古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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 古村治彦です。

 2020年2月4日のアメリカ連邦議会議場での一般教書演説ではドナルド・トランプ大統領とナンシー・ペロシ連邦下院議長の場外戦が話題となっている。トランプ大統領がペロシ議長との握手を無視し、ペロシ議長は演説直後にトランプ大統領から渡された演説原稿を引き裂いた。
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 一般教書演説の翌日、連邦上院でトランプ大統領について出されていた弾劾(impeachment)訴追について無罪評決が出された。公務員の弾劾について簡単に説明すると、連邦下院は検察官の役割を果たし、調査をした上で、弾劾訴追をするかどうかを評決で決める。過半数以上の評決となれば弾劾訴追となる。連邦上院は裁判官役となり、連邦上院議員に対して、下院側の代理人と訴追対象者の弁護人がそれぞれの正当性を主張する裁判が実施され、最終的に連邦上院議員の評決で結果が決まる。弾劾には3分の2以上の賛成投票が必要である。アメリカ連邦上院の定員は100名であり、3分の2以上、67票以上の賛成票が必要となる。

 今回のドナルド・トランプ大統領に対する弾劾訴追は大きく2つの訴追内容に分かれており、一つは「権力の濫用(abuse of power)」、もう一つは「議会の行動に対する妨害(obstruction of Congress)」だった。権力の濫用については以下のような内容であった。トランプ大統領が昨年、ウクライナ大統領に対して、ウクライナ国内におけるジョー・バイデン前副大統領と息子ハンター・バイデンの行動などに関して調査を行うように要求し、応じるように圧力をかけるためにアメリカ政府からウクライナ政府への支援を一時的に差し止めた、これは自身の大統領選挙再選を有利にするために政敵を追い落とすために権力を濫用した、というものだ。

 議会に対する妨害は、連邦下院が訴追について調査を行う際に、ホワイトハウスは連邦下院への書類提出を拒否し、またホワイトハウスに勤務している人物たちに対して議会からの召喚に応じないように求めた。これが連邦下院の調査を妨害しているということになり、訴追内容に加えられた。

 今回の連邦上院での評決は、党派の区別に沿ったものとなった。共和党側が53議席を持っており、民主党側は47議席を持っている。権力の濫用については有罪47票、無罪53票となり、無罪となった。議会への妨害は有罪48票、無罪52票となり、無罪となった。共和党のミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出)が権力の濫用については無罪、議会への妨害については有罪に投票したために、2つの訴追内容それぞれで評決数に違いが出た。ロムニー議員はトランプ大統領に批判的な議員であり、共和党内穏健派、「ロックフェラー・リパブリカン」の系譜に連なる人物だ。トランプ大統領が再選を果たし、二期目となったら、その4年間でどういう動きをするかは不確定だが、トランプ大統領の意向に反する行動を多くとることになるのではないかと思う。共和党内部にいる反トランプ派はいくつかのグループに分かれているが、それらを糾合して指導的な立場につくのではないかと私は予想している。
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 トランプ大統領に対する弾劾訴追は無罪評決で終わることは容易に予想された。大統領選挙の年に現職の大統領を失職させることを共和党がする訳がないからだ。そして予想通りの結果となった。弾劾の訴追内容も無理筋ということもあった。

 アメリカでは共和党が優勢な州をレッド・ステイト、民主党が優勢な州をブルー・ステイトと呼ぶ。それぞれの色は両党のシンボルカラーから来ている。連邦上院は全米50州から2名ずつ出ている。人口、州の広さなどは関係ない。カリフォルニア州のような巨大な州も2名、ヴァーモント州のような小さな州でも2名である。一方、連邦下院議員の選挙区はだいたい同じ人口になるように区分けされる。カリフォルニア州は多くの連邦下院議員を出し、人口が少ない州は少なくなる。レッド・ステイトはアメリカ内陸部や南部、ブルー・ステイトは東西沿岸部に位置する。州の数では互角、ややレッド・ステイトが多い。そうなると、自然と連邦上院では共和党が優位ということになる。しかし、「人ではなく土地を代表する連邦上院」という伝統は崩れないだろう。

 前日の一般教書演説、そしてトランプ大統領弾劾訴追無罪評決によって、アメリカの党派対立は激しさを増していることは改めて印象付けられた。そして、そのまま選挙戦は激しいものとなっていくだろう。今年アメリカは政治のお祭りの年となる。

(貼り付けはじめ)

連邦上院は弾劾の条項についてトランプ大統領に無罪評決(Senate votes to acquit Trump on articles of impeachment

ジョーデイン・カーニー筆

2020年2月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/481670-senate-votes-to-acquit-trump-on-articles-of-impeachment

