古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:COVID-19

 古村治彦です。

 新型コロナウイルス感染拡大という事態を受け、米中関係は非難合戦の様相を五呈している。ドナルド・トランプ大統領をはじめとする政権幹部たちはウイルス感染拡大を中国の対応のまずさのせいにしている。世界各国で約1000万人が感染し、約50万人が死亡した。感染者数における死亡率は約5%である。今年1月から3月にかけて中国の武漢市を中心に感染が広がった。中国国内の深刻な様子が報道されていたが、現在のところ、中国国内の感染者は約8万3500名、死亡者は4634名だ。アメリカの感染者は約267万名、死亡者は12万名となっている。日本は感染者約18900名、死亡者は971名だ。

 アメリカは新型コロナウイルス感染拡大への対応が遅かったということになるだろう。都市部の人口密度や経済活動などの理由はあるだろうが、中国には人口1000万人を超える大都市が5つもある。日本にも東京、大阪、名古屋、横浜など大都市圏が存在する。

 下の記事は、新型コロナウイルス感染拡大の中で、大統領選挙の選挙運動が勧められており、共和党の現職ドナルド・トランプ大統領、民主党の内定候補者ジョー・バイデン前副大統領が共に相手を「中国に対して弱腰だ」という批判を行っている。こうした状況では、中国との協力は難しいが、それでも、様々な分野で競争相手となる米中両国であるが、疾病の世界的感染拡大、感染爆発という事態には協力して対処しなければならないと主張している。下の記事の著者であるアルバート・ハントはケネディ・大統領の言葉を引用している。その言葉とは、「ライヴァル同士のパートナーシップ(rival partnership)」だ。

 冷戦期、アメリカとソ連は東西両陣営に分かれて鎬を削ったが、徹底的な対決は回避した。これをアメリカの歴史家ジョン・ルイス・ギャディスは「長い平和(Long Peace)」と呼んだ。代理戦争を戦わされた朝鮮半島、ヴェトナム、アフガニスタンの人々にとってはどこが長い平和なのかと怒りを持つであろうが、世界大戦がなかったという意味である。

 21世紀の米中関係に関しても新冷戦という言葉が使われ始めている。下の記事でも取り上げられているが、シンクタンクであるブルッキングス研究所所長を務めるジョン・アレン(退役海兵隊大将)は、アメリカは「自由主義的資本主義」のモデルを提示し、中国は「権威主義的資本主義」のモデルを提示して世界にアピールしている、と述べている。これが新しい冷戦の軸ということになるだろう。

 ソ連は自国の経済を崩壊させ、消滅した。一方、中国は経済力を急速に伸ばし、それにつれて政治力と軍事力を増強している。経済力での米中逆転は視野に入っている。こうした状況になり、冷たい戦争が覇権交代をめぐる熱い戦争にならないためにも、ライヴァル同士のパートナーシップとアメリカの軟着陸が21世紀中盤の重要な要素となるだろう。

(貼り付けはじめ)

パンデミック下の政治と中国との協力(Pandemic politics and cooperation with China

アルバート・ハント筆

2020年5月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/496354-pandemic-politics-and-cooperation-with-china

アメリカ政治で70年前に激しかった議論が形を少し変えて再び復活している。それは、誰に責任があるのか、もっと端的には「中国を失ったのは誰だ?」というものだ。

それが今では「誰が中国に対してより宥和的か?」だ。

トランプ大統領と、今年の秋にトランプ大統領と戦うことになるジョー・バイデン前副大統領は、お互いに相手が中国の支配者たちに対して下手に出ていると非難する攻撃的なテレビCMを流している。

中国はもう一つの世界の超大国として、経済、政治、軍事の分野での成長もあり、アメリカにとって既に政治上の重大な問題となっている。中国から始まった新型コロナウイルス感染拡大は、中国側の1月にわたる隠蔽もあったが、アメリカ国内では党派性を持った批判合戦のテーマとなっている。

