古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:香港

 古村治彦です。

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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界hongkongmap001

 2019年7月29日の昼過ぎに香港に向かった。香港では香港島西部にある地下鉄の西営盤駅近くのホテルに投宿した。何となくだが深圳から香港に移ると少しホッとするところがある。ホテルにはスマホが置かれており、ご自由にお使いください、とあった。このスマホを使ってもいいし、自分のスマホのためのwi-fiにも使えた。
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 香港では通常の観光もそこそこにデモが行われていた場所に向かった。香港島の中心部にある中環(Central、セントラル)から金鐘(Admiralty、アドミラルティ)にかけては金融街で世界各国の銀行や証券会社が支社を置いている。従って、欧米からの駐在員たちも多くおり、デモ隊はここを中心にしてデモをしていた。香港大学からも地下鉄ですぐに行けるということも利点であり、世界各国のメディアに注目を集めることができるという計算もあったようだ。また、香港の立法院や中国人民解放軍の本部も置かれている。
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立法院
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中国人民解放軍本部
 私たちが香港に滞在した7月末の段階では、デモが過激化する前
で、まだまだ落ち着いていた。ただ、街のあちこちに8月5日にジェネラル・ストライキを行おうという呼びかけのポスターやチラシが貼ってあった。デモがこれから過激化していくだろうと考えられた。
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上から読んでも横から読んでも香港と加油(頑張れ)

 ホテルでシンガポールのテレビ局のニュースを見ていたら(英語での放送なので分かりやすい)、香港の地下鉄でのデモ隊と警察の衝突について放映されていた。地下鉄が動かない、プラットフォームには乗客があふれかえっていた。市民へのインタヴューで、ある男性は本を片手に「今日は本を読みたいと思っていたので、ゆっくり本を読んでいる」と答えて、間接的にデモを支持する発言をしていた。しかし、もちろん怒っている人たちもいた。

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 デモに関する落書きには「Be Water(水のようになれ)」という言葉が散見された。これは、香港が生んだ映画界のレジェンドであるブルース・リーの言葉だ。水は変幻自在に形を変える。静かな時は鏡のようにもなるし、荒れ狂う時には大地を削り、生物の命を奪う。戦国武将の斎藤道三の旗印も水であったことはよく知られている。ブルース・リーは今でも香港の人々に親しまれているということが分かるし、逆にブルース・リーよりも更に香港映画を世界に広めたジャッキー・チェンは大陸側にすり寄ってすっかり人気がなくなっているということが推察される。
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 デモに関しての私見を述べる。中国は外国から食い物にされてきた苦い歴史がある。アヘン戦争(1840―1842年)とその後の南京条約(1842年)によって国の一部が外国の植民地となり、国の富が吸い取られるという苦難を味わった。私は毛沢東が中国共産党を率いて日中戦争、国共内戦を戦い勝利できたのは、彼が自主独立(外国勢力に頼らない)ということを訴えたからだと思う(実態はアメリカからの支援で勝利をした訳だが)。外国からの支援、武器や資金の援助を受けてしまえば、その外国の意向を無視できない。中国の近代化のために、外国に頼ろうとした人たちは最終的にはうまくいかなった。これを敷衍すれば、香港の学生デモは外国に頼ろうとしている時点で、多くの中国人からの支持を得られないのではないかと私は思う。

 観光はそこそこにと決めていたが、九龍半島に渡り、リッツカールトンホテルに行って、香港市街を眺めながら、紅茶を飲んだ。シンガポールのTWGの紅茶が出され、大変においしかった。100階からの眺めも素晴らしかった。
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 リッツカールトンホテルの下に、中国の高速鉄道の駅である香港西九龍駅がある。この西九龍駅からは中国各地に向けての高速鉄道が出ている。
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 中国のホテルではフロントでも英語が通じにくかったが、香港のホテルはさすがにどこでも英語は通じた。しかし、香港市街の小さな食堂やコンビニでは英語が通じないことが多かった。これは意外であった。

 また、香港では反大陸、反中国中央政府、反中国共産党の気風が強いようだと感じた。大陸側ではウイチャットペイとアリペイでの決済が既に支配的であるのに、香港では今でも現金が通じた。ある人に聞いたら、大陸で使われているようなものを遣えるかという意識が香港の人々の間にあるらしい。また、中国語(普通語)を話すのも疎まれるようだ。同行したK氏(日本人)がタクシーやレストランで話すと、「あなたは外国人なんだから下手でも片言でも英語を使った方が良い、変に中国語を使うべきではない」と忠告されたということだ。中年以上は広東語を話しており、中国語は下手だということだ。抑揚や発音がうまくないのだそうだ。それでも若い人たちは学校教育を通じて普通語を話せるようになっているようだ。

