してきた。

 

国家非常事態宣言を行うことでトランプ大統領が不信任決議の対象となる。不信任決議には連邦上下両院の可決とトランプ大統領の署名が必要となる。

 

連邦下院民主党は現在連邦下院で過半数を握っている。連邦下院民主党は下院で不信任決議を可決させると見られる。そして、連邦上院少数党院内総務シューマーはその重大性から、連邦上院で不信任決議案の採決を行わせることが出来る。

 

マコーネルは、連邦上院で大統領に対する不信任案を過半数で可決して大統領の許に送ることを自分が阻止できるかどうかについて確固とした地震と見通しはないと表明した。しかし、マコーネルは大統領が不信任に対して署名を拒絶できるために必要な34名の反対を集めることは可能だと自信を示した。

 

マコーネルは2月5日に、国家非常事態宣言の可能性について問われ、次のように発言した。「国家非常事態宣言について異なった様々な意見が存在することは承知している。トランプ大統領が国家非常事態宣言へと向かうならば、私たちはそれについて徹底的に議論する

 

マコーネルは「トランプ大統領は不信任への署名を拒絶することでとにかく勝利を得ることが出来るだろう。そして、そのために十分な反対票を獲得できるだろう。大統領は国家非常事態宣言に関して最終的に勝利を収めることが可能である」と述べた。

 

木曜日の午後、ホワイトハウスは共和党所属の連邦議員たちを宙ぶらりんの状態に置いた。大統領の法律顧問たちが1000ページ以上になる法案について徹底的に調べ上げた。

 

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は本誌の取材ちゅう、事態が遅れていることについて問われ、「私たちは法案についてじっくりと調べているところだ。私たちが法案を受け取ったのは午前1時で、1000ページ以上ある。大統領が決断を下したら、即座に皆さんにお知らせする」と答えた。

 

ミック・マルヴァニー大統領首席補佐官代行は日曜日、トランプ大統領は国境の壁建設のために利用可能な財源から予算を廻ることになるだろうと述べた。国境の壁建設は、2018年12月から2019年1月まで35日間続いた政府機能閉鎖の焦点となった。

 

マルヴァニーは「フォックスニュース・サンディ」に出演し、「私たちは皆さんから与えられている予算の中からできるだけ多くの金額を壁建設に回すつもりだ。そうしておいてから、どこか合法的にお金を回せるところはないかを探すことになる。これは南部国境地帯の安全を守るためだ。しかし、どちらにしても、連邦議会の賛成があろうがなかろうが、壁を建設することになる」と述べた。

 

マルヴァニーはトランプ大統領の壁建設の要求に言及し、「私たちの要求している総額は57億ドルだ」と述べた。

 

木曜日、連邦議会が可決した予算案に含まれていたのは、半額以下の13億7500万ドルであった。残りの40億ドル以上は大統領が持つ予算の組み換え権限 を使用するか、国家非常事態宣言を行うかで持ってくることになる。

 

連邦上院共和党は国家非常事態宣言を支持するかどうかは、宣言がどのように構築されているかによると表明している。

 

シェルビーはトランプ大統領による国家非常事態宣言について質問された際、「大統領は国家非常事態を宣言する憲法上の力を持っている」と述べた。

 

国家非常事態宣言を支持するかどうか質問され、シェルビーは「支持することになるだろうが、内容を見なくてはいけない」と答えた。

 

シェルビーは「私たちは国境を固めねばならないと考える」と付け加えた。

 

共和党所属の連邦議員たちの中には、トランプ大統領の計画に対する懸念を即座に表明した人々がいる。しかし、そんな議員たちもトランプ大統領に対する不信任決議案に賛成するか、反対するかについては明言を避けている。

 

ジョーン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は次のように述べた。「私は、非常事態を宣言することに関し、前例として与える影響と実行するうえでの様々な困難について懸念を持っている。裁判が起こされ、予算の執行が停止されてしまうと、問題解決のための現実的な方法ということにはならない」。

 

スーザン・コリンズ連邦上院議員(メイン州選出、共和党)は、国家非常事態宣言は「法廷での闘争が起きてしまうだろうし、憲法上疑義がある」と述べた。

 

コリンズは「国家非常事態宣言は連邦議会の役割と歳出決定プロセスを侵害するもので、素晴らしい政策とは言えない」と述べた。

 

連邦上院国防委員会の共和党側メンバーたちは、国家非常事態宣言を出して国境の壁を建設する際に、その予算として、軍事関連建設プロジェクトの予算が回される可能性が高いことに懸念を表明している。

 

連邦上院国防委員会の共和党側のあるメンバーは次のように述べた。「ここで国家非常事態宣言するなど間違った考えだ。それは間違った前例を残してしまうことになるからだ。ここで起きる可能性が高いのは、トランプ大統領が軍事関連建設プロジェクトから予算を持ってくるということだ。これは米軍の計画や装備に大きな影響を及ぼすことになる」。

 

連邦上院国防委員会委員長ジェイムズ・インホフェ連邦上院議員(オクラホマ州選出、共和党)は、トランプ大統領が軍事関連建設プロジェクトから予算を移行させないことを保証する内容の書簡を発表すれば、トランプ大統領は国家非常事態宣言に対するより大きな支持を獲得できるだろうと発言した。

 

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トランプ大統領が国境の状況に関し国家非常事態を宣言(Trump declares national emergency at border

 

ジョーダン・ファビアン筆

2019年2月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/430092-trump-signs-emergency-declaration-for-border

 

金曜日、トランプ大統領は議会を迂回し、約80億ドルを南部国境の障壁建設に回すために、国家非常事態を宣言した。これは、大統領の長年の公約であった壁建設に向けた大きな一歩であるが、重大な政治的、法的リスクを伴うものである。

 

トランプ大統領は、宣言に署名した直後にローズガーデンにおいて、まとまりのない、即興の演説を行い、その中で宣言に署名を行ったことを表明した。トランプ大統領の今回の行動は、連邦議員たちと諸団体と法廷において憲法をめぐる戦いを引き起こすことになるだろう。こうした人々は大統領が自身に与えられた権限を踏み越えたと主張している。

 

昨年秋の中間選挙の前から政治問題として重視してきた貿易、中国、シリア、そして、移民のキャラヴァンといったテーマについて長々と話した後、「私は国家非常事態宣言の署名を行った」と発言した。

 

トランプ大統領は国家非常事態宣言を正当化する必要から、「これは素晴らしいことだ。なぜなら、我が国は麻薬、ギャング、人々の侵入に晒されているからだ」と述べた。

 

トランプ大統領は、今回の行為が連邦レヴェルの裁判所への提訴という挑戦を受けることになるだろうが、自分は最終的に勝利するという予測を述べた。

 

トランプ大統領は、アメリカ南部国境には緊急を要する事態は存在しないとする批判者たちの主張をとらえ、「危機的な状況でなければ壁建設に長い時間をかけても良い。国家非常事態宣言も必要ではなかったかもしれないが、壁建設を迅速に行う必要がある」と述べた。

 

連邦議会民主党のトップである、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、国家非常事態宣言を覆すために、「全ての使用可能な手段」を使うことになるだろうと述べた。

 

ペロシとチューマーは共同の宣言の中で次のように述べた。「トランプ大統領の法律を無視した国家非常事態宣言は存在しない危機に関する宣言であり、我が国の剣法に対する重大な侵害であって、アメリカの安全を低下させるものだ。トランプ大統領は法の適用範囲外の、法の上位に存在するのではない。連邦議会は大統領が合衆国憲法をずたずたに切り裂くことを容認できない」。

トランプ大統領はこれとは別に連邦議会で可決された法案に署名した。これで政府に予算が付き、土曜日から始まることになっていた新たな政府機能閉鎖も阻止することが出来る。

 

