古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:韓国

 古村治彦です。

 

 今回はアジア地域におけるもう一つの核問題であるプルトニウム生産問題についての論稿をご紹介します。この記事の著者たちは、北朝鮮の核兵器の脅威と同様に、日中韓3か国のプルトニウム生産について懸念をもっています。プルトニウムは原子力発電所で使用した燃料を再処理することで出てきます。そして、プルトニウムは核兵器の燃料となるものです。ですから、プルトニウムを大量に生産し、貯蔵することは核兵器開発にとって必要不可欠の前提条件となります。

 

 日本でプルトニウムを生産しても、核兵器を製造することはできません。非核三原則がありますし、アメリカも許さないでしょう。ドナルド・トランプ大統領は選挙期間中、日本と韓国の核武装について言及しましたが、これをすぐに許可することはないでしょう。しかし、プルトニウムが貯蔵されるということは核兵器開発につながるのではないかという懸念を諸外国に持たせることになります。実際には中国が日本に対して懸念を表明しています。

 

 プルトニウム生産について懸念を払しょくする最善の方法は生産しないことだ、と著者たちは述べています。自民党と官僚の一部には、日本の核武装を目指す勢力がいるでしょうから、プルトニウムの生産と貯蔵をやめることはないと思われますが、それが果たして日本の安全保障につながるのかということを考えてもらいたい。諸外国の懸念と恐怖を引き起こして、割に合わないことになると考えられます。何よりもアメリカに疑念を持たせることが一番の問題ということになります。

 

今回ご紹介した論稿で重要なのは、河野太郎外務大臣の存在に焦点を当てている点です。河野太郎外相は外相就任以前から日本の原子力政策に批判的でありながらも建設的な提案をしている数少ない政治家の一人でした。今回の内閣改造で重要ポストである外務大臣に、一言居士の河野太郎氏の起用ということになり、人々は首をひねりました。どうして河野氏が外務大臣になったのか、と。対中国、対韓国の関係改善ということが理由で挙げられています。日本の原子力政策に批判的な河野氏を外相に起用したのは、今回の論稿のテーマであるプルトニウム生産問題について、安倍晋三首相が米中韓の各国にメッセージを発したのだと解釈することも可能です。

 

 このように考えると、河野太郎氏の外務大臣起用はより国際政治とリンクした重要な意味を持つものなのだと言うことができると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

日本政府とアメリカ政府はもう一つの核にかかわる問題を抱えている(Tokyo and Washington Have Another Nuclear Problem

 

ヘンリー・ソコルスキー、ウィリアム・トビー筆

2017年817

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/08/17/tokyo-and-washington-have-another-nuclear-problem-china-korea/

 

今週、日本の外務大臣・河野太郎と防衛大臣・小野寺五典はワシントンで、アメリカ側の担当者である国務長官レックス・ティラーソンと国防長官ジェイムズ・マティスと会談を持つ。彼らは最近の北朝鮮による挑発行為に日米両国はどのように対処すべきかを議論する。今回の会談は素晴らしいものだ。日本や韓国と緊密に協力し、また中国と共同行動を取る時にのみ、アメリカは北朝鮮が与えている核兵器の脅威に効果的に対処できる。

 

北朝鮮問題は重要であるが、日米両国の担当者たちは、より長期的な、潜在的に深刻なもう一つの核に関する脅威について考慮しなければならない。そのもう一つの脅威とは、日本、中国、そしておそらく韓国におけるプルトニウムの生産量の増加である。この問題は複雑であるが、私たちが協力的に行動しても解決は存在しない。その論理構成は次の通りだ。

 

日本は、膨大な使用済み核燃料を処理するための再処理施設を2018年秋に六ヶ所村に開設する計画を持っている。六ヶ所村の再処理施設は核兵器に利用できるプルトニウムが8000キロ生産されることになる。これは年間1000発以上の核爆弾を製造できる量である。この再処理施設開設の表向きの理由は、再処理された燃料を発電用原子炉と高速炉に供給するためとされている。ここに一つの問題が存在する。現在、日本で稼働している原子炉は5つのみであり、唯一存在した高速炉は廃止されたばかりだ。つまり、これからプルトニウムが貯蔵されるはずもないのに、六ヶ所村の再処理施設を稼働させる必要はないのだ。

 

一方、中国はフランスから六ヶ所村の再処理施設の同規模の施設を購入することに合意した。最初に計画された施設に対しては大規模な反対運動がおこり、中国政府は建設を断念した。中国は再処理施設の稼働を2030年までに開始したいと望んでいる。そして、2040年から2050年にかけてこの施設から生産されたプルトニウムを利用する高速炉を稼働させる計画だ。繰り返しになるが、問題はこれから10年以上続くことになる。中国は核爆発用のプルトニウムを年間約8000キロ生産することになるだろう。

 

これがどうして問題になるのだろうか?中国はすでに数百発の核兵器を保有し、更なる核兵器製造のために必要なプルトニウムを貯蔵していると推定されている。この数字は実態に沿ったものであろう。しかし、中国がロシアやアメリカと対抗したいと望むのならば、中国は更なる数千発の核兵器用の燃料をさらに貯蔵する必要に迫られている。中国政府が核兵器用の燃料を軍事的な野心を露わにしない形で貯蔵したいと望むなら、「平和的」な高速炉プログラムの形を取ることになる。

 

韓国について見てみる。韓国は長年にわたりアメリカ政府に対して不満を表明してきた。アメリカは日本に対して核燃料を与え、その再処理を認めているが、韓国には認めていない。この点を韓国は不満に思っている。韓国の新大統領である文在寅は原子力発電所建設に反対し、米韓民生用原子力協定の下でプルトニウム生産の権利を求めない可能性がある。文大統領は大統領選挙で40%の得票率で当選した。文大統領の政敵たちは権利の存在を確認している。野党の政治家たちの中には韓国の核武装について公の場で主張している人たちが出てきている。

 

日中韓のプルトニウム生産計画はアジア地域における恐怖感と対立を高めている。日本政府の高官は非公式の場で、韓国はプルトニウムの再利用する必要はないと主張している。彼らはまた中国のプログラムについても懸念を持っている。一方、中国政府は、日本政府のプルトニウム生産計画がもたらす核兵器開発の脅威について公の場で避難している。中国政府はまた、アメリカが韓国に対してプルトニウム生産を許可するかもしれないということについて懸念を持っている。

 

このような危機的状況に関しては、簡単な解決法がある。トランプ政権はプルトニウムを燃料とする反応炉を製造する技術に対して政府補助金をゼロにすると決定した。トランプ政権は日本、中国、韓国に対して再処理施設計画を取りやめるように促すべきだ。どうしてそのようなことをすべきなのか?それは、日中韓が再処理施設計画を取りやめることで、資金を浪費するだけで実効性の乏しい核エネルギーの形態である再処理にお金を使わないで済むのだ。政治的にもこれは意味があることだ。中国政府は再処理施設建設を国民に説得できないでいるし、韓国は原子力開発計画をスローダウンさせたいとしている。アメリカ政府が対処に苦しんでいる北朝鮮問題について、同盟諸国や中国との間の協力関係は同氏も必要となる。一方、日本のプルトニウム生産プログラムは技術的にも経済的にも割に合わないものである。

