古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

2015年02月

 

 古村治彦です。

 

 ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」内の「重たい掲示板」にアルルの男・ヒロシ(中田安彦)研究員が「[1756]安倍晋三が米議会で演説する件」として2015年2月23日に掲載した記事の中で、私が「おかしい」と思った部分があり、それを書いておきたいと思います。それは、中田研究員が貼りつけた共同通信の記事です。それを下に転載貼りつけします。


「重たい掲示板」の投稿記事へは、「こちら」からどうぞ。


(転載貼りつけはじめ)

 

(貼り付け開始)

 

安倍首相、米議会演説へ 池田勇人氏以来54年ぶり 

共同通信 2015年2月22日

 

 

 日米両政府は、安倍晋三首相が4月下旬からの大型連休中の訪米時に米議会で演説を実施する方針を固めた。日本政府関係者が21日明らかにした。1961年に池田勇人首相が下院で演説して以来54年ぶりとなる。日本の首相としては前例がない上下両院合同会議での演説へ最終調整している。先の大戦への反省を踏まえ、戦後一貫して「平和の道を歩んできた」との見解を示し、未来志向の関係を呼び掛ける考えだ。

 

 首相の祖父、岸信介首相も57年に演説している。

 

 安倍首相は演説で、TPPなど経済分野を含めた幅広い両国関係の深化が相互の国益にかなうとアピールするとみられる。

 

2015/02/22 02:00 【共同通信】

(貼り付け終わり)

 

この記事は何処が安倍首相を招請したか書いてないが、共同通信の英語版には次のようにある。

 

(引用開始)

 

According to the government official, U.S. Deputy Secretary of State Antony Blinken proposed, when he called on the prime minister’s office on Feb. 13 during a trip to Japan, that Abe address Congress, and he agreed.

 

Abe also expressed hope to make address Congress during a meeting in Tokyo on Monday with a bipartisan group of U.S. lawmakers led by Rep. Diana DeGette, a Colorado Democrat.

 

(引用終わり)

 

(転載貼りつけ終わり)

 

 古村治彦です。

 

 私が「おかしい」と思ったのは、英語版の方です。前半部を翻訳しますと、「ある政府高官によると、米国務副長官アントニー・ブリンケンが、2015年2月13日の訪日中に首相官邸を訪問し、安倍首相に対して、アメリカ連邦議会(Congress)での演説を提案し、安倍首相も同意した」となります。

 

①アメリカは三権分立(Separation of Power)が徹底している国です。「分立」とありますが、「緊張感を持って、自分の縄張りを犯されないように見張りあっている」状態です。この中で、行政府の国務省の一職員であるブリンケンが、連邦議会のことで何かを言うことありえませんし、あってはいけないことです。これは大変な越権行為です。「公務員が連邦議会のことで云々した」となると、これは大変なことです。それは、アメリカの国家体制である三権分立をないがしろにする行為だからです。

 

②ブリンケンには、国務省派遣で連邦上院外交委員会のスタッフ(その時の委員長は現在のジョー・バイデン副大統領)という経歴もあります。ですから、議会とのパイプがあって、「安倍首相の連邦議会での演説」について、提案があったということも考えられます。しかし、それはあくまで非公式であり、表に出てはいけない話です。それを「米国務副長官のアントニー・ブリンケン」が議会演説を提案した、と共同通信に漏らした「the government official」は、実は大変なことをしでかしているのです。

 

③ブリンケンが安倍首相を訪問したのが2015年2月13日です。その後、2015年2月16日に米議会の超党派議員団が安倍首相と会談しています。英語の記事の後半部にある通り、「安倍首相は月曜日(16日)に、コロラド州選出で民主党所属のダイアナ・デゲット連邦下院議員率いるアメリカの超党派の連邦議員たちと東京で会談し、その中で、連邦議会での演説を希望した」ということです。その時の様子を日経新聞は次のように伝えています。

 

(新聞記事転載貼りつけはじめ)

 

●「首相、米議会演説に意欲 春で調整の訪米時に」

 

日本経済新聞電子版 2015年2月17日

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE16H05_W5A210C1PP8000/

 

 安倍晋三首相は16日、米議会の超党派議員団と首相官邸で会談し、春の大型連休中で調整している自身の米国訪問時の米議会での演説に意欲を示した。デゲット下院議員が「首相が米議会で演説できるようにしたい」と話し、首相は「できればありがたい」と応じたという。同席者が明らかにした。

 

 日本の首相による米議会での演説が実現すれば1961年の池田勇人首相以来54年ぶりとなる。首相の祖父の岸信介首相も演説したことがある。

 

 首相は議員団との会談で、戦後70年について「戦火を交えた両国は戦後和解して強固な同盟国となり、ともに世界の平和と繁栄に貢献してきた。今後も幅広い分野で緊密に連携したい」と強調した。米側は「首相の訪米の成功を期待している」と語った。

 

(新聞記事転載貼りつけ終わり)

 

 古村治彦です。

 

④超党派議員団は、安倍首相に対して「演説ができるようにしたい」と述べて、安倍首相が「できればありがたい」と応じています。これはまだ正式な招待という訳ではありません。もちろん内々には根回しが済んでいるということもあるでしょうが、正式な招待のためには、連邦下院議長のジョン・ベイナーの親書なり、招待状がなければなりません。また、超党派議員団は別の機会では安倍首相の歴史認識が日米関係にとって懸念となっていると語ったとも伝えられています。以下の記事をお読みください

 

(記事転載貼りつけはじめ)

 

●「日本を訪問中の米議員団、安倍首相の歴史観を危惧「第二次世界大戦をめぐる問題で、日本が逆行しているとみなされないようにすべき」―米紙」

 

Record China 219()1037分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150219-00000029-rcdc-cn

 

日本を訪問中の米議員団、安倍首相の歴史観を危惧「第二次世界大戦をめぐる問題で、日本が逆行しているとみなされないようにすべき」―米紙

 

