古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2016年12月

 古村治彦です。

 

 先日、安倍晋三首相がバラク・オバマ米大統領と共にハワイのパールハーバーを訪問しました。「謝罪」ではなく、「慰霊」のための訪問ということでした。そして、2人は演説を行いました。

 

安倍首相の演説では、和解、友情といった言葉が並べ立てられていましたが、全く心に響きませんでした。日本の演説の中に、わざわざ英語の「power of reconciliation」「the Brave respect the brave」を入れたのは、この点をアメリカ人にも分かって欲しかったからだと思われますが、「和解の力」「勇者は勇者に敬意を表する」というのは、いかにもアメリカ人に媚びた言葉であると思います。

 

 安倍首相はここから始まった戦いとも述べましたが、1941年12月8日は、15年間も続いた、アジア・太平洋戦争の終幕の最後の約4年間ということになります。それ以前の11年間に日本は既に多くの犠牲をだし、かつ多くの犠牲を強いていました。この11年間の戦いに関する和解は進んでいるかと言えばそれは残念ながら続いていません。ハワイのパールハーバーという軍港を宣戦布告なしに攻撃したことは卑怯なことですが、それ以上に、謀略や恫喝を駆使して満州から華北地域を侵略し、占領したということははるかに多くの犠牲と傷を中国に強いました。日本軍は立派だった、日本が支配した方が良かったなどと言うのは欺瞞であって、それは戦後日本に進駐してきたアメリカ軍が立派だった、アメリカの支配が良かったという心性の裏返しに他なりません。

 

 安倍首相が仕えた小泉純一郎元首相でさえ(と敢えて書きますが)、謝罪はしませんでしたが、盧溝橋事件の現場を訪れました。安倍首相が戦後を終わらせると大見得を切るのなら、ある意味では「楽な道」であるアメリカとの和解演出などではなく、北方領土問題やアジア諸国との和解を行うべきですが、そちらはうまくいっていないというのが現状です。

 

安倍首相のパールハーバー訪問が終了するのを待っていたかのように、今村雅弘復興相が靖国神社を参拝しました。そして、「時期が重なった安倍晋三首相の米ハワイ・真珠湾での慰霊に関し『(み霊に)報告しておいた』と語った」ということです。また、ハワイから帰国したばかりの稲田朋美防衛相が靖国神社を参拝しました。

 

 国内リヴィジョニストにしてみれば、してやったりでしょうし、既に退任まで1カ月を切っているオバマ政権は怖くないのですから、こういうことができたのでしょう。安倍首相をはじめとする人々は、「次のトランプ大統領は日本の防衛負担の増加や核武装の可能性まで言及した。これを利用して日本の防衛予算の増大と核武装の準備も行えばよい」と単純な頭で考えているようです。米中露韓北朝鮮台湾に囲まれた中で、日本が貧乏くじを引かされないために、最悪の事態に追い込まれないために、アメリカの政権交代を利用して何ができるかという思考が、日本の軍事力強化ではあまりにも単純すぎる話です。

 

2017年、超大国アメリカの指導者がドナルド・トランプに代わります。トランプは、オバマ政権とは違う新機軸を打ち出そうとしています。外交面で言えば、オバマ民主党政権を結局のところ引きずっていってしまった、人道的介入主義派の政策とは違う、リアリズム(現実主義)的、アイソレーショニズム(アメリカ国内問題解決優先主義)的政策を実施することになるでしょう。世界各国に介入・干渉することを手控えるようになるでしょう。そして、アメリカとは体制が違う国々、具体的には中国とロシアとの関係を改善していくことになります。もちろん、何でも仲良しという関係にはなりませんし、貿易問題や資源問題などではバチバチやり合うことになるでしょう。そのためには大変複雑で難しい駆け引きが行われるでしょう。その一環として、トランプは台湾に肩入れする姿勢を見せ、中国を慌てさせながら、中国のアメリカにおける代言者とも言うべき、ヘンリー・キッシンジャーを重用し、汗をかいてもらうことをしています。「相手とは最終的な手切れにならないようにし、基本的に仲良くしながら、しかし、安心させない」ということをやっているように思います。

 

そうした中で、トランプに最初に会談相手に「選ばれ(御しやすい、ちょっと強く言えばアメリカの軍需産業から戦闘機やらを買うだろうと値踏みされて)」、オバマ大統領には広島に行ってやったのだからお前はハワイに来いと言われればホイホイと行って、和解だ、友情だの薄っぺらい三文芝居をやりながら、「これでお許しが出たし、国内向けのこともある」と閣僚が2人早速靖国神社に訪問する、中国との関係は改善の兆しも見えない。ロシアのプーティン大統領を日本に招きながら懸案の北方領土問題で、大見得を切った割には何も進展させることができなった。アメリカ、中国、ロシア、台湾、韓国といった国々に囲まれて、丁々発止の複雑な外交交渉や政策を実施して、国益を守らねばならないというのに、この程度の指導者をいただきながら、抱えながら、私たちは2017年を迎えなければならない、というのは何とも悲しいことです。

 

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22


 

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 古村治彦です。

 

 ジョー・バイデン副大統領がヒラリー・クリントン敗北の理由として、「彼女自身がどうして選挙戦を戦っているのか分かっていなかった」ということを挙げています。大変ユニークな分析です。

 

 ヒラリーは女性で初めて大統領になるチャンスがある人物として大統領選挙に出馬する責務があると感じてはいたが、有権者に対して語りかけが足りなかった、有権者の声を聞くことが足りなかった、とバイデンは言っています。そして、人々の不満や恐怖心を聞く政党であった民主党がエリート主義になっていたと反省の弁を述べています。

 

 確かに、ヒラリーは能力が十分にあったでしょう。しかし、有権者のためではなく、自分のために選挙に出た、そして、有権者を向かないで、有権者の見ているものを見ないで選挙戦を戦ったということなのでしょう。上滑りする綺麗ごとばかりを、女性初の大統領になるという浮ついた気持ちで語ったところで、今本当に困っている人々には何のアピールにもならなかったのです。ヒラリーが勝利した州は民主党が強い州で、そこでは、誰が出ても民主党の候補者が勝利できたでしょう。しかし、それだけでは勝利はできません。トランプが勝利した州は共和党が自動的に勝つ州にプラスして、人々の不満や恐怖心が渦巻いていた州でした。

 

 政治家が選挙に通って権力を握る、ということは自己利益実現の最たるものです。しかし、それを露骨にやる、もしくは見えてしまうと、その自己利益実現はできないのです。ヒラリーは自分とだけ格闘し、周囲は見えていなかった、だから、自分というものを押し付けることで有権者は拒絶反応を示したということでしょう。

 

 トランプは「アメリカ・ファースト」というスローガンを掲げました。そして、「今苦境の中にいると不満や狂信を持っているアメリカ国民よ、このアメリカはあなた方のことだ」というメッセージを送ることに成功しました。トランプは非常に利己的で、自己中心的のように思われ、実際にそうなのでしょうが、選挙に勝つという自己利益実現に成功しました。見た目では、ヒラリーは謙虚・抑制的(トランプに比べて、ですが)、トランプは我儘・勝手なのに、人々はヒラリーに自己中心、押しつけ、独りよがり、自分たちのことを見ていないということを感じて忌避しました。

 

 こういうことは私たち自身にも置きかえて教訓として活かすことができると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

バイデン:ヒラリー・クリントンはどうして選挙戦を戦っているのかを理解していなかった(Biden: Clinton never figured out why she was running

 

ジョーダン・ファビアン筆

2016年12月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/311591-biden-clinton-never-figured-out-why-she-was-running

 

バイデン副大統領は、ヒラリー・クリントンは大統領選挙で敗れたが、その理由の1つは、ヒラリーが大統領選挙に出馬している理由を彼女自身が理解していなかったことが挙げられると確信していると述べた。

 

木曜日のロサンゼルス・タイムズ紙に掲載されたインタヴューの中で、バイデンは「私は彼女が本当に理解していたとは思えない。話は変わるが、彼女の出馬の決断は困難なことだったと思う」と述べた。

 

選挙期間中にウィキリークスによって公開されたハッキングされたEメールの中で、ヒラリーの側近や協力者たちも非公式に同じような懸念を表明していたということをバイデンは自分の考えを補強する証拠として挙げた。

 

しかし、バイデンはヒラリーを選挙に負けたということだけで非難するのは公正なことではないとも述べた。バイデンは、ヒラリーは選挙運動中に崇高な目的を見つめていた、そして、オバマ大統領がアフリカ系アメリカ人に行ったように、女性の政界での活躍への道を切り開く義務を負っていると感じていた、と述べた。

 

バイデンは次のように語った。「彼女は出馬する以外に選択肢はないと考えたのだ。つまり、大統領に当選するかもしれない機会を与えられた史上初めての女性だったのであり、彼女にとってそれは責務であったと思う」。

 

バイデンのコメントにはオバマ政権の幹部としての直接的な批判が若干含まれている。

 

バイデン副大統領は選挙期間中、十数回にわたり、ヒラリーのために遊説を行った。

 

しかし、バイデンは、ドナルド・トランプは自分の出身地であるペンシルヴァニア州スクラントンのような白人の労働者たちが多く住む地域の人々を熱狂させて、選挙に勝利したがそれはずるいことだと感じた、とも述べた。

 

バイデンはその時の心境を次のように語った。「しまった、私たちは選挙に負けるかもしれない、と感じた。トランプに熱狂している人々は私が一緒に生まれ育った人々だった。もしくはその子供たちだった。彼らは人種差別主義者ではないし、性差別主義者でもない。しかし、私たちは彼らに語りかけなかった」。

 

バイデンは民主党全体が選挙で低調であったが、それは、「私たち民主党が、高卒の大部分が白人であるが、非白人もいる、そういった多くの人々に対して、“民主党は自分たちの抱えている問題を理解している”と思ってもらえるようにしなかったから」だと語った。

 

バイデンは、民主党の志向の中に、エリート主義が入り込んでいた、と述べた。

 

同時に、バイデンは、トランプは、ヒラリーよりも労働者階級の人々に問題解決の方策を提示することに成功している訳ではないとも語った。

 

バイデンは「私は、彼が労働者階級や中流階級の人々を理解しているとは思わない。少なくとも彼は彼らの痛みは認識している。しかし、彼は偏見、恐怖心を利用した。自暴自棄の気持ちを利用したのだ」と語った。

