古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2016年08月

 古村治彦です。

 

 このブログでも以前ご紹介したヒラリーの側近、「2人目の娘」とも呼ばれ、一部には「同性愛の恋人」とも噂されているフーマ・アベディンが離婚を発表しました。

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 夫アンソニー・ウェイナーはニューヨーク州選出の民主党所属連邦下院議員だった2011年に、自分の性器を写した写真をツイッターを使ってある女性に送ろうとして誤って掲載してしまい、議員辞職してキャリアを棒に振った人です。2011年のスキャンダルをすっぱ抜いたのは、ブライトバート・ニュースで、ここの元会長スティーヴ・バノンがトランプ選対の運営責任者となっています。

 

 議員辞職後はニューヨーク市長選挙に出馬して落選、その後はロビー活動やコンサルタントをしていたようですが、主には2010年に結婚したフーマ・アベディンの活躍を支える主夫をしていたようです。2011年に生まれた息子の世話を家族と協力しながらやっていたということです。

 

 ウェイナーはヒラリーのライヴァルだったバーニー・サンダースやドナルド・トランプを批判する発言をしていましたが、私はそれらを読んで、どうも頓珍漢なことを言う人だなと感じていました。批判の矛先がずれているというか、ただのいちゃもんだろうという感じがしていました。下の記事にあるように、トランプに対する発言は、「お前は何を言っているんだ?」というレヴェルです。

 

 ヒラリーの「娘」と呼ばれるフーマ・アベディンですが、「母」であるヒラリーも夫ビル・クリントン元大統領の不倫スキャンダルに何度も見舞われました。モニカ・ルインスキーという名前を覚えている人も多いと思います。この血のつながりがない「母娘」は、配偶者で苦労するという点でよく似ています。

 

(貼り付けはじめ)

 

フーマ・アベディンが、新たなセクスティング・スキャンダル発覚で夫と別離(Huma Abedin separates from Anthony Weiner after latest sexting scandal

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/huma-abedin-anthony-weiner-separation-separating-sexting-scandal-hillary-clinton

 

ヒラリー・クリントンの長年の最側近フーマ・アベディンは月曜日、夫アンソニー・ウェイナーとの別離を発表した。元連邦下院議員で何かとお騒がせのウェイナーに、性的な写真やメッセージを携帯電話やインターネットを通じて送る行為に関する新たな疑惑(sexting[セクスティング]sextextingの合成語)が浮上したばかりだった。

 

アベディンは声明の中で、「長い時間を掛けた苦痛を伴う結婚に関する熟慮の末、私は夫と別離する決心をしました」と述べた。

 

アベディンは続けて、「アンソニーと私は息子にとって最良のことを行うために全力を尽くすという点では変わりません。息子は私たちの人生にとって光です。この困難な時期、私は皆さんに私たちのプライヴァシーを尊重してくださるように希望します」。

 

アベディンの声明が出される前日の日曜日、ウェイナーがよちよち歩きの息子がうしろにいる自身の股間を写した写真をある女性に送っていたという報道が出た。

 

ウェイナーは2011年に同様の行為で自身のキャリアを棒に振ってしまった。『ニューヨーク・ポスト』紙の報道は次の通りだ。ウェイナーは2015年7月31日に、ある女性とメッセージを交換していた。その中で、ウェイナーは露骨な話題に移り、「誰かさんが僕のベッドに上ってきた」と書いた。

 

彼は毛布にくるまっている息子と一緒に自分の股間を写した写真をメッセージに添付して女性に送った。

 

ニューヨーク・ポスト紙の報道によると、この女性は「あなた、この写真の中にちっちゃなウェイナーちゃんが写っているのに気付いてる?」と返事をしたということだ。

 

今回の報道がなされた後の月曜日、ウェイナーはツイッターアカウントを削除した。

 

ウェイナーがツイッターアカウントの使用を通じて恥をかくのは今回が初めてではない。It

 

ウェイナーは、以前にも別の女性に自身の裸の写真を送っていたことが発覚し、2011年に連邦下院議員を辞職した。ウェイナーは私的に表に出ない形で送っていたつもりが公の場で送ってしまっていた。

 

ウェイナーは最初はツイッターに写真を掲載したことを否定したが、後にニューヨークで開いた記者会見で、性的なメッセージのやり取りをしたことを認めた。

 

議員辞職をする際、ウェイナーは公式に謝罪し、自身の行動を改めると述べた。

 

アベディンはこの騒動の後もウェイナーを支えた。そして、ウェイナーは2013年のニューヨーク市長選に立候補した。

 

ウェイナーは、最初のスキャンダルが公になった後も、性的なメッセージを送り続けていることが明らかになるというスキャンダルにも見舞われた。

 

2016年、ドキュメンタリー映画「ウェイナー」がサンダンス映画祭でプレミア上映された。この映画は、2013年の市長選を中心にしてアベディンとウェイナーを追いかけたもので、市長選がアベディンに与えた影響を描き出している。

 

アベディンは今年の初め、「コール・ユア・ガールフレンド」のポッドキャストに出演して、インタヴューに応じ、苦境について語った。

 

アベディンは、「結婚とは、パートナーがパートナーを支えることで、どんな状況でも続けられるものです。これは政治の世界にいる、いないは関係ありません」と語った。

 

アベディンは続けて次のように語った。「政治の世界にいると、結婚というものに少し、ほんの少し困難が伴いますね。それは、私生活が、みんなが自分の私生活をのぞき見しようとするからです。カップルの1人が一般人で、もう1人が政治の世界にいるといううちと同じパターンの場合、私生活が自分ではどう対処しようもない形で世界中に見られてしまうことになります」。

 

「しかし、お互いが支え合えば、結婚はうまくいきます」。

 

ポッドキャスト出演中、アベディンは多くの時間を割いてヒラリーの選挙運動のために働いており、それは夫が息子の面倒を見てくれているからだと述べた。

 

アベディンは次のように語った。「私には4歳になる息子がいます。もし配偶者の助けがなければ、私は今やっているような仕事をすることはできなかったでしょう。配偶者は進んで家にいて火事や息子の世話をしています。だから私は外に出て働けるのです」。

 

アベディンは更に次のように語った。「私は息子がいつもどうしているかなと気になっています。しかし、心配はしていません。なぜなら、アンソニーとアンソニーの親族、そして私の母と親族が小さな村を形成して、息子を見ていてくれるからです。母は素晴らしい女性で、私たちを助けてくれています。ですから私は外に出て、私は仕事を持つ女性として最高にパフォーマンスを発揮しようと努力できるのです。それは、このような助けがあるからです」。

 

ウェイナーは今年7月に『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタヴューに応じた。その中で、彼をトラブルに引きずり込んだ行為を今でも行っているのかと質問され、「私はお話しのようなことを行うことはありません」と答えていた。

 

そして、ウェイナーは次のように語った。「しかし、私は次のことは申し上げたいと思います。トランプ氏のこれまでの行為を見聞きした多くの人々が私にこういうのは間違いないでしょう。“おい、ロシア人に誰かのEメールをハッキングするように頼むことに比べたら、お前がやったことはまぁ大したことじゃないな”、とね」。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは、月曜日に声明を発表し、その中で夫との別離を決断したアベディンを、皮肉を込めて褒めた。

 

トランプは、「フーマは賢い決心をした。私はアンソニー・ウェイナーをよく知っている。フーマは彼がいない方がもっとうまくやれるだろう」と述べた。

 

トランプは更に次のように述べている。「私はアメリカにとって心配に感じているだけだ。それは、ヒラリー・クリントンは高度に機密性の高い情報を扱う側近の中にウェイナーを加えていたことだ。これは彼女の注意力不足と怠慢の証拠だ。ウェイナーが機密情報に接し、それを誰かに話した可能性があるではないか?これはヒラリー・クリントンの間違った判断のもう一つの証拠だ。我が国と我が国の安全保障がこれで大きく損なわれた可能性はある」。

 

トランプは今月に入ってウェイナーのことを「間違いだらけのイカサマ野郎」とこき下ろしていた。

 

ウェイナーの今回のスキャンダルは彼の結婚生活以外にもダメージを与えそうだ。W

 

『ニューヨーク・デイリー・ニューズ』紙の論説担当編集のジョシュ・グリーンバーグは、『デイリービースト』誌の取材に対して、これまでウェイナーに論説の執筆を担当してもらっていたが、今後は依頼を行わないと述べた。

 

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。

 

 「オルト・ライト」という言葉がアメリカ大統領選挙のキーワードになってきました。

 

 「オルト・ライト(alt-right)」は、「オルタナティヴ・ライト(alternative right)」の略語です。これは、「主流派とは別の、もう一つのライト(右翼、右派)」という意味になります。アメリカ文化評論家・映画評論家である町山智浩氏は「オルタナ右翼」と訳しておられます。音楽の分野でオルタナティヴ・ロック(オルタナ・ロック)というものがありますが、オルト・ライトというと良く分かりませんが、オルタナ右翼というとイメージしやすい人たちもいると思います。

 

オルト・ライトにはこれといってひとつの思想はありません。アメリカの右派の特徴である多文化主義と移民に対する反対を標榜していますが、同時に、白人優越ナショナリズム、白人優越主義、人種差別主義、女性蔑視、反ユダヤ主義がそれぞれの場面で出てきます。このアルト・ライトの高まりがドナルド・トランプの台頭を支えたのか、トランプの台頭がアルト・ライトの高まりを支えたのか、どちらが正しいということはありませんが、どちらも正しいということは言えます。

 

 このオルト・ライトの高まりを支えているのが、インターネット上の日本の巨大掲示板「2ちゃんねる」をモデルにした「4chan」(所有者は2チャンネルの創設者である西村博之氏)やブログなど、オルト・メディア(オルタナティヴ・メディア)で特有の言葉遣いで、上記のような反主流の考え方を語り合っている人々だということです。日本で言えば、ネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれる人たちに似ていると思います。

 

 オルト・メディアの代表格なのが、トランプ選対の運営責任者となったスティーヴ・バノンが会長をしていたブライトバート・ニュース社です。過激な見出しと差別的な言辞を多用した記事で人気を集めるニュースサイトとなっています。

 

 先週の木曜日、ヒラリー・クリントンは、オルト・ライトの高まりとトランプを結び付け、トランプが人種差別主義者であり、反ユダヤ主義を標榜する団体にも近いという内容の演説を行いました。その根拠として、ブライトバート社の元会長で、現在のブライトバートの路線を作り上げたスティーヴ・バノンを取り上げました。

 

 そして、同じタイミングで、スティーヴ・バノン個人が、妻に家庭内暴力をふるい(女性蔑視)、反ユダヤ主義的な考えを持っているという個人攻撃がメディアで流れました。このタイミングの良さは、メディア側との協力関係がなければできないことです。トランプ側が、メディアはヒラリーを贔屓していると批判していますが、これはあながち間違ってはいないように思われます。

 

 ヒラリー側は、トランプが黒人有権者やヒスパニック有権者に宥和的な態度へと変更し、幅広い有権者層へアピールする戦術に出たことに対して、「トランプとオルト・ライトはつながっている、危険だ」という攻撃に出ました。確かに、これまでのトランプの発言やプライトバート社の記事などはそのような要素が入っていましたから、そのような攻撃をされると弱いということはあります。

 

 ヒラリーのこの攻撃に対して、トランプ側がどのような反撃をしてくるか、注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ選対の運営責任者は空き家に有権者登録をしている(Report: Trump campaign chief registered to vote at empty house

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年8月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293414-trumps-campaign-chief-registered-to-vote-in-state-he

 

イギリスの「ザ・ガーディアン」紙が金曜日に報じたところによると、ドナルド・トランプが新たに起用した選対運営責任者が空き家に有権者登録をしており、これは明らかな選挙関連法違反である、ということだ。

 

トランプ選対の運営責任者スティーヴン・バノンは、フロリダ州のマイアミ・デード郡にあるある家に有権者登録をしているが、この家は現在空き家で取り壊しが予定されている、と疑いがかけられている。

 

バノンは元妻のためにこの家を借りたが、彼自身はこの家に住んだことはなかった。元妻は今年初めにこの家から転居した。

 

この家の所有者ルイス・ゲヴァラはガーディアン紙の取材に対して次のように答えた。「この物件は現在空き家です。誰も住んでいません。取り壊しする予定もあるんです」。

 

バノンの有権者登録についてトランプ選対にコメントを求めたが拒絶された。

 

フロリダ州法では、有権者であるためにはフロリダ州の合法的な住民である必要がある。

 

ガーディアン紙によると、フロリダ州の有権者登録に際して誤った情報を提出することは、第三級の重罪となり、最大で懲役5年の刑が科せられる。

 

ヒラリー・クリントン陣営は、バノンがブライトバート・ニュース社と「オルト・ライト」の高まりに関係していると批判をした。バノンが批判されている中で、このニュースが出た。

 

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取らん選対運営責任者はかつてドメスティック・ヴァイオレンスで逮捕された経歴あり(Trump campaign CEO once charged with domestic violence: reports

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年8月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293409-trumps-campaign-ceo-once-charged-with-domestic-violence

 

ポリティコ誌が木曜日に次のように報じた。ドナルド・トランプが新たに選対運営責任者に起用したスティーヴ・バノンは1990年代に犯罪容疑で逮捕されたことがある。犯罪容疑は、妻と口論になってそれが暴力事件にまで発展したというものだ。これらの事件の裁判は不成立となった。

 

 

1996年1月、バノンの妻(当時)はカリフォルニア州サンタ二カ警察に「夫が自分の首と手首に手をかけて引っ張り回した」と通報した。駆けつけた警察官は報告書の中で、「彼女の首と手首は赤く腫れ上がっており、彼女の説明と一致する」と書いた。この報告書の中には、「バノンは妻が911(日本の110番)に電話しようとすると電話を取り上げて、叩き壊した」とも書かれている。

 

バノンは、家庭内暴力、殴打、証拠隠滅の容疑で逮捕された。

 

バノンは、報道担当を通じてポリティコ誌に、「私は警察から事情聴取されなかった。また、こうした容疑に関しては無罪だ」と述べた。

 

数カ月後に開かれた裁判に元妻は出廷しなかったために、裁判は不成立となった。

 

ニューヨーク・ポスト紙は、元妻は離婚合意書の中で、裁判を成立させないためにサンタモニカから転居するようにとバノンに説得されたと書いている、と報じた。

 

元妻は、裁判を成立させるならば、お金は一銭も持たせずに、双子の幼い娘たちの養育費も支払わないとバノンに脅されたと主張した。

 

ニューヨーク・ポスト紙は、「バノンはまた、裁判所に出廷したら、彼と彼の弁護士が私も」“He also told me that if I went to court he and his attorney would make sure that I would be the one who was guilty. I was told that I could go anywhere in the world," she claimed in the papers, according to The Post.

