古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。







 古村治彦です。


 今回は、2014年1月18日に行われたオバマ大統領の演説について書きたいと思います。この演説でオバマ大統領は、2014年を現状打破の年(Breakthrough Year)とする宣言しています。


 そのために、給料の良い仕事(雇用)の創出を行うとしています。そのためハイテク製造業に力を注ぎ、ノースカロライナ州に企業、大学、連邦政府による研究所を創設するとしています。


 そして、オバマ大統領は議会が適切な行動をとらない場合は、自分自身が行動をすると明言しています。「Where Congress isn’t acting, I’ll act on my own to put opportunity within reach for anyone who’s willing to work for it」という部分です。共和党は連邦政府の支出となるオバマ大統領のこのような動きには反対するでしょうが、オバマ大統領は断固として、雇用創出のために製造業に力を入れると言っています。


 オバマ大統領は就任当初、グリーンニューディールを打ち出しましたが、実際にはうまくいきませんでした。今回はより重厚長大産業の方に力を注ぐようです。


 オバマ大統領は次の大統領選挙には出られませんから、そこまで力を入れてやらなくても良い訳ですが(建前ではそんなことはないのですが)、外交面で何もやっていないに等しいので、せめて経済面で何とかと思ってのことでしょう。


 アメリカとしては雇用統計の数字をよくしないと、金融緩和をずっと続けていかなければならず、それにも限界があります。ですから、何とか雇用統計の数字を改善したい、FRBの議長も交代することだしということもあるでしょう。


 ここで日本は少し困ったことになります。アメリカが製造業に今から力を入れてもどこまで脅威になるか分かりませんが、オバマ大統領が本気になって製造業を何とかしたいということになると、やはり輸出にドライブがかかるということになって、円高ドル安ということになるでしょう。


 今のアベノミクスは円安による株高で支えられているようなものですが、これが円高になると頓挫してしまうことになります。更に、消費税増税ということになれば、景気に冷水を浴びせることになります。そうなると、安倍首相の進退問題にまで発展しかねません。最近では、ルー米財務長官の円安牽制発言もありました。


 アメリカ側としては、経済の面から安倍首相の生殺与奪の権を握っていると言えます。アメリカが本気で製造業で何とかとなると、安倍首相の退任の時期もそれだけ近づく可能性が高くなる、と言えると思います。

 2014年1月27日に東京証券取引所での取引が開始され、円高などの要因もあり、日経平均が400円以上の下げを記録しました。このことは私が書いたことの傍証になると思います。


(貼り付けはじめ)


Obama Believes 2014 'Can Be A Breakthrough Year For America'


AP  Posted: 01/18/2014 9:27 am EST

http://www.huffingtonpost.com/2014/01/18/obama-2014_n_4622789.html?ncid=edlinkusaolp00000003%20-#_=1390133357784id=twitter-widget-0lang=enscreen_name=HuffPostPolshow_count=falseshow_screen_name=falsesize=m


WASHINGTON (AP) — President Barack Obama says he believes 2014 can be a breakthrough year for the country.


In his weekly radio and Internet address, Obama says the U.S. is primed to bring back jobs lost in the recession or to overseas competitors. But he says to make that happen, the U.S. must act to create good-paying jobs and increase economic opportunity.


Obama says he wants to work with Congress. But he says when Congress doesn't act, he'll act on his own. He's pointing to a new manufacturing innovation institute the government helped launch in North Carolina.


In the Republican address, Indiana Rep. Marlin Stutzman says Democrats have focused on "making it easier to live without a job."


Watch Obama's address above. Or read his remarks below, via The White House


Hi, everybody. This week, I visited a company in Raleigh, North Carolina that helps make electric motors that save businesses money on energy costs and cut harmful carbon pollution.


 And I stopped by N.C. State University, where engineers are set to develop the new technology that will make those motors even better.


 It’s part of my push not only to make America home to more high-tech manufacturing – but to make America more attractive for the good jobs that a growing middle class requires.


 And increasingly, we are. Thanks in part to our all-of-the-above strategy for American energy, for the first time in nearly two decades, we produce more oil here at home than we buy from the rest of the world. We generate more renewable energy than ever, and more natural gas than anybody. Health care costs are growing at their slowest rate in 50 years – due in part to the Affordable Care Act. And since I took office, we’ve cut our deficits by more than half.


 So we are primed to bring back more of the good jobs claimed by the recession, and lost to overseas competition in recent decades. But that requires a year of action. And I want to work with Congress this year on proven ways to create jobs, like building infrastructure and fixing our broken immigration system.


 Where Congress isn’t acting, I’ll act on my own to put opportunity within reach for anyone who’s willing to work for it. That’s what I did in Raleigh by launching America’s second “manufacturing innovation institute.” It’s a partnership between companies, colleges, and the federal government focused on making sure American businesses and American workers win the race for high-tech manufacturing and the jobs that come with it – jobs that can help people and communities willing to work hard punch their ticket into the middle class.


 I firmly believe that this can be a breakthrough year for America. But to make that happen, we’re gonna have to act – to create good jobs that pay good wages, and to offer more Americans a fair shot to get ahead. That’s what I’m focused on every day that I have the privilege of serving as your president. That’s what I’m going to be focused on every single day of this year.


 Thanks, and have a great weekend.


(貼り付け終わり)


(終わり)


 


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 古村治彦です。

 本日は講演会を2件、お知らせ申し上げます。3月1日には私が皆様にお話を申し上げる機会をいただきました。
出席をご検討いただければ幸いです。宜しくお願い申し上げます。

(1)ブレイントラスト企画主催の「副島隆彦の“予言者”金融セミナー 第7回」

副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 第7回」
日時:2014年2月9日(日)
開始:10時(受付)、11時(開演) 途中、休憩あり。
終了:17:30(予定)
場所:ヤクルトホール(ヤクルト本社ビル、新橋駅)
受講料:15,000円/全指定席

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お申し込み・問い合わせ先
ブレイントラスト企画(成甲書房内)
東京都千代田区神田神保町1-42
TEL:03-3292-8401(平日10~18時)
FAX:050-3156-3040
メール:seminar@seikoshobo.co.jp


(2)副島隆彦の学問道場主催の講演会

学問道場の定例会(講演会) 開催のお知らせ!
『キャロライン・ケネディ駐日大使着任が
日本政治中枢に与えている衝撃(仮題)』
講師:副島隆彦/古村治彦
開催日:2014年3月1日(土)
会場:(財)全電通労働会館 全電通ホール
開場  12:30
開演  13:00
終了  16:30
主催:副島隆彦を囲む会

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・3月1日定例会へのお申し込みは、コチラ↓
http://soejima.to/cgi-bin/kouen/kouen.html 





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 古村治彦です。



 2014年1月21日に私の2冊目の単著である『ハーヴァード大学の秘密』(PHP研究所)が発売になりました。全国の書店にも配本が済んだくらいではないかと思います。



 この本は、4つのテーマ、「ハーヴァード大学の日本人人脈」、「ハーヴァード大学を含む日本からの留学の実態」、「ハーヴァード大学の知的パワーを象徴する学者」、「ハーヴァード大学で教えられていること」を取り扱っています。「ハーヴァード大学」をキーワードにして、様々なテーマを取り扱っています。



 様々な関心をお持ちの幅広い読者の皆さんのお役に立つテーマを取り上げ、そしてあまり関心をお持ちではない分野のことも知識として吸収していただける本であると確信しております。



 是非お求めいただき、お読みいただきたく存じます。よろしくお願い申し上げます。

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 副島隆彦による推薦文



 本書『ハーヴァード大学の秘密』は、私の弟子である古村治彦君の二冊目の単著である。



 古村君の前作『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所、二〇一二年五月)は、有難いことに大きな評判をいただいた。古村君はこの『アメリカ政治の秘密』で、ヒラリー・クリントン(Hillary Rodham Clinton)前国務長官を支える三人の女性たちについて書いた。このうち、スーザン・ライス(Susan Rice)が国家安全保障問題担当大統領補佐官、サマンサ・パワー(Samantha Power)が米国連大使というアメリカの外交を担う要職に就いた。このことは古村君のアメリカ研究の確かさを示している。『アメリカ政治の秘密』は、現在のアメリカ政治、日米関係に関心を持つ人々にとって必読の書となった。未読の方は是非お読みください。



