古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:連邦下院

 古村治彦です。

 

 前回は、「民主党が連邦下院議員選挙に勝利し、トランプは敗北した」という内容の記事をご紹介しました。今回は、「民主党は連邦下院議員選挙に勝利したが、トランプは選挙に勝利した」という内容の記事をご紹介します。

 

 リベラルなメディアとして知られる『ワシントン・ポスト』紙に掲載された記事ですが、アメリカの各新聞にはリベラルから保守まで様々なコラムニストがいて、それぞれの立場から論説を発表します。前回ご紹介したEJ・ディオンヌは同じワシントン・ポスト紙に論説を発表するコラムニストですが、リベラルの立場から書いています。

 

 今回ご紹介する記事を書いたエド・ロジャースはヴェテランのコラムニストで、保守の立場から論説を書いています。同じ現象(2018年中間選挙)をそれぞれの立場からどのように解釈するのか、ということで読み比べると相違点、どこを強調しているのかが分かって面白いと思います。

 

 今回の記事では、民主党は確かに連邦下院議員選挙で勝利したということは事実として認めています。しかし、それは大勝ではなかったし、民主党の躍進を「ブルーウェイヴ(Blue Wave、青い波)」とアメリカのメディアは形容したがそういう青い波など起きなかった、と書いています。民主党が新星、ライジングスターとして期待をかけていた候補者たちは軒並み落選したではないか、という点を強調しています。

 

 そして、今回の中間選挙は、有権者にとってトランプを罰する機会となったはずだが、有権者はそうしなかった、有権者はそうするはずだと述べていた、傲慢な民主党と主流派メディアの言うとおりにならなかったと述べています。そもそもこれまでの中間選挙でも、支持率が低い大統領を出している政党は軒並み議席を減らしていて、今回の結果はこれまでの選挙(大統領の支持率が低い場合)の平均を超えなかったと述べています。

 

 確かに、民主党は30議席以上伸ばし、2010年以来の連邦下院での過半数を確保しました。しかし、何か「勝った、勝った」と大喜びできる雰囲気ではありませんでした。連邦上院では共和党が過半数を確定しましたし、民主党の期待の星は当選できませんでした。

 

 連邦下院で過半数を得たし、2016年の大統領選挙で、それまで民主党支持が多かったのにトランプに投票した地域もある程度回復できた、ということで民主党が勝った、という評価がある一方で、有権者はトランプ大統領に罰を与えなかったという評価もできる訳です。

 

 2020年の大統領選挙に向けては、民主党が厳しい、という評価は民主党内部でも存在します。これからどうなっていくのか、注目していかねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党は連邦下院議員選挙で勝利した、しかし、トランプは選挙で勝利した(Democrats won the House, but Trump won the election

 

エド・ロジャース筆

2018年11月7日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/blogs/post-partisan/wp/2018/11/07/democrats-won-the-house-but-trump-won-the-election/?fbclid=IwAR0Uk3gHraxknmvptzUxRHs-JtOA_m__RCkOQfsQg8mrZ-PAz-ZPzcpSTFs&utm_term=.327ea3999bbb

 

火曜日の夜、共和党は完勝という訳にはいかず、また、民主党のブルーウェイヴもなかった。共和党はこれまでの歴史とほぼ全ての人々の期待を裏切った。一方、ビートー・オローク、アンドリュー・ギラン、ステイシー・エイブラムスなどが勝利するという夢想が破れたことで、民主党には失望が残った。民主党進歩派の新たなスターが登場することはなかった。今年の中間選挙の結果の意味を分析するのに数日必要となるだろう。しかし、簡単な分析はでき、その結果は明確だ。民主党は連邦下院で勝利するであろうが、選挙で勝利したのはトランプだ。

 

私が常々述べているように、政治においては、怒ると思われるものが起きることが多い。私が8月の段階で次のように予測した。民主党は連邦下院で過半数を獲得するだろうが、それだけでは民主党支持者のほとんどを満足させられない。今年の中間選挙はトランプ大統領を罰する機会を提供することになったが、傲慢な民主党と主流派メディアが予測したことはほとんど起きなかった。選挙の結果が示しているのは、その重要性が明確になるまでしばらく時間がかかるだろうが、民主党と主要メディアが言っていたことのほとんどは間違っていたということになるのだ。そして2018年の中間選挙が何かを証明するとなると、それは、トランプは強いままであり、トランプは有権者から拒絶すると期待していた民主党と協力者たちはこの人たち自身が否定されることになった、ということだ。

 

民主党は中間選挙のこれまでの歴史や人々の期待の大きさに比べて、うまくやることが出来なかった。大統領を出している政党は、大統領の支持率が50%を切っている場合、これまでの中間選挙において連邦下院で平均して37議席を失った。しかし、民主党はこの平均以上の議席の躍進は望めない状況だ。リベラル派は認めなくないだろうが、トランプ大統領は共和党にとって財産であり、バラク・オバマ大統領は民主党にとっては厄災をもたらす存在であった。

 

より明確に述べよう。有権者たちはトランプを罰するチャンスを得たが、そうしなかった。評論家のほとんどは、今年の選挙では、アメリカ国民とはどういう人たちか、アメリカとはどういう国かということをさんざん語った。それでも、アメリカ国民の多くはトランプを支持したようだ。民主党はトランプのマイナス面を述べるだけで、自分たちの勝利を促すことになると考えた。2018年の中間選挙の結果は、2020年の選挙に勝てると考えるのならば、計画を変更する必要があることを明確に示している。

 

中間選挙というものは、中間選挙はこのようになるという常識にほとんどの場合、従うものだ。大統領を出している共和党は議席をいくつか失ったが、しかし、民主党やメディアの協力者たちが起きるであろうと主張していた、民主党躍進によるトランプ大統領への懲罰とは程遠い結果になった。中間選挙が共和党にとっては悪い結果をもたらす、トランプに対して厳しい目が向けられているということであったなら、ここで疑問が出てくる。火曜日の選挙結果は、トランプが共和党にとっての重荷であるという考えを証明するものであろうか?トランピズムは共和党にとって政治上の重荷だろうか?この疑問に対する答えは、トランピズムはプラスだというものだ。What that says about the GOP and America is unclear. しかし、2018年の中間選挙における目的という観点からすると、トランプは勝利者ということになる。

 

トランプと彼の協力者たちは、ニューヨークとハリウッドのエリートたちが撥ねつけることも戦うことも出来ないアピールを人々にしている。2018年の中間選挙で民主党の注目株となった人々は全て当選できなかった。有権者がどちらに投票するかを決めなければならなくなった時、多くの場合、怒れる左派は人々から拒否され、トランプが利益を得ることになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 このブログでもご紹介しました、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスがニューヨーク州第14選挙区で勝利し、史上最年少の連邦下院議員選挙当選者となりました。来年1月には、史上最年少の連邦下院議員となります。

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 歴史を作ったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスですが、今はまだ当選者に過ぎず、選挙戦の間、仕事をしていなかったために、お金がありません。アレクサンドリアは、ツイッターで、ワシントンDCでアパートを借りるお金がない、と発信し、話題になっています。


 

 アメリカの大都市では住宅難で、家賃が高騰しています。下記の記事にもありますが、ワシントンで2つの寝室がついているアパートを借りると家賃は25万円以上します。東京都心でもそれくらいの広さだったらまぁそれくらいするかという感じですが、東京の家賃の高さは他の地方では考えられないことです。私は鹿児島出身ですが、東京の大学に進学して一番驚いたのは(私の親の方が衝撃は大きかったと思いますが)、家賃の高さです。アメリカでも同じです。

 

 アレクサンドリアに提案、という訳ではありませんが、家賃を抑えたいという連邦議員たちは楽しみながら、涙ぐましい努力をしているようです。その方法をご紹介したいと思います。



 

 まずは、連邦議事堂の自分の部屋に簡易ベッドと日常生活に必要なものを持ち込んで住んでしまう、というものです。ここに出てくる、ジェイソン・チャフェッツは、2009年から今年まで民主党所属の連邦下院議員を務めている人物です。今回の中間選挙には出馬せずに、今期限りで引退します。オバマ政権発足と共に初当選しましたが、ベンガジ事件が起きた時には、政権を激しく批判したことで知られています。チャフェッツもお金を節約するためにやっていると述べていますが、これも有効な方法かもしれませんが、まだ部屋が空かないので、できるとしても来年からということになります。

 


 

