古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:連邦上院

 古村治彦です。

 アメリカが堅持してきた二大政党制が崩壊する可能性が高いと私は考えている。今回の大統領選挙をめぐるこれまでの動きの中で、共和党内に大きな亀裂が生まれている。民主党はエスタブリッシュメント対進歩主義派という対立構造があったが、「アメリカの敵・ドナルド・トランプとトランプ支持者たち(本当は民主党が助けなくてはいけない人たちのはずだが)」という共通の敵を作り上げて、今のところは一枚岩だ。

外国に敵を作って、皆でまとまろうという策謀と全く同じ構造だ。これで、「アメリカの融和」などと寝ぼけたことを言っているのは笑止千万だ。これに協力している、進歩主義派も結局、エスタブリッシュメント派の軍門に下り、ワシントンでの楽しい生活を謳歌している。私は大きく失望している。中世ヨーロッパの言葉に「都市の風は人間を自由にする」というものがあるが、それをもじって言えば、「ワシントンの風は人間を徹底的に堕落させる」ということなのだろう。進歩主義だ、貧しい人々のためだ、と意気揚々とワシントンに乗り込んでみたら、取り込まれて、堕落してしまう。その点で、ドナルド・トランプという人物は最後まで、ワシントンの「部外者(アウトサイダー)」だった。

 共和党に目を移せば、「エスタブリッシュメント派対トランプ・ポピュリズム」という対立構図になる。このブログでも紹介したが、共和党支持の有権者たちの間でのトランプ支持は根強い。この有権者たちにそっぽを向かれれば共和党の議員たちは落選して、ただの人となり、楽しいワシントンでの生活からオサラバしなければならない。

 2020年の選挙では連邦上院では共和党と民主党が50対50となり、連邦上院議長は副大統領が務めるので、民主党が過半数を握ることになった。連邦下院では民主党が過半数を維持したが、共和党が議席数を伸ばした。2022年の中間選挙では共和党が議席数を伸ばすことが見込まれている。

 共和党側は、民主党側に対して、「民主党は社会主義の方向に進んでいる」という宣伝戦略を展開している。2022年に向けてもこの戦略を採用しようとしている。これで消極的な民主党支持者たちを取り込もうとしている。民主党側では、進歩主義派の勢力が大きく、バイデン政権と連邦議会民主党執行部としても無視できない。そこで、「大きな政府」政策を実行すると、共和党側の宣伝戦略にはまってしまう。

 一方、共和党側でも「トランプ・ポピュリズム派」は、民主党側からの攻撃目標にされてしまうだろう。「あの連邦議事堂襲撃事件を起こしたトランプを支持する政治家たちを当選させてはいけない」という戦略で共和党攻撃を行うだろう。民主、共和両党はお互いの「急進派」を標的にして攻撃する戦略で2022年の中間選挙を戦うことになる。両党にとって、「急進派」は重要な存在である。そう簡単に切ることができない。このかじ取りが2022年の選挙の結果を左右することになるだろう。

(貼り付けはじめ)

共和党は2022年に連邦下院で過半数を獲得する道筋を見ている(GOP sees path to House majority in 2022

ジュリー・グレイス・ブラフケ筆

2020年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/526444-gop-sees-path-forward-to-house-majority

共和党は今週連邦議事堂に戻って来た。共和党は予想を裏切り、選挙投開票日に連邦下院での議席を増やして戻って来た。2022年の中間選挙で過半数を獲得する見通しを持っている。

共和党所属の連邦下院議員たちは木曜日、連邦下院少数党(共和党)院内総務ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)をはじめとする連邦下院共和党指導部をそのまま再任することで、その功績に報いた。共和党は、分裂した投票行動を行った有権者たちから支持を受けた。この有権者たちはトランプ大統領をホワイトハウスから追い出しながら、連邦上院と連邦下院の選挙の共和党の候補者たちを支持した。

選挙結果はアメリカ国民が捻じれた政府(訳者註:ホワイトハウスは民主党、議会は共和党)を認めたということであり、共和党側は2年後の中間選挙において連邦下院で過半数を奪還することができるという手ごたえをつかんでいる。中間選挙はこれまで、ホワイトハウスを掌握している政党が連邦議会で議席を減らすということになっている。

まだ結果が出ていない複数の州で共和党の候補者たちが優勢であり、それらを入れて、共和党は20議席近く増やそうとしている。共和党は今回の選挙結果でも過半数まで17議席足りないままである。しかし、民主党側から見れば、第二次世界大戦以降、最も議席差が少ない連邦下院ということになっている。

連邦下院少数党(共和党)幹事ステイ―ヴ・スカリス連邦下院議員(ルイジアナ州選出、共和党)は全米を駆け回って再選を目指す現職たちのために応援演説をしていた。スカリスは本誌の取材に次のように答えた。「今回の選挙で私たちは接戦の選挙区において多くの議席を獲得したことで、多くの人々に衝撃を与えることができました。しかし、私たちはこれからもやらねばならないことがたくさんありますが」。

スカリスは続けて「私たちが接戦で敗れた選挙区においても素晴らしい候補者たちがいるということを既に伝えられています」と述べた。

共和党指導部は2022年の中間選挙について楽観的になることを戒めていると述べている。彼らは現在の状況について良くなっていると感じているが、連邦下院で過半数を奪還するためにはこれからも戦い続けねばならないだろうと述べている。

トム・エマー連邦下院議員(ミネソタ州選出、共和党)は連邦下院共和党の選対委員長を務めたが、共和党は今回の選挙で予想を超える結果を得たが、連邦下院で過半数を奪還できなかったことについては「失望している」と述べた。

共和党全国選挙対策委員会(The National Republican Campaign CommitteeNRCC)委員長エマーは、議席増を当然のこととは考えておらず、過半数奪回に目を向ける必要があると述べている。また、2018年の中間選挙で民主党側の攻勢によって民主党が基盤を築いた選挙区での議席獲得のための道筋はあるとも述べている。

共和党はマイアミで複数の議席を獲得し、失うと予想されていたテキサス州での複数の議席を維持した。しかし、エマーはアリゾナ州、ミシガン州、ニューハンプシャー州、ペンシルヴァニア州の各州で逆転できる可能性があったと述べている。

エマーは本紙の取材に対して次のように述べた。「今回の選挙で私たちがいささか成功したが、これは偶然の産物ではないということを共和党全体が理解しなければなりません。私たちは努力を続けたので、成功するだろうと言われていました。これからも挑戦は変わりません。より努力をしなければなりません」。

エマーは「人々がどんなことを言っても、簡単なことではないのです。世論調査の専門家や予言者の言うことなど聞きません。選挙の結果は全て候補者たち次第なのです。幸運は自分の力で引き寄せねばならないのです」と述べた。

エマーは、共和党が強力な、そして多様性のある候補者たちを登用したことと、民主党内の分裂によって、共和党が民主党の有名議員たちを落選させることができたと述べている。今回の選挙で民主党側は中道派の議員たちが多く落選した。エマーは、共和党全国選挙対策委員会の戦略として、民主党側の進歩主義的な政策を際立たせながら、接戦の選挙区に照準を定めるという戦略を採用するとしている。

エマーは「穏健派・中道派は残っていません。話は変わりますが、民主党がナンシー・ペロシを議長にとどめるならば、それは私たち共和党にとっては悪いことではありません」と述べた。

連邦下院民主党は水曜日、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)をこれからの任期2年間、民主党のトップに据え続けることに決定した。ペロシは1月の全連邦下院議員からの投票で、過半数の支持を必要としている。2019年の連邦下院議長選挙で、民主党所属の連邦下院議員15名が反対票を投じたが、来年の議会に戻ってくるのはそのうちの10名だ。民主党は議員の数を減らしている。それでも、ペロシの再選にとっては高いハードルにはならない。

民主党側で議席を失うことになる5から15議席の議員たちの中には、長年議員を務めたヴェテランや注目を集めつつあったスター議員たちが含まれている。それらの中には、マイアミ・デード郡の選挙区から出ており、クリントン政権で保健福祉長官を務めたドナ・シャレイラ連邦下院議員(フロリダ州選出)、スタテン島の一部が選挙区になっているマックス・ローズ連邦下院議員(ニューヨーク州選出)、共和党が優勢な選挙区で15期にわたって議員を務め、連邦下院農業委員会委員長を務めたコリン・ピーターソン連邦下院議員(ミネソタ州選出)が含まれている。

歴史的に見て、ホワイトハウスを握っていない側の政党は中間選挙で過半数を獲得している。民主党所属の連邦議員の中には、2022年中間選挙に向けて戦略を再検討する必要があると述べている。