 古村君は、前作を発表してから、この『ハーヴァード大学の秘密』の準備に取り掛かったのだが、書き上げるまでに苦労していたようだ。私はその様子を見ていたので、今回、出版まで漕ぎつけたことを大いに喜んでいる。古村君には、益々の研鑽を期待している。



 今回、古村君が取り上げたテーマは、世界一の名門大学として知られるハーヴァード大学だ。私は、二〇一一年あたりから、古村君に「ハーヴァードの政治学の全体像を書いてみてはどうか」と提案した。彼がアメリカ留学経験で学んだ合理的選択論(Rational Choice Theory)について書いてもらいたいと思った。私自身が、何よりもこの理論を知りたかった。



 古村君がアメリカに留学していた二〇〇三年頃、アメリカの全ての大学の政治学(Political Science)研究や分析で共通の土台として使われている方法論(methodology)について、彼に根掘り葉掘り話を聞いたことがある。このメソドロジーをすぐに日本語で「方法論」と訳すから困ったことなのだ。メソドロジーは、そんな甘い「学問方法論」のことではない。いろいろの近代諸学問(サイエンス)の共通の基礎、土台を作っているものなのである。だから以後は、メソドロジーは「学問土台学」と訳すべきだ。文科系の諸学問の土台となる学問なのである。私の先生である碩学・小室直樹は自分をメソドロジストと称した。



 メソドロジーがしっかりしていない学問分野は欧米では大事にされない。そして、アメリカの名門ハーヴァード大学は、この大学のお家柄というか、その真髄である「合理的選択論」という方法論、ではなかった学問土台学を持っている。この学派が今のアメリカ政治学の分野で支配的な(dominant)であることを私なりに理解した。このハーヴァード大学の秘密と言うべき合理的選択論とは何か。この本の冒頭に、著者でもないのに推薦者が出しゃばってズバリと書く。それは、「合理的選択とは、政治家(権力者、支配者)にとって最大の目的は選挙に当選し続けることである。権力者(支配者)だったら自分が権力を維持し続けるということだ。そのためなら何でもする。どんなことでもする。それが合理的選択だ」ということだ。彼らはここまであけすけに言う。私は大いに驚いた。



 私は、古村君から合理的選択論についての話を聞く少し前の二〇〇一年に、「合理(ratio、ラチオ、レイシオ)」という言葉について研究し発表した。そしてその奥義をすっかり読み破った。ラチオ(合理)とは、元々が「割合、分け前」という意味で、「取り分、利益の分配」という意味の言葉だ。だから、自分の利益になるように「合理的(rational)」に「行動を選択(choice)せよ」ということである。自分が勝つ(得をする、生き延びる)ように賢く行動せよ、ということだ。



 このラチオを人類の長い歴史でよくよく分かっていたのがユダヤ人(ユダヤ民族)である。ユダヤ思想(Judaism)の中心に、このラチオがある。ラチオの思想こそは、ユダヤ人の生き方そのものであり、それがユダヤ思想(そのままユダヤ教でもある)の中心なのである。そして、このラチオが資本主義を生み出し、人類の近代(modern)も生み出した。ハーヴァード大学はユニテリアン系のプロテスタント修道院として創立されたのだが、その背景に強力な利益の法則を持つ。



 この合理的選択論については、本書の第8章で古村君が詳しく紹介している。是非お読みください。この合理的選択論という政治思想を大きく理解することが今の私たち日本人に極めて重要だ。そしてこの合理的選択論が、まさしくハーヴァード大学に世界中から集まってくる頭の良い学生たちに教えられていることを知ることもまた重要だ。



 本書には、合理的選択論以外にも、幅広い内容が収められている。前半では、ハーヴァード大学出身者たちのネットワークについて書かれている。三木谷浩史氏を中心とするハーヴァード大学出身者のネットワークを、古村君は「クリムゾン・クラブ(Crimson Club)」と名付け、その人脈を丁寧に追っている。

 後半部では、ハーヴァード大学の知的パワーを代表する政治学者の故サミュエル・ハンチントンとジョセフ・ナイについて詳しく、かつ分かりやすく紹介している。また、日本でもマイケル・サンデル教授の名で有名になった共同体優先主義(Communitarianism)と合理的選択論について詳しく紹介している。



 この一冊で、ハーヴァード大学の政治学部でどういうことが教えられ、どんな人材が育てられているのかを理解することができる。そしてハーヴァード大学が持つ、これまで私たちに明らかにされてこなかった部分を知ることができる。本書『ハーヴァード大学の秘密』を是非買って読んでください。



 二〇一三年十二月

副島隆彦 





 あとがき



 前作『アメリカ政治の秘密』を二〇一二年五月に出版していただいた後、師である副島隆彦先生から、「君はアメリカで政治学の勉強をしてきたのだし、次はハーヴァード大学の政治学の全体像について書いてみてはどうか」という提案があった。この提案を受けて、私は、本書『ハーヴァード大学の秘密――日本人が知らない世界一の名門の裏側』の準備に取り掛かった。構想を練り、準備するのに予想以上の長い時間がかかってしまった。本として出版できるのかという不安を持ちながらの執筆であったが、このように出版していただけることになり、ホッとしている。

 本書『ハーヴァード大学の秘密』は、「ハーヴァード大学」をキーワードにして、幅広いテーマを取り上げている。副島先生の提案通りに政治学の全体像を描くことは、私の力不足でできなかったが、ハーヴァード大学で教えられている政治学、ハーヴァード大学の政治学を代表する学者、留学全般に関することを網羅することはできた。読者の皆様に、それぞれの興味関心と重なる部分からお読みいただけたらと思う。



 そして、第1部では、ハーヴァード大学出身の日本人人脈を取り上げた。ハーヴァード大学をキーワードにして、張り巡らされた人脈の地下茎を掘り起こす作業を行った。私は、これを“属国日本の政界のたけのこ掘り”と呼んでいる。このたけのこ掘り作業を通じて、ハーヴァード大学から送り出された人材たちは、現在に至るまで日本の中枢を形成し、日本を動かしてきたことを発見した。正直なことを言えば、ハーヴァード大学出身者たちを中心にして人脈がここまで広く形成されていたことは、私にとって大きな驚きであった。私はこれからもたけのこ掘りの作業を続けていく。



 ハーヴァード大学は、「合理性(rationality)」の総本山と言うべき存在である。政治学部では、政治学の分野で主流となっている理論である合理的選択論(Rational Choice Theory)が教えられている。副島先生が推薦文の中で書いているように、合理性とは、一言で言ってしまえば、「自分が得をする、生き延びる」ために行動するということである。この合理性(ラチオともいう)はユダヤ思想(ユダヤ教)の中心となり、そこから資本主義(Capitalism)と近代(modern)が生まれた、ということである。合理性を身につけることこそが、資本主義社会で成功するためには必要なことだ。ハーヴァード大学で学んだ日本人たちも当然のことながら、この合理性を身につけている。



 私が前著『アメリカ政治の秘密』でも指摘したことでもあるが、最近のアメリカの日本管理には鷹揚さがなくなっている。ジャパン・ハンドラーズたちはより露骨に、かつ、より性急にアメリカの利益追求の姿勢を示すようになっている。アメリカと、そして自分たちの利益追求に一直線に進んでいる。それは、ジャパン・ハンドラーズたちの中で世代交代が起こり、若い世代は合理的選択論を学んだことで、合理性をより重視する姿勢を取るようになっているからだ。管理する側と管理される側を分けるものが「合理性」なのである。



 日本管理のジャパン・ハンドラーズが合理性を武器にしているならば、それに対抗するために、私たちも彼らが使っている武器を手に入れて使えるようにするべきだ。そうすることで、ジャパン・ハンドラーズの意図を見抜き、自分たち、そして日本が損をしないように賢く行動できるようにしなくてはならない。本書が読者の皆様にとって、合理性について、そして合理的選択論について学ぶ契機になれば幸いである。