トランプ大統領は数週間にわたり中国の新型コロナウイルス対策を評価し、アメリカの対策の遅れを誰の責任にするのかを探していた。それがここにきて新型コロナウイルスを「中国のウイルス」とレッテル張りをし始めた。ホワイトハウスにいる政権幹部の中には、トランプ大統領を見習って、「カン・フルー(Kung Flu)」と呼んでいる(訳者註:Fluはインフルエンザのこと、カンフー[Kung Fu]にかけている)。トランプ大統領は、アメリカ国内で感染拡大が激しくなるにつれて、攻撃を激化させている。そして、選挙での対抗馬であるバイデンを弱腰だと攻撃している。

民主党の候補者に内定しているバイデンは、アメリカ国内で感染が拡大したのは初期段階でのトランプ大統領の無関心のせいだと非難し、自分が大統領であればより早い段階でより厳しい措置を取ったと主張している。

グラハム・アリソンはハーヴァード大学の学者で、国防総省に勤務した経験を持ち、米中対決の可能性と危険性についての著作を持っている。アリソンは新型コロナウイルス感染拡大への対処のために、米中両国は両国関係を変化させるべきだと述べている。アリソンは、米中両国は貿易、民主的な価値観、サイバー上と国家の安全保障に関しては、「厳しいライヴァル関係」となるだろうが、同時に、気候変動、テロリズム、そしてとくに感染症対策ではパートナーとなるべきだと主張している。

米中が協力することは現時点では、政治的に無理な状況だ。トランプ陣営、バイデン陣営ともに来るべき大統領選挙本選挙に向けて、これからの6カ月間は中国に対して宥和的な姿勢を取ることはできない。

バイデン前副大統領は、トランプ大統領が中国側の新型コロナウイルスに関する発表を鵜呑みにして「中国に丸め込まれた」と攻撃している。トランプ大統領は3月中旬まで危険性を否定していた。対照的に世界各国は中国がやっと1月中旬になって危険性を認識し、発表した段階で素早く対応した。

トランプ大統領は3月13日の時点までは中国の習近平国家主席は状況に対してうまく対応していると一貫して称賛してきた。また、危険を示す証拠を信用しなかった。

トランプ大統領陣営は現在、反中国攻撃を大統領選挙本選挙の中心的な要素にしていることは明らかだ。トランプ大統領は、バイデンが中国に「強い態度で臨む」ことに失敗し、オバマ政権の対中国融和政策の策定に関わったと攻撃している。

トランプ大統領に対する中国への攻撃は日々激しくなっている。関税引き上げや不手際に対する裁判提起、更に負債の支払いを拒絶などをと脅している。いつものトランプ大統領のように、この一部はブラフである。しかし、中国攻撃はトランプ大統領の選挙に影響を与えるが、失敗に終わる可能性もある。トランプ大統領は危ない橋を渡っている。

トランプ政権は、全ての選択肢を留保している。マイク・ポンぺオ国務長官が対中政策を主導している。ポンぺオ国務長官は中国に対しては、外交官というよりも党派性の強いガンマンのように振舞っている。

アメリカ連邦議会においては、共和党側の対中国攻撃の急先鋒はアーカンソー州選出のトム・コットン連邦上院議員だ。コットン議員は1月末にウイルスの脅威と中国の隠蔽に対して警告を発した。コットン議員は攻撃を止めていない。そして、ウイルスの発生源は武漢の食肉マーケットではなく、中国のある実験ラボから広がって感染拡大を招いたという理論を支持し、中国を批判している。コットン議員はまた、中国に対する法的手段を取ることを許可する法律の制定や中国人学生がアメリカの大学で科学を学ぶことを禁止する措置を提案している。

しかし、コットン議員は感染拡大ではなく、党派性の強い中国叩きに興味を持っているように見える。彼は中国が感染拡大について1カ月にわたり嘘をつき続けてきたと攻撃していた。しかし、2月25日の時点で、コットン議員はトランプ大統領がウイルスへの対処を「最重要事項」としていると発言した。これは極めて間違っている主張だ。

中国国民はアメリカとの争いを恐れていない。中国は、トランプ大統領が自身の失敗に対する言い訳として、「他の人々を非難している」と批判している。中国国内のSNSでの人々の書き込みを見て見ると、歪曲された内容もあるが、明白にアメリカを非難している。中国は感染拡大に見舞われている国々に医療や医療品の提供を行っている。初期段階ではアメリカに対しても支援を行った。