ある民主党連邦議員は、共和党側の民主党と社会主義を結び付けるメッセージ戦略について、民主党はこれに対して戦わねばならず、ペロシ議長は、こうした攻撃のために劣勢に立つであろう民主党の議員たちの敗北に責任を持つことになる。

この議員は次のように述べた。「私が言いたいのは、2022年の中間選挙において私たちは良い立場にはいないということです。私たちは劣勢に立っているんですよ。ペロシ議長が議長職にとどまるというのは全くもって不公正なことです。彼女はこれから2年間議長職にとどまりますが、その後の2022年、私たちは大惨敗を喫する可能性が高いのです」。

「私たちが10から15議席を失うだけでなく、連邦下院民主党は過半数を失うことにもなるでしょう。2020年の中間選挙は、民主党側では共和党から議席を獲得し、過半数の議席数を拡大する機会にもなるはずでした。しかし、私たちはこの機会を無駄にしました。私たちは2022年に議席数の減少を阻止するための堤防を築くために、2020年の選挙がどれほど重要なのかはわかっていました」。

流れは共和党に有利な方向に流れているようではあるが、共和党は今回の選挙での躍進を当然のことだと思ってはならず、連邦下院での過半数奪回のためにはこれからいくつもの高いハードルを越えていくことになるだろうと気を引き締めている。

連邦下院共和党筆頭副幹事長ドリュー・ファーガソン(ジョージア州選出、共和党)は次のように語っている。「もし現在の流れについて考えるならば、私たちは歴史的な勝利を収めたと言えるでしょう。私たちは民主党の本性を明らかにしました。民主党はこの国を社会主義の方向に進めようとしているのです。しかし、私たちはいささか押し戻すことができました。人々は考えを変え、戦うために外に出ました。そして、僅差で多数となっている人々が、人々をまとめる方法を主張しています」。

ファーガソンは続けて次のようにも述べた。「従って、私たちはより一生懸命に努力しなければなりませんし、資金集め、良い政策作り、メッセージの発信など全てのことに注力し、これまでの2倍努力しなければなりません。私たちはそれができると確信しています。しかし、それはドアを通って歩いていけば自然に手に入るものではなく、私たちは勝ち取りに行かねばならないのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 アメリカ連邦議会の共同会議開催中に、トランプを支持する人々が連邦議事堂に侵入し、議事堂の建物を占拠するという出来事が起きた。このことについては後ほど書く。

 1月6日の連邦上下両院の共同会議では、アメリカ大統領選挙の選挙人団の投票結果を承認するということになっていた。これまでであれば、「○○州は誰々」と読み上げ、選挙人獲得数が多い候補者が勝利者と決定するということを読み上げるだけで、文字通り数分で終わり儀礼であった。しかし、今回は、選挙結果に反対する動きが連邦上下僚両院にあり、通常通りにはいかないという見通しであった。激戦州での結果について、異議を申し立てる議員が出てくることは確実だった。

 民主党側の連邦議員たちが大統領選挙の結果に異議を申し立てる訳はないので、異議を申し立てるのは共和党側の議員たちである。しかし、共和党は一丸となって選挙結果に対して反対するということにはなっていなかった。以下の記事は、選挙結果に対しての反対を支持する議員と反対する議員たちの動きを紹介したものだ。

 共和党の議会指導部は選挙結果反対の動きに反対(選挙結果を受け入れる)ということで一致し、議員たちに反対しないように求めていた。それに対して、数十名の連邦議員たちが反対の動きを強めていた。そして、共同会議が開かれてすぐの時点で、連邦議事堂内に侵入者が発生して、会議は停会となった。

 いろいろのタイミングなどを考えると、今回の出来事がどうも仕組まれたものではないかという疑いを

 

(貼り付けはじめ)

選挙結果に対する挑戦の動きへの反対者が増えている中で選挙人団の投票結果をめぐる戦いは共和党を分裂させている(Electoral College fight splits GOP as opposition grows to election challenge

ジョーデイン・カーニー筆

2021年1月5日

『ザ・ヒル』

https://thehill.com/homenews/senate/532743-electoral-college-fight-splits-gop-as-opposition-grows-to-election-challenge

2020年の大統領選挙の結果を覆すための長期にわたる試みをめぐる、水曜日の戦いは共和党側を分裂させている。選挙結果に反対する計画に対しての反対者が増えている中で、同じ州選出の議員たちの間で立場が分かれている。

火曜日、複数の共和党所属の連邦上院議員たちは選挙人団(Electoral College)の投票結果に挑戦することに反対するだろうと発表した。この発表によって、水曜日に連邦議会(Congress)が共同会議を招集するが、少なくとも5つの州で選出されている議員の間で立場が異なることになった。水曜日に連邦議会で議員による投票が実施される。これまでは、この投票は形式上のもので、文字通り数分で終わる程度のことであった。

共和党所属の連邦上院議員であるジョン・コーニン(テキサス州選出)、ジェイムズ・インホーフ(オクラホマ州選出)、ジェリー・モーラン(カンザス州選出)は火曜日、それぞれ、大統領選挙当選者ジョー・バイデンの複数の激戦州での勝利に挑戦する試みを支持しないと述べた。

この発表によって、これらの連邦上院議員たちは、別の共和党所属の連邦上院議員である、テッド・クルーズ(テキサス州選出)、ジェイムズ・ランクフォード(オクラホマ州選出)。ロジャー・マーシャル(カンザス州選出)と立場を違えることになる。これらの連邦上院議員たちは、10日間の監視を実行するための委員会の形成はできないにしても、反対の試みを支持することを誓っている。

コーニンは連邦上院多数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)に近い人物であり、選挙結果に反対する計画を「無駄な試み」と形容した。コーニンは火曜日、声明を発表し、その中で、「実体のある、新しい証拠」がない中で、選挙人団の投票結果へ挑戦する試みを支持することはないと述べた。

コーニンは声明の中で次のように述べた。「選挙結果への挑戦の試みは証拠に基づいて決定されねばならないし、それ以上ではない。アメリカ合衆国憲法と関係の連邦諸法は、私たちが従うロードマップを与えている。そして、私たちはそのロードマップに従うべきだ。しかし、疑いだけでは十分ではない。証拠は必要だ」。

モーランは「各州が承認した選挙結果を拒絶する投票を行うことはアメリカ合衆国憲法が与える縛りから逸脱することになる。私はそのような行動を取らない」と警告を発した。インホーフは今回の選挙で再選されたが、憲法上、彼の連邦上院議員としての仕事は、「選挙結果に対して不同意ではあっても、選挙人たちが適切に承認され、彼らの投票がきちんと集計されたことを確認することだ」と述べた。

選挙人団の投票結果をめぐる戦いはミズーリ州の共和党を分裂させている。ジョシュ・ハウリー連邦上院議員(ミズーリ州選出)は共和党所属の連邦上院議員の中で最初に投票結果に反対する意向を明確に示した人物である。しかし、ロイ・ブラント連邦上院議員(ミズーリ州選出)は2022年に再選を控え、共和党指導部の一員であるが、ブラントは自身が水曜日の共同会議を管理運営する立場であることを理由にして、いかなる反対の動きにも参加しないと述べた。

ジョン・ケネディ連邦上院議員(ルイジアナ州選出、共和党)はクルーズの試みを支持する10名の連邦上院議員の中に入っている。しかし、同じルイジアナ州選出のビル・カシディ連邦上院議員(共和党)は日曜日に発表された、連邦上院議員たちに対して選挙結果を支持し、事態を前に進めることを呼びかけた超党派の声明に署名している。

それがただの意見の違いで収まるかどうかは分からない。マコーネルは選挙結果に反対する動きに対して反対するように共和党所属の連邦上院議員たちに促している。そして、彼自身は反対の動きにノーの投票をすると見られている。しかし、同じケンタッキー州選出のランド・ポール連邦上院議員(共和党)は、反対の動きに参加するかどうか、沈黙を保っている。

連邦議会の共同会議開催のルールでは、連邦下院議員1名と連邦上院議員1名が出て、共同会議に反対すれば、共同会議は停止され、議員たちはそれぞれが所属している議会に行き、最長2時間にわたり、問題について討論を行うことになっている。選挙結果に対する挑戦が成功するためには、連邦下院と連邦上院両方の支持が必要である。水曜日の共同会議における反対の試みは失敗することになるだろう。

共和党所属の連邦上院議員13名が選挙結果への挑戦を支持しているが、この試みに反対する議員の数は増えている。少なくとも24名の共和党所属の連邦上院議員が反対の試みにノーの投票を行うことが見込まれている。15名近くは公の場で態度を明らかにしていないが、その多くはバイデンの勝利を認める動きをすると見られている。

ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は2022年に再選を控えているが、最近になって選挙人団の投票結果への挑戦に反対することを発表した人物である。

スコットは火曜日に発表した声明の中で次のように述べている。「私はアメリカ合衆国憲法を読んでみた。各州が選挙結果を認めて、選挙人を送り出した状況下で、選挙結果を覆すための方法は、憲法から見て、連邦議会には与えられていない」。

スコットは更に、同僚の連邦上院議員の中に選挙不正について懸念を持っている人たちがいることは理解しているが、「その原理、そして実践において、彼らの採用している方法について同意できない」としている。

スコットは更に「彼らが提示している理論に従うならば、ナンシー・ペロシ連邦下院議長と連邦下院民主党は、ジョー・バイデンではなく、ドナルド・トランプを大統領に選出しなければならなくなる。そんなことが起きるはずがない。今日もそんなことは起きないし、これからも起きないだろう」と述べた。

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選挙をめぐる戦いは共和党を分裂させる(Election fight tears at GOP

アレクサンダー・ボルトン筆

2021年1月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/532447-election-fight-tears-at-gop

トランプ大統領と連邦議会内の協力者たちによる、2020年の大統領選挙結果を覆すための試みは、共和党を分裂させている。ジョージア州における2つの重要な選挙を数日前に控えての酷い戦いの中で共和党は分裂している。ジョージア州の2つの選挙で2021年の連邦上院で民主、共和両党のどちらが過半数を取るかが決定される。

この状況に新たな局面が生み出された。『ワシントン・ポスト』紙は日曜日、トランプ大統領とジョージア州の州務長官ブラッド・ラッフェンスパーガーとの数時間にわたる会話の録音を発表した。その中で、トランプ大統領はラッフェンスパーガーに対して、バイデンではなく自分がジョージア州での選挙で勝利者となるために、「1万1780票」を見つけるように圧力をかけた。

録音された会話の内容の詳細が掲載された。これによって、共和党所属の連邦上院議員たちの中に、危険を感じた人々が出た。彼らはトランプ大統領と協力者たちがアメリカの伝統である、秩序だった選挙後の権力の移譲を踏みにじろうとしていると考えた。

日曜日に発表された厳しい内容の声明の中には、ポール・ライアン前連邦下院議長・前連邦下院議員(ウィスコンシン州選出、共和党)の声明が含まれている。いかなる州の選挙結果を覆すための投票を行うとしている連邦議員たちに対して警告を発した。

ライアンは「我が国のシステムでは、有権者たちが大統領を決める。連邦議会の気まぐれが人々の意思に代替するのならば、自治は維持されない」と警告を発した。

ライアンは、選挙人団の投票を拒絶する試みとバイデンの勝利への疑義は「私たちの共和国の基盤への攻撃」であると述べた。

ライアンは続けて「連邦政府が、州が承認した選挙結果を覆すために介入し、数百万のアメリカ国民の意思を奪うこと以上に、反民主的で反保守的な動きを想像することはできない」と述べた。

共和党所属の連邦下院議員たちの中にはライアンの警告を無視する人々も多い。その中には、ライアンが議長だった時代に部下であった、連邦下院少数党(共和党)院内総務ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)も含まれている。マッカーシーは日曜日に連邦下院の保守派議員と会談を持ち、彼らの動きに支持を表明した。

共和党所属の連邦議員2名はCNNの取材に対して、共和党所属の連邦下院議員の中で、少なくとも140名が水曜日にいくつかの州の投票結果を承認することに反対するだろうという見通しを述べた。

連邦下院共和党議員会長リズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出、共和党)は、選挙人団の投票結果に対しての挑戦について反対を明確に示している共和党の幹部である。チェイニーはトランプ大統領に対して「我が国の選挙過程の神聖さ」に敬意を払うように促した。

チェイニーは日曜日、連邦下院の共和党所属の議員たちにメモを発し、選挙結果を審査するための特別委員会を設置する試みに反対するように求めた。

このメモには次のように書かれている。「選挙の結果に反対するために、連邦議員たちはやむを得ず、連邦議会には選挙結果を覆し、州や連邦の各レヴェルの裁判所の決定を却下する権威を持っていると主張している。このような反対は危険な前例となる。各州に対して合衆国憲法が与えている、議会に代わって、大統領を選び、設置するという責任を盗み出してしまうという脅威になる」。

連邦上院共和党指導部は反対の試みを鎮静化させようと決心している。指導部は同僚議員たちに対して、反対の試みに支持を与えないように促している。

共和党所属の連邦議員たちの間で、デイヴィッド・パデュー連邦上院議員(ジョージア州選出、共和党)とケリー・ロフラー連邦上院議員(ジョージア州選出、共和党)の火曜日に実施される決選投票の結果に悪い影響を与えるのではないかという懸念が広がっている。

アリゾナ州、ジョージア州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州の選挙結果を覆そうとするトランプ大統領の一貫した試みについて、ある共和党所属の連邦上院議員は次のように述べている。「秩序だった権力の移譲の邪魔をするというトランプ大統領の考えは奇怪であり、彼は権力移譲の過程を踏みつけにしている」。

この議員は選挙結果を覆すという試みについて率直に議論するために匿名を条件とした。この人物は、こうした試みは、原理原則に基づかない野心によって行われているものだと述べた。

この議員は「こうした試みを行おうとしている人々は、私たちの国をアフガニスタンのようにしようとしているのだ」と述べた。

スティーヴ・デイネス連邦上院議員(モンタナ州選出、共和党)とジェイムズ・ランクフォード連邦上院議員(オクラホマ州選出、共和党)のように、共和党の指導部に対して挑戦的な姿勢を取ることでメディアの注目を集めようとしている議員たちが、テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)の計画(1月6日の連邦議会の共同会議での投票結果の読み上げを延期する)に署名をしたことについて、上記の匿名の連邦上院議員は驚いている。

ジョン・ハウリー連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)はクルーズ動揺、2024年の大統領選挙の共和党候補者になる可能性を持っている。ハウリーは選挙結果に対する連邦下院の反対に署名をすると表明した、初めての共和党所属の連邦上院議員だ。ハウリーは、クルーズが土曜日に公に発表した、11月3日の選挙結果の審査を新たに実施することを求める書簡に署名しなかった。

内部の戦いのもう一方の側には、連邦上院多数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)、連邦上院多数党(共和党)幹事長ジョン・スーン連邦上院議員(サウスダコタ州選出、共和党)、ジョン・コーニン連邦上院多数党(テキサス州選出、共和党)がいる。彼らはここ数週間、同僚議員たちとは非公開の場で、メディアとは公の場で、連邦下院の議場で水曜日に選挙結果について挑戦することは政治上の間違いとなるだろうと主張してきた。

マコーネルは12月15日に、同僚の共闘議員たちに対して、アリゾナ州、ジョージア州、その他の州の選挙結果に反対することは、2022年の再選を目指す議員たちにとって、マイナスとなるだろうと警告した。

トランプ大統領は既に、2022年の中間選挙で、上記のスーン議員に対して、共和党の予備選挙で挑戦する候補者を支持することを表明している。スーンは同僚の共和党議員たちに対して選挙結果への反対の投票をしないように説得する試みを主導している。

共和党所属の連邦上院議員たちの中には非公開の場で、トランプ大統領に対して、次週では共和党指導部の方を支持すると述べた。加えて、選挙結果に挑戦する動きに対して公の場で反対を表明する共和党所属の連邦議員の数は増え続けている。

しかし、共和党所属の連邦上院議員たちは、怒れる有権者たちから多くの電話を受けており、その内容は激戦州での選挙結果に反対するように求めるものだと述べている。トランプ大統領と彼の弁護士ティームは裁判の場で広範囲に広がる選挙不正の明確な証拠を示すことができておらず、多くの裁判は棄却されている。

マコーネルは日曜日、11月の選挙で当選した連邦上院銀たちの先生に立ち会うために連邦議会議場に姿を現した。彼は共和党内で深刻化する争いについてコメントを拒否した。

彼は「水曜日にこれらについて対処します」と述べた。

リンゼイ・グラム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は連邦議会におけるトランプの熱心な支持者である。グラムは日曜日、11月3日の選挙結果を審査する10日間の緊急員会を設置するというクルーズの要求について退けた。グラムはこの動きは、「政治的なごまかし」であり、「実現するチャンスはゼロ」だと述べた。

グラムは次のように述べた。「この押し詰まってきた日程で委員会の設置を提案することは、トランプ大統領のための有効な戦いにならない。そもそも委員会の設置は実現しない。このような動きは、効果的な治療法ではなく、政治的なごまかしに過ぎないのだ」。

