古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

2018年11月

 古村治彦です。

 

 2016年の米大統領選挙で民主党の一部から大反発を受け、結局、本選挙でもドナルド・トランプに敗れたヒラリー・クリントンですが、リベラル派であるはずの彼女らしからぬ発言がアメリカで注目を浴びました(少しですが)。

 

 イギリスの高級紙『ザ・ガーディアン』紙とのインタヴューに応じ(インタヴューが行われたのはアメリカ国内)、その中で、ヨーロッパ各国はそろそろ移民流入を止めるべきだ、そうしないと各国のポピュリズム、反移民を掲げる政党がますます台頭して、国内政治を混乱させ続けるし、テロリズムの脅威も増えるという発言を行いました。リベラル派なら、自分の国が大変な状況で出てこざるを得なかった難民の皆さん、大変ですね、いらっしゃい、と言いそうなものですが、それを制限すべきと発言しました。

 

 ヒラリーがどうしてこのような発言をしたのか、いくつかの解釈が出来ると思います。ヒラリーは2020年の米大統領選挙への再出馬を考えているのではないかという報道がアメリカではなされています。まだ諦めていない、ということです。そのために、移民を制限すべき、という発言をして、移民に対して否定的な世論に迎合しているという考えが出来ます。しかし、こんなことをしても、2016年にヒラリーに投票しなかった人たちが、ヒラリーも考えを変えたか、立派立派と彼女に投票するはずもなく、また、リベラル派の重要な主張でもある移民について否定的な考えを示したことで、民主党内での支持を失うということまで考えられます。

 

ヒラリーが本気で、移民制限を主張することで大統領選挙で勝利したいと考えているのなら、政治センスがない、世論の風向きを読めないということで、どんなに頭が良くても、一国の指導者には向かないということになります。「トランプや、私の夫ビルのようにアホで何も考えていないのに大統領になれて、あんなあほな男たちよりもずっと頭が良くて、人格も立派な自分が大統領になれないのはおかしい、女性差別だ」とヒラリー考えているかもしれませんが、この場合、ヒラリーに政治家としてのセンスと能力が欠如していることが問題であるということになります。

 

 また、民主党の内部闘争に目を向ければ、バラク・オバマ前大統領、露骨に言えばミシェル・オバマ夫人の影響力が増大し(次の大統領選挙の民主党候補者にはオバマの支持がある人が良いと考える人が増えつつある)、2016年の大統領選挙で、民主党予備選挙でヒラリーを追い詰めたバーニー・サンダース連邦上院議員をはじめとする、民主社会主義者の勢力も伸びています。民主社会主義者たちは、移民問題について寛容な立場を採ります。これに対して、ヒラリーは自分が「現実主義的な」リベラルであるとアピールして、民主党内での影響力を保持しようと考えているという解釈もできます。

 

 更に、アメリカ外交の潮流にも目を転じれば、ヒラリーは、人道的介入主義派ということになります。人道的介入主義は、戦争や飢餓などが起きている、もしくは非民主的な政治体制で国民が弾圧を受けているそのような国々に対しては、それらの国々の国民を救うという人道的な目的のために、アメリカが軍事力を行使しても良い、いやすべきだ、という考えです。ヒラリーにしてみれば、「バラク・オバマ前大統領のリアリズムも、ドナルド・トランプ大統領のアイソレーショニズムも、シリア問題を解決できずに難民を生み出した。私が大統領になって、アメリカ軍をシリアに派遣しておけば、難民問題なんか起きなかったんだ」ということになります。更に、「世界を一つに、国境などなくそう、全ての国々が民主的政治制度と資本主義的経済制度を採り入れたら理想世界が実現するという私たちの崇高な理念の邪魔になるポピュリズム、ナショナリズムが移民流入のために台頭してきているのは望ましくない」ということを述べていることになります。

 

 ヒラリーが今頃移民制限のようなことをヨーロッパに仮託して述べたところで、結局のところ、アメリカ政治での影響力を回復することもまた増すことはできません。成仏しきれずに悪霊となってさまよい続けるような態度であり続ける限り、ヒラリーに次の機会はありませんし、一番得をするのはドナルド・トランプ大統領ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヒラリー・クリントンは、ヨーロッパ各国に対して、ポピュリストの台頭を防ぐためという理由で移民受け入れを制限するように求めた(Hillary Clinton calls on Europe to curb migration to halt populists

 

ブランドン・コンラディス筆

2018年11月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/news/417989-hillary-clinton-calls-on-europe-to-curb-migration-to-halt-right-wing-populists

 

ヒラリー・クリントン元国務長官はヨーロッパ各国の指導者たちに対して、ヨーロッパ大陸における右派ポピュリズムの脅威が増大する中で、それに対抗するためにより厳格な移民政策を実行するように求めている。

 

クリントンは木曜日に発行された『ザ・ガーディアン』紙に掲載されたインタヴュー記事の中で、「ヨーロッパは移民流入をコントロールする必要がある。なぜなら移民流入が火に油を注ぐことになっているからだ」と発言している。

 

「アンゲラ・メルケルのような各国の指導者たちが採用している、非常に寛大で温かいアプローチについて私は称賛する。しかし、ヨーロッパはもう十分に自分たちのやるべきことをやったと言うことは正確であると私は考える。そして、ヨーロッパは明確なメッセージを送らねばならない。それは、“私たちはこれ以上避難所と支援を与え続けることはできない”というものだ。なぜなら、移民問題についてはある程度のところで線を引いておかねば、それが国家自体を混乱させ続けることになるからだ」。

 

ヒラリー・クリントンの発言は、ヨーロッパ内部における分裂を明示している。ここ数年間の難民の大量流入によって、ヨーロッパ各国の政治状況は分裂的、党派性が強いものとなり、テロリズムの脅威が増大し、過激な主張を行うポピュリズム政党が数多く誕生している。

 

メルケルは、難民流入に関するヨーロッパで行われている議論の中心的存在となっている。メルケルは2015年にいわゆる「開かれたドア」移民政策を税所に実施した。この政策によって、北アフリカと中東から数万の移民がヨーロッパに流入することになった。

 

ドイツ首相であるメルケルは先月、

The German chancellor last month signaled she would be stepping down from her role amid growing unease over the fallout from her policies. ギリシア、ハンガリー、イタリア、スウェーデンなどで反移民を掲げる政党が台頭する中で、メルケルの決心は公表された。

 

ヨーロッパ連合(EU)はまた、イギリスのEU離脱の決定から派生する様々な出来事に対処することに追われている。イギリスのEU離脱の国民投票の結果には、移民に対する恐怖が大きな影響を与えた。

 

ヒラリー・クリントンは2016年の米大統領選挙でドナルド・トランプに敗れた。トランプは反移民的主張で勝利を収めた。トランプの首席戦略官を務めたスティーヴン・バノンは、ヨーロッパにおいて彼の影響力を保持しようとしている。バノンは、ブリュッセルに本部を置く新しい組織を作った。これは、ヨーロッパ大陸にある各国のポピュリズム政党の勢力を伸長させることを目的としている。T

 

ヒラリーはザ・ガーディアン紙とのインタヴューの中で次のように語った。「移民を政治の道具や政権の姿勢のシンボルに使うことで、政治は間違った方向に進んでしまう。移民たちの持つ文化的ヘリテージとアイデンティティ、国民の統合に対する攻撃も強まる。こうしたことは現在、アメリカの政権によって利用されている」。

 

ヒラリーは次のように語った。「移民問題に対する解決策についてだが、なにもメディアや政治的に立場の違う人々を攻撃することではない。また、陪審員を買収することでもないし、自分たちの政党や運動に対しての経済的、政治的支援をロシアに求めることでもない」

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 少し古くなりましたが、先週に出た、三菱UFJ銀行がアメリカ連邦検察から捜査を受けているという記事についてご紹介します。

 

 これは20181121日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じたものです。この記事によると、アメリカ連邦検察が北朝鮮の資金洗浄(マネーロンダリング)を巡り、三菱UFJ銀行(MUFG)を捜査しているということです。今回の報道内容のいきさつは少し複雑ですので、記事の内容に沿ってご紹介していきたいと思います。

 

 MUFGはニューヨーク州の認可を受けて、ニューヨークで事業を展開できる銀行となっていました。監督官庁はニューヨーク州金融監督局です。ニューヨーク州金融監督局は、2013年と2014年に、MUFGに数百億円規模の罰金を科しました。それは、アメリカが経済制裁対象としているミャンマーとイランの個人や企業、団体が取引をする際に、MUFGのシステムを使わせたというのが理由となっています。マネーロンダリングをさせたということになります。

 

 昨年、2017年11月、MUFGは、ナショナル・バンクという地位というか種別として再登録しました。連邦法に基づき、連邦政府が監督することを条件に営業ができる銀行となりました。監督官庁は連邦通貨監督庁です。MUFGは、ナショナル・バンクになったので、これからはニューヨーク州金融監督局が自分たちの監督官庁ではないと裁判で主張しました。これに対して、ニューヨーク州金融監督局は、今回の再登録は、MUFGが厳しい規制を逃れるための動きだと主張しています。

 

 現在の連邦通貨監督庁のトップは、以前にMUFGに勤務した経験を持ち、ドナルド・トランプ大統領によって任命された人物です。監督が甘くなるのではないかということまでは記事の中には書かれていませんが、普通に読めば、そう思うような展開で書かれています。

 

 こうした中で、連邦検察はMUFGが北朝鮮のマネーロンダリングに関わっている可能性があるということで捜査をしているのではないかと記事は報じています。連邦検察側、MUFG側はともにコメントを拒否しています。

 

 今回の報道で気になるのは、ニューヨーク州金融監督局の監督や調査の方が、連邦通貨監督庁よりも厳しいということを、ニューヨーク州金融監督局すらも認めていることです。そして、ニューヨーク州金融監督局との裁判がきっかけとなって、連邦検察が動き出したということです。大雑把に言ってしまうと、ニューヨーク州の方が経済制裁やマネーロンダリングに厳しい態度で臨み、連邦政府はそうではない、ということになります。

 

 記事から受ける印象からすると、連邦政府、特に金融分野の監督庁はそこまで厳しくやらない、北朝鮮とはトランプ大統領と金正恩の首脳会談もあったので、あまり厳しくやっていない、それはトランプ大統領がそのように示唆しているからだ、一方、ニューヨーク州は、連邦政府よりもきちんと厳しくやっている、ということになります。

 

 これが示しているのは、ニューヨーク州側が連邦政府、トランプ政権に対して、批判的な考えを持っているということです。連邦検察もいくつかの区に分かれており、ニューヨーク州南地区連邦検察が今回記事となった捜査を担当することになります。ニューヨーク州対連邦政府ということになり、更には北朝鮮に対する融和的な態度に対する反感がそこにはあるということになります。

 

 もっと言ってしまえば、ニューヨーク州は民主党が強い土地であり、ヒラリー・クリントンが連邦上院議員として出ていた州であるということも考え合わせると、ヒラリーを支持する人々がトランプ攻撃のために行った、更にリベラル派メディアのニューヨーク・タイムズ紙にリークしたということが考えられます。

 

 MUFGのシステムに整備されていない部分があったのは事実でしょうが、どうも今回は、アメリカ国内の各勢力間の争いに巻き込まれたということになるのだろうと思います。

 

=====

 

●記事内容のまとめ

 

・日本最大の銀行が、イランとミャンマーのような経済制裁対象となっている国々に支払いを行わせた嫌疑で、ニューヨーク州政府から処罰を受けた。

・現在はより深刻な捜査が行われている。それは連邦政府による北朝鮮に関する捜査だ。

 

・三菱UFJファイナンシャルグループ(MUFG)は昨年末に連邦検察から召喚を受けた。当時、MUFGはニューヨーク州金融監督局と裁判で争っていた。

・経済制裁対象国の支払いを行わせたという嫌疑は、ニューヨーク州金融監督局のMUFGの反マネーロンダリング規則違反を罰する一環である。

 