 次にルームシェアをするというものです。この映像では民主党所属の連邦上院議員2名と連邦下院議員1名が一緒に生活しています。この映像が撮られたのは、アマゾンで放送された連邦議員のドラマで、議員たちがルームシェアをしていたのですが、本当にしている人たちがいるということが理由です。彼らは週の半分程度しかワシントンにいないので、これでいいのだと述べています。ここに出てくる、チャック・シューマーは昨年から、連邦上院民主党院内少数派総務を務めている大物政治家です。ニューヨークから、1981年から1999年まで連続9期連邦下院議員選挙当選、1999年から現在まで連続4期連続連邦上院議員選挙当選の大物中の大物です。大学生のドミトリー、フラタニティのようですが、彼らは楽しそうです。アレクサンドリアも知り合いの家に居候させてもらうという方法もあるかもしれません。男性議員だといろいろと詮索されてしまうでしょうから、女性議員で探してみるのも良いかもしれません。

 

 下に掲載した記事では、アレクサンドリアは連邦下院議員になるまで、これまで働いていたレストランでバーテンダーとして働き、お金を貯めるつもりだと述べています。また、このような状況を恥ずかしいとは思わない、収入が低いことを嘲笑することは、お金持ちたちが、多くの人たちが声を上げるのを妨げるために行われているものだと述べていることは印象的です。

 

 アレクサンドリアの勝利は今回の中間選挙を象徴するものとなりましたが、連邦下院議員になってからも注目を集めることになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスが、連邦議員としての給料が振り込まれるまで、ワシントンDCには住めないと発言(Alexandria Ocasio-Cortez says she won't be able to afford to rent in DC until she starts collecting her congressional salary

 

ラナ・バンドイム筆

2018年11月9日

『ビジネス・インサイダー』誌

https://www.businessinsider.com/alexandria-ocasio-cortez-cant-afford-dc-rent-until-her-salary-starts-2018-11

 

・アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは連邦議会選挙で最年少の当選者となった。

・ニューヨーク州第14選挙区で勝利したにもかかわらず、29歳のオカシオ=コルテスは現状ではワシントンDCのアパート代を支払うことが出来ないということを明らかにした。

・オカシオ=コルテスは連邦議員としての給料が口座に振り込まれるまでワシントンDCには移動しないで待つと計画している。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは2018年の中間選挙で史上最年少の連邦議員選挙の当選者として歴史を作った。

 

ニューヨーク州第14選挙区で勝利した後、29歳の民主党員オカシオ=コルテスは、ミレニアル世代の多くが直面する問題にぶつかった。それは、現状ではワシントンDCのアパート代を捻出できないということだ。

 

オカシオ=コルテスは『ニューヨーク・タイムズ』紙の取材に対して、「連邦下院議員になる前の3カ月、私は無給なんです。そんな私がどうやったらアパートを借りられると思います?」と答えた。

 

連邦議会に関する規則によると、連邦議員に対する給料の支払いは1月1日付で開始され、連邦下院議員の一般的な給料は17万4000ドルである。

 

オカシオ=コルテスは、ツイッター上で、彼女の住居問題について更に考えを公表した。「私たちの選挙システムが労働者階級の人々向けにはできていないことを示す多くの小さなことが存在します。この問題もその一つです。(心配しないで、私たちはそれを是正します!)」。

 

オカシオ=コルテスはユニオン・スクエアのレストランでのバーテンダーの仕事でお金を貯めるつもりだとも書いているが、そのお金でもワシントンDCでアパートを見つけることは難しい。

 

「スマートアセット」の調査によると、ワシントンDCの2ベッドルームのアパートの月の賃料は平均で2500ドルとなり、この値段のアパートを借りるには年間で少なくとも10万8000ドルが必要となる。

 

ツイッターで、オカシオ=コルテスはフォロワーに対して、自分は「準備をしているし、状況は良くなるだろう」から安心して欲しいと書いている。

 

彼女は次のようにツイートしている。「恥ずかしいとか困ったなとか思う理由はありません」。「所得が低いことを嘲笑するのは、富の不公平から利益を得て、それを促進しようとする人々が一般の人々に声を上げさせないようにするためで、アメリカ社会における最も大きな脅威の一つです。こうすることで豊かな者はより豊かになり、貧しい者はより貧しくなります」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2018年11月6日、アメリカで中間選挙(Midterm Elections)の投開票が行われました。連邦下院全議席(435)、連邦上院の約3分の1(33+2[特別選挙])、半数以上の州知事選挙が行われました。

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朝日新聞のウェブサイトから

 

 結果は、連邦上院では共和党が52議席を獲得し、過半数から更に1議席を積み増し、ということになります。非改選は共和42、民主23ですから、もともと共和党に圧倒的に有利な状況ですが、それでも過半数を抑えたという事実は大きいことです。

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連邦上院議員選挙結果(Real Clear Politicsから) 
 

 連邦下院は民主党が大勝利、地滑り的とまでは言えないにしても、完勝ということが言えます。まだ全議席が確定していないのですが、民主党が共和党の議席を30議席程度ひっくり返した結果で、過半数の218を10程度超える229議席を獲得する見通しになっています。

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連邦下院議員選挙結果(Real Clear Politicsから)

 州知事選挙では、民主党が逆転した州が7、共和党が逆転した州が1で、それまで共和党が圧倒していたのが民主と共和が拮抗に近い状態となりました。私が翻訳した『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)の主人公、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークが支援していたウィスコンシン州知事スコット・ウォーカー(共和党)は落選しました。

 

 2008年以降の選挙では、民主党がオバマ大統領の当選、連邦上下両院で大きく過半数を超える地滑り的大勝利となりました。オバマ政権下ではその後、連邦議会では共和党が勢力を回復し、2010年以降、連邦下院では過半数を大きく上回り、2014年以降は連邦上院でも過半数を獲得する状況となりました。2016年の選挙では、トランプ大統領勝利、連邦上下両院で過半数を維持という結果になりました。今回、連邦下院で民主党が過半数を獲得し、これからは、大統領は共和党、連邦上院過半数は共和党、連邦下院過半数は民主党ということになります。

 

 連邦上院は土地を代表する選挙システム(州の規模に関係なく各州2名ずつ)ということになります。この場合、共和党の優勢な、人口の少ない州が有利となります。日本で言うと、一票の格差がどれだけあるんだという話になりますが、州を代表するということで、アメリカ連邦を構成するカリフォルニア州もノースダコタ州も平等ということになります。共和党が優勢な州は「赤い州(レッドステイト)」、民主党が優勢な州は「青い州(ブルーステイト)」と呼ばれていますが、レッドステイトが20以上あるということは、連邦上院で40議席以上は固いということになり、共和党に有利な状況がこれからも続いていくことでしょう。

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赤色が共和党優勢、青色が民主党優勢、紫色が激戦州

 

 連邦下院は人間の数を代表する選挙システム(人口に基づいて区割り)です。ゲリマンダーという言葉を覚えている人も多いと思いますが、この区割りは各州の裁量に任されており、その州で優勢な政党に有利なように区割りされるという場合もあります。連邦下院は2年ごとに全議席が選挙されるので、連邦下院議員は大変です。2年ごとに選挙があるので、政治に野心がある人が予備選挙から挑戦してきますし、本選挙となれば相手の党と戦わねばなりません。連続して当選するということは大変なことです。

 

 ドナルド・トランプ大統領にとっては今回の選挙は、敗北でありましたが、実質的には勝利ということになります。まず、共和党は連邦上院で民主党の議席を4議席(フロリダ、インディアナ、ミズーリ、ノースダコタ)ひっくり返しました。民主党がひっくり返したのは1議席(ネヴァダ)です。これで過半数以上、52議席が確定しました。共和党が議席をひっくり返した4州は2016年の大統領選挙でトランプ大統領が勝利した州であり、共和党が優勢州と激戦州とされる集です。民主党が議席をひっくり返したネヴァダ州は民主党が優勢で、2016年の大統領選挙では民主党のヒラリー・クリントンが勝利しています。党派性が色濃く出た結果と言えるでしょう。

 

 トランプ大統領が様々なスキャンダル、疑惑に晒されているのは日本でも報道されています。ロシア疑惑、脱税疑惑、不倫疑惑などですが、大統領を訴追する権限は連邦下院に与えられています。一方、訴追された案件を裁判する権限は連邦上院に与えられています。正確には大統領だけではなく、大統領だけではなく、連邦判事や閣僚、連邦議員たちを含む公務員もこの権限の対象となります。