ケヴィン・クラマー連邦上院議員(ノースダコタ州選出、共和党)はトランプの熱心な協力者である。クラマーは日曜日、「いかなる反対についても予想していない」が、議論は聞くということは決めているが、いささか動揺している。

トランプがジョージア州の選挙担当高官に自身への投票を見つけるように依頼した内容の電話での会話の録音について質問された際、クラマーは「州務長官の仕事は1足す1を3と計算するものではない」と述べた。

その他の共和党所属の連邦上院議員たちは日曜日、クルーズとハウリーが提起する反対の動きやその他の議員たちによる選挙の結果に対する疑義を提起する動きに反対すると述べている。

スーザン・コリンズ連邦上院議員(メイン州選出、共和党)は自身の5期目の宣誓を行った後に記者団の取材に対して次のように述べた。「トランプ政権は数十もの裁判を起こしています。しかし、そのうちのどれも、不正選挙があったと確信するための明らかな証拠が出ていないのです。それらがあれば選挙結果を変更することになるでしょう」。

コリンズは続けて、「私の見るところ、選挙は終わりました。裁判所も判断を示しています。トランプ政権はあらゆる法的手段を取る機会を与えられてきました。しかし、これから私たちは前進しなければなりません」と述べた。

コリンズは、同僚議員たちに対して、バイデンが大統領になってからの政策について挑戦することに集中するためにエネルギーを注ぐべきだと述べた。

コリンズは、「私たちは現実を知ることから始め、アメリカが直面している多くの問題を解決するために協力することが大切です」と語った。

日曜日の午前中、コリンズを含む、ビル・カサディ連邦上院議員(ルイジアナ州選出、共和党)、リサ・マコウスキー連邦上院議員(アラスカ州選出、共和党)、ミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)などの超党派の連邦上院議員たちは共同書簡を発表し、大統領選挙は「終わった」と宣言した。

これらの議員たちは声明の中で次のように述べている。「現在において、2020年の大統領選挙の正統性について疑義を呈する更なる試みはアメリカ国民が明確に示した意思に反する行為であり、既に決定された選挙結果に対するアメリカ国民の信頼を損なうことにしかならない。有権者たちは意思を示した。連邦議会は選挙結果を承認するという責任を全うしなければならない」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙は選挙人団(Electoral College)による投票が終了した。残るは連邦議会におけるこの投票結果に対する承認である。連邦議会で承認されて結果が確定する。

 現在、20名ほどの共和党所属の連邦下院議員たちが選挙人団による投票結果の承認に反対する動きを見せている。連邦上院では共和党側幹部のミッチ・マコーネルが反対の動きに同調しないように呼び掛けているが、今回の連邦上院議員選挙でジョージア州において当選した、トミー・トゥーバーヴィルが同調することを示唆している。

 大統領選挙でトランプ大統領が勝利を収めた南部や地方の州選出の連邦議員たちは、自分たちの選挙のことを考えても、反対の動きに同調しなければならない。彼らに投票した有権者たちはトランプ大統領に投票したということが考えられ(共和党の下院議員に投票しながらバイデンに投票したという人はほとんどいないだろう)、そうした有権者たちは、連邦議員たちがどのように動くかを注意深く見ており、次の選挙での参考にするだろう。

 大統領選挙に対する動きは越年する。そして、アメリカの分断はどんどん深刻化していく。

(貼り付けはじめ)

共和党所属の連邦議員たちで選挙人団の投票結果に挑戦する人たちの数が増えている(Growing number of GOP lawmakers back Electoral College challenge

ジョーダン・ウィリアムズ筆

2020年12月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/531315-number-of-house-republicans-back-effort-to-object-to-election-certification

共和党所属の連邦下院議員たちの中で、2021年1月6日に連邦議員が選挙人団(Electoral College)の投票結果を承認するために連邦議会に集結する際、2020年大統領選挙の結果に挑戦することになるだろうと述べる議員たちの数は増え続けている。

最近になって挑戦することになるだろうと述べたのは、連邦下院議員選挙当選者マディソン・コウソーン(Madison Cawthorn、ノースカロライナ州選出)である。コウソンは1月初旬に議会が招集されて初めて連邦議員となる。

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マディソン・コウソーン(1995年-)

ヴィデオメッセージの中で、コウソンは、他の共和党所属の政治家たちに挑戦するように呼び掛けた。

コウソンは次のように述べた。「私は全国の共和党所属の政治家の皆さんに対してメッセージを送ります。もし皆さんが公正で、自由で、正義の選挙を、今そして未来に、求めなければ、私は皆さんの選挙区に行き、皆さんに対抗する予備選挙の候補者を見つける活動をします」。

2020年の選挙では、勝利者のジョー・バイデンがトランプ大統領に対して、選挙人数で70名以上、得票数で700万票以上の差をつけて勝利をしたという結果が不公正なものであることを示す証拠は存在しない。そして、トランプ大統領と協力者たちが選挙結果を覆す試みは法廷では成功しなかった。

連邦下院での試みは失敗する運命にある。連邦下院では民主党が過半数を握っている中で、トランプ支持者たちが過半数の投票を確保することは不可能である。共和党所属の連邦下院議員たちの多くが参加する選挙結果に反対する試みを最初に始めたのはモー・ブルックス連邦下院議員(アラバマ州選出)である。

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モー・ブルックス(1954年-)とトランプ大統領

しかし、トランプ大統領は挑戦の試みを促している。そして、連邦下院議員の多くはブルックスの試みに参加すると述べている。こうした議員たちは全米でも屈指の強力な共和党員たちからの注目を集めている。

ブルックスが率いている20名近くの連邦下院議員たちは月曜日、トランプ大統領と快打を持ち、バイデンの勝利を承認することに反対することについて議論した。

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ジョディ・ハイス(1960年-)

この議員たちの中には、ジョディ・ハイス(Jody Hice、ジョージア州選出)はツイッター上に、ジョージア州の選挙人たちへの反対を主導するだろうと投稿した。

ブライアン・バビン(Brian Babin、テキサス州選出)は月曜日、連邦議会が2021年1月6日までに不正選挙について調査をしないのならば、選挙結果に対して自分は反対すると述べた。そして、連邦下院共和党指導部に対して書簡を送り、行動を起こすように促した。

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ブライアン・バビン(1948年-)

約20名の共和党所属の政治家たちがバビンの書簡に署名した。

一方、テッド・バッド連邦下院議員(ノースカロライナ州選出)は火曜日、“#WethePeople will keep fighting for @realDonaldTrump.”#WethePeople@realDonaldTrumpのために戦い続ける)と述べ、選挙結果に反対する計画を持っているとツイートした。

連邦上院多数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル(Mitch McConnell、ケンタッキー州選出)は連邦上院議員たちに対して、ブルックスの試みに参加しないように求めている。連邦上院多数党(共和党)幹事ジョン・スーン(サウスダコタ州選出)は月曜日、「選挙結果に反対する試みはうち棄てられた犬のように惨めな結果に終わる」だろうと述べた。

ブルックスの動きに参加する連邦上院議員が出てこなければ、連邦上下両院で採決も議論も行われないことになる。しかし、ブルックスは彼自身の試みを支持してくれる連邦上院議員1人を確保できるかどうかは明確になっている。

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トミー・トゥーバーヴィル(1954年-)

(全米屈指の強豪オーバーン大学フットボールティームのヘッドコーチ時代)

連邦上院選挙当選者トミー・トゥーバーヴィル(Tommy Tuberville、アラバマ州選出)は、選挙結果反対を支持するだろうと示唆している。

(貼り付け終わり)
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馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 アメリカで行われた最新の世論調査の結果、調査対象の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた、ということです。59%が弾劾手続き開始に反対、35%が弾劾手続き開始に賛成、6%が分からないと答えたとそうです。

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 民主党支持者の66%、共和党支持者の6%、無党派の30%が弾劾手続き開始に賛成ということです。共和党支持者の6%という数字は分かりますが、民主党支持者の66%という数字は意外に低いなという印象です。前回ご紹介した別の世論調査の結果では、民主党支持者のトランプ大統領への不支持率は8割を超えていました。大統領を弾劾するということはそれだけ重いことであり、軽々に行うべきではないとアメリカ国民の多くが考えているのでしょう。

 

 年齢別では若い年齢層の人々の方がトランプ大統領弾劾手続き開始に賛成しているということです。それでも18歳から34歳までの人たちで42%ですし、それより上は3割台、65歳以上の人々では29%ですから、やはり全体として大統領を弾劾すべきではない、ということだと思います。

 

