古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

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 古村治彦です。

 

 インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジが大統領選挙に正式に出馬表明を行いました。2019年1月23日にワシントンDCでの記者会見で準備検討委員会発足を表明しましたが、誰の関心も引きませんでした。


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しかし、2019年4月14日の日曜日午後(日本時間では4月15日午前深夜)、サウスベンド市の廃工場で開催された集会には中に入り切れないほど人々が集まり、全米のメディアがその様子を伝えました。インターネットでの中継も行われました。

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 サウスベンド市に1963年まで本社を置いていたステュードベイカー社の廃工場を舞台にして、数百人が集会に参加しました。雨が降る中、ブティジェッジは40分にわたって演説を行いました。その詳しい模様は下の記事をご参照ください。




 ブティジェッジは世代交代と新しい政治指導者のタイプを登場させること、それが自分だと訴えています。ブティジエッジは「自由、安全、民主政治体制」を、選挙運動を進めるための諸原理としています。政策はリベラルなものですが、リベラル左派とは一線を画しています。

 

 演説後の4時間で100万ドルの献金があったということで、ブティジエッジの勢いはしばらく止まらないようです。選挙後の月曜日からはニューヨークでの資金集めイヴェントへの出席、アイオワ州への訪問と忙しく飛び回るようです。


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 ブティジェッジの選対はシカゴにオフィスを設置するということです。サウスベンド空港は全米各地に行くのは不便であるということで、シカゴのオヘア空港を利用し、その前後に立ち寄り、仕事が出来るようにするとのことです。以前にもご紹介しましたが、サウスベンド市はシカゴに近い(と言っても100キロ以上離れているようです)ということもありますが、シカゴは民主党の金城湯池です。何と言っても、今でも民主党や民主党支持者に大きな影響を持つバラク・オバマ前大統領とミシェル・オバマ夫人の地盤です。

 

 シカゴにオフィスを設置することで、「シカゴの候補者」「オバマの後継者」というイメージを獲得することも可能です。こう考えると、ブティジェッジの選対はまだ小さく、素人臭いものですが、なかなかスマートな動きをしています。ブティジェッジの凄さはこういう細かいところに見られます。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブティジェッジが選挙運動開始を発表し、「アメリカにおける新しい泉」の出現を訴える(Buttigieg calls for 'a new American spring' in campaign launch

 

マイケル・バーク筆

2019年4月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/438838-buttigieg-officially-launches-2020-presidential-campaign

 

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは日曜日、2020年アメリカ大統領選挙民主党予備選挙への正式な立候補を表明し、「アメリカにおける新しい泉(a new American spring)」を生み出すことを訴えた。

 

サウスベンド市で開催された集会で集まった多くの支持者を前に、ブティジェッジは次のように述べた。「皆さんと私はアメリカにおける新しい泉の出現を先触れする機会を得ました。私たちの心に希望を、私たちの体に炎を持ちながら、仕事を始め、歴史を作りましょう」。

 

37歳のブティジェッジは準備検討委員会発足を発表してから約3か月後に正式な出馬表明を行った。

 

ブティジェッジは次のように発言した。「私の名前はピート・ブティジェッジです。皆さんは私をピート市長と呼びます。私はインディアナ州サウスベンドしで生まれ育ったことを誇りに思います。そして、私はアメリカが州国大統領選挙に出馬します」。

 

ブティジェッジの登場の前に、アメリカ各地の市長が登壇し、彼について紹介した。テキサス州オースティンの巣ティーヴ・アドラーはブティジエッジを「市長らしい市長」「市長の中の市長」と形容した。

 

アドラーは次のように語った。「私は今日、他の市長たちとここに立っています。それは、私たちはこの国が知らなければならないことを知っているからです。そして、私たちは、そのことを知るための独自の立場に立っているのです。アメリカに住む多くの人々が持つ疑問に対する答えを私たちは持っています。そうです、アメリカ国民の皆さん、ピート市長は本当に特別な存在なのです、と答えましょう」。

 

アフガニスタンで軍務に就いた経験を持つブティジェッジはここ数カ月で世論調査での支持率を急伸させている。彼の選対は2019年の第一四半期で700万ドル以上の資金を集めた。大統領選挙民主党予備選挙の有力候補者となった。

 

2020年米大統領選挙民主党予備選挙が早期に実施されるアイオワ州とニューハンプシャー州での世論調査でブティジェッジはそれぞれ3位に入った。

 

ブティジエッジの好感度も2019年2月から急伸しており、最新の世論調査では、以前と比べて30ポイントも上昇していることが分かった。

 

ブティジェッジは、自身の選挙運動の中心に置く原理は「自由、安全、そして、民主政治体制(freedom, security and democracy)」だと述べた。

 

同性愛者であるブティジェッジは次のように語った。「もし国家の役人が、皆さんが結婚できるかどうかを決定するのなら、皆さんは全く自由ではないということになります。子供を産むかどうかを選択することに対して男性の政治家が指図をするようならば、皆さんは全く自由ではないということになります」。

 

ブティジェッジは安全について話をする際に、「太平洋からメキシコ湾まで壁を建設するよりも安全を守る方法はもっと多くある」と述べ、トランプ大統領を批判した。これは、アメリカ南部国境沿いに壁を建設するというトランプの政策に言及したものだ。ブティジェッジはまたアメリカは「子供たちを暴力の恐怖から解放する以上にすべきことは無い」と述べた。

 

ブティジェッジはトランプ大統領の名前に直接言及することなく、次のように述べた。「私が今日、この場に立っているのは“アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)”とは全く異なるストーリーをお話しするためです。私はアメリカの偉大さを心の底から信じています。私はアメリカの価値観を信じています」。

 

ブティジェッジは「気候をめぐる安全」についても指摘し、気候変動は「人間の生死にかかわる重大な問題」だと述べた。また、「白人優越を主張するナショナリズムの勃興に直面する中で私たちの安全を守る」ことを訴えた。

 

民主政治体制について、ブティジェッジは、プエルトリコとワシントンDCを州に昇格させることを訴え、同時に有権者の投票行動を抑圧する行為と選挙人制度を批判した。

 

ブティジェッジは日曜日の集会で、「ミレニアル世代に属する中西部の田舎町の市長」が大統領選挙に出馬するのは「大それたこと」であると分かっているし、「大胆な行為以上のものだ」と述べた。

 

ブティジェッジは新しい世代の指導者を出すことを訴えながら、「しかし、私たちが生きる時代、それは私たちに行動することを促しています」と述べ、更に「我が国を変化させつつある力は地殻変動のようなものです。今回、選挙に勝つだけではありません、私たちは時代を勝ち取るのです(This time is not just about winning an election. It’s about winning an era)」と語った。

 

=====

 

ピート・ブティジェッジが大統領選挙への正式出馬を表明(Pete Buttigieg officially announces presidential campaign

 

ダン・メリカ(CNN)筆

2019年4月14日

CNN

https://edition.cnn.com/2019/04/14/politics/pete-buttigieg-presidential-campaign/index.html