 

 トランプ大統領にとっては連邦下院で訴追決議がされても、連邦上院で裁判が行われ、弾劾決議が出るという可能性は減少しました。これはトランプ大統領にとってはかなり安心できる状況です。また、連邦上院は大統領が提案する公務員の人事を承認するかどうかの権限も持っています。連邦下院にはありません。FRB議長や連邦最高裁判事、閣僚といったアメリカにとって重要な人事が行われる際にはマスコミでも大きく報道されます。人事権に関しても、連邦上院で過半数を取ることで確保されたということが言えます。テキサス州で何とか再選されたテッド・クルーズが象徴するように、トランプ大統領の応援によって当選した議員たちが多くなっているので、彼らはトランプ大統領に反抗することはできません。

 

 トランプ大統領は、早速、ジェフ・セッションズ司法長官を更迭しました。セッションズは、ロシア疑惑がここまで大きくなることに関して何もしなかった、逃げた、オバマ大統領時代からの官僚が多くおり、反トランプの牙城とも言うべき司法省を抑えることが出来なかった、というのが更迭の理由でしょう。また、ジェイムズ・マティス国防長官、ジョン・ケリー大統領首席補佐官といった高級軍人出身者たちの更迭の噂も出ています。

 

 一方で、トランプ大統領は、連邦下院民主党に対して協力を呼びかけました。確かに、トランプ大統領のいくつかの政策は、民主党にとっても受け入れられる、推進したい政策です。トランプ大統領を押し上げた、ラストベルトと呼ばれる工業地帯の白人労働者たちは、元々は労働組合に加入して民主党を支持していた訳で、この点ではトランプ大統領と民主党は協調できる関係にあります。1980年代に日米間で貿易摩擦が起きましたが、その時に日本車を叩き壊していたのは、自動車産業が盛んなラストベルトの州を地盤とする民主党の議員たちでした。共和党はもともと自由貿易を主張しています。ここで「捻じれ」が起きてしまいます。

 

 今回の中間選挙では、アメリカのマスコミはpolarizationという言葉をキーワードに使っていました。分極化、党派争いの激しい状況、お互いがお互いを否定し合って馬鹿にし合って話ができない状況ということです。今の日本もそういう状況にあると思いますが、アメリカでは、これではいけないという動きも出ているようです。そのために選挙制度の変更という話も出ています。日本では単純に二大政党制にすることが改革だ、決められる政治だとする風潮がありますが、現在のアメリカをよく見て、それで良いのかを考えるべきです。

 

 今回の選挙結果では、有権者の投票志向は民主党に向かっていたということが出来ます。これはトランプ大統領に対しての批判ということになります。連邦上院で共和党が過半数を獲得したことは、もともと非改選で共和党が42議席を保持していたことを考えると、そこまで大きなことではないとも言えます。しかし、トランプ大統領は訴追弾劾を避けることができる、人事権を掌握できるということで、「まぁこの辺が満足すべきところだろう、連邦下院が少し負けすぎだけどな」という結果になったと思われます。

 

 民主党は、テキサス州の連邦上院議員選挙でビトー・オロークが勝利していれば、一気に大統領選挙の候補者にまでなったかもしれませんが、ライジングスターは生まれませんでした。党の中にはいまだに分裂があり、今回の勝利を楽観することはできません。

 

 上記のように考えると、トランプ大統領という人は、とても運が良い人ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ政権「米国第一」継続へ ねじれ議会と対立必至」

 

11/7() 21:10配信 朝日新聞デジタル

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181107-00000087-asahi-int

 

 トランプ米大統領の任期前半の信任が問われた中間選挙が6日に投開票され、連邦議会下院では野党・民主党が都市部や郊外の選挙区で票を伸ばし、8年ぶりに過半数を奪還した。一方で、上院は与党・共和党が現有よりも議席を伸ばす勢いで、上下院で多数派が異なる「ねじれ議会」となる。トランプ氏はこれまで通り「米国第一」主義の政策を進めるとみられるが、下院と対立するのは必至だ。

 

 下院(任期2年)の435議席すべてと、上院(任期6年、定数100)のうち35議席が改選された。トランプ氏が就任後初めて国民的な審判を受ける今回は、上下両院で共和党が過半数を維持できるかが最大の焦点だった。下院は、民主が改選前の193議席から大幅に積み増し、過半数の218議席以上となった。ABCの出口調査では、トランプ氏の支持は44%、不支持は55%で、この支持率が議席に反映された。

 

 民主は女性や若者、黒人や移民、性的少数者らに訴え、「反トランプ氏票」を掘り起こし、党のイメージ色にちなんだ「ブルーウェーブ」(青い波)を起こす戦略をとった。支持基盤の都市部に加え、バージニア州やペンシルベニア州、フロリダ州などの郊外の選挙区で、女性候補が共和党現職を破った。民主が下院を奪還するのはオバマ政権の2010年以来となる。

 

 民主党が下院で多数派となり、下院議長や外交、歳入など全委員長ポストを独占する。トランプ氏や側近のスキャンダル・疑惑を議会で追及できるほか、大統領には法案や予算の提出権限がないため、「ねじれ議会」でトランプ氏は民主党と対立する政策を実現しにくくなる。民主下院トップのペロシ院内総務は、ワシントンの集会で「(今日の勝利は)民主党や共和党を超えたもの。憲法を回復させ、トランプ政権の専制をチェックする」と話した。

 

 一方、共和党とトランプ氏は、劣勢だった下院よりも、過半数を維持しやすい上院の選挙区を重視する戦略をとった。全100議席のうち今回選挙になったのは35議席(二つの補選を含む)。共和は改選されない議席を42持っていたため、あと8議席を取れば、過半数を維持できるためだ。

 

 トランプ氏は2016年の大統領選当選の原動力となった中西部や南部の激戦州をまわり、好調な経済と株高、歴史的な失業率の低さを政権の成果としてアピールした。選挙戦終盤には中米からの「移民キャラバン」を犯罪と結びつけて恐怖をあおる手法で保守的な支持層を固めた。トランプ氏が指名した保守的な最高裁判事が承認されたことも、追い風になったとみられる。

 

 インディアナ、ミズーリ、ノースダコタの各州で民主現職から議席を取り返した。米CNNによると、日本時間8日午前0時半現在で共和51、民主45。トランプ氏は7日早朝、「昨晩の大勝利にたくさんの祝福が届いている。私が通商交渉に取りかかるのを待っている外国からもだ。さあ、仕事に戻ってやり遂げるぞ!」とツイートした。

 

 36州であった知事選は、同時刻現在、民主が少なくとも6州で取り返した。州知事は州の予算配分などに大きな権限を持ち、10年ごとの下院の選挙区見直しなど、選挙行政にも影響力がある。(ワシントン=香取啓介)

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 アメリカの中間選挙がいよいよ近づいてきました。今回は、今度の中間選挙のことも入りつつ、アメリカ政治全体について書かれた少し古い記事をご紹介します。

 

 アメリカ政治の特徴は、三権分立(Separation of government branches)であり、司法、行政。立法の各機関がそれぞれを抑制する、チェック・アンド・バランス(check and balance)の機能を持っているということです。これはアメリカの建国の父たち(Founding Fathers)が、独裁者や独裁的な党派がアメリカ政治を支配しないようにするということで設計したものです。

 

 アメリカの場合、面白いのは、選挙制度もいろいろとあるということ、そして、各州が国政選挙においてその選挙方法を決めることが出来るということです。アメリカ連邦下院議員選挙は2年ごとに全議席(435議席)が対象となります。人口に応じて選挙区が区割りされています。ですから、連邦下院議員が多く出る州と少ない州があります。

 

 連邦上院議員(100議席)の場合は、任期は6年、選挙はだいたい3分の1ずつ2年ごとにあります。これは選挙期間でも連邦議員が残るように設計されているもので、日本の参議院と似ています。連邦上院議員は各州2名ずつ、どんなに大きな州でも2名、どんなに人口が少ない州でも2名となっています。

 

 アメリカ大統領は4年ごとの選挙です。特徴としては、各州で割り当てられている選挙人(electors)を取り合うというものです。ある州で選挙人が10名と設定されている場合、A候補が得票率50.1%、B候補が49.9%だった場合、A候補が10名を全て取る、勝利者総取り(winner takes all)方式です。ここ最近起きたことは、全米の総得票数で負けた候補が選挙人数で勝利をするということです。2000年のジョージ・W・ブッシュ、2016年のドナルド・トランプがそれぞれ勝利した大統領選挙でこの現象が起きました。

