古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:連邦上院

 古村治彦です。

 ジョー・バイデン大統領の支持率が低迷しているということはこのブログでも何度もご紹介した。今年の中間選挙では民主党が連邦上下両院での過半数を失うのではないかという見通しもご紹介している。また、2024年の大統領選挙については「トランプが出馬してくるのではないか、そうなるとバイデンでは勝てない」という考えが広がっている。

ヒラリー・クリントンが色気を出してきて、「自分が読むはずだった2016年大統領選挙の勝利演説」を読むという前代未聞の、錯乱しているとしか思えない行動をし、『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムニストであるトーマス・フリードマンは「バイデンが大統領候補となり、副大統領候補には共和党のリズ・チェイニー連邦下院議員がなるべきだ」などと馬鹿なことを言い出している。このこともブログでご紹介した。皆口をそろえて異口同音に、「民主政治体制(デモクラシー)の危機だ」などと言っているが、自分たちがデモクラシーの破壊を行っていることに気付かない。

 それもこれもバイデンの支持率が低迷していることが原因であるが、それでは、どうしてバイデンの支持率が低迷しているのか、ということになるが、それを以下の記事では、「バイデンができないことを過度に約束してしまい、現実にはできていないことばかりで、人々の期待を裏切っている。人々はバイデンについて物足らないと思っている」と分析している。

 ドナルド・トランプ前大統領時代に始まった新型コロナウイルス感染拡大について、すぐに求められるかのような幻想を人々に与えて当選してみたものの、結果は期待外れであった。経済面で言えば、現在アメリカは高いインフレーション率に苦しんでいる。国内での不満を外に逸らすというこれまで多くの国家が採用してきた常套手段をバイデン政権も使い、人々の不満を対ロシアとの戦争直前までの緊張関係に向けさせようとしている。本当にぶつかる前に寸止めで終わらせようとしているのかもしれないが、突発的、偶発的に何かが起きれば、制御不可能な状態になることも考えられる。

 お膝元の民主党内部の対立も激しく、せっかく上下両院で過半数を握っているうちに目玉法案のビルド・バック・ベター法案を可決させたいと思っていたら、民主党内から反対者(ジョー・マンチン連邦上院議員)が出たために、先行きは不透明になっている。バイデンの置かれている状況は厳しさを増すばかりだ。

 2024年まで彼自身の健康状態が持つのかどうかということも含めて、これから注目していかねばならない。

(貼り付けはじめ)

バイデンの過度に約束した問題(The Memo: Biden's overpromising problem

ナイオール・スタンジ筆

2022年1月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/589478-the-memo-bidens-overpromising-problem

バイデン大統領が抱える問題は、一つの大きな問題に集約されつつある。それは、彼が実際に達成したこと以上のことを約束してしまったという人々の認識だ。

バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)のような左派が、バイデンはフランクリン・デラノ・ルーズヴェルト以来最も進歩的な大統領になるだろうと予測した時期もあったが、それはとうに過ぎ去ってしまったようだ。

バイデン自身が、6ヶ月前に新型コロナウイルス感染拡大を打ち負かす寸前まで来ていると主張したが、これもまた全くの時代錯誤に聞こえるようになってしまった。

マサチューセッツ大学アマースト校・YouGovが火曜日に発表した共同世論調査の結果では、成人の55%がバイデンについて「期待以下だ」と感じているということだった。2021年4月の段階での調査の数字36%から上昇している。

状況が好転する気配は全くない。バイデンが掲げる最優先課題は困難に陥っている。いや、もっと悪い状況になっている。

この数十年の間で最大の社会的セーフティネットの拡充を実現しようとするバイデンの努力は、Build Back Better計画として示されているが、この計画は何とか命脈を保っているという厳しい状況にある。最終的にビルド・バック・ベター法案が通ったとしても、かつて想定されていたものよりはるかに小規模なものになるだろう。

デルタ変異株とオミクロン変異株に出現によって、新型コロナウイルスは打ち負かされつつあるという考えは現在消え去ってしまった。

これまでバイデン政権を擁護する傾向にあった論客たちも、検査やマスクのガイドライン、コミュニケーション戦略に対する行政のアプローチに批判的な見方を示し始めている。火曜日には、アンソニー・ファウチが、「ほぼ全ての人が」いずれコロナウイルスに感染すると予測した。

バイデンは投票権補償法案を守ろうとする動きを見せているが、多くの民主党所属の連邦議員たちは、バイデンが戦う意志を示しているだけで、成功のための現実的な戦略を練っている訳ではないのではと疑っている。

投票券保護活動を行っている活動家たちの多くは、火曜日にアトランタで行われたバイデンの大規模な演説に出席することを拒絶した。拒絶した活動家の中で最も注目されているのは、ジョージア州知事選挙候補者ステイシー・エイブラムスだ。彼女はスケジュールの都合を理由にして欠席した。

民主党の支持層の多くは、気候変動や警察改革など、他の重要な目標もないがしろにされていると感じている。気候変動は活動家が望むほど広範囲に及んでおらず、警察改革については可能性が全くなくなってしまったように見える。

これらを総合すると、進歩主義的な政治家たちと支持者たちは苦悩し、一般国民はバイデンに幻滅している。この結果は驚くにはあたらないだろう。

サンダースは最近の『ガーディアン』紙とのインタビューで、「重要な軌道修正」を呼びかけ、民主党が「労働者階級に背を向けている」と非難した。

今週初め、コーリー・ブッシュ連邦下院議員(モンタナ州選出、民主党)は本誌の取材に対して次のように述べた。「選挙に勝つということは、見栄えを良くすることではない。善良であり正直であることだ。進むべき道は、痛みが存在しないふりをするのではなく、国中で人々が感じている痛みに対処する政策を実際に制定することだ」。

著名な公民権運動家であるジョネッタ・エルジーは、バイデンの投票権に関する取り組みは「確実に遅れている」、もっと前から「最優先事項」として認められるべきだった、と本誌に述べている。

より広い視野で見ると、バイデンは、連邦上院議員時代30年間に特徴的だった穏健な漸進主義に回帰している、とエルジーは評した。これは、2020年の民主党予備選の過程で左派がバイデンを非常に警戒したのと同様だ。

エルジーは、2020年大統領選挙に向けて、バイデンは「実際よりも進歩的であるということを示すある種のパフォーマンス」を行ったと主張した。穏健派のバイデンに戻っただけで、進歩的な政策はその変わり身の完全に道連れになりそうだ、と述べた。

人々が持つそういう感情は、大統領にとって大きな問題だ。

中間選挙まであと10ヶ月となった。バイデンは、支持率が低迷していること、新大統領の政党が最初の中間選挙で議席を失うという強力な歴史的傾向があることを考えると、厳しい逆風に直面している。

そのような運命を避けるために、あるいは民主党の敗北を破滅的でないレベルに抑えるために、バイデンは何とかして一般国民を味方につけ、彼の基盤を活性化させ続ける必要がある。