・ニューヨーク州金融監督局がMUFGとの裁判において、MUFG側が意図的に制裁リストに入っている企業や個人との取引を行わないようにするための内部のフィルターの機能を無視したと主張した後で、連邦検察からの召喚が発せられた。

・ニューヨーク州金融監督局は更に、MUFGが北朝鮮国境地帯でビジネスを行っている中国の顧客のIDをチェックするシステムを構築することに失敗したと主張している。北朝鮮国境地帯ではマネーロンダリングが盛んにおこなわれている。

 

・北朝鮮がMUFGを通じてマネーロンダリングを行ったことを示す証拠を連邦検察が発見したのかどうかは明確ではない。

・ニューヨーク州金融監督局の主要な関心は、MUFGの内部システムにいくつか穴があり、それを使って取引が可能な点にあった。

 

・連邦検察による捜査はニューヨーク州金融監督局とMUFGとの裁判がきっかけとなった。

 

・2013年、ニューヨーク州は、MUFGがイランとミャンマーの企業や個人が関わった取引についての記録を削除したとして、2億5000万ドルの罰金を科した。

・2014年、ニューヨーク州はMUFGが違法行為に関する情報を秘匿しようとしたとして更に3億1500万ドルの罰金を科した。

 

・1年前にMUFGはナショナル・バンク(連邦政府が認可した商業銀行)に再登録したので、州政府はMUFGを処罰する権限を失ったと主張した。MUFGは効率性のためにナショナル・バンクに再登録したと述べた。

・ニューヨーク州はMUFGが異なる監督機関の下に入ることによって処罰を免れようとしていると述べた。その監督機関が連邦通貨監督庁である。

 

・連邦通貨監督庁を率いるのはMUFGに勤務していたジョセフ・M・オティングだ。MUFGがナショナル・バンクに変更している最中に、オティングはトランプ大統領に連邦通貨監督庁の責任者に指名された。

・先週、オティングは日本で開かれた会合に出席し、「連邦通貨監督庁は、ニューヨーク金融監督庁よりも、より完全な、より効率的な、そしてこの点が重要だが、より徹底した規制監督を行う」と発言した。

 

・連邦通貨監督庁の報道担当官は、MUFGのナショナル・バンクへの変更を認める決定は、オティングが責任者になる前になされたものだと述べた。

 

・ニューヨーク州金融監督局は、MUFGは「ホットスキャン」という電子スクリーンシステムを利用して、アメリカとの取引が禁止されている個人や国家の関与を示す金融取引を追跡可能であった、と主張している。

・しかし、ニューヨーク州は、MUFGが10年にわたって、「ホットスキャン」から随時、いくつかの国々が取引を行った情報をつながらなくしたことを知っていたはずだと主張している。

 

・ニューヨーク州は「ホットスキャン」は、北朝鮮との取引が可能な場所にいる利用者は金融システムを利用できないように設定されていたと主張している。

 

MUFG2016年に裁判において、ニューヨーク州に対して、世界各国の30を超える支店で突然の故障が起きたことは認めた。

 

MUFGに罰金を科した後、ニューヨーク州は監視員をMUFGに派遣し、犯罪者や経済制裁対象者による取引を補足するためのシステムについて調査させていた。監視員は、20173月の報告書の中で、MUFGの反マネーロンダリングプログラムを担当していた元職員は、プログラムが「手を付けられないほど」だと述べたと報告している。

 

・昨年11月、MUFGはナショナル・バンクに変更した。

 

MUFGがニューヨーク州の登録からナショナル・バンクに変更した際、問題が解決したということを示すことなく、ニューヨーク州から派遣されていた監視員を退去させた。そのため、ニューヨーク州はMUFGを裁判に訴えた。

・訴訟において中心的に争われているのは、ニューヨーク州がマネーロンダリングについて捜査している中で、MUFGがナショナル・バンクに変更することが認められるのかどうか、である。

 

・ニューヨーク州金融監督局の報道担当官は、「ニューヨーク州は、連邦政府が金融サーヴィスに関する規制を誤った形で廃止し、消費者保護を後退させている中で、安全にかつ健全に銀行業務を規制している」と述べている。

 

・疑わしい取引に関して当局に報告することを怠ったとして問題になっているのはMUFGばかりではない。今年2月、USバンクは同様の嫌疑で連邦政府に対して6億ドルの罰金を支払った。

 

・各銀行においてマネーロンダリングに対する性差が厳しくなっているのは、経済制裁を実際に実行できるのが銀行における取引しかないからだと専門家は述べている。

 

・北朝鮮に対する経済制裁に関しては、アメリカとEUは実際に行えるよりも厳しくない形になっている。

 

・連邦政府の担当者はMUFGが警報システムを改善しつつあると述べている。

 

・巨大銀行は、反マネーロンダリングに関する規制があまり厳しくなり、守るのが大変にならないように政治家や当局に働きかけているのが現状だ。しかし、帰省や罰則の強化を求める動きもある。

 

(貼り付けはじめ)

 

U.S. Prosecutors Are Said to Be Investigating Japan’s Largest Bank

 

By Emily Flitter

Nov. 21, 2018

https://www.nytimes.com/2018/11/21/business/mitsubishi-ufj-north-korea.html

 

Japan’s largest bank has already been penalized by the State of New York for letting countries on sanctions lists like Iran and Myanmar route payments through its systems, but a current inquiry is more serious: It’s a federal case involving North Korea.

 

The bank, Mitsubishi UFJ Financial Group, was subpoenaed by federal prosecutors in Manhattan late last year as it was locked in a court fight with the New York Department of Financial Services, according to two people who were briefed on the investigation but not permitted to speak publicly. That litigation involves the department’s attempts to punish the bank, known as MUFG, for breaking anti-money-laundering rules.

 

The subpoena was issued after the state said in a court filing that the bank had intentionally ignored an internal filter designed to keep it from doing business with companies and people on international sanctions lists. The Department of Financial Services said the bank had also failed to set up a system for checking the identities of some of its Chinese customers doing business along the North Korean border, a hot spot for money laundering.

 

It was not clear whether prosecutors had found any evidence that North Koreans laundered money through the bank, but the holes in the system meant to trace such transactions were a chief concern of the Department of Financial Services.

 

A spokesman for the United States attorney’s office for the Southern District of New York declined to comment. MUFG also declined to comment.

 

The federal investigation arose from the state’s latest legal confrontation with the bank, which was called Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ until this year.

 

In 2013, the Department of Financial Services fined the bank $250 million for removing information from its records about transactions that involved parties in countries like Iran and Myanmar. A year later, the state fined the bank an additional $315 million for trying to hide information about that misconduct.

 

MUFG reclassified itself as a national bank a year ago and says the state regulatory agency no longer has the authority to punish it. The bank said it had reclassified for efficiency reasons; the regulators counter that the bank is trying to evade penalties by seeking out a different oversight body: the federal Office of the Comptroller of the Currency.

 

That office is led by a former MUFG employee, Joseph M. Otting, who was President Trump’s nominee for the position when the bank made its switch. In a speech at a conference in Japan last week, Mr. Otting said his agency provided “more complete, more efficient and, importantly, more thorough regulation” than states could.

 

A spokesman for the federal agency said the decision to approve the bank’s conversion to a national charter had been made before Mr. Otting became comptroller. “Mr. Otting was not involved in that process,” the spokesman added.

 

According to the state regulator, MUFG has long used an electronic screening system, HotScan, to sort through its financial transactions for signs of involvement by people or countries barred from doing business with the United States. New York has claimed the bank knew — but never disclosed — that for 10 years HotScan occasionally cut off information about the countries where certain transactions originated.

 

The state said the system also did not allow users in some locations to enter North Korea as a country involved in the transaction, which meant the transaction wouldn’t be flagged for closer scrutiny.

 

The bank told New York in 2016 that it had found more than 30 branches around the world where these glitches existed, according to the court filing.

 

After fining MUFG, New York installed an independent monitor in the bank to inspect its system for catching criminals and sanctions evaders. In a March 2017 report, the monitor said a former bank employee responsible for its anti-money-laundering program had described the program as a “dumpster fire.”

 

Then, last November, MUFG made the switch to a national charter, after giving New York just eight days’ notice that it was considering the move. (Regulators in Texas, where the bank also had a state license, found out about the switch only when it was reported in the news media.)

 

When MUFG traded its state charter for a national charter, it expelled the state monitor without demonstrating that the problems identified in the report had been fixed, New York regulators claimed in court filings. MUFG and the New York regulator continue to argue over whether the bank was allowed to transform itself into a national bank while the state was still investigating its money-laundering controls.

 

A spokesman for New York’s regulator said he could not comment on pending litigation, but added: “The states safely and soundly regulate banking activities while the current federal government works to misguidedly dismantle financial services regulation and scale back consumer protections.”

 

MUFG is not the first bank to have gotten in trouble this year for, at the very least, skimping on reporting suspicious activity to the authorities. In February, U.S. Bank agreed to pay more than $600 million in penalties levied by federal authorities after senior bank officials were found to have ignored red flags raised by its screening systems about certain customers because it did not have enough employees to handle the reports.

 

One reason for the intense scrutiny of money-laundering controls at banks is that bank transactions are sometimes the only points at which sanctions are enforced, said Elizabeth Rosenberg, a senior fellow at the Center for a New American Security whose research focuses on sanctions and North Korea.

 

In the case of North Korea, she said, the United States and the European Union haven’t been as strict as they could be enforcing their own sanctions.

 

They have not battened down the hatches to constrain North Korea’s use of the financial system,” Ms. Rosenberg said. “Perhaps we shouldn’t be surprised that large, sophisticated banks are having trouble wrapping their arms around this issue.”

 

MUFG’s new federal overseers said in a regulatory filing that the bank was working to fix its alert systems.

 

This is a particularly delicate time for big banks, which are trying to convince lawmakers and regulators that anti-money-laundering rules are too hard for them to follow. Trade groups want Congress to relieve banks of the responsibility of determining a client’s true ownership and to change the requirements for reporting suspicious transactions. They also say banks are punished too severely for failing to report suspicious activity.

 

The banking sector wants to help in ferreting out any terrorism, money laundering — they want to cooperate — but they want to do it in a way that actually works,” said Paul Merski, the top lobbyist for the Independent Community Bankers of America, a trade group. Right now, he said, “they are overwhelmed.”