 本書刊行にあたり、多くの方々にお世話になりました。

 私の師である副島隆彦先生には、本書に推薦文を寄せていただきました。ハーヴァード大学をテーマとして取り上げたのは、先生からの示唆を受けてのことでした。本として出版できてホッとしています。心からお礼を申し上げます。

 私の同僚である中田安彦氏には今回もお世話になりました。中田氏とのやり取りを通じて、多くの刺激を受け、様々なアイデアを生み出すことができました。中田氏のような同僚がいてくれることは私にとって大きな力となっています。感謝しています。

 更に、ここで名前を記すことはできませんが、アメリカの大学教員事情について話してくれた先輩、スポーツビジネスの世界、そして早稲田大学大学院スポーツ科学研究科について多くの有益な情報を提供してくれた友人、そして、東北楽天ゴールデンイーグルスと本拠地である仙台という街に私の関心を向けさせてくれた友人にもお世話になりました。加えて、家族や友人の支えも励みになりました。記して感謝します。

 最後に、本書の刊行にあたって、PHP研究所の大久保龍也氏には、前作同様、お世話になりました。なかなか筆が進まない筆者を、寛容をもって見守り、伴走をしていただきました。心から感謝を申し上げます。



 二〇一三年十二月

古村治彦



(終わり)






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 古村治彦です。



 2014年1月21日、安倍晋三首相をアメリカのマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出、共和党)が訪問し、会談を行いました。下のウォールストリート・ジャーナル紙の記事の日本語版のタイトルは「米有力議員が安倍首相を訪問、揺れる日米関係で助っ人」(http://realtime.wsj.com/japan/2014/01/22/%E7%B1%B3%E6%9C%89%E5%8A%9B%E8%AD%B0%E5%93%A1%E3%81%8C%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%82%92%E8%A8%AA%E5%95%8F%E3%80%81%E6%8F%BA%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%97%A5%E7%B1%B3%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%A7/)となっています。



 助っ人というと、よくプロ野球の外国人選手に使われる言葉であり、また、やくざ映画などでは、義理と人情を大事にする高倉健さんが弱い方、負けると分かっている方のために戦いに行く時に使われる言葉です。外から援軍としてやって来るという意味のようです。



 それでは、今回のマルコ・ルビオ上院議員の訪問がそうした助っ人行為になるのでしょうか。ルビオ議員の訪問は、靖国神社参拝以来、アメリカ政府、議会関係者では最も上位の人物の訪問ということになります。次の大統領選挙では共和党の候補になり得る人物の一人として注目されています。ルビオ議員は、自衛隊強化(米軍の下請け化)と中国に対する牽制は支持しました。



 しかし、靖国神社参拝については、少なくともこの記事では支持するとも不支持とも書いていません。そこで何も言わなかったということは、米国務省の安倍首相の「失望」に対して、ルビオ議員は何も反対や疑義を持ってはいないということになります。上院議員の発言力は大変なものがありますが、彼はそれを行使して安倍首相の靖国参拝を支持するということはやっていません。これで何か「助っ人行為」になったのでしょうか。



 このブログでもご紹介した、アメリカ大使館の安倍首相による靖国神社参拝に関する声明の中の最後のtake noteの段落が重要になってきます。拙訳では、「安倍首相が過去に対して悔悟の念を表し、日本が平和構築のために関与していくことを改めて表明したことを私たちは注視している」となります。ルビオ議員は、「日本の平和構築のための関与」の部分を確認しに来たのです。



 戦後の世界体制はアメリカが作り上げたものです。アメリカが敵と決めればそれが世界の平和を乱す、世界共通の敵ということになります。そして、戦後世界の平和構築とは、アメリカの意向に沿ったものとなります。安倍首相は靖国神社参拝後、「平和構築に関与する」と発言しています。そうなると、靖国神社参拝で責めながら、同時に「平和構築の努力をするんだよね、ね?」ということで、日本には過度な負担が要求されるようになります。「だってやるって言ったじゃんね?」ということになります。



 ルビオ議員は笑顔のようでした。そして安倍首相も嬉しそうでした。しかし、その裏にあるのは、安倍氏への支持などではありません。自衛隊の米軍下請化、そして、中国への噛み付き犬係の役割の再確認というだけのことなのです。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



Rubio Offers Abe Reprieve From U.S. Diplomacy Woes



January 21, 2014, 5:44 PM

By Yuka Hayashi and Toko Sekiguchi

http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/01/21/rubio-offers-abe-reprieve-from-u-s-diplomacy-woes/



Associated PressU.S. Sen. Marco Rubio of Florida, left, shakes hand with Japanese Prime Minister Shinzo Abe before their talks in Tokyo, Jan. 21.

After a few weeks of rough sailing in his diplomatic dealings with Washington, Prime Minister Shinzo Abe received a much-needed reprieve Tuesday from an unlikely American visitor: Sen. Marco Rubio of Florida.



During his stop in Tokyo, the Republican senator visited Mr. Abe at his residence and offered assurances on two issues at the heart of Mr. Abe’s policy agenda: the senator’s support for Mr. Abe’s efforts to bolster Japan’s military and a rebuke of China’s aggressive territorial policy.



Mr. Rubio, the ranking member of the Senate Foreign Relations Committee’s East Asian and Pacific Affairs subcommittee, was the most senior member of the U.S. government to meet Mr. Abe since the Japanese leader’s visit to a controversial war shrine in late December set off the fury of Japan’s neighbors and upset officials in Washington.



I’m encouraged by and personally support your effort to reinvigorate the security capacity of your country, especially in light of illegitimate territorial claims made by some of your more adventurous neighbors,” Mr. Rubio told the prime minister at the beginning of their meeting.



The remarks were probably exactly what Mr. Abe wanted to hear from a prominent American lawmaker after the U.S.’s unusually harsh reaction to Mr. Abe’s shrine visit, describing it as “disappointing,” an action that “exacerbates tensions with Japan’s neighbors.”



Mr. Rubio’s visit comes amid growing interest in Japan among U.S. lawmakers, a phenomenon American officials attribute to rising security tensions in East Asia, as well as stirring of Japan’s economy after a long slump, triggered by Mr. Abe’s aggressive stimulus policy known as Abenomics.  Mr. Rubio’s visit will be followed by a visit later this month by Rep. Ed Royce, a California Republican and chairman of the House Committee on Foreign Affairs.



During last U.S. fiscal year ended Sep. 30, the number of the members of Congress who visited Japan more than doubled from the previous year to 28, according to the U.S. Embassy in Tokyo.



Furthermore, two House lawmakers started the first-ever caucus on Japan earlier this month to press the White House to  pursue Japan-related policies, such as the Trans-Pacific Partnership trade agreement. California Republican Devin Nunes and Texas Democrat Joaquin Castro are seeking other members to expand the bipartisan caucus.



The caucus is a welcome move for Tokyo amid concerns over the dearth of U.S. lawmakers who advocate for Japan. Such worries have grown since the death of Sen. Daniel Inouye in 2012 and the retirement of Sen. Jim Webb last year — two lawmakers who had actively engaged in relations with Japan.



Mr. Rubio is on an official visit to Asia this week, visiting South Korea and the Philippines, in addition to Japan. A little-known figure in Japan, Mr. Rubio was introduced by the local media as a young Republican leader who is among the party’s top candidates for the 2016 presidential race.



During his two-day stay in Japan, Mr. Rubio received a briefing from Japanese coast guard officials on China’s increased maritime activities around disputed islands in the East China Sea, visited the U.S. naval base in Yokosuka and met with Japan’s defense and foreign affairs chiefs.



Mr. Rubio received a briefing from Japanese coast guard officials on China’s increased maritime activities around disputed islands in the East China Sea, visited the U.S. naval base in Yokosuka and met with Japan’s defense and foreign affairs chiefs.