若者向けの進歩主義的な団体であるサンライズ・ムーヴメントの全国広報担当者ジョン・ポール・メヒアは、「もし民主党が、“私たちは努力しました、もう一度努力するから私たちに投票して下さい”というメッセージで中間選挙に臨んだら、彼らは負けるだろう」と述べた。若者向けの進歩主義的な団体であるサンライズ・ムーヴメントの全国広報担当者であるジョン・ポール・メヒアは、「民主党はこれから、アメリカ国民の多数派に本当に約束を果たすことができることを示す責任がある」と述べた。

ホワイトハウスは、これらの批判に対して精力的に反撃している。

ここ数週間、ホワイトハウスのロン・クレイン首席補佐官やジェン・サキ報道官などの側近の補佐官たちは、バイデンの大統領就任1年目に600万以上の雇用を創出したことを含む経済実績を強調してきた。

バイデン政権擁護派はまた、バイデンの2つの大きな立法成果である、昨年3月に可決された新型コロナウイルス感染救済法案と11月に可決されたインフラ法案は重要だと主張している。

前者は何百万人ものアメリカ人に必要な救済を提供し、後者はここ数十年で最も大規模な投資であり、これらを合わせると約3兆ドル規模にもなる。

しかし、問題はバイデンが何もしていないことではない。彼に投票した人々の多くが、もっと多くのことを望んでおり、その期待を彼自身の言葉で裏切ってしまったことが問題だ。

投票権に関する法案について、このパターン(期待を裏切る)を再現する危険性が高そうだ。

バイデンはアトランタでの演説で、連邦上院のフィリバスター(議事妨害)に対する阻止行動を支持した。また、南北戦争や1950年代から1960年代にかけての人種差別との戦いなど、過去の世代の画期的な闘争と法案をめぐる闘争を比較した。

しかし、民主党の主要な連邦上院議員たちは、阻止行動の可能性は低いと考えられる。ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)とカーステン・シネマ連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)は、フィリバスター改革への反対から離脱することを示す公のサインは出していない。

投票権法案の進行は混迷を深めている。

「バイデンは交渉まとめ役として立候補したが、これまでのところ、彼がやったことは、自分の計画のために、持っていた影響力を低下させることだけだ」とメヒアは述べている。

中道派の民主党議員たちは、このような批判は不当であり、バイデンが議会のわずかなリードを保っている多数派に関して、数学の法則に逆らうことができるという考えを前提にしていると主張する。

しかし、公平であろうとなかろうと、「バイデンは物足りない」という疑念が忍び寄ることは、政治的に致命的な結果を招きかねない。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン大統領の支持率の低迷が止まらない。以下に11月に入ってからのバイデン大統領の支持率に関する記事を3本ご紹介する。その原因は経済対策の不満だ。アメリカでは物価高が起こり、人々の生活は苦しくなっている。特にガソリン価格上昇に対して人々の不満が高まっている。11月末の感謝祭と12月のクリスマスはアメリカ国民にとって楽しみな「ホリデーシーズン」だ。家族と過ごすために車や飛行機で大移動ということになるが、燃料費が高くなればそれだけ支出を強いられることになり、不満が高まる。

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ギャロップ社によるバイデン大統領支持率の推移

 下の記事にあるが、新型コロナウイルス感染拡大対策についても、就任当初は支持が高かったものが、今では不支持が支持を上回っている。また、アフガニスタンからの完全撤退に対する人々の不満ということもある。これに関しては、「アメリカ国民の皆さん、気づいて欲しい。アメリカはもはや世界の帝国ではないのですよ。そもそもなぜあなたたちが重税に苦しんでいるのかを考えて下さい」と言いたい。

 来年2022年にはアメリカでは中間選挙(mid-term election)がある。これは大統領選挙と大統領選挙の間に行われる、連邦上下両院議員選挙と一部の知事選挙だ。「mid-term」という言葉は、学校で言えば「中間試験」という意味もあり、大統領と大統領を出している政党(与党)にとっての「中間試験」ということになる。今のところ、この中間試験で、バイデン大統領と民主党の成績は良くないということが予想されている。

 そのために、バイデン政権と連邦議会民主党は、大幅な支出法案の可決を目指している。既に1兆2000億ドル(約140兆円)規模のインフラ整備法案は可決した。あとはバイデン大統領が署名をして法律にするという作業が残っている。しかし、市中にお金を流す計画によって物価高がどのように推移するかを見なければならない。インフレ率をどこかで止めねばならないが、そのかじ取りが難しい。

 来年2022年の中間選挙での民主党側の敗北の予想が高まっている。現在連邦上院は50対50(副大統領が議長役となるので民主党が優位)、連邦下院は民主党221対共和党213(欠員1)という状況だ。民主党が上下両院で過半数という現状であるが、それが逆転して、上下両院で共和党が過半数を握るという可能性も高まっている。もしそうなれば、バイデン政権の政策遂行にも影響が出る。そして、2024年の大統領選挙でバイデンの再選という可能性も小さくなっていく。中間選挙まで1年を切っているがこれからが非常に重要ということになっていく。

(貼り付けはじめ)

キュニピアック大学の最新の世論調査によると、バイデンの支持率は36%に下落(Biden's approval dips to 36 percent in new Quinnipiac poll

マックス・グリーンウッド筆

2021年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/582109-bidens-approval-dips-to-36-percent-in-new-quinnipiac-poll

最新のキュニピアック大学の世論調査によると、バイデン大統領の支持率は36%にまで下落した。2022年の中間選挙に向けて民主党側にとってはトラブルを示している。

世論調査によると、バイデン大統領の支持率の数字は先月の37%から下落している。不支持率は10月の52%から53%に微増した。

バイデンは経済政策と外交政策の対応に関して最悪の評価を受けている。経済政策への支持は34%、外交政策に関しては33%の支持率しかない。回答者の59%が経済政策への対応に不支持を示し、55%が外交政策への対応に不支持を示している。

怪盗者の37%がバイデン大統領は優れた指導者としての技量を持っていると答えたが、57%はそうではないと答えた。ぎりぎり過半数の51%の回答者は大統領が正直ではないと考えており、42%が彼は正直だと考えている。

バイデンが平均的なアメリカ国民を大切に扱っているかということになると、回答者は47%対47%に分裂している。

バイデンの新型コロナウイルス感染拡大に対する対応については、アメリカ国民の45%は彼の仕事ぶりを評価し、50%が評価していない。同様に、41%が気候変動についての仕事ぶりを評価する一方で、48%が評価していない。

キュニピアック大学の全国規模の世論調査の数字は民主党側にとっては憂鬱になるものとなった。民主党は2022年の中間選挙で、現在連邦上下両院で保っている僅差の優位を守るために準備を進めている。

民主党は中間選挙に向けてこれまでにない歴史的な逆風(headwinds)に直面することになるだろうと見られている。しかし、バイデン大統領の下落している支持率は、アメリカ国民が来年の選挙でワシントンでの民主党のコントロールに対して選挙で打撃を与える可能性が高いということを示す更なる証拠となっている。

確かに、2022年の中間選挙に向けてまだ約1年の期間がある。その間にバイデンと民主党は共和党の差を縮める努力ができる。民主党側は最近可決させた1兆ドル規模のインフラ整備法案と、審議が止まっている1兆7500億ドル規模の社会政策と気候変動に関する法案が、民主党側に息をつけるために必要であり、これらによって勢いがつくだろうという希望を持っている。

