古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2022年03月

 古村治彦です。

 ロシアによるウクライナ侵攻が発生してから1カ月以上が経過し、4月になろうとしている。状況は膠着状態からウクライナ軍とウクライナ国民の頑強な抵抗によってロシア軍は押し返され、作戦範囲を縮小し、東部地区の制圧に注力するように変更するという報道がなされている。ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領はこの報道について信頼していないと述べている。

 一方で、ゼレンスキー大統領は西側諸国がゲーム・チェンジャーとなる措置を取っていないことに苛立ちを隠していない。飛行禁止区域設定や航空機供与があれば状況を一気に変化させて、ロシア軍を敗退させることは可能だ。今の状況では出血箇所の治療(止血)をしないままで、輸血をし、点滴で栄養を投与しているような状況だ。これでは根本的な解決にならないではないかというゼレンスキーの苛立ちは分かるが、一歩踏み込んだ措置は状況をさらに悪化させる可能性もある。

 このような踏み込んだ措置を取るにはアメリカが主体とならねばならない。飛行禁止区域設定では、アメリカ軍が区域を飛んだロシア軍機を撃墜するということになる。そうなれば、ロシア軍が報復ということで攻撃を仕掛けるということになり、米露間の直接戦闘に発展する。これが最終的に核ミサイルの撃ち合いにまで発展するのではないかというのが世界各国の政府の懸念となっている。

 アメリカ国民の多くはアメリカがロシアとの戦争に巻き込まれることを望んでいない。下の記事にあるように世論調査の結果では85%が懸念を表明している。これは太平洋戦争直前の状況に似ている。あの時も当時のフランクリン・D・ルーズヴェルト大統領は「皆さんの息子を戦争に送ることはない」という主張を繰り返し、大統領選挙に当選した。当時も戦争を忌避するアメリカ国民は多かった。それが一気に変わったのは真珠湾攻撃だ。これによってアメリカは日本に宣戦布告、日本と戦争状態に入り、これは三国同盟の朱子氏からドイツの対米宣戦布告とつながり、アメリカはアジア・太平洋地域で日本、ヨーロッパでドイツと戦うことになった。あれだけ戦争に反対していたアメリカ国民は熱狂のうちに戦争を支持するようになった。

 このような偶発的な(かつ仕組まれた)事件や出来事が起きれば、今回の状況もどうなるか分からない。ロシア軍の中にアメリカのネオコンや人道的介入主義派につながっている勢力がいて、ミサイルをポーランドに向けて発射すると言ったようなことを実行すれば、アメリカ軍は出動しなければならなくなる。

 アメリカのジョー・バイデン政権は非常に慎重な姿勢を堅持しているが、同時に非常に強い言葉遣いをしているので危険である。これ以上の事態の悪化を招かないためにも、感情的にならずに冷静に判断し、対処することが重要だ。ゼレンスキー大統領は私たちの感情に訴えてくる。これが非常に危険なことであることを理解しながら、彼の言葉を聞くということが防衛策ということになる。

(貼り付けはじめ)

ゼレンスキーが西側諸国の臆病さを非難し、ロシアが国家分裂を望んでいると警告を発する(Zelensky accuses West of cowardice, warns Russia wants to split nation

AP通信

2022年3月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/wire/599968-zelensky-accuses-west-of-cowardice-warns-russia-wants-to-split-nation

リヴィウ(ウクライナ)発。ヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は日曜日、西側諸国の臆病さを非難し、別の高官はロシアがウクライナを北朝鮮と韓国のように国を2つに分割しようとしていると述べた。

ゼレンスキー大統領は、ロシアの侵攻軍から自国を守るために戦闘機や戦車を提供して欲しいと怒りを込めながら訴えた。ロシアは現在、東部のドンバス地域を支配することに主眼を置いているという。以前のより拡大した目標から明らかに後退しているが、これはウクライナの分裂を懸念させるものだ。

ジョー・バイデン米大統領が、ロシアのウラジミール・プーティン大統領は権力を維持できないと痛烈な演説をした後(ホワイトハウスはすぐにこの言葉の重要性を消そうと努力した)、ゼレンスキー大統領は、ロシアのミサイル攻撃が民間人を殺し、閉じ込める一方で、「誰が、どうやってジェット機やその他の武器を引き渡すべきかという綱引き」をしている西側諸国に怒りを向けた。

ゼレンスキーはヴィデオ演説の中で、戦争の最大の窮乏と恐怖に見舞われた南部の包囲都市マリウポリに向かって次のように述べた。「私は今日、マリウポリの守備隊と話した。私は彼らと常に連絡を取り合っている。彼らの決意、ヒロイズム、決意の堅さには驚かされるばかりだ。何十台ものジェット機や戦車をどう引き渡すか、31日間考え続けてきた人たちに、彼らの勇気の1%でもあればいいのだが」。

また、ゼレンスキー氏は日曜日にロシアの独立系ジャーナリストたちに対し、政府は中立を宣言し、ロシアに安全保障を提供することを検討すると述べ、以前の発言と同じことを繰り返した。これには、ウクライナの非核化も含まれるとも付け加えた。

ゼレンスキーは記者団に対し、中立の問題、そしてNATOへの加盟断念に同意することは、ロシア軍撤退後にウクライナの有権者による国民投票で問うべきであると語った。ロシア軍が撤退してから数カ月以内に投票が行われる可能性があるとも述べた。

ロシアはすぐにこのインタヴューの報道を禁止した。モスクワの通信を規制する連邦コミュニケーション・情報技術・マスメディア監視局(Roskomnadzor)は禁止令を出し、参加したロシアのメディアに対して行動を起こす(法的手段を取る)可能性があり、その容疑の中には「外国の代理人として行動している外国メディア」も含まれていると述べた。

ロシアを拠点とするメディアは、インタヴューが海外で公開されたにもかかわらず、禁止措置に従ったようだ。

ゼレンスキー氏はこれに対し、モスクワはジャーナリストたちとの短い会話すらも恐れていると述べた。ウクライナの通信社RBKウクライナによると、「これは悲劇的でないとすれば、面白いことということになる」と彼は言ったという。

ロシアによるウクライナ侵攻は、多くの地域で行き詰まっている。首都キエフを素早く包囲し、降伏させるという目的は、アメリカや他の西側同盟国からの武器によって強化されたウクライナの頑強な抵抗に対して頓挫している。

モスクワは、2014年以来ロシアに支援された分離主義勢力によって部分的に支配されている東部ドンバス地域全体を奪取することに重点を置いていると主張している。金曜日にロシア軍の高官が、軍隊は国内の他の地域から東部に振り向けられていると述べた。

ロシアは、モスクワがウクライナからクリミア半島を併合した直後にルハンスクと隣接するドネツクで反乱が起きて以来、分離主義勢力の反乱軍を支援してきた。ウクライナとの会談で、モスクワはキエフにドネツクとルハンスクの独立を認めるよう要求している。

ウクライナ軍情報機関のトップであるキリロ・ブダノフは、ロシアがウクライナを2つに分割しようとしていると非難し、北朝鮮と韓国になぞらえた。

ブダノフは国防省が発表した声明の中で、「占領者は占領地を一つの準国家構造に引き込み、独立したウクライナと戦わせようとするだろう」と述べた。ブダノフは、ウクライナ人によるゲリラ戦がそのような計画を頓挫させるだろうとも述べている。

戦争終結に向けてロシアと協議しているウクライナ代表団の一員であるダヴィド・アラクハミアは、フェイスブックの投稿で、両国は月曜日からトルコで会談すると述べた。しかし、ロシア側はその後、会談を火曜日に開始すると発表した。両者は以前にも会談しているが、合意に至っていない。

ウクライナの優先事項は「主権と領土の保全」であるとゼレンスキーは毎晩の演説で国民に語っている。

ゼレンスキーは今回の演説で「我々は平和を求めている、本当にしかも遅滞なく、だ。トルコで直接会談を持つ機会と必要がある」と語った。

ゼレンスキーはまた、軍が発表していない、あるいは承認していない部隊や装備の移動に関する報道を禁止する法律に署名した。この法律に違反したジャーナリストは、3年から8年の禁固刑に処される可能性がある。この法律では、ウクライナ人記者と外国人記者を区別していない。

ウクライナは、ロシアに勝つためには、欧米諸国はミサイルなどの軍備だけでなく、戦闘機も提供しなければならないとしている。アメリカ経由でポーランド機をウクライナに譲渡する案は、直接戦闘に巻き込まれることへのNATOの懸念から、破棄された。