(新聞記事転載貼り付け終わり)



(終わり)


アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 



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「お控えなすって」と言っているようにも見えるが・・・
 


 


 


 


 


 


 




 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




 古村治彦です。

 

 今回は、東京都知事選挙について、過去のデータを振り返りつつ、妄想していきたいと思います。過去のデータは、ウィキペディアに掲載されているものを使います。

 

※ウィキペディアの「東京都知事選挙」についてのページのアドレスは以下の通りです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E9%81%B8%E6%8C%99

 

(貼り付けはじめ:少し加工を施しました)

 

2012(平成24)年1216日執行

 

※当日有権者数:10,619,652人 最終投票率:62.60%(前回比:+4.80ポイント)

 

候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 得票率 推薦・支持

・猪瀬直樹 66 無所属 4,338,936 65.27% 公明、維新支持・自民支援

・宇都宮健児 66 無所属 968,960 14.58% 日本未来の党、共産、社民、緑の党、

新社会党、東京・生活者ネットワーク支持

・松沢成文 54 無所属 621,278 9.35% なし

 

・笹川堯 77 都民のくらしを守る会 179,180 2.70% なし

・中松義郎 84 無所属 129,406 1.95% なし

・吉田重信 76 無所属 81,885 1.23% なし

・トクマ 46 幸福実現党 47,829 0.72% なし

・マック赤坂 64 スマイル党 38,855 0.58% なし

・五十嵐政一 81 無所属 36,114 0.54% なし

 

2011(平成23)年410日執行

 

※当日有権者数:10,505,848人 最終投票率:57.80%(前回比:+3.45ポイント)

 

候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 得票率 推薦・支持

・石原慎太郎 78 無所属 2,615,120 43.40% 都議会自民、公明 推薦

・東国原英夫 53 無所属 1,690,669 28.06% なし

・渡邉美樹 51 無所属 1,013,132 16.81% なし

・小池晃 50 無所属 623,913 10.35% 共産 推薦

 

・ドクター・中松 82 無所属 48,672 0.81% なし

・谷山雄二朗 38 無所属 10,300 0.17% なし

・古川圭吾 41 無所属 6,389 0.11% なし

・杉田健 43 新しい日本 5,475 0.09% なし

・マック赤坂 62 スマイル党 4,598 0.08% なし

・雄上統 69 東京維新の会 3,793 0.06% なし

・姫治けんじ 59 平和党核兵器廃絶平和運動 3,278 0.05% なし

 

2007(平成19)年48日執行[編集]

東京都庁舎前・東京都知事選挙横断幕詳細は「2007年東京都知事選挙」を参照

 

※当日有権者数:10,238,704人 最終投票率:54.35%(前回比:+9.41ポイント)

 

候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 得票率 推薦・支持

・石原慎太郎 74 無所属 2,811,486 51.06% 自民、公明 実質支援

・浅野史郎 59 無所属 1,693,323 30.75% 民主、社民、国民 実質支援

・吉田万三 59 無所属 629,549 11.43% 共産 推薦

 

・黒川紀章 73 共生新党 159,126 2.89% なし

・ドクター・中松(中松義郎) 78 無所属 85,946 1.56% なし

・桜金造 50 無所属 69,526 1.26% なし

・内川久美子 49 無所属 21,626 0.39% なし

・外山恒一 36 無所属 15,059 0.27% なし

・高橋満 61 無所属 5,558 0.10% なし

・雄上統 65 無所属 4,020 0.07% なし

・山口節生 57 カント~ 3,589 0.07% なし

・高島龍峰(木村一成) 71 無所属 3,240 0.06% なし

・佐々木崇徳 64 無所属 2,845 0.05% なし

・鞠子公一郎 33 無所属 1,373 0.02% なし

 

(貼り付け終わり)

 

これらのデータで分かることは、まず一応国会に議席を持っている政党の支持、支援がある候補者たちがある程度の票数を獲得していることです。そうではない場合は、圧倒的な知名度があることが必要です。

 

そして、当選するためには最低でも260万票が必要なことです。投票率が上がれば、この数字も上がっていくでしょう。

 

前回の選挙の場合、有権者数は約1060万、投票率は約63%でした。これを掛け合わせると、投票総数は約637万票ということになります。

 

自公維新が推した猪瀬直樹氏が約434万票(約65.3%)、次点の宇都宮健児氏(ほぼ全てのリベラルな野党が推した)が約97万票(約14.6%)、無所属の松沢成文(元民主党所属国会議員、元神奈川県知事で一定の知名度あり)が約62万票(約9.4%)を獲得しました。

 

前回は長く続いた石原都政の継続性と顔が変わるということで投票率も上がりましたが、上がった分が全て猪瀬氏に流れたと思われる程に猪瀬氏への投票が多くなりました。

 

政治学の理論の一つである合理的選択論(Rational Choice Theory)で考えると、有権者は自己利益の最大化を考えます。もし、投票することよりも投票しないことが自分の利益になると考えれば、棄権します。また、投票する一票が死票になって欲しくないと考えます。わざわざ自分が当選するはずもないと考える候補に入れる人はいません。できるだけ、勝ち馬に乗りたいと考えるのが人情という訳です。

 

主義、主張、イデオロギーがはっきりある人たちにとっては、投票を通じての意思表示が自己利益になるのですが、ほとんどの人にはそんな強固な考えはありません。そうではありますが、バランスを取るという行動に出ることもあります。

 

 今回の場合、細川護煕元首相の出馬表明がない段階では、舛添要一元厚労相、宇都宮健児弁護士・元日弁連会長、田母神俊雄元航空幕僚長・元空将・軍事評論家の争いになると考えられていました。舛添氏を自公に民主が支援し、宇都宮氏を共産党、社民党が支援し、田母神氏を石原慎太郎元東京都知事を含む、維新のゾンビ議員たちが支援することになっていました。はっきり申し上げて、この構図では、舛添え氏が圧倒的に有利な状況でした。自公で基礎票が180万から200万。民主党まで入れれば200万は超えてくる数でした。宇都宮氏に各政党が最大限支援しても100万に届かずで、田母神氏はそこまでもないということになったでしょう。

 

 そうなると、勝ち馬に乗りたい普通の有権者たちは舛添氏に投票するか、「もう結果が分かっているのなら」ということで棄権してしまったことでしょう。

 

 ここに細川氏が小泉純一郎元首相と小沢一郎代議士・生活の党代表の支援を受けて出馬表明を行いました。ここでこの安定した構図に波乱が起きました。細川氏、小泉氏、小沢氏はそれぞれ毀誉褒貶が多い人物です。それぞれが批判し合う関係でありました。それが東京都知事選に向けて「脱原発」ということでタッグを組みました。

 

 これで何が起きるかということを思考実験してみます。脱原発(舛添氏も自分なりの脱原発を主張されているようです)系が固まって支援するはずだった宇都宮氏から細川氏へ支援を変える組織や人々が出てきました。これに対して、宇都宮氏を支援する組織や人々はこうした動きに反発して、より支援に力を入れ、宇都宮氏支持に力を入れることになります。舛添氏の方では、足元にくさびを打ち込まれた形になります。

 

自民党と公明党は、党本部を上げて舛添氏支援を行おうとしています。しかし、自民党内部には舛添氏に対するアレルギーがあります。自民党政権時は厚生労働大臣を務めながら、自民党が野党に転落すると除名処分となる離党を強行しました。また、自民党の支持者の中には、田母神氏を支援したいとする人たちがかなりいることも分かってきました。

 

自民党の支持層に細川と田母神でくさびを打ち込んでいく、そして、公明党の支持母体である創価学会の信者の皆さんの中には平和や原発問題についてかなり懸念を持っている方々もいらっしゃると聞いています。安倍氏に対するブレーキ役になるかもしれません。

 

さて、ここで、基礎票について考えてみたいと思います。前回の投票数が約637万でした。舛添氏の基礎票は180万から200万ということで圧倒的に有利な状況は変わりません。数十万票の票数を獲得しそうな候補が4名ですから、過半数を獲得する候補者は出にくいと考えられます。ですから200万台での争いとなるでしょう。

 

宇都宮氏は共産党の支援がありますから大体60万、細川氏は民主、社民などを合わせて恐らく60万くらいではないかと考えます。田母神氏は20万票くらいではないかと考えます。これにはあまり根拠はありませんが、最終的に50万票ほど獲得出来たら御の字ではないかと考えます。

 

宇都宮氏と細川氏はいかにしてそこから200万台に乗せていくかの勝負となります。無党派層への浸透と他陣営の切り崩しが大きなカギとなります。自民、公明から多くを切り離せるのは細川氏であると考えます。宇都宮氏は共産党の党員でもないし、公認候補でもないのですが、自民党の支持者層は宇都宮氏に投票しづらいと考えられます。既に細川氏支持を表明している自民党の地方議員も出ているという話です。