 

 アメリカ政治の特徴としては、二大政党制(two-party system)もあります。民主、共和両党以外にも、小さな政党や地域政党もありますが、州レヴェル、国レヴェルで大きな勢力になるに至っていません。これは各選挙で選ばれるのが1名の小選挙区(single-member districts)ということも理由として挙げられます。モーリス・デュヴェルジェという政治学者は、選挙区における選ばれる議員数と政党の数には法則性があり、それを「n+1」だと主張しました。これをデュヴェルジェの法則と言います。アメリカは単純な小選挙区制ですから、n=1となり、政党数は2となります。大選挙区制や比例代表制であると、多党制になるということになります。

 

 以下の記事では、まず、現在の選挙制度は、都市部を基盤とする民主党よりも、地方を基盤とする共和党の方に有利になるようになっていると主張しています。確かに現在、民主党が強い地域はアメリカ東海岸と西海岸の大都市がある地域で、農業などが盛んな州は共和党が強いという図式になっています。また、地方レヴェルでは共和党が政治を牛耳っていることが多く、選挙区の区割りで共和党が有利になるように設定しているとしています。


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レッドステイト(共和党優勢)とブルーステイト(民主党優勢)

 五大湖周辺の工業地帯(ラストベルト)と呼ばれる地域は、これまで労働組合が強く、民主党が強いとされてきましたが、2016年の大統領選挙で、トランプ大統領が軒並み勝利を収めたこと、白人労働者たちがトランプを支持したことは日本でも数多く報道されました。

 

 21世紀に入ってのアメリカ政治の特徴は、民主、共和両党のつばぜり合いが激しくなり、お互いがお互いの主張を完全に拒絶するという、党派争いの色彩が濃くなっているということです。そうした中、人々は、よりどちらかの政党を支持する方向に進むか、どちらも支持しないかということになっています。現在では、「自分はどちらの政党も支持していない(independent)」という有権者が多くなっています。

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2014年の時点でどちらでもないが43% 

 トランプ大統領になって、この傾向はより強くなっているようですが、トランプ大統領の政策は党派争い自体をあざ笑うかのようなものとなっています。トランプ大統領は共和党所属の大統領ですが、彼の行っている政策、特に経済ナショナリズムに基づいた関税政策といわゆる貿易戦争は、民主党の主張そのものです。「普通の」共和党所属の大統領であれば、行わない政策です。奇妙なねじれ減少をトランプ大統領が生み出しています。

 

 もっと言うと、アメリカ国内では、二大政党制についての懐疑論が出ているようです。二大政党制のために、党派争いが強くなって、建国の父たちが目指した、大きな力を持つ存在が出ないように抑制しながら、合意に基づいて政治を行う、ということが出来ていないという考えです。そのために、大選挙区制(multi-member districts)と選好選挙(ranked-choice voting)を導入しようという主張も出ています。実現性は低いですが、これが実現すると、多党制が出現することになるでしょう。

 

 簡単に言ってしまえば、合意よりも党派争いに終始する、民主、共和の現在の二大政党に対する不満が出ているということだと思います。イギリスでもそうですが、二大政党制の本家、家元のような国々で二大政党制に対する懐疑論が出ていることは私たち、日本人もよく考えねばならないことだと思います。

 

 1990年代からの政治改革においては、二大政党制の実現が目指されました。しかし、二大政党制が本当に良い制度なのかどうか、についてよくよく考えてみる必要があります。

  日本では二大政党制は、「決められる」政治を実現するものとしてもてはやされました。しかし、二大政党制は党派性による分裂を激化させ、多数を獲得した政党の横暴を許してしまうというようなことが起きてしまいます。少数意見への侮蔑、無視を引き起こし、結果として政治を分極化し、社会までも分極化してしまう、社会の分極化が更に政治の分極化を誘発するという悪循環になってしまうこともあります。

 

 そもそも二大政党制下のアメリカでは、日本でイメージするような「決められる政治」は行われていません。連邦議会で可決され、大統領が署名することで成立する法律も、法案は、連邦上院、連邦下院のそれぞれの小委員会から始まって様々な過程を経ることで修正が加えられていきます。また、法案は途中で廃案になるものが多く、法律になるものは10%程度に過ぎないとも言われています。

 

 日本で言われているような即断即決、粗雑な多数決主義がデモクラシーではないということを私は認識しておくべきでしょう。

 

以下に、記事の内容を箇条書きしたものをご紹介します。

 

=====

 

・今年11月の中間選挙の連邦下院議員選挙(全議席改選)に関する世論調査では平均して、民主党が共和党を約7%リードしている。

 

・しかし、民主党が確実に過半数を制するということではない。民主党が総得票数で過半数を得て議会でも過半数を占める確率は70%、民主党が総得票数で過半数を得ても共和党が議会で過半数を占める確率は30%という結果が出ている。


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・この理由は、民主党はより少ない選挙区において大差で勝利し、共和党はより多い選挙区でより少ない票差で勝利するということが挙げられる(平均すると民主党は67%、共和党は63%の得票率で勝利する)。

 

・選挙区がこのような結果になるように設定されている、民主党支持者は都市部に密集して住んでいるということがこのような結果になる理由である。

 

・民主党が共和党と五分の議席を獲得するためには53.5%の得票を必要とするシステムになっている。

 

・過去3回の選挙では、共和党は民主党よりも獲得票数は少なかったが、54%の議席を獲得した。2014年の選挙では、共和党は51%の得票数で55%の議席数を得た。

 

・連邦上院の場合は100議席のうち、3分の1ずつを2年ごとに選挙している。連邦上院でも共和党が少ない得票数でそれに見合わない数の議席を得ている。これまでの6年間で見てみると、民主党が総得票数で共和党を6%上回ったが、両院において議席数では過半数を得ることが出来なかった。

 

・アメリカ憲法の起草者たちは、連邦上院に関して人口ではなく場所を代表するように制度設計した。

 

・アメリカ大統領選挙は「選挙人(electoral college)」制度となっている。これで、全体の得票数で上回った候補者を、小さい州を僅差で勝利した候補者が破るということが可能となる。

 

・人々が集まって住んでいる場所は民主党、離れて住んでいる場所は共和党が強い。このような傾向は問題だ。それは、アメリカ憲法が反政党的な憲法だからだ。


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象は共和党
 

・アメリカの建国の父たちは権力が集中しないように、牽制されるようにしたいと考えた。党派が格レヴェルの行政機関において党派で一致した行動がとれないように牽制したと考えた。

 

・初代大統領ジョージ・ワシントン、第二代大統領ジョン・アダムスは、二大政党制が彼らの建設しようとした政府を破壊するかもしれないと考えた。

 

・連邦上院を例にとると、全ての州が平等に代表を送ることが出来るようになっており、巨大な州が他の州を支配することはできない。しかし、これによって、少ない人口の小さい州が過大な代表を送っているということにもなる。

 

・このようなねじれた状況はあまり大きなインパクトを与えてこなかった。二大政党は都市部と地方で激しく争ってきた。

 

・人口密度と政治志向はより強い関係性を持つようになっている。人口の多い上位13州の連邦下院議員数は民主党121に対して、共和党73である。残りの州では共和党163に対して民主党72である。

 

・人口が少ない州に対して、人口が多い州は隷属しているということになる。これに対して、連邦下院議員では人口において議席数が各州に割り当てられているし、大統領選挙では影響力を持っているという反論もある。

 

・南北戦争後、人口と連邦上下両院の投票制度と投票数は大きく変化した。しかし、選挙人制度は維持された。人口の少ない州の選挙に与える影響力は維持されている。

 

・アメリカ合衆国憲法では選挙区の設定は各州の行うべきものとされている。そのためにゲリマンダーということが古くからおこなわれている。

 

・現在の民主党は都市部を基盤としているが、人口を基にした勝利者総取りの選挙システムは自分たちに不利だと分かっている。選挙区の区割りも自分たちに不利だと分かっている。州レヴェルでは共和党の方が優勢なためにこのようになっている。数が少ない都市部での選挙区で民主党は大差で勝利するが、共和党はそれ以外の選挙区で勝利して多数を占める。2012年の選挙の際の区割りの見直しにおいて、48%の選挙区は共和党によって設定し直され、民主党が行ったのはわずかに10%だった。

 

