古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:韓国







野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 昨年末から今年初めにかけて、世界的には何だか元気のない状況になっています。2016年に景気上昇するという予測は立ちづらく、更にはテロの危険が世界各国に拡散しているとして、みんなで盛り上がろう、という感じはありませんでした。

 

 日本では昨年末に、日中戦争、太平洋戦争中の韓国人女性の従軍慰安婦問題について、日韓両国で最終的な解決となる合意がなされました。安倍晋三総理大臣は、従軍慰安婦に関して様々な疑義を呈する立場を取っていましたが、最終的には謝罪の声明を、岸田文雄外務大臣を通じて発表しました。日韓両国で外交関係上は「これ以上、この問題を蒸し返さない」ということになりました。今回の合意について、日本の安倍政権を支える右翼や一部保守派、韓国国内の様々な勢力から批判が出されました。今回の合意に関しては、第三国であるアメリカの意向が強く働いて、ある意味で急転直下の合意ということになりました。安倍晋三政権の「リアリスト(現実主義的)」外交の勝利ということを言う人たちもいましたが、第三国、しかも宗主国の意向を受けて慌てて合意するような外交、自主的に自分たちの抱える問題を解決できないような外交はリアリスト外交とは言いません。

 

 中東では、イスラミック・ステイト(IS)に対するロシアの攻撃があり、ISの勢力が減退しつつあるようです。結局、アメリカ(とサウジアラビア、イスラエル)が直接、間接に育てたISの始末をつけるのに、他人であるロシアの手を借りねばならなくなったという大変情けない状況になりました。いい面の皮となったのがシリアで、シリアのバシャール・アサド大統領の政府軍と反政府軍の内戦だったものが、いつの間にか、中東を巻き込む「代理戦争」となって、シリアは悲惨な状況になってしまいました。

 

 そうした中で起きたのが、サウジアラビア、バーレーンとイランの断交(外交関係の断絶)です。サウジアラビアがイスラム教シーア派の聖職者を処刑したことで、イラン国民の一部が激怒し、テヘランのサウジアラビア大使館を襲撃したことがきっかけで、サウジアラビアがイランの外交団の国外追放を決めました。サウジアラビアとしては全て予定の範囲内の、シナリオ通りの行動と言えるでしょう。

 

 イランはアメリカとの間で核開発を巡り、核兵器を開発しないことで合意に達していました。ここからイランとの間で国交正常化まで進む可能性もあります。そうなると、中東世界におけるサウジアラビアの影響力は低下します。更には、ISの脅威もサウジアラビアにとっては深刻です。ここで、不安定な中東世界にさらに不安定な要素を加えることで、低落傾向が続く原油価格は上昇しますし、アメリカも改めて、サウジアラビアに対するご機嫌取りに動くという計算もあるでしょう。 

 

 中東が不安定さを増す中で、アジアでも不安定さを増す事件が起きました。本日、北朝鮮が水爆実験を行ったと発表しました。これによって、北朝鮮を取り巻く日中韓は難しい状況に置かれてしまいます。アジア地域は経済発展が著しい訳ですが、安全保障環境が不安定になれば経済にも悪影響を及ぼすことになります。

 

 新年早々から、世界は不安定な状況に置かれてしまいました。しかし、こうした状況を利用しようとするのが、アメリカのネオコン(共和党)・人道主義的介入派(民主党)です。考えてみれば、こうした状況ではアメリカの軍事介入が望まれるようになるのですから、アメリカの優越と軍事介入を主張している両グループにとっては、渡りに船の状況です。

 

 サウジアラビアとイランが直接、事を構える(ミサイルを撃ちあう)、それにイスラエルが絡むということになれば、中東で新たな戦争が起きるということもあるでしょう。アジア地域では、北朝鮮の存在のために中国が苦境に立たされることもあるでしょう。

(23:05に加筆します。)

 

 私はオバマ政権最後の1年となった2016年、アメリカと北朝鮮との間で、イランやキューバの場合と同じく、ホワイトハウス主導で緊張緩和があるのではないかと考えていました。しかし、今回、北朝鮮が水爆実験を行いました。北朝鮮内部に、アメリカとの緊張緩和を妨害したい勢力がいるのだろうと推測されます。彼らは北朝鮮の今の体制を維持したいのだろうと思います。そして、こうした勢力はアメリカ国内のネオコン・人道主義的介入派とつながっているのだろうと思います。彼らの使嗾もあって、何カ月も前から水爆実験の準備が進められ、今回行われたのではないかと私は考えます。

 
 年末年始にかけて起きたことを一つの線で見てみて、「誰が一番得をするのか」ということを考えると、ネオコン・人道主義的介入派ということになります。アメリカは今年、大統領選挙の年で、来年には新しい大統領が誕生します。昨年の段階で、既にヒラリーの勝利がほぼ確定的と言えるでしょう。彼女の介入主義にとって、世界が不安定であることは、「得」なことなのです。一連の事件の裏には、アメリカの両グループとそれらに結び付いた現地勢力がいることは間違いないと言ってよいでしょう。
 