 

無党派層への浸透は宇都宮氏の方が一日の長があるように思われますが、小泉氏の動員力(ミーハーですが見てみたいと思う人は多いと思います)と小沢氏とその周辺の選挙活動のうまさはやはり大きなものがあります。

 

そう考えると、200万台に乗せていく力を持つのは細川氏であると考えます。それでも恐らく舛添氏を抜くことは難しいでしょう。舛添氏230万、細川氏200万、宇都宮氏150万、田母神氏50万ということになるでしょう。

 

舛添氏が敗れる場合というのは、投票率の上昇と自公の支持者の投票が低調である時ということになります。しかし、自公に加え、連合東京の支援もあるということで、楽々と200万票を越えてくるということで、舛添氏の有利さは変わらないでしょう。

 

しかし、細川氏の出馬までは、勝利の確立がほぼ100%であったものが、少し引き下げられているのではないかと思います。細川氏の出馬によって「2月9日の投票日までどうなるかは予断を許さない状況です」という表現が少しリアリティを持つようになりました。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



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 2014年4月にアメリカのオバマ・大統領が東アジアを訪問するという日程になっているようです。二週間前に「12月末の靖国参拝の影響で、4月のオバマ大統領の東アジアツアーで日本には立ち寄らないという話がある」という話を聞いていました。私は「まさかそんな。日本は同盟国ではないか」と思って、聞き流しました。


 そして、1月20日にTBSが以下のように報道しました。オバマ大統領の日本訪問が「国賓待遇」ではなく、「公式実務訪問」になったということです。天皇陛下との謁見や宮中晩餐会は行われないということです。2013年2月の安倍首相の訪米以降、日程の調整が続いていたということにも驚かされますが(アメリカの大統領の日程(一日一日)を貰うというのは大変なことなんだなと思いました)、やはり、昨年末に国賓待遇で調整が進んでいたものが、難しいということにあってレベルが格下げということにも驚かされました。


 前回のオバマ大統領の訪日は、2009年11月、2010年11月にそれぞれ、シンガポール、横浜で開催されたAPEC出席のついでという感じで実現しました。2009年大統領就任後の初来日時は、子供の時以来の鎌倉を訪問し、抹茶アイスを食べるパフォーマンスを行い、東京にあるサントリーホールで演説を行いました。2009年の訪日時は、皇居で午餐会に招かれ、天皇陛下に握手をしながら深々と頭を下げるオバマ大統領の写真が公開され、アメリカでも物議をかもしました。

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 2014年4月の訪日では、日本側がオバマ大統領を何とか国賓待遇で迎えたいとして、色々と動いていたようで、それが実現したところで急に実務訪問ということになり、宮中晩餐会もなく、天皇陛下も謁見なさらないということになりました。これは、駐日アメリカ大使館が出した声明で「失望した(disappointed)」という言葉を使われたことの重さがいみじくも証明されたことになります。こちらが「最高の待遇でお迎えしますのでどうぞいらしてください」とずっと言ってきていて、相手も「そうですか、じゃあお願いしましょうか」という感じであったものが、「いや、やはり結構です」ということになったというのは、やはり靖国神社参拝の影響があったと考えるのは自然です。


 私は、今回の国賓待遇ではない訪日に関して、ミシェル・オバマ夫人も難色を示したのではないかと思います。宮中晩餐会が開かれるとなると、やはり夫人のミシェルさんも大統領と一緒に訪日する必要が出てきます。せっかく夫人がいらっしゃって、今のところ訪日に関して健康面などで条件が合わないようには見えないのですが、訪日を嫌がるというのは、恐らく、頭の切れる弁護士同士であり、同性のキャロライン・ケネディ駐日アメリカ大使とも話をして、安倍晋三首相には会わないということをまず決めたのだと思います。そうなると、自分一人だけ国賓待遇で宮中晩餐会出席というのは天皇陛下・皇后陛下にも失礼になります。

 オバマ政権の特徴は、女性たちが外交の要職についていることです。スーザン・ライス国家安全保障大統領補佐官、サマンサ・パワー国連大使、そして、日本にはキャロライン・ケネディ大使がいます。こうした頭脳の切れが凄まじい女性たち、ミシェル夫人を加えますが、彼女たちに小手先の言辞は通用しませんし、本質を見抜かれてしまいます。彼女たちには安倍政権の本質が既に見抜かれ、日本に対する懸念は大きくなっていると思われます。こうしたことは前著『アメリカ政治の秘密 日本人が知らない世界支配の構造』(PHP研究所、2012年)に書きましたので、是非お読みください。


オバマ大統領が安倍首相に対して「消極的な態度」を示した訳ですが、これでもまだ、そんなに重要なことではないと言えるのかどうか、私は疑問を持っています。



 今のところは、「安倍晋三首相とその周辺」に対しての懸念だけで済んでいるのですが、キャロライン・ケネディ大使のツイッターやアメリカ大使館のfacebookのページにおける見るに堪えない、口汚い罵りの言葉が続いていくと、「日本人は安倍政権を支持している。確かにアメリカのジャパンハンドラーズがそのように仕組んだのだが、薬が効きすぎたようだ。反米がコントロールできなくなるようでは困る」ということになって、日米関係がもっとギクシャクしてしまうことになります。


 ですから、これ以上ギクシャクしないように、冷静になって、合理的な精神で、そして相手の立場に立って(外交は鏡のようなもので相手の態度は自分の態度を映しているものだという考えもあります)、自分たちを冷静に点検することが大事だと思います。それが安倍晋三首相やその周辺に出来るかどうか、私は不安を持っています。


(貼り付けはじめ)


●米大統領来日は国賓待遇にならず、靖国が影響か


2014年1月20日 TBS

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2107297.html


 4月に予定されているオバマ大統領の来日が、国賓待遇ではなく、宮中晩餐会も行われない方向であることが、JNNの取材で明らかになりました。アメリカ側が想定する日程では国賓待遇としての十分な時間がとれないためで、靖国をめぐる不協和音など、日米関係の昨今のあつれきが浮き彫りになった格好です。


  オバマ大統領の4月の訪日をめぐっては、去年2月、安倍総理が訪米した際、国賓として来日するよう要請し、去年の年末まではその方向で両国間で調整が続いていました。しかし、今回のオバマ大統領の日本滞在時間が当初の想定よりも短くなる見込みとなり、国賓として待遇する際、慣例となっている日本到着時の歓迎式典、天皇陛下との会見、宮中晩餐会などの行事を行うには十分でないとの判断から、国賓よりランクの下がる「公式実務訪問」とすることで最終調整が進められているということです。


 政府関係者によりますと、オバマ大統領のアジア歴訪をめぐっては、韓国にできるだけ長く滞在するよう朴槿恵(パク・クネ)大統領側が強く働きかけているということで、ここでも日韓のせめぎ合いが繰り広げられています。


 安倍総理の靖国参拝に関するアメリカの「失望」コメントやTPPの交渉難航など、日米関係がギクシャクしているだけに、政府としてはできるだけ国賓に準ずる形でオバマ大統領の来日を盛り上げたい考えで、検討が続けられています。(2011:12


(貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




 

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 古村治彦です。


 今回は、ここ最近の政治状況と日米関係について書いてみたいと思います。都知事選挙は2014年1月23日告示ですが、出馬表明をした各氏の動きが活発化しています。特に早めに出馬を表明した宇都宮健児氏と田母神俊雄氏の動きは活発です。舛添要一氏には自公が本腰の支援を行うことに加え、労働組合の連合東京が支援を決定しました。自公と労働組合が一緒の候補を応援するのはなんだか奇妙なものですが、電気総連と東京都職員の自治労系が舛添氏を望んでいるということなのでしょう。彼らは身分の安定した高給取りの人々であって組合などを作っていますが、これは自分たちの要求する条件を通すための方便でしかないということが明らかになりました。彼らにしてみれば至極当然な合理的な行動です。