 

今回の日本の代表団のワシントン訪問に話を戻す。今回の代表団には河野太郎外務大臣も参加している。河野大臣は日本国内において、日本のプルトニウム生産プログラムに対する最も厳しい批判を行ってきた人物である。昨年、安倍晋三首相は河野に対して日本政府の予算を削減する方法を質問した。河野は高速増殖炉「もんじゅ」の廃止を主張した。そして、安倍首相は河野の主張に合意した。

 

河野外相は就任後初の記者会見の場で、日米原子力協力協定が2018年7月に自動更新される前に専門家に諮問されるべきと考えるかと質問された。河野外相は諮問されるべきだと答え、日本のプルトニウム生産プログラムが示す安全保障上の諸問題について話し合われるべきだと述べた。今年初め、河野はこれよりさらに踏み込んだ行動をとった。それは、「日本政府は六ケ所村の再処理施設開設を取りやめること、原子力協力協定についてアメリカ政府と話し合うこと、プルトニウムの商業的生産の一時停止についてアメリカ、韓国、中国と協力すること」を内容とする共同宣言に河野は署名したのだ。

 

北朝鮮は重要な問題である。しかし、北東アジア地域における唯一の核に関する脅威ということではない。アメリカ、中国、日本、韓国がプルトニウム生産レースを回避できれば、北朝鮮の核の脅威に対して共同歩調を取ることは難しいことではないし、将来に発生しうるより深刻な脅威を防ぐこともできるだろう。ティラーソン国務長官とマティス国防長官はこのことを十分に考慮すべきだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





 古村治彦です。

 

 今回は、ヘンリー・キッシンジャーによる北朝鮮問題の分析記事をご紹介します。北朝鮮は金正恩委員長の指導の下、ICBMを開発し、アメリカの領土を射程に捉えたという報道がなされています。ICBMは第二次世界大戦中にドイツが開発したV(報復)1ロケット(イギリス国内を攻撃した)がその原型と言われています。世界大戦から72年も経過し、その当時、最先端技術であった原子爆弾も長距離攻撃ミサイルも作ろうと思えばどの国でも作ることが可能なものとなりました。

 

 北朝鮮はアメリカとの交渉を求めています。6か国協議という枠組みはありますが、北朝鮮は多国間協議の枠組みには何も決める力がないのだから、アメリカとの直接交渉しかないと考えています。韓国や日本、ロシアや中国を無視している状況です。一方、アメリカはトランプ大統領が激しい言葉遣いをしていますが、ティラーソン国務長官は交渉最優先という立場を取っています。

 

 北朝鮮とアメリカは両国ともに交渉を求めていますが、北朝鮮はアメリカとの直接交渉、アメリカは中国に北朝鮮への対応を求めつつ交渉は6か国協議で、とそれぞれ異なる主張を行っています。

 

 ヘンリー・キッシンジャーがトランプ政権の外交指南役であることはすでにこのブログでも数度にわたってご紹介しました。キッシンジャーの考えはトランプ政権の外交に反映されるのですから、彼の考えを知っておくことは重要です。

 

キッシンジャーは北朝鮮の「非核化(denuclearization)」を目的としています。そのためには武力行使という選択肢を完全に排除しないとしながらも、交渉を優先するという立場を取っています。そして、キッシンジャーは北朝鮮の体制転換を求めず、核兵器を放棄した場合に、その機に乗じて北朝鮮を攻撃しないということを国際社会が約束することを条件にすべきだと述べています。

 

キッシンジャーは中国の存在と思惑を考慮しながら、アメリカと中国が衝突することなく、非核化(北朝鮮だけでなくアジア地域全体)という共通の目的を達成すべきだとしています。

 

私は北朝鮮という国家は、力の空白の中に存在する稀有な国であると考えています。野球で打球が野手の間に落ちてしまうということがありますが、野手の一人が無理をすれば打球をキャッチできるのに、誰も怖くて無理をしないために結局キャッチできない、ということになります。北朝鮮はまさにこのような打球であると考えます。

 

北朝鮮が存在することで、中国はアメリカと直接陸上で対峙しなくて済むという状況にあります。ロシアも同様です。長年中国の圧力を受けるという歴史を経験してきた朝鮮半島の国家である韓国からすれば、逆のことが言えます。そうした中で、どの国も「北朝鮮は存続して欲しいが、核兵器は持ってほしくない」と考えることになります。

 

私は最近、韓国の大学教員の方と話をしました。北朝鮮について質問すると、「韓国と北朝鮮は、言葉は同じだが、全く異質の国同士となってしまった。これを急に統一することはかえって危険である。韓国には急激な統一に耐えられるほどの経済力もない。また、国民の中にも北朝鮮と統一したいと考える人はそう多くない」と答えました。

 

私の中には、朝鮮半島の分断状態は良くないことなので出来るだけ早く統一すべきだという考えが前提にありましたが、「二国共存状態(two-state solution)」ということも考慮しなければならないのだと考えを改めました。

 

北朝鮮としてはアメリカに対して、体制保障と不可侵を求めています。そのための交渉のカードとして核兵器やICBMを開発しています。朝鮮半島問題について考える場合に、「朝鮮半島は統一されるべきだ、それも韓国に吸収される形でというのが望ましいし、それ以外は無理だ」という考えが前提となりますが、統一ではなく、まずは二国共存で、北朝鮮をより開放された、中国のような国にすると考えると選択肢が広がり、短期的には危機が回避されるではないかと思います。

 

(貼りつけはじめ)

 

「北朝鮮危機をどのように解決するか」

―アメリカ政府と中国政府との間の理解が不可欠の前提条件である。日本政府と韓国政府もまた重要な役割を果たすことになる

 

ヘンリー・A・キッシンジャー筆

『ウォールストリート・ジャーナル』紙

2017年8月11日

https://www.wsj.com/articles/how-to-resolve-the-north-korea-crisis-1502489292

 

30年以上にわたり、国際社会は北朝鮮の核開発プログラムに対して、非難と有罪判決宣告の引き伸ばしという矛盾した対応を取ってきた。

 

北朝鮮政府の無謀な行為は強く非難されている。核兵器開発に向けた動きは受け入れられないという警告が国際社会から発せられている。しかし、北朝鮮の核開発プログラムは加速される一方だ。

 

2017年8月5日に国連安全保障理事会によって北朝鮮に対する制裁決議が満場一致で可決された。これは大きな前進を意味する。もっとも、合意されるべき決議はまだ議論されたままで残っている。しかし、大きな一歩は踏み出された。

 

しかし、北朝鮮は大陸間弾道ミサイルの発射実験を成功させた。これによって、更なるごまかしを行う余地が失われることになった。

 

金正恩が中国とアメリカによる反対と国連安保理の満場一致の制裁決議があるにもかかわらずに核開発プログラムを推進するならば、重要なプレイヤーである諸大国間の地政学的な関係を変化させることになるだろう。

