古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2016年09月

 古村治彦です。

 

 月曜日に行われた第1回討論会の結果についての世論調査の結果が出始めています。数字で見ると、50%強の人々がヒラリーが勝ったと答え、20%中盤くらいの人々がトランプが勝ったと答え、残りの人々はどちらが勝ったとも言えないと答えていることが分かります。そして、ヒラリーとトランプの支持率はそこまで大きく変化を見せていません。

 

 この数字は大変興味深いものです。まず、ヒラリーが勝ったとしている人々が50%台前半であるということです。これは逆に言えば、当然のことながら、40数%の人たちはヒラリーが勝ったとは思えなかったということです。第1回目の討論会がこれ以降の流れを決める上で最重要であるということは、アメリカでも言われていることですが、そこで、ヒラリーは、「負けない戦い」をして、自分からトランプをノックアウトしに行かなかったし、トランプからノックアウトパンチを食わないようにしたということになります。恐らく、これはヒラリー陣営の考えたシナリオ通りだと思います。

 

 トランプが勝利したと答えたのは4分の1の有権者です。ボクシングの譬えばかりで恐縮ですが、トランプがヒラリーをノックアウトするのではないかという事前の期待が裏切られたこと、逆にトランプが攻め込まれる場面があったこと、一対一の討論会に不慣れで、2分割された画面でヒラリーの話を聞いている時の態度も映像として流されたことやヒラリーや司会者の発言を遮る場面が多かったことなどが影響したものと思います。

 

興味深いには、数字上ではヒラリーが勝利したと言えますが、引き分けであったと答えた人たちも約4分の1ほどいたということです。これは、「確かに討論会という形では、ヒラリーが勝ったと思う。しかし、トランプも十分に印象に残る話しぶりであった」という人たちが多かったということだと思います。こう答えた人たちは、「トランプが討論会を荒らしまくって討論会自体をダメにするのではないか」と考えていたのではないかと思います。彼らの予想に反してトランプが最後まで討論会を続けたことで、トランプの印象が良くなったが、討論会自体はヒラリーの方がうまくやったと思えるので、それでどちらも勝っていないということになったと思います。

 

 第1回目の討論会ではヒラリーが勝利したということですが、支持率の上昇にはそこまでつながっていないようです。元々下がり続けていたことを止めて、多少でも上がったという意味では良い効果があったと言えますが、トランプを突き離すほどの効果はなかったと言えます。

 

 こうして考えると、「第1回目の討論会ではヒラリーが勝利した」と単純に言い切れないと私は考えます。私は、討論会を見ながら、トランプはうまくやっている、ヒラリーの方が攻勢ではあるが、という印象を持ちましたが、その後のメディアの報道で、ヒラリーが勝ったという論調になっており、「自分の感覚がおかしいのか、日本のことで考えるとまだ交渉をしてくれそうなトランプをひいきしていたのか」とも考えましたが、自分の感覚がおかしくないことを今回の世論調査の結果で確認できました。まぁそんなことはどうでも良いことですが。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:過半数が「ヒラリーが討論会に勝った」と言う(Poll: Most say Clinton won debate

 

ニキータ・ヴラディミロフ筆

2016年9月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/298358-poll-most-say-clinton-won-debate

 

最新のロイター通信・イプソス社の共同世論調査の結果が出て、アメリカ国民の過半数が、月曜日に行われた第1回の大統領選挙討論会ではヒラリーが勝利したと考えていることが分かった。

 

2000人を対象にした世論調査で、56%が討論会で民主党候補のヒラリー・クリントンが討論会に勝利したと考えたと答え、26%が共和党候補のドナルド・トランプが勝利したと考えたと答えた。

 

選挙に行くと答えた有権者のうち、34%は討論会を見て、ヒラリーを積極的に評価するようになったと答えた。トランプをそのように考えると答えた有権者は19%だった。

 

多くが、討論会におけるヒラリーのパフォーマンスを見て、彼女の本選挙での勝つチャンスが広がったと考えるようになった。投票に行くと答えた有権者の約31%は、討論会がヒラリーに良い効果を与えたと答えた。一方、トランプが11月の選挙で勝つチャンスが広がったと答えたのは16%に留まった。

 

こうした数字は出ているが、世論調査の結果で分かったのは、討論会で勝利したと言っても、投票に行くと答えた有権者の間で彼女の支持率は上昇していないということだ。世論調査では、各候補の支持率はヒラリーが42%、トランプが38%だった。

 

ロイター通信とイプソス社の共同調査は、2036名の成人したアメリカ国民を対象に行われた。誤差は4%だ。

 

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世論調査:過半数が「ヒラリーが討論会に勝った」と語った(Poll: Majority says Clinton won debate

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年9月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/298377-poll-over-half-say-clinton-won-debate

 

有権者の過半数が、大統領選挙の第1回討論会でヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに対して勝利を収めたと考えている、と最新の世論調査で分かった。

 

水曜日に行われたNBCニュースとサーヴェィ・モンキーの調査によると、52%がホフストラ大学での討論会でヒラリーが勝利を収めたと答え、21%はトランプが勝利したと答えた。

 

26%はどちらの候補者も勝利を収めなかったと答えた。1%が無回答だった。世論調査の結果、討論会を通じて、トランプよりもヒラリーの方がイメージを改善したということが分かった。

 

26%が討論会でのヒラリーのパフォーマンスを見て、彼女に対する意見を改善させたと答えた。17%が悪化させたと答えた。トランプの場合は、改善させたと答えた有権者は13%であった。

 

 

26%はトランプに対する意見を悪化させた。

 

加えて、有権者は、ヒラリーが大統領にふさわしい人格と資質を備えていると考えている。

 

53%がヒラリーはそうしたものを備えていると答え、46%は備えていないと答え、1%が無回答であった。

 

36%がトランプは大統領にふさわしい性格をし、資質を有していると考えていると答えた。一方、63%はそう考えないと答えた。1%が無回答だった。

 

NBCとサーヴェィ・モンキーの共同世論調査は、2016年9月26日から27日にかけて、7541名を対象にインターネット上の面接を通じて行われた。誤差は1.6%である。

 

月曜日の夜の討論会は、これまでの討論会の視聴者に関する記録を打ち破った。今回の討論会は、8000万人以上が視聴した。

 

今回の討論会は、11月の投開票日までに3回行われる大統領選挙討論会の第1回目であった。

 

ヒラリーとトランプの次の対決は2016年10月9日にミズーリ州セントルイス、その次の対決は10月19日にラスヴェガスで行われる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 

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 古村治彦です。

 

 

 月曜日(日本時間では火曜日)に行われたドナルド・トランプとヒラリー・クリントンとの間の第1回目の大統領選挙討論会の評価についての記事をご紹介します。

 

 アメリカのメディアではおおむね、ヒラリーがトランプを上回ったという評価を下しています。CNNによると、62%の視聴者がヒラリーが勝ったという判断を下したということです。しかし、この調査はインターネット上のものであって、有権者の意向を必ずしも正しく反映したものとは言い切れません。

 

 昨日も書きましたが、両候補共にそれぞれの「らしさ」を出しましたが、トランプの方がやや抑制的であったと思います。ですから、どうしてもトランプに対する評価が低くなってしまうものと思われます。

 

 ヒラリーはおそらく、何度も何度もリハーサルを繰り返したことでしょう。そこにはいくつものパターンがあって、トランプの発言が何パターンも想定され、それに対する切り返しが自然な形で出るようになるまで練習したものと思われます。ですから、見ていた人たちには「準備しすぎじゃないのか」と思われるほどでした。

 

 トランプは乱戦に持ち込むと力を発揮することは既に証明されていますが、一対一の討論会は初めての経験で、あまりうまくできなかったということもあるでしょう。ここからは推論ですが、側近たちはヒラリーの発言傾向を分析し、様々なパターンを作って、それに対する切り返しを練習するように進言したのでしょうが、トランプはその場での当意即妙さに絶対の自信を持っていますからそれを断ったのでしょう。ですが、あまりうまくいかなかったようです。

 

 トランプはこれまでも何度も修正をしてきてそのたびに結果を出してきていますから、今回の討論会の反省点を次に活かしてくると思います。

 

 トランプは討論会の中で、日本について何度も、「守ってやっているのだからもっと駐留経費を支払え」と述べています。これは、ビジネスマンの感覚としては当然のことで、そして、私たちは、これもビジネスのやり方として、実情を話しつつ、負担を値切る、もしくは駐留米軍の規模を縮小することを交渉することが出来ます。しかし、トランプ政権ができても、こうした動きが日米両国内の様々な勢力によって妨害されてしまうことでしょう。

 

 トランプは日本を守ってやっているということを述べていますが、「誰から」「どんな脅威」からとは具体的に言っていません。日本を外敵の侵入から守ってやっていると述べている訳ですが、その外敵が何なのかを具体的に述べていません。

 

 私たちはもっと賢いやり方として、この「外敵」になる脅威をなくすことが必要です。ご近所づきあいでトラブルは起きても、引っ越すのが難しい以上、それを何とかうまく解決して、大きなトラブル、器物損壊や傷害、殺人までエスカレートしないようにすること、その枠組みを作ることが重要です。そのためには、相互の理解を深め、交流を促進するための地域機構の設立が重要なのだろうと思います。

 

(貼りつけはじめ)

 

討論会で放たれた鋭い言葉5選(Top five zingers of the debate

 

メラニー・ザノナ筆

2016年9月27日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/briefingroom-blogroll/297964-top-five-zingers-of-the-debate

 

ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプはこれまでの数か月、ジャブの応酬を行ってきた。

 

ニューヨーク州ヘンプステッドにあるホフストラ大学で月曜日の夜に90分にわたって行われた大統領選挙の討論会が、有名なビジネスマンと元大統領夫人が一対一で対面する初めての機会となった。

 

討論会は、現代の大統領選挙の歴史の中で、最も期待され、重要な大統領選挙討論会であり、静かな始まりの後に、複数の素晴らしい、そして白熱したやり取りが行われた。

 