インディアナ州サウスベンド市(CNN)。インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは日曜日、米大統領選挙出馬を正式に発表した。2020年にドナルド・トランプ大統領と戦うため民主党予備選挙に立候補する人の数が増え続け、ひしめき合っている状況で、この中西部の民主党政治家が正式に出馬することになった。ほんの1か月前、彼のことを知っている人はほとんどいなかった。

 

ブティジェッジは自身の立候補をトランプ大統領の選挙運動に対する直接的な反論であると特徴づけた。トランプ大統領のスローガン「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」にも反撃した。ブティジェッジは、トランプ大統領に率いられているアメリカには世代交代と全く別のタイプの政治家が必要だと訴えた。ブティジェッジは、同性愛者、退役軍人であるアメリカ中西部の田舎町の市長である自分はトランプ大統領とは全く違う形の政治家であると主張した。

 

歓声の中、ブティジェッジは次のように発言した。「私の名前はピート・ブティジェッジです。皆さん、ピート市長と呼びます。私はインディアナ州サウスベンド市で生まれ育ったことを誇りに思います。そして、私はアメリカが州国大統領選挙に出馬します」。

 

彼は次のように述べた。「ミレニアル世代に属する、中西部の田舎町の市長がこのようなことをするのは大それたことだということは分かっています。37歳でこの国の最高の政治職を目指すというのは無謀以上のことだと思います。しかし、私たちが生きているこの時代は、私たち一人一人に行動することを促しています」。

 

サウスベンド市長ブティジェッジは、多くの人が立候補している大統領選挙民主党予備選挙において、支持を急速に伸ばしている候補者だ。準備検討委員会段階に数か月とどまった後で正式に出馬表明を行った。最近の世論調査では、ブティジェッジは、カマラ・ハリス、エリザベス・ウォーレン、コーリー・ブッカーといった連邦上院議員たちと肩を並べるまでになっている。数か月前までブティジェッジの支持率は1%以下が続いていた。

 

ブティジェッジのスターとしてのパワーを見せつけたのは、出馬の正式発表後の献金の怒涛の流れだ。日曜日の演説の後、支持者たちから4時間で100万ドル以上の献金を受けた、とブティジェッジ選対の広報担当顧問リズ・スミスはツイッター上に投稿した。

 

ブティジェッジは演説の中で、自身の生まれ育った町を演説内容の柱とした。ブティジェッジは市長になっての8年間でサウスベンド市の中心部の再開発を主導してきたという事実を強調した。

 

鉄製の屋根にあたる雨の雨音が激しい中、ブティジエッジは演壇に立ち雨が流れるのを眺めていた。ブティジエッジは次のように語った。「ここまでの道のりは私たちにとって長いものとなりました。サウスベンド市での生活は完璧からは遠いものです。しかし、私たちはこれまでの道筋を変更し、私たちの住む町のようなコミュニティにとって前に進むための道筋を示してきました。そうしたことを行い、私は今日ここに立っているのです。“アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)”とは全く異なるストーリーをお話しするために、ここに立っています。「工業地帯や地方にある神話が売り込みされています。その神話は時計の針を止めて、時間を逆に戻すことが出来るとするものです」。

 

ブティジェッジは続けて次のように語った。「過去にこだわる政治からは離れる時は今です。そして全く異なる政治に向かうべき時です。今回、ただ選挙に勝つというだけではないのです。時代を勝ち取るということなのです」。

 

ブティジェッジの出馬宣言は、雨が降り込むステュードベイカー社(訳者註:自動車部品製造会社、後に買収される。1963年まで本社をサウスベンド市に置いていた)の廃工場の中で行われた。ステュードベイカー社は1963年にサウスベンド市を出て行き、工場は放置されたままになった。この廃工場はサウスベンド市の衰退の道のりを示す物理的な象徴であった。この建物はブティジエッジがアメリカ全体に届けたいメッセージのシンボルである。そのメッセージとは、ブティジエッジは錆びついた廃工場に立っているが、そのドアの向こうには、IT企業の起業を支援するためのインキュベーターが活動するフロアが広がっている、というものだ。

 

ブティジェッジは全く屋根のない外にも詰めかけている数百人の人々を前に演説を行った。

 

ブティジエッジは支持者たちに次のように語りかけた。「建物の中で立って下さっている皆さんを拝見して、私は深い感銘を受けています。そして、建物の外に立っておられる皆さんを見て、心の底から感動しています。何故ならそれは、この光景がまさにアメリカにおける新しい泉が湧き出ている様子そのものだからです」。

 

これまでの数週間、ブティジエッジは目まぐるしい忙しさの中にいた。ピート市長は3月上旬にCNNのタウンホールミーティング様式の番組に出演し、多くの視聴者を得てからの勢いをつかもうとアメリカ中を飛び回った。早期に予備選挙が開催される各州とサンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークといった民主党の金城湯池での資金集めイヴェントを訪問した。

 

ブティジエッジが自身で述べたように、彼の経験は「わくわくするもの」であったが、今こそ正式な出馬表明をする時だと述べた。

 

ブティジェッジは金曜日、目まぐるしいカリフォルニア訪問、その中には有名番組「エレン」への出演とサンフランシスコでの大口献金者の資金集めイヴェントへの出席も含まれていたが、それらを終えてサウスベンドに戻る途中、私たちの取材に対して次のように述べた。「私たちが準備を進める中で見たものは美しいものでしたが、今こそ大統領選挙出馬を正式なものとし、決断について発表する時です」。

 

ブティジェッジは2019年1月にワシントンDCで記者会見を行い、準備検討委員会発足を発表した。2019年3月下旬にCNNの取材を受けた際に、ブティジェッジは「全ての指標」は正式な選挙運動を行うことを示しているが、「正式表明は一度しかできないので、私たちの準備が整うまで行うことはないです」と述べた。

 

ステュードベイカー社の廃工場の中で選挙運動を開始するという計画は選対にとって最善の選択肢ではなかった。ブティジェッジの選対は最初、サウスベンド市のダウンタウン地区の交通を止めて、ピート市長の指導の下で復活した市の中心部の野外で集会を開く予定を立てていた。雨と風ということを考えて、選対は複数の計画を変更し、廃工場での集会という計画を採用することになったが、ブティジエッジは、変更の中に希望の光があると述べた。

 

集会の前、ブティジェッジは次のように語った。「雨が降る状況は悪い状況のようで実はそうはならないと思います。なぜなら、廃工場で雨、というのはシンボルとなりますし、そこに過去、現在、未来を人々が見ることが出来るからです。私は時計の針を戻すこと、過去を埋め合わせることをいかにして見ないかということについて多くの時間を割いて話します。あの建物はそのようなこと全ての物理的なシンボルということになります」。

 

この建物は現在再利用されている。現在、サウスベンド市ルネサンス地区の拠点として、サウスベンド・コードスクールやアマゾン・ウェッブサーヴィス社といった複数のIT企業が利用している。この建物は、この8年間にピート市長の指導力がいかにしてサウスベンド市の各地区を再活性化することに貢献してきたかを示すシンボルとなっている。

 

ブティジェッジは演説で幅広い政策に関する諸問題を取り上げた。民主党が訴えている選挙制度と司法制度の改革を主張した。気候変動を「私たちの世代における人の生死にかかわる重要な問題」と呼び、アメリカ全国民がメディケアを利用できるようにしたいと述べた。