 

元妻は更に「私が裁判に出席しなかったので、裁判は不成立となった」と書いている。

 

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バノンの元妻:「彼は娘たちがユダヤ人の同級生のいる学校に行かせたがらなかった」(Bannon's ex-wife: 'He didn’t want the girls going to school with Jews'

 

エヴェレン・ルパート筆

2016年8月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293532-bannons-ex-wife-he-didnt-want-the-girls-going-to-school

 

ドナルド・トランプの選対運営責任者スティーヴ・バノンの元妻が、離婚手続きの過程の中で、バノンが娘たちに「たくさんのユダヤ人がいる」ので、通学していたロサンゼルスにある学校に行かせたくないに行かせたくないと言っていたと語った。

 

ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙は次のように報じた。ブライトバート・ニュース社元会長スティーヴ・バノンの元妻は、2007年に裁判調停の過程である文書に署名して裁判所に提出した。その中で、バノンは双子の娘たちが在学していたアーチャー・スクール・フォ・ガールズにユダヤ人の生徒たちがいることを懸念していたと書いている。

 

2007年6月に元妻が出した裁判所に提出した文書の中には、「アーチャー校の最大の問題は在学しているユダヤ人の生徒の数だ」と書かれている。

 

この文書の中には「バノンは、学校の教育方針が気に入らず、生徒たちを“口うるさい金髪バカ女”にしようとしていると言っていた。そして、ユダヤ人がいる学校には行かせたくないとも言っていた」という記述もある。

 

元妻は、バノンが別の私立学校のユダヤ人生徒の数をその学校に尋ねたとも述べている。

 

バズフィード・ニュースに対する声明の中で、バノンの報道担当アレクサンドラ・プリーテは、バノンがそのようなツ言をしたこと自体を否定し、娘たちは学校に在学し続けたと述べた。

 

プリーテは、「バノン氏はそのような発言をしたことはなく、アーチャー校の中等教育に関して不満はなく、娘たちが在学していたことを誇りに思っている」と述べている。

 

新たに発見された法廷文書は、バノンにとっては今週に入って2発目の攻撃となった。離婚合意文書と警察の報告書からの抜粋が木曜日に報じられたが、これらを総合して、バノンは家庭内暴力をふるっていたという疑いが浮上している。

 

1996年に起きた口論で、バノンは当時の妻の首と腕を強くつかんだという疑いが浮上している。バノンは家庭内暴力、殴打、証拠隠滅の容疑で逮捕されたが、元妻が裁判所に出廷しなかったために裁判は不成立となった。

 

バノンは先週、トランプ選対の運営責任者に就任した。同時に、ケリアン・コンウェイが選対委員長に就任した。

 

民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは木曜日に行った演説で、バノンとブライトバート・ニュースを攻撃した。この演説で、ヒラリーは、トランプと「オルト・ライト」の高まりを結び付け、トランプを人種差別主義と反ユダヤ主義の諸グループと親和性があると訴えた。

 

民主党は今週、トランプ批判のヴィデオを後悔した。それは、ブライトバートが掲載した、多くの批判を受けた見出しを集めたものだ。その中には、「ネヴァー・トランプ」運動を主導している、『ウィークリー・スタンダード』誌編集人のビル・クリストルについてのものも含まれている。ブライトバートは、見出しで、クリストルを「共和党をダメにする人物、裏切り者のユダヤ人」と呼んだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 

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 古村治彦です。

 

 情報暴露サイトであるウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジが民主党とヒラリー・クリントンに対するリーク、しかもかなり重要な内容を含むリークを行うと予告しました。選挙戦まで約75日を残す段階で、ヒラリー側には厳しい宣告がなされました。

 

 今回のアサンジの宣言について、大したことはできないのではないか、ハッタリで本当は何もないのではないかという声が出ているようです。しかし、2016年7月に民主党全国委員会のスタッフのEメールを公表し、民主党内部でバーニー・サンダース連邦上院議員を予備選で勝たせないという話があったということが暴露され、民主党全国委員長のデビー・ワッサーマン=シュルツ連邦下院議員(フロリダ州選出)が委員長を辞任する騒ぎがありました。

 

 このように一度目の威力を十分に見せつけていますから、民主党側やヒラリー側にとっては十分に脅威となります。恐怖や懸念で神経が消耗するでしょうし、民主党内部や選対内部で、「あいつは裏切り者ではないか」という疑心暗鬼が広がります。

 

 それだけでもこのアサンジの宣言は大きな効果を持ちます。ウィキリークスのリークがオクトーバー・サプライズになるかどうか、注目です。

 

 

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アサンジ:「予期しない」クリントン選挙運動関連のリークを明言(Assange: 'Unexpected' Clinton campaign leaks coming

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/293290-assange-unexpected-clinton-campaign-leaks-coming

 

ウィキリークスが、大統領選挙投開票日の前に、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンの選対に関する「予期できない角度」の情報をリークすることになる、とウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジが水曜日に述べた。

 

アサンジはフォックス・ニュースの番組に出演し、「これはとても大変なことになると思いますよ。人々とメディアがどれだけ食いつくか次第ですがね」。

 

アサンジはまた次のように語った。「ここで秘密を漏らす訳にはいきませんが、選対に関連するいくつかの組織や機関からの多様な文書であるとだけ言っておきます。それらの中には、全く予期しなかった角度の内容も含まれます。また興味深いもの、楽しいものも含まれます」。

 

2016年7月、ウィキリークスは民主党全国委員会の職員たちの約2万通にも及ぶEメールを公表した。その中には、予備選挙の候補者バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州、無所属)の選挙運動を妨害する計画に関する内容が含まれていた。

 

今月初め、ウィキリークスの創始者アサンジは、ウィキリークスは共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに関する内部情報の入手に関心を持っていると語った。

 

アサンジは水曜日のNPRのラジオ番組「モーニング・エディション」で流されたインタヴューの中で、「トランプ選対の情報を持っている人がいましたら、その情報が本物で、それを見たという類ではなくて本物の内部文書を持っている人がいましたら、私たちはその情報を受け取って、公表したいと思います」と語った。

 

アサンジは番組の中で、今回の大統領選挙には、「大変に悪口を言われる2人の候補者が出ている」と述べた。

 

アサンジは更に次のように述べた。「その結果として、選対の内外の様々な人たちがウィキリークスとマスコミに情報提供をしたいという気持ちを持つようになっているのです」。

 

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アサンジがヒラリー・クリントンと民主党についてさらにリークをすると約束(Assange promises to leak more on Clinton, Dems

 

クリスティアーノ・リマ筆

2016年8月24日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/story/2016/08/julian-assange-clinton-leak-227389

 

ウィキリークスの編集責任者ジュリアン・アサンジは水曜日の夜、ヒラリー・クリントン、民主党全国委員会、ヒラリー選対に関連する「数千ページ」にもなる文書をリークすると約束した。

 

フォックス・ニュースのミーガン・ケリーに対して、神秘性をたたえたアサンジは、これから行われるリークは、今年の大統領選挙に「大変重要な」影響を与えることになると請け合った。

 

以下がその時の内容だ。

 

ロンドンにあるエクアドル大使館に亡命中であるウィキリークス創設者のアサンジは次のように語った。「私たちは多くの材料を、数千ページにもなる具体的な材料を持っています。選対に関連するいくつかの組織や機構からの様々な文書があります。いくつかは全く予期でない角度の内容で、いくつかは興味深く、また楽しいものもあります」。

 

今年の7月に民主党全国委員会のスタッフのEメールがリークされた。そして、今回、民主党全国委員会と民主党議会選挙対策委員会に関する2回目のリークが予告され、民主党関係者たちは、2回目のリークによってまた大きなダメージを受けるかもしれないという恐怖を感じている。彼らはオクトーバー・サプライズが起きてヒラリー選対にダメージを与えることを憂慮している。

 

アサンジはリークの日時について明らかにすることを拒否したが、リークする文書によって、ヒラリー・クリントンはダメージを受けることは間違いないと述べた。

 

アサンジは「これはとても大変なことになると思いますよ。人々とメディアがどれだけ食いつくか次第ですがね」と語った。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)





 

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 古村治彦です。

 

 少し古い記事になりますが、以下に、民主党のヒラリー・クリントンが共和党支持者の獲得を目指しているという記事を掲載します。

 

 今週になって、トランプがこれまでのやり方を変えた(pivot)したことで、トランプの支持率が少し持ち直すと思われますが、共和党全国大会以降、失言が続いて支持率が下がり、激戦州でも軒並みヒラリーが優位となった上に、2000年以降、常に共和党が勝ってきたレッド・ステイト(共和党が優位な州)の中でも、アリゾナ州とジョージア州でヒラリーがリードするという展開になっていきました。

 

 ヒラリー陣営は、レッド・ステイトへも積極的に浸透を図っているようです。ここまでされてしまうと、選対内部で内紛があり、選挙運動がめちゃくちゃだったトランプ陣営は押されてしまうのは当然です。しかし、ケリアン・コンウェイを登用して、トランプ選対は体制を立て直しつつあります。

 

 ここまでのところ、選挙資金、人員、選挙運動の熱心さではヒラリーが圧倒しています。しかし、彼女が投入しているリソースから考えて、支持率は低いと言わざるを得ません。コストパフォーマンスが悪いのです。ヒラリーを民主党史上最弱の候補者と言う人たちが民主党支持者の中にもいるので、このコストパフォーマンスの悪さは当然なのかもしれません。

 

 トランプは十分に巻き返す余地がありますが、まずは足場を固め、ヒラリーの共和党支持層への浸透を防ぐことが必要になります。そして、討論会が始まる9月には反転攻勢を始めることが出来るかがポイントになると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

クリントン選対が共和党員に対する勧誘の動きを公に(Clinton Campaign Makes Republican Recruiting Effort Official

 

モリー・オトゥール筆

2016年8月10日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/08/10/clinton-campaign-makes-republican-recruiting-effort-official/?utm_content=buffer06f25&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

ヒラリー・クリントン選対は水曜日(2016年8月10日)、共和党員で共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに反対し、民主党の候補者ヒラリーを支持する人たちが出続けていることを受けて、彼らへの働きかけを公に強め始めた。

 

「トゥゲザー・フォ・アメリカ」というスローガンを使い始めたことは、ヒラリー・クリントン前国務長官の自信を示すものである。この動きは、共和党と無党派に向けて非公然に支持を訴えてきたことを正式に訴え始めたのだ。

 

ヒラリーは、水曜日の午後、アイオワでの集会で演説し、その中で「これは通常の選挙ではない」と語った。そして、共和党からの離脱者や「我が国を第一に考えたいと思う人なら誰でも」歓迎するとした。

 

ヒラリーは「ドナルド・トランプは共和党の価値観を代表していないだけでなく、私たちアメリカ人の価値観を代表していない」と述べた。

 

ヒラリー選対が発表した文書によると、共和党の大物50名がヒラリー支持を表明している。その中には3名の元閣僚、20名の現職・元職の連邦議会議員、元大使、元米軍幹部、共和党が政権を握っていた当時の政府高官、実業界のリーダーたちが含まれている。

 

共和党や無所属の中の大物には、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ、ジョージ・W・ブッシュ大統領の大統領国家安全処方問題担当補佐官を務めたブレント・スコウクロフトがヒラリーを支持していることは既に知られている。水曜日になって、国家情報局長官だったジョン・ネグロポンテ、元商務長官でケロッグ社の会長兼最高経営責任者カルロス・ガティレス、ヒューレット・パッカード社の会長兼最高経営責任者メグ・ウィットマンといった人々もクリントン支持を表明したことが明らかになった。

 

彼らは、メイン州選出の連邦上院議員スーザン・コリンズとイリノイ州選出の連邦下院議員アダム・キンジンガーのような、最近になってトランプに激しく反発している共和党の指導者たちの隊列に参加している。水曜日、民主党の副大統領候補で現在は無所属となっているジョー・リーバーマン前連邦上院議員がヒラリー支持を表明した。

 

共和党予備選挙中や、トランプが予想外に共和党候補者になった後に起きた様々な「ネヴァー・トランプ」活動は収まらなかった。それは、トランプが自分たちの選択肢になるとは考えられなかったからだ。

 

しかし、トランプの過激な言葉遣いや突飛な政策志向についての懸念が高まっている。反対に、ヒラリーに対する信頼やトランプに対する選択肢はヒラリーしかないという考えが広がっている。そうした中で、 トランプではなくヒラリーを公然と支持する共和党員が増え続けている。

 

ヒラリー陣営は、トランプはアメリカを分裂させ、危険なので、アメリカ大統領にふさわしくないと強調している。月曜日、50名の共和党系の国家安全保障・外交政策の専門家たちが、トランプには投票しないとする公開書簡を発表した。この動きをヒラリー陣営は把握していたが、協働してはいない。

 

「トランプはアメリカの国家安全保障と福利を危機に晒すだろう」と書いている。しかし、彼らはヒラリーに投票すると公然とは言っていない。

 

ヒラリー陣営による「トゥゲザー・フォ・アメリカ」のスタートは、タイミングよく出された強烈なパンチとなった。共和党大統領選挙候補者トランプは、先月の共和党全国大会以降、世論調査の数字を落とし続けている。主要な激戦州の共和党支持の有権者たちの支持を落とし、全国規模の世論調査でもヒラリーにリードを許している。

 

共和党内の最重要人物であるコンドリーザ・ライス、コリン・パウエル両元国務長官は、これまで大統領選挙について何も言及していない。

 

どれだけの共和党員が反対党の候補者に投票するかははっきりしない。また、ヒラリー陣営の試みが、反エスタブリッシュメントで熱心なトランプ支持者たちの考えを変えることが出来るかははっきりしていない。しかし、ヒラリー選対の委員長ジョン・ポデスタは、共和党員の中からヒラリー支持が出ている動きは、無党派や穏健派の有権者たちが「自分たちの代弁者はトランプではなく、ヒラリーだ」と考えていることを示す兆候だと述べている。

 

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クリントンはユタ州の新聞の論説ページでモルモン教徒にアピール(Clinton makes appeal to Mormon voters in Utah paper op-ed

 

リサ・へーゲン筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/290990-clinton-makes-appeal-to-mormon-voters-in-utah-paper-op-ed

 

ヒラリー・クリントンは、教会が所有しているユタ州の新聞の論説ページに自ら文章を投稿し、モルモン教徒の有権者たちにアピールを行っている。

 

『デザート・ニュース』紙の論説ページに掲載した文章の中で、民主党の大統領選挙候補者ヒラリーは、世界における信教の自由のために彼女がこれまでどのような闘いをしてきたかを書いている。

 

ヒラリーは次のように書いている。「私は長年にわたり、信教の自由のために戦い続けてきた。国務長官として、私は世界各地の宗教的少数者たち、エジプトのキリスト教コプト派からチベットの仏教徒まで、彼らを守ることを外交政策の基本とした。」

 

ヒラリーがこのような論稿をユタ州の新聞に掲載したのは、民主党側がユタ州のような伝統的に共和党が強い「レッド・ステイト」での情勢を楽観視していることを示している。各種世論調査の結果によると、ヒラリーとドナルド・トランプが接戦を展開していること、共和党が強い州ではあるが、トランプの人気は低いままであることが明らかになっている。

 

ヒラリーは論説の中で、モルモン教徒でユタ出身の政府関係者たちと仕事をしてきたと強調した。

 

ヒラリーは、論説の中で、「私は、元ユタ州知事で駐中国大使を務めたジョン・ハンツマンと一緒になって、政府からの弾圧を受けている中国のキリスト教徒たちと連帯した」と書いている。

 

ヒラリーはまた、2012年の共和党大統領選挙候補者でモルモン教徒のミット・ロムニーがトランプのイスラム教徒の入国禁止について懸念を持っていることを強調し、ユタ州知事ケーリー・ハーバートが「宗教弾圧とテロリズムから逃れてきたシリア難民たちに対して温かい歓迎」をしたことを称賛した。

 

ヒラリーは、モルモン教会の指導者であり、シスターのローズマリー・M・ウィクソンの言葉「個人として私たちは強い。神と一緒ならば、私たちを止めることなどできない」を引用している。

 

この論説について最初に報道したのは『バズフィード』だった。

 