ゼレンスキーは、「西側諸国の政府がこの悲劇を防ぐことを恐れている。決断することを恐れているのだ」と非難した。

ゼレンスキーの訴えは、前日にロケット弾の直撃を受けた西部の都市リヴィウの司祭も同じように受け止めていた。空からの攻撃は、モスクワが、戦争を東に移すつもりだという主張にもかかわらず、ウクライナ国内の全ての場所が攻撃対象となり得ることを示唆している。

ユーリ・ヴァスキフ牧師は「外交がうまくいかない時は、軍事的な支援が必要だ」と語り、ギリシャ・カトリック教会から、恐怖に駆られた教会員たちが遠ざかっているとも述べた。

キエフに向かう道すがら、ある村の住民は、ロシアが続けている攻撃の残骸をかき集めていた。キエフから約22マイル(35キロ)離れたビシフの地元の人々は、本や棚、額に入った写真など、できる限りのものを引き揚げるために、砲撃によって引き裂かれ、破壊された建物の中を歩いていた。

かつて幼稚園の教室だった場所に立ったスベトラーナ・グリボフスカ先生は、あまりにも多くの子どもたちが犠牲になってしまったと語った。

グリボフスカはイギリスの放送局「スカイニュース」の取材に対し、「これは間違っている。子どもたちには何の罪もない」と述べた。

ロシアは、ポーランドとの国境に近いリヴィウの燃料貯蔵所と防衛施設を空から発射する巡航ミサイルで攻撃したことを確認した。ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、海上発射ミサイルによる別の攻撃で、ウクライナが防空ミサイルを保管しているキエフの西にあるプレセツクの倉庫を破壊したと述べた。

ロシアの相次ぐ空爆は、爆撃を受けた町や都市から逃れた推定20万人の避難所となっているこの町を揺るがした。リヴィウは、ロシアが2月24日に侵攻して以来、ウクライナを離れた380万人の難民の大半にとって中継地となっており、爆撃をほとんど受けずに済んでいる。

最初の爆破地点に近い団地の下にある薄暗く混雑した防空壕で、34歳の情報技術者オラナ・ウクライナッツは、最も爆撃を受けた都市の一つである北東部のハリコフから逃げ出した後、再び隠れなければならないとは信じられなかったと語った。

彼女は「私たちは通りの片側にいて、反対側でそれを目撃した。火が見えた。私は友人に『これは何だ』と言いました。それから爆発音とガラスが割れる音が聞こえた」と語った。

ハリコフでは、ウクライナの消防士たちが斧やチェーンソーを使ってコンクリートやその他の瓦礫を掘り、ロシア軍の地方行政庁舎への攻撃による犠牲者を探しているところであった。消防士たちによると、土曜日に1人の遺体が発見された。3月1日の攻撃で少なくとも6人が死亡した。ロシア軍が150万人の人口を抱えるハリコフの中心部を攻撃したのは初めてだった。

日曜日の夜には、北西部のヴォリン州の石油基地がロケット弾で攻撃された。

ウクライナから非難した数百万人とともに、侵攻によって1000万人以上が故郷を追われ、これはウクライナの人口のほぼ4分の1にあたる。数千人の市民が殺害されたと見られている。

ハリコフのアンドレア・ローザ、キエフのネビ・ケーナ、リヴィウのキャラ・アンナ、および世界各地のAP通信記者がこのレポートに寄稿した。

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世論調査:アメリカ国民の85%はウクライナ・ロシア紛争にアメリカが引きずり込まれることを懸念(85 percent of Americans concerned US will be drawn into Ukraine, Russia conflict: poll

マイケル・シュニール筆

2022年3月28日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/599983-most-americans-concerned-us-will-be-drawn-into-ukraine-russia-conflict

アメリカ国民の圧倒的多数が、アメリカがウクライナとロシアの紛争に巻き込まれることを懸念していることが新しい世論調査で明らかになった。

AP通信とNORC・センター・フォ・パブリック・アフェアーズ・リサーチが実施した世論調査によると、アメリカの成人の85%が、アメリカがロシアとウクライナの紛争に巻き込まれることを懸念していることが分かった。

「非常に懸念している」と答えた人が21%、「とても懸念している」と答えた人が26%、「ある程度懸念している」と答えた人が38%だった。これに対し、調査対象の成人の11%が、アメリカがヨーロッパでの紛争に巻き込まれることをあまり心配していないと答え、4%が全く心配していないと答えた。

また、今回の世論調査では、ロシア・ウクライナ紛争がアメリカ国内の核に対する恐怖心を促していることも分かった。

調査対象の成人の71%が、ロシアのウクライナ侵攻により、世界のどこかで核兵器が使用される可能性が高まったと思うと回答した。また、25%の回答者は、モスクワの侵攻は世界中で核兵器が使用される可能性に影響を与えていないとし、4%は可能性を減らしたと答えた。

今回の世論調査は、ロシアがウクライナとの紛争で核兵器に頼る可能性を各国の指導者たちが議論している中で行われた。先進7か国(G7)の首脳たちは先週、ロシアに対し、ウクライナ紛争で化学兵器、生物兵器、核兵器を使用しないよう警告を発した。

G7首脳は「私たちは、化学兵器、生物兵器、核兵器、または関連物質の使用のいかなる脅威に対しても警告を発する。私たちは、ロシアが加盟している国際条約の下での義務を想起し、私たち全員を保護する」と声明に明記した。

G7首脳は「この点で、私たちは、国際的な不拡散協定を完全に遵守している国家であるウクライナに対するロシアの悪意ある、全く根拠のない偽情報キャンペーンを断固として非難する」と付け加えた。

今回の世論調査は、ロシア・ウクライナ紛争が2ヶ月目を迎えようとしていた3月17日から3月21日にかけて実施されたものだ。ロシアのウラジミール・プーティン大統領は2月24日にウクライナへの軍事作戦を指示し、侵攻のきっかけとなった。

しかし、ロシアの侵攻は、ウクライナ軍の頑強な抵抗により、多くの地域で阻まれている。

アメリカは、ウクライナ上空の飛行禁止区域の宣言を拒否し、ウクライナにアメリカ軍を派遣しないと宣言し、ドイツの米空軍基地へのMiG-29戦闘機の移送というポーランドの提案を拒否するなど、紛争を通じてロシアと直接対立することを避けるよう努力している。

しかし、バイデン大統領は先週、NATO条約と第5条(同盟国の1つに対する攻撃は全てに対する攻撃と見なす)に対するアメリカの関与を繰り返した。

今回の調査は1082名の成人を対処に実施され、誤差は4ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 ロシアによるウクライナ侵攻に伴う経済制裁として、欧米諸国を中心にロシアからの石油輸入を禁止する措置を取る国が多く出ている。一方で、中国、インド、メキシコ、中東諸国、イスラエル、南アフリカ、ブラジルといった国々は慎重な態度を保っている。結果として、石油価格が高騰し、物価高(インフレーション)に拍車をかけている。エネルギーや物流コストを押し上げることで、私たちの生活に大打撃を与えることになる。ロシアへの厳しい制裁に乗り出していない国々に対してはロシアも様々な方法で石油や天然資源を現在よりも安い価格で提供するということを行うだろう。欧米諸国はそうした動きを批判するだろうが、そうした国々にまで経済制裁を科すということになれば、世界経済の混沌はますます深刻化する。

 アメリカのジョー・バイデン政権は中東諸国に石油の増産を求めているが、アメリカとサウジアラビアとの関係は緊張関係にあり、この試みもうまくいっていない。民主党の一部議員は中東諸国における人権状況を批判しており、そうした国々にいざとなったら膝を屈して石油の増産をお願いしなければならないということに不満を高めているようだ。また、サウジアラビア出身のジャーナリストだったジャマル・カショギが殺害された事件もアメリカとサウジアラビアとの関係を悪化させる原因となっている。

 サウジアラビアは高みの見物を決め込んでいる。石油価格が高騰すれば利益は勝手に転がり込んでくる。何もわざわざ石油の増産によって石油価格を安くする必要などない。特にアメリカの今の政権は自分たちを批判してきた民主党だ。何を協力してやる必要があるのかということになる。

 国際関係は複雑であり、学級会的な正義感や単純な感情論では動かない。このことを私たちはよく理解しておく必要がある。

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アメリカ・サウジアラビア間の緊張関係は石油増産への動きを複雑化させている(US-Saudi tensions complicate push for more oil

ロウラ・ケリー、レイチェル・フラジン筆

2022年3月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/598828-us-saudi-tensions-complicate-push-for-more-oil