 アメリカのネオコン・人道主義的介入派が喜ぶような状況になれば、安保法制を成立させている日本に寄せられる期待(命令)は大きなものとなります。2016年、そして新年早々来年のことを言うと鬼が笑うかもしれませんが、2017年は世界にとって何か大きなことが起きて、多くの人々が苦難に苦しむようなことになるのではないか、と私は危惧しています。

 

(終わり)








 
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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-11-25

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 これから少しずつ日常に戻って行けるように努力してまいります。さて、今回は、アメリカのケイトー研究所のカーペンター研究員の日本の安保法制に関する記事をご紹介します。少し古い記事ですが、アメリカの対外介入を嫌う人が考える、日本の進むべき道という内容になっています。

 

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ほんの少しの余計なおカネでかえって問題が悪化する:日本が直面する防衛ジレンマ(A Little More Money, A Lot More Problems: Japan's Defense Dilemma

 

日本政府は、危機が起きた場合にそれに対処するために必要な軍事力を整備することなしに地域におけるより積極的な役割を果たそうとしている

 

テッド・ガレン・カーペンター筆

2015年9月2日

『ナショナル・インタレスト』誌

http://nationalinterest.org/feature/little-more-money-lot-more-problems-japans-defense-dilemma-13759

 

日本の防衛省は防衛支出の大幅な増加を求めているということを最近のニュースは好感を持って伝えている。防衛省は東シナ海にある日本の領有する一群の島々の防衛を強化する目的で防衛増大を求めている。これらの島々は中国との間で厳しい領土争いを引き起こす原因となっている。予算の請求が示しているのは、日本政府が尖閣諸島(魚釣島)を巡る争いにおいて妥協をする意思を全く持っていないということだ。

 

 しかし、ニュースのあまり強調されない点が示しているのは、日本の領土を巡る主張を強化するために軍事力を増強しようと日本政府が真剣には考えていないということだ。防衛費の増加要求は前年比の僅か2.2%であり、これによって日本の年間の防衛予算は約423億800万ドルとなる。この数字は、中国の公式の防衛予算1450億ドルの3分の1以下である。中国の実際の防衛支出がこれだけであると信じている人はほとんどいない。米国防総省と民間のシンクタンク共同の試算では、中国の実際の防衛支出は年間1800億ドルかそれ以上であるという結果が出ている。

 

 日本政府は地政学的な野心を増しているが、軍事力をそこまで増強していないという危険な不均衡をこうした事実は例証している。日本政府は尖閣諸島(魚釣島)問題について強硬な姿勢を取っているだけでなく、安倍晋三政権は日本の平和憲法の第9条の「再解釈」に踏み込んでいる。この再解釈によって、日本が集団的な防衛努力が行えるようにしようとしている。憲法の再解釈はまた、日本の安全保障に対する脅威を構成するものは何かについての定義を拡大させている。

 これら全ての目的は、日本が東アジア地域の安全保障問題に関してより積極的な役割を果たすことが出来るようにすることだ。このような憲法に対するいかがわしい操作に加えて、安倍政権は中国の野心に懸念を持っている地域の国々と軍事面での協力関係を築きつつある。その一環として、ヴェトナムとフィリピンに武器を売却している。日本政府は、南シナ海における領有権問題に関与し始めている。日本の国益はこの地域では間接的なものに留まる。

 

 軍事ドクトリンの変化と様々な地政学的な主張は、国内での議論を読んでいる。批判者たちは、安倍首相の諸政策によって、日本が軍事衝突に巻き込まれる可能性が高まると憂慮している。日本の近隣諸国、特に中国と韓国もまた、20世紀前半に東アジア地域に大きな傷跡をもたらした日本の軍国主義の復活の可能性に懸念を持っている。この悲劇的な時期の日本の責任について日本の政治家たちはそれを認めることを躊躇している。それがさらに疑いと懸念を増大させている。

 

 結果的に、日本政府は諸政策の最悪の組み合わせを行おうとしている。日本政府は、危機が起きた場合にそれに対処するために必要な軍事力を整備することなしに地域におけるより積極的な役割を果たそうとしている。更に悪いことには、日本政府は、帝国時代が原因となる近隣諸国の持つ怒りと不安を払しょくすることなしに、より積極的な役割を果たそうとしている。

 

 日本の指導者たちはこれらのミスマッチを是正するために3つの段階を経る必要がある。1つ目の段階はドイツを真似て、帝国時代の日本政府の行動に対して真に無条件の謝罪を行うことだ。第二次世界大戦終結70周年に関する安倍首相の最新の談話を含むこれまでの発言は、あまりにも条件が付き過ぎており、ごまかしにさえ見える。

 