水曜日、連邦上院は、権力の濫用(abuse of power)とウクライナとの取引について連邦議会の調査への妨害(obstruction of Congress)という容疑についてのドナルド・トランプ大統領に対する弾劾(impeachment)について、無罪評決を行った。これによってワシントンを数カ月支配した大きな物語は終焉を迎えた。

連邦上院の評決結果は、権力の濫用に関しては48対52、議会に対する妨害に関しては47対53となった。トランプ大統領に対して有罪評決し、失職させるには3分の2以上の賛成投票が必要であり、それには遠く及ばなかった。

しかし、トランプ大統領と連邦上院多数党(共和党)院内総務(Senate Majority)ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出)は共和党を団結させようと努力した。その努力に対して、一撃が加えられた。2012年の大統領選挙で共和党大統領選挙の候補だった共和党所属のミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出)は投票の2時間前に、権力濫用については有罪に投票し、議会に対する妨害については無罪に投票すると表明した。

ロムニーは連邦上院議場での演説の中で次のように述べた。「アメリカ合衆国憲法が連邦上院議員に課している、解答を要する重要な疑問は、トランプ大統領が極端に酷い行動をして、それが犯罪行為と不品行のレヴェルにまで達しているかどうか、というものです。そうです、大統領はそのような行動を取りました。大統領は人々の信頼を乱用し傷つけたたこと(訳者註:アレクサンダー・ハミルトンの言葉)に関しては有罪です」。

共和党側はここ数カ月民主党側から無罪に投票する議員が出ると予測していた。しかし、この予測は外れた。民主党所属の側からトランプ大統領に無罪投票をした議員は出なかった。ダグ・ジョーンズ連邦上院議員(アラバマ州選出、民主党)、ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)、クリステン・シネマ連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)は無罪投票する可能性があると見られていたが、全員が水曜日午前に有罪に投票すると発表した。

トランプ大統領はアメリカ史上、3人目の弾劾にかけられた大統領となった。そして、弾劾の評決を受けた後に再選を目指す初めての大統領になった。連邦議会が上下両院それぞれ過半数を占めている政党が異なる中で弾劾の手続きが取られたのは史上初のことであった。また、3度の大統領弾劾の機会の中で、最も党派性の争いが強く、刺刺しい状況が作り出された。

容疑に関する条項が連邦下院で可決されたのは2019年12月だった。この際、2人の民主党所属の連邦下院議員、コリン・ピーターソン議員(ミネソタ州選出)とジェファーソン・ヴァン・ドリュー議員(ニュージャージー州選出)は否決に投票した。一方、アメリカ大統領選挙民主党予備選挙に出馬しているトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出)は「出席しているが棄権(present)」と投票した。共和党所属の連邦下院議員でトランプ大統領への弾劾に投票する議員は出なかった。そして、ヴァン・ドリュー議員は共和党に所属すると発表した。

水曜日の連邦上院での投票は、トランプ大統領の弁護団と連邦下院の代理人たちがそれぞれの主張の正当性を連邦上院議員たちとアメリカ国民に向けて主張し続けた数週間に及ぶ弾劾裁判の終わりを意味した。

投票直前に議席などを整理すると、共和党側は過半数53議席を持ち、弾劾を目指す民主党側は67票の有罪投票が必要であった。これは少数の態度を決めていない民主・共和両党に属する上院議員たちが弾劾を決することになり、11月の選挙を前にして有権者の利益になることを示していた。

マコーネル上院議員は投票が終了した直後に勝利宣言を行った。そして、弾劾について民主党側が犯した「巨大な政治的な誤り」と評した。

記者会見の席上、マコーネル議員は記者団に対して次のように述べた。「現在、トランプ大統領は就任して以降、最高の支持率を記録しています。弾劾裁判が開始される前に比べて、共和党側の議員たちの選挙に向けた状況はより良くなっています」。

ロムニー議員の投票について質問され、多数党(共和党)連邦院内総務であるマコーネル議員は渋々とではあるが、「私は驚き失望しました」と発言した。しかし、ロムニー議員がほとんどの場合党の方針に従った投票を行っているとも述べた。

弾劾裁判はドラマなしでは終わらなかった。先週まで連邦議会では、証言者についての重要な投票をめぐり激しい怒りが渦巻くことになった。

共和党側は前任の国家安全保障問題担当大統領補佐官ジョン・ボルトンを証人として召喚するかについて集中的な審議に直面した。ボルトンが出版予定の回想録『それが起きた部屋』の中で、トランプ大統領がウクライナ向け支援を利用して、2020年米大統領選挙民主党予備選挙の候補者となっているジョン・ボルトン前副大統領と彼の息子ハンター・バイデンについての捜査を行うように圧力をかけたと主張している、と『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じた。

