古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2017年06月

 古村治彦です。

 

 アメリカのCIAが冷戦期、世界各国でスパイ活動をしていたことはよく知られています。小説や映画に題材として数多く取り上げられてきました。また、反米的(と目されるばあいも含めて)、もしくは共産主義的な国家指導者や国家体制を転覆させるために、その国の軍部やゲリラなどに資金や武器を渡して、暗殺やクーデターを起こさせていたということはよく知られていました。しかし、アメリカ政府は、公式には、そうした暗殺事件やクーデターへの関与を否定していました。

 

 1953年、イランでは民主的に選ばれたムハマンド・モサデグ首相に対するクーデターが発生しました。そして、親米的なシャーによる王政が1979年のイラン革命まで続きました。1979年、有名なホメイニ師が主導するイラン革命によって、イランの王政は倒され、イスラム共和国が誕生しました。イラン革命の際、テヘランのアメリカ大使館に大学生たちが乱入し、大使館員などを人質にして占拠する、イラン人質事件が起こりました。人質事件はカーター政権内部に解決方法を巡って亀裂を生み(ヴァンス国務長官とブレジンスキー大統領国家安全保障問題担当補佐官の対立とヴァンスの辞任)、大きなダメージを与え、カーターは次の大統領選挙でロナルド・レーガンに敗れました。イラン革命以降、アメリカとイランは国交を断絶し、アメリカはイランの隣国イラクの独裁者サダム・フセインをけしかけてイラン・イラク戦争を起こさせました。

 

 イランの歴史に置いて大きな出来事であるモサデク首相に対するクーデター事件ですが、CIAの関与はほぼ間違いないと言われながら、アメリカ政府は公式に否定してきました。しかし、バラク・オバマ大統領がCIAの関与を認め謝罪し、また、最近、機密解除文書の公開によって、残された電報などから、CIAが関与していたということが明らかになりました。

 

 CIA本部はクーデターの試みが失敗したこともあって、クーデターに参加するなとイラン支局に電報を送っていましたが、現地では命令を無視し、結局、クーデターが成功してしまいました。現地の命令無視・独断専行があったということで、このことまでは推定されていましたが、それを示す証拠が出てきたということが重要です。

 

 また、1950年代に聖職者であり、政治家でもあったカシャニ師がモサデク追い落としに関与し、また、アメリカからの資金援助を要請していたということが明らかにされました。カシャニは現在でもイラン国内で尊敬を集めている人物ですが、そのような人物がアメリカからの援助を求めていたということはイランにとっては隠しておきたい事実だろうと思います。

 

 このように何十年経っても公文書が残されていれば、いつかは事実は明らかにされます。最近の日本の政治状況を見ていると、公文書を残しておくということの重要性を軽視しているように思います。この点はアメリカを見習うべきであろうと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

64年経過して、CIAはついにイランでのクーデターに関する詳細を公開(64 Years Later, CIA Finally Releases Details of Iranian Coup

―新たに公開された文書によって、CIAが如何にして失敗に終わりかけていたクーデターへの参加を取り消そうとしていたか、そして、最後の最後である従順ではない一人のスパイによってクーデターが成功に導かれたが明らかにされた。

 

ベンサニー・アレン=エイブラヒミアン筆

2017年6月20日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/06/20/64-years-later-cia-finally-releases-details-of-iranian-coup-iran-tehran-oil/

 

機密解除された文書が先週公開された。これによって、1953年に発生したイラン首相ムハンマド・モサデクを追い落としたクーデターにおいて、中央情報局(CIA)が中心的な役割を果たしたことが明らかになった。このクーデターは、イランのナショナリズムの火に油を注ぎ、1979年のイラン革命を生み出し、21世紀になってもアメリカ・イラン関係を損ない続けている。

 

約1000ページの文書によって初めて、CIAが如何にして失敗に終わりそうであったクーデターへの参加を取り消そうとし、イラン国内にいる従順ではない一人のスパイによって最後の最後で成功に導かれたということが明らかにされた。

 

CIAの計画はエイジャックス作戦として知られている。CIAの計画は究極的に石油確保を目的とするものであった。西側の企業は長年にわたり、中東地域の石油生産と底からの富をコントロールしていた。サウジアラビアのアラビアン・アメリカン石油会社、イランのアングロ・イラニアン石油会社(イギリス)といった石油企業がコントロールしていた。1950年末、サウジアラビアのアラビアン・アメリカ石油会社は圧力に屈し、石油からの富をサウジアラビア政府と折半することになった。この時、イラン国内のイギリスの持つ石油利権もサウジアラビアでの先例にならうようにという厳しい圧力に晒されていた。しかし、イギリス政府は断固として拒否した。

 

1951年初め、人々の熱狂的な支持の中、モサデクはイランの石油産業を国有化した。激怒したイギリス政府は、モサデクの排除とシャーによる王政の復活のために、アメリカの情報機関と共謀し、計画を練り始めた。しかし、新たに公開された電報が示すところでは、アメリカ国務省の一部には、対立に対するイギリスの非妥協的な態度を非難し、モサデクとの協力を模索する人々がいた。

 

クーデターの試みは4月15日に開始されたが、迅速に鎮圧された。モサデクは関係者を逮捕した。共謀の首謀者であるファズラウ・ザヒィーディー将軍は身を隠し、シャーは国外に逃亡した。

 

CIAはクーデターの試みは失敗すると確信しており、クーデターへの参加を取り消すことに決定した。

 

新たに公開された文書によると、1953年8月18日にCIA本部はイラン支局長に次のような内容の電報を送った。「作戦は試され、そして失敗した。私たちはモサデクに敵対するいかなる作戦にも参加すべきではない。モサデクに敵対する作戦は継続されるべきではない」。

 

ジョージ・ワシントン大学のアメリカ安全保障アーカイヴでアメリカ・イラン関係プロジェクトの責任者を務めるマルコム・バーンは、「CIAのイラン支局長カーミット・ルーズヴェルトは、この電報を無視した」と述べている。

 

バーンは本誌に次のように語った。「カーミット・ルーズヴェルトが電報を受け取った時、部屋にはもう一人の人物がいた。この時、ルーズヴェルトは、“ダメだ、俺たちはここで何もやっていない”と述べた」。ルーズヴェルトはCIA本部からのクーデターの試みを中止するようにという命令を実行しなかったことは既に知られていた。しかし、電報自体とその内容については知られていなかった。

 

ルーズヴェルトの決断の結果は重大であった。電報を受け取った翌日の1953年8月19日、クーデターは成功した。CIAの援助によって準備されたと考えられてきた、「金を支払われていた」群衆の助けがあった。イランの民族主義の英雄モサデクは投獄され、西側に友好的なシャーの下での王政が復活した。アングロ・イラニアン石油(後にブリティッシュ・ペトロレアムに改名)は油田を回復しようと努めた。しかし、この努力は実を結ばなかった。クーデターは成功したが、外国の石油のコントロールの回復に対するナショナリストからの反撃は過激となった。ブリティッシュ・ペトロレアムやその他の石油メジャーはイラン政府と石油からの利益を分け合うことになった。

 

エイジャックス作戦はイランの保守派にとっては亡霊であった。しかし、これはリベラル派にとっても同様であった。クーデターは反西洋感情の炎に風を送った。ナショナリズムの最高潮が1979年に発生したアメリカ大使館人質事件、シャーの廃位、「大悪魔」に対するイスラム共和国の創設となった。

 

クーデターによってイラン国内のリベラル派も排除された。モサデクはイラン史上、民主的な指導者というものに最も近付いた人物であった。モサデクは民主的な諸価値を明確に称揚し、イラン国内に民主政治体制を確立したいという希望を持っていた。選挙を経て構成された議会がモサデクを首相に選出した。首相という職を利用して、モサデクはシャーの力を削いだ。その結果、この時期のイランは、ヨーロッパで発展した政治的伝統に最も近付いた。しかし、更なる民主的な発展は8月19日に窮地に陥った。

 

アメリカ政府は長年にわたり、クーデターへの関与を否定してきた。国務省は1989年にクーデターに関連した文書を初めて公開した。しかし、CIAの関与を示す部分は編集していた。人々の怒りを受けて、政府はより完全な文書を公開することを約束した。そして、2013年に文書が公開された。2年後、機密解除された文書の最終的な公開の予定が発表された。バーンズは、「しかし、イランとの核開発を巡る交渉のために準備が中断され、公開予定は遅れることになった」と述べている。文書は先週、最終的に公開された。CIAの電報の原本は紛失、もしくは廃棄されたものと考えられていた。

 

バーンは、公開が大幅に遅れたのはいくつかの要素のためだと述べた。バーンは、 情報機関は常に「材料と方法」を防御することに懸念を持つものだ、と語る。「材料と方法」とは、最前線で作戦実行を可能にする秘密のスパイ技術を意味する。CIAはイギリスの情報機関との関係を守る必要にも迫られていた。イギリスの情報機関は諜報に必要な人材などを守りたいと考えていたはずだ。

 

 

スタンフォード大学のイラン学教授アッバス・ミラニは、新たに公開された文書によって、CIAの関与以上に興味深い事実が明らかにされた、と述べている。聖職者のアボル=ガセム・カシャニ師の政治における指導的役割の詳細が明らかにされた。カシャニは1950年代に聖職者であり、指導的な政治家として活動した。

 

イスラム共和国では、聖職者は常に善玉である。カシャニはこの時期におけるナショナリズムの英雄であった。今年1月、イランの最高指導者は石油の国有化におけるカシャニの役割を賞賛した。

 

カシャニが最終的にモサデクと分裂したことは広く知られている。イラン国内の宗教指導者たちは共産主義のドゥデー党の台頭に恐怖感を持っていた。そして、モサデクは社会主義勢力の脅威から国を守るには弱すぎると確信していた。

 

新たに公開された文書によると、カシャニはモサデクに反対していただけではなく、クーデターまでの時期、アメリカ側と緊密に連絡を取り合っていたことが明らかになった。カシャニはアメリカからの財政的な援助を求めていた。しかし、彼が実際に資金を得ていたことを示す記録は残っていない。カシャニの要求はこれまで知られてこなかった。

 

ミラニは次のように語っている。「クーデターの成功を左右する日となった8月19日、カシャニの存在は重要であった。カシャニの武装勢力は完全武装してモサデク打倒のために出動した」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


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 古村治彦です。

 

 拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、古村治彦訳、講談社、2015年)の主人公であるコーク兄弟について、日本でも少しは知られてきていますが、知名度はまだまだです。コーク兄弟は、今でも共和党にとって重要な資金源であり、トランプ政権になっても存在感は大きいのです。チャールズ・コーク(資産3兆円以上)は、2016年のアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプを批判し、応援しないと明言しました。一方で、ヒラリー・クリントンについても応援しないということで、静観の構えということになりました。

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アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 コーク兄弟の最近の動きについては、本ブログの以下の記事でもご紹介しています。オバマケアと呼ばれるアメリカの現行の健康保険制度について、トランプ大統領と共和党は撤回と代替法案を連邦議会で可決させようとしています。まず下院で議論され、採決が行われることになったのですが、3月の時点で、下院で賛成票が足りないということで採決が見送られることになりました。後に、ぎりぎりで可決することができました。


 

これは、連邦下院共和党所属議員の中に「フリーダム・コーカス」という議員グループがあり、このグループが下院に提出されていた法案に反対したからです。「同じ共和党が提出した法案にどうして共和党の議員が反対するのか?日本だったら大変なことになる」と不思議に思われるところですが、フリーダム・コーカスは、法案が「改革内容が不十分」ということで反対しました。アメリカでは日本と違い、党議拘束はなく、議員は個人の考えで採決に参加します。

 

 このフリーダム・コーカスの議員たちに支援を約束していたのがコーク兄弟です。コーク兄弟が「改革が不徹底だ」として議員たちに反対させたということになります。最後は妥協して可決しましたが、コーク兄弟の力を思い知らされることになりました。

 

2017年4月2日付「トランプ大統領vsコーク兄弟」

http://suinikki.blog.jp/tag/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9

 

 今週末、コーク兄弟は、自分たちが率いる大口献金者ネットワークの会合のために、コロラド州を訪れていました。そして、同じくコロラド州訪問中であった、マイク・ペンス副大統領と会談を持ちました。ホワイトハウスは公式にはこの会談予定を発表していませんでした。ペンスはコーク兄弟とも親しい関係にあり、トランプ政権とコーク兄弟を繋ぐ存在になっています。また、トランプ政権にはコーク兄弟と関係を持つ人々が多く入っていたり、影響を与えたりしています。

 

 ペンス副大統領との会談後、コーク兄弟が資金援助をしているアメリカンズ・フォ・プロスペリティという団体の責任者が来年の中間選挙には4億ドルの資金を投入するという発表を行いました。これは、共和党、特に急進的な改革派に資金を提供する、そして、民主党の議席増を抑えるということです。

 

 コーク兄弟はトランプ大統領の発言などを批判していますが、彼が行おうとしている税制改革、健康保険改革、気候変動枠組からの離脱といったことは、コーク兄弟も主張していることで、方向性は同じです。ですから、共和党政権と連邦上下両院で共和党が過半数を握っている状態が存続すること、それから共和党を自分たちの思う方向に進めるということがコーク兄弟にとって大事になってきます。

 

 共和党としては、資金を提供してくれる大口献金者のネットワークを構築し、率いているコーク兄弟を無視することはできません。中間選挙に向けて存在感は大きくなっていくでしょう。

 

(貼りつけはじめ)

 

ペンスがコーク兄弟とコロラド州で会談(Pence meets with Koch brother in Colorado

 

リード・ウィルソン筆

2017年6月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/news/339283-pence-stops-by-koch-brothers-conference-in-colorado

 

金曜日、ペンス副大統領は保守派の政治活動家チャールズ・コークと会談を持った。この会談については公式に発表されなかった。会談は、コロラドスプリングスで開催されるコーク兄弟率いるネットワークの大口寄付者会議の前に行われた。

 

ペンスは、コーク・インダストリーズの会長であり、最高経営責任者であるチャールズ・コークと、コーク・ネットワークの主要なメンバーと会談を持った。ペンスはコロラドスプリングスでのキリスト教保守派グループ「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」の40周年記念式典に出席することになっていた。

 

ホワイトハウスが木曜日夜に発表した副大統領の行動予定表に、コークとの会談は掲載されていなかった。

 

金曜日朝、副大統領の報道官は、本誌からの「ペンス副大統領はコーク兄弟が利いるネットワークの人々と会談を持つのか?」という質問に対して回答を拒否した。金曜日夜に報道官にコメントを求めたが返事はなかった。

 

コーク兄弟が率いるネットワークの報道担当ジェイムズ・デイヴィスは、ペンスとチャールズ・コークは税制改革や退役軍人省の改革などについて議論したと述べた。退役軍人省の改革については金曜日にトランプ大統領が署名した。デイヴィスは、会談は50分間にわたって行われたと述べた。

 

会談にはマーク・ショートとマーティー・オブストが同席した。ショートはホワイトハウス法律問題担当部長を務めており、ペンスが下院議員時代に首席スタッフを務めていた。オブストは長年にわたりペンスのアドヴァイザーを務め、大統領選挙においてペンスの政治行動員会の責任者を務めた。

 

コーク兄弟側の出席者は以下の通りだ。コーク・インダストリーズの上級顧問マーク・ホールデン、コーク兄弟が支援している団体「アメリカン・プロスペリティ」会長ティム・フィリップス、チャールズ・コーク財団とチャールズ・コーク研究所の会長ブライアン・フックス、そして、前述のデイヴィスだ。

 

トランプ大統領は、リバータリアニズム信奉者の大富豪コーク兄弟とほぼ関係を持っていないが、ペンスはチャールズ・コーク、デイヴィッド・コークとの間で長年にわたり関係を持っている。

 

アメリカンズ・フォ・プロスペリティはインディアナ州知事時代のペンスを支援した。ペンスの世論調査担当者だったケリアン・コンウェイはコーク兄弟率いるネットワークで働いた経験を持っている。コンウェイは現在、ホワイトハウスでトランプ大統領の上級顧問を務めている。ショートは現在のホワイトハウスの法律問題担当であり、ペンスの首席スタッフを務めた経験を持つ。ショートはコーク兄弟率いるネットワークの主要な構成団体であるフリーダム・パートナーズ商工会議所の運営責任者を務めていた。

 

ホワイトハウスが発表したスケジュールによると、コロラドスプリングス滞在中、ペンスはシュライヴァー空軍基地勤務の軍人たちと昼食を共にし、アメリカ宇宙防衛センターとシェイン・マウンテン空軍基地を訪問することになっている。

 

ペンスは、コロラドスプリングスのブロードモアホテルで開催される連邦上院議員コーリー・ガードナーの政治資金パーティーに出席する予定になっている。ガードナーは全国共和党所属連邦上院議員委員会の委員長を務めている。コーク兄弟率いるネットワークもまたブロードモアホテルで会議を開く予定になっている。ブロードモアホテルは豪華ホテルで、保守派の大富豪フィリップ・アンシュッツが所有している。

 

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2018年中間選挙でコーク兄弟は4億ドルを投じる(Koch brothers to spend $400 million in 2018 elections

 

オリヴィア・ビーヴァーズ筆

2017年6月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/339399-koch-brothers-to-spend-400-million-on-republican-candidates-in

 

今週土曜日、「チャールズ・コーク、デイヴィッド・コーク率いる富豪たちの寄付ネットワークは2018年の中間選挙において、保守的な政策の実現のために4億ドル(約440億円)の資金を投じることになるだろう」、とネットワークの責任者がフォックスニュースに対して語った。

 

保守派の大富豪コーク兄弟から資金を受けている団体「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」の責任者ティム・フィリップスは、「中間選挙では、私たちの政治信条や政策について、3億から4億ドルを投じることになる。金額の大きい方に近い額を出すことになるだろうと思う」と述べた。

 

「連邦上下両院の共和党所属議員たちに言いたいことは、大胆に、強く主張して行動して欲しいということだ」とフィリップは述べ、健康保険改革と税制改革を強調した。

 

フィリップは「そうすることで、2018年になった時に、共和党所属の議員たちが実績を誇る機会を与えることになる」と述べた。

 

政治と政策について資金を投入するという発表は、連邦上院の共和党が木曜日に、彼ら自身のオバマケア撤廃と新しい法案を木曜日に発表した。

 

保守派の多くはメディケイドの縮小や削減を望んでいる。メディケイドは、低所得の人々の多く、高齢者の一部と身体障碍者のための健康保険プログラムである。

 

チャールズ・コークと側近たちはコロラドスプリングスで大口寄付者たちと会合を持った。

 

彼らはメディアに対して、ホワイトハウスは、連邦上院の健康保険法案に対する彼らの情報や資金の投入を歓迎していると語った。今年の春に法案が可決される前に連邦下院で健康保険法案について議論がなされていた時期とは全く異なる対応だ。

 

コーク怯懦からの資源の投入という話では、コーク兄弟は、2018年に選挙を迎える下院議員で、連邦下院に提出された健康保険法案に反対する人々を支援していると報道された。

 

フィリップは続けて次のように述べている。「私たちが議員たちに覚えておいてもらいたいのは、これから行われる4回の選挙(2年おき)の間にオバマケアを撤廃するという約束をしたのだということだ。示威的な行動以上のことを行うことが重要だ」。

 

コーク兄弟と側近たちはオバマケアの撤廃と新しい法律可決よりも、見直しを望んでいる。同時に、彼らは健康保険法案についてトランプ政権と協力していると述べている。

 

連邦上院では共和党が過半数を占めている。そして、早ければ来週にも新しい健康保険法案について採決を行うことになる。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は、先日ご紹介しました『ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ! 」―まず知識・思想から』を書評します。

 

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ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ! 」―まず知識・思想から

 

 ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」の「今日のぼやき」内(「1978」 『ニーチェに学ぶ 奴隷をやめて反逆せよ! ―まず知識・思想から』(副島隆彦著、成甲書房、2017年6月18日)が発売されます 2017年6月15日 古村治彦(ふるむらはるひこ)記)でも書きましたが、私はニーチェの本を読みとおせなかったことをコンプレックスに感じていました。しかし、本書を読んで私は、再び、ニーチェの本に挑戦してみようと思いました。

 

※ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」のアドレスはこちら↓

 http://www.snsi.jp/tops/kouhou

 