米中関係の悪化が危険を伴う理由は、世界の超大国2か国は感染拡大への対処のようないくつかの極めて重要な分野でお互いに協力しなければならないがそれができなくなる、というものだ。

ブルッキングス研究所所長で退役アメリカ海兵隊大将(four star general)であるジョン・アレンは米中間の緊張関係の深刻化は避けられないと評価している。アレンは次のように述べている。「中国はアメリカとは別のモデルに沿っている。それは、権威主義的資本主義(authoritarian capitalism)である。これは中国の成功もあり、世界のいくつかの国々にアピールしている。私たちは、私たちのより素晴らしいモデルを使って対抗することになるだろう」。しかし、今回の危機において継続的に中傷を続け、対立することは「世界にとっての最大の危機を解決する為のエネルギーの多くを無駄遣いすることだ」とアレンは述べている。

アレンは別の機会では、「中国を解決に向けて要素に入れなければ、今回のコロナウイルスとの戦いで勝利することはできない」とも述べている。医療分野と科学分野でのつながりを断絶することはったくもって合理的ではない。

アレンはまた次のようにも述べている。新型コロナウイルス対処によって米中両国のライヴァル関係や緊張が和らぐことはないが、冷戦期にジョン・F・ケネディ大統領が述べた「ライヴァル同士のパートナーシップ(rival partnership)」という考えを両国は持つべきだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 新型コロナウイルス感染拡大で私たちの生活は変わった。手洗いうがいの励行をはじめとして、マスクの着用、人々が集まることの回避、不急不要の外出の回避と言ったことが起きている。それによって社会活動、経済活動は大きく制限を受け、大ダメージを受けている。新型コロナウイルスによって私たちの生活は「変えられ」ている。自主的にではなく、ウイルスの恐怖のために「変えさせられて」いる。

 アメリカでも生活の多くの面で変化が起きているという記事を以下にご紹介する。消費の低下、オンラインでの買い物の増加、不動産業の先行き不透明、テレビやラジオの視聴数の増加と広告収入の低下などが起きているということだ。これまで当り前となっていた生活のやり方や習慣が変化しつつあるということだ。新型コロナウイルス感染拡大が収まっても握手を拒否する人も多いようだ。

 アメリカでもコロナウイルスの恐怖によって生活が「変えさせられて」いる。確かにその性質や症状が全部解明されていないウイルスだから恐怖心を持つのは当然だが、それによって無理や無茶な行動をする必要があるとは私は考えない。手洗いうがいやマスク着用を励行しながら、社会活動や経済活動を行うべきだと思う。「自粛」をしていないお店に対して嫌がらせをしたり、警察が特殊警棒を持って繁華街を見回り人々に帰宅を促したり、といった「自警団」「ナチスの突撃隊」のような行動は社会を分断する行為だ。

 恐怖心によって考えることを放棄し、「上から」の命令に対して過剰に反応して、「それこそ正義だ」とばかりに、過剰な行動を取ることは結局最後には自分たちが支配者たちによって縛られ動けなくさせられてしまうことにつながる。自分たちでできることを励行しながら、権力の動きには抗する、こういう厳しい状況の時こそ冷静に行動し、生活すべきだ。そのためには現在のような異常な自粛ムード、「空気」を転換する必要がある。

 緊急事態宣言の「出口」、すなわち「どのような状況になったら解除するのか」「感染者数や死亡者数でどのくらいになったら何を解除するといった、いくつかのフェーズがあるだろうにそれが分からない」ということは恐怖心を増加させ、疲労を募らせるものだ。

 学校の勉強や仕事でもそうだが、最終目標の前に小さな目標をいくつか設定してそれをクリアしていく、達成感を感じて次に進む原動力を生む、ということやる。現在の政府は、人々の恐怖心を利用して、統制を強めているだけのことで、出口戦略一つ示すことができていない。恐怖心を利用して人々が自発的に政府の統制に服従する、という現状を利用しているだけのことだ。日本の現状は大変残念だ。

(貼り付けはじめ)