サウジアラビアとアメリカとの緊張関係は、バイデン政権がリヤドに石油生産の強化を説得する努力を複雑にしている。サウジアラビアが石油増産をすれば、ウクライナでのロシアの戦争によって悪化した物価高騰の中で、消費者にある程度の救済を与える可能性がある。

2018年に『ワシントン・ポスト』紙所属のジャーナリスト、ジャマル・カショギがイスタンブールのサウジ領事館に誘い込まれて殺害されて以来、アメリカ政府はサウジアラビアへの批判を強めてきた。

サウジアラビアの人権記録やイエメン内戦をめぐる緊張が、アメリカ連邦議会から超党派で批判され、アメリカとサウジアラビアの間での争いに拍車をかけている。

ジョー・バイデン政権はサウジアラビアとアラブ首長国連邦に増産を求めているが、アメリカとサウジアラビアとの間の緊張関係のために、苦境に追い込まれている。

バラク・オバマ政権で人権問題の最高責任者を務めたトム・マリノウスキー下院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は今週、記者団に「サウジアラビアに石油の増産を求めなければならないのは嫌なことだ」と述べた。

マリノウスキー議員はまた「バイデン政権が、私の選挙区の有権者たちが給油所で搾取されないように、サウジアラビアとの関係をどう利用するかを考えなければならないのが嫌だ」とも述べた。

サウジアラビアが戦略的石油備蓄(strategic oil reserves)を支配しているため、中間選挙を前に、インフレーションとガソリン価格の高騰の中で消費者を少しでも救済するよう圧力を受けているバイデン政権は、リヤドに対する戦略を見直す必要に迫られるかもしれない。

バイデン大統領は、リヤドの人権記録に対する懸念を表明する一方で、安全保障上の利益とエネルギー需要の共有に焦点を当てた現実的な関係を再構築しようとしている。

これは、トランプ政権がリヤドに対して過度に友好的で個人的な取引を行い、イエメンの壊滅的な内戦でサウジアラビア主導の攻撃を無条件で支持したこと(carte blanche support)からの急反転を意味する。

しかし、バイデンの戦略は今、世界的に必要な時期に彼自身の政権を不利な立場に追い込んでいるように見える。

王国の実質的な支配者であり、後継者候補でもあるサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、ロシアのウクライナ侵攻の初期に、ロシアへの支援活動の一環としてバイデンからの電話を拒否したと報じられた。

ホワイトハウスはこの『ウォールストリート・ジャーナル』紙の報道に対して反論し、ジェン・サキ報道官は「不正確」と述べた。

サキ報道官は「大統領の関心は、今後、私たちの関係を前進させること、つまり、私たちがどこで協力できるのか、経済や国内の安全保障でどう協力できるかということにある。大統領は、この関係が続くことを期待している」と先週のブリーフィングで記者団に語った。

ロシアによるウクライナ衣侵略によって悪化したガソリン価格の高騰は、産油国の主要グループであるOPEC+のメンバーであるサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を戦略的な立場に立たせることになった。

サウジアラビアとアラブ首長国連邦は「余剰生産能力(spare capacity)」を持っているため、原油を市場に対して即座に追加供給し、それを一時期維持することができる。

しかし、ワシントンのアラブ湾岸諸国研究所上級研究員のフセイン・イビッシュによれば、リヤドとアブダビは両国それぞれの経済を強化するためにロシアと交わした合意の一環として、供給量の増加を求める声に抵抗してきたという。

イビッシュは最新の論文の中で「サウジアラビアとUAEは、国家発展と経済移行計画の基礎として、ロシアと締結したOPEC+の石油生産協定に依存している」と書いている。

サウジとアラブ首長国連邦は、ロシアの侵攻を非難する露骨な声明を出すことにも抵抗している。その代わり、両国のトップはアメリカを批判している。

カショギを「捕獲または殺害」する計画を承認したとアメリカの情報機関が発表したムハンマド皇太子は、今月出版された『アトランティック』誌の長時間におよぶインタヴューで、バイデン大統領が自分をどう思っているかについて、「単純に」気にしないと述べ、アメリカがサウジ王政を遠ざけることがバイデン大統領を傷つけることになると示唆した。

「アメリカの国益を考えるのは彼次第だ」と同誌は彼の言葉を引用したが、ムハンマド皇太子は肩をすくめながら「まぁ頑張ってみれば」と述べた

アメリカ政府の高官たちは2月17日に最後にリヤドを訪問し、ロシアの侵攻を前にサウジアラビアに石油の増産を求めようとした。国務省のネッド・プライス報道官は今週、「私たちは日常的にサウジアラビアのパートナーと連絡を取り合っている」と述べた。

しかし、サウジアラビアとアラブ首長国連邦はアメリカへの不満を解消することに熱心なように思われる。

ユセフ・アル・オタイバ駐米アラブ首長国連邦大使は今月、ワシントンとアブダビが「ストレス耐性テスト」を受けていると述べたと報じられている。

「しかし、私たちはそこから抜け出し、より良い場所にたどり着くと確信している」とアブダビで開催された防衛会議で述べたとも報じられた。

アラブ首長国連邦は、アラブ首長国連邦へのF-35戦闘機の納入を承認するようバイデン政権に求めている。また、バイデン大統領が取り消したイエメンのフーシ派分離主義勢力を外国テロ組織として再指定するようバイデンに迫っている。

バイデン大統領はテロリストリストの再指定を検討していると述べたが、人権団体や民主党議員の一部は人道支援の提供を妨げることになると警告している。

ワシントン近東政策研究所の研究員で、財務省でイスラエルと湾岸諸国を担当の高官を務めたキャサリン・バウアーは、アメリカと湾岸諸国の間の特定の緊張は、この地域からのアメリカの後退という、より大きな感情の一部であると指摘する。

バウアーは「アメリカが十分な注意を払っていないという感覚がそうだ。アメリカが十分な注意を払っていないという感覚は、アメリカが過去に最も信頼できるパートナーでなかったという感覚に拍車をかけると思う」と述べた。

しかし、湾岸諸国との関係を改善し、石油の生産量を増やすことは、ロシアのエネルギー輸出を受け入れることに等しい、それは両者が重大な人権侵害に責任があるからだと考える人たちもいる。

複数の人権団体は、サウジアラビア主導の空爆によって何千人もの民間人が犠牲になっており、この戦禍の国が世界最悪の人道危機と分類されていることに加え、無差別暴力が形成されているということを記録している。バイデン大統領は就任1カ月でイエメンにおけるサウジアラビアの攻撃作戦に対するアメリカからの軍事支援を終了した。

「クインシー・インスティテュート・フォ・レスポンシブル・ステイトクラフトの上級研究員であるウィリアム・ハートゥングは、「サウジアラビアがイエメンで行ってきたことは、実際にはもっと悪いことだと考えているが、あまり注目されていないのだ」と述べた。

ハートゥングは続けて「ロシアが感じている圧力のほんの一部でもサウジアラビアにかければ、イエメンでの殺害を食い止めるチャンスは十分にあると思う」と述べた。

一方で、共和党側は、ガソリン価格の高騰をバイデンの責任として非難することを重要な攻撃戦略としている。

バイデンの政策よりもむしろ、複数の国際的な要因が価格高騰の主な原因である。

共和党員も一部の政権関係者も、米国での掘削をもっと進めるよう求めている。

エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官は、今月の業界会議で、「私たちは戦争状態にあり、緊急事態であり、責任を持って短期的な供給を増やさなければならない」と述べている。

これはギリシャを含むヨーロッパの一部のアメリカの同盟諸国から支持されている主張である。

ギリシャのバルヴィシオティス・ミルティアディス外務副大臣は今週ワシントンで行った、本誌とのインタヴューの中で、「石油の輸入をロシアやペルシア湾岸諸国に依存すべきではないと思う」と述べた。

ミルティアディスは更に、「私たちは、システムをより安定させるために、目に見える、身近なエネルギー資源を開発しなければならない」とも語った。

しかし、アメリカ企業がより多くの石油を増産化するには時間がかかるため、バイデン政権は最も即効性のある解決策を模索している。

NATO大使のカート・ヴォルカーは、ロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギー不足の代替を湾岸諸国に求めるというバイデン政権の戦略は正しいと指摘する。彼は、ヨーロッパ連合とイギリスもバイデンに倣ってロシアの石油と天然ガスの輸入を禁止すべきだと主張した。

