古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:選挙人

古村治彦です。

 

2015年から始まりましたアメリカ大統領選挙もいよいよ投開票日を迎えました。今回の大統領選挙は、ドナルド・トランプというこれまでにないタイプの人物が出馬、快進撃で共和党の予備選挙を勝ち抜き、共和党の大統領選挙候補者となりました。

 

民主党のヒラリー・クリントンは盤石の体制で、スタッフと資金の面で圧倒するはずでしたが、自身の問題、Eメール問題とクリントン財団の問題、健康問題があり、最後までアップアップしながら選挙戦を何とか戦い抜きました。

アメリカ国内は東部と西部で3時間の時差があります。また、アメリカは夜遅くまで開票所が開いていますので、西海岸で選挙が終わるのがだいたい日本の明日のお昼頃です。既に東部の州ではその頃開票作業が始まっていますから、だいたいお昼ごろには選挙の大勢が判明すると思います。それは、後述するように、今回の選挙のカギを握る各州は東側に多く存在しているからです。

アメリカ大統領選挙は、各州で割り当てられた選挙人を奪い合う選挙になります。一般投票で一票でも多く獲得した候補者がその週に割り当てられた選挙人を全て取ることになります(メイン州とネブラスカ州は例外)。選挙人は各州の自治と独立の意識が高く、まず各州の代表を決めるということになっているからですし、昔は各州で名望家たちが州代表として選ばれて、大陸を横断するような苦しい旅行をして大統領を選びに行くという制度であった名残りです。

 

 選挙人数は全部で538名、過半数は270名となります。270名を獲得した候補者が勝利者となります。選挙人は各州の人口を勘案して割り当てられています。

 
現在のところ、私が考えるヒラリー、トランプが獲得確実な州の地図は以下の通りです。


20161108presidentialelectionmypredictionmap001
 
 

カギを握るのは、接戦となって予断を許さない状況になっているニューハンプシャー州(4名)、ノースカロライナ州(15名)、フロリダ州(44名)、ペンシルヴァニア州(20名)、オハイオ州(18名)、ネヴァダ州(6名)です。これらの合計92名を除いて、ヒラリー、トランプそれぞれが獲得確実な票を合計すると、ヒラリー:248名、トランプ:198名となります。

 

①6州全部をヒラリーが制した場合:340対198でヒラリー勝利。2012年のオバマ大統領の波の獲得選挙人数となる。

 

②6州全部をトランプが制した場合:290対248でトランプ勝利。トランプが勝つなら接戦という予測通りの結果(これ以上の数字での勝利はないので)。

 

ということになります。

 

アメリカ時間の日曜日(日本時間の月曜日)にジェイムズ・コミーFBI長官が、10月28日に連邦議会に提出した書簡で示唆したEメール問題の再捜査について、「新しい証拠は見つからなかったので、7月に刑事訴追すべきでないという結論を出したがそれに変更を加えない」ということを発表しました。これで最終的には流れはヒラリーに行くことになったと思います。

 

アメリカ時間の日曜日(日本時間の月曜日)にジェイムズ・コミーFBI長官が、10月28日に連邦議会に提出した書簡で示唆したEメール問題の再捜査について、「新しい証拠は見つからなかったので、7月に刑事訴追すべきでないという結論を出したがそれに変更を加えない」ということを発表しました。これで最終的には流れはヒラリーに行くことになったと思います。

 

ヒラリーは既に248名を確保していますから、270名まで残り22名、フロリダ州かペンシルヴァニア州を押さえたらほぼ勝ちは見えてきます。ネヴァダ州でもヒラリーが有利となっていますから、かなり有利です。一方、トランプはどうしてもフロリダ州とノースカロライナ州を取らないと、勝負になりません。この2つを取るということはかなり厳しい状況です。この第一段階がかなり厳しいし、第二段階でも、オハイオとニューハンプシャーを両方取ることもまたかなり厳しいのです。そう考えると、ヒラリーが322名、トランプが216名獲得で、ヒラリー勝利という結果になる確率が高いものと思います。322という数字は過半数270を52超えていますから、多少ブレはあっても、ヒラリーの優位は変わらないと思います。

20161108presidentialelectionmypredictionmap003

 

次に私がこうなったら面白いというシナリオを今から書いていきたいと思います。最後の最後の世論調査の結果でも上記のカギを握る州ではそれぞれ、ヒラリーとトランプの差が1、2ポイントで誤差の範囲内ということになっており、ヒラリー有利、トランプ有利と出ていても、どちらに転ぶかはもう分かりません。
 
 

①トランプはノースカロライナとフロリダ、ネヴァダを制することで50名の選挙人を獲得となり、ヒラリー248名、トランプ248名と並ぶ。トランプがフロリダ州を落とすと他で勝っても過半数の270名には届かない。

20161108presidentialelectionmypredictionmap004
 
 

②トランプにとっては、フロリダ州は必ず取らねばならない州。ここを落としたら選挙の結果はヒラリー勝利で決定してしまう。フロリダ、ノースカロライナ、ネヴァダ州全てを取って、獲得基礎人数で並ばねばならない。トランプがフロリダ州を獲得して、ノースカロライナ州を落とした場合、ヒラリー263対トランプ233となり、ヒラリーが圧倒的有利となる。だから、トランプはどうしてもノースカロライナ、フロリダ両方を取って、ヒラリー248名、トランプ248名で並ばねばならない。ネヴァダ州だけ落とした場合は、ヒラリー254名、トランプ242名となって、接戦となる。

20161108presidentialelectionmypredictionmap005
 

 

③ヒラリーとトランプが248名で並ぶ、もしくはヒラリー254名、トランプ242名という状況になったら、決戦場はペンシルヴァニア(20名)、オハイオ(18名)、ニューハンプシャー(4名)となる。

 

④ヒラリー(248名)、トランプ(248名)がそれぞれペンシルヴァニア、オハイオ両方(38名)を獲得したら、合計が286名となってその時点で勝利が決まる。ネヴァダをトランプが落とした場合でも、これは変わらない。