 

トランプは更に「トランプが人々を熱狂させる時に語った言葉には何も積極的で+なものはなかったと確信している」と述べた。

 

バイデン副大統領は民主党予備選挙でヒラリーに挑戦することを検討した。彼が予備選挙に出ていたら、自分はエリートではないというアピールと共に中流階級の人々に向けたメッセージを次々と発したことだろう。

 

しかし、バイデンは最終的には選挙に出ないという選択をした。バイデンは息子ボウの逝去を悼みながら、選挙戦を行うことはできないと述べた。

 

74歳になるバイデンは、これまで複数回の機会を軽視してはきたが、将来の大統領選挙出馬の可能性を排除することを拒絶した。

 

バイデンは、妻ジル・バイデン博士がノーザン・ヴァージニア・コミュニティ・カレッジで教鞭を執っている間はワシントンにたまに居住する計画だと明かした。

 

バイデンは、副大統領退任後に仕事を続けるために、ペンシルヴァニア大学内にオフィスを構える可能性についても説明している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22








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 古村治彦です。

 来年になりますが、「第13回 副島隆彦の“予言者”金融セミナー」が開催されます。

 以下にセミナーの情報を掲載します。セミナーに関するお問い合わせは下記連絡先にお願い致します。

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第13回 副島隆彦の“予言者”金融セミナー

開催日:2017年3月26日(日)
開演:11時(開場・受付:10時)・途中休憩あり
終了:17時
受講料:15,000円(税込)/全指定席
会場:ヤクルトホール
   東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル
アクセス:新橋駅(JR、東京メトロ銀座線)
企画・運営:ブレイントラスト企画
主催:(有)アールシステム

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ヤクルトホールの地図

【お問い合わせ】

(有)アールシステム ブレイントラスト企画
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-2-1 サンライトビル401
電話:03-6261-5465(平日10~18時、土・日・祝は休み)
ファックス:050-3153-2488
Eメール:bt-soejima@nifty.com

宜しくお願い致します。

(終わり)










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 古村治彦です。

 

 先日、国連安保理でイスラエルの、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区、東エルサレム地区における入植地拡大に対する非難決議が採択されました。この種のイスラエル非難決議に対しては、アメリカが拒否権を発動して採択にまで至らないのが通常なのですが、今回は、アメリカは賛成、反対を表明しない棄権を選択し、賛成14、棄権1で採択されました。

 

 アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国は国連安全保障理事会(U.N. Security Council)の常任理事国(permanent members)で、決議案などを可決できないようにする拒否権(veto)を持っています。残り10カ国は非常任理事国(non-permanent members)で任期付の持ち回りで、私の記憶では、日本は最多の回数と年数理事を務めていると思います。

 

 今回、オバマ政権のサマンサ・パワー米国連大使(サマンサ-・パワーについては、拙著『アメリカ政治の秘密』をご参照ください)は拒否権を発動せず、ホワイトハウスもそれを支持したことで、オバマ政権になって初めて、イスラエル非難決議が採択されました。イスラエルはこれに対して非難を行っていますが、オバマ大統領とネタニヤフ首相との間が冷え切っているために、イスラエル側は、ドナルド・トランプ次期大統領の政権移行ティームに働きかけて、オバマ政権に拒否権発動をさせようとしたということです。

 

 トランプ自身もツイッターを使って、拒否権発動を求めましたが、オバマ政権はこれを拒絶することを意味する棄権を選択しました。トランプは自分が大統領になったら国連自体も変えてやるとツイートしています。

 

 トランプの女婿ジャレッド・クシュナーはユダヤ系アメリカ人で、クシュナーと結婚したトランプの娘イヴァンカはユダヤ教に改宗しています。トランプはイスラエル大使として、自身の弁護士も務めたデイヴィッド・フリードマンを指名し、現在、テルアヴィヴにある駐イスラエル米国大使館をエルサレムに移転させると述べています。

 

 イスラエルとすれば、任期が残り1カ月を切ったオバマ政権に最後に大きな置き土産を残された形になりますが、もうすでにトランプ大統領就任、始動に向けて、政権移行ティームに接触して、トランプを通じてアメリカ政治を動かそうとしています。『アトランティック』誌のある記事では、「2人の大統領がいる」と書いていました。

 

 トランプ政権は、対イスラエル政策ではオバマ政権とは全く別の方向性を取ることになりそうです。これが、中東和平を遠のかせ、イスラエルとパレスチナの二国共存という解決を遠のかせてしまうことになるでしょう。しかし、歴代の各政権が二国共存を進めることはできず、イスラエルとの関係が冷え切ったオバマ政権は全く動かすことすらできませんでした。そう考えると別のアプローチから何か新しいものが生まれることを期待するべきでしょう。

 

 

(貼り付けはじめ)

 

国連安保理でのイスラエル入植非難の決議採決でアメリカが棄権(U.S. Abstains From U.N. Vote Condemning Israeli Settlements

 

コラム・リンチ、ロビー・グラマー、エミリー・タムキン

2016年12月23日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/12/23/u-s-abstains-from-u-n-vote-condemning-israeli-settlements/

 

金曜日、国連安保理はヨルダン川西岸地区、ガザ地区、東エルサレム地区におけるイスラエルの入植活動を不法と宣言し、拡大を停止するように求める決議を採択したが、オバマ政権はそれに対して傍観(黙認)する姿勢を取った。これは、ドナルド・トランプ次期大統領が決議案に反対票を投じるようにと求めたツイッターを通じたアピールに対するオバマ政権からの手厳しい拒絶となった。

 

決議案の採決は賛成票が14票で、棄権したのはアメリカだけであった。この採決の前、アメリカの次期大統領が、現職の大統領を揺さぶって決定を変化させようと外交上の争いに直接関わろうとした。これはアメリカの外交にとって異例の日となった。トランプは採決の後に国連とオバマ政権を激しく非難した。トランプは金曜日に行われた採決の後、ツイッター上で、「2017年1月20日以降、全く別のことが起きるだろう。これは国連に対しても同様だ」と発言した。

 

今回の棄権は、オバマ政権が阻止に動かず、安保理がイスラエルを非難するに任せた初めてのケースとなった。採決の後にサマンサ・パワー米国連大使は、棄権の正当性を主張し、レーガン政権まで遡り歴代の共和党、民主党の政権の諸政策と今回の棄権を同一のラインにあると主張した。

 

パワーは採決の後、安保理の場で次のように発言した。「1967年にイスラエルが占領した領域におけるイスラエルの入植活動はイスラエルの安全保障を損なう行為であり、高尚による二国共存という解決の可能性を著しく低下させ、平和と安全の見込みを失わせるものだ」。

 

オバマ大統領のホワイトハウスは、入植によって二国共存という解決の可能性が低下する危険があると強調した。戦略的コミュニケーション担当国家安全保障担当大統領副補佐官ベン・ローズは、記者たちとの電話による質疑応答の中で、「イスラエルによる入植活動が促進されることで、二国共存という解決の可能性は危険に晒される。良心に基づいた判断に従い、決議案に拒否権を発動できなかった」と発言した。

 

決議案はパレスチナ国家が起草し、エジプトによって「提案」され、共同提案者としてマレーシア、ニュージーランド、セネガル、ヴェネズエラが名前を連ねた。決議案では、イスラエルに対して、「パレスチナの土地における全ての入植を即座にかつ完全に停止する」ことを求めていた。そして、「入植行為は二国共存による和平の可能性を著しく損なう」とも述べている。決議は更に「東エルサレムを含むイスラエル入植地の建設は、法的な正当性を持たず、国際法に対する紛れもない違反である」とも述べている。

 

決議はイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相に対する厳しい一撃となった。ネタニヤフは安保理内の唯一のアラブ世界からのメンバーであるエジプトに大きな圧力をかけて決議案採決の日程を木曜日にまで遅らせようとした。そして、ネタニヤフの側近がトランプの政権移行ティームに接触し、オバマ政権に拒否権発動をさせるように求めた。

 

イスラエルの国連大使ダニー・ダノンは「今日は安保理にとって暗黒の日となった。採決が行われた決議は偽善の最たるものだ」と発言した。ダノンは更に、決議案に賛成することは、安保理が進歩と故障に反対票を投じすることだとも主張した。また、今回の決議は、「国連の反イスラエル決議の長くそして恥ずべきリストに新たな1つが加えられたことになる」とも主張した。

 

ダノンは次のように発言した。「あなた方はユダヤ人がイスラエルの土地に、そして私たちの歴史的な首都エルサレムに故郷を建設することを非難する投票を行った。エルサレムは、ユダヤ人の心であり、魂なのだ。あなた方はパリにおいてフランス人が建設を行うことを禁止するのか?モスクワでロシア人が建設することを禁止するのか?ワシントンでアメリカ人が建設することも?」ダノンは安保理においてイスラエルはこれからも民主国家であり、ユダヤ人国家であり続けると断言した。

 

パレスチナ国家派遣国連常任オヴザーバーであるリヤド・マンスールは、今回のことが、パレスチナ・イスラエル、アラブ・イスラエルの和平に向けたプロセスのスタートとなることを希望すると述べた。マンスールは安保理に出席し、「法律と歴史の正しい側面によって、事態が進行することを望む」と述べた。

 

トランプはアメリカ政府に対して決議案に拒否権を発動するように求めた。これは、彼が来年1月に大統領に就任してから対イスラエル政策を劇的に変化させるという公約の一環である。トランプはアメリカ大使館をテルアヴィヴからエルサレムに移転すると述べ、イスラエル大使に、批判の多い強硬派デイヴィッド・フリードマンを指名した。

 

トランプは木曜日、「アメリカがこれまで長年にわたり主張してきたとおり、イスラエルとパレスチナとの間の和平は両者の直接交渉によってのみもたらされることになるだろう。国連による条件の強制では決して達成されない」と発言した。

 

2011年2月、オバマ政権は国連安保理で、イスラエルの入植政策が中東地域の和平努力を不法に阻害するものであるいう非難決議の採択を防ぐために初めて拒否権を発動した。当時の米国連大使スーザン・ライスは、アメリカの拒否権発動は、「正当な行為」ではないと考えられているイスラエルの入植を擁護するものと認識されるべきではないと発言した。 しかし同時に、ライスは、安保理理事国15のうち14が支持した決議案について、「両者の立場を硬化」させ、パレスチナ国家建国の可能性を損なう危険を伴うとも発言した。

