古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2013年11月

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


 古村治彦です。

 明日から12月が始まります。今年の私は色々あって仕事がはかどらなかったのですが、年が押し詰まってから仕事が立て込んでくるようになりました。

 そこで、ブログの刷新をして以降、出来れば毎日更新をしたいと考えておりましたが、仕事を優先しなければなりません。そこで、ブログの更新を3日おきにしたいと思います。

 皆様にはご理解をいただきまして、引き続き、ブログ「古村治彦の酔生夢死」を宜しくお願い申し上げます。

古村治彦拝

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 古村治彦です。



 特定秘密保護法案が衆議院で可決され、参議院に送付されました。今国会での成立の可能性が高い状況になっています。この特定秘密保護法案の採決の時、自民党が修正に応じたために、党として賛成することになったみんなの党から退席者、反対者が出ました。退席したのは江田憲司氏(神奈川8区・当選4回・みんなの党前幹事長・解任)、反対したのは井出庸生(長野3区比例復活・当選1回・東大野球部主将)、林宙紀(宮城1区比例復活・当選1回・東大アメフト部主将)の両氏です。



 以下の新聞記事にあるように、みんなの党は、三氏に対して早速事情聴取が行いました。この動きですと、三氏のうち、若い井出、林氏には離党勧告までは出ないでしょうが、戒告や党員資格停止が出るでしょう。そして、江田氏に関しては離党勧告まで出される可能性が高いように思われます。みんなの党の分裂の可能性は高まっています。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「みんな「造反組」離党も…秘密保護法案採決」



20131128()730分配信 読売新聞

http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/yomiuri-20131127-01320/1.htm



 特定秘密保護法案の衆院本会議での採決を巡る混乱の余波が、内部で意見が対立した政党や、今後の法案審議に影響を与えている。



 同法案への反対や退席が相次いだみんなの党では27日、渡辺代表の指示を受けた山内康一国会対策委員長が、採決で退席した江田憲司前幹事長のほか、反対に回った井出庸生、林宙紀両氏と国会内で個別に会い、事情聴取を行った。



 その後、江田氏は記者団に「安全保障や国民の知る権利に関わる法案の強行採決は容認できないという立場を説明した」と述べた。江田氏に近い井出、林両氏に関しては「政治家の信念に基づく苦渋の決断だったと思う。2人には寛大な措置を執行部にお願いした」と語った。林氏は記者団に「議席を返すことを覚悟して造反したことを伝えた」と話し、井出氏は「いかなる処分も受け入れたい」と述べた。



 同党では寺田典城参院議員が2011年3月、子ども手当つなぎ法案の参院本会議採決で党の方針に反して賛成に回り、党の役職停止6か月の処分を受けた前例がある。渡辺氏は、これを踏まえて3議員の処分内容を決める考えだが、野党再編を巡る対立から幹事長を更迭した江田氏に対しては「累積ポイントがある」と周辺に語っており、除名を含めた重い処分も想定される。江田氏が党を離れる場合、江田氏と行動を共にする議員もいるとみられるため、今後の展開次第では党分裂が現実味を増す。



 一方、特定秘密保護法案は27日、民主党などとの対立が解けないまま参院本会議で審議入りした。与党側は当初、22日に衆院を通過させ、25日の参院審議入りを目指していたが、野党との修正協議が長引き、想定より2日遅れた。



 参院国家安全保障特別委員会は27日、理事懇談会で、28日に委員会を開き、法案の趣旨説明と質疑をすることを中川雅治委員長(自民)の職権で決めたが、野党は態度を硬化させている。与党側は同特別委を連日開いて12月6日の会期末までに成立させる日程を描くが、野党が強く抵抗した場合の展開には、不透明感も漂う。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 みんなの党は2009年に「国民運動体 日本の夜明け」を母体にして誕生しました。結党以来4年余りですが、着実に党勢を拡大してきたという印象があります。日本維新の会は急激に党勢を拡大(しかし国会議員の多くは石原慎太郎系のゾンビ議員や他党からの合流者たち)しましたが、その勢いは頓挫しています。



 私は、堺屋太一、屋山太郎、江口克彦、三枝成彰といった人物が「日本の夜明け」のナビゲーター(役員?幹事?)となり、みんなの党のサポーターとなっていることを知った時点で、少し怪しさを感じていました。日本維新の会の裏にいる堺屋太一がここでも出てくるということは、日本維新の会とみんなの党は裏ではつながっているのだろうと考えました。そして、自民・公明・日本維新の会・みんなの党・民主党の一部が構成する「米政翼賛会(American Rule Assistance Association of Japan)」という言葉を思いついた訳です。



 このみんなの党ですが、創設者の一人である渡辺喜美(わたなべよしみ)氏に対して、独裁的であるという批判がなされるようになりました。その批判はもう一人の創設者である江田憲司氏から出るようになりました。特に昨年の総選挙における日本維新の会との選挙協力や合流、野党の合併、政界再編といった話が出るようになってから、みんなの党の内部に亀裂が走るようになりました。そして、解党や政界再編にまで言及していた、柿沢未途代議士(東京15区・当選2回・父は柿澤弘治元外相)に、非公式な離党勧告が行われ、柿沢代議士は離党に追い込まれました。また、柿沢代議士の離党の前には、江田憲司代議士がみんなの党幹事長の役職から解任されました。以下の新聞記事にこれらのことが詳しく書かれています。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「みんな・柿沢氏が離党届提出 「渡辺代表から『出て行け』と」」



2013.8.23 22:50 1/2ページ)[みんなの党] MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130823/stt13082313210000-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130823/stt13082313210000-n2.htm



 みんなの党の渡辺喜美代表は23日、柿沢未途(みと)前政調会長代理(衆院東京15区)に離党を勧告した。これを受け柿沢氏は離党届を提出、受理された。先の参院選後、野党から現職国会議員の離党者が出たのは初めて。野党再編をめぐる同党内の路線対立は、党代表が所属議員を“追放”するという異常事態に発展した。(原川貴郎)



 柿沢氏は離党後、国会内で記者会見し、「はらわたがちぎれるほど残念だ」と無念さをにじませるとともに、「再編のあるべき姿として大きな器をつくり出すべきだ」と持論を展開。一方、渡辺氏も記者会見を開き、柿沢氏について「党の方針、私の方針と反する言動があった」と批判した。



 柿沢氏らによると、渡辺氏は22日、議員会館の自室に柿沢氏を呼び出し「何も言わないから党から出ていってほしい」と通告。同席した浅尾慶一郎幹事長も「柿沢氏は新党に前向きではないのか」と迫った。即答をためらった柿沢氏が23日、渡辺氏のもとを再び訪れると、離党届を書くよう求められたという。



 柿沢氏は、新党結成による野党再編を目指す民主、維新、みんなの中堅・若手会合の中心メンバー。これに対し、「多党連合」構想を掲げる渡辺氏は23日の会見でも「解党はしない」と党の存続にこだわった。



渡辺氏は若手会合に出席している柴田巧参院議員、井坂信彦衆院議員からも事情聴取する方針。同じく再編論者の江田憲司前幹事長に離党勧告をするかについても「これから考える」と含みを残した。



 今回の一件で野党再編の機運はしぼみかねないが、今後、維新とみんなで再編をめぐる主導権争いが勃発する可能性がある。維新の橋下徹共同代表(大阪市長)は23日、市役所で記者団に「渡辺氏と一緒にやりたい国会議員や、渡辺氏のみんなの党と組む政治家は極めて少ない」と批判。柿沢氏の動きを「再編の起爆剤になる」と指摘した。



 みんなからは昨年、3人の参院議員(現在衆院議員)が維新に合流している。維新側は渡辺氏と距離を置くみんな議員と接触を図ることになりそうだ。



(新聞記事転載貼り付け終わり)





●「みんなの党、終わりなき対立劇 再編で渡辺氏「みんなが母体」 江田氏「党解消も辞さず」」



2013.8.9 20:14 [みんなの党] MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130809/stt13080920170006-n1.htm



 みんなの党の渡辺喜美代表と幹事長を更迭された江田憲司衆院議員が9日、それぞれ記者会見やテレビ番組の収録で「場外戦」を繰り広げた。両氏の対立はエスカレートするばかりで、渡辺氏の党内基盤を揺るがすことになりかねない。



 渡辺氏は9日の記者会見で江田氏の処遇について「今後の推移を見たい」と述べるにとどめ、野党再編に関してはあくまでもみんなを母体に進める考えを示した。



 江田氏が独自に野党再編に動いた場合の対応は「党の方針に反するか反しないかが(容認するかどうかの)判断のポイントになる」と語り、「江田切り」まで進みかねない勢いだ。



 江田氏も黙っていない。9日のBS-TBS番組の収録で更迭について「理解できない」と不満をぶちまけ、再編に関しては「渡辺さんも私も党の発展的な解消を辞さずという立場だった。私は引き続きそうだが、最近、渡辺さんがどう思っているのか…」と懐疑的なまなざしを向ける。



 ただ、2人の感情がこじれた根本的な要因は、党の資金運用や公認手続きなどをめぐる渡辺氏の「独断」ぶりに江田氏が不満を抱いたことが大きい。収録でも「ルールを決めて全員野球をしようというのが私の提起だ」と語っている。