18日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、日本を訪問中の米国の議員団が、安倍晋三首相の歴史観が日米関係にとって懸念になっていると述べたと報じた。写真は安倍晋三首相。

 

2015218日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、日本を訪問中の米国の議員団が、安倍晋三首相の歴史観が日米関係にとって懸念になっていると述べたと報じた。

 

ウォール・ストリート・ジャーナルが17日に報じたところによると、日本を訪問中の米国の超党派の議員団が、安倍晋三首相の第二次世界大戦に対する歴史観が日米関係にとって大きな懸念になっていると述べた。ダイアナ・デゲット下院議員(民主)は、記者団に対して、「第二次世界大戦終戦70年にあたり、慰安婦問題をはじめ、第二次世界大戦に関連したその他の問題で日本は逆行しているとみなされないようにすることが重要である」と述べた。また、安倍首相の「歴史修正主義」は、日本の近隣諸国との関係を傷つけるものだとの見方を示した。

 

日系のマーク・タカノ議員(民主)は、非常に二極化された米国の政治的環境から見ても、安倍首相の歴史観は超党派の議員の反発を起こす危険性があると警告した。また、ジェームズ・センセンブレナー議員(共和)は、安倍首相と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の首脳会議がまだ行われていないことに対して懸念を示し、北朝鮮が脅威となる可能性に対して日本、韓国、米国が協力することの重要性について述べたという。(翻訳・編集/蘆田)

 

(記事転載貼りつけ終わり)

 

 古村治彦です。

 

⑤このような状況では、安倍首相の連邦議会での演説が確実に行われるという保証はありません。三権分立の話に戻ると、共同通信の英語版記事では、「2月13日にブリンケンが機械演説を提案し、安倍首相が同意した」とあり、「2月16日に超党派議員団との会見で、安倍首相が議会演説を希望した」とあります。ブリンケンが提案することもおかしいですし、議会演説に関しては、何も正式には決定していないことが分かります。

 

⑥以下の投稿から私が考えたことは、「首相官邸側の高官が共同通信をはじめとするマスコミを使って、議会演説を既成事実化しよう」としているのだということです。3月3日にアメリカ連邦議会で演説するイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、オバマ大統領ともバイデン副大統領とも会談できません。「それに比べて、安倍首相はオバマ大統領とも会談でき、議会でも演説できる」という最大限の厚遇で迎えられるのだ」ということに官邸側はしたいのでしょう。しかし、そこで、「ブリンケン米国務副長官からの議会演説の提案」という内容を話してしまいました。これは大きなミスです。

 

中田研究員の投稿を読んで、私が「おかしい」感じた点から考えたことを書きました。

 

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、2015年3月1日に開催されます副島隆彦先生の後援会を皆様にご案内いたします。お席がだいぶ少なくなっていると聞いておりますが、まだお申込みいただけるそうです。お申し込みは下記のウェブサイトから出来るということです。

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※お申し込みは以下のウェブサイトで可能です↓

http://kokucheese.com/event/index/259057/

 

※お申込みは「こちら」からもどうぞ。

 

宜しくお願い致します。

※副島先生の最新刊のご案内です。↓ 


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副島隆彦の”予言者”金融セミナー 第9回

 

『官製相場の暴落が始まる』発刊記念講演会

 

*日時:2015年3月1日(日)

開場・受付/10:00~ 終了/17:00(予定)

 

たっぷり 5時間!

 

株・金利・円ドル相場の次の大崩れは、いつ起きるか?

リーマン・ショックからもう6年。

次の金融経済の嵐が迫る。

 

副島隆彦は、予想を外したのか。

これからの投資で失敗しないための防御策を練る。


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セミナーの主な内容

 

◆金(きん) 急上昇 し始めた。小売り ,300円/ 超えた。

 金を 持ち続けた人々の 勝ち だ。この先 金価格は どうなるか?

 

◆スイスフラン・ショック が起きて、ヨーロッパ金融危機の始まり になる。

 日本、アメリカへの 影響 は? このあとの 世界経済の動き は?

 

◆為替(各国の通貨の値段)の 急変動 がコワイ。

 1元 19.5円 まで上昇。人民元預金 をした人は、儲かった。

 さらに 何に 投資するべきか。

 

◆株式は 官製相場(政府による市場のあやつり) まだまだ 続く。

 日本の 郵貯や年金 は大丈夫なのか。

 

◆大好評の質問コーナーもあります。

 

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開催概要

 

日時       20150301

開催場所              有楽町朝日ホール

(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11)


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参加費    15,000(税込)

定員       300(先着順)

申し込み終了       20150228 1700分まで

主催 (有)アールシステム

 

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(終わり)









 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 

 古村治彦です。

 

 昨日、以下のような記事が配信されました。米連邦議会の超党派の議員たちが阿部首相を訪問し、今年四月末(大型連休の頃か?)に訪米する安倍晋三首相が米連邦議会で演説が出来るようにしたいと述べ、安倍首相も歓迎の意向を示したということです。

 

 日本の首相はこれまでアメリカ議会で演説をしたことはありません。「世界で最も重要な二国間関係」と日本の一部政治家やその周辺は威張っていますが、実態はこんなものです。「アメリカの利益と日本の破壊に最も貢献した」小泉純一郎元首相は在任中に訪米して演説をする千載一遇のチャンスがあったのですが、靖国神社参拝問題で流れてしまいました(「靖国神社へは参拝しない」という確約を米議会側が求めました)。

 

 本ブログをお読みいただいている方ならピンときていると思いますが、安倍首相が訪米(予定)の1か月前である3月(もうすぐです)に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が訪米し、米連邦議会で演説を行います(ジョン・ベイナー下院議長の招聘による)。しかし、オバマ政権側はバラク・オバマ大統領も、ジョー・バイデン副大統領も、ジョン・ケリー国務長官も、高官は誰も彼と会談することはありません。また、連邦議員たちの中に、ネタニヤフ首相の演説を欠席すると表明する人たちが出てきています。