 第二段階としては、中国、韓国との間にある領土を巡る争いで、より怪獣的な姿勢を取ることだ。それぞれの国々の主張の法的正当性は、それぞれに後ろ暗いものだ。帝国主義時代の日本の侵略の被害者である両国に対して妥協することが、日本政府にとって建設的な姿勢ということになるだろう。たとえ、日本の主張が完全に正当性を持つにしても、である。より深刻ではない問題に関して進んで譲歩をすることで、より関係を築くことが出来るし、結果的に大きな利益を得ることになる。

 

 最後に、日本が地域においてより積極的な役割を果たすと決心する場合、安倍政権は、日本国民に対して、新しい方向性は保障されており、望ましいものだということを説得しなければならない。更には、そのような役割を果たすには、年間420億ドルという現在の防衛予算よりもかなり高いレヴェルの防衛支出が必要になる。これには国内の大きな支援が必要不可欠となる。

 

日本政府が現在進めている路線は日本の同盟国としてのアメリカにとって懸念すべき危険を生み出している。最悪のシナリオは、過度に硬直した挑発的な日本の地政学的戦略姿勢によって武力衝突が発生し、日本が自国だけでそれを処理できない、というものだ。アメリカはそうなれば、戦争に巻き込まれることになる。その相手は中国ということになるだろう。アメリカは自国の国益にとってあまり重要ではない問題を巡って中国と戦うことになる。このような危険が将来にわたって高まる前に、必要な建設的な政策について、アメリカの指導者たちは日本の指導者たちと胸襟を開いて話し合いを行うべきだ。

 

※テッド・ガレン・カーペンター:ケイトー研究所上級研究員。『ナショナル・インタレスト』誌外部編集委員。これまで国際問題に関して10冊の著作と600以上の記事を発表している。

 

(終わり)







野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 
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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-07-29

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




 

 古村治彦です。

 

 アメリカの外交専門誌『フォーリン・ポリシー』誌に小野寺五典代議士(自民党)・元防衛大臣(第二次安倍内閣、2012―2014年)のインタヴュー記事が掲載されましたので、ご紹介します。

 

 小野寺議員が韓国について懸念を持っていること、そして日本の防衛関係者たちがアメリカの無人戦闘機(ドローン)グローバル・ホークの導入を目指していることが分かります。

 

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「日本は独力で平和を守り、維持できない(‘Japan Alone Cannot Guard or Sustain Peace’)」

―フォーリン・ポリシー誌は日本の元防衛大臣と中国の平和的台頭に対峙するための日本国憲法の再解釈について語った

 

アイザック・ストーン・フィッシュ(Issac Stone Fish

2015年6月16日

『フォーリン・ポリシー(Foreign Policy)』誌

http://foreignpolicy.com/2015/06/16/japan-alone-cannot-guard-or-sustain-peace-defense-minister-itsunori-onodera/

 

朝鮮半島での動乱について語る際、多くの人々は北朝鮮に言及するが、韓国に言及する人は少ない。

 

 しかし、2014年9月まで防衛大臣を務めた小野寺五典は、韓国政府の北朝鮮に対する「挑発的な」行動について懸念を持っている。

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 日本の国会議員である小野寺は、日本の防衛政策に深く関与している。その中には、日本国憲法の再解釈を巡る議論も含まれている。日本国憲法の再解釈が可決されれば、日本はより行動的な軍隊を派遣することが出来るようになる。

 

 6月15日、国会内の彼の事務所で、『フォーリン・ポリシー』誌のアイザック・ストーン・フィッシュが小野寺にインタヴューを行い、日本のドローン使用、朝鮮半島における緊張、中国が平和的に台頭すると確信しているかどうかについて質問した。

 

 インタヴューは通訳を介して行われた。そして、インタヴュー内容を明確にするために編集し、要約を施している。

 

 フォーリン・ポリシー誌:この5月、金正恩が国防部長を粛正した。貴方は、北朝鮮の不安定さについて懸念を持っているか?

 

 小野寺五典:金正恩は最近も北朝鮮の防衛に関わる幹部たちを粛正していると私は聞いている。状況を判断するのは難しい。こうした行動が金正恩の権力基盤を強化するのか、それとも北朝鮮の軍部内部に不安定さが存在するのでこうした出来事が起きたのか、判断できない。

 

 しかし、私が懸念を持っているのは、韓国から北朝鮮に対してのやや挑発的な態度である。

 

 韓国の朴槿惠大統領は現在、北朝鮮を標的にするミサイル発射テストの実施を考え、そのための調査を行っている。これは最近の新しい動きである。私たちの懸念は、これが北朝鮮に対する挑発にならないかということであり、挑発にならないように願っている。

 

 韓国国内における混乱と人々の不満からの反政府行動もあり、朴大統領の支持率は低下し続けている。私は朴大統領が強制的な手段に訴えないことを願うばかりだ。

 