 もっとも、江田氏に離党する気はない。野党再編の機運がしぼみつつある中、離党しても、展望が開けるわけではないからだ。渡辺氏が党内基盤を強化したくても、2人の険悪な関係は党を弱体化させることにしかならない。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 柿沢氏の離党は、江田氏の勢力を削ぐことが目的であったでしょうし、江田氏の解任は渡辺代表の力を誇示し、存在感を出すために必要な措置であったと言えるでしょう。みんなの党は党勢を確実に伸ばしてはいますが、政界再編となった場合に埋没し、渡邉氏がイニシアティヴをとることは難しいのが現状です。渡辺氏にしてみれば、党の創設や資金面で自分が全てやってきたオーナーという感覚があって、小賢しい江田氏や柿沢氏のような存在は邪魔になっていったと思われます。ここは、イデオロギーや理想ではなく、自分の力を保持するための生き残りを掛けた戦いです。



 この分裂に手を突っ込まれた結果が、今回のみんなの党の特定秘密法案賛成ということになります。みんなの党の内部に出来た2つの勢力の対立を煽って、最後はオーナーである渡辺氏を勝たせることで、米政翼賛会体制に取り込むことに成功したと言うことができるでしょう。そのために橋下氏がみんなの党にちょっかいを出し、分裂を誘い、両勢力をうまく煽りながら、最後は一方を切るということになったのだと思います。



 政治家は勢力にくっついて生き残ることも仕事のうちですが、渡辺代表の動きは大変残念なものです。そして、米政翼賛会(American Rule Assistance Association of Japan)の巧妙さにやられっぱなしというのは情けない限りですが、これが現状であることを認識することがまずは重要ではないかと思います。


(終わり)

 

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 古村治彦です。

 今回は、以前(2013年1月16日)に書きまして、反響が大きかった記事を再掲いたしたいと思います。これは消費税増税に絡んだお話なのですが、皆様のご関心が大変大きい話題であり、多くの皆様にお読みいただきました。

 新しい読者の皆様にも是非お読みいただきたく、ここに再び掲載いたします。

==========

 安倍晋三首相は、先日、緊急経済対策を発表しました。安倍政権は、この経済対策で、GDPの2%成長を目論んでいます。この2%の経済成長が達成された後に実施されるのが、消費税率の5%から8%への引き上げです。「景気が良くなったら消費税を上げる」ということで、基本的に自民、公明、民主が合意しているのですから、これは予想されてきた動きです。消費税率を上げたい財務省とすれば、財政出動しても、その後、その分以上のお金を税金として取り立てることができる訳ですから、財政出動に対して文句を言いません。

 このところ、話題になっているのは、消費税率引き上げに伴って、低所得者層に対する軽減措置制度です。自民党と公明党は、導入の時期に関しては意見が異なりますが、軽減税率制度の導入を主張しています。これは食料品など生活必需品の税率を低くするというものです。しかし、どの物品やサービスの税率を低くし、どれを高くするかを決めるのは大変なことです。また、富裕層も低所得者層も同じものを買う場合は、富裕層に恩恵があるというデメリットがあります。一方、民主党は、給付付き税額控除を主張しています。給付付き税額控除とは、「所得税を減税しても、低額所得でもともと納税額が少ないため、減税の恩恵があまり受けられない人に対して給付金を支給する制度」です。この制度には、所得の把握が難しいこと、財産はあるが所得が少ない人に恩恵があるというデメリットがあります。

 この2つの制度が今、議論されています。このことについて、先日、私はとある専門家にお話を聞く機会がありました。お恥ずかしい話ですが、専門家からお話を伺うまで、そこまで関心がありませんでした。その方は、私があまり興味を持っていないのを感じたのか、大変興味深いお話を聞かせてくださいました。

 その方は、「古村君、この2つの制度の議論で何が大事か分かるかな?」とまず言われました。私は、「事務手続きの煩雑さでしょうか?」と答えました。その方は、「そんなことじゃないんだよ、財務省が絡んだことさ」とその方は言われました。そして、次のような説明をしてくださいました。

 自民党が主張している軽減税率制度が導入されたどうなるか。どの業界団体も、自分たちの商品は軽減税率の適用を受けたいと考えるでしょう。そして、一度軽減税率の適用を受けたら、その適用がずっと続いてほしいと願うでしょう。そうなると、各業界団体は、自民党の政治家、そして官僚たち、この場合は財務省にロビー活動を行います。そうなると、当然見返りということになります。政治家には政治献金や集票、官僚には天下りの受け入れということになります。財務省にしてみれば、天下り先をこれから確保するためにも、軽減税率は重要です。これだと、いわゆる「政官財の鉄の三角形」が維持されます。そして、民主党は天下りをさせないためには、給付付き税額控除が良いのだと主張しています。しかし、この給付付き税額控除にもカラクリがあります。

 給付付き税額控除を行うためには、日本国民各人の「所得の正確な把握」が必要になります。そうなると、必要になるのは、「マイナンバー(社会保障と税の共通番号)制度」です。これによって、税務署は各人の名寄せが簡単になり、転居や結婚により姓の変更などによって名寄せが困難になることを防ぐことができます。しかし、日本人のプライベートな情報まで一つの番号で把握されることになります。財務省は、マイナンバーの導入を悲願として掲げています。

 所得の正確な把握ということになると、「公正、公平な制度」のために、マイナンバー導入が不可避となります。そうなると、給付付き税額控除とマイナンバーは表裏一体の関係になります。

 財務省とすれば、「天下りの確保」と「マイナンバーの導入」のどちらが良いかということになります。私が話を聞いた専門家は、「天下りの確保はいつでもできるから、やはり、マイナンバーの導入を優先したいだろう」と話しておられました。そして、「あと、重要なことは、富裕層、財産のある層には税金が重くなるだろうね」とも話しておられました。どちらの制度も富裕層、財産家層には恩恵があるというデメリットがありますから、これを是正するための富裕層・財産家層への課税は強化されるでしょう。

 消費税の論議は、国民のためにどちらが良いかという視点でやられていると思われていますが、結局は、どちらに転んでも財務省には美味しいことになっているようです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「低所得者対策 自民、公明は軽減税率で足並み 民主は給付付き税額控除」
MSN産経ニュース 2012.9.27 21:42
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120927/fnc12092721440013-n1.htm

 消費税率引き上げの大前提になる低所得者対策が、次期衆院選の争点に浮上してきた。自民、公明両党が食料品など生活必需品の税率を低くする「軽減税率」の導入で足並みをそろえたのに対し、政府・民主党は所得に応じて減税と現金給付を組み合わせる「給付付き税額控除」を柱に据えているためだ。長引く景気低迷で節約を強いられている家計にとって税負担の増大は切実で、各党の政策判断が注目される。

 平成26年4月に消費税率を8%に、27年10月に10%に上げる社会保障・税一体改革関連法で積み残された課題が低所得者対策だ。消費税増税は、低所得者ほど負担感が重くなる「逆進性」が問題視され、今後の税制改正論議で具体策を急ぐ必要がある。

 自民党の安倍晋三新総裁は総裁選の公約で、「軽減税率を導入」と主張。公明党は22日に発表した公約案で、税率8%段階からの「軽減税率の導入を目指す」と明記した。これに対し、野田佳彦首相は「給付付き税額控除が基本」との立場を崩していない。

 軽減税率は買い物のたびに、恩恵が実感できるわかりやすさが魅力だ。消費税にあたる付加価値税の標準税率が20%程度と高い欧州では、食料品や新聞などで広く適用され、国民負担の緩和に役立ってきた。

 政府・民主党は軽減税率は対象品目の線引きが難しく、税収が目減りするなどの難点を指摘するが、自民党は給付付き税額控除について、正確な所得把握が困難で「バラマキになる」と強く反対している。


●「軽減税率、導入時期で自公の綱引き続く」
読売新聞電子版 2013年1月13日
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130113-OYT1T00437.htm?from=ylist


 2013年度税制改正を巡る自民、公明両党の綱引きが続いている。

 所得税、相続税を巡る調整は進んでいるものの、消費税率引き上げに伴う低所得者対策として生活必需品などの税率を抑える軽減税率の扱いは、なお着地点が見えない。両党は軽減税率を導入することでは一致したものの、導入時期で隔たりがある。

 「国民から消費税(率の引き上げ)を理解してもらうために、最も良い方法は軽減税率だ」

 公明党の斉藤鉄夫税制調査会長は、12日のTBS番組でこう強調した。

 斉藤氏と自民党の野田毅税調会長らによる11日の与党税制協議会では、軽減税率導入の必要があるとの認識で一致した。しかし、公明党が税率を8%に引き上げる14年4月から導入するよう主張するのに対し、自民党は10%に引き上げる15年10月以降を念頭に置いており、溝は埋まっていない。

 公明党は11日の協議会で、適用品目をコメなどの穀類や野菜などに限定する案を提示した。適用品目を絞れば、自民党が「軽減税率に不可欠だ」と指摘するインボイス(税額票)制度の導入も当面は不要になるとの判断だ。

 これに対し、自民党は、10%段階での導入を念頭に「軽減税率の検討チームを設けることでどうか」と妥協案を示し、決着はつかなかった。自民党も軽減税率には賛成しているものの、8%段階での導入には否定的な意見が根強い。夏の参院選前に8%段階での導入を決めれば、納税額の算出などで事務負担の増える小売店が反発し、支持を失う可能性も指摘されている。