 

国際社会が困惑している間に北朝鮮が全面的な核攻撃能力の開発を完成させてしまったら、アジア地域、特にアメリカの同盟国である日本と韓国におけるアメリカの核の傘の信頼性を一気に失わせるという深刻な事態を招来することになるだろう。

 

北朝鮮は長年にわたり核開発を行ってきた。そして、北朝鮮による核の脅威がアメリカの領土に到達するということになり、北朝鮮の核兵器が存在することによる無秩序が生み出される可能性も出てきている。北朝鮮が実用に耐えるICBMを持つには、弾頭の小型化、ミサイルへの弾頭の設置、複数のICBMの製造が必要であり、これにはしばらく時間がかかる。

 

しかし、アジア諸国は、北朝鮮が既に開発している短距離、中距離のミサイルによる攻撃という脅威に直面している。

 

この脅威が増していくと、ヴェトナム、韓国、そして日本といった国々において自国の防衛のために核兵器を開発するという動機が急速に大きくなっていくだろう。これは、アジア地域や世界全体にとって良くない転換点ということになる。

 

北朝鮮が既に開発した核技術から後退させることは、更なる開発を防ぐことと同じく重要になる。

 

アメリカ単独、もしくは複数の国による対北朝鮮外交はこれまで成功していない。それは主要諸国の目的を一本化させることができないためだ。特に中国とアメリカとの間で北朝鮮の核兵器開発を実際にどのように阻止するかという点で合意が形成されていないためだ。

 

アメリカは北朝鮮に対して核開発プログラムを終了することも求めている。しかし、アメリカからの要求は何らその効果を示していない。軍部を含むアメリカの指導者たちは、軍事力の行使には消極的だ。ジム・マティス国防長官は朝鮮半島における戦争は「破滅的なものとなる」という見通しを述べた。

 

北朝鮮では数千本の大砲が韓国に向けて据えられている。それらは韓国の首都ソウルを射程内に捉えている。これは、ソウルと周辺地域に住む3000万人の人々を人質にとるという北朝鮮の戦略を反映している。

 

アメリカ単独による先制軍事行動は中国との衝突を引き起こすという大きなリスクをはらんでいる。中国は一時的にはアメリカの軍事行動を許容するだろうが、それでも中国の鼻先でアメリカが決定的な結果をもたらそうとする戦略を実行することを我慢して受け入れることはないであろう。1950年代の朝鮮戦争において中国は戦争に介入したという事実は中国がアメリカと衝突する可能性があることを示している。

 

軍事力の使用は注意深く分析されねばならない。そして、軍事力使用に関する言葉遣いもまた抑制的でなければならない。しかし、軍事力の行使の可能性を排除することはできない。

 

これまで述べたような考えを前提にして、トランプ政権は中国に対して、北朝鮮の非核化を実現するための外交的な努力を行わせようと試みている。こうした努力はこれまでのところ、部分的にしか成功していない。

 

中国はアメリカが持つ核兵器の拡散に関する懸念を共有している。実際のところは、中国こそは北朝鮮の核兵器によって最も影響を受ける国なのである。しかし、アメリカは北朝鮮の非核化という目的を明確に示しているのに対して、中国は北朝鮮の非核化がもたらす政治的な結果に直面することを嫌がっている。

 

北朝鮮は核兵器開発プログラムに国の資源の多くの部分を投入している。その割合は国力に釣り合わないものだ。そうした中で、核兵器開発プログラムの放棄、もしくは実質的な削減や後退は北朝鮮国内で政治的な混乱を引き起こし、更には体制転換にまで至る可能性がある。

 

中国はこのことをよく理解している。従って、最近の外交上の大きな成果としては、中国が原則として北朝鮮の非核化を支持しているということを中国が明確に示したことだ。しかし、同時に、北朝鮮国内の分裂や無秩序状態が起きることは、中国にとっての2つの大きな懸念を引き起こす。

 

一つ目の懸念は北朝鮮国内の危機が、中国の政治と社会に与える影響である。中国の1000年に及ぶ歴史で繰り返された出来事が再び繰り返されるのではないかという懸念である。

 

二つ目の懸念は北東アジア地域の安全保障に関するものだ。中国は北朝鮮の非核化に貢献する誘因が存在する。そして、中国としては北朝鮮の非核化から朝鮮半島全体の非核化を行いたいと考えている。現実には韓国には現在のところ、核兵器開発プログラムは存在しない。計画の発表すらない。しかし、国際的な核兵器開発禁止は別の問題となる。

 

中国は非核化につつく北朝鮮の政治的な発展についてもある程度の利害関係を持っている。それは、朝鮮半島において二国共存状態を維持するか、統一を行うか、といことであり、北朝鮮地域における軍事力の展開に制限をするかどうか、ということでもある。

 

これまでのところ、トランプ政権は中国に対して北朝鮮へ圧力をかけるように求めてきた。アメリカは自国の目的のために中国を下請け業者のように扱ってきた。より良い、唯一実現可能なアプローチはアメリカと中国両国の努力と試みを一本化し、共通の立場に立ち、他の国々の参加を求めていくということだ。

 

「我々の目的は北朝鮮を利害関係諸国が参加する会議に出席させることだ」とアメリカ政府は何度も発表している。こうした発表は、交渉こそがアメリカの目的だという前提の存在を反映している。交渉は自国の都合の良いタイミングで行われ、交渉に相手を引きずり出す圧力とは関係なく、交渉は最終的な合意まで続けられるべきだとアメリカは考えている。

 

しかし、アメリカの外交は、過程ではなく、結果によって最終的に判断される。アジア地域の安全保障構造は危機に瀕していると考える国々とって、アメリカが「我々は自国のみの利益を求めない」と繰り返し主張するだけでは不十分なのだ。

 

どの国が、何について交渉すべきなのか?朝鮮半島の非核化にとってアメリカと中国との間の理解と同意は必要不可欠な条件となる。皮肉な展開なのは、現時点の中国がアジア諸国の会兵器開発を阻止することについて、アメリカよりもより大きな関心を持っているかもしれないということだ。

 

中国は「北朝鮮に対する圧力が不十分だ」と非難されてアメリカとの関係を悪化させてしまうという危険に直面している。北朝鮮の非核化には持続した協力が必要である。経済的な圧力だけで非核化を実現することは不可能だ。米中間の非核化以後の事態、特に北朝鮮の政治的な発展と北朝鮮領土内の軍事力展開の制限に対する共通理解と対策が必要だ。このような共通理解がなされても、既存の日本や韓国との間の同盟関係を変化させてはならない。

 

半世紀に及ぶ歴史に照らしてみると逆説的に見えるかもしれないが、このような理解こそが朝鮮半島における行き詰まりを打開する最良の方法なのである。

 

米中が目的を明確とする共同声明を発表し、暗黙の裡の行動を行うことで、北朝鮮は孤立を痛感し、非核化という結果を守るために必要な国際的な保証の基礎が確立することになる。