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 リベラル派メディアの代表格『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ワシントン・ポスト』紙で、それぞれ、ドナルド・トランプ大統領とトランプ大統領の長女で補佐官を務めているイヴァンカ・トランプについてスキャンダルが報じられました。

 

 トランプ大統領に関しては、2016年の大統領選挙で民主党候補者としてトランプ大統領と争ったヒラリー・クリントン元国務長官とジェイムズ・コミー前FBI長官を訴追して欲しいという希望を表明し、それに対して、大統領の法律顧問だったドン・マガーンが反対したという内容です。アメリカの各省のトップは、「Secretary」で、日本語では長官となります。国務長官は、Secretary of Stateとなります。それでは、司法長官はSecretary of Justiceになるかと言うと、そうではなくて、United States Attorney Generalとなります。連邦政府の法律家トップであり、司法省のトップを務めるのが職務となります。法律問題に対して、アメリカ連邦政府を代表して意見を述べたり、大統領に助言をしたりするということになります。また、Attorney General という言葉は、日本語では「検事総長」という訳語も当てられますが、検事のような役割を果たすこともあります。

 

 トランプ大統領がヒラリー・クリントンを訴追したいと望んだのは、ヒラリーが抱えている私的Eメールアカウントを国務長官の業務内容、機密事項を含むやり取りで使用した問題のためだと思います。ヒラリーのこの問題が出てから、FBIの捜査が行われ、訴追が行われるのかどうかが大統領選挙でも焦点となりました。その時のFBI長官がジェイムズ・コミーで、コミーの差配で一度は訴追なしになったのに、選挙の投票日直前に再び捜査を始めるということになって、ヒラリー側には大きな痛手となりました。

 

 国家機密を含む内容のEメールを公開することはできないでしょうが、トランプとしては、ヒラリーは国家を危険に晒したとして、ヒラリーの再起の芽を摘みたいと思っていたのでしょう。しかし、中間選挙も終わり、民主党では既にヒラリー以外の名前が大統領選挙の候補者として名前が出ており、かつそこにヒラリーが出るという話も出て、民主党が分裂状態になるようであれば、ヒラリーも出てくれたら、楽だな、民主党は自滅するだけだしなと考えていることでしょう。ですから、ヒラリーに再出馬をさせて、民主党を混乱させて、その上で、ヒラリーのスキャンダルを出して、当選の芽を摘むということを考えているでしょう。

 

 ジェイムズ・コミーに関しては、FBI長官を退任後にトランプ大統領を非難していることもあって、カッと来て訴追したいと述べたものと思われますが、その他に、コミーの怪しい動きの裏に誰がいたのかということを知りたいということもあったのでしょう。FBI長官は、エドガー・J・フーヴァーのように、あらゆる情報を集め、政治家たちを脅しあげて、言うことを聞かせることも可能なほどに力があり、かつ危険なポジションです。それに対して、牽制を加えたいということは歴代の大統領が望んだことでしょう。トランプ大統領もその例外ではないということになります。

 

 トランプ大統領の記事が出た翌日、長女で補佐官を務めるイヴァンカ・トランプのスキャンダルが『ワシントン・ポスト』紙によって報じられました。イヴァンカが政府の業務内容を私的なEメールでやり取りしていたという内容です。これは、外見上は、前述のヒラリーのスキャンダルとよく似た内容で、「ヒラリーを訴追したいと言ったあなたは、娘もまた訴追したいと言うのか」というトランプ大統領に対して喧嘩を売る内容です。

 

 リベラル派のメディアであるニューヨーク・タイムズ紙とワシントン・ポスト紙が協力して、トランプ大統領をおちょくる、喧嘩を売る内容を報道したという感じを受けます。「ヒラリーのEメール問題で訴追すると言っていたあなたの娘さんで補佐官が同じことをしていましたがどうするんですか」というような感じのおちょくりです。トランプは、ヒラリーの場合とは異なる、とイヴァンカのことを擁護しましたが、ここまで計算に入っての報道でしょう。

 

 来年の1月から連邦議会も新しい議員を迎えて始まります。連邦下院民主党は過半数を奪取したということで鼻息荒く、トランプ大統領を攻撃するとしています。今回のその材料を与えたということになります。「トランプ包囲網」を形成しているつもりでしょうが、ヒラリーの話が蒸し返されると、民主党にとっては大きな弱点となります。ヒラリーが表に出ない、引退するということであればこの弱点は大きなものとはなりませんが、まだ野心があるということになると、この弱点を突かれてしまうことになるでしょう。「諸刃の剣」ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領は、司法省がヒラリー・クリントンとコミーを訴追することを希望した(Trump wanted DOJ to prosecute Clinton, Comey: report

 

ミーガン・ケラー筆

2018年11月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/417729-trump-wanted-doj-to-prosecute-clinton-comey-report

 

トランプ大統領は司法省に対して、2016年の大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンとFBI前長官ジェイムズ・コミーを訴追するように希望した、と『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じた。

 

トランプ大統領は今年春、当時の法律顧問ドン・マガーンに対して、ヒラリーとコミーを訴追したいという希望を述べ、これに驚いたマガーンはトランプを翻意させようとして、大統領にはそのような権限はないと発言した。

 

マガーンは後に、大統領はそのような権限を持ってはいるが、そのような依頼をすれば権力の乱用という非難を受けるだろうとトランプ大統領に対して述べた、とニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

 

この時、マガーンは、ホワイトハウスの法律家たちが作成した、大統領の権限についてまとめたメモを後で送ることを大統領に約束した。メモの中で、法律家たちは、訴追を要求することで、トランプ大統領自身への弾劾やその他のマイナスの反応を引き出す可能背が高いと警告を発した。

 

ホワイトハウスに対してコメントを求めたが返答はなかった。

 

マガーンは、就任から21か月後の今年10月にホワイトハウスの法律顧問を辞任した。トランプ大統領はマガーンの後任に商務が専門の弁護士パット・シポローンを起用した。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ大統領が私的にヒラリー・クリントンとジェイムズ・コミーの訴追の可能性についてこれまで話し合いを行ってきたという、この問題について実際にトランプ大統領と話した2人の人物の証言を掲載している。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ大統領がどのような容疑で訴追を行うように望んでいるのかは具体的にはなっていないとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

 

訴追の希望についてトランプ大統領と話したある人物は、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、トランプ大統領はクリストファー・レイFBI長官が積極的にヒラリー・クリントンについて調査を行わないことにいつも失望を表明していると語った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は更に、オバマ政権がロシアの原子力省によるウラニウム採掘企業の買収に対してオバマ政権が許可を出すにあたってヒラリー・クリントンが果たした役割についてレイが調査しないことについて、トランプは不満を募らせているとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。

 

昨年、トランプの弁護団は秘密裏に、司法省に対してコミーに関して政府の秘密情報を不適切に扱ったこととヒラリー・クリントンのEメール問題の調査について調査を行うように依頼したとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。この依頼は拒絶されたということだ。

 

マガーンの法律顧問ウィリアム・バークは、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、マガーンは「彼が大統領に対して行った法律に関する助言について以下なることもコメントしない」と述べた。

 

バークは次のように述べた。「他のいかなる依頼人と同様に、大統領に対しても秘密が守られる権利が保障されている。マガーン氏はおそらく、彼の知っている限りにおいて、大統領が誰かに対してヒラリー・クリントンもしくはジェイムズ・コミーを訴追するように命じたことはないと述べるはずだ」。

 

=====

 

イヴァンカ・トランプは個人Eメールアカウントから政府の業務に関するEメールを数百通送った(Ivanka Trump sent hundreds of emails about government business on personal account: report

 

ジャスティン・ワイズ筆

2018年11月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/417532-ivanka-trump-sent-hundreds-of-emails-about-government-business-on

 

イヴァンカは連邦政府の記録に関する規則に違反し、自身の個人アカウントから政府高官たちにEメールを送っていた、と『ワシントン・ポスト』紙が報じた。

 

大統領補佐官であり、大統領の長女でもあるイヴァンカ・トランプは、ホワイトハウスに関わる作業と彼女自身のスケジュールを政権の職員、高官、彼女自身のアシスタントたちに数百通のEメールを送っていたと報じている。

 

ホワイトハウスの倫理担当職員が5つの行政機関が昨年秋に収集したEメールを精査した際に、このことを発見した。5つの行政機関は公的な記録を巡る訴訟に対処するために準備を行う一環として、Eメールを収集した。

 

ホワイトハウスの倫理担当職員は精査の過程で、イヴァンカ・トランプがホワイトハウスにおける業務に関する議論を私的なEメールアカウントを使って行っていた、とワシントン・ポスト紙が報じた。

 

本誌はホワイトハウスにコメントを求めたが返答はいまだにない。

 

今回のスクープは、ヒラリー・クリントンの国務長官在任中に私的Eメールサーヴァー使用を思い出させるものだ。

 

ヒラリーが私的なサーヴァーを使用したことは、2016年のアメリカ大統領選挙における重要な問題となり、ジェイムズ・コミー前FBI長官は投票日のわずか1週間前に、この問題についての捜査を再開することを決定した。この決定はトランプとの選挙戦におけるターニングポイントとなった。

 

トランプ大統領はヒラリー・クリントンの私的Eメール使用を非難の材料として多用した。トランプ支持の集会に集まった群衆は、私的なEメールサーヴァー使用問題に対して、「彼女を逮捕せよ」と叫び続けた。

 

ワシントン・ポスト紙は、イヴァンカ・トランプが今回の問題発覚に対して政府の記録に関するルールの詳細な点について知らなかったと答えた、とこの問題について知っているある人物の証言を掲載している。

 

イヴァンカ・トランプの弁護士兼倫理担当補佐官アビー・ローウェルの報道担当ピーター・ミリジャニアンは、ワシントン・ポスト紙に対して、イヴァンカ・トランプはルールについての教えられる前に、私的なEメールを使って政府の業務を議論したと語った。

 

ミリジャニアンは声明の中で次のように述べた。「政権以降期において、公的なEメールアカウントが与えられたが、他の人々に対して与えられた使用ガイダンスを、業務開始前までに与えられなかった。トランプ氏は時に私的なEメールアカウントを使用したが、そのほとんどは家事のことやスケジュールについての連絡だった」。

 

ミリジャニアンは更に、イヴァンカ・トランプは数カ月前に政府の業務に関するEメールを公的なEメールに引き継いだと述べた。ミリジャニアンは、イヴァンカ・トランプの私的Eメール使用はクリントンの場合とは異なるとも語った。

 

ミリジャニアンは次のように語った。「トランプ氏は自宅や事務所に私的なサーヴァーを設置していない。機密情報はやり取りしたEメールには含まれていない。Eメールアカウントはトランプ・オーガナイゼーションから移されていないし、どのEメールも削除されていない」。

 

イヴァンカの反応は、ワシントン・ポスト紙は、ヒラリー・クリントンの私的Eメールサーヴァーの使用が暴露された時と似た反応だと論評している。しかし、ヒラリーの私的Eメール使用とイヴァンカの場合が違うのは、ヒラリー・クリントンがオバマ政権の国務長官在任中に、業務に関する公的なEメールを私的Eメールシステムだけを使ってやり取りしていた点だ。

 

ワシントン・ポスト紙は、イヴァンカ・トランプは私的なサーヴァーを使って政府の業務に関してやり取りしたのは100通以下であった、その他のEメールでは彼女のアシスタントとの旅行計画とホワイト蓮のスケジュールをやり取りしたものであった。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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古村治彦です。

 

 今回は副島隆彦の学問道場開催の定例会(講演会)のご紹介をいたします。詳細は以下の通りです。今回の会は、『日本会議の研究』で知られる、新進気鋭の著述家、菅野完(すがのたもつ)氏をお迎えします。

 

(貼り付けはじめ)

 

40回副島隆彦の学問道場定例会

『世界「帝国」衰亡史~世界の歴史は覇権国・属国理論でやはり見抜ける』

 

・講師:副島隆彦先生、菅野完先生

・講演タイトル:副島隆彦先生「世界『帝国』衰亡史 ~ 世界の歴史は覇権国・属国理論でやはり見抜ける」、菅野完先生「なぜ安倍政権は倒れないのか(仮)」

・開催日時:2018122日(日)1215分開場、13時開演

・会場:連合会館 2階大会議室

・会場住所:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11

・地図:

 

 rengokaikanmap001

 

・会場までのアクセス:地下鉄東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」 B3出口徒歩0分、地下鉄東京メトロ丸ノ内線「淡路町駅」 B3出口 (B3出口まで徒歩5分)、都営地下鉄新宿線「小川町駅」 B3出口 (B3出口まで徒歩3分)、JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」 聖橋口徒歩5

 

・当日の予定:

 

開場  12:15

開演  13:00

終了  17:00(予定)延長することもございます

 

※定例会出席のお申し込みは以下のアドレスでお願いいたします↓

※ページへは http://snsi-j.jp/kouen/kouen.htmlからどうぞ。

 

(貼り付け終わり)

 

よろしくお願いいたします。

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 前回は、「民主党が連邦下院議員選挙に勝利し、トランプは敗北した」という内容の記事をご紹介しました。今回は、「民主党は連邦下院議員選挙に勝利したが、トランプは選挙に勝利した」という内容の記事をご紹介します。

 

 リベラルなメディアとして知られる『ワシントン・ポスト』紙に掲載された記事ですが、アメリカの各新聞にはリベラルから保守まで様々なコラムニストがいて、それぞれの立場から論説を発表します。前回ご紹介したEJ・ディオンヌは同じワシントン・ポスト紙に論説を発表するコラムニストですが、リベラルの立場から書いています。

 