 自民、公明両党は、14日に協議会を開き、軽減税率の導入時期について再度調整することにしている。(2013年1月13日15時45分 読売新聞)


●「民主 給付付き税額控除導入を」
NHK NEWS WEB  1月13日 18時11分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130113/k10014775491000.html

民主党の細野幹事長は、高知県南国市で記者団に対し、消費税率の引き上げに伴う低所得者対策に関連し、自民・公明両党との今後の協議では、所得に応じて給付や控除を行う「給付付き税額控除」の導入を求めていく考えを示しました。

この中で細野幹事長は、消費税率の引き上げに伴う低所得者対策に関連し、食料品などの税率を低く抑える複数税率について、「どの項目の税率を軽減するのか、本当に公平にできるのかということを考えると現実に導入できるのか、相当慎重に考えなければいけない」と述べました。

そのうえで細野氏は、「基本的には、現金を払い戻す『給付付き税額控除』によって低所得者への対応をしっかりしていきたい」と述べ、自民・公明両党との今後の協議では、「給付付き税額控除」の導入を求めていく考えを示しました。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)
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 古村治彦です。

 今回は、2013年2月2日に発表した文章を再び掲載します。この文章は、当時のみんなの党と日本維新の会の協力に関する動きについて書いたものです。

 2013年の前半の時点は渡辺氏が江田氏に追い落とされるのではないかと私は考えていましたが、その後、渡辺氏が江田氏を党幹事長から解任しました。そして、昨日の特定秘密保護法案の採決では、みんなの党は修正に応じていたのですが、江田氏をはじめ数名が造反するという動きに出ました。

 この動きは何を意味するのかということを今振り返って考えてみる必要があると思います。私にはどうもみんなの党内部の動きが不可解でした。しかし、今回の特定秘密保護法案をめぐる動きで何となく分かったように思います。それは、みんなの党は、米政翼賛会(私の造語。自民党・公明党・日本維新の会、そして今回からみんなの党で組まれるアメリカの言いなりになるための政治勢力。そして、現在はこの勢力しか日本の正解には存在しない)に内部に手を突っ込まれて、米政翼賛会に入らざるを得ない状況にさせられたということです。

 渡辺氏は江田氏の造反以降、自民党(と日本維新の会)を中心とする米政翼賛会に近づいていきました。江田氏らが日本維新の会という野党の振りをしている米政翼賛会の勢力と結ぼうとしたために、自分の生き残りが危うくなりました。そこで、渡辺氏は安倍氏と結ぶことで生き残りに賭けたのです。米政翼賛会側としては、みんなの党の内部で争いが起きて、主導権争いに発展し、より近づいてきた方を助けて、勢力下においてしまおうという動きがあったものと考えられます。そこには理念やイデオロギーではなく、生き残り、殺し合いしかありません。

 最初、米政翼賛会側が江田氏などを利用しておいて、渡辺氏の危機感を煽り、渡辺氏を取り込んだのだと言うことができるでしょう。

==========


 今年の1月に入ってから、みんなの党と日本維新の会の選挙協力、合併の記事と合わせて、渡辺喜美・みんなの党代表に対する攻撃記事が目立つようになりました。これらの記事は、週刊CIA日本版の週刊文春(文藝春秋社)と日刊CIAにもなれない哀れな属国メディアで、全国紙の落ちこぼれの産経新聞に掲載されています。文藝春秋社と産経新聞が海の向こうの意向を受けて渡辺氏に攻撃を加えていることは明らかです。



 渡辺氏は、日本維新の会との合併や協力について慎重な立場を取っています。確かに、渡辺氏は一時期、みんなの党と日本維新の会の合併を模索したことがありました。しかし、日本維新の会が石原慎太郎氏率いる太陽の党(今となってはもう懐かしい響きですね)と合併したことで、昨年の総選挙では選挙協力までは行いましたが、それ以降、合併の話はしなくなりました。



 一方、橋下徹大阪市長は、「日本維新の会がなくなっても」「自分が下がっても」良いので、みんなの党と日本維新の会の合併を進めたいと主張しています。「第三極」として、自民党に対抗するという姿勢を見せています。



 これに対して、渡辺氏は、「日本維新の会が政策の異なる太陽の党と合併したこと」に対して、不信を持っているということになっています。しかし、渡辺氏以外のみんなの党の政治家たちは日本維新の会との合併に乗り気で、(恐らくとしか言えませんが)渡辺氏の許可を得ることなく、選挙協力や合併に向けての話し合いをしているようです。



 私は昨年から、渡辺氏以外のみんなの党の面々は日本維新の会との合併を望んでおり、渡辺氏は孤立しているということを感じ、そのことをツイッターなどで書いてきました。いよいよそれが現実になりそうです。これには権力闘争の面とよりアメリカの意向に沿うように米政翼賛会の引き締めを図るという面があるように私には感じられます。



 みんなの党の江田憲司幹事長は、橋本龍太郎元首相の女婿であり、元通産官僚です。竹中平蔵氏や堺屋太一氏との関係も深い人物です。諸事情で今はみんなの党にいますが、元々は自民党や日本維新の会の中核、米政翼賛会の中核となる人物です。また、浅尾慶一郎氏もまた同じような人物と言えます。



 党の代表が放り出されるということは、近々であれば、亀井静香氏が国民新党から追い出されるということがありました。みんなの党もまたそのようなことが起きるのではないかと思われます。それにしても、文藝春秋も産経もアメリカの御用聞きばかりで情けなくないのでしょうか。いっそとのこと、合併してしまえばすっきりしてよいのではないかと思います。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「ミスター・アジェンダ 渡辺喜美の孤独な闘い 前門の橋下、後門の江田 みんなの党がひとりの党になる可能性も」

MSN産経ニュース 2013.2.1

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130201/stt13020122560002-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130201/stt13020122560002-n2.htm



 みんなの党の渡辺喜美代表が、日本維新の会に対し“けんか腰”の姿勢を強めている。連携を互いに模索しているはずの維新の橋下徹共同代表と舌戦を繰り広げたかと思えば、国会での維新との幹部間協議まで「どうでもいい」と一刀両断。ただ、足下の党内には渡辺氏のワンマンぶりへの不満もくすぶっており、今のところ「孤独な闘い」を強いられている。(原川貴郎)



 「維新のペースに巻き込まれてしまうと、ズルズル遅れちゃうんです…」



 1日の国会内での記者会見。夏の参院選の候補者擁立について問われた渡辺氏は、維新をこう牽制(けんせい)し、一部公認候補を月内に発表すると明言した。



 維新との候補者調整が緒に就いたばかりであることを考慮し、1月27日の党大会で予定していた候補者のお披露目を見送ったことを踏まえての発言だった。



 「維新ペース」を警戒するのは昨年8月の苦い思い出があるからだ。渡辺氏は維新に「対等合併」を持ち掛けたが、維新は渡辺氏を袖にし、旧太陽の党と合併。結局、昨年の衆院選で自民党の大勝を許す結果となり、渡辺氏は「(維新には)猛省を促したい」と発言している。



「ミスター・アジェンダ(政策課題)」を自認する渡辺氏にとって、政策の一致は譲れない一線。維新の政策にも「旧太陽系が本当に原発ゼロの路線を飲めるのか」と疑問のまなざしを向ける。



 「渡辺氏には合併を拒否しながら、政策的に異質の旧太陽と合流し、今になって結婚したいと言ってくる橋下氏への不信感がある」



 そう解説するのはみんなの党幹部。橋下氏がみんなの党と民主党の一部を巻き込む形での新党結成に言及するなど、野党再編の主導権を握ろうとしていることも、「元祖第三極」を自負する渡辺氏の神経を逆なでしているようだ。



 だが、そんな渡辺氏の「不信感」は、党内をも覆いつつある。



 維新との連携話を進める江田憲司幹事長の動きすら、「選挙協力の権限の持ってない人たちが集まっているわけで、どうでもいい話」とこき下ろしたのだ。これには党内から「本来、選挙は幹事長マター。江田さんの立場がなくなる」との声が出ており、江田氏との主導権争いの様相を呈している。



 前門の橋下氏に、後門の江田氏。このままでは渡辺氏が孤立し、みんなの党が「ひとりの党」になりかねない。



●「「もう少し大人の政治家に」 橋下氏、みんなの党との合流に期待「維新なくなっても…」」

MSN産経ニュース 2013.1.28

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130128/stt13012814280003-n1.htm



 みんなの党の渡辺喜美代表が今夏の参院選に向けた日本維新の会との合流に否定的な姿勢を示していることについて、維新の共同代表に就任する橋下徹大阪市長は28日、「自公政権への対抗勢力となる新しい大きな政党をつくり、参院選で選択肢を示したい。そのために維新がなくなっても構わない」と重ねて合流に期待感を示した。



 渡辺氏は、維新が昨年の衆院選直前に太陽の党と合流して以降、維新について「政策が分からなくなり信頼が壊れた」との発言を繰り返し距離を置いている。



 これに対し、橋下氏は「反省すべきところは反省する」としつつ、みんなとは政策が基本的に一致しているとの認識を表明。両党の合流を求め、「どちらが吸収するとかではない。渡辺代表が気に入らないなら僕が引いても構わない。もう少し大人の政治家になってほしい」と述べた。