しかし、この法案では、大統領が壁建設の予算として要求している57億ドルにはとても足りない額しか予算がついていない。トランプ大統領は追加の国境警備予算を獲得するために連邦議員たちと協力するために努力したが、「壁建設に関しては、議員たちは予算をケチるのだ」と述べた。

 

トランプ大統領は、「私は2020年の米大統領選挙に向けて、国境の壁に関しては多くのことを既に実行してきた」と述べた。新しいものを建設するのではなく、既に存在する構造物を修理したり、建て替えたりしてきた。

 

ホワイトハウスの複数の関係者によれば、トランプ大統領は軍事予算の中の建設関連の36億ドルを壁建設に振り向けることを計画している、ということだ。また、国防総省の麻薬阻止関連予算から25億ドル、財務省の没収財産基金から6億ドルを抽出し、振り向けるための大統領令(executive action)を発令することになる。

 

複数の政府関係者は、最終目標は国境線に沿って約234マイル(約375キロ)の障壁を建設することで、その中には柱の入った形の壁も含まれる。

 

ある政権幹部は、どの軍事関連の建設計画が影響を受けるかは明らかにしなかったが、予算は「優先度の低い建設計画」から振り向けられるだろうと述べた。その具体的な内容は、既存の構造物の改修や修理ということになり、洪水抑制プロジェクトや軍事上の計画に影響を与えるプロジェクトからではない。災害救援基金にも手を付けないだろう。

 

民主、共和両党所属の連邦議員たちは、トランプ大統領の国家非常事態宣言の決断を批判した。それでも連邦上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は大統領の行為に対して支持を表明した。

 

マコーネルは金曜日、トランプの決断について、「民主党が国益に対して党派色の強い邪魔をしたことに対する、予想可能で理解できる結果」となったと述べ、国境の状況改善のために更なる予算をつけることを認めるように連邦議員たちに求めた。

 

しかし、連邦下院民主党は対抗して大統領の宣言を阻止することになる法案を提出する計画を持っている。共和党所属の連邦議員がこの法案に賛成するとなると、連邦議会の両院で法案が可決され、大統領の許に回されることになる。

 

この状況になれば、大統領は大統領として法案に拒否権を発動することになり、そうなれば、2020年の大統領選挙や連邦議員選挙などに向かう中で、共和党内部をさらに分裂させることにつながってしまう。

 

民主党とリベラル派の諸団体は宣言を阻止するために連邦裁判所に提訴する計画を持っているとも述べている。

 

ペロシ議長はフロリダ州パークランドで起きた学校での銃乱射事件の1周年となった木曜日、トランプ大統領が国家非常事態宣言を行う場合、次の大統領は銃に対する国家非常事態宣言を行うことが出来るような道が開かれる、と述べた。このようなシナリオについて、共和党所属の連邦議員の中に懸念を持っている人たちが存在する。

 

ペロシ議長は連邦議事堂で記者団に対して、「民主党から出る大統領も同様に国家非常事態宣言を行うことが可能だ。従って、トランプ大統領が残した前例によって、共和党側に深刻な懸念と困惑がもたらされる」と述べた。

 

マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)は木曜日、同様の警告を行った。ルビオは「将来の大統領がグリーン・ニューディールを強引に導入するために同じ戦術を使う可能性がある」と述べた。

 

ルビオは次のように述べた。「何か決定的な声明を出す前に、私は大統領が今回の非常事態宣言を正当化するために依拠する法律上、もしくは憲法上の力は何なのかを示すことを待ちたいと思う。しかし、彼が示すものを私が支持することになるという点については疑念を持っている」。

 

トランプ大統領による発表の前に、大統領首席補佐官代行を務めているミック・マルヴァニーは記者団を前にして、民主党側が述べている「民主党から出る大統領は気候変動や銃暴力といった問題について国家非常事態宣言を行うことが可能になる」と主張に対して反論を行った。マルヴァニーは「今回のトランプ大統領の国家非常事態宣言は何からの新たな前例というものではない。そして、民主党側の主張は間違っている」と述べた。

 

マルヴァニーは「国家非常事態宣言は法によって大統領に与えられた権限である。大統領が自分を望むものを手にすることが出来ず、それで魔法の杖を振ってお金を出現させるといった類のものではない」と述べた。

 

トランプ大統領が予算案法案に署名するという決断を下したことで、大統領の壁建設予算要求のためにもう一度政府機能が閉鎖されるのではないかという不安が支配した3週間が終わることを示している。

 

トランプ大統領は2019年1月25日に35日間続いた政府機能閉鎖を解除した。政府機能閉鎖は大統領の支持率にマイナスの影響が出て、結果として壁建設の予算を獲得することも出来なかった。

 

超党派の連邦議員たちは数週間かけて壁の建設予算13億7500万ドルを含む提案に合意するに至った。しかし、この金額はトランプ大統領が要求している57億ドルのほんの一部にしかならないものである。

 

トランプ大統領が妥協を受け入れたということは、2016年の大統領選挙で「自分には交渉技術がある」と売り込んでいたトランプ自身にとっての敗北を意味する。そして、アメリカ政府が分裂している状況下で、民主党の影響力が増大していることを示すものである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 前回は、「民主党が連邦下院議員選挙に勝利し、トランプは敗北した」という内容の記事をご紹介しました。今回は、「民主党は連邦下院議員選挙に勝利したが、トランプは選挙に勝利した」という内容の記事をご紹介します。

 

 リベラルなメディアとして知られる『ワシントン・ポスト』紙に掲載された記事ですが、アメリカの各新聞にはリベラルから保守まで様々なコラムニストがいて、それぞれの立場から論説を発表します。前回ご紹介したEJ・ディオンヌは同じワシントン・ポスト紙に論説を発表するコラムニストですが、リベラルの立場から書いています。

 

 今回ご紹介する記事を書いたエド・ロジャースはヴェテランのコラムニストで、保守の立場から論説を書いています。同じ現象(2018年中間選挙)をそれぞれの立場からどのように解釈するのか、ということで読み比べると相違点、どこを強調しているのかが分かって面白いと思います。

 

 今回の記事では、民主党は確かに連邦下院議員選挙で勝利したということは事実として認めています。しかし、それは大勝ではなかったし、民主党の躍進を「ブルーウェイヴ(Blue Wave、青い波)」とアメリカのメディアは形容したがそういう青い波など起きなかった、と書いています。民主党が新星、ライジングスターとして期待をかけていた候補者たちは軒並み落選したではないか、という点を強調しています。

 

 そして、今回の中間選挙は、有権者にとってトランプを罰する機会となったはずだが、有権者はそうしなかった、有権者はそうするはずだと述べていた、傲慢な民主党と主流派メディアの言うとおりにならなかったと述べています。そもそもこれまでの中間選挙でも、支持率が低い大統領を出している政党は軒並み議席を減らしていて、今回の結果はこれまでの選挙(大統領の支持率が低い場合)の平均を超えなかったと述べています。

 

 確かに、民主党は30議席以上伸ばし、2010年以来の連邦下院での過半数を確保しました。しかし、何か「勝った、勝った」と大喜びできる雰囲気ではありませんでした。連邦上院では共和党が過半数を確定しましたし、民主党の期待の星は当選できませんでした。

 

 連邦下院で過半数を得たし、2016年の大統領選挙で、それまで民主党支持が多かったのにトランプに投票した地域もある程度回復できた、ということで民主党が勝った、という評価がある一方で、有権者はトランプ大統領に罰を与えなかったという評価もできる訳です。

 

 2020年の大統領選挙に向けては、民主党が厳しい、という評価は民主党内部でも存在します。これからどうなっていくのか、注目していかねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党は連邦下院議員選挙で勝利した、しかし、トランプは選挙で勝利した(Democrats won the House, but Trump won the election