 今回ご紹介する記事を書いたエド・ロジャースはヴェテランのコラムニストで、保守の立場から論説を書いています。同じ現象(2018年中間選挙)をそれぞれの立場からどのように解釈するのか、ということで読み比べると相違点、どこを強調しているのかが分かって面白いと思います。

 

 今回の記事では、民主党は確かに連邦下院議員選挙で勝利したということは事実として認めています。しかし、それは大勝ではなかったし、民主党の躍進を「ブルーウェイヴ(Blue Wave、青い波)」とアメリカのメディアは形容したがそういう青い波など起きなかった、と書いています。民主党が新星、ライジングスターとして期待をかけていた候補者たちは軒並み落選したではないか、という点を強調しています。

 

 そして、今回の中間選挙は、有権者にとってトランプを罰する機会となったはずだが、有権者はそうしなかった、有権者はそうするはずだと述べていた、傲慢な民主党と主流派メディアの言うとおりにならなかったと述べています。そもそもこれまでの中間選挙でも、支持率が低い大統領を出している政党は軒並み議席を減らしていて、今回の結果はこれまでの選挙(大統領の支持率が低い場合)の平均を超えなかったと述べています。

 

 確かに、民主党は30議席以上伸ばし、2010年以来の連邦下院での過半数を確保しました。しかし、何か「勝った、勝った」と大喜びできる雰囲気ではありませんでした。連邦上院では共和党が過半数を確定しましたし、民主党の期待の星は当選できませんでした。

 

 連邦下院で過半数を得たし、2016年の大統領選挙で、それまで民主党支持が多かったのにトランプに投票した地域もある程度回復できた、ということで民主党が勝った、という評価がある一方で、有権者はトランプ大統領に罰を与えなかったという評価もできる訳です。

 

 2020年の大統領選挙に向けては、民主党が厳しい、という評価は民主党内部でも存在します。これからどうなっていくのか、注目していかねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党は連邦下院議員選挙で勝利した、しかし、トランプは選挙で勝利した(Democrats won the House, but Trump won the election

 

エド・ロジャース筆

2018年11月7日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/blogs/post-partisan/wp/2018/11/07/democrats-won-the-house-but-trump-won-the-election/?fbclid=IwAR0Uk3gHraxknmvptzUxRHs-JtOA_m__RCkOQfsQg8mrZ-PAz-ZPzcpSTFs&utm_term=.327ea3999bbb

 

火曜日の夜、共和党は完勝という訳にはいかず、また、民主党のブルーウェイヴもなかった。共和党はこれまでの歴史とほぼ全ての人々の期待を裏切った。一方、ビートー・オローク、アンドリュー・ギラン、ステイシー・エイブラムスなどが勝利するという夢想が破れたことで、民主党には失望が残った。民主党進歩派の新たなスターが登場することはなかった。今年の中間選挙の結果の意味を分析するのに数日必要となるだろう。しかし、簡単な分析はでき、その結果は明確だ。民主党は連邦下院で勝利するであろうが、選挙で勝利したのはトランプだ。

 

私が常々述べているように、政治においては、怒ると思われるものが起きることが多い。私が8月の段階で次のように予測した。民主党は連邦下院で過半数を獲得するだろうが、それだけでは民主党支持者のほとんどを満足させられない。今年の中間選挙はトランプ大統領を罰する機会を提供することになったが、傲慢な民主党と主流派メディアが予測したことはほとんど起きなかった。選挙の結果が示しているのは、その重要性が明確になるまでしばらく時間がかかるだろうが、民主党と主要メディアが言っていたことのほとんどは間違っていたということになるのだ。そして2018年の中間選挙が何かを証明するとなると、それは、トランプは強いままであり、トランプは有権者から拒絶すると期待していた民主党と協力者たちはこの人たち自身が否定されることになった、ということだ。

 

民主党は中間選挙のこれまでの歴史や人々の期待の大きさに比べて、うまくやることが出来なかった。大統領を出している政党は、大統領の支持率が50%を切っている場合、これまでの中間選挙において連邦下院で平均して37議席を失った。しかし、民主党はこの平均以上の議席の躍進は望めない状況だ。リベラル派は認めなくないだろうが、トランプ大統領は共和党にとって財産であり、バラク・オバマ大統領は民主党にとっては厄災をもたらす存在であった。

 

より明確に述べよう。有権者たちはトランプを罰するチャンスを得たが、そうしなかった。評論家のほとんどは、今年の選挙では、アメリカ国民とはどういう人たちか、アメリカとはどういう国かということをさんざん語った。それでも、アメリカ国民の多くはトランプを支持したようだ。民主党はトランプのマイナス面を述べるだけで、自分たちの勝利を促すことになると考えた。2018年の中間選挙の結果は、2020年の選挙に勝てると考えるのならば、計画を変更する必要があることを明確に示している。

 

中間選挙というものは、中間選挙はこのようになるという常識にほとんどの場合、従うものだ。大統領を出している共和党は議席をいくつか失ったが、しかし、民主党やメディアの協力者たちが起きるであろうと主張していた、民主党躍進によるトランプ大統領への懲罰とは程遠い結果になった。中間選挙が共和党にとっては悪い結果をもたらす、トランプに対して厳しい目が向けられているということであったなら、ここで疑問が出てくる。火曜日の選挙結果は、トランプが共和党にとっての重荷であるという考えを証明するものであろうか?トランピズムは共和党にとって政治上の重荷だろうか?この疑問に対する答えは、トランピズムはプラスだというものだ。What that says about the GOP and America is unclear. しかし、2018年の中間選挙における目的という観点からすると、トランプは勝利者ということになる。

 

トランプと彼の協力者たちは、ニューヨークとハリウッドのエリートたちが撥ねつけることも戦うことも出来ないアピールを人々にしている。2018年の中間選挙で民主党の注目株となった人々は全て当選できなかった。有権者がどちらに投票するかを決めなければならなくなった時、多くの場合、怒れる左派は人々から拒否され、トランプが利益を得ることになる。

 

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(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回の中間選挙は、連邦上院では共和党が過半数を維持、連邦下院では民主党が2010年以来の過半数を奪還、州知事選挙では民主党が善戦という結果になりました。この結果について、「民主党が勝利した、トランプ大統領に“ノー”が突き付けられた」とする記事をご紹介します。

 

 今回の中間選挙では史上初と形容される出来事がいくつか起きました。史上最年少の女性連邦下院議員、史上初のイスラム教徒の連邦下院議員、史上初のネイティヴ・アメリカンの連邦下院議員が誕生することになりました。また、女性の当選者が90名以上を超え、これは史上最多ということです。以下に記事を貼り付けます。


racialdiversityincogress

 

(貼り付けはじめ)

 

●「多様性の勝利? 2018年の中間選挙で歴史を作った5人」

John Haltiwanger

Nov. 08, 2018, 05:30 AM POLITICS

https://www.businessinsider.jp/post-179133

 

大統領選並みの注目を集めたアメリカの中間選挙では、いくつかの歴史が生まれた。

 

議会の構成が大きく変わる以上に、この中間選挙で個人レベルで歴史を塗り替えた5人を紹介しよう。

 

(敬称略)

 

1. アレクサンドリア・オカシオコルテス(29歳) —— アメリカ史上最年少の女性下院議員。

 

アレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)は、今回の中間選挙でアメリカ史上最年少の女性下院議員となった。

 

民主党のオカシオコルテスは、ニューヨーク州14区を代表する下院議員だ。

 

6月の中間選挙の予備選挙で、民主党のベテラン、ジョー・クローリー(Joe Crowley)下院議員に、劇的な勝利を収めていた。

 

今回の中間選挙で勝つ前から、オカシオコルテスの知名度は全国区となっていた。

 

2. ラシダ・トレイブ —— アメリカ史上初のイスラム教徒の女性下院議員2人のうちの1人。

ラシダ・トレイブ

 

ラシダ・トレイブ(Rashida Tlaib)と イルハン・オマール(Ilhan Omar)は、アメリカ史上初のイスラム教徒の女性下院議員となった。

 

トレイブは、ミシガン州13区を代表する下院議員だ。

 

パレスチナ人移民の娘で、ミシガン州初のイスラム教徒の女性州議会議員でもあった。

 

3. イルハン・オマール —— アメリカ史上初のイスラム教徒の女性下院議員2人のうちの1人。初のソマリア系アメリカ人女性下院議員。

投票後のイルハン・オマール

 

116日、ミネソタ州ミネアポリスで中間選挙の投票を終えた民主党下院議員候補のイルハン・オマール。

 

民主党のイルハン・オマールは、難民としてアメリカにやって来た、史上初のソマリア系アメリカ人女性下院議員でもある。

 

ミネソタ州5区を代表する下院議員だ。

 

トレイブとオマールは今年、選挙キャンペーンをともにしたことも。

 

4. ジャリッド・ポリス —— 同性愛者であることを公表している男性として初の州知事に。

ジャリッド・ポリス

 

民主党下院議員のジャリッド・ポリス(Jared Polis)は、コロラド州知事選で共和党候補のウォーカー・ステープルトン(Walker Stapleton)を破り、同性愛者であることを公表している男性として初の州知事に選ばれた。

 

彼は選挙キャンペーン中も、自身の性的指向について気後れすることは全くなかった。

 

5. シャリス・デイビッズ —— 史上初のネイティブ・アメリカンの女性下院議員。

 

カンザス州のシャリス・デイビッズ(Sharice Davids)は、先住民ホ=チャンク・ネーションの出身で、史上初のネイティブ・アメリカンの女性下院議員となった。

 

デイビッズは下院議員を4期務めた共和党の現職ケビン・ヨーダー(Kevin Yoder)を破った。

 

同性愛者でもあるデイビッズは、カンザス州3区を代表する。カンザス州からLGBTQであることをオープンにしている連邦議会議員が出るのも初めてのことだ。

 

(貼り付け終わり)

 

 今回ご詳記する記事では、連邦下院議員選挙で民主党が過半数を大きく上回る議席を獲得したことが、トランプ大統領に対する「ノー」の声を表しているのだ、というものです。このブログでもご紹介していますが、連邦上院は各州2名ずつが選出されますので、人々の数ではなく、場所、州を代表するということになっていて、地方の州は共和党が押さえている状況で、共和党が有利な状況が続いています。

 

 また、人種差別などに人々の不満を逸らせるというやり方は機能するが、今回の選挙ではそうしたトランプ流の手法の限界を露呈したということも今回ご紹介する2本の記事で書かれていることです。民主党はそうした問題よりも、医療(オバマケア)や経済問題を中心に訴え、共和党はトランプ流に引きずられ、人種問題や移民問題を訴えるということで、偏った選挙戦になり、うまくいかなかったという分析もあります。

 

 連邦下院議員選挙での大勝はありましたが、民主党内部には問題が山積しています。2016年の大統領選挙以来の党主流派、体制派と、民主社会主義者系との分裂は続いたままです。また、2020年の大統領選挙に向けて、有力候補者が出ていない、名前が30名上取り沙汰されているというのは、有力な候補者がこの時点でいないということを示しています。来年にはもう大統領選挙に向けて動かねばならない時期にこれでは民主党は厳しいと言わざるを得ません。そして、ヒラリー・クリントンの再出馬という話も出てしまって、これではトランプ大統領、共和党を利するばかりです。トランプ大統領としては、再選に向けて、ヒラリーが出てくれないかな、それなら楽に戦えるのに、くらいに思っていることでしょう。

 

 今回の中間選挙、民主党は連邦下院議員選挙で勝利、州知事選挙でも善戦でしたが、決して楽観はできない状況にあります。

 

 

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプはどのようにして中間選挙で敗北したか(How Trump lost the midterms

 

EJ・ディオンヌ・ジュニア筆

2018年11月7日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/opinions/how-trump-lost-the-midterms/2018/11/07/55f124d6-e2c8-11e8-8f5f-a55347f48762_story.html?utm_term=.39373081cfed

 

2018年の中間選挙はトランプを中心とする連合の破壊の始まりとなった。

 