 「場(トポス)」としての香港についての報告としては小川さやか『チョンキンマンションのボスは知っている: アングラ経済の人類学』が興味深い。

 深圳と香港に行き、日本にはない活力を感じた。「最前線」にいるという感覚は日本では感じることはない。この感覚を味わうだけでも中国を訪問する意義はある。日本は閉鎖された沈みゆく船だ。そのことに気づかされる。それだけでも大きな収穫となる。

 

 以下に、『全体主義中国がアメリカを打ち倒すーディストピアに向かう世界』のまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。是非お読みください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

まえがき   副島隆彦

 

中国は表紙に打ち込んだとおり明らかに全 トータリタリアニズム 体主義国家である。

その別名が「共産中国(きょうさんちゅうごく)」である。みんなに嫌われるはずだ。だが、今後、世界中がどんどん中国のようになる。

 

世界中のすべての国が、中国化するのである。その代表的な具体例かつ証拠は、監視カメラ(CCTV [シーシーティブイ]。今はコミュニティ・サーキットTV[ティビー]と呼ぶ)が、街中のあらゆるところに取り付けられていることだ。アメリカも、ヨーロッパも、日本だって監視カメラだらけの国になっている。

 

中国では監視カメラによる民衆の動きの把握のことを 天 てんもう 網(ティエン・ワン)と言う。「天網恢恢疎にして漏らさず」の天網である。

私は最近、中国に香港から入って 深圳(しんせん)に行った。この中国のITハイテクの最先端の都市を調査してきた。あれこれもの凄(すご)い発展ぶりだなと、思った。それを後(あと)の方で報告する。中国にまったく行きもしないで、中国の悪口ばかり言っている(書いている)人たちは、お願いですから、せめて北京と上海に行ってください。安いホテル代込み10万円で行けます。エクスペディアなどネットで安くで予約するといい。

 中国は国民の生活を監視している国になってしまっている。もうすぐ監視カメラが中国全土に 6 億台取り付けられるそうだ。中国国民14億人の2人に1台の割合だ。まさか個人の家の中までは取り付けられないだろうが、それだって分からない。中国のすべての都市の街路には、既に付いている。

 ところが、これらの中国製の監視カメラ会社に、最初に技術を開発して売ったのは、日本の大手電機会社である。ニコンとキヤノンとパナソニックとソニーが、この公共空間のカメラの技術を一番先に開発した。日本がいまもドイツ(カールツァイスとライカ)にも負けないで、世界一の技術力を誇っているのは、この分野である。専門技術でいえば、フィルムとフィルターとレンズの技術である。ハッセルブラッド社(スウェーデン)は、DJI(中国のドローンの最大手)が買収した。

 あとのほうで載せるが(P61)、キヤノンの御手洗富士夫(みたらいふじお)会長の発言で、「キヤノンは監視カメラで未来を切り開く」と最近堂々と日経新聞に出ていた。

 中国だけが国民を徹底的に監視しようとしている国家なのではない。米、欧、日の先進国も監視国家だ。それに続く新興国も、「国民を監視する国家」になっていくのである。すなわち中国が先導して、他の国々もそれに追随する。これからの人類がたどるのは、このディストピア(幻滅の国。絶望郷[ぜつぼうきょう] 。監視国家)への道である。中国だけがますますひどい国になるのではない。ディストピア(dystopia)はユートピア(utopia、理想郷[りそうきょう])の反対語(アントニム)である。 

 人類が自分の未来を、盲目的、直線的かつ貪欲に突き進む結果、世界はこのあと、いよいよ中国のようになっていく。中国の悪口を言っていればいいのではない。

 国民生活が、権力者や支配者によって徹底的に監視され、統制される政治体制のことを全体主義(totalitarianism トーリタリアニズム)という。この全体主義という言葉を広めたのはドイツ人の女性思想家のハンナ・アーレン人である。彼女が、1951年に書いた『全体主義の起源』で、ソビエト体制を批判した時に使われた言葉である。このコトバの生みの親は、イタリア知識人のジョバンニ・アメンドラである。