ロムニー議員は投票の前にボルトンからの証言を聞きたいと考えていたと述べていた。その理由を「ボルトンが嫌疑の内容に新たなものを加えることができ、大統領の行為に関する合理的な疑いを提示でき、その結果として弾劾に賛成投票を行うという厳しい責務を私自身が果たさなくて済むと考えた」としていた。

激しいぶつかり合いの中で、トランプ大統領の弾劾訴追の基礎となった諸事実については真剣に争われることはなかった。トランプ大統領と大統領の周辺人物たちは、まずハンター・バイデンについて、そして2016年の米大統領選挙にロシア政府ではなく、ウクライナ政府が介入したという説を暴くことについて調査を開始するようにウクライナ政府に圧力をかけた。

同時に、トランプ政権は数百万ドル規模のウクライナへの支援を一時的に遅らせた。ウクライナは同国の東部に対するロシアによる侵略と戦っている。

しかし、トランプ大統領に対する早々の無罪評決は木曜日の夜には期待通りの場所に収まることになった。ラマー・アレクサンダー連邦上院議員(テネシー州選出、共和党)は新しい証言者からの聞き取りに対して賛成票を投じないと発言した。これは民主党側が続けていた新しい証言者に証言させるために4名の共和党所属の議員から賛成票を得ようとしていた努力に対する打撃となった。

アレクサンダー議員は、共和党側の主張とは矛盾していたが、トランプ大統領は「不適切な」行為に関わったが、弾劾されるべき行為ではなかったと発言した。リサ・マコウスキー連邦上院議員(アラスカ州選出、共和党)はトランプ大統領の行為を「恥ずべきもので間違ったもの」と述べた。スーザン・コリンズ連邦上院議員(メイン州選出、共和党)はトランプ大統領が「思慮が足りないままで判断」をしたと述べた。

マイク・ペンス副大統領は水曜日午前に放映されたフォックスニュースとのインタヴューの中で次のように述べた。「私たちはアメリカ合衆国連邦上院において党派性に影響されない投票がなされることを期待しています。連邦下院で党派性に影響されない唯一の投票は弾劾に反対するものであるはずでした。本日、連邦上院で党派性に影響されない投票がなされることを期待しています」。

トランプ大統領は水曜日の午後に連邦上院での投票結果について演説を行うと見られている。昨晩の連邦上下両院合同の議場で行った一般教書演説では弾劾について触れなかった。

弾劾訴追の第一条項では、トランプ大統領が「自身の職務の権力を行使」して「2020年の米大統領選挙への外国政府の介入を、相手方の利益を用いて誘導しようとした」と糾弾している。

この条項には次のように書かれていた。「彼(訳者註:トランプ大統領)は、ウクライナ政府に対して、自身の再選にとって利益となるであろうが政敵となる人物の選挙戦の行方にマイなしの影響を与えることになるであろう、捜査を行うと公式に発表するように、相手方の利益をちらつかせて迫った。そして大統領選挙に影響を与えた」。

ホワイトハウスの弁護団は裁判の間繰り返しトランプ大統領がウクライナに対する援助を遅らせたのは汚職に対する懸念があったこと、そして外国の負担分担への懸念があったことが理由だったと主張してきた。

トランプの弁護士ジェイ・セクロウは水曜の評決の直後に勝利宣言を行い、ロムニー上院議員に関しての質問を無視した。

セクロウは「私たちは結果について大変喜んでいます。私たちが勝利を得たことを喜んでいます。そして、アメリカが勝利を得たことを喜んでいます」と述べた。

ロムニー議員について質問されたが、セクロウは次のように語った。「大統領は全ての容疑に関して無罪となりました。私たちはその他のことについて何も懸念を持っていません。私はその質問について答えません。私の答えは、大統領は勝利した、それだけです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 2019年2月5日、ドナルド・トランプ大統領が一般教書演説(State of the Union Address)を行いました。直訳すれば、「アメリカ合衆国の状況に関する演説」となります。Unionという単語にはいろいろな意味がありますが、ここでは「人々や州が団結して構成しているアメリカ合衆国」ということになります。その他には組合などといった意味もあります。団結して構成されているアメリカの一年がどうであったか、これからどうしていくかということを大統領が述べるものです。

 

 アメリカ議会に大統領が入るには連邦下院議長の許可が必要となります。そのため、本来は1月末に実施されるはずであった一般教書演説ですが、国境の壁建設のための予算を巡りトランプ大統領と民主党が対立し、政府機能が一部閉鎖となり、民主党が過半数を握っている連邦下院の議長であるナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は政府機関の閉鎖が解除となるまで、演説を延期するように求め、トランプ大統領もこれに従いました。政府機能が2月15日まで再開となったので、一般教書演説が例年通り連邦下院議場で行われる運びとなりました。