重量級のぶつかり合いから生まれた5つの鋭い言葉をこれから見ていく。

 

●スタミナが注目を浴びた(Stamina gets the spotlight

 

聴衆は反応しないようにと言われていたが、討論会で最も大きな歓声が上がったのは討論会の終盤、トランプがヒラリーのスタミナについて大統領に相応しいかどうか疑問を発したときだった。

 

共和党大統領選挙候補者トランプは、ヒラリーには大統領らしさはないというコメントについて賭けに出た。

 

「そうですね、112か国を巡り、世界各国で平和協定、停戦合意、新しい機会を開くための交渉をしたり、連邦議会の委員会で11時間にもわたる証言を行ったりしたら、彼も私にスタミナについて何か言うことが出来ますね」とヒラリーは発言し、聴衆から歓声が上がった。

 

民主党大統領選挙候補者ヒラリーは、トランプが過去に女性の外見について語った内容を取り上げた。大富豪トランプは、あるビューティーコンテストに参加したヒスパニックの女性を「ミス・ピギー(子豚)」や「ミス・ハウスキーピング(家政婦)」と呼んだ。

 

●黄金の基準(The gold standard

 

討論会において激しいやり取りはいくつかあったが、その中で、トランプは、TPPに対するヒラリーの一貫性のなさを非難した。

 

「あなたは完全に支持していましたね。そして、私が述べたこと、TPPが如何に悪いものかを聞いて、“これでは討論に勝てないわ”と言ったんですよ」とトランプは述べた。

 

ヒラリーは、態度を変えたことについて、「私は、交渉が終了して、協定の条件がはっきりしたので、それを見て反対に回ったのです」と語り、正当化した。

 

しかし、トランプは「あなたはそれを黄金の基準と呼んだでしょう」と切り返した。

 

「いいかしら、ドナルド、あなたは自分自身の現実世界の中に生きていることは知っています。事実はね、私が言ったのは、それが素晴らしい協定になればよい、ということです」。

 

●非難合戦(Blame game

 

トランプは、アメリカには指導者不在で、ヒラリーがその原因であると述べた。

 

トランプは、「私たちには指導者がいません。そして率直に言って、このことはクリントン国務長官から始まっているのです」と述べた。

 

ヒラリーは、「討論会の終わりまで、これまでに起こったこと全てが私のせいにされてしまうように感じています」と切り返し、会場から笑いが起きた。

 

トランプは、聴衆の笑いを誘おうとして、「だってそうじゃないですか?」と言葉を挟んだ。

 

元大統領夫人ヒラリーは続けて、「もっとクレージーなことを言って討論に参加して」と言った。

 

トランプは再びヒラリーの言葉をさえぎって、「我が国の企業がアメリカにおカネを持って帰ってくるようにさせることは何らクレージーなことではないですよ」と述べた。

 

 

●お金、お金、お金(Money, money, money

 

トランプは討論会で繰り返し、ヒラリーが「数百万ドル」を投じて、自分を攻撃するコマーシャルを放映していることを非難した。

 

不動産の賃貸で差別的な取り扱いをしたことに関しての訴訟に関して、トランプは弁明をしなくてはならなかったが、トランプは、ヒラリー陣営が放映しているコマーシャルについて非難し、自分はヒラリーに対するネガティヴな内容のコマーシャルを放映していないと述べた。

 

トランプは次のように語った。「あなたが私を攻撃するために酷い内容のコマーシャルを放映していることは知っています。私はあなたにそんなことをしていません。まぁそれは、お金を節約するためでもあるのですがね」。

 

●「核兵器のボタン」を巡るやり取りが再び(‘Nuclear codes’ line makes a comeback

 

ヒラリーは、核兵器のボタンに関する批判を集めた発言を行ったが、それが月曜日の夜に再び取り上げられたが、新しい展開を見せた。

 

トランプは「勝利し続ける」資質を持っていると主張し、それに対してヒラリーは、トランプが核兵器について「トラブルを起こしやすく」、「騎士」のように単純な態度を取っていると反論した。

 

ヒラリーは「ひとつのツイートだけで激怒してしまうある男性がいますが、核兵器のボタンの近くに彼の指を置かないようにしてもらうべきですよね」と述べ、民主党全国大会の指名受諾演説の一節を繰り返した。

 

「これはまた古いことをおっしゃるものだと申し上げねば」とトランプは応じた。

 

「しかし、面白いでしょう」とヒラリーは切り返した。

 

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荒れた討論会の5つのポイント(Five takeaways from wild debate

 

ジョナサン・イースリー、エイミー・パルネス筆

2016年9月27日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297966-five-takeaways-from-wild-debate

 

侮辱、割り込み、鼻すすり、ルールを守らなかった聴衆。

 

月曜日の夜に行われたドナルド・トランプとヒラリー・クリントンとの間の討論会は期待通りだった。政治の世界で数日間はあれやこれや語られ続ける瞬間をいくつも生み出した。

 

歴史的な衝突の5つのポイントを挙げていく。

 

●ヒラリーは準備をしていた(Clinton came prepared

 

ヒラリーは、数週間かけて、第1回目の討論会の準備をした。何冊もの報告書を読み、側近たちと激しい討論の練習を行った。その中には、長年にわたり、ヒラリーの報道担当と上級顧問を務めたフィリップ・レインズがいた。

 

トランプは、作り込まれていない自分らしさと本能的な対処に自信を持っていた。そして、ヒラリーとは違う形で討論会に備えた。彼はヒラリーの過去の討論会での様子を収めた映像を研究することに力を入れたと報じられている。

 

ヒラリーの準備は引き合ったように見える。彼女は慎重に振る舞った。いささか準備をしすぎていることが分かる場面もあったが、ステージ上をうまく支配し、トランプが場を争うとするときにうまく彼をあしらうことが出来た。

 

あるコメントでは、トランプは討論会前の数日間、準備をするために家にこもったことについて、トランプは馬鹿にしようとした。

 

トランプの話をよく聞き、ノートを取っていたヒラリーは反撃した。「あなたは、今回の討論会に準備をしたことについて私を批判するんですね。そうですね、私は準備をしましたよ。私が何について準備をしたか分かりますか?私は大統領になるための準備もしたのです」。

 

●貿易問題でヒラリーが守勢に(Trade knocked Clinton off her game

 

討論会の最初の30分間、討論は最も盛り上がった。トランプは、貿易問題について語りはじめ、ヒラリーはすぐに守勢に回った。

 

最初の激しいやり取りの中で、トランプはヒラリーに対して、貿易協定を支持したことについて説明を求め、北アメリカ自由貿易協定(NAFTA)を攻撃するときに、夫ビル・クリントン元大統領の名前まで出した。

 

「あなたの夫がNAFTAに署名しました。これはアメリカの製造業にとって最悪の協定です」とトランプは述べた。

 

「それはあなたのご意見ですね。ご自身のね」とヒラリーは答えた。

 

トランプの攻撃のために、ヒラリーは、夫を擁護し、そこからラストベルトでは不人気の貿易協定を擁護するという難しい立場に立たされた。ヒラリーは、夫ビル・クリントンは各種の貿易協定で「素晴らしい業績を残した」と語った。

 

ヒラリーは、「NAFTAがどれくらい機能したか、そして、もう一度機能するようにさせる方法について深く考えています」と述べた。

 

トランプはこのやり取りの後半で、オハイオ州やペンシルヴァニア州の名前を挙げて、「NAFTAによって製造業は30、40、50%も減少してしまいました。NAFTAはこれまでで最悪の貿易協定なのです」と語った。

 

この後、元国務長官ヒラリーは、練習してきたであろう言葉を述べた。「ドナルド、あなたがご自身の作った現実世界の中で生きるのは良いですよ。しかし、それは事実じゃないのです」。

 

トランプは圧力をかけ続け、ヒラリーが最初にTPPを支持していたことを攻撃した。彼は、ヒラリーは後退しただけのことで、TPPについては、もともと「黄金の基準」を呼んだではないかと述べた。この問題はトランプにとって圧倒的に優位に立てる問題だとヒラリーは認識していた。

 

このやり取りはトランプが優位に立った。トランプは選挙戦の最終盤で、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州のような伝統的に民主党が強い各州をひっくり返そうとしている。

 

●出生地に関する陰謀論がトランプにつきまとう(Birtherism will haunt Trump

 

トランプは、最近になってオバマ大統領がアメリカ市民であることを受け入れると明言した。このことで、出生地に関する陰謀論が再燃した。

 

討論会の司会者レスター・ホルトは、なぜ今になってオバマ大統領がアメリカ市民であるという結論を受け入れたのか、昨年まではオバマ大統領の出生地について疑問を提示してきたが、と質問した。トランプは、ヒラリー選対の幹部たちがこの論争を始めたのだとして、ヒラリーに矛先を向けようとした。

 

ヒラリーは、トランプが「人種差別的な出生地に関する虚偽」を述べていたことを批判した。ヒラリーは、彼の発言や行為は、オバマ大統領と、オバマ大統領が大統領に就任したことでプライドを持った数百万のアフリカ系アメリカ人を「傷つける」ことになったと批判した。

 

専門家たちのほとんどは、このやり取りでトランプは失敗したことに同意した。出生地に関する陰謀論は、これから投開票日まで、トランプの弱点となるであろう。

 

●トランプの最後の主張は変化だ(Trump’s closing argument is change

 

これまでの大統領選挙候補者の中で最も常識から外れた候補者であるトランプは、変化の候補者であることに賭けた。

 

月曜日の討論会で話された諸問題で、トランプは政策に関する質問をヒラリーに対する告発に切り替え、ヒラリーの「政治的な失敗」は繰り返されると主張した。

 

貿易問題に関して、トランプは、労働者階級を破壊したNAFTAのような悪い貿易協定に彼女もサインすることになると述べた。

 