 

それから5年が経過して、任期を終えようとしているオバマ政権は計算を明確に変えている。もしくは、イスラエルとの冷え切った関係のためにこれまでの態度を変えることになったとも言えるかもしれない。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22



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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ新政権発足まで1カ月を切りました。閣僚人事もほぼ決定しましたが、日本にとって関心のある駐日大使はまだ明らかになっていません。千葉ロッテマリーンズの監督時代にティームを日本一に導いたボビー・ヴァレンタイン氏の名前も出ていましたが、まだ正式には決まっていません。

 

 トランプ政権になってどうなるかということに関心が移っています。トランプは次期大統領(President-Elect)となっての数カ月で、様々な新機軸を打ち出そうとし、また現実政治にも影響を与えようとしています。世界を驚かせたのは、台湾重視の姿勢です。

 

 アメリカは米中国交正常化を行い、「一つの中国政策」を堅持しつつ、台湾に対しても、台湾関係法で関係を維持してきました。アメリカ国内では、チャイナ・ロビー派(この場合のチャイナは中華民国[台湾])と呼ばれる勢力も大きな力を持っています。しかし、公式には台湾は中国の一部であるという立場を取ってきました。

 

 トランプは「王様は裸だ」と言わんばかりに、台湾を重視する姿勢を見せました。これに対して、中国政府は不快感を表明しました。それは当然のことでしょう。

 

 トランプの対中姿勢には前例がありました。そのことをおなじみのマイケル・グリーン先生が教えてくれています。レーガン大統領の時に、国務省の高官人事が決まる前に、国家安全保障会議のメンバーが決まって、そのメンバーが主導して、レーガン大統領は台湾に肩入れする姿勢を取ったということです。また、レーガン大統領はカリフォルニア州知事時代に個人的に台湾指導部との人脈を築いていたということもあったそうです。

 

 1980年代初頭と現在では中国の置かれている立場は大きく異なります。中国はアメリカに次ぐ世界第二位の経済規模を誇り、経済成長率は鈍化しているとは言え、現在でも世界経済の成長エンジンとなっています。

 

トランプ政権の外交調整役になるであろうヘンリー・キッシンジャーの存在もありますから、中国と激しくぶつかるということはないでしょうが、トランプとしては、簡単に言うと、「アメリカからもっとものを買って欲しい、貿易不均衡を押さえて欲しい」ということで、中国に対して色々と注文や要求を出すことでしょう。

 

 今回は、台湾を使って、中国をけん制する、揺さぶるということをやったのではないかと思います。アメリカ、中国、台湾、中国、韓国、日本の中で、本気で米中がぶつかって得をする国はありません。強いて言えば北朝鮮でしょうが、それでも相当なダメージを受けるでしょう。

 

 トランプ政権になってどうなる、と言うことはみんなが関心を持っていることですが、決してそんな無茶をすることはないだろう、特に外交では、と思います。そして、より内政に力を入れていくだろうと思います。そのようなトランプ政権を利用もせずに、「やったやった、日本の防錆予算を増やす口実にできるわい」とくらいにしか思っていない日本の指導部は大局的には大きな間違いをするでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプの台湾への電話がどれほど悪いことなのか?(How Bad Was Trump’s Taiwan Phone Call?

 

マイケル・グリーン筆

2016年12月3日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/12/03/how-bad-was-trumps-taiwan-phone-call/

 

ドナルド・トランプ次期大統領は12月2日に、蔡英文台湾総統に電話をかけた。これに国際社会は驚かされた。1979年にアメリカは台湾との外交関係を転換した。アメリカはこの時に「一つの中国」政策の優越性を認めた。それ以降、アメリカ大統領から台湾総統に電話をかけたことはなかった。専門家たちは、中国政府はトランプの政権移行ティームに激しく対応することになるだろうと警告している。彼らは恐らく正しい。また、今回の出来事で、トランプ・オーガナイゼ―ションが台湾の桃園航空城都市開発計画に参加する希望を持っていることについて、利益相反(利益衝突)に関する疑問が出てくるということを指摘している人々もいる。

 

しかしながら、ここでは歴史的な観点が必要である。今回の外交儀礼と慣習の無視は初めてのことではない。1980年から1981年にかけて、当時のレーガン次期政権は、台湾との関係を正常化すると約束し、大統領就任に関連するいくつかの式典に台湾政府高官を招待した。中国政府は激怒した。政権初期のこのような議論を巻き起こした台湾に対しての働きかけは、レーガンのカリフォルニア州知事時代からの台湾政府指導部との深い繋がりが反映されていた。今回のトランプの電話と同じく、こうしたレーガン大統領の動きも当時のリチャード・アレン率いる国家安全保障会議(NSC)ティームが国務長官や国務省高官が決まる前に計画し、主導したものであった。

 

政権発足後の数カ月、アレンとNSCは、台湾政策を巡って、アル・ヘイグと国務省との間で争った。アレンは中国と対峙させるために戦闘機を台湾に売却することを主張した。一方、ヘイグはソ連と対峙させるために中国に戦闘機を売ることを主張した。政権が発足してから18カ月後には、アレンもヘイグもレーガン政権から追い出された。レーガン大統領は「第三の」米中コミュニケを発表した。このコミュニケは、最初の2つのコミュニケの中で確立された米中関係の要素を再確認するものであった。しかし、附則として、台湾の安全保障にとって重要な諸問題について、台湾の頭越しで何かを行うことはないことを約束する「6つの前提」がつけられていた。

 

レーガンを振り向かせようと考えた中国政府は、最高幹部クラスを含む代表団を送り、レーガンに対して、更なる譲歩と「台湾関係法について何らかの処置を行う」ように圧力をかけた。私は出版予定の著作(By More than Providence: Grand Strategy and American Power in the Asia Pacific Since 1783)のためにジョージ・シュルツにインタヴューを行った。その中でシュルツは、レーガンが代表団をじっと見ながら、「あなた方が仰っていることは正しい。私たちは台湾関係法を強化しなくてはいけない!」と語ったと教えてくれた。中国政府は圧力をかけるのを止め、レーガン政権は、それ以前の政権よりも、より生産的で安定した米中関係を構築することができた。同時に、台湾との信頼関係を深めることにも成功した。

 

トランプの電話は、レーガン政権の時と同じような結果をもたらすことになるだろうか?私は民主的に選ばれた台湾の指導者に更なる尊敬を示したいと思うことには同感だ。しかし、トランプ新政権はこれから中国政府と協力して多くの困難な諸問題に対処していかねばならない中で、台湾重視の動きを維持することは大変に難しいと私は考える。

 

NSCの初期メンバーが国務長官や幹部クラス(彼らはより広範な外交上の利益を主張する)が指名される前に台湾重視の姿勢を打ち出したことで、第一次レーガン政権は中国と台湾の角逐を生み出した。これと同じことがトランプ政権でも起こる可能性はある。もちろん、これは誰が国務長官になるかにかかっている。最近のトランプの行動全てを見ても、彼の最初の電話から長期にわたる結論を導き出すのは早計であると言えるだろう。ただ言えることは次のようなことだ。「次期大統領閣下、台湾に配慮することは賞賛に値しますが、歴史が教えるところでは、中国政府とやり合う前に、包括的なアジア戦略を構築する方がより良い方策と考えられます」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)



アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22




 

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 古村治彦です。

 

 いよいよ2016年も最後の週に入ります。今年はイギリスで国民投票が行われ、イギリスのEUからの離脱が過半数の支持を得ました。また、アメリカではドナルド・トランプが大統領選挙で勝利を収めました。

 

 ドナルド・トランプが大統領になることで、世界はどうなるかということがやかましく言われています。「どうなるか」というのは受け身です。「どうするか」ということが重要だと思いますが、日本はどうしても主体的に動けるアクターではなく、どうしてもアメリカの意向や状況から影響を受けてしまいますから、「どうなるか」という思考になります。

 

 以下の記事は、日本の防衛予算が5年連続で増加していること、そして、日本版国家安全保障会議(NSC)が自衛隊の活動範囲を増大させることを決めたということを紹介しています。そして、日本のこうした動きは、トランプ政権誕生に合わせたものだと分析しています。もっとも防衛予算の今年の増加はトランプ政権誕生と関連があるかもしれませんが、5年連続増加というのは、トランプ政権誕生とは関係ありません。

 

 今回のトランプ政権誕生をどのように「利用」するか(「どうするか」)では、2つの考えがあるようです。トランプは同盟諸国がアメリカに対して十分なことをしていないとし、日米同盟見直し、在日米軍撤退論までぶち上げています。これに対して、「それならば彼の主張を利用して、これまでの日米同盟を見直して、在日米軍を縮小してもらいましょう」というものと、「日米同盟見直しは大変だ、日本はもっとお金と実際の行動でアメリカにもっと貢献しないといけない」というものの2つの考えが出ています。

 

 日本の予算決定の過程を考えると、トランプが大統領選挙に当選したから、あわてて防衛予算を増額したということは考えられません。今回の国防予算の増加はヒラリーが当選しようが、トランプが当選しようが、決まっていたことです。そして、日本政府はヒラリー当選を予想していたようですから、この場合には、「アメリカが人道的介入をする場合にその手助けができるように、また、中国に対する牽制」ということが理由としてアメリカ側に説明されて、「愛い奴じゃ」ということになったでしょう。

 

 トランプ政権が誕生しても、安倍政権は続けて国防予算の増額を続けるでしょう。「日本はきちんとお金と人員を出して、アメリカに貢献しますし、アメリカから武器を購入することでアメリカ国内の軍需産業にも貢献します」ということをお題目にするでしょう。トランプ大統領が日米同盟見直しということを言っているのなら、更に貢いで満足してもらわねばならない、ということを理由にするでしょう。そこには、「日米同盟見直しということなら、日本の負担を減らすための動きができるはずだ」という思考は全くありません。

 

 このような単純極まりない、危険なリーダーを抱えて、私たちは年を越して新しい年を迎えねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

国防費の歴史的な上昇によって、日本は更に平和主義から遠のく(With Historic Defense Spending Boost, Japan Turns Further Away from Pacifism

 

ロビー・グラマー筆

2016年12月22日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/12/22/with-historic-defense-spending-boost-japan-turns-further-away-from-pacifism-tensions-south-china-sea-senkaku-islands-dispute/