 

しかし、ブティジェッジの演説の中で最も受けたのは、トランプ大統領を批判した時と彼自身の人生について語った時、特にチャステン・ブティジェッジと結婚したことについての時であった。

 

ピート市長は演説の中で、若い時の自分に語り掛けたいことを述べた。若い時のピート市長は「学校の講堂で眺めている若い少年たちに自分が感じるこの感情はいったい何なのか」と戸惑っていた君は、将来受け入れてもらえるよ、と言いたいと述べた。

 

ブティジェッジは歓声の中で次のように語った。「あの時の彼に、将来40歳になる前のある4月の雨が降る日、目を覚ますと君がアメリカ大統領選挙で有力候補として存在感を急速に増しているという報道がされているようになっているよ、と言いたいです。そして、その日に君はアメリカ大統領選挙に立候補すると発表することになるんだ、そして、君はそれを夫と一緒にやることになるんだよ、と」。

 

彼はその前に次のように語った。「私たちの結婚はアメリカ連邦最高裁判所での一票差の評決の結果によって存在できているのです。9名の男性と女性が一つの部屋に座り、投票を行い、その結果、私の人生で最も重要な自由が与えられたのです」。

 

ブティジェッジはトランプ大統領を過去ばかり振り返る政治家と特徴づけ、人々の恐怖心を利用して権力を手にしていると述べた。

 

ブティジェッジは「ワシントンで上演されている恐怖に関するショウは人々を惹きつけ、夢中にさせています。しかし、今日私たちはチャンネルを変えましょう」と述べた。

 

ブティジェッジの登場の前、3名の市長が登壇し、彼を紹介した。その3名とは、オハイオ州デイトン市長ナン・ウェイリー、カリフォルニア州ウエストサクラメント市長クリストファー・カバルドン、テキサス州オースティン市長スティーヴ・アドラーである。3名の市長はそれぞれブティジェッジの実績と候補者としての特性を語った。

 

同性愛を公表しているカバルドン市長は「私たちは歴史を作っているということを感じています。アメリカLGBT市長会の会長として、数か月前にこんな瞬間が実現するなんて想像することすらできませんでした」と述べた。アドラーの支持演説は重要な意味を持った。それは、アドラーと同じテキサス州民であるビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)と前住宅・都市開発長官フリアン・カストロが既に大統領選挙出馬表明を行っているからだ。アドラーは今年初めにオロークの集会で登壇し、演説を行った。

 

"皆さんは多くの人々を支持することを考えていると思います。ビトーは本当に良い人です。フリアンも本当に良い人です。私たち3人は本当に良い友人なのです。しかし、ピートほどではないのです。私がこれまで見てきた人物の中で最も卓越しているのはピートなのです」。

 

ブティジェッジは日曜日に正式発表を行ったが、彼は選対から「準備検討」の言葉を外すことを連邦選挙管理委員会に届け出たのは先週金曜日であった。

 

ブティジェッジの選対はこれまでの数か月間、少ない資金で活動してきた。ブティジェッジの側近によると、選対には現在32名のスタッフがおり、今月末までに45名から50名に増やしたいということだ。

 

スタッフの数が少ないということは、ブティジェッジは2019年の第一四半期で集めた約700万ドルのうち少ししか使っていないということを意味する。側近は、政治資金報告書によると、ブティジェッジの陣営のバーンレートは10%以下となった、ということであった。この数字は他の候補者たちよりもかなり小さい。ウォーレンは2019年4月に政治資金報告書を提出し、その中で陣営のバーンレートは85%以上であった。

 

ブティジェッジの選対責任者マイケル・シュームールは次のように述べた。「ピートはこれまでにいなかったタイプの候補者であり、私たちはこれまでにはなかった選挙運動組織を作りたいと考えています。トップダウンの組織にはしたくないですね。コンサルタント主導の選挙運動にもしたくありません。スタートそのままの形にできればと思います。賢く、堅実な方法で進めていきたいです」。

 

シュームールは、現在の時点で、世論調査専門家やコンサルタントは選対にいないと述べた。将来どうするかは分からないが、選挙運動は「私たちがこれまで進めてきたように即座に動ける」形にしたいと述べた。

 

ブティジェッジ選対は選対本部をサウスベンド市に設置している。ジェファーソン・センタービルの2つの小さい部屋に置かれている。選対はシカゴに小さなオフィスを開く予定だ。シカゴのオフィスには数名のスタッフが常駐することになる。サウスベンド空港は小さく全米を回るには不便なので、全米各地をブティジェッジとスタッフが回る前に、シカゴのオフィスで仕事をすることになる。

 

ブティジェッジは台頭し、民主党への大口献金者たちに自分が受け入れられていることを認識している。大口献金者の多くは立候補者が増え続ける中で複数の候補者たちに献金を行おうとしている。

 

数日前にブティジェッジ支持を表明した元民主党全国委員会委員長のスティーヴ・グロスマンは次のように述べた。「私は彼に、君が必要とすることは何でもするつもりだ、と言いました。資金集めが必要ならば、資金集めもする、とね。メディアの人への照会が必要ならば、私は進んで協力する」。

 

スージー・トンプキンズ・ブーエルも献金者の一人だ。ブーエルはハリスを支持しているが、木曜日にサンフランシスコでブティジェッジの資金集めイヴェントを開催し、150名以上が出席した。

 

ブーエルは次のように語った。「彼は出席した人すべてに大きな印象を残したと思います。彼は本物で、そうした人物を人々は求めているのです。彼が現在の大統領と共有していることが一つだけあります。それは、自分が望むものを手にするということです。もっともその内容は全く反対のものですけれどね」。

 

ピート市長だけが評判の高まりを経験している「ブティジェッジ」ではない。チャステン・ブティジェッジはピート市長の夫であり、教師でもある。ツイッター上で彼の評判が上がり、市長の側近たちによれば、最近ではチャステン・ブティジェッジが一人で、LGBTQや教育関連のグループで演説を行うようになっているということだ。

 

ブティジェッジは発表の後、ニューヨークを訪問する。月曜日にはブルックリン地区で低額の資金集めのイヴェントを開催する。その後、火曜日と水曜日はアイオワ州を訪問する。

 

=====

 

※正式発表後にブティジェッジから支持者宛に出されたEメールの文面

 

皆さん、こんにちは。

 

私の名前はピート・ブティジェッジです。私はインディアナ州サウスベンド市で生まれ育ったことに誇りを持っています。今日の午後、私は地元サウスベンド市で、アメリカ合衆国大統領選挙への正式な立候補を表明しました。

 

皆さんがアメリカは楽観主義、私たちの勇気、私たちの希望をかけるに足る存在である信じるならば、本日5ドルの寄付をしてくださることをご検討いただけるようお願いする次第です。

 

ミレニアル世代の中西部の田舎町の市長として大統領選挙に出馬することなど大それた行為であると分かっています。37歳の人間がこの国で最高位の政治職を目指すことは大胆なこと以上の試みであると言わざるを得ません。

 