 世界がやがて中国のようになっていく、という課題は、私が急に言い出したことではない。すでに感覚の鋭い言論人や知識人たちによって「世界は中国化する」という本も出ている

 もう 20 年前からイギリスのロンドンは、すべての街 ストリート 路に監視カメラが設置されていたことで有名だ。今の日本も主要な生活道路のほとんどにまで、監視カメラが設置されている。このことを日本国民は知らされていない。新宿や池袋のような繁華街だけが、カメラで監視されているのではない。 

 民衆の往来、行き来を、政府や取り締まり当局(警察)がずっと撮影して、画像を保存している国が立派な国であるはずがない。だが、どこの国の警察官僚も、必ずこういうことをやる。官僚(上級公務員)というのは、本性(ほんせい)からしてそういう連中だ。

 これは人類にとっては悲しむべき間違った方向である。科学技術(テクノロジー)の進歩が、コンピューターや通信機器(スマホ他)の異常な発達とともに、こういう監視技術を最高度に発達させた。この監視システムを維持するために、一体どれほどの警察公務員が新たに採用され続けているかについて、誰も関心を払わない。

 それにしても、全 トータリタリアニズム 体主義は強いなあ。世界大恐慌が襲いかかったとき、中国はシャッタード・アイランド(バターンと金融市場を閉じる)ので、ビクともしない。

=====

目次

まえがき 3

 

第1章 中国のディストピア化を追いかける世界

中国は巨大成長したという事実は否定できない 18

世界の知識人が描いてきたディストピア像 22

左右のどっちからも嫌われるのが一番いい 30

全体主義中国を徹底的に叩く 33

ディストピア映画の歴史的系譜 40

 

第2章 貿易戦争から金融戦争へと移り変わった

〝卑屈〟なテンセントが金融戦争に勝利する 52

銀行消滅とCCTV 59

銀行の別名は「信用」 69

アリババはNY市場から締め出されるのか? 70

中国のネット世代と実質的なデモクラシー 75

ファーウェイはアメリカのいじめに負けなかった 82

アメリカと中国の睨み合いは続く 87

中国人は国有企業が嫌い、民間企業大好き 90

半導体製造の切り札、紫光集団 96

 

第3章 中国は最早アメリカとの力相撲を恐れない

中国の技術泥棒を引っ張った「千人計画」 104

結局中国を一致団結させてしまったアメリカのミス 109

米中IT戦争と日本の半導体潰しの意外な共通点 112

サムスンを育てたのはインテル 117

新たな火種となったレアアース 120

 

第4章 中国にすり寄る 韓国、北朝鮮と台湾を巡るつばぜり合い

北朝鮮と韓国による「高麗連邦」の誕生 130

GSOMIA破棄問題で嫌韓が高まった本当の意味 132

アメリカが韓国を切ったのではなく、韓国がアメリカを切った 135

香港問題は台湾問題である 139

2020台湾総統選とテリー・ゴウの動き 142

韓国瑜はアメリカの回し者だった 145

中国は民主化するのか? 150

台湾の中国化とシーレーン問題 152

中国人はヒラリー・クリントンのことが大嫌い 154

もうアメリカの圧力などなくなってしまった 160

警戒の目はファーウェイの海底ケーブルに 164

 

第5章 中国の膨張を招き込んだアメリカの弱体化

腰砕けとなったペンス副大統領 170

「外国にいる米軍の兵隊たちは国に帰って、ゆっくり休め」 174

米中貿易戦争は、今年中に表面上は静かになる 177

イレイン・チャオはチャイナ・ロビー代表で政権ナンバー 3 180

EVの天下を取る中国にひれ伏すマスク 187

 

第6章 アフリカと中央アジアに広がる チャイナネットワーク

アフリカの一帯一路戦略 204

次の世界の中心は中央アジアになる 213

中国はアメリカからアフガンを任された 219

 

第7章 ディストピア中国の不穏な未来

新疆ウイグル問題の真実 224

私は見た、深圳の現実を 236

華強北と中国のジャイアント・ベイビーたち 238

ドローンの恐るべきパワー 248

デジタル人民元の脅威 250

 

あとがき 252

=====

あとがき   副島隆彦

 

この本『全体主義(トータリリアニズム)の中国がアメリカを打ち倒す││ディストピアに向かう世界』は、世界最大の牢獄国家、中国についての、私の 11 冊目の本である。