 

木曜日、日本の内閣は5年連続で国防予算の増額を認めた。日本は中国との緊張関係を高め、また、近隣には好戦的な北朝鮮が存在する。こうした状況の中で国防予算を増加させ続けている。同時に、日本の国家安全保障会議(NSC)は平和時に同盟諸国を防衛するために自衛隊(SDF)の能力の範囲を拡大させるという決定を下した。現状を考えると、これらの動きは、第二次世界大戦以降の70年間の軍事上の平和主義から日本が遠のくことを強く打ち出す動きということになる。

 

国防予算の総計は5兆円超、約440億ドルとなり、国防費の増大分は、新しい潜水艦の導入、アメリカからF-35の6機購入、ミサイル防衛システムの改良などに割り当てられることになった。この国防予算が決定されたのは、安倍晋三首相が尖閣諸島における日本の沿岸警備隊(海上保安庁)の存在を強化すると発言した次の日のことであった。尖閣諸島は中国もまた領有を主張している地域である。

 

2012年の就任以来、安倍首相は自衛隊の能力と活動範囲の拡大に努力してきた。彼の努力は文化的に平和井主義を堅持してきた日本国内での政治的な戦いを激化させている。

 

日本は第二次世界大戦終結以降、正式な軍隊を保持していない。1947年にアメリカの占領下で作られた日本国憲法は、日本は「国の主権としての戦争を永久に放棄」し、「陸海空の軍隊や戦力を保持」しないと宣言した。

 

軍隊に代わり、日本は自衛隊を保持している。これは他国における軍隊と同じ存在だ。しかし、いつ、どこで、どのように実力を行使するかについては厳格な規則が定められている。しかし、第二次世界大戦が歴史上の記録となるほど遠ざかり、近隣諸国との地政学的な緊張が高まる中で、安倍首相率いる日本政府は、2015年に半軍隊的存在である自衛隊の地位を再解釈するための法律を国会で通過させた。この法律では、アメリカやその他の軍事同盟を結んでいる同盟諸国が攻撃を受けた場合に自衛隊がそれを援助することが可能となった。

 

そして、木曜日、自衛隊は活動範囲を広げることになった。日本の国家安全保障会議は、平和が保たれている時であっても、自衛隊がアメリカの海軍部隊を防衛することを可能とする新たなガイドラインを認めた、と朝日新聞は報じている。

 

この発表の後に行われた記者会見で稲田朋美防衛大臣は「日米同盟の抑止力は更に強化されるだろうし、日本の平和と安全は更に確実なものとなるだろう」と語った。

 

日本は、最大の同盟国であるアメリカと中国との間の外交的な十字砲火の真っただ中に置かれる可能性がある。特にドナルド・トランプ次期大統領が正式に大統領に就任した後はそうなる可能性が高い。トランプは台湾と貿易問題について早速中国と外交的な鞘当てを開始した。これは結果的にアジア太平洋地域における緊張を高めることになる。

 

日本政府が自衛隊に更なる能力を与える決定をしたことはトランプ次期政権の要求を満たすことを意味している可能性がある。トランプは選挙期間中に、アメリカの同盟諸国は自国の防衛について十分なことをやっておらず、アメリカによる防衛に対して更にお金を支払うべきだと主張した。専門家の中には、トランプのこうした発言を受けて、日本がトランプ大統領の下でのアメリカとの関係について懸念を持っていると指摘している人々もいる。

 

テンプル大学教授ジェフ・キングストンは、11月に安倍首相とトランプの初会談が行われた後にCNBCに出演して次のように語った。「アジア地域に住む人々の多くは、アメリカが頼りにならない同盟国だと考えている。トランプはこのような認識をさらに強めることになるだろう。トランプは更にアジア地域における外交に多くの不確実要素を導入してしまうだろう。アジア地域は多くの緊張を抱えている。だから、安倍首相はニューヨークに行き、トランプとの連帯を示したのだと思う」。

 

(貼り付け終わり)

(終わり)



アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22





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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ次期大統領についてのヘンリー・キッシンジャーの評価についての記事をご紹介します。トランプについてはどのような外交を展開するのか未知数であるというのが一般的な評価で、それが不安をもたらしています。

 


 選挙期間中にイラク戦争には反対だったと語り、ジョージ・W・ブッシュ前大統領を批判し、バラク・オバマ大統領とヒラリー・クリントン前国務長官がIS(イスラム国)を生み出したと斬り捨てています。自分はISを退治することができるが、それは自分を支持する米軍の将軍たちの献策を受け入れるからだとも発言していますが、米軍を中東に派遣する感じはありません。ロシアと関係を改善させたいとし、中国は不公正な貿易を行っていると、1980年代に日本に向けたような批判を行い、台湾を重視するかのような姿勢を取っています。

 

 トランプはめちゃくちゃなことを言っているように見えます。ISをやっつけると言いながら、米軍を出さないということは矛盾しているように見えます。台湾を重視するというのは、中国との軋轢を生み出し、現状では大事にされる台湾も困った立場に追い込まれてしまうことになります。

 

 ヘンリー・キッシンジャーはテレビ番組に出演し、トランプはこれまでの大統領とは違うので、違うアプローチから何か素晴らしいものが出てくる可能性があると発言しました。あくまで、可能性であって、出てこないこともあるということを言いたいようですが、これまでとは違った大統領であり、外交政策も違ったものとなり、それで何か素晴らしいものが生まれて、歴史に名前を残す大統領になるかもしれない、というのがキッシンジャーの評価です。

 

 キッシンジャーは国際関係の学問的潮流で言えば、リアリズム、リアリストに属する人です。アメリカの国益を第一に、理想を追わず、敵とでも手を結ぶということを実践してきた人です。そして、現在は、中国という新興大国を敵にすることなく、G2体制という米中による国際管理体制構築を主張しています。

 

 トランプは国際問題解決優先主義(アイソレーショニズム)であり、アメリカの理想を広めることや人道的な理由から海外に軍隊に出すようなことは反対しています。こうした点では、ビル・クリントン政権、ジョージ・W・ブッシュ政権、バラク・オバマ政権と、濃淡の差はありますが、理想主義に分類される人道的介入主義とネオコンサヴァティヴィズムの人々が外交政策を担当した政権が続いた時期とは違う外交が展開されることになるでしょう。キッシンジャーもこの点を言っているものと思われます。

 

 アメリカの国内問題解決優先主義とは具体的には、すっかりくたびれてしまった社会資本の改善があると思います。アメリカに行って、アメリカの社会資本、インフラは日本よりも劣っているなと思われた人も多くいらっしゃると思います。高速道路はただだけど、路面がデコボコだったとか、都市部でもいきなり停電が起きて何時間も復旧しないとかそういう経験をした方も多いと思います。トランプはこの社会資本の改善や修繕も公約に掲げています。しかし、そうなると、彼の減税政策と矛盾してしまうことになります。

 

 そこで、トランプとしては民間活力活用(民活、Public Private Partnership、PPP)を利用するということになるでしょう。しかし、アメリカ国内だけではどうしようもありません。そこで外国からの資本投資を受け入れたいという考えも持っているでしょう。台湾に肩入れをして、中国を刺激しているのは、台湾と中国を競わせて、アメリカに対する資本投資を刺激しているようにも見えます。私たちの日常生活でも、何かを買う場合には、どこの店が安いかを探したり、複数の店に行って、「あそこはいくらだったからこれくらいに負けて欲しい」などと交渉したりということはやることです。

 

 ヘンリー・キッシンジャーはトランプ当選以降、中国とロシアを訪問し、習近平国家主席とウラジミール・プーティン大統領と会談しています。彼が米中露の関係を保つスタビライザーの役割を果たしています。2020年までにトランプがキッシンジャーという安定装置を使いながら、どのように外交政策を展開していくのか、注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

キッシンジャー:「トランプの外交政策のアプローチから“何か素晴らしい”ものが出てくる可能性がある」(Kissinger: 'Something Remarkable' Could Emerge From Trump's Approach to Foreign Policy

 

キャシー・バーク筆

2016年12月18日

『ニューズマックス』誌

http://www.newsmax.com/Newsfront/henry-kissinger-trump-opportunity-stay-focused/2016/12/18/id/764532/

 

元国務長官で人々の尊敬を集める共和党系の政治学者ヘンリー・キッシンジャーは、ドナルド・トランプ次期大統領の外交政策から「何か素晴らしい」ものが出てくる可能性があり、トランプは「熟慮をした大統領」として歴史に名前を残す機会を持つであろうと述べた。

 

日曜日に放送されたテレビ番組「フェイス・ザ・ネイション」のインタヴューの中で、キッシンジャーは「トランプに対して大きな信頼を持っている。彼はアメリカの状況を分析し、戦略を作り、共和党指導部に打ち勝とうとしている」と述べた。

 

キッシンジャーは次のように述べた。「トランプが大統領選挙候補者になるまで、彼を大統領選挙候補者として考えたことはなかった。彼が大統領選挙候補者として出てきたとき、私はこれを過渡的な現象だと考えた。しかし、今はトランプがこれまで培った技能を国際的な状況に応用することが彼の挑戦なのだと理解している」。

 

キッシンジャーは、「外交・国際関係分野において、トランプは諸外国がこれまでみたことがなかった現象なのだ」と語った。

 

キッシンジャーは、「トランプが大統領に当選したことは諸外国にとってショックな経験である。同時に、トランプが歴史上に思慮深い大統領として名前を残す機会と可能性があると私は考えている」とも語った。

 

キッシンジャーは更に次のように述べた。「トランプはこれまでの大統領が発してこなかった疑問を呈する大統領になる。その質問は素晴らしい何かになるであろうと思われるし、そうなれば新しい大統領の姿を見せることになるだろう。私は必ずそうなるとは言わない。私は彼にはそうなる大いなる機会があると言いたい」。

 

キッシンジャーはまたトランプに対する助言として次のように述べた。「集中して、自分が達成しなければならない基本的なことを明確にせよ」。

 

「最も大変なことは日常の諸問題と根本的な諸問題を区別することだ。根本的な諸問題は長期にわたって影響を残すものだ。また、些細な諸問題で官僚たちとの戦いで消耗しないようにすることだ。」

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22








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 古村治彦です。

 

 私は『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年12月)を翻訳して1年が経ちました。今年はアメリカ大統領選挙の年で、値段が高く、分厚い翻訳書も少しは売れました。ありがとうございます。