 

韓国と日本はこの過程において重要な役割を果たさねばならない。韓国以上に北朝鮮の核開発に最初から関与してきている国は存在しない。韓国はその置かれている地理的な位置とアメリカとの同盟関係によって、政治的な結果に対して大きな発言力を持っている。

 

韓国は外交における解決によって最も直接的な影響を受けることになるだろう。また、軍事的な不測の事態が起きた際には最も危険な状態に陥ることになるだろう。アメリカとその他の国々の指導者たちが、北朝鮮の非核化を利用することはないと宣言することは重要だ(訳者註:核兵器を放棄した北朝鮮を攻撃しないという宣言を行うこと)。韓国はより包括的で正式な考えを表明することになるだろう。

 

同様に、日本は歴史的に朝鮮半島とは1000年以上のかかわりを持っている。日本の安全保障に関する基本的な概念に照らすと、日本が自国で核兵器を所有する状態にない中で、核兵器を持つ国家が朝鮮半島に存在することを許容することはないだろう。アメリカとの同盟関係に対する日本による評価は、アメリカの危機管理において日本の懸念をどの程度考慮してくれるかということにかかっている。

 

アメリカと北朝鮮の直接交渉という代替案も魅力的ではある。しかし、アメリカの直接交渉の相手である北朝鮮は、非核化の実行について最も利益を持たず、米中間を離反させることに最大の関心を持つ。

 

アメリカが中国との間で理解を共有するためには、最大限の圧力と実行可能な保証が必要となる。そして、北朝鮮は最終的な国際会議に出席することができるようになる。

 

核兵器の実験の凍結によって最終的な非核化に向かうための一時的な解決が出来ると主張する人々がいる。この主張の通りに行うことは、アメリカとイランとの間で結ばれた核開発を巡る合意という過ちを繰り返すことになるだろう。アメリカとイランの合意は、技術的な側面のみに限定して地政学的な戦略における問題を解決しようというものだ。これが間違いだったのだ。両国の合意は、「凍結」の定義がなされ、調査手続きが確立されたが、核開発放棄の引き伸ばしに対する口実を与えることになる。同じことが米朝間の合意でも起きるだろう。

 

「北朝鮮は手続きに時間をかけて、彼らの真の目的を隠す戦術を取っている。それは、言い逃れや引き延ばし工作をして長年の悲願を達成しようとしている」という印象を持っている人も多いだろう。北朝鮮はこのような印象を人々に持たせるのは得策ではない。段階的なプロセスを踏むということは考慮するに値するアイディアかもしれないが、それはあくまで北朝鮮の核兵器能力と研究プログラムを短期間のうちに実質的に削減することにつながるものである場合に限られる。

 

北朝鮮が一時的にも核兵器能力を保持することは、永続的な危険性を構造化してしまうことになる。その危険性は次のようなものだ。

 

・貧しい状態にある北朝鮮が核技術を他国に販売することになるかもしれない。

 

・アメリカの北朝鮮の非核化に向けた努力が自国の領土を守ることにばかり集中し、実際に北朝鮮の核の脅威に直面しているアジア地域をほったらかしにしているという印象を与えてしまうことになる。

 

・他国も北朝鮮、相互、そしてアメリカに対抗し、抑止するために核兵器開発を行う可能性も出てくる。

 

・非核化交渉が進まないことに対する不満が中国との間に争いを激化させることになる。

 

・核兵器の拡散はその他の諸地域で加速するだろう。

 

・アメリカ国内で行われる議論はより対立的なものとなるだろう。

 

非核化に向けた実効性のある進歩、それも短期間での非核化こそが最もよく考えられた慎重な望ましい方向ということになる。

 

※キッシンジャー氏はニクソン政権とフォード政権で国務長官と大統領国家安全保障問題担当補佐官を務めた。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22

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 古村治彦です。

 

 今回は、韓国が実施した、対北朝鮮の太陽政策(Sunshine Policy)についての記事をご紹介します。太陽政策とは、韓国の金大中、盧武鉉両大統領時代に、南北関係を好転させるために採られた政策で、積極的な交流を行うというものです。今回の大統領選挙で当選した文在寅(ムンジェイン)大統領は、盧武鉉大統領の側近だった人物ですので、太陽政策を行う可能性があります(ただ、韓国国内法の縛りで以前のような内容にならない可能性もあります)。

 

 リベラル派の金大中、盧武鉉両大統領時代に続けられた太陽政策ですが、その後、保守派の李明博、朴槿恵両政権では、タカ派的な政策が採られ、南北間の緊張関係が高まりました。北朝鮮では、金日成から数えて3代目となる孫の金正恩が最高指導者となりました。このブログで先日ご紹介しましたが、冷静に見てみれば、北朝鮮の金政権にとって重要なことは、生き残りです。国家最高指導者として贅沢な暮らしをしたいという極めて人間臭い欲望も含めて、生き残りを模索しています。

 

 北朝鮮に対して、北風(厳しい制裁)か、太陽(交流と関与)かのどちらが良いのか、ということは対北朝鮮では常に中心的テーマとなるものです。

 

 今回の記事を書いたのは、アメリカで法律家として活動する韓国系の人物のようで、この人は、太陽政策は一定の成果を上げた、厳しい制裁はどのような反応を引き起こすのか分からないし、最悪の場合は核戦争にまで発展する、保守派は勇ましいこと言うが核開発放棄をすれば体制保証してやるという点で弱腰なのだ、ということを述べています。

 

 この著者の主張に全て同意はできませんが、厳しい制裁では状況が好転しないだろうという点は同意します。興味深いのは、この著者が今回の記事を書いたのは、『フォーリン・アフェアーズ』誌に朝鮮半島問題の専門家たちがより厳しい制裁を主張する論稿を掲載し、それに対する反論のためです。私にとって興味深かったのは、フォーリン・アフェアーズ誌に掲載された記事の著者の一人が、ヘリテージ財団のブルース・クリングナー研究員たったことです。クリングナーについては、私も以前ブログでご紹介しました。下記アドレスの「ヘリテージ財団の日本論」をお読みください。

 

http://suinikki.exblog.jp/m2012-11-01/

 

 

 クリングナーはより厳しい対北朝鮮制裁を主張していますが、こうした主張をする人々は、「北朝鮮を参らせる」ことに重きを置いて、「北朝鮮内外に大きな被害を出さないように」ということを考えていないようです。「窮鼠猫を咬む」という言葉がありますが、北朝鮮を「追い詰められた鼠」にしないことが重要です。そのためには「小鮮を烹るがごとし(小魚を煮る際に身を崩さないようにあまりかきまぜたりせずに、じっくり煮る)」という態度が必要です。

 

 よりリスクが少ない方法を採用することが重要であると考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

文大統領の秘密兵器は太陽政策だ(Moon’s Secret Weapon Is Sunshine

 

―韓国の新大統領は北朝鮮に対するタカ派的な政策を必要としない。大統領は成功した記録が残る政策だけを行うべきだ

 