しかし、現在私たちの国を変化させている力は地殻変動のようなものです。現在の大統領を生み出すことが可能になったのはこの地殻変動の力と言えるでしょう。ですから、今回、私たちは選挙に勝つだけではなく、時代を勝ち取らねばならないということになるのです。

 

我が国の歴史の中で、時代の中で重要な瞬間が起きているのは稀有なことです。変化は否応なくやってきます。このような時必要なのは、サウスベンドのようなコミュニティからの希望に満ちた、大胆な声なのです。そして、新世代の指導者が求められているのです。

 

私の選挙運動を導くことになる諸原理はシンプルで、車のバンパーに貼るステッカーに収まるものです。それらは、自由、安全、そして民主政治体制(freedom, security, and democracy)、です。

 

自由:医療と健康保険は自由をもたらすものです、消費者保護は自由をもたらすものです。人種についての正義は自由をもたらすものです。教師の立場を強くすることは自由をもたらすものです。女性の平等も自由をもたらすものです。労働組合も自由を生み出します。チャステンと私の経験から、国家の役人が自分たちの政治的信条から誰がどのように結婚すべきかを指図するというのでは、まったくもって自由とは言えません。

 

安全:安全と愛国主義が一つの政党に属するとする考えは終わりにしなければなりません。

 

私はここで明確に申し上げたいと思います。世界で最も偉大な国アメリカにとって、子供たちを暴力の恐怖から解放すること以上のことはありません。更に重要なことは、子供たちを恐怖から解放することは世界で最も偉大な国アメリカを恐怖から解放することなのです。

 

私たちはしっかりと顔を上げて私たちが生きている現在の安全にかかわる重大問題を見据えねばなりません。それは、気候変動と崩壊です。

 

民主政治体制:私たちの民主政治体制がより良い形にならなければ、銃規制、移民、気候、教育、育児有給休暇といった諸問題に対処することなどできません。「シティズンズ・ユナイテッド」という言葉が人々の意志ではなく、お金を意味するようでは、民主政治タイなどとは言えません。

 

選挙人制度がアメリカ国民の意思を覆したことが私たちの生きている間に2度もありました。このようなことが起きて、これが民主政治体制だと胸を張って言うことはできません。

 

私はアメリカの偉大さを心の底から信じています。私はアメリカの価値観を信じています。皆さんもそうであるならば今日私たちの選対への献金を是非ご検討いただけるようお願いいたします。

 

http://secure.actblue.com/donate/pete-buttigieg-announcement-day?refcode=PB

 

私たちは前途を悲観しなかった女性と男性が作ってくれた基礎の上に立っています。我が国の女性と男性は楽観的であるということは知識の欠如ではなく、勇気の源泉であるということを知っていました。

 

過去から一歩を踏み出して前に進むには勇気が必要です。

 

皆さんと私がこの時に共に立ち上がるならば、後世の人々が歴史を書くにあたり、ただの選挙運動についてではなく、またただ一人の大統領についてではなく、今日ここから始まる時代のことを書くことになるでしょう。

 

私たちの心に希望を、体に炎を持ちながら、仕事を始めましょう!

 

感謝を込めて。

 

ピート

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 ピート・ブティジェッジがいよいよ2020年大統領選挙民主党予備選挙へ出馬を正式に表明することになりそうです。それでは、今までもう候補者のように扱われてきたのは何だったのか、ということになりますが、2019年1月23日に発表したのは準備検討委員会(Exploratory Committee)です。


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※ブティジェッジの集会への参加呼びかけのヴィデオはhttps://www.facebook.com/watch/?v=361805897864971からどうぞ。

 エリザベス・ウォーレンも昨年末に準備検討委員会を発足させ、後に正式な出馬ということになりました。準備検討委員会発足と正式な出馬表明とはどう違うか、ということになりますが、実質的には何も変わりません。準備検討委員会が政治献金を受け取ることは可能ですし、ここに何か大きな区分があるということはありません。

 

 これは私見ですが、2回出馬表明が出来るということで、メディアに取り上げてもらいやすいということがあるのかなと思います。ブティジェッジが準備検討委員会を発足させた時には大きな話題になりませんでした。せいぜい「若い、同性愛者を公言している田舎町の市長」というだけのものでした。しかし、上り調子の中で、正式な出馬表明、おそらく多くの人々がサウスベンド市に集まって集会となると、メディアもこぞって取材に来て、大々的に報じるでしょう。後出しじゃんけんみたいですが、人々に印象付けることになるでしょう。ここまで計算していたとなると、相当な人物、ただの田舎町の市長ではないということになります。


 また、地理的に見て、ミシガン湖畔ということで、民主党の金城湯池シカゴから多くの参加者があるでしょう。シカゴはバラク・オバマ前大統領と夫人のミシェル・オバマの本拠地ですから、オバマ前大統領を押し上げた人々が参加する可能性もあります。オバマ前大統領がサプライズで来ると、選挙の様相は大きく変わりますが、ジョー・バイデン前副大統領が出馬すると見られていますから、その可能性は低いでしょう。しかし、オバマ前大統領はブティジェッジを民主党期待の若手として挙げています。


 ブティジェッジは、フェイスブック(Facebook)のページでヴィデオを公開していますが、ブティジェッジとフェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg、1984年―)は、ハーヴァード大学の2年違いの先輩後輩(ブティジェッジが2歳年上)であり、友人です。ザッカーバーグは2017年にサウスベンド市をサプライズ訪問しています。


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MSNBCの「モーニングジョー」という番組の司会者ジョー・スカーボローが注目し、自身の番組に呼んで、それからCNNがタウンホールミーティング形式の番組に呼び、それから人気に火が付き始めたので、3月に入ってからということになります。スカーボローは、バラク・オバマ前大統領に初めて会った時以来の印象を受けた、と述べています。




 バラク・オバマ前大統領も退任直前の『ニューヨーカー』誌の取材で、「民主党の期待の若手は誰ですか?」と質問され、名前は忘れていたようですが、「インディアナ州サウスベンド市の市長」と答えたということです。別の場所に行く際に立ち寄って、ブティジェッジに会って印象に残ったということのようです。オバマ前大統領の地元シカゴとサウスベンド市は、アメリカの感覚では近いということもあるでしょう。

 

 この無名の若者が一気に駆け上がっていく、というのは、昨年の中間選挙で、すい星のように現れたアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)とよく似たプロットになっています。ブティジェッジの方がより緻密に計算し、計画しているように感じます。


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 ブティジェッジとアレクサンドリア・オカシオ=コルテスにはいくつか共通点があります。(1)ミレニアル世代(1980年代から90年代中盤生まれの世代)であること(ブティジェッジは1982年生まれ;AOCは1989年生まれ)。(2)政治に関心を持つ、入るきっかけがバーニー・サンダース連邦上院議員であったこと(ブティジェッジは高校生の時にサンダース[当時は連邦下院議員]を主題に政治の寛容と統合に関する論文を書き、ケネディ財団主催の論文コンクールで優勝;AOCは2016年の大統領選挙でサンダースの選挙運動に参加した)。(3)学生時代(ブティジェッジはハーヴァード大学、AOCはボストン大学)に故テッド・ケネディ連邦上院議員の事務所で夏休みにインターンをしていたこと。(4)民主党エスタブリッシュメント、ヒラリー派とは一線を画していること(ブティジェッジの方がまだ穏健で、2010年の州財務長官選挙、2017年の民主党全国委員会委員長選挙で落選しているが、党内の人脈づくりを行っている)。