 ニーチェの思想の根幹は、「永劫回帰(Ewig WiederkehrenEternal Return)」と「超人(Ubermenschovermansupermansuper-human)」です。ちなみに、最近話題になっている新興企業のウーバー(Uber)は、この超人の「超」のことです。創始者のトラビス・カラニックはニーチェを意識していたのかもしれません。これらの思想のキー概念については、第6章「闘う予言者ニーチェ」の中で、詳しく説明されています。永劫回帰は、自分の人生を愛し、人生がどんなに苦難に満ちていてもそれを繰り返すことをためらわれないということです。そして、超人とは自分のことを決断する主体は人間であり(神を拒絶)、悲惨な現実を受け入れ、肯定することができる、ということです。

 

 ニーチェは自分にもそして他人にも憐みを持つべきではない、かわいそうだと思ってはいけないと語っています。憐みや悲しみの感情を持つことは人間としては自然なことですが、これに支配されてしまうと、これらの奴隷にされてしまう、そして、こうした感情を利用して人間を支配しようとする人間たちが出てくる、それがキリスト「教団」だと言っているのだと思います。

 

 「生老病死(しょうろうびょうし)」という言葉があります。これは、「人間は、生まれ、老い、病を得て、死ぬという苦しみに溢れているが、これを悲しんではいけない」という意味だそうです。私は、この言葉はニーチェの考えの基本を言い表している言葉ではないかと思います。

 

 人間は生まれながらに原罪(The Sin)を背負って生まれており、その食材のために生涯を費やす、そして天国に行く、天国の扉の鍵を握っているは初代ローマ教皇ペトロで、彼に入れてもらえなければ天国には行けない、地獄行きだということになります。天国を人質にして人々を抑圧するというのは間違っています。

 

日本の仏教もローマ教会のように人々を管理するシステム(人別改帳)は、お墓を人質にして、先祖を人質にして、人々からお金を巻き上げる集金システムになっています。お坊さんは、出家、沙弥、雲水といった別名がありますが、今の彼らのほとんどは、家族を持ち、寺の経営者となって、中にはベンツを乗り回し、歓楽街で遊びまわる僧侶たちがいるということです。このように、教団となると途端に堕落してしまうのは、人類共通のようです。

 

 私が好きなイギリスのロックバンド「コールドプレイ(Coldplay)」の大ヒット曲「Viva la Vida(素晴らしき生命)」の歌詞はヨーロッパの歴史や思想の要素がふんだんに入れられているということは前から言われていました。「For some reason I can’t explain I know St. Peter won’t call my name Never an honest word But that was when I ruled the world (うまく言えないが説明できない 私は聖人ペテロが私の名前を呼ばないだろうことを知っている 率直な正直な言葉などなかった 私が世界を支配していた時に)」の部分はとても示唆的です。ローマ教会を批判しているようにも捉えられるからです。もしかするとニーチェの影響を受けているのではないかと思います。


 

 本書の特徴は、ニーチェの生涯が丁寧に描かれ、特に重要な人物たちとの人間関係に光があてられています。ニーチェはリヒャルト・ワーグナーと親しく交際し、後に絶交しています。ワーグナーがあまりにドイツ至上主義に陥ったためだそうですが、確かに、ナチスを扱った映画を見ると、ヒトラーをはじめとするナチスの幹部たちがワーグナーの歌劇を見たり、レコードを聞いたりして熱狂している姿が描かれています。ワーグナーの息子ジークフリートの妻ヴィニフレートはヒトラーの熱心な支援者で、2人は結婚するのではないかと思われていた時期もあったそうです。この熱狂的なドイツ至上主義が結局、ドイツを破滅に導いてしまった、そしてニーチェはそのことを見通していたということです。

 

 ヨーロッパにはニーチェ思想の潮流があり、それが色々な場面で出てくるのだろうと思います。従って、ヨーロッパを理解するためには、ニーチェを理解することが必要となります。

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 民主党は2016年の大統領選挙での敗北から立ち直ろうとしていますが、党の新しい顔、2020年の大統領選挙のスターはまだ見つけられないでいます。最新の世論調査では、ジョー・バイデン前副大統領、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員が大きな支持を集めているようですが、共に少々年齢を重ねて、しかも古顔という感じです。ここで名前が出てくるカマラ・ハリスは黒人女性で現在52歳、アメリカ初の女性大統領になるのでは、という期待の声も出ています。

 

 民主党はまずは2018年の中間選挙で、連邦議会で議席を増やさねばなりません。そのために、トランプ攻撃を行い、オバマケア廃止による無保険者の増加を材料にして議席獲得を目指すということになります。また、ロシアが選挙戦に介入し、操ったという疑惑や、政権内の人物たちが政権発足前にロシアと交渉したという疑惑も材料にしています。

 

 オバマケア廃止については、連邦下院では可決されましたが、連邦上院ではどのような形になるのかは不透明な状況です。

 

 こうした中で、ジョージア州とサウスカロライナ州の連邦下院議員補欠選挙で、共和党候補者が勝利しました。民主党としてはジョージア州の補選で勝利もしくは惜敗を目指して資金と人材を投入しましたが、敗北してしまいました。これは民主党にとっては痛手となります。

 

 民主党は昨年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが一人勝ちするだろうと思われていましたが、民主党所属ではないバーニー・サンダース連邦上院議員が善戦しました。予備選挙中、民主党全国委員会がヒラリーを勝たせようとしていたことを示すメールも出てきて、民主党は分裂しました。ヒラリーが代表する富裕でグローバリズム、インターヴェンショニズムを望む支持者と、サンダースを押し立て、アイソレーショニズムを求め、社会主義とまでは言わないまでも、富の再分配を望む左派的な人々に民主党は分裂状態にあります。

 

 そうした中、ヒラリーが度々公の場に出てきて発言する訳ですが、発言内容が未来志向というよりも、昨年の選挙のこと、しかも他人に敗北の責任を押し付けるものということは既にご紹介しました。こうした状況では民主党も一枚岩で中間選挙に向かうことはできません。

 

 バーニー・サンダースとドナルド・トランプは全く違う姿勢を持っているように思われますが、政策は似ているものが多く、サンダースとヒラリーとの違いよりも小さいのではないかと思われるほどでした。

 

 サンダースを支持したような熱心な有権者たちが、ヒラリーを応援した議員たちを熱心に応援するだろうかというのは大きな疑問であり、その答えは限りなくノーに近いものです。オバマを応援することがそのまま民主党議員たちを応援することになった幸せな時代は過ぎました。ヒラリーはそれだけ大きな傷と分裂を民主党に残しました。

 

 トランプ批判が溢れかえる報道ですが、民主党も決して安泰ではありません。

 

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最新の世論調査で2020年の大統領選挙の民主党候補者希望でバイデンがトップに(Biden tops list of potential 2020 Democrats in new poll

 

ジュリア・マンチェスター筆

2017年6月19日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/338447-biden-tops-2020-dem-in-new-pollhttp://livedoor.blogcms.jp/blog/hfurumura/report/

 

最新の世論調査によると、2020年の大統領選挙の民主党候補者として、ジョー・バイデン前副大統領がリストの第1位となった。

 

月曜日に発表されたモーニング・コンサルトとポリティコの共同世論調査の結果によると、民主党支持者の74%がバイデンを支持した。エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が51%の支持を集め、バイデンに次いで2位となった。

 

バイデンは先週、NPRの取材に対して、「私は大統領選挙に出馬する意思を持っていないが、私は運命というものに大きな敬意を払っている」と述べた。

 

「私は現在、大統領選挙に出馬する計画を持っていないが、出馬しないと約束することもしない」とも述べた。

 

その他に名前が挙がったのは、それぞれ民主党所属の連邦上院議員であるアル・フランクリン(ミネソタ州選出)、コーリー・ブッカー(ニュージャージー州選出)、カマラ・ハリス(カリフォルニア州選出)であった。

 

今回の世論調査は6月8日から12日にかけて民主党支持者895名を対象に行われた。誤差は3%である。

 

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(終わり)






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 古村治彦です。

 

 2017年6月15日に改正組織的犯罪処罰法が成立しました。共謀罪(conspiracy)に関する法律で、277の行為がこの行為で犯罪行為として処罰されます。政府と与党(自民党と公明党)は2000年の国連のパレルモ条約批准のためには、共謀罪が必要であり、かつ、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催のために、テロ防止のためにこの法律が必要だと主張し、最後は、参議院委員会での採決を省略し、本会議で直接採決するという方法で可決しました。

 

 今回の法律改正・共謀罪については以下の本を読むことで理解ができます。


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共謀罪の何が問題か (岩波ブックレット)

snowdennihonhenokeikoku001
スノーデン 日本への警告 (集英社新書)

 今回の法律改正は、①2000年の国連の組織犯罪に関する条約批准、②2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催のために必要であったということになっています。しかし、2000年の条約(パレルモ条約)は、国際的に活動する組織犯罪、具体的にはマフィアを対象としています。そして、金銭的利益、物質的利益を違法な手段で得ることを防止しようというものです。対テロリズムということは、2001年9月11日の同時多発テロ事件以降、世界的な潮流になりましたが、2000年の段階では国際的組織犯罪、具体的にはマフィアによる麻薬、武器、人身の取引とマネーロンダリングの方が問題でした。

 

 2000年のパレルモ条約は組織犯罪、具体的にはマフィアに対するものですが、日本で言えば、やはり暴力団ということになるでしょう。暴力団対策法施行後、暴力団の構成員の数は減少し、利益も落ちている、そのために最大勢力の山口組も分裂している、ということは報道されています。暴力団の実態については分かりにくいところがありますが、衰退傾向にあることは間違いありません。また、組織犯罪ということで言えば、左右の過激派も思い浮かびますが、彼らに大規模なテロ攻撃を行う力があるでしょうか。また、対テロリズムで言えば、既に多くの法律があります。1970年代以降の左右の過激派のテロリズムによって、この時代から既にテロリズムを防ぐ法律はあります。時代に合わせた改正と運用の改善で十分対処できます。暴力団と左右の過激派の力の衰退が顕著な日本では共謀罪は必要ありません。

 

 今回の巨棒材法案の成立は、国連の条約を使って、警察力を強化し、盗聴やおとり捜査、潜入捜査など捜査方法の拡大を行おうという世界的な流れの一端にあります。国連としては、自分たちを利用してプライヴァシー権などの市民的自由が制限されることについては困惑していると言えます。また、世界各国の官僚、特に治安関係者は、連帯して、捜査手法の拡大や権限の拡大、捜査対象の拡大を目指していると言えます。組織犯罪といえば、マネーロンダリングが付き物ですが、国境を超えて動き回るお金の動きを補足したい、止めたい、そうしておいて税金でがっぽり獲りたいという財務関係者の意図もあるでしょう。