人種問題に関して、トランプは、インナーシティは、100年間民主党がコントロールしてきたが、そのために、戦争状態になっていると語った。

 

テロリズムに関して、トランプはヒラリーがISISを創設し、この10年間、ISISを封じ込めようと無駄な努力をしてきたと述べた。

 

怒りを募らせたトランプは、貿易問題でヒラリーを攻撃している最中に、「あなたは、30年間にわたりこんなことをやってきました。それなのになぜ今になって解決策について考えているのですか?」と述べた。

 

選挙戦は接戦で、多くのアメリカ人はトランプが主張を変えていると考えている。

 

一方、ヒラリーは、テレビのリアリティー番組でスターになったトランプは、アメリカに必要な変革をもたらすには、あまりに突飛すぎると主張した。

 

ヒラリーは、「ツイッターの誘惑に負けてしまうような男性には、指を核兵器のボタンから遠ざけておいてもらうべきですよね」と語った。

 

●候補者2人の戦いは熱を帯びていく(They’re just getting warmed up

 

常識で言えば、第1回目の討論会が最も重要なものとなる。しかし、トランプとヒラリーは、10月9日のセントルイス、10月19日のラスヴェガスでの討論会で、更に本気を出して戦うことを示している。

 

候補者2人は、月曜日の夜に数回にわたって激しく渡り合った。トランプはヒラリーに対して貿易で攻撃し、ヒラリーはトランプに対して「出生地に関する陰謀論」で対抗した。しかし、両者はお互いにノックアウトが出来る攻撃を出さなかった。

 

ヒラリーはとても慎重に動き、そのためにトランプが喚き散らすことを許してしまったが、そのために逆に、トランプは長々とした弁明をして自分自身を傷つけることにもなった。トランプはより攻撃的であったが、しかし彼のエネルギーのほとんどは、自身の苦しい弁明と、ヒラリーとホルトの発言を遮ることに費やされた。

 

選挙戦が月曜日に発表された世論調査の結果のまま、つまり接戦のまま続くとすると、候補者たちはより激しく、攻撃的になっていくだろう。

 

トランプは次の討論会では激しい攻撃を行うと既に予告している。

 

討論会の後にCNNの番組で、トランプはビル・クリントンの過去の不倫について質問された。

 

トランプは「次の討論会でお話ししますよ」と語った。

 

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(終わり)









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 古村治彦です。

 

 2016年9月26日(日本時間では27日)にアメリカ大統領選挙の第1回討論会が開催されました。民主党のヒラリー・クリントンと共和党のドナルド・トランプが初めて一対一で対決しました。

 

トランプが青いネクタイ、ヒラリーが赤いスーツと自分の所属政党のシンボルカラーと逆の色(トランプの共和党は赤、ヒラリーの民主党は青)で登場しました。トランプは抑制、ヒラリーは攻勢を意識したものでしょう。

 

討論会ではトランプが自分のペースに持ち込もうと何度もヒラリーの発言を遮って自分の話にしようとしたが、ヒラリーは我慢して切り返しもまぁ上手でした。どちらも大きなミスをしないでうまくまとめた感じで、やや凡戦気味ではあった。

 

ヒラリー側は月曜日にブログで紹介した記事に書かれていることをおおむね守っていたように思われます。9月26日の記事を是非ご参照ください。

 

大統領選挙は両方がこう戦うという意図通りになったが、やはり乱戦に持ち込んだトランプの方がややうまくやったのではないかと思います。討論という点では、ヒラリーが優勢だったことは認めます。しかし、トランプは自分らしさを出していたように思います。

今週の世論調査には討論会についての印象を質問するでしょうが、ヒラリーの時間だと言っているのに、それを無視して自分の言いたい事を話すトランプを有権者がどうとらえるか、具体的には、やり手ととらえるか、傍若無人で嫌悪感を持たれるかを知りたいと思います。

 

司会者のレスター・ホルトは少しビビッていたように思います。最初にトランプとヒラリーから色々と言われて萎縮してしまった感がありました。トランプ側からは、口を挟むなと言われ(これでは司会者の役割を果たせません)、ヒラリー側からは、トランプの発言の真偽をその場で指摘せよと言われました(討論会中にそれを個人の力では不可能です)。それでも大変な事だったと思います。全くかみ合わない二人の討論会の司会者なんて誰もやりたがらないのですから。全体としては、うまくまとめていたと思います。

 

トランプは日本とサウジアラビアを防衛する負担について言及しました。もっと金を払えと言うことのようです。日本のことを考えると、トランプ:アメリカ軍の駐留経費負担の増額、ヒラリー:日米同盟強化(自衛隊の米軍下請化)、ということになるでしょうが、トランプの方が実態を余すところなく伝え、交渉することが出来るでしょう。ただ、日米同盟の実態を知れば、日本側はたまなし野郎ばっかりだったんだなとか言われてしまいそうですが。しかし、そうした動きを許さない勢力に邪魔されるでしょう。

 

私は、トランプが負けた、致命的なミスを犯したとまでは思えませんでした。ヘアスタイルもお互いにきちんとセットされていましたが、最後、トランプは少し乱れており、その点で守勢だったという印象にもなるのかなと思います。

 

それでも次回までにトランプが勢いを挽回するためには、トランプは税金申告書を公開するべきだと思います。そうすれば情勢は変化すると思います。トランプが公開しなければ、第2回目の討論会でもつつかれるでしょう。今までの選挙ではどの候補者もやってきたということでもあります。そうすれば、ヒラリーのEメール問題はFBIと国務省の捜査と調査が入っている以上、ヒラリーは追い詰められます。あと、気になっているのは、今月初めにアサンジがテレビに出演して、ヒラリーに関するリークをすると言っていたことも気になります。いつ出すのか、何が出るのか、これによってトランプが一気に挽回する可能性もあります。

 

アメリカ大統領選挙は、これからも目が離せなくなっていきます。次回は10月9日にセントルイスのワシントン大学(日本ではあまり有名ではありませんが、名門です)で開催されます。

 

(貼り付けはじめ)

 

第1回目の討論会の勝者と敗者(Winners and Losers from the 1st presidential debate

 

クリス・シリーザ筆

2016年9月26日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/09/26/winners-and-losers-from-the-1st-presidential-debate/?hpid=hp_hp-top-table-main_winnerslosers-1115pm%3Ahomepage%2Fstory

 

ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプとの間で大統領選挙の第1回討論会が行われ、この様子は本紙でも取り上げられている。私はツイートをし、ノートを取り、そして、勝者と敗者を決めた。それらについて以下に書く。

 

●勝者たち(Winners

 

・ヒラリー・クリントン:ヒラリーはこの討論会で完璧ではなかった。討論会の中で何回か、彼女は準備をしていることがバレバレで、ロボット的な対応になった。人種関係に関する彼女の答えは、余りにも理性的過ぎて、心がこもっていないように感じた。しかし、ヒラリーは、トランプよりもうまくやった。当然のことだが、ヒラリーはよく準備しており、事実と数字を駆使して、自分の業績を強調し、トランプを叩きのめした。彼女は税金に関してトランプをうまく攻撃した。ヒラリーは、トランプから彼女の資質について攻撃されたことを受けて、対応したがそれはうまかった。彼女の「オバマ大統領はアメリカ生まれではない」という主張に対する答えは、そんなに難しいものではなかったが、うまいものだった。そして、彼女の最大の弱点、国務省で私的なサーヴァーを利用するという決定について、うまく避けることが出来た。彼女は完全なそして率直な謝罪を行った。なんてうまくやったんだ!その後、討論は荒れることなく進んだ。ほぼ全ての面で彼女が勝利したことは明らかだ。

 

・2分割されたスクリーン:討論会中にトランプとヒラリーを一緒に映すことを決めたのは誰か分からない。しかし、誰が決めたのかは問題ではない。とにかく素晴らしい仕事だった!討論会は、政策についての考えだけでなく、性格と資質を明らかにするものだ。2分割されたスクリーンによって、彼ら2人がどんな人間かを明確にし、攻撃されたり、攻撃したりするときに、彼らが神経質になり、攻められている時にどんなふるまいをするかで人柄までわかる。トランプはヒラリーに比べて、2分割されたスクリーンをうまく使えなかった。トランプは大袈裟にため息をつき、大統領にふさわしくない表情を作った。

 

・レスター・ホルト:「ナイトリー・ニュース」のキャスターであるホルトは批判されることになるだろう。その時の批判は、(A)トランプの発言の事実確認が不十分だった、(B)討論会中に気配を消していた、というものになるだろう。(A)のポイントについて言うと、討論会が7時間も続くのなら別だが、討論会のその場で、トランプが言うことの全ての事実確認をすることは不可能だ。(B)のポイントについて言うと、私は討論中にホルトが自分の存在を消したことに拍手を送った。素晴らしい司会者とは人々の記憶に残らないものだ。この点で、彼らは審判のようなものだ。ホルトは、2人の候補者たちが何度も何度も叩き合うのをそのままにしていた。ホルトは、討論会の形式を彼らに強制しようとはしなかったし、彼らが不一致点について議論している時に話題を変えようとしなかった。これこそ彼がやりたかったことに違いない!ホルトがどれほどうまくやったかを示す証拠が欲しいって?明日になれば誰もホルトについて語っていないだろうということを保証する。それこそがホルトにとっての勝利だ。

 

・ツイッター: 私はツイッターを前にしてどのようにして討論会を見ていたのかを覚えていない。そう、確かに私は何度か混乱した。恥ずかしいことだが。そして酷いことだった。だけど、私は、どれほどツイッターを愛しているかを示した。

 

・「大きい・不遜(bigly)」対「大きなリーグ(big league)」論争:私は、トランプは「大きなリーグ(大リーグ)」と言ったと思う。他の人たちには「大きい・不遜」と言ったと言っている。月曜日の夜に、トランプはこのようなことを幾つも言っていた。メリアム・ウェブスターのツイッターは良い仕事をした!