トランプ連合はまだまだ機能している。いくつかの州での結果は失望するものであった。そして、トランプ大統領の共和党の掌握は強化された。しかし、アメリカ国民の大多数は、分裂を助長する、自国中心的な政治を拒絶した。民主党は古くからの工業地帯の有権者に対するトランプ大統領の掌握に衝撃を与えた。勝利した女性候補者たちはアメリカ史上最も多い数となった。

 

反トランプ運動の唯一の最重要の目的は、共和党のワシントン支配を打ち破ることだった。民主党は、連邦下院で過半数を獲得することで、この目的は達せられた。開票作業はまだ継続しているが、民主党は30議席以上躍進するだろうと見られている。30台中盤から後半まで行く可能性もあると見られている。

 

長期的に見て重要なことは、民主党の候補者たちが獲得した得票数がこれまでになく大きいものとなったことだ。カリフォルニア州の集計はまだ行われているが、民主党が共和党につけた得票数の差は1994年、2010年、2014年の共和党躍進の波の時よりも大きくなるだろう。連邦上院は約3分の1の議席が選挙となり、連邦下院は全議席が選挙となった。従って、連邦下院議員選挙への投票は、トランプ大統領に対する不満を示す指標となる。

 

ブルーカラー(労働者)が多く住む州や郡で民主党は大きな成功を収めたことは大きな現象となった。こうした地域では、2016年の大統領選挙で、人々はもともと民主党支持だったのにトランプに投票し、彼を当選させたのだ。

 

民主党はオハイオ、ペンシルヴァニア、ウィスコンシン、ミシガンの各州で連邦上院議員の議席を保持した。各州は2年前のトランプ勝利にとって重要な州であった。民主党はウィスコンシンとミシガンの州知事選挙で現職の共和党を破り、ペンシルヴァニアの州知事選挙では地滑り的勝利を収めた。民主党は共和党から7つの州知事の座を奪った。バラク・オバマ大統領時代の中間選挙での悲惨な結果から取り戻すことになった。

 

共和党所属のウィスコンシン州知事スコット・ウォーカーは州教育長トニー・エヴァースに敗れたことは大きな出来事であった。保守運動の権化であるウォーカーはリコール運動を乗り越え、何度も危機を乗り越え、何度も生まれ変わったように見えるほどであった。ウォーカーの敗北は火曜日の中間選挙におけるより大きなメッセージの一部である。エヴァースを含む中間選挙の民主党の候補者たちの多くは、共和党のイデオローグたちに対して、現実的な問題解決者として勝利した。このような民主党候補者たちを元アイダホ州知事トム・ヴィルサックは「言葉遣いは穏やかだが考えは進歩的」と描写した。

 

エヴァースは前回の選挙で共和党に支持を移したウィスコンシン州南部の各郡を取り戻した。

 

労働者の町ヤングスタウンを含むオハイオ州マホニング郡は、2016年の選挙で反民主党的な党派移動を起こした場所の一つであった。2012年の大統領選挙でオバマは63%の得票を獲得した。しかし、2016年の大統領選挙ではヒラリーは50%以下の得票しかできなかった。今年、民主党の連邦上院議員シュレッド・ブラウンは60%を獲得し、2012年の結果に大変近くなった。州知事選挙では、民主党の候補者リチャード・コーディは結果として敗北したが、マホニング郡では55%を得票した。

 

同様な民主党に対する動きはペンシルヴァニア州エリー郡でも起きた。ここでオバマは58%、ヒラリー・クリントンは47%をそれぞれ得票した。火曜日、民主党所属のペンシルヴァニア州知事トム・ウォルフは60%、民主党所属の連邦上院議員ロバート・P・ケイシー・ジュニアは58%を得票した。

 

このような変化は、民主党が医療、教育、インフラ(社会資本)、その他の経済問題について集中して選挙運動を行ったことで起きた。2018年の選挙はオバマケアの大勝利を象徴することになるだろう。これは4年前と6年前の選挙で民主党を敗北に導いた医療費負担適正化法(オバマケア)が現在ではアメリカ国民が医療府負担に関してアメリカ政府に求める最低限の水準になったことを示している。

 

民主党にとっては残念なこともあった。フロリダ州知事選挙に民主党の候補者として出馬したアフリカ系アメリカ人のアンドリュー・ギランが共和党の候補者となったロン・デサンティス連邦下院議員に僅差で敗れたのは特に残念なことであった。ギランは人種の融和を訴えたが、デサンティスは極右過激派との関係を公にするような人物であった。

 

トランプは水曜日に中間選挙後の記者会見を行った。トランプは予想通り、連邦上院における共和党の躍進を称賛し、これらの勝利は自身の選挙運動のおかげだと自画自賛した。しかし、ノースダコタ、インディアナ、ミズーリといった保守が強い各州での勝利はトランプ戦略の限界を示している。トランピズムは激戦州と穏健な郊外に住む、教育水準の高い女性といった有権者たちからは後退しつつある。 そうした中で、共和党はトランプのイメージにより縛られるようになっている。

 

保守地盤に集中する以外に方法はないということをトランプは示している。より穏健な共和党の政治家たちを敗北に導いた過激主義を唱えるトランプ大統領は、記者たちを前にして、トランプと距離を取るという賢い選択を行った共和党の候補者たちを罵倒した。

 

トランプは強硬な主張を続けた選挙運動の結果に対して責任を取るのではなく、選挙に敗れた共和党の候補者たちは自分に頭を下げることを拒否したために敗北したのだと主張した。このような発言は民主党に連邦下院の過半数を任せた種類の有権者たちを遠ざけるものである。

 

民主政治体制は長い時間を必要とする試みである。民主政治体制には関与と寛容が必要である。火曜日の中間選挙は政治をひっくり返すことはなかった。しかし、中間選挙は、私たちの国を正しい方向に勧めるための長い道のりの第一歩となるだろう。

 

=====

 

中間選挙によって暴露された厳しい事実(The Harsh Truth Exposed by the Midterm Elections

―アメリカの伝統に立ち向かうのはトランプではない。トランプを止めようとしている、完全ではない勝利を収めた人々こそがアメリカの伝統に立ち向かっている。

 

ピーター・ベイナート筆

2018年11月7日

『ジ・アトランティック』誌

https://www.theatlantic.com/ideas/archive/2018/11/trump-and-harsh-truth-exposed-midterms/575128/

 

火曜日の中間選挙の結果から出てくる物語は次のようなものとなるだろう。2つのアメリカの潮流は更に離れている。共和党は、2016年の大統領選挙でドナルド・トランプが勝利した各州から民主党を追い出すことで、連邦上院で過半数を獲得し、拡大させた。民主党は2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝利した各選挙区から共和党を追い出すことで、連邦下院で勝利を収めた。次期連邦議会で、民主党はよりリベラルな姿勢を取るだろう。共和党はより保守的な姿勢を取るようになるだろう。トランプに対して曖昧な態度を示していた連邦議員の大多数は議会に戻ってこないだろう。

 

しかし、アメリカは深く分裂してしまってはいるが、民主党と共和党は全く別の方向を向いて分裂を深めていたことは記憶しておくべきだ。民主党は今年の中間選挙でより多くのアフリカ系アメリカ人と女性が候補者として立候補し、共和党の候補者の多くが移民とブレット・カヴァナーについて選挙運動を行った。その結果、今回の中間選挙については文化戦争だと形容したくなる状況になった。これは誤っている。文化戦争は一方の側ばかりで戦われている。民主党の候補者たちは人種と性別の多様性を体現していた。しかし、この人たちは多様性を中心にして選挙運動を行わなかった。民主党の多様な候補者たちは中間層のセイフティーネットを守るというメッセージを発した。民主党側はバラク・オバマを出さなくても、オバマケアは人々の支持を集めているということに気づいた。『ニューヨーク・タイムズ』紙のアレックス・バーンズが書いているように、民主党の選挙運動は次のように要約できる。「名詞、動詞、既往歴(訳者註:オバマケアでは既往歴を理由に保険加入を拒否することが出来ない)」ということになる。

 

共和党は大きな後退と妥協を行った。2010年にオバマケアに対して激しく反対したのに、今年の選挙では、共和党はオバマケアの主要な点を支持するかのように振舞った。アリゾナ州では、共和党の連邦上院議員選挙候補者マーサ・スカリーは「既往症も保険適用となるように保険会社に強制するための戦いを主導する」と発言した。ミズーリ州では、共和党のジョシュ・ハウリーも同様のことを訴えた。

 

以前は、民主党は経済上の安全について選挙運動を行っていたが、この時共和党は経済上の機会について選挙運動を行っていた。民主党は政府による保護を公約した。一方、共和党は政府からの自由を公約した。しかし、2012年にミット・ロムニーとポール・ライアンが使ったリバータリアニズム的な、大きな政府に反対する言葉遣いは全くなくなってしまった。経済が好調なのにもかかわらず、共和党は減税を主張することすらなかった。

 

トランプ政権下、共和党は経済的な安全の代わりに、文化的な安全を前面に出している。トランプ大統領は、南米からやってくると殺人者たちと、性的暴行を告発することで男性の生活を台無しにする女性たちから、アメリカ国民を守ると公約した。この公約は、ある程度機能した。地方の白人という支持基盤を動員することで、フロリダ州とオハイオ州のようなパープルステイト(激戦州)において民主党の攻勢に対抗し、ノースダコタ州、インディアナ州、ミズーリ州のようなレッドステイト(共和党優勢州)において民主党の現職連邦上院議員を圧倒することが出来た。これは古くからあるやり方が成功した具体例なのだ。WEBデュボイスはこれを「心理的な報酬」と呼んだのはよく知られている。経済的苦境から白人たちを救う代わりに、白人たちの中にかき立てられる悪魔のような違う人種の人々から守るということを訴えるのだ。そして、トランプはこの古くからのやり方の達人であることは議論の余地がない。多くのアメリカ国民が医療を受けられないという恐ろしい状況にあるのに、トランプはフォックスニュースの助けを借りながら、ホンジュラスからの難民希望者たちの脅威を奏した人々に感じさせることが出来るということを理解していた。選挙が終わってしまえば、難民希望者たちの様子はフォックスニュースの画面から消え去り、トランプにとって再び必要になるまで、彼のツイッター上で言及されることもなくなるのだろうと私は推測している。

 

厳しい事実は次のようなものだ。人種差別は多くの場合機能する。経済的な正義を求める人種の違いを超えた連合の出現は、アメリカ史上における例外的な現象だ。自分たちの人種的な優越を守るために白人を動員することは当たり前の現象であった。2018年の中間選挙から得られる教訓は、アメリカ政治は「当たり前」に戻ってはいないということだ。多くの点で、トランプ大統領を中心とする政治、トランピズムはアメリカの当り前の現象そのものである。そうしたアメリカの伝統に立ち向かうのはトランプではない。そうしたアメリカの伝統に立ち向かうのは、トランプを止めようと勇敢に立ち上がったが、完全な成功までは収められていない人々なのである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 ここ数日、メラニア・トランプ大統領夫人がミラ・リカーデル国家安全保障問題担当次席大統領補佐官の更迭要求が話題になってきました。現地時間水曜日、ホワイトハウスは声明を発表し、ミラ・リカーデルの人事異動を発表しました。新しい職務はまだ分かっていませんが、国家安全保障問題担当次席大統領補佐官は解任されることになりました。今年5月に、ジョン・ボルトンによって招聘されましたが、半年で更迭ということになりました。

 

 以下の記事によると、リカーデルは官僚的な人物で、これまでにもジョン・ケリー大統領首席補佐官やジェイムズ・マティス国防長官と衝突したということで、味方はジョン・ボルトンしかいなかったようです。リカーデルの解任によって、ボルトンの力は落ちることになるでしょう。しかし、リカーデルが政権から離れず、ホワイトハウスではなく他の部署に異動するということで落ち着いたのは、ボルトンの巻き返しがあったためのようです。

 