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後ろにはマイク・ペンス副大統領とペロシ議長

 今回、私も一般教書演説の生中継を見ていたのですが、感想としては、長くて退屈、トランプ大統領らしさを感じないものだった、ということになります。トランプ大統領は、言葉の上では超党派の団結を訴えましたが、実際には、自分の政権で達成した経済的成果について述べる時には、共和党側の出席者の方ばかり向いて話していました。拍手もなく、笑顔もない民主党側に向かって話しづらいというのは分かりますが、団結とか一つの国とかそういう言葉が内容のない空虚なものに感じられました。


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11歳のジョシュア・トランプ君には退屈だったようだ
隣のグレイス・イレインさん(9歳)は凛としていた 

 共和党側は何とか盛り上げようと、途中でスポーツの応援の時のように、「USA! USA!」を連呼しましたが、非常に怖いものを感じました。アメリカは内向き、勝つ排外的になっているように感じました。国内に抱える諸問題から目を逸らさせるために、言及は少なかったものの中国との貿易問題を利用しているようにも感じました。

 

 インフラ整備、HIV対策、処方箋薬剤の価格の引き下げといった民主、共和両党で協力できる分野の時には民主党側からも拍手が出るなど、ムードは良くなりましたが、国境の壁や妊娠中絶などに関しては、民主党側から野次こそ出ませんでしたが、頭を振ったり、目をむいたりするような態度が見受けられました。

 

 議場の一般席には招待された人々が座っていましたが、その中には、トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー補佐官と娘であるイヴァンカ・トランプ補佐官が座っていました。その同じ並びですが、通路を隔てた場所には、大統領の娘であるティファニー・トランプさんが座っていました。彼女は全身白い服装をしていて、私は驚きました。


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白い服装で目立つティファニーさん 

 それは、民主党側の連邦議員たちの一部女性議員たちが事前に話し合って、白い服装で出席すると取り決めていたからです。彼女たちはトランプ大統領の言動に抗議の意味を示すため、そして、女性参政権運動の先駆者たちに感謝の意を示すために、白い服を着て出席しました。ティファニーさんもそれに合わせたのだろうかと思い、私はびっくりしました。

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白い服装の民主党女性議員たち 

 これは次回に詳しく述べることですが、演説の中で、唐突に「社会主義」という言葉が出たことにも驚きました。「アメリカで社会主義を求める声が大きくなっている」「アメリカはこれからも社会主義国にはならない」とトランプ大統領は演説の中で述べました。社会主義と戦い、勝利を収めた、資本主義と民主政治体制の総本山であるはずのアメリカで、大統領が憂慮を示すほどに社会主義を支持する声が大きくなっているというのは驚きでした。

 

 現在、一時的な妥協によって政府機能が再開されていますが、その起源は2019年2月15日です。それまでに妥協が出来るのかどうか、ということになりますが、今回のトランプ大統領の演説内容では、民主党側の反発を招くだけで難しいように思います。また、人々の支持を得られるような言葉遣いもなく、ただ退屈なものでした。今年のプロアメリカンフットボールの優勝ティームを決めるスーパーボウルも点が入らずに退屈な内容であった(詳しい人にとってはそうではなかったとも言われています)のですが、アメリカの冬の風物詩であるスーパーボウルと一般教書演説が退屈だったとすると、アメリカ人の気持ちは盛り上がらないでしょう。

 
団結(Union)という言葉が入っている演説で分裂(divide)が深まるというのは、アメリカの現状をよく示していると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

 

トランプ氏が一般教書演説、国境の壁建設を改めて宣言

 

2019.02.06 Wed posted at 14:48 JST

https://www.cnn.co.jp/usa/35132366.html

 

(CNN) トランプ米大統領は米東部時間5日午後9時(日本時間6日午前11時)すぎから約1時間半にわたり、上下両院合同会議で一般教書演説を行った。

 

一般教書演説は当初1月29日に予定されていたが、政府機関の閉鎖が長引いた影響でこの日に延期された。

 

トランプ氏は冒頭で「2つの党でなく1つの国家」「共和党のアジェンダ(政策課題)、民主党のアジェンダではなく、米国民のアジェンダ」と述べ、党派を超えた団結を訴えた。

 

政権発足後の2年間で米経済は前例のない好調ぶりを示してきたと強調し、雇用創出や賃金上昇、失業率低下などの数字を示して成果を強調した。

 

そのうえで「国家の現状は堅調である」と宣言すると、議場内の共和党議員らから拍手とともに「USA、USA」の掛け声が上がった。

 

トランプ氏は米経済の「奇跡」を阻むものとして、戦争と政治に加え、党派争いに基づく「捜査」に言及。党派の違いを超えて政策を進めていく必要があると訴えた。

 