・民主党は以前のように都市部以外の地方にもアピールをすべきだ、そうすれば憲法が定める人口が少ない州への過大な代表数ということも問題にならないという反論がある。

 

・アメリカの人口分布と構成は大きく変化している。アメリカ人はこれまでの歴史の中で最も多い割合で都市部に住んでいる。都市部を基盤にし、都市部の人々の希望を叶えることが長期で有効な戦略である。もちろん健全な民主政治体制にとって良いことではないかもしれない。

 

・有権者の得票数によって大統領を選ぶこと、連邦上院のシステムを変えることには憲法の変更が必要となる。連邦上下両院で3分の2の賛成が必要なので現実的ではない。

・全州の3分の2の発議で憲法会議(constitutional convention)を開くことで憲法の変更が行える。

 

・選挙人制度の廃止については裁判所を通じてのやり方がある。勝利者総取りで選挙人が全て商社に取られるのは憲法違反だという訴訟が起こされている。

 

・2007年にメリーランド州において、「メリーランド州の選挙人は大統領選挙において全米の総得票数で多かった候補者に投票する」という州法(NPVIC)が可決成立した。それ以降11の州で同様の州法が成立した。現在、172名の選挙人がこの州法の制限下にある。選挙人数の過半数270の過半数を大きく超える数字だ。

 

・このような州法が成立したのは民主党が州の立法を握っている州だ。共和党の中にはこれは共和党にとってもメリットがあると考える人たちがいる。2004年から2012年にかけての大統領選挙では、北部と沿岸の州には「青い壁」があり、民主党に有利だと言われていた、2016年の大統領選挙で、トランプは北部州において総得票数では負けながら、選挙人を獲得できた。トランプが北部州に穴をあけたということになる。

 

・連邦下院の選挙区割りにおいてゲリマンダーが出来ないようにしている州が増えている。

 

・連邦下院議員ドン・ベイヤーは、連邦下院議員選挙に大選挙区と選好投票(複数の候補者に支持する順番に1、2、3・・・とつけていく)制度の導入を訴えている。これで有権者の意向がより反映されると主張している。

 

・ベイヤーは現在の議会でこの法案を通すことは不可能としている。しかし、全米各州や各都市で選好投票が導入されている。

 

・アメリカ政治における党派の衝突を選好投票は緩和すると考えられている。アメリカの建国の父たちは二大政党制を警戒していたが、憲法などで定められたルールによって二大政党制が確立された。

 

・アメリカの建国の父たちは法律が幅広い合意によってつくられることを望んでいた。強力な二院を持つ連邦議会と大統領が法律に合意する、連邦最高裁判所がそれらの法律の合憲性を担保するというものだ。二大政党制では合意に必ずしも高い価値は置かれない。政府が2つの政党によって分裂させられていると、建国の父たちが権力の抑制のために与えていた力をお互いの提案を拒絶するために使う。もし一つの党が統一的なコントロールの力を手に入れたら、権力の抑制を無視し、無力な野党に自分たちの意思を強制できる。

 

・19世紀、民主党とウィッグ党はそれぞれ奴隷制度廃止に賛成と反対の派閥に分かれた。これによって超党派の連合がより形成しやすくなった。

・南北戦争後、南部諸州の白人たちはエイブラハム・リンカーン率いる共和党を、南部を破壊したとして非難した。それから共和党への投票を拒絶して1世紀経った。これによって、民主党の連邦議員には人種分離主義者と保守的な南部出身者が入り、民主党と共和党はイデオロギー的に重なる部分があった。

 

・1960年代、民主党は人種的平等を主張するようになった。これによって共和党は南部諸州に浸透していった。2010年代までに南部諸州で白人が多い選挙区は一様に共和党が勝つようになった。

 

・支持基盤が再構成された民主、共和両党はイデオロギー上でますます離れるようになった。


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棒と棒の間が広がっている
 

・可決する法律の数が、1975年から1994年までの時期と1994年以降の時期で比べると40%も下がっている。

 

・改革は難しい状況にある。民主、共和両党は強力であり続けようとし、党派性の強い政治を維持しようとする。

 

・アメリカ社会はこれまでになく分裂している。党派争いの激しい政治はアメリカ社会の分裂の原因でもあり、結果でもある。

 

(貼り付けはじめ)

 

The minority majority

America’s electoral system gives the Republicans advantages over Democrats

The constitution was not designed for the two-party politics it unwittingly encouraged

 

Print edition | Briefing

Jul 12th 2018 | WASHINGTON, DC

https://www.economist.com/briefing/2018/07/12/americas-electoral-system-gives-the-republicans-advantages-over-democrats?fsrc=scn/tw/te/bl/ed/americaselectoralsystemgivestherepublicansadvantagesoverdemocratstheminoritymajority

 

 

WHEN pollsters ask Americans which party they plan to vote for in the elections for the House of Representatives this November, those preferring the Democrats lead those preferring the Republicans by around seven percentage points. But this does not mean the Democrats are a shoo-in to win the House. The Economist’s statistical model of the race for control of the House of Representatives—which uses this sort of “generic ballot” polling, along with other data—currently says that, although the likelihood of a Democratic majority in the popular vote is a remarkable 69.9%, the Republicans still have a 30% chance of holding on to the House (see chart 1).

 

The source of this discrepancy is that Democrats will win their seats with big majorities in fewer districts, whereas Republicans will prevail by narrower margins in a larger number of districts. In 2016 Democrats who beat Republican opponents won an average of 67.4% of the two-party vote in their districts, whereas Republicans who defeated Democrats received an average of 63.8%. This imbalance is partly due to deliberate attempts to create districts that provide such results, and partly just down to the fact that Democrats tend to live more tightly bunched together in cities. Together, these two factors put up quite an obstacle. According to our model, the Democrats need to win 53.5% of all votes cast for the two major parties just to have a 50/50 chance of winning a majority in the House.

 

If this imbalance were limited to a single chamber of the legislature, or a single election cycle, the Democrats’ frequent carping about a stacked electoral deck might sound like sour grapes. All electoral systems have their oddities. But changes in where Americans live and contradictions in their constitution—a document designed to work with many weak factions that has instead encouraged and entrenched an increasingly polarised two-party system—have opened gaps between what the voters choose and the representation they get in every arm of the federal government. In recent decades these disparities have consistently favoured the Republicans, and there is no reason to think that trend is going to change on its own.

 

In the past three House elections, Republicans’ share of House seats has been 4-5 percentage points greater than their share of the two-party vote. In 2012 they won a comfortable 54% of the chamber despite receiving fewer votes than their Democratic opponents; in 2014 they converted a 51% two-party-vote share into 55% of the seats.

 

Such comparisons are harder for the Senate, where only a third of the 100 seats are contested in any election. But adding together all the votes from the most recent election of each senator, Republicans got only 46% of them, and they hold 51 of the seats. According to research by David Wasserman of the Cook Political Report, an electoral-analysis site, even if Democrats won the national vote by six percentage points over a six-year cycle, they would probably still be a minority in both houses.

 

That the Senate should be disproportionate would not have disappointed the men who wrote America’s constitution. They wanted it to represent places, not people, and there is a case for that; other constitutions, such as Germany’s, look to ensure regional representation in their upper house. But when it comes to its presidency, America stands alone.

 

In all the world’s other 58 fully presidential democracies—those in which the president is both head of state and head of government—the winning candidate gets the most votes in the final, or only, round of voting. But due to the “electoral college” system that America’s founders jury-rigged in part to square the needs of democracy with the demography of slavery, this does not hold true for America. States vote in the college in proportion to their combined representation in both houses of Congress. This set-up means that a candidate who wins narrowly in many small and smallish states can beat one who gets more votes overall, but racks most of them up in big majorities in a few big states.

 

During almost all of the 20th century this did not matter much; the candidate who got the most votes won every election from 1896 to 1996. But both of the past two Republicans to win the presidency have received fewer votes when first elected than their Democratic opponents did. In the contest between Al Gore and George W. Bush in 2000, this margin was a modest 0.5 percentage points. In 2016, however, it was substantial: Hillary Clinton’s lead of 2.1 percentage points was larger than those enjoyed by the victorious John F. Kennedy in 1960, Richard Nixon in 1968 and Jimmy Carter in 1976.

 

Is a dream a lie if it don’t come true?