ヒラリーの論説が発表されたのは、夫ビル・クリントン元大統領が資金集めのためにユタ州のパーク・シティを訪れる1日前であった。ビル・クリントンがユタ州で人々の前に姿を現すかどうかははっきりしない。

 

トランプは、モルモン教徒初の主要政党の大統領選挙候補者となったロムニーを激しく批判してきた。ユタ州の総人口のうち、末日聖徒イエス・キリスト教会の信者が占める割合は60%だ。彼らの圧倒的多数が共和党に投票してきた。ユタ州の共和党予備選挙では、トランプは3位に終わり、得票率は14%に留まった。

 

52年間も民主党が勝ったことがないユタ州でヒラリーが勝利を得るには長い道のりが待っている。しかし、ユタ州の政治関係者たちは、今年の大統領選挙は前例のないものであるので、接戦となるだろうと予測している。

 

新聞の編集兼発行人のポール・エドワーズは、バズフィードの取材に対して、「クリントン、トランプ両陣営に連絡を取って、今年の選挙にあたってユタ州の有権者たちに訴える機会を提供しますと伝えました」と答えた。エドワーズによれば、彼はトランプ陣営に数回連絡を取ったのだが、何も返答がないということだ。

 

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「クリントン・リパブリカン」は2016年の流行語(Clinton Republicans a 2016 trend

 

エイミー・パーネス筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/290923-clinton-republicans-are-2016-trend

 

 

「クリントン・リパブリカンズ(ヒラリーを支持する共和党員)」に会ってみよう。

 

30年前にレーガン・デモクラッツ(レーガンを支持する民主党員)が出現し、ロナルド・レーガンのホワイトハウスへの道をきれいに舗装したように、今回の大統領選挙では、支持する政党とは反対の候補者を応援する人々が出現している。

 

彼らは民主党の候補者ヒラリー・クリントンを助けている。

 

共和党からヒラリー支持を表明する人々が次々と出てきている状況は、ヒラリー陣営を勢いづけ、共和党内部の分裂の深刻さに人々の関心を集めている。

 

スーパーPAC「レディ・フォ・ヒラリー」の創設者アダム・パークホメンコは先週末、ツイッターに次のように投稿した。「“レーガン・デモクラット”という言葉を覚えている?最近になって“クリントン・リパブリカン”について多く聞くようになった」。

 

ヒラリーを支持する共和党員たちには、共和党の大口献金者であり、IT企業の最高幹部であったメグ・ホイットマン、元ミシガン州知事ウィリアム・ミリケン、MGM社の最高経営責任者で共和党の大口献金者であったハリー・スローン、引退を表明している連邦下院議員リチャード・ハンナ(ニューヨーク州選出、共和党)が含まれている。

 

あるヒラリーの側近は、共和党員が次々とヒラリー支持を表明することで、ドミノ効果が起き、更なる幹部クラスの共和党員のヒラリー支持表明を行いやすくし、それに拍車をかけることになると述べている。

 

ヒラリーに近いある人物によると、共和党員でヒラリーを支持する人たち(「避難民たち」)は、ヒラリーに対する好意でそうしていると言うよりも、トランプに対する嫌悪感によってヒラリー支持に回っている、ということだ。

 

この人物は、「私たちは何もする必要がない。ドナルド・トランプが私たちのために働いてくれているのだから」と語っている。

 

ヒラリーはこの状況をうまく利用しようとしている。

 

民主党全国大会において、ヒラリーは共和党のテーマや価値観を強調した。

 

ヒラリーは次のように語っている。「私たちは世界で最強の軍隊を持っている。最も革新的な企業家、自由と平等、正義と機会といった最も永続的な価値観も持っている。私たちはこのような言葉を口にできることを誇りに思うべきだ。こうした言葉を聞いているとき、その人はアメリカについて聞いているのだ」。

 

クリントン陣営は、共和党政権時代に閣僚を務めた大物たちと保守派の論客たちによるトランプの批判の言説を集めたコマーシャルを放送している。これは、共和党支持の有権者の支持を得ようとする試みだ。

 

最近のある演説の中で、ヒラリーは、トランプが大統領に「不適格」で、核兵器のボタンを預けられるほどの信頼は出来ないと述べた。

 

共和党ストラティジストであるロン・ボンジェーンはトランプ支持を表明していないが、熱烈な共和党支持者たちがヒラリーの支持をするようなことはないだろうと語った。しかし、ボンジェーンは、トランプの出現で共和党が狂わされてしまったとも語っている。

 

ボンジェーンは「トランプは大統領になってしっかりと仕事をするということを人々に信じさせることが出来ていない」と語った。

 

しかし、ボンジェーンをはじめとする共和党員たちは、トランプがヒラリー支持を表明する共和党員の出現と流出を止めることが出来るとも考えている。

 

ボンジェーンは次のように語っている。「トランプが方針を正しい方向に向け直し、共和党内部の内輪もめやゴールド・スターを授与された戦死した兵士の家族に対する批判ではなく、ヒラリーに対する批判に集中したら、共和党員の中で、トランプを支持しようという人たちも出てくるだろう」。

 

過去にも、共和党員が民主党の大統領選挙候補者に投票したことがあった。

 

コリン・パウエル元国務長官は2008年の大統領選挙で、共和党の候補者であったジョン・マケイン連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)ではなく、民主党の候補者バラク・オバマを支持した。

 

また、元マサチューセッツ州知事ウィリアム・ウェルドは、今回の大統領選挙では、リバータリアン党の副大統領候補となっている。

 

ヒラリーは今回の民主党予備選挙で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)からの挑戦を受けたので、ヒラリーは左旋回した。しかし、彼女は中道派であるという評価を受け、連邦議会で共和党所属の議員たちと協力してきた歴史を持つ。

 

外交政策と国家安全保障に関する諸問題について、ヒラリーはタカ派と目されている。彼女はイラク戦争を支持した。ヒラリーは、オバマ政権内で、リビアとシリアに対して軍事行動をとるように訴え続けた。

 

ヒラリーのこのような姿勢は共和党支持の有権者にとって魅力的なものとなる可能性がある。トランプはこれまで、ジョージ・W・ブッシュ前大統領を含む共和党の外交政策に関する指導者たちに対して批判を展開してきたが、それを気に入らない有権者たちもいる。

 

しかしながら、歴史家たちは、どれだけの共和と員が船から逃げ出すか、そして、ヒラリーがどれだけの期間彼らの支持を維持できるのかはっきりしないと述べている。

 

ヒラリーを支持する共和党員の多くは、民主党が好きだからではなく、トランプが嫌いだからヒラリー支持になっているという事実がある。

 

プリストン大学教授で、歴史学と公共問題を専門とするジュリアン・ジージラーは「私たちは大きな転換が起きるのを見ることだろう」と語っている。

 

オハイオ大学の歴史学教授キャサリン・ジェリソンは、共和党員によるヒラリーへの支持は長く続かないだろうと予測している。

 

ジェリソンは次のように語っている。「今回の選挙ではそのような動きを見ることが出来るが、それが繰り返されることはないだろう。それは、共和党員のヒラリー支持は、ドナルド・トランプに反対する動きであるからだ」。

 

ボンジェーンはそもそも「クリントン・リパブリカン」という動きなど見ていないと述べている。

 

ボンジェーンは次のように語っている。「共和党員は、ヒラリーが素晴らしい大統領になるなどとは考えていないと思う。トランプから離れる共和党員たちは、自分が知らない悪魔よりも自分が知っている悪魔を選択するというだけのことだ」。

 

共和党政権で政府高官となった人々が次々とヒラリー支持を表明しているが、そうした人々に更に共和党の最高幹部クラスが続くのかどうかは明確ではない。特に元国務長官のコリン・パウエルやコンドリーザ・ライス、その他トランプ支持を表明していないビッグネームがどうするかははっきりしていない。

 

ジージラーは次のように語っている。「共和党の幹部クラスでヒラリーに投票すると表明する人々が続出しているが、党派性が強まっている現状で、どれほどの共和党員が民主党に投票するかははっきりしない。1980年代に比べて、有権者たちは姿勢を変えたがらない。従って、棄権するのではなくヒラリーに投票する共和党員がどれほど出るかははっきりしない」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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 古村治彦です。

 

 「不適切な関係(inappropriate relationship)」という言葉を覚えたのは、当時のビル・クリントン大統領がホワイトハウスのインターンだったモニカ・ルインスキーと不倫関係にあったことを認める声明の中で使われていたのを読んだときでした。

 

 今回、ヒラリーのEメール問題では、ヒラリーが国務長官在任中の国務省と、クリントン家が運営しているクリントン財団との間の「不適切な関係」に焦点になっています。これまで出てきたところでは、クリントン財団の幹部が国務省に長官のスタッフとして入ったヒラリーの側近(こちらも元はクリントン財団の幹部)に便宜を図ってくれるように頼む内容のEメールが見つかりました。

 

 そして、AP通信が、「ヒラリーが国務長官在任中に面談、もしくは電話で会談したアメリカ政府外の人物たち154名の内、85名がクリントン財団の大口献金者であった」と

報じました。

 

 クリントン財団の大口献金者だから便宜を図ってもらえたのかどうかがここでの焦点となります。ヒラリーが直接お金をもらって会談したり、電話で話したりということはさすがにないと思いますが、「この人はクリントン財団に多額の寄付をしているの、それなら会いましょう、話しましょう」ということになれば、倫理上まずいことになります。

 

 また、このような倫理上のことは大統領選挙に出ればつつかれることくらいは、政治の世界で生きてきた人なら思いつくと思いますが、それに対する対応策が出来ていないとなると、「ヒラリーと側近たちでアメリカ政府を動かして果たして大丈夫なのか」という声が上がるのは当然です。ヒラリーは脇が甘い、そんなことで、生き馬の目を抜く国際政治の世界で、アメリカの国益を守れるのかという声が上がります。

 

 法律を破った行為であると証明することは難しいでしょうが、印象は悪くなります。こうしたことも含めて、9月上旬に出される世論調査の結果が気になるところです。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヒラリーはクリントン財団問題に再び直面する(Now Hillary has a big Clinton Foundation problem, too

 

クリス・シリーザ筆

2016年8月23日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/23/now-hillary-has-a-big-clinton-foundation-problem-too/

 

政治の世界では「ある印象の知覚はほぼ常に真実と同等となる」ということをヒラリー・クリントンは理解してこなかった。今回、AP通信が報じたこのストーリーについて見ていこう。

 

ヒラリーが国務長官在任中に政府外の人々と会った中の半数が、クリントン財団に個人的に、もしくは企業や団体を通じて、資金を提供した人々であった。ヒラリーが大統領に当選した場合のヒラリーの倫理観に対する挑戦ともなるほどの大きな割合である。

 

国務省がAP通信に提供した国務省の業務日誌によると、ヒラリーが国務長官在任中にアメリカ政府外の人で彼女に会った、もしくは電話で話した人は154名いる。その中の少なくとも85名がクリントン家の運営している慈善財団やその国際プログラムに資金を提供した人々であった。この85名の大口擬献金者の献金額は合計で1億5600万ドル(約156億円)となり、少なくとも40名は1人10万ドル(約1000万円)以上、20名は1人100万ドル(約1億円)を提供していた。

 

なるほど。

 

先に進む前に2つの点を確認しておこう。

 

(1)相関関係は因果関係ではない。

 

(2)何かの行為の見返りとして褒章を受けたということを証明することは極めて困難だ。

 

しかし、そんなことは分かっている。これら2つの段落を読んで、眉一つ動かさないなんてことは全くもって不可能だ。ヒラリーが国務長官在任中の4年間に直接会った、もしくは電話で話をしたアメリカ政府外の人の半数がクリントン財団の大口献金者だったのだ!半分がですよ。

 

そして、85名の人々が1億5600万ドルを寄付していた。私の計算では、一人平均で180万ドルになる。もちろん、全員が同じ金額を寄付した訳ではない。

 

これは単純に良くないことだ。本当に良くない。

 

クリントン財団が世界中で大変に素晴らしいことをやった、もしくは現在もやっていることについて疑義を持っている人は誰もいない。これは間違いない。ツイッター上のヒラリー嫌いの人たちに言っておきますが、私はこの点は認めています。しかし、クリントン財団が献金された資金でやっていることがポイントではない。問題は、国務超過在任中のヒラリーの責務とクリントン財団になされた献金との間のあまりにもいい加減な線引きなのだ。AP通信の記事の内容は、悪い行いの証明ではなく、悪い判断の証明なのである。

 

大統領ではなくても、選挙を経て就任することが出来る公職を目指す政治家にとって、次の文が有利に働くような場所は存在しない。「ヒラリー・クリントンが国務長官在任中に面談した政府外の人物の半数以上が、個人で、もしくは企業や組織を通じて、クリントン財団に献金をしていた」。

 

私が驚いたのは、ヒラリーも、彼女の側近中の側近フーマ・アベディンも、そしてビル・クリントンも、クリントン財団の誰も、このようなことは、利益の衝突(相反)になる可能性が起きるとは考えなかったということだ。国務長官に就任する時点で、ヒラリー・クリントンの大統領への野心は消え去っていなかった。彼女が再び大統領選挙に出馬する可能性は常に存在した。そして、今実際に出馬している。

 

ヒラリー選対とヒラリーの熱心な支持者たちのAP通信の記事に対する反論は次のようなものだ。「ヒラリーがこうした人々と面談したのは彼らにそれだけの正当な理由があったからだ。彼らがクリントン財団に献金をしていたかどうかは、ヒラリーが彼らに会うかもしくは電話で話すかを決定する上で影響を与えていない。彼らが献金していたというのは純粋に偶然の出来事である」。

 

反論をまとめると次のようになる。「私たちを信頼せよ。クリントン財団への献金は、ヒラリーの国務省での責務とは完全に別個野茂だということを信頼して欲しい。これを証明することは不可能だ。しかし、私たちを信頼せよ」。

 

ヒラリーが雇った弁護士たちが、これらは完全にプライヴェートだして私的なEメールサーヴァーから消去した3万通以上のEメールが出てきたときに、ヒラリー側は上記のような主張をしたのだ。ヒラリーが雇った弁護士たちはこれらのEメール全てを丹念に読んだわけでもなく、ジェイムズ・コミーFBI長官が消去されたEメールを復元したところ、業務関係のEメールが数千通出てきたと発表した。それでも私たちは、全ては正しく行われたというヒラリーの主張を信頼しなくてはいけないのだ。

 

(図1前の奴)

 

明白なこと。ヒラリー・クリントンが法律を破った、もしくは意図的に後ろ暗いことをやったということを示す証拠を私は持っていない。何一つ持っていない。しかし、読者の皆さん、ヒラリー選対が、クリントン財団と国務省は全く関係のない、別個の存在だと印象付けようとする試みに今回のAP通信の記事は暗い影を落とすことになる。

 

もし読者であるあなたがドナルド・トランプ、もしくは共和党幹部だったとして、ヒラリー・クリントンは常に「あっせん利得」モデルで物語をやってきているという考えを拡散しようとしているとすると、今回のAP通信の記事は望む物以上の素晴らしいプレゼントということになるだろう。トランプはこれまでにプレゼントに文句をつけ、うまく利用してこなかった。彼はまたプレゼントを無駄にするのだろうか?