続いて不法入国者の問題に多くの時間を割き、犯罪者や麻薬が米国に侵入しているとして危機感を強調した。国民の「命と雇用」を守るために国境の警備を強化し、壁を建設する必要があると改めて主張したうえで、「私が壁を建てる」と声を張り上げた。

 

一方で労働人口に占める女性の割合や、連邦議会の女性議員が史上最多を記録していると指摘。これに対しては、民主党の呼び掛けにより白い服を着て出席した数十人の女性議員からも「USA、USA」の掛け声が上がった。

女性の活躍に言及した際には、女性議員からも拍手が/Alex Wong/Getty Images

女性の活躍に言及した際には、女性議員からも拍手が/Alex Wong/Getty Images

 

さらに薬価の引き下げやエイズ、小児がんの研究推進などについて超党派の賛同を求めた。ここではがん治療に耐え抜いたという10歳の少女が紹介され、議場から拍手が贈られた。

 

外交分野では、自分が大統領になっていなかったら今ごろは北朝鮮と戦争になっていただろうと述べ、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と今月27、28日にベトナムで再会談する計画を明らかにした。

 

演説の終盤では、第2次世界大戦でナチスの強制収容所へ送られ、米軍に救われたという高齢の男性2人と、救出作戦に参加した元兵士を紹介。先人の戦いや業績を記憶にとどめ、違いを乗り越えて「最も高い頂、最も明るい星を目指そう」と呼び掛けた。

 

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トランプ大統領は散漫な内容の一般教書演説の中で、礼節と対決の間をフラフラと行ったり来たりしていた(Trump veers between comity, confrontation at raucous State of the Union

 

ジョーダン・ファビアン筆

2019年2月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/428654-trump-veers-between-comity-confrontation-at-raucous-state-of-the

 

トランプ大統領は、分裂した政治状況の中で、民主党に対して、「復讐、抵抗、報復のための政治」を求めるために一般教書演説(State of the Union address)を利用した。それでもトランプ大統領は民主党側が長く反対し続けている国境の壁建設を認めるように求めた。

 

トランプ大統領は、アメリカ国民は民主、共和両党が「2つの党派ではなく、1つの国」としてアメリカを統治することを望んでいると述べ、超党派の団結をアピールすることで一般教書演説を特徴づけようとした。しかし、トランプ大統領のメッセージは民主党側に対する攻撃的な言葉が多く含まれており、ワシントンにおける党派による深い分裂を示すものとなった。トランプ大統領が就任してからの2年間、大統領はこの分裂の日に油を注ぎ続けた。

 

過半数を握り勢いに乗っている連邦下院民主党はトランプ政権とトランプ自身のビジネスについて調査する計画を持っている。トランプ大統領は、連邦下院民主党を「馬鹿げた党派性の強い調査」は、自分がアメリカ国内に生み出した「経済的奇跡」をなくしてしまう行為だと非難した。

 

トランプ大統領は「静穏と粛々とした立法が存在すれば、そこに争いや党派色の濃い調査のようなことは起きない。争いや調査は良い結果を生み出さない」と述べた。

 

トランプ大統領は、北朝鮮の最高指導者金正恩委員長との2回目の首脳会談を2月27日から28日かけてヴェトナムで行うという計画を発表した。大統領は北朝鮮政府との非核化の合意を外交政策の最優先快打に位置づけ、金委員長との2度目の会談の可能性について言及してきた。

 

一般教書演説は大統領が年に一度アメリカ国民に向けて行う演説である。トランプ大統領にとって今回の一般教書演説は大統領在任期間中の重要な出来事となる。連邦議会において予算について合意が出来なければ、2019年2月15日に再び政府機能が一部閉鎖になる可能性が高まっている。

 

トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境に沿って壁を建設することを要求し、これが35日間に及ぶ正規機能の一部閉鎖を招来させた。連邦議員たちは壁建設の予算57億ドルを拒絶しながらも、他の予算を通過させるという妥協を行い、政府機能閉鎖は2019年1月25日にいったん解除となった。

 

35日間の政府機能閉鎖によってダメージを受けたのはトランプ大統領であった。大統領の支持率は閉鎖期間中下落した。そして、ナンシー・ペロシ連邦下院議長は、政府機能が再開するまで一般教書演説の実施を遅らせることで、大統領に使いの攻撃を行った。

 

しかし、トランプ大統領は壁建設の予算の要求を強めた。「南部国境地帯の無法状態」によって出現した「緊急の対策を要する国家規模の危機」という大統領の主張している問題に対して、連邦議員たちは「独特上の責務」を負っているとトランプ大統領は発言した。

 

トランプ大統領は次のように述べた。「アメリカの労働階級とアメリカの政治家階級の分裂を示すものとして不法移民問題以上のものはない。富裕な政治家たちと彼らへの献金者たちは、自分たちの現実生活は壁とチェックの厳しい門と警備員に囲まれているのに、国境を更に開こうとしている」。