 
⑤トランプがネヴァダを落として、ヒラリー254名、トランプ242名となった場合、ヒラリーがオハイオ、ペンシルヴァニアのどちらかを取ったら、270名を超えるのでヒラリー勝利となる。

20161108presidentialelectionmypredictionmap007
 

 

⑥ヒラリー、トランプが248名ずつだった場合、それぞれオハイオ、ペンシルヴァニアを分け合った場合は、268対266となる。

 

⑦そしてニューハンプシャー州の結果次第となる。ペンシルヴァニアを取った方がニューハンプシャーも取ったら、合計272名で勝利、オハイオ州を取った方がニューハンプシャーを取ったら、270名で勝利ということになる。

 

⑧現在の情勢では、オハイオ州はトランプ有利、ペンシルヴァニア州はヒラリー有利となっている。もし、前述のシナリオ通り(ヒラリー248名、トランプ248名)に進んだ場合には、ヒラリー:268名、トランプ:266名となる。最後の最後で選挙結果を決定するのは、ニューハンプシャー州の4名ということになる。

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⑨ニューハンプシャー州の情勢は全くの五分と五分。ただ、若干ヒラリーがリードと数字も出ている(誤差の範囲内)なので、ヒラリーが勝つ可能性が高い。

 

⑩トランプがニューハンプシャー州勝負にまで持ち込むことができる場合は、ほぼ全米でトランプ支持が伸びている時だろうから、トランプの勝利の可能性もある。

 

以上が、私が楽しみにしているシナリオです。しかし、このシナリオのためには、トランプがフロリダ、ノースカロライナ、オハイオを獲得することが条件となるので、かなり厳しいと思われます。これをクリアできるとしたら、情勢はトランプ有利となっているでしょうから、トランプが最終的に勝利することになるでしょう。

 

どのような結果になるでしょうか。当たるも八卦、当たらぬも八卦と申します。皆さん、寛大な心でご寛恕をいただけますように宜しくお願い申し上げます。

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙も最終盤、マラソンで言えば競技場に入って来て、トラック勝負、残り100メートルを切って、ゴールテープはもう目前というところまで来ました。

 

 世論調査の数字ではヒラリーがリードとなっていますが、先月中旬以降のように、大きなリードという訳ではなく、差が縮まって来ています。

 

 下の記事にありますように、ヒラリーの獲得選挙人数の予測は300名を切りました。信頼性が高いと言われるラリー・サバトとネイト・シルヴァーの予測では291名となっています。当選するには270名(全部で538名)の獲得が必要ですから、291名というのは立派に当選する数字なのですが、270名から21名しか余裕がないというのは、心もとない数字です。選挙人は各州の連邦下院議員数と同じ数だけは韻文されており、州ごとにばらつきがあります。ヒラリーが優勢となっている、選挙人が20名配分されている州でトランプが勝利したら、もしくは10名の州で2つ勝利したら、一気に大接戦、ジョージ・W・ブッシュ対アル・ゴアの2000年の選挙のようになってしまいます。

 

 全国レヴェルの世論調査の数字は参考になりますが、これだけで予測を立てるのは危険で、激戦州の世論調査の数字が重要です。2人の差が誤差の範囲の数字を超えていなければ、大接戦でありかつ数字の信憑性も怪しくなります。

 

 こうして見ると、選挙期間最後の週末を迎える段階で、今回のドタバタの騒動が続いた

選挙戦は大接戦だと言えると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

サバトはヒラリーが選挙人293名を獲得して勝利と予測(Sabato predicts Clinton will take 293 electoral votes

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年11月3日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/304118-sabato-predicts-clinton-will-take-293-electoral-votes

 

ヴァージニア大学のラリー・サバトは、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンが293名の選挙人を獲得して選挙に勝利すると予測している。

 

ウェブサイト「サバトズ・クリスタル・ボール」によると、293名の内訳は、「かなり」安全、そして「優位な」州の選挙人の合計が272名、ヒラリーが優勢になっているネヴァダ州とノースカロライナ州の選挙人が合計で21名、合わせて293名となる。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは選挙人を214名獲得すると予想されている。そして、勝利に必要な残り56名の選挙人を獲得するための「明確な道」は存在しないと見られている。

 

分析報告書の中で、サバト率いるティームは、ヒラリー・クリントンは選挙戦の中でも大変厳しい状況を迎えていると書いている。

 

分析によると、「投開票日まで残り数字となり、選挙の結果について不確定要素が加えられている」ということだ。

 

「ヒラリー・クリントンは2008年と2012年の選挙でバラク・オバマが獲得した選挙人数には及ばない可能性が高いが、選挙戦で先行しているという彼女の立場は保たれている」。

 

先月、サバトはCNNの番組に出演し、その中で、ヒラリーは350名以上の選挙人を獲得すると予測していた。そして、政治アナリストとして評価の高いサバトは、トランプが選挙に勝つことは「ほぼない」と語っていた。

 

上記のサバトのコメントは、ヒラリーが全国規模と多くの激戦州での世論調査の結果でリードしている段階で行われたものだ。

 

しかし、ここ最近の世論調査の結果の多くは、投開票日まで残り数日となった現在、選挙戦は接戦となっていることを示している。

 

先週、ジェイムズ・コミーFBI長官は連邦議会に書簡を送り、その中で、FBIはヒラリーの国務長官在任中の私的Eメールサーヴァー使用に関する捜査に「関連する」Eメールを発見し、それを調査することになる、と述べた。

 

民主党とヒラリーの側近たちは、選挙が近づいているので、新しいEメールに関する更に詳しい情報を出すようにFBIに求めている。

 

ヒラリー・クリントンは現在でも選挙に勝利すると考えられている。ウェブサイト「ファイヴサーティエイト」の世論調査結果を加味した予測では、ヒラリーの予想獲得選挙人数は291.9名となっている。

 

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November 03, 2016, 10:00 am

世論調査:全国規模でヒラリーがトランプを6ポイント差でリード(Poll: Clinton up 6 points on Trump nationally

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年11月3日

『ザ・ヒル』誌

 