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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 古村治彦です。

 

 トランプは、マイノリティへの働きかけを強めています。黒人有権者には、彼らが多く住むインナーシティ(都市部の荒廃した環境の地区。治安が悪く、教育も荒廃しているので、そこから抜け出すことが難しい)の改善を訴え、失業率を引き下げることを約束しました。

 

 また、トランプ支持のヒスパニック社会の指導者たちとトランプ・タワーで会談し、その中で、不法移民について、大規模な強制送還は行わないということを示唆したということです。

 

 どの世論調査でも、トランプはヒラリーに比べてマイノリティからの支持が高くありません。黒人の場合ではヒラリーが80%以上あるのに対して、1から2%と壊滅的です。ヒスパニックの場合では、ヒラリーが50%以上で、トランプは30%台半ばとこちらはそこまで酷くありません。メキシコは強姦犯人を送り込んでくる、メキシコのお金で国境に壁を建設しろと言ったことを考えると、ヒスパニックに関して、それだけの差で済んでいるのは大したものです。

 

 黒人有権者の中で致命的に人気がないということは逆に言うと、これからそれを伸ばしていけるだけの余地があるということです。しかし、黒人有権者は全体の10%程度ですから、大きな数字ではありますが、これまでの態度を一変させてまで狙うべき層ではありません。

 

 トランプ陣営は、予備選挙で他を圧倒することが出来た戦術を変えようとしています。トランプは、怒れる白人男性の票を取り込むことで、下馬評は低かったのに、予備選挙を勝ち切りました。しかし、本選挙となると、対象となる有権者は格段に増えます。民主党支持者を切り崩すことは無理かもしれませんが、無党派(independents)の人々からの支持がなければ当選しません。今回のマイノリティに向けたアピールは、「過激なことを言うのは止めて、現実的で多少マイノリティにも配慮した政策をやります」という無党派に向けたアピールです。

 

 これに対して保守派からは「変節した」という批判は出るでしょうが、彼らがヒラリー支持になることはありません。不満があってもトランプに投票するしかありません。

 

 これからこの効果がどのように出てくるか、世論調査の数字でも特にマイノリティの支持率を見ていきたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

ギングリッジ:私たちは、「成熟した」「謙虚な」トランプを目撃している(Gingrich: We're seeing more 'mature,' 'humble' Trump

 

ジョナサン・スワン筆

2016年8月20日

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/292077-gingrich-were-seeing-more-mature-humble-trump

 

元連邦下院議長ニュート・ギングリッジは金曜日、ドナルド・トランプがより謙虚に、成熟しつつあると語った。

 

トランプの盟友ギングリッジは金曜夜のFOXのニュース番組に出演し、司会のシーン・ハニティに次のように語った。「今週皆さんが目撃したのは、文字通り、皆さんが見たのは、より成熟した、より謙虚になったドナルド・トランプです。こんな言い方をして、トランプが喜ぶかどうかは分かりませんがね」。

 

ギングリッジは数十年来の友人であるトランプを「世界で最も複雑な国アメリカをリードすること、3億2500万の人々を率いること、つまりアメリカ大統領になろうとすることは、本当にきついことなのだと気付き始めている人」だと形容している。

 

ギングリッジは、今週になって、トランプが自分の発言で人々を傷つけたことを後悔している(しかし、どの発言かは明確にせず)と述べたことについて賞賛した。

 

ギングリッジは、今週はトランプの選挙運動にとって「最高の週」になったと語った。

 

ギングリッジは、選挙運動における、トランプの内面の葛藤について、「それはまるで、彼自身の頑固さとIQとの間の戦いのようなものでしょうね」と語った。

 

「彼は高いIQを持っており、彼自身が新しいレヴェルに向かわねばならないということを分かっています。彼は、本物の大統領選挙候補者にならねばならないと認識しています」。

 

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トランプ:2020年には黒人有権者95%から得票するだろう(Trump: I'll get 95 percent support from black voters in 2020

ジェシー・ヘルマン筆

2016年8月19日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/292054-trump-says-hell-get-95-percent-support-of-black-voters

 

ドナルド・トランプは金曜日、彼が大統領として4年間働いた後、黒人有権者の95%は自分に投票してくれるだろうという予測を語った。

 

トランプはミシガン州ディモンデールでの集会で次のように語った。「4年後、私はアフリカ系アメリカ人有権者の95%が私に投票してくれるようになるでしょう。保証します。本当に起きると約束します。なぜなら、私はインナーシティのために結果を出しますし、アフリカ系アメリカ人のために結果を出すからです」。

 

「民主党は何も結果を出さないでしょう。彼らがやることは、アフリカ系アメリカ人の皆さんの投票を利用することだけです。彼らがやるのはそれだけです。選挙が終われば、民主党はワシントンの居場所に戻り、皆さんのためには何もやりません。このことは覚えておいてください。一つ確かなことは、同じ人に投票したら、同じ結果しか得られません。これまでの政権が何もしなかったですが、私の政権は皆さんのために働きます」。

 

トランプは、「ヒラリー・クリントンはアメリカのマイノリティよりもシリア難民を大事にする」と非難した。

 

トランプは次のように語った。「ヒラリー・クリントンは海外からの難民に仕事を与え、デトロイトのような大都市の失業中の若いアフリカ系アメリカ人には仕事を与えないでしょう。アフリカ系アメリカ人は自国で難民のようになっています」。

 

トランプは選挙戦を辻手、黒人有権者からの支持を得ることに苦労している。先週行われた各種世論調査の結果を平均してみると、トランプは黒人有権者の2%の支持しか得ていないことが明らかになっている。

 

トランプはここ数日、言葉遣いを変えて、マイノリティ有権者の支持を得ようとしている。

 

トランプは金曜日に次のように語った。「皆さんは何を失っているでしょうか?貧困の中で暮らしています。学校のレヴェルは低い。仕事がない。アフリカ系アメリカ人の若者58%は失業している。皆さんは何を失っていますか?」。

 

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トランプの最側近:彼に「許し」を与えて欲しい(Top Trump aide: Show him 'some forgiveness'

 

ジェシー・ブライネス筆

2016年8月19日

『ザ・ヒル』

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291947-trump-aide-after-regret-speech-show-trump-some

 

ドナルド・トランプが新たに起用した選対委員長ケリアン・コンウェイは金曜日、ドナルド・トランプが後悔を示した演説の後に、人々に対して、トランプを許して欲しいと語った。

 

コンウェイはABCの番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演して、「トランプは彼の発言で嫌な思いをした人について彼は語りました」と語った。

 

コンウェイは、「これは彼が思っていることです。トランプは昨日、ぎりぎりまで自分で演説原稿に手を入れていました。ですから、あの演説の内容は彼が書いたものでした。彼の本当の言葉です」と述べた。

 

番組の司会デイヴィッド・ムラーとのインタヴューでコンウェイは次のように語った。「デイヴィッド、これまでトランプがある人たちに対して気遣いが出来ずに、バカにするような発言をすることで、トランプに対して批判的になっている方々には、トランプに対して、少しでもその存在を認め、許してあげて欲しいと思います」。

 

ムラーは、トランプが数週間前に起こした戦死したフマヤン・カーン大尉の家族との言い争いに言及し、彼が今になって後悔の念を示したのはどうしてかと質問した。

 

コンウェイは「恐らく、トランプは後悔を感じていたと思います。しかし、それを今の時点で明らかにしたのです」と語った。彼女は更に、トランプはカーンの家族に個人的に連絡をする「かもしれない」が、「家族の皆さんが昨晩の彼の言葉を聞いたことを願っています」と述べた。

 

トランプはここ数週間、世論調査の数字を落としていた。木曜日夜にノースカロライナ州シャーロットでの選挙集会の演説の中で初めて彼の言葉遣いを後悔していると語った。しかし、どの言葉を後悔しているのかを明言しなかった。民主党のヒラリー・クリントン陣営は、「彼の演説はプロンプターを読んだだけのことだ」と切り捨てた。

 

トランプは次のように語った。「時に、議論が白熱したり、複数の問題について語ったりするときに、正しい言葉を選べないとか、間違ったことを言うということがあります。私がそうでした。そのことを残念に思っています。私の言葉で誰かが個人的な痛みを感じることになったことを残念に思います。こうした問題をそのままにしておくことは良くないと思います」。

 

コンウェイは金曜日、次の言葉を繰り返した。「私は、トランプの選挙運動が彼の真の心を見せるものに変更されることを心から願っています」。

 

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報告:アドヴァイザーたちはトランプが「陰鬱」「落ち着きがなく」「助言を聞かない」状態になっていると述べる(Report: Advisers see Trump as 'sullen, 'erratic,' 'beyond coaching'

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年8月13日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291351-report-advisers-see-trump-as-sullen-erratic-beyond

 

ドナルド・トランプのアドヴァイザーたちは、ドナルド・トランプが陰鬱になっており、プライヴェートでは落ち着きがなく、ちょっとした批判でもすぐに向きになって怒り出す状態にあると述べたと『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じている。

 

今年の6月、トランプ側でいくつかの失敗が続いた時、トランプの娘イヴァンカ、イヴァンカの夫、更に数名の側近たちが私的にドナルド・トランプに会い、選挙戦の方向を刷新するように求めたと記事は報じている。

 

しかし、トランプはこれまで態度を変えることはなく、いくつもの論争と批判を惹起している。

 

先週だけでも、トランプはオバマ大統領をISISの「創設者」と呼び、ヒラリー・クリントンが最高裁判事にリベラルな人物を指名することを「憲法修正第2条を支持する人々」が阻止するという考えについて議論を行った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は20名以上の共和党の幹部に取材した。彼らは異口同音に、トランプが疲れ切っており、イライラし、アドヴァイスを受け付けない状態にある、また、政治過程のいくつかのポイントについて誤解していると述べているということだ。

 

トランプは、マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)が彼の再選を目指す選挙中に、「次の大統領には所属政党は関係なく協力する」と述べたことに激怒したとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

 

トランプは、ピーター・キング連邦下院議員(ニューヨーク州選出、共和党)がテレビ番組でトランプを批判したことで不機嫌になった。トランプはこれまで長い間キング議員に献金を行っていた。

 

トランプの報道担当ジェイソン・ミラーは、ニューヨーク・タイムズ紙の取材を受けた共和党幹部たちの発言内容を否定し、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、トランプは、「元気いっぱいで」あり、「選挙戦に集中している」と語った。

 

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トランプ:共和党はアフリカ系アメリカ人への働きかけを「改選しなければならない」(Trump: GOP 'must do better' on African-American outreach

 

ベン・シュレッキンガー筆

2016年8月20日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/story/2016/08/donald-trump-gop-african-american-outreach-227233

 

ドナルド・トランプはこれまでの選挙運動で人種に関して幾つもの論争を巻き起こした。そのトランプが土曜日、共和党は黒人有権者への働きかけを改善しなくてはならないと述べた。

 

ヴァージニア州フレデリックスバーグでの演説でトランプは「アフリカ系アメリカ人共同体への働きかけは、共和党が改善しなければならない分野だ」と語った。このストーリーを以下に続ける。

 

トランプからこのようなことを言われるのは、共和党の幹部たちにしてみれば心外なことであろう。共和党の幹部たちは2012年にミット・ロムニーが大統領選挙で敗れたことを受けて、マイノリティに対する働きかけを改善する計画を立ててきたが、トランプ自身のマイノリティに対する行動や攻撃的な発言によって計画を台無しにされたという思いがある。トランプはツイッターで、白人優越主義者たちのツイートをリツイートし、黒人たちの殺人関与件数に関して実際よりも多い数字を出した誤りの統計数字をリツイートしたり、テレビ番組のインタヴューで過激派白人優越主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)を非難することを拒絶したりした。この件では、後にツイッター上でKKKについて否定した。

 

トランプは「共和党は南北戦争で勝利したリンカーンの党です。私は共和党が再びアフリカ系アメリカ人の投票先になって欲しいと思っています。私は誰も排除されない国、排除しない政党を目指します」と述べた。トランプは最近の集会で黒人有権者への明らかなアピールを行っている。その中には大きな批判を浴びた金曜日のミシガンでの演説も含まれる。 最新の4つの全国規模の世論調査の結果の平均を出してみると、トランプを支持する黒人有権者の割合は2%に留まる。これは、86%のヒラリー・クリントンだけではなく、緑の党のジル・ステインの5%、リバータリアン党のゲーリー・ジョンソンの4%に負けている。

 

土曜日の朝、トランプは、ニューヨークのトランプ・タワーで24名のヒスパニックのリーダーたちと会談を持った。バズフィートは次のように報じている。その場で、トランプは不法移民に対して「人間味があり効果的な」やり方で対処すると語った。出席者の中には、大規模な強制送還を求める彼の公的な立場について少し緩めることを占めているのだと推測する人たちもいた。

 

ここ数カ月、トランプは大規模な強制送還の提案について、演説の中で曖昧な表現に終始してきた。そして、共和党の指導者たちは、トランプがもはや不法移民全員を強制送還する意図を持っていないと語り始めた。

 

 トランプは集会で、ヒラリーの副大統領候補ティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出)を激しく批判した。ケインは2006年から2010年までヴァージニア州知事を務めた。トランプは、「失敗ばかりの州知事だったティム・ケイン。彼は任期中にヴァージニア州の失業率を倍増させ、ヴァージニア州内の不法移民の数を増大させました」と語った。トランプは最近の演説でそうしているように、プロンプターに映る演説原稿を読み上げ続けた。彼は続けて次のように読んだ。「ところで、ティム・ケインは州知事になって1週間もしないうちに、40億ドルの新しい税金を提案しました。その増税案には、年間所得が1万7000ドルの人に対する増税も含まれていました」。

 

ここ最近、トランプは、評判の悪い人物である元フォックス・ニュース会長のロジャー・アイルズの助言を受けている。トランプはまた、フォックス・ニュースに対して、彼が貿易協定の交渉にあたってどのような態度で臨むかをネットワークを通じて報じて欲しいと願っていた。トランプは、「フォックス・ニュースは公正でバランスが取れていると思う」と語った。

 

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トランプはヒスパニックに向けてアピールする(Trump makes pitch to Hispanics

 

ジョナサン・スワン、ラファエル・バーナル筆

2016年8月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/292074-trump-makes-pitch-to-hispanics

 

ドナルド・トランプは土曜日に、彼が「全国ヒスパニック・トランプのためのアドヴァイザー会議」と呼ぶグループと会談し、ヒスパニック有権者に対してのアピールを行った。

 

共和党全国委員会は、ニューヨークのマンハッタンにあるトランプ・タワーで共和党の大統領選挙候補者ドナルド・トランプと一緒に、「全国の12州からやって来たビジネス、公務、そして宗教各分野のヒスパニックのリーダーたち(NHAC)」と会談した、と発表した。

 

共和党全国委員会委員長レインス・プリーバスは声明の中で、トランプ・タワーにラティーノの指導者たちが集まったのは、「私たちがヒスパニック共同体に関与するための努力の一環だ」と語っている。

 

共和党全国委員会は声明によると、トランプとの会談後、ヒスパニックのリーダーたちは「ヒスパニックの人々に、トランプ氏が低迷する経済を建て直し、中間層を復活させ、世界規模のテロリズムを終わらせるための提案を持っているということを理解してもらうための戦略について議論することになるだろう」と述べたということだ。

 

会談に出席したラミロ・ペーニャ牧師は本誌の取材に対して、トランプ「ヒスパニック・ラティーノの人々に対して温かい心を持っており、今日、それに触れた」と語った。

 

ペーニャは更に、「今日部屋には最近彼が起用したバノンとコンウェイはいたが、彼の家族は誰もいなかった」と述べた。

 

トランプは最近選対幹部の更迭を行い、ブライトバート・ニュース社元会長スティーヴ・バノンを選対の運営責任者、世論調査専門家ケリアン。コンウェイを選対委員長に就任させた。そして、選対委員長だったポール・マナフォートは金曜日、委員長の座から退いた。