コロナウイルス危機が終了した後のアメリカ人の生活の様相(What American life will look like after the coronavirus crisis ends

クリスティン・テイト筆

2020年5月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/civil-rights/495624-what-american-life-will-look-like-after-the-coronavirus-crisis-ends

私たちの国に新しい時代がやってきつつある。歴史上の重要な出来事全てと同様、我が国の経済の原動力と我が国の政府の機能は、見えない敵によってひっくり返されている。今回のコロナウイルスによる死亡者数は我が国が長年にわたり関与したヴェトナムで亡くなった米国人の数を超えた。各種の市場は2008年に比べてより恐怖心をもって反応している。今回の新型の疾病は、中東での戦争、911事件、不動産価格の急落といった過去20年間の様々な重大な出来事に比べて、より大きな影響を平均的なアメリカ人に与えている。

倫理、収入、地理といった面で見てみると、今回のコロナウイルスは、州政府や連邦政府による政府布告よりも、アメリカ人の生活を破壊している。過去2か月で起きている私たちの社会の変化の多くはマイナスの影響を持っている。ウイルスの感染拡大によって起きている大規模な変化はより大きな基調を示すものとなっている。

地域のビジネスの活動停止について見てみよう。長年にわたり、政治の世界ではウォール街よりも地方の生活を支持する言説が支持を得てきた。しかし、ソーシャル・ディスタンシングとインターネットのために、小規模ビジネスは損害を受けている。全米自営業者連盟は、今年3月に楽観指数は、指数の調査が開始されて以降、最も厳しい程度の急落を記録した。消費指数もまた2020年第一四半期では約18%も下落した。閉鎖制限が実施されたのは今年の3月後半から始まったにもかかわらずこのような数字となった。店舗販売を行う会社だけが倒産のリスクを抱えている自営業ということではない。全米には1100のショッピングモールがあるがその中の多くが倒産のリスクを抱えている。

伝統的な買い物についてみると、オンラインでの売買が現在の話題となっている。アマゾン社は今回の危機のお蔭でこれまでにないほどの売り上げを記録している。オンライン上の日常品の売買はほぼ2倍になっており、テレビゲームへの消費額は50%増となっている。オンライン上の売買の総額は感染が始まってから49%増となっている。食品以外の売買の中でアルコールの売買が最も取引量を増加させており、75%増となっている。

住宅売買もまた劇的な変化を示している。賃借人の3分の1は先月の賃料を支払うことができなかった。また、住宅を買おうとしている人たちにとって物事は良い状況になっていない。住宅ローンの貸し手たちは、1500万人の持ち家のオーナーはローンを支払えないことになると予測している。住宅ローンの金利は低い状況であるが、若い人々は、雇用状況が不安定になっている中で、30年間もローンを抱えたくないと考えるようになっている。不動産業も同様の状況になっている。それは消費者の消費が減少することで、不動産を借りて商売をしている店などが賃料を支払えない状況になってしまうからだ。

社会的な交流の規範は変化しつつある。それはただスーパーマーケットに入店する際にマスクと手袋をするといったことだけに留まらない。当たり前のように自然に握手をするということも過去の習慣となる可能性がある。最近のある調査によると、新型コロナウイルス感染拡大が収まっても他の人と握手をしないようにしようと考えていると答えたのは全体の31%に上った。肘をくっつけ合うという挨拶の仕方がこれから残る可能性がある。

アメリカ人がコロナウイルスのニュースに釘付けになっている中、ラジオとテレビにおけるこれまでのやり方が大きく変化している。また、出版や新聞も同様に前提が大きく変わりつつある。全米規模のケーブルテレビは加入者が増加し、プライムタイムの視聴者数が増加している。同様のことは地方局でも起きているが、但し書きがつく。今回の危機が始まってから地方局の視聴者数は50%増加したが、広告収入は減少している。

出版社の多くは数百名単位で記者を解雇し、出版も止まっている状況である。また新聞もテレビのようにはなっていない。出版ジャーナリズムは「絶滅の危機」に瀕しているという判断も出ている。通勤などでの自動車利用が減少しているが、そのためにラジオ局の収入や聴取者数が減少している。大規模メディアに対して人々の嫌悪感が増している中で、地方の新聞とラジオは信頼できるメディアとなっている。しかし、これら2つのメディアは消滅する可能性を持っている。