英文の書名は、“Totalitarian China will finish of America(トータリタリアン・チャイナ・ウィル・フィニッシュ・オフ・アメリカ)”である。このfinish off(フィニッシュ・オフ)という動詞は、「とどめを刺す、息の根をとめる」という強い意味だ。

 

『あと 5 年で中国が世界を制覇する』(2009年刊)という本も、私は書いている。この本は反共(はんきょう)右翼の人々から激しく嫌われた。「何を言うか。中国は暴動が起きて、中国共産党は潰(つぶ)れるのだ」と、彼らは、私の本に最大限の悪罵(あくば)を投げた。それで、現実の世界の動きは、その後どうですか。

 

人も国家も、より強い者に虐(いじ)められながら、這い上がってゆく途中は、善であり、正義である。より強い国の支配の下(もと)で、苦心惨憺(さんたん)しながら勝ち上がってゆく。

しかし、一旦(いったん)、勝者になったら正義[ジャスティス]justice)から 悪[イーヴォ]evil)に転化する。中国が、アメリカ合衆国を打ち負かして世界覇権(はけん)国(ヘジェモニック・ステイト)になったら、その時、巨大な悪[イーヴォ]evil)になるのである。それまであと5年だ。

人も国家も、そして企業も、2番手に付けて1番手(先頭、支配者[ガリバー])の真似をしながら必死で喰い下がっているときが、一番美しい。これまでの40年間(鄧小平[とうしょうへい]の「改革改放宣言」1978年12月18日。 40周年を中国は祝った)、私は、アメリカ帝国の後塵(こうじん)を拝しながら、蔑(さげす)まれながら、泥だらけの極貧(ごくひん)の中から、着実に勝ち上(のぼ)ってきた中国を頼もしく、美しいと思ってきた。

 

この11月20日に北京で、〝世界皇帝代理〞のヘンリー・キッシンジャーが心配した。これに対して、翌日即座に、習近平は、「心配しないで下さい。中国は世界覇権(hegemony、ヘジェモニー。ドイツ語ならヘゲモニー)を求めません(私たちは、これまでにいろいろ苦労して、人類史を学びましたから)」と発言した。

これが一番大きな処(ところ)から見た、今の世界だ。日本という小ぢんまりとした国で世界普遍価値(world values、ワールド・ヴァリューズ)を理解しようとして、私は、独立知識人として(本書第1章を参照のこと)、孤軍奮闘して来た。

 

 本書は書名が決まったのが11月11日。体調不良の中で、2週間で作り上げた。だが手抜きはない。いつもながらの全力投球だ。私の地獄の踏破行(とうはこう)に同行して、命懸けの鎖場(くさりば)にも付き合ってくれたビジネス社大森勇輝編集長に記して感謝します。

 

2019年12月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界

(終わり)

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 古村治彦です。 

 2019年7月27日から31日にかけて中国の深圳と香港を訪問した。副島隆彦先生の調査旅行に同行した。調査旅行の結果は『全体主義中国がアメリカを打ち倒すーディストピアに向かう世界』(副島隆彦著、ビジネス社、2019年12月21日)として結実した。私たちが訪問したのは地図の通りだ。

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『全体主義中国がアメリカを打ち倒す』から

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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界

 本のタイトルにあるディストピアとは技術が進み、生活全般が豊かに便利になるが、技術の進歩を利用して、政府や権力者が人々を監視したり、コントロールしたりする、一枚めくると非常に怖い世界ということになる。SF小説などのテーマとしてこれまで長く取り上げられている。ディストピア小説としては、ジョージ・オーウェルの『一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)』、アーサー・ケストラーの『真昼の暗黒 (岩波文庫)』、オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)』が挙げられる。

 私たちは2019年7月27日に日本を午前早くに出発し、昼頃に香港国際空港に到着した。空港では日本人で中国語が堪能のK氏と合流した。空港でK氏が予約していた自動車(運転手付き)に乗り、深圳に向かった。香港と深圳の間に広がる湾にかかっている深港西部通道を通り、数十分で深圳に到着した。香港からは鉄道でも深圳に向かうことができるが、自動車で深港西部通道を使った方が早く便利だそうだ。

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 昼過ぎに深圳西部にある地下鉄の后海駅近くのホテルに到着した。ホテルは日本からインターネットの予約サイトを使って予約したもので1泊1万円程度だったが、清潔で豪華な部屋に泊まることができた。夕方に近くの火鍋屋で食事を摂り、それからタクシーで深圳の電気街・「華強北(ファーチャンペイ)」に向かった。華強北は電気製品の卸や小売りをしている店が並んでいる場所だ。夜にかけてぶらぶらして、地下鉄を使ってホテルに帰った。