 


 コーク一族の総帥チャールズ・コークと弟デイヴィッド・コークは、大統領選挙期間中、ドナルド・トランプを支持ないと明言し(デイヴィッドは“トランプとヒラリー・クリントンのどちらかを選ぶというのは、心臓発作になるのがよいか、癌になるのがよいかを選ぶようなものだ”と発言しました)、連邦議会選挙に自分たちが作り上げた大富豪たちのネットワークで集めた資金を投入しました。結果は、大統領選挙、連邦上院・連邦下院選挙で共和党が勝利し、ホワイトハウスと連邦議事堂を共和党が抑えることに成功しました。

 

 トランプ次期大統領は現在、ホワイトハウスの幹部スタッフや閣僚選びを行っています。その中で、以下の3本の記事のように、コーク・ネットワークに参加している、もしくは参加していた大富豪や活動家たちに多数がトランプの政権移行ティームに参加し、もしくは閣僚やホワイトハウスの幹部スタッフに選ばれています。以下の記事には、「トランプのコーク・ネットワーク人材で構成された政権(Tumps Koch Administration)」が出ています。

 

 チャールズとデイヴィッドのコーク兄弟はトランプを支持していませんが、コーク兄弟が築き上げたネットワーク(タコのように邪悪でたこ足のように様々な組織が重なっている様子を、タコ[オクトパス]にかけて、コクトパス[Kochtopus]と呼ばれています)は、共和党主流派に代わる人材供給源となっています。

 

 マイク・ペンス次期副大統領は連邦下院議員時代からインディアナ州知事時代まで長年にわたり、コーク兄弟からの支援を受けてきました。ペンスは政権移行ティームを率いています。ペンスのアドヴァイザーのマーク・ショートは、コーク・ネットワークから財政支援を受けている組織「フリーダム・パートナーズ商工会」の会長職を今年2月に辞め、トランプ陣営に参加しました。CIA長官に内定しているマイク・ポンぺオ連邦下院議員はカンザス州選出ですが、コーク・インダストリーズが本社を置き、チャールズ・コークが居住しているカンザス州ウィチタの出身で、「コーク出身の連邦議員(congressman from Koch)」と呼ばれています。商務長官に内定したウィルバー・ロスは、安倍晋三首相とトランプの会談をお膳立てした人物と言われていますが、ニューヨークに居住するデイヴィッド・コークの長年の友人でもあります。

 

 「フリーダム・パートナーズ」の出身者としては、トランプ選対の初代本部長を務めたコリー・ルワンドウスキーがいます。ルワンドウスキーは選対内部の争い、特にトランプの女婿ジャレッド・クシュナーとの確執があり、選対本部長を辞職しましたが、彼の保守系草の根運動の経験があったればこそ、トランプが共和党予備選挙を勝ち抜くことが出来ました。

 

 コーク兄弟が作り上げた富豪たちのネットワークであるコーク・ネットワークに参加している富豪たちで重要なのは、レベカ・マーサーです。レベカは父ロバート・マーサーと共にコーク・ネットワークに2500万ドルを支出しています。コーク兄弟がトランプを支持しないと発表した後も、積極的にトランプを支援しました。また、今回、ホワイトハウス首席ストラティジスト登用が決まったスティーヴ・バノンを選対に入れたのもレベカです。マーサー家はバノンが会長をしていたインターネットメディアの「ブライトバート・ニュース」社に資金を出しており、レベカの意向を受けてトランプもバノンを選対責任者に迎え入れました。そして、選挙で勝利を収めました。

 

 また、大統領選挙ではデータ収集と分析が大変重要になりますが、レベカはトランプ選対入りをしたバノンに「ケンブリッジ・アナリティカ」という会社を使わせました。この会社には、レベカの父ロバートが出資をしています。

 

 トランプ政権で教育省長官に指名されたのがベッツィー・デヴォスです。デヴォスは,

「スクール・チョイス」と呼ばれる公立学校選択制導入を主張しており、そのために、コーク・ネットワークを通じてスクール・チョイス推進団体に多額の寄付をしています。デヴォスはアムウェイ社の創業家の一族です。今回、トランプ政権に多くの人材を供給し、トランプの対中・対台湾姿勢に影響を与えていると言われるヘリテージ財団に多額の資金を寄付しているのがアムウェイとコーク兄弟です。

 

 今回、トランプは「ワシントンの汚れきった泥沼から水を排出して綺麗にする(drain the swamp)」を目的にしています。具体的には、共和党主流派(エスタブリッシュメント)の力を弱めることを目的としています。しかし、トランプにはビジネスの経験と人脈はありますが、実際の人材となると彼の関係者だけでは足りません。そこで、非主流派に属していた人々を登用しなければなりませんが、そうした人々や組織はコーク兄弟とコーク・ネットワークの支援や影響を受けていることなります。コーク兄弟も民主党と妥協的な共和党は本来好んでいなかった訳ですが、「民主党よりはまし」ということで支援はしてきましたが、どちらかと言うと、党外の組織や人々の支援を行ってきました。そして、それが結実したのが「ティーパーティー運動」でした。

 

 トランプとコーク兄弟は対立しましたが、「共和党エスタブリッシュメントと戦って、既存の共和党を壊す」という点では共闘できます。ただ、問題はトランプが主張している、アメリカのインフラ整備や改善といった公共事業についてで、大規模な財政出動ということになると、リバータリアニズムを信奉するコーク兄弟系の人材は離反することになるでしょう。

 

 民間活力を如何に利用するか、ということがトランプ政権にとって重要なキーとなるでしょう。

 

(記事貼りつけはじめ)

 

How a network led by the billionaire Koch brothers is riding the Trump wave

 

https://www.theguardian.com/us-news/2016/dec/07/donald-trump-koch-brothers-cabinet-transition-power

 

Despite the Koch brothers not backing Donald Trump financially with ads during the election, their network is emerging as a winner from his transition

 

Despite deciding not to back Donald Trump financially with ads during the presidential election, the sprawling donor and advocacy network led by the multibillionaire Koch brothers is emerging as a winner in the transition.

 

Longtime ally Mike Pence is leading the transition team, and several veteran Koch network donors, operatives and political allies are poised to join the Trump administration when the new president takes office in January.

 

While Charles Koch and some network officials had tough words for Trump for some of his incendiary campaign rhetoric and positions this year, several mega-donors who back Koch-linked advocacy groups poured millions into Super Pacs and other fundraising efforts to boost Trump, and some of these donors have not been shy about flexing their muscles during the transition.

 

The Koch network, which says it spent about $250m this election cycle on politics and policy efforts, comprises several hundred donors who help underwrite numerous free-market, small-government advocacy groups. The network is spearheaded by Charles and David Koch, the libertarian-leaning brothers who control the $115bn-a-year energy and industrial behemoth Koch Industries.

 

Several Koch network donors who backed Trump, such as Robert Mercer, Joe Craft, Doug Deason, Harold Hamm, Diane Hendricks and Stan Hubbard, have reason to be pleased that his early cabinet picks align with their views on expanding fossil fuels, spurring charter schools, repealing and replacing Obamacare, and slashing government regulations and taxes.

 

One of Trump’s early cabinet selections, for instance, was Betsy DeVos as education secretary: DeVos is part of a multibillionaire family that have long been hefty donors to advocacy groups linked to the Kochs and championed charter schools and school choice, both popular causes in Koch world.

 

Further, Trump’s key energy adviser for months has been fracking multibillionaire Hamm, who has been mentioned as a potential energy secretary. While Hamm is expected to keep running his oil and natural gas company Continental Resources, two transition sources say he has pushed for Oklahoma governor Mary Fallin to be named interior secretary, and the state’s attorney general Scott Pruitt to run the Environmental Protection Agency (EPA), which he has sued to block climate change curbs.

 

Rebekah Mercer, the daughter of billionaire hedge fund executive Robert Mercer, who ploughed $2m into a pro-Trump Super Pac that she ran, is on the transition’s executive committee. Mercer has talked with chief White House strategist Stephen Bannon about having an outside group hire the big data firm Cambridge Analytica, which her father is a key investor in and Bannon sits on the board of, for messaging and communications drives to boost administration goals, according to a digital strategist familiar with the firm.

 

I think most of the network is pretty pleased” with the cabinet selections to date, said Texas investor Doug Deason who, in tandem with his billionaire father Darwin Deason, poured almost $1m into the Republican National Committee to help Trump and other GOP candidates. “They’re pleased Trump has softened his rhetoric.”

 

Deason, who said he is “passionate about school choice”, also said that he spoke to Pence for a half hour around Thanksgiving – and then followed up with texts – to tout Rudy Giuliani for secretary of state and, as Hamm did, Pruitt to head the EPA. Giuliani is a partner of Deason’s at Giuliani Deason Capital Interests, a private equity firm.

 

The early moves by Trump and his transition team have also pleased Hubbard, a billionaire media owner. “I’m feeling a lot better about him than I did earlier,” Hubbard told the Guardian. “Trump’s picked good people for his cabinet.”

 

Hubbard and other donors are also betting that Pence, who some Koch network donors once hoped might lead the GOP ticket, will be a powerful force in the administration. “My guess is that Pence will be a lot more active than most vice-presidents,” said Hubbard.

 

Besides overseeing the transition, Pence has been working closely with House speaker Paul Ryan, whom he served with in the House before he was Indiana governor, to coordinate plans for Obamacare’s repeal, a hugely controversial and risky effort, but a top priority for the Koch network and many Republicans.

 

Still the Koch network, which spent $42m on ads to help GOP Senate candidates, is expected to have some dust-ups with the Trump administration: Trump’s protectionist trade stances and some of his policy goals, such as a massive infrastructure spending program, pose potential conflicts with Koch world’s free-market views.

 

But Koch network officials sound cautiously upbeat about the incoming Trump administration. “We are encouraged by the Trump administration’s stated commitment to reduce corporate tax and regulatory burdens and make America more competitive,” James Davis of Freedom Partners, the network’s financial hub, said in an email. Davis added that the network would “try to find areas to work together” with the new administration.

 

=====

 

Trump’s Koch administration

 

Despite past clashes — and looming policy disputes — the Koch brothers’ operation has allies in key positions on Trump’s team.