 細川護煕氏に対する様々な批判や非難、悪罵が投げかけられています。細川氏の出馬はある意味で出来レースであった東京都知事選挙に衝撃を与えたものであったということが言えましょう。青年会議所が主催して開催しようとした候補者討論会は宇都宮市の身が出席で後は欠席ということで、これを材料にして細川氏を攻撃するという動きもあります。しかし、選挙は23日告示です。まだこれから細川氏よりも大物が出馬を表明するかもしれないし、もしかしたら誰かが撤退することだってあります。そうした落ち着かない状況下で、初めての出馬で準備に忙殺されている人に、前回も出て準備万端な人間が、「早く出ないのはおかしい、卑怯だ」などと批判している。これは苛めであり、自分以外のものの行動や考えを認めない、非常に権威主義的な態度であると私は考えます。私はこれを風紀委員的態度と名付けたいと思います。


 東京都知事選挙は組織票を持つところが舛添氏を支援ということになりましたので、舛添氏が一気に有利な展開ということになりました。しかし、2月9日の投票日までにどういう動きが起きるか分かりません。


 安倍首相の靖国参拝の余波は続いているようです。谷内正太郎国家安全保障局(NSC)局長がワシントンを訪れ、ジョン・ケリー米国務長官、チャック・ヘーゲル米国防長官、スーザン・ライス米大統領補佐官と会談を行ったということです。これを「厚遇」と報道する新聞記事がありましたが、これは、直接の上司による「人品検査」と「お叱り」のための訪問と読み替えるべきです。日本のNSCとアメリカのNSCの間でホットラインが引かれるということは、いざという時にはアメリカ側が直接指揮を執ることができるようになるということです。ケリー国務長官とヘーゲル国防長官は前回の日本訪問時に千鳥ヶ淵戦没者墓苑で献花をしています。靖国問題についてあまり話が漏れて来ていませんが、これは、日本側によほど厳しい言葉があったのだということが推察されます。


 谷内氏もまともな感覚がある人なら、安倍総理の靖国参拝は控えて欲しいと思っていたと思いますので、「なんで俺が、安倍の代わりに怒られなきゃいけないんだ」と思っておられると思いますが、これも給料のうち、身の不幸と思って我慢していただきたいものです。


 安倍総理の側近の質の悪さが知られる報道がなされました。萩生田光一代議士・首相補佐官が党本部で講演し、「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない。民主党政権だから、オバマ大統領だから言っている」という発言を行ったということです。靖国問題は、アメリカの戦後世界支配の正統性を揺るがすものであり、アメリカ側からすれば重大な挑戦ですらあります。よく「失望」程度で収まったなというのが私の考えです。


この萩生田代議士と衛藤晟一参議院議員・首相補佐官が安倍総理に靖国参拝を進言したということです。この程度の国際感覚と能力で一体何を「補佐」出来るのか分かりませんが、問題はこの程度の人物たちを周辺に置いている安倍首相の能力にも及びます。


 さて、安倍総理に対してですが、少し気になる動きが出てきました。ジェイコブ・ルー米財務長官が「円安に対する懸念」を発表しました。政府や日銀関係者はその意図を測りかねているようですが、それは簡単なことです。アメリカの安倍総理に対する警告なのです。安倍総理は靖国参拝を行ったことで外交上の失点をしてしまいました。となると、もう一つの柱である経済(アベノミクス)に力を入れなければならなくなりました。しかし、4月には消費税増税を控え、その行く先は不透明です。これにアメリカが円安を懸念するという動きが出て円高に動くと、今の株高も頓挫してしまいます。そうなれば、外交もダメ、経済もダメということになると安倍首相に対する批判は党内外から大きくなり、最悪の場合、消費税増税の責任者である財務大臣の麻生太郎氏と共に退くということになります。そうなると、舛添氏の当選が条件ともなりますが、石破茂自民党幹事長にチャンスが巡ってくるということになります。


 アメリカはこうやって安倍さんに警告を出しているのです。”You won’t have a second chance”なのです。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)


●「日米NSC、緊密に連携 谷内氏、米閣僚らと会談


2014年1月18日付 日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS18005_Y4A110C1MM0000/


 【ワシントン=吉野直也】訪米中の谷内正太郎国家安全保障局長は17日、ワシントンでケリー米国務長官、ヘーゲル米国防長官、ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)と相次いで会談した。ライス氏とは日米の国家安全保障会議(NSC)が緊密に連携していくことで一致。ケリー、ヘーゲル両氏とは沖縄県の米軍普天間基地移設や日米防衛協力指針(ガイドライン)再改定の加速を確認した。


 谷内氏は昨年末の安倍晋三首相の靖国神社参拝についても言及した。内容に関して同行筋は「靖国問題を話し合うことが今回の訪米の目的ではなかった」と述べ、具体的なやりとりを明らかにしなかった。首相参拝後に日本政府の要人が米閣僚やホワイトハウス高官と会談するのは初めて。


 米側の3氏との個別会談は合わせて1時間半を超えた。連携相手となるライス氏との会談で、谷内氏は「ライス氏と直接連絡がとれるようにしたい」と述べ、ホットラインの開設を検討すると表明。ライス氏は「谷内氏とともにスタッフ間の協力を進めていきたい」と応じた。核開発を進める北朝鮮や海洋進出を活発にする中国など東アジア情勢についても意見交換した。


 米ホワイトハウスは声明で、谷内、ライス両氏が朝鮮半島の非核化に向けた日米の協力拡大の必要性を申し合わせるとともに、日米NSCの緊密な連携が日米関係の強化につながるとの見解で一致したと発表した。


 国防総省は声明で、普天間移設の前提となる名護市辺野古沿岸部の埋め立てを沖縄県知事が承認したことを評価。地域の平和と安定のために日米の役割は一段と大きくなると指摘し、移設計画の推進を求めた。谷内氏はケリー氏とも同様の認識を擦り合わせた。


 谷内氏は政府の外交・安全保障政策の司令塔である日本版NSCの発足を受け、米国を訪問。米国の後に欧州やインドを回り、NSCの目的や安倍政権の外交・安保政策を説明する。


●首相側近の萩生田氏、米政権に反論 靖国批判は「揚げ足取り」(01/18 02:05


2014年1月18日付 北海道新聞電子版

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/515922.html


 安倍晋三首相側近の自民党の萩生田光一総裁特別補佐は17日、党本部で講演し、首相の靖国神社参拝に「失望」を表明したオバマ米政権について「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない。民主党政権だから、オバマ大統領だから言っている」と反論した。政権中枢に近い与党幹部の発言だけに日米関係に波紋を広げる可能性がある。


 講演は党青年局メンバーの会合で行われた。萩生田氏は青年局長経験者として出席した。メディアには非公開だった。


 萩生田氏は共同通信の取材に対して発言内容を認めた上で「オバマ政権を非難する意図はない。日本の立場を説明する思いからの発言」と述べた。


●「米財務長官の円安けん制発言、日本政府は真意模索」


2014年1月17日付 ロイター通信

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJEA0G00H20140117


[東京 17日 ロイター] -米国のルー財務長官による突然の円安けん制発言を受けて、日本政府関係者は真意を測りかねている。安倍晋三政権発足以来の円安進行について米国は日本経済を強化するものとして支持してきたとみられるためだ。


ただ米国内には過度の円安を警戒する産業界の動きは根強く、同様の発言が繰り返されれば、安倍政権が理想とする緩やかな円安進行と株価上昇の実現に黄信号が灯る可能性がある。


ルー米財務長官は16日、日本について「為替に過度に依存すれば長期的な成長はない」とし、日本の為替政策を「注視し続ける」と述べた。金融市場で日銀の追加緩和観測が広まっているのを踏まえ、急激な円安・ドル高の進行に懸念を示した格好だ。


これに対して、日本の政府関係者は発言の真意について「よくわからない」(高官)とし、米側の本音を探りかねているもよう。


岩田一政・日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)は17日、都内の景気討論会で、ルー財務長官の発言を注視していると指摘。「政治的な発言がなければ、為替レートは緩やかに(ドル/円)110円まで進む」としつつ、為替に関する条項を環太平洋連携協定(TPP)に盛り込むようオバマ政権に求める書簡に、上下院の半数以上の議員が署名した点を挙げ、今後も同様の発言が繰り返されれば、円安があまり進まなくなる可能性もあるとの見解を示した。