 

 このような必要のない法律を作って、人々を縛る方向に進むというのは、世界的に官僚組織の連帯と強化が共通の認識として行われているということでもあります。また、日本の保守を自称する人々は、これを利用して自分たちに反対する人々を弾圧したいということも考えているでしょう。

 

 平成版の治安維持法でもある悪法は撤廃されねばなりません。

 

(貼りつけはじめ)

 

日本は「暴力的な」「欠陥のある」反テロ法を可決(Japan Just Passed a ‘Brutal,’ ‘Defective’ Anti-Terror Law

 

ベンサニー・アレン=エイブラヒマン筆

2017年6月16日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/06/16/japan-just-passed-a-brutal-defective-anti-terror-law/

 

2001年9月11日の攻撃以降、テロリズムの恐ろしい幻影のために、アメリカ、フランス、イギリスといった民主政治体制国家において、政府による捜査、収監、その他の手段を拡大することを認める法律が可決されてきた。そして、3度の失敗の後、日本の国会議員たちは上記の国々と同じ本能に従うことになった。一方、市民的自由を求める人々や野党議員たちは非難の声をあげている。

 

国会議員たちがほとんど行われてこなかったメカニズムを用いて反テロ法案を通常の手続きを迂回して国会で可決した木曜日、多くの人々が東京で反対の声をあげていた。新しい法律は犯罪と考えられる数百の行動をリストにしている。その中には共謀が含まれている。しかし、『ガーディアン』紙によると、リストの中には、テロリズムと関係のない行動も含まれている様であり、その中には公的な場での抗議活動も含まれている。

 

法案の支持者たちは正当化のために様々な説明をしている。法案の示している様々な手段は、組織犯罪を対象にしているもので、2000年の国連条約を批准する義務を遂行するためのものであり、2020年に東京で開催されるオリンピックを安全に行うために必要なのだと主張している。

 

法案可決後、安倍晋三首相は「東京オリンピック・パラリンピックまで3年しかない。従って、私は組織犯罪に関する条約を一刻も早く批准したい。そうすることで、私たちはテロリズム防止のために国際社会としっかりと協力できる」と述べた。

 

しかし、抵抗は強力だ。野党の指導者である村田蓮舫は法律を「暴力的」だと非難している。反対する人々の中には、盗聴やそのほかの手段を拡散させるだろうと懸念を持っている人々もいる。

 

今年5月、東京の上智大学の政治学者である中野晃一は『ニューヨーク・タイムズ』紙の取材に対して次のように述べた。「市民社会の動きが鈍い国において、更なる自己検閲を生み出すことになるだろう」。

 

法律は国際的な批判も受けている。プライヴァシー権に関する国連特別報告者ジョセフ・カナタチは5月に安倍首相に書簡を送り、その中で、「法律はプライヴァシー権と表現の自由の制限を助長する」ものになる可能性が高いと警告を発した。カナタチは法案を「欠陥のある法律」と批判した。

 

ボストンを拠点とする犯罪学教授ニコス・パソスは、国連の国際的組織犯罪条約の起草に貢献した人物だ。安倍首相は法律がこの条約を批准することを目的にしていると主張している。パソスは6月13日に『ジャパン・タイムズ』紙とのインタヴューに応じ、その中で、条約はテロリズムと戦うためのより締め付けの厳しい法律を必要としてはいないと述べた。パソスは、条約は「イデオロギーによって引き起こされた犯罪」を除外するという含意を持っていたと述べている。

 

東アジアの民主国家の中で言論の自由を制限しようという動きが続いており、今回のことが初めてのことではない。表現の自由に関する国連特別報告者デイヴィッド・ケイは木曜日に発表した報告書の中で、人々による開かれが議論と出版の自由が日本では制限されつつあると警告を発した。ケイは、メディアによる自主検閲と歴史教科書における日本の戦時中の犯罪行為に関する議論の欠如を例として挙げている。

 

2010年以降、安倍首相は日本の伝統的に防御に徹してきた軍事力の使命を拡大させてきた。彼はまた、日本の平和主義的憲法の改定を目指している。これは今のところ成功してはいない。

 

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市民的自由に対する懸念の中日本は「暴力的な」対テロ法を可決(Japan passes 'brutal' counter-terror law despite fears over civil liberties

 

国連の専門家を含む批判者たちがCritics including UN expert fear legislation passed by Abe government could target ordinary citizens and deter grassroots opposition to government policies

 

ジャスティン・マカリー・ロイター通信(東京発)

2017年6月15日

『ザ・ガーディアン』紙

https://www.theguardian.com/world/2017/jun/15/japan-passes-brutal-new-terror-law-which-opponents-fear-will-quash-freedoms

 

日本は議論が分かれていた法律を可決した、法律はテロリズムやそのほかの重大な犯罪のための共謀を対象とするものだ。これに対して、国連が法律は市民的自由を損なうために使用できる可能性があるという懸念を表明した。こうした中で法律は成立した。

 

与党である自民党と連立相手は、議事堂の外で多くの人々が反対する中、参議院で法案を可決した。

 

法案の採決は人々からの反対が強まる中で3度も延期された。そして、国連の専門家が「欠陥のある」法律だと述べた後に採決された。国連の専門家の発言に対して、日本の安倍晋三首相は怒りを持って対応した。

 

日本政府の高官たちは、法律が世界規模の組織犯罪2000年の国連条約の批准に必要だ、2019年のラグビーのワールドカップ、続く年のオリンピックの開催の純部のために、日本の対テロリズム対策の改善が必要だと主張している。

 

安倍首相は記者団に対して次のように述べた。「東京オリンピック・パラリンピックまで3年しかないので、組織犯罪に関する条約を速やかに批准したい。そうすることでテロリズムを防ぐために国際社会と協力できる。これが法律を成立させた理由だ」。

 

法律は共謀と277の「深刻な犯罪」を犯罪化するだろう。

 

しかし、日本弁護士会とその他の批判者たちは、法律が対象としている行為の中には、テロリズムや組織犯罪と関係がないものも含まれていると指摘している。それらにはアパートの建設に反対するための座り込みや音楽のコピーがある。

 

反対者たちはこの法律が安倍首相の国家機関の力を拡大させようというより広範な目的の一部だと考えており、政府は否定しているが、一般市民が標的とされるのではないかと恐れている。

 

野党民進党の党首である村田蓮舫は、安倍政権は「暴力的な」法律を通して思想の自由を脅かそうとしていると述べた。

 

批判者たちは、法律が合法的な盗聴の拡大と裁判所が警察の捜査力の制限を躊躇することで、政府の政策に対する草の根の反対を押さえることになると主張している。

 

法律の成立をスピードアップしようとして、連立与党はこれまでに例のない、反対の多い方法を採用した。それは参議院の委員会での採決を省略して、直接参議院本会議での採決を行うというものであった。

 

プライヴァシー権に関する国連特別報告者ジョセフ・カナタチは、先月安倍首相に書簡を送った。その中で、首相に対して、法律は「プライヴァシー権と表現の自由に対する制限をもたらす」リスクがあることを明らかにするように求めた。

 

安倍首相はカナタチの法案に対する評価を「著しくバランスを欠いた」ものと評し、カナタチの行為は「客観的な専門家のそれとは言い難い」と述べた。

 

カナタチは木曜日、日本政府は「欠陥のある法律」を可決するために、「恐怖心理」を利用したと述べた。

 

カナタチは更に次のように述べた。「日本はプライヴァシー保護を改善する必要がある。まして今回の法律が成立するならなおのことだ」。

 

共謀についての情報を集めるには、警察の捜査能力の拡大が必要であり、この法律は日本版の「思想警察」を生み出すことになると批判者たちは述べている。日本の思想警察は、第二次世界大戦前と戦時中、公共の秩序に対する脅威と見なされた政治グループを捜査するための広範な力を持っていた。

 

共同通信は先月世論調査を実施した。その結果は、法案について有権者は割れており、支持は39.9%、反対は41.4%であった。

 

国会議事堂前には推定5000名の人々が集まり、デモを行った。彼らは新しい法律を「専制的」であり、日本を「監視社会」にすることを防ごうと訴えた。

 

共同通信の取材に対して、54歳の女性ミユキ・マスヤマは次のように答えた。「平和なデモがテロリズムと見なされて禁止されてしまうかもしれません。私たちの表現の自由が脅威にさらされているのです」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







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 古村治彦です。

 

 イギリス首相テレーザ・メイが総選挙実施を発表した時、野党に対して責任のある行動を取るように求めました。この選挙であなた方は罰を受けるのよ、という感じでした。しかし、実際に罰を受けてしまったのはテレーザ・メイ率いる保守党でした。総選挙実施発表直後は、保守党が大勝するという予想が出ていましたが、その後、過半数は維持するだろうとなり、更には過半数確保は難しいとなっていきました。選挙結果では保守党が勝利し、連立政権を組むことでメイ政権は続くことになりますが、勝利者はイギリス労働党と、時代遅れの社会主義者として冷遇されてきたジェレミー・コービン党首でした。

 

 アメリカではジョージ・W・ブッシュ、日本では小泉純一郎がリーダーであった時代、イギリスではニューレイバー(新しい労働党)を掲げたトニー・ブレアが首相でした。伝統的な労働党の路線を棄て、より中道的な政策へと転換しました。それが新しいものだと考えられてきました。古臭い社会主義の臭いのする政策は失敗だったとヘイリの如く捨てられました。

 

 日本でも新しいリベラル勢力として、一部保守的な政治家も取り込んで、民主党が生まれました。民主党は若い政党としてあっちにぶつかり、こっちにぶつかりしながらもなんとか野党として存在感を出し、参議院では自民党を追い越す議席を獲得することができるようになりました。そして、「国民の生活が第一」を掲げて、総選挙に大勝して、鳩山由紀夫政権が誕生しました。

 

 しかし、民主党内部、そして官僚、自民党からの攻撃の前に、鳩山政権は1年で瓦解し、その後は、自民党とどこが違うのか分からない、中途半端な菅直人政権、野田佳彦政権と続き、財務省の言いなりになり、増税一本槍となり、民主党は政権を失いました。また、国民からの支持も失い、この状況は現在も続いています。

 