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ネタニヤフ(左)と安倍晋三両首相

 

 現在、アメリカ政治は、大きく2つのグループに分裂し、お互いが激しく争っています。2つのグループとは、①反オバマ・親ヒラリーのネオコン・人道主義的介入派と②抑制的な外交・防衛政策を求めるリアリスト派です。この①のグループにつながり、外側から支援し(そして利用されて)ている形になっているのが、イスラエルのネタニヤフ首相であり、日本の安倍首相なのです。

 

 ①のグループは、この2人の外国の指導者に対して、「世界のデモクラシーの総本山である米連邦議会での演説」という最大級の名誉を「エサ」として与えようとしているのです。それに対して、良識ある人々は怒っている訳です。安倍首相もおそらくオバマ政権の高官とは会ってもらえないか、会ってもらえてもきわめて短い時間での会談という形になるでしょう。

 

 ネタニヤフ首相と安倍首相の米連邦議会演説は、米連邦議会の歴史に泥を塗る行為になるでしょう。

 

(新聞記事転載貼りつけはじめ)

 

安倍首相、米議会演説に意欲=大型連休の訪問時

 

時事通信 216()2016分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150216-00000121-jij-pol

 

 安倍晋三首相は16日午後、米議会「日本研究グループ」のダイアナ・デゲット下院議員らと首相官邸で会談した。出席者によると、4月下旬からの大型連休中で調整している首相の訪米が話題になり、デゲット氏は「(首相が)米議会で演説できるようにしたい」と表明。首相は「(演説)できればありがたい」と意欲を示した。

 

 首相はこの中で「本年は戦後70年だが、戦火を交えた(日米)両国は戦後和解して強固な同盟国となり、地域と世界の平和と繁栄に貢献してきた。今後も幅広い分野で連携していきたい」と強調。米議員側からは「首相の訪米の成功を期待する」との声が出た。

 

 日本の首相の米議会での演説は過去に例がない。首相は演説が実現すれば、戦後70年を踏まえ、日本の平和国家としての歩みや、積極的平和主義に基づく安倍政権の外交・安全保障政策について説明する見通しだ。

 

(新聞記事転載貼りつけ終わり)

 

(終わり)















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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 

 古村治彦です。

 

 今回は、明日2015年2月18日に発売となります(都内一部書店で先行販売)、『崖っぷち国家日本の決断 安倍政権の暴走と自主独立への提言』をご紹介いたします。私も編集協力と言う形で少しだけお手伝いしました。

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 本書はベストセラー『戦後史の正体』の著者で外務省国際情報局長を務めた元外交官の孫崎享氏とニューヨーク・タイムズ紙東京支局長マーティン・ファクラーの対談です。少し裏の話をしますと、本書の出版元である日本文芸社は対談ものが得意な出版社であり、私の師である副島隆彦先生も元外交官でベストセラー作家の佐藤優氏と対談本を出しています。

 

 対談本の良いところは、文章が会話形式で分かりやすいところです。今回の本も二人の専門家が日本政治、外交、経済、メディアについて縦横無尽に語り合っています。副島先生や私たち弟子のブログや文章を読んでおられる皆様にしてみれば、話されている内容にそこまでの目新しさはないと思われますが、世界基準(ワールド・ヴァリューズ World Values)ではそのように考えるのか、と言うことを知る上では絶好の本だと思います。

 

 日本のリベラル(と穏健な保守勢力)が日本の政治世界から(民主党が政権与党時代にすでに準備され)排除され、安倍政権が誕生しました。メディアもだんだんリベラル派が呼吸できる空間が少なくなってきました。お二人のお話は一昔前であれば、穏健な保守勢力にとっては当たり前のことが多く、「やや激しいかな」程度であったと思いますが、今の日本の状況であれば、「過激だ、左翼的だ」ということになると思います。

 

 それだけ日本自体が変化してきたということもあるでしょうし、心ある人たちは日本の行く末に大きな懸念を持っているのだと思います。

 

 多くの皆様に、「外側から日本を見る目」を提供してくれる本書をお読みただけますようにご紹介申し上げます。
 

 

(終わり)









 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、アメリカとイスラエルの関係についての重要な論稿を皆様にご紹介いたします。

 

 現在、アメリカのバラク・オバマ大統領とイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相との関係は悪化しています。

 

 このことを敷衍していくと、これからの2年弱の期間は、オバマ大統領とイスラエル=安倍首相(その周辺)=ネオコン・人道主義的介入派のトライアングルの戦いということが言えるかと思います。

 


==========

 

オバマはイスラエルの政権交代を求めている(Obama Is Pursuing Regime Change in Israel

 

ネタニヤフのアメリカ議会の演説招聘に怒り、ホワイトハウスは静かにイスラエルの選挙の実施前にネタニヤフ首相を不安定化させようとしている

 

アーロン・デイヴィッド・ミラー(Aaron David Miller)筆

2015年2月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2015/02/12/obama-is-pursuing-regime-change-in-israel-bibi-netanyahu-elections/?utm_content=bufferfc380&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

ホワイトハウス、ジョン・ケリー国務長官、政府高官たちは、イスラエル政治と選挙に介入することはないと繰り返し表明してきた。そして、通常の状況であれば、不介入は当然のルールである。

 

 しかし、イスラエルが突然しかも露骨にアメリカ政治に介入してきたらどうだろう?オバマ政権は既にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に飽き飽きしてしまっており、3月17日に行われるイスラエルの総選挙で新指導者が選ばれることを熱望しており、接戦を演じているネタニヤフのライヴァルを支援するためにイスラエルのアメリカ政治介入を逆に利用しようとしているのだろうか?