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/304125-poll-clinton-up-6-on-trump-nationally

 

最新の世論調査の結果によると、選挙戦最終盤の段階で、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを全国規模で6ポイントの差をつけてリードしている。

 

水曜日の夜に発表されたロイター通信とイプソスの共同世論調査の結果によると、ヒラリーの支持率が45%、トランプの支持率が39%であった。

 

第三党の候補者たちを入れた場合には、ヒラリーのリードは8ポイントであった。

 

4名を対象にした調査では、ヒラリーの支持率は45%、トランプの支持率は37%であった。

 

リバータリアン党のゲイリー・ジョンソンの支持率は5%、緑の党のジル・スタインの支持率は2%であった。

 

木曜日、ロイター通信は、1週間前にイプソスと行った調査と比べて、ヒラリーの6ポイントリードは変わっていないと報じている。

 

1週間前の世論調査ではヒラリーの支持率が43%、トランプの支持率が37%であった。この時の世論調査は、ジェイムズ・コミーFBI長官が連邦議会に書簡を送る前に行われた。コミーの書簡は大統領選挙に影響を与えている。

 

10月28日のコミーのメッセージは、ヒラリーの国務長官在任中の私的Eメールサーヴァー使用に関する捜査に「関連する」新しいEメールをFBIが発見したという内容であった。

 

FBIは、アンソニー・ウェイナー元連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)に関する全く別の捜査の過程で、重要性を持つと思われるEメールを発見した。ウェイナーは、ヒラリーの長年の側近フーマ・アベディンの別居中の夫だ。

 

トランプは、ヒラリーが国務長官在任中に私的なEメールサーヴァーを使用したことは、扱いに注意を要する国家機密情報を危険に晒す行為であったと繰り返し攻撃している。

 

コミーの書簡が明らかになって以降、ヒラリーとトランプとの間の選挙戦は全国規模と各州のレヴェルの世論調査の結果では接戦となっている。

 

リアルクリアポリティクスの最新の世論調査の結果平均によると、全国規模では、ヒラリーがトランプを2ポイントの差をつけてリードしている。

 

ロイター通信とイプソスの共同世論調査は、2016年10月28日から11月1日にかけて、1772名の既に期日前投票を済ませた、もしくは投票に行くと答えた有権者を対象にインターネットを通じて行われた。誤差は3%である。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 

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 古村治彦です。

 

 最近のアメリカ大統領選挙に関する世論調査を見てみると、トランプが持ち直しています。党大会後の落ち込みが激しかった分、挽回してきています。これは、選対に新しく入った、ケリアン・コンウェイ選対委員長の助言によってトランプが方向転換し、黒人やヒスパニックへの態度の軟化が無党派有権者の好感を得ることに成功した結果と言えます。

 

 ヒラリーは最近の国務長官在任時のクリントン財団と国務省の不適切な関係やEメール問題がたたっています。共和党支持が強いアリゾナ州、ジョージア州、ミズーリ州での支持を伸ばしていましたが、ここにきてトランプがこれらの州で支持を回復しています。また、逆に民主党が強かったウィスコンシン州でトランプが支持率を上げ、接戦となっています。

 

 アメリカ大統領選挙では各州とワシントンDCに配分された合計538名の選挙人のうちの270名を獲得した候補者が当選となります。ほとんどの州では1票でも多くの票を獲得した候補者がその週に配分されている選挙人を全部取る、勝者総取りシステムになっています。

 

 現在の各州の情勢ですが、ヒラリー・クリントンが確実、優勢、優位な州の選挙人の合計が262、トランプが確実、優勢、優位な州の選挙人の合計が154となっています。前回のオバマ、バイデン対ミット・ロムニー、ポール・ライアンの途中経過では201対191と接戦でした。

 
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 共和党は2008年、2012年と民主党のバラク・オバマに連敗しています。2008年の時は、ジョン・マケインとサラ・ペイリンのコンビで、365対173の敗北でした。オバマとジョー・バイデンのコンビが選挙人の3分の2以上を奪う完勝でした。この時のオバマ人気のすさまじさを覚えておられる方も多いでしょう。2012年の時は、ミット・ロムニーとポール・ライアンのコンビで332対206の敗北でした。ノースカロライナ州とインディアナ州を取り返したのですが、現職の強みを活かしてオバマとバイデンが勝利しました。

2008uspresidentialelectionresults001
2008年大統領選挙の結果 

 
2012uspresidentialelectionmap001
2012年大統領選挙の結果

 今回2016年の大統領選挙では、トランプとマイク・ペンスのコンビは前回の206を基礎票としてまず固めなければなりません。前回取り戻したノースカロライナ州とインディアナ州を手放すことはできません。そこで、インディアナ州知事のマイク・ペンスが副大統領候補になりました。

 

 トランプ陣営が現在までに固めていると見られているのが154で、アリゾナ州、ミズーリ州、ノースカロライナ州、ジョージア州が激戦という状況です。まず元々共和党が強いミズーリ州とジョージア州、アリゾナ州を固め、2008年の時には民主党が取ったノースカロライナ州で引き離しにかからねばなりません。それで、「基礎票」とも言うべき、2012年の時の206になります。

 

 勝利に必要な270に届くためには、そこから更に64の積み上げが必要です。現在激戦州となっている州のうち、フロリダ州とオハイオ州を抑えることが出来れば47増やすことが出来ますので、253となります。ウィスコンシン州とアイオワ州を取れば269となります。こうなれば、269対269で、連邦下院の採決で当選者が決まるのですが、共和党が多数を占め、それが動かない状況ですので、トランプが勝利となります。しかし、ここまで8つの州で勝利を得なければなりません。そのためには資金と人材を投入しなければなりませんが、その点ではトランプ陣営がヒラリー陣営に後れを取っている状況です。

 

 しかし、これからヒラリーの健康問題、国務省時代のクリントン財団との不適切な関係、新たに公開されるEメールの内容によって状況は変わる可能性が高いです。8月中は、私は「7対3」でヒラリー勝利の可能性が高いと考えていましたが、現在はその数字を「6対4」にしたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

2016年は選挙情勢地図に終わることになる?(Will 2016 Come Down to the Electoral Map?