ネイサン・パーク筆

2017年5月19日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/05/19/moons-secret-weapon-is-sunshine-south-korea-kim-jong-un/

 

文在寅(ムンジェイン)が韓国の新しい大統領に就任した。アメリカの勧告専門家たちは、文政権が北朝鮮に対して宥和的な姿勢を取るのではないかと懸念していると思われる。文在寅は盧武鉉大統領の首席スタッフを務めた。盧武鉉は最後のリベラル派大統領で、前任者である金大中大統領の「太陽政策」を継続した。金大中は1998年から2003年まで大統領職を務めた。イソップ童話の太陽と北風が旅人のコートを脱がせる競争をしたという寓話から、太陽政策という名前が付けられた。経済開発、観光、文化交流を通じた温かい関与が北朝鮮を更に開かせるだろうというのが太陽政策である。

 

韓国のリベラル派政権は10年続いた。この間に太陽政策は失敗であったと判定された。太陽政策を批判する人々の中には、最近の『フォーリン・アフェアーズ』誌に論稿を発表したアメリカの勧告専門家たちも含まれている。彼らにすれば、太陽政策は愚かな政策であって、「お金を与えれば、金正日(現在の指導者である金正恩の父親)率いる政権が変化する」という空想に基づいて、経済援助を促進したものであるということになる。太陽政策は校歌がなかったというだけではなく、道徳的に間違ったもので、金政権に核兵器開発のためのお金を渡し、核兵器を使って世界に対して身代金を要求できるようにしたという非難がなされている。

 

しかし、太陽政策全体を無駄だと斬り捨てることは間違いである。確かに失敗もあったが、太陽政策は、それが継続されていれば、より大きな成功を導き出したであろう重要な進歩を示してもいるのだ。

 

まず、私たちは、太陽政策が弱腰の、お金を渡して一時しのぎをしようとする政策で、結局北朝鮮が韓国に脅威を与えることを許した、という先入観を捨てる必要がある。

 

 

太陽政策の基礎となっているのは、韓国軍が北朝鮮の挑発行為を罰し、韓国民の声明を守ることができるという自信と信頼だ。

 

太陽政策の最初にポイントは、金大中元大統領が明確に示したように、韓国は、北朝鮮が軍事的な挑発行為を許さないという点だ。金大中政権、2003年から2004年にかけての盧武鉉政権はこの前提をしっかりと守った。1999年と2002年に、北朝鮮海軍は北方限界線(黄海上に引かれた事実上の国境線)を越えた。韓国軍は圧倒的な力で反撃し、北朝鮮海軍の将兵多数を殺傷した。一方、2010年に北朝鮮海軍は、韓国海軍のコルヴェット艦を一隻沈め、乗組員46名が犠牲となった。この時、保守派の李明博大統領は、泣き言で対応し、口だけの非難を発表しただけであった。

 

北朝鮮の挑発行為を罰することで、太陽政策は真の利益を生み出した。最大の利益は、朝鮮半島における戦争を引き起こす緊張関係と恐怖感を大きく減じさせたことである。太陽政策の最盛期、韓国国民約1000人が開城工業地域に常駐し、約54000人の北朝鮮の労働者を監督した。約200万人の韓国人観光客が北朝鮮の金剛山を訪問し、10万人が開城市の歴史地区を訪れた。北朝鮮と韓国に分かれた離散家族の再会が定期的に、年2回行われた。朝鮮戦争によって悲運にも引き裂かれた多くの家族が短い時間であったが再会することができた。朝鮮戦争以降初めて、韓国の航空会社の飛行機が北朝鮮の領空内を攻撃される心配なく自由に飛行することができた。 金正日は、金大中と盧武鉉と直接対面した。現在までのところ、韓国の大統領で北朝鮮の指導者と実際に面会したのはこの2人だけだ。

 

こうした定期的なやり取りによって、韓国国民の間に安心感と安定感をもたらした。ワシントンDCにいる国家安全保障専門家たちはこの安心感と安定感を正しく評価できなかった。太陽政策が始まって4年後の2000年に実施されたアンケートでは、調査対象となった韓国国民の77%が金大中政権の北朝鮮政策を支持、もしくは強く支持すると答えた。支持、強く支持と答えた人々のうち、65%は、「軍事的緊張を削減したこと」を支持理由の第一として答えた。

 

太陽政策は北朝鮮にも確かな変化をもたらした。韓国国民との継続的なやり取りを通じて、北朝鮮国民は南側の豊かさに触れ、共産主義システムに対する信念が揺らいだ。その具体例がチョコパイだ。チョコパイとは丸いパイ状の菓子だ。開城工業地域で操業する韓国の工場で勤務する北朝鮮の人々に休憩時間のおやつとして、チョコパイが配られた。チョコパイの人気が北朝鮮内で過熱した結果、北朝鮮の労働者たちは配られたチョコパイを食べずにとっておき、国中の闇市場で販売するほどになった。

 

北朝鮮の人々が韓国語の書かれた包みを破り、中の美味しいお菓子を食べる時、彼らは韓国と北朝鮮の間で繰り広げられたイデオロギー闘争は終結し、北側が敗北したことを示す明確な証拠を味わうことになったのだ。これは取るに足らない事象などではない。韓国のお菓子と韓国製品(韓国のテレビ番組が録画された海賊版DVD)の大量流入は、金政権のプロパガンダの把握力を大きく弱めることになった。金政権はそのことを認識している。2014年、北朝鮮当局は開城工業地域で操業する韓国の工場に対して、北朝鮮の労働者に韓国のお菓子などを与えないように求めた。北朝鮮国民により良い選択肢を示したことによる結果は確実であった。北朝鮮からの脱北者の数は2001年から増加し始めた。2001年には約500名であったが、翌年には2倍になり、2003年には2000名に達した。

 

太陽政策に対する反対者たちは声高に反対を表明している。ジョシュア・スタントン、サンヨン・リー、ブルース・クリングナーは、『フォーリン・アフェアーズ』誌最新号の記事の中で、太陽政策を叩いた。彼らは論稿の中で、北朝鮮に対する更なる制裁を求めた。

 

スタントンたちが主張しているように、太陽政策は、北朝鮮の金政権の態度を大きく変化させることに失敗したというのは事実だ。しかし、金大中、盧武鉉両リベラル政権の後に10年間続いたタカ派政権もまた変化をもたらすことができなかった。タカ派政権は厳しい言葉遣いをしたが、李明博、朴槿恵両政権は、リベラル派の前任者たちのように北朝鮮の挑発行為に対して対応することに失敗した。保守政権が続いている間に、金正恩は祖父が始めた政権を受け継いだ。

 

しかし、タカ派の論客たちは、「問題は、タカ派の度合いが充分ではなかった」と述べている。スタントンたちは次のように書いている。「ブッシュもオバマも北朝鮮の原爆実験のたびに厳しい言葉を発してきたが、両者ともに言葉を行動に裏付けることに失敗した」。スタントンたちは言及していないのは、より厳しい制裁による潜在的なリスクである。彼らは、「より厳しい制裁には時間がかかり、決断力が必要であり、米朝関係は改善するまでには一度悪化することを受け入れねばならない。同じ言葉米中関係にも言える」と曖昧に書いている。米朝、米中関係はどれほど悪化するだろうか?この疑問の答えは、最悪のシナリオが米中衝突もしくは核兵器による攻撃ということになる。スタントンたちは、北朝鮮が朝鮮半島やそれ以外の地域にまで黙示録的世界をもたらすことなしに屈服するためのちょうどよい制裁のレヴェルをきちんと測定できるという自信を持っているのだろうか?