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 到着翌日の28日、私たちは運転手付きの自動車を雇って深圳を回った。まずは、ファーウェイ(華為技術、Huawei)の本社に向かった。ファーウェイの本社は深圳の北部に位置し、一つの街のように広大な地域を占めている。高い建物はない。なんでも高層ビルにしてエレベーターを使って上り下りをする、エレベーターを待つ時間がもったいないということで低層にしているという話だ。その一角にはファーウェイが経営するゲスト用のホテルまである。

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 ファーウェイの隣の街区には台湾のフォックスコン(鴻海科技集団、中国では富士康)の工場がある。近藤大介の『ファーウェイと米中5G戦争 (講談社+α新書)』によると、1980年代、ファーウェイの創業者・任正非(じんせいひ、Ren Zhengfei、1944年―、75歳)とフォックスコンの創業者・郭台銘(かく たいめい、Guo TaimingTerry Guo、1950年―、69歳)は、両者が30歳代の頃から知り合いで、1980年代から協力し合って会社を大きくしていったそうだ。
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 その後、深圳市内を回った。三和人力市場という場所には衝撃を受けた。ここは元々、日雇い労働者たちの街であり、日本語で言えば、ドヤとなる安価な簡易宿泊所が集まる場所だった。今では簡易宿泊所の1階にはコンピューターが所狭しと並べられて、インターネットゲーム(ネトゲ)ができるようになっている。それは何故かと言えば、全国から若者たちが集まって1日中インターネットゲームをしているからだ。簡易宿泊所(1泊数百円)に泊まりながら、ネトゲをしている。日本でも問題になった、ネトゲ廃人たちだ。
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 この街を歩き回っていると、この場所を取り仕切っているであろう中年女性が出て来て、私たちに「写真を撮るな、写真を撮るなら金を払え」と迫られて恐怖を感じた。インターネットゲームとゲームに耽溺する若者たちという人類の行き着く先が、地廻りが支配するような場所に存在している混沌が大変に印象的だった。
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 その後、テンセントや百度の本社を見て回り、また、福田地区にあるショッピングモールに向かった。ここには日本の無印良品が大型ショップとホテルを展開している。また、モールの中には日本食レストランを集めたフロアも設置されていた。こうして見ると、日本のソフトパワーというのも侮れないものがある。無印良品のショップには日本の商品が日本とほぼ同じ値段で売られていた。家族連れが楽しそうに歩いたり、ソファーに座っておしゃべりをしたりしていた。おしゃれな生活を総合的に提案という形なのだろう。このモールの駐車場や道路には高級外車がずらりと並んでいた。ここでのショッピングや食事を楽しむことが出来るのは金持ちに限られるだろう。

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 ホテルの近くにある地下鉄の駅周辺にある店で従業員募集のポスターが出ていた。そのいくつかを見てみると、普通のお店の従業員の賃金は月3000元前後のようだ。1元は15元から16元だから、日本円では5万円程度ということになる。店長クラスはその倍の6000元(約10万円)くらいだ。日本式のエステサロンだと店長は年間20万元(月1万6000元)と表示されていた。日本円だと300万円近くだ。
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 日本と比べて3分の1くらいだと言えるだろう。物価は中国の方が安いとは言え、大都市の深圳で月5万円で暮らすのは厳しい。福田地区のショッピングモールにある無印良品や日本食レストランで楽しむのは難しい。しかし、日本はこれからも給料が下がっていくことしか考えられないのに対し、中国はこれから伸びていくぞということを実感できるし、自分は自分の力で這い上がってやるという気概も強いので、若者たちは明るい。
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 私はスターバックスにも行ってみた。ここで驚いたのは、値段が日本と変わらないことだった。レシートの写真を見てもらえれば分かるが、アイスラテとトーストを頼んで55元、日本円で約800円だ。月5万円の給料でスターバックスに通うことは難しい。しかし、お客さんはこれから増えていくだろう。また、支払いの時に、現金を使ったのだが、店員がレジの下にある引き出しからビニールに包まれた現金を出してきて、面倒くさそうにお釣りを渡してきたことだ。中国本土ではスマホ決済が支配的になっており、アリペイ、ウィチャットペイという決済プラットフォームが利用されている。中国本土の銀行口座がなければ利用できず、外国人旅行者には利用できない。それなのに、旅行者である私たちが支払いをしようとすると面倒くさそうに取り扱われる。舌打ちをされる。中国国内に限定されているという点で、「ガラパゴスじゃないか」とも思うが、16億人が使うプラットフォームである。「大きすぎるガラパゴス」なのだ。