 

 ミレニアル世代の若手政治家たちの台頭は注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブティジェッジが2020年米大統領選挙民主党予備選挙の正式表明を示唆(Buttigieg hints at formal 2020 announcement

 

マイケル・バーク筆

2019年4月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/437304-buttigieg-hints-at-formal-2020-announcement

 

民主党所属のインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは火曜日午前、今月後半に2020年米大統領選挙民主党予備選挙への正式な出馬表明を行うことを示唆した。ツイッター上で、2019年4月14日に「特別な発表」を行うと明らかにした。

 

ツイッター上に掲載したヴィデオの中で、ブティジェッジは、次のように述べた。「私たちの選挙運動は「できるだけ多くの皆さんの話を聞いて、皆さんの持つ物語や考え、未来のあるべき姿、皆さんの政治指導者への期待を共有してきました」。

 

「アメリカが新しい方向に進んで欲しいと人々が願っていることは明らかです。そのためには選挙に勝つだけではなく、時代を勝ち取る(winning an era)のです」。

 

「私たちの政治をより誠実にする、民主政治体制を修復す、人種に関する正義を擁護する、未来に目を向ける、各世代をまとめる、こうしたことの準備が出来ている皆さん、2019年4月14日にサウスベンドに集まりましょう」。

 

ブティジェッジは木曜日にABCの「グッドモーニング・アメリカ」に出演し、「あなた(訳者註:司会者ジョージ・ステファノポロスはビル・クリントン元大統領の側近だった)が昔関わった発表と同じものとなるでしょう。サウスベンドで私たちの運動に参加したいと思って下さる方々にできるだけ多く集まっていただけるのを楽しみにしています」と語った。

 

アメリカ大統領に自分がふさわしいと考えている点はどこかと質問され、ブティジェッジは「ワシントンに数年もしくは数十年漬かり切ってしまう」ことがこれまでの伝統だったかもしれないが、それはもう違うと述べた。

 

ブティジェッジは「アメリカ政府が良く運営されている市や町のように運営されるならば、私たちの生活はより良くなることでしょう。市や町がアメリカ政府の真似をしたら私たちの生活がより良くはならないですよ」と述べた。

 

ブティジェッジは37歳、2019年1月に準備検討委員会発足を発表した。それ以降、人気が上昇している。彼の選対は2019年の第一四半期に約700万ドルの献金を集めた。

 

2020年米大統領選挙民主党予備選挙への正式な出馬表明すると、今でも10名以上出馬している選挙戦にまた一人参加することになる。

 

=====

 

最新の世論調査でブティジェッジの好感度が急上昇(Buttigieg's favorability surges in new poll

 

ジョン・バウデン筆

2019年4月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/436934-buttigiegs-favorability-surges-in-new-poll?fbclid=IwAR1eVOc9TRDBc0upYW3XMBIvWpgvM6Y0882pDcFIyPP_9XAdO7uVLEqbNWc

 

火曜日に発表された世論調査の分析によると、インディアナ州サウスベンド市長のピート・ブティジェッジは、過去2カ月間で大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちの中で、好感度が最も高い伸びを示した。

 
morningconsultpolling190402004
上から2番目(+11%)

morningconsultpolling190402003

「モーニング・コンサルト」社は火曜日に発表したプレスリリースで、ブティジェッジの好感度が2019年2月初旬に2020年の大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちの好感度調査を開始して1カ月で11ポイント上昇したと発表した。

 

ブティジェッジは、彼の名前を実際に書くと答えた人の割合が3%と支持率の低い候補者たちの中に入ったままだが、ブティジェーグは政治に興味関心を持ち、大統領選挙民主党予備選挙を注目している人々の支持率は少し高い(7%)。


morningconsultpolling190402002

 

ブティジェッジは支持率の面で大物たちを追いかけている。立候補すると見られているジョー・バイデン前副大統領は33%の支持率を獲得し、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は25%で第2位につけた。

morningconsultpolling190402001

 

ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)とカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は8%で同率3位につけた。

 

モーニング・コンサルト社の世論調査は、2020年の米大統領選挙民主と曜日選挙に参加予定の登録済み有権者1万2940人を対象に実施した。誤差は1%だ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 グーグルが面白いデータを出しました。アメリカ大統領選挙民主党予備選挙の候補者で誰の名前がどれくらい検索されているか、というものを時系列にグラフ化したものです。

joebiden111
バイデン

petebuttigieg012

ブティジェッジ
 

 現在のところ、第1位がジョー・バイデン前副大統領で、第2位にインディアナ州サウスベンド市市長のピート・ブティジェッジが入りました。アメリカで(もしくは世界中で)、ブティジェッジの注目度が上がっていることが示されました。

googletrenddemocraticcandidates005
※グラフを押すと大きくなります 

※動画のページへはhttps://public.flourish.studio/visualisation/275653/からどうぞ

(人の部分を押すとハイライトになります。左上のreplayを押すと動きます)

 バイデンの場合は、ここ数日のセクシャルハラスメント問題で検索数が急増したと考えられます。先週の時点ではブティジェーグが第1位でした。

 

 選挙資金を2カ月で700万ドルも集めたということも含めて、ピート・ブティジェッジの人気が急上昇しています。2019年3月10日にCNNのタウンホールミーティング形式の番組に出演したことがきっかけになったものと思われます。

 

 今回の大統領選挙では難しいかもしれませんが、これからどうなっていくか注目したい政治家です。

 

(貼り付けはじめ)

 

グーグル:バイデン、ブティジェッジが2020年米大統領選挙民主党予備選挙の候補者の中で最も検索されている(Google: Biden, Buttigieg most-searched potential 2020 Dem contenders

 

ザック・バドリック筆

2019年4月1日

『ザ・ヒル』誌

BY ZACK BUDRYK - 04/01/19 04:57 PM EDT  56

https://thehill.com/homenews/campaign/436798-google-biden-buttigieg-most-searched-potential-2020-democratic-candidates?fbclid=IwAR30CAX9HdOFMehuIfYE-y6Ba2nOln0xBe0y_-ct7GWrie4-htz3OcSEd6w

 

グーグルが発表したデータによると、2020年米大統領選挙民主党予備選挙の候補者の中で、ジョー・バイデン前副大統領とインディアナ州サウスベンド市の市長ピート・ブティジェッジが最も検索された人物たちということが分かった。

 

グーグルによると、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が3位につけ、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)とカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が続いた。

  

データを細かく見ていくと、バイデンは過去1週間で検索数が100%増であった。一方、ブティジェッジは35%増、サンダースは18%増となった。

 

バイデンは2020年米大統領選挙民主党予備選挙に出馬表明すると考えられている。予備選挙には既に10名上が立候補している。

 

