本日(2013年12月8日)、みんなの党の江田憲司前幹事長(衆院神奈川8区選出)がみんなの党を離党して、新党を結成する意向を明らかにしました。みんなの党内部の路線対立、渡辺喜美代表と江田氏との間の確執は修復不可能な状態で、いつ分裂するかという状態でした。ですから、今回の分裂は既に織り込み済みといった雰囲気があります。


 江田憲司代議士、日本維新の会の松野頼久代議士、民主党の細野豪志代議士を中心とした「既得権益を打破する会」という政党横断的な勉強会が1週間ほど前に結成されています。2013年12月2日付江田けんじウェブサイト「「既得権益を打破する会」設立へ・・・規制改革と地域主権で共生社会を実現する!」(http://www.eda-k.net/column/week/2013/12/20131202a.html)にアップされた文章よると、呼びかけ人は、「【民主】細野豪志・松本剛明・笠浩史・階猛(今後増える可能性あり)、【維新】松野頼久・石関貴史・馬場伸幸・小熊慎司・遠藤敬・東国原英夫、【みんな】江田憲司・柴田巧・青柳陽一郎・井坂信彦・井出庸生・小池政就・畠中光成・林宙紀、【無所属】柿沢未途」といった人々です。新党のコアメンバーはこのうち、特定秘密保護法案に反対、もしくは棄権した人々になると思われます。


 民主党現職からすぐに離党者が出るとは思えませんが、前職で離党した人々からは参加者が出るものと思われます。既に離党している山口壮代議士も新党に参加する可能性があると私は考えています。


 新党参加者や新党に近い人々の顔ぶれは、アメリカのネオコン派とはつながらない、別の流れにつながる人々であることは予想されます。新党の代表になる江田氏は、通産官僚時代にハーヴァード大学ウェザーヘッド国際問題研究所にフェローとして在籍しました。その時のルームメイトがマイケル・フロマン米通商代表部(USTR)代表です。フロマンはUSTR代表になる前はバラク・オバマ大統領の副補佐官を務めていました。彼はオバマ政権では米韓FTAやTPPといった経済、通商問題を担当しています。フロマンはハーヴァード大学ロースクール(法科大学院)出身ですが、オバマ大統領とはその時の同級生です。ですから、江田氏の動きは、フロマンの意向もあるのではないかと私は考えています。


 オバマ大統領が安倍晋三首相を嫌っているという話はだいぶ広まってきました。ネオコン派に連なる安倍首相に関しては、コントロールが効かなくなるのではないかという懸念をオバマ大統領やアメリカ側は持っているのではないかと思われます。2012年の総選挙、そして2013年の参議院議員選挙で、アメリカ側は、独立志向の民主党を懲らしめたという構図になるのですが、薬が効きすぎて、自民党独裁を許すようになり、ブレーキを掛ける存在がなくなってしまいました。


 そこで、アメリカ側としては、自民党とは別の勢力を日本の成果に作る必要に迫られました。それは自民党よりもナショナリスティックではなく、同時に少しリベラルで都市住民に受け入れられるような勢力になると言えるでしょう。キャロライン・ケネディ米駐日大使の最近の動きを見ていても、自民党や自民党を支持する勢力ではない、アメリカとつながりがある新興勢力をアメリカ側は支持しているように見えます。


 自民党に対抗する勢力もまたアメリカとつながっていなければならないというのは属国の悲哀そのものです。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)


●「江田氏「国民本位の政党つくる」=9日にみんな離党」


時事通信 2013年12月8日

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013120800060&rel=y&g=pol


 みんなの党の江田憲司前幹事長(衆院神奈川8区)は8日、東京都内で講演し、「みんなの党はもう限界だ。一強多弱といわれる政治状況を打破し、国民本位のまっとうな政党をつくっていこう」と述べ、離党して新党を結成する意向を表明した。この後、記者団に離党届提出は9日になると説明した。一方、渡辺喜美代表は「新党準備は反党行為だ。党を出ていってもらう」と都内で記者団に語り、慰留しない考えを示した。


 江田氏は2014年から政党交付金を受給するため、年内の新党結成を目指す。これに関し、特定秘密保護法の採決で反対したみんなの井出庸生衆院議員(比例代表北陸信越ブロック)は8日、地元の会合で離党の意向を表明。井坂信彦衆院議員(同近畿ブロック)らも江田氏に同調する。また、先に離党した柿沢未途衆院議員も新党に参加する見通し。みんな内では渡辺氏の党運営に批判的な議員も多く、「離党者が10人を超えるのは確実」(党関係者)との見方が出ている。


 江田氏は講演で「小さく分かれていがみあっている野党が、政治理念と基本政策を軸に、自民党に対抗し得る勢力を結集しなければ、日本の民主主義は死んでしまう。捨て石となって再編をやる」と述べ、野党再編に強い意欲を示した。