 一方、自民については「既得権を打ち破り、新しい社会構造をつくるというスタンスが決定的に違う」と対決姿勢を鮮明にした。



●「維新との幹部級協議、渡辺代表「どうでもいい」」

読売新聞電子版 2013.2.1

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130131-OYT1T01205.htm?from=ylist



 みんなの党の渡辺代表は31日、国会内で記者団に対し、同党と日本維新の会の幹部級協議について、「選挙協力などの権限を持っていない人たちが集まっているのだから、どうでもいい話だ」と語った。



 国会内で同日開かれた幹部級協議には、維新の会の松野頼久国会議員団幹事長とみんなの党の江田幹事長らが出席し、協議の定例化で合意した。両党の政調会長らは30日、10項目の基本政策でも合意。夏の参院選の選挙協力に向けた連携の動きに、渡辺氏が冷や水を浴びせた形だ。



 維新の会幹部は31日、渡辺氏の発言について、「ひどい発言だ。江田氏の立場もなくなる」と憤った。みんなの党内では、「選挙協力を主導する江田氏と渡辺氏の主導権争いが激化している」との見方が出ている。



2013210804 読売新聞)



(新聞記事転載貼り付け終わり)



(終わり)

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 古村治彦です。  

 このブログの旧版「古村治彦の酔生夢死日記」のURLを皆様にご紹介いたします。こちらにも文章がありますので、是非お読みください。  

 旧版で重要だと思われるものは、こちら(新版)に掲載してまいります。

 旧版のURLは、 「http://suinikki.exblog.jp/」 です。 ※旧版へは、こちらからどうぞ。

 宜しくお願い申し上げます。

古村治彦拝

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 古村治彦です。



 今日は、徳洲会事件の影響について考えたことを書きたいと思います。徳洲会事件は、現在、猪瀬直樹都知事の現金授受(貸し借りと知事側は主張)にスポットライトがあてられている状態です。しかし、鹿児島生まれの私としては、逮捕された徳洲会関係者が起訴され、裁判で有罪になった場合、連座制が適用されて、徳田毅代議士(鹿児島二区選出、自民党を離党)が失職する(辞職まではいかないのではと個人的には思います)ことにも関心があります。



 そのように思いながら、ネットで産経新聞の以下の記事を見つけました。大変長い記事ですが、状況が分かるので是非読んでいただきたいと思います。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「安倍政権を悩ます「徳洲会補選」 消費増税後初の国政選挙に?」



2013年11月24日 産経新聞

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1124/san_131124_3698317976.html

 

 医療法人「徳洲会」グループをめぐる公職選挙法違反事件が予想以上に安倍晋三政権に重くのしかかっている。渦中の徳田毅衆院議員(42)=自民党離党、鹿児島2区=が失職あるいは辞職し、補欠選挙が来年4月に行われることは不可避とみられるからだ。補選となれば消費税率の5%から8%への引き上げ後、初の国政選挙となる。自民党は「徳洲会後遺症」と「消費増税」という二つの十字架を背負いながら“負けられない戦(いくさ)”に臨まざるを得ないのだ。



 東京地検特捜部と警視庁は12日、昨年12月の衆院選で公選法が禁じる運動員買収をしていたとして、自民党公認候補で当選した徳田毅衆院議員の姉で、徳洲会の関連会社社長だった越沢徳美(なるみ)容疑者(50)、スターン美千代容疑者(46)とグループ幹部ら計6人を同法違反容疑で逮捕した。



 捜査当局は、不正を主導したのは徳田議員の父で元衆院議員の徳洲会創設者、虎雄前理事長(75)とみているが、病気療養中のため在宅で容疑者として調べを進めている。



 今後の焦点は、徳田議員の刑事責任が及ぶか否かに移っている。



 しかし違法な報酬を受け取って選挙運動に従事した傘下病院などの職員は563人、不支給の総額は1億4750万円相当に上るとされ、公選法違反の買収事件としては空前規模である。



 国会議員には不逮捕特権があり、原則として国会会期中は逮捕されないが、徳田氏は自身の関与のあるなしにかかわらず、まず議員辞職して責任を明らかにするのが政治家のとるべき道だろう。



 しかし仮に徳田氏に刑事責任が及ばないにしても、「自分はシロだ」として議員の職に居座り続けることもできまい。公選法の規定によると、候補者の父母や兄弟など親族が買収の罪で禁錮以上の刑が確定したら連座制により当選無効となる。2人の姉が逮捕された徳田氏が早晩、失職を余儀なくされるのは必至とみられるからだ。



 徳洲会の公選法違反事件のダメージを最小限に食い止めるべく自民党は14日、持ち回りの党紀委員会(中曽根弘文委員長)で、徳田議員の離党を了承した。とはいえ「これで一件落着」といくわけがない。おそらく半年以内に当該選挙区の補選が待ち受けているのである。



 公選法によれば、投票日に特に定めがなく、9月16日から翌年3月15日に欠員などで補選を行う事由が生じた場合、当該期間直後の4月の第4日曜日に投票となる。従ってカレンダーに目をやれば、「徳洲会補選」の投票が来年4月27日に実施されることは永田町では既定路線になりつつある。



 しかし、その補選が安倍政権にとっては厄介(やっかい)極まりない戦いなりそうな気配だ。



 内閣支持率は「アベノミクス」への期待感や野党のふがいなさなどがあいまって約60%の安定高値を維持しており、本来なら自民党が“横綱相撲”で受けて立つ選挙になってもおかしくない。だが、そうは問屋が卸してくれない。



 徳田議員の父親、虎雄氏も自由連合時代、中選挙区制で唯一の1人区だった奄美群島区で、自民党の保岡興治衆院議員と何度も激しい選挙戦を繰り広げた。「保徳戦争」「ハブとマングースの戦い」などとたとえられうえに死人が出るとまで言われ、選挙違反の摘発も

枚挙にいとまがない。文字通り「死闘」の連続だった。



 徳田氏が地盤とする奄美群島を中心とした当該選挙区はそんな土地柄、土壌ゆえに「有権者にとって衆院選は数年に1度の大イベント、お祭りだった。4月に補選が実施されれば地元の関心や熱気はこれまでの選挙より冷めるのは言うまでもない」と選挙事情通は指摘する。



 とはいえ、安倍政権が10月に消費税率の3ポイント引き上げを決定し、そして来年4月1日にそれが実施されてから初めて行われるであろう国政選挙である。



 現に補選となれば、多くのメディアは「消費増税に対する民意を図る試金石」などとはやし立て、再来年10月の消費税10%への再引き上げの是非を争点化することが十分予想される。野党が「消費増税」の一点を突いてくることも想像に難くない。自民党関係者はこう語る。



 「補選になった場合、政権に与える勝敗の影響は限りなく大きい。消費増税に対する世論の反発が全国に波及する恐れがある。絶対に落とせない選挙になる」



 アベノミクスへの国民の期待値は高いが、景気回復や雇用、賃上げが政権のシナリオ通り進まなければ、支持率は急降下する。先行きの期待感をあおりにあおってきた分、反動は大きく、そこに消費税アップの生活苦が重なれば、国民の失望が怒りに変わりかねない。



 前出の自民党関係者は「来年4月の選挙はタイミング的に『凶』と出る要因ばかりだ。これまで自身の『強運』の助けもあって政権を順調に運営してきた安倍首相にとって、それこそ運の尽きとなる可能性がある」と懸念を抱く。



 さらに自民党にとって難題なのは、徳田氏の威光や影響がどっぷり根付いている選挙区で、“徳田色”を払拭(ふっしょく)した「クリーンな候補者」を見いだせるかどうかだ。



 昨年末の衆院選で渦中の徳田氏は、民主党前職の打越明司氏にダブルスコア以上の大差で圧勝した。しかし、むろん補選となれば、これまでカネにモノを言わせた徳田陣営による「徳洲会式選挙戦略」は過去のものとなる。



 まさか政権党が「不戦敗」というわけにはいかないし、いかなる逆風でも勝てる候補者の擁立作業は一筋縄ではいかないだろう。



 ただでさえ4月以降、首長選挙で自民党推薦候補がきびすを接するように敗北している。静岡県知事選、名古屋、川崎、さいたま、福島の各市長選…。それぞれ地方の特性や野党との相乗りしたケースのマイナス要因など考慮すべき事情はあろうし、中央政界の状況が

首長選に必ずしも直結するものではない。



 ただ自民党内から「7月の参院選では勝利しているのに、首長選で敗れるのは、政権についたおごりや慢心が出ているのではないか」(中堅議員)という声が一部で出ているのも事実だ。



 まだ「徳洲会補選」が決まったわけではない。仮に確定しても、過去に例を見ない大規模な公選法違反事件を受けた選挙という“特殊事情”から、「負けてやむなし」と予防線を張る動きが自民党内に出てくるかもしれない。



 しかし、その勝敗はやはり、その後の政権運営の行方を少なからず左右するため、安倍政権が「4月決戦」を見据え、経済指標や景気動向、そして野党の出方にことさら神経質になっているのは確かだ。たかが補選、されど補選なのである。(高木桂一)