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ネタニヤフ首相(左)とオバマ大統領 

 

 オバマ大統領は政権交代を歓迎するだろう。これまでイランのイスラム教指導者による政治形態を変化させる機会はほぼなかった。しかし、イスラエルに関して言うと、そうではない。アメリカ連邦下院のジョン・ベイナー議長がネタニヤフを連邦上院と下院の合同の場での演説へ招聘した。それを受け入れたことは失敗である。ネタニヤフ首相はオバマ政権にある種のチャンスを与えることになる。そして、ホワイトハウスはこの機会を利用して、ネタニヤフ首相はアメリカ・イスラエル関係に悪影響を与える人物であると明確にすることは間違いない。

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ベイナー下院議長(左) 

 

 ホワイトハウスは既にオバマ大統領がネタニヤフ首相と会うことはないと明言している。それでもネタニヤフは3月初めに訪米して、アメリカ連邦議会で演説することにこだっている。ネタニヤフ首相にとっての良いニュースとは、オバマ首相と会談して失敗する危険がないということだ。 そこまで良くないニュースは、ホワイトハウスのドアが現職のイスラエル首相に対して閉じられてしまうのはそこまで頻繁には起きないというものだ。ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は、オバマ大統領がネタニヤフ首相と会談しない理由を、イスラエル国内の総選挙が近いためとしている。私は断言する。もしオバマとネタニヤフが友人同士なら、二人は大統領執務室オーヴァルオフィスで抱き合うことだろう。ビル・クリントン元大統領は1996年のイスラエル総選挙に関して、当時のシモン・ペレス首相を助けようとして彼とホワイトハウスで会談を行った。この時もイスラエルの総選挙が近い時期であった。しかし、この時は現職であるシモン・ペレスは敗北した。

 

 オバマ政権は中米イスラエル大使ロン・ダーマーに対する怒りをマスコミに表明するのに時間を無駄にしなかった。ダーマー大使はネタニヤフ氏へのアメリカ連邦議会からの招聘の仕掛け人だ。オバマ政権のある高官は、ダーマーがネタニヤフの政治生命をアメリカ・イスラエル関係よりも重要だと繰り返し発月していたと述べている。ここではっきりさせておこう。ダーマーに対する攻撃はすなわちネタニヤフに対する攻撃である。そのような個人攻撃を政権高官がするのは極めて珍しい。現在、ダーマーは彼の上司と同じく、ワシントンで総スカンを食っている。彼の存在と評価はアメリカ・イスラエル関係の機能不全を象徴している。先週、駐イスラエル米国大使のダン・シャピロはイスラエル政府の複数の高官たちと会談した。その内容な厳しいものであった。シャピロは、「この代償をイスラエルは支払うことになる」と発言したと伝えられている。

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 ロン・ダーマー

 

ジョー・バイデン副大統領もネタニヤフのワシントン演説に出席しないと見られている。バイデン副大統領は親イスラエルとして知られているが、そのような人物がネタニヤフの演説に出席しないということで、民主党の連邦議員の中にも欠席を表明する人たちが出ている。パトリック・リーヒー(ヴァーモント州選出)連邦上院議員は他の人々と一緒に欠席を表明している。欠席者の数は増えそうな勢いである。バイデン副大統領の欠席は、「イスラエルとアメリカの関係が悪化している」というシグナルをアメリカ側がから送ることを意味し、ホワイトハウスは演説によってネタニヤフに得点を稼がせないようにしているのである。

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バイデン副大統領(左)とネタニヤフ首相 

 

 オバマ政権高官は誰もネタニヤフと会談を行わない予定だが、彼のライヴァルである労働党党首イザク・ヘルツォグとは会談を行う予定だ。イスラエルのマスコミは、繰り返し、今週末に行われるミュンヘンでの安全保障会議でヘルツォグが非公式にバイデンとケリーと会談すると伝えている。また、この件についてのヘルツォグの発言を報道した。この結果、有権者がネタニヤフではイスラエルにとって最重要の同盟国であるアメリカとの関係をうまく処理できないのではないかという疑念を持つことになれば、それはオバマ政権にとって喜ばしいことだ。当然のことながら、ヘルツォグはこの機会を利用して、アメリカ・イスラエル関係の重要性を訴えている。彼は、イスラエルの安全保障はアメリカとの戦略的信頼に基づいているものであって、両国の指導者が良い関係にあることが重要だと主張している。

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イザク・ ヘルツォグ(右)とケリー国務長官

 

 しかし、これはただのコーヒーカップの中の嵐なのか、それとも、選挙結果をネタニヤフ首相に不利にすることはないにしても、ネタニヤフ首相追い落としの一致した行動なのだろうか?ジェイムズ・ベイカー元国務長官は、常々「曲芸師のように乾草の俵の上には乗らない」と発言していた。私はフォーリン・ポリシー誌の読者の殆どもそう考えていると思う。

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ジョージ・H・W・ブッシュ(左)とジェイムズ・ベイカー 

 

しかし、それでうまくいくだろうか? 確かに、ベイカーはそうした慎重な態度でいくつかの洞察を得たことだろう。1992年、イツハク・ラビンは僅差でイツハク・シャミルを破った。その理由は、ベイカーとジョージ・HW・ブッシュ(父)大統領の努力であった。彼らは、イスラエル首相であったシャミルに対して、イスラエルの入植政策に対しての不快感を表明して、入植地に対する住宅ローン保証を与えないと決めた。これがイスラエルの有権者は、シャミルがアメリカとの関係で間違いを犯したと判断するためのシグナルとなった。一方で、ビル・クリントンは1996年の総選挙でネタニヤフと争っていた現職のペレス首相を助けようとしたが、うまくいかなかった。その他の問題であるハマスによるテロ、選挙戦術の失敗、レバノン問題が決定的な要素となり、ペレスは敗北した。

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ラビン(左)とシャミル

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シモン・ペレス(左)とビル・クリントン

 