 

●敗者たち(Losers

 

・ドナルド・トランプ:トランプは今回の討論会のために十分な準備をしなかった。トランプは聞かれるだろうと分かっているはずの質問の答えに汲々としていた。これまでの5年間でオバマ大統領がアメリカ生まれではないという子を証明しようとしてきた試みに関する回答は、自動車事故をスローモーションで見ているようだった。どうして税務申告を公開しないのかという質問に対する彼の答えはうまくなかった。イラク戦争に対する立場に関するトランプの説明は事実に反するだけでなく、全く説明になっていなかった。大統領になるための資質に関しては、この点でトランプはヒラリーを打ちのめすチャンスがあったのかもしれない。トランプは自分には大統領になるための最高の資質を持っていると繰り返した。この言葉は終末にヒラリーが演説の中で使ったことだ。(捕捉:自分が最高の資質を持つと自分で言わなければならないのなら、それは最高の資質を持っていないことを意味するのだ。)ヒラリーが使わなかったことでトランプも使わなかったというのが真実だ。彼は「たくさんのろくでなしな人々」というフレーズを使わなかった。彼は、ヒラリーのEメール問題にあまり触れなかった。彼は、「誠実」「信頼に足る」という言葉さえつかなかった。討論が進むにつれて、トランプは自身の最悪の本能を出すようになったように見えた。ヒラリーが話している時に、彼女の言葉を遮り、「正しくない」と叫び続けたが、彼の発言を裏付けるような内容の話をほとんどしなかった。トランプにとっては良い夜という訳にはいかなかった。

 

・ドナルド・トランプのウェブサイト:トランプ陣営の方々にはこのことについてメモを取って欲しいと思う。討論会中にトランプが自分のウェブサイトに言及すれば、それは8000万人の人々をそこに集中させることになるのだから、「交通整理」をして、ウェブサイトがいつでも見られるように準備しておくべきだ。

 

・討論会のステージの背景:2人の候補者たちの後ろに様々な単語を掲載するのが良いアイディアだと考えたのは誰だ?たくさんの筆記体の単語が書かれていた。私は、背景に憲法の文言を掲げることは理論上では良いアイディアと思ったのだと思う。しかし、私たちにとっての最高の哲学者であるホーマー・シンプソン(訳者註:アニメ「ザ・シンプソンズ」の主人公)の言葉を借りると次のようになる。「理論上では、共産主義はうまくいく!」。私にとってはこの背景は見にくかったと思うので、次の討論会では止めてもらいと思う。

 

・聴衆:聴衆を入れるのなら、どうして彼らに対して繰り返し、討論会中に何も言わないようにと呼びかけたのか?私は、大統領選挙の討論会に聴衆を入れるべきかどうか分からない。しかし、聴衆を入れるのであれば、音を立てないようになどと言うべきではない。少しの声援と反応によって、討論会全体が見やすくなるし、より楽しく、より真実味を持つようになる。もし聴衆に対して全く反応させないようにするのなら、何もしゃべらない人を入れるべきだが、そんな人はいないから不可能だ。

 

・400パウンドのハッカーたち:ロシアが民主党全国委員会にハッキングしたという主張に対してトランプは反論した。トランプは、400パウンド(約180キロ)の太ったハッカーがベッドに座ってハッキングをしたのだと主張した。うーん。本当にそうかな?もしそれが本当だとすると、そのハッカーはこんな姿に違いない。

 
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(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22








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 古村治彦です。

 

 日本時間の明日午前中に2016年アメリカ大統領選挙の第1回討論会が行われます。アメリカでは東部時間月曜日午後9時、西海岸では午後6時に生中継され、約1億人が視聴すると言われる一大イヴェントです。

 

 現在のところ、各種世論調査ではヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを若干リードしているという展開ですが、この討論会の結果が選挙戦の最終盤の流れを決めることになるでしょう。

 

 トランプ陣営では、トランプの討論能力に絶対に自信を持っているようです。対ヒラリーということで、ヒラリー役を決めての討論の練習をするということはやっていないようです。一方、ヒラリーの方は、一人の人物をトランプ役にして、討論の練習をしているそうです。その人物にトランプになりきってもらって、激しい言葉遣いをしてもらって、それに対応するという練習を繰り返しているとのことです。

 

 ヒラリー陣営では、トランプの予測不可能な動きにかなり神経質になっているようです。トランプは全く予想もできない角度から、予想もしないことを発現して、その場の雰囲気を自分に有利なように作ることが得意です。ヒラリーは討論会自体数をこなしてきていますが、政治家ばかりを相手にしてきているので、それ以外の人とは初対戦になるわけですから、ナーヴァスになるのは当然と言えるでしょう。

 

 ヒラリー側としては、トランプのペースに引きずり込まれないようにしたい、できたら、トランプの発言は嘘が多いから信用できないということを印象付けたいと考えているようです。ヒラリー陣営側の発言を見ていると、アントニオ猪木対モハメド・アリの異種格闘技戦で、色々と注文を付けてきたアリを彷彿とさせます。

 

 今回の討論会が、猪木対アリのような見方によっては世紀の凡戦とならないようにと願っています。

 

(貼り付けはじめ)

 

コンウェイ:トランプは「討論のベイブ・ルース」のようだ(Conway: Trump like 'Babe Ruth of debating'

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年9月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297663-conway-trump-like-babe-ruth-of-debating

 

ドナルド・トランプの選対責任者ケリアン・コンウェイは日曜日、共和党大統領選挙候補者トランプの討論技術を賞賛し、「トランプは卓越した討論者だ」と述べた。

 

コンウェイはABCの「ディス・ウィーク」に出演し、「ニュート・ギングリッジ氏がうまい表現をしました。連邦下院の元議長は最近、ドナルド・トランプは自分が見てきた中で最高の討論者だと述べました」と語った。

 

コンウェイは「トランプは討論のベイブ・ルースのようです。彼は打席に立って、バットを振って、素晴らしい結果を出すんです」とも述べた。

 

トランプと民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、月曜日の夜の第1回目の討論会において一対一で対峙する。

 

コンウェイは、有権者たちはアメリカが直面している諸問題に関する討論が展開されることを期待していると述べた。

 

コンウェイは、「この討論会は、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンが初めて同じステージに立つ機会になります。有権者は、自分たちが見るもの、聞くものを基にして選択をすることが出来るのです」と語った。

 

「私は、ヒラリー陣営が大変神経質になっていることについて理解できます。それは、ドナルド・トランプは素晴らしいプレゼン能力を示しているからです」とコンウェイは語った。

 

コンウェイはヒラリーを批判し、ヒラリー選対は、「ヒラリーが素晴らしい候補者でない」ことを懸念しているのだと述べた。コンウェイは続けて、アメリカ国民の過半数はヒラリーを嫌い、信頼していないとも述べた。

 

どの世論調査で出される「どの候補者がより誠実で信頼できるか」という質問の結果に関しては、トランプがヒラリーをリードしている。そして、トランプは積極的に選挙活動でアメリカ国内を回り、有権者に諸問題について直接訴えかけている、とコンウェイは述べ、こうした活動によって、ヒラリーとの間で差別化を図っているのだと主張した。

 

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長年のヒラリーの側近レインズが罵詈雑言の飛び交う討論会の練習でトランプ役を務める(Longtime Clinton aide Reines playing Trump in mock debates: reports

 

エリオット・スミロウィッツ筆

2016年9月24日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297579-longtime-clinton-aide-reines-playing-trump-in-mock

 

先週金曜日、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ヒラリー・クリントンと関係が深い民主党幹部のフィリップ・レインズが、ヒラリーの討論会に向けての練習でトランプ役をしていると報じた。

 

記事によると、7月の民主党全国大会終了直後から、ヒラリーの討論の練習のためにレインズがトランプ役になってきたということだ。

 

アル・ゴア元副大統領の下でスタッフとしてレインズと一緒に働いたマイケル・フェルドマンはニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、レインズはトランプ役にぴったりだと述べた。

 

フェルドマンは、「人々が推測している通り、レインズが持っている特徴はトランプ役にピッタリなんです。彼は頭がよく、態度の変更が素早く、自分の役割を果たすことができ、彼女をイライラさせることに躊躇しません」と述べた。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は、レインズを「トランプ氏が好む闘争的で、何でもありの政治の実践者」だと評している。

 

ヒラリーは、2014年に出版した自叙伝『ハード・チョイシズ』の中で、レインズについて「情熱的で、忠誠心に溢れ、口やかましい人物」、「彼は自分の考えをはっきり述べるので信頼している」と書いている。

 

CNNは先週土曜日に、討論の集中的な準備を側近のフーマ・アベディンとジェイク・サリヴァン、そして選対委員長のジョン・ポデスタと行ったと報じた。オバマ大統領のアドヴィザーを務めたロン・クラインとヒラリーの側近カレン・ダンは討論会の練習が盛り上がるように様々な工夫をしていると報じられている。

 

本誌は今週、ヒラリー選対は、複数の人々にトランプ役をやってもらい、口汚く罵る討論

に備える練習を行った。これは、トランプの予測不可能な動きに備えることを目的にしたものだった。

 

複数の報道によると、トランプは伝統的な討論会の準備をしないようにし、ある特定の人物だけがヒラリー役にならないようにしている。

 

先週の複数の報道によると、民主、共和両党の副大統領候補者たちはそれぞれ相手役を務める人物を決めて練習を行っているということだ。

 

共和党の副大統領候補者マイク・ペンスは、討論会の練習で、ウィスコンシン州知事スコット・ウォーカーに民主党の副大統領候補ティム・ケイン役を務めてもらう予定だ。

 

ケインは、討論会の練習で、ワシントンで活動する弁護士で、ヒラリーの長年の盟友ロバート・バーネットにペンス役を務めてもらう予定だ。

 

大統領選挙候補者の第1回目の討論会は月曜日の夜にニューヨークにあるホフストラ大学で行われる。その後2回の討論会は10月前半に行われる。

 