 

このようなアピールをしても民主党側を動揺させることはできなかった。トランプ大統領がアメリカに向けて新たな不法移民の一団が向かっているという報道を演説中に紹介した際、民主党側からは不満を示すうめき声が発せられた。

 

連邦議会が大統領の壁建設予算要求を拒絶した場合に、何をするかについてトランプ大統領は明言しなかった。また、国家非常事態宣言を行うという強硬手段に出るとも言わなかった。国家非常事態宣言を行えば、大統領自身の権限で壁建設を行うことは可能となるが、共和党内部を分裂させ、法廷闘争を激化させることになる。

 

一般教書演説の会場となった連邦下院議場は分裂した連邦議会を示すものであふれていた。ペロシ議長は連邦上下両院の一部女性議員たちと一緒に白い服装で出席した。これは、女性参政権運動(suffragette movement)を記念するものであった。ペロシ議長は演説を行うトランプ大統領の後ろの議長席に座り、ペロシ議長の隣にはマイク・ペンス副大統領が座った。

 

政府機能閉鎖が始まって以降、ペロシ議長の力は増大している。民主党内部におけるペロシ議長への支持は堅固なものとなっている。今週CNNが発表した世論調査の結果によると、ペロシ議長に対する支持率も上昇している。

 

出席者の中には、2020年の米大統領選挙でトランプ大統領を倒したいと考えている政治家たちもいた。エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、キリステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は既に大統領選挙出馬を表明している。ギリブランドは演説中に目をぐるぐると回し呆れた表情を見せ、聞くに堪えないと興味をなくした様子であった。この様子はテレビに映った。

 

民主党側は反対演説者として、ジョージア州知事選挙で惜敗したステイシー・エイブラムスを指名した。エイブラムスは民主党のライジングスターだ。

 

トランプは民主党側の出席者たちが礼節を欠いているという悪印象を視聴者に与えようとしていたように見える。トランプ大統領は、自身の政権下で「前例のない」規模で雇用が増大したこと、連邦議場に招待された移民担当の職員に対して「ICE(移民税関捜査局)の英雄たちを見捨てることは決してない」と呼びかけ、「アメリカはこれからも社会主義国になることは決してない」と宣言した。これらの発言に対して民主党側の出席者たちは拍手することを拒絶した。この拍手の拒絶をトランプ大統領は民主党側の礼節に欠けた行動という印象付けに利用しようとした。

 

連邦下院議場には昨年の一般教書演説よりも多くの女性とマイノリティが出席した。これは昨年の中間選挙で民主党が勝利したことが理由だ。トランプ大統領が女性の雇用の増加について述べ、女性議員たちに祝意を述べた際に、民主党所属の女性議員たちは立ち上がり、拍手を送った。この場面は今回の一般教書演説においてハイライトの一つとなった。

 

驚いたトランプ大統領は「そんな反応が起こるとは予想外だった」と演説中に述べた。

 

白い服を着た女性議員たちが喜びを表現し、「素晴らしいことだ」とトランプ大統領が更に述べた後に、女性議員たちは静かになり、また座ってしまったことで、大統領は不機嫌になったようだ。

 

移民に対する憎悪ということはあったが、トランプ大統領は民主党に対してオリーブの枝を渡した(協力を求めた)。社会資本(インフラストラクチャ)と処方箋薬剤の価格のように超党派の合意ができると大統領が考えている分野での協力を求めた。

 

トランプ大統領は「民主、共和両党はアメリカの壊れかけている社会資本の再建という大きな仕事のために団結することが出来る」と述べた。

 

トランプ大統領は更に、同じ薬に対して他国の人々が支払っている金額よりも高い金額をアメリカ人が支払っていることは「受け入れがたい」と述べた。

 

トランプ大統領は「これは間違っているし、公正なことではない。私たちは一緒になってこれを止めることが出来る」と述べた。

 

トランプ大統領は更に連邦議会に対して、カナダとメキシコと結んでいる北米自由貿易協定(NAFTA)の政権による見直しを支持するように求めた。今年NAFTAの見直しは大きな議題となると見られている。

 

上がったり下がったりのシーソーに乗っているかのような演説の中で、トランプ大統領は、妊娠中絶という激しい議論を巻き起こす問題で、民主党を攻撃した。大統領は連邦議員たちに対して、「母親の胎内で胎児が苦痛を感じるまでに成長した段階の妊娠後期の中絶禁止」法案を可決するように求めた。

 

トランプ大統領は公の場面や非公式の場面で、ニューヨーク州とヴァージニア州で民主党が提案している妊娠第三期(妊娠28週から40週)の中絶に対する規制の緩和を非難している。その上でそのような内容を演説に盛り込んだ。