 

By Kenneth P. Vogel and Eliana Johnson

 

11/28/16 05:01 AM EST

http://www.politico.com/story/2016/11/trump-koch-brothers-231863

 

 

Charles Koch once likened the contest between Donald Trump and Hillary Clinton to being asked to choose cancer or a heart attack.

 

Now, Koch’s allies are helping to launch Trump’s administration, giving Charles and his brother David potential inroads with a president whose campaign they refused to support.

 

The president-elect, in filling out his transition team and administration, has drawn heavily from the vast network of donors and advocacy groups built by the billionaire industrialist brothers, who have sought to reshape American politics in their libertarian image.

 

From White House Counsel Don McGahn and transition team advisers Tom Pyle, Darin Selnick and Alan Cobb to Presidential Inaugural Committee member Diane Hendricks and transition-team executive committee members Rebekah Mercer and Anthony Scaramucci, Trump has surrounded himself with people tied to the Kochs.

 

In creating the Koch network, I don’t think that we ever envisioned that we would be supplying staffers to this semi-free market, semi-populist president,” said Frayda Levin, a donor to the network who chairs the board of its main voter mobilization group, Americans for Prosperity. “But we’re happy that he’s picking people who have that free market background, particularly because on many issues, he is a blank slate, so anybody with expertise is in an amazing position to shape his agenda.”

 

And many more Koch-linked operatives are expected to join Trump’s nascent administration in the coming weeks, according to Trump transition-team sources. Names being considered include Koch Industries lobbyist Brian Henneberry and former company spokesman Matt Lloyd, as well as Daniel Garza, who runs a Koch-backed nonprofit called the LIBRE Initiative that courts Latinos, not to mention a handful of veterans of the Koch network’s advocacy groups who worked on the Trump campaign — from top Pence adviser Marc Short and former Trump campaign manager Corey Lewandowski to ex-campaign aides Stuart Jolly, Eli Miller, Scott Hagerstrom, Charles Munoz and Matt Ciepielowski.

 

Perhaps more surprisingly, despite some predictions of imminent policy clashes, there’s already informal communication between the Trump team and the Koch network, and both camps are signaling a willingness to work together on issues of mutual interest. David Koch even attended Trump’s election night victory party.

 

How long the comity lasts between Trump and the powerful Koch brothers could go far in determining whether Trump is able to take full advantage of the complete Republican control of Washington ushered in by his stunning victory over his Democratic rival, Hillary Clinton.

 

Things weren’t so agreeable during the campaign, when the Koch operation blocked Trump from directly accessing its data or its candidate forums, while the brothers condemned the first-time candidate for his combative tone, his calls for a Muslim immigration ban and his opposition to the sorts of trade policies that facilitate the brothers’ vision of unfettered global capitalism. At one point, Charles Koch compared the choice between Trump and Clinton to choosing between “cancer or heart attack,” and the Koch network did not spend any money directly boosting Trump or attacking Clinton.

 

Trump in turn boasted that the Kochs could not influence him because he didn’t “want their money or anything else from them.” And he blasted his rivals for the GOP nomination as puppets of the Kochs. A possible truce after Trump clinched the nomination broke down quickly, with the two sides clashing over who rejected a proposed meeting.

 

The Koch network, which some believed was discouraging its operatives from working with Trump’s campaign, is now seen by insiders as welcoming the chance to have allies on the inside of Trump’s administration.

 

At the same time, though, the network already is signaling that it intends to oppose aspects of Trump’s agenda that run counter to the brothers’ brand of small government, low-regulation conservatism, possibly including the incoming president’s $1 trillion infrastructure spending plan and his pledge to renegotiate trade deals.

 

Trump’s press office didn’t respond to requests for comment.

 

James Davis, a spokesman for Freedom Partners Chamber of Commerce, the central group in the Koch network, said, “We’ll try to find areas to work together to advance a free and open society and reverse the counterproductive policies that have created a two-tiered society.” He added: “We wish the new administration well.”

 

Setting aside the personal and policy conflicts, Trump’s willingness to draw from the Kochs’ operation makes sense in several ways.

 

Charles and David Koch over the past decade mobilized some of the biggest donors on the right to finance what amounts to a privatized political partya network of donors and advocacy groups that became a leading employer of conservative operatives and policy professionals independent of the official GOP during a period when Republicans were mostly out of power in Washington.

 

The 1,200-employee network, which claims it will have spent about $750 million in the run-up to the 2016 election, would have been a logical pool from which any incoming Republican administration might have drawn as it endeavored to fill thousands of jobs.

 

But there’s an added appeal for Trump.

 

During the campaign, Trump railed against a Washington GOP establishment — embodied by the family of his vanquished primary foe Jeb Bush — from which the Kochs for years had worked to demonstrate their independence. And, after he won, President-elect Trump announced a sweeping lobbying ban that could be more of a deterrent for many conservative policy professionals than for Koch network staffers, who can work for years within the brothers’ network of think tanks and advocacy groups without directly lobbying federal or state officials.

 

If you’re not going to pull from the Chamber of Commerce, Bush wing of the party, you don’t have that many places to go, so it makes sense to look to Koch world,” said a GOP operative who advised Trump team’s during the campaign and the transition. “Trump is looking for new blood that wasn’t part of the traditional establishment, and his presidency is already totally rewriting the Republican hierarchy. There were all these people who were locked out who are now getting their chance.”

 

Some former Koch staffers told POLITICO that the allure of joining Trump’s team was compounded by what they saw as the network’s retreat from the 2016 presidential race and its increased emphasis on advocating libertarian-infused policies such as decreasing incarceration and government subsidies.

 

It’s less a result of Trump recruiting from the network as it is a result of the network retreating from the political field, leaving people looking for places they could go to have an impact,” said a former network staffer who worked on the Trump campaign.

 

In fact, many of the Koch veterans who played major roles in the Trump campaign had left the Koch network weeks or even months before joining forces with Trump, including Short, Lewandowski, Ciepielowski, Cobb, Jolly, Miller and Munoz — none of whom responded to requests for comment for this story.

 

Most notably, Short resigned his role as president of Freedom Partners Chamber of Commerce in late February to join Marco Rubio’s rival presidential campaign, motivated partly by the network’s decision to sit out the presidential race.

 

Short landed in Trump’s orbit when the Republican nominee tapped as his running mate Indiana Gov. Mike Pence. A longtime ally of the Koch network, Pence had previously employed both Short and Lloyd, who later went to work for Koch Industries, the privately owned multinational oil and industrial conglomerate that is the source of the brothers’ fortunes, which are estimated at $43 billion each. Short is now helping Pence run the transition effort and is expected to fill a senior role in the vice president’s office, as is Lloyd, who is working as a deputy chief of staff in Pence’s gubernatorial office in Indiana and could not be reached for comment.

 

Other ex-Koch operatives, including Lewandowski, left the network on less-than-great terms, and jumped at the chance to join up early with Trump as he launched a campaign that few establishment operatives or donors took seriously.

 

Lewandowski had worked for years at Americans for Prosperity, where he drew complaints from co-workers and directed an underperforming voter registration initiative. Still, he brought with him from AFP undeniable organizing experience. Under his leadership, the Trump campaign brought on a number of former AFP operatives, including Ciepielowski, Cobb, Jolly, Miller and Munoz — all of whom are up for posts in Trump’s administration or at the Republican National Committee, according to sources in Trump’s operation.

 

Cobb is currently working for the transition team, which also is getting advice from Selnick and Pyle.

 

Selnick is a senior adviser and consultant to Concerned Veterans for America, a nonprofit group funded by the Koch network that has pushed to allow veterans to access private health care — a goal that Trump embraced on the campaign trail.

 

The Trump transition team’s collaboration with experts like Darin is a positive sign that the president-elect is prioritizing real VA reform,” said Dan Caldwell, a Concerned Veterans spokesman, referring to the Department of Veterans Affairs. “We are optimistic that President-elect Trump will now turn these ideas into tangible reforms, and we will support him in that effort.”

 

Pyle, who is leading the Trump transition team’s Energy Department landing team, is the president of a fossil fuel advocacy group called the American Energy Alliance, which has received significant Koch network funding. But the group gradually has been cut out of the network, which may have given it leeway to officially endorse Trump over the summer, even as the Koch network was sitting out the race. Pyle declined to comment.

 

Additionally, some of the deepest pockets helping Trump have either contributed significant sums to the Koch network or attended its twice-a-year donor gatherings. They include transition team executive committee members Mercer, a hedge fund heiress, and Scaramucci, a Wall Street impresario; as well as self-made roofing billionaire Hendricks, a member of Trump’s Presidential Inaugural Committee. Family members of Betsy DeVos, whom Trump nominated last week as his secretary of education, have also been contributors to the network.

 

McGahn, who last week was named White House counsel, represented Freedom Partners and its affiliated super PAC — work he continued for a time even after signing on with the Trump campaign. He didn’t respond to a request for comment.

 

Garza, whose LIBRE Initiative is in good standing in the Koch network, told POLITICO that he is engaged in “some initial talks” about a possible role with the Trump team. But he suggested that, even if he joined the team, it wouldn’t mean that the Trump administration would get a free pass from his group. “We’ll encourage and advocate for freedom-oriented, pro-growth policy proposals and call out bad policy prescriptions regardless of party or personality.”

 

The first potential battle between the Kochs and the Trump administration — the one repeatedly mentioned by operatives in and out of the network — is Trump’s centerpiece infrastructure plan, which constitutes the sort of Big Government domestic spending for which the Kochs have long attacked Democratic and Republican politicians alike.

 

It will be interesting to see whether AFP actually holds the line on something,” said one top Republican operative. “There really could be a Trump-Koch spat in Year One.”

 

Others are interpreting the Koch-Trump détente as evidence that the true allegiance of many Koch staffers was always to the Republican Party, despite the network’s attempts to cast its efforts as independent from the official GOP.

 

Starting in 2006 when Republicans lost control of Congress and even more so in 2008, when we lost the White House, a lot of people just needed a paycheck to keep up with their mortgage, and the Koch network kept them afloat,” said one former network official. “That’s not the way Charles Koch saw it, but the people who were accepting the checks saw it that way. And now, there’s an opportunity for them to get off the Koch dole and get back in power.”

 

Then there’s the question of whether Trump will even want to collaborate.

 

Several operatives around the Koch network said there’s concern that the Trump administration will have no incentive to work with the network.