 

アルバート・ハント筆

2016年8月28日

『ブルームバーグ』誌

https://www.bloomberg.com/view/articles/2016-08-28/will-2016-come-down-to-the-electoral-map

 

アメリカの政治に関わるストラティジストや記者(私は政治記者を40年以上やっている)は地図を愛している。この地図とは、4年ごとに大統領選挙の各州の勝ち負けを示す地図だ。

 

全米各州はそれぞれ連邦議会の議員数を基にして、人口にも基づいて選挙人が配分されている。たとえば、ワシントンDCには3名の選挙人が配分されている。ほぼすべての州が勝者総取りシステムを採用している。選挙人の合計は538で、270名を獲得した候補が勝利となる。

 

約3分の2の州、その中には最大のカリフォルニア州とテキサス州も含まれるが、これらの州の結果はほぼ決まっている。従って、戦いは15州の約200名弱の選挙人の争奪戦となる。

 

従って、フロリダ州の29名、オハイオ州の18名、ノースカロライナ州の15名、アイオワ州の6名を誰か取るかを知りたいと思っている選挙マネージャーにとって、この争奪戦は楽しみであり、かつ真剣なものとなる。

 

大抵の場合はドラマ性が過度に強調される。選挙情勢地図は選挙の情勢と結果をそのまま反映する。2ポイント差以内であれば接戦と言え、この接戦の時だけが問題なのだ。

 

これまで行われた14回の大統領選挙の中で、4回がそうした接戦の選挙となった。1960年、1968年、1976年、2000年だ。 2000年のアル・ゴア(民主党)対ジョージ・W・ブッシュの選挙は、1世紀以上の歴史で初めて、総得票数で勝利した候補者が選挙人の数で敗れた選挙で、その当時は論争が巻き起こった。

 

共和党員の中には、イリノイ州での不正があったから、1960年の選挙でジョン・F・ケネディが勝ったのだと今でも主張している人たちがいる。この時の全国での得票数の差は11万8000とかなりの僅差だった。しかし、もしケネディがイリノイ州を落としていたとしても、選挙人の数で勝利を収めていたことは変わらない。 そこで批判者たちはテキサスを持ち出す。テキサスは接戦だった。しかし、複数の選挙委員会、その中には共和党が過半数を占めているものもあったが、投票を見直し、選挙結果を認めた。

 

1976年のジミー・カーター(民主党)とジェラルド・フォード(共和党)の選挙と、1968年にリチャード・ニクソン(共和党)がヒューバート・ハンフリー(民主党)を破った選挙は共に接戦だった。1968年の場合は50万票だった。しかし、選挙人の数では勝敗は明白だった。民主党員の中には、2004年の選挙でジョン・ケリーがオハイオ州で勝っておけば大統領になれたと主張する人たちがいる。確かにその通りだ。しかし、彼はオハイオ州では11万8000票の差で敗れた。

 

学者と政治家たちは選挙人制度の利点について継続的に議論している。 この制度の支持者は、小さな州の役割を強めていること、細かい選挙戦が行われること、より決定的な評決を得られることを支持の理由として挙げている。反対者はほとんどの州の有権者がないがしろにされ、一般有権者の得票数で決めることの方が民主政治に関する価値観に合致していると主張している。

 

選挙ストラティジストと記者たちは今年の選挙は接戦になると予想し、選挙情勢地図を作り、報道している。

 

ヒラリー・クリントン支持のスーパーPACで活動している民主党所属の世論調査専門家ジェフリー・ポラックは、「2から3ポイントの差があればまずは安心というところです。ですが、選挙人獲得のために人材とお金を投入しなければなりません」と語っている。

 

現在のところ、ヒラリーが平均して5ポイントの差をつけているが、これが1から2ポイント差に縮まっても、ドナルド・トランプにとっては苦闘ということになる。2012年の大統領選挙から考えてみよう。この選挙ではバラク・オバマがミット・ロムニーに対して総得票数では4%の差をつけ、選挙人の数では332体206で勝利した。今回の大統領選挙では、ドナルド・トランプは勝利のために、ロムニーが勝利した州(選挙人206名)に加えて、更に64名を獲得しなければならない。

 

フロリダ州(選挙人29名)とオハイオ州(18名)は何が何でも取らねばならない、必ず勝たねばならない州だ。トランプにも勝ち目があると思われた激戦州であるヴァージニア州、コロラド州、ペンシルヴァニア州では接戦が続いているが、これらの州をトランプが獲得することはほぼ不可能だと思われる。

 

トランプは、接戦が展開されている更に小さな州であるネヴァダ州、アイオワ州、ニューハンプシャー州で勝利しなければならない。これらの州の選挙人の合計は16名となり、そうなると、ミット・ロムニーが獲得した203名と足すと、269名となり、269名対269名の同数となり、大統領選挙勝利者の指名は連邦下院が決定することになり、下院内部は大混乱を引き起こすだろう。

 

最も起こりうるシナリオは、2人の差が3ポイント以上離れることだ。そうなれば選挙はヒラリー勝利で終わり、私たちは4年後まで地図を放っておくことになる。

 

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世論調査:共和党支持の有権者の過半数がトランプ以外の候補者を選びたいと望む(Poll: Majority of GOP voters wish they chose another presidential nominee

 

リサ・へーゲン筆

2016年8月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293746-poll-majority-of-gop-voters-wish-they-chose-another

 

最新の世論調査によると、共和党員の過半数がドナルド・トランプ以外を大統領選挙候補者に選びたいと答えたということだ。

 

月曜日に発表されたハフィントン・ポスト紙とYouGovの共同調査の結果によると、共和党員と共和党支持の有権者の54%が共和党の候補者としてトランプは最良の選択肢ではないと答えたということだ。一方、トランプが共和党に相応しい候補者だと答えたのは35%だった。

 

6月に行われた時の結果に比べて不満が大きく高まっていることが分かる。6月の調査では、44%がトランプが最良の候補者だと答え、そうではないと答えたのは44%だった。

 

共和党の予備選挙に出馬したのは17名で、トランプはその一人だった。予備選挙をやり直せるとして、誰に投票するかと質問に対して、29%がトランプ、15%がテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)、14%がマルコ・ルビオ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)、その他の候補者たちがそれぞれ10%以下の支持を受けた。

 

On the other side of aisle, 56 percent of Democratic and Democratic-leaning voters are content with Hillary Clinton as their party’s nominee, while 32 percent believe there’s a better option. This is up by 3 percent since the same poll in June.