副大統領候補者たちによる討論会は1回だけ行われるが、開催日は10月4日だ。

 

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ヒラリー陣営はレスター・ホルトに対して、トランプの真実ではない発言を押し返すことを求める(Clinton camp urges Lester Holt to push back on false statements from Trump

 

ベン・カミサール筆

2016年9月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297498-clinton-camp-urges-lester-holt-to-push-back-on-false

 

民主党のヒラリー・クリントン選対は、第1回の討論会の司会者レスター・ホルトに対して、月曜日の討論会でドナルド・トランプが真実ではない発言をした場合には、それについてきちんと説明させるように求めた。また記者団に18ページにもなるトランプの嘘をあげつらったパンフレットを配り、トランプを嘘つきだと印象付けようとしている。

 

ヒラリー選対のコミュニケーション部門の責任者ジェニファー・パルミエリは、金曜日に記者団との懇談で次のように語った。「ドナルド・トランプは、誰も訂正しないであろうと踏んで間違った嘘を繰り返すという明らかな行動パターンを示しています」。

 

「彼の行動パターンには特別な注意が必要です。それは、彼の嘘のレヴェルがアメリカ政治史上でもかなり酷いものだからです。トランプは繰り返し、恥ずかしげもなく、有権者に向けて真実を語らないという行動を取っているのです」。

 

パルミエリは続けて、ホルトに対して、月曜日の夜にニューヨークで開催される討論会でのトランプの主張に対して特別の注意を払うように求めた。そして、彼の主張を押し返すことに躊躇しないでほしい、それはヒラリーだけではそれは不可能だからだと述べた。

 

パルミエリは次のように語った。「司会者が討論会の場でドナルド・トランプの口から出る嘘をそのままにしてしまうと、それは、トランプを不公平に有利な立場に置くことになります。この場合、司会者の役割は、討論会の最中にこれらの嘘を明らかにすることだと確信しています」。

 

パルミエリは自分の上司であるヒラリーについて次のように語った。「ヒラリー・クリントンもまたトランプの嘘を指摘するし、彼女の履歴についてトランプが嘘をつく時には反応するでしょう。しかし、ドナルド・トランプがこれまでにどんなに嘘をついてきたとしても、ヒラリー・クリントンにだけは通じませんよ」。

 

ヒラリー、トランプ両陣営共に司会者のホルトを自分の側に取り込もうと試みている。トランプは先週木曜日に、討論中に口を挟まないようにと警告を発した。これは、2012年の討論会の司会者キャンディ・クロウリーがミット・ロムニーのオバマ大統領に対する発言で間違っているものには口を出し、訂正すると決めたことを念頭に置いた行動だ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 2016年9月26日東部標準時21時(日本時間では9月27日10時・サマータイム[デイライト・セイヴィング・タイム]のために時差は13時間)に、第1回目の大統領選挙候補者2名による討論会が開催されます(時間は90分間)。場所はニューヨークにあるホフストラ大学です。ホフストラ大学はユダヤ系の大学で、卒業生には、拙訳『バーナード・マドフ事件』の主人公、バーナード・マドフがいます。

 

 いよいよ一対一で、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンが対決ということになります。選挙戦、最終盤、マラソンで言えば胸突き坂までほぼ並走してきて、いよいよラストスパート、どちらが抜け出すか、それともこのままトラック勝負になるかというところです。

 

 討論会では、トランプの破天荒さにヒラリーがどう対処するかという点が重要になると思います。トランプはこれまでヒラリーが討論会で相手にしてきた人々とはタイプが全く違います。ヒラリーをアマチュアからプロへと順調に実績を重ねたボクサーとすると、トランプは天性で相手をなぎ倒してきた天才型のボクサーであると言えます。ヒラリーがアウトサイドボクシングで得点を重ねようとしても、トランプの一発でノックアウトという可能性が充分にあります。トランプの戦い方には型がないために、準備も難しいでしょう。これまでの戦い方を参考にしても、それから全く外れた戦い方をしてくる可能性もあります。

 

 今回ご紹介する記事では、トランプに共和党予備選挙で敗れた候補者たちの側近たちから話を聞いて、ヒラリーがトランプに対抗するにはどうしたらよいのかということをまとめています。このような記事が書かれるのは、討論会になったら、トランプが天性の攻撃性でヒラリーを追い詰めるのではないか、そしてその方が盛り上がって面白いと多くの人々が考えている証拠だと思います。

 

 トランプに対して予備選挙で一時的にせよ有効な反撃が出来たのが、カーリー・フィオリーナとテッド・クルーズです。この2人の側近は、それぞれ、自分らしくある、そして、トランプの履歴をよく把握するということをポイントに挙げています。

 

 全体としてまとめると、トランプに対峙することはとても難しいことが分かります。「自分らしくいながら、準備を怠らず、政策の面では強みがあるからそこを押しながら、しかし、それが自慢に見えないようにする」、これらのポイントが、ヒラリーがトランプに対抗するためのポイントになるということですが、これを完璧にこなすことはとても難しいことです。

 

 討論会は3回行われますが、第1回目で選挙戦の流れがどのように動くかが分かると思われます。現在のところ、選挙戦は接戦ですが、世論調査の数字を見ると、ヒラリーが若干リードとなっています。私も現在のところは6対4でヒラリーが有利ではないかと思いますが、討論会で一気に流れが変わるということはあります。討論会が初めてテレビ中継されたのは1960年のジョン・F・ケネディ(民主党)対リチャード・ニクソン(共和党)でした。この時、ケネディが清新さと若さをアピールすることに成功し、ニクソンを破りました。

 

 今年の第1回目の討論会、以下の記事に挙げてあるポイントで、ヒラリーがうまくできたかどうかを採点しながら見ると面白いと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプとの討論会をどのように行うかについて、トランプに敗れたライヴァルたちから学ぶ5つのヒント(Five tips from Trump's fallen rivals on how to debate him

 

ベン・カミサール筆

2016年9月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/297278-5-debate-tips-for-clinton-from-trumps-gop-rivals

 

予備選挙でドナルド・トランプと対峙した人たちからの教訓を得よう。彼と討論することは容易なことではない。

 

政治の世界の新参者が共和党大統領選挙候補者となったトランプは、討論会のステージ上で予想以上のパフォーマンスを見せて、16名のライヴァルを蹴散らした。トランプは討論会のステージ上で、個人攻撃と批判を引き起こす主張という予想できない攻撃のミックスによって勝利を得たのだ。

 

トランプは、討論会に関しては、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンに比べて、経験が足りない。しかし、過小評価すべきではない。

 

ここからは、トランプと予備選挙を争ったライヴァルたちの側近たちに、トランプとの討論と敗北を通じて学んだことを語ってもらおう。

 

(1)自分らしさを求め、過度に事前準備をしない(Be authentic, not overly scripted

 

カーリー・フィオリーナは、共和党予備選挙でトランプと戦った唯一の女性候補であった。

 

フィオリーナとトランプは激しくやりやった。トランプは、『ローリング・ストーン』誌とのインタヴューにおいて、ヒューレットパッカード社の元CEOであったフィオリーナについて「彼女の顔は次期大統領にふさわしくない」と発言することで、ジャブを放った。

 

トランプは、インタヴュー中に流れていたニュースでフィオリーナの姿が映り、それを見ながら「あの顔を見てみろよ!あんな奴に誰が投票する?」と発言した。

 

ローリング・ストーンズ誌は、「彼女は女性だし、悪口を言うつもりはないんだ。しかし、みんな見てみろよ。あんな奴が出るなんてまともじゃないだろ?」というトランプの発言を引用していた。

 

トランプの発言は、フィオリーナの外見に関する女性差別主義的な攻撃だと見られた。そして、フィオリーナ陣営は討論会でこのことが取り上げられることになると分かっていた。

 

フィオリーナ選対は、「事前に対応の準備をしなかった、彼女の心からの反撃を信頼していた」と選対委員長だったフランク・サドラーは述べた。

 

討論会で、司会者のCNNのジェイク・タッパーが、トランプのローリンス・ストーンズ誌のコメントについて質問した時、フィオリーナは人々を失望させなかった。

 

CNNが落ち着いたフィオリーナとイライラとして落ち着かないトランプを一緒に映し手いる時、フィオリーナは「トランプ氏の発言の真意についてアメリカ全土の女性たちがしっかりとつかんでいると思います」と反撃した。

 

フィオリーナは討論会のパフォーマンスについて高い評価を受け、短期間だが世論調査の数字が良くなった。これが示しているのは、少なくとも自分らしく振舞い、トランプに対して厳しく対峙することが重要であるということだ。

 

サドラーは「私たちは、最も有効な攻撃は、カーリーがカーリーらしくあることだと確信していました。もし事前に準備をしていたら、うまくいかなかったでしょう」と述べた。

 

サドラーは、「ヒラリーの場合も、彼女らしくあるべきでしょうね。もしトランプに対して事前準備をしたら、うまくいかないでしょうね」とも述べた。

 

事前準備をしないということはヒラリーにとっては容易なことではないだろう。ヒラリーは、公務の「公」の部分について落ち着かないということを認めている。

 

同時に、ヒラリーは素晴らしい討論者であることをこれまで示し続けてきた。彼女が初めて連邦上院議員選挙に出た時、対立候補であった共和党のリック・ラジオは彼女の個人生活について色々と発言したが、ヒラリーは冷静に対応し、政策に特化した発言を続けた。

 

(2)反撃をする、しかし泥沼にはまらないようにする(Push back, but don’t get down into mud

 

予備選挙の討論会で明らかになったのは、トランプは傷つき、泥沼にはまることを恐れないということだ。

 

トランプの放った侮辱の言葉のために、ライヴァルたちは傷つき、反撃するのに苦労した。

 

ニュージャージ州知事クリス・クリスティの長年の側近マイク・ドゥハイムは、トランプがジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事に対して放った、有名な「活力がない」というジャブを取り上げた。この攻撃に対して、ブッシュは反撃することに苦労した。