 

トランプ大統領は世界各地の紛争についても言及し、大統領はシリアからの2000面の米軍省への撤退の決定とアフガニスタンにおける戦争の規模の縮小という試みを正当化した。

 

トランプ大統領は次のように述べた。「大統領選挙の候補者として、私は新しいアプローチを採用することを公約とした。偉大なる国というものは終わりの見えない戦いなどしない。現在、我が国は同盟諸国と協力してISISの残党の殲滅を行っている。シリアで戦っている勇敢な戦士たちの帰国を祝う時がやってきたのだ」。

 

これらの発言は共和党所属の連邦議員たちの懸念を深めることになるだろう。彼らは大統領の中東地域からの撤退の希望に反対姿勢を取っている。火曜日、共和党が過半数を握っている連邦上院では、トランプ大統領に警告を与えるために、シリアとアフガニスタンからの「性急な」撤退に反対する法案が圧倒的多数で可決された。

 

民主党側は、トランプ大統領は「古い分裂を修復」し、「古い傷を癒す」とした彼自身の希望の達成に失敗したと批判した。

 

民主党を代表しての反対演説の中で、エイブラムスは「政府機能の閉鎖はアメリカ合衆国大統領が発端となった馬鹿げた出来事だった。大統領は公正さという信条に全く従わず、国民だけではなく、アメリカの価値観を放棄した」と述べた。

 

エイブラムスは、政府機能閉鎖期間中に一時解雇状態(無給)になった連邦政府職員たちに食事を提供したと述べた。エイブラムスは政府機能閉鎖を「不名誉」な出来事であり、トランプ大統領は「連邦職員たちの生活を政治ゲームの駒」にしたと批判した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

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 古村治彦です。

 

 昨年12月22日から、アメリカ政府機能の一部閉鎖が継続しています。政府機能の約4分の1が閉鎖され、80万人の連邦政府職員に影響が出ています。

 

ドナルド・トランプ大統領がアメリカ南部国境に壁を建設するための予算約57億ドルを要求し、共和党が過半数を占めている連邦上院では壁建設予算を含む予算案が可決しましたが、民主党が過半数を占める連邦下院では連邦上院で可決された予算案が否決されました。また、連邦下院では国境の壁建設を含まないが、国境警備強化のための予算を含む予算案が可決されましたが、連邦上院では否決されました。

 

 政府機能閉鎖が1カ月以上継続している中、一般教書演説(State of the Union Address)に関しても対決が起きました。一般教書演説は、アメリカ大統領が年に1回、連邦議会の議場に入り、そこで国の状態について、国民に向けて行う演説です。Unionはアメリカ合衆国(United States of America)を示し、かつ統一された国家を意味します。

 

 連邦議会の議事堂に大統領が入るためには、連邦議会下院議長の許可が必要です。連邦上院の場合には議長(Speaker)は副大統領ということになっていますが、常駐しておらず、議会の運営は過半数を握る多数党の院内総務(Majority Leader)がコントロールしています。

 

 現在の連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、一般教書演説に関して文書で発表するか(もともとは文書で発表していた)、日程を延期するようにトランプ大統領に求めました。これに対して、トランプ大統領は連邦議員たちに軍の飛行機を使った外国訪問を認めず、ペロシ議長のアフガニスタン訪問は中止となりました。

 

 その後、ホワイトハウスは連邦下院に対して、大統領が連邦下院に入ることが出来るようにするための法的手続きを実施するように求めましたが、ペロシ議長はそれを撥ねつけました。今週水曜日、トランプ大統領はペロシ議長を非難し、議長の決定は「アメリカにとっての汚点」であり、一般教書演説を別の形で行う可能性について示唆しました。

 

 しかし、翌日の木曜日になると、一般教書演説の延期を発表しました。政府機能閉鎖が終わりまで、演説を見合わすということになりました。今週末に閉鎖が終われば火曜日、1月29日の演説が行われるとは思いますが、その可能性は高くないと思われます。一般教書演説に関しては、トランプ大統領が妥協したという形になります。

 

 独裁者、ファシストとまで非難されることもあるトランプ大統領ですが、アメリカの基本である三権分立(division of power)を破壊することはせず、またしませんでした。非常に当り前のこと、連邦議会においては議長が大きな力を持ち、議会に関しては大統領もそれに従うしかないことがここで起きた訳ですが、日本の現状を見せられている身からすれば、健全性が保たれているものだと感心してしまいます。

 

 アメリカの現状は、日本語で言えば捻じれ国会であり、いわゆる「決められない政治」と馬鹿にされている状況ですが、デモクラシーとは拙速さと稚拙さを戒めるものであり、その点でアメリカが健全、「捻じれ状態」に耐えられない日本は不健全であると私は考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領は、一般教書演説延期に合意する、それはペロシ議長の依頼が「現実的に合理性を持つ」からだと発言(Trump says he agreed to delay State of the Union because Pelosi was 'actually reasonable'