 

予備選挙が再び実施されてもヒラリーに投票すると答えた民主党支持の有権者は47%いたが、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に投票すると答えた有権者は42%にのぼった。元メリーランド州知事マーティン・オマリーの支持率は3%だった。

 

今回の世論調査では2016年8月24日から25日かけて1000人の成人を対象にして面談が実施された。

 

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世論調査:ヒラリーがトランプを6ポイント差でリード(Poll: Clinton has 6-point lead over Trump

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月30日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293759-poll-clinton-has-6-point-lead-over-trump

 

NBCニュース・サーヴェイ・モンキー・ウィークリー・エレクション・トラッキング・ポールの共同調査の最新の結果によると、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプを6ポイントリードしているということだ。

 

世論調査の結果によると、登録有権者の48%がヒラリーを支持し、42%がトランプを支持しているという結果が出た。

 

ヒラリーのリードは先週に比べて少し小さくなった。先週、ヒラリーとトランプの差は8ポイントあった。

 

トランプ対ヒラリーの一対一の闘いに、リバータリアン党のゲイリー・ジョンソン、緑の塔のジル・スタインを加えてみると、ヒラリーはトランプに4ポイント差をつけてリードとなった(41%対37%)。ジョンソンとスタインの支持率はそれぞれ、11%、5%となった。

 

無党派の有権者の間の支持率では、ヒラリーはトランプに対して4ポイントのリードを付けている(37%対33%)。

 

この世論調査では、現在ヒラリーを支持している無党派有権者の70%が過去6か月に別の候補者を支持していたと答えた。一方、トランプを支持する無党派有権者の64%は、6か月前もトランプを支持していたと答えた。

 

この世論調査は2016年8月22日から28日にかけて、2万4104人を対象に行われた。誤差は1%となっている。

 

リアルクリア・ポリティックスの世論調査の平均によると、ヒラリーはトランプに対して5ポイントの差(46.5%対41.5%)をつけている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)






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古村治彦です。

 

 昨日もご紹介しましたが、各メディアや大学が行う世論調査では、ヒラリーがリードしており、ヒラリーが優勢となっている州を足すと、当選に必要な選挙人の数270名を超えてしまうという報道もなされています。

 

 今回もまた、現在伯仲となっている激戦州をトランプが全部獲得しても、ヒラリーには及ばないという選挙予測の結果が出ました。

2016uspresidentialelectioncookpoliticalreportelectoralmap001
2016uspresidentialelectioncookpoliticalreportelectoralmap002
 
 

 選挙予測とは世論調査の結果を当てはめながら行うものです。この世論調査の数字ですが、統計学的には有意(意味がある)ものなのですが、だいたい同じ期間に同じような場所で世論調査を実施手も数字にばらつきが出ます。

 

 これまで見ていると、ラスムッセンという会社やロサンゼルス・タイムズ紙と南カリフォルニア大学の共同調査の場合には、トランプにとって良い数字が出ます。

 

 この世論調査の数字を全く無視して、バカにしてしまっては選挙戦の動向を掴むことが出来ません。しかし、あまり過信し過ぎることもまた、選挙戦の動向を見失うことになってしまいます。

 

 マスコミや大学が公表することを目的にして行う者とは別に政党や候補者が独自に行う世論調査がありますが、これは公表されることはありません。この数字がどのようなものなのか気になりますが、なにせ遠い日本にいて徒手空拳でやっているものですから、これらの数字を参考にするしかありません。


 下の記事にあるように、7月の民主、共和両党の全国大会終了後、トランプは度重なる失言で、支持率を大きく落とし、ぼろ負けという選挙予測がなされていました。ヒラリー・クリントンは民主党史上最弱の候補者なのに、それに負けてしまうとなると、史上最低の敗者ということになってしまいます。

 そこで、トランプ陣営は責任者を交代させましたが、これが奏功しています。スティーヴ・バノン、ケリアン・コンウェイのコンビがこれからトランプ陣営を建て直していくでしょう。そして、その裏に、ロバート・マーサーとリベカ・マーサ―親子がいるという構図です。

 これまでは素人が無手勝流でやってきて、予備選挙まではうまくいきましたが、それ以降、トランプをうまくコントロールすることが出来ずに、素人が行き当りばったりで選挙活動をしてきたという印象がトランプ陣営にはありました。そこに、テッド・クルーズを応援していた、エスタブリッシュメントのマーサー親子(コーク兄弟と同じくリバータリアンです)が、民主党のヒラリーを倒すために、陣営建て直しのために介入し、マーサー親子の息のかかったマスコミの寵児と選挙のヴェテランを責任者に据えたということになります。

 これから、トランプはシナリオ通りの役を演じる俳優に徹して、勝利を目指すことになるでしょう。彼がそれにどこまで耐えられるか分かりませんが、そうしなければ勝てないとなったら、腹をくくって、何でもやってやるという思い切りの良さと覚悟の潔さはトランプの真骨頂でしょう。勝利のために、自分と敵対し、自分も悪しざまに罵ってきたエスタブリッシュメントの人々の言うことを聞くという大きな決断をしたのですから。しかし、選挙や政治というのはつくづく他の社会活動は違うものなのだなと再認識させられます。

 

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クック・ポリティカル・レポート:トランプが激戦州(伯仲州)を全て獲得しても、それでもヒラリーに敗れる(Cook: Trump could sweep toss-up states and still lose to Clinton

 