 安倍政権がどれほどの失敗やスキャンダルを起こしても、「民進党よりもまし」と思われているというのは、民進党が国民に貢献していないということであって、このことは厳しく糾弾されるべきです。政権獲得から喪失までを分析し、反省しなければなりませんが、この時期に中心的役割を果たした人々が無反省に指導部に居座っているようでは話になりません。

 

 今回のイギリス労働党の躍進は民進党のお手本になるものです。緊縮財政に反対し、対外強硬、排外主義に反対し、「国民の生活が第一」の旗をもう一度掲げるべきです。

 

 また、イギリス労働党の再生(resurrection)は、党内の「異分子」と言われ、冷遇されてきた勢力が中心となったという点は自民党にもお手本になるものと思います。現在、自民党は安倍一強時代と言われています。安倍氏に代わって指導者になれる人材がいない(あれだけ国会議員の数がいるのに)という状況にあり、かつ官邸が力を持ち、異論を許さない状況にあります。そういった意味では、恐怖で支配する「一枚岩」という状況ですが、「一枚岩」は、状況の大きな変化に対応できません。イギリス労働党がブレア路線の人々ばかりであったなら、保守党との差異を打ち出すことができずに、潰れていたことでしょう。それと一緒で、安倍路線で一枚岩では、大きな変化の際に対応できる人材がいないということになります。

 

 ですから、少数派や異論を述べる人々は組織の中で必要とされます。今の自民党では、そのような多様性がないように見えますが、それでも、ジェレミー・コービンのように異論を堂々と語り続けることができる人が出てこなければ、自民党は変化に対応できないということになるでしょう。わが世の春はいつまでもは続かないということは歴史が証明しています。

 

 アメリカやイギリスで起きた動きは、やがて遅れて日本にもやってくるでしょう。日本の有権者や国民は愚かだという言説には私は与しません。変化を感じ取ってそれを行動で示すことができるものと確信しています。

 

(貼り付けはじめ)

 

労働党はジェレミー・コービンのものとなった(The Labour Party now belongs to Jeremy Corbyn)―ブレア時代は6月8日に本当の終焉を迎えた

 

『エコノミスト』誌

2017年6月10日

http://www.economist.com/news/britain/21723193-blair-era-truly-ended-june-8th-labour-party-now-belongs-jeremy-corbyn

 

テレーザ・メイは8週間前に総選挙の実施を発表した時、ジェレミー・コービンは、1983年のマイケル・フット以降、もしくは1935年のジョージ・ランズブリー以来、最弱の指導者であると多くの人々が考えていたコービン氏は番狂わせを演じ、復活した。イギリス議会におけるキングメイカーとなる可能性を持ち、労働党の強力な指導者となっている。

 

コービン氏が連立政権を組むことができる可能性は低い。イギリス国民は保守党に過半数に少し足りない議席を与えた。常識で考えれば、現在の与党が政権に就く第一のチャンスを持つ。しかし、スコットランド民族党と自由民主党といった野党勢力の多くが保守党よりも労働党と条件交渉をして連立政権を作る可能性も存在する。保守党が連立政権を構築できる場合、コービン氏は強力な野党勢力の強力な指導者となるだろう。コービン氏は過半数を少し超えただけの議席しか持たない連立政権率いる首相に圧力をかけ続けることができるだろう。

 

コービン氏はイギリスの左派を革命的に変化させている。1980年代中盤以降、労働党は、中道に進むことが政権獲得のための唯一の方法だと確信してきた。左翼的な政策である産業の国有化や「国家規模での解放の闘争」の支援を取り下げ、市場と西側の同盟諸国を重視する政策を掲げるようになった。コービン氏はこのような主張に反対する少数の議員の一人であった。トニー・ブレアと側近たちはコービン氏を、人々をイラつかせるような、過激な人物として処遇してきた。

 

労働党の国会議員たちの大多数はついこの間までブレアの採用した方法を支持してきた。2015年、コービン氏は労働党党首に選ばれたが、彼が勝つなど誰も考えていなかった。2016年、労働の国会議員の4分の3はコービン氏の留任に反対票を投じたが、このクーデターは失敗した。多くの議員たちにとって、コービン氏は占領軍のようであった。そして、少数の信念を持つ強硬左派の人々によってコービン氏は支えられていると考えられていた。コービン氏の首席ストラティジストである有名なセウマス・ミルンと労働組合連合(UNITE)の指導者レン・マクラスキーがコービン氏を支えてきている。また、最近まで労働党以外に所属していた活動家たちが作る草の根の圧力団体もコービン支援に参加し、勢いが出た。

 

労働党の国会議員たちは根本的に考え直すことになるだろう。コービン氏は可能性の限界を再構築し、可能性を拡大することに成功した。コービン氏は労働党が中道に進むよりも、労働党が真に信じているものを主張することで、選挙でうまくやることができるということを示している。労働党の前党首エド・ミリバンドは2015年の総選挙で敗北した。その理由の一つはミリバンドが弁解や謝罪ばかりしているように見えたからだ。

 

対照的に、コービン氏は常に社会主義者であり続けてきたことに誇りを持ってきた。彼はまた、タブロイド紙が、労働党が恐れるロットワイラー犬ではないということを示した。コービン氏とアイルランド共和国軍との関係についての記事が多く出され、その多くが真実であったが、有権者の多く、特に若い人たちにとってそれは気にするべきことではなかった。 ブレア時代は6月8日に本当に終焉したのだ。

 

コービン氏はこれから厳しい挑戦を受けることになる。労働党が連立政権を構築する場合、コービン氏は連立相手に対して妥協しなければならないだろう。野党である立場を選択する場合、党内から厳しい批判を受けることになる。労働党内部からは、コービン氏以外の指導者であれば選挙に勝てていただろうという声が上がっている。結局のところ、経済は弱いままで、人々は耐乏生活を強いられている。全国健康サーヴィスは繰り返し危機的状況に陥っている。 それにもってきて、テレーザ・メイは最近の歴史の中で、最悪の選挙戦を展開した。

 

こうした条件が揃っていたのだが、それでも労働党の躍進を予測することは難しかった。コービン氏は全ての予測を覆す強力な選挙戦を展開した。彼は選挙に勝てなかったが、保守党の指導者とは異なり、勝利者のオーラを身にまとっている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12






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 古村治彦です。

 

 加計(かけ)学園岡山理科大学獣医学部新設が連日国会で取り上げられています。愛媛県今治市に開学予定の岡山理科大学獣医学部をめぐり、安倍晋三首相と加計孝太郎・加計学園理事長がアメリカ留学時代以来の友人関係で、便宜が図られたのではないかという疑惑が出ています。

 

 現在の加計孝太郎理事長の息子が鹿児島大学農学部の卒業で、現在、鹿児島大学と山口大学共同で設立し運営している研究科(大学院)で博士号取得を目指して勉学に励んでいるという話があり、孝太郎氏が鹿児島大学農学部を訪問した際に、「この程度の施設で良いなら自分たちでもできる」と考えたという報道がなされています。また、「博士号を取得する息子へのご褒美としての獣医学部じゃないか」という半分やっかみの声も存在します。

 

 人口減少時代、ペットの数は少なくなるでしょうし、家畜管理や食品衛生の分野の獣医師数は不足している訳ではないという主張から、日本獣医師会は新規の獣医学部開設には反対していましたが、岡山理科大学獣医学部は定員120名で開設ということになりました。これまで全国の国公立私立各大学獣医学部の定員合計が約1,000名でしたので、その1割以上の大きな定員の新しい学部が新たに誕生することになりました。獣医師の需要と供給のバランスに大きな影響を与えることになるでしょう。ペットの減少の上に、供給過多になれば、当然のことですが、小さくなるパイを分け合う獣医師の数は増えていきますから、取り分は小さくなります。

 

 また、これまで試験で一定の水準以上の学力を持つ学生を選抜することで、学生の質を確保してきましたが、これまで不合格となってきた学力の学生を受け入れるということになると、教育が難しくなるという可能性があります。

 

 山本幸三地方創生担当大臣は、獣医師教育の質が下がっており、競争のために新しい学部の開設は必要だと述べましたが、どのような根拠でそのようなことを述べたのか分かりません。

 

 日本の地方自治体では、大学を誘致して若い人を呼んできて地域を活性化させようという考えを持つところが多くあります。そのために土地取得などで便宜を図るということをやっています。

 

獣医師の仕事は地方と都市両方にありますが、今治市にあるキャンパスで学んだ人々(1学年120名)のうち、今治市にそのまま残ることができる人はほとんどいないでしょう。今治市と今治市の周辺にそれだけの獣医師を必要とする仕事はないでしょう。仕事を求めて日本全国に散らばるでしょうし、自分の出身地に戻る人もいるでしょう。

 

 地方私立大学は今、学生の確保に四苦八苦しています。医師、看護師、薬剤師、教師などの資格が取得できる学部の学生確保は大丈夫なようですが、それ以外の学部は厳しい状況にあります。ですから、こうした学部を持っている地方私立大学は大丈夫でしょうが、文系学部しかないような地方私立大学は厳しい状況に置かれています。

 

 岡山理科大学獣医学部に関しても、学生の確保については懸念が持たれていたことが報道されています。国家資格である獣医師免許が取得できる学部でも実は厳しいということが分かります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「<加計学園>獣医学部 内閣府「学生が集まるのか」懸念示す」

 

6/13() 7:30配信 毎日新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170613-00000008-mai-soci

 

 ◇今治市議会の資料で分かる

 

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」が愛媛県今治市で獣医学部を新設する計画を巡り、内閣府が昨年2月の時点で「学生が集まるのか」と懸念を示していたことが、今治市議会の資料で分かった。ところが、競合する大学もある中、内閣府はその後も市側と連携しながら2018年4月開学を推し進めていた経緯が浮かび、野党側は加計学園を前提に手続きを進めていたとして批判を強めている。【松井豊、小林祥晃、遠藤拓】

 

 毎日新聞が入手した資料によると、昨年2月9日に市議4人が内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(現審議官)らと国会内で面会。内閣府側から「(市の)新設大学への財政支援による今後の財政悪化や、人口減少により学生が本当に集まるのか」との指摘を受けたとされる。ところが、昨年3月8日の市議会本会議では菅良二市長が「最速で平成30(18)年4月の開学となれば大変ありがたい」と表明。同4月21日に市議会特別委の協議会で配布された資料のスケジュール表にも「最速でH30・4開学(予定)」と書かれている。