米財務省は「日本の金融緩和は国内政策で、為替相場を政策の目標にしない」との日本の主張を理解している立場だが、議会には日本を為替操作国と批判する米自動車業界と近い声があるのも事実だ。


一方、政府内には米国で日本や欧州に金融緩和により世界経済のけん引役を果たすことを期待する声があるとの見方もある。「かつての日独機関車論と同様」(別の政府高官)で、米国は金融緩和の縮小過程に入る中で、日欧に金融緩和の継続を求めているとの解釈だ。実際、日銀は現時点で追加緩和を検討していないが、4月の消費増税などで景気が大きく下振れ、2%の物価目標達成が難しいと判断すれば、追加緩和も辞さない構えだ。


日銀の金融緩和は為替を目的とはしていないため、米高官発言は政策運営の直接の障害とはならない。ただ市場で円安進行が止まるようであれば、政権が期待する円安・株高は実現が難しくなる可能性もありそうだ。


(竹本能文 編集:内田慎一)


(新聞記事転載貼り付け終わり)




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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 古村治彦です。

 今回は都知事選挙について、私がここ数日考えたことを書きたいと思います。


 


 2014年2月9日に投票が行われる東京都知事選挙は主要な候補者たちの立候補表明が終わり、いよいよ本格化してきました。細川護煕元首相が立候補を表明して、舛添要一元厚労相がかなり有利だと思われていた都知事選挙の構図が少し変化するかなという印象があります。宇都宮健児元日弁連会長・弁護士や田母神俊雄元空将・軍事評論家も活発な動きを見せています。

 


 こうした中で、自民党と公明党が舛添要一氏の支援に本腰を入れるということになりました。最初は都連レベルでの支援を行い、党本部は直接関わらない(実質はそういう訳にはいかないと思いますが)ということになっていたようですが、党本部が動くということになりました。こういうことを書くと大変失礼ですが、宇都宮氏や田母神氏の出馬を受けても、「自公の組織票に舛添氏の個人の力があればそこまで本気にならなくても勝てるさ」という感じで動く気配を見せなかった自公が細川氏をターゲットにして動き始めてきました。

 


 細川氏に出馬に対しては、全陣営が早速批判と非難を向けています。そして、宇都宮氏や田母神氏の支持者の皆さんの中にいる、細川氏にかなりの拒否反応を示す人たちがインターネット上で広範なテーマを取り上げて批判を展開しています。私はこうした動きは、結局のところ、主敵であるはずの舛添氏の当選に利するだけの行為であると私は考えます。マルクスは『資本論』の中で、「地獄への道は善き意図をもって舗装されている」という言葉を使っています。この言葉の意味については複数の解釈があるようなのですが、「良いと思ってやった行いが思いもよらず、全く意図しなかった悪い結果をもたらす」という意味で使われます。細川氏に対しての批判には正論があり、その通りだということがありますが、細川氏に対する批判を行ったからと言って、圧倒的に有利な舛添氏に打撃を与えられるかというとそれは難しい、ほぼ不可能ではないかと私は思います。

 


 こういうことを書いて気分を害される方もおられると思いますが、近親憎悪や内ゲバという言葉があります。戦後の左翼陣営の歴史を見てみると、自分たちの主目的の達成よりも、自分たちと元々は仲間であったが分裂したグループに対する攻撃に終始する、そして弱体化していくということがありました。また、急進的な主張(それはそれで素晴らしい内容のものではありましたが)をするあまりにかえって広範な人々の支持を得られなかったということがありました。今回もまた同じような失敗をして、主敵を利することになるのだろうと、私はここ最近悲観的になっています。

 


 ここで良く考えねばならないのは、自民党員、自民党から選挙に出ること(東京地区の地方自治体や国会議員の選挙)を考えていながら、元空将・軍事評論家の田母神俊雄氏を支援しようとしている皆さんです。自民党は最初、都連レベルで舛添要一氏を支援することにしていました。しかし、公明党が舛添氏の支援を決めたこともあり、また細川氏の出馬で危機感を覚えたのか、安倍晋三首相・自民党総裁が公明党の山口那津男代表と会見し、舛添要一氏の支援で一致しました。そして自民党は党本部を上げての支援ということになりました。

 


 自民党が田母神氏を支援する可能性はなくなりました。複数の当選者が出るなら支援ができるかもしれませんが、都知事は一人しかなれません。そうなると、自民党員、もしくは自民党から選挙に出たいと考えている人が田母神氏を支援することは自民党総裁、もしくは自民党本部の意向に反することになります。自民党の歴史を見てみると、総裁や党本部に反抗しても許されてきたということもありますから大丈夫だとは思いますが、自民党東京都連や公明党のことを考えると、そういう人たちは今後選挙の際にそこまでの支援が受けられるのか、そして東京から選挙に出ようとしてどうだろうか、ということになります。

 


 やはり今の自民党には公明党の組織票が必要なのでしょう。そして、田母神氏に共鳴してしまうような人たちは少し邪魔な存在なのかもしれません。しかし、そうした人たちをJ-NSCなどを通じて自民党支持者として陶冶してきたのは、自民党自身なのです。自民党にしてみれば、おとなしく、強い主張をすることなく、淡々といつもいつも自民党に無条件に投票してくれる人が重要であって、自分たちを強烈に支持してくれるが、時に大変批判的になり、党総裁や党本部の意向に反抗するような人はいらないということになります。

 


 私は偉大な政治学者であった故チャルマーズ・ジョンソン(Chalmers Johnson)が提唱した「ブローバック(Blowback)」という言葉を思い出します。これは2001年9月11日の同時多発テロの1年前に出された本の題名でもありますが、アメリカが対ソ連用に育てたアルカイーダが、結局アメリカに攻撃を加えることになったということをいみじくも言い当てたものでした。

 


 この都知事選が一つのポイントとなって、自民党が少し変化していくのではないかと思います。都知事選自体は、自民党と公明党の組織力やネットワーク力がフル回転ということになり、舛添要一氏が有利になったと思われます。反自公で統一戦線(United Front)、統一候補ができると面白い勝負になると私は考えていましたが、それも潰えました。安倍晋三首相に対する現実的な力を持つストッパーは国内勢力には存在しなくなるということになります。それでも、野党側からすれば、自民党と同じくここが一つのポイントとなって、野党再編や野党再建の動きが活発化することになると私は考えます。

 


 ここ数日、私が考えたことを取り留めもなく書きました。乱文で申し訳ありません。最後まで読んでいただいてありがとうございます。

※2014年1月17日午後6時5分。加筆します。細川氏擁立には自民党内部にくさびを打ち込むということではないかという考えが浮かびました。それは、ある自民党員の方が細川氏に投票するという発言をSNSで行っていたのを見たからです。私は自民党内部が一枚岩であるという前提で考えてきました。しかし、もともと自民党は寄り合い所帯のように、様々な考えの人たちがいた(いる)政党です。穏健派の人たちは目立たないが、確かにいます。

 谷垣禎一法相も穏健派というか、保守本流の宏池会の出身です。谷垣氏は自分が総裁の時に党を出た舛添氏に対して「個人的な思いはある」という発言をしています。これは「だけど党の決定に従う」と続くものですが、それなら「党の決定に従うこと」だけを述べればよいのです。ところがそうではないのはよほどの思いがあるし、もっと大きく言えば、安倍晋三首相に対しても含むところがあるのではないかと推測されます。

 こうして考えると、自公が本部として引き締めにかかっているのも、意外に党内にまとまりが欠けるところが見え始めているのではないかと私は考えています。そして、それが細川氏陣営が仕掛けた揺さぶり、打ち込んだくさびのせいなのだろうと考えます。そしてこのようなことを考えたのは、小沢一郎氏なのだろうとも考えています。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「主張に現実性ない…自民、党挙げ「対細川氏」」



2014年1月17日 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140117-OYT1T00171.htm?from=top



 自民党が東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)を巡り、党本部が前面に出る形で舛添要一元厚生労働相を支援する姿勢を鮮明にしている。