 連邦議会でも民主党執行部は慎重な姿勢を取っているようです。弾劾手続きを始めて、連邦上院で否決となれば、民主党側にダメージがありますし、決定的な証拠がない以上、感情的に「トランプ大統領は不適格だ」ということだけでは進められないということになります。連邦下院でも訴追決議が出来るかどうか、その過程で民主党内が分裂するということも考えられますので、どうしても慎重にならざるを得ません。

 

 ロシア疑惑の根本は、当時のトランプ陣営はロシアによる大統領選挙への介入があることを知っていたのか、依頼したのかということであって、更に言えば共謀したのか、という疑惑です。ロシアからすれば、民主党の候補者だったヒラリー・クリントンが大統領になればロシアに対して厳しい態度で臨んでくることは明らかでしたし、それを防ぐために何とかしてヒラリーを落選させねばならない、ということになります。そして、実際にヒラリーは落選しました。

 

 アメリカの複数の情報機関がロシアによる選挙介入があったという報告を出しているのは良いのですが、それではトランプ大統領がロシアに選挙介入を依頼したかどうか、一緒になって妨害活動を行ったのかどうか、ということが焦点になります。トランプの選挙陣営の幹部たちでロシア大使やロシア人と接触したという人たちが出たり、別の罪で有罪になったりした人たちが出て、話を複雑にしていますが、トランプ大統領自身が関与した決定的な証拠、ぐうの音も出ない証拠が出てくれば別ですが、そうでなければ弾劾は難しいということになります。

 

 弾劾の手続きは連邦下院が過半数で認めた場合には、訴追決議が可決ということになり、連邦上院で裁判が行われ、有罪かどうか決められます。裁判では、連邦下院議員の代表が検事役を務め、連邦上院議員が陪審員となります。裁判官は連邦最高裁判事です。連邦上院議員の3分の2以上の賛成があって弾劾決議ということになります。こうして見ると、弾劾まで至るのは大変なことだということが分かります。

 

 ロシア疑惑を別の角度から見ると、世界のデモクラシーのチャンピオンであるアメリカの国民がロシアの選挙介入にころっと騙されて、ロシアの思い通りの選挙結果を出したということです。世界中にデモクラシーのすばらしさを説き、世界中の国々がデモクラシーになれば万事解決、平和な世界になる、そのためにアメリカは特別な使命を与えられたのだ、などと威張っているアメリカ人が現代のデモクラシーの欠点を曝け出し、それにまんまと引っかかったということは、厳しい言い方をすればお笑い草ということになります。

 

 トランプ大統領が明日にも失職するのではないか、と日本でも専門家たちが嬉しそうに語っていましたが、トランプ大統領が選挙介入に同意し、依頼している音声録音記録でも出ない限りは、弾劾で失職ということはなさそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:アメリカ国民の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた(Poll: Majority of Americans says Trump should not be impeached

 

マイケル・バーク筆

2019年3月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/432683-poll-majority-of-americans-dont-believe-trump-should-be-impeached

 

キュニピアック大学の全国世論調査の結果が火曜日に発表された。世論調査対象者の過半数は、トランプ大統領が弾劾されるべきではないと考えていると答えた、ということだ。

 

調査対象となった有権者の59%が連邦議会はトランプ大統領に対する弾劾手続きを開始すべきではないと答え、35%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。残りの6%がトランプ大統領は弾劾されるべきかどうか分からないと答えた。

 

世論調査の結果は、トランプ大統領が弾劾されるべきかどうかについて党派性に沿って分裂していることが明らかになった。民主党支持と答えた調査対象の有権者の3分の2は連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。共和党支持の6%、無党派の30%が大害手続き開始を支持した。

 

より年齢の若い有権者たちは、連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。18歳から34歳の有権者の42%が弾劾手続き開始を支持した。

 

35歳から49歳までの人々の38%、50歳から64歳までの人々の36%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。65歳以上の人々の29%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。

 

ラシーダ・タリブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)とスティーヴ・コーエン(テネシー州選出、民主党)をはじめとする民主党所属の連邦議員たちはトランプ大統領の弾劾に賛成票を投じると表明している。大富豪の民主党の大口献金者トム・ステイヤーはトランプ大統領の弾劾を求めた。

 

しかし、連邦議会民主党執行部は弾劾に関する話を深刻化させないようにしている。連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は先週、大統領の弾劾は「意見が分かれ、分裂を招く」問題だと発言した。

 

世論調査は2019年3月1日から4日にかけて、1120名の有権者へのインタヴューに実施された。誤差は3.4ポイントである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 先週末、ドナルド・トランプ大統領は国家非常事態宣言に署名しました。これは、トランプ大統領自身が公約として掲げてきたアメリカ・メキシコ国境に沿って、壁を建設するための予算を捻出するためのものです。この国家非常事態宣言に関しては、民主、共和両党から合法性や実行についての疑義や批判が出ています。

 

 トランプ大統領は国境の壁建設のために57億ドルの予算を要求しました。昨年の中間選挙の結果、連邦上院では共和党、連邦下院では民主党がそれぞれ過半数を握りました。そして、連邦上院では57億ドルの予算を認める内容の予算案が可決され、連邦下院に送られ否決され、一方、連邦下院では57億ドルの予算を含まない予算案が可決され、連邦上院に送られ否決されるということが起きました。その結果、2018年12月末から今年の1月末まで35日に渡り、政府機能の約4分の1が閉鎖となり、数百万の連邦政府職員が無給状態となりました。

 

 その後、3週間のつなぎ予算が成立しましたが、その期限が2019年2月16日までとなっていました。そこを過ぎても妥協が成立しなければ、再び政府機能閉鎖ということになるところでした。しかし、連邦議会では国境における物理的な障壁建設のために13億7500万ドルの予算を認めることで妥協が成立し、予算案が連邦上下両院で可決され、大統領の許に送られました。それにトランプ大統領が署名して予算は成立し、政府機能閉鎖は回避されることになりました。焦点は57億ドルにかなり足りない予算案に大統領が署名するかどうかでしたが、トランプ大統領の出した結論は、この予算案には署名する、加えて、国家非常事態宣言も行う(宣言書に署名する)というものでした。

 

 連邦議会民主、共和両党では、それぞれ連邦上院議員1名と連邦下院議員1名、計4名を両党の代表者として出して交渉を行い、2019年2月11日の夜に妥協が成立しました。焦点は予算の規模もそうでしたが、連邦移民関税捜査局(ICE)の収容センターのベッド数でした。このベッド数が多ければ、誰でも彼でも捕まえることが出来るが、収容数に制限があれば、より重大な人たちだけを捕まえることになる、活動を制限することが出来る、ということで、民主、共和両党はここで争っていましたが、ある意味では玉虫色の妥協で、どのようにも解釈できるような条項で折り合ったようです。

 

 トランプ大統領は国境の壁建設に57億ドルを要求していましたが、認められたのは13億7500万ドルでした。トランプ大統領はこの予算案に署名をすることに同意したので、これを受け入れたということになります。その上で、国家非常事態宣言に署名したので、足りない分をこの宣言を利用して、予算の付け替えなどで賄おうとしていることになります。これに対して、議会の役割を無視する暴挙だ、悪しき前例になるという批判が共和党からも出ています。

 

 連邦上院の多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は国家非常事態宣言に慎重な姿勢でしたが、宣言前日に連邦上院の議場でトランプ大統領が宣言を行うとマコーネル自身に伝えたこと、そして宣言を支持することを表明し、流れが出来ました。連邦上院共和党は壁建設の予算を盛り込んだ予算案を連邦上院で可決させていたのですから、それは理解できます。

 

 トランプ大統領の国家非常事態宣言で事態がどう動くかはこれから注意を要する動きです。

 

(貼り付けはじめ)

 

連邦議員たちは政府機能閉鎖を避けるために「原則として」合理に達した(Lawmakers reach agreement 'in principle' to avert shutdown

 

ジョーダン・カーニー筆

2019年2月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/429525-lawmakers-reach-agreement-in-principle-to-avert-shutdown  

 

月曜日夜、連邦議員たちは今週土曜日に迫った二度目の一部政府機能閉鎖を避けるために「原則として」合意に達したと発言した。

 

リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)は「素晴らしい夜になった。私たちは、国土安全保障省に関する法案、その他の6つの法案に関して原則として合意に達した」と述べた。

 

パトリック・リーヒー連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)、ニタ・ロウリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、ケイ・グランガー連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)といった連邦上院と下院の歳出委員会の幹部メンバーがシェルビーと同席して交渉し、シェルビーは合意に達したことを発表した。

 