 

エド・ロジャース筆

2018年11月7日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/blogs/post-partisan/wp/2018/11/07/democrats-won-the-house-but-trump-won-the-election/?fbclid=IwAR0Uk3gHraxknmvptzUxRHs-JtOA_m__RCkOQfsQg8mrZ-PAz-ZPzcpSTFs&utm_term=.327ea3999bbb

 

火曜日の夜、共和党は完勝という訳にはいかず、また、民主党のブルーウェイヴもなかった。共和党はこれまでの歴史とほぼ全ての人々の期待を裏切った。一方、ビートー・オローク、アンドリュー・ギラン、ステイシー・エイブラムスなどが勝利するという夢想が破れたことで、民主党には失望が残った。民主党進歩派の新たなスターが登場することはなかった。今年の中間選挙の結果の意味を分析するのに数日必要となるだろう。しかし、簡単な分析はでき、その結果は明確だ。民主党は連邦下院で勝利するであろうが、選挙で勝利したのはトランプだ。

 

私が常々述べているように、政治においては、怒ると思われるものが起きることが多い。私が8月の段階で次のように予測した。民主党は連邦下院で過半数を獲得するだろうが、それだけでは民主党支持者のほとんどを満足させられない。今年の中間選挙はトランプ大統領を罰する機会を提供することになったが、傲慢な民主党と主流派メディアが予測したことはほとんど起きなかった。選挙の結果が示しているのは、その重要性が明確になるまでしばらく時間がかかるだろうが、民主党と主要メディアが言っていたことのほとんどは間違っていたということになるのだ。そして2018年の中間選挙が何かを証明するとなると、それは、トランプは強いままであり、トランプは有権者から拒絶すると期待していた民主党と協力者たちはこの人たち自身が否定されることになった、ということだ。

 

民主党は中間選挙のこれまでの歴史や人々の期待の大きさに比べて、うまくやることが出来なかった。大統領を出している政党は、大統領の支持率が50%を切っている場合、これまでの中間選挙において連邦下院で平均して37議席を失った。しかし、民主党はこの平均以上の議席の躍進は望めない状況だ。リベラル派は認めなくないだろうが、トランプ大統領は共和党にとって財産であり、バラク・オバマ大統領は民主党にとっては厄災をもたらす存在であった。

 

より明確に述べよう。有権者たちはトランプを罰するチャンスを得たが、そうしなかった。評論家のほとんどは、今年の選挙では、アメリカ国民とはどういう人たちか、アメリカとはどういう国かということをさんざん語った。それでも、アメリカ国民の多くはトランプを支持したようだ。民主党はトランプのマイナス面を述べるだけで、自分たちの勝利を促すことになると考えた。2018年の中間選挙の結果は、2020年の選挙に勝てると考えるのならば、計画を変更する必要があることを明確に示している。

 

中間選挙というものは、中間選挙はこのようになるという常識にほとんどの場合、従うものだ。大統領を出している共和党は議席をいくつか失ったが、しかし、民主党やメディアの協力者たちが起きるであろうと主張していた、民主党躍進によるトランプ大統領への懲罰とは程遠い結果になった。中間選挙が共和党にとっては悪い結果をもたらす、トランプに対して厳しい目が向けられているということであったなら、ここで疑問が出てくる。火曜日の選挙結果は、トランプが共和党にとっての重荷であるという考えを証明するものであろうか?トランピズムは共和党にとって政治上の重荷だろうか?この疑問に対する答えは、トランピズムはプラスだというものだ。What that says about the GOP and America is unclear. しかし、2018年の中間選挙における目的という観点からすると、トランプは勝利者ということになる。

 

トランプと彼の協力者たちは、ニューヨークとハリウッドのエリートたちが撥ねつけることも戦うことも出来ないアピールを人々にしている。2018年の中間選挙で民主党の注目株となった人々は全て当選できなかった。有権者がどちらに投票するかを決めなければならなくなった時、多くの場合、怒れる左派は人々から拒否され、トランプが利益を得ることになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2018年11月6日、アメリカで中間選挙(Midterm Elections)の投開票が行われました。連邦下院全議席(435)、連邦上院の約3分の1(33+2[特別選挙])、半数以上の州知事選挙が行われました。

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朝日新聞のウェブサイトから

 

 結果は、連邦上院では共和党が52議席を獲得し、過半数から更に1議席を積み増し、ということになります。非改選は共和42、民主23ですから、もともと共和党に圧倒的に有利な状況ですが、それでも過半数を抑えたという事実は大きいことです。

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連邦上院議員選挙結果(Real Clear Politicsから) 
 

 連邦下院は民主党が大勝利、地滑り的とまでは言えないにしても、完勝ということが言えます。まだ全議席が確定していないのですが、民主党が共和党の議席を30議席程度ひっくり返した結果で、過半数の218を10程度超える229議席を獲得する見通しになっています。

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連邦下院議員選挙結果(Real Clear Politicsから)

 州知事選挙では、民主党が逆転した州が7、共和党が逆転した州が1で、それまで共和党が圧倒していたのが民主と共和が拮抗に近い状態となりました。私が翻訳した『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)の主人公、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークが支援していたウィスコンシン州知事スコット・ウォーカー(共和党)は落選しました。

 

 2008年以降の選挙では、民主党がオバマ大統領の当選、連邦上下両院で大きく過半数を超える地滑り的大勝利となりました。オバマ政権下ではその後、連邦議会では共和党が勢力を回復し、2010年以降、連邦下院では過半数を大きく上回り、2014年以降は連邦上院でも過半数を獲得する状況となりました。2016年の選挙では、トランプ大統領勝利、連邦上下両院で過半数を維持という結果になりました。今回、連邦下院で民主党が過半数を獲得し、これからは、大統領は共和党、連邦上院過半数は共和党、連邦下院過半数は民主党ということになります。

 

 連邦上院は土地を代表する選挙システム(州の規模に関係なく各州2名ずつ)ということになります。この場合、共和党の優勢な、人口の少ない州が有利となります。日本で言うと、一票の格差がどれだけあるんだという話になりますが、州を代表するということで、アメリカ連邦を構成するカリフォルニア州もノースダコタ州も平等ということになります。共和党が優勢な州は「赤い州(レッドステイト)」、民主党が優勢な州は「青い州(ブルーステイト)」と呼ばれていますが、レッドステイトが20以上あるということは、連邦上院で40議席以上は固いということになり、共和党に有利な状況がこれからも続いていくことでしょう。

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赤色が共和党優勢、青色が民主党優勢、紫色が激戦州

 

 連邦下院は人間の数を代表する選挙システム(人口に基づいて区割り)です。ゲリマンダーという言葉を覚えている人も多いと思いますが、この区割りは各州の裁量に任されており、その州で優勢な政党に有利なように区割りされるという場合もあります。連邦下院は2年ごとに全議席が選挙されるので、連邦下院議員は大変です。2年ごとに選挙があるので、政治に野心がある人が予備選挙から挑戦してきますし、本選挙となれば相手の党と戦わねばなりません。連続して当選するということは大変なことです。

 

 ドナルド・トランプ大統領にとっては今回の選挙は、敗北でありましたが、実質的には勝利ということになります。まず、共和党は連邦上院で民主党の議席を4議席(フロリダ、インディアナ、ミズーリ、ノースダコタ)ひっくり返しました。民主党がひっくり返したのは1議席(ネヴァダ)です。これで過半数以上、52議席が確定しました。共和党が議席をひっくり返した4州は2016年の大統領選挙でトランプ大統領が勝利した州であり、共和党が優勢州と激戦州とされる集です。民主党が議席をひっくり返したネヴァダ州は民主党が優勢で、2016年の大統領選挙では民主党のヒラリー・クリントンが勝利しています。党派性が色濃く出た結果と言えるでしょう。