 

 さらに、情報公開条例に基づき開示された市の資料では、市が特区に指定される以前の15年4月2日の時点で、市の担当課長らが獣医師養成系大学の設置に関する協議のため首相官邸と内閣府を訪問したことも判明。今月8日の参院農林水産委員会で自由党の森裕子氏が資料に基づき事実関係をただしたが、萩生田光一官房副長官は「記録が保存されていないため確認できなかった」と答弁。藤原氏も「自分が会ったかどうかも含めて市との面談は確認できていない」とし、森氏は「これで公正に加計学園が選ばれたなんて国民が納得するのか」と批判した。

 

 獣医学部新設を巡っては、京都産業大も京都府内での新設を希望していたが、京都府側は「18年4月開学」について内閣府が昨年11月18日に公式に発表して初めて把握し、準備が間に合わないとして見送った経緯がある。特区を担当する山本幸三地方創生担当相は国会で「(開学時期を)事前に今治市に対しても、京都府に対しても一切申し上げていない」と答弁している。

 

(貼り付け終わり)

 

 地方自治体は若者を地元に呼び込みたいということで、大学の開学や新しい学部の開設を求め、そのために多額の公費(税金)を投入するということをしています。そして、地方私立大学はそうした優遇措置があるのなら、ということで開学、開設を行うという形になっています。しかし、そこには理念であるとか、社会に奉仕するための目標というものは存在しません。安易な人集めと税制の優遇で利益が合致した、ということでしかありません。こうして見ると、教育、特に高等教育は何も神聖なものではなく、学生(生徒)を人質にした商売でしかないということが明らかになります。

 

 こうした商売が見込み通りに行けばいいですが、そうならないと破綻ということになります。一般的な企業であれば、清算や破産ということになります。しかし、学校の場合には、なかなかそうはいきません。特に多額のお金を投入した大学の場合は、大きな問題になります。そうした場合にとられる措置が「私立大学の公立化」です。以下の雑誌記事がその実態を伝えてくれています。是非お読みください。

 

※「地方の私大を公立化する「ウルトラC」の成否 大学、学生、自治体みんながハッピー?」(『AERA』誌 2016年12月13日)

http://toyokeizai.net/articles/-/149287

 

 雑誌記事によれば、山口県にある東京理科大学が設置した山口東京理科大学は、運営していた東京理科大学が学生数の減少などを理由に閉鎖するしかないと決定しました。それに対して、地元の山陽小野田市は、そうなると大きな責任問題になるということで、「公立化」することになりました。その結果、「山陽小野田市立山口東京理科大学」という何が何だか、という名前の大学になりました。また、教育県として名高い長野県では、3つの私立大学が公立化されたということです。

 

 公立大学になったので、国からの補助が多く出るようになり、結果として学費が下がり、「国公立」の仲間入りをしたことで、地方の国公立大学志向の学生たちが志望するようになり、競争率が数倍に跳ね上がる結果となりました。これは、山口理科大学にとっては素晴らしいことかもしれませんが、このような素晴らしい状況を生み出しているのは私たちの税金が投入されているからです。

 

少子化や格差の拡大で学生の確保が難しい地方私立大学で、苦渋の選択で閉鎖するところも出てくるでしょうが、公立化してもらえるところとそうではないところが出てくるのは不公平です。しかも、本当は閉鎖されるべき大学がゾンビのように税金で生き残るというのはおかしな話です。

 

 今回の岡山理科大学獣医学部新設をめぐるスキャンダルは、クローニー・キャピタリズム(お仲間優遇資本主義)としての面と、日本の高等教育が抱える問題を明らかにしたということが言えると思います。日本の高等教育を支えているのは、私立大学です。全国に約700ある大学・短期大学の中で、私立が占める割合は7割以上です。戦後の日本の高等教育を支えてきた私立大学ですが、今、少子化の時代を迎え、厳しい時代になっています。大都市圏にある有名私立大学でもそこまで深刻ではないですが問題はあるようです。

 

 日本のこれまでのキャッチアップ型の方向性が終わった中で、高等教育はどのような理念と目標を持って、社会に対する貢献を行っていくのかということが再考され、再構築されねばなりません。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





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 古村治彦です。

 

 アメリカのドナルド・トランプ大統領の当選に関して、ロシア政府の関与、介入があったこと、トランプ政権とロシア政府との間で共謀があったという疑惑が連日ニュースになっています。ウォータゲート事件になぞらえて「ロシアゲート」「クレムリンゲート」などと呼ばれています。

 

 しかし、実際はそのようなものではない、ということが先日のジェイムズ・コミーFBI長官のアメリカ連邦議会での証言でも明らかになりました。コミーはトランプ大統領を「嘘つき」と呼びましたが、トランプ大統領がロシア関連捜査の対象ではないということを明言しました。また、捜査妨害についても命令されたものではないと述べましたし、バラク・オバマ前政権のロレッタ・リンチ司法長官から「ヒラリー・クリントンのEメール問題を大ごとにしないように」と言われた、と証言しました。こちらの方がより積極的な捜査妨害ということになります。

 

 ロシア関連捜査では、トランプの義理の息子で上級顧問でもあるジャレッド・クシュナーも捜査対象になっている、という報道がなされました。今回ご紹介する記事はそれに対する反論記事です。内容を読んでいただくと、トランプ政権に対する攻撃が酷いものだということが分かります。

 

 根拠薄弱なスキャンダルで大騒ぎしても、トランプ政権に対する致命傷にはならないということもまたはっきりします。

 クシュナーがヘンリー・キッシンジャーの最後の弟子として、トランプ政権で外交政策、特に対ロシア、対中国で重要な役割を果たしています。このクシュナーを排除しようという動きは、ロシアや中国を敵視している人々、具体的には民主党内の人道的介入主義派、共和党のネオコンが主導しています。こうした人々がリベラルなメディアとして知られるニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙を使ってトランプを攻撃しています。こうしたリベラルメディアはネオコンとは敵対するくせに、人道的介入主義派に対しては無批判です。


 表面的に見れば、リベラルな正義のメディアが邪悪なトランプ政権を攻撃しているという形になりますが、実際はその逆ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ジャレッド・クシュナーを攻撃対象にした捻じ曲げられた攻撃(The twisted takedown targeted at Jared Kushner

 

カイレイ・マケナニー筆

2017年5月30日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/pundits-blog/the-administration/335694-the-twisted-takedown-targeted-at-jared-kushner

 

ジャレッド・クシュナーを攻撃目標にしている捻じ曲げられた攻撃が行われている。クシュナーはドナルド・トランプ大統領の上級顧問であり、義理の息子だ。左派の人々は昨年の11月8日のトランプの勝利をいまでにうまく消化できないでいる。左派の人々は、彼らが「存在すべきではない」と確信しているトランプ政権を追い落とすことを固く決心している。

 

トランプ大統領を追い落とすためには、リベラル派は大統領とアドヴァイザーたちとの間にくさびを打ち込むことで打撃を与えねばならない。リベラル派の人々は、米大統領国家安全保障問題担当補佐官だったマイケル・フリンを辞任させたことで成功の味を覚えた。当時、フリンはジョー・バイデン副大統領に嘘をついたというニュースが連日報道された。リベラル派は更なる成功を求め、それを渇望している状態だ。

 

リベラル派は、ジェフ・セッションズ司法長官を辞任させようとしている。セッションズは司法長官就任まで連邦上院議員であったが、この時に駐米ロシア大使と会談を持ったことを議会証言の際に明らかにしなかったということがニュースとして報道された。セッションズが連邦議員だった時にロシア大使と会談を持ったことは違法なことでもやましいことでもない。これ以降、大統領首席ストラティジストであるスティーヴ・バノンが更迭されるというリーク(情報漏洩)が数多くなされ、報道された。バノンの更迭は、ホワイトハウスのシーン・スパイサー報道官が更迭されるというニュースと同じく、根拠のないもので、実際に起きなかった。

 

現在、左派はより大きな攻撃目標に狙いを定めている。それは、大統領が最も信頼しているアドヴァイザーであるジャレッド・クシュナーだ。リベラル派は匿名の情報漏洩(リーク)を使ってそこに犯罪性があるように見せようとしている。漏洩された情報の内容が事実であった場合、こうした動きは正しいし、因果関係を説明できるものとなるが、リベラル派が指摘しているのは、根拠のない疑惑ばかりである。

 

このようなやり方は、「攻撃目標を定めてくれ、そうしたらそいつの犯罪を見つけてくる」というものだ、とハーヴァード大学法科大学院教授アラン・ダーショウィッツは指摘している。クシュナーは疑惑について、捜査に全面的に協力し、全ての質問に答えている。彼は不自然なまでの犯罪疑惑の被害者である。

 

ここからはジャレッド・クシュナーに対する嫌疑と呼ばれるものについて見ていく。

 

●クシュナーとロシア政府関係者との会合

 

ホワイトハウスは、クシュナーが政権移行の時期にロシアの代表団と「相互の連絡方法を構築」するために会談を持ったことは認めている。しかし、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「政権移行ティームの幹部が外国政府の幹部と会談を持つのは普通のことではあり、不適切とは言えない」と指摘している。

 

実際のところ、クシュナーは駐米ロシア大使とロシア大使の提案でロシアの銀行家と会談を持った。それだけではなく、様々な国々の政府関係者20名以上と会談を持った。政権移行ティームの外交政策部門の責任者として、クシュナーの責務は外国政府関係者と会談を持つことである。

 

●ロシアをめぐる捜査に対するクシュナーの介入

 

木曜日にアメリカ政界を揺るがす「ジャレッド・クシュナーがロシアをめぐる捜査の対象に」という見出しの記事が出た。よくないことの前兆のように思えるものではないか?