 

元プエルトリコ検事総長のホセ・フエンテスは、NHACのメンバーである。フエンテスは、「出席者たちはトランプ・タワーの談話室で、移民を含む様々な問題について議論しました」と述べた。

 

既にアメリカ国内にいる1100万人の不法移民の問題について、トランプは「全ては法律の枠内で、公平の範囲内で」対処されるべきだと語った、とフエンテスは述べた。

 

ペーニャは、大規模な強制送還は「非論理的で非現実的だ」と考えている。ペーニャは、「トランプが自分たちの意見に耳を傾けてくれた」と感じ、トランプは「不法移民の家族について取扱に注意しようとしており、家族を引き裂くつもりはないようだ」という認識を持った、と語った。

 

フエンテスは、メキシコ国境に壁を作るという問題は話題でなかったと語り、「そもそも話題に出なかったのは、それが現実的な問題ではないからだ。そもそも国境線に関してコントロールできない国は主権を持てないからだ(訳者註:アメリカはそうではないのだから、メキシコのお金で壁を作るというのは荒唐無稽だ)」と述べた。

 

フエンテスとペーニャは、不法移民に関するトランプの計画については議論しなかったと述べた。

 

ペーニャは、「詳細は選対から発表されるでしょう。トランプ陣営は不法移民に関して計画を立てているようです」と語った。

 

トランプは、マイノリティの有権者からの支持でヒラリー・クリントンに大きく水をあけられている。特に、アフリカ系・アメリカ人とラティーノでは差が開いている。いくつかの世論調査では黒人有権者の支持は1%であった。

 

しかし、ここ数日、トランプは黒人有権者に対して明らかなアピールを始めた。黒人有権者に向けて、民主党は皆さんが投票することを当然だと思っているが、皆さんがトランプ政権に投票することで何も失うものはないではないかと述べた。

 

土曜日にはヒスパニックに対しての最も重要なアピールの場となる会談を持った。ヒスパニックは人口が増え、有権者の中で割合を増やしつつあり、ネヴァダ州、コロラド州、アリゾナ州のような激戦州の結果を決める存在である。

 

トランプは、「メキシコは、アメリカ・メキシコ国境を越えてレイプ犯人と麻薬密売人をアメリカに送り込んでいる」と発言して選挙運動を開始したことで、多くのメキシコ人を遠ざけた。トランプはまた、ツイッターに、「私はヒスパニックを愛している!」というキャプションをつけてタコボウルの写真を投稿したことで、批判を浴びた。

 

共和党全国委員会によると、ヒスパニックのリーダーには聖職者や州議会議員たちが含まれていたということだ。

 

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トランプ選対委員長:「私は白人ですが、私は黒人有権者たちへのアピールに感動しました」(Trump campaign manager: 'I'm white. I was very moved' by pitch to black voters

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月21日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/292144-trump-campaign-manager-im-white-and-was-moved-by-trump

 

ドナルド・トランプの選対本部長ケリアン・コンウェイは、共和党大統領選挙候補者トランプが最近になってアフリカ系アメリカ人有権者へアピールを始めたことを擁護した。

 

コンウェイは日曜日朝のABCの番組「ディス・ウィーク」に出演し、「トランプのコメントは全て全てのアメリカ人に向けたものです。私は白人が多い共同体に住んでおり、私は白人です。私は彼のコメントにとても感動しました」と述べた。

 

コンウェイは次のように語った。「言い換えると、彼はアメリカ人に私たちは改善できると言おうとしているのです。トランプの発言で私が驚いたのは、民主党の候補者ヒラリー・クリントンは皆さんを有権者としてしか見ていないし、皆さんが自分に投票するのは当然だと考えているというものです。私は皆さんを人間として見ています」。

 

選挙運動で、トランプはアフリカ系アメリカ人に向けてアピールをしている。そして、彼らに対して、トランプに投票して何を失うものがあるだろうかと述べている。

 

トランプは次のように語った。「皆さんは貧困の中で生きています。皆さんの学校は良くない。仕事もない。58%の若者に仕事がない。私に投票してこれ以上何を失うでしょうか?」。

 

日曜日、コンウェイは「これ以上悪くしてはならない」ところまで来ているということをトランプは分かってもらおうとしているのだと述べた。

 

コンウェイは次のように語った。「若いアフリカ系アメリカ人の失業率が58%にまで達していることが良いことだと思うのなら、皆さん、どうぞヒラリー・クリントンに投票してください」。

 

コンウェイはトランプの立場を擁護し続けた。彼女は、トランプが、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック、そして「全ての」の生徒のための学校選択ヴァウチャーとチャータースクールを支持していると語った。

 

コンウェイは次のように語った。「私はこうしたことを実現するためにニューヨークで頑張ってきました。学校を選んだり、チャータースクールに行くことが出来たりすることで、能力を持つ、知性の高い生徒たちに高い質の教育を提供することが出来ます」。

 

「ヒラリー・クリントンはこれらに反対していますと彼女は語った。」

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 

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 古村治彦です。

 

 ヒラリーのEメール問題が大きくなりつつあります。

 

 ヒラリーのEメール問題とは、2012年9月11日に発生したベンガジ事件(リビア・ベンガジのアメリカ大使館が襲撃され、クリス・スティーヴンス大使と3名のアメリカ人が殺害された)の調査過程で、「ヒラリー・クリントンが、国務長の強い要請があったにもかかわらず、ハッキングなどをされやすい私的なEメールアカウントとEメールサーヴァーを使用していた」ということです。私的Eメールアカウント使用はハッキングに弱いということもありますが、業務に関わるものは全て記録として残しておくという公務の規定にも抵触する可能性がありました。

 

 2016年7月、FBIのジェイムズ・コミー長官は、ヒラリーと彼女の側近たちの国務省在職中のEメール使用について、「私的なEメールアカウントで機密情報をやり取りしていた。これは大変軽率な行動であったが、訴追するには至らない」と発表し、司法省のロレッタ・リンチ長官に報告し、私的なEメール使用での訴追はなくなりました。

 

 ヒラリーは、2014年12月に国務省に、自宅にあるEメールサーヴァーに残っていたEメールのうち、業務に関するもの3万通を提出しました。これらは、国務省の分析も済み、公開されています。業務に関するか、プライヴェート化の分類はヒラリーが雇った弁護士が行いました。そして、このEメールサーヴァーから消去されたEメールが3万通あり、これをFBIが復元し、これらもまた国務省に提出されました。これらの中には数千通の業務に関するEメールが含まれていました(ヒラリーと弁護士たちは、プライヴェートなものとして提出しなかったものの中に業務内容が含まれていたことになります)。この復元された3万通は現在国務省が調査と分類を行っています。

 

 これらのEメールについて、情報公開法に基づいて、いくつも訴訟が起こされています。そして、8月22日の月曜日に、連邦裁判所は、国務書に対して、現在国務省が調査分析中の復元された3万通のうちの約1万5000通を開示するように命じました。ただ、国務省がいつどのようにして開示するかを検討中なので、選挙の投開票日である11月8日までに間に合うかどうかは分かりません。

 

 ここでEメール問題は、①業務とは関係ないとして消去されたEメール3万通の中に、業務内容を含むものがあったので、ヒラリーの主張の信頼性が損なわれる、②これらのEメールの内容とヒラリーが連邦下院ベンガジ特別委員会で宣誓証言を行った内容との間に齟齬があった場合の偽証罪、③Eメールの内容で、ヒラリーが国務長官の権限を利用して、私腹を肥やす、もしくはクリントン財団に有利な取り扱いをして利益を得た、あっせん利得、口利きといった行為があったかどうか、ということになります。

 

 連邦下院共和党は②の偽証罪でヒラリーを告発し、FBIが捜査し、司法省が起訴するように働きかけています。マスコミは③のヒラリーが国務長官時代の国務省とクリントン財団との不適切な関係を攻めるということになっています。

 また、ヒラリーが国務長官時代に私的Eメール使用に関して、「元国務長官のコリン・パウエルからの助言を受けてそのようにした」とFBIの聴取に対して答えていたことで、失点しました。コリン・パウエルは共和党ですが、2008年、2012年の大統領選挙で民主党のバラク・オバマを支持しました。今回の大統領選挙ではパウエルは誰も支持していませんが、これでヒラリーを支持する可能性は亡くなりました。大きな魚を逃したことになります。 

 

 トランプの態度変更に合わせて、ヒラリーのEメール問題に対する追及も激しくなってきました。これからどうなるか注目です。

 

 

(貼りつけはじめ)

 

Eメール:クリントンの側近が財団の寄付者との会談を調整(Emails: Clinton aide arranged meeting with foundation donor

 

ケイティ・ボー・ウィリアムズ筆

2016年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/292250-emails-clinton-aide-arranged-meeting-with-foundation-donor

 

保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチは月曜日、ヒラリー・クリントンがやり取りしたEメールを公表した。ジュディシャル・ウォッチは、この中に、クリントン財団の大口献金者たちが当時国務長官だったヒラリー・クリントンへの特別なチャンネルが与えられていたことを示すものがあると主張している。

 

2009年、ヒラリーの首席補佐官だったフーマ・アベディンは、クリントン財団幹部ダグ・バンドと協力して、ヒラリーとバーレーンのサルマン皇太子との会談を調整した。この会談は皇太子側から求められたものだった。

 

2009年6月23日(火曜日)、バンドはアベディンに対してEメールで次のように送った。「バーレーンの皇太子が明日から金曜日まで滞在。ヒラリー・クリントンとの面会を希望。私たちにとっての良き友」。

 

アベディンはそれから数時間後に返信し、サルマン皇太子は「通常のチャンネル」を通じて、会談の日程を調整しようとしたが、火曜日から金曜日までは、彼女が良く知る人物以外には会談を持ちたくないと言っていると返事をした。

 

2日後、アベディンはバンドにEメールを送った。その内容は以下の通りだ。「バーレーンの皇太子側には明日の午前10時にヒラリー・クリントンと会談するということでどうかと提案。もし皇太子自身に会う場合には、そのことを伝えてほしい。私たちは公式のチャンネルで連絡している」。

 

サルマン皇太子は2005年にクリントン・グローバル・イニシアティヴのために奨学金プログラムを創設した。そして、クリントン財団のウェブサイトによると、2010年までに3200万ドルを提供したということだ。

 

このやり取りは2016年8月22日にジュディシャル・ウォッチが発表した725ページにわたる国務省の文書に中に含まれており、このうちの20ページ分は、2014年12月にヒラリーが国務省に提出したEメールの中には含まれていなかったとジュディシャル・ウォッチは主張している。

 

別のやり取りでは、バンドは、ヒラリーに対して、イギリスのサッカーティームのウォルヴァ―ハンプトン・ワンダラーズ・フットボール・クラブのあるメンバーのヴィザ交付プロセスをスムースにしてくれるように依頼するものだった。このメンバーは「犯罪歴」があったために、ヴィザ交付で苦労していた。この依頼は、ケイシー・ワッサーマンからのものだった。ケイシー・ワッサーマンは、ワッサーマン財団の会長で、この財団はクリントン財団に500万ドルから1000万ドルを献金していた。

 

しかし、ヒラリーのオフィスではこの依頼を実行しなかった。アベディンは「この依頼に関しては神経質にならざるを得ない。頼むことは不可能ではないが」と答えている。

 

バンドは「それなら実行しなくてよい」と答えた。ワッサーマンの報道担当は、この依頼は実行されなかったと本誌の取材に答えている。

 

新たなEメールの公開によってクリントン財団を巡る論争が継続することになった。共和党はこれまでも長年にわたり、ヒラリーを非難してきた。民主党の大統領選挙候補となった現在、ヒラリーに対しては、国務長官在任時に「口利き、あっせん行為」に関与したと非難している。

 

ジュディシャル・ウォッチ会長のトム・フィットンは声明を発表し、その中で次のように述べている。「これらの新たに公表されたEメールによって明らかにされたのは、ヒラリー・クリントンが、クリントン財団の大口献金者たちに対して便宜を図ることで、公的地位を不当に利用したということだ。ヒラリー・クリントンとその他の人物たちが法律を破ったのかどうかを決定するために、真剣なそして政府の影響から独立した捜査が必要だ」。

 

クリントン選対はこうした批判に対して反論を行った。

 

クリントン選対の報道担当ジョー・シュワーリンは次のように語った。「繰り返しになりますが、この右翼団体は1990年代からクリントン一家を追いかけまわしてきました。この団体は間違った攻撃を行うために事実を捻じ曲げてきました。どれほどこの団体がこれらの文書を悪意をもって解釈しようとも、ヒラリー・クリントンはクリントン財団への献金のために、国務長官として活動したことはないというのが事実です」。

 

月曜日、ビル・クリントン元大統領は、「11月にヒラリー・クリントンが大統領に選ばれたら、クリントン財団は外国の企業や団体からの献金受け入れを停止する」と発表した。

 

ヒラリー・クリントンは現在、クリントン財団に関与していない。一方、ビル・クリントンと娘チェルシー・クリントンは財団のイヴェントに姿を見せている。クリントン元大統領は、ヒラリーが大統領に当選したら、財団の理事の座から退き、資金集めも行わないと述べた。

 

公開書簡の中で、ビル・クリントンは、こうした変化について、「利益の衝突(相反)の可能性に関する正当な懸念」を払拭したいと述べた。しかし、ビル・クリントンは、クリントン財団の環境保護、教育、公衆衛生に関する活動について擁護した。

 

2016年8月22日、ジュディシャル・ウォッチによってEメールが公表される前に、共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプはクリントン財団の解散を求め、「クリントン財団は政治史上最も腐敗した組織だ」と批判した。

 

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これはEメールに関するコリン・パウエルとヒラリー・クリントンの闘いだ(It’s Colin Powell vs. Hillary Clinton on email

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/292266-its-colin-powell-vs-hillary-clinton-on-email

 

共和党は、ヒラリー・クリントンとコリン・パウエルとの間に起きた衝突を利用して、「民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、国務長官時代の機密情報の取り扱いについて、FBIに対して虚偽を述べた」という彼らの主張を拡散しようとしている。

 

今週末、パウエルは、ヒラリーがFBIに対して「国務省でのEメールアカウント利用設定についてパウエルから助言を受けそれに従った」というコメントをしたと報じられたことについて、非難した。

 

ジョージ・W・ブッシュ政権下で国務長官を務めたコリン・パウエルは、今週末にハンプトンズで開催されたイヴェントに出席し、次のように述べた。「ヒラリー・クリントンの周辺の人々は私に責任を覆いかぶせようとしています。彼女がEメール設定を行ったのは、私が自分が国務長官時代にどのようにしていたかをメモに書いて送った1年も前なのです。これが真実です」。

 

共和党全国委員会委員長レインス・プリーバスは月曜日に声明を発表し、その中で、「このエピソードは、ヒラリー・クリントンがFBIに対して虚偽を述べたのかどうかという深刻な疑問を生じさせるものだ」と述べた。

 

声明の中では次のように続けて述べている。「ヒラリー・クリントンの一連の不誠実な態度は国家最高の地位を目指す候補者としては全く持って受け入れがたいものだ。彼女は真実を語ることを拒絶しており、彼女の判断力の乏しさと併せて、もし彼女が大統領に当選した場合に、どのように振る舞うことになるかを示す格好の材料となっている」。

 

ニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、ヒラリーはFBIに対して、彼自身も国務長官在任中に私的なEメールアカウントを使っていたパウエルが、彼女がオバマ政権の国務長官就任直後に、同じようにしたら良いと助言をした、と述べた、ということだ。この説明は、先週、連邦議会に提出されたFBIによるヒラリーに対する3時間半にわたった聴取の記録の要約の中に含まれていた。ヒラリー周辺の人々は、共和党がこの要約から詳細が選択的にリークして、ヒラリーを悪く描くことを恐れている。

 

作家ジョー・コナソンは最新刊の中で、2009年6月にもう一人の国務長官経験者マデリン・オルブライトのワシントンにある邸宅で行われた夕食会にパウエルとヒラリーが招待され、その席上、パウエルがヒラリーに助言を行った、と書かれている。

 

パウエルの事務所は後に、パウエルはこの夕食会のことを記憶していないが、彼に近い人々は、パウエルが彼自身のEメールシステムが国務省の通信を改善したとするメモを送ったことは認めている。

 

先月、FBI長官ジェイムズ・コミーは議会で証言を個なった。その中で、「FBIの捜査官たちはヒラリー・クリントンがFBIに対して虚偽を述べたと結論付ける証拠を持っていない」と述べた。

 

FBIの報道官は月曜日、ヒラリーのEメールに関する捜査についてコメントすることを拒否した。

 

クリントン選対にEメールでコメントを求めたが反応はなかった。

 

これまで、ヒラリーに近い人々は、ヒラリーがニューヨークにある自宅にある私的なEメールサーヴァーを使っていたことについて、それはパウエルの前例があったからだとする説明をしてきた。しかし、ヒラリー自身も彼女の選対もEメールアカウントの設定についてパウエルから助言を受けたことを正式に認めたことはなかった。

 

しかし、パウエルとの齟齬が公になることで、ヒラリーの選挙運動はダメージを受けることになるだろう。

 

パウエルは2016年の大統領選挙ではこれまで誰に対しても支持を表明してこなかった。しかし、元国務副長官リチャード・アーミテージをはじめとするパウエルに近い人々は、ヒラリー支持を表明している。

 

パウエルは共和党員として選挙名簿には登録しており、これまでも何度か大統領選挙候補者として名前が挙がった。記憶に新しいところでは、2008年と2012年の大統領選挙ではオバマを支持した。また、ヒラリーの夫ビル・クリントンが大統領就任直後には、米軍の統合参謀本部議長を務めていた。

 

パウエルは、国家安全保障関係の大物の中で、今年の大統領選挙で誰を支持するかを明らかにしてこなかった数少ない人物の一人だ。そして、これまでヒラリーを支持してこなかった。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは今回のニュースを受けて、ヒラリーを攻撃した。トランプは今回のニュースを取り上げて、有権者は彼女を信頼できないだろうと述べた。

 

トランプはフォックスの「フォックス・アンド・フレンズ」に出演して、「そうですね、よく見て下さいよ。彼女はうそつきです」と述べた。

 

トランプは続けて、「彼女はEメールに関して嘘を言いました。彼女はコリン・パウエルについて嘘を言いました。私はパウエルが怒っているのを見ました」と述べた。

 

トランプは更に「全てが嘘であり、詐欺なんです。いかさま師がやるような詐欺行為なんですよ」と述べた。

 

一連の攻撃は、よく知られたヒラリーの弱点に対するものだ。彼女の弱点は、彼女は正直ではなく、信頼できないというものだ。私的なEメールに関して何度も関心が集まることで、ヒラリーはうそつきだという主張が真実味を帯び、そのためにヒラリーはダメージを受けている。

 

月曜日には、FBIが発見した、ヒラリーが国務長官時代にやり取りをした未公開のEメール約15000通の公開が求められた。このためにヒラリーの弱点であるEメール問題はまだ続くことになる。これらのEメールと付属文書は今秋には公開されると思われるが、大統領選挙の投開票日前にどれだけのEメールが公開されるかははっきりしない。

 

加えて保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチが公表したEメールには、クリントン財団に関係する人々との連絡を確保するために私的なEメールアカウントが使われたことを示すものが含まれている。

 

パウエルとヒラリーは2人とも国務長官在任中に私的なEメールアカウントを使用していた。このために、今年初めには国務省の監察官による厳しい懲戒を受けた。

 

ジュディシャル・ウォッチは、5月に発表した報告書の中で、「パウエルとヒラリーは、適切な記録保存を行わずに公務を私的なEメールアカウントで行った。これは、政府職務規定に違反している」と結論付けている。

 

しかし、ヒラリーとパウエルの間には大きな違いが存在する、と事実関係に詳しい人々は声を揃える。

 

パウエルは国務長官在任中、個人のAOLEメールアカウントを使用し、補佐官や世界各地の外交官たちの連絡は個人のラップトップコンピュータで行っていた。

 

ヒラリーは、自宅の地下室にいくつもサーヴァーを設置し、個人で作ったclintoemail.comEメールシステムを使用していた。

 

パウエルとヒラリーの在任期間の間には4年という期間が存在した。

 

この期間で、国務省は職員たちに対してEメールのやり取りを記録することの必要性について警告を発していた。

 

またこの期間に、政府が認めたEメールアカウントを使用しないことで起きるサイバーセキュリティのリスクについての注意と関心が広がった。ジュディシャル・ウォッチは5月に発表した報告書の中で次のように書いている。「パウエルが国務長官だった期間、テクノロジーとディジタルの安全対策については流動的であった。その当時、国務省は情報技術に関連しての安全上の危険性について、その深刻さを認識していなかった」と書いている。

 

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FBIはヒラリー・クリントンが提出しなかった15000通のEメールを発見、あーあ(The FBI found 15,000 emails Hillary Clinton didn’t turn over. Uh oh.

 

クリス・シリーザ筆

2016年8月22日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/22/the-fbi-found-15000-emails-hillary-clinton-didnt-turn-over-uh-oh/

 

ヒラリー・クリントンが私的なEメール使用を決定したことで生み出された、スピン(政治の場面で行われる偏向した描き方)や政治的立ち位置を全て取り去ってみると、次の3つの事実が残る。

 

(1)ヒラリー・クリントンは私的なEメールアカウントを公務に使った最初の国務長官だ。

 

(2)彼女はまた、私的なEメールサーヴァーを自宅に置いていた最初の国務長官でもある。

 

(3)国務省からEメールの提出を求められたとき、ヒラリーは複数の弁護士を雇い、彼らに個人的なEメールと職務に関係するEメールを分類してもらった。そして、個人的なEメールはサーヴァーから永久に消去されてしまった。職務に関係したEメールは国務省に提出された。提出されたEメールは次のように分類される。

 

2016uspresidentialelectionwashingtonpost20160822001

 

ヒラリーが消去したEメールの数は、国務省に提出したものよりも多い。彼女が雇った弁護士たちは、実際には全てのEメールを読んだわけではなかった。彼らは、キーワードを検索にかけてEメールを分類した。この過程を監視したのはヒラリーの周辺人物たちで、第三者はいなかった。このEメールの分類過程に関するヒラリーの主張の重要な点は、「私を信頼せよ」だ。詳しく見ると、私が雇った弁護士たちは、国務長官としての日常業務にまで関連するEメールをすべて発見し分類し、そして国務長に提出したと彼女は主張している。

 

本日(2016年8月22日)付のワシントン・ポスト紙に、スペンサー・シュー記者が記事(タイトル:「FBIがヒラリー・クリントンのEメール問題で15000通以上のEメールを発見した」)を掲載した。これはヒラリーにとっては痛手となるであろう。

 

FBIは、ヒラリー・クリントンの私的なEメールサーヴァーに関する1年に及ぶ捜査を行い、ヒラリーの国務長官在任期間中にやり取りされ、ヒラリーが雇った弁護士たちが公表しなかったEメール1万5000通を発見した。国務省は、月曜日の朝に連邦裁判所で、いつどのようにこれらのEメールを公表するかを議論することになるだろう」

 

「先週、国務省が保守系監視団体ジュディシャル・ウォッチに対して引き渡すと述べ、司法省もそれを承認したEメールが全て公開された。これから公開されるものも足した数は、ヒラリー・クリントンが雇った弁護士たちが業務関連だと判定し、2014年12月に国務省に提出した30000通以上のEメールの約50%にあたる」。

 

うむ、なるほど。

 

従って、FBIは、ヒラリーがやりとした約15000通の文書やEメールを発見したが、これらはヒラリーが2014年12月に国務省に提出したEメールには含まれていない。もちろん、これらのEメールや文書のうちのどれも、もしくは全部が業務関連なのかどうかもはっきりしない。これらのEメール全てが、ヒラリーと弁護士たちが消去した30000通以上のEメールの一部である可能性もある。

 

 

しかし、ジェイムズ・B・コミーFBI長官は、FBIEメール問題について捜査したところ、ヒラリーが国務省に提出しなかったEメールの中に数千通の業務関連のEメールが含まれていたことを発見したと発表したことは、私たちは既に知っている。これら15000通のEメールは、コミー長官が言及したEメールの一部であることは少なくともそうだと言えるが、国務省に2014年12月に提出されたEメールと、FBIが復元して提出したEメールとの間でどれだけ重なりがあるのかは分かっていない。

 

ヒラリー選対から出された声明の内容も、これらのEメールの内容について分かっていないことを示すものだった。

 

2016uspresidentialelectionwashingtonpost20160822002

 

明白な事。ヒラリー・クリントンは私的Eメール使用問題については、FBIのコミー長官によって潔白だとされている。コミー長官とFBIは新たに公開されたEメールについては、彼らが発見したのだから、当然知っている。その上で、ヒラリーに対する起訴が適当ではないという判断を下したのだ。

 

しかし、事態はヒラリーにとって日に日に厳しくなっている。彼女は業務関連とプライヴェートなEメールの分類は適切に行われたと主張しているが、その主張は受け入れられなくなりつつある。そして、ヒラリーは、分離作業を行わないで、多くのEメールを消去したという可能性が出てきて、彼女の透明性に関して疑義も高まってくる。これは、次期大統領に向けて他をリードしている人物にとっては、悪い印象を与えるものとなる。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は世論調査に関するより細かい数字について書かれた記事をご紹介します。

 

 今回の世論調査の数字でマスコミに大きく取り上げられるのは、全体の支持率で、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプではどちらが支持率が高いか、その差は何ポイント差かといったことです。この数字の増減で、どちらに勢いがあるとか、巻き返している、突き放しているという言い方をされます。

 

 この数字の裏には様々な調査と答えがあります。現在のところ、各種世論調査(ラスムッセンとLAタイムズ・南カリフォルニア大学共同調査を除く)では、トランプが劣勢です。しかし、下の記事で注目なのは、無党派層で、トランプの方が支持が高い(30%対23%)という結果が出ていることです。

 

 先週からのトランプの態度変更(後悔の念を示す、黒人やヒスパニックに向けてアピールをする)によって、無党派層にも支持が浸透できる可能性が出てきました。共和党予備選挙では過激なことや人種差別的なことを言って、白人男性層の支持を得て勝利を得るというのは正しい選択ですが、本選挙になれば、彼らの支持だけでは勝てません。そこの転換がようやくでき始めました。これまで未開拓の部分が多いのですから、伸びが期待できます。

 

 しかし、トランプが述べていることは、基本的に議会共和党やオバマ大統領、ヒラリー・クリントンと違わなくなってきました。そうなると、「お前は態度を変えた」「結局、取り込まれただけじゃないか」ということになって、批判を受けたり、支持を減らしたりすることも考えられます。

 

 今週と来週の世論調査の結果が出る9月1日(アメリカではレイバーデーで祝日)頃の世論調査の結果に注目です。

 

 

(貼り付けはじめ)

 

今週発表された中で重要な5つの数字(5 numbers that mattered this week

 

スティーヴン・シェパード筆

2016年8月20日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/blogs/5-political-numbers-to-watch/2016/08/5-numbers-that-mattered-this-week-227220#ixzz4HsLmh3is

 

ポリティコ誌はアメリカ大統領選挙を追いかけ続けている。私たちは最新の世論調査を追いかけ、2016年の大統領選挙についてのストーリーを発表している。今週発表された中で重要な数字についてこれから論じていく。

 

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ドナルド・トランプは勢いが衰えた大統領選挙運動を再び盛り上げようしている。選対幹部の更迭し、演説における言葉遣いで人々を傷つけてきたことを謝罪した。そして、本選挙に向けてのCMを放映し始めた。

 

しかし、共和党大統領選挙候補者トランプが勢いを回復させるには遅すぎるのではないか?

 

近代の大統領選挙になって、党全国大会から3週間たった時点で、支持率でリードされていた候補者が勢いを盛り返して最終的に勝利を収めたというケースはない。

 

しかし、有権者が既に投票する候補者を決めつつあるなかでも、大統領選挙の様相が根本的に変化することは不可能だということを意味するものではない。ピュー・リサーチ・センターが今週発表した最新の世論調査では、ヒラリー・クリントンが4ポイント差をつけてリードしている(ヒラリー:41%、トランプ:・37%)。この数字はこれまでの数字よりも良い数字だ。最新のハフィントン・ポスト紙の最新の世論調査の結果の平均は、7ポイントだった。

 

しかし、ピュー・リサーチ・センターの世論調査の結果は、トランプがまだまだ支持を伸ばせる余地があることを示している。トランプに投票する可能性があると答えた有権者は8%で、彼を支持する有権者は37%である。

 

全体として、有権者の51%が彼らはトランプには投票しないと決心していると答えた。6月末の調査で、トランプを支持することはないと答えたのが52%だったので、この数字はほとんど変わっていない。

 

ヒラリーもまた数字が伸びていない。彼女の支持率は41%に留まっている。ヒラリーに投票する可能性があると答えたのは8%に留まり、48%が彼女を支持することはないと答えた。

 

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トランプは集会における参加者の数と熱心さを挙げて、自分の支持者たちは、ヒラリーの支持者に比べて、より熱心で献身的だと言いたがる。

 

しかし、世論調査の結果は彼の主張を裏付けていない。トランプの支持者の方が、数が少ないだけでなく、「自分はトランプのために投票するというよりも、自分はヒラリーに反対するために投票するのだ」と答える人が多く、熱心なトランプ支持という訳でもないのだ。

 

ピュー・リサーチ・センターは、有権者を「誰を支持したいか」で分類するだけでなく、その理由も質問している。トランプ支持者のうち、44%だけがトランプが好きだから支持をすると答え、 53%がヒラリーに反対だからだと答えた。

 

言い換えると次のようになる。有権者全体の中で、16%がドナルド・トランプに好きだから投票すると答え、20%がヒラリーに反対だからトランプに投票すると答えたのだ。

 

クリントン支持者たちの方がより熱心な支持者である。しかし、それはトランプを大きく引き離すものではない。ヒラリー支持の有権者53%が、ヒラリーが好きだからヒラリーに投票すると答え、46%がトランプに反対だからヒラリーに投票すると答えた。

 

クリントン支持の有権者は有権者全体で22%を占めている。トランプ支持の有権者は16%である。反トランプでヒラリーを支持する有権者は19%を占めていると世論調査の結果が出ている。

 

激戦州での世論調査でも同じ結果が出ている。トランプ支持者たちの方が激しく主張するし、表に出るが、その数はヒラリー支持者に比べて少ない。そして、彼らの支持理由が、ヒラリーに反対するためにトランプを支持するというものだ。トランプに反対するためにヒラリーを支持するという消極的な理由を持つ有権者の数と、消極的な理由でトランプを支持するという有権者の数を比べると、後者の方が多い。