 

皮肉なことに、タカ派の人々が想定する結末は金政権に対するより弱腰の将来である。スタントンたちは次のように書いている。「アメリカは北朝鮮が核兵器よりも重視しているある価値をターゲットにして圧迫をしなければならない。それは金政権の存続だ」。言い換えるならば、金正恩が核兵器開発を放棄すれば、彼の全体主義的支配は継続する、ということになる。タカ派の人々は一方で北朝鮮の犯した人道に対する罪を糾弾しているが、核兵器開発を放棄する限りにおいて、金正恩の血塗られた独裁政権から目を逸らすべきだという提案を行っている。

 

こうして見てみると、太陽政策の利点は明確になってくる。

 

更なる制裁による最大のリスクは核戦争だ。一方、太陽政策によるリスクは最大でも現状維持の継続だ。タカ派的対応がもたらすであろう最良の結果は、核兵器を放棄した形での謙譲維持であり、金政権の人道に対する罪は放置される。一方、太陽政策のもたらすであろうと考えられる結果は、自由主義的で市場原理の下での、南北の漸進的で平和的な再統一である。

 

太陽政策の成果は本物だ。太陽政策によって、朝鮮半島はより安全になり、一般の北朝鮮国民の金政権に対する疑念を生み出している。失敗もまた同様に本物だが、太陽政策全体を放棄するということにはならない。現在のところ、太陽政策、もしくは太陽政策に類似する政策を実施しようとすると、国連による対北朝鮮制裁に関連する韓国内のより厳格な法律のために制限に直面してしまうことになる。しかし、機能する政策は、一世代前の韓国人のように北朝鮮の人々もまたより良い将来のために必要な富と安全を手にする権利がある、という原理を前提にして立案されるべきなのだ。

 

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(貼り付けはじめ)

 

金正恩は、クーデターを予防するための最も信頼を置ける方法は、恐怖であると確信しているようだ。彼は軍部と警察に対するこれまでにない大幅な粛清を行ってきた。有名な将軍たちがひとり、またひとりと公の場に姿を見せなくなり、参謀総長のような最高司令官たちや国防大臣が処刑された。

 

最近起きた金正恩の異母兄である金正男の殺害事件は、選択的なテロのパターンに合致するものである。金正恩は、エリートたちの不満を糾合できる存在は誰でも粛清する決心をしている。金正男は公の場で発言することがあり、金正恩のコントロールの中で生きていた。彼の存在は脅威であった。金一族の一員として、金正男は共同謀議で担ぎ上げられる存在となる可能性が高かった。彼は金一族の正統性を保つ人物であったし、多くの北朝鮮国民には不思議なオーラをまとう人物であった。金正男が中国の庇護を受けていたことは助けにならなかった。金正恩は中国を信頼しておらず、エリート内の不平葉を糾合する手助けをする可能性のある国だと考えている。

 

重要な点は、金正恩は非合理的な恐怖支配を指揮監督しているのではないということだ。一般的な北朝鮮国民が政治犯罪で逮捕される可能性が高まっている兆候はない。政治犯の数はきわめて多い。しかし、金正男の統治下、この数字は変化していない。祖父金日成時代と比べれば、その数はかなり少なくなっている。顕著なのは、粛清の対象が軍部と治安担当部門の最高幹部、「銃を持っている人々」に限られていることだ。経済部門の最高幹部たちの身の安全は保障されている。

 

言い換えるならば、金正男は、むきだしの恐怖を、彼を追い落とす理由と手段を持つであろう人々に向けているのだ。彼のやり方は過激であり、野蛮であるが、政権維持という点では非合理的ではない。金正恩はクーデターの成功の可能性をまずゼロにしようとしているのだ。

 

しかし、将軍たちが金正恩を追い落とすことはないだろう。三番目の脅威は、人々の反乱と蜂起だ。北朝鮮の最大にして唯一の問題は、低迷を続ける経済だ。1940年代、北朝鮮は、東アジア地域に置いて、日本を除いて、最も工業化が進んだ国であった。しかし、数十年間の運営の失敗のために、最も遅れた国となってしまった。北朝鮮と韓国の1人当たりのGDPの比率は、国境を接している2国間関係の中で最も大きいものとなっている。その比率は1対14とも1対40とも言われている。東ドイツと西ドイツの比率は1対2、もしくは1対3であった。

 

両国間の経済格差は大きい。これは、中国式の経済改革を進めようとする際の大きな政治的障害となる。中国の共産党政権は幸運であった。中国は隣に繁栄した資本主義で民主政体の同族国を持っていない。台湾は小さすぎて政権転覆の脅威とならない。北朝鮮で中国の「改革開放」政策を模倣する試みがなされれば、現在は外界から孤立させられている国民たちが韓国の信じられないほどの豊かさを認識するようになり、権威を恐れなくなる可能性がある。普通の国民は、数十年にわたり、国内の経済運営の失敗について金一族を非難してきた。そして、一晩で全ての問題を一気に解決する手段として、韓国政府主導で北朝鮮の韓国への速やかな統合を夢見るようになっている。その結果として、北朝鮮では、資本主義への移行への試みは中国式の経済ブームをもたらす可能性は低いということになる。 それよりも、韓国による急襲によって、東ドイツのような政治的な崩壊をもたらす可能性が高い。現在の北朝鮮のエリートたちは生き残ることが出来ても、完全に今の地位からは追われてしまうことになるだろう。

 

金正恩の父親である故金正日はこの脅威を認識していて、時代遅れのスターリン主義的システムが崩壊しつつあっても改革の導入を慎重に避け続けた。しかし、北朝鮮の市場経済は成長し始めていた。金正日の政権末期、民間ビジネスは非合法であったが、黙認されていたが、この部門は国家のGDPの25%から40%を占めると推計されていた。金正恩は、長期的に見て、「下からの資本主義」が自発的に始まってしまい、これによって彼の支配が打撃を受けることになることを恐れている。しかし、彼は父親とは違う政策を採用している。2012年から2014年にかけて、金正恩は1980年代に中国が採用した諸政策を次々と採用し始めた。

 

農業は家族を基盤としたシステムに移行している。農家では実物税を収めた後の収穫物のほとんどを保有することを許されるようになっている。実物税の税率は上限35%である。工業部門の管理職クラスは、ビジネス上の自由を認められるようになっている。市場価格で売買する権利や従業員の雇用と回顧の権利が認められている。民間の実業家たちと裏市場の運営者たちは、罰せられる危険性がなくなり、政府機関と協力して投資をするように促されている。彼らは数百ドル、数千ドルの規模から、数百万ドルの資金を持つ人たちまでいる。