ニキータ・ヴラディミロフ筆

2016年8月17日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291762-cook-trump-could-sweep-toss-up-states-and-still-lose-to

 

クック・ポリティカル・レポートが月曜日に発表した、今回の大統領選挙の選挙人獲得予想によると、ドナルド・トランプは、11月に激戦州(伯仲州)で全て勝利を収めても、ヒラリー・クリントンに敗れるという結果が出た。

 

レポートでは、「大統領選挙の現在の情勢からすると、トランプが現在、激戦州(伯仲州)となっている州を全て獲得したとしても、当選に必要な270名の選挙人に2名足りない」と書かれている。

 

レポートでは続けて次のように書かれている。「8月中旬の時点で、ヒラリー・クリントンは21の州とワシントン・コロンビア特別区、更にメイン州の4名の選挙人の3名を、確実州、優位州、優勢州として押さえている。これらの合計が272名となり、当選のために必要な270名を2名超えている」。

一方、レポートではトランプについて次のように書いている。「ドナルド・トランプは22の州とネブラスカ州の5名のうちの4名を、確実州、優位州、優勢州として押さえている。これらの合計は190名となり、270名から80名足りない」。


2016uspresidentialelectioncookpoliticalreportelectoralmap004

 

クック・ポリティカル・レポートでは、フロリダ州、アイオワ州、ネブラスカ州、メイン州の連邦下院議員選挙第2区、ネヴァダ州、ノースカロライナ州、そしてオハイオ州を激戦州(伯仲州)としている。これらの各州の合計は76名となる。

 

クック・ポリティカル・レポートは、いくつかの重要な州で、共和党大統領選挙候補者トランプが、民主党大統領選挙候補者ヒラリーに差をつけられているとし、トランプは世論調査でうまくいかずに劣勢になっていると報告している。

 

レポートでは次のように書かれている。「多くの専門家たちが、過去60年間の大統領選挙ので、各党の全国大会が終わってから2週間経った時点で、世論調査でリードしている候補者が最終的に勝利を収めていると指摘している」。

 

レポートでは次のように結論付けられている。「11月8日の投開票日まで84日残っている段階で、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを破って当選する可能性が極めて高いと私たちは考えている。その差についてはいまだに確定的なことは言えない」。

 

クック・ポリティカル・レポートは、アメリカ連邦議会、州知事、大統領選挙の分析を専門とする超党派のニューズレターである。


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トランプは負ける準備をしている?(Is Trump getting ready to lose?

 

ティモシー・スタンレー筆

2016年8月15日

CNN

http://edition.cnn.com/2016/08/15/opinions/is-trump-getting-ready-to-lose-stanley/index.html?iid=ob_article_organicsidebar_expansion

 

CNN発。ドナルド・トランプは負ける準備をしている最中だ。私は、彼が絶対に負けるとか、彼が密かに「もう終わった」と考えていると言いたい訳ではない。彼の言葉遣いは、彼の心理状態の変化を明確に反映してはいないと考えている。

 

つい最近まで、彼は「私は勝つ」と言っていた。それが、突然、彼は自分が勝利できないだろうと言い出し、その理由を挙げるようになっている。

 

理由その1:民主党側が不正をする。オハイオ州での遊説で、トランプは選挙自体が「捻じ曲げられている」と語った。ペンシルヴァニア州では、自分が負けるとすれば、民主党支持者たちが「1人で5回投票する」場合だけだと述べた。

 

トランプは、最初は本気で言ったのに、後にそれを皮肉だったと言い訳することで良く知られている。だから、彼がどれほど真剣に発言しているか、気を付けて見る必要がある。彼は、「私の考えでは、ペンシルヴァニアで私たちが負けるとするならば、それは不正が続けられた場合だけだ」と語っている。そこには皮肉や諧謔の兆候はない。

 

理由その2:マスコミがトランプを公正に扱っていない。トランプは、特にニューヨーク・タイムズ紙のトランプ選対全体が絶望感に包まれ、トランプは候補者として力不足だという記事について怒り狂っているようだ。

 

トランプはツイッター上で次のように不満を漏らしている。「ねじ曲がったヒラリー・クリントンはマスコミによって守られている。もし汚れきって腐敗し尽くしたマスコミが自分の姿を正直に報道し、言葉も正確に解釈して伝えていたら、今頃ヒラリーに20ポイントの差をつけて勝っていただろう」。

 

この時点で、私は筆を止めて笑ってしまうのだ。真面目にこんなことを言っているのだろうか?

 

反対のことこそが真実だ。マスコミがトランプについて報道することを止めていたら、トランプは20ポイントの差をつけて勝っていただろう。どうしてか?それは、ヒラリー・クリントンが1856年以降、最弱の大統領選挙候補者であるからだ。共和党の大統領選挙候補者がベンガジ事件の中心人物に勝てない唯一の理由は、候補者がドナルド・トランプであることだ。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは長年にわたり、スポットライトを浴びてきた。不動産開発からテレビ番組の企画出演まで、彼はトランプ帝国を築き上げてきた。

 

トランプの問題意識、彼が口にする問題は、多くの有権者が憂慮しているものであろう。従って、反エスタブリッシュメントであるトランプを候補者として選ぶというのは保守派にとってはそれだけの理由があったものと思われる。しかし、トランプは自爆している。彼は、人々の目から見て、本気なのか、「皮肉を言っている」のか分からない。

 

トランプが当選した場合に、彼のアホさからアメリカを守ってくれるであろう部下を選ぶ能力にも疑問符がつく。トランプ選対の責任者ポール・マナフォートは、ロシアとの「トラブルを引き起こす関係」(民主党)のために批判を受けている。これは、ニューヨーク・タイムズ紙が、マナフォートがウクライナの金権政治家たちからお金をもらっていたと示唆する記事を掲載した後から起きた。

 

マスコミは、ヒラリー・クリントンの難点よりもドナルド・トランプの難点をより多く報道しているように見えるだろう。しかし、トランプには規律が欠け、判断力も悪いために、それが報道するネタとなってしまうのだ。数千人が集まる集会で主人公にカメラを向け、発言を録音するのは、「腐りきった主流」マスコミの偏りのためではない。それがジャーナリズムなのだ。