キュニピアック大学の世論調査では、これらの法案はアメリカ国民の中で人気があるようだ。回答者の57%はインフラ整備法案を支持し、37%は支持しないと答えた。58%がより大規模な支出法案を支持し、38%が支持しないと答えた。

キュニピアック大学の世論調査は11月11日から15日にかけて、1378名の成人、その中には1262名の登録済の有権者が含まれていたが、それらを対象に実施された。1378名の成人に関しては誤差2.6ポイント、1262名の登録済身の有権者に関しては誤差2.8ポイントだ。

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ワシントン・ポストとABCニューズ共同世論調査でバイデンの支持率が低迷(Biden job approval at record low in Washington Post-ABC News poll

マイケル・スクネル筆

2021年11月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/581450-biden-job-approval-at-record-low-in-washington-post-abc-news-poll

最新の世論調査の結果、バイデン大統領の支持率が41%という低率で不振に陥っている。これは、民主党支持者と無党派層の間での不支持が拡大していることが主な理由となっている。

今回の世論調査は、『ワシントン・ポスト』紙とABCニューズによって実施された。アメリカ国民の53%がバイデンの大統領としての仕事ぶりを評価しないと答えた。6%は意見なしと答えた。

バイデン大統領の支持率の数字41%は9月の調査での44%から微減となった。しかし、6月の調査での50%からは大幅な下落となった。今年4月、大統領に就任してからわずか3カ月後の段階では、アメリカ国民のバイデン大統領に対しての支持率は52%だった。

11月の調査では、民主党支持者と無党派層の間でのバイデンの支持率が下がっていることが明らかになった。民主党支持者の80%がバイデン大統領の仕事ぶりを評価していると答えた。この数字は6月の94%から大幅な下落となった。今回の調査では、民主党支持者の16%がバイデン大統領の仕事ぶりを評価しないと超えた。

無党派について言えば、35%がバイデン大統領の仕事ぶりを評価し、58%が評価しないと答えた。

バイデン大統領の下落している支持率は、アメリカ全体で国民が経済的苦境に陥っていること、その中には物価上昇とインフレ率の上昇が含まれているが、それらの結果という可能性が高い。

今回の世論調査では、回答者の39%がバイデン大統領の経済運営を支持すると答え、47%がバイデン大統領の新型コロナウイルス感染拡大対策を支持すると答えた。

しかし、今回の世論調査は、バイデン大統領にとって明るいニューズをいくつか示している。今回の世論調査に応えたアメリカ国民の過半数はバイデン政権の1兆2000億ドル規模の超党派によるインフラ整備パッケージを支持すると答えた。バイデン大統領は月曜日に法案に署名することになる。加えて、1兆7500億ドル規模の再生パッケージについては、民主党側で議論が続いている。

回答者の63%が連邦政府の「道路、橋梁、その他のインフラへの1兆ドルの支出」を支持すると答え、58%が連邦政府の「気候変動に対応し、幼児教育、医療、その他の社会プログラムを創設もしくは拡大するための2兆ドル規模の支出」を支持すると答えた。

今回の世論調査は11月7日から10日にかけて、1001名の成人を対象に電話を通じて実施された。誤差は3.5ポイントだ。

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世論調査:バイデンの支持率が新たに38%の低率を記録(Biden approval rating drops to new low of 38 percent: poll

マイケル・スクネル筆

2021年11月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/580460-biden-approval-rating-drops-to-new-low-of-38-percent-poll

日曜日に発表された最新の世論調査の結果によると、バイデン大統領の支持率は下落し続けている。これまでの数週間、連邦議会ではバイデン政権の最重要法案に関しての激しい動きがあり、火曜日にはヴァージニア州での民主党の敗北があるなど、ドラマがあった。

今回の世論調査は『USAトゥデイ』紙とサフォーク大学が共同して先週水曜日から金曜日にかけて実施された。今回の世論調査は民主党がインフラ整備法案を連邦下院で可決させ、社会支出パッケージを前進させる前に実施された。

今回の調査では支持率は38%にまで下落した。これまでの複数の世論調査の結果では支持率は40%台前半を保っていた。

連邦下院は金曜日夜に、最終的に超党派による1兆2000億ドル規模のインフラ整備パッケージを可決した。そして、法案に最終的な承認を得るために、バイデンのデスクに送った。一方、同日に10月の雇用統計が発表され、アメリカ国内では53万1000件の雇用が増加した。これは予想を超える数字となった。

バイデン大統領の支持率は、デルタ変異株が新型コロナウイルス感染拡大防止策の進展を妨げたことや、アフガニスタンからの撤退が超党派の反発を招いたことから、ここ数週間下落傾向にある。

ハーヴァード大学CPAS・ハリス共同世論調査は10月末に実施され、バイデン大統領の支持率が43%に下がっていることが明らかになった。9月の調査から5ポイントの下落となった。

USAトゥディ・サフォーク大学共同世論調査では、回答者の46%が「バイデン大統領は期待よりも仕事ぶりが良くない」と答えた。昨年の選挙でバイデンに投票した人の16%がその中に含まれていた。無党派の44%はバイデン大統領の仕事ぶりは期待外れだったと答えている。

不支持の拡大は、2024年の大統領選挙でのバイデン大統領の再選可能性に大きな影響を与えるようになっている。今回のUSAトゥディ・サフォーク大学共同世論調査では、回答者の64%がバイデン大統領の再選を支持しないと答えた。その中には民主党支持者の28%が含まれていた。

対照的に、回答者の58%はトランプ前大統領が共和党の候補者のトップに来ることを見たくないと答えた。その中には共和党支持者の24%も含まれていた。

今回の世論調査の結果は、ヴァージニア州で民主党が惨敗を喫した後に発表された。ヴァージニア州で共和党は州知事、副知事、州司法長官の全ての座を獲得した。共和党候補者のグレン・ヤンキンが民主党候補者のテリー・マコーリフ元州知事を約6万8000票差つけて破った。今回の知事選挙は来年の中間選挙の前哨戦と見られていた。

しかし、ホワイトハウスは金曜日、連邦上院が可決した超党派のインフラ整備法案を連邦下院が可決したことで、重要な勝利を得た。

民主党は現在、1兆7500億ドル規模の社会支出法案の可決に注意を向けている。この法案は「より良い復興法案(Build Back Better Act)」と名付けられている。この法案はバイデン政権の最重要法案の2つ目ということになる。この支出法案には、医療プログラムと教育プログラムへの支出拡大と気候変動対策への5億ドルの支出が含まれている。

連邦下院は金曜日、このパッケージについて前進させるためのルールを決定した。しかし、連邦議会予算局が法案の数字的な効果を発表するまでは最終投票を行うことはできない。民主党穏健派は、支持する前提条件としてホワイトハウスによる概算の発表を求めている。

先週、バイデン大統領は不振を示す世論調査の数字について答えた。記者会見の席上、記者たちに向けて次のように述べた。彼は世論調査の数字は上下しやすいものだという見解を示し、「私は支持率の数字のために選挙に立候補したのではない。世論調査の数字を上げたいと思って選挙戦を戦ったことはない」。