フォーリン・ポリシー誌:憲法の再解釈に関する国会における議論の最新の内容について教えて欲しい。

 

小野寺五典:日本は単独で平和を守り、維持することはできない。従って、平和を維持する目的のために、私たちはアメリカとの同盟関係を深化させている。同誌に他国との友好関係を強化している。

 

 アメリカとの間には安全保障条約があり、アメリカは日本を日本とともに共同防衛する責任を負っている。

 

 その前提条件として、当然のことながら、日本の自衛隊は日本を防衛しなくてはならない。しかし、現在の法制上では、日本の自衛隊は日本を防衛するアメリカ海軍に対して十分な防衛を与えることはできない。

 

 実際、アメリカ海軍の船舶が攻撃されたとして、公海上でこの船舶を防衛することは集団的自衛権の行動であると見なされるであろう。

 

 そして、ある国がアメリカを攻撃し、日本の領空城を越えてアメリカに向けてミサイルを発射した場合、現在の法制上では、このミサイルに対して日本は反撃を加えることはできない。

 

 アメリカ海軍の船舶に対する攻撃が日本の安全保障に重大な結果をもたらすような場合にのみ、日本は集団的自衛権を行使することになるだろう。こうした制限された条件と状況の下でのみ、だ。

 

フォーリン・ポリシー誌:6月14日、私は国会の外に多くの人々が集まり、安倍晋三首相と彼の憲法改正計画に抗議している様子を見た。アメリカ政府は日本政府がこの憲法再解釈計画を可決できないのではないかと考えるべきだろうか?

 

小野寺五典:この法案がある程度の時期を経て可決されることに何の問題もないと私は考えている。安倍首相が述べているように、この夏までに法案が可決されると私は確信している。遅くとも8月末までには可決される見込みだ。しかし、もしかしたら9月にまでずれ込む可能性もある。

 

フォーリン・ポリシー誌:日本が憲法改正に成功すれば、日本は中東地域においてアメリカを助けることが出来ると言えるか?

 

小野寺五典:憲法の再解釈によって、アメリカの中東での活動を日本が実質的に助けることが出来るようになると考えない方が良い。

 

フォーリン・ポリシー誌:外交儀礼として、日本政府は中国政府に対して憲法改正について連絡をしているのか?

 

小野寺五典:外交レヴェルで、日本政府は近隣諸国に説明をしており、その中には中国も含まれていると聞いている。

 

フォーリン・ポリシー誌:現在の日中関係は冷戦状態、もしくは冷戦状態に入る危険性を持っていると考えるか?

 

小野寺五典:その答えはノーだ。私は現在の状況を冷戦状態とは言えないと思う。しかし、日本だけではなく、他の複数の東南アジア諸国も中国の行動を注意深く監視している。

 

フォーリン・ポリシー誌:中国は「平和的な台頭」と「協調的な社会」を主張しているが、他の近隣諸国は中国を信用していると思うか?日本政府は中国を信用しているのか?

 

小野寺五典:他の近隣諸国も日本も中国を信用してはいないと思う。しかしながら、どの国も経済面においては中国と友好関係を築きたいと考えていると思う。

 

フォーリン・ポリシー誌:2013年9月に私たちは話し合ったが、それ以降、尖閣諸島を巡る状況は悪化しているのか、それとも改善しているのか?

 

小野寺五典:あの時点以降、何も変わっていない。中国の一般の船舶が複数回日本の領海内に入ってきてはいるが、中国海軍との間で事件は起きていない。

 

フォーリン・ポリシー誌:日本は現在、尖閣諸島のパトロールにドローンを使用しているか?

 

小野寺五典:最近、調査と監視を目的として普通の飛行機を使用している。現在のところ、日本が尖閣諸島のパトロールのためにドローンを使う計画を持っていないと思う。

 

 しかし、日本はドローンを有効に使用する意図は持っている。現在アメリカが使用している「グローバル・ホーク」を将来は導入することになるだろう。グローバル・ホークはより広い地域の調査とパトロールを行う際に有効である。

 

フォーリン・ポリシー誌:現在、中国は尖閣諸島のパトロールでドローンを使用しているのか?

 

小野寺五典:そうした動きが起きているというサインがあると私は聞いている。しかし、詳細については聞いていない。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、安倍首相訪米に関する記事を2本ご紹介します。1本目は「明確な謝罪」がないことへの批判、2本目は肯定的な評価がなされています。是非読み比べてみていただきたいと思います。1つ言えることは、日本はアメリカの従属国として、アメリカに移行に従って生きていかねばならないということは70年経っても全く変化していないという事実です。

 

 2020年の東京オリンピックの開会式でも安倍首相を見るのかと思うと、「やれやれ」と思ってしまいますね。その前に、オリンピックが無事に開催されるような国際情勢なのかどうか、不安がありますが。

 

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安倍晋三の残念な謝罪(Shinzo Abe’s Sorry Apology