3月17日のイスラエルの総選挙の結果を左右する要素が多くある。そして、バラク・オバマ大統領がこの選挙において重要な要素とはならない。実際、イスラエルにおいては、オバマ大統領はクリントンほどには愛されていない。2014年1月の世論調査によると、イラン問題に関して、20%がオバマ大統領を信頼し、50%強がオバマのイスラエル観を心配しているということだ。とにかく、イスラエル国民はオバマ大統領がホワイトハウスにいるのも後2年くらいであると分かっている。しかし、彼らはまた、アメリカ・イスラエル関係は重要であること、特に中東情勢が激動の時期には重要であることをよく理解している。来たるべき総選挙では、現職のネタニヤフ首相がアメリカとの関係をめちゃくちゃにしたという認識を有権者が持つことは選挙結果に大きな影響を与えることになるだろう。

 

 そして、読者の皆さんはホワイトハウスがその事実に気付いていると信じるべきなのだ。オバマ大統領とケリー国務長官はネタニヤフが政権の座から去り、労働党のヘルツォグとツィッピー・リヴニのコンビが政権の座に付いて欲しいと願っているのだ。そして、オバマとケリーは彼らができることは何でもするだろう。さすがに選挙CMに出ることはできないが、労働党の2人を勝たせるためにそれ以外は何でもやるだろう。

 
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リヴニ
 

(終わり)









 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、吉本隆明著『「反原発」異論』(論創社、2014年)を皆様にご紹介します。
 


 私(1974年生)よりも15歳から20歳上のインテリ志向の人たちの多くが、若い時代に吉本隆明を貪るように読んだということは色々と話に聞いています。私もある宴席で、この年代の方でマスコミや学術の仕事ではなくお堅い仕事に就いていて、日ごろは難しい話など全くしないのに、同世代の方と吉本隆明の本の話を懐かしそうに、楽しそうに、しかし何か一抹の寂しさを漂わせながら話をしているのを見たことがあります。この時に「吉本隆明は凄かったんだなぁ」と実感しました。

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吉本隆明 

 

 それから私は『共同幻想論』や『言語にとって美とは何か』を読みました。正直、歯ごたえがあり過ぎて良く分かりませんでした。「こんなに難しい本を読んだと言うが、いわゆる“吉本世代”“全共闘世代”の人たちでどれほどの人たちが理解できたのだろう」と私は自己嫌悪に陥りながら思ったものでした。

 

 今回ご紹介する『「反原発」異論』は2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原発の事故以降の吉本隆明の発言と、それ以前の科学論や原発論について書かれた文章を掲載している本です。まえがきは、「吉本隆明主義者」である副島隆彦先生です。

 

 吉本は、原発について、「全てを廃止することは科学の発展に逆行することであり、人類が猿に戻ることだ」と厳しく批判しています。彼は1982年に出版した『「反核」異論』の時点で既に反原発や反核について手厳しい批判を加えています。その結果、元々保守派からは嫌われていたのですが、加えてリベラル派からも嫌われ、「読者を半分減らした」ということです。

 

 吉本は「原発の開発や建設にかけるのと同じお金と労力をその危険性除去や事故防止のために使うべきだ」とも述べています。この点を日本政府や電力会社が無視してきたことは明らかであり、この点では原子力エネルギー推進派は厳しく批判されるべきです。しかし、「原発は危険だ、だから全てを止めてしまえ」という原発反対派に対しても吉本は妥協せずに、「人類の発展に反するものだ」と厳しく批判しています。両者はそれぞれ、「原発のような安いエネルギーが使えなくなれば日常生活に支障が出るし、石油もいつまで持つかは分からない」(原発推進派)と「原発は危険なもんだから全廃しなければ命に係わる」(原発反対派)と「脅迫」的言辞を弄して人々を動かそうとしている点で同じだと喝破しています。

 

 この『「反原発」異論』は短い文章や対談が多く、新聞や一般雑誌に掲載れたものが多いので、分かりやすいものが多いです。その中でなるほどと思ったのは、宮澤賢治とカール・マルクスに対する吉本の理解の深さです。宮澤賢治は宇宙規模(マクロ、巨視的)と自分の周辺(ミクロ、微視的)を見る目を持ち、生命は宇宙が終わるまで続くという考えと自分自身の周囲の現実生活を融合させた人であるということには目を開かされました。宮澤賢治のあの有名な「雨にも負けず風にも負けず」の詩にそれが凝縮されているなと私は感じました。「寒さの夏にはおろおろ嘆き」という一節が私は好きなのですが、現実の悲しみ

の底にどことなく感じる楽天さは、そうしたマクロとミクロの融合が基盤にあるのだろうと思います。また、カール・マルクスについて「人類は過剰か過小かしか達成できない」ことを見抜いた人物だと吉本は評していますが、その点も納得できました。

 

 私たちはとかく二元論に陥りがちですが、それを乗り越えるところに知識活動のだいご味があるのだろうと本書『「反原発」異論』を読んで、私は再認識させられました。

 

 「知の巨人」吉本隆明の最後の謦咳に接することができると思います。是非お読みください。

 

(終わり)


 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。


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 今回は、孫崎享・マーティン・ファクラー著『崖っぷち国家 日本の決断』(定価1620円、日本文芸社刊)を皆様にご紹介いたします。本書は元外交官でベストセラー『戦後史の正体』の著者孫崎享氏とニューヨーク・タイムズ紙東京支局長マーティン・ファクラー氏の対談本です。私もほんの少しですが、編集のお手伝いをしました。

 


 本書の発売は2015年2月18日ですが、2015年2月10日から、都内大型4書店、三省堂神保町本店、三省堂有楽町店、丸善丸の内本店、紀伊國屋書店新宿本店で先行発売されます。早くお読みになりたい方は是非お出かけください。

 

 宜しくお願い申し上げます。

 

(貼り付けはじめ)

 

はじめに―日本は今、まさしく「崖っぷち」に立っている  

 

大手マスコミは「真実を伝える」という責任を果たしていない  

 

私は、日本は今、戦後最大の危機にあると思います。  

 