USAトゥディ・サフォーク大学共同世論調査は固定電話と携帯電話を使って1000名の登録済有権者を対象に実施された。誤差は3.1ポイントだ。

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 古村治彦です。

 アメリカ連邦議会では現在、アメリカ政府の債務上限引き上げと大型支出予算が主要な話題となっている。今年8月に、アメリカ連邦下院(民主党220名、共和党212名、欠員3名)は10年間3兆5000億ドル(約385兆円)の財政支出法案を可決し(賛成220票、反対212票)、連邦上院に送った。党派のライン通りの結果となった。連邦上院(民主党50名[民主党48名;諸派2名]、共和党50名)での可決は不透明な状況だ。

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●「米下院、35000億ドルの予算決議可決」

2021 8 25 08:00 JST ウォールストリート・ジャーナル紙

https://jp.wsj.com/articles/house-passes-3-5-trillion-budget-blueprint-sets-deadline-for-infrastructure-bill-11629846004

 【ワシントン】米議会下院は24日、35000億ドル(約384兆円)の予算決議を僅差で可決した。1兆ドル規模のインフラ投資法案についても、927日までに採決することを決めた。インフラ投資法案を先に採決するよう求めていた民主党内の中道派と指導部との対立が終結した。

 最終的な合意は賛成220票、反対212票で可決されたが、インフラ投資法案と予算案を連続で処理する方針を示していた民主党指導部は戦略転換を余儀なくされた。両法案は数週間隔でそれぞれ下院で採決される可能性がある。インフラ投資法案の採決期限までに予算案をまとめられなければ、今後の協議でリベラル派の影響力は低下しかねない。

 下院が予算決議を可決したことで、民主党は上院議員50人(民主党系無所属議員含む)全員の支持を得られれば、医療・教育支援や気候変動対策を盛り込んだ予算案を共和党の支持なしでも可決することができる。上院は同じ内容の予算決議を可決済みで、議員らが法案の詳細を詰めている。

 ナンシー・ペロシ下院議長(民主、カリフォルニア州)は24日午後、超党派のインフラ投資法案を「927日までに可決する」と約束した。中道派はインフラ投資法案の即時採決こそ実現できなかったが、927日という期限が設定されたことで、35000億ドルの予算案の準備が整う数週間前にはインフラ投資法案の採決が可能になりそうだ。ペロシ氏はこれまで、予算案が上院を通過するまでインフラ投資法案を下院で採決しない意向を示していた。

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●「米下院委、今週3.5兆ドルの予算決議案を審議」

9/8() 5:24配信 ロイター通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/30e57f92f69175e0efc2bbf73d249afb3f46d9bc

[ワシントン 7日 ロイター] - 米下院委員会は今週、子育て支援などの福祉拡充に3兆5000億ドルの財政支出を目指す予算決議案を巡って審議する。

下院歳入委員会は9、10日の作業部会で、メディケア(高齢者および障害者向け公的医療保険制度)の支払い対象に歯科、眼科、聴覚関連給付を追加する案を検討する予定。決議案には全労働者に対し、最長で12週間の有給の家族・医療休暇を提供する案も盛り込まれる見通しだ。

リチャード・ニール委員長は声明で「一部の労働者だけが有給休暇や育児、老後の蓄えといった『恩恵』にあずかるという考えに終止符を打ち、最終的にこうした支援を全米の職場に定着させるべきだ」と訴えた。

関係筋によると、予算決議案は各委員会で承認される可能性が高いものの、本会議での審議や可決に備え、法案の規模は縮小される公算で、最終的には2兆ドル程度に落ち着くもようだ。

各委員会は数日以内にそれぞれの担当部分に取り組む。民主党は今月遅くに下院の承認が得られると期待している。

その後は上院(定数100)に送られ、民主党は財政調整措置(リコンシリエーション)として知られる特別な手続きを活用する計画。これは大部分の法案通過に必要な60票ではなく、過半数での通過が可能となる。

下院のペロシ議長は、民主党のジョー・マンチン上院議員が法案の審議「中断」を先週求めたことについてCNN記者に問われると、「われわれは良いスケジュールで進んでいる」と述べ、委員会の速い作業に言及した。ただ、法案の規模が3兆5000億ドルを下回ることになる可能性は否定しなかった。

バイデン大統領は7日遅く、記者団に対し、マンチン議員と合意に達することができるとの考えを表明。「ジョー(・マンチン議員)は最後にはいつもその場にいる。彼は常に私とともにいる。私は解決できると考えているし、彼と話すのが楽しみだ」と語った。

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連邦上院での可決の場合には、フィリバスター(議事妨害:長時間にわたり演説を行うなど)が認められており、それを阻止し、審議を終えて採決を行うためには、60名以上の議員の賛成が必要となる。現在50対50であるからフィリバスター阻止はできない。ところがここからまた複雑な話になるが、予算措置の場合にはこの制度は適用されないので、すぐに採決に持ち込める。だったら、下院で可決された法案もそのまま上院で可決するではないか、何も不透明なことはないとなるが、それがまたそうではない。

 民主党50名の中から1人でも反対が出れば、採決で否決される。そうなれば終わりだ。今のところ、連邦上院民主党には、ジョー・マンチン連邦上院(ウエストヴァージニア州選出)という議員がいて、この人は「予算の大盤振る舞いをすべきではない、増税もすべきではない」という考えで、現在の385兆円の財政支出には反対している。それで2兆ドル(約220兆円)くらいまで減額しての可決ということになるのではないかと見られている。

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●「米下院民主党、35,000億ドル投資財源として増税案発表、法人税率26.5%に」

(米国)

ニューヨーク発

20210915日 JETRO

https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/09/0cadf625c2274190.html

米国下院民主党は913日、上下両院で審議中の35,000億ドル規模の投資計画の財源となる増税案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。米メディアによると、増税規模は10年間で企業、個人に対してそれぞれ約1兆ドルで、その他の財源として、税の徴収強化による約1,200億ドル、薬価政策の変更による約7,000億ドル、同計画の経済押し上げ効果による税収増の約6,000億ドルを充てることにより、同計画の財源は賄えるとしている(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版913日)。

企業に対する課税について、主な項目としては、法人税率を現行の21%から26.5%に引き上げるほか、グローバル企業の国外収益に対する課税の最低税率を現行の10.5%から約16.6%に引き上げることを盛り込んでいる。バイデン政権が当初提案していた増税後の税率は前者が28%、後者が21%だった。

個人への課税については、主な項目として、個人所得税の最高税率をバイデン政権の当初の提案どおり、現行の37%から39.6%(年収40万ドル超の場合)に引き上げることに加えて、500万ドルを超える所得についてはさらに3%の付加税率を加えることを提案している。また、株式などの譲渡益に対するキャピタルゲイン課税の最高税率を現行の20%から25%に引き上げることも盛り込んでいるが、これについては、バイデン政権の当初の提案では39.6%となっており、市場への影響を考慮したかたちとなっている。