 渡辺氏は記者団に、江田氏の離党届を受理するかどうかについて「いろんなケースがあり得る」と述べ、除名を含め厳しい処分を検討する考えを示した。また、比例代表選出議員が離党する場合には「議員辞職を勧告する」と語った。 


 これに先立つ都内での会合で、渡辺氏は「カネ(政党交付金)目当て、選挙区事情でできた新党が必ず失敗するのは歴史が証明している」と、江田氏らを強く批判した。(2013/12/08-18:25)


●「路線対立、限界超える=渡辺代表、江田前幹事長ついに決別-みんな」


時事通信 2013年12月8日

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013120700420


 みんなの党の江田憲司前幹事長がついに離党を決意した。渡辺喜美代表とともに党の二枚看板として中心的役割を果たしてきたが、特定秘密保護法への対応を機に安倍政権に接近する渡辺氏と、野党勢力の結集を目指し、同法採決で造反した江田氏の路線対立は限界を超え、もはや同じ党にとどまることは不可能となった。


 渡辺、江田両氏は2009年の結党以来、党運営の主導権争いを繰り返してきた。12年衆院選、13年参院選を経て、自民・公明の巨大与党との向き合い方が課題となると、渡辺氏は「切り貼り新党は失敗する」として、みんなの存続を前提にした「政党ブロック」連合を提唱。野党再編に積極姿勢を示す江田氏を8月に幹事長から更迭した。11月に安倍晋三首相と会食した後は、秘密保護法の修正合意を主導し、集団的自衛権の行使容認も打ち出すなど、与党志向を鮮明にした。


 これに対し、江田氏は「自民党に対抗できる受け皿が必要」との判断から、新党結成も視野に、民主党の細野豪志前幹事長、日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長らと10日に勉強会を始動させる。秘密保護法の衆院採決では党の賛成方針に反して退席。「脱官僚を標ぼうする党が官僚支配を助長する法案に賛成して良かったのか」などと、公然と渡辺氏批判を繰り返している。


 江田氏に近い議員らの間では「渡辺氏の『政権すり寄り』の姿勢は党の原点と懸け離れている」と不満が渦巻く。江田氏周辺は同調者が「十数人規模に上る」と強気で、14年から政党交付金を受給するため、政党要件の国会議員5人以上をクリアして年内に新党結成にこぎ着けたい考え。これに対し、渡辺氏サイドは離党者を最小限にとどめるため、9日にかけ懸命に切り崩しを進めるとみられる。(2013/12/08-02:32)


●「「野党再編」乱れる思惑 既得権益打破する会設立も分裂含み」


産経新聞 2013年11月30日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131130-00000106-san-pol


 民主党の細野豪志前幹事長、日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長、みんなの党の江田憲司前幹事長は29日、国会内で会合を開き、規制改革や地域主権に関する勉強会を12月10日に設立する方針を決めた。新党結成を含む野党再編の布石にする狙いがあるが、みんなは渡辺喜美代表が安倍晋三政権との連携強化を模索しており、分裂含みだ。再編をめぐる民主や維新との歯車がかみ合うのは難しそうだ。


  会合には3党と無所属の計16人が出席。勉強会は「既得権益を打破する会」という名称とし、細野、松野、江田3氏が共同代表に就任する。再編に向け、注目されるのがみんなの行方だ。会合で江田氏は「わが党の事情で遅くなった。私の不徳の致すところだ」と陳謝した。その「事情」とは渡辺、江田両氏の対立にほかならない。


  安倍政権との連携を模索する渡辺氏は29日の記者会見で、江田氏について「新党準備会合だとすれば反党行為だ。首謀者がポイントだ。遠心力は排除する」と語った。特定秘密保護法案の衆院採決で造反したことへの処分は、「除名」になる可能性も出てきた。


  これに対し、江田氏は会見で「勉強会が野党再編を目的にしているということはない」と強調。「公党の代表が遠心力とか排除とか言っちゃだめだ」と渡辺氏を批判した。江田氏に近い議員からは「処分を待たず離党して新党をつくるべきだ」との声が上がる。


  だが、仮に江田氏らが新党を結成したところで、他党も流動化しなければ再編は難しい。細野氏は来年4月に細野派を結成する意向で、海江田万里代表が辞任した場合に行われる次期代表選を見据えた行動との見方が強い。民主党が再編にどう向き合うかは、この代表選次第といえる。


  維新には、今回のように民主、みんなとの再編を模索する動きと、憲法改正を軸に自民党を巻き込む形での再編を狙う動きがある。だが、その方向性を詰めようとする雰囲気はない。


  勉強会発足は再編の「始まりの始まり」でしかなく、その行方も不透明だ。(村上智博、沢田大典)


(新聞記事転載貼り付け終わり)


(終わり)




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 古村治彦です。