 

キュニピアック大学は6つの激戦州で過去数週間にわたり調査を行い、各州で「ヒラリーが好きだからヒラリーに投票すると答えるヒラリー有権者の割合が、トランプが好きだからトランプに投票するというトランプ支持者の割合よりも多い」という結果を得た。

 

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トランプは「アメリカを再び偉大にする」と約束している。このメッセージが彼の支持者に受けている。トランプ支持者たちの大多数は、アメリカは悪い方向に進んでいると考えている。

 

トランプ支持者の80%は、自分たち同じような人々にとって過去50年間で物事はどんどん悪くなっていく一方だと考えている。その逆だと考えている人たちは11%にとどまった。

 

彼らは将来がより良くなるとは考えていない。トランプ支持者の68%が初来のアメリカ人の生活は現在に比べて悪くなるだろうと答え、11%だけがより良くなると答えた。

 

ヒラリーの支持者たちは、過去50年間のアメリカの前進についてより積極的に肯定している。59%の人々が、50年前に比べて、自分たちと同じような人々の生活はより良くなっていると答え、19%が悪くなったと答え、18%がほぼ同じだと答えた。

 

彼らもまたアメリカの未来の世代に関しては楽観的ではない。38%がより良くなると考え、30%が悪くなると考え、28%が同じだと答えた。

 

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トランプはアメリカがこれまでに結んできた自由貿易協定がアメリカに損失を与えてきたと主張し、共和党支持者たちもその考えに納得している。トランプは、共和党を自由貿易に反対する政党に変えた。

 

国全体では、アメリカ人の間は、これらの自由貿易協定がアメリカにとって良いことなのかどうかで考えが分かれている。ピュー・リサーチ・センターの調査では、45%が自由貿易協定はアメリカにとって良いことだと答え、47%が悪いことだと答えた。

 

トランプ、ヒラリー双方共に、TPPに反対している。一方、貿易に関して、有権者の間には分裂が存在する。ヒラリーの支持者たちは自由貿易協定について賛成している。ヒラリー支持者の59%が自由貿易協定を良いことだと答え、32%が悪いことだと答えた。

 

トランプ支持者の68%が自由貿易協定はアメリカにとって悪いことだと答え、26%が良いことだと答えた。

 

これは共和党員や共和党支持者たちに広がっている。共和党は伝統的に自由貿易を支持する政党であったが、共和党支持者たちは自由貿易に反対している。61%の共和党員と共和党支持者たちは自由貿易が悪いことだと考え、良いことだと考えているのは32%に留まった。

 

この動きは流動的だ。2015年5月、トランプが大統領選挙に出馬を表明する1か月前、共和党支持の有権者のうち51%は、自由貿易はアメリカにとって良いことだと答え、39%が悪いことだと答えた。

 

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金曜午後のミシガン州での集会で、トランプはアフリカ系アメリカ人を対象にした演説を行った。4年前の大統領選挙では、ミシガン州の全投票数の中で、アフリカ系アメリカ人の投票数は16%を占めた。

 

トランプは、気宇壮大な主張をする前に、「皆さんは何を失っていますか?」と質問した。そして次のように続けた。「大統領の任期4年が過ぎた後、アフリカ系アメリカ人有権者の95%は私に投票してくれるでしょう。これは間違いありません。約束しますよ。なぜなら、私はインナーシティのために結果を出しますし、アフリカ系アメリカ人のために結果を出すからです」。

 

トランプの前にはやらねばならないことが山積している。ピュー・リサーチ・センターの調査では、全国レヴェルで、アフリカ系アメリカ人の中の支持率では、ヒラリーが85%、トランプが2%となっている。

 

この数字は、異常値ではない。これまでの多くの世論調査の結果では、多くの州で黒人有権者中のトランプ支持の割合は1から2%である。

 

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世論調査:有権者の半数がトランプに投票することを考えないと答える(Poll: Half of all voters won't consider Trump

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月21日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/292157-poll-half-of-all-voters-wont-consider-voting-for-trump

 

モーニング・コンサルトの最新の世論調査によると、有権者全体の半分が共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに投票することは絶対に考えられないという結果が出た。

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同じ調査では、45%がヒラリー・クリントンに投票することは絶対に考えられないという結果が出た。

 

有権者の約35%がヒラリーに絶対投票すると答え、16%が少なくともヒラリーに投票することを考慮すると答えた。

 

有権者の29%がトランプに絶対に投票すると答え、16%がトランプに投票することを考慮すると答えた。

 

世論調査によると、ヒラリーとトランプの支持者の28%がリバータリアン党の大統領選挙候補ゲーリー・ジョンソンに投票することを考慮すると答えている。

 

ヒラリーに投票すると答えた人々の25%強が緑の党ジル・スタインに投票することを考慮すると答えた。トランプ支持の有権者の14%もスタインに投票することを考慮すると答えた。

 

世論調査によると、有権者の32%がジョンソンに、23%がスタインに投票することを考慮すると答えた。

 

別のモーニング・コンサルトの世論調査によると、ヒラリーがトランプを3ポイントリードしている。

 

選択肢が4人になると、支持率はヒラリーが39%、トランプ36%、ジョンソン8%、スタイン4%となる。

 

無党派の中では、23%がヒラリーを、30%がトランプを支持すると答えた。

 

一対一の選択肢になると、ヒラリー(44%)がトランプ(38%)をリードしている。

 

世論調査は2016年8月16―17日、18-20日にそれぞれ2001名を対象に行われた。誤差はどちらとも2%である。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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 古村治彦です。

 

 今回のアメリカ大統領選挙では、民主党のヒラリー・クリントン、共和党のドナルド・トランプ共に「嫌われて」います。世論調査の数字を見ると、「好き・嫌い」に関する質問については、両方とも過半数の人たちが「嫌い」と答えています。

 

 不人気な2人による大統領選挙ですが、共和党側では、共和党全国大会で正式に大統領選挙候補者に指名された後でも、トランプに対する批判が出ています。また、共和党に所属しながら、トランプを支持しないと表明する人たちも出ています。だからと言って、ヒラリーを支持するというところまで表明する人たちは多くありません。

 

 トランプが、ヒラリーが国務長官時代に私的なEメールアカウントを使っていて、消してしまったEメールについて、ロシアがハッキングしているのなら、是非提供して欲しい、と発言したことに、民主党側が怒りを持って反応するのは当然ですが、共和党側からも批判が出ています。

 

 トランプがヒラリーのEメール問題に関して、ロシアにハッキングと提供を求めた発言やロシアのウクライナ進攻とクリミア併合を非難しなかったことによって、トランプとロシアの関係について批判する記事が多く出るようになっています。

 

 先日もこのブログで書きましたが、民主党側では、こうしたトランプの対ロシア姿勢を利用して、「アメリカの大統領選挙にロシアを干渉させて良いのか」「ロシア製の大統領で良いのか」という問題提起を行っています。そして、もしウィキリークスなどがヒラリーのEメールをリークした場合でも、「これはロシアがアメリカの大統領に自分たちの都合の良い人物を決めようとして行ったのだ」という言い訳で、ダメージを最小に抑えようとするものです。これは非常に巧妙かつ狡猾なやり方です。

 

 トランプは、ヒラリーのように対中、対露で対決姿勢ではなく、交渉で問題を解決しようと訴えています。どちらが世界のために良いかとなれば、トランプの考えの方が良いに決まっています。しかし、選挙戦術として、これから共和党支持者や党員たちを超えて訴えかけねばならない時に、あまりに稚拙な失言を繰り返しているのでは、「敵を喜ばせる」だけになっているという現状があります。現在の情勢では、トランプの勝利はかなり厳しいと言わざるを得ません。

 

 そうした中で、Eメール問題と健康問題はヒラリーにとってのアキレス腱ですから、これを有効に使えるようにしておかねばなりません。今のところ、それが出来ていないということになります。

 少し古い記事ですが、以下にトランプに対する保守系からの批判を掲載します。 

 

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ジュアン・ウィリアムズ:トランプのロシア問題(Juan Williams: Trump's Russia problem

―振り返ってみると、記者会見の酷さが現実なのだ

 

ジュアン・ウィリアムズ筆

2016年8月8日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/opinion/juan-williams/290590-juan-williams-trumps-russia-problem

 

民主党全国大会が終了した時、ドナルド・トランプはカメラの前に立ち、ロシアに対して、ヒラリー・クリントンの私的なEメールをハッキングして、アメリカのマスコミに提供するように訴えた。

 

トランプは真顔で次のように明言した。「ロシアよ、もし今聞いているのなら、行方不明になっている30000通のEメールを見つけ出して欲しいと願っている。それらを提供すれば我が国のメディアから多額のお礼をしてもらえるだろう」。

 

共和党の大統領選挙候補者トランプは、オバマ政権がロシアと協力できなかったのは、ロシアのウラジミール・プーティン大統領がオバマ大統領を嫌ったからだと述べた。トランプは、「プーティンはオバマ大統領を“間抜け(nerd)”と呼んでいる」と主張した。

 

その後、激しい批判に晒されたトランプはその批判をかわそうと、アメリカの大統領選挙に外国に干渉させようとしたことは「軽い冗談」だと言い訳した。しかし、トランプの発言は、アメリカの捜査官たちが、ロシアはアメリカの法律を破り、民主党全国委員会のコンピューターをハッキングした、と「確信している」と述べた直後という最悪のタイミングで出された。

 

これ以降、トランプはロシアと協力したいという希望を明らかにし、「ロシアと友好的になることは、悪いことではないだろ?」と述べた。トランプは、ロシアがウクライナに進攻し、領土の一部を奪取したことを批判することを拒否した。その前には、トランプは、ロシアの進攻の恐怖の中で存在しているNATO加盟諸国が攻撃された場合に、アメリカがそれらの国々を防衛する必要があるという考えを否定した。トランプは、主要政党の大統領選挙候補者にとっては伝統的に行われている、アメリカの最高機密情報に関するブリーフィングを受けようとしている。

 

トランプが無条件のロシアへの支持とロシアの大衆煽動的な指導者への無条件の好意を示していることを考えると、国家機密をトランプに教えることは大変危険なことだ。

 

最大の危険はトランプとトランプ陣営にいるスタッフのほとんどは、ロシアとプーティン大統領にアメリカの国家機密を教えてしまうだけのお金に関わる理由を持っているということだ。彼らはそのためにはアメリカの国益を犠牲にするかもしれないのだ。

 

8年前、ドナルド・トランプの息子ドナルド・トランプ・ジュニアは「トランプ家の財産においてロシアはその規模に似合わないほど多くの面でかかわりを持っている」と発言した。

 

『ワシントン・ポスト』紙のコラムニストであるジョージ・ウィルは最近、「トランプとプーティンやプーティンの側近たちとの間の金銭上の深いかかわり合いは、トランプが個人のそしてビジネスの税金情報の発表を拒否したことで明白なものとなった」と書いた。

 

『ポリティファクト』誌によると、トランプ選対の責任者ポール・マナフォートは、「ウクライナの親ロシア派の政治家たちと長きにわたる深い関係にある」ということだ。マナフォートはまた、プーティンと近いロシアの富豪たちの投資の管理をしていたこともある。

 

国防情報局元長官で退役中将のマイケル・フリンは、トランプの顧問である。彼は、ロシア政府が出資している『ロシア・トゥディ』紙とテレビ局RTの発足を祝う式典に出席し、プーティンと一緒に写真に収まっている。

 

昨年12月、フリンはRTのインタヴューに答え、その時のやり取りがRTのうウェブサイトに掲載された。この時、フリンは、アメリカとロシアは協力してISISを打倒し、シリアの内戦を終わらせるべきだと述べた。

 

トランプのロシアに関する顧問として、実業家のカーター・ペイジがいる。彼はロシアと大きなビジネスを展開している、と報じられている。

 

今年7月中旬、『ワシントン・フリー・ビーコン』誌の記者モーガン・チャルファントは、「先週、ペイジはモスクワを訪れ、アメリカと西洋各国を批判した。彼はアメリカをはじめとする国々は、民主化、格差、腐敗、体制転換といった考えに偽善的に固執していると述べた」と書いている。

 

ペイジは今年3月にブルームバーグ社とのインタヴューの中で次のように語っている。「私が知っている人たちや一緒に仕事をしている人たちの多くが経済制裁政策によって大きな影響を受けている。アメリカによるロシアに対する経済制裁の解除によって、状況は好転すると思う」。

 

トランプ陣営はこのような親露的な態度を持っており、共和党全国大会前に、共和党政策のある点に変更を加えた。ワシントン・ポスト紙は次のように報じた。「トランプ陣営は先週、新たに採択される共和党の政策綱領において、ロシアと反対勢力と戦うための武器をウクライナに提供しないという点を明確にするために裏で活動していた。この考えは、ワシントンにいる共和党の外交政策部門の幹部や専門家たちのほぼ全ての考えと衝突するものだ」。

 

トランプ自身がかつて、オバマ大統領がISに対して同情心を持っているとほのめかし、「何かが進行している」と述べたことがある。

 

各種世論調査の結果から、アメリカの人々はトランプとプーティンやロシアとの奇妙な関係について把握していることが分かる。

 

先週のYouGovの世論調査では、54%のアメリカ人が、その中には無党派の48%が含まれているが、トランプがロシアに対してヒラリーのEメールをハッキングするように求めたことを「不適切」だと考えていることが分かった。

 

この世論調査では、40%のアメリカ人が、そして無党派のうちの38%が、トランプは「ロシアと親しすぎる」と考えていることが分かった。

 

各種世論調査では、前国務長官であるヒラリーが、外交政策ではどちらがより良い大統領になるかという質問に関して、トランプに対するリードを広げている。

 

先週のCNNORCの世論調査では、59%の有権者がヒラリーの方が外交政策に関して信頼が置けると答えている。一方、トランプへの信頼は36%であった。

 

ヒラリーは8日前に「フォックス・ニューズ・サンディ」で放送されたインタヴューの中で、トランプのプーティンに対する好意についての疑問を呈した。

 

ヒラリーは次のように発言している。「トランプは、ロシアに対してアメリカのEメールアカウントに侵入してハッキングをするように求めている。また、プーティンに対して過剰な賛辞を送っている。また、ロシアの望むような外交政策に対する姿勢を表明している。こうした点からも、私たちは、トランプが私たちの大統領であり最高司令官の地位に就くのにふさわしい人物ではないという結論に達せざるを得ない」。

 

数日後、オバマ大統領は、イスラム教徒だった戦死した米軍将校の両親に関するトランプの発言について、「これらの発言を聞いて、私は共和党の大統領選挙候補者が大統領に不適格だと思わざるを得なかった」と述べた。

 

オバマは次のように述べている。「トランプは大統領になる準備が全くできていない。この一点だけで、“もうたくさんだ”ということになる」。

 

有権者にとって、ポイントは、トランプのロシアとの疑わしい関係である。

 

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共和党の専門家50名:トランプは国家安全保障を「危機に晒す」(50 GOP officials: Trump puts national security ‘at risk’

 

リサ・へーゲン筆

2016年8月8日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/top-republican-gop-50-officials-warn-donald-trump-national-security-risk-dangerous

 

共和党の国家安全保障政策専門家50名が月曜日に、書簡を発表し、その中で、ドナルド・トランプは大統領となるための経験が不足しており、国家の安全を危険に晒すことになると訴えている、と『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じた。

 