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 この新聞記事にあるように、来年4月に徳田氏の失職による鹿児島第二区の補欠選挙が行われる可能性が大変高くなっています。来年4月というのは消費税の税率が現行の5%から8%に引き上げられる時期でもあり、補選で自民党の苦戦が予想される、と記者は書いています。自民党、安倍政権贔屓の産経新聞ですから、それはさすがにご心配なんでしょうねと、皮肉の一つも言いたくなります。



 鹿児島第二区という選挙区は、地図で見ても分かるように、鹿児島県薩摩半島南部の各自治体と奄美群島が一緒になった選挙区です。鹿児島では「本土」と「離島(シマ)」という言い方をしますが、文化や風習がだいぶ異なります。農業が盛んな地域ではありますが、本土とシマでは作られる作物が違います。ですから、この選挙区はかなり多様性がある、悪く言ってしまえば分裂気味の選挙区と言えるでしょう。


kagoshimaprefelectoraldistricts001


 この選挙区からこれまで代議士になったのは、徳田虎雄氏、園田修光氏、徳田毅氏、打越明司氏です。このうち、徳田親子は選挙に出られないといすると、園田氏と打越氏、そして新顔ということになります。小選挙区制が導入されて以降、小選挙区で民主党や共産党が勝利を得たことはありません。2009年に民主党が大勝した時の選挙でも、徳田毅氏が小選挙区で勝利し、民主党から出馬した打越明司氏は比例復活当選を果たしたくらいで、保守的な選挙風土と言えましょう。



 打越氏は、鹿児島ラ・サール高校から九州大学を卒業し、松下政経塾に進んだ人物です。一期生ということで、民主党の野田佳彦前首相とは同期の間柄です。長らく自民党所属の県議会議員を務めていました。その後、国政を目指して自民党を離党し、民主党に所属し、国政に挑戦し、2009年には比例復活を果たしましたが、2012年の選挙では敗れてしまいました。もし補選が行われた場合、出馬するのか微妙なところです。



 園田修光氏は県立錦江湾高校から日本大学を卒業した人物です。1996年の選挙では、自民党の公認候補として徳田虎雄氏を破って鹿児島第二区から国政の場に出ましたが、その後、徳田家に苦杯を飲まされてきました。そして、徳田毅氏が自民党に入党したことで、徳田氏の支援に回りました。2012年の総選挙では、徳田毅氏の選対本部長を務めました。



 打越氏は温泉で有名な指宿、園田氏は鹿児島市南部の谷山地区(元々は谷山市という別の地方自治体でしたが鹿児島市と合併しました)をそれぞれ地盤としています。鹿児島二区は先ほど書きましたように、離島部と薩摩半島南部が一緒になっています。薩摩半島南部の人々からすれば、補選が行われる場合、「奄美ではなく自分たちが代表を出すチャンス」と捉えることになるでしょう。



 そのため、本土の人々は、できれば本土系の人を勝てる公算の高い自民党には公認して欲しいと考えるでしょう。そうなった場合、奄美系は無所属でも奄美の利益代表的な人物を出すこともあり得ますので、自民党としては頭が痛いところです。



 本土とシマの両方をある程度納得させる人物ということになれば、私は園田氏であろうと考えます。園田氏は2012年の総選挙で徳田毅氏の選対本部長を務めましたが、今回逮捕されていません。これからの捜査の行方もありますが、徳洲会事件の力点が徳洲会と徳田毅氏の選挙違反から猪瀬氏の方に移っている以上、園田氏は逮捕を免かれるでしょう。



 園田氏は徳田氏の選挙を支援しました。そういう人物が徳田氏の代わりに選挙に出るとなれば、奄美の人々もある程度納得できるでしょうし、本土系の人物も納得できるのではないかと考えます。



 勘ぐったことを言えば、園田氏は次の補選のために逮捕されずに残された人材なのだと言うことも可能なのではないかと思います。



(終わり)


 


 


 


 


 


 


 


 



kagoshimaprefelectoraldistricts001

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

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古村治彦です。



 2014年1月に刊行予定の2冊目の本のゲラに手を入れる作業をしておりまして、本ブログの更新を休止しておりましたが、緊急的に再開いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。



 今回は、徳洲会事件について書きます。このブログでも以前に徳田毅代議士(鹿児島二区選出、自民党を離党)の選挙違反事件について書きました。そして、徳洲会の事件は、現役の東京都知事である猪瀬直樹(いのせなおき)氏にも拡大しました。



 昨年末に行われた東京都知事選挙で、当時、都知事の最有力候補であった猪瀬直樹が、都知事選出馬の挨拶を、徳洲会グループ創業者で病気療養中の徳田虎雄(とくだとらお)氏に行い、その後、徳洲会側から5000万円を受け取ったが、今年の9月に徳洲会の選挙違反で捜査が入った時に、全額返却したというのが事件のあらましです。以下の新聞記事には時系列が書かれており参考になりますので、是非ご覧ください。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「徳田親子の「猪瀬文書」残っていた」



2013年11月24日 日刊スポーツ

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20131124-1222496.html



 東京都の猪瀬直樹知事(67)が昨年末の知事選前、徳洲会グループから5000万円を提供されていた問題で、現金を渡した徳田毅衆院議員が、父の徳田虎雄・前徳洲会理事長に「知事が1億円を要求している」と話したという文書記録が残されていることが23日、分かった。虎雄氏は「とりあえず5000万」「足がつかないようにしろ」と指示したという。猪瀬氏は自ら金銭を要求していないと否定したが、徳洲会側との主張の溝が広がっている。



 5000万円は、猪瀬氏から要求していたとする徳洲会側の「記録文書」の存在が明るみに出た。関係者によると、猪瀬氏に直接現金を手渡した徳田議員が昨年11月19日、神奈川県鎌倉市の湘南鎌倉総合病院で療養している虎雄氏と電話をした際のやりとりという。



 徳田議員 都知事選の応援について、猪瀬氏は1億円ほしい。残ったら返すということでした。



 虎雄氏 とりあえず5000万円を渡せ。足がつかないようにしろ。



 その後徳田議員が、現金を渡す場所を議員会館にすべきか相談する場面も、記録されていたという。猪瀬氏は金銭授受の場所について「議員会館だったかもしれない」と話している。



 虎雄氏はALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い、文字盤を目で追う形で会話をする。通訳人を介した会話となり、当時の複数の病院関係者も耳にしているという。このやりとりの後、徳田議員の事務所で、5000万円が猪瀬氏に手渡された。猪瀬氏が要求したとされる額に関して、1億5000万円との報道もある。



 猪瀬氏は22日の会見で、資金提供を受けた理由を「申し出があれば、断るのは失礼だろうから」と述べ、あくまで徳洲会側の申し出だったと説明した。23日、都の防災訓練後に取材に応じ、「(1億円という)金額を要求した事実は100%ありません」と述べ、自ら要求したことはないと否定した。「残ったら返す」発言の事実関係も問われたが明言を避け、記者に繰り返し質問されて「していません」と述べた。22日の都庁の会見と同様、問い詰められると答えの内容が変わった。



 猪瀬氏は現金授受の際に借用書を作成したと説明するが、返却された徳田議員の母親は、「借用書は知らない」と話しているとされる。この件について、猪瀬氏は「僕、割とまじめですから」と前置きし、借用書を書いたと何度も強調。今年1月には返却の意思を伝えていたとも繰り返し、この日も釈明に追われた。



 会見では「防災について質問ありますか」と呼び掛けたが、記者の反応はなく、質疑は5000万円問題に集中。訓練の視察中には、年配の女性から「5000万円が通った」と怒りがにじんだ声が上がる場面もあった。徳洲会との主張が食い違う中で“潔白”を証明できなければ、猪瀬氏への批判はさらに強まりそうだ。



<資金提供をめぐる経過>



 ▼12年11月6日 猪瀬氏が入院中の徳田前理事長に、出馬のあいさつ



 ▼同月中旬 猪瀬氏が議員会館を訪れ、徳田議員から5000万円を無利子、無担保で受け取る



 ▼12月16日 猪瀬氏が都知事選で初当選。史上最多の433万票を獲得



 ▼13年2月 徳田議員の女性問題発覚。猪瀬氏はこのころ、現金を返却しようとしたが、「向こうが雑誌に取り上げられ、てんやわんやとしている状態でチャンスがなかった」と主張



 ▼7月21日 闘病中だった猪瀬氏の妻ゆり子さんが、死去。猪瀬氏は返却が遅れた理由の1つに、現金を妻名義の貸金庫に入れ、鍵も妻が持っていたため開けなかったと説明



 ▼9月8日 2020年の東京五輪開催決定



 ▼同17日 徳洲会グループに強制捜査。猪瀬氏はこの後秘書を通じ、徳田議員の母に5000万円返却



 ▼11月22日 猪瀬氏が、徳洲会からの5000万円提供を会見で認める



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 5000万円の「受け取り」については、猪瀬直樹はその事実を認めています。そして、これは、徳洲会側から「借りてくれ」ということで、断りにくい状況であったので、借用書を書いて「借りて」おいて、亡くなった猪瀬氏の奥様名義の貸金庫に保管してあったと主張しています。そして、返そうと思っていたが、貸金庫の名義人である猪瀬氏の奥様が亡くなったこと、徳田毅代議士の女性問題の報道が出て混乱していたこと、などの偶然の出来事が重なり、返却する時期が遅れてしまったということだそうです。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「猪瀬知事、崖っぷち 徳洲会に1億円要請… 「東京五輪に大打撃」の声も」