ヴォルカーは「私はそれが正しいことだと考える。石油と天然ガスの市場について全員と話し合うべきだ」と述べた。

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は相手によって発言内容を変え、相手が一番聞きたい内容を話す天才だと私は考えている。彼の前職がコメディアン、俳優であり、こうした能力は前職であれば大いに称賛される能力である。政治家としてもまたその能力は活かされている。しかし、そのためにゼレンスキーの真意は、ロシアのウラジミール・プーティン大統領と同様に掴みがたい。

 ゼレンスキーは西側メディアに対しては「一人でも多くのウクライナ国民の命を救うことが勝利だ」「領土はただの領土に過ぎない」と述べながらも、「ウクライナ国民は最後の一都市まで戦う」とも述べた。前半の発言内容であれば、一刻も早い停戦を行って国民の命を救うという考えなのかと私は思ったが、後半部分では徹底抗戦するということを述べているので、停戦はすぐにはできないのではないかと思わされる。ブラフを言いながら、相手と交渉をするというのは常套手段であるが、ゼレンスキーが何を考えているのかはっきりしない。

 ロシアのジャーナリストとのインタヴューでは中立化、非核化、国内でのロシア語使用といった内容を話しており、これはロシア側が聞きたい内容そのものになっている。昨年であればこうした内容以上にウクライナにとって利益になる、有利な条件での合意がロシア側と結べていたということを考えると、ゼレンスキーの一国の指導者としての能力は低いと断じざるを得ない。また、世界各国の議会で戦争を焚きつけに回って、第三次世界大戦の棄権を招来するなどというのは、全くもって世界にとって危険極まりない人物だ。

一刻も早い停戦を望む。ウクライナ国民、ロシア国民の塗炭の苦しみを思い、世界中の人々の生活苦を考えるならば、ウクライナは頑強な抵抗でロシア軍を敗退させている今こそ、より良い条件で停戦ができ、和平交渉ができる時期だ。西側諸国がやっていることは、出血が続いている重傷者の出血を止める措置をしないのに、輸血だけはしているということと同じだ。これでは長期的に見て体が持つ訳がない。ウクライナを根本的に助けるという意思はない。ここは「耐えがたきを耐え忍び難きを忍び」である。

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ゼレンスキー:「勝利とは一人でも多くの命を救うことができることだ」(Zelensky: 'Victory is being able to save as many lives as possible'

マイケル・シュニール筆

2022年3月28日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/600001-zelensky-victory-is-being-able-to-save-as-many-lives-as-possible

ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は、彼の国ウクライナの勝利は「できるだけ多くの命を救うことができること」だと述べた。

金曜日に行われた『エコノミスト』誌とのインタヴューの中で、ウクライナにロシアに勝つチャンスがあると思うかと聞かれ、ゼレンスキーは「私たちは勝利を信じる。それ以外を信じることはできない」と発言した。

ゼレンスキーは続けて「ここは私たちの家、私たちの土地、私たちの独立なのだから、私たちは最終的に必ず勝つだろう。あとは時間の問題だけのことだ」と述べた。

ウクライナにとっての勝利とは具体的にどのようなものかと続けて質問されたゼレンスキーはウクライナ国民の安全が最も重要であると強調した。

ゼレンスキーは「勝利とは、できるだけ多くの命を救うことだ。そう、できるだけ多くの命を救うことだ。ウクライナ国民なくしては、何も意味をなさない。私たちの土地は確かに重要だが、最終的にはただの領土に過ぎない」と語った。

ゼレンスキー大統領は、1カ月に及ぶウクライナでの紛争がいつまで続くか分からないとしながら、ウクライナ国民は「最後の1都市まで戦うだろう」と強調した。

「私たちの勝利は一時的なもので、全ての問題を解決することはできないかもしれないが、私たちは進むべき方向を選択した」と続けて述べた。

ロシアのウラジミール・プーティン大統領は2月24日、ウクライナにロシア軍を派遣したが、多くの地域でウクライナ軍の頑強な抵抗を受け、ロシア軍の活動は滞っている。

国連ウクライナ人権監視団によると、紛争が始まって以来、少なくとも1119人の民間人が死亡し、1790人が負傷したと報告されているということだ。しかし国連は、「敵対行為の影響を受けた複数の場所から情報を収集し、検証する能力が著しく阻害されている」と指摘し、実際の数字はもっと大きいとしている。

ゼレンスキー大統領は、紛争を通じて指導力を発揮し、激動の時代の中でキエフに留まり国の舵取りをしている若い大統領に世界中の多くの人々が賞賛を送っている。

ゼレンスキー大統領は、『エコノミスト』誌とのインタヴューの中で、ウクライナに留まるという決断について語り、この決断は「攻撃への対応について人々へのシグナル」であったと語った。

ゼレンスキーは「人は何をすべきか、何をすべきでないかという選択肢を最初から選ぶと、本格的な戦争がどういうものなのか、誰もが分からなくなってしまう。私の仕事は、人々がどう行動すべきかを知るためのシグナルを出すことだ」と述べた。

ゼレンスキーは次のように述べた。「そして、ウクライナがどう行動すべきかを示す時、自分たちもそれに従って行動しなければならない。残るべきか去るべきかの決断の時があった。私たちは皆、同じように傷ついている。残るという決断は攻撃に対してどう対応するべきかという、人々へのシグナルだった。重要なのは結局、戦争がどのように始まり、どのように終わるのか、ということだ。今回の戦争は、私たちがここに立って守っていることで終わる」。

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ゼレンスキーは和平合意の一部に中立の立場を入れる可能性を否定しない(Zelensky opens door to making neutral status part of peace deal

モニク・ビール筆

2022年3月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/599940-zelensky-opens-door-to-making-neutral-status-part-of-peace-deal

ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は日曜日、和平合意の一部として、中立的な立場を第三者が保証し、国民投票にかけられるのであれば、検討すると述べた。

ロイター通信の報道によると、ゼレンスキーは「国家の安全の保障と中立、核兵器の非保有国の立場。私たちはそうした条件のための準備はできている。これが最も重要なポイントだ」と語ったということだ。

ゼレンスキーはまた、ウクライナがロシアとの交渉の一部として、ウクライナにおけるロシア語使用について検討していると述べたが、大統領はモスクワの他の要求については言及することを拒絶した。

ゼレンスキーの発言は、ロシアのジャーナリストとの90分間のヴィデオ通話の中で行われた。ロイター通信は、ロシア当局が事前にロシアのメディアに対し、この通話について報道しないよう警告していたと報じた。

ロシアによるウクライナ侵攻から1カ月以上が経過し、駐米ウクライナ大使のオクサナ・マルカロワは日曜日、ウクライナの主権を守ることができないということは、「残忍性、寡頭制、戦争犯罪者が私たちの住む惑星に充満する」ことを意味すると述べた。

マルカロワ大使は「ウクライナの領土に独立した共和国は存在しない。2014年にロシアが攻撃してきた。ロシアはクリミアとドネツクとルハンスクの一部を不法に占領した。ロシアは、不法に、今、独立国に本格的な戦争を仕掛けている」と述べた。

また、CNBCによると、日曜日、ウクライナのイリーナ・ベレシュチュク副首相は、ウクライナ東部のドネツクとルハンスク地域で2つの人道回廊設置が合意されたと発表した。

国連人権事務局は、2月24日の侵攻開始以来、1119人の民間人が侵攻で死亡し、更に1790人の民間人が負傷したと発表した。人道回廊設置合意の発表は国連人権事務局の発表後に行われた。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 ロシアによるウクライナ侵攻発生以降の西側諸国の右往左往ぶりには辟易する。対ロシア制裁でロシアを締め上げて、ロシア軍を敗北させるぞと意気込んでみたものの、ロシアのウラジミール・プーティン大統領が核兵器を使用するかもしれないという考えにブルってしまい、急にトーンダウンしてしまっている。ロシア軍が敗北するということはプーティン大統領にとっては大打撃であって、失脚することになる。そうなればロシアの政治体制が大きく変更されるなどと言うことは誰でも予想できることで、そこまで見越して対ロシア制裁をやっているのかと思えば、ロシアの政治体制変更は困るという訳の分からない対応になる。ロシアに西洋流の民主政治体制を構築することはアメリカのネオコンや人道的介入主義派の願いである。その通りになりつつあるが、彼らの危険性に今頃になって気づきましたでは笑止千万、話にならない。勢い込んでロシア制裁をやって団結して頑張りましょう!とお調子者がやってみたら、はっと気づいたら世界大戦の危機になっていました、である。馬鹿じゃないの、の一言だ。小林信彦だったか、太平洋戦争末期、空襲で焼け野が原になった日本国内、特に東京で流行した言葉に「みっともなくってしゃーねーな(みったしゃねー)」というものがあったと書いていた記憶がある。まさに「みっともなくてしゃーねーな」だ。