 

しかし、トランプは「集会はいつ大入り満員、大盛り上がりだ(訳注。YUGEと書かれている。これはトランプがhuge[巨大な]yugeと発音している)」と述べている。実際にそうなのだ。いつもそうなのだ。

 

しかし、思い出してもらいたい。1984年の投開票日の数日前に、民主党大統領選挙候補者であったウォルター・モンデールはニューヨークに10万人を集めた。モンデールは、世論調査の結果について言及し、彼のファンたちはブーイングをした。集会に集まった人の数で見れば、モンデールが勝者のはずだった!しかし、それから数日後、モンデールは、ニューヨーク州でロナルド・レーガンに54%対46%で負け、全国では59%対41%で敗北した。トランプ陣営はマスコミの偏りに照準を定めている。

 

群衆は鏡のようなものだ。候補者たちは群衆の中に投影される自分の姿を見る。候補者たちは群衆たちの希望を映し、群衆の中に映される自分のイメージに対して恋に落ちる。彼のファンであるマイク・ハッカビーとのインタヴューの中で、トランプはテレビカメラが彼の顔ばかりを映して、集会の大きさを映そうとしないと不満を述べた。彼は見られ方に異常な「関心」を持っている。

 

トランプは支持者たちと本物の関係を築いているということは恐らく真実だろう。しかし、彼らは、トランプの選挙運動が家でニュースを見ている普通の有権者たちにアピールしていると考えることで、現実から目を背け、騙し合いをしている。彼らは、世論調査でトランプの数字が低いことを納得できる唯一の説明である「民主党とマスコミが選挙を盗むために協力し合っているのだ」を言い合うことで、お互いに現実から目を背けている。

 

敗北を知りながら、それに目を伏せるだけが方法ではない。候補者は禅のような方法で敗北を受け止めることができる。モンデールは実際には、民主党全国大会開催時までに既に自分が選挙に敗れるだろうことは知っていた。そして、彼は実際の勝利ではなく、女性を副大統領候補に選ぶことで、道徳的な勝利を目指すことにした。ジョージ・HW・ブッシュは、1988年の共和党大会の時点では、マイケル・デュカキスに大きくリードされていた。そこで、ブッシュは、自分の身を彼の選対幹部たちに預けることに合意し、民主党側の弱点を執拗に攻める攻撃的な選挙戦を展開した。ブッシュは容易に勝利を収めることが出来た。規律を導入することで物事は良い方向に進むのだ。

 

トランプの選対幹部は、ニューヨーク・タイムズ紙は「ゴミだ」と語った。

 

対照的に、ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプが「陰鬱で、冷静さを保てない」状態になり、妥協を拒んでおり、「自分の本能ママにやることがよほど良いとぶつぶつ言っている」最中だと報じた。この記事の内容は、トランプの頑固さについての他の記事内容とも合致しているし、公の場での彼の怒りっぽい振舞いとも一致する。

 

こうしたことは全て、人々の最大の懸念に集約される。それは「トランプが大統領にふさわしい気質を持っていない」ということだ。トランプはプレッシャーがかかる状況で冷静さを欠き、予備選挙と本選挙では選挙運動のやり方が異なることを再認識する知性にかけているのだ。

 

「共同謀議があり、それが自分を邪魔する真犯人だ」と心底信じることで、候補者たちは修正することが出来なくなってしまう。どうしてそんなことが起きるのか?それは彼らが無意識で敗北を受け入れ、進んで炎の中に飛び込もうとしているからだ。 しかし、無意識のうちに敗北に向かうことで、トランプは11月8日の投開票日の後にアメリカにわなを仕掛けることになってしまう。トランプの支持者たちに選挙結果の正当性に疑問を持たせてしまうことになってしまう。

 

もしトランプが選挙に敗れたら、彼の支持者たちが民主的なプロセスに対する信頼を失う危険がある。そうなれば、アメリカ国内に辛辣さと無力感、分裂が広がるだろう。そして、そうなれば大規模な暴力が起きる可能性も高まる。

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙ですが、現在、全国世論調査では、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを平均で5ポイントから6ポイントリードしている状態です。この数字はそんなに大きな差ではないように感じられますが、この数字以上に、トランプは苦戦を強いられています。

 

 アメリカの大統領選挙では各州+ワシントンDCに割り当てられた合計538名の選挙人を取り合う選挙になります。270名を取れば当選ということになります。この選挙人の取り方ですが、各州で投票が多かった候補者がその州の選挙人を総取りするという方式がほとんどです(そうではない州も2州あります)。選挙人は各州の人口を基にして割り当てられています。一番多い州はカリフォルニア州で55名、少ない州は3名というところが複数あります。簡単に言ってしまうと、選挙人が多い州だけを取れれば後の州は取れなくても勝ってしまうということになります。

 

 ここ最近のアメリカ大統領選挙では、レッド・ステイト(赤い州、共和党が強い州)、ブルー・ステイト(青い州、民主党が強い州)がはっきり出てきています。人口が多いアメリカ東部、西部の沿岸部の各州はブルー・ステイト、南部と内陸部の各州はレッド・ステイトとなっています。

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 現在の世論調査の状況では、ヒラリーが地滑り的な勝利を収める可能性が大きいです。いわゆるレッド・ステイトに分類されるアリゾナ州やジョージア州も現在ではヒラリーがリードしている世論調査の結果が出ていますので、これらの州でヒラリーが勝利を収めると、538名の選挙人のうち、400名に近い選挙人をヒラリーが獲得するという可能性も出てきます。