 

『ワシントン・ポスト』紙の記事の内容は見出しのおどろおどろしさを打ち消すものであった。5段落続いた後の文章を以下に引用する。「本紙はクシュナーが捜査対象、もしくは捜査にとっての重要人物であるという報告は受けていない。そして、彼は謝った行動によって告発されているものでもない」。

 

明確になったのは、クシュナーは捜査の「対象」ではないということだ。また、そこには犯罪性を示すものは存在しないということだ。ジェニファー・ルービンがワシントン・ポスト紙上のコラムの中で書いているように、クシュナーはトランプ政権の外交政策に関する主要な存在であるので、「クシュナーは目撃者ではあるだろうが、実行者ではないかもしれない」というのがせいぜいのところなのだ。

 

●クシュナーがロシアに対して裏チャンネル構築を依頼したという疑惑

 

金曜日、ワシントン・ポスト紙は、リベラル派のトランプ政権に対する攻撃の材料となる記事を一面に掲載した。それは、「駐米ロシア大使が本国のロシア政府に対して、クシュナーがロシア政府との間で非公式の裏の連絡チャンネル構築を望んでいると報告した」というものだ。中身を読まなくても、おどろおどろしい話のように聞こえる。

 

ワシントン・ポスト紙は、ロシア大使とロシア政府との間の会話の中身を盗み見したか、盗聴をした匿名の人物への取材に基づいて記事を書いている。ロシア大使は、クシュナーが連絡用の秘密チャンネルの構築を提案したと本国政府に報告したということは考えられる。

 

繰り返しになるが、今回もワシントン・ポスト紙は自身の記事の信憑性を自身で損なっているのだ。 今回は8段落記事が続いてからの文を引用したい。「ロシアは時に疑いを持っている情報チャンネルに間違った情報を流し、経緯を監視することがある。これは、アメリカの専門家たちに誤った情報を与え、混乱させるためだ」。 記事の内容は、アメリカを混乱させようとしてロシアが提供した誤った情報に基づいている可能性がある。一方で、左派は繰り返し、ロシアは信頼できず、邪悪な存在だと主張しているが、そのロシアが提供した情報でトランプ政権がダメージを受けるということになると、ロシアは信頼できるので情報は正しいということになる。

 

しかし、たとえ記事の内容が真実だとしても、ジョン・ケリー国土安全保障長官は、裏チャンネル構築の提案は「私を不快にさせるものではない」と述べている。また、H・R・マクマスター大統領国家安全保障問題担当補佐官は、週末に「そうした話に懸念を持つことはない」と発言し、ケリーの発言を支持した。

 

どうしてだろうか?それは、裏のチャンネルは、目的の達成のために戦略的に使用されるコミュニケーション方法としては一般的なものだからだ。オバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官は、イランと核開発をめぐる合意を結ぶためにコミュニケーションを取ろうとして、オマーン政府と非正規なルートでやり取りを行った。そうなのだ、オバマ政権はテロ攻撃を支援する最大国家とコミュニケーションを取るために、裏チャンネルを使ったのだ。オバマ政権がそのようなことをしても誰も怒り狂ったりしなかったではないか。

 

裏チャンネルは、トランプ政権が使うと途端に邪悪な方法になる、と言っているようなものだ。

 

私たちアメリカ国民が懸念を持つべきなのは、トランプ政権がダメージを受けることと、ロシア側と共謀していたとする根拠のない疑惑についてである。ダーショウィッツは次のように指摘している。「これはアメリカ政治における大きな後退となる。市民の自由に関して大きな疑念を生んでいる」。

 

ダーショウィッツは、犯罪捜査は通常であれば法規に則って行われると述べている。たとえば、ヒラリー・クリントンは、機密情報の取り扱いに誤りがあったということで、スパイ防止法に則って捜査された。トランプ政権の場合、捜査員たちは「気に入らないことが起きた」と言っているように見えるとダーショウィッツは指摘している。ダーショウィッツは更に、「捜査を始めよう、そうしたら何かの法規に引っかかる何が見つかるさ、と言うのが捜査当局の態度だ。こんな態度は許されるものではない」と述べている。

 

クシュナーは、ほぼ存在しない証拠によって過度に行われている捜査の被害者である。クシュナーがホワイトハウスの高官を務め、トランプの親族であるために、証明されるまでは無罪という犯罪に関する基準が適用されてしまっている被害者なのである。これは正義の実現の名を借りた醜いやり方そのものだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12








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 古村治彦です。

 

 今回は、昨年の米大統領選挙で民主党の候補者であったヒラリー・クリントンについての記事をご紹介します。

 

 ヒラリーは昨年の敗北以降、少しずつ表舞台に姿を現すようになっているようです。そして、ドナルド・トランプ大統領に反対する発言や、大統領選挙の敗北を民主党全国委員会やジェイムズ・コミー前FBI長官に責任だという趣旨の発言を繰り返しています。彼女の批判は間接的にバラク・オバマ前大統領にまで及んでいるようです。

 

 こうしたヒラリーの行動に辟易している民主党関係者が多くいることが分かります。民主党は2018年の中間選挙(連邦下院議員全員と連邦上院議員の3分の1の選挙)での勝利を目指して体勢を立て直そうとしています。

 

 そうした中で、ヒラリーだけがいつまでも過去にこだわり、敗北を自分の力不足ではなく、他人や組織の責任にしている、ということが、民主党関係者や支持者たちを呆れさせている、ということです。

 

 ヒラリーからしてみれば、横綱相撲で勝利できるはずだった大統領選挙で敗北してしまったということで未練が残っているでしょうし、誰かの責任にしたくなるでしょう。人情としては理解できます。しかし、政治家として連邦上院議員、国務長官まで務めた人物ならば、民主党の大物として、民主党の利益となるような動きをすべきということになります。

 

 アメリカの有権者からすれば、潔くない敗北者となったヒラリーを見て、「だから落選させて良かったんだ、こんな人物はアメリカ大統領に相応しくない」ということになるでしょう。

 

 どんな人物も引き際は難しいものです。潔くということはなかなかできないものです。ヒラリーを他山の石としたいものです。

 

(貼りつけはじめ)

 

民主党関係者はヒラリー・クリントンに対して表舞台から退場して欲しいと望んでいる(Dems want Hillary Clinton to leave spotlight

 

エイミー・パーネス筆

2017年6月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/336172-dems-want-hillary-clinton-to-leave-spotlight

 

民主党関係者は、オバマ前大統領を見習って、スポットライトを浴びる場所から出ていってほしいと語っている。

 

民主党関係者は、昨年11月の予想だにしなかった敗北について説明をしてきた。ヒラリーは公の場で一連の発言を行い、その中で民主党全国委員会に敗北の責任があると述べてきた。これはオバマに対しても批判的になっているということでもある。こうした発言は民主党にとってマイナスになっており、ヒラリーを惨めな姿にしてしまっている。

 

本誌は20名ほどの民主党関係者たちにヒラリーの一連の発言について取材をした。取材した中には、ヒラリーの支持者や側近たちも含まれている。

 

彼らは一様に大統領選挙で起きたことを説明することはヒラリーにとっては必要な事なのだろうという理解を示し、ヒラリーのジェイムズ・コミーFBI前長官のヒラリーの私的Eメールサーヴァー使用についての取り扱いに怒りを持っているであろうと考えている。

 

 

しかし、彼らはまた、ヒラリーが全国行脚をして批判を公にしていることについては方法に再考の余地があると考えている。

 

水曜日にカリフォルニア州で開催されたレコーデ会議でのヒラリーの演説を聞いたある側近は次のように首をかしげながら語った。「うーん、彼女はいったい何をしているんでしょうね?彼女はいまだに怒り狂っているんですよ。私たちも怒り狂っています。選挙は彼女から盗まれたんですよ。彼女もそう思っています」。

 

この人物は続けて次のように語った。「しかし、公の場に繰り返し出てきて、選挙についてうだうだ言うというのはどうでしょう?民主党全国委員会を非難するのもどうでしょうね?アメリカのためにはなっていませんよね。彼女のためにもなっていないと思うんですよ」。

 

オバマの側近だったある人物たちはヒラリーの戦略について一様に首をかしげている。

 

レコーデ会議の席上、ヒラリーは、「自分はオバマ大統領が8年間率いた“破綻した”民主党から何も助けてもらえなかった」と述べた。

 

オバマの上級顧問だった人物は次のように語っている。「2016年に起きたことに怒りを持つ人々の運動の指導者になろうとしているのなら、彼女はその目的を達成している。しかし、彼女がその一部となっている問題は、彼女が民主党の将来像を持っていないということです。今、彼女がすべきことは休みを取り、他の人を最前線に立たせることです」。

 

オバマ政権の8年間と予想外のヒラリーの敗北の後、民主党は指導者不在状態になっている。ヒラリーの一連の発言はこうした状況下でなされている。

 

オバマは公の場に出ないようにしている。しかし、トランプがパリ気候変動協定からの脱退を決定したことを受けて今週、批判する声明を発表したことで姿を現した。

 

オバマのアドヴァイザーだった人々は口をそろえて、オバマが新しい世代に指導者としてもらおうとしているのだと述べている。

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)は、現在、左派を率いるリーダーになっている。サンダースは2016年の大統領選挙民主党予備選挙でヒラリーと互角に戦った。しかし、サンダースは民主党員ではない。

 

民主党全国委員会委員長トム・ペレズは、連邦下院議員キース・エリソン(ミネソタ州選出、民主党)との選挙戦に勝利して委員長に就任した。ペレズは選挙後、指導者としての自分の存在を何とか現実に合わせようと努力している。ペレズとエリソンは大統領選挙以降、民主党の統一と中間選挙に向けてのまとまりを生み出すために努力している。

 

オバマの側近だったある人物は、ヒラリーが民主党全国委員会に対して執拗に批判を続けることで、新しい執行部が前進することが難しくなっていると述べた。

 

「大統領選挙で自党の候補者となった有力者が外に出てきて、マスコミの関心を集めるようなやり方で、攻撃を続けると、色々とやりにくいでしょう」とこの人物は語った。

 

オバマ大は大統領退任後、公の場に出でも、トランプについて語ることをやんわりと拒絶している。その代りにオバマは今年の4月にも開催したような、若い人々が政治や市民社会に参加することを促すイヴェント開催に力を入れている。

 

オバマは、歴代の大統領が守ってきた、自分の次の大統領を公の場で批判することを避けるという伝統をこのような形で受け継いでいる。

 

オバマがこのような役割をずっと続けていくのかどうかは明らかではない。

 

当然のことながら、ヒラリーは前大統領ではない。

 

ヒラリーの長年の側近や助言者たちは口を揃えてヒラリーが公職を得るために選挙に出ることはないと述べている。そして、彼女はやっと色々なことから解放されて自分の思っていることを口にしているのだと述べている。彼らは、ヒラリーが大統領選挙について議論を続けるであろうと考えている。今年の秋に出版されるであろう彼女の本の宣伝のためにも続けられるであろうと考えている。

 