 

ドゥハイムは、「この種の攻撃に対しては即座にそして直接的に対峙しなくてはいけない」と語った。

 

ヒラリーの場合、彼女の配偶者の不貞行為や彼女自身の健康、更には長年にわたる疑惑に関連した攻撃がなされるだろう。もしくは別のサプライズがあるかもしれない。

 

ドゥハイムは「トランプは誰も言わなかった、ヒラリーの顔のことについて何か言うでしょう。人々は彼女の顔について裏で何か言うことはあるでしょうが、トランプは数千万人の視聴者の前で言うでしょう」と語った。

 

サドラーは、ヒラリーは反撃できる能力を持っていることを見せなくてはならないと語った。

 

サドラーは次のように述べた。「反撃のパンチを繰り出す能力を示すことは、ドナルド・トランプに対する大変有効な戦術です。もし、ヒラリーに対するトランプのコメントが、カーリー・フィオリーナに対するコメントと似たようなものとなれば、それはヒラリーにとって有利なものとなります。そうした発言はアメリカ国民にとっては不快なものとなるでしょうから」。

 

アーカンソー州元知事マイク・ハッカビーの許で働いた後、テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)の大統領予備選挙でクルーズのアドヴァイザーを務めたアリス・スチュワートは、トランプに対峙する最も良い方法は、罵詈雑言で返さないようにすることだ、と語っている。トランプは悪口合戦になると勝利する可能性がぐんと上がる。

 

「討論会の場で彼を罵倒しないことです。諸問題に関して、トランプと対照的な態度を取りながら、個人的な悪口を言わせないようにしなくてはいけません。この方法で、テッド・クルーズは成功しました」とスチュワートは語った。

 

スチュアートは、クルーズがトランプを打ち破ったのは、ウィスコンシン州の予備選挙前の3月初めの討論会で、クルーズが移民に関してトランプと同じように厳しいことが言えるのかという疑問から、トランプが過去にヒラリーやその他の民主党の政治家たちに献金をしていたという事実に対する批判に焦点を移すことが出来たからだと考えている。

 

スチュアートは次のように語った。「テッド・クルーズはトランプの履歴についてよく知っていました。そして、絶好の機会をとらえて、トランプを保守派としての行動をしてこなかった人物と呼んだのです」。

 

クルーズはウィスコンシン州の予備選挙でトランプを破ることが出来た。

 

(3)政策の強みを押し出す(Lean on your policy strength

 

ヒラリーよりも公共政策について知識を持っている人はほとんどいない。この点は、討論会において、彼女がトランプに勝る優位な点である。

 

一対一の雰囲気はヒラリーのこの優位な点を強めるだろうとスチュアートは語っている。スチュアートは、「ヒラリー・クリントンはトランプよりも、政策に関してより包括的な方法で、うまく述べることが出来ます」と語った。

 

ドゥハイムは、「ヒラリーを嫌い」と答える人たちの割合の多さと支持率の関係から考えて、ヒラリーを支持している人たちの多くは、彼女や彼女が候補者であることについて楽観的な見方をしている訳ではないと分析している。しかし、そのような有権者たちは、トランプよりもヒラリーの方が大統領になる準備ができていると考えている可能性があり、討論会はこのような考えを強化する機会となる。

 

ドゥハイムは次のように語っている。「もし人々がヒラリーには投票するが、彼女のことは嫌いだということならば、それは、そういう人々が中身や実質を大事にしているからなんです。より中身を備えた候補者になることによって、ヒラリーの性格などを嫌っている人たちの支持を得ることが出来るようになります」。

 

(4)同時に、お高くとまらないようにする(At the same time, don’t be overly wonky

 

アル・ゴアは、ジョージ・W・ブッシュに比べて威張った感じになった。

 

しかし、2000年の米大統領選挙の共和党候補者ジョージ・W・ブッシュは、その年の大統領選挙本選挙の第一回討論会で、ゴアが大きなため息をついたことで視聴者たちをしらけさせ、ゴアよりも評価を高めた。

 

ヒラリーの側には、トランプに対して、大学教授や友達になりたくないタイプの人のように見られるというリスクがある。

 

ヴィンセント・ハリスはランド・ポール連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)の補佐役を務め、トランプ選対で短期間インターネット関係の仕事をしていた。ハリスは次のように語った。「ヒラリーが視聴者に向けてたくさん話そうとすると、空気が読めない人だと思われてしまうでしょう。私たちは平均的な有権者がどのような人なのかということを常に念頭に置いておかねばなりません。平均的な有権者は、選挙で取り上げられる諸問題に関して知識など持っていないのです」。

 

ハリスは続けて次のように語った。「ヒラリー・クリントン元国務長官が“私はまじめで、政治の知識も豊富だ”という形でアピールしようとすると、トランプが彼女について述べた特徴を示すことになって、自分自身にダメージを与えることになるでしょう。トランプがヒラリーについて言った言葉、それは、“システムの生み出した生物”というものです」。

 

(5)相手が弱いと油断したまま準備をしないこと(Don’t prepare for a weak opponent

 

討論会が行われる月曜日の夜には、トランプにとって最高のレヴェルの討論と一対一の政治イヴェントが行われる。そのことは彼にとって不利に働くことになると考える人もいるだろう。しかし、共和党の予備選挙でのパフォーマンスを見て、ライヴァルの側近だった人たちは、生まれながらのショーマンを過小評価することに警告を発している。

 

トランプと予備選挙を戦ったライヴァルたちの多くは、討論会を通じて、トランプは勝利のチャンスを失っていくだろうと考えていた。それは彼を待ち受けていたのは、政治の世界で長年生き残ってきたライヴァルたちで、彼らにコテンパンにされるだろうと考えていたからだ。しかし、そうした予想に反して、トランプは討論会で勝利を収めた。討論会の後、専門家たちはトランプのやり方に首をひねっていた。それでも彼は勝利を収めた。

 

ハッカビーの選対幹部を務め、現在は親トランプのスーパーPACで働くJ・ホーガン・ギドリーは、「私たちは他のスタッフたちに話していたし、ステージ裏で候補者同士が話していたのですが、皆がドナルド・トランプは討論会でうまくやれなかったと考えていました。しかし、有権者のほとんどは彼が勝ったと考えたのです」と語った。

 

トランプが勝利を得たという印象が出来上がったのは、彼がテレビ画面の中でリラックスしていただからだ。

 

クリスティの側近ドゥハイムは次のように語った。「トランプはカリスマ性を備えた人物です。人々の注目を集めたがります。テレビのスポットライトや聴衆の多さにたじろぐことはありません。それどころか、それらのために気分が乗って来るでしょう」。

 

トランプの行動は全くもって予想がつかない。これによってヒラリー側の準備は複雑なものとなる。クリントンの側近は本誌に対して、「彼女は、トランプの“複数の人格”に備えている」と語った。

 

ドゥハイムは、「トランプの“万能ぶり”のために、ヒラリー側は全く“安心”できないだろう」と述べた。

 

ドゥハイムは「トランプは攻撃的になることもできるが、他の討論会では賢く、抑制的に振る舞ったこともありました」と語った。

 

ドゥハイムは最後に次のように語った。「討論会の前に、計画を立て、シミュレーションを行うことが出来ますが、それはたかが知れています。討論会の結果は、候補者自身の力量にかかっているのです」。

 

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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙も残り50日を切り、最後の最後のラストスパートという状況になっています。今のところ、接戦ですが、世論調査の数字では、ヒラリーがややリードという状況になっています。9月26日(日本の時間では9月27日)に第一回目の討論会が予定されています。

 

 ここまでくれば、両陣営があらゆる方向からの攻撃を行うことになります。トランプ側は、ヒラリーのEメール問題と健康問題を攻め、ヒラリー側は、トランプの税金とロシア関係について攻撃を行っています。

 

 連邦議会の共和党幹部たちは、ヒラリーのEメール問題とクリントン財団の問題についてFBIに捜査するように求めましたが、民主党側では、トランプ陣営とロシアとの関係について捜査するように求めているということです。

 

 FBIもトランプ陣営のロシアとの関係については関心を持っているという内容の報道ですが、これを見ていると、民主党とヒラリーがロシアを敵視しており、ヒラリー政権が誕生した場合には、ロシアに対して経済制裁以上の対応を行うのではないかと危惧されます。

 

 日本では安倍晋三首相がロシアのプーティン大統領との間で信頼関係を築きつつ、北方領土問題の解決を図ろうとしています。1956年の鳩山一郎首相の下で行われた日ソ交渉では、アメリカのジョン・フォスター・ダレス国務長官が歯舞と色丹の2島返還でまとまりかけていたところに、邪魔をして、「4島返還でなければ沖縄を返還しない」と述べ、それ以降、北方領土問題の解決の大きな足かせとなっています。

 

 先日、ニューヨークで安倍首相とヒラリー・クリントンが会談を持ちました。ヒラリーが安倍首相の滞在先のホテルを表敬の意味で訪問するという形になりました。この会談では、TPPについて話し合われたようですが、北方領土問題について話はなかったと思われますが、ヒラリーとしては、ダレスと同じく、日露間にしこりを残しておきたいということもあって、大統領になれば色々と干渉してくるでしょう。ですから、今年12月の安倍首相とプーティン大統領との会談である程度の方向性が見えればと思います。しかし、4島返還論が主流である以上、問題解決は難しいとも思われます。

 

(貼りつけはじめ)

 

アメリカの諜報機関がトランプのアドヴァイザーがロシアとつながっていると疑う(Report: Intelligence officials probing Trump adviser's ties to Russia

 

ハーパー・ニーディグ筆

2016年9月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297507-report-trump-adviser-being-investigated-for-ties-to

 

金曜日、アメリカの諜報機関が、ドナルド・トランプの外交政策アドヴァイザーが、ロシアとの間に深いつながりがあるとして調査を行っている、とヤフー・ニュースが報じた。

 