状況の打開は4名の中核となる連邦議員たちが、同委に達するために月曜日の夜に3度の交渉を持った後に訪れた。それまでにも週末に期日が迫った政府機能の一部閉鎖を避けるために交渉が続けられていた。

 

交渉役となった議員たちは、火曜日までに法案を提出することを目指すスタッフと詳細について話すことはせずに、大枠について交渉を行った。ロウリーは法案について希望を持っている、水曜日には「素晴らしい成果」を発表できると述べていた。

 

ある連邦議会関係者は本誌の取材に対して、法案には物理的な障壁のために13億7500万ドルの予算が含まれていると述べた。この金額は2018年度予算と同額ということになる。この人物は、一時的な合意内容には、コンクリート製の壁の使用を禁じるという一項が入っているということだ。しかし、連邦議会の幹部スタッフたちは、これによってリオグランデ渓谷のアメリカ・メキシコ国境に新たに約55マイル(約80キロ) の障壁を建設 するための予算になると述べている。

 

交渉役の議員たちが動意に達することが可能となれば、月曜日午前の段階で2つの重要な問題で民主、共和両党が分裂していた状態からのUターンということになる。その2つの問題とは、アメリカ・メキシコ国境に沿っての物理的な障壁の建設と移民関税捜査局(ICE)の収容センターのベッドをめぐる問題であった。

 

民主党側はトランプ政権が「重大な犯罪者たち」に注力させるようにするためにICEの収容センターのベッド数に上限を設け、その上限はオバマ政権時代に設定された数と同等とすることを提案した。交渉役の議員たちはICEをめぐる争いを解決せずに、ひとまず棚上げすることにした。

 

シェルビーは「私たちは原則論について協議した。そうすることで事態を打開できると考えた」と述べた。

 

民主党側は国境から離れたアメリカ国内のICEの収容センターのベッド数を16500床に制限するという要求を取り下げた。

 

月曜日の夜、ICEに関するその他の詳細に関しては、はっきりとした取り決めはなく、どうともとれるような複雑な内容になっており、これが同意にとってのハードルとなる兆候もあった。

 

ある連邦議会スタッフは、合意ではICEの収容センターのベッド数を40520床にすることが含まれていると述べた。しかし、連邦議会の幹部級のスタッフたちは、一時的な合意には、「トランプ大統領が要求している52000床を設置できるようにする柔軟な条項が入っている」とも述べている。

 

シェルビーは、合意にはアメリカ・メキシコ国境に沿った物理的な障壁のための予算も含まれていると述べた。しかし、その金額、更には連邦上院が最初に可決した予算案に含まれていた16億ドルという金額よりも多いのかどうか、ということについては明言を避けた。

 

トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境の壁建設に57億ドルの予算を要求してきた。しかし、17名の連邦議員からなるグループは先週、国境警備関連予算で13億ドルと20億ドルという2つの主張があり、この違いをできるだけ狭めるために交渉を行っていた。

 

月曜日の夜、連邦議員たちは妥協を成立させた両党の執行部を支持すると述べた。

 

リーヒーは「私たちの中で、自分が得たいものすべてを得た人間は誰一人としていない。しかし、私たちはアメリカ合衆国にとって最善のものを得ようとしている」と述べた。

 

リーヒーは「私たち4名が合意をもたらせなければ、現在の議会で合意に達することはできなかったであろう」と述べた。

 

交渉では、災害支援に関しては最終合意に至らなかった。この点に関しては、民主、共和両党が別々に発表することになるが、7つの遺された歳出予算法案は今回のパッケージに含まれることになった。

 

連邦議会では土曜日の時点で、2019年度の予算案について7つの法案を可決し、トランプ大統領の許に届けた。これは連邦議会の予算の約25%をカヴァーするものだ。その中には国土安全保障省の予算も含まれている。

 

合意は月曜日の夜に成立した。それでもスケジュールはタイトなままだ。期限までに予算案を連邦議会で可決してトランプ大統領の許に届けねばならない。

 

しかし、シェルビーは金曜日の夜に交渉が妥結しなかったことを重視してはいなかった。記者団に対して、今週末からの政府機能の一部閉鎖は起きないだろうと考えていると述べた。

 

トランプ大統領は先月、3週間の一時的解決案に署名することに同意した。これによって、アメリカ史上最長となった予算執行停止を終わらせることが出来た。連邦議員たちは、二度目の政府機能の一部閉鎖を望んでいない。

 

月曜日の夜の状況打開を促したものについて問われ、シェルビーは、週末に交渉が平行線のままでは再び政府機能閉鎖にまで至ってしまうという恐怖感が大きくなっていたことが理由だと答えた。

 

シェルビーは次のように述べた。「私たち全員は協力しなければならないというより大きな席に無我あることを認識している。政府機能閉鎖がまた起きるかどうかは分からない。一つ言えることは、政府機能閉鎖が起きるかもしれないということが、私たちを協力することに駆り立てているということだ」。

 

状況打開へと事態が急変する兆候を見せたのは月曜日の夜で、シェルビーとリーヒーが一緒に記者団の前に立ち、合意まであと一歩のところまで来ており、火曜日になる前には交渉を終わらせることが出来ると述べた。

 

シェルビーは記者団に対して「私たちは合意に向けて話し合っている」と述べた。

 

交渉役の議員たちが月曜日の夜に「原則として」同意に達したとは言え、政治的な地雷がまだ存在している。トランプ大統領が合意によって可決される法案に署名する前に、その地雷を爆発させないように民主、共和両党内それぞれで争いを起こさせないようにする必要がある。

 

民主党の進歩主義派の議員たちは物理的な障壁への予算案については採決を行わないように求める可能性が高い。一方、共和党保守派の議員たちは、ICEに対する制限となる可能性のある条項や国境地帯の安全対策にとっては生ぬるい内容だと考える内容については反対することになるだろう。

 

グラグナーは同意の内容が法案として連邦議会で可決されることに自信を示しつつ、「私たち全員は民主、共和両党をそれぞれ支持する有権者たちとそれぞれに属する連邦議員たちと話をして内容を理解してもらえると思う」と発言した。

 

合意が発表された段階では、トランプ大統領がそれを支持するのかどうかはっきりしなかった。

 

シェルビーは交渉期間中に大統領と直接話すことはなかったが、ホワイトハウスとは相談をしていた。大統領は木曜日から月曜日の夜まで国境地帯で選挙運動を行っていた。

 

シェルビーは、トランプ大統領が何を「行い、発言し、書くか」を予測できないとしながらも、大統領はシェルビーに対して、「立法で解決が出来るのであれば、それを進めて欲しい」と再三にわたって述べた、とも発言した。

 

連邦議会で合意が出来なければ、トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境に壁を建設するために国家非常事態を宣言するのではないかという流れになっている。ホワイトハウスのミック・マルヴァニー大統領首席補佐官は今週末、トランプ政権は壁建設のための予算を獲得するための方法を模索していると述べた。

 

マルヴァニーはテレビ番組「フォックスニース・サンディ」に出演し、次のように述べた。「私たちは皆さんが与えてくれるだけの資金を手にすることになる。そして、私たちは南部国境を固めるために、合法的に資金を探すことになる。しかし、連邦議会の強力があろうとなかろうと、壁建設を進めるだろう」。

 

考証に参加したある共和党所属の連邦議員は、障壁建設のための予算を確保するために、大統領令(executive action)を発令することになると確信していると述べた。

 

この議員は「大統領は、交渉の結果がどのようなことになっても、最終的に大統領令を発することになる考えらえる」と述べた。

 

=====

 

トランプ大統領は国境の状況に関する合意の成果である法案に署名し、国家非常事態を宣言する(Trump to sign border deal, declare national emergency

 

アレクサンダー・ボルトン筆

2019年2月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/430070-mcconnell-trump-to-sign-border-deal-declare-national-emergency  

 

トランプ大統領は故郷の壁建設を要求しているが、これに予算をつけるために国家非常事態宣言を行うだろう、と連邦上院多数派院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)が木曜日、連邦上院議場で発言した。

 

木曜日の午後3時過ぎ、マコーネルは次のように発言した。「私はトランプ大統領と話す機会があり、ここで同僚議員の皆さんに申し上げたいが、彼は法案に署名する意思があることが分かった。大統領はまた署名すると同時に国家非常事態宣言を行うことになるだろう。私は国家非常事態宣言を支持するであろうことを示しておく」。

 

ホワイトハウスは、マコーネル議員の発言の数分後にサラ・ハッカビー・サンダース報道官からのEメールによる声明の形で、トランプ大統領が法案に署名する予定であることを認めた。

 