コロナウイルスにより直接的に関係があることは、アメリカ国民は現在、自分たちの健康をより真剣に考えるようになっているということだ。処方箋薬の需要の増加と中国からの医療資源輸入の不足のためにアメリカ国民は打撃を受けている。複数の製薬会社が治療法とワクチン開発に数億ドルを投資しているために、人々が必要とする薬剤にかかるコストは上昇している。その結果はまだ明確になっていないが、現状によって薬剤の研究と開発に対する民間と公的な投資の恒常的な増加へと根源的な変化が起きる可能性が高い。

アメリカ人にとっては受け入れやすい状況は存在しない。その代り、私たちが直面しなければならない新しい現実の要素が存在する。

アメリカ国民は最近の世代は、以前の世代に比べて戦争による影響を受けていない。多くの人々にとって、今回の危機は厳しい目覚めの一発となった。政府の統制による耐乏生活の時代、株価や石油価格などの乱高下、将来にわたり、医療資源が統制され、配給となる可能性が存在する。効果的な治療法の確立と経済活動の再開の両立によって、世界規模の大恐慌を避けることができるように願っている。第一次世界大戦後に生まれた世代の多くは争いとスペイン風邪によって影響を受けた。この世代のアメリカ人は大恐慌と第二次世界大戦によって鍛え上げられることになった。この世代と同様、今の若者たちは自身が持つ強さを試されるか、破壊されるかという状況に直面している。

離職した数百万のアメリカ人、小規模ビジネスを閉じてしまったオーナーたちにとって、感染拡大が続く日々とは終わりのない悪夢の日々ということになる。しかし、現在の苦闘は、私たち全員にとって辛抱をするための機会となる。私たちの行動はこの時期における私たちの生き方を決めるものとなる。私たちはコロナウイルスに私たちの生き方を決めさせてはならないのだ。

※クリスティン・テイトはリバータリアニズムを信奉する作家であり、「ヤング・アメリカンズ・フォ・リバティー」のアナリストを務めている。彼女は「ファンド・フォ・アメリカン・スタディーズ」のロバート・ノヴァック記念ジャーナリズム専門研究員を務めている。彼女の最新刊は『ザ・リベラル・インヴェイジョン・オブ・レッド・ステイト・アメリカ』である。

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コロナウイルス危機について今日知るべき10のこと(Ten things to know today about the coronavirus crisis

ピーター・サリヴァン筆

2020年5月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/healthcare/495747-ten-things-to-know-today-about-the-coronavirus-crisis

今日は5月の初日だ。4月はコロナウイルスのためにアメリカにとって酷い月となった。しかし、感染者数のカーブはそのままであり、5月もまた厳しい月になるであろう。

治療法について1つの進歩が起きている。アメリカ食品医薬品局(FDA)は金曜日、レムデシヴィル(remdesivir)という薬剤に緊急的に認可を与えた。この薬剤は新型コロナウイルスに対する特効薬ではないが、ある程度の効果が認められている。

2つの世論調査の結果によると、多くの州が経済活動を再開させ始めている中で、アメリカ国民は通常の生活に戻ることに懸念を持っているということだ。

これから今日知るべき10のことを挙げていく。

4月が終わり、5万3000名以上のアメリカ人がコロナウイルスのために命を落とした。5月になって状況が好転するとは考えられない。

アメリカ食品医薬品局はレムデシヴィルという薬剤に対して緊急的に認可を与えると発表した。今週初めにレムデシヴィルは、コロナウイルス治療においてある程度の効果が期待できるという有望な研究結果が発表された。

テキサス州では経済活動の再開をスタートさせようとしている中で、同州では1日の死者数としては最大の50名を記録した。

米教育省はテキサス大学と中国のある研究機関の実験室との関係を調査し始めた。この中国の研究機関の実験室はコロナウイルス感染拡大に関して詳細に調査を行っている。

多くの州で経済活動が再開され始めているが、最新の世論調査によると、66%のアメリカ国民は職場に復帰することを嫌がっている。

70以上の公衆衛生、商業、学術の研究機関がコロナウイルスの遺伝子を研究するために協力体制を構築している。

いくつかの州政府と地方自治体政府の中には、他州や他の地方自治体に居住しているアメリカ人に対して旅行移動の制限と強制的な隔離を命じている。この動きは、憲法上と政治的な論争を引き起こしている。