 

America’s various disproportional representations are the result of winner-takes-all voting and a two-party system where party allegiance and geography have become surprisingly highly correlated. Places where people live close together vote Democratic, places where they live farther apart vote Republican (see chart 2). Under some electoral systems this would not matter very much. Under America’s it has come to matter a lot, in part because of an anti-party constitution.

 

America’s founders wanted power to be hard to concentrate, and for people who held some powers to be structurally at odds with those who held others. To this end they created a system in which distinct branches and levels of government provided checks and balances on each other. They hoped these arrangements would be sufficient to hobble any factions which sought to co-ordinate their actions across various levels and branches of government. The first two presidents, George Washington and John Adams, both warned that a two-party system, in particular, would be anathema to the model of government they were trying to build.

 

Aware that they could not solve the problem of parties altogether, the founders thought the constitution would at least ensure that they were reasonably numerous and ineffectual. But some of the features they built into it inadvertently encouraged politicians to concentrate themselves into just two blocs. And some of the mechanisms they put in place to guard against other concentrations of power went on to exacerbate the problems that such a two-party system can cause.

 

Take the Senate. To make sure the largest states do not dominate the rest, the constitution provides equal representation for all the states, large and small alike. This builds in an over-representation for people in small or sparsely populated places.

 

For most of the country’s history, that bias had only a modest impact. The parties the founders feared competed strongly with each other in both urban and rural areas. Recently, however, population density has become a strong proxy for political preferences. Today the 13 most densely populated states have 121 Democratic House members and 73 Republican ones; the remainder have 163 Republicans and 72 Democrats. According to data compiled by Jonathan Rodden of Stanford, nearly half the variance in the county-level vote shares in the presidential election of 2016 could be explained solely by their number of voters per square kilometre. Now that the rural has a party, a constitution that favours the rural favours that party.

 

The constitution’s tipping of the scales towards small states was not limited to those with small populations in absolute terms. It also applied to those with a small number of voters compared with the size of their population: that is, states in which much of the population was enslaved. These states argued that their slave populations should count towards their allocation of seats in the House and the weight given to their preferences when choosing a president; the other states resisted. A compromise was struck whereby, when it came to the assignment of political power, a slave counted for three-fifths of a free man or woman.

 

This odious arithmetic required the creation of an electoral college for the presidency, since it divorced the power of a state’s votes from the number of people actually casting them. And the founders required an absolute majority in the college to elect a president—if no candidate received over 50% of electoral votes, the choice fell to the House. This created an incentive for the formation of nationwide parties whose candidates could win the necessary majority, thus encouraging the development of a two-party system.

 

The constitution does not specify how states must allocate their electors—conceivably, states could have split their votes according to the proportion of the vote cast in that state for each candidate. But in order to maximise their influence over the final result, all but two of the states wound up casting their electoral votes on a winner-takes-all basis. As a result smaller parties could not amass any electoral votes at all, which locked in the two-party model.

 

The hard edge that you’re settling for

 

After the civil war, population and voting were, in principle if not in Jim Crow practice, aligned. But the electoral college persisted, and with it a second formal bias towards low-population states, though not as marked as the one in the Senate. As of the census of 2010, the five most rural states wielded about 50% more electoral votes, and three times as many senators, per resident as the five most urban ones did.

 

True to the ideal that power should be dispersed, the constitution makes the drawing of districts for House elections a matter for the states. But once there were national parties that competed for state office, too, governors and state legislatures lost little time in drawing up districts specifically designed to improve their party’s chances on the national stage. This gerrymandering is not a new phenomenon; it got its name in 1812.

 

In the run-up to an election held in 1841, the Democrats running Alabama chose to use a voting system in which all five representatives would be elected statewide, ensuring an all-Democrat delegation. Fearful of similar setbacks elsewhere, the Whig majorities in both houses of Congress passed a law requiring all states to use winner-takes-all, single-member districts. In 1932 a Supreme Court ruling enabled states to reinstate statewide elections for House members, and many did. But in order to prevent southern states from denying representation to black voters Congress restored the single-member-district requirement in 1967.

 

As a party of the cities, today’s Democrats would find themselves at a disadvantage in any geographically based winner-takes-all electoral system in which receiving 99% of the vote is no better than getting 51%. But gerrymandering adds to the disadvantage. Republicans run more state governments than Democrats do, in part because in state legislatures, too, the Democrats concentrated in cities tend to win bigger majorities in fewer districts. That gives the Republicans more opportunities to game the system: in the 2012 redistricting cycle, the boundaries of 48% of House districts were drawn entirely by Republican officials, compared with just 10% by Democratic ones.

 

One response to all this is to say that the problem is the Democrats’ to solve. They used to appeal outside the cities, towns and denser suburbs; if they were to do so again the constitutional bias towards less populated places would no longer trouble them. But although this may seem like sound politics, it is more to wish away, or paper over, the problem than to solve it. The distribution and make-up of America’s population really has changed. More people live in cities than have ever done so before, and they want, and believe in, different things from those who don’t. Adapting policies to appeal to an ever-shrinking share of the population—just 19% of Americans lived in rural areas in 2016, down from 25% in 1990 and 36% in 1950—against the wishes of the party’s urban base cannot be a stable long-term strategy. Nor is it a recipe for a healthy democracy.

 

An alternative would be to try to make the system equitable given today’s aligned ideological and geographical polarisation. This is not easy. Creating a directly elected presidency or restructuring representation in the Senate would require changing the constitution, and just now the idea of an amendment aimed at either of these goals receiving assent from two-thirds of both houses of Congress is implausible. That said, there is another mechanism for tabling an amendment: a constitutional convention called by two-thirds of the states. This route has never been used, but activists for a balanced-budget amendment have signed up 28 of the 34 states they need for such a convention. If it were ever to be held, other amendments might possibly be tabled there, too, including perhaps some that reform the voting system.

 

Absent that wild card, though, most efforts at reform are aimed below the constitutional threshold. On the electoral college, activists think they have found paths to abolition that not only fit within the constitution’s constraints, but do not even require action by Congress.

 

One of these runs through the courts. A campaign led by Lawrence Lessig, a law professor at Harvard, and David Boies, an eminent trial lawyer, has filed suits in four states arguing that the winner-takes-all allocation of their electoral-college votes is unconstitutional. If all a state’s electoral-college votes go to a candidate supported by just 51% of that state’s voters, they argue, the other 49% have in effect been disenfranchised. How this argument fares has yet to be seen. But to achieve its goals it would need to be upheld by the Supreme Court. Invalidating the voting procedure used for most of American history by the vast majority of states would be a big step for the court—especially given its current conservative make-up.

 

A path that may prove easier makes use of state legislation. In 2007 Maryland passed the National Popular Vote Interstate Compact (NPVIC), a law that obliges the state’s presidential electors to vote for the winner of the nationwide popular vote rather than the victor in their state—so long as states representing an overall majority of the electoral college have approved an identical bill. Eleven states have since followed Maryland’s lead. The NPVIC now has 172 electoral votes committed, over halfway to the magic number of 270—a majority in the college.

 

Just cut it loose

 

So far, the compact has become law only in states with Democratic legislatures. But some Republicans see its merit, too. In the presidential elections of 2004, 2008 and 2012, the disposition of states in play meant that the Democratic candidate would have won the electoral college had the national popular vote been tied, and a “blue wall” of northern and coastal states was said to give Democratic candidates an inbuilt advantage. The holes Donald Trump kicked in the rusty northern bit of that wall, and his coupling of an electoral-college win with a popular-vote defeat, has understandably dampened Republican enthusiasm. But John Koza, the leader of the NPVIC effort, says that as of last year 153 of the 156 Republican state legislators who sponsored NPVIC bills in 2016 are still on board. Last year Saul Anuzis and Michael Steele, the former chairmen of the Michigan and national Republican parties, wrote that the NPVIC was “an idea whose time has come”.

 

The House, too, could be reformed without any constitutional amendment. Again, the legal route looks hard. The Supreme Court sent challenges to various forms of gerrymandering back down to the lower courts in its recent term, rather than issuing a firm ruling. Brett Kavanaugh, Mr Trump’s recently announced nominee to the court, would probably, if confirmed, be less likely to restrict the practice than the departing Anthony Kennedy was.

 

But this has been a banner year for anti-gerrymandering ballot initiatives which bypass governors and legislatures and their party allegiances. In May, Ohio voters approved a measure making it harder for the state legislature to draw up partisan districts. In November voters in Colorado, Michigan, Missouri and Utah will be able to vote for reforms that either make redrawing districts a bipartisan business or outsource it to non-partisan commissions.