今年3月にトランプ陣営が発表した外交政策アドヴァイザーの名簿にも名前があった、カーター・ペイジがその人物である。ペイジはロシアを拠点にしてメリルリンチに勤務していた銀行家で、今でもロシアとの間にビジネス上の様々な関係を持っている。

 

アメリカの諜報機関は、ペイジがロシア政府の高官たちと私的な連絡のためのラインを開設していて、経済制裁の解除について話し合っているのではないかと疑っていると報じられた。

 

この問題について議会で説明を行った複数の人々によると、ペイジのロシアとの関係と取引は連邦議会に対する説明事項でも高い関心を集めるものだ、ということだ。

 

連邦上院民主党院内総務のハリー・リード連邦上院議員(ネヴァダ州選出、民主党)は、今年の夏に、ペイジがモスクワで「経済制裁の対象となる重要な人物たち」と会談を持ったという説明を議会で受けた後、ジェイムズ・コミーFBI長官に対して、書簡を送ったと報じられた。この書簡の中で、リード議員は捜査と、トランプ選対とクレムリ(ロシア政府)との間に「重要なそして不穏な関係」の証拠を集めるように求めたと報じられた。

 

連邦下院の民主党幹部たちも、FBIに対して、トランプの側近の中に、ロシアが行った民主党の様々なグループに対するハッキングに対して手助けをした人物がいなかったかどうかを捜査するように求めた。

 

ある議会関係者はヤフーに対して、アメリカ政府関係者は、ペイジとロシアとの関係についての複数の報告については「積極的に見守っており、調査を行っている」と述べた。

 

今年8月、トランプの報道担当ホープ・ヒックスはロイター通信に対して、「ペイジは非公式なアドヴァイザー」だと述べた。しかし、もう一人の報道担当スティーヴン・チェンは金曜日に本誌の取材に対して、「ペイジは何の役割も果たしていない」と答えた。

 

ヤフーの記事について質問したところ、トランプのマスコミ担当ジェイソン・ミラーは、本誌に対して、「ペイジはトランプ選対の一員であったことはない。以上」と答えた。

 

ミラーは次のように語った。「ペイジ氏は現在アドヴァイザーではないし、選対に何の貢献もしていません。私は彼と話したこともなく、私の隣に座っていても彼がペイジ氏であることに気付きもしないでしょう」。

 

それではペイジが過去にアドヴィザーとされていたのかと質問したが、ミラーは返答しなかった。

 

声明の中で、ヒラリー・クリントンの報道担当グレン・キャプリンは、ヤフーの記事内容は「背筋が寒くなる」と述べている。

 

声明は次のようなものだ。「アメリカ政治においてこれまでこのようなことを目にしたことはなかった。ドナルド・トランプの意思決定を本当は何が動かしているのかということについて毎日疑念が高まっていく。アメリカ国民の利益なのか、彼自身の利益なのか、分からない状況だ。トランプは即座にビジネス上の関係と外国との関係について全てを公開する必要がある。そうすることで、有権者は自分たちで判断を下すことが出来る」。

 

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(終わり)








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 古村治彦です。

 

 アメリカの一部で「トランプが選挙資金を使って自分の会社の利益になるようにするに違いない」という批判がこれまでもあったということを不明ながら今頃になって知りました。そして、これについての具体的な内容が出てきました。

 

 トランプの選挙支出約1億1900万ドル(約120億円)のうちの7%ほど、約820万ドル(約8億4000万円)がトランプ関連の会社に支払われたそうです。トランプタワーの事務スペースの賃貸料、トランプの会社の社員たちが選挙の手伝いをした分の報酬などがそれにあたるということです。

 

 トランプの選挙支出約120億円は大変な額のようですが、ヒラリーの支出額は約3億500万ドル(約310億円)と、トランプの2.5倍に達します。選挙資金では、ヒラリーはトランプに圧勝しています。トランプは選挙戦に自己資金約5400万ドル(約55億円)を投じていますが、ヒラリーは約120万ドル(約1億3000万円)しか投じていません。

 

 トランプが5400万ドルの自己資金を投じ、それに対して、選挙資金の820万ドルをトランプの会社に支払ったとなると、単純に言えば、約4600万ドル分の「赤字」ということになります。ただ、トランプが使っているお金の額と現在の情勢を考えると、トランプの方が「効率的、効果的」におカネを使っていると言うことが出来ます。ただ、最後に勝たなければ意味はありませんが。

 

 今回の記事は埋め草程度の内容でしたが、今回の大統領選挙の資金について調べる契機になったという点では興味深い内容でした。

 

(貼りつけはじめ)

 

分析:トランプ選対はトランプの会社に800万ドルを支出(Analysis: Trump campaign has paid $8 million to his businesses

 

ジェシー・バイルネス筆

2016年9月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/297193-analysis-trump-campaign-has-paid-his-businesses-82m

 

最新の分析によると、ドナルド・トランプの選対は、トランプ一族の企業に対して820万ドル以上を支払っていることが分かった。

 

『ポリティコ』誌は、木曜日に選挙資金報告を引用しながら、トランプ陣営がこれまで使った選挙資金は総額で1億1900万ドルであり、トランプ一族の企業に支払った金額はそのうちの約7%を占めていると報じている。

 

ポリティコ誌の報道によると、トランプ選対は、トランプの企業に対して、選対の各地事務所の賃貸などで130万ドル、会合や選挙イヴェントの食事や装備に54万4000ドル、選挙活動に対する会社の社員たちの手伝いに33万3000ドルを支出していることが分かった。

 

共和党大統領選挙候補者トランプはこれまで、自分の会社の不動産やサーヴィスを選挙戦に利用することに関して、人々の関心を集め、精査されてきた。人々は、「トランプが選挙資金を使って、自分の会社に利益を与える、もしくは自分の持っている高級なホテルなどで選挙イヴェントを行うのではないか」という疑念を持っている。トランプは先週、ワシントンに新たにオープンさせた自分のホテルで豪華なパーティーを開いた。

 

ポリティコ誌によると、トランプ選対の支出の大部分の約600万ドルは、「タグ・エアー」に支払われていたということだ。この会社は、トランプのプライヴェートジェットの運航会社で、トランプはプライヴェートジェットを使って、選挙イヴェントのために全国を飛び回っている。

 

ポリティコ誌によると、連邦選挙管理委員会(FEC)が出している連邦選挙資金報告書には、トランプ自身の会社の社員と賃貸にかかった50万ドル分はトランプ選対に寄付という形で処理されているということだ。

 

民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは今年6月に、トランプに対して「彼の乏しい選挙資金を自分自身に使っている、今年の夏初めの報告書によると、数百万ドルの選挙資金を彼自身の会社の製品とサーヴィスに支出していた」と批判した。

 

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(終わり)

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22





 

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 古村治彦です。

 

 私が翻訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年12月)ですが、今年前半には多くの方々に注目をいただきました。その後、共和党の大統領選挙候補者にドナルド・トランプがなり、トランプ不支持と大統領選挙への不関与を発表したコーク兄弟に対する注目はアメリカ国内でも少なくなっています。

 

 コーク兄弟が注目されたのは、オバマ大統領の誕生とともに始まった、草の根保守運動「ティーパーティー運動」のパトロンであり、反オバマ的な姿勢を取る政治家たちのスポンサーになったことです。自然発生したと思われていたティーパーティー運動にパトロンがいたこと、クリス・クリスティ、スコット・ウォーカー、テッド・クルーズ、マルコ・ルビオ、ランド・ポールといった共和党の若手大物政治家たち(全員が共和党の予備選挙に立候補経験があり)のスポンサーになっていたことで、アメリカでも注目度が低かったコーク兄弟に注目が集まりました。

 

 コーク兄弟の思想は、リバータリアニズムと呼ばれるもので、個人主義を基本として、これは大きな政府に反対し、反福祉、反税金で、市場の機能に任せることで経済がうまくいくという思想です。リバータリアニズムの思想は、経営者たちに受けが良いものです。トランプが語っている内容もリバータリアニズムに近いものです。しかし、コーク兄弟は、同じ経営者であるトランプに対しては不支持を表明しました。その理由として、トランプのイスラム教徒の入国禁止やメキシコ国境の壁建設が人種差別的であることを挙げています。コーク兄弟、特に兄のチャールズは、社会的に争点になっている点についてはリベラルで、個人主義を援用して、同性間の結婚や中絶に賛成しています。

 

 トランプの支持者の中にもリバータリアンがたくさんいます。ランド・ポール連邦上院議員が予備選挙で脱落した後、彼を支持したリバータリアンたちは大挙してトランプ支持になりました。同じリバータリアンがコーク兄弟とは違う行動を取ったことになります。

 

 どうしてこういうことが起きたかと言うと、リバータリアニズムの中に分裂があるためです。トランプを支持するリバータリアンが信奉しているのは、パレオ・リバータリアニズムと呼ばれるものです。これは、アメリカの社会的価値観や規範を重視する考え方です。考えてみると、リバータリアニズムは個人主義に依拠していますから、保守的な価値観や規範と対立することになります。このパレオ・リバータリアニズムこそがアメリカの土着の保守思想です。コーク兄弟の兄チャールズは経済学や政治学の本を山のように読み、自分の思想を築き上げてきた人物です。いわば、学問的なリバータリアニズムを学んだ人物です。学問的な、洗練されたリバータリアニズムと、土着のリバータリアニズムの違いについては、これからしっかり研究しておかねばならないテーマだと思います、

 

 今回のアメリカ大統領選挙では、オルト・ライトやパレオ・リバータリアニズムという言葉に注目が集まりました。アメリカ政治思想の研究に、これらの思想の研究も加えていく必要があります。

 

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コーク兄弟率いるネットワークが拡大を計画(Koch network plans major expansion

 