原発は再稼働する。消費税を引き上げて法人税の切り下げを模索する。集団的自衛権の行使で自衛隊を海外に派遣し、結果として日本にテロを呼び込む危険性を高める。格差社会を推進する。「特定秘密保護法」の施行で情報を国民から隠し、民主主義国家から離れていく。  それは、今日の日本の政治をどうこうするという問題にとどまりません。明確に未来の世代に負の遺産を残します。  

 

原発再稼働で事故が起これば、その地域に人が住めなくなります。福島第一原発事故では、アメリカの関係者は東京で人が住めなくなる事態すら想定していました。  

 

TPP(環太平洋経済連携協定)にはISD条項(国家と投資家の間の紛争解決制度)があります。外国の企業が日本に投資し、あるいは取引を行ないますが、その際、日本政府や裁判所が、「生命や健康に不安を与える」、「労働者にマイナスを与える」、「地域振興にマイナスである」などの理由で、外国企業の活動を制限すれば、巨額の賠償金を求められます。  

ISD条項での仲裁裁判の決定は、国会の決議や日本の最高裁の判決を上まわる形でくだされます。ですから、TPPは冗談ではなく、国家主権を著しく損なう協定なのです。  集団的自衛権の行使で自衛隊が米軍と一緒に海外で戦えば、イスラム教の原理主義者などからの報復が当然、想定されます。  スペインは2003年3月からのイラク戦争に参加しました。これに反対するテロ活動がスペイン国内に起こり、2004年3月、スペイン列車爆破事件が首都マドリードで起こりました。191人が死亡し、2000人以上が負傷しました。こういう事態が日本でも予測されます。まさしく日本は今、本当に「崖っぷち」に立っているのです。 「崖っぷち」を前にして、われわれは本質をしっかり議論し、それでも原発を再稼働するか、集団的自衛権を行使するか、否か、いずれかの道を選ばなければならないのです。  

 

では、安倍晋三政権は、これらの危険な政策について、しっかり説明したでしょうか。大手マスコミは、しっかり解説したでしょうか。していません。それだけではなく、安倍政権はこれらの政策をと詭弁で推進しようとしています。  

 

大手メディアは、安倍首相の広報機関と化し、進軍ラッパを吹いています。今日の大手マスコミは「真実を伝える」という責任を果たしていません。日本の大手メディアの姿は国際的に見ると、民主主義国家の報道のありようをまったく機能させていません。  

 

このような中で、今回、「ニューヨーク・タイムズ」東京支局長のマーティン・ファクラーさんと対談しました。  

 

この対談は、私には「知的フェンシング」のようなものでした。日本の報道機関がほとんど真実を伝えない中で、私はファクラーさんから本音を引き出し、これを日本国民に知らせたいと思いました。実はファクラーさんとの出会いはこれが初めてではないのです。1回目は『週刊朝日』の対談(2013年5月31日号)でした。  

 

このとき、ファクラーさんが「日本はもっと自主外交をしたらよい」と述べたので、私は、「では具体的に言って欲しい。日本が自主外交をしようとすると、アメリカは必ず潰してきた。今日、アメリカが潰さない自主外交の分野があるなら示してご覧なさい」と言って、正面からぶつかりました。  

 

今回の対談では両名とも常に笑顔を絶やさず、にこやかに話し合いました。しかし、私はファクラーさんが真実を述べる手を緩めるなら、いつでも飛びかかる用意はしていたし、ファクラーさんもそれを十分に承知だったと思います。  

 

今日、世界でもっとも評価されている新聞の一つが「ニューヨーク・タイムズ」紙です。  なんだかんだと言っても、日本は世界第3位の経済大国です。「ニューヨーク・タイムズ」紙が日本の東京支局長にいい加減な人物を派遣することはあり得ません。その人の本音を長時間にわたる対談で知ることができるのは、実にラッキーな機会だと思いました。  

 

この対談を通じて、私に強く残ったファクラーさんの言葉があります。 「私は『ニューヨーク・タイムズ』紙の社員ではない。私は記者である」。「医者や弁護士は社員として働いているのではない。同様に、特殊技術を持つ専門家として記者がいる」。実に、記者としての自負心が垣間見えます。記者には「真実を見極める、真実を国民に伝える」という自負心があるのです。  

 

私の立場は鮮明です。「あなたが真実を見極めることを自分の天命とすると言うのなら、そして、自分は世界でもっとも権威ある新聞の東京支局長であると言うのなら、その真実とやらをここで述べてもらおうじゃないか」ということでした。  

 

ファクラーさんは、イリノイ大学でジャーナリズム修士号を取得、カリフォルニア大学バークレー校でも「東洋史研究」により修士号を取得しています。1996年から「ブルームバーグ」の東京支局記者、1年半後にAP通信社、2003年から「ウォールストリート・ジャーナル」東京支局記者、2005年に「ニューヨーク・タイムズ」社に移籍し、2009年2月から東京支局長の任にあたっています。  

 

この経歴を見ていただければ、「私は『ニューヨーク・タイムズ』紙の社員ではない。私は記者である」という自負心の源がわかると思います。  

 

この対談本を通して、日本の多くの方が「日本は今・崖っぷち・にある」ということを認識し、国民一人一人が、安倍首相に盲従するのではなく、「では何をすべきか」を考える契機になってくれれば幸いです。   

 

2015年1月 孫崎 享 

 

 (今、この「はじめに」を書き終わり、出版を待つ間に、イスラム国による日本人2名の人質拘束と殺害事件が起こりました。この事件の背後には言うまでもなく、安倍首相の失策があります。安倍首相は2015年1月1621日の日程で、エジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナなど中東4カ国を訪問しました。  

その際、エジプトのカイロで安倍首相は「ISIL(イスラム国)と戦う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をする」という約束をしてしまいました。この発言にイスラム国が直ちにテロ活動という形で反応したのです。これから先、日本が集団的自衛権の行使で、自衛隊を海外での戦闘に派遣すれば、必ずそれに対する報復が起こるでしょう)