 

この政策は経済の回復をもたらそうとしている。全員が一致しているわけではないが、専門家たちのほとんどは、ここ最近の北朝鮮の年間GDP成長率は3%以上を記録している。飢饉が席巻した時代は終わった。ピョンヤンだけでなく、北朝鮮全体で生活水準は上昇している。民間の資金が建設ブームを牽引しており、商店やレストランは新興の富裕層でいっぱいである。交通渋滞についても、以前はピョンヤンでも見られることはほぼなかったが、現在は大きな問題になりつつある。

 

しかし、こうした市場志向の改革は政治的な自由化によってもたらされている訳ではない。文化とイデオロギーの分野では、「北朝鮮化されたスターリン主義」は最高の価値とされている。また、北朝鮮は世界の中で政治犯の人口における割合が最も高い国だ。人口わずか2500万の国で約8万人の政治犯がいる。金正恩は経済成長と厳しい監視体制を組み合わせることで国民を従順にしようとしている。これは最終的に失敗する試みとなるだろう。しかし、合理的ではある。東アジアの「開発独裁主義」の創始者たち、中国の鄧小平、台湾の蒋介石、シンガポールのリー・クワン・ユーは幸せな最期を迎え、国民たちからの賞賛を受けた。

 

金正恩の時に野蛮に見える合理的な政策は、長期的に見て、政策を安定させることに成功するだろうか?彼の政策のほとんどはリスクを伴うものだ。核開発競争はアメリカによる先制攻撃を誘発する可能性がある。将軍たちに対する厳しい姿勢は政権転覆の共同謀議に走らせる可能性を高めることになるだろう。経済改革は金正恩の統制に服さない社会的な勢力を生み出す可能性もある。しかし、リスクが高いということと非合理的であるということはイコールではない。これまでのところ、金正恩の諸政策は機能しており、北朝鮮の指導者たちは自分たちの置かれている状況を認識しており、それら以外の選択肢はよりリスクが高いものとであると分かっている。これらの政策が機能するということは、世界はこれからも長期にわたって金一族と共存していかねばならないということだ。金一族はどのように生き残るかを知っており、これからもそれを実行していくことだろう。

 

これは私たちにとってどのような意味を持つだろうか?第一に、この問題は一気に解決することは不可能だということだ。北朝鮮の非核化は不可能だが、核開発プログラムを監督すること、更なる開発に制限をかけることは可能である。核開発によって抑止力を持つことができ、自分たちにはそれが必要だと金一族は考えている。もちろん、北朝鮮国民は、核開発プログラムの凍結によって寛大な条件を手にできると期待しており、核開発に固執してはいない。

 

外部の世界は、肯定的な変化を促すことができるし、そうすべきだ。その一つが経済成長であり、現在の北朝鮮で起きていることだ。まとめると、世界は北朝鮮国民が情報に接することができるようにすべきなのだ。北朝鮮にとって最も希望に満ちた将来は、下からの圧力による変化である。金政権が生き残りのために人々との間で妥協をする必要を感じるか、金政権の完全な打倒となるかはともかく、国境の外の暮らしを知った人々による圧力で変化すべきだ。金一族は、北朝鮮の国民が合理的であるように、おそらく合理的であるだろう。

 

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アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22



 

 古村治彦です。

 

 今回は北朝鮮についての優れた分析記事を皆様にご紹介します。その内容は、北朝鮮は、金一族の生き残りのために合理的に動いており、ただ狂っていると非難しているだけでは問題は解決しないというものです。そして、北朝鮮の核開発問題を一気に解決する方法は存在せず、漸進的に対処していくしかないとしています。

 

 金正恩は経済改革を進めつつあり、経済制裁が科されている中で、経済成長が3%以上になっており、国民の生活水準が向上していると著者のランコフは指摘しています。そして、金正恩は、自分に対してクーデターを仕掛ける実行力、武力を持つ軍の最高幹部や治安部門のトップに対して粛清を行うことで、恐怖感を与え、クーデターが起きないようにしているということです。

 

 北朝鮮を3代にわたって支配している金一族(金日成、金正日、金正恩)は生き残りのために動いていることがよく分かります。ですから、彼らの生き残り(政治的、物理的[肉体的])ということを考えていけば、北朝鮮に対処することはそれほど難しいことではないし、ただ、おかしい、狂っているとして話も聞かない、攻撃あるのみとするのは問題解決につながらないし、かえって東アジア地域を不安定化させることになると思います。

 

 北朝鮮が合理的なアクターであることをトランプ大統領も分かっていて、硬軟取り混ぜた対応で交渉を行おうとしています。官民、頭がよさそうなインテリでも、ただ厳しいだけの単細胞的な対処をしようとしているのは日本というのが何とも悲しい話です。「暴戻支那を膺懲す」という時代から余り賢くなっていないようです。

 

(貼りつけはじめ)

 

金正恩は生き残りのために動く人物であって、狂人ではない(Kim Jong Un Is a Survivor, Not a Madman

 

北朝鮮の行動は外国人からすれば非合理的に見えるだろう。しかし、金体制は、生き残りのために論理的な行動を取っているだけなのだ

 

アンドレイ・ランコフ筆

2017年4月26日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/04/26/kim-jong-un-is-a-survivor-not-a-madman/?utm_content=buffer1fc93&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

あらゆる人々が北朝鮮は狂っていると考えがちだ。北朝鮮は週2回のペースでアメリカを核攻撃で焼き尽くすと脅しの言葉を吐いている。北朝鮮の指導者は将軍たちを無慈悲に処刑し、兄を殺害させた。北朝鮮は破綻した経済モデルに固執しながら、莫大な資金を核兵器開発に浪費している。北朝鮮の狂気の記事は新聞や記事のフロントページを飾っている。

 

問題は、メディアが北朝鮮政府と金正恩を非合理的だと描写していることではなく、アメリカの政治家たちがメディアと同じ行動を取っていることだ。2017年4月、アメリカ連邦下院議員ブラッドリー・バーン(アラバマ州選出、共和党)は、「私には北朝鮮の指導部は合理的だとは思えない。非合理的な誰かに対してどのように対処できるか?」。彼は米国連大使ニッキー・ヘイリーの発言を繰り返しているだけのことだ。ヘイリーは「私たちは合理的な人物に対処していない」と発言した。ヘイリーは、金正恩について、「合理的な行動を取らない人物であり、明確な思考をしない人物」だと述べている。

 