ジョナサン・スワン筆

2016年9月16日

『ザ・ヒル』誌

By Jonathan Swan

http://thehill.com/blogs/ballot-box/296392-koch-network-plans-major-expansion

 

大富豪チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークのコーク兄弟が率いている保守系ネットワークが、復員軍人、若者、ヒスパニックを対象にしての長期にわたる活動を劇的に増大させようと計画している。

 

ネットワークの報道担当ジェイムズ・デイヴィスは、「2017年1月末までに、コーク兄弟に関係する諸機関が35の州で、これら3つのグループに関わる活動を行うようにする」と述べた。

 

デイヴィスによると、現在のところ、コーク兄弟に関係する3つの組織「コンサーンド・ヴェテランズ・フォ・アメリカ」は16州、「ジェネレイション・オポチュニティ」は4州、「リブレ・イニシアティヴ」は10州に事務所を構えている、ということだ。

 

今年の大統領選挙後に活動の幅を拡大するにあたり、コーク兄弟は、彼らが率いる組織の中で最大の規模を誇る「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ(AFP)」が既に35州で活動を展開していることを利用するだろう。上記の3つの組織は、それぞれの名前を名乗りながら、最初のうちはAFPの各事務所の一部を間借りすることになるだろう。

 

活動の拡大に伴って、ネットワークでは1200名の現場スタッフを新たに雇用することになるだろうと言われているが、報道担当デイヴィスは、活動拡大に伴うコスト、人員の拡大、事務所の引っ越しなどでお金がいくらかかるのかを推計するのは時期尚早だとしている。

 

まとめると、2018年の中間選挙に向けて、コーク兄弟率いるネットワークの影響力が大きくなることが予想される。

 

これから11月8日の大統領選挙投開票日まで、コーク兄弟は何も大きな動きを起こさないだろう。彼らは大統領選挙に1セントも出さないだろう。彼らは共和党の大統領選挙候補者ドナルド・トランプとの間で政策に関する考えで不一致を抱えている。しかし、コーク兄弟は連邦上院議員選挙に力を入れ、思い通りの結果を得られる可能性がある。彼らは2億5000万ドルの予算の大部分を投入して、共和党に連邦議会での過半数を維持させようとしている。

 

先週初めに本誌が報じたように、コーク兄弟のネットワークはテレビCMを中心とする戦術から離れ、連邦上院議員選挙で共和党と民主党が激しく争っている8つの州でこれまで行ってきた地元に密着した運動をこれまでで最大規模に拡大して行っている。

 

フロリダ州、オハイオ州、インディアナ州、ミズーリ州、ノースカロライナ州、ネヴァダ州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州で、まだどちらに投票するか決めていない有権者500万人に対して、戸別訪問、電話、ダイレクトメールに数百万ドルを投じている。

 

コーク兄弟率いるネットワークは、4年おきの選挙のサイクルを超えて、それよりも長い期間での目標を掲げている。それは、アメリカ全土で長期間にわたり活動が出来る拠点を構築し、アメリカ政治を根本的に変革しようというものだ。

 

これまでのコーク兄弟率いるネットワークの野望は、政府の支出と規制を減らすこと、税金を安くすること、地方、中央全ての政府の規模を劇的に縮小することである。

 

コーク兄弟は、オバマ大統領が掲げた政策のほぼすべてに反対してきた。刑法犯罪に関する改革はその中では例外で、これに関しては、コーク兄弟とオバマ政権は予想外の共同歩調を取った。多くの共和党員がオバマケアの撤回を諦める中で、コーク兄弟の率いるネットワークは、大統領が署名して成立した法律の撤回を本気で求めている。

 

こうした目標を達成するために、コーク兄弟率いるネットワークは、圧倒的大部分が民主党を支持している有権者のグループに関与しようとしている。

 

コーク兄弟の率いるネットワークは、数百万ドルを投じて、若者とヒスパニックに向けたアウトリーチを行っている。そして、貧困救済プログラムへも投資を行い、彼らの考えをアフリカ系アメリカ人に届けようとしている。

 

活動範囲の変化に伴い、コンサーンド・ヴェテランズ・フォ・アメリカとリブレ・イニシアティヴは、36の州に進出するだろう。前述のデイヴィスは、コンサーンド・ヴェテランズ・フォ・アメリカとリブレ・イニシアティヴだけが活動しているニューメキシコ州に、AFPとジェネレイション・オポチュニティも進出と述べた。

 

デイヴィスは続けて次のように語った。「私たちは2017年とその先を見据えています。このように活動の範囲を拡大することで、選挙の結果がどのようになっても我が国ではこれからもリーダーシップが求められる中で、私たちが政策の面でリードする立場に立てるようになるでしょう」。

 

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 古村治彦です。

 

 健康問題もあって支持率を下げていたヒラリーですが、少し盛り返しつつあります。各種世論調査では、トランプが失速した8月ほどの勢いではありませんが、少しずつ盛り返しています。ヒラリーもトランプも、どの世論調査でも「好きですか、嫌いですか」の質問の答えで「嫌い」が上回る(好き嫌いの数字の差はトランプの方が大きい)という、「不人気者」同士の戦いとなっており、積極的に応援するという人たちはどちらの候補にも少なくて、「どちらかを選ばないといけないのか、嫌だなぁ」という人が多いということになります。

 

 共和党のエスタブリッシュメントからヒラリー支持、もしくはトランプ不支持を表明する人が出ていますが、ブッシュ家は全体として、トランプ不支持で、前大統領が2人もいながら7月の党大会に出席しませんでした。そして、今回、ジョン・F・ケネディ元大統領の弟で、こちらも暗殺されたロバート・ケネディの娘がジョージ・HW・ブッシュ(父)元大統領と一緒に写っている写真をフェイスブックに投稿し、それに「元大統領はヒラリーに投票するって!!」という慎みのないキャプションをつけました。こういうことには慎重さが必要ですし、他人が政治的に重要な人物を使って、このような行動を取ることは許されません。

 

 ブッシュ元大統領側では「大統領選挙について何も言わない」と発表しました。考えてみれば、ブッシュ元大統領は2期目を目指しながら、ビル・クリントンに敗れ、現職大統領が新人に負けるという屈辱を味わいました。民主党、しかも自分が敗れた相手の布陣を応援することはできないでしょう。しかし、トランプとは肌合いが違うのでこちらも支持できないということになります。

 

 今回の大統領選挙は、どうもマイナスの方向にばかり触れて、明るい要素は見えず、「アメリカ帝国」の終焉をよく示していると考えます。

 

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世論調査:ヒラリーは全国規模でのリードを5ポイントに回復(Poll: Clinton regains 5-point lead nationally

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年9月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/296778-poll-clinton-regains-five-point-lead-over-trump

 

ヒラリー・クリントンは、先週世論調査で悪い結果が続いていたが、今週になって盛り返している。火曜日の朝に発表された最新の全国世論調査の結果では、ヒラリーはドナルド・トランプに対して5ポイントの差を回復していた。

 

NBCニュースの世論調査によると、投票に行くと答えた有権者の50%がヒラリーを支持し、45%がトランプを支持した。

 

先週の同社の世論調査では、ヒラリー48%、トランプ44%の支持率だった。

 

第三党の候補者たちを調査に入れても、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンの支持は5ポイントのリードを維持している。この場合、ヒラリーの支持率は45%、トランプは40%、リバータリアン党のゲイリー・ジョンソンは10%、緑の党ジル・スタインは4%だ。

 

全有権者を対象にすると、ヒラリーはリードを6ポイントに広げた。支持率はヒラリーで49%、トランプで43%である。

 

この世論調査は2016年9月12日から18日かけて、インターネット上で有権者登録をしていると申告した14326名を対象に行われた。この中で選挙に行くと答えた人の数は13320名であった。

 

今回の世論調査の誤差の範囲は±1.2%である。

 

今週になって、ヒラリーは世論調査の数字を落としていた。全国世論調査の結果の平均では、ヒラリーはトランプに対して1.3ポイントの差をつけているとなっている。先月は6ポイントの差であった。

 

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ジョージ・HW・ブッシュがヒラリー・クリントンに投票?(George H.W. Bush voting for Clinton?

 

ハーパー・ニーディグ筆

2016年9月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/296776-report-george-hw-bush-to-vote-for-clinton

 

ジョージ・HW・ブッシュ元大統領(共和党)は11月の大統領選挙でヒラリー・クリントンに投票する予定だ、とロバート・F・ケネディの娘がフェイスブックに投稿した。

 

2016年9月19日、『ポリティコ』誌は、この投稿は、キャスリーン・ハーティントン・ケネディ・タウンゼントメリーランド州元副知事が投稿したと報じた。

 

ケネディは、キャスリーン・ケネディがブッシュと握手している写真を投稿した。それにつけたキャプションには、「元大統領は私に、ヒラリーに投票すると言ったの!!」と書かれていた。

 

ブッシュの報道担当ジム・マグラスは『ポリティコ』誌の取材に対してEメールで回答し、元大統領の投票については公開されないと述べている。

 

マグラスは次のように書いている。「一般の有権者としてブッシュ元大統領は約50日後に投票を行うが、その中身についてはこれからの50日で公開されることはない。ブッシュ元大統領は大統領選挙当日まで選挙戦についてコメントしない」。

 

父と息子の両ブッシュ政権の幹部だった人物たちの多くが、共和党の候補ドナルド・トランプではなく、民主党のヒラリー・クリントンを支持し、投票する意図を持っているという発表を行っている。彼らがこのような発表を行っているのは、彼らがドナルド・トランプを嫌っているからだ。

 

(貼り付け終わり)

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22





 
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 古村治彦です。

 急なお知らせで恐縮ですが、今週土曜日(2016年9月24日・土曜日)18時から、アメリカ大統領選挙についてお話をさせていただく機会をいただきました。有志の方の企画です。

 ↓以下のアドレスを覗いてみてくださいませ。宜しくお願い申し上げます。↓

https://www.facebook.com/americaseiji/?__mref=message_bubble







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