 

 トランプ大統領が様々なスキャンダル、疑惑に晒されているのは日本でも報道されています。ロシア疑惑、脱税疑惑、不倫疑惑などですが、大統領を訴追する権限は連邦下院に与えられています。一方、訴追された案件を裁判する権限は連邦上院に与えられています。正確には大統領だけではなく、大統領だけではなく、連邦判事や閣僚、連邦議員たちを含む公務員もこの権限の対象となります。

 

 トランプ大統領にとっては連邦下院で訴追決議がされても、連邦上院で裁判が行われ、弾劾決議が出るという可能性は減少しました。これはトランプ大統領にとってはかなり安心できる状況です。また、連邦上院は大統領が提案する公務員の人事を承認するかどうかの権限も持っています。連邦下院にはありません。FRB議長や連邦最高裁判事、閣僚といったアメリカにとって重要な人事が行われる際にはマスコミでも大きく報道されます。人事権に関しても、連邦上院で過半数を取ることで確保されたということが言えます。テキサス州で何とか再選されたテッド・クルーズが象徴するように、トランプ大統領の応援によって当選した議員たちが多くなっているので、彼らはトランプ大統領に反抗することはできません。

 

 トランプ大統領は、早速、ジェフ・セッションズ司法長官を更迭しました。セッションズは、ロシア疑惑がここまで大きくなることに関して何もしなかった、逃げた、オバマ大統領時代からの官僚が多くおり、反トランプの牙城とも言うべき司法省を抑えることが出来なかった、というのが更迭の理由でしょう。また、ジェイムズ・マティス国防長官、ジョン・ケリー大統領首席補佐官といった高級軍人出身者たちの更迭の噂も出ています。

 

 一方で、トランプ大統領は、連邦下院民主党に対して協力を呼びかけました。確かに、トランプ大統領のいくつかの政策は、民主党にとっても受け入れられる、推進したい政策です。トランプ大統領を押し上げた、ラストベルトと呼ばれる工業地帯の白人労働者たちは、元々は労働組合に加入して民主党を支持していた訳で、この点ではトランプ大統領と民主党は協調できる関係にあります。1980年代に日米間で貿易摩擦が起きましたが、その時に日本車を叩き壊していたのは、自動車産業が盛んなラストベルトの州を地盤とする民主党の議員たちでした。共和党はもともと自由貿易を主張しています。ここで「捻じれ」が起きてしまいます。

 

 今回の中間選挙では、アメリカのマスコミはpolarizationという言葉をキーワードに使っていました。分極化、党派争いの激しい状況、お互いがお互いを否定し合って馬鹿にし合って話ができない状況ということです。今の日本もそういう状況にあると思いますが、アメリカでは、これではいけないという動きも出ているようです。そのために選挙制度の変更という話も出ています。日本では単純に二大政党制にすることが改革だ、決められる政治だとする風潮がありますが、現在のアメリカをよく見て、それで良いのかを考えるべきです。

 

 今回の選挙結果では、有権者の投票志向は民主党に向かっていたということが出来ます。これはトランプ大統領に対しての批判ということになります。連邦上院で共和党が過半数を獲得したことは、もともと非改選で共和党が42議席を保持していたことを考えると、そこまで大きなことではないとも言えます。しかし、トランプ大統領は訴追弾劾を避けることができる、人事権を掌握できるということで、「まぁこの辺が満足すべきところだろう、連邦下院が少し負けすぎだけどな」という結果になったと思われます。

 

 民主党は、テキサス州の連邦上院議員選挙でビトー・オロークが勝利していれば、一気に大統領選挙の候補者にまでなったかもしれませんが、ライジングスターは生まれませんでした。党の中にはいまだに分裂があり、今回の勝利を楽観することはできません。

 

 上記のように考えると、トランプ大統領という人は、とても運が良い人ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ政権「米国第一」継続へ ねじれ議会と対立必至」

 

11/7() 21:10配信 朝日新聞デジタル

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181107-00000087-asahi-int

 

 トランプ米大統領の任期前半の信任が問われた中間選挙が6日に投開票され、連邦議会下院では野党・民主党が都市部や郊外の選挙区で票を伸ばし、8年ぶりに過半数を奪還した。一方で、上院は与党・共和党が現有よりも議席を伸ばす勢いで、上下院で多数派が異なる「ねじれ議会」となる。トランプ氏はこれまで通り「米国第一」主義の政策を進めるとみられるが、下院と対立するのは必至だ。

 

 下院(任期2年)の435議席すべてと、上院(任期6年、定数100)のうち35議席が改選された。トランプ氏が就任後初めて国民的な審判を受ける今回は、上下両院で共和党が過半数を維持できるかが最大の焦点だった。下院は、民主が改選前の193議席から大幅に積み増し、過半数の218議席以上となった。ABCの出口調査では、トランプ氏の支持は44%、不支持は55%で、この支持率が議席に反映された。

 

 民主は女性や若者、黒人や移民、性的少数者らに訴え、「反トランプ氏票」を掘り起こし、党のイメージ色にちなんだ「ブルーウェーブ」(青い波)を起こす戦略をとった。支持基盤の都市部に加え、バージニア州やペンシルベニア州、フロリダ州などの郊外の選挙区で、女性候補が共和党現職を破った。民主が下院を奪還するのはオバマ政権の2010年以来となる。

 

 民主党が下院で多数派となり、下院議長や外交、歳入など全委員長ポストを独占する。トランプ氏や側近のスキャンダル・疑惑を議会で追及できるほか、大統領には法案や予算の提出権限がないため、「ねじれ議会」でトランプ氏は民主党と対立する政策を実現しにくくなる。民主下院トップのペロシ院内総務は、ワシントンの集会で「(今日の勝利は)民主党や共和党を超えたもの。憲法を回復させ、トランプ政権の専制をチェックする」と話した。

 

 一方、共和党とトランプ氏は、劣勢だった下院よりも、過半数を維持しやすい上院の選挙区を重視する戦略をとった。全100議席のうち今回選挙になったのは35議席(二つの補選を含む)。共和は改選されない議席を42持っていたため、あと8議席を取れば、過半数を維持できるためだ。

 

 トランプ氏は2016年の大統領選当選の原動力となった中西部や南部の激戦州をまわり、好調な経済と株高、歴史的な失業率の低さを政権の成果としてアピールした。選挙戦終盤には中米からの「移民キャラバン」を犯罪と結びつけて恐怖をあおる手法で保守的な支持層を固めた。トランプ氏が指名した保守的な最高裁判事が承認されたことも、追い風になったとみられる。

 

 インディアナ、ミズーリ、ノースダコタの各州で民主現職から議席を取り返した。米CNNによると、日本時間8日午前0時半現在で共和51、民主45。トランプ氏は7日早朝、「昨晩の大勝利にたくさんの祝福が届いている。私が通商交渉に取りかかるのを待っている外国からもだ。さあ、仕事に戻ってやり遂げるぞ!」とツイートした。

 

 36州であった知事選は、同時刻現在、民主が少なくとも6州で取り返した。州知事は州の予算配分などに大きな権限を持ち、10年ごとの下院の選挙区見直しなど、選挙行政にも影響力がある。(ワシントン=香取啓介)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカの中間選挙がいよいよ近づいてきました。今回は、今度の中間選挙のことも入りつつ、アメリカ政治全体について書かれた少し古い記事をご紹介します。

 

 アメリカ政治の特徴は、三権分立(Separation of government branches)であり、司法、行政。立法の各機関がそれぞれを抑制する、チェック・アンド・バランス(check and balance)の機能を持っているということです。これはアメリカの建国の父たち(Founding Fathers)が、独裁者や独裁的な党派がアメリカ政治を支配しないようにするということで設計したものです。

 