 

(貼り付け終わり)

(終わり)








 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、自称・全国紙の産経新聞の以下の卑劣な記事を取り上げたいと思います。このブログでは、東京一区選出の山田美樹議員(自民党、当選2回、細田[安倍]派所属)の事件についての産経新聞の愚劣な記事も以前に取り上げました。

 

 今回の産経新聞の記事は、イスラム国による二邦人の殺害事件について、安倍政権の対応を批判した政治家や有名人の発言の一部を切り取り、それを列挙し、「イスラム国寄り?」として批判するものです。まずもって卑怯愚劣なのは、「?」です。産経新聞は、安倍政権批判の人々を「イスラム国寄り」だと断定したいが、さすがにそこまではと思ったのか、「?」をつけて「逃げて」います。その卑怯未練な姿勢がまず、保守派を自称する新聞としては最低最悪です。

 

 この「安倍政権批判=イスラム国寄り、テロ擁護、テロリスト」の愚劣なレッテル貼りはインターネット上で、いわゆる「ネット右翼」「JNSCメンバー(自民党が組織したインターネット上の「突撃隊」)」によって蔓延させられました。私も「イスラム国派」認定をされました。

 

 彼らは「尊い生命が失われた事件を“利用”して(さんざん自己責任論を振り回していたのに)、安倍政権を批判するのはテロ擁護だ」と言いますが、「この事件を“利用”して、安倍政権反対派にテロリストのレッテルを張り、言論を封殺しようとしている」のです。

 

 産経新聞はこうした言論封殺の片棒を担いでいる訳です。マスコミ、言論機関としての自殺行為をしてしまっているのです。産経新聞のこれまでの報道姿勢を見てみると、もう自殺してしまって、今やゾンビのようになっていると言った方が良いのかもしれません。産経新聞はもう民間会社のふりを止めて、自民党の機関紙になって本社も永田町の自民党本部に移してしまえばどうでしょうか。

 

 そして、私は次のように提案します。産経新聞は名前を『フェルキッシャー・ベオバハター(民族的観察者)』と変えたらどうでしょうか。ちなみに『フェルキッシャー・ベオバハター』紙は、ナチスの機関紙の名前です。今の産経新聞にこれ以上のぴったりの名前はないと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「「イスラム国寄り」?発言、野党・元官僚続々」

 

産経新聞 24()755分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150204-00000088-san-pol

 

 ■「口実を与えたか検証」「殺人の引き金」

 

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の日本人人質「殺害」事件をめぐり、安倍晋三首相の対応が「(事件を起こす)口実を与えた」といった指摘が野党から相次いでいる。「話ができる集団ではない」(菅義偉(すが・よしひで)官房長官)相手との交渉の余地がない中、「イスラム国が口実とした」とは表現せず、政府の責任追及の材料とする意図が透けてみえる。こうした批判は過去に政府の中枢を担った元官僚からも続出している。(酒井充)

 

 ◆首相「気配り不必要」

 

 「質問はISIL(イスラム国)に対し批判をしてはならないような印象を受ける。それはまさにテロリストに屈することになる」

 

 首相は3日の参院予算委員会で、質問に立った共産党の小池晃政策委員長を、こう突き放した。小池氏は首相が1月17日にエジプトで行った演説で、イスラム国対策として2億ドル(約236億円)の人道支援を表明したことを追及。「拘束された日本人に危険を与える可能性があったのではないか」と再三問い詰めた。

 

 首相は「過激主義と戦うイスラムの国々をしっかりと支援していくと表明することが極めて重要だ」と強調。「テロリストに過度な気配りをする必要は全くない」と声を張った。

 

 共産党も含め野党各党はイスラム国を非難しているが、小池氏のように「イスラム国側に立った視点」も目立つ。民主党の枝野幸男幹事長は1日、首相の支援表明について「口実を与えるようなことにつながっていないか検証したい」と記者団に語った。言葉を選びつつも、口実を与えた可能性があるのは首相だと言わんばかりだった。

 

 イスラム国に対峙(たいじ)する中東諸国への2億ドルの人道支援の一部は、平成26年度補正予算案に盛り込まれている。政府が補正予算案を閣議決定したのは、人質事件が明らかになった1月20日より前の1月9日。この時や首相演説時に懸念を示す野党は見当たらなかった。

 

 ◆解放へ首相辞任提案

 

 イスラム国側に一定の理解を示すような言動は元官僚からも出ている。

 

 駐イラン大使の経験がある孫崎享氏はツイッターで「安倍発言で殺人の引き金」などと投稿。小泉純一郎政権などで5年近く安全保障・危機管理担当の官房副長官補を務めた柳沢協二氏はインターネット番組で、人質解放のための首相辞任を提案した。

 

 元経済産業省官僚の古賀茂明氏は1月23日のテレビ朝日番組で、「首相は有志連合の仲間に入れてほしいと思っている」「首相は本当は空爆や武器供与を願っている」と根拠不明の持論を展開。外交や危機管理の専門家とは言い難い古賀氏の主張は6分以上続いたが、司会者が逆の立場から発言することはなかった。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)










 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、イスラム国による二邦人の殺害事件に関する安倍晋三総理大臣の声明(2015年2月1日発表)を取り上げたいと思います。

 

 首相の声明は、首相官邸のウェブサイトに掲載されていますので、インターネットに接続できる方なら世界中から閲覧可能ですし、下に貼り付けましたので、お読みください。この声明の問題点は、「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために、国際社会と連携してまいります」であることは、私も既にツイッターやブログでも指摘しました。どういった法的根拠で、日本の主権が及ばない地域にいるテロリストたちに「その罪を償わせる」のか、具体的な方策もないのに、ただ「復讐」を声高に叫ぶだけでは、観念的・偏執的武力行使賛美者であるとしか言いようがありません。

 