 

Even as operatives who have cycled through the network are brought into the fold, the prevailing sentiment in Trump world is studied indifference towards the Koch operation. The president-elect’s team, having won without the aid of the Kochs, feels that he can govern without them too. Unlike the campaign, when it was the Kochs who were in the position of strength, weighing whether to support or oppose Trump’s insurgent candidacy, now it is Trump and his team who are in the driver’s seat.

 

If Koch network officials want to work with the Trump administration, they’re the ones who need to reach out, not vice versa, said one former network official now working with the transition team.

 

With the network’s lack of involvement, they essentially said that they didn’t care if Hillary Clinton was elected,” said the former official, arguing that the network has more to gain from working with the president-elect than vice versa.

 

Levin, the AFP board chair, conceded, “I’m not really clear how willing the Trump people will be to work with us. The Trump campaign was aware that we did not actively support him.”

 

While she cited “many common supporters and policy goals” between the network and the Trump team, Levin also suggested the network won’t be without recourse if Trump ignores its priorities. “We feel we have strong allies in Congress, so our power will come from maintaining the relationships we built over the years with senators and congressmen.”

 

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Did the Kochs Bring Us President Trump?

12/01/2016 10:25 am ET | Updated Dec 02, 2016

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Pete Tucker Independent DC reporter @PeteTucker

http://www.huffingtonpost.com/entry/how-the-kochs-brought-us-president-trump_us_583df558e4b002d13f7a8771

 

Pundits have plenty of reasons for Republicans’ 2016 electoral success, but none may be as explanatory as a book published in January, before a single ballot was cast.

 

In Dark Money: The Hidden History of the Billionaires Behind the Rise of the Radical Right, Jane Mayer zeroes in on brothers Charles and David Koch and the secret network they’ve created to push their anti-government zealotry. Their decades of work and billions of dollars help explain the rise of the far Right today.

 

During the 1970s, a handful of the nation’s wealthiest corporate captains felt overtaxed and overregulated and decided to fight back,” writes Mayer. “Disenchanted with the direction of modern America, they launched an ambitious, privately financed war of ideas to radically change the country.

 

Koch Industries – one of the country’s top polluters – has faced hundreds of millions of dollars in government fines and penalties. Its owners, oil and gas barons Charles and David, would go on to lead this coordinated anti-government war.

 

Into the Shadows

 

Charles and David Koch used to be more open about their anti-government extremism.

 

In 1980, David made his case to the public, running for vice president on the Libertarian Party ticket against Ronald Reagan, who the Kochs felt was too mainstream. The ticket received just one percent of the vote.

 

The Kochs failed at the ballot box in 1980,” writes Mayer, “but instead of accepting America’s verdict, they set out to change how it voted.”

 

Undaunted by the electoral rebuke, Charles and David pushed on, only now away from the spotlight (“The whale that spouts is the one that gets harpooned,” their father used to say).

 

The brothers began clandestinely partnering with fellow billionaires to secretly fund a vast network of right-wing organizations, dubbed the “Kochtopus” by critics.

 

The Kochs and their allies learned that “if they pooled their vast resources,” writes Mayer, “they could fund an interlocking array of organizations that could work in tandem to influence and ultimately control academic institutions, think tanks, the courts, statehouses, Congress, and, they hoped, the presidency.”

 

Foot Soldiers for the 1%

 

The Koch network has taken decades to perfect. Win or lose, it doesn’t dismantle after elections – if anything it grows. Obama’s presidency in particular spurred billionaires to invest in the Kochtopus.

 

It wasn’t just the ultra-rich who were stirred up after Obama’s 2008 win. Economic insecurity and the election of the first black president resulted in white backlash, which presented an opportunity for the Kochs to develop what they always needed: an army of dedicated foot soldiers willing to fight for their extreme agenda.

 

What we needed was a sales force,” explained David, who, along with his brother, had been unsuccessfully pitching tea party-themed revolts for many years.

 

With the first hint of the coming Tea Party movement, the Kochs set out “to shape and control and channel the populist uprising into their own policies,” explained economist Bruce Bartlett in Mayer’s book.

 

A generation earlier, Charles and David’s father, Fred Koch, helped put Koch Industries on the map by working on a major oil refinery in Hitler’s Germany. Mayer revealed this, as well Fred’s dealings in Stalin’s Soviet Union, in her book.

 

Citizens United, Republican Gains

 

A year into Obama’s presidency, a second momentous event put even more wind in the Kochs’ sails. The Supreme Court’s 2010 decision in Citizens United lifted restrictions on political spending by outside groups.

 

Now there was little stopping the Koch network, with its seemingly inexhaustible funding. (Ironically, Charles’ and David’s fortunes grew under Obama from $14 billion to $43 billion each.)

 

Since Obama took office, the Koch-backed Republican Party has made inroads at all levels of governments, particularly at the state level, where they’ve gained an eye-popping 900 seats.

 

This makes Republican electoral supremacy more likely for the next decade or more, since legislative districts are drawn by state legislatures, which are now mostly controlled by Republicans.

 

(The Republican advantage comes from politicized redistricting – stuffing large numbers of Democrats into a few districts, making the surrounding districts more likely to go Republican. The 2016 election illustrates the impact of this gerrymandering: The proportion of House seats won by Republicans was greater than their overall vote.)

 

The 2016 election – in which the Koch network pledged nearly $900 million – saw Republicans recapture the White House despite losing the overall vote (which Hillary Clinton now leads by over 2.5 million votes).

 

Trump’s Koch Administration’

 

Donald Trump wasn’t the Kochs’ choice for president, but he still benefited from their powerful network. While the Kochs held back on funding efforts specifically for Trump, they spent heavily to get out the vote for Republicans in key swing states. This helped secure Trump’s win.

 

Since then, the Trump team has tapped so many Koch operatives for top positions that Politico dubbed it “Trump’s Koch administration.”

 

High profile selections include Vice President-elect Mike Pence, a Koch favorite.

 

Trump’s choice to head the CIA, Mike Pompeo, is, like the Kochs, from Wichita, Kansas, and is so close with the brothers he earned the nickname the “congressman from Koch.”

 

Billionaire Wilbur Ross, Trump’s pick for Commerce Secretary, is a personal friend of David’s.

 

For Education Secretary, Trump has tapped billionaire Betsy DeVos. The DeVos family, which owns Amway, has partnered with the Kochs for years, focusing on their home state of Michigan. “I have decided... to stop taking offense at the suggestion that we are buying influence,” Betsy DeVos said of her family’s massive political contributions. “Now, I simply concede the point.” (Betsy’s hushand, Dick DeVos, spent $35 million on his unsuccessful 2006 run for Michigan governor. Betsy’s brother, Erik Prince, founded the mercenary group Blackwater.)

 

Helping lead Trump’s transition team is Rebekah Mercer, whose family has given more than $25 million to the Koch network. Mercer also funds the racist Breitbart News and is close with the site’s former editor, Steve Bannon, who headed up Trump’s campaign and will now be his chief strategist in the White House.

 

Leading Trump’s EPA transition team is Myron Ebell who, like both Trump and the Kochs, is a climate change denier. Ebell works at the Competitive Enterprise Network, which receives funding from the Koch network.

 

Plenty of other, lesser-known names from the Koch network have also been tapped by Trump, who pledged to “drain the swamp” in Washington.

 

Whose America?

 

They didn’t want to merely win elections,” Mayer writes of the Kochs and their partners.

 

They wanted to change how Americans thought. Their ambitions were grandiose – to “save” America as they saw it, at every level, by turning the clock back to the Gilded Age before the advent of the Progressive Era.

 

What the Kochs have achieved in just a few decades is staggering. But it’s worth remembering they had to go underground to pull it off because their extremist views are so unpopular (registering only one percent in the 1980 election).

 

Exposing what the Kochs have done to the country is critical to ensuring it doesn’t continue.

 

In the age of Trump and Koch, there may be no better gift this holiday season than the story told by Jane Mayer in Dark Money.

 

* Correction: The article previously stated that Democrats won more votes than Republicans in the 2016 House races. That’s incorrect. Republicans captured 51 percent of the two-party vote (and 55 percent of House seats), according to The Cook Report’s Dave Wasserman.

 

(記事貼りつけ終わり)

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ次期政権の閣僚、ホワイトハウススタッフ人事が固まりつつあります。重要ポストである国務長官にはエクソン・モービル社最高経営責任者レックス・ティラーソンが指名されました。閣僚人事は連邦上院の承認が必要となりますが、ティラーソンがロシアとのビジネス関係を深めてきたことについて、一部上院議員の中には懸念を表明している人たちが出ています。

 

 しかし、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官はそうした懸念をバカらしいと一蹴しています。エクソン・モービル社の最高経営責任者として多額のビジネス取引をロシアと結ぶのは至極当然であって、それができなければ、最高経営責任者としては無能だ、と言うことを述べています。

 


 キッシンジャーが上記のような発言を行ったのは、コミッティー・オブ・ワンハンドレッドという米中関係を深化させることを目的としている組織のイヴェントでした。キッシンジャーは、米中による世界管理、G2体制の主導者であり、かつ、ロシアのプーティン大統領とも関係を持っている人物です。

 

 トランプが大統領選挙に当選後、キッシンジャーはトランプと会談し、その後、中国を訪問し、習近平国家主席と会談しています。キッシンジャーは、トランプに対して「ご進講」を行うと共に、中国に対して、「かなり過激な発言が出てくると思うが心配しないでもらいたい」ということを説明に行ったのだと思います。

 

 トランプは台湾に肩入れする姿勢を見せています。これは、トランプ大統領当選に貢献し、政権参加においても一定の影響力を持つであろう、ヘリテージ財団の影響があるように思います。ヘリテージ財団は、アメリカ国内のチャイナ・ロビー派(台湾派)の組織で、このヘリテージ財団に多額の寄付を行っているのは、トランプを選挙期間中支え続けた、大富豪の娘レベカ・マーサー、アムウェイ、そしてコーク財団です。

 

 トランプのこうした動きはレーガン政権初期の対中姿勢ともよく似ています。しかし、中国と事を構えることで最も被害を受けるのは台湾ですから、これ以上のエスカレーションは誰も望んでいないでしょう。

 

 また、トランプはまだ正式に大統領になっていませんし、選挙人による最終的な投票も済んでいない状況では、逆に言うと、何を言ってもよいし、今のうちに過激なことを言っておいて、政権発足後に少しずつ軌道修正をしていくというやり方をするのだろうと思います。