2013年11月23日 ZAKZAK 

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20131123/plt1311231501003-n1.htm



 猪瀬直樹東京都知事(67)が、崖っぷちに立たされた。医療法人「徳洲会」グループから現金5000万円を受け取っていたことを、

「個人的に借りた」「選挙資金ではない」と釈明したが、不自然さは明らか。当初、1億円の資金提供を要請していたことも関係者証言

で浮上した。今後、東京地検 特捜部の捜査に加え、検察審査会という壁も待ち受ける。2020年東京五輪への打撃は避けられない。



 猪瀬氏が22日午後、都庁で開いた記者会見は哀れだった。



 前日夜、朝日新聞の取材には「私はまったく関知しない」と全否定しておきながら、一転、「ご心配、ご迷惑をおかけしたことをおわ

びします」と陳 謝し、「あくまで個人として借りた」「選挙と関係ない」「手を付けず全額返済した」などと、弁護士と打ち合わせた

ような回答を連発した。



 その目は泳ぎ、かつてノンフィクション作家として、社会の闇や不正を追及してきた毅然とした姿はなかった。



 記者会見は1時間10分に及んだが、(1)5000万円の趣旨(2)無利子・無担保の異常さ(3)特捜部による強制捜査後の返却

(4)選挙運動 費用収支報告書や政治資金収支報告書、資産報告など公的処理をしなかった理由-など疑問や謎は深まり、「『裏金』

だったと疑われても、仕方ない」 (毎日新聞23日朝刊)と指摘するメディアもあった。



 こうしたなか、猪瀬氏が都知事選出馬にあたり、徳田毅衆院議員(42)を通じてグループ創設者の虎雄氏(75)に1億円の資金

提供を要請してい たことが明らかになった。関係者は電話の生々しいやりとりを証言する。



 毅氏「都知事選の応援について、猪瀬氏は1億5000万円と言っていましたが、結局、1億円を先に欲しい、残ったら返すということ

です」



 虎雄氏「とりあえず5000万円。先方に取りに来させろ」



 毅氏「議員会館でやりましょうか」



 虎雄氏「足がつかないようにしろ」



 注目されるのは、捜査の行方と猪瀬氏の去就だ。



 公職選挙法が禁じる虚偽記載の疑いがあるため、特捜部の捜査が入ることは避けられない。仮に、特捜部が不起訴としても、無罪と

なった生活の党の 小沢一郎代表のように、一般人による検察審査会で「起訴議決」されて、強制起訴される可能性もある。



 都議会も、猪瀬氏の資金貸与問題を徹底追及する構えで、東京五輪の開催に向けた予算などを審議する議会が紛糾しかねない。都庁内

には「東京五輪に大打撃だ」という声も出ている。



 猪瀬氏は自身の出処進退をどう判断するのか。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 ここでよく分からないのは、猪瀬氏と徳田虎雄氏は面識がなく、都知事選出馬の挨拶に行った時が初対面であったという点です。お互いが初対面の人物同士、いきなり、お金の話になるでしょうか。猪瀬氏側にお金がなくて苦しいという話を仮にしたとして、「じゃぁ5000万円を提供します」ということになるでしょうか。私は、猪瀬氏の徳田氏への挨拶は、誰かに「行くように」と言われて行ったものであると考えます。それでは、猪瀬氏がわざわざ挨拶に行くように仕向けた人物は誰なのか。そのことを何となくでも示唆するのが次の新聞記事です。



●「徳洲会違反事件、政界ルートに発展か」



2013年11月23日 日刊スポーツ

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20131123-1221982.html

 

 東京都の猪瀬直樹知事(67)が、公職選挙法違反容疑で幹部6人が逮捕された医療法人徳洲会グループから、昨年12月の都知事選前に5000万円を受け取っていたことを22日、明らかにした。



 徳洲会グループによる公選法違反事件は、猪瀬氏の5000万円受け取り問題が発覚したのを機に、「政界ルート」に発展するのではないか、との指摘も出始めている。永田町では、「次は誰の名前が出るのだろうか」と、戦々恐々としている。



 グループを率いた徳田虎雄・前理事長(75)の人脈は広く、猪瀬都知事を後継に指名し、国政に復帰した石原慎太郎・日本維新の会共同代表(81)とは“盟友”の関係にあるといわれるほか、亀井静香衆院議員らとの交流でも知られた。



 事件が表面化した後も、選挙戦でのグループ職員の派遣などを通じて、現職の大物議員や元職を含む、複数の政界関係者の名前が取りざたされている。先日、東京地検特捜部が、同グループによる公選法違反容疑を裏付けるために行った家宅捜索では、多数の資料が押収されており、現在検証作業が進んでいる。



 徳洲会の選挙をめぐっては、徳田前理事長が1983年(昭58)、当時全国唯一の1人区だった衆院旧奄美群島区に無所属で出馬、政界を目指し始めた過程で、「金権選挙の象徴」といわれていた。徳田前理事長と自民党の保岡興治氏の間で展開された、島を二分する

激しい選挙戦は「保徳戦争」と呼ばれた。徳田前理事長は2度落選し、3度目の1990年に初当選。現金が飛び交ったといわれ、選挙違反で逮捕者も出た。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 猪瀬氏の前任者である石原慎太郎(いしはらしんたろう)氏は、徳田虎雄氏とは長年の盟友関係にあります。徳田氏は物心両面で石原氏を支援してきました。石原氏は猪瀬氏を後継者としました。そして、猪瀬氏に次のようなことを言ったのではないかと推測します。「徳田氏とまだ会ったことがないのか。それはいかん。必ず挨拶に行きなさい。石原の跡を受けて都知事になります。つきましては石原の時と同様にご支援をお願いしますと言いなさい」と。それで、猪瀬氏は徳田氏に挨拶に行きました。そして、「同様のご支援」の中に、資金提供があったのだろうと思います。



 石原慎太郎氏は現在、代議士で日本維新の会共同代表(もう一人の共同代表は橋下徹・大阪市長)です。これから石原氏が都政に復帰することは考えにくいです。となると、今回のスキャンダルを石原氏が仕掛けたということはないと思います。ですから、徳田家、徳洲会グループに対する今回の捜査と猪瀬氏への拡大に関しては、石原氏が自爆(自分も道連れになって猪瀬氏を追い落とす)ということでもない限り、石原氏も攻撃を受ける側となります。


 猪瀬氏はあったことを正直に全て話すべきですが、石原慎太郎氏が絡んでいるとすると、それは難しいでしょう。お世話になった人を売ることになりますし、事件の影響がもっと拡大してしまうことになるからです。猪瀬氏も厳しい立場に立たされています。

 今回の猪瀬氏への拡大に関して、誰が得をするのかということを考えてみると、私は橋下氏ではないかと考えます。現在、日本維新の会は、一時期のような勢いを失っています。また、日本維新の会に多く入ってきた石原氏系の政治家たちとの勢力争いもあります。この場合、橋下氏にとって石原氏が影響力を失うことは利益となります。ですから、今回の件は、橋下氏にとって利益につながると私は思います。



 もっと考えてみると、これは安倍晋三総理から橋下氏への援護射撃ではないかと思います。これによって、安倍総理は橋下氏と再び共同歩調を取ることが可能となりますし、恩を売ることができます。橋下氏にとっても目の上のたんこぶを取り除くという点でメリットがあります。



 徳洲会事件はこれからもっと拡大していく可能性があります。私はこれまで書いたようなラインで事件の推移を見ていきたいと思います。



(終わり)

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


 

 古村治彦です。

 明日2013年11月20日から11月25日までブログの更新を休止いたします。誠に申し訳ございません。

 休止の理由は、2014年1月に出版予定の私の本の原稿の推敲、加筆訂正を行うことになったからです。このために、ブログの更新ができない状況となるためです。

 折角、心機一転、ブログの刷新を図るためにブログの会社を引っ越しましたのに、それほど日数も経たないうちに更新を休止することになりまして、数少ない読者の皆様にお詫びを申し上げます。2013年11月26日にまたお目にかかりたいと存じます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 古村治彦謹白


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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 古村治彦です。


 今回は、前のブログに掲載した文章を再掲したいと思います。これから自分にとって大切な文章を引越しした新しいブログに掲載していきたいと思います。その第一弾として、先月前のブログに掲載した覇権国に関する文章を掲載したいと思います。宜しくお願い申し上げます。今回掲載する文章は2013年10月17日に発表したものです。

==========

 今回は、覇権国(
hegemonic state、ヘゲモニック・ステイト)について考えてみたい。副島隆彦先生の本を読まれている皆さんには「世界覇権国」という言葉はお馴染みだ。これは現在で言えばアメリカのことを指す。歴史的に見ればスペイン(17世紀)、オランダ(18世紀)、イギリス(19世紀)、アメリカ(20世紀)の各国がそれぞれ歴史の一時期に覇権国として君臨してきた。日本は第二次世界大戦でドイツと共に新旧の覇権国であるアメリカとイギリスに挑戦して敗れ、戦後、アメリカの従属国(tributary state、トリビュータリーステイト)になったというのが世界的な認識である。