 2019年7月29日の午前中には再び電気街の「華強北」を訪問した。電気街を歩いてみて、日本の電機会社の存在下の低下を痛感した。私が20年前にアメリカに留学した際に、生活用品を整えるために地元の小売店「ベストバイ(Best Buy)」に向かった。この時には、テレビや冷蔵庫、掃除機などは日本の電機会社の製品が並んでいた。それが今では、何とも残念なことに日本の電機会社のロゴを見ることは少なかった。

 考えてみれば、スマートフォン(スマホ)に関しても日本は主役ではない。私たちがスマホに関して話題にする時、日本の家電メーカーの名前を口に出すことがあるだろうか。中国からはoppo(オッポ)や小米(シャオミー)といった聞き慣れない名前の会社が日本に展開しようとしている。格安で質の良いスマホを提供するということだ。日本が貧しくなっていること、かつ日本のモノづくりの地位の低下が示されている。前述の近藤氏が著書で述べているように、「日本は中国の下請け」となっているのだ。
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(続く)

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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界
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 古村治彦です。
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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『全体主義中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界』(副島隆彦著、ビジネス社、2019年12月)を紹介する。

 今回の副島先生の調査旅行には私も同行した。香港から深圳に入る行程だった。深圳では中国の更なる勃興を体感し、香港では激化以前のデモを経験した。深圳ではドヤ街のような三和人力市場にある官位宿泊所付きのネットカフェで、インターネットゲームに没頭する若者たち(日本語で言えばネットゲーム廃人・ネトゲ廃人)の姿には衝撃を受けた。
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 また、深圳の街中には、ファーウェイ(深圳に本社がある)の協力もあり、最新の監視カメラ網が張り巡らされ、市役所では住民のデータ管理に最新の技術が導入されている。私たちがタクシーに乗るとすぐに運転手がシートベルトを着用するに注意した。これは私たちの安全を気遣ってのことではない。街中に張り巡らされたカメラにシートベルトをしていないことがすぐに映る、自動車のナンバープレートがすぐに解析され、運転手がすぐに分かり、同時に罰金が科される(アリペイやウィチャットペイから引き落とされるという話がある)。

 副島隆彦先生の鋭い観察眼を通した中国の最新の分析がなされている。下にまえがき、目次、あとがきを貼り付ける。

(貼り付けはじめ)

まえがき   副島隆彦

中国は表紙に打ち込んだとおり明らかに全 トータリタリアニズム 体主義国家である。

その別名が「共産中国(きょうさんちゅうごく)」である。みんなに嫌われるはずだ。だが、今後、世界中がどんどん中国のようになる。

 

世界中のすべての国が、中国化するのである。その代表的な具体例かつ証拠は、監視カメラ(CCTV [シーシーティブイ]。今はコミュニティ・サーキットTV[ティビー]と呼ぶ)が、街中のあらゆるところに取り付けられていることだ。アメリカも、ヨーロッパも、日本だって監視カメラだらけの国になっている。

 

中国では監視カメラによる民衆の動きの把握のことを 天 てんもう 網(ティエン・ワン)と言う。「天網恢恢疎にして漏らさず」の天網である。

私は最近、中国に香港から入って 深圳(しんせん)に行った。この中国のITハイテクの最先端の都市を調査してきた。あれこれもの凄(すご)い発展ぶりだなと、思った。それを後(あと)の方で報告する。中国にまったく行きもしないで、中国の悪口ばかり言っている(書いている)人たちは、お願いですから、せめて北京と上海に行ってください。安いホテル代込み10万円で行けます。エクスペディアなどネットで安くで予約するといい。

 中国は国民の生活を監視している国になってしまっている。もうすぐ監視カメラが中国全土に 6 億台取り付けられるそうだ。中国国民14億人の2人に1台の割合だ。まさか個人の家の中までは取り付けられないだろうが、それだって分からない。中国のすべての都市の街路には、既に付いている。