 レジーム・チェンジ(regime change)という言葉が使われているが、ここが日本語のいい加減なところ(良い意味でも悪い意味でも)と言うべきか、「体制転換」と「政権交代」の2つの訳し方がある。政権が交代することはトランジション(transition)という言葉が使われることが多く、レジーム・チェンジは体制転換が主な意味である。比較政治学の世界、特に最近では、体制転換とは多くの場合、非民主的な体制から民主的な体制に転換するということを意味する。民主化(democratization)という言葉にもなる。民主化には、「非民主政治体制の崩壊(breakdown of nondemocracies)」、「民主政治への意向(democratic transition)、「民主政治の確立(democratic consolidation)」という段階を踏む。

 サミュエル・ハンチントンは『第三の波―20世紀後半の民主化』(原著1991年、翻訳1995年)という著書の中で、世界規模で見ると、世界はこれまで民主化の波(wave of democratization)と民主化の引き波(reverse wave of democratization)を繰り返しており、1974年のスペインとポルトガルでの民主化から第三の民主化の波が始まったとしている。民主化は多くの場合、その国の国民の自発的な動きという装いがなされるが、多くの場合、外国、特にアメリカの介入によって引き起こされている。

 こうした内容は拙著『アメリカ政治の秘密』で説明した。このブログを読んでいる皆さんが私の本に全く興味を持っていないということはよく分かっているので、内容をかいつまんで書いた。愚痴を言うと、まぁこれだけ情報や分析を書いても私の本の売上にはつながらない(アマゾンでの順位を見る限り)というのは、よほどケチで情報をただ見して恬として恥じない方が読んで下さっているんだろうことが分かる。考えや感性は人それぞれなのでそれはそれで構わないが、自分がやっていることとは何なのか、徒労感がおおきくなっている。全部は自己満足であり、ただ書いておきたいということでもあるのだが。以上、愚痴でした。

 噺を戻すと、ジョー・バイデンの外交音痴ぶりと頭の悪さにも驚かされる。あれだけの政治経験があり、連邦上院議員時代には外交委員長も務めたはずなのに、言葉が軽く、非常にハラハラさせられる。アメリカの終わりの始まりを象徴するにはこれ以上ないじんぶつではあるが。

(貼り付けはじめ)

●「バイデン米大統領、プーチン氏巡る発言で釈明-同盟国からも苦言」

3/28() 7:25配信

Bloomberg

https://news.yahoo.co.jp/articles/b95b0090081cc6feaaaed6a3b861ae53580f4357?page=2

バイデン氏は、インフレ高進、ガソリン価格急騰、経済アジェンダの議会での行き詰まりなど、11月の中間選挙を前に国内の課題が山積している。そうした中で危険を招きかねないプーチン大統領との対立をさらにあおることはリスクを伴う。

バイデン氏の発言に対するロシア大統領府の公のコメントはほとんど出ていない。ただ、米国と同盟国はウクライナ侵攻をやめさせるだけではなく、プーチン政権の排除も目指しているとするロシア側の主張を後押ししかねないと、欧州の同盟国は警告した。

マクロン仏大統領は「言葉や行動で事態をエスカレートさせるべきではない」とフランスのテレビで発言。ザハウィ英教育相も、プーチン氏の将来は「ロシア国民が決めることだ」と述べた。

米外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハース会長はツイッター投稿で、バイデン氏の発言が「難しい状況をさらに難しくし、危険な状況をさらに危険にした」と指摘。大統領はダメージの修復に動く必要があると述べた。

NBCニュースの世論調査によると、バイデン氏の支持率は欧州訪問前に過去最低の40%に低下。ウクライナ情勢に対するバイデン氏の対応を大いに信頼すると回答したのは12%にとどまった。80%余りはウクライナでの戦争が核兵器の使用につながるのではないかと心配しており、74%は米国がウクライナに戦闘部隊を派遣する可能性を懸念している。調査は成人1000人を対象に1822日に行われ、誤差率はプラスマイナス3.1ポイント。

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●「演説草稿になかった「権力の座に」発言 直後に波紋、軌道修正の実情」

3/27() 8:32配信

朝日新聞デジタル

https://news.yahoo.co.jp/articles/0950b1dcba7ce624c251e773770a5959b031d6e4

 ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、バイデン米大統領は26日、訪問先のポーランドの首都ワルシャワで演説した。バイデン氏は「非難されるべき人物は、ウラジーミル・プーチンだ」などとロシアのプーチン大統領を厳しく批判したうえで、「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」と語った。

 バイデン氏は演説で、「帝国を再建しようと決心している独裁者であっても、人々の自由に対する愛を消し去ることは決してできない。ウクライナはロシアに絶対に敗北しない」と強調。「我々には民主主義に根差した明るい未来がある」と述べたうえで、プーチン氏について「権力の座にとどまり続けてはいけない」と語気を強めた。

 バイデン氏のこの発言は、米政権がプーチン政権の体制転換を目指しているとも受け取られかねず、演説直後から波紋が広がった。ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロイター通信の取材に対し、プーチン氏が権力の座にとどまり続けるかどうかについては「バイデン氏が決めることではない。ロシア大統領はロシア人によって選ばれる」と反発した。

■「第3次世界大戦を招きかねない」

 米政権はウクライナを軍事支援しているものの、ロシアと直接対峙(たいじ)すれば第3次世界大戦が起きかねないとして米軍をウクライナに派遣していない。プーチン政権の体制転換も目指していないのが実情だ。

 波紋を広げた演説の直後、米ホワイトハウス当局者は声明を発表し、「バイデン氏の論点は、『プーチン氏は彼の隣国や地域で権力を行使することは許されていない』という点だった。バイデン氏は、プーチン氏の権力や体制転換について話していない」と軌道修正を図った。

 米メディアによると、バイデン氏の「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」という発言は、事前に用意されていた演説草稿にはなかったという。バイデン氏が故意で発言したのか、失言したのかは不明だが、ロシア側に「米政権はロシアの体制転換を図っている」という口実を与え、今後政治利用される恐れがある。

 バイデン氏は最近、プーチン氏への非難を強めており、「人殺しの独裁者」「悪党」「戦争犯罪人」と発言している。26日の演説に先立ち、ウクライナから逃れた難民たちが滞在しているワルシャワ国立競技場を訪問した際も、プーチン氏を「虐殺者(butcher)だ」と非難した。

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 古村治彦です。

 ロシアによるウクライナ侵攻によって世界は戦時管理体制に入っていく。戦時管理体制とは物資の配給も含めた統制経済ということだ。これは先進諸国では起きないだろうが、アフリカ諸国や中東諸国では食料を国民に行きわたらせるために、配給ということにもなりかねない。戦時中の日本やイギリスなどと同じような状況になっていく。戦争当事国であるロシアやウクライナでもそのようになっていくだろう。このような状況では食料を含む実物資産を生産している国々が相対的に強くなるが、そうした国々の多くは対ロシア制裁に慎重であり、この点で非常に懸命な動きをしていると考える。先進諸国は対ロシア制裁を主導しているが、そのためにそれぞれの国内に住む人々に物価高らスタグフレーションへというリスクを負わせることになっている。

これまでこのブログでもご紹介したように、ロシアはカナダと並んで安価な肥料の輸出大国であり、ロシアに対する制裁は世界規模での農業生産にも影響を与える。そもそも食料不足が予想されるからと言って、食料生産を急に倍増させるということはできない。耕作地には限界があるし、肥料が足りないとなれば収穫予想はそこまで増えない。そうなれば食料不足は世界規模で申告は問題になる。日本では食料品の価格が上昇していくことは確実で、これに石油の価格上昇も加われば、その上昇幅はより大きくなる。生活に困窮する人の割合が更に大きくなっていくだろう。

対ロシア制裁に慎重な国々が多く存在するのは当然のことだ。今はウクライナ国民支援で寄付金や義捐金が日本国内でもどんどん集まっているが、日本国民でそのような義捐金を上げたくても上げられないそんな人の数がこれからどんどん増えていく。そして自分たちが寄付金や義捐金を貰わねばならないという人たちも多くなっていく。更に言えば、石油価格の高騰によって全ての財の価格が上がっていく。全ての財には物流コストが含まれる。それを抑えようとすれば結局人件費を抑制するしかなくなる。そうなれば物価は上がっていくが賃金は上昇しないというスタグフレーションということになる。これまでは、賃金は上がらないが物価も上がらないというデフレーションの状況が平成時代から30年近く続いた。しかし、これからはコストプッシュ型インフレーションによるスタグフレーションの懸念が高まる。