 トランプ政権に対しては、多くのメディアがリーク情報を基にして様々な報道を行っています。これに対してトランプ政権内では神経を尖らせ、誰がリークしているんだ、ということで犯人探しも行われてきたようですが、政権の最高幹部クラスが自分の影響力を高める、もしくはライヴァルを蹴落とすといった目的でリークを利用しているようで、犯人探しとなれば、ほぼ全員ということになってしまうようです。また、トランプ大統領自身も友人たちに電話をかけて、様々なことを話してしまって、それが漏れてしまうということもあるようです。このアマチュア感、素人臭さがトランプ政権の良さでもあり、悪さでもあります。

 

 こうした政権内の雰囲気には、官僚的な人物は最もそぐわないということになります。もちろん組織運営上、官僚的な人物によるコントロール、手続き上の管理ということも必要になってきますが、ケリーやマティスのような軍隊で鍛え上げてきた人々とも衝突するということになると、リカーデルに行き過ぎた官僚主義的行動があったのだろうと推測されます。

 

 また、リカーデルを招聘したのはボルトンですが、2人はイラク戦争を主導したジョージ・W・ブッシュ政権で働いていた人々で、イラク戦争を批判して当選したトランプ政権の色合いと合う人たちではありませんし、ケリーやマティスのような制服組出身者とも気が合わないのだろうと思います。ボルトンの前任HR・マクマスターは現役の中将であったのに、国家安全保障問題担当大統領補佐官更迭時には昇進もなく退役という気遣いのない処分もあって、制服組出身者たちにしてみれば、ボルトンに対してマイナスの感情があるものと思われます。

 

 次席補佐官は、大統領や閣僚が出席する国家安全保障会議を実質的に主宰するほどに重要なポジションです。このポジションが大統領夫人の人事介入によって更迭されたということの意味は大きいし、これまでの政権であればこのようなことは少なくとも公には行わなかったでしょう。そこで、敢えてより考えてみると、メラニア・トランプ大統領夫人が汚れ役を買って出たということもあり得る推測ではないかとも思います。

 

 なんにしても、このようなことが起きるのがトランプ政権の特徴であり、繰り返しになりますが、このワシントンのアウトサイダーぶりこそが国民からの支持を集めることにつながっています。

 

 

(貼り付けはじめ)

 

ボルトンの副官は大統領夫人との公然となった衝突の後にホワイトハウスを離れる(Bolton aide exits White House after high-profile clash with first lady

 

ジョーダン・ファビアン筆

2018年11月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/416797-bolton-aide-exits-white-house-after-high-profile-clash-with-first

 

国家安全保障会議の最高幹部ミラ・リカーデルは、メラニア・トランプ大統領夫人との公然となった驚くべき衝突の後に、現在の職務から離れることになった。

 

水曜日、ホワイトハウスは声明を発表し、その中で、リカーデルは「政権内の新しい役割に移動する」予定だと述べたが、新しい職務については具体的に言及しなかった。

 

ホワイトハウス報道官のサラ・ハッカビー・サンダースは「大統領はリカーデル氏のアメリカ国民に対する継続的な奉仕と国家安全保障政策についての真摯な追求に感謝している」と述べた。

 

 

The announcement capped off a tense day of speculation about Ricardel's future after the first lady's office took the unusual step of publicly calling for her ouster. これは妥協の産物のようだ。国家安全保障問題担当大統領補佐官ジョン・ボルトンは、副官であるリカーデルを助けようとして奮闘したと報じられている。

 

しかし、リカーデルがホワイトハウスを離れることは、ホワイトハウス内部での争闘が大きくなっていることを示す兆候であり、それに大統領夫人オフィスがどのように関与しているかに光を当てるようになった。

 

イーストウィング(大統領夫人オフィス)は、先月のメラニア・トランプ夫人のアフリカ訪問時の政府専用機の座席のことでリカーデルと衝突したと報じられている。大統領夫人訪問ティームはリカーデルがメラニア・トランプ夫人についてのマイナスの話をリークしたのはリカーデルだと非難した。リカーデルは夫人のアフリカ訪問の準備を手伝ったが、このような事態になった。

 

大統領夫人オフィス報道官ステファニー・グリシャムは火曜日に発表した声明の中で、「大統領夫人オフィスの立場は、彼女(訳者註:ミラ・リカーデル)はホワイトハウスで勤務するという光栄に浴するに値しない、というものだ」と述べた。

 

今回の事態はホワイトハウス内における激しい勢力争いの引き金を引いた。ボルトンはリカーデルの更迭に反対したので、火曜日の時点ではリカーデルは職務に留まっていた。また、水曜日も、彼女の更迭が発表される前には職務に留まっていたと報じられている。

 

ボルトンは、今年5月にリカーデルを国家安全保障会議(NSC)のナンバー2のポジションに招聘した。リカーデルは高い行政手腕を持ち、官僚的手続きを墨守するタイプだという評判であった。リカーデルは、大統領首席補佐官ジョン・ケリーと国防長官ジェイムズ・マティスと衝突した。

 

しかし、リカーデルとメラニア・トランプ夫人との衝突が最後のひと押しとなったことは明らかだ。今年10月のメラニア夫人のアフリカ訪問時、夫人はABCとのインタヴューに応じ、その中で、彼女は夫である大統領に対して、政権の中に彼女が信頼できない人たちがいると助言したと発言した。

 

メラニア夫人はそうした人物たちについて「そうですね、ホワイトハウスの中には働いていない人たちがいます」と発言した。そして、ウエストウィングの中に信頼できない人たちがいると続けた。

 

メラニア夫人は続けて「統制を取ることがどんどん難しくなっています。いつも背中から刺されないように気をつけないといけない状況なのです」と語った。

 

リカーデルを巡る騒動は、トランプが政権内の大幅な人事交代を考えていると報じられる中で起きた。人事交代の対象には、国土安全保障長官クリステン・ニールセンとジョン・ケリーが入っている。ケリーは政権内でニールセンの大きな後ろ盾となっている人物だ。

 

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 古村治彦です。

 

 今回は、『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載された、選挙制度を巡る論説記事の内容をご紹介します。簡単に言うと、一人区制では有権者の意向を適切に反映できない、ということです。内容は箇条書きにしてご紹介します。

 

 一人区制度(日本では小選挙区制)の場合、死に票がたくさん出ます。立候補者が2人出て、得票率50.1%と49.9%だった場合、49.9%の得票を得た人物は当選とはなりません。これは言い換えると、こちらの候補に投票した有権者は自分たちの代表を送れないということになります。小選挙区制は勝ち負けがはっきりし、第一党が過半数を取りやすいので(得票率よりも大きな議席の割合を占めることになる)、「決める」政治、即断即決の政治が起きやすくなります。

 

 日本でもこの小選挙区の良い点が強調され(強調されすぎて)、1990年代からの政治改革論議では、小選挙区制と二大政党制が目指されるべき理想像とされてきました。しかし、現状を顧みると、果たしてそれが良いことなのか、2009年の民主党の大勝が起きて以降の動きは、健全な民主政治体制にとって良いことなのかどうかということは疑問です。

 

 日本が目指すべき理想像とされたのがアメリカでした。しかし、アメリカでは、最近の党派争いの激化、分極化による衝突、二大政党間のコミュニケーション不足と過度な対立、に対して、現状を何とかしなければという声も出ています。今回ご紹介するニューヨーク・タイムズ紙の論説もその一つと言えます。

 

 現在のアメリカは、各州がそれぞれレッドステイト(共和党優勢州)、ブルーステイト(民主党優勢州)に分かれていがみ合っていると伝えられています。しかし、レッドステイトにだって民主党支持者が多くいますし、逆もまた然りです。しかし、そうした人々の声が反映されない、代表を送れないということは、健全な民主政治体制にとって脅威ではないのか、こうした人たちの代表も議会に出ることで、有権者の政治参加の意欲が高まり、結果として、民主政治体制は存続できると述べています。

 

 以前にご紹介した記事でも述べられていますが、選好投票(RCV)という投票方法が、今回の記事でも紹介されていました。これについては以下の記事の内容の箇条書きを読んでいただきたいと思いますが、なかなか興味深い制度です。

 

 現在、日本でも、社会にある多様な声をより適切に反映させる、代表制に基づいた民主政治体制について、その実現に向けて考えるべきだと思います。平成という時代は、政治改革ということに狂奔し、その結果として、果たして望ましい民主政治体制になっているのかどうかということを考える必要があります。

 

 第一党が得票率よりも多い議席占有率となるような制度、その結果として、スイングが激しい制度が良いとは私は思いません。それは、横暴な多数党を生み出し、尊重すべき少数派を嘲笑するだけのことになってしまう、それは健全な民主政治体制とは言いません。

 

 そう考えると、いろいろとありましたが、昔のように中選挙区制に戻すことや比例代表制の導入を検討してみる(シミュレーションをしてみる)のは、議論のスタート地点になると思います。

 

(貼り付けはじめ)


expandedhousewithmultimemberdistricts001
 

・ニューヨーク市から共和党所属の連邦下院議員がいなくなった。50万人の共和党支持者は見えない存在になる。

・アーカンソー州には多くの民主党支持者がいるが、民主党所属の連邦下院議員は出ていない。有権者の3分の1以上は民主党に投票しているのに。

 

・これは政治における平等と公正な代表の問題ということになる。連邦上院は民主的ではない制度設計になっていて、人口に関係なく、各州2名ずつが代表となる。しかし、「人々の議院」である連邦下院は、人々の政治的な志向の構成をできるだけ正確に反映すべきではないか?

 

・アメリカ全体で、少数派となった政党に投票した人々が一様に権力から締め出されていると感じるのには単純な理由が存在する。それが一人区制である。

・連邦下院の435ある選挙区は1人によって代表される。その1人は勝利者総取りの選挙で選ばれる。

・極度に分極化した、地理的に分裂し、ゲリマンダーが行われている時代、一人区制はアメリカの代表制民主政治体制の健全性に対する脅威となっている。

 

・一人区制のほとんどの人たちは、何か問題があると考えながらも、疑問を持っていない。

・複数人区制を州議会議員選挙などで採用している州もある。

 

・『ニューヨーク・タイムズ』紙では、全国の選挙区を再構成し、これまでの投票結果を当てはめてみた。

 

・マサチューセッツ州を例に挙げる。ここには9つの選挙区がある。3分の1強の有権者が共和党支持だ。もし完全な代表制システムであれば、9議席のうち3議席は共和党が占めることになる、

・しかし、マサチューセッツでは1994年以降、共和党所属の議院は出ていない。それはどの選挙区でも共和党が過半数の得票を獲得できていないからだ。

 

・選挙制度改革を求める「フェアヴォ―ト」によると、1つの選挙区の最適な当選者数は5であるが3でも機能する。そこで、マサチューセッツ州を3つの選挙区に分けて、それぞれ3名の当選者が出るとする。

 

・新しい選挙区と当選者数だけでは問題は解決しない。民主党は全ての選挙区で過半数の投票を得ているからだ。

・解決策として選好投票(ranked-choice votingRCV)を加える。

・選好投票は、立候補している候補者たちを好きな順にランク付けしていくというものだ(A候補:1、B候補:2、C候補:3・・・)。複雑そうだが、いくつかの自治体選挙で採用されている。

・選考投票では、選挙区の定数まで各党の立候補が認められる。マサチューセッツ州の例では、共和党3名、民主党3名、第三党からの立候補が認められる、有権者は好きな順に上位3名までに投票する。

 

・ここでもう一工夫が必要だ。それは複数人区制では、一つの選挙区でそれぞれ異なった視点と考えを公正に代表することが成功ということになる。

・そこで当選者が出るように1人の有権者が必ず3票を投じる必要がある。

・定数3の複数人区の場合、候補者たちは25%以上の得票で当選、定数5の場合は、17%以上の得票で当選となる。

 

・ここまでのことをマサチューセッツ州に当てはめ、過去の投票結果も入れてみる。

・共和党は3つの選挙区でそれぞれ1議席を獲得するという結果が出た。9議席中、3議席は共和党が獲得するという結果になった、これはマサチューセッツ州の共和党支持者の割合をだいたい反映している。