なお、上院で提案された炭素国境調整を目的とする課税措置(2021914日付地域・分析レポート参照)については、現時点では今回の増税案には盛り込まれていない。

増税案について今週にも下院で審議・採決が行われる見込みだが、今後修正なく歳入委員会を通過するかは不透明だ。下院では民主党が220議席、共和党が212議席(欠員3議席)となっており、民主党は党内から反対する議員が4人以上出た場合は過半数を失うこととなる。民主、共和各党の勢力が拮抗(きっこう)する上院では、民主党中道派に属するジョー・マンチン議員(ウェストバージニア州)が今回の投資計画の規模に反対し、「1兆から15,000億ドルの規模であれば、支持できるかもしれない」と述べており(政治専門誌「ポリティコ」912日)、予算決議(2021826日記事参照)の時と同様、下院で上院の中道派の動きに賛同する議員が一定数現れた場合は、同計画の成立は危うくなる。一方で、エリザベス・ウォレン上院議員(マサチューセッツ州)やアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(ニューヨーク州)など民主党内左派の議員はさらなる支出規模拡大を求めているとされ、今後党内での駆け引きが激しくなりそうだ。

(宮野慶太)

(米国)

(貼り付け終わり)

 一方、5年1兆2000億ドル(約132兆円)は今年8月に連邦上院で賭け悦されえた。採決結果は賛成69票、反対30票だった。これは共和党側の一部議員が「これくらいの穏当な内容なら良い」ということで賛成票を投じたためだ。

(貼り付けはじめ)

●「米上院、110兆円インフラ法案可決 バイデン氏「団結」の成果」

202108110723分 時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021081100043&g=int

 【ワシントン時事】米議会上院は10日、インフラ整備に5年間で総額約1兆ドル(約110兆円)を充てる法案を可決した。インフラ投資はバイデン政権が看板政策に掲げる経済成長戦略の柱で、上院の超党派グループが法案を提出。「与野党の団結」を訴えてきたバイデン氏にとって大きな成果となる。

 採決結果は賛成69、反対30。上院は与野党の勢力が50議席ずつで伯仲しているが、野党共和党の一部議員が支持に回り、インフラ投資は実現に向けて大きく前進した。

 今後、与党民主党が過半数を占める下院で審議される。ただ、下院民主党は子育て・教育支援や気候変動対策などを対象とした大型財政出動との同時実現を目指しており、インフラ法案の審議が順調に進まない可能性もある。

 バイデン大統領はホワイトハウスで演説し、「米国が将来を築き、世界との競争に勝てる歴史的な投資だ」と強調。上院通過によって「国民にとって大事なことを結束して実現できると証明した」と、与野党の団結をたたえた。

 インフラ投資は、予算手当て済みの改修費などを除く新規分が5500億ドル。内訳は、道路や橋が1100億ドル、公共交通機関が過去最大の390億ドルなど。国際競争力を高め、中国に対抗するための基盤強化が狙いだ。新型コロナウイルス経済対策の未利用分などを財源にする。

(貼り付け終わり)

 そこで今度は連邦下院で審議され採決ということになる。連邦下院では、民主党が過半数を占めているので、こちらも簡単に可決されるかと思えば、そうではない。拙著『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』でも書いているが、民主党内部には進歩主義派勢力がおり、民主党内部での争いも激しくなっている。この人々は「連邦下院で可決された10年3兆5000億ドル(約385兆円)の法案について、連邦上院で中身を削るようなことがあったら、連邦下院で審議されている5年1兆2000億ドル(132兆円)規模のインフラ整備法案については反対に回る」という、一種の脅しをかけている状況だ。進歩主義派の領袖であるバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は連邦上院予算委員長を務めているが、彼は6兆ドル(約660兆円)規模の支出を求めている。それはいくら何でも、ということで実現性はないが、少なくとも現在の法案よりも減額することは阻止したいということになる。

 こうした中で、めったにメディアのインタヴューを受けないバラク・オバマ元大統領がバイデン大統領に助け舟を出し、これらの財政支出について全面的な支持を表明した。この動きは、財政支出を削減したいマンチン議員たち(中道派と表現される)、そして、財政支出を法案よりも増やしたい進歩主義派の両方を抑えて、バイデンの計画通りの支出をさせたいということである。

 アメリカの二大政党制は物事が何でもスムーズにかつスピーディーに決まる、と考え、「日本でも“決められる政治”のために、二大政党制を」という主張が今でもあるが、アメリカでもこれほどに苦労するものである。二大政党制になったからと言って、物事がサクサクと進むものではない。また、簡単に何でも嘖々と進むことはとても怖いことだ。

(貼り付けはじめ)

オバマは重要な法案の採決を前にしてバイデンが進めている法案はアメリカにとって「極めて必要不可欠な内容」と述べた(Obama says US 'desperately needs' Biden legislation ahead of key votes

ブレット・サミュエルズ筆

2021年9月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/574187-obama-says-us-desperately-needs-biden-legislation-ahead-of-key-votes

オバマ元大統領は月曜日、重要な法案を連邦議会で可決させる重要な週が始まるにあたりバイデン大統領の経済政策についての支持を行うように訴えた。彼は経済政策パッケージの総額や財源についての議論を封じ込めた形だ。

オバマは珍しくテレビ番組のインタヴューに応じた。ABCのロビン・ロバーツとのインタヴューの中で、バイデンが推進しているインフラ整備某案と経済回復パッケージについて、「アメリカ国民にとって極めて必要不可欠な法案」だと述べた。

オバマは、どの法案を優先するかをめぐって、進歩主義派と穏健派の間で起きている党内対立や闘争については言及しなかった。しかし、彼はアメリカの家族に対する利益について言及し、アメリカの富裕層に対する増税によって、経済刺激法案への財源を作るということへ支持を表明した。

オバマは次のように述べた。「経済政策パッケージに全部目を通してみれば、どうしても目が行ってしまうのはその総額で3兆5000億ドル規模ということになる。しかし、これは1年間でこれだけを支出するということではない。何年もかけて支出するということだ。そして、より重要なことは、財源は、富裕層の方々にお願いするということだ。この方々は数十年にわたり、大きな恩恵を被ってきた。そして、新型コロナウイルス感染拡大のさなかにあっても、彼らの富や資産は大幅に増え続けている。こうした方々にほんの数ポイントの増税をお願いすることで、全員にとって公正な経済を実現することが可能となる」。

富裕層への増税について、共和党や経済界から反撃が出ているとロバーツが指摘すると、オバマは次のように述べた。「増税にはそれだけの価値があると考えている。有効な手段だと思う。私は自分自身を富裕層だと考えているが、増税は実施する価値があると考えている」。

オバマは次のように述べた。「富裕層に対して今よりももう少しだけ課税をして、シングルマザーが子育て支援を受けたり、山火事や洪水への対策ができていない地域に何らかの対策ができるようになったり、次世代のために気候変動対策をしたりすることが大変なことだと騒ぎ立てる人たちがいる。このような議論はもう成り立たないと私は考えている」。

バイデンの経済政策に対するオバマの全面的な支持は重要な時期に表明された。連邦議会民主党指導者たちは、政府の予算執行維持、債務上限の引き上げ、インフラ関連法案の可決を今週中に完遂することを目指している。

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は木曜日に、超党派による1兆2000億ドル規模のインフラ整備パッケージの採決を行う予定を設定した。リベラル派の一部は、バイデン大統領提案の3兆5000億ドル規模の社会・気候変動対策経済パッケージ法案に何らかの動きや進展がなければ、一反対すると表明している。

ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)は、3兆5000億ドル規模の経済パッケージの減額を求めている中道派の一人だ。マンチンは、連邦上院多数党(民主党)院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の事務所を訪問した。進歩主義派議員連盟会長プラミラ・ジェイパル連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)は穏健派の重要人物たちと電話やEメールなどで話し合いを行った。その中には、クリステン・サイネマ連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)とヘンリー・クエラー連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)が含まれていた。

バイデンは月曜日に、連邦議事堂内のペロシ連邦下院議長とシューマー連邦上院院内総務という民主党側の上下両院最高幹部2名とテレビ電話会議を行った。月曜日、連邦議会は膠着状態にあるバイデンが推進している法案について何らかの進展を起こそうとしていた。バイデンは月曜日、法案は週末までに可決する可能性ないだろうとしながらも、最終的には可決されるはずだという楽観論を示した。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2021年5月29日に最新刊『サイバー戦争をバイデン政権が始める』(秀和システム)が発売になりました。電子版も同時発売になりまして、担当の編集者から「電子版は出足好調」という報告を貰いました。紙の方は分かりません。お買い上げいただき、お読み只いた方々にはお礼を申し上げます。ありがとうございます。まだの方は是非お読みください。よろしくお願いいたします。

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悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

 バイデン政権は600兆円規模の予算を提案した。これから連邦議会で審議が行われる。これだけ大規模な予算は戦後例がないほどのものだ(戦時中はまた別だ)。これまで、「大きな政府は悪」「なんでも市場に任せておけばうまくいく」という考えから、振り子が逆に触れた形になっている。今回の予算はインフラ整備と格差縮小に主眼が置かれている。

 民主党内でも進歩主義派は歓迎している。しかし、民主党中道穏健派と共和党は反対している。やはり財源が問題になってくる。バイデン政権は富裕層と企業への増税を財源にしようとしている。それでも赤字国債の発行を止めることはできない。国債の発行額の増加によるインフレ懸念がある。

 連邦下院は2020年の選挙で共和党が議席数を増やしたがそれでも民主党が過半数を握っている。連邦上院は民主党50議席、共和党50議席、議長役の副大統領が民主党なので、民主党が過半数を握っているが、その差はほぼないという状態になっている。連邦上院では民主党の中道穏健派の動きが重要になってくる。この議員たちが反対に回れば、予算は否決されてしまうことになる。バイデン大統領は自ら連邦上院議員たちと会談を持つなどして根回しを行っている。

 今回の提案された予算がそのまま可決されることはない。かなり削られるところもあるだろう。削られることを見越して提案だけはしている部分もあるだろう。予算をめぐる攻防戦がこれから始まる。

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バイデンの予算提案は経済における政府の役割を拡大させる(Biden budget expands government's role in economy

二ヴ・エリス筆

2021年5月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/finance/555836-biden-budget-expands-governments-role-in-economy

バイデン大統領の予算提案は、政府がこれからの数年間、より広範な役割を果たすようにすることを示している。ホワイトハウスの進歩主義的な政策の推進という意図を強調しているものでもある。ホワイトハウスは税制と社会的なセーフティネットの改革という進歩主義的な政策を推進したいと考えている。

『ニューヨーク・タイムズ』紙の報道によると、金曜日に発表される予算提案は、政府支出を約25%増加させることによって、経済における政府の割合を高めることになるだろう、ということだ。この支出水準は第二次世界大戦以降最高のレヴェルとなる。第二次世界大戦時、増加率は40%増であった。

戦後、経済における大惨事が起きた場合を除き、支出の伸び率は15%から22%の範囲に収まってきた。

今回の予算提案は、レーガン革命から振り子がどれほど反対側に振れているかを示す最新の兆候ということになる。レーガン革命では、政府の存在は成長と機会に対して阻害要因となると規定した。

バイデンは自分のことを穏健中道派だと主張している。バイデンは緊急事態においては政府には役割があるが、通常の時期においても、インフラ建設、格差の縮小、家族や貧困に陥っている人々の支援といった役割があると述べている。

バイデンが今年初めに明らかにした予算についての基本的な考えの中核には、インフラ再建と家族への支援という2つの前提条件があり、それが予算に反映されるだろう。

2兆3000億ドル規模のアメリカン・ジョブ・プランと1兆8000億ドル規模のアメリカン・ファミリーズ・プランのような提案では、道路、港湾、橋梁といった伝統的なインフラへの投資、グリーンエネルギーシステムの構築、労働者家庭に対する育児への資金的な支援や有給休暇制度の拡充にも投資がなされる。

バイデンは2022年の予算について非軍事部門の予算を16%増額している。住宅補助、教育、農業、退役軍人などに対しての予算を増額している。

長年にわたり政府は重要な仕事から遠ざけられてきたと主張している進歩主義派は、バイデンが提案している各プランはこれまで長い間停滞してきたものだと述べている。

 

 

進歩主義派の団体「タックス・マーチ」の上級部長マウラ・クイントは次のように述べている。「予算については良いものだと考えています。私たちが長い間目にしてきたのは、人々を助けることができるはずの政府が縮小されてきたということです。基本的に、政府の規模は巨大なものにする必要があると私は考えています。そして、巨大な投資をすれば、国民一人一人によりよく奉仕できるようになると思います」。

進歩主義派の各グループは、格差の拡大、据え置かれたままの賃金、人種や性差に関する不公平など社会的な諸問題の存在を指摘し、政府はより大きな役割を果たすべきで、その予算は富裕層と企業への増税で賄うべきだと主張している。

しかし、このアプローチには当然批判もある。

右派のシンクタンクであるアメリカン・アクション・フォーラムの所長で、アメリカ連邦議会予算局の局長を務めたダグラス・ホルツ=イーキンは「偉大な社会プランとリンドン・ジョンソン大統領の時の予算にこれほど似たものは見たことがない」と述べた。

ホルツ=イーキンは肥大化した連邦政府は経済に悪影響を与えると主張している。

ホルツ=イーキンは「このような肥大化した支出はお役所仕事そのものとなる。その受益者を規定し、どのように支出するかを決定するためにより多くの既成が必要となり、そのためにコストも増大する」と述べた。

政府支出の更なる増大には、それを賄うために、より重い税金と借金が伴うことになる。

バイデンの計画では、これからの数年間で1兆ドルを超える赤字が出る、そして、アメリカの債務負担は2020年代の終わり頃には史上最悪となると報じられており、これが財政赤字に反対するタカ派を苛立たせている。

民間団体「責任ある連邦政府予算委員会」の会長を務めるマヤ・マクギネスは赤字を伴う提案について「危険だ」と述べている。

マクギネス発のように語っている。「今回の予算提案は政府支出の巨大な拡大を伴っている。それは歴史的なレヴェルになっている。そのもたらす良い点についてはアピールがなされているが、それには高い値札が付いていることを忘れてはならない。バイデン政権はそれらについてどのように支払うかを完全には明らかにしていない」。

今回の予算はバイデンが大統領として既に発表した重点政策がいくつも含まれている。しかし、それが意味するところは彼が選挙期間中に約束したその他の多くの政策は考慮されていないということである。その中には医療制度において公的なオプションを創設するというものがあり、それが今回の予算には入っていない。

