古村治彦です。
イギリスとアメリカ、大西洋を挟んで固く結びついている両国というイメージがある。しかし、アメリカには君主制も貴族制度もないが、イギリスには血統による王室があり、貴族たちがいる、また厳然とした身分制度社会である。この点は英米の中で大きな違いである。
オプラ・ウィンフリーは女優、トークショーの司会者として大変な人気を博した。1986年から2011年まで続いた「オプラ・ウィンフリー・ショウ」の人気は高かった。彼女の番組に出るのがステータスであり、有名人の人気のバロメーターになった。番組内でオプラが紹介した書籍は軒並みベストセラーになった。シカゴの街を観光した際、ガイドが「このビルでオプラが番組を撮影しているんですよ」と自慢げに語っていたことを思い出す。シカゴを拠点にしている有名人と言えばオプラとバラク・オバマ、ミッシェル・オバマ夫妻ということになる。オプラ自身も大統領選挙に出るのでは、と長年言われてきたが、彼女はバラク・オバマを古くから支持してきた。オプラの支持はオバマ大統領誕生に重要な役割を果たした。ミシェルは今回のインタヴューについて、森友学園の時の安倍昭恵氏のような発言をしている。
今回、オプラが特別番組としてヘンリーとミーガン・マークルにインタヴューした様子が放映された。その中でミーガンはイギリス王室の閉鎖性と人種差別を訴えた。また、彼女は精神健康上の問題を抱えたが、そのことでイギリス王室のある人物(かなり高い地位にある)は冷淡に対応したとも主張している。自殺を考えたことも明らかにした。
このインタヴューを見たアメリカ国民は「やっぱり血筋だけが正統性を保証する君主制は良くないな、おとぎ話とかファンタジーの世界なら良いけど」ということになるだろうし、イギリス国民の多くは「成り上がりのアメリカ女が何を言うか、伝統も教養もない野卑な国の人間は嫌だな」ということになるだろう。この英米の根本的な違いを浮き上がらせることになった。
君主制が「残っている(残っているという表現自体が既に難からの価値判断を含んでしまう)」国の数は多い。日本も例外ではない。貴族制度はアメリカによって叩き潰されたが、君主制度自体は残った。日本は立憲君主制(Constitutional Monarchy)である。日本国憲法にも書いてある通り、天皇は国民統合の象徴ということで存続することになった。
それが時代遅れかどうか、考えは人それぞれである。近代的な個人主義とか自由主義とかになじまないという人もいるだろうし、伝統を大切にすべきだという人もいるだろう。今のところ、日本では天皇と天皇家の状況について変更しようという国民の声は少ない。
今回、ヘンリーとミーガンのインタヴューで、英米では君主制の是非についてまで議論がなされることだろう。そして、英米国民間に多少の感情的な齟齬が出てくるだろう。バイデン大統領は、インタヴューについて「勇気が必要だっただろう」と考えているが、同時に英米間の関係については不変だと強調している。裏を返せば、そのように言わねばならないのは、関係に多少のぎくしゃくをもたらすということを懸念しているということになる。
(貼り付けはじめ)
ホワイトハウス発:バイデンはハリーとミーガンのインタヴューは「勇気」を必要としたと考えている(White House: Biden believes Harry and Meghan interview took
'courage')
アリス・フォリー筆
2021年3月8日
https://thehill.com/homenews/administration/542129-white-house-biden-believes-harry-and-meghan-interview-took-courage?amp
月曜日、イギリス王室のメンバーとしての経験を公にすることと彼らの地位から退くという決断を行ったことは、ハリー王子とミーガン妃にとって勇気を必要としたと、バイデン大統領は確信しているとホワイトハウス報道官ジェン・サキは述べた。
ホワイトハウスでの記者会見で、バイデンとジル・バイデン夫人はハリー王子と友人関係にあるが、CBSで放映された、ハリー王子とメーガン妃に対するオプラ・ウィンフリーの衝撃的なインタヴューについての、反応について質問され、サキ報道官は次のように述べた。「どんな人にとっても、表に出てきて、自分の精神に関する健康について苦しんでいることを語り、個人的な物語を話すことは、勇気がいることです。」