 私たちはウクライナ戦争から遠く数千キロ離れた日本に暮らしている。しかし、既に戦争に巻き込まれている。戦時体制に組み込まれている。寄付や義捐金を直接払わなくても戦争によるコストを負担している状況だ。私たちはいつまでこの状況に耐えられるかだが、スタグフレーションに陥ってしまえば耐乏生活も長くは続けられない。

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●「最大1300万人栄養失調の恐れ 小麦などの価格高騰、供給不足で」

3/25() 15:53配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/dff9e81fb5643869147b9c01bd0fb5e865ba970b

 ロシアのウクライナ侵攻による混乱で小麦などが供給不足に陥り、202226年に世界で最大1300万人が栄養失調になる恐れがあることが国連食糧農業機関(FAO)の試算で25日までに明らかになった。小麦価格は2割超上昇する可能性があり、FAOは「一刻も早く農民が平和に働けるように助けてほしい」と戦闘の終結を訴えている。

 先進7カ国(G7)は24日、ベルギーで開いた首脳会合で、世界的な食料危機の予防・対応のために行動することを盛り込んだ声明を採択。FAOに対し、臨時理事会の開催を要請することを決めた。

 ロシアとウクライナ両国は、農業大国として知られる。

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ロシアによるウクライナ侵攻に伴う食糧不足の「真の」リスクをバイデンが警告(Biden warns of 'real' food shortage risk over Russia's invasion into Ukraine

アレックス・ガンギターノ筆

2022年3月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/599678-biden-warns-of-food-shortage-from-russias-invasion-into-ukraine

ジョー・バイデン大統領は木曜日、ロシアによるウクライナ侵攻を理由とする世界規模での食糧不足に警告を発し、潜在的な危機を防ぐための措置を発表した。

バイデン大統領は現在NATO諸国の指導者たちと会談を続けているブリュッセルにおいて記者会見を開き、「私たちは食料不足について話をした。そしてそれは現実に起こるだろう。ロシアに対する制裁の代償は、ロシアだけでなく、ヨーロッパ諸国や我が国を含む非常に多くの国々にも科せられている」と述べた。

例えば、ロシアとウクライナは共に小麦の供給国であるが、バイデン大統領は、アメリカとカナダも主要な小麦生産国であることを指摘した。

バイデン大統領は3月24日、ヨーロッパ連合(EU)のウルスラ・フォン・デア・ライエン大統領との共同声明で、食料危機を防ぐため、世界の食料安全保障を高め、必要な場合には直接食料援助を行うために、ヨーロッパ連合と協力し、努力を強化する意向を表明した。

バイデン大統領は、NATOの指導者たちが、ヨーロッパ諸国をはじめとする全ての人々に、「食料を海外に送る際の制限に関する貿易制限を終わらせるよう」促すことについて話し合ったと述べた。

バイデン大統領は、「アメリカと同盟諸国は、インフレーションの上昇と長引くサプライチェインの問題の中で、食糧不足の懸念を軽減する方法を模索している最中だ」と述べた。

バイデン政権高官たちは、ロシアの侵攻が特に中東とアフリカの食料安全保障を危うくする恐れがあると警告した。

政権高官たちは木曜日朝、「ロシアによる侵略戦争は、黒海地域からの重要な農産物の供給を中断させる恐れがあり、世界の食料安全保障、特に中東とアフリカの脆弱な人々のための食糧安全保障を危うくする」と述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、ウクライナによる強力な抵抗、反撃が続いている。ウクライナ政府にはデジタル省があり、デジタル担当大臣はミハイロ・フョードロフという31歳の若さの人物だ。フョードロフ大臣はIT軍を創設し、SNSを使って情報戦を展開している。フェイスブック、ツイッターなどのビッグテック各社も協力的だ。ロシアに対しては世界各国で自発的にハッキングに参加する「義勇軍」が展開されている。その規模は数十万人規模となっている。インターネットを使った情報戦はウクライナが先手を取っている。SNSがウクライナ側につけば情報戦を圧倒できるのはとうぜんということになる。

 フェイスブック(メタ)は、ウクライナ内務省直轄の国家親衛隊に所属しているアゾフ特殊作戦分遣隊(Azov Special Operations Detachment)、通称「アゾフ大隊(Azov Battalion)」と呼ばれる軍事組織をフェイスブック上で称賛することを許可した。アゾフ大隊はネオナチの軍事組織であり、2019年からはアゾフ大隊がフェイスブックを利用することが禁じられ(イスラム国やクー・クラックス・クランと同じ措置)、フェイスブックのユーザーが自由に議論することも許されないという措置が取られてきた。アゾフ大隊の本拠地は激戦地のマリウポリだ。

下の記事にあるように、創設者は白人至上主義者であり、ナチスドイツが使った「劣等民族」という言葉を使って、アーリア人が最後の十字軍として、列島民族と戦うことがウクライナの国家使命だと発言するような人物だ。また、ロシア系の住民に対するレイプ事件や殺害事件を起こしており、このことは国連にも報告されている。

 フェイスブックはロシアによるウクライナ侵攻に伴い、このアゾフ大隊を称賛することを許可することにした。ネオナチ的な言説ではなく、ウクライナのロシアへの抵抗の文脈で称賛するということになる。しかし、これは非常に危険な措置だ。フェイスブックが「公認」するネオナチ・グループが英雄として祀り上げられることは戦後に大きな禍根を残すことになると考えられる。

 ソーシャルネットワークサーヴィスが本格的に戦争の道具として使われるのは今回が初めてだ。今回の事態を受けて、ビッグテック各社は新たなルール作りをするべきであろうと思う。

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ウクライナの善戦を支える「サイバー戦」立役者・31歳副首相の手腕 SNSでは「プーチンを木星に飛ばす」計画も

3/21() 11:15配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/5b2f807bf94c0789d4035243b69da40a4349b654

https://news.yahoo.co.jp/articles/5b2f807bf94c0789d4035243b69da40a4349b654?page=2

https://news.yahoo.co.jp/articles/5b2f807bf94c0789d4035243b69da40a4349b654?page=3

 ロシアによるウクライナ侵攻は、ウクライナ軍による必死の抵抗が続いている。一方、SNSを中心とした情報戦においては、ウクライナがロシアを圧倒しており、KGB出身のプーチン大統領は思わぬ苦戦に焦っているようだ。それを指揮するのが、ミハイロ・フョードロフ副首相兼デジタル転換相(31)。台湾のデジタル担当大臣に35歳という若さで就任して話題となったオードリー・タン氏になぞらえてウクライナのオードリー・タンとも評されるフョードロフ氏について、国際ジャーナリストの山田敏弘氏が解説する(文中一部敬称略)。

 * * *

 ロシアのウクライナ侵攻が始まって20日以上になる。戦闘はまだ続いており、ここからどのような形でこの戦争が終焉するのかはわからない。

 ただ、はっきりしていることは、この戦争が本格的にSNSで情報戦が繰り広げられた戦いとして記憶されることになるということだ。さまざまな情報が、SNSを使って世界に発信され、戦況にも影響を及ぼしている。

 ウクライナ政府でSNSを使った情報戦を率いるのは、フョードロフ副首相兼デジタル転換相である。戦闘のための武器ではなくSNSで戦った政府首脳として、フョードロフの名も語り継がれていくはずだ。

 まずフョードロフの存在が広く知られるようになったのは、ロシアによるウクライナ侵攻が開始されてから数日後の、227日のことだ。フョードロフはこんなツイートを投稿した。

「われわれはIT軍を立ち上げる。デジタル才能が必要だ」

 そこからフョードロフのオンライン上での戦いが始まった。ウクライナのサイバー民兵たちを率いてサイバー攻撃を指揮すると同時に、世界の著名人に直接SNSでメッセージを送る。

 例えば、イーロン・マスクだ。テスラの創業者でもあるマスクは、現在、スターリンクと呼ばれる世界の至る所で高速インターネット接続を可能にする衛星ネットワークシステムを立ち上げている。このスターリンクを使うことで、ウクライナで使われている従来のインターネット網がロシアによって破壊されても、ウクライナでインターネットを継続して利用でき、コミュニケーションも遮断される心配はない。

