古村治彦です。
ジョー・バイデン米大統領が現地時間の日曜日(日本では月曜日)に国家安全保障会議を開催すると発表した。今回の会議はウクライナ情勢をめぐるものとなると既にはっきりと述べている。
ホワイトハウスでの国家安全保障会議(National Security
Council、NSC)は、国家安全保障問題担当大統領補佐官(National
Security Advisor)が主宰する会議で、主要な出席者は大統領、副大統領、国務長官、国防長官、エネルギー長官、財務長官、国家情報長官、統合参謀本部議長、国土安全保障長官、ホワイトハウス法律顧問、国家経済会議委員長、国連大使、行政管理予算局長、気候変動問題担当大統領特使であり、外交、国際関係、情報、安全保障を網羅する、高度な閣議ということになる。国家安全保障会議には多くのスタッフもおり、アメリカの対外政策決定の重要な機関ということになる。
通常は毎週平日に開催しており(国連大使はニューヨークとワシントンDCを行き来している)、日曜日に開催、しかもそれを公式に発表するというのは、会議の開催自体で事態に影響を与えよう、事態を動かそうという意図が透けて見える。緊急性をフレームアップして、事態をより深刻に見せようという演出ということが考えられる。
カマラ・ハリス副大統領とアントニー・ブリンケン国務長官をミュンヘンまで行かせて、各国を焚きつけようとしたが、どうも火の勢いが弱いということで、油を注ごうということなのだろうと考えられる。
(貼り付けはじめ)
バイデンがウクライナ情勢をめぐり国家安全保障会議を招集(Biden to
convene National Security Council meeting on Ukraine)
キャロライン・ヴァキル筆
2022年2月19日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/administration/595063-biden-to-convene-national-security-council-meeting-on-ukraine
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は土曜日に声明を発表し、ジョー・バイデン大統領が日曜日にウクライナに関する国家安全保障会議を招集すると述べた。
サキ報道官は次のように述べた。「バイデン大統領は、ウクライナ情勢の推移引き続き注意深く目配りをしており、国家安全保障ティームから現場の最新の出来事について定期的に報告を受けている。国家安全保障ティームは、ロシアがウクライナに対していつでも攻撃を開始できる準備が整っていることを再確認している」と述べた。
サキ報道官はまた、カマラ・ハリス副大統領がミュンヘン安全保障会議に出席し、各国の首脳と会合を持ったがその内容について、バイデン大統領は最新情報を含む報告を受けているとも述べた。
一方、ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は土曜日午前、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と「緊急の対話」を行ったとツイートした。
「最前線における状況の悪化、我々の損失、政治家や国際ジャーナリストへの砲撃についてマクロン大統領に知らせた。事態の深刻化の緊急的な阻止と政治的・外交的な解決の必要性とそれらの実現可能性について議論した」とゼレンスキーはツイートした。
今回の事態は、ウクライナ国境付近に最大19万人のロシア軍が集結していると当局が推定していることを受けたものだ。今週初め、ロシアは部隊の一部を撤退させたと主張したが、NATOとアメリカの当局者は、ロシアが逆のことをしているように見えると述べた。
土曜日に開催されたミュンヘン安全保障会議では、複数のアメリカ政府高官たちが、ロシアがウクライナに侵攻した場合には、厳しい結果を招くことになるだろうと繰り返し述べた。
ハリスは準備してきた演説の中で「明確にしておきたい。もしロシアがウクライナに更に侵攻すれば、アメリカは同盟諸国やパートナー諸国と協力して、重大なそして前例のない経済的コストをロシアに科すことになるだろう」と述べた。
ナンシー・ペロシ連邦下院議長(カリフォルニア州選出、民主党)は記者会見で、「支払うべき犠牲が存在する。もし彼(プーティン)が侵略を決断したら、プーティン大統領が下した危険な決断の結果として、制裁の影響をロシア国民が感じるのに、そう時間はかからないだろう。何とも悲しいことだ」と発言した。
(貼り付け終わり)
(終わり)

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