左派のシンクタンクであるセンター・フォ・アメリカン・プログレスの予算専門家セス・ハンロンは「バイデン大統領から、医療分野を含む、更なる予算提案がなされるでしょう」と語っている。

木曜日、バイデンは彼の経済プランは経済の再活性化に貢献すると主張した。この経済プランによって、本年のアメリカの経済成長は1980年代初頭以来、見たことがない水準にまで及ぶだろうと予測している。しかし、成長を促進し、中国のような競争相手に勝つために、バイデンは更なる投資が必要であるとも主張している。

バイデンは木曜日午後、訪問先のクリーヴランドにある短期大学で演説し次のように述べた。「これまでにない、何十年に一度というくらいの大規模投資となる。民間部門はこのような投資はできない。私たちはこれまで長い間、このような公共投資を無視してきた」。

バイデンは「新型コロナウイルス感染拡大が明らかにしたのは、我が国の根幹と働く人々に対する投資がどれほど必要であるかということだ」と述べた。

ホワイトハウス報道官ジェン・サキは火曜日、報道されたバイデン大統領の予算提案の総額を認めることを拒否した。しかし、サキは新型コロナウイルス感染拡大と雇用創出を克服するということがバイデン大統領にとって最重要課題であり、それが予算に反映されるだろうと述べた。

サキは大統領専用機エアフォース・ワンに同乗した記者団に対して次のように述べた。「アメリカン・ジョブ・プラン、アメリカン・レスキュー・プラン、アメリカン・ファミリーズ・プランといった予算提案は、私たちアメリカ国民により良い財政基盤を与えることになるでしょう」。

これまでの全ての大統領の予算提案と同様、バイデン大統領の予算提案は、大統領からのメッセージが含まれた文書であると見られている。これから連邦議会と、12の支出関連法案の可決について厳しい交渉を行い、2021年10月1日から始まる2022年会計年度で政府を機能させ続けるようにしなければならない。

連邦上院歳出委員会委員長パトリック・リーヒ連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、民主党)は火曜日、6月の段階で連邦議会は予算の総額について大まかなところを決める必要がある、それは提案された数字とは大きく異なるものとなるだろうと述べた。

共和党はプレスリリースを発表し、予算提案について「すでに死文化して到着」したものであると主張した。共和党側は予算関係の高官たちが金曜日に予算を出してくるということを見越してプレスリリースを発表した。

ホルツ=イーキンは次のように述べている。「この予算提案が法律となって可決される機会はほぼないと言えるだろう。民主党側はこの予算提案をメモリアルデー(5月31日)の前の金曜日に既に投げ捨てている。この予算提案はすでに死文化している。民主党側はそれを知っている」。

バイデンはこれまでの共和党側との交渉で、インフラ整備提案のうち、5000億ドル分を削っている。共和党側は原案の半分以下に予算を削るなら支持するというサインを出しているだけだ。

ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)やキルステン・シネマ連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)のような民主党内の穏健中道派の議員たちは、バイデンの税金に対する提案に関して疑義を呈し、予算復活過程を通じて、連邦上院が可決させようとしている予算内の支出を減らすことを要求している。

子の過程から共和党は締め出されている。しかし、議席数が50対50の連邦上院において、予算を可決させるには民主党所属の議員全員の賛成票が必要となる。

バイデンの予算提案は政治状況を変化させている。しかし、連邦議会で審議されていない段階では、その程度はまだそこまで大きくはない。

バイデンは細心のインタヴューで次のように語った。「リスクを大きくしないようにしなければならない。予算を小さいままにし続ければ、アメリカの国際舞台でのステータスと競争力を変える方法はないということになる」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 アメリカが堅持してきた二大政党制が崩壊する可能性が高いと私は考えている。今回の大統領選挙をめぐるこれまでの動きの中で、共和党内に大きな亀裂が生まれている。民主党はエスタブリッシュメント対進歩主義派という対立構造があったが、「アメリカの敵・ドナルド・トランプとトランプ支持者たち(本当は民主党が助けなくてはいけない人たちのはずだが)」という共通の敵を作り上げて、今のところは一枚岩だ。

外国に敵を作って、皆でまとまろうという策謀と全く同じ構造だ。これで、「アメリカの融和」などと寝ぼけたことを言っているのは笑止千万だ。これに協力している、進歩主義派も結局、エスタブリッシュメント派の軍門に下り、ワシントンでの楽しい生活を謳歌している。私は大きく失望している。中世ヨーロッパの言葉に「都市の風は人間を自由にする」というものがあるが、それをもじって言えば、「ワシントンの風は人間を徹底的に堕落させる」ということなのだろう。進歩主義だ、貧しい人々のためだ、と意気揚々とワシントンに乗り込んでみたら、取り込まれて、堕落してしまう。その点で、ドナルド・トランプという人物は最後まで、ワシントンの「部外者(アウトサイダー)」だった。

 共和党に目を移せば、「エスタブリッシュメント派対トランプ・ポピュリズム」という対立構図になる。このブログでも紹介したが、共和党支持の有権者たちの間でのトランプ支持は根強い。この有権者たちにそっぽを向かれれば共和党の議員たちは落選して、ただの人となり、楽しいワシントンでの生活からオサラバしなければならない。

 2020年の選挙では連邦上院では共和党と民主党が50対50となり、連邦上院議長は副大統領が務めるので、民主党が過半数を握ることになった。連邦下院では民主党が過半数を維持したが、共和党が議席数を伸ばした。2022年の中間選挙では共和党が議席数を伸ばすことが見込まれている。

 共和党側は、民主党側に対して、「民主党は社会主義の方向に進んでいる」という宣伝戦略を展開している。2022年に向けてもこの戦略を採用しようとしている。これで消極的な民主党支持者たちを取り込もうとしている。民主党側では、進歩主義派の勢力が大きく、バイデン政権と連邦議会民主党執行部としても無視できない。そこで、「大きな政府」政策を実行すると、共和党側の宣伝戦略にはまってしまう。

 一方、共和党側でも「トランプ・ポピュリズム派」は、民主党側からの攻撃目標にされてしまうだろう。「あの連邦議事堂襲撃事件を起こしたトランプを支持する政治家たちを当選させてはいけない」という戦略で共和党攻撃を行うだろう。民主、共和両党はお互いの「急進派」を標的にして攻撃する戦略で2022年の中間選挙を戦うことになる。両党にとって、「急進派」は重要な存在である。そう簡単に切ることができない。このかじ取りが2022年の選挙の結果を左右することになるだろう。

(貼り付けはじめ)

共和党は2022年に連邦下院で過半数を獲得する道筋を見ている(GOP sees path to House majority in 2022

ジュリー・グレイス・ブラフケ筆

2020年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/526444-gop-sees-path-forward-to-house-majority

共和党は今週連邦議事堂に戻って来た。共和党は予想を裏切り、選挙投開票日に連邦下院での議席を増やして戻って来た。2022年の中間選挙で過半数を獲得する見通しを持っている。

共和党所属の連邦下院議員たちは木曜日、連邦下院少数党(共和党)院内総務ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)をはじめとする連邦下院共和党指導部をそのまま再任することで、その功績に報いた。共和党は、分裂した投票行動を行った有権者たちから支持を受けた。この有権者たちはトランプ大統領をホワイトハウスから追い出しながら、連邦上院と連邦下院の選挙の共和党の候補者たちを支持した。