候補者の中には出馬表明によって検索数が伸びた人物たちもいた。ハリスの場合は、ピークは出馬表明を行った2019年1月21日周辺となった。サンダースの場合も出馬表明を行った2019年2月19日周辺に同じようにピークが来た。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回もピート・ブティジェッジの話題で申し訳ありませんが、今回は彼にかみついた人物に関するお話です。

petebuttigieg012

 

 ヒラリー・クリントンの報道担当で側近のニック・メリルという人物が、ブティジェッジを批判しました。ブティジェッジは今年1月に『ワシントン・ポスト・マガジン』誌のインタヴューに答え、その中で、ヒラリーを批判するコメントをしました。詳しくは下の記事を読んでいただきたいと思います。

 
hillaryclintonnickmerrill005
ヒラリーの側近ニック・メリル(左)

 簡単に言うと、「ヒラリーは中西部の人間たちに不満を分かっていなかった。アメリカは既に偉大な国だ、今のシステムを信じようというメッセージを送ったが、人々の共感を得られなかった」という内容です。それに対して、メリルは「ヒラリーはアメリカ史上最も進歩主義的な公約を掲げて選挙戦を戦った。トランプは嘘と悪口ばかりだった。だから6600万人がヒラリーに入れた」と批判しました。

 

 「負け犬の遠吠え」というのは何ともみっともないことですが、どうしても言わなくては済まないようです。ヒラリーの敗因は何と言っても勝つと見られていたアメリカ中西部の工業地帯(Industrial Midwest)で敗北したことです。ブティジェッジのインディアナ州はマイク・ペンス副大統領が州知事を務めていた州ですから、元々勝てなかったでしょうが、その他ミシガン州などアメリカ中西部、ラストベルトを落として落選しました。

 

 ブティジェッジは、メリルの批判に対して、ヒラリー個人と選挙戦を分けて、ヒラリー個人は大いに尊敬しているが、戦略が拙かったのだとも述べました。これは間接的に、「側近に恵まれなかったんじゃないですか」ということを言っているのと同じです。

 

 ブティジェッジをはじめとするミレニアル世代はヒラリーや民主党エスタブリッシュメントを嫌っていることがこうした発言で分かります。

 

 ブティジェッジの人気が上昇していることを示すものとして、彼が2019年第一四半期(1月から3月)に700万ドル(約7億7000万円)を政治活動費として集めた、ということが発表されました。1月23日に準備検討良い会発足を発表したので、2カ月ちょっとで、これだけの金額を集めたことになります。

 公式ウェブサイト「Meet Pete(https://www.peteforamerica.com/meet-pete/)」では、自分の難読苗字(Buttigieg)を逆手に取ったTシャツを25ドルで売っています。ツイッターのプロフィール欄で「Boot-Edge-Edge」と読んでください、と書いてありますが、それでも読みにくいですね。


petebuttigiegtshirt020



さて、無名の田舎町の市長がどこまでやれるか見ものです。

 

(貼り付けはじめ)

 

クリントンの側近がヒラリー・クリントンの選挙戦について批判したブティジェッジに反論(Clinton aide responds to Buttigieg criticism of how she ran her campaign

 

レイチェル・フラジン筆

2019年3月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/436577-clinton-aide-responds-to-buttigieg-criticism-of-how-she-ran-her-campaign

 

土曜日、ヒラリー・クリントンの側近が今年1月にインディアナ州サウスベンド市市長のピート・ブティジェッジがしたコメントについて非難した。ブティジェッジは2016年の米大統領選挙でのヒラリー・クリントンの選挙戦について批判する内容のコメントをした。

 

ヒラリー・クリントンの報道担当ニック・メリルは土曜日にツイッター上で次ように書いた。「この発言は擁護できない。ヒラリー・クリントンはこの国の信条に基づいて、現代政治史上最も進歩主義的な公約を掲げて米大統領選挙に立候補した。トランプは悲観主義、人種差別、誤った公約、悪口に基づいて立候補した。あなた自身が解釈したいようにすればいい。しかし、66000000人がトランプには同意しなかったという事実は残る。幸運を祈る」。

 

ブティジェッジは、2019年1月14日に発売された『ワシントン・ポスト・マガジン』誌とのインタヴューの中で、ヒラリーを批判した。

 

ブティジェッジはインタヴューの中で次のように述べた。「ドナルド・トランプは当選した。なぜなら、彼は彼なりのねじ曲がった方法で、アメリカの経済と民主政治体制における大きな困難があることを指摘したからだ。トランプは少なくとも、ヒラリーが行ったように、アメリカは既に偉大だということをアメリカ中に言って回ることをしなかった。

 

この「ピート・ブティジェッジはミレニアル世代初の大統領になれるか?」という記事は、ブティジェッジが大統領選挙出馬に向けて準備検討委員会を発足させると発表する一週間以上も前に発表された。

 

比較的に無名の民主党政治家であるブティジェッジはここ数週間で2020年米大統領選挙の有力候補として台頭しつつある。

 

ブティジェッジはいくつかの場面でファンを獲得してきている。最近では、あるノルウェー人の取材者からノルウェー語を話すように頼まれ、とっさにノルウェー語で返した。多言語話者であるブティジェッジは英語の他に7か国語を操る。彼はノルウェー語、フランス語、スペイン語、イタリア語、アラビア語、マルタ語、ダーリ語を話す。

 

ミレニアル世代に属する中西部の田舎町の市長であるブティジェッジが大統領に当選すれば、アメリカ史上最年少かつ同性愛者を公言する大統領ということになる。

 

=====

 

ブティジェッジ:「私はヒラリー・クリントンを大いに尊敬している」(Buttigieg: 'I have enormous respect' for Hillary Clinton

 

ザック・バドリック筆

2019年3月31日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/presidential-campaign/436663-buttigieg-i-have-enormous-respect-for-hillary-clinton

 

民主党の大統領選挙予備選挙の候補者でインディアナ州サウスベンド市市長のピート・ブティジェッジは土曜日、ヒラリー・クリントンに対して「大いに尊敬の念を持っている」と発言した。2019年1月にヒラリーの2016年の大統領選挙の選挙運動について批判したがこのことが今週になって再び表舞台に出てきたことを受けての発言であった。インディアナ州のテレビ局WSBTが報じた。

 

2019年1月14日付の『ワシントン・ポスト・マガジン』誌とのインタヴューで、ブティジェッジは「ドナルド・トランプが当選したのは、彼なりのねじ曲がった方法で、私たちの経済と民主政治体制における大きな困難を指摘したからだ。彼は少なくとも、ヒラリーがそうしたように、アメリカは既に偉大だということをアメリカ中に言って回ることはしなかった」と述べた。

 

ヒラリー・クリントンの報道担当ニック・メリルは日曜日にブティジェッジのコメントにツイッター上で反撃を行った。メリルは「ヒラリー・クリントンはこの国の信条に基づいて、現代政治史上最も進歩主義的な公約を掲げて米大統領選挙に立候補した。トランプは悲観主義、人種差別、誤った公約、悪口に基づいて立候補した」と書いた。

 

1月に行ったコメントについて、CNNのインディアナ支局であるWSBTから質問され、ブティジェッジはヒラリー・クリントンを「大いに尊敬している」と答え、彼女は2016年の際の「戦略と当時のメディア環境のためにうまくいかなかった」のだと述べた。