 アメリカの場合、面白いのは、選挙制度もいろいろとあるということ、そして、各州が国政選挙においてその選挙方法を決めることが出来るということです。アメリカ連邦下院議員選挙は2年ごとに全議席(435議席)が対象となります。人口に応じて選挙区が区割りされています。ですから、連邦下院議員が多く出る州と少ない州があります。

 

 連邦上院議員(100議席)の場合は、任期は6年、選挙はだいたい3分の1ずつ2年ごとにあります。これは選挙期間でも連邦議員が残るように設計されているもので、日本の参議院と似ています。連邦上院議員は各州2名ずつ、どんなに大きな州でも2名、どんなに人口が少ない州でも2名となっています。

 

 アメリカ大統領は4年ごとの選挙です。特徴としては、各州で割り当てられている選挙人(electors)を取り合うというものです。ある州で選挙人が10名と設定されている場合、A候補が得票率50.1%、B候補が49.9%だった場合、A候補が10名を全て取る、勝利者総取り(winner takes all)方式です。ここ最近起きたことは、全米の総得票数で負けた候補が選挙人数で勝利をするということです。2000年のジョージ・W・ブッシュ、2016年のドナルド・トランプがそれぞれ勝利した大統領選挙でこの現象が起きました。

 

 アメリカ政治の特徴としては、二大政党制(two-party system)もあります。民主、共和両党以外にも、小さな政党や地域政党もありますが、州レヴェル、国レヴェルで大きな勢力になるに至っていません。これは各選挙で選ばれるのが1名の小選挙区(single-member districts)ということも理由として挙げられます。モーリス・デュヴェルジェという政治学者は、選挙区における選ばれる議員数と政党の数には法則性があり、それを「n+1」だと主張しました。これをデュヴェルジェの法則と言います。アメリカは単純な小選挙区制ですから、n=1となり、政党数は2となります。大選挙区制や比例代表制であると、多党制になるということになります。

 

 以下の記事では、まず、現在の選挙制度は、都市部を基盤とする民主党よりも、地方を基盤とする共和党の方に有利になるようになっていると主張しています。確かに現在、民主党が強い地域はアメリカ東海岸と西海岸の大都市がある地域で、農業などが盛んな州は共和党が強いという図式になっています。また、地方レヴェルでは共和党が政治を牛耳っていることが多く、選挙区の区割りで共和党が有利になるように設定しているとしています。


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レッドステイト(共和党優勢)とブルーステイト(民主党優勢)

 五大湖周辺の工業地帯(ラストベルト)と呼ばれる地域は、これまで労働組合が強く、民主党が強いとされてきましたが、2016年の大統領選挙で、トランプ大統領が軒並み勝利を収めたこと、白人労働者たちがトランプを支持したことは日本でも数多く報道されました。

 

 21世紀に入ってのアメリカ政治の特徴は、民主、共和両党のつばぜり合いが激しくなり、お互いがお互いの主張を完全に拒絶するという、党派争いの色彩が濃くなっているということです。そうした中、人々は、よりどちらかの政党を支持する方向に進むか、どちらも支持しないかということになっています。現在では、「自分はどちらの政党も支持していない(independent)」という有権者が多くなっています。

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2014年の時点でどちらでもないが43% 

 トランプ大統領になって、この傾向はより強くなっているようですが、トランプ大統領の政策は党派争い自体をあざ笑うかのようなものとなっています。トランプ大統領は共和党所属の大統領ですが、彼の行っている政策、特に経済ナショナリズムに基づいた関税政策といわゆる貿易戦争は、民主党の主張そのものです。「普通の」共和党所属の大統領であれば、行わない政策です。奇妙なねじれ減少をトランプ大統領が生み出しています。

 

 もっと言うと、アメリカ国内では、二大政党制についての懐疑論が出ているようです。二大政党制のために、党派争いが強くなって、建国の父たちが目指した、大きな力を持つ存在が出ないように抑制しながら、合意に基づいて政治を行う、ということが出来ていないという考えです。そのために、大選挙区制(multi-member districts)と選好選挙(ranked-choice voting)を導入しようという主張も出ています。実現性は低いですが、これが実現すると、多党制が出現することになるでしょう。

 

 簡単に言ってしまえば、合意よりも党派争いに終始する、民主、共和の現在の二大政党に対する不満が出ているということだと思います。イギリスでもそうですが、二大政党制の本家、家元のような国々で二大政党制に対する懐疑論が出ていることは私たち、日本人もよく考えねばならないことだと思います。

 

 1990年代からの政治改革においては、二大政党制の実現が目指されました。しかし、二大政党制が本当に良い制度なのかどうか、についてよくよく考えてみる必要があります。

  日本では二大政党制は、「決められる」政治を実現するものとしてもてはやされました。しかし、二大政党制は党派性による分裂を激化させ、多数を獲得した政党の横暴を許してしまうというようなことが起きてしまいます。少数意見への侮蔑、無視を引き起こし、結果として政治を分極化し、社会までも分極化してしまう、社会の分極化が更に政治の分極化を誘発するという悪循環になってしまうこともあります。

 

 そもそも二大政党制下のアメリカでは、日本でイメージするような「決められる政治」は行われていません。連邦議会で可決され、大統領が署名することで成立する法律も、法案は、連邦上院、連邦下院のそれぞれの小委員会から始まって様々な過程を経ることで修正が加えられていきます。また、法案は途中で廃案になるものが多く、法律になるものは10%程度に過ぎないとも言われています。

 

 日本で言われているような即断即決、粗雑な多数決主義がデモクラシーではないということを私は認識しておくべきでしょう。

 

以下に、記事の内容を箇条書きしたものをご紹介します。

 

=====

 

・今年11月の中間選挙の連邦下院議員選挙(全議席改選)に関する世論調査では平均して、民主党が共和党を約7%リードしている。

 

・しかし、民主党が確実に過半数を制するということではない。民主党が総得票数で過半数を得て議会でも過半数を占める確率は70%、民主党が総得票数で過半数を得ても共和党が議会で過半数を占める確率は30%という結果が出ている。


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・この理由は、民主党はより少ない選挙区において大差で勝利し、共和党はより多い選挙区でより少ない票差で勝利するということが挙げられる(平均すると民主党は67%、共和党は63%の得票率で勝利する)。

 

・選挙区がこのような結果になるように設定されている、民主党支持者は都市部に密集して住んでいるということがこのような結果になる理由である。

 

・民主党が共和党と五分の議席を獲得するためには53.5%の得票を必要とするシステムになっている。

 

・過去3回の選挙では、共和党は民主党よりも獲得票数は少なかったが、54%の議席を獲得した。2014年の選挙では、共和党は51%の得票数で55%の議席数を得た。

 

・連邦上院の場合は100議席のうち、3分の1ずつを2年ごとに選挙している。連邦上院でも共和党が少ない得票数でそれに見合わない数の議席を得ている。これまでの6年間で見てみると、民主党が総得票数で共和党を6%上回ったが、両院において議席数では過半数を得ることが出来なかった。

 

・アメリカ憲法の起草者たちは、連邦上院に関して人口ではなく場所を代表するように制度設計した。

 

・アメリカ大統領選挙は「選挙人(electoral college)」制度となっている。これで、全体の得票数で上回った候補者を、小さい州を僅差で勝利した候補者が破るということが可能となる。

 

・人々が集まって住んでいる場所は民主党、離れて住んでいる場所は共和党が強い。このような傾向は問題だ。それは、アメリカ憲法が反政党的な憲法だからだ。


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象は共和党
 

・アメリカの建国の父たちは権力が集中しないように、牽制されるようにしたいと考えた。党派が格レヴェルの行政機関において党派で一致した行動がとれないように牽制したと考えた。

 