サンダースは声明の中で次のように述べた。「トランプ大統領は政府予算法案に署名することになる。そして、これまでも述べてきたように、大統領はもう一つの行政行動を行う予定でもある。その中には国家非常事態宣言も含まれる。これは国境における国家安全保障上、人道上の危機を止めることを確かなものとするためのものだ」。

 

サンダース報道官は加えて、トランプ大統領が「国境を守り、私たちの偉大な国を守るために、壁を建設するという彼の公約を果たすために動いている」とも述べた。この発言は、政府予算を巡る合意と法案への署名はアメリカ南部国境に沿って壁を建設するというトランプ大統領の公約が果たされていない、とする保守派からの批判に向けてのものである。

 

マコーネルは、これまでトランプ大統領に国家非常事態宣言を行わないようにと助言してきたと報じられてきたが、大統領の行動を支持することになると発言した。

 

連邦上院多数派院内総務マコーネルは、大統領が国境の障壁のための予算として連邦議会で妥協が成立した13億7500万ドルの予算案に署名することになると述べた。

 

『ワシントン・ポスト』紙は、今月初めに、マコーネルが非公式の場で、トランプ大統領に対して国境の壁建設の予算のための国家非常事態宣言を実施しないように、それは共和党内部からも反発が出るからと忠告した、と報じた。

 

しかし、共和党の指導者であるマコーネルは火曜日にトランプ大統領に対して、7つの予算法案からなる包括的な予算案に署名するように促した。この予算案ではトランプ大統領が壁建設のために要求していた57億ドルの一部しか支給されないことになっている。

 

マコーネルは記者団に対して、「私は、国境を守るための大統領の努力の一環として合法的に実施できる手段について、大統領はなんでも実施して良いと考えている。それで何か困るようなこともない」と述べた。

 

マコーネルのスタッフは、国家非常事態宣言が大統領側からの提案の中に合法的な方法として入っていたと明言した。しかし、トランプ政権は壁建設に向けた動きに介入がないために陣日をしているに過ぎないと明言していた。

 

連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は即座に、民主党側はトランプ大統領と戦うことを示唆した。

 

シューマーは「大統領が国家非常事態宣言を行うだろうという発言があった。私は大統領がそのようなことをしないことを願う。それは間違った行為だ」と述べた。

 

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は共和党側に警告を発した。その中で、もしトランプ大統領が国境の壁建設のために国家非常事態宣言を行うならば、次に民主党から大統領が出る場合には、その大統領は銃による暴力について同じく国家非常事態宣言を行うことになるだろうと述べた。

 

ペロシは連邦議事堂の中で記者団に対して、「民主党から出た大統領も同じく国家非常事態宣言を行うことができる。それならば、現在トランプ大統領が実施しようとしていることが前例となる。これは共和党側にとって大いなる不安と混乱をもたらすことになる」と述べた。

 

ペロシは木曜日、トランプ大統領が行うであろう国家非常事態宣言に対して法的な手段で対抗する可能性を否定した。しかし、連邦下院多数党院内総務ステニィ・ホイヤー連邦下院議員(メリーランド州選出、民主党)は水曜日、民主党は法的手段で対抗することになると述べた。

 

サンダース報道官は木曜日、ホワイトハウスは国家非常事態宣言に対する民主党側からの法的手段での対抗に対する準備を済ませていると述べた。

 

サンダースは大統領執務室近くの彼女のオフィスの外で記者団に対して、「私たちは既に十分に準備している。しかし、その準備が実行に移されないことを願う。大統領は彼の責務を果たしている。連邦議会も自分たちの責務を果たして欲しい」と述べた。

 

連邦上院歳出委員会委員長リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)は、水曜日の夜にトランプ大統領と話した。シェルビーは国家非常事態宣言を支持すると述べた。

 

今週の火曜日と水曜日に明らかになったのは、トランプ大統領が予算の組み換えをしても、壁建設という彼の目標を達成するために十分な予算は獲得できないということであった。

 

共和党に属する連邦議員の中には、国防総省の麻薬防止プロジェクトから8億ドルを割くことはできると主張している人たちもいる。しかし、連邦上院国防委員会の共和党側のあるメンバーは匿名を条件に、この予算の2億ドル以上は現在実施されている麻薬防止作戦で既に費消されていることを明らかにした。

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しかし、連邦上院共和党はここ数週間、国家非常事態宣言は長期にわたる法廷闘争の対象となり、上訴されるか、連邦最高裁で判決が下されるまで、連邦判事によって国家非常事態宣言の効力が停止される可能性が高いこと憂慮してきた。

 

国家非常事態宣言を行うことでトランプ大統領が不信任決議の対象となる。不信任決議には連邦上下両院の可決とトランプ大統領の署名が必要となる。

 

連邦下院民主党は現在連邦下院で過半数を握っている。連邦下院民主党は下院で不信任決議を可決させると見られる。そして、連邦上院少数党院内総務シューマーはその重大性から、連邦上院で不信任決議案の採決を行わせることが出来る。

 

マコーネルは、連邦上院で大統領に対する不信任案を過半数で可決して大統領の許に送ることを自分が阻止できるかどうかについて確固とした地震と見通しはないと表明した。しかし、マコーネルは大統領が不信任に対して署名を拒絶できるために必要な34名の反対を集めることは可能だと自信を示した。

 

マコーネルは2月5日に、国家非常事態宣言の可能性について問われ、次のように発言した。「国家非常事態宣言について異なった様々な意見が存在することは承知している。トランプ大統領が国家非常事態宣言へと向かうならば、私たちはそれについて徹底的に議論する

 

マコーネルは「トランプ大統領は不信任への署名を拒絶することでとにかく勝利を得ることが出来るだろう。そして、そのために十分な反対票を獲得できるだろう。大統領は国家非常事態宣言に関して最終的に勝利を収めることが可能である」と述べた。

 

木曜日の午後、ホワイトハウスは共和党所属の連邦議員たちを宙ぶらりんの状態に置いた。大統領の法律顧問たちが1000ページ以上になる法案について徹底的に調べ上げた。

 

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は本誌の取材ちゅう、事態が遅れていることについて問われ、「私たちは法案についてじっくりと調べているところだ。私たちが法案を受け取ったのは午前1時で、1000ページ以上ある。大統領が決断を下したら、即座に皆さんにお知らせする」と答えた。

 

ミック・マルヴァニー大統領首席補佐官代行は日曜日、トランプ大統領は国境の壁建設のために利用可能な財源から予算を廻ることになるだろうと述べた。国境の壁建設は、2018年12月から2019年1月まで35日間続いた政府機能閉鎖の焦点となった。

 

マルヴァニーは「フォックスニュース・サンディ」に出演し、「私たちは皆さんから与えられている予算の中からできるだけ多くの金額を壁建設に回すつもりだ。そうしておいてから、どこか合法的にお金を回せるところはないかを探すことになる。これは南部国境地帯の安全を守るためだ。しかし、どちらにしても、連邦議会の賛成があろうがなかろうが、壁を建設することになる」と述べた。

 

マルヴァニーはトランプ大統領の壁建設の要求に言及し、「私たちの要求している総額は57億ドルだ」と述べた。

 

木曜日、連邦議会が可決した予算案に含まれていたのは、半額以下の13億7500万ドルであった。残りの40億ドル以上は大統領が持つ予算の組み換え権限 を使用するか、国家非常事態宣言を行うかで持ってくることになる。

 

連邦上院共和党は国家非常事態宣言を支持するかどうかは、宣言がどのように構築されているかによると表明している。

 

シェルビーはトランプ大統領による国家非常事態宣言について質問された際、「大統領は国家非常事態を宣言する憲法上の力を持っている」と述べた。

 

国家非常事態宣言を支持するかどうか質問され、シェルビーは「支持することになるだろうが、内容を見なくてはいけない」と答えた。

 

シェルビーは「私たちは国境を固めねばならないと考える」と付け加えた。

 

共和党所属の連邦議員たちの中には、トランプ大統領の計画に対する懸念を即座に表明した人々がいる。しかし、そんな議員たちもトランプ大統領に対する不信任決議案に賛成するか、反対するかについては明言を避けている。

 

ジョーン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は次のように述べた。「私は、非常事態を宣言することに関し、前例として与える影響と実行するうえでの様々な困難について懸念を持っている。裁判が起こされ、予算の執行が停止されてしまうと、問題解決のための現実的な方法ということにはならない」。

 

スーザン・コリンズ連邦上院議員(メイン州選出、共和党)は、国家非常事態宣言は「法廷での闘争が起きてしまうだろうし、憲法上疑義がある」と述べた。

 

コリンズは「国家非常事態宣言は連邦議会の役割と歳出決定プロセスを侵害するもので、素晴らしい政策とは言えない」と述べた。

 