 

・これはそのほか多くの州でも機能すると考えられる。「フェアヴォ―ト」の計算では、全ての州で選挙区を再構成し直すことが出来るが、7つの州では一人区制となってしまう。

・アメリカで定数3以上の複数人区制を採用すれば、一つの選挙区から2つの大政党が代表を出すことができるということになる。

・アメリカは多くの人々が考えているように、政治的に分離している訳ではない。

・そのように見えているのは、ゼロサム、勝利者総取りの選挙制度で、政治状況のせいでもあり、各州をレッドステイト(共和党優勢州)かブルーステイト(民主党優勢州)かに過度単純化して色分けしているからだ。


illinoisexpandedcounties001
イリノイ州でのシミュレーション(現在は民主9議席だが、それが民主6、共和4になる)

 

・これが複数人区制を支持する理由となる。複数人区制は全ての政治グループを助けることになる。特に少数派となるグループを助ける。こうしたグループの得票を反映して代表を得られる。

・現在、共和党は大きな「議席ボーナス」を享受している。これは、共和党の全国規模の得票よりも大きな割合の議席を獲得していることを意味している。しかし、20世紀を通じて、民主党が現在の共和党が享受しているよりも大きな「議席ボーナス」を享受してきたという歴史もある。

・アメリカの政治の状況は常に変化しており、そうした中で、政治的な考えが違う人々がそれぞれ公正にかつ偏りなく代表を送れることは、全ての有権者にとってより良いことだ。

 
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テキサス州でのシミュレーション(現在は民主11、共和22が、民主17、共和20に)

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A Congress For Every American

One way to improve the “People’s House”: elect multiple members per district

 

By The Editorial Board

https://www.nytimes.com/interactive/2018/11/10/opinion/house-representatives-size-multi-member.html

 

Last Tuesday, Dan Donovan, the Republican congressman from Staten Island, lost his seat to his Democratic opponent, Max Rose. With his defeat, there won’t be a single Republican lawmaker in the nation’s capital speaking for anyone in New York City come January. More than half a million registered Republicans live in the five boroughs, but as far as Congress is concerned, they might as well be invisible.

 

If that doesn’t spark your outrage, consider the plight of the hundreds of thousands of Arkansas Democrats who can’t elect a representative to Congress, even though they account for more than a third of the state’s voters.

 

No matter your partisan leanings, examples like these strike at basic notions of political equality and fair representation. Sure, the Senate is designed to be undemocratic, awarding two votes to every state regardless of population. But shouldn’t the House of Representatives — the “People’s House,” after all — reflect the political makeup of the country as accurately as possible?

 

And yet across America, even sizeable communities of minority-party supporters regularly find themselves locked out of power for a simple reason: Single-member congressional districts. Each of the House’s 435 districts is represented by one person, chosen in a winner-take-all election. It may sound wonky, but in our hyperpolarized, geographically clustered and gerrymandered age, single-member districts have become a threat to the health of America’s representative democracy.

 

Most people don’t question the wisdom of voting for only one member per district, if they think about the matter at all. But there’s nothing special or preordained about it. In fact, the alternative — districts that send multiple members to Congress — was the norm at the nation’s founding. Nine states still use multimember districts to fill at least one state legislative chamber, and four — Arizona, New Jersey, South Dakota and Washington — elect all their state lawmakers this way.

 

How would it work in practice? To find out, we enlisted software developer Kevin Baas and his Auto-Redistrict program to redraw new multi-member congressional districts for the entire country. Then we used historical partisan scores to determine which party would win each district.

 

Take a look at Massachusetts, which has nine congressional districts. A little more than one-third of the state’s voters vote Republican, so in a perfectly representative system, three of those seats would be held by Republicans. But Massachusetts hasn’t sent a Republican to Congress since 1994, and for a simple reason: Republicans don’t make up a majority in any single district. That’s where multimember districts come in.

 

According to FairVote, a group that advocates for electoral reforms, the optimal number of members in a district is five, but three works, too. So Massachusetts could divide its nine seats into three districts of three members each. (The district lines would need be redrawn, of course, to comply with the one-person-one-vote requirement, and federal laws like the Voting Rights Act.)

 

By itself, these new districts wouldn’t solve the problem. Democratic voters would still dominate in every district and prevent any Republicans from being elected. The solution is to elect members through ranked-choice voting, a process in which voters rank listed candidates in order of preference. This sounds complicated in theory, but it works smoothly in practice — ranked-choice voting is already used in cities around the country, and in all statewide races in Maine, without trouble. In multimember districts, each party is allowed to run as many candidates as there are seats, so in the Massachusetts example, voters would get a ballot that included three Democrats, three Republicans, plus a few other candidates from any third parties that were able to field them. Voters would then vote for three candidates, in order of preference.

 

One more tweak is necessary: Because a successful multimember district is one that fairly represents the different viewpoints in that district, you need to mathematically mandate vote thresholds that will guarantee winners. In a three-member district, each candidate would need to win more than 25 percent to be elected. In a five-member district, the number is more than 17 percent.

 

Applying this to Massachusetts, and assuming that residents vote in line with past voting, Republicans would be assured of winning one seat in each district, for a total of three of nine congressional seats — roughly the proportion of Republican voters in the state.

 

That’s what fair representation looks like, and it would work for most states. By FairVote’s calculations, it’s possible to draw multimember districts in all but the seven states that have only one representative. The remarkable thing is that every district in the country with three or more members would have representatives from both major parties. In other words, America isn’t as politically segregated as most people think; it only looks that way because of our zero-sum, winner-take-all elections and the political maps that reflect them, portraying vast sections of the country as entirely red or blue.

 

This is the main reason to favor multimember districts: They can help all political groups, especially those in the minority, get represented in rough proportion to their share of the vote. Right now, for example, Republicans enjoy a significant “seat bonus” in Congress, meaning they win more seats than would be expected based on their share of the national vote. But throughout much of the 20th century, the situation was reversed, and Democrats often had an even bigger bonus. The reasons for these bonuses vary, but the point is that the American political landscape is always shifting, and it’s better for everyone if the ground rules for representing our political differences are as fair and unbiased as they can be.

 

複数人区制には他の利益もある。それは一つの選挙区から複数の政党が代表をしていると、ある党によって自党が恒久的に力を得るような、自党に有利になる選挙区の策定、ゲリマンダーを行うことが困難になる。

・州レヴェルの選挙の経験から、複数人区制になれば女性やマイノリティがより多く当選するということも分かっている。

Multimember districts offer other important benefits, too. When three or five members of Congress all represent the same district, it’s much harder for politicians to gerrymander themselves and their party into permanent power. And experience from the states shows that more women and minorities get elected in multimember districts.

 

・複数人区制を実施するにはどれくらいのハードルがあるか?まずは複数人区制を禁止した1967年の選挙法を改正することから始まる。

・当時、南部各州の白人たちが、投票権があることが確定し守られるようになったアフリカ系アメリカ人たちの投票における影響力を削ぐために複数人区制を悪用するのではないかという懸念があった。

・しかし、こうした懸念は上記の選好投票によって払しょくされる。

・連邦議会は、昨年連邦下院に提出された公正代表制法案に書かれている内容を含む改革を行う。

How easily could all of this be done? For starters, Congress would have to reverse a 1967 law prohibiting multimember districts. That law was passed at a time when there was concern that southern whites were taking advantage of multimember districts to dilute the electoral power of African-Americans, who had just secured the right to vote. But that problem goes away with the ranked-choice voting system described above. Congress could implement all these reforms, too — as in the Fair Representation Act, which was introduced in the House last year.

 

・都市部、郊外、地方に住む有権者の大多数が、自分が投票した代表を権力の場所に送り込めるようになる。

・こうして党派の違いと同時に妥協することが促進される。選挙区の有権者を代表して、違う党派の代表(議員)たちは協力するようになる。民主、共和両党は現在の状況を改善するようになる。

The result of all this is that the vast majority of voters, whether they live in cities, in suburbs or in rural areas, would have someone in power who represents them. This could help foster bipartisanship and compromise, as members of different parties would need to work together on behalf of their district’s voters. After all, both Democrats and Republicans need the potholes to be fixed.

 

・連邦下院の議席数が増えると、社会における様々な有権者の考えに沿った代表が出る機会が増えるようになる。

Add in a larger House of Representatives, and you increase the opportunities for voters to be represented more in line with their numbers in society.

 

・有権者たちが、自分たちの声は政府に届いていると感じられると、より積極的に政治に参加し、投票するようになり、政治に関与するようになる。

・これが民主政治体制のあるべき姿だ。長期的に見て、これこそが民主政治を生き延びさせる唯一の方法だ。

And that’s the whole point. When citizens feel that their voice is being heard by government, they’ll be more eager to participate, more likely to vote and more politically engaged overall. That’s what a democracy should look like — and in the long run, its the only way a democracy can survive.

 

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 古村治彦です。

 

 メラニア・トランプ大統領夫人は、ジョージ・W・ブッシュ元大統領のローラ夫人、バラク・オバマ前大統領のミシェル夫人に比べて影が薄い存在です。お子さんがまだ小さいので、子育てが忙しいということもあるとは思いますが、ローラ夫人やミシェル夫人に比べて表に出ることは少ないです。モデル出身なのでメディア映えするとは思いますが、英語が母国語ではないということもあって少し引っ込んでしまっているのだろうと思います。

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アフリカ訪問中のメラニア夫人
 

 そのメラニア夫人が公式に、ホワイトハウスの人事に対して口を出したということで、アメリカでは話題になっています。ミラ・リカーデル国家安全保障問題担当大統領次席補佐官への介入要求を大統領夫人オフィスが正式に声明として発表しました。大統領夫人がホワイトハウスの人事に関わることを公式に発表することは極めてまれなケースです。

 
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ミラ・リカーデル

 今回はこのことを報じる記事をご紹介します。記事では今回のメラニア夫人によるリカーデル解任要求の背景が紹介されています。ミラ・リカーデルについては、このブログでもご紹介したことがあります。

※本ブログで紹介した当該記事へはこちらからどうぞ。

 リカーデルはジョージ・W・ブッシュ政権で国防総省に勤務し、また、ボーイング社でも副会長を務めた人物です。行ってみれば、組織の中で偉くなっていった人物であって、そういう人物は手続きや規律にうるさいということは容易に想像できます。これに対して、トランプ政権にはそういうタイプの人物は少ないし、「官僚的な」人物との付き合いもこれまでなかったでしょうから、ワシントンに来て初めて一緒に仕事をすることになって戸惑っているでしょう。

 

 トランプやメラニア夫人、イヴァンカ、クシュナーは自分が言うことに反対する、拒否する人物が周囲にいないのでしょう。企業経営者として自分が一番上なのですから、そういう人物を遠ざけることは可能です。しかし、複雑なワシントンの構造の中では、組織をどう動かすかに長けている人物が必要で、何事もトップダウンという訳にはいきません。

 

 メラニア夫人のアフリカ訪問にあたり、夫人側が国家安全保障会議の持つ資料の提供を要求、これに対して、リカーデルが自分か他のスタッフが同行しないので、資料は渡せないと拒否したことが今回の解任要求声明発表の原因となったようです。

 

 大統領夫人には儀典や旅行などを担当するオフィスがあり、公的な存在ではありますが、もちろん行政に関与することはできません。昔のエレノア・ルーズヴェルトやヒラリー・クリントンのように実質的に行政に関与することになった夫人たちはいますが、それはあくまで夫である大統領のバックがあったからで、法的には何も力はありません。今回、このような声明を公式に出すということは極めて異例で、批判の対象となることはメラニア夫人側も分かっているでしょう。それでも敢えて出したということは、よほどのことがあるのだろうと思います。これ以上は推測の上に推測を重ねることになるので控えます。

 

 今回の出来事は極めてトランプ政権らしい話だと思います。ワシントンの「プロ」なら絶対にしないことが起きるというのは、アマチュアだという批判を招くことになりますが、ワシントンに染まっていないということも示しているからです。