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 トランプ陣営としては、まずはレッド・ステイトを固めつつ、支持率で接戦を演じている激戦州のほぼ全てを獲得するという戦い方をしなくてはなりません。しかし、共和党内部で分裂が起きていますから、各州の共和党組織がトランプのためにどれだけ熱心に動くかは疑問です。一方、ヒラリーは、レッド・ステイトのうちで、トランプが弱いアリゾナ州やジョージア州、ユタ州で支持の拡大とトランプ忌避の雰囲気作りをしながら、ブルー・ステイトを固めていく、それで270名近くは確保していますから、こちらも激戦州の獲得に全力を挙げるということになりますが、資金力の面や党組織の面からもヒラリーが優勢だと考えられます。今のところ、「8対2」でヒラリーが優勢であると言えます。

 

 ただ、ヒラリーにはEメール問題と健康問題がどうしても付きまといます。これらがさく裂した場合には、ヒラリーはすぐに苦戦を強いられることになるでしょう。ところが、相手がトランプであるという点で救われているとも言えます。他の候補者であれば、ヒラリーは現在の時点で既に苦戦を強いられていた可能性があります。

 

 選挙投開票日まで残り80日ほどとなりました。選挙からますます目が離せなくなっています。

 

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これら3つの州の存在がトランプの勝利を不可能にしようとしている(These three states are making a Trump win basically impossible

 

アーロン・ブレイク筆

2016年8月12日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/12/these-three-states-are-making-a-trump-win-basically-impossible/?tid=sm_Fb

 

ドナルド・トランプの世論調査の悪夢が続いている。今週もまた数字がどんどん悪くなっていった。

 

金曜日(2016年8月12日)にNBCとマリスト大学による4つの州での共同世論調査の結果が新たに発表された。民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、共和党の候補者トランプに対して、フロリダ州では5ポイント、ノースカロライナでは9ポイント、コロラド州では14ポイント、ヴァージニア州では13ポイントのリードを保っている。これら4つの州は、最近の大統領選挙で激戦州であった。

 

実際のところ、コロラド州とヴァージニア州での数字を見る限り、現在のところ、トランプが当選することはかなり困難であると言わざるを得ない。なぜなら、コロラド州とヴァージニア州、更に二桁のポイントをつけられて負けているペンシルヴァニア州を落としてしまえば、選挙に当選することは不可能となるからだ。

 

全国世論調査の数字は上がったり下がったりが激しい。今週行われたいくつかの全国世論調査の数字では、トランプはヒラリーに対して逆転可能な数字でリードされているだけのことだ。しかし、全国世論調査の数字は問題ではないのだ。大事なのは選挙人なのだ。コロラド州、ヴァージニア州、ペンシルヴァニア州の世論調査の数字では、トランプの勝利はほぼ不可能なのだ。

 

ウェブサイト『リアル・クリア・ポリティックス』によると、ペンシルヴァニア州で行われた最新の4回の世論調査では、トランプは10から11ポイントの差をつけられて負けている。コロラド州での最新の3回の世論調査では、10から14ポントの差をつけられている。ヴァージニア州では、最新の2回の世論調査では二桁の差をつけられており、その前の2回の世論調査ではそれぞれ7ポイント、9ポイントをつけられていた。

 

ヒラリー選対とヒラリーを支持するスーパーPACは、コロラド州とヴァージニア州で大胆な宣伝を行っている。

 

しかし大事なことは、これら3つだけが重要な激戦州ではないということだ。トランプは勝利を得るためには、これら3つの州全てを勝たねばならない。最悪でも、2つを落としてしまってはダメなのだ。

 

民主党側は選挙人の数で既に優位に立っている。本紙のクリス・シリーザが書いているように、ヒラリーは勝利に必要な270名のうち、既に242名を固めている。これまでの6回の大統領選挙それぞれで民主党が勝利を収めた州のうち、19州を押さえたらと仮定すると、242という数字になる。この州の中にはペンシルヴァニア州も含まれている。 ヒラリーがこれら19州すべてで勝利し、更にフロリダ州で勝利を収めたら、当選、トランプは落選ということになる。

 

このシナリオでは、いつも激戦となるコロラド州とヴァージニア州、更にはニューメキシコ州を落としてもヒラリーの当選ということになる。ニューメキシコ州は今回の選挙では民主党がリードを保っているが、ここ20年ほどの間の大統領選挙では共和党が勝利を収めた。これら3つを全部落としてもヒラリーは勝ってしまうのだ。

 

20160812washingtonpostelectionmap001
 

現在、トランプはフロリダ州では接戦に持ち込んでいる。最新の世論調査では引き分けとなっている。しかし、たとえフロリダ州で勝利を収めても、数字を落としているコロラド州、ペンシルヴァニア州、ヴァージニア州で勝利を収めることはできない。これら3つの州とニューメキシコ州を落としたら、ヒラリーが獲得する選挙人は269名となり、勝利のためにはあと1名の獲得ということになる。

 

20160812washingtonpostelectionmap002
 

そうなると、ヒラリーが勝利を収めるためには次の各州のうちの1つの州を獲得しなければならない。ネヴァダ州(選挙人6名)、アイオワ州(6名)、オハイオ州(18名)、ニューハンプシャー州(4名)、ノースカロライナ州(15名)だ。更に忘れてはならないのは、最新のNBCとマリスト大学の共同世論調査では、ノースカロライナ州ではヒラリーが9ポイントもリードしており、また、今週発表された別の世論調査によると、ニューハンプシャー州ではヒラリーが17(!)ポイントもリードしている。

 

ニューハンプシャー州をヒラリーが獲得し、更には、最新の世論調査で二桁の差をつけてリードしている激戦州全てでヒラリーが勝利をすると仮定すると、獲得する選挙人は273名となる。

 

繰り返しになるが、トランプが現在一桁のリードで負けている各州を全部獲得したとしても、彼は当選できないということは付け加えておく。

 
 20160812washingtonpostelectionmap003

 

選挙戦が進んでいく中で、フロリダ州での世論調査の数字は重要になっていく。そのように取り扱われるだろう。フロリダ州はトランプが勝利するためには絶対に落とせない州だ。

 

しかし、トランプがコロラド州、ペンシルヴァニア州、ヴァージニア州で二桁の差やそれに近い大差をつけられたままであれば、フロリダ州を獲得しても意味はなくなってしまうのだ。

 

(終わり)





 
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