 

A more ambitious initiative, if one that is less likely to see short-term success, has been introduced in the House. Don Beyer, a Democratic congressman, has sponsored a bill mandating the nationwide adoption of multi-member districts and ranked-choice voting (RCV), a system used in Australia, Ireland and Sri Lanka. Under Mr Beyer’s proposal, voters would not choose a single candidate, but rank the candidates standing by order of preference until reaching someone whom they did not want to support under any circumstances. When the ballots were counted, the contender with the fewest first-choice votes would be eliminated, and his or her support reallocated to those voters’ second choices. This would then be repeated until the field was reduced to the required size—between three and five representatives, depending on the seat. The system is broadly, though not entirely, proportional. It also tends to ensure that candidates acceptable to a broad swathe of voters are rewarded for that breadth.

 

Mr Beyer says he knows his bill will not pass in today’s Congress. But in June Maine became the first state to use RCV for primaries for Congress and the governor’s race. Various cities—including, recently, San Francisco—have started to use it. In Utah, one of the most Republican states in the country, the lower chamber has passed a bill mandating RCV in elections, though it failed to get out of committee in the state senate. It is hardly a groundswell of support—but it is more than there was.

 

And unlike other proposals for making voting more representational, RCV might go some way to dampening down the dynamics that have made American politics so partisan. The way in which the voting system fails in a country where party and geography align is, after all, just one part of a bigger problem: a constitution that was set up to work with something other than the two-national-party system that the founders wanted to avoid but which, due in part to the voting rules they imposed, captured their country.

 

The founders wanted to ensure that laws would command broad consensual approval: two powerful houses of Congress and the president had to agree on them, the Supreme Court had to underwrite their constitutionality. In a two-party system consensus is not highly valued, and ways of thwarting it are easily found. If government is divided between the two parties, they can use the checks and balances the founders provided to veto each other’s proposals, preventing policies from being enacted even if they might, on their merits, draw consensual support. If one party secures unified control, it can ignore the checks and balances and impose its will on the temporarily powerless opposition, consensus be damned.

 

When parties are broad churches, and when there are causes that, for at least some of their members, matter more than party unity, these problems are minimised. And that is how it was for much of American history. In the early 19th century both Democrats and Whigs were divided into pro- and anti-abolition factions, which made bipartisan alliance easier. After the civil war white Southerners blamed Abraham Lincoln’s Republicans for laying waste to their homeland, refusing to vote for them over the subsequent century. That filled the Democratic Congressional delegation with segregationist and conservative Southerners, producing two parties with considerable ideological overlap. According to Sarah Binder of George Washington University, in the mid-20th century the voting records of over 30% of federal legislators were closer to the overall centre than they were to the midpoints of those representatives’ political parties.

 

But in the 1960s the Democratic Party embraced racial equality. Over the generation which followed, the Republicans were able to take the South from it. By 2010 congressional delegations from white districts in the South were uniformly Republican. The realigned parties became much more ideologically distinct (see chart 3). The voting record of the most liberal Republican is now far to the right of that of the most conservative Democrat. Ms Binder’s numbers show that the “moderates” in Congress can now be counted on one hand.

 

The result has been a great deal of gridlock—aided, in the Senate, by filibusters that used to be rare and are now the norm. Congress has approved around 40% fewer laws per session since 1994 than it did from 1975-94. The baleful equilibrium is punctuated, when control of the various branches aligns, by spurts of partisan lawmaking. At present, the main check on the Republican use of that dominance is their internal division. Since 2010, majority-party leaders have generally refused to bring legislation to the floor that does not command a majority of their own party. As William Connelly of Washington & Lee University writes, “intra-party factionalism curbs the excesses of inter-party factionalism”—but it exacts a cost in stasis.

 

Poking that dog with a stick

 

This is not a situation open to easy reform; nor would all want to reform it. Parties try to become strong, and remain strong, for perfectly understandable political reasons. Strong parties can be a boon, though the balance of benefit to risk is better in a system designed with them in mind. And American society is divided in ways it was not before; its partisan politics are in part a cause of that—but in part, too, a consequence of it.

 

An electoral system that has its thumb on the scales, though, is harder to defend. And measures to redress that electoral bias through greater proportionality in the voting system might also help with the broader issues of political division. Systems with elements of proportional representation, such as that sought by reformers of the electoral college or House districts, not only provide bulwarks against charges of illegitimacy. They also have a tendency towards consensus of the sort the founders wanted. There is a reason why, when choosing their own constitutions, no other country has for long survived with a replica of the American model—and why when guiding the design of constitutions for others, as they did in post-war Germany and Japan, Americans have always suggested solutions quite unlike the one under which they live.

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今年秋の中間選挙(連邦下院全議席、連邦上院一部議席、州知事の一部)に向けて、民主、共和両党で候補者を決める予備選挙(primary)が行われています。今年6月にニューヨーク州で、番狂わせが起きて、無名の新人アレクサンドリア・オカシオ=コルテスが、10期連続当選中だった現職連邦下院議員ジョセフ・クローリーを破ったことが全米で注目を集めました。

 

 今度はマサチューセッツ州ボストンで、やはり10期連続当選していた現職のマイケル・キャプアーノが新人の挑戦者アイアナ・プレスリーに民主党予備選挙で敗れるという波乱が起きました。ボストンは現職有利な土地柄で、黒人女性プレスリーの勝利は驚きをもって迎えられました。

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アイアナ・プレスリーとマイケル・キャプアーノ
 

 プレスリーは、ケネディ家の一族ジョセフ・ケネディ連邦下院議員やジョン・ケリー元連邦上院議員(後の国務長官)の下で働き、そこからボストン市議会史上初の黒人女性議員となりました。その点では知名度はありました。しかし、10期連続当選で、民主党所属の下院議員でもリベラル派の重鎮、リーダー格となっていたキャプアーノを破るということは多くの人たちが予想していませんでした。

 

 下に掲載した記事を読むと、地元の有権者たちは「キャプアーノには不満はないのだが、選挙区を代表する新たな顔と声が必要だ」という考えを持っていました。6月にそこに、キャプアーノよりもよりリベラルで進歩的なプレスリーが立候補し、選挙戦は混戦となり、プレスリーが勝利ということになりました。

 

 このように現職に対して逆風が吹いているのが今回の中間選挙の特徴です。特に長年にわたり議員を務めてきた、体制派そのもののような政治家に対する風当たりは厳しくなっています。クローリーやキャプアーノのようなリベラル派と目される議員たちでも、「ワシントン政治に染まっている」という烙印を押されて、落選ということになりました。

 

 民主党で番狂わせを演じたのは、マイノリティの女性たちであり、かつ進歩主義的、自分のことを社会主義者だと言っている人たちです。彼らは体制派よりもより急進的な政策を主張しています。メディケア・フォ・オール、公立大学の無償化、アメリカ合衆国移民関税執行局(ICE)の廃止などです。こうした人たちの旗頭が2016年のアメリカ大統領選挙の民主党予備選挙でヒラリー・クリントンに対して善戦し、結果として、ヒラリーを本選挙で落選させることになったバーニー・サンダース連邦上院議員です。

 

 2016年アメリカ大統領選挙におけるバーニー・サンダースの躍進とドナルド・トランプの最終的な勝利に共通しているのは、ワシントン政治と体制派政治家に対する嫌悪です。民主、共和党の両極端な人物が支持を集めているということになります。この動きは2018年の中間選挙でも続いているということになります。

 

 中間選挙の情勢はまだ不透明で、接戦が続いており、やや民主党が有利という報道がなされています。これからどうなっていくのか注目されます。

 

(貼り付けはじめ)

 

キャプアーノはマサチューセッツ州での民主党予備選挙で挑戦者プレスリーに敗れる(Capuano falls to Democratic challenger Pressley in Mass. Primary

 

メラニー・ザノナ、リサ・ヘイゲン筆

2018年9月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/405011-capuano-falls-to-democratic-challenger-pressley-in-mass-primary

 

マイケル・キャプアノ連邦下院議員はマサチューセッツ州での民主党予備選挙で挑戦者であるアイアナ・プレスリーの後塵を拝した。キャプアーノは現職議員として、進歩派の挑戦者に敗れる政治上の番狂わせに巻き込まれた。

 