北朝鮮を理解するための手引きとしては、このような分析はただただ間違っている。北朝鮮に対する政策作りの手引きとしては、このような分析は破滅的な結果をもたらすだろう。 北朝鮮のシステムは外国にいる私たちから見れば奇妙奇天烈なものに見えるが、金一族は政治的に見て、最終的に生き残ってきた一族である。冷徹なまでのリアリストたちであって、彼らの行動は常に明確な目的を持っている。それは、一族が権力の座に居続けることである。彼らを狂人たちだと考えるのは間違っているだけでなく、危険でもある。政策が成功するためには、自分たちの反対の立場の人々の論理を理解することが基礎になっており、非合理的だと切って捨てていては成功などおぼつかない。金一族を核兵器を持った狂人たちと見ることは、彼らがより驚異的な存在だと考えてしまうようになる。そして、戦争勃発のリスクを高めてしまう。更には、北朝鮮が「正気になった」時にだけ、妥協が成立するという非現実的な期待感だけが高まることになる。

 

1980年代、金一族は味方であるはずの東側世界においても、スターリン流の非合理性を体現しているとして嘲笑の的となっていた。金一族は、時代遅れの個人崇拝にこだわっており、経済運営に失敗し、ハンガリーの改革志向の指導者グロース・カーヌイのような東欧諸国の新しい考えを持つ指導者たちを見習うべきだと批判されていた。今日、東欧の指導者たちは歴史のゴミ箱に投げ込まれている。彼らは指導者の地位を追われ、侮蔑され、忘れ去られた。一方、金一族は権力の座をいるだけでなく、それにともなる豪奢な生活を楽しみ、北朝鮮を完全にコントロールしている。

 

確かに、これまでの25年間は簡単な道のりではなかった。大規模な飢饉によって国民が塗炭の苦しみを味わい、友好国を失い、中国も支援に腰が引けるようになり、世界唯一の超大国と対立するようになった。こうした連続的な危機の中で、金一族は生き残らねばならなかった。金一族は生き残ってきた。これは彼らが合理的で冷酷な行動を取ることの徴候であると考えるべきなのだ。

 

現在のところ、金正恩は抑制的だ。また、彼は祖父、父と同じく長期的な責務を担っている。それは、彼自身と彼の子孫の統制下で政権の存続を確かなものとすることである。一族の生き残りには3つの脅威が存在する。金正恩の政策から判断すると、彼はこれらの脅威を認識しているだけでなく、無効化しようと努力している。

 

第一の脅威は外国からの攻撃だ。彼の父親同様、金正恩もまたこれを大変に懸念している。これは誇大妄想と言えるかもしれない。しかし、諸外国が自分を狙って出てくるとなると、誇大妄想とは言えない。サダム・フセイン、アフガニスタンにおけるタリバンの指導者たちの運命を考えれば分かる。イラクとアフガニスタン、そして北朝鮮は、アメリカ政府によって、ひとつのグループとして扱われてきた。しかし、リビアのムアンマール・カダフィの悲運が金一族にとって最も重要な教訓となっている。2003年、リビアの指導者カダフィは、西側諸国との間で、核兵器開発プログラムの放棄し、その見返りに寛大な経済援助を受けることに合意した。アメリカと対立してきた国によってこのような妥協がなされたのはリビアが最初であった。

 

2011年にリビアで革命が勃発し、カダフィ政権を滅亡に追いやったのは、NATOによる飛行禁止区域設定であった。この物語の結末は、自動車のボンネットの上に打ち捨てられた毀損されたカダフィの遺体であった。

 

10年前、アメリカの外交官とジャーナリストたちの間では、リビアの核開発放棄合意について喜びがあふれた。彼らは異口同音に「北朝鮮の指導者たちもリビアの教訓から学ぶべきだ」と語った。彼らは実際の結末とは全く異なるバラ色の結末を想定していた。

 

金正恩は核開発プログラムを純粋に防衛上の施策だと考えている。韓国への進攻は、理論上は可能なものと言える。しかし、韓国への進攻は金正恩の手に負えないものである。アメリカは韓国防衛の責任を負っているし、韓国も経済と技術上の力の優位を持っている。金正恩は、北朝鮮が韓国、もしくはアメリカを攻撃すれば、悲劇的な結末を迎えることになることを分かっている。おそらく自分は殺害されるだろうと考えている。金正恩は自殺志願者ではない。しかし、金正恩は、アメリカは、核保有国、特にミサイル能力と第二次攻撃能力を持っている国を攻撃しないだろうし、アメリカのトランプ政権は内部闘争に明け暮れており、北朝鮮に関わっていられないのだと主張している。

 

従って、北朝鮮の指導者たちは核開発にこだわらねばならないと確信している。そして、核兵器は国家安全保障を担保する存在になると考えている。彼らを説得して考えを変えさせることができる圧力の形態は存在しない。いかなる圧力をかけても彼らは考えを変えない。彼らに提案を受け入れさせるための約束は存在しない。北朝鮮の指導者たちは核兵器がなければ死んだも同然だと確信している。これは北東アジア地域にとって厄災であるが、金一族は完全に合理的な選択ということになる。

 

北朝鮮の核開発プログラムは防御を目的とするものだが、世界に向けて、自国の存在を認識させ、「マッドマン戦略」とリチャード・ニクソン大統領が呼んだ戦略を使っていることは合理的な行動だ。「マッドマン戦略」とは、敵に対して自分のことを非合理的で、爆発しやすく、コストを無視する存在だと考えさせる戦略だ。そのために、北朝鮮のプロパガンダは様々な激しい言葉遣いになるのだ。北朝鮮のテレビ番組では、「ソウルを火の海にする」、オーストラリアのキャンベラを核攻撃する、アメリカの地図に核攻撃の標的となる各都市を示し、その前に金正恩の姿を重ね合わせて放送しているが、ただひとつのメッセージを発信している。それは、「私たちはここにおり、私たちは爆発する、敵たちが脅威を与えるならば行動することを躊躇しない」というものだ。

 

核兵器がなければ、金一族はアメリカからの直接攻撃を懸念することになる。しかし、彼ら同時に、北朝鮮内部の反乱にアメリカ、もしくは中国が介入してくるのではないかと心配している。彼らはリビアで起きたことを認識している。リビアでは西側の諸大国が飛行禁止区域を設定し、反乱勢力の勝利を手助けした。彼らはまた、1956年に中国が当時のソ連と協力して金日成を失脚させるための共同謀議を支援したことを記憶している。この試みは失敗した。金日成は現在の最高指導者である金正恩の祖父だ。

 

金正恩の別の非合理的に見える政策は防御的なものと考えるべきだ。核兵器は政権の防衛のための十分条件にはならない。核兵器があれば外国からの攻撃を防ぐことができるかもしれないが、国内の軍事クーデターの危険を除去することはできない。金正恩はまだ若年で、将軍たちが彼に対して、若年と経験のなさから悪感情を持っていると疑ってしまうのは自然なことだろう。金正恩は父親の急死のわずか1年前に後継者に仕立てられたが、その当時、その存在は全く知られていなかった。金正恩は、非民主的な国家でクーデターが起きることは常態であり、成功するケースが多いということを認識しているのは間違いない。最新の研究によると、1950年から2010年にかけて世界中で発生した457回のクーデターのうち、227回は成功したということだ。227回の成功例のうち、2回は北朝鮮が最も注目している国で起きた。韓国だ。

 

(貼り付け終わり)

 

(続く)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22


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