・初代大統領ジョージ・ワシントン、第二代大統領ジョン・アダムスは、二大政党制が彼らの建設しようとした政府を破壊するかもしれないと考えた。

 

・連邦上院を例にとると、全ての州が平等に代表を送ることが出来るようになっており、巨大な州が他の州を支配することはできない。しかし、これによって、少ない人口の小さい州が過大な代表を送っているということにもなる。

 

・このようなねじれた状況はあまり大きなインパクトを与えてこなかった。二大政党は都市部と地方で激しく争ってきた。

 

・人口密度と政治志向はより強い関係性を持つようになっている。人口の多い上位13州の連邦下院議員数は民主党121に対して、共和党73である。残りの州では共和党163に対して民主党72である。

 

・人口が少ない州に対して、人口が多い州は隷属しているということになる。これに対して、連邦下院議員では人口において議席数が各州に割り当てられているし、大統領選挙では影響力を持っているという反論もある。

 

・南北戦争後、人口と連邦上下両院の投票制度と投票数は大きく変化した。しかし、選挙人制度は維持された。人口の少ない州の選挙に与える影響力は維持されている。

 

・アメリカ合衆国憲法では選挙区の設定は各州の行うべきものとされている。そのためにゲリマンダーということが古くからおこなわれている。

 

・現在の民主党は都市部を基盤としているが、人口を基にした勝利者総取りの選挙システムは自分たちに不利だと分かっている。選挙区の区割りも自分たちに不利だと分かっている。州レヴェルでは共和党の方が優勢なためにこのようになっている。数が少ない都市部での選挙区で民主党は大差で勝利するが、共和党はそれ以外の選挙区で勝利して多数を占める。2012年の選挙の際の区割りの見直しにおいて、48%の選挙区は共和党によって設定し直され、民主党が行ったのはわずかに10%だった。

 

・民主党は以前のように都市部以外の地方にもアピールをすべきだ、そうすれば憲法が定める人口が少ない州への過大な代表数ということも問題にならないという反論がある。

 

・アメリカの人口分布と構成は大きく変化している。アメリカ人はこれまでの歴史の中で最も多い割合で都市部に住んでいる。都市部を基盤にし、都市部の人々の希望を叶えることが長期で有効な戦略である。もちろん健全な民主政治体制にとって良いことではないかもしれない。

 

・有権者の得票数によって大統領を選ぶこと、連邦上院のシステムを変えることには憲法の変更が必要となる。連邦上下両院で3分の2の賛成が必要なので現実的ではない。

・全州の3分の2の発議で憲法会議(constitutional convention)を開くことで憲法の変更が行える。

 

・選挙人制度の廃止については裁判所を通じてのやり方がある。勝利者総取りで選挙人が全て商社に取られるのは憲法違反だという訴訟が起こされている。

 

・2007年にメリーランド州において、「メリーランド州の選挙人は大統領選挙において全米の総得票数で多かった候補者に投票する」という州法(NPVIC)が可決成立した。それ以降11の州で同様の州法が成立した。現在、172名の選挙人がこの州法の制限下にある。選挙人数の過半数270の過半数を大きく超える数字だ。

 

・このような州法が成立したのは民主党が州の立法を握っている州だ。共和党の中にはこれは共和党にとってもメリットがあると考える人たちがいる。2004年から2012年にかけての大統領選挙では、北部と沿岸の州には「青い壁」があり、民主党に有利だと言われていた、2016年の大統領選挙で、トランプは北部州において総得票数では負けながら、選挙人を獲得できた。トランプが北部州に穴をあけたということになる。

 

・連邦下院の選挙区割りにおいてゲリマンダーが出来ないようにしている州が増えている。

 

・連邦下院議員ドン・ベイヤーは、連邦下院議員選挙に大選挙区と選好投票(複数の候補者に支持する順番に1、2、3・・・とつけていく)制度の導入を訴えている。これで有権者の意向がより反映されると主張している。

 

・ベイヤーは現在の議会でこの法案を通すことは不可能としている。しかし、全米各州や各都市で選好投票が導入されている。

 

・アメリカ政治における党派の衝突を選好投票は緩和すると考えられている。アメリカの建国の父たちは二大政党制を警戒していたが、憲法などで定められたルールによって二大政党制が確立された。

 

・アメリカの建国の父たちは法律が幅広い合意によってつくられることを望んでいた。強力な二院を持つ連邦議会と大統領が法律に合意する、連邦最高裁判所がそれらの法律の合憲性を担保するというものだ。二大政党制では合意に必ずしも高い価値は置かれない。政府が2つの政党によって分裂させられていると、建国の父たちが権力の抑制のために与えていた力をお互いの提案を拒絶するために使う。もし一つの党が統一的なコントロールの力を手に入れたら、権力の抑制を無視し、無力な野党に自分たちの意思を強制できる。

 

・19世紀、民主党とウィッグ党はそれぞれ奴隷制度廃止に賛成と反対の派閥に分かれた。これによって超党派の連合がより形成しやすくなった。

・南北戦争後、南部諸州の白人たちはエイブラハム・リンカーン率いる共和党を、南部を破壊したとして非難した。それから共和党への投票を拒絶して1世紀経った。これによって、民主党の連邦議員には人種分離主義者と保守的な南部出身者が入り、民主党と共和党はイデオロギー的に重なる部分があった。

 

・1960年代、民主党は人種的平等を主張するようになった。これによって共和党は南部諸州に浸透していった。2010年代までに南部諸州で白人が多い選挙区は一様に共和党が勝つようになった。

 

・支持基盤が再構成された民主、共和両党はイデオロギー上でますます離れるようになった。


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棒と棒の間が広がっている
 

・可決する法律の数が、1975年から1994年までの時期と1994年以降の時期で比べると40%も下がっている。

 

・改革は難しい状況にある。民主、共和両党は強力であり続けようとし、党派性の強い政治を維持しようとする。

 

・アメリカ社会はこれまでになく分裂している。党派争いの激しい政治はアメリカ社会の分裂の原因でもあり、結果でもある。

 

(貼り付けはじめ)

 

The minority majority

America’s electoral system gives the Republicans advantages over Democrats

The constitution was not designed for the two-party politics it unwittingly encouraged

 

Print edition | Briefing

Jul 12th 2018 | WASHINGTON, DC

https://www.economist.com/briefing/2018/07/12/americas-electoral-system-gives-the-republicans-advantages-over-democrats?fsrc=scn/tw/te/bl/ed/americaselectoralsystemgivestherepublicansadvantagesoverdemocratstheminoritymajority

 

 

WHEN pollsters ask Americans which party they plan to vote for in the elections for the House of Representatives this November, those preferring the Democrats lead those preferring the Republicans by around seven percentage points. But this does not mean the Democrats are a shoo-in to win the House. The Economist’s statistical model of the race for control of the House of Representatives—which uses this sort of “generic ballot” polling, along with other data—currently says that, although the likelihood of a Democratic majority in the popular vote is a remarkable 69.9%, the Republicans still have a 30% chance of holding on to the House (see chart 1).

 

The source of this discrepancy is that Democrats will win their seats with big majorities in fewer districts, whereas Republicans will prevail by narrower margins in a larger number of districts. In 2016 Democrats who beat Republican opponents won an average of 67.4% of the two-party vote in their districts, whereas Republicans who defeated Democrats received an average of 63.8%. This imbalance is partly due to deliberate attempts to create districts that provide such results, and partly just down to the fact that Democrats tend to live more tightly bunched together in cities. Together, these two factors put up quite an obstacle. According to our model, the Democrats need to win 53.5% of all votes cast for the two major parties just to have a 50/50 chance of winning a majority in the House.