―日本の安倍晋三首相は日本の犯した罪に対してきちんとした謝罪をする必要がある

 

スンユン・リー、ザック・ルジスタップ筆

2015年5月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2015/05/01/japan-shinzo-abe-sorry-apologies/

 

 それは勝利のウイニングランになるはずであった。日本の安倍晋三首相は4月末にアメリカを訪問し、戦後の日米関係の大きな成功を示すことが出来るはずであった。より緊密な軍事同盟の確認、環太平洋経済協力協定(TPP)の促進、連邦上下両院合同の場での安倍首相の演説(日本の首相として初めて)といったことが予定されていた。日米二カ国間の防衛ガイドラインによって、アジア太平洋地域を超えて、アメリカ主導の軍事作戦に日本が参加できるなり、より説教的な役割を果たせるようにもなった。歴史的な演説の中で、安倍首相はTPPの長期的な戦略的な価値を強調することに力を注いだ。

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 しかし、安倍訪米はバラク・オバマ大統領と政権にとってイライラの種となっていくだろう。それは、安倍首相が20世紀の前半でアジア諸国に対して犯した日本の戦争犯罪について言及を避けたり、言葉を濁したりしたことが原因となる。日本の帝国主義の被害者となった韓国と中国の多くの人々は、安倍首相の議会演説に注意を払っていたが、安倍首相は「植民地支配」「侵略」「心からの謝罪」といった言葉を使わないように汲々としていた。歴代の日本の首相の謝罪ではこうした言葉が重要であった。安倍首相は、醜い言葉である「慰安婦」として知られる、日本に性的な奴隷労働を強制された数多くの女性たちのことに言及しなかった。安倍首相の演説に対する各国の公式な反応は、「大変に遺憾」(ソウル)、日本の「侵略の歴史」を反映した警告を発する(北京)、安倍首相と彼の支持者たちは「フーリガンであり、サイコパスだ」(ピョンヤン)であった。

 

 安倍首相の進める最近の歴史修正主義は、ワシントン―東京―ソウルの三国間の関係を損ねるし、関係悪化をピョンヤンと北京に利用されるだろう。日本と韓国という2つのアメリカに従属する民主国家は北朝鮮とその保護国である中国と対峙するために協力してきた。一方で、両国は日本の歴史の逆行によって仲違いしている。韓国が実効支配している竹島(独島)を巡る攻撃的な主張を日本が強めており、これによって対立は深まっている。組織的な戦争犯罪について許容するために、安倍首相は韓国政府を更に遠ざけ、中国政府の宣伝に利用されている。その結果として、アメリカ政府にとって戦略上の問題になってしまう。これは冷戦後の日本の歴代首相はしなかったことだ。

 

 残念なことだが、安倍首相が行った無礼な行為はこれが初めてではない、2012年12月に首相になって以来、安倍氏は論争の的になっている靖国神社を訪問し、供物を捧げている。また、1993年に日本政府が発表した、「慰安婦」問題に対する声明を再検討するように政府の特別委員会に命じている。また日本の新聞『朝日新聞』が1980年代から90年代かけて発表した強制的な性的な奴隷労働に関する一連の記事を撤回したことに対して執拗に攻撃を加えている。それは慰安婦システムの強制性を否定するためだ。安倍首相は特別施設をニューヨークに派遣し、1996年に国連が発表した、戦時中の売春に関する人権報告書の一部を撤回することを求めたし、アメリカの教科書出版社大手のマグロウ=ヒル・エドゥケイション社に対して「慰安婦」に関連する段落の見直しをするように説得しようと試みた。

 

 2015年3月、安倍首相は『ワシントン・ポスト』紙とのインタヴューで自身の考えを明らかにした。インタヴュアーが安倍首相に対して貴方は「歴史修正主義者」かと質問したところ、安倍首相は「慰安婦についての質問について答えると、私は慰安婦となった方々に同情している。そうした人々は人身売買の犠牲となり、計り知れない苦痛と表現できないほどの苦しみを味わった。そのことに関して私の胸は痛む」。

 

 この安倍首相の同情を示す声明においては、文法学者に質問するまでもなく、誰が実際に人身売買を行ったのか、その主体が抜け落ちていることは明らかだ。また、論理学者に聞くまでもなく、安倍首相は「慰安婦」を人身売買の犠牲者だと位置付けているが、日本の性的な奴隷労働システムが女性たちを犠牲にしたことは明言していない。論理をおざなりにし、過失を否定することで読者たちは安倍首相の心の痛みだけしか印象に残らない。

 

 この安倍首相の姿勢はオバマ大統領の姿勢とは全く異なるものである。それでも安倍首相は彼の攻撃的な姿勢を崩さない。2014年4月、オバマ大統領は日本軍の性的な奴隷労働について、「恐るべき、言語道断な人権侵害」と呼んだ。2015年3月、安倍首相は自国の立場を「平和に対する積極的な貢献者」としながら、「これまでの歴史において、多くの戦争が起きた。その中で、女性たちは常に権利を侵害されてきた」と述べた。君が悪いほどの一貫性をもって、この曖昧な戦争における女性の人権に対する懸念(中身がはっきりしない)は安倍首相の議会演説でも再び姿を現した。