 

ブティジェッジは次のように述べた。「これだけははっきりさせておきたい。もし彼女が大統領になっていたらアメリカは今よりももっと良い国なったことだろう。だから私は彼女に投票した。だから私は彼女のために選挙運動を行った。私は今でもクリントン元国務長官を大いに尊敬している」。

 

ブティジェッジは今年1月のコメントに更に付け加えて、「アメリカ中西部の人々は、2016年の選挙戦におけるヒラリーのメッセージの内容が“全てはうまくいっている、私たちは既存のシステムを信じるべきだ”と言っているのだと受け取った。これでは人々の共感は得られなかった」と述べている。

 

ブティジェッジは更に、トランプに投票した人々の多くは「トランプが良い人間ではないことを分かっていた」が、「既存のシステムを徹底的に壊すためだけに投票した」のだと述べた。ブティジェッジは、ロバート・ムラー特別検察官の捜査終了についてのコメントでも同様の内容を述べた。ブティジェッジはサウルカロライナ州グリーンズヴィルでの集会に出席し、「トランプは、彼が良い人間ではないということを最終的に証明するいくつかの証拠があっても、それだけで即座にダメだということはなかっただろう」と述べた。

 

=====

 

ブティジェッジが2019年第一四半期で700万ドル(約7億7000万円)を集めたと発言(Buttigieg says he raised $7M in first quarter

 

エイヴェリー・アナポール筆

2019年4月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/436676-buttigieg-says-he-raised-7-million-in-first-quarter?fbclid=IwAR071OWJIjM392ybpG8KRQrXtOe2bPkMoSr5mtSYWb-6S-0IHWwcqCGG67A

 

ピート・ブティジェッジは2020年米大統領選挙民主党予備選挙に正式に出馬表明していない。ブティジェッジは月曜日、2019年第一四半期に700万ドル(約7億7000万円)を集めたと発言した。

 

民主党所属のサウスベンド市市長であるブティジェッジはツイッター上で、「まだ予備的な分析ですが、私たちのティームの報告書によれば、今年の第一四半期に700万ドルを集めた」と書いた。

 

更に「これまで私たち(そして皆さん)はあらゆる局面で期待以上の成果を収めることが出来ました。後ほどより完全な分析をしますが、支持者の皆さんに心から感謝します」と書いた。

 

ブティジェッジは今年1月に準備検討委員会を発足させて以降、人気と知名度を上げている。彼の勢いは他の大統領選挙候補者たちを小さく見せてしまうほどだ。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)は出馬表明初日だけで600万ドル(約6億6000万円)を集めた。

 

全国レヴェルでは無名のまだ正式の出馬表明をしていない候補者が700万ドルを集め、その数字が長年全国レヴェルで活躍してきた進歩主義派のサンダースやエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)と互角であるというのは印象に残るものだ。

 

ブティジェッジは先月、7万6000名から個人献金を受けたと発言した。これで2020年の米大統領選挙民主党予備選挙において、民主党全国委員会が主催する最初の討論会への参加条件をクリアした。

 

二期目の市長を務める米海軍の退役軍人、同性愛を公表している唯一の大統領選挙候補者ブティジェッジは最新の世論調査で、サンダース連邦上院議員と正式な出馬表明をしていないジョー・バイデンに続いて支持率で第3位に入った。

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 このブログでもご紹介したピート・ブティジェッジ(アメリカでも難読苗字とされているようです)についての記事をご紹介します。

petebuttigieg012

 

 今回の大統領選挙民主党予備選挙には10名以上も出馬しており、私はこのピート・ブティジェッジ(本人はピート市長と呼んで欲しいと言っています)は泡沫候補ではないかと思っていましたが、彼の出ている番組の映像を見て、頭の回転の速さと話す内容に感銘を受けました。今回の大統領選挙で民主党の候補者指名を受けることは難しいにしても、これから全国的な知名度を上げていくでしょう。日本にもこのような政治家が出て欲しいものです。


 

 ブティジェッジについていろいろと調べ見ましたが、もしこれを計画的にやっていたとするならば、恐ろしい人だとすら思えるものです。高校生の時に、ケネディ財団が主催する論文コンクールに応募しました。その内容は当時無所属の連邦下院議員だったバーニー・サンダースを取り上げ、政治における寛容と統合について書いたものです。それで優勝したブティジェッジはボストンでの表彰式に出席し、ケネディ家の人々と会います。駐日大使を務めたキャロライン・ケネディやテッド・ケネディ連邦上院議員(故人)というケネディ家の中心メンバーと高校生の頃に既に会っています。

petebuttigiegcarolinekennedy010

キャロライン・ケネディとの写真(2000年) 


 大学はハーヴァード大学、言わずと知れた世界屈指の名門校です。ハーヴァード大学はボストン郊外にあり、ケネディ家のお膝元です。ジョン・F・ケネディも卒業生です。テッド・ケネディ上院議員の事務所で夏休みにインターンをしたのは、論文コンクールで優勝したことでつてが出来たからでしょう。その後は2004年の米大統領選挙ではジョン・ケリー、2008年ではバラク・オバマの選挙運動に参加しています。

 

 ブティジェッジが生まれ育ち、今は市長を務めるインディアナ州サウスベンド市はインディアナ州北部にあって、オバマの地元シカゴから遠くありません。舅インディアナポリスよりも距離としては近いようです。オバマとの関係も良好で、オバマはブティジェーグに「民主党の未来」という賛辞を送っています。彼はただの田舎町の市長ではなく、ケネディ家とオバマという民主党内部の重要な人脈の結節点につながりを持っています。

petebuttigieg009

帰還の際に両親からの出迎えを受ける(父は2019年初めに死去) 

 2009年に米海軍の予備士官となり、2014年に既に市長になっていたのですが、休職して7カ月間、アフガニスタンで軍務に就きました。これも大きいことです。実際に軍務に就いて海外に派遣されるというのはここ最近の大統領ではいません。これがあるおかげで、「あいつは弱虫だ」という批判は説得力を持たなくなります。2017年には民主党全国委員長選挙に立候補しますが、途中で撤退します。しかし、この選挙で民主党内部、特に各州レヴェルの幹部たちとの人脈を形成し、民主党内部の人々に「この読みにくい苗字の人は大したものだ」という印象付けをすることに成功した、ということです。

petebuttigieghowarddean008
選挙から撤退する際の写真。民主党の大物ハワード・ディーンが挨拶

 

 高校生の頃からこのような道を進むと決めておおまかにでも計画して進めてきたとすると恐ろしさを感じます。さすがにこのような想定は私の考えすぎかもしれませんが、市長となって以降の動きは計画性を感じます。インディアナ州サウスベンドは人口10万で周辺も含めると30万です。彼が市長になったのは29歳の時で、これは10万人以上の人口を持つ市の市長としては史上最年少だそうで、しかも共和党が強い保守的な地盤のところに、民主党から出て当選してしまうのですから、これもまた凄いことです。