2016年の大統領選挙で選対に参加したある側近は次のように語る。「ヒラリーは私と携帯電話で話すのと同じ内容を話しています。彼女はこれからも改善が必要な事柄について語り続けるでしょう。そしてそれはアメリカ国内で関心を持たれることでしょう」。

 

民主党関係者の中には、ヒラリーは静かにおとなしくしておくべきだと言う人々もいる。

 

民主党のストラティジストであるブラッド・バノンは次のように述べる。「彼女に政治的な戦略があるとは思えないのですよ。個人的な戦略以上のものはないように思えます」。

 

バノンは、「結果について不平不満を述べ、全ての人々を批判することは、政治戦略としては全くいただけません」と述べている。

 

民主党のストラティジストであるジャマール・シモンズは、ヒラリーの一連の発言に関する民主党員や支持者の間に広がる不満について気付いている。

 

シモンズは「私の知人たちは、ヒラリーが表舞台に出てきて発言していることにイライラしています。彼女は国の英雄であり、素晴らしい公僕でしたから、怒る権利はあるとは思いますよ」と述べている。

 

シモンズは、「しかし、彼女が選挙での敗北について議論しようというなら、彼女から何を間違ったのかについて聞く方が良いですよね。それが彼女が現在議論していることよりも重要だと思います」と述べた。

 

シモンズはアル・ゴアの選対で働いた経験を持つ。彼は「自分は接戦で敗北した後の悲しさ、特に数百票差の大接戦で負けた悲しさを良く知っています。」

 

シモンズは次のように述べている。「アル・ゴアは選挙に負けた後、ヨーロッパを訪問しました。体重が増えて、髭を生やしました。彼は表舞台から退場したんです。それこそがヒラリーのやるべきことですよ」。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 今回は、2017年6月17日に発売となる『ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ!」ーまず知識・思想から』(副島隆彦著、成甲書房、2017年)をご紹介します。

 

 フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche、1844―1900年)は、大思想家として日本でも有名です。『ツァラトゥストラはかく語りき』(1885年)、『アンチクリスト』(1888年)といった本も有名です。

 

 私はキリスト教に喧嘩を売った人、「神は死んだ」と言った人くらいの認識しかありません。本も手に取ってみたことはありましたが、難し過ぎて読破できませんでした。カントとニーチェを読破できなかったので、自分は頭が悪い人間なのだろうと思いながら、それがコンプレックスになっています。

 

 しかし、何を言った人なのか、と言うことは良く知りません。それでも『超訳 ニーチェの言葉』という本が10万部以上の売り上げを記録し、適菜収氏のニーチェの訳本や解説本がベストセラーになりました。こうしたことから、ニーチェは「何を言っているのか難し過ぎて分からないけど、何を言っているのか知りたい人」ということになります。

 

 ニーチェについてこうだ、ということを知るために、今回の『ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ!」ーまず知識・思想から』が出されました。これを読んで、それからもう一度、原典にアタックしてみようかと私は考えています。

 

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ! 」―まず知識・思想から

 

=====

 

はじめに ―― ニーチェの「この人を見よ」の本当の意味を知らない日本知識人

 

「この人を見よ」“ Ecce homo(エッケ ホモ) という言葉が非常に重要だ。この「エッケ・ホモ(この人を見よ)」は、1888年末、ニーチェがまだ正気だった年に出た。だからニーチェの脳がすり切れながら、狂躁(きょうそう)的な走り書きで書かれた本だ。

だから、この(12)『この人を見よ(エッケ・ホモ)』を序文とする(10)『アンチクリスト』こそはニーチェ思想の集大成である。(6)『ツァラトゥストラ』なんか読むな。どうせ誰も訳(わけ)が分かりませんから。これを聖書(キャノン)にしてはいけない。それよりも、こっちだ。「エッケ・ホモ」のhomo(ホモ)は「人間」で、Ecce(エッケ)は「見よ、見てみろ」だ。「この男、この哀れな(私という)人間を、見よ、見てみろ」という意味だ。繰り返すが、ニーチェは、この(12)『エッケ・ホモ』と(10)『アンチ(反[はん])クリスト』を、1888年、発狂する間際に書いた。44歳のときだ。

 

 日本のインテリだったら、ニーチェが『この人を見よ』を書いている、ぐらいは知っている。そんなことは知っているよ、と言う。だが、ほとんど誰も読んでない。書名を知っているだけだ。読むと、何だ、このヘンな男は。と思ってしまう。

 

「エッケ・ホモ」とは、ヨーロッパ知識人の間では、共通理解として、前ページの絵のとおりなのである。オランダの偉大なるルネサンス時代の画家ヒエロニムス・ボッシュの絵である。

 

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 本書では、ニーチェの主要な著作について、43ページの一覧のように番号をふる。

 

=====

 

目次

 

はじめに ――ニーチェの「この人を見よ」の本当の意味を知らない日本人知識人

 

第1章 これだけは知らねばならないニーチェ思想の骨格

今こそ、ニーチェの思想を大きく理解しよう 012

人生は各人の快楽を追求するためにこそある 021

「ディオニュソスからアリアドネーへ」 023

 

第2章 日本人が分からない本当のニーチェ

この惨めな日本でニーチェを理解するということ 032

家畜のような人間ばかりになった日本 035

「ディオニュソス的」対「ローマ教会キリスト教」の闘い 044

「この人を見よ」の本当の意味を知らない日本知識人 051

本当のイエスは「自分を拝め」と言っていない 058

 

第3章 邪教としてのキリスト教と闘ったニーチェ

ローマ教会キリスト教は精神病院 068

原文忠実訳ではニーチェは分からない 077

ドストエフスキー、マルクス、ヴァーグナー、ニーチェという人間の環 083

キリスト教も社会主義も理想社会の実現に失敗した 094

キリスト教の敵は「現実」 101

イエスに「この世」を否定する理由はない 105

キリスト教=人類最大の不幸=悪そのもの 110

私は適菜収訳の『アンチクリスト』に最大限の敬意を払う 122

 

第4章 ニーチェが生きた西欧19世紀という時代

人間は大なり小なり惨めな生き物 128

思想家ニーチェの始まりは『悲劇の誕生』 130

オペラはギリシア古典劇の正当な嫡子 135

『カルメン』がニーチェに与えた衝撃 142

バーゼル大学就職の隠された背景 146

ニーチェが目指した愛の共同生活は失敗 156

ヴァーグナーは国際指名手配の破壊活動家だった 161

ドイツが隆盛する一番いい時代を生きたニーチェ 171

ヴァーグナーがドイツを誤らせた 179

日本人が理解していないキリストの復活と再臨 185

 

第5章 炎の文献学者ニーチェ

三島由紀夫もニーチェに大きな影響を受けた 194

生まれと幼年時代、青春時代 196

文献学者として出発 ――『悲劇の誕生』に至るまで 200

LGBT(同性愛系)だったヴァーグナーとニーチェ 208

バーゼル時代――実は哲学者、そして文化批判者 219

 

第6章 闘う予言者ニーチェ

病気とイタリアへの出奔 232

計画的に旅をしたニーチェ――放浪したわけではない 241

永劫回帰の思想 250

完成しなかった〝突き抜けた男女の共同体〟256

シルス=マリアでの啓示 268

「神は死んだ」 271

「善」が悪で、「悪」が善だ 276

ニーチェは反ユダヤ主義者ではない。反対だ 278

 

第7章 「狂気の破壊者」と見られて死んだニーチェ

多作な孤独者 286

発狂、廃人、そして終焉 295

 

ニーチェ年譜 304

あとがき 308

 

=====

 

あとがき

 

 こうやって「私のニーチェ本」が仕上がった。丸3か月、苦心惨憺(さんたん)して、のたうち回ったあとの「私のニーチェ本の悲劇的誕生」である。地獄の底(ここも煉獄[プルガリオ]か)を這(は)い回った気がした。そして、やれやれ遂(つい)に終わったよ、とその場にへたれ込む感じだ。

 

 この本は、フランス語とドイツ語が本当によく出来る編集者と、私との共同合作によって出来た本である。多大の重荷と負担をお掛けした。

 

「だがしかし。それでもなお」(ニーチェの名言)、何があろうとも、大思想家フリードリヒ・ニーチェ思想の本髄(ほんずい)を日本国民に教えるために、ここで私が、徹底抗戦しなければいけない、と思った。「ニーチェ思想の本当の大きな部分を私が日本人に教えてやるよ。ほら、喰べなさい」という感じだ。

 

 この本を出しておけば、ニーチェ無理解が続いたこの150年間を、一気に縮(ちぢ)めることができる。適菜収(てきなおさむ)氏による『キリスト教は邪教です! 現代語訳「アンチクリスト」』(2005年、講談社+α新書刊)に続く、真実のニーチェ理解の第2波攻撃がこれで敢行された。この世(人間世界)に棲(す)む悪の権化(ごんげ)たちよ、怖れ慄(おのの)くがいい。お前たち“人類の諸悪の根源”の正体を、正面から暴き立て突撃したニーチェの跡(あと)を継いで、さらに世界各国の思想戦闘員(ソート・コマンドウ)による波状攻撃が続く。私は日本という自分の持ち場で戦う。今こそ2千年に渡る人類の敵どもを索敵して、完膚(かんぷ)なきまでに打ち破らなくてはならない。

 

 何のこっちゃ、と戸惑(とまど)い訝(いぶか)しく思う人が大半だろう。だが、そのうち分かる。ひとりひとりの人間が、その人の頭(おつむ)の理解力に合わせて、少しずつ分かってくれればよい。大きな構図で、人類史の巨大な真実が露(あら)わになってゆく。そのために時間がこのまま経(た)ってゆく。それはそれで致(いた)し方ない。

 

 この本は本当に担当編集者のズバ抜けた言語能力に多大に負って完成された本だ。大型書店さえが、そして出版社も、「もう世の中に必要ない(需要[デマンド]がない)」として次々に潰(つぶ)れてゆく時代の変化の荒波の中に「日本ニーチェ真実丸(まる)」の一艘(そう)の船は進水する。どんな苦しみにも耐えてみせる。

 

 この本を作る上で甚大(じんだい)な知能労力を提供してくれた小笠原豊樹編集長に衷心から感謝を申し上げる。

 

二〇一七年五月二五日

                                       

副島隆彦

 

(貼りつけ終わり)

kirisutokyohajakyoudesu001
キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』 (講談社+α新書)

 

(終わり)










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