 プーチン大統領が侵攻後すぐに計画していた作戦として、ウクライナ国内のコミュニケーションシステムの破壊、というものがあったと報告されているが、それを踏まえて、フョードロフはマスクにツイッターで「ウクライナにスターリンクを送ってください」と直談判した。

 するとマスクがそれに反応。「スターリンクのサービスをウクライナでスタートさせた。通信機器を送る」──そして48時間以内に、フョードロフは実際にウクライナに到着した数多くのスターリンクを写真で公開した。とんでもない時代である。

楽天から10億円の寄付を引き出す

 さらにフョードロフは、ロシアでビジネスを展開する欧米側の企業のトップに連絡し、ロシアでのビジネスを停止するよう要請。要請にあたっては公式文書を公開し、国際世論の注目度を高めている。

 楽天が提供する無料通信アプリのViberはロシアなどでも使われているが、フョードロフは楽天にもサービス停止をSNS上で要求。結局、楽天は要請に応じなかったが、その代わりに、ウクライナに10億円を寄付することになった。その資金がロシアとウクライナの戦いに注がれていき、戦況にも影響していくことになる。

 SNS上でこうしたやり取りを報告することで、企業にプレッシャーを与えることもできる。SNSに書かれたら、侵略行為で人権侵害が続くウクライナからの切実な要請を無視するわけにはいかないからだ。

 さらにフョードロフは、無料メッセージングアプリであるTelegramのチャンネルを開設し、チャンネルに登録している30万人以上のハッカーやプログラマーなどにサイバー工作を実施するよう指示を出している。

 実は、このようにインターネットで「愛国者」のハッカーらを妨害工作に巻き込むのは、もともとロシアが得意としていた。例えば、ロシアが2007年にエストニアに激しいサイバー攻撃を行なって国家機能を麻痺させたことがあったが、その際には、ロシア国内でインターネットの掲示板などを使って攻撃先のサーバーのIPアドレスや、サイバー攻撃の実施方法の手順などを情報機関が掲載していた。今回、それと同じことをウクライナがロシアに対して行なっているのは皮肉なことだ。

 ウクライナ側のサイバー空間での攻勢はこれに止まらない。例えば、Telegramで、ロシアに進出しているドイツの卸売店「メトロ」を撤退させる作戦を行ない、IT軍の兵士らに、同社のフェイスブックのページに批判メッセージを送るよう英語の文面まで掲載している。

 またある投稿では、ロシアのニュース機関のYouTubeチャンネルを凍結させるべく、YouTubeに「不適切なコンテンツ」であると通報する方法を指南している。

 ツイッターでは、破壊された街の様子や、住民を助けるウクライナ兵の写真を掲載したり、世界に向けて現場の惨状を伝えている。もちろん「ロシアよ、出ていけ」といった投稿も多く見られる。

 フェイスブックでも同様の投稿が掲載されているが、それ以外にも、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とセルゲイ・ショイグ国防相の電話の会話を盗聴したと思われる音声も公開されている。

メッセージをランダムにロシア人に送る

 ある投稿では、ウクライナ側が設置したウェブサイトのリンクが掲載されている。このサイトに行くと、「ロシアに暮らす約15000万人はウクライナ戦争の原因や実態を知らない」というメッセージが書かれ、SMSや電子メール、無料通信アプリWhatsAppのメッセージをランダムにロシア人に送信できるボタンが設置されている。直接、ロシア人にアクセスしようする試みだ。

 こうしたSNSの投稿などと合わせて、ウクライナがロシアに抵抗を続けるための資金の寄付も募っている。「1億ドルの寄付を達成してプーチンを木星に飛ばしてしまおう」という標語のもと、寄付を募るサイトもウクライナ政府が公開している。仮想通貨で寄付できるクラウドファンディングのサイトも、フョードロフはツイッターで拡散している。

 積極的かつ有効的にサイバー空間での戦いを率いるフョードロフとはどんな人物なのか。1991年生まれで、ウクライナ南部の工業都市ザポリージャの大学を卒業、デジタル系のサービスを提供する企業を立ち上げている。2019年に28歳の若さで副首相兼デジタル転換相に就任しているが、もともと、ゼレンスキー大統領が勝利した選挙戦でもSNS関連は彼が仕切っていた。

 こうしたIT戦は、実際の戦闘が続く限り、続けられるだろう。サイバー空間なら誰でも無料で手軽にウクライナのために「戦争」に参加できるのである。今回、新たな戦い方を、ウクライナは見せつけている。

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ツイッターは私たちの戦争を戦う努力の一部となっている-ウクライナの大臣(Twitter is part of our war effort - Ukraine minister

ジョー・ディディ(サイバーレポーター)筆

2022年3月7日

BBC

https://www.bbc.com/news/technology-60608222

ウクライナ軍と市民がロシアの侵攻軍と戦う中、ウクライナはハイテク技術を駆使してシリコンバレーの支持を集め、敵を弱体化させるという新たな戦線を展開している。デジタル担当大臣のミハイロ・フョードロフ(Mykhailo Fedorov)はその先頭に立つが、彼の戦術の中には分裂を引き起こすものがある。

ウクライナで最も若い閣僚フョードロフは、キエフにある秘密の地下シェルターから、ロシアとのデジタル戦争を繰り広げている。

ミハイロ・フョードロフは、彼自身が好む武器であるソーシャルメディアを使って、大企業の最高経営責任者たちにモスクワとの関係を断つよう促している。彼は更に、「敵」に対してサイバー攻撃(cyber-attack)を仕掛けるために、ヴォランティアの「ウクライナIT軍(IT Army of Ukraine)」を設立するという前代未聞の行動に出たのである。

31歳と若いフョードロフは、携帯電話を通して、あるいは携帯電話上で生活するというライフスタイルを軸に、政府の役割を形成してきた。

戦争勃発前、彼の最大の目標は、行政サービスを100%オンラインで提供する「スマートフォンの中の国家(state in a smartphone)」を構築することだった。今は、このプロジェクトは中断され、デジタル戦争(digital war)に全力を注いでいる。

フョードロフは多国籍企業にロシアをボイコットするよう圧力をかけている。

アップル、グーグル、メタ(フェイスブック)、ユーチューブ、マイクロソフト、ソニー、オラクルなどハイテク分野の大企業はウクライナ政府からの公式書簡を無視しなかった。

フョードロフは世界中の人が見られるように、公式書簡と各企業からの返信の一部をソーシャルメディアに投稿している。

これが企業の行動に影響を与えたかどうかは分からないが、ほとんどの企業はその後、ロシアに対する方針を変更し、アップルのようにロシアでの製品販売を停止したり、事業を停止したりしている。

土曜日にペイパルが発表したロシア国内でのサービス停止は、メディアで報道される前にフョードロフのツイッターに投稿された。サムスンとエヌヴィディアがロシアとの取引を全て停止するというニューズも同様で、フョードロフは彼のソーシャルフィードで公然と呼びかけていたことだ。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まった直後、フョードロフがイーロン・マスクにしたあるツイートは、すぐに結果をもたらした。億万長者のハイテク企業経営者であるイーロン・マスクは、48時間以内にスターリンク衛星を調整し、ウクライナにインターネット接続可能な端末をトラック1台分送り込んだ。

このサーヴィスは、インターネットや通信ネットワークが損傷したり破壊されたりした場合に、政府にとって生命線となり得るものだが、その後、マスクは、衛星アンテナはロシアのミサイルの標的になり得るので、注意して使用するよう警告を発した。

フョードロフはツイッター、フェイスブック、インスタグラム、テレグラムで合計50万人以上のフォロワーを持ち、自分のメッセージを伝えるためにそれら全てを利用している。

フョードロフはEメールを通じてBBCに対して次のように語った。「私たちは、ウクライナで起きているこの恐怖に大企業が関心を持つように、あらゆる機会を利用している。私たちはロシア人に真実を伝え、戦争に抗議させようとしているのだ」。

フョードロフはインターネット上ではほとんどウクライナ語で話しているが、危機が始まってからはツイッター上では英語に切り替え、最も影響力を発揮している。

Twitterは、ロシアの軍事的侵略に対抗するための効率的なツールになりました。ロシア経済を破壊するための、私たちのスマートで平和的なツールなのです」と彼は言う。

"Twitter has become an efficient tool that we are using to counter Russian military aggression. It's our smart and peaceful tool to destroy Russian economy," he says.