ジョージ・W・ブッシュ政権とリチャード・ニクソン政権に参加した専門家たちが署名した公開書簡では、彼らは誰もトランプには投票しないだろうと書かれており、その理由として、「私たちは、トランプが危険な大統領になるであろうこと、そして、彼が我が国の国家安全保障と福利を危険に晒すであろうことに思い至ったからだ」としている。

 

公開書簡には次のように書かれている。「トランプ氏は大統領にふさわしい人格、価値観、経験を備えていない。トランプは自由世界の指導者としてのアメリカの道徳的権威を弱めてしまっている」。

 

更には次のように続いている。「トランプはアメリカ憲法、アメリカの諸法律、アメリカの諸機関の根底にある信条についての基本的な知識を持っていない。アメリカの信条とは、宗教的寛容、表現の自由、司法の独立である」。

 

専門家たちは「トランプが当選したら、アメリカ市場で最も無謀な大統領になるだろう」と予測している。

 

署名した人々には、CIAと国家安全保障局の長官を務めたマイケル・ヘイデン、ブッシュとオバマ両政権で国土安全保障省長官を務めたマイケル・チャートフ、ブッシュ政権の国家情報局長官を務めたジョン・ネグロポンテ、ブッシュ政権で国土安全局長官を務めたトム・リッジがいる。また、激戦州のひとつペンシルヴァニア州の元州知事、アメリカ通商代表、国家安全保障問題担当補佐官や大使を務めた人々もいる。

 

これまで共和党の幹部クラスの中には、公にこの秋にトランプには投票せず、民主党の候補者ヒラリー・クリントンを支持すると表明する人たちが出ている中、書簡が発表された。

 

月曜日、レズリー・ウェスティンは大統領選挙でヒラリーに投票すると述べた。ウェスティンはジョージ・W・ブッシュ大統領時代のホワイトハウス連絡部長兼副補佐官を務めた。

 

『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ヘンリー・キッシンジャー、ジョージ・シュルツ、ジェイムズ・ベイカー、コリン・パウエル、コンドリーザ・ライスの国務長官経験者たちが公開書簡に署名をしていないと指摘している。トランプは、数カ月前に、キッシンジャーとベイカーに会っている。

 

(終わり)











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 古村治彦です。

 

 先週水曜日に発表されたトランプ選対最高幹部の交代で、選対委員長の地位はそのままで実権は剥奪されたポール・マナフォートが正式に委員長を辞任しました。彼がウクライナの親露派の政党のために活動し、秘密裏に資金を受け取っていたということを司法省とFBIが捜査を始めたというニュースが流れてすぐのことでした。

 

 トランプ陣営では、運営責任者として、ロサンゼルスに本拠を置くインターネット上のニュースサイトであるブライトバート・ニュース社のスティーヴ・バノンが迎え入れられ、選対委員長として、上級顧問であった、ヴェテランの世論調査専門家ケリアン・コンウェイが昇格しました。

 

 この人事異動の後、トランプはこれまでのスタイルを一変させて、プロンプター(透明なプラスティック版に演説原稿を写し、あたかも原稿を読んでいないかのようにして演説ができる機械)に移された演説原稿から目を離すことなく、演説を行い、その中で、これまでの自分の言動で人々を傷つけたことを後悔していると語りました。

 

「私は態度を変えない、私は私だ(I do not pivot. I am who I am.)」と最近まで言っていたことを考えると、これは大きな変化です。トランプが本気で本選挙に勝ちに来ていることを示すものです。彼は過激な発言で予備選挙を勝ち抜きましたが、このやり方では本選挙は勝てません。本選挙では無党派や政治に関心が薄い人々にもアピールをしなければなりませんが、トランプの過激な発言や失言が彼らにアピールすることは少ないからです。

 

 これまでの選対幹部たちは、トランプがやりたいようにやることを止められなかったのでしょう。トランプがやりたいようにやる→失言が出る→支持率が下がる→何とかしろと怒鳴りつける→それにはあなたが変わらねばならないと言えない→トランプがやりたいようにやる、という悪循環が続いていたのでしょう。

 

 そこに、以前にご紹介した、大富豪のマーサー父娘が息のかかったプロたち、バノンとコンウェイを選対に入れ、「本気で勝ちたいのなら、私たちの言う通りにしなさい。そうしないとあなたはアメリカ史上最低最弱の負け犬になりますよ」と説得したのでしょう。トランプが怒鳴ろうがどうしようが、「トランプを勝たせろ」という命令を受けたプロは、トランプの意向など無視するでしょう。

 

 トランプがプロンプターにしがみついている限り、支持率の低下は止まり、少しずつ上昇していくでしょう。これがいつまで我慢できるか分かりませんが、残り80日くらい我慢できるという判断もあるでしょう。

 

 しかし、同時に、トランプの分身のような人物であるバノンを入れて、急に態度を変えたことで、トランプに対しては「態度を変えた」「うわべだけで本質的には何も変わっていない」という批判も出てくるでしょう。

 

 私は、今回の人事異動では、コンウェイの登用が重要なのだと考えます。態度の軟化は、女性有権者に対するアピールでもありますし、「不良がちょっと改悛の情を示すと、更生したということになって、良い人扱いになる(元々真面目にしていた人にはこういう効果はない)」ということになります。これが実際に起きている訳ですから、コンウェイの存在がとても大きいことが分かります。

 

 トランプの選挙運動がどれほど変化していくか、これから注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブライトバート社会長の登用はトランプにとっての最悪の結末を迎えることになる(Hiring of Breitbart exec spells utter doom for Trump

 

マット・マッコウィアック筆

2016年8月17日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/pundits-blog/presidential-campaign/291748-hiring-of-breitbart-exec-spells-utter-doom-for-trump

 

ブライトバート・ニュース社会長スティーヴ・バノンを新しい選対運営責任者に登用したことは喜劇を超えている。

 

バノンは「悪意に満ちた人物で、弱い者いじめをし、独裁者で、長広舌の攻撃をしたがる」人物だ。これは、ブライトバート社で働いていたある人物がバノンについて述べたことである。

 

簡単に言うならば、ドナルド・トランプは自分の分身のような人物を登用したと言える。

 

バノンはブライトバート・ニュース社をトランプ支持のスーパーPACのようにすることで、ブライトバート社の活動をダメにしてきた。煽情的な見出しとトランプに都合の良い架空の話ばかりを掲載してきた。亡くなったアンドリュー・ブライトバートが掲げた、鋭くて、骨太な反エスタブリッシュメントな考えは消え去った。

 

ドナルド・トランプは壁に囲まれた部屋の中にいるようなものだ。

 

状況は州を追うごとに悪化している。

 

ヴァージニア州とフロリダ州のような重要な州での情勢は、トランプにとって劣勢だ。これらの州で、トランプは選挙運動を行っていない。選挙運動事務所も持っていない。夏のオリンピックが終わるこの時期になって、ようやく今週末にテレビコマーシャルを開始した。

 

私は、ケリアン・コンウェイが選対責任者として何ができるのか、分からない。コンウェイは技術を持ち、尊敬を集めている選挙運動と世論調査の専門家である。また、女性に対するメッセージに関する専門家でもある。

 

しかし、トランプはこれまで何カ月も全ての助言を拒否し、穏健な態度に変更することを拒絶した。また、選対に選挙のプロを入れることも拒絶した。そして、大統領選挙候補者として成長することも、共和党をまとめることも拒否した。

 

バノンを起用することで、選対委員長であるポール・マナフォートには不信任を突き付けた格好になる。マナフォートは、トランプを予備選挙の時の心構えから変えさせて、6500万から7000万票の得票が必要な本選挙の態度に刺せようと試みて、失敗した。

 

バノンのような制御不能な人物を起用することで、共和党内部では、本選挙でぼろ負けするので、連邦下院と連邦上院の選挙に集中すべきではないかという議論が沸き起こっている。

 

トランプはさらに多くの支持者集会を行い、更に攻撃的になりたいと望んでいる。今のやり方をさらに加速させても、機能しない。

 

トランプはおべっかを使う人間を周囲に置きたがる。阿諛追従によって、トランプのエゴを満足させ、彼の馬鹿さ加減がさらに進むのだ。

 

コーリー・ルワンドウスキーを選対委員長の座から追い出した後、トランプは役にも立たない助言を求め続けた。

 

トランプの子供たちは、ルワンドウスキーが選対に戻ることを認めないだろうから、バノンの起用は次善の策ということになる。

 

バノンが回答だというのなら、その答えが導き出される設問が何なのかを想定できない。バノンは、彼は、予算と人事を含む選挙運動の全てを取り仕切っていると語っている。

 

トランプ陣営と共和党の利益は全く異なるものになっている。

 

今回の人事異動は、トランプが候補者として態度を改めること、地滑り的な惨敗を避けることを願っていた人々に失望を与えるだろう。

 

ドナルド・トランプとスティーヴ・バノンは、選挙戦後に新しいメディア帝国を始めることになるだろう。彼らはこのメディア帝国を使って巨額の金を生み出す方法を見つけることだろう。

 

詐欺師は常に勝利するのだ。

 

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新しいトランプ選対に会ってみよう(Meet the new Team Trump

 

ベン・カミサー筆

2016年8月17日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/291715-meet-the-new-team-trump

 

各種世論調査で共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは劣勢になっている。そこで、トランプはブライトバート・ニュース社会長と、テッド・クルーズ、ジャック・ケンプ、ニュート・ギングリッジのために働いた経験を持つ共和党のヴェテランの世論調査専門家を選対に入れた。

 

ブライトバート社会長のスティーヴン・バノンはトランプ選対の責任者となった。これまでポール・マナフォートが率いていた選対の責任者にバノンが就任したが、マナフォートは選対委員長の座に留まった。

 

世論調査の専門家ケリアン・コンウェイはトランプのアドヴァイザーをしていた。そして今回、トランプ選対の選挙運動責任者となった。コンウェイは、最近の3回の大統領選挙の共和党予備選挙で活動し、トランプの副大統領候補となったインディアナ州知事マイク・ペンスも顧客だった。

 

2人の選対入りはトランプにとって重要である。トランプは激戦州のいくつかで2桁の差をつけられており、8月は最悪の月になった。

 

今回の人事異動は、トランプが選挙運動を再スタートさせたいという希望を反映している。特にバノンを起用したことは、約80日を残す選挙期間中に無制限に何でもやるという意思を示している。

 

昨年ブルームバーグが掲載したプロフィールの中で、バノンは「アメリカで最も危険な政治活動家」と書かれていた。バノンは右翼系のニュースサイトを率いていた。このサイトでは、トランプを支持し、その他の共和党員たちを攻撃していた。そのやり方は恐れ知らずであった。特に連邦下院議長ポール・ライアン(ウィスコンシン州選出、共和党)は激しく攻撃された。

 

ライアンの事務所は、バノンの起用についてのコメントを拒否した。

 

バノンは民主党支持の家に生まれた。そして、海軍将校になった。彼は、ジミー・カーター元大統領がアメリカを危機に晒すと考え、レーガン大統領と共和党を支持するようになった。

 

軍務に就いた後、バノンはハーヴァード大学経営大学院に進み、その後、1980年代末にゴールドマン・サックスに入社した。そして、1990年に数人の同僚と自分の投資銀行を設立した。ブルームバーグ社のプロフィールによると、エンターテイメント産業で資産の一部を形成したということだ。バノンは、キャッスル・ロック・エンターテイメント社が制作した5つのテレビ番組の権利を保有している。その中でも有名なテレビ番組は「サインフェルド」だ。

 

自身の投資銀行を売却した後、バノンはハリウッドに移り、映画製作に携わった。この時に、アンドリュー・ブライトバートに出会った。アンドリュー・ブライトバートはブライトバート・ニュース社の創設者だ。ブライトバートは2012年に死亡した。バノンは、ブライトバート社の再スタートのために投資家から資金を集めた。

 

バノン率いるブライトバート社は、徹頭徹尾トランプ支持でこれまでやってきた。

 

ブライトバートは常にトランプを擁護してきた。最近では、トランプが「オバマ大統領はISの創設者だ」という発言を擁護し、それを発展させた内容の記事を幾つも掲載している。

 

トランプに対する支持に関しては、ブライトバート内部でも論争が起きていた。

 

ブライトバート・ニュース社の記者だったミッシェル・フィールズと同僚たちは今年初めに会社を辞めた。フィールズはある記者会見の後に、当時のトランプ選対委員長のコーリー・ルワンドウスキーに腕を掴まれ、引き倒されたと訴えた。それに対して、会社の経営陣は彼女の側に立って守ることをしなかった。そのためにフィールズと同僚たちは抗議のために辞任した。

 

ブライトバートは最初の内、口論についての記事を掲載していたが、すぐに、フィールズの訴えの信憑性について疑問を呈する記事を掲載した。

 

バノンは保守系の監視団体がヴァンメント・アカウンタビリティ・インスティテュートの理事を務めている。この団体の代表がピーター・シュワイザーで、シュワイザーは衝撃的な本を書いた。そのタイトルは、『クリントン・キャッシュ』で、クリントン家の私的な財産とヒラリー・クリントンの国務長官としての決定との間にある疑いについて詳しく書かれた本だ。

 

しかし、バノン率いるブライトバート社は共和党の政治家たちを厳しく追及している。

 

8月の最初の9日間で、ブライトバート社はライアン下院議長を攻撃し、彼の予備選挙のライヴァルを褒める記事を少なくとも15本掲載した。ライアンは予備選挙で70%の支持を集めている。

 

ブライトバートは、共和党内部のトランプの反対者たちを批判した。今年の初め頃、ブライトバートは、トランプに反対する共和党員で、トランプに対する反対運動を組織しようとしたビル・クリストルを「裏切り者のユダヤ人」と呼んだ。

 

クリストルは水曜日、「ブライトハートは、“右翼の非寛容な卑劣なニュース”と改名すべきだ」と反撃した。

 

バノンは共和党にとってのアウトサイダーであるが、トランプはインサイダーにも助けを求め、コンウェイを登用するに至った。

 

コンウェイが初めてトランプに会ったのは10年前のことだった。ニューヨークにあるトランプ・ワールド・センターで行われたコンドミニアムの自治会でのことであった、と今年初めにワシントン・ポスト紙が報じた。

 

コンウェイは元々弁護士をしていたが、世論調査の専門家に転身した人物だ。そして、世論調査会社を設立し、子会社として、女性消費者について研究するウィメン・トレンド社を起ち上げた。

 

コンウェイはこれまで共和党内の様々な政治家や候補者のために活動してきた。その中にはジャック・ケンプやダン・クエール元副大統領も含まれる。

 

2008年の大統領選挙では、元連邦上院議員(テネシー州選出)のフレッド・トンプソンのために働いた。2012年では、元連邦下院議長(ジョージア州選出)ニュート・ギングリッジ、2016年では、クルーズ支持のスーパーPAC「キープ・ザ・プロミス」のために働いた。

 

テッド・クルーズ支持のスーパーPACを率いていたコンウェイはトランプを攻撃していた。

 

2016年1月、コンウェイは新たに放映を始めるCMに関する声明を発表し、その中で、トランプが過去に中絶を容認する発言をしたことを攻撃した。

 

「保守派と共和党は選択肢しなくてはならない。ヒラリー・クリントンと同じ考えを持つ人物か、それともロナルド・レーガンと同じ考えを持つ人物か?」とコンウェイは声明の中で書いている。彼女は、民主党の大統領選挙候補者となったヒラリーとトランプを同じだと切って捨てた。

 

コンウェイは、アメリカ人の多くが中絶を「野蛮な行為」と見なすようになって、「15年」も経っていないとも書いている。この点ではトランプと考えが違っている。

 

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