 

(貼り付けはじめ)

 

メラニア・トランプがボルトンの次席リカーデルは更迭されるべきだと発言(Melania Trump Says Bolton Deputy Ricardel Should Be Ousted

 

ジェニファー・ジェイコブス、ジャスティン・シンク筆

2018年11月14日

『ブルームバーグ』誌

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-11-13/melania-trump-says-bolton-deputy-ricardel-should-be-ousted

 

・メディアの報道によると、大統領は政権内の人事交代を考慮中であるようだ。

・ニールセン国土安全保障長官は政権から去ると報じられている。

 

メラニア・トランプ大統領夫人は火曜日、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官の次席であるミラ・リカーデルの更迭を要求した。この要求は、ドナルド・トランプ大統領が政権内の人事交代を近々行うという報道がなされる中で行われた。
 

メラニア・トランプ大統領夫人の報道担当官ステファニー・グリシャムは、大統領夫人がリカーデルの更迭を求めているのではないかという疑問に対する答えとして声明を発表し、その中で「大統領夫人オフィスの立場は、彼女(訳者註:ミラ・リカーデル)はホワイトハウスで勤務するという光栄にもはや値しない、というものだ」と述べた。

 

リカーデルはボルトン補佐官の次席を務めている。先月、メラニア夫人はアフリカを訪問した。その際、夫人側のスタッフとリカーデルが衝突した。リカーデルは、自分か他の国家安全保障会議(NSC)のスタッフが同行しない限り、NSCの持つ資料を渡すことはできないと強く主張した、とこの問題に詳しいある人物が匿名で証言した。

 

大統領夫人がウエストウイング(大統領執務室)の決定に関して公に介入することは極めて稀である。しかし、大統領夫人側のスタッフと大統領側のスタッフが衝突した際に、大統領側のスタッフが更迭されることは多く起きている。上級のスタッフでもこうしたことは起きている。1987年、ロナルド・レーガン大統領の首席補佐官ドナルド・リーガンはナンシー・レーガン大統領夫人と衝突した後に更迭された。

 

2000年には、独立委員会が、当時のヒラリー・クリントン大統領夫人が、夫ビル・クリントン大統領のホワイトハウスの旅行担当の複数のスタッフの更迭に関与したことについて、虚偽の証言を行ったと報告している。

 

アフリカ訪問中、メラニア夫人はABCニュースのインタヴューに応じた。その中で、夫人はトランプ大統領に対して、自分が信頼できない複数の人物が大統領の下で働いているとこれまでに進言したと述べた。彼女は「そうですね、中にはホワイトハウスで全く仕事をしていない人たちもいますね」と述べた。

 

NSCの報道担当官ガレット・マーキス、ホワイトハウスの報道担当官サラ・ハッカビー・サンダースは、グリシャムの声明に対するコメントの要求に応じなかった。リカーデルには連絡できなかった。火曜日の朝、リカーデルはホワイトハウスで行われたインドのヒンズー教のお祭りディーワーリーに出席した。ディーワーリーではトランプ大統領の演説も行われた。

 

メラニア・トランプ大統領夫人の声明を受けてすぐにリカーデルが解任されるとした『ぉーるストリート・ジャーナル』紙の報道について、あるホワイトハウスの高官は強く否定した。別の高官は午後4時時点でリカーデルはホワイトハウス内にとどまっていると述べた。

 

ボルトンは今年4月にそれまで商務省に勤務していたリカーデルを次席補佐官に抜擢した。リカーデルはジョージ・W・ブッシュ元大統領時代に国防総省に勤務していた。

 

トランプ政権内の複数の高官によると、ボルトンはリカーデルを評価しているが、ホワイトハウスのスタッフの間では嫌われているということだ。リカーデルは融通が利かず、手続きに拘泥する人物と評価され、リカーデルのせいでNSCと他の省庁との間の強力が難しくなっていると不満を表明する政府高官も少なからず存在する。

 

●ニールセンも更迭の危機

 

グリシャムの声明が発表されたがこれは、ドナルド・トランプ大統領が政権内の人事交代を大幅に行うことを考慮中だと複数のメディアが報じている中での出来事となった。人事交代の対象には、国土安全保障長官キルステン・ニールセンも含まれている。先週水曜日に『ワシントン・ポスト』紙が最初にニールセンの更迭を報じた。トランプ大統領はアメリカ南部国境における移民「危機」と呼ぶ状況に対してのニールセンの対応に不満を持っていると報じられた。

 

ワシントン・ポスト紙の報道に対して、国土安全保障省報道官テイラー・ホウルトンは声明の中で次のように述べた。「長官は国土安全保障省に勤務する人々を率いる光栄を与えられ、全ての脅威からアメリカ国民を守るという大統領の安全保障政策を実施するために尽力している。そしてこれからも尽力を続ける」。

アメリカ南部国境を越える不法越境者の数が急増していることについて、ニールセンは強い非難を受けている。国土安全保障省は、今年10月だけで5万1000人が不法に国境を越えたとして逮捕された、そのうちの2万3000人以上が家族だと発表した。2017年10月に比べて、逮捕された不法越境者の数は2倍となり、同行する家族の数は4倍上に増加した。

 

ニールセンは首席大統領補佐官ジョン・ケリーと近い関係にあり、ニールセンの国土安全保障長官就任を進めたのはケリーであった。ケリーは、トランプが再選を目指す2020年の大統領選挙まで首席補佐官を務めると発言しているが、ニールセンの更迭はケリーの更迭を誘発する可能性を秘めている。

 

トランプが、先週の中間選挙後の夜の集会でマイク・ペンス副大統領の首席補佐官ニック・エイヤーズと話しているところを2人の人物が目撃している。この目撃証言から、エイヤーズがケリーの後任となるという噂がトランプの側近たちの間で広まることになった。

 

ペンスの側近たちはこうした噂を否定している。エイヤーズは今週の副大統領のアジア訪問に同行していない。ペンス副大統領はトランプ大統領のシンガポールとパプアニューギニア訪問には同行する予定となっている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 このブログでもご紹介しました、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスがニューヨーク州第14選挙区で勝利し、史上最年少の連邦下院議員選挙当選者となりました。来年1月には、史上最年少の連邦下院議員となります。

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 歴史を作ったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスですが、今はまだ当選者に過ぎず、選挙戦の間、仕事をしていなかったために、お金がありません。アレクサンドリアは、ツイッターで、ワシントンDCでアパートを借りるお金がない、と発信し、話題になっています。


 

 アメリカの大都市では住宅難で、家賃が高騰しています。下記の記事にもありますが、ワシントンで2つの寝室がついているアパートを借りると家賃は25万円以上します。東京都心でもそれくらいの広さだったらまぁそれくらいするかという感じですが、東京の家賃の高さは他の地方では考えられないことです。私は鹿児島出身ですが、東京の大学に進学して一番驚いたのは(私の親の方が衝撃は大きかったと思いますが)、家賃の高さです。アメリカでも同じです。

 

 アレクサンドリアに提案、という訳ではありませんが、家賃を抑えたいという連邦議員たちは楽しみながら、涙ぐましい努力をしているようです。その方法をご紹介したいと思います。



 

 まずは、連邦議事堂の自分の部屋に簡易ベッドと日常生活に必要なものを持ち込んで住んでしまう、というものです。ここに出てくる、ジェイソン・チャフェッツは、2009年から今年まで民主党所属の連邦下院議員を務めている人物です。今回の中間選挙には出馬せずに、今期限りで引退します。オバマ政権発足と共に初当選しましたが、ベンガジ事件が起きた時には、政権を激しく批判したことで知られています。チャフェッツもお金を節約するためにやっていると述べていますが、これも有効な方法かもしれませんが、まだ部屋が空かないので、できるとしても来年からということになります。

 


 

 次にルームシェアをするというものです。この映像では民主党所属の連邦上院議員2名と連邦下院議員1名が一緒に生活しています。この映像が撮られたのは、アマゾンで放送された連邦議員のドラマで、議員たちがルームシェアをしていたのですが、本当にしている人たちがいるということが理由です。彼らは週の半分程度しかワシントンにいないので、これでいいのだと述べています。ここに出てくる、チャック・シューマーは昨年から、連邦上院民主党院内少数派総務を務めている大物政治家です。ニューヨークから、1981年から1999年まで連続9期連邦下院議員選挙当選、1999年から現在まで連続4期連続連邦上院議員選挙当選の大物中の大物です。大学生のドミトリー、フラタニティのようですが、彼らは楽しそうです。アレクサンドリアも知り合いの家に居候させてもらうという方法もあるかもしれません。男性議員だといろいろと詮索されてしまうでしょうから、女性議員で探してみるのも良いかもしれません。

 

 下に掲載した記事では、アレクサンドリアは連邦下院議員になるまで、これまで働いていたレストランでバーテンダーとして働き、お金を貯めるつもりだと述べています。また、このような状況を恥ずかしいとは思わない、収入が低いことを嘲笑することは、お金持ちたちが、多くの人たちが声を上げるのを妨げるために行われているものだと述べていることは印象的です。

 

 アレクサンドリアの勝利は今回の中間選挙を象徴するものとなりましたが、連邦下院議員になってからも注目を集めることになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスが、連邦議員としての給料が振り込まれるまで、ワシントンDCには住めないと発言(Alexandria Ocasio-Cortez says she won't be able to afford to rent in DC until she starts collecting her congressional salary

 

ラナ・バンドイム筆

2018年11月9日

『ビジネス・インサイダー』誌

https://www.businessinsider.com/alexandria-ocasio-cortez-cant-afford-dc-rent-until-her-salary-starts-2018-11

 

・アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは連邦議会選挙で最年少の当選者となった。

・ニューヨーク州第14選挙区で勝利したにもかかわらず、29歳のオカシオ=コルテスは現状ではワシントンDCのアパート代を支払うことが出来ないということを明らかにした。

・オカシオ=コルテスは連邦議員としての給料が口座に振り込まれるまでワシントンDCには移動しないで待つと計画している。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは2018年の中間選挙で史上最年少の連邦議員選挙の当選者として歴史を作った。

 

ニューヨーク州第14選挙区で勝利した後、29歳の民主党員オカシオ=コルテスは、ミレニアル世代の多くが直面する問題にぶつかった。それは、現状ではワシントンDCのアパート代を捻出できないということだ。

 

オカシオ=コルテスは『ニューヨーク・タイムズ』紙の取材に対して、「連邦下院議員になる前の3カ月、私は無給なんです。そんな私がどうやったらアパートを借りられると思います?」と答えた。

 

連邦議会に関する規則によると、連邦議員に対する給料の支払いは1月1日付で開始され、連邦下院議員の一般的な給料は17万4000ドルである。

 

オカシオ=コルテスは、ツイッター上で、彼女の住居問題について更に考えを公表した。「私たちの選挙システムが労働者階級の人々向けにはできていないことを示す多くの小さなことが存在します。この問題もその一つです。(心配しないで、私たちはそれを是正します!)」。

 

オカシオ=コルテスはユニオン・スクエアのレストランでのバーテンダーの仕事でお金を貯めるつもりだとも書いているが、そのお金でもワシントンDCでアパートを見つけることは難しい。

 

「スマートアセット」の調査によると、ワシントンDCの2ベッドルームのアパートの月の賃料は平均で2500ドルとなり、この値段のアパートを借りるには年間で少なくとも10万8000ドルが必要となる。

 

ツイッターで、オカシオ=コルテスはフォロワーに対して、自分は「準備をしているし、状況は良くなるだろう」から安心して欲しいと書いている。

 

彼女は次のようにツイートしている。「恥ずかしいとか困ったなとか思う理由はありません」。「所得が低いことを嘲笑するのは、富の不公平から利益を得て、それを促進しようとする人々が一般の人々に声を上げさせないようにするためで、アメリカ社会における最も大きな脅威の一つです。こうすることで豊かな者はより豊かになり、貧しい者はより貧しくなります」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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