連邦上院国防委員会の共和党側メンバーたちは、国家非常事態宣言を出して国境の壁を建設する際に、その予算として、軍事関連建設プロジェクトの予算が回される可能性が高いことに懸念を表明している。

 

連邦上院国防委員会の共和党側のあるメンバーは次のように述べた。「ここで国家非常事態宣言するなど間違った考えだ。それは間違った前例を残してしまうことになるからだ。ここで起きる可能性が高いのは、トランプ大統領が軍事関連建設プロジェクトから予算を持ってくるということだ。これは米軍の計画や装備に大きな影響を及ぼすことになる」。

 

連邦上院国防委員会委員長ジェイムズ・インホフェ連邦上院議員(オクラホマ州選出、共和党)は、トランプ大統領が軍事関連建設プロジェクトから予算を移行させないことを保証する内容の書簡を発表すれば、トランプ大統領は国家非常事態宣言に対するより大きな支持を獲得できるだろうと発言した。

 

=====

 

トランプ大統領が国境の状況に関し国家非常事態を宣言(Trump declares national emergency at border

 

ジョーダン・ファビアン筆

2019年2月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/430092-trump-signs-emergency-declaration-for-border

 

金曜日、トランプ大統領は議会を迂回し、約80億ドルを南部国境の障壁建設に回すために、国家非常事態を宣言した。これは、大統領の長年の公約であった壁建設に向けた大きな一歩であるが、重大な政治的、法的リスクを伴うものである。

 

トランプ大統領は、宣言に署名した直後にローズガーデンにおいて、まとまりのない、即興の演説を行い、その中で宣言に署名を行ったことを表明した。トランプ大統領の今回の行動は、連邦議員たちと諸団体と法廷において憲法をめぐる戦いを引き起こすことになるだろう。こうした人々は大統領が自身に与えられた権限を踏み越えたと主張している。

 

昨年秋の中間選挙の前から政治問題として重視してきた貿易、中国、シリア、そして、移民のキャラヴァンといったテーマについて長々と話した後、「私は国家非常事態宣言の署名を行った」と発言した。

 

トランプ大統領は国家非常事態宣言を正当化する必要から、「これは素晴らしいことだ。なぜなら、我が国は麻薬、ギャング、人々の侵入に晒されているからだ」と述べた。

 

トランプ大統領は、今回の行為が連邦レヴェルの裁判所への提訴という挑戦を受けることになるだろうが、自分は最終的に勝利するという予測を述べた。

 

トランプ大統領は、アメリカ南部国境には緊急を要する事態は存在しないとする批判者たちの主張をとらえ、「危機的な状況でなければ壁建設に長い時間をかけても良い。国家非常事態宣言も必要ではなかったかもしれないが、壁建設を迅速に行う必要がある」と述べた。

 

連邦議会民主党のトップである、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、国家非常事態宣言を覆すために、「全ての使用可能な手段」を使うことになるだろうと述べた。

 

ペロシとチューマーは共同の宣言の中で次のように述べた。「トランプ大統領の法律を無視した国家非常事態宣言は存在しない危機に関する宣言であり、我が国の剣法に対する重大な侵害であって、アメリカの安全を低下させるものだ。トランプ大統領は法の適用範囲外の、法の上位に存在するのではない。連邦議会は大統領が合衆国憲法をずたずたに切り裂くことを容認できない」。

トランプ大統領はこれとは別に連邦議会で可決された法案に署名した。これで政府に予算が付き、土曜日から始まることになっていた新たな政府機能閉鎖も阻止することが出来る。

 

しかし、この法案では、大統領が壁建設の予算として要求している57億ドルにはとても足りない額しか予算がついていない。トランプ大統領は追加の国境警備予算を獲得するために連邦議員たちと協力するために努力したが、「壁建設に関しては、議員たちは予算をケチるのだ」と述べた。

 

トランプ大統領は、「私は2020年の米大統領選挙に向けて、国境の壁に関しては多くのことを既に実行してきた」と述べた。新しいものを建設するのではなく、既に存在する構造物を修理したり、建て替えたりしてきた。

 

ホワイトハウスの複数の関係者によれば、トランプ大統領は軍事予算の中の建設関連の36億ドルを壁建設に振り向けることを計画している、ということだ。また、国防総省の麻薬阻止関連予算から25億ドル、財務省の没収財産基金から6億ドルを抽出し、振り向けるための大統領令(executive action)を発令することになる。

 

複数の政府関係者は、最終目標は国境線に沿って約234マイル(約375キロ)の障壁を建設することで、その中には柱の入った形の壁も含まれる。

 

ある政権幹部は、どの軍事関連の建設計画が影響を受けるかは明らかにしなかったが、予算は「優先度の低い建設計画」から振り向けられるだろうと述べた。その具体的な内容は、既存の構造物の改修や修理ということになり、洪水抑制プロジェクトや軍事上の計画に影響を与えるプロジェクトからではない。災害救援基金にも手を付けないだろう。

 

民主、共和両党所属の連邦議員たちは、トランプ大統領の国家非常事態宣言の決断を批判した。それでも連邦上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は大統領の行為に対して支持を表明した。

 

マコーネルは金曜日、トランプの決断について、「民主党が国益に対して党派色の強い邪魔をしたことに対する、予想可能で理解できる結果」となったと述べ、国境の状況改善のために更なる予算をつけることを認めるように連邦議員たちに求めた。

 

しかし、連邦下院民主党は対抗して大統領の宣言を阻止することになる法案を提出する計画を持っている。共和党所属の連邦議員がこの法案に賛成するとなると、連邦議会の両院で法案が可決され、大統領の許に回されることになる。

 

この状況になれば、大統領は大統領として法案に拒否権を発動することになり、そうなれば、2020年の大統領選挙や連邦議員選挙などに向かう中で、共和党内部をさらに分裂させることにつながってしまう。

 

民主党とリベラル派の諸団体は宣言を阻止するために連邦裁判所に提訴する計画を持っているとも述べている。

 

ペロシ議長はフロリダ州パークランドで起きた学校での銃乱射事件の1周年となった木曜日、トランプ大統領が国家非常事態宣言を行う場合、次の大統領は銃に対する国家非常事態宣言を行うことが出来るような道が開かれる、と述べた。このようなシナリオについて、共和党所属の連邦議員の中に懸念を持っている人たちが存在する。

 

ペロシ議長は連邦議事堂で記者団に対して、「民主党から出る大統領も同様に国家非常事態宣言を行うことが可能だ。従って、トランプ大統領が残した前例によって、共和党側に深刻な懸念と困惑がもたらされる」と述べた。

 

マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)は木曜日、同様の警告を行った。ルビオは「将来の大統領がグリーン・ニューディールを強引に導入するために同じ戦術を使う可能性がある」と述べた。

 

ルビオは次のように述べた。「何か決定的な声明を出す前に、私は大統領が今回の非常事態宣言を正当化するために依拠する法律上、もしくは憲法上の力は何なのかを示すことを待ちたいと思う。しかし、彼が示すものを私が支持することになるという点については疑念を持っている」。

 

トランプ大統領による発表の前に、大統領首席補佐官代行を務めているミック・マルヴァニーは記者団を前にして、民主党側が述べている「民主党から出る大統領は気候変動や銃暴力といった問題について国家非常事態宣言を行うことが可能になる」と主張に対して反論を行った。マルヴァニーは「今回のトランプ大統領の国家非常事態宣言は何からの新たな前例というものではない。そして、民主党側の主張は間違っている」と述べた。

 

マルヴァニーは「国家非常事態宣言は法によって大統領に与えられた権限である。大統領が自分を望むものを手にすることが出来ず、それで魔法の杖を振ってお金を出現させるといった類のものではない」と述べた。

 

トランプ大統領が予算案法案に署名するという決断を下したことで、大統領の壁建設予算要求のためにもう一度政府機能が閉鎖されるのではないかという不安が支配した3週間が終わることを示している。

 

トランプ大統領は2019年1月25日に35日間続いた政府機能閉鎖を解除した。政府機能閉鎖は大統領の支持率にマイナスの影響が出て、結果として壁建設の予算を獲得することも出来なかった。

 

超党派の連邦議員たちは数週間かけて壁の建設予算13億7500万ドルを含む提案に合意するに至った。しかし、この金額はトランプ大統領が要求している57億ドルのほんの一部にしかならないものである。

 

トランプ大統領が妥協を受け入れたということは、2016年の大統領選挙で「自分には交渉技術がある」と売り込んでいたトランプ自身にとっての敗北を意味する。そして、アメリカ政府が分裂している状況下で、民主党の影響力が増大していることを示すものである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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