ミネソタ大学の最新の報告では、コロナウイルス感染拡大は最長で2年間続く可能性がある、また、ウイルスの拡大を効果的にコントロールするためには世界総人口の最大3分の2が免疫を獲得する必要があると警告を発した。

米退役軍人省はコロナウイルスによる死亡者のために約30万ドル分の死体袋を注文した。

最新の世論調査によると、58%のアメリカ人がこれからしばらくは映画に行かない、もしくはいかないだろうと答え、57%がプロスポーツの試合の観戦に行かない、もしくはいかないだろうと答えた。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 新型コロナウイルス感染拡大は世界規模になっているが、最大の感染者数と死亡者数となっているのはアメリカだ。その中でもニューヨーク州と隣のニュージャージー州では数が飛びぬけて多くなっている。それでも少しずつ収束に向かいながら、一部の州では段階的に、経済活動や社会活動を再開させ始めているところも出ている。

 日本でもそうだが、アメリカでも「都市封鎖や在宅命令に従うことはもう限界だ」という声も高まっている。経済活動や社会活動ができないことでの損失はかなり大きくなることを覚悟しなければならない。日本国内では、緊急事態宣言が5月末までに延長された。それならば、同時に、「どういう状況(感染者数と死亡者数の推移)になったら、どこまで経済活動や社会活動をどの程度まで再開する」という道しるべを示さねば、国民の「士気」は下がる一方だ。「とりあえずこの数字のところまで下がったら、こういうことができる」ということが分からねば、迷路をさまよっているのと同じだ。

 アメリカでは、補償制度の拡充を図っている。雇用を守り、事業を継続させることに主眼を置いた方策が次々と考えだされ、実行されている。日本では国民1人当たりに10万円とマスク2枚、その他、現行の制度の対象範囲を拡大した貸し付けや給付が行われているが、スピード感に乏しい、実効性に乏しいという批判がなされている。2020年という年はかなり厳しい年となるだろう。経済をもう少しでも動かしていればと思うが、「8割削減」というとんでもない発表のために、経済活動や社会活動がほぼできない状況にある。私はこの「8割」という数字には疑念を持っている。感染者の再生産の数字をかなり高く見積もっているように思う。もちろん、手洗いうがい、マスク着用、体温測定など個人でできることは最大限やるのは当然であるが、それ以上のことを強いるというのは社会を壊すことだと考えている。

 アメリカ国民の多くが、収束が進まない中で職場に戻りたくないという考えを持っていることがある世論調査で分かった。しかし、テキサス州やジョージア州と言った共和党の強い、保守的な州では、職場に戻らなければ、失業保険の対象にしないということになっているようだ。都市封鎖や在宅命令からの経済活動や社会活動の「再開(reopening)」をどのように進めるのか、が日米でこれから重要になってくる。感染者数や死亡者数の推移を見ながら、人口密度の低い、地方の州は当然のことながら再開を進めることができるだろう。日本でもそうだ。しかし、どの州も大都市となれば人口密度が高いので、慎重に対応するべきだろう。

 新型コロナウイルス(COVID-19)がここまで世界中に拡散されてしまった以上、根絶することはできない。それならばできるだけリスクを減らして共存するしかない。そのために、リスクの高い高齢者や持病を持つ人々はリスクを管理しながら生活をし(それでも死亡者はゼロにはできない)、現役世代は手洗いうがいなど個人でできる対策をしながら、経済活動、社会活動を続けていくしかない。当たり前の話だが、そのようにやっていくしかない。しかし、このような当り前の話をすることも「不謹慎だ」ということになっている現状は大変危険だと思う。

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連邦上院民主党は労働者1人に最大9万ドルを雇用主に補償するという提案を行った(Senate Democrats introduce proposal to pay businesses up to $90K per worker