選挙結果はアメリカ国民が捻じれた政府(訳者註:ホワイトハウスは民主党、議会は共和党)を認めたということであり、共和党側は2年後の中間選挙において連邦下院で過半数を奪還することができるという手ごたえをつかんでいる。中間選挙はこれまで、ホワイトハウスを掌握している政党が連邦議会で議席を減らすということになっている。

まだ結果が出ていない複数の州で共和党の候補者たちが優勢であり、それらを入れて、共和党は20議席近く増やそうとしている。共和党は今回の選挙結果でも過半数まで17議席足りないままである。しかし、民主党側から見れば、第二次世界大戦以降、最も議席差が少ない連邦下院ということになっている。

連邦下院少数党(共和党)幹事ステイ―ヴ・スカリス連邦下院議員(ルイジアナ州選出、共和党)は全米を駆け回って再選を目指す現職たちのために応援演説をしていた。スカリスは本誌の取材に次のように答えた。「今回の選挙で私たちは接戦の選挙区において多くの議席を獲得したことで、多くの人々に衝撃を与えることができました。しかし、私たちはこれからもやらねばならないことがたくさんありますが」。

スカリスは続けて「私たちが接戦で敗れた選挙区においても素晴らしい候補者たちがいるということを既に伝えられています」と述べた。

共和党指導部は2022年の中間選挙について楽観的になることを戒めていると述べている。彼らは現在の状況について良くなっていると感じているが、連邦下院で過半数を奪還するためにはこれからも戦い続けねばならないだろうと述べている。

トム・エマー連邦下院議員(ミネソタ州選出、共和党)は連邦下院共和党の選対委員長を務めたが、共和党は今回の選挙で予想を超える結果を得たが、連邦下院で過半数を奪還できなかったことについては「失望している」と述べた。

共和党全国選挙対策委員会(The National Republican Campaign CommitteeNRCC)委員長エマーは、議席増を当然のこととは考えておらず、過半数奪回に目を向ける必要があると述べている。また、2018年の中間選挙で民主党側の攻勢によって民主党が基盤を築いた選挙区での議席獲得のための道筋はあるとも述べている。

共和党はマイアミで複数の議席を獲得し、失うと予想されていたテキサス州での複数の議席を維持した。しかし、エマーはアリゾナ州、ミシガン州、ニューハンプシャー州、ペンシルヴァニア州の各州で逆転できる可能性があったと述べている。

エマーは本紙の取材に対して次のように述べた。「今回の選挙で私たちがいささか成功したが、これは偶然の産物ではないということを共和党全体が理解しなければなりません。私たちは努力を続けたので、成功するだろうと言われていました。これからも挑戦は変わりません。より努力をしなければなりません」。

エマーは「人々がどんなことを言っても、簡単なことではないのです。世論調査の専門家や予言者の言うことなど聞きません。選挙の結果は全て候補者たち次第なのです。幸運は自分の力で引き寄せねばならないのです」と述べた。

エマーは、共和党が強力な、そして多様性のある候補者たちを登用したことと、民主党内の分裂によって、共和党が民主党の有名議員たちを落選させることができたと述べている。今回の選挙で民主党側は中道派の議員たちが多く落選した。エマーは、共和党全国選挙対策委員会の戦略として、民主党側の進歩主義的な政策を際立たせながら、接戦の選挙区に照準を定めるという戦略を採用するとしている。

エマーは「穏健派・中道派は残っていません。話は変わりますが、民主党がナンシー・ペロシを議長にとどめるならば、それは私たち共和党にとっては悪いことではありません」と述べた。

連邦下院民主党は水曜日、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)をこれからの任期2年間、民主党のトップに据え続けることに決定した。ペロシは1月の全連邦下院議員からの投票で、過半数の支持を必要としている。2019年の連邦下院議長選挙で、民主党所属の連邦下院議員15名が反対票を投じたが、来年の議会に戻ってくるのはそのうちの10名だ。民主党は議員の数を減らしている。それでも、ペロシの再選にとっては高いハードルにはならない。

民主党側で議席を失うことになる5から15議席の議員たちの中には、長年議員を務めたヴェテランや注目を集めつつあったスター議員たちが含まれている。それらの中には、マイアミ・デード郡の選挙区から出ており、クリントン政権で保健福祉長官を務めたドナ・シャレイラ連邦下院議員(フロリダ州選出)、スタテン島の一部が選挙区になっているマックス・ローズ連邦下院議員(ニューヨーク州選出)、共和党が優勢な選挙区で15期にわたって議員を務め、連邦下院農業委員会委員長を務めたコリン・ピーターソン連邦下院議員(ミネソタ州選出)が含まれている。

歴史的に見て、ホワイトハウスを握っていない側の政党は中間選挙で過半数を獲得している。民主党所属の連邦議員の中には、2022年中間選挙に向けて戦略を再検討する必要があると述べている。

ある民主党連邦議員は、共和党側の民主党と社会主義を結び付けるメッセージ戦略について、民主党はこれに対して戦わねばならず、ペロシ議長は、こうした攻撃のために劣勢に立つであろう民主党の議員たちの敗北に責任を持つことになる。

この議員は次のように述べた。「私が言いたいのは、2022年の中間選挙において私たちは良い立場にはいないということです。私たちは劣勢に立っているんですよ。ペロシ議長が議長職にとどまるというのは全くもって不公正なことです。彼女はこれから2年間議長職にとどまりますが、その後の2022年、私たちは大惨敗を喫する可能性が高いのです」。

「私たちが10から15議席を失うだけでなく、連邦下院民主党は過半数を失うことにもなるでしょう。2020年の中間選挙は、民主党側では共和党から議席を獲得し、過半数の議席数を拡大する機会にもなるはずでした。しかし、私たちはこの機会を無駄にしました。私たちは2022年に議席数の減少を阻止するための堤防を築くために、2020年の選挙がどれほど重要なのかはわかっていました」。

流れは共和党に有利な方向に流れているようではあるが、共和党は今回の選挙での躍進を当然のことだと思ってはならず、連邦下院での過半数奪回のためにはこれからいくつもの高いハードルを越えていくことになるだろうと気を引き締めている。

連邦下院共和党筆頭副幹事長ドリュー・ファーガソン(ジョージア州選出、共和党)は次のように語っている。「もし現在の流れについて考えるならば、私たちは歴史的な勝利を収めたと言えるでしょう。私たちは民主党の本性を明らかにしました。民主党はこの国を社会主義の方向に進めようとしているのです。しかし、私たちはいささか押し戻すことができました。人々は考えを変え、戦うために外に出ました。そして、僅差で多数となっている人々が、人々をまとめる方法を主張しています」。

ファーガソンは続けて次のようにも述べた。「従って、私たちはより一生懸命に努力しなければなりませんし、資金集め、良い政策作り、メッセージの発信など全てのことに注力し、これまでの2倍努力しなければなりません。私たちはそれができると確信しています。しかし、それはドアを通って歩いていけば自然に手に入るものではなく、私たちは勝ち取りに行かねばならないのです」。

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