 

 安倍首相の謝罪を行わない態度は韓国政府を苛立させるだけであろう。韓国の朴槿惠大統領は北朝鮮の最高指導者金正恩と無条件で会談したいという希望を明らかにしているが、日本の安倍首相に対しては慰安婦問題に関して直接言及した後でという条件を付けている。米日韓の離間によって、北朝鮮は今年10月に迎える朝鮮労働党創設70周年で挑発的な態度を取っても大丈夫だと考えるだろう。朝鮮労働党は抗日を強調した物語の上に成り立っている政党である。また米日間の不協和音を利用して、中国は東シナ海でより積極的な態度を取るであろう。東シナ海には日本が実効支配している尖閣諸島(中国名は魚釣島で中国が領有を主張している)があり、これが日米同盟の有効性をテストする存在になっている。自責の念を表明しない日本政府によって、日本の戦時中の残虐行為と人々の精神的な傷は癒されることはない。そして、北朝鮮と中国は日本と仲違いをしている韓国を仲間に引き入れて、一緒になって日本に対峙しようとして、アメリカ政府を狼狽させるかもしれない。

 

 2015年8月15日に安倍首相による次の重要な演説が行われる。これは日本の降伏70年に関するものとなる。この演説に関して、オバマ政権は道徳的、外交的な面でのテストを行うべきだ。オバマ政権は安倍首相に対して、一般市民の虐殺や強制された性的な奴隷労働のような残虐行為を含む日本の戦争犯罪についての謝罪を明確に行うように主張すべきだ。また、事実を隠蔽し、受け身の言葉遣いを使うことで、これまでの政府を堅持するといういつもの常套句を繰り返さないように主張すべきだ。

 

 更に言えば、安倍首相は、生存している性的な奴隷労働の犠牲者たちに対して補償を行うことで自身の言葉に信頼性を与えるべきだ。安倍首相は第一線の日本人、韓国人、中国人の学者たちによって構成される歴史問題についてのワーキンググループを発足させ、韓国と中国と歴史研究を共同して行うべきだ。このような試みは実を結ぶまでに時間を要するだろうが、広報外交は進歩を証明することが出来る分野の一つである。

 

中国は日本の戦時中の残虐行為を政治的に利用しようしたいという誘惑に抵抗すべきだ。韓国の朴大統領も共通の安全保障問題について柔軟性を見せ、安倍首相と直接やり取りをすべきだ。北朝鮮が核兵器を増強することは日韓両国にとって共通の安全保障上の脅威である。朴大統領の父、朴正煕元大統領は、韓国全体で反対されたにもかかわらず、1965年に日本との関係を正常化した。彼女の父朴正煕は権威主義的な指導者で、世論をコントロールする手段を持っていた。朴大統領は北朝鮮の脅威に対処するためには日本は暗黙の同盟国であるという認識を持っているだろうが、そのことを曖昧にすべきではない。


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 北朝鮮に対抗するために韓国と協力し、中国に軍事力増強の口実を与えないようにすることは、日本にとって敗戦70年の節目の年にとって意義深いことになるであろう。世界から平和に対する積極的な貢献者として歓迎されるためには、安倍首相は過去の犯罪に対して適切な反省をまず見せる必要がある。

 

(終わり)

 

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アメリカと日本にとっての新しい夜明け(A New Dawn for the U.S. and Japan

―安倍首相の訪米は日本の安全保障政策の大転換を完成させる

 

K・ジャック・ライリー、スコット・W・ハロルド筆

2015年4月29日

ランド研究所

http://www.usnews.com/opinion/blogs/world-report/2015/04/29/shinzo-abe-visit-caps-new-dawn-in-us-japan-relations

 

 日本の安倍晋三首相による水曜日の議会演説は日本の安全保障政策の大転換を完成させ、第二次世界大戦終結後の日米関係にとっての重要な転換となった。第二次世界大戦後、勝利者であるアメリカは敗れた大日本帝国に対して平和憲法を押し付けた。

                                                                                                          

 1947年の公布から2014年まで、日本国憲法第9条について、日本の歴代政権は、「外部の脅威に対して“防衛”を行う事態以外に軍事力を使うことを禁止されている」と解釈してきた。しかし、2014年7月以降、安倍政権は日本国憲法第9条の再解釈を行い、日本の防衛の定義を拡大し、「集団的自衛権(collective self-defense)」を認めた。

 