 

If this imbalance were limited to a single chamber of the legislature, or a single election cycle, the Democrats’ frequent carping about a stacked electoral deck might sound like sour grapes. All electoral systems have their oddities. But changes in where Americans live and contradictions in their constitution—a document designed to work with many weak factions that has instead encouraged and entrenched an increasingly polarised two-party system—have opened gaps between what the voters choose and the representation they get in every arm of the federal government. In recent decades these disparities have consistently favoured the Republicans, and there is no reason to think that trend is going to change on its own.

 

In the past three House elections, Republicans’ share of House seats has been 4-5 percentage points greater than their share of the two-party vote. In 2012 they won a comfortable 54% of the chamber despite receiving fewer votes than their Democratic opponents; in 2014 they converted a 51% two-party-vote share into 55% of the seats.

 

Such comparisons are harder for the Senate, where only a third of the 100 seats are contested in any election. But adding together all the votes from the most recent election of each senator, Republicans got only 46% of them, and they hold 51 of the seats. According to research by David Wasserman of the Cook Political Report, an electoral-analysis site, even if Democrats won the national vote by six percentage points over a six-year cycle, they would probably still be a minority in both houses.

 

That the Senate should be disproportionate would not have disappointed the men who wrote America’s constitution. They wanted it to represent places, not people, and there is a case for that; other constitutions, such as Germany’s, look to ensure regional representation in their upper house. But when it comes to its presidency, America stands alone.

 

In all the world’s other 58 fully presidential democracies—those in which the president is both head of state and head of government—the winning candidate gets the most votes in the final, or only, round of voting. But due to the “electoral college” system that America’s founders jury-rigged in part to square the needs of democracy with the demography of slavery, this does not hold true for America. States vote in the college in proportion to their combined representation in both houses of Congress. This set-up means that a candidate who wins narrowly in many small and smallish states can beat one who gets more votes overall, but racks most of them up in big majorities in a few big states.

 

During almost all of the 20th century this did not matter much; the candidate who got the most votes won every election from 1896 to 1996. But both of the past two Republicans to win the presidency have received fewer votes when first elected than their Democratic opponents did. In the contest between Al Gore and George W. Bush in 2000, this margin was a modest 0.5 percentage points. In 2016, however, it was substantial: Hillary Clinton’s lead of 2.1 percentage points was larger than those enjoyed by the victorious John F. Kennedy in 1960, Richard Nixon in 1968 and Jimmy Carter in 1976.

 

Is a dream a lie if it don’t come true?

 

America’s various disproportional representations are the result of winner-takes-all voting and a two-party system where party allegiance and geography have become surprisingly highly correlated. Places where people live close together vote Democratic, places where they live farther apart vote Republican (see chart 2). Under some electoral systems this would not matter very much. Under America’s it has come to matter a lot, in part because of an anti-party constitution.

 

America’s founders wanted power to be hard to concentrate, and for people who held some powers to be structurally at odds with those who held others. To this end they created a system in which distinct branches and levels of government provided checks and balances on each other. They hoped these arrangements would be sufficient to hobble any factions which sought to co-ordinate their actions across various levels and branches of government. The first two presidents, George Washington and John Adams, both warned that a two-party system, in particular, would be anathema to the model of government they were trying to build.

 

Aware that they could not solve the problem of parties altogether, the founders thought the constitution would at least ensure that they were reasonably numerous and ineffectual. But some of the features they built into it inadvertently encouraged politicians to concentrate themselves into just two blocs. And some of the mechanisms they put in place to guard against other concentrations of power went on to exacerbate the problems that such a two-party system can cause.

 

Take the Senate. To make sure the largest states do not dominate the rest, the constitution provides equal representation for all the states, large and small alike. This builds in an over-representation for people in small or sparsely populated places.

 

For most of the country’s history, that bias had only a modest impact. The parties the founders feared competed strongly with each other in both urban and rural areas. Recently, however, population density has become a strong proxy for political preferences. Today the 13 most densely populated states have 121 Democratic House members and 73 Republican ones; the remainder have 163 Republicans and 72 Democrats. According to data compiled by Jonathan Rodden of Stanford, nearly half the variance in the county-level vote shares in the presidential election of 2016 could be explained solely by their number of voters per square kilometre. Now that the rural has a party, a constitution that favours the rural favours that party.

 

The constitution’s tipping of the scales towards small states was not limited to those with small populations in absolute terms. It also applied to those with a small number of voters compared with the size of their population: that is, states in which much of the population was enslaved. These states argued that their slave populations should count towards their allocation of seats in the House and the weight given to their preferences when choosing a president; the other states resisted. A compromise was struck whereby, when it came to the assignment of political power, a slave counted for three-fifths of a free man or woman.

 

This odious arithmetic required the creation of an electoral college for the presidency, since it divorced the power of a state’s votes from the number of people actually casting them. And the founders required an absolute majority in the college to elect a president—if no candidate received over 50% of electoral votes, the choice fell to the House. This created an incentive for the formation of nationwide parties whose candidates could win the necessary majority, thus encouraging the development of a two-party system.

 

The constitution does not specify how states must allocate their electors—conceivably, states could have split their votes according to the proportion of the vote cast in that state for each candidate. But in order to maximise their influence over the final result, all but two of the states wound up casting their electoral votes on a winner-takes-all basis. As a result smaller parties could not amass any electoral votes at all, which locked in the two-party model.

 

The hard edge that you’re settling for

 

After the civil war, population and voting were, in principle if not in Jim Crow practice, aligned. But the electoral college persisted, and with it a second formal bias towards low-population states, though not as marked as the one in the Senate. As of the census of 2010, the five most rural states wielded about 50% more electoral votes, and three times as many senators, per resident as the five most urban ones did.

 

True to the ideal that power should be dispersed, the constitution makes the drawing of districts for House elections a matter for the states. But once there were national parties that competed for state office, too, governors and state legislatures lost little time in drawing up districts specifically designed to improve their party’s chances on the national stage. This gerrymandering is not a new phenomenon; it got its name in 1812.

 

In the run-up to an election held in 1841, the Democrats running Alabama chose to use a voting system in which all five representatives would be elected statewide, ensuring an all-Democrat delegation. Fearful of similar setbacks elsewhere, the Whig majorities in both houses of Congress passed a law requiring all states to use winner-takes-all, single-member districts. In 1932 a Supreme Court ruling enabled states to reinstate statewide elections for House members, and many did. But in order to prevent southern states from denying representation to black voters Congress restored the single-member-district requirement in 1967.

 

As a party of the cities, today’s Democrats would find themselves at a disadvantage in any geographically based winner-takes-all electoral system in which receiving 99% of the vote is no better than getting 51%. But gerrymandering adds to the disadvantage. Republicans run more state governments than Democrats do, in part because in state legislatures, too, the Democrats concentrated in cities tend to win bigger majorities in fewer districts. That gives the Republicans more opportunities to game the system: in the 2012 redistricting cycle, the boundaries of 48% of House districts were drawn entirely by Republican officials, compared with just 10% by Democratic ones.

 

One response to all this is to say that the problem is the Democrats’ to solve. They used to appeal outside the cities, towns and denser suburbs; if they were to do so again the constitutional bias towards less populated places would no longer trouble them. But although this may seem like sound politics, it is more to wish away, or paper over, the problem than to solve it. The distribution and make-up of America’s population really has changed. More people live in cities than have ever done so before, and they want, and believe in, different things from those who don’t. Adapting policies to appeal to an ever-shrinking share of the population—just 19% of Americans lived in rural areas in 2016, down from 25% in 1990 and 36% in 1950—against the wishes of the party’s urban base cannot be a stable long-term strategy. Nor is it a recipe for a healthy democracy.