 ところが、これらの中国製の監視カメラ会社に、最初に技術を開発して売ったのは、日本の大手電機会社である。ニコンとキヤノンとパナソニックとソニーが、この公共空間のカメラの技術を一番先に開発した。日本がいまもドイツ(カールツァイスとライカ)にも負けないで、世界一の技術力を誇っているのは、この分野である。専門技術でいえば、フィルムとフィルターとレンズの技術である。ハッセルブラッド社(スウェーデン)は、DJI(中国のドローンの最大手)が買収した。

 あとのほうで載せるが(P61)、キヤノンの御手洗富士夫(みたらいふじお)会長の発言で、「キヤノンは監視カメラで未来を切り開く」と最近堂々と日経新聞に出ていた。

 中国だけが国民を徹底的に監視しようとしている国家なのではない。米、欧、日の先進国も監視国家だ。それに続く新興国も、「国民を監視する国家」になっていくのである。すなわち中国が先導して、他の国々もそれに追随する。これからの人類がたどるのは、このディストピア(幻滅の国。絶望郷[ぜつぼうきょう] 。監視国家)への道である。中国だけがますますひどい国になるのではない。ディストピア(dystopia)はユートピア(utopia、理想郷[りそうきょう])の反対語(アントニム)である。 

 人類が自分の未来を、盲目的、直線的かつ貪欲に突き進む結果、世界はこのあと、いよいよ中国のようになっていく。中国の悪口を言っていればいいのではない。

 国民生活が、権力者や支配者によって徹底的に監視され、統制される政治体制のことを全体主義(totalitarianism トーリタリアニズム)という。この全体主義という言葉を広めたのはドイツ人の女性思想家のハンナ・アーレン人である。彼女が、1951年に書いた『全体主義の起源』で、ソビエト体制を批判した時に使われた言葉である。このコトバの生みの親は、イタリア知識人のジョバンニ・アメンドラである。

 世界がやがて中国のようになっていく、という課題は、私が急に言い出したことではない。すでに感覚の鋭い言論人や知識人たちによって「世界は中国化する」という本も出ている

 もう 20 年前からイギリスのロンドンは、すべての街 ストリート 路に監視カメラが設置されていたことで有名だ。今の日本も主要な生活道路のほとんどにまで、監視カメラが設置されている。このことを日本国民は知らされていない。新宿や池袋のような繁華街だけが、カメラで監視されているのではない。 

 民衆の往来、行き来を、政府や取り締まり当局(警察)がずっと撮影して、画像を保存している国が立派な国であるはずがない。だが、どこの国の警察官僚も、必ずこういうことをやる。官僚(上級公務員)というのは、本性(ほんせい)からしてそういう連中だ。

 これは人類にとっては悲しむべき間違った方向である。科学技術(テクノロジー)の進歩が、コンピューターや通信機器(スマホ他)の異常な発達とともに、こういう監視技術を最高度に発達させた。この監視システムを維持するために、一体どれほどの警察公務員が新たに採用され続けているかについて、誰も関心を払わない。

 それにしても、全 トータリタリアニズム 体主義は強いなあ。世界大恐慌が襲いかかったとき、中国はシャッタード・アイランド(バターンと金融市場を閉じる)ので、ビクともしない。

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目次

まえがき 3

 

第1章 中国のディストピア化を追いかける世界

中国は巨大成長したという事実は否定できない 18

世界の知識人が描いてきたディストピア像 22

左右のどっちからも嫌われるのが一番いい 30

全体主義中国を徹底的に叩く 33

ディストピア映画の歴史的系譜 40

 

第2章 貿易戦争から金融戦争へと移り変わった

〝卑屈〟なテンセントが金融戦争に勝利する 52

銀行消滅とCCTV 59

銀行の別名は「信用」 69

アリババはNY市場から締め出されるのか? 70

中国のネット世代と実質的なデモクラシー 75

ファーウェイはアメリカのいじめに負けなかった 82

アメリカと中国の睨み合いは続く 87

中国人は国有企業が嫌い、民間企業大好き 90

半導体製造の切り札、紫光集団 96

 

第3章 中国は最早アメリカとの力相撲を恐れない

中国の技術泥棒を引っ張った「千人計画」 104

結局中国を一致団結させてしまったアメリカのミス 109

米中IT戦争と日本の半導体潰しの意外な共通点 112

サムスンを育てたのはインテル 117

新たな火種となったレアアース 120

 