 この「復讐」「応報」「倍返し」的な発言は、戦前の「暴戻支那膺懲」のスローガンと同じです。私はまた、日本を泥沼の日中15年戦争に引きずり込んだ、近衛文麿首相(当時)の声明文を思い出しました。下にも貼り付けましたが、対中政策に関する近衛声明は、「爾後国民政府を相手とせず」の一節で今でも有名です。これによって外交(話し合い)による問題解決と和平の道が閉ざされ、本格的に戦争に進んでいきました。

 

 安倍政権は、人質となった二邦人の解放に向けて、身代金も用意せず、イスラム国と交渉しませんでした。それなのに、人質となった後藤さんのご家族とシリア人ガイドには、「後藤さんの安全のため」と称して、事件のことを口外しないようにと口止めしました。

 

 何も手を尽くさずに、ただ「復讐」「応報」を叫び、挑発的な「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために、国際社会と連携してまいります」という一節を入れることで、日本はこれから中東問題に関して泥沼に引きずり込まれることになるでしょう。

 

 そして、こうしたことを批判すると、「テロ擁護」「イスラム国派」だというレッテル貼りが、自民党や安倍晋三首相支持者、特にJNSCメンバーからなされるのですが、私が下に貼った、斎藤隆夫の「粛軍演説」をよく聞いてもらいたいと思います。「聖戦の美名に隠れ」て、軍を批判することを許さなかった当時の状況と軍の尻馬に乗って批判派を抑圧した当時のアホ日本人たちと、現在の愚かなレッテル張りをしている人たちが同じであることが分かります。

 

 外交を殺してはなりません(Do not Kill diplomacy)。外交交渉を放棄してしまえば、後は武力しか問題解決の方法がありません。これはまさに愚の骨頂です。そのことを私たち日本人は70年前に学んだはずです。


 そして、現在の日本が戦前と同じくらいに危険なところまで来ていることが分かります。そして、何より悲しいのは、人間というのは少しも進歩しないのだということを改めて深く実感させられてしまうことです。「歴史は繰り返す」という言葉がありますが、これは、人間の愚かさを意味する言葉なのでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

http://www.kantei.go.jp/jp/pages/h27syria.html

 

平成27年2月1日

 

内閣総理大臣声明

 

1.湯川遥菜さんに続いて、後藤健二さんが殺害されたと見られる動画が公開されました。

 

  御親族の御心痛を思えば、言葉もありません。政府として、全力を挙げて対応してまいりました。誠に無念、痛恨の極みであります。

 

2.非道、卑劣極まりないテロ行為に、強い怒りを覚えます。許しがたい暴挙を、断固、非難します。

 

  テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために、国際社会と連携してまいります。

 

3.日本が、テロに屈することは、決してありません。

 

  中東への食糧、医療などの人道支援を、更に拡充してまいります。

 

  テロと闘う国際社会において、日本としての責任を、毅然として、果たしてまいります。

 

4.このテロ行為に対して、強い連帯を示し、解放に向けて協力してくれた、世界の指導者、日本の友人たちに、心から感謝の意を表します。

 

5.今後とも、国内外における国民の安全に万全を期してまいります。

 

(貼り付け終わり)

 

(貼り付けはじめ)

 

https://kotobank.jp/word/%E8%BF%91%E8%A1%9B%E5%A3%B0%E6%98%8E-65724

 

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

 

近衛声明

このえせいめい

 

1次近衛内閣の日中戦争収拾,対中国政策に関する声明。都合3度出され,あとの2度は事態の推移に従って最初の声明を変更したものである。まず,19381 16日,「爾後国民政府を相手とせず,新興支那政権の成立発展を期待する」と声明。

 

(貼り付け終わり)

 

最後に、有名な斎藤隆夫による「粛軍演説」をご覧ください。この内容が現在の状況を話していると言われても違和感がないというところに、現在の危機を表していると思います。

 


 

(終わり)









 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、2015年3月1日に開催されます副島隆彦先生の後援会を皆様にご案内いたします。お席がだいぶ少なくなっていると聞いておりますが、まだお申込みいただけるそうです。お申し込みは下記のウェブサイトから出来るということです。

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※お申し込みは以下のウェブサイトで可能です↓

http://kokucheese.com/event/index/259057/

※主催の(有)アールシステム ブレイントラスト企画の連絡先↓

・電話:03-6261-5465

・ファックス:050-3153-2488

・Eメール:bt-soejima@nifty.com


宜しくお願い致します。

 

==========

 

副島隆彦の”予言者”金融セミナー 第9回

 

『官製相場の暴落が始まる』発刊記念講演会
 


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*日時:2015年3月1日(日)

開場・受付/10:00~ 終了/17:00(予定)

 

たっぷり 5時間!

 

株・金利・円ドル相場の次の大崩れは、いつ起きるか?

リーマン・ショックからもう6年。

次の金融経済の嵐が迫る。

 

副島隆彦は、予想を外したのか。

これからの投資で失敗しないための防御策を練る。

 

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セミナーの主な内容

 

◆金(きん) 急上昇 し始めた。小売り ,300円/ 超えた。

 金を 持ち続けた人々の 勝ち だ。この先 金価格は どうなるか?

 

◆スイスフラン・ショック が起きて、ヨーロッパ金融危機の始まり になる。

 日本、アメリカへの 影響 は? このあとの 世界経済の動き は?

 

◆為替(各国の通貨の値段)の 急変動 がコワイ。

 1元 19.5円 まで上昇。人民元預金 をした人は、儲かった。

 さらに 何に 投資するべきか。

 

◆株式は 官製相場(政府による市場のあやつり) まだまだ 続く。

 日本の 郵貯や年金 は大丈夫なのか。

 

◆大好評の質問コーナーもあります。

 

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開催概要

 

日時       20150301

開催場所              有楽町朝日ホール

(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11)

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参加費    15,000(税込)

定員       300(先着順)

申し込み終了       20150228 1700分まで

主催 (有)アールシステム

 

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(終わり)
 








 

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