 集団的自衛権へと向かう転換によって、日本は同盟諸国との共同軍事行動に参加できるようになる。たとえ自国が直接攻撃を受けていなくても、それはつまり、自国の地理上の国境を越えて安全保障手段を取ることが出来るのである。このことを安倍首相は「積極的平和井主義(proactive pacifism)」と表現している。今週の安倍首相のワシントン訪問は、アメリカとの二国間の安全保障同盟関係の強化を意図したものだ。一方で貿易協定である環太平洋経済協力協定(TPP)を推進する目的もあった。

 

 日本の新しい防衛政策の輪郭は少なくとも安倍首相が退任するまでは有効となるであろう。専門家の多くは、安倍首相は2020年の東京オリンピックまで続き、世界中からの選手たちを歓迎するまで続くのではないかと見ている。

 

 安全保障の変化によって何が起きるだろうか?確実に起こりそうなのは、アメリカ、日本、オーストラリア、インド、そして、韓国、フィリピン、その他の友好諸国の間でのアジア太平洋における安全保障戦略の協調である。今年初めに日本で開催されたおよそ100名の防衛と外交に携わる政府高官たちが参加した会議で、日本の指導者たちがアジア太平洋地域において、アメリカと日本の影響力が小さくなり、中国が将来支配することになるかもしれないというシナリオを退け、民主政治体制、自由市場、そして法の支配を発展させようと強く決心していることを知り、感銘を受けた。

 

 その他のいくつかの分野でも協力が強化されるという魅力的な未来が予見されている。

 

・人道支援と災害復興支援。アメリカと日本は、最近のネパールでの地震のような自然災害と人道に関する危機に対する対応にまで日米同盟の役割を拡大し始めるだろう。近隣諸国に対してより大きな支援と救済を届けるために軍事的な資産を利用することで、日本は自国の領海や領空の外での作戦行動の経験を積むことが出来るだろう。そして、近隣諸国の友好を構築できるだろう。このような作戦はまた、同盟諸国の作戦に対して平坦の部分で貢献してきた日本の伝統的な役割に即したものでもある。

 

・宇宙とサイバー空間の安全保障の協力。日本は技術的なノウハウと宇宙開発と調査における産業基盤を獲得している。その中には衛星技術とイメージシステムが含まれている。同盟諸国のサイバー空間での安全保障が改善されることで、同盟諸国間の抑止力と防衛に関する姿勢の違いは埋められていくであろう。

 

・情報・諜報収集。日本の防衛役割は拡大し続けており、そのためにより強力な国家情報・諜報インフラを構築され始めている。情報・諜報収集分析能力は拡大しているが、それによって日本は同盟の中でより平等な役割を果たせるようになり、アジア・太平洋地域内の動向、脅威、機会についてのより良い評価を行うことに貢献できるようになるだろう。

 

•防衛機材調達マネイジメント。日本の主要な武器システムの調達能力は改善されている。こうした変化によって、防衛産業の分野でアメリカと日本はより緊密に協力することが出来るようになるだろう。アメリカの経験と日本のハイテクが融合することで輝かしい未来が約束されている。

 

・武器輸出、セールスと移転。防衛機材の日本からの移転はフィリピンやヴェトナムのような国々の防衛能力と同盟国としての能力を向上させ続けている。フィリピンやヴェトナムのような国々は南シナ海における中国の領土拡張の試みに対して懸念を持っている。日本はまた、イギリスやフランスとの間で防衛産業間の協力を強化することで合意している。インドは日本の潜水艦技術に対する関心を表明している。オーストラリアは、日本の潜水艦に対する関心を隠そうともしていない。彼らは日本製の潜水艦の購入者第一号となるかもしれない。アジア太平洋地域の友好諸国に対する防衛機材のセールスと移転によって、日本は自国の防衛産業をコストパフォーマンスの良い産業に近代化することが出来るだろう。

 

 これらの分野ではこれからの数年でいくつかの進展が見られることだろう。これらの分野での進展は日本の防衛改革に取り組みにとっての真のテストとなるだろう。アシュトン・カーター米国防長官は、日本の新しい安全保障政策は日米の二国間同盟を「変化」させ、世界規模で日米の「協力」を促進させるだろうと述べた。そのような日が実際にやってくるなど、第二次世界大戦後の日本国憲法の制度設計を行ったアメリカ人たちは全く想像できなかっただろう。しかし、日本は、彼らの想定した通りの、平和的、民主的、自由な法治国家で、自由を基調とする国際秩序を支援する国であり続けるだろう。

 

(終わり)









 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 本日午前中、マーク・リッパート駐韓米大使が剃刀を持った男に襲撃され、負傷しました。幸い命に別状はないようですが、剃刀で切りつけられ、かなりの傷を負ってしまったそうです。まずはリッパート大使の一日も早い回復をお祈りします。

 

 今回の事件は、最近国務省の高官(ウェンディ・シャーマン国務次官)が日中韓関係について、歴史認識を巡り、日本よりともとれる発言をしたことによって、韓国国内で反発が出ていたことと関連して報じられています。

 