覇権国と覇権(hegemony、ヘゲモニー)というのは政治学(Political Science)、特に国際関係論(International Relations)で使われる概念だ。簡単に言うと、「他からの挑戦を退けるほどの、もしくは挑戦しようという気を起こさせないほどの圧倒的な力を持つこと」が覇権である。国際関係論で言えば、圧倒的な外交力と軍事力と経済力を持ち、他国を従わせることのできる国のことを覇権国と呼ぶ。現在の覇権国は言うまでもなくアメリカである。歴史上、覇権国は交代してきたが、アメリカの次は中国が覇権国なるという見方も出てきている。これまでの歴史を考えると覇権国の地位はある程度の期間で交代しており、アメリカが永久に覇権国であるとは言えない。

 現在のアメリカは景気が低迷し、巨大な軍事力を持つ負担に耐えられなくなっている。アメリカは巨額の国債を発行し、中国や日本、サウジアラビアが買い支えている。他国のお金で巨大な軍事力を維持しているのはおかしな話だ。「アメリカの軍事力があるから世界の平和は保たれているのだ。だからその分のお金を払っていると思えば良いのだ」という主張もある。しかし、他国のお金頼みというのは不安定なものだ。国債を買ってもらえなくなればお金が入ってこなくなる。そんなことになれば世界経済は一気に崩壊するから、あり得ないことだという意見もあるが、不安定な状況であることは間違いない。

 現在、アメリカの政府機関は閉鎖状態にある。これは、アメリカ連邦議会が2013―2014年度の連邦予算を可決していないためである。現在、アメリカ連邦上院は、民主党(Democrats)が過半数を占め、一方、連邦下院は共和党(Republicans)が過半数を占めている。日本風に言えば、「ねじれ国会」の状態にある。民主党側と共和党の一部は予算を通したいのだが、共和党の中にいるティーパーティー系の議員たちがオバマ大統領の推進した健康保険政策(オバマケア)の廃止を目論んで、民主党と対立している。また、上院と下院の間でも対立が起きている。これに加えて、アメリカ国債の上限問題も再燃し、2013年10月17日までに予算の執行と国債の上限が引き上げられないと、アメリカは国債の償還に応じられない、デフォルトに陥ってしまう。こうなると、アメリカ発の世界規模での景気後退が発生してしまう懸念もある。このように、アメリカの覇権国としての地位も危ういものであることが今回露呈された。

ここからは、国際関係論の分野に存在する覇権に関する理論のいくつかを紹介する。これまで国際関係論という学問の世界で覇権についてどういうことが語られてきたのかを簡単に紹介する。私の考えでは、国際関係論で扱われる覇権に関する理論は現実追認の、「アメリカはやってきていることは正しい」と言うためのものでしかない。それでもどういうことを言っているかを知って、それに対して突っ込みを入れることは現実の世界を考える際に一つの手助けになると私は考える。

まずは覇権安定論(Hegemonic Stability Theory)という有名な理論がある。これは、覇権国が存在すると、国際システムが安定するという理論である。覇権国は外交、強制力、説得などを通じてリーダーシップを行使する。このとき覇権国は他国に対して「パワーの優位性」を行使しているのである。そして、自分に都合の良い国際システムを構築し、ルールを制定する。このようにして覇権国が構築した国際システムやルールに他国は従わざるを得ない。従わない国々は覇権国によって矯正を加えられるか、国際関係から疎外されて生存自体が困難になる。その結果、安定的な国際システムは安定する。

ロバート・コヘイン(Robert Keohane)という学者がいる。コヘインはネオリベラリズム(Neoliberalism)という国際関係論の学派の大物の一人である。ネオリベラリズムとは、国際関係においては国家以上の上位機関が存在しないので、無秩序に陥り、各国家は国益追求を図るという前提で、各国家は協調(cooperation)が国益追求に最適であることを認識し、国際機関などを通じて国際協調に進むという考え方をする学派である。

コヘインが活躍した1970年代、アメリカの衰退(U.S. Decline)が真剣に議論されていた。そして、コヘインは、覇権国アメリカ自体が衰退しても、アメリカが作り上げた国際システムは、その有用性のために、つまり他の国々にとって便利であるために存続すると主張している。コヘインは、一種の多頭指導制が出現し、そこでは、二極間の抑止や一極による覇権ではなく、先進多極間の機能的な協調(cooperation)が決定的な役割を果たすだろうと書いている(機能主義)。

ロバート・ギルピン(Robert Gilpin)は、1981年にWar and Change in World Politics(『世界政治における戦争と変化』、未邦訳)という著作を発表した。リアリズムの立場から、国際政治におけるシステムの変化と軍事及び経済との関係を理論化した名著だ。本書は国際関係論の古典の一つともなっている。本書の要旨は次の通りである。歴史上国際システムが次から次へと変わってきたのは、各大国間で経済力、政治力、社会の持つ力の発展のペースが異なり(uneven growth)、その結果、一つの国際システムの中で保たれていた均衡(equilibrium)が崩れることになる。台頭しつつある国が自分に都合がいい国際システムを築き上げるために、現在の国際システムを築き上げた覇権国と覇権をめぐる戦争(hegemonic war)を戦ってきた。台頭しつつある国が勝利した場合、その国が新たに覇権国となり、自分に都合の良い国際システムを構築する。逆に現在の覇権国が勝利した場合、そのままの国際システムが継続する。

現在、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)という各新興大国の経済発展はすさまじい勢いである。先進国である欧米、日本の経済成長はほとんどなきが如しであり、日本のGDPは中国に既に抜かれた。現在世界最大のGDPを誇るアメリカも10年から20年以内に中国に抜かれてしまうという予測もある。ギルピンの理論は、世界各国の不均衡な発展は覇権戦争を導くとしている。理論通りになると、アメリカが既存の覇権国で挑戦を受ける側、中国が新興大国で覇権国に挑戦する側になって戦争が起きるということが予測される。このギルピンの理論は歴史研究から生み出された理論である。スペインが打ち立てた覇権をオランダが奪い、オランダに移った覇権をイギリスが奪取するが、やがてアメリカに奪われるという歴史を踏まえての理論である。

それでは、未来のある時点でアメリカと中国が覇権をめぐって戦争するかと問われると、「ここ数年以内という直近の間では戦争はない」と私は考える。こう考えるにはいくつかの理由がある。第二次世界大戦での日本とドイツ、冷戦でのソ連とアメリカの覇権に挑戦して失敗した国々を見ていれば、「戦争をして覇権を奪取する」と言うのは危険を伴うということは分かる。だから中国の立場からすると戦争をするのは慎重にならざるを得ない。米中それぞれの軍人たちはスポーツ選手が試合をしたくてうずうずしているように「戦争をしてみたい、手合わせをしてみたい」と思っているだろう。しかし、政治指導者たちはそんな危険な賭けをすることはない。

また中国は、アメリカの覇権下で急激な経済成長をしてきたのだから、今のままの環境が維持されるほうが良い。アメリカとの貿易がこれからもどんどん続けられ、輸出ができればそれで良い。アメリカが不況で輸入が鈍化すると中国も困る。だから輸出先を多く確保しておくことは重要だが、アメリカがこのまま世界一の超大国であることは現在の中国にとっても利益となることである。ギルピンの理論では自国にとって不利なルールが嫌になって新興大国は、戦争をすることの利益と損失を計算したうえで、戦争を仕掛けるということになっている。現在の中国にとっては、現状維持、アメリカが超大国であることが重要だから、自ら戦争を仕掛けるということはない。アメリカが覇権国としての地位を失い、経済力を失うことを一番恐れているのは、チャレンジャーと目される中国だと私は考える。

また、イギリスからアメリカに覇権が移った過程を考えると、「覇権国が勝手に没落するのをただ見ているだけ」「覇権国の没落をこちらが損をしないように手伝う」という戦略が中国にとって最も合理的な選択ではないかと私は考える。イギリスは「沈まない帝国」として世界に君臨し、一時は世界の工業生産の過半を占め「世界の工場」と呼ばれるほどの経済大国となり、その工業力を背景に軍事大国となった。イギリスはアメリカの前の覇権国であった。

しかし、ヨーロッパ全体が戦場となった第一次、第二次世界大戦によって覇権国の地位はイギリスからアメリカに移動した。第二次世界大戦においてはアメリカの軍事的、経済的支援がなければ戦争を続けられないほどだった。アメリカは農業生産から工業生産、やがて金融へと力を伸ばし、超大国となっていった。そして、自国が大きく傷つくことなく、イギリスから覇権国の地位を奪取した。イギリスとアメリカの間に覇権戦争は起きなかった。外から見ていると、アメリカに覇権国の地位が転がり込んだように見える。中国も気長に待っていれば、アメリカから覇権が移ってくるということでどっしり構えているように見える。


現在の中国はアメリカにとって最大の債務国である。中国はアメリカの国債を買い続けている。中国にとってアメリカが緩慢なスピードで没落することがいちばん望ましい。「急死」されることがいちばん困る。覇権国が「急死」すると世界は無秩序になってしまい、経済活動が鈍化する。中国としては自国が力をためながら、アメリカの延命に手を貸し、十分に逆転したところで覇権国となるのがいちばん労力を必要とせず、合理的な選択なのである。