『ワシントン・ポスト』紙によると、議員歴20年のキャプアーノは午後9時20分に敗北を認めた。マサチューセッツ州第7区での競争相手、44歳のプレスリーはボストン市議会初の有色人種女性の議員となった人物だ。キャプアーノにとっては20年間で初めて予備選挙で挑戦者を迎えての選挙戦となった。

 

AP通信が午後9時53分に予備選挙の結果を報じた。

 

WBZニュースレディオによると、キャプアーノは火曜日の夜に次のように語った。「予備選挙で勝利を得るために私たちは自分たちにできることを全てやった。努力が実を結ばなかったことを残念に、かつ申し訳なく思う。しかし、これが人生だ。アイアナ・プレスリーは間違いなく素晴らしい議員になるだろう」。

 

キャプアーノは今回の選挙において、予備選挙で敗れた4人目の現職議員となった。民主党のクローリー、共和党のロバート・ピッテンガー連邦下院議員(ノースカロライナ州選出)とマーク・サンフォード連邦下院議員(サウスカロライナ州選出)に続く4番目となった。キャプアーノの敗北は現職議員たちが反エスタブリッシュメントの逆風に直面していることを示している。

 

今年6月のニューヨーク州での予備選挙で28歳の民主社会主義者を自認するアレクサンドリア・オカシオ=コルテスがヴェテラン議員のジョー・クローリーを破った後、民主党を活気づかせている進歩派への追い風をプレスリーはうまく掴むことが出来た。

 

オカシオ=コルテス同様、プレスリーは彼女自身をワシントンのエスタブリッシュメントを攻撃することを目指す有色人種の若い女性と規定して戦った。マサチューセッツ州第7区は民主党が堅固であり、共和党から立候補がないので、プレスリーは来年初め、連邦議会に議員として出席することになるだろう。

 

プレスリーの勝利は、民主党の予備選挙における一連の女性、その多くがマイノリティの挑戦者の勝利の流れに連なっている。予備選挙で女性とマイノリティの勝利が続いており、今年の11月に向けて、「女性の年」となっている。

 

投開票が行われた火曜日の夜、支援者を前にしてプレスリーは次のように語った。「キャプアーノに挑戦するという決断は生易しいものではなかった。私たちは孤立することになると考えた。地元や全国レヴェルで民主党のエスタブリッシュメント(体制派)からの支援は望めないことは分かっていた。しかし、変化を押しとどめることはできなかった」。

 

プレスリーはトランプ大統領を批判し、「人種差別、女性差別、同情心に欠けた男性」と呼んだ。民主党が強いマサチューセッツ州全体と同じく、ボストンではトランプ大統領の人気は大変に低い。

 

アフリカ系アメリカ人女性のプレスリーは、自分こそが、66歳の白人男性キャプアーノよりも、人種構成が多様で、リベラルなボストンをより代表することが出来ると訴えた。

 

火曜日の夜、プレスリーは勝利演説を行った。プレスリーは、「自分の勝利は政治や政府において尊重されていない人々、あなたたちの問題、懸念、優先事項は後回しだと言われ続けた人々の勝利だ」と述べた。

 

プレスリーは企業による政治行動委員会(PAC)からの資金を拒絶し、アメリカ合衆国移民関税執行局(ICE)の廃止を主張した。ICEの廃止はリベラル派の新たな主張となっている。一方、キャプアーノは廃止よりも縮小を主張していた。

 

ボストン市議会議員であるプレスリーは、オカシオ=コルテス、マサチューセッツ州司法長官マウラ・ヒーリー(民主党)、『ボストン・グローブ』紙から支持・推薦を受けていた。

 

アメリカの各進歩主義団体は、プレスリーの勝利は今回の選挙で一連の進歩派の勝利の一環であると称賛している。

 

「デモクラシー・フォ・アメリカ」の会長ジム・ディーンは次のように語った。「アイアナ・プレスリーは、ボストンに住む黒人、ヒスパニック、白人の労働者階級の人々のための恐れ知らずの闘士だ。彼女は、連邦議会において、メディケア・フォ・オールや刑法改革を主導だろう」

 

ディーンは続けて次のように語った。「プレスリーはマサチューセッツ州史上初、アフリカ系アメリカ人女性の連邦下院議員となった。彼女は様々な人生の経験を重ねている。性的虐待を経験し、親は投獄されていた。このような人生の経験は権力の場である連邦議会にとって必要なものである」。

 

キャプアーノは民主党の中でも最もリベラルな政治家として知られていた。彼は議会における長年の経験を持っているので、トランプ大統領の主張と戦うことが出来ると訴えていた。

 

8月の夏休み期間中、本誌は地元の一般有権者に取材を行った。地元の人々はキャプアーノに反対する点はないのだが、選挙を代表する新顔を見てみたいと答えていた。

 

プレスリーの現職議員キャプアーノを破っての勝利は大きな衝撃となった。各種世論調査の結果ではプレスリーはキャプアーノの後塵を拝している状況だった。

 

プレスリーは政治資金集めの点で、キャプアーノから大きく後れを取っていた。キャプアーノは今回の選挙のために170万ドル(約1億9000万円)を集めていた。一方、プレスリーが集めたのは89万8000ドル(約9900万円)だった。

 

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プレスリーはマサチューセッツ州での選挙で現職のキャプアーノを破ることを目指している(Pressley seeks to oust Caputo as Massachusetts heads to polls

 

マックス・グリーンウッド筆

2018年9月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/404851-progressive-pressley-seeks-to-oust-caputo-as-massachusetts-heads-to-polls

 

マサチューセッツ州は伝統的に現職が強い場所だ。連邦上院議員だった故テッド・ケネディ(マサチューセッツ州選出、民主党)がその例だ。しかし、マサチューセッツ州連邦下院議員選挙第7選挙区では、挑戦者がそれまでの伝統を覆そうとしている。

 

火曜日に第7区で民主党連邦下院議員選挙予備選挙が実施され、ボストン市議会議員アイアナ・プレスリーが10期連続当選の現職マイク・キャプアーノを破って、指名されることを目指している。

 

キャプアーノは容易に再選されるだろうと見られていた。しかし、キャプアーノは各種世論調査でリードをしているが、予備選挙でプレスリーから予想外に強力な挑戦を受けている。

 

プレスリーとキャプアーノは共に、進歩的な政治家と見られており、進歩的な政策を進めるであろうと見られている。アフリカ系アメリカ女性で初めてボストン市議会議員に選ばれたプレスリーは44歳だ。プレスリーは人種構成がより多様化している第7区を代表するによりふさわしいと考えられる。

 

これまでの予備選挙で多くの女性やマイノリティの人々が勝利を収めている。その多くが民主党側で起きていることである。プレスリーの動きはこれらに続くものだ。予備選挙で勝利した女性やマイノリティはワシントンやアメリカ各州の州都でより重要な役割を果たそうとしている人々なのだ。

 

先週、フロリダ州タラハシー市の市長アンドリュー・ギルアムは、フロリダ州知事選挙民主党予備選挙で並み居る挑戦者たちを僅差でかわし、勝利した。11月の本選挙で勝利し、フロリダ州史上初のアフリカ系アメリカ人知事となる可能性が増している。

 

今年6月、28歳の無名の新人アレクサンドリア・オカシオ=コルテスが政界を震撼させた。アレクサンドリアはニューヨーク州での民主党予備選挙で10期連続当選の現職連邦下院議員ジョー・クローリー(ニューヨーク州選出、民主党)を破り、民主党の候補者に選出された。

 

他の予想外に勝利を収めている挑戦者たちと同様、プレスリーは、自分が候補者になれば、有権者に対して、現状を打破し、ワシントンに新しい声を届ける機会を与えることになると主張した。

 

一方、キャプアーノは、今年の11月に民主党が連邦下院で過半数を占めるようになれば、自分は豊富な経験と政治的な人脈を使って、影響力を与えることが出来ると訴えた。

 

火曜日にどちらが民主党の予備選挙で勝利をするにしても、11月の本選挙では楽勝するだろう。共和党では予備選挙に立候補する人物が出ていない。マサチューセッツ州第7区

ではほぼ1世紀に渡り、共和党所属の連邦下院議員をワシントンに送っていない。

 

連邦上院の他のレースでは、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)に対して、民主党の予備選挙では挑戦者が出ないであろう。そして、彼女は11月の本選挙では圧勝で二期目を決めると考えられている。そうなれば、彼女は2020年のアメリカ大統領選挙の有力候補となるだろう。クック・ポリティカル・レポートはウォーレンの選挙に関しては民主党が盤石と評価している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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