 確かにそのような面もあるでしょう。リッパート大使を襲った男性は、北朝鮮にシンパシーを持ち、「独島(竹島)を戦争訓練の場にしてはいけない」と叫んでいたそうです。かなり反米的な人物であったようです。

 

 私は今回の事件はかなり仕組まれたものだと感じています。まず、ウェンディ・シャーマン国務次官ですが、ヒラリー・クリントン前国務長官系の人物です。クリントン政権で国務次官補(ウォーレン・クリストファー国務長官の下)を務め、その後、マデリーン・オルブライト国務長官時代には、参事官を務めました。参事官とは長官の相談役として政策企画・立案に携わるポジションです。その後、2008年の大統領選挙では、ヒラリー・クリントン陣営のスタッフを務めていた人物です。

 

 一方、マーク・リッパートは、オバマ大統領が連邦上院議員時代に外交製作スタッフを務め、政権移行ティームにも参加しています。オバマ大統領はイラク戦争反対で名前を上げたのですが、そのお膳立てをしたのがリッパートです。その後、国家安全保障会議の

首席スタッフ、アジア担当の国防次官補、チャック・ヘーゲル国防長官の首席スタッフを務めた、オバマ大統領の側近です。

 

 シャーマン国務次官の発言は、現在、蜜月関係にあるオバマ政権と朴クネ政権との間に水を差すようなものです。そうした発言を敢えてしたことがまず解せません。そして、このシャーマンとリッパートは、現在、アメリカを二分しているヒラリー系(反オバマ)とオバマ系にそれぞれ属している人物たちです。また、3月3日行われたベンヤミン・ネタニヤフ首相のアメリカ連邦議会での演説で、わざわざ北朝鮮についての言及がありました。更には、新任のトニー・ブリンケン国務副長官(ジョー・バイデン副大統領の側近)が最初の外交訪問先として日中韓を選び、2015年2月中旬にそれぞれを訪問した後に、シャーマン国務次官補の発言が出ました。

 

 以上のことから、今回のリッパート大使襲撃は、ヒラリー系のネオコン・人道主義的介入派による使嗾があったと私は考えます。2014年12月にホワイトハウスとCIA、国務省で人事異動がありました。アジアに強いオバマの側近であるアヴリル・ヘインズが大統領国家安全保障問題担当次席補佐官に就任しました。確証はありませんが、私は、ヘインズとリッパートが、ヒラリー系の牙城である国務省を抜きにして、キューバと同じように、北朝鮮と直接秘密交渉をしているのではないかと思います。そのようなことをされては困るということでの「牽制」の意味もあったと思います。

 

 アメリカの2つのラインの対立はかなり激化していますが、このようにアジアにも飛び火してきました。「戦争なんてそんな馬鹿な」と思わるとは思いますが、用心するに越したことはないと私は考えます。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「韓国:リッパート駐韓米国大使 ソウルで襲われ顔など負傷」

 

毎日新聞 20150305日 0936分(最終更新 0305日 1558分)

http://mainichi.jp/select/news/20150305k0000e030150000c.html

 

 【ソウル澤田克己】米国のマーク・リッパート駐韓大使は5日朝、ソウル都心の世宗文化会館内で開かれた朝食会の会場で、果物ナイフ(全長25センチ)を持った男に襲われ、顔などを負傷した。大使は病院で治療を受けているが、生命に別条はないという。男は現場で取り押さえられ、警察が動機などを調べている。

 

 韓国で、米大使が襲われたのは初めて。韓国メディアによると、男は、テーブルに着いた大使を後ろから引きずり倒して切りつけた。取り押さえられた際、2日に韓国で始まった米韓合同軍事演習への反対などを叫んだという。

 

 男は、南北融和を重視する進歩派の市民団体代表(54)。竹島問題などで日本を非難する活動を熱心にしていたが、最近は、対米非難に重心を移していた。2010年7月には、ソウル市内で講演した重家俊範駐韓大使(当時)に石を投げつけ、外国使節に対する暴行の罪で懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受けている。また、07年には、青瓦台(大統領府)前で焼身自殺を図ったこともある。

 

 韓国では最近、日中韓の対立状況に苦言を呈したシャーマン米国務次官の発言に対して「日本の肩を持つ内容だった」という反発が広がり、在韓米大使館近くで抗議集会が開かれていた。

 

 リッパート大使は、オバマ米大統領の側近。国防次官補(アジア・太平洋担当)などを経て、昨年10月に着任した。日本や韓国などアジアの安全保障政策に精通している。

 

 中東を訪問中の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、事件について「韓米同盟に対する攻撃だ」と語り、徹底的な捜査を指示した。

 

          ◇

 

 【ワシントン西田進一郎】米国務省は4日夜、リッパート駐韓米国大使襲撃について「暴力行為を強く非難する」とのハーフ副報道官の緊急声明を発表した。大使は地元の病院で治療を受けているが、命に別条はないという。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)








 

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