マーティ・ジョンソン筆

2020年5月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/495688-senate-democrats-introduce-proposal-to-pay-businesses-up-to-90k-per-worker

金曜日、民主党所属の連邦上院議員の一部が、連邦議会による次期コロナウイルス感染拡大に対する経済支援パッケージに関する提案を行った。この提案は、休業中の労働者に対して、1人最高9万ドルを雇用主に対して補償を行うというものだ。

マーク・ワーナー連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)、ダグ・ジョーンズ連邦上院議員(アラバマ州選出、民主党)、リチャード・ブルーメンソール連邦上院議員(コネティカット州選出、民主党)が給料保障法案(Paycheck Security Act)を共同で提案した。この法案の内容は、雇用主に対して、収入が20%以上下落した場合には、被雇用者の賃金と手当をこれから少なくとも6か月間保証するというものだ。

今回の提案が2週間前に初めて発表された際に、ワーナー議員は次のように発言した。「新型コロナウイルス(COVID-19)」による健康と経済に関する危機的状態はアメリカ史上類のないものです。連邦議会は即座に給料保護プロラム(Paycheck Protection ProgramPPP)を進め、災害支援貸し付けへのアクセスを拡充していますが、これらの初期段階のライフラインは更なる雇用喪失を予防し、経済の不安定性を緩和するためには不十分です」。

提案された法案は、雇用主に対して、「自宅待機中、もしくは一時解雇の被雇用者一人当たり最大9万ドルの給与や賃金、また、家賃、光熱費、保険、維持費といった経営にかかる固定費の支払いのために売り上げの20%を補償する」という内容になっている。

ワーナー事務所からの声明では、給料保護プロラムによる貸し付け、もしくは中小企業向けの経済悪影響対策災害ローン(Economic Injury Disaster Loan)を既に受けている雇用主たちは、「他のプログラムを使い尽くしていないか、既存の負債を返すために給料保護プロラムを使っていない」場合に限り、現在提案中の給料保障法案による支援を受けられる、ということだ。

今週、いくつかの州で経済活動を一部再開したが、380万人以上のアメリカ人が失業保険を申請した。これまでの6週間で、3000万人以上のアメリカ人が失業保険を申請した。この数字は更に大きくなると予想されている。大恐慌時代に記録した失業率25%という数字を突破する可能性があるとも見られている。

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世論調査:アメリカ国民の3分の2が職場に戻ることを望んでいない(Two-thirds of Americans uncomfortable with returning to their workplace: poll

マーティ・ジョンソン筆

2020年5月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/state-watch/495644-two-thirds-of-americans-uncomfortable-with-returning-to-their-workplace

コロナウイルスの感染拡大が続く中、より多くの州が経済を再開させ始めているが、アメリカ国民の3分の2が職場に戻ることを望んでいない。「クアルトリックス」社の世論調査で明らかになった。

今回の世論調査によると、アメリカ人の66%が職場に戻ることを望んでいないと答えた。63%は、職場に戻る前にアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が職場に戻っても安全だという保証を出して欲しいと答えた。

5月中に職場に戻りたいと答えたのは25%だけだった。48%は8月まで職場に戻ることはしたくないと答えた。

ビジネス活動の再開に関しては、ソーシャル・ディスタンシングのガイドラインにビジネス活動の少しずつの再開をどのように整合させるかについて各州がどのように担保するのかという点で疑問が起きている。

ジョージア州、テキサス州、アイオワ州といった複数の州は、以前の仕事に戻ることを拒絶する労働者に対しては、コロナウイルス支援・復興・経済安全保障法(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security ActCARES Act)に基づいて支給される失業給付を支給しないと発表した。コロナウイルス支援・復興・経済安全保障法では、職場における新型コロナウイルス感染の恐怖感は被雇用者が職場に復帰しなくてもよいという条件にはなっていないのである。

アメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)のような労働組合と連邦議員たちは、労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Administration)に対して、雇用主に対して感染拡大が続く中で労働者の安全を最優先させるための厳格な健康に関する規制を発表し、強制するように求めている。

今回の世論調査は、2020年4月27日から28日にかけて2003名のアメリカ人を対象に実施された。誤差は3ポイントだ。

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