 下の記事で書かれている、ブティジェッジの戦術は興味深いです。ある民主党系のストラティジストが「トランプ個人というよりもトランプ主義(Trumpism)を批判している」という指摘をしています。これは重要な指摘だと思います。トランプ大統領個人を攻撃することは、彼に投票した人々、熱心な人々からそうではない人々まで全てを攻撃することになります。自分が投票したことは誤った愚かな行動だったと言われているようなものだからです。ですから、そこを分離できるというのは頭の良さだと思いますし、他の候補者とは違う点なのでしょう。

 

 ピート・ブティジェッジからは目が離せません。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブティジェッジは民主党の候補者の中から台頭している兆候を示す(Buttigieg shows signs of emerging from the Democratic pack

 

エイミー・パーンズ筆

2019年3月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/435696-buttigieg-shows-signs-of-emerging-from-the-democratic-pack?fbclid=IwAR1s2zO53adF968H7gNZgOUvDk0rZexgvaugQMgW5xKXMbGEQydpjs6vDFI

 

ピート・ブティジェッジインディアナ州サウスベンド市の市長ではあるが比較的無名の人物、今2020年米大統領選挙民主党予備選挙の有力候補として存在感を増している兆候が出ている。

 

37歳になるブティジェッジが大物候補者たちの一団に割って入るかもしれないという可能性を示した最初の動きは、今週末に発表されたエマーソン大学の世論調査であった。この世論調査で、ブティジェッジは、アイオワ州においてジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)に続く第3位に入った。

 

ブティジェッジは、世論調査アイオワ州の民主党党員集会(予備選挙)に参加予定の人々の間でバイデンの25%、サンダースの24%に続いて支持率11%を獲得した。

 

大統領選挙の最初期のたった一つの世論調査の結果ではあるが、この世論調査が行われる数週間前からメディアでブティジェッジの名前は好意的に取り上げられてきた。ブティジェッジは、CNNのタウンホールミーティング方式の一般の人々との対話番組に出演し、民主党系のストラティジストや専門家たちに良い印象を残した。

 

ブティジェッジは、今回の大統領選挙で同性愛を公表している唯一の候補者である。そして、これまでいくつか人々の注目を集める場面があった。最も近いところでは今週末にもある出来事があった。ノルウェーからの取材者からノルウェー語を話してくれるように頼まれた。

 

ブティジェッジは7か国語を操る。彼は即座にノルウェー語で答えを返した。この時の様子はユーチューブ(YouTube)で人気を集めることになった。

 

この発音しにくい苗字を持つ田舎町の市長について懐疑的であった民主党関係者たちも今では注目するようになっている。

 

民主党系のストラティジストで長年にわたり民主党所属の連邦上院議員のスタッフを務めたジム・マンリーは「数週間前、私は彼に全く注意を払わなかった。それは彼に勝利する可能性など全くないと考えたからだ。しかし今ではどんどん興味がわいている」と述べている。

 

民主党系のストラティジストであるクリスティ・セッツアーは次のように述べている。「ブティジェッジのプチ・ブームは本物だ。彼は色々な場所に顔を出している。彼は本物で興味深い人物であり、論理的な話し方でメッセージを届けられる。こうしたことで、彼はメディアから引っ張りだこになり、予備選挙に参加する民主党支持者たちの注目を集めている」。

 

いまだ出馬表明していないバイデンとサンダースは2020年の米大統領選挙の初期段階である現在、複数の世論調査で上位に来ている。現在のところ、民主党予備選挙の候補者たちは2つの集団、もしくは3つの集団に分けられるような展開になっている。

 

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)とビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)は多くの世論調査で3位につけ、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)も有力候補となっている。

 

このトップ5の有力候補者たちに続いてまた別の候補者の一団が続くという展開になっている。

 

ニューヨーク州民主党の幹事長を務めたバジル・スマイクルは、ブティジェッジの最近の露出は、オロークにとっては悪いニュースとなるだろうと分析している。オロークは今月初めに喝さいを浴びながら出馬宣言を行った。

 

ブティジェッジは全国規模の政治の舞台で知名度上昇のために動いているが、ここ数年、民主党内部での地盤固めを行ってきた。この動きは2年前に民主党全国委員会委員長選挙に出馬した時から始まっている。

 

スマイクルは「ブティジェッジはビトー・オロークの進むコース、レーンにある程度侵食してくる可能性がある。それはブティジェーグが選挙期間で既に多くの人々に好印象を与えたからだ。2年前の民主党全国委員会の選挙から各州の民主党幹部との関係を構築している」と述べている。

 

スマイクルは、ブティジェッジは有権者たちの共感を得る優れたメッセージを発していると述べている。

 

スマイクルは次のように述べている。「他の候補者たちがトランプ個人に敵対して選挙戦に出馬している一方で、ブティジェッジは自身の生い立ちで人々の関心を集め、マイク・ペンス副大統領とトランプ大統領を支援している人々が体現している共和党の偽善性に対抗して出馬しているということをアピールしている。これは、トランプ大統領自身というよりもトランプ主義を攻撃するという戦術であり、不平不満を持っている幅広い有権者たちにアピールする可能性を持つ」。

 

ブティジェッジの選対はエマーソン大学の世論調査の結果についてコメントをしないだろう。しかし、選対の報道担当リス・スミスは、最近の選挙運動とメディアへの出演が、ブティジェッジに対する支持の拡大につながっている、と述べている。

 

スミスは次のように述べている。「私たちは常日頃から多くの人々にピート市長を見てもらえばもらえるほど、好きになってもらえるはずだという確信を持っています。彼はミレニアル世代に属する中西部州の市長として、他の人々とは全く異なる言葉を皆さんに届けることができます。世代交代というピート市長の発するメッセージは予備選挙が早い段階で行われる各州とそれ以外の州に住む有権者の皆さんの共感を集めています。彼の発する言葉や行動に対する興味関心が高まっているのを私たちは感じています」。

 

ブティジェッジに懐疑的な人々もいる。ある民主党系のストラティジストはエマーソン大学の世論調査結果の複数の問題点について次のように指摘している。

 

このストラティジストは、世論調査の結果は偶然の産物にすぎない、それは誤差が6%もあるもので、数百人しか対象にしていないと指摘し、「ブティジェッジが台頭しているというのは馬鹿らしい話だ」と述べた。

 

他のストラティジストたちはエマーソン大学の世論調査には問題点があるにしても、ブティジェッジは好調だと述べている。

 

民主党系のステラティジストであるエディ・ヴェイルは次のように述べている。「ブティジェッジは長年にわたりよく計算して実行し努力してきたことの利益を今受け取っているという点が彼の最大の凄さと思う。彼はあらゆる場所に出ている。いろいろな人々に向けて話をしている。多くの集会に出席し、インタヴューを受けている。人々に大きな印象を与えている。これまでの努力の積み重ねが世論調査の数字に出始めているのだと思う」。

 

ストラティジストたちの間で共有されている疑念、それは、ブティジェッジが適切なタイミングで浮上してきたのか、というものだ。

 

セッツアーは「問題はブティジェッジのピークが6カ月前に来てしまっていることだ。それでも彼にとって何か良いニュースはないのかって?それなら、ビトーのピークは1年早過ぎたということかもしれないということだ」と語った。

 

(貼り付け終わり)

 

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