ハイテク研究者で作家のステファニー・ヘアはフョードロフが成功を収めていることに驚きを隠せないと述べている。

ヘアは「彼は31歳で、ハイテクとインターネットを理解している」と述べた。

説得(persuasion)やプロパガンダ(propaganda)を利用するのは昔からある戦争の戦術だ。しかし、2000年代にソーシャルメディア企業が重要さを増して以来、「彼らは人々がメッセージを広めることができる速度と幅によって計算を変えた」。

フョードロフの広報担当官は、彼が率いる若いチームが常に新しいアイデアを出し、それをデジタル省が迅速に実行に移そうとしていると話している。先週、キエフは軍の資金調達のために非可溶性トークン(NFT)を発行することを発表した。しかし、他のいくつかは物議を醸している。

例えば、フョードロフは暗号通貨取引所に対して、ロシア国民全ての口座を凍結するよう求めている。この考えは、バイナンス取引所のCEOを含む多くの人が、暗号が存在する理由に「反している(fly in the face)」と述べている。

ハッカー集団「アノニマス」は、プーティン大統領に「サイバー戦争(cyber-war)」を宣言している。

デジタル省は更に、世界中から集まった数千人のヴォランティアハッカーを含む「ウクライナIT軍団(IT Army of Ukraine)」を立ち上げ、そのテレグラム内のグループには現在27万人のメンバーがいるがこれにも不安もある。

フョードロフはBBCの取材に対し、「ハイテクは戦車に対する最良の解決策だ。IT軍は、ロシアとベラルーシの企業、銀行、国家ウェブポータルのデジタルおよびオンラインリソースに向けられている。ロシアの公共サービスのウェブポータル、取引所、タス、コメルサント、フォンタンカ、その他ロシアのトップメディアのウェブサイトなどの運営を停止させた」と述べた。

今のところ、ハッキングのほとんどは低レベルのサイバー破壊行為のようだが、フョードロフのチームは鉄道や電力網への攻撃も明確に呼びかけており、これが成功して十分に混乱すれば、一般市民にも被害が及ぶ可能性がある。サイバーセキュリティの世界では、このことが不安視されている。

戦略国際問題研究所(Centre for Strategic and International StudiesCSIS)のスザンヌ・スポルディングは次のように語った。「この分野では本当に注意が必要だ。もし、市民による重要なインフラへの破壊的な攻撃が行われるようになれば、戦争の不確定要素(fog-of-war)、誤認(misattribution)、予想外の連鎖的な影響に遭遇することになると考える。市民が行ったことに対して、一方から報復を受けるかもしれないし、事態は急速にエスカレートする可能性がある」。

金曜日、フョードロフの部署と密接に連携しているウクライナの国家特殊通信局副局長は、ロシアに対してハッカーを結集させるという決定を擁護した。

局長は侵略が始まった「2月24日に世界秩序が変わった(the world order changed on 24 February)」ため、ハッキング集団「アノニマス(Anonymous)」を含むあらゆるグループからのロシアに対する違法なサイバー攻撃を歓迎すると述べた。

ウクライナに対しても、ロシアに同調する人たちによるハッキングが行われているが、現状ではロシアの方の分は悪いようだ。ロシアの軍事ハッカーは、理由は不明だが、今のところ大きな役割を担っていないようだ。

=====

フェイスブックはもしロシアの侵攻に対して戦う場合には、ウクライナ国内のネオナチ大隊への称賛を許可する(FACEBOOK ALLOWS PRAISE OF NEO-NAZI UKRAINIAN BATTALION IF IT FIGHTS RUSSIAN INVASION

-このポリシーの逆転現象は、ニュアンスや文脈を無視していると批判されているフェイスブックのブラックリストを基盤としたコンテント・モデレイション(content moderation 訳者註:投稿された内容の検閲)に疑問を生じさせる。

サム・ビドル筆

2022年2月25日

『ジ・インターセプト』誌

https://theintercept.com/2022/02/24/ukraine-facebook-azov-battalion-russia/

フェイスブックは一時的であるが、アゾフ大隊(Azov Battalion)を称賛することを数億人規模の利用者たちに許可することになる。アゾフ大隊はウクライナ国内のネオナチ(neo-Nazi)軍事組織であり、以前であれば、フェイスブックの「危険人物・組織」ポリシーの下で自由に議論することが禁止されていた。

このポリシーの大きな変更は今秋実施されたが、現在進行中のロシアによるウクライナ侵攻とそれに先立つ軍事的エスカレーションに起因している。アゾフ大隊は、より広範な基盤を持つウクライナの白人至上主義的な(white nationalists)アゾフ運動(Azov movement)の武装部門として機能し、2014年に正式にウクライナ国家親衛隊(Ukrainian National Guard)に加わる前は、ヴォランティア(訳者註:志願の意味がある)の反ロシア民兵(anti-Russia militia)として活動を開始した。連隊は、筋金入りの右翼的な過激な民族主義(right-wing ultranationalists)とそのメンバーの間に広まったネオナチ思想で有名である。最近ではネオナチへのシンパシーを隠すようになっていたが、その親和性は決して低くない。アゾフの兵士たちはドイツ第三帝国(Third Reich)のアイコンが描かれたユニフォームを着て行進し、訓練を行う。指導部はアメリカのオルトライトやネオナチの要素を取り入れたと言われている。2010年、大隊の初代隊長で元ウクライナ国会議員のアンドリー・ビレツキーは、ウクライナの国家目的(national purpose)は「世界の白人種をリードし、セム族が率いる人間以下の劣等民族たち(subhumansUntermenschen[ウンターメンシェン]に対する最後の十字軍(crusade)になること」と述べている(訳者註:ナチスがユダヤ人、ロマ、スラブ人といった非アーリア人に使用した言葉)[lead the white races of the world in a final crusade … against Semite-led Untermenschen [subhumans]]。ロシア軍はウクライナ全土の攻撃目標に対して急速に移動していると報じられている。そうした中で、フェイスブック社の投稿内容に関する検閲(content moderation)に対する鈍感な、リストベースのアプローチは、同社を窮地に陥れる。「自由に議論するには危険過ぎると判断したグループが、全面的な攻撃から国を守っている場合にどう対処するのか?」という問題が出てくる。

本誌が入手したフェイブック内部のポリシーに関する資料によると、フェイスブックは 「ウクライナ防衛における役割やウクライナ国家親衛隊の一員としての役割を明示的かつ独占的に賞賛する場合、アゾフ大隊の賞賛を許可する」ということだ。フェイスブックが現在許容できると判断した言論の社内での例としてはあ、「アゾフ運動ヴォランティアたちは真の英雄であり、彼らは私たちの国家親衛隊に大いに必要な支援だ」、「私たちは攻撃を受けている。アゾフはこの6時間、勇気をもって私たちの町を守ってくれている」「この危機の中で、アゾフは愛国的な役割を果たしていると思う」といったものが挙げられている。

内部資料では、アゾフは依然としてフェイスブックのプラットフォームを募集目的や独自の声明を発表するために使用できないこと、連隊の制服やバナーは、アゾフの兵士がそれらを着用・掲示して戦うことがあっても、禁止されたヘイトの象徴のイメージとして扱われることが規定されている。内部資料には、連隊のイデオロギーを暗黙の了解として、新しいポリシーで許されない投稿の例が2つ示されている。それは「ゲッペルス、総統、アゾフ、全てが国家的犠牲と英雄主義の偉大なモデルである」「ウクライナとその白人至上主義の遺産を守るためにアゾフはよく戦っている」だ。

フェイスブックが公式にアゾフの使用を禁止したのは2019年だ。アゾフ大隊はビレツキーのような複数の関連個人とともに、同社のヘイトグループに対する禁止対象に指定され、ユーザーが同社のプラットフォーム上でブラックリストに載った団体の「賞賛、支援、表現」に関わることを禁じる、最も厳しい「ティア1」制限の対象になった。本紙が昨年公開したフェイスブックの非公開とされていた使用禁止グループと人物の名簿では、アゾフ大隊はイスラム国(Islamic State)やクー・クラックス・クランKu Klux Klan)のような団体と並んで分類されており、「深刻なオフライン被害(serious offline harms)」や「民間人に対する暴力(violence against civilians)」の傾向があるとして、ティア1グループに分類されている。実際、国連人権高等弁務官事務所による2016年の報告書では、ロシアの2014年のウクライナ侵攻時にアゾフ大隊の兵士たちが市民をレイプし拷問していたことが判明している。

この免責措置は、同社の混乱した、時には矛盾した検閲ルールを、疲弊した状況下で解釈することを任務とするフェイスブックの検閲担当者たちに混乱をもたらすことは間違いない。フェイスブックのユーザーたちは、アゾフ堕胎の兵士によるロシアに対する今後