第4章 中国にすり寄る 韓国、北朝鮮と台湾を巡るつばぜり合い

北朝鮮と韓国による「高麗連邦」の誕生 130

GSOMIA破棄問題で嫌韓が高まった本当の意味 132

アメリカが韓国を切ったのではなく、韓国がアメリカを切った 135

香港問題は台湾問題である 139

2020台湾総統選とテリー・ゴウの動き 142

韓国瑜はアメリカの回し者だった 145

中国は民主化するのか? 150

台湾の中国化とシーレーン問題 152

中国人はヒラリー・クリントンのことが大嫌い 154

もうアメリカの圧力などなくなってしまった 160

警戒の目はファーウェイの海底ケーブルに 164

 

第5章 中国の膨張を招き込んだアメリカの弱体化

腰砕けとなったペンス副大統領 170

「外国にいる米軍の兵隊たちは国に帰って、ゆっくり休め」 174

米中貿易戦争は、今年中に表面上は静かになる 177

イレイン・チャオはチャイナ・ロビー代表で政権ナンバー 3 180

EVの天下を取る中国にひれ伏すマスク 187

 

第6章 アフリカと中央アジアに広がる チャイナネットワーク

アフリカの一帯一路戦略 204

次の世界の中心は中央アジアになる 213

中国はアメリカからアフガンを任された 219

 

第7章 ディストピア中国の不穏な未来

新疆ウイグル問題の真実 224

私は見た、深圳の現実を 236

華強北と中国のジャイアント・ベイビーたち 238

ドローンの恐るべきパワー 248

デジタル人民元の脅威 250

 

あとがき 252

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あとがき   副島隆彦

この本『全体主義(トータリリアニズム)の中国がアメリカを打ち倒す││ディストピアに向かう世界』は、世界最大の牢獄国家、中国についての、私の 11 冊目の本である。

英文の書名は、“Totalitarian China will finish of America(トータリタリアン・チャイナ・ウィル・フィニッシュ・オフ・アメリカ)”である。このfinish off(フィニッシュ・オフ)という動詞は、「とどめを刺す、息の根をとめる」という強い意味だ。

 

『あと 5 年で中国が世界を制覇する』(2009年刊)という本も、私は書いている。この本は反共(はんきょう)右翼の人々から激しく嫌われた。「何を言うか。中国は暴動が起きて、中国共産党は潰(つぶ)れるのだ」と、彼らは、私の本に最大限の悪罵(あくば)を投げた。それで、現実の世界の動きは、その後どうですか。

 

人も国家も、より強い者に虐(いじ)められながら、這い上がってゆく途中は、善であり、正義である。より強い国の支配の下(もと)で、苦心惨憺(さんたん)しながら勝ち上がってゆく。

しかし、一旦(いったん)、勝者になったら正義[ジャスティス]justice)から 悪[イーヴォ]evil)に転化する。中国が、アメリカ合衆国を打ち負かして世界覇権(はけん)国(ヘジェモニック・ステイト)になったら、その時、巨大な悪[イーヴォ]evil)になるのである。それまであと5年だ。

人も国家も、そして企業も、2番手に付けて1番手(先頭、支配者[ガリバー])の真似をしながら必死で喰い下がっているときが、一番美しい。これまでの40年間(鄧小平[とうしょうへい]の「改革改放宣言」1978年12月18日。 40周年を中国は祝った)、私は、アメリカ帝国の後塵(こうじん)を拝しながら、蔑(さげす)まれながら、泥だらけの極貧(ごくひん)の中から、着実に勝ち上(のぼ)ってきた中国を頼もしく、美しいと思ってきた。

 

この11月20日に北京で、〝世界皇帝代理〞のヘンリー・キッシンジャーが心配した。これに対して、翌日即座に、習近平は、「心配しないで下さい。中国は世界覇権(hegemony、ヘジェモニー。ドイツ語ならヘゲモニー)を求めません(私たちは、これまでにいろいろ苦労して、人類史を学びましたから)」と発言した。

これが一番大きな処(ところ)から見た、今の世界だ。日本という小ぢんまりとした国で世界普遍価値(world values、ワールド・ヴァリューズ)を理解しようとして、私は、独立知識人として(本書第1章を参照のこと)、孤軍奮闘して来た。

 

 本書は書名が決まったのが11月11日。体調不良の中で、2週間で作り上げた。だが手抜きはない。いつもながらの全力投球だ。私の地獄の踏破行(とうはこう)に同行して、命懸けの鎖場(くさりば)にも付き合ってくれたビジネス社大森勇輝編集長に記して感謝します。

 

2019年12月

 

副島隆彦

 

(貼り付け終わり)

(終わり)

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