 

 米中ロが表面上は対立しながらも接近していく、という状況の中で、日本は、アメリカによって中国に吠えかかる犬の役割をやらされるでしょう。アメリカは都合の良い時には吠えさせておいて、いざとなったら、厳しくしつけて(お灸をすえて)、「日本を黙らせてやった」と中国に恩を売るということもやるでしょう。日本は吠えかかる犬をどうしたってやらされるのなら、遠くにはなれて吠えかかって、決して近づいて吠えかからないことです。あまりに近い距離で吠えかかったら間違って噛みついたり、爪で引っかいたりするという「事故」がおきかねません。ですから、事故が起きないように慎重に吠えかからねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

キッシンジャーはトランプの国務長官選びを賞賛(Kissinger lauds Trump's pick for secretary of State

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年12月14日

『ザ・ヒル』誌

https://www.youtube.com/watch?v=1DoPe8z4fe8&list=RD23achdSE-QI&index=8

 

ヘンリー・キッシンジャー元国務長官は、ドナルド・トランプ次期大統領の国務長官指名を賞賛した。

 

火曜日、トランプはエクソン・モービル社最高経営責任者レックス・ティラーソンを国務長官に指名した。

 

キッシンジャーは、マンハッタンで『』誌の取材に答え、「国務長官の資格に完璧に当てはまる人物など存在しない。私は今回の指名は良かったと思う」と語った。

 

キッシンジャーは更に、ティラーソンが行ってきたこれまでのビジネスのつながりから、ロシアのウラジミール・プーティンとの関係が親密すぎるのではないかという懸念の声が上がっていることについて、それを批判した。

 

キッシンジャーは、コミッティー・オブ・ワンハンドレッドが主催したイヴェントに出席し、「私は、ティラーソンのロシアとの関係が近すぎるという主張に関心を持たない。もし彼がロシアと友好的でなければ、エクソン・モービル社の最高経営責任者など務まらなかっただろう。私はそのような懸念に金輪際耳を傾けない」と述べた。コミッティー・オブ・ワンハンドレッドは米中関係の促進を目的としている組織である。

 

しかし、ティラーソン自身について詳しく議論する段階になると、キッシンジャーの口も重くなり、ティラーソンの任用について議会の承認が得られるかどうかについて質問されて、「(私の予想が外れても)自殺はしませんからね」と軽口を叩いた。

 

リチャード・ニクソン、ジェラルド・フォード両政権で国務長官を務めたキッシンジャーは、トランプがティラーソンを選んだことについて、「親近感を持っている」と語った。ティラーソンとロシア政府の関係は、連邦上院の任用承認のための公聴会に置いて、必ず厳しい質問を浴びせられる理由となることは確実だ。

 

プーティンとティラーソンは2011年にエネルギーパートナーシップについて交渉を行った。『ウォールストリート・ジャーナル』紙は、この時、プーティンはこのパートナーシップは5000億ドルの価値を持つと語ったと報じている。

 

ティラーソンはその翌年(2012年)にロシア友好勲章を受賞した。この勲章は外国人に与えられるものとしては最高の勲章である。

 

マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)は火曜日、ティラーソンに関して「大変懸念」を持っていると語り、ティラーソンの国務長官任用に反対する可能性もあると示唆した。

 

連邦上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)とリンゼー・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は共に懸念を表明している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 
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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ次期大統領は、アメリカ国内の各分野のリーティング・カンパニーの経営者たちを集めて、「戦略・政策フォーラム(Strategic and Policy Forum)」を作るようです。このフォーラムは、トランプ大統領に対して、経済政策を実施するに当たり、参加者たちの知識と経験に基づいて提言を行うことを目的としています。


 以下の記事にもありますが、「ブレイントラスト」とも言うべき存在です。戦前のフランクリン・D・ルーズヴェルト大統領がブレイントラストを重用し、それを真似て、日本でも近衛文麿が有識者たちを集めたのが昭和研究会です。近いところでは、中曽根康弘元首相は有識者たちを重用し、内閣に次々と審議会を設置し、彼らを登用しました。その結果、「審議会政治」と揶揄されました。

 

 トランプは幅広い人材をこのフォーラムに結集しようとしています。トランプを支持しなかった、IT系の新進気鋭の創業者、経営者たちとも会談し、この戦略・政策フォーラムに参加してもらうことになっているようです。

 

 トランプはアメリカ国内に雇用を生み出し、自分を支持した人々に職を与えようとしています。そのために、アメリカの各企業と協力しようとしています。IT系企業は大統領選挙期間中、全体としてヒラリー支持、反トランプ姿勢を示してきましたが、いつまでも対決姿勢を取っていても仕方がありません。トランプが行おうとしているポピュリズムにおいては、雇用を作れる企業が必要ですから、彼らと協力していく姿勢を示しているのに、それをむげに断ることはできないでしょう。

 

そして、トランプは、ポピュリズムを体現し、「人民の友(プブリコラ、Publicola)」になろうとしています。そのために、幅広い人々を結集させようとしています。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプが、エロン・マスクとウーバー社最高経営責任者を顧問ティームに指名(Trump names Elon Musk, Uber CEO to advisory team

 

アリ・ブレランド筆

2016年12月14日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/technology/310321-trump-names-elon-musk-uber-ceo-to-advisory-team

 

トランプの政権移行ティームは水曜日、テスラ社・スペースX社の最高経営責任者エロン・マスクは、ドナルド・トランプ次期大統領の顧問ティームに参加することになると発表した。

 

ウーバー社最高経営責任者トラヴィス・カラニックとペプシ社最高経営責任者インドラ・ヌーイもまたトランプ次期大統領の戦略・政策フォーラムに参加することになるだろう。

 

トランプは水曜日にマスクを含むIT業界の指導者たちとトランプ・タワーで会談を持ったがそれに先立って、上記の発表がトランプの政権移行ティームからなされた。

 

会談にはその他にも重要な人々の参加が予想された。フェイスブックのシェリル・サンドバーグ、グーグル社の親会社アルファベット社のエリック・シュミット、ラリー・ペイジ、アマゾン社創業者で『ワシントン・ポスト』紙を所有しているジェフ・ベゾスが出席する予定だ。ウーバー社の代表は会談に参加しない見通しだ。

 

ウーバー社のカラニックは声明の中で、「私は次期大統領と協力できることを楽しみにしている。フォーラムは、私たちの乗客、ドライヴァー、私たちがビジネスを展開している450以上の都市に影響を与える諸問題に関わることになる」と述べた。

 

マスク、カラニック、ヌーイはトランプ次期大統領の戦略・政策フォーラムに参加するが、このフォーラムには、既に13名のメンバーが参加することになっている。フォーラムのメンバーは、「大統領と頻繁に会談し、大統領が彼の経済政策を実行する際に彼らの特別な経験と知識を共有する」ことになる。

 

戦略・政策フォーラムの議長はブラックストーン社の最高経営責任者であり、共同創業者であるスティーヴン・A・シュワーツマンだ。ブラックストーン社は、世界最大の投資ファンド運用会社である。

 

トランプは声明の中で、「アメリカには、世界の中で最も創造性と活力を持つ企業が存在する。本日、フォーラムに参加する創業者でもある最高経営責任者は、それぞれの分野でトップを走る人々だ」と述べた。

 

トランプは続けて、「私の政権は民間部門と協力し、ビジネス環境を改善し、シリコンヴァレーからアメリカの中西部まで新たな雇用を生み出すために、ビジネス環境を魅力的なものとする」とも述べた。

 

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トランプの戦略ブレイントラストはオバマ政権の政策と親和性を持ち、中道派の人々が集まっている(Trump’s Strategic Braintrust Sounds Sort of Obama-Friendly and Centrist

 

エミリー・タムキン筆

2016年12月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/12/02/trumps-strategic-braintrust-sounds-sort-of-obama-friendly-and-centrist/

 

金曜日、トランプ政権移行ティームは、世界各国の権威主義的な独裁者たちからの電話が相次いでいるという発表の合間に、大統領戦略・政策フォーラムの創設を発表した。このフォーラムは「大統領と頻繁に面会し、参加者の特別な経験と知識を共有し、大統領が、雇用を回復し、“アメリカを再び偉大にする”ための計画に活かすために召集されることになる」ものだ。

 

一見したところ、白人の超富豪たちの集まりを創設することは、大富豪たちが数多く登用される政権と同様に、トランプがポピュリズムにのっとった主張を維持し続けるためには最善の方法のように思われる。

 

このフォーラムには、ジェネラル・モータース社の会長兼最高経営責任者メアリー・バラが参加している。GMは、エリート層が好む電気自動車開発に多額の予算と人材を投じてきた。

 

クリーヴランド・クリニック会長のトビー・コスグローヴも参加している。コスグローヴはオバマケアを撤回する必要を認めないと発言したことがある人物だ。

 

ウォルマート社の会長兼最高経営責任者ダグ・マクミロンもフォーラムに参加している。ウォルマートはエネルギー効率向上と気候変動でオバマ政権を支援し協力してきたし、大企業の中で最も環境対策を進めている存在だ。

 

ボーイング社会長、社長、最高経営責任者を歴任したW・ジェイムズ・(ジム)・マクナーニーも参加している。ボーイングは、イランとの間で航空機売却契約を結んだ。オバマ政権下でのイランとの核開発に関する合意から利益を受けた企業である。このイランとの合意が変更されることを望まないだろう。ボーイングは、世界規模の資材調達網を邪魔されないこと、アジア向けの輸出を促進することを求めている。これは、オバマ大統領が主張してきたが、今や実現は厳しいものとなっている環太平洋経済協力協定(TPP)を下支えするものだ。

 

石油とエネルギー分野の専門家ダニエル・ヤーギンも参加している。ヤーギンはイラクに侵攻しても石油を手に入れることはできないということ、シェールガス採掘のための「水圧破砕採掘」革命(フラッキング・レヴォリューション)は、石炭産出地域を再びよみがえらせることはできないということを主張している。

 

このフォーラムが実際にどんな役割を果たすのか、そして本稿で取り上げた人々が次期大統領を中道に引っ張るかどうか(気候変動のような問題では左派の方向に引っ張るかどうか)、これからも注目していかねばならない。しかし、このフォーラムの参加者がオバマ大統領主催のホワイトハウスの夕食会に出席していても違和感を感じないのは確かなことだ。

 

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