 

ブレット・サミュエルズ筆

2019年1月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/426889-trump-i-agreed-to-delay-state-of-the-union-because-pelosi-was

 

トランプ大統領は木曜日、一般教書演説の延期に同意した、それは連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)の演説日程の再調整依頼が「現実的に合理性を持つ」からだ、と述べた。それまでトランプ大統領は強い言葉で批判してきていた。

 

トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対して次のように述べた。「これはペロシ議長の選択だ。私は別の場所で一般教書演説を行うことも出来た。しかし、連邦議会以外の別の場所で行うことは一般教書演説に対して尊敬の念を持っていないことになると考えた」。

 

トランプ大統領は続けて、「ペロシ議長が述べていることは、現実的に合理性を持つ。政府機能の閉鎖が終了したら、一般教書演説を行う」と述べた。

 

トランプ大統領はペロシ議長の一般教書演説に対する対応について理解を示した。これは前日と比べると、態度の転換となった。前日、大統領はペロシ議長が演説日程の再調整を求めたことについて激しく反発し、反対していた。

 

ペロシ議長は先週、安全上の問題を理由に、政府機能の再開以降に一般教書演説を行うべきだと述べた。政府機能の4分の1が2018年12月22日以降、閉鎖されたままになっている。

 

トランプ大統領は水曜日、ペロシ議長に書簡を送り、その中で、計画通りに2019年1月29日に一般教書戦絶を行うために連邦下院に向かう予定だと通告した。これは、連邦議会議場で2人の指導者の間で決定的な争いを誘発する可能性を高めるものであった。

 

トランプ大統領は次のように書いた。「一般教書演説が予定通りの日時で、更に重要なことには予定通りの場所で行われないということになると、それは我が国にとって大変悲しむべきことだ」。

 

ペロシ議長は数時間後に反撃を行った。大統領に書簡を送り、その中で、政府機能が再開されるまで、一般今日演説を行うという解決策に向けて同時並行的に動くことはできないし、考慮しないと述べた。

 

トランプ大統領はペロシ議長を攻撃し、議長の決定はアメリカにとっての「大きな大きな汚点」となると述べ、「一般教書演説の代替となる何かを」行う可能性があると示唆した。

 

更に数時間後、トランプ大統領は妥協し、政府機能閉鎖が終了したら一般教書演説を行うとツイッター上で述べた。

 

トランプ大統領は木曜日、連邦上院が政府機能再開のための2つの法案を否決したことを受けて、政府機能閉鎖がいつ終了するか予測できないと述べた。

 

=====

 

トランプ大統領は「代わりの」一般教書演説を行うと示唆(Trump suggests he'll give 'alternative' State of the Union

 

ジョーダン・ファビアン筆

2019年1月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/426676-trump-suggests-hell-give-alternative-state-of-the-union

 

水曜日、ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、政府機能が閉鎖している間、一般教書演説を行うために連邦下院の議場に入ることを阻止すると表明した。トランプ大統領は、一般教書演説の「代替」を行う可能性があると示唆した。

 

トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対して「私たちは別の手段を取るだろう」と述べた。

 

大統領は別の手段の詳細について何も示さなかったが、「1月29日よりも後の日付」で行うことになるだろうと述べた。

 

保守派の指導者たちとの会合の席上、トランプ大統領はペロシ議長の決定を「不名誉なもの」と呼び、「真実について聞きたい」と思っておらず、民主党内の「極左」議員たちに迎合しているのだと非難した。

 

ペロシ議長は水曜日の午前中にトランプ大統領に宛てた書簡の中で、来週火曜日に連邦議事堂の下院議事堂の中での演説を受け入れるために必要な法的段階を連邦下院は取らないということを通告した。

 

この決定によって、トランプ大統領による年に一度の国全体に向けた、全国にテレビ中継される演説はできないことになった。

 

継続中の政府機能閉鎖に関して、トランプ大統領とペロシ議長との間の争いが激化している。二人の争いは、大統領が国境の壁建設予算を求め、そのために政府機能閉鎖が33日目に入り、膠着状態に陥っていることで発生している。

 

トランプ大統領は、ペロシ議長はアメリカ南部国境の状態について「真実を知りたくない」のであり、議長の決定は「私たちすべてが愛する偉大な国アメリカの大きな汚点」となると述べた。

 

ペロシ議長は書簡の中で、「相互に合意可能な日程」で一般教書演説を行うために大統領を連邦下院に招き入れることになるだろうが、それは「政府機能が再開した時」であると述べている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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