 小泉元首相が支援する細川元首相の主張が政府の方針と異なるため、国政が混乱しかねないとの判断から主戦論が一気に強まった。



 自民党の河村建夫選挙対策委員長は16日、党本部で開かれた東京都連幹部らの会合で「党本部を挙げた態勢の中で、勝利を目指して頑張っていこう」と呼びかけた。会合では、党として舛添氏を全面支援することを決めた。同党は16日、石破幹事長名で党所属の全国会議員に舛添氏への支援を呼びかけるメールを送った。今後は閣僚クラスを応援弁士として投入するほか、都議や区議、支持団体への働きかけを強める方針だ。



 自民党は当初、都連を主体とした舛添氏の支援態勢を想定していた。無党派層がかぎを握る都知事選は、党本部が出過ぎない方がいいとの判断もあった。しかし、「原発の即時ゼロ」を主張する小泉氏が、「脱原発」を争点に細川氏を支援する考えを示しているほか、細川氏自身がかつて2020年の東京五輪・パラリンピックの「返上論」を唱えていたことも判明。「細川氏の主張は現実性がない。都知事になれば、日本全体に悪影響が広がる」(幹部)との懸念が広がった。



20141171049  読売新聞)



●「舛添氏支援で自公党首が一致」



2014年1月16日 共同通信

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/kyodo-2014011601001946/1.htm



 安倍晋三首相と公明党の山口那津男代表は16日、官邸で会談し、東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)に立候補を表明した舛添要一元厚生労働相(65)を支援する方針で一致した。同じく出馬予定の細川護熙元首相(76)の陣営では、小泉純一郎元首相に続き、民主党の野田佳彦前首相や、脱原発を主張する菅直人元首相がブログで細川氏を支援する考えを相次いで表明した。



 脱原発や2020年東京五輪への準備、防災対策強化を争点とする首都のリーダー選びは告示まで1週間となり、各陣営は選挙準備を加速した。



 安倍首相は会談で山口氏に「協力して取り組もう」と呼び掛け、賛同を得た。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



(終わり)






 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

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 古村治彦です。


 今回は、大村大次郎著『国税調査官が教える なぜ金持ちが増えたのか? 税が格差社会を作った』(グラフ社、2007年)を皆様にご紹介いたします。



 この本は友人から貰った本の中にあったもので、偶然手にしたものです。大村大次郎という人物については、「節税(脱税といってはマズイようです)指南」の本をたくさん書いている人として、名前だけは知っていましたが、初めて著書を読みました。



 この本の肝は、タイトルにもある通り、「税が格差社会を作った」ということです。「役人が税金を無駄遣いしたり、公益法人を作って天下りをしたりすることで、税金にたかって生きていることで、必要なお金が必要な人や分野に流れない。また、税金の掛け方も問題があり、企業は正社員を増やさない。例えば、消費税は、利益と人件費に消費税の税率がかけられるために、人件費の圧縮の誘因となっている」というのが主な内容です。



 年金(を含む社会保障)と教育は2007年当時から現在まで多くの関心事であると思います。年金と教育には多くのお金がかかり、「そのために税収を上げるためにも消費税の税率アップが必要だ」と思っている(思わされている)人々がたくさんいます(私もその一人でした)が、お金の使い方に無駄が多いことによって、本当に必要なところにお金が回らず、税金で食べている人たちのところにどっさいお金が行くようなシステムになっているということなのです。



 著者の大村は、地方自治体は無駄なことをせずに、住民サーヴィスに専念していれば、そんなにお金を使わないで済む、夕張市が破産してしまったのも、流出し続け、減少し続ける人口に歯止めをかけ、人口を増やそうとして、市役所が全く不得意な観光事業などに手を出したからで、住民が住みやすい、住民サーヴィスに特化していれば良かったのだと主張しています。



 大村の「これから大きな経済成長は見込めない。だから成熟した社会を目指すべきだ」という考えには賛成です。日本は戦争直後から1970年代にかけて「奇跡の経済成長」を達成しましたが、先進国になった今、あのような劇的な経済成長どころか、中規模の経済成長も難しい状況です。そうであれば、私は低成長を前提として、お金の振り分け方をそれに合わせたものにし、必要なところに必要なお金がいきわたるようなシステムへの改良が必要だと考えます。



 この本で書かれているお金の使われ方の改善についての提案には賛成なのですが、税金というものがどのような存在であるのかという点には賛成しかねます。税金は「低ければ低いほど、捕捉される部分が少なければ少ないほど」良いと私は考えます。私たちが日本史の授業で習ったのは、江戸時代、農民に掛けられた税金は五公五民、もしくは四公六民、つまり、40%から50%であったと習います。しかし、実際にはかなりいい加減で三割を切っていたという研究もなされています。これは農民が新田開発を行っても、それを報告しなかったり、生産量もかなり低く見積もられたりしていたためです。



 現在の私たちはどうでしょう。痛みの実感の少ない(物価は高く感じる)消費税は別にして、他の税金や社会保障関係の支払い(国民年金税と呼ぶべき。国民健康保険税と呼んでいるのだし)に汲々として、それで残ったお金でなんとか生活「させていただいている」のが実態です。江戸時代の農民と比べて、対抗できる手段がないだけ、苦しい状況にあると言えます。



 著者の大村は税務署の職員ということもあり、やはり「獲る側、お金を引っぺがして持っていく側」の論理を振りかざします。「税金はその国の文化を表す」ということで、「日本人は助け合いの文化があった、だからお金持ちはそれ相応の高い税金を払うべきだ」ということを書いています。しかし、「助け合い」を国家に強制されて行う理由はありません。



 また、この本で著者の大村は、お金持ちに対する税率が低くなったのが格差社会の一員であると書いています。これは、お金持ちではない人たちのお金持ちに対する劣情を掻き立てる主張であり、「お金持ちが強欲だから問題なのだ」ということになります。しかし、誰がこの日本で一番の強欲でしょうか。私は官僚・公務員であると考えます。



シェークスピアの『ベニスの商人』にはシャイロックという強欲な金貸しが出てきます。そして、契約書にあった「肉1ポンドを切り取る」という条項の履行を要求します。最後は「その条文には血については書かれていない」という、日本風に言えば「大岡裁き」でシャイロックは負けてしまいます。



しかし、日本の官僚や徴税役人であれば、「しかし、契約を結んだ時に血を流さずに肉を切り取ることなど想定しておらず、常識で考えれば血も含まれるはずだ」と言って、「常識解釈権」を用いて、肉を切り取ってしまうことでしょう。彼らは哀れなシャイロックよりも強欲で、強力なのです。



 公務員や官僚は税金の配分の際に、まず自分たちの取り分をしっかり、やや多めに確保して残りのカスを私たちに還元しているのです。ですから税金を払ったほどのサーヴィスを受けられません。人間の感情として、自分の取り分を先に確保するというのは自然なことです。ですから、そのような官僚をお金の配分の決定に関わらせてはいけないのです。大事な決定は国民の代表者である政治家が行うべきなのです、しかし、自民党支配の中でそのようなことが行われてきませんでしたし、これからも難しいでしょう。それでも、それを変えるべきだ、本来あるべき姿に変えるべきだと言い続けなければなりません。



この手の本は注意して読まないと、主張に取り込まれてしまうことがあります。こういう本は嫌らしいほどに猜疑と懐疑を持って読むと良いと考えます。



(終わり)


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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 古村治彦です。

 今回は、大変面白い音源を見つけましたので、皆様にご紹介したいと思います。

 インターネットの動画サイトYou Tubeにアップされていたもので、舛添要一氏がラジオ番組に出演して、キャロライン・ケネディ駐日米大使の着任の政治的意義について語っています。

 「キャロライン・ケネディ大使は日米両国に対する発信力が強いので、日本の政治家たちは舌禍を起こさないように口にチャックし、中途半端に英語ができるからと得意がって英語で話すのではなく、慎重に日本語で話してちゃんと通訳に訳してもらえ」と言っていたのが印象的でした。

 都知事選挙の情勢についての私の考えは昨日書きました。お読みいただければわかりますが、舛添氏もまさか自分がその政治的重要性について解説した相手に邪魔をされることになるとはという思いに駆られます。「一寸先は闇」「好事魔多し」ですね。





アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


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