サキ報道官は続けて次のように語った。「バイデン大統領が考えているのはそうしたことです。そして、精神医療分野に対する資金投入の重要性について話しました。ハリー王子とミーガン妃は現在この分野で貢献をしており、これからもそうするでしょう」。
サキ報道官は、イギリス王室の重要な地位から退いたので、ハリー王子とミーガン妃は私人で一般市民であると指摘し、ホワイトハウスは大統領に代わってこれ以上のコメントをすることはないだろうとも述べた。サキ報道官は「両者は一般市民で、自分たちの物語と苦しみを人々と共有している」と述べた。
先週日曜日に放映されたすべてを語ったインタヴューの中で、ハリー王子とミーガン妃は2018年5月に結婚してからの、イギリス王室の面―としての苦しみとイギリスのタブロイド紙の過剰な取材と報道による苦しみに直面したと語った。
ミーガン妃はインタヴューの中で、イギリス王室の重要なメンバーとしてメディアの過剰な取材と報道に直面し、自殺の衝動に苦しんだと明らかにした。ミーガン妃は、イギリス王室の中で「最も重要な地位に就いているある人物」に精神医療の治療を受けようと考えていると述べたところ、その人物から「私たちに、あなたを守るためにできることは何もありません。なぜならあなたはイギリス王室の賃金を支払われている被雇用者ではないからです」と言われたとミーガン妃は述べた。
ミーガン妃の母親はアフリカ系で、父親は白人である。ミーガン妃は、アーチ―(2019年に誕生)を妊娠した際に、イギリス王室の中で、「彼の皮膚はどれくらい黒く生まれてくるのか(how dark his skin might be)」という話が交わされたということを明らかにした。
月曜日、サキ報道官は、アメリカはイギリスとの同盟をこれからも継続していくと強調した。
サキは次のように述べた。「繰り返したいと思います。私たちはイギリス国民と強力なそして永続的な関係を持っています。諸問題についてイギリス連合王国の政府と特別な関係を持っており、これからも継続していきます」。
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ミシェル・オバマ、ヘンリー王子夫妻と王室の関係が「解決されることを祈る」。
3/17(水) 21:11配信
VOGUE
https://news.yahoo.co.jp/articles/75f1f1ec716b1c3631f388f553b7296a51808ed1
ミシェル・オバマは、オプラ・ウィンフリーによるインタビューでヘンリー王子とメーガン妃が明かした英国王室との関係について、「解決されることを祈っている」という。サセックス公爵夫妻と親交のあるミシェル夫人は、「彼らが経験していることを想うと、家族の重要性を考えます。私は赦し、明確さ、愛、そしていつの日にか解決が訪れることをただ祈ります。家族より大切なものはありませんから」と「Access Hollywood」のインタビューで言及した。
メーガン妃は3月7日(現地時間)にアメリカのCBSテレビで放送された『Oprah with Meghan and Harry: A
Primetime Special』で、ある王室メンバーから誕生前の息子アーチー君の肌の色を懸念されたと告白し、話題となっていた。またメーガン妃は王室に「沈黙させられている」と感じたと明かし、命を絶つことも脳裏によぎったと衝撃の告白をしていた。
インタビューの放送後、エリザベス女王はバッキンガム宮殿を通して声明を発表。夫妻の告白を深刻なものと受け止め、家族間で対処していく意向を明らかにしている。「ヘンリーとメーガンにとってのここ数年がどれだけ苦難なものだったのかを知り、家族全員が悲しんでいます。挙げられた問題の中でも特に人種に関しては由々しきことです。異なる記憶があるかもしれませんが、深刻に受け止め、家族間で対処していく予定です。ヘンリー、メーガン、アーチーはいつまでも愛される家族の一員であり続けます」

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