「覇権をめぐる米中の激突、その時日本はどうするか」というテーマの本や記事が多く発表されている。日本でも「日本はアメリカと協力して中国を叩くのだ」という勇ましいことを言う人たちも多い。しかし、その勇ましい話の中身も「日本一国ではできないがアメリカの子分格であれば、中国をやっつけられるのだ」というなんとも情けないものである。

米中が衝突することでその悪影響は日本にも及ぶ。日本は中国や韓国といった現在の「世界の工場」に基幹部品を輸出してお金を稼いでいる。米中が戦争をすることは日本にとって利益にならない。だからと言って、日本が戦争を望まなくても何かの拍子で米中間の戦争が起きるという可能性が完全にゼロではない。このとき、日本がお先棒を担がされて戦争や挑発に加担しないで済むようにする、これが日本の選ぶべき道であろうと私は考える。そして、大事なことは。「日本は国際関係において最重要のアクターなどではない、ある程度の影響力は持つだろうが、それはかなり限定される。そして、アメリカに嵌められないように慎重に行動する」という考えを持つことである。そう考えることで、より現実的な対処ができると思う。

(終わり)

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放射能のタブー
副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所
ベストセラーズ
2011-10-26


 古村治彦です。


 今回は、「福島県内の各地方自体選挙で現職が軒並み落選している」というニュースについて考えたことを書きたいと思います。まずは下に貼り付けた、福島市長選挙の結果を報じる新聞記事をお読みください。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)


選挙:福島市長選 新人が圧勝 原発対応、不満噴出 福島県で現職4敗

毎日新聞 2013年11月18日 東京朝刊
http://senkyo.mainichi.jp/news/20131118ddm001010209000c.html


 任期満了に伴う福島市長選は17日投開票され、東京電力福島第1原発事故に伴う除染の促進などを掲げた無所属新人の元環境省東北地方環境事務所長、小林香氏(54)が、自民、公明などの支援を受けて4選を目指した無所属現職の瀬戸孝則氏(66)に倍以上の票差をつけて初当選した。福島県では今年度、郡山、いわき両市長選に続き、現職が人口30万人前後の主要都市全てで落選し、全町避難が続く富岡町を含め4敗目。


 国策で進める事故対応への住民の不満が首長選に表れた形で、与党の復興政策にも影響を与えるとみられる。投票率は49・10%(前回38・18%)。与党は10月の川崎市長選で推薦候補が敗れるなど地方選で苦戦が続いており、政権運営にも影を落としそうだ。


 福島市は、国の資金で自治体が除染する「汚染状況重点調査地域」に指定され、2016年9月までに全住宅約9万戸を除染する計画を立てた。しかし、放射性廃棄物を一時保管する仮置き場や作業員確保で難航し、完了したのは2万936戸(今月1日現在)に過ぎない。市外への自主避難者は6000人を超える。


 小林氏は「仮置き場の選定を住民の話し合いに任せきっている」などと現市政を批判し、政党推薦を受けずに選挙運動を展開。行政主導の仮置き場設置や再生可能エネルギーによるまちづくりなどを主張し、市民の不満の受け皿となった。


 瀬戸氏は自民党福島市総支部や公明、社民両党の支部推薦を受け組織選挙を展開。自民の野田聖子総務会長や森雅子少子化担当相らが応援に入ったが、票を固めきれなかった。共産新人の党福島相馬地区委員長、山田裕氏(58)は「原発ゼロ」を国に求めていく姿勢を打ち出したが及ばなかった。


 福島県の汚染状況重点調査地域では、24日に二本松市長選と広野町長選があり、いずれも現職に新人が挑む構図。12月には相馬市長選が予定されている。【蓬田正志】


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 ■解説


 ◇市町村任せ、国に怒り


 原発事故との闘いが続く福島の県都で、地縁や知名度に乏しい新人の小林氏に現職の瀬戸氏が敗れた福島市長選は、原発周辺以外の除染を国が市町村に任せっきりにしてきた現状に異議を突きつける結果になった。ダブルスコアの票数で表れた福島の怒りを政府・与党は重く受け止めるべきだ。


 国のスキームに基づき、市町村が除染する汚染状況重点調査地域には東北・関東地方の8県で約100市町村が指定された。だが、福島市内の除染の進捗(しんちょく)率(今月1日現在)は、住宅23%▽市道1%▽住宅周辺の森林5%など。多くの市民が放射線への不安を抱える。相次ぐ現職の落選について、瀬戸氏の選対幹部は「原発事故対応は誰も経験がない。特に除染は対応が手探りになり、市民のバッシング対象になった」と吐露する。小林氏陣営の一人は「現職でなければ誰でもいいとの声があったのは事実だ」と打ち明けた。


 選挙戦で小林氏は現市政を批判したが、現状を打開する対案を示せたわけではない。除染などで出る放射性廃棄物を搬入するために国が建設する中間貯蔵施設のめども立っていないのが現実だ。自主避難者の支援や農産物の風評被害対策など課題は山積している。特効薬がない中で住民の期待に応えられるか、真価が問われるのはこれからだ。【蓬田正志】


==============


 確定得票数次の通り。


当 72441 小林香 <1>無新

  32851 瀬戸孝則(3)無現

   7620 山田裕    共新


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小林香(こばやし・かおる)54 無新<1>


 [元]環境省東北地方環境事務所長[歴]財務省課長補佐▽英サセックス大院


(新聞記事転載貼り付け終わり)


 今回の福島市長選挙は、投票率が10パーセント近く上昇しました。そして、新人が現職候補の2倍の得票で圧勝するという結果に終わりました。マスコミは、進まない復興に対する有権者の怒りが爆発し、与党(自民党と公明党)が支持した現職たち(本来であれば選挙戦で有利に戦えるはずにもかかわらず)が大差で敗れるという結果になったと分析しています。


 2011年3月11日の大震災以降、福島県では、福島第一原発の事故のこともあり、復興が遅れがちです。放射能の問題がなければ「復興の槌音高く」という感じになるのですが、そうもいきません。私は2011年4月11日に大震災後福島県を初めて訪問し、当時あった20キロ圏内立ち入り制限区域にも入り、福島第一原発の周囲を師である副島隆彦先生と一緒に調査して回りました。その後、福島県を数回訪問しただけで、偉そうなことは言えませんが、今回の福島市長選、またそれ以前の郡山、いわき、富岡各地方自治体の選挙結果は、現職に対する不満、そして国の復興政策に対する不満が多いのは確かです。

 しかし、それははっきり言って、「自分の懐にいくらお金が入ってくるか、政治家が中央からいくらお金を持ってこられるのか」ということに集約されます。地元の皆さんに話を聞くと、「うちの町長は何もできない人だが、隣の●●町の町長はやり手だ。だから全然違うだろう」ということをよく言われました。ここで言うやり手とは、「中央(政治家や官僚たち)とパイプを複数持ち、どうにかして、お金を地元に持ってくる人」ということになります。ですから、「今の町長や議員はダメだな。次の選挙は落ちるな」と言われてしまうのです。お金を引っ張ってくるのが政治家のお仕事、ということで、それができない人間は外すというのが今の流れなのです。当選された方々の経歴を見ると、中央官庁のエリート官僚だったり、国会議員の秘書だったりという経歴です。彼らは中央との太いパイプを期待されているのです。


 除染作業について考えてみると、これははっきり言って無駄な作業です。山間部が多い福島県で無数にある山の全部の木を一本一本洗い清めることなどできません。住宅や道路の周辺の
土砂を削り取ったり、建物に水をかけたりといった作業になるのですが、見ていて効果があるとは思えません。それでも除染作業には人手が足りず、遠く九州からも業者が参入している
のです。そして、地元の方々を雇用し、山裾などで怪我をしてしまうこともあるようですが、簡単な作業を行っているのです。そうしてお金を地元に流しているということになります。


 私が見た中で、川内村は復興が進んでいるようでした。ここは「村長がしっかりしている」と近隣からも評価されているところで、天皇陛下がご訪問になり、コンビニも開設されるなどのニュースが全国的にも取り上げられたところです。私は数回訪問したのですが、行くたびに路線バスが再開し、地元の商店が再開し、やがてお寿司屋さんが再開し、ラーメン屋さん、定食屋さんが再開し、除染作業に従事する方々でお昼時は賑わうというところまで「復興」してきました。除染作業や復興予算がなくなった時に、この賑わいが続くのかどうか、恐らく続かないで、また元に戻ってしまう可能性の方が高いですが、今はとりあえずこのままでいくしかありません。


 限界集落、過疎化が進んでいた地域で原発事故が起きました。これから自力で何かできるという地域ではありません。お金、人の数、人の力がこれまで細ってばかりにいた場所です。そして、中央から復興のための資金が流れ込むことになりました。そこで起きるのは資金の分捕り合戦であるのは、とても自然なことです。どこでもそれは起きます。問題はそれでは資金がある程度公平に人々のところまで届くのか、本当に復興のために使われることになるのかということです。今の状態を見ていると、その可能性は低いのではないかと思わざるを得ません。


(終わり)

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