 

An alternative would be to try to make the system equitable given today’s aligned ideological and geographical polarisation. This is not easy. Creating a directly elected presidency or restructuring representation in the Senate would require changing the constitution, and just now the idea of an amendment aimed at either of these goals receiving assent from two-thirds of both houses of Congress is implausible. That said, there is another mechanism for tabling an amendment: a constitutional convention called by two-thirds of the states. This route has never been used, but activists for a balanced-budget amendment have signed up 28 of the 34 states they need for such a convention. If it were ever to be held, other amendments might possibly be tabled there, too, including perhaps some that reform the voting system.

 

Absent that wild card, though, most efforts at reform are aimed below the constitutional threshold. On the electoral college, activists think they have found paths to abolition that not only fit within the constitution’s constraints, but do not even require action by Congress.

 

One of these runs through the courts. A campaign led by Lawrence Lessig, a law professor at Harvard, and David Boies, an eminent trial lawyer, has filed suits in four states arguing that the winner-takes-all allocation of their electoral-college votes is unconstitutional. If all a state’s electoral-college votes go to a candidate supported by just 51% of that state’s voters, they argue, the other 49% have in effect been disenfranchised. How this argument fares has yet to be seen. But to achieve its goals it would need to be upheld by the Supreme Court. Invalidating the voting procedure used for most of American history by the vast majority of states would be a big step for the court—especially given its current conservative make-up.

 

A path that may prove easier makes use of state legislation. In 2007 Maryland passed the National Popular Vote Interstate Compact (NPVIC), a law that obliges the state’s presidential electors to vote for the winner of the nationwide popular vote rather than the victor in their state—so long as states representing an overall majority of the electoral college have approved an identical bill. Eleven states have since followed Maryland’s lead. The NPVIC now has 172 electoral votes committed, over halfway to the magic number of 270—a majority in the college.

 

Just cut it loose

 

So far, the compact has become law only in states with Democratic legislatures. But some Republicans see its merit, too. In the presidential elections of 2004, 2008 and 2012, the disposition of states in play meant that the Democratic candidate would have won the electoral college had the national popular vote been tied, and a “blue wall” of northern and coastal states was said to give Democratic candidates an inbuilt advantage. The holes Donald Trump kicked in the rusty northern bit of that wall, and his coupling of an electoral-college win with a popular-vote defeat, has understandably dampened Republican enthusiasm. But John Koza, the leader of the NPVIC effort, says that as of last year 153 of the 156 Republican state legislators who sponsored NPVIC bills in 2016 are still on board. Last year Saul Anuzis and Michael Steele, the former chairmen of the Michigan and national Republican parties, wrote that the NPVIC was “an idea whose time has come”.

 

The House, too, could be reformed without any constitutional amendment. Again, the legal route looks hard. The Supreme Court sent challenges to various forms of gerrymandering back down to the lower courts in its recent term, rather than issuing a firm ruling. Brett Kavanaugh, Mr Trump’s recently announced nominee to the court, would probably, if confirmed, be less likely to restrict the practice than the departing Anthony Kennedy was.

 

But this has been a banner year for anti-gerrymandering ballot initiatives which bypass governors and legislatures and their party allegiances. In May, Ohio voters approved a measure making it harder for the state legislature to draw up partisan districts. In November voters in Colorado, Michigan, Missouri and Utah will be able to vote for reforms that either make redrawing districts a bipartisan business or outsource it to non-partisan commissions.

 

A more ambitious initiative, if one that is less likely to see short-term success, has been introduced in the House. Don Beyer, a Democratic congressman, has sponsored a bill mandating the nationwide adoption of multi-member districts and ranked-choice voting (RCV), a system used in Australia, Ireland and Sri Lanka. Under Mr Beyer’s proposal, voters would not choose a single candidate, but rank the candidates standing by order of preference until reaching someone whom they did not want to support under any circumstances. When the ballots were counted, the contender with the fewest first-choice votes would be eliminated, and his or her support reallocated to those voters’ second choices. This would then be repeated until the field was reduced to the required size—between three and five representatives, depending on the seat. The system is broadly, though not entirely, proportional. It also tends to ensure that candidates acceptable to a broad swathe of voters are rewarded for that breadth.

 

Mr Beyer says he knows his bill will not pass in today’s Congress. But in June Maine became the first state to use RCV for primaries for Congress and the governor’s race. Various cities—including, recently, San Francisco—have started to use it. In Utah, one of the most Republican states in the country, the lower chamber has passed a bill mandating RCV in elections, though it failed to get out of committee in the state senate. It is hardly a groundswell of support—but it is more than there was.

 

And unlike other proposals for making voting more representational, RCV might go some way to dampening down the dynamics that have made American politics so partisan. The way in which the voting system fails in a country where party and geography align is, after all, just one part of a bigger problem: a constitution that was set up to work with something other than the two-national-party system that the founders wanted to avoid but which, due in part to the voting rules they imposed, captured their country.

 

The founders wanted to ensure that laws would command broad consensual approval: two powerful houses of Congress and the president had to agree on them, the Supreme Court had to underwrite their constitutionality. In a two-party system consensus is not highly valued, and ways of thwarting it are easily found. If government is divided between the two parties, they can use the checks and balances the founders provided to veto each other’s proposals, preventing policies from being enacted even if they might, on their merits, draw consensual support. If one party secures unified control, it can ignore the checks and balances and impose its will on the temporarily powerless opposition, consensus be damned.

 

When parties are broad churches, and when there are causes that, for at least some of their members, matter more than party unity, these problems are minimised. And that is how it was for much of American history. In the early 19th century both Democrats and Whigs were divided into pro- and anti-abolition factions, which made bipartisan alliance easier. After the civil war white Southerners blamed Abraham Lincoln’s Republicans for laying waste to their homeland, refusing to vote for them over the subsequent century. That filled the Democratic Congressional delegation with segregationist and conservative Southerners, producing two parties with considerable ideological overlap. According to Sarah Binder of George Washington University, in the mid-20th century the voting records of over 30% of federal legislators were closer to the overall centre than they were to the midpoints of those representatives’ political parties.

 

But in the 1960s the Democratic Party embraced racial equality. Over the generation which followed, the Republicans were able to take the South from it. By 2010 congressional delegations from white districts in the South were uniformly Republican. The realigned parties became much more ideologically distinct (see chart 3). The voting record of the most liberal Republican is now far to the right of that of the most conservative Democrat. Ms Binder’s numbers show that the “moderates” in Congress can now be counted on one hand.

 

The result has been a great deal of gridlock—aided, in the Senate, by filibusters that used to be rare and are now the norm. Congress has approved around 40% fewer laws per session since 1994 than it did from 1975-94. The baleful equilibrium is punctuated, when control of the various branches aligns, by spurts of partisan lawmaking. At present, the main check on the Republican use of that dominance is their internal division. Since 2010, majority-party leaders have generally refused to bring legislation to the floor that does not command a majority of their own party. As William Connelly of Washington & Lee University writes, “intra-party factionalism curbs the excesses of inter-party factionalism”—but it exacts a cost in stasis.

 

Poking that dog with a stick

 

This is not a situation open to easy reform; nor would all want to reform it. Parties try to become strong, and remain strong, for perfectly understandable political reasons. Strong parties can be a boon, though the balance of benefit to risk is better in a system designed with them in mind. And American society is divided in ways it was not before; its partisan politics are in part a cause of that—but in part, too, a consequence of it.

 

An electoral system that has its thumb on the scales, though, is harder to defend. And measures to redress that electoral bias through greater proportionality in the voting system might also help with the broader issues of political division. Systems with elements of proportional representation, such as that sought by reformers of the electoral college or House districts, not only provide bulwarks against charges of illegitimacy. They also have a tendency towards consensus of the sort the founders wanted. There is a reason why, when choosing their own constitutions, no other country has for long survived with a replica of the American model—and why when guiding the design of constitutions for others, as they did in post-war Germany and Japan, Americans have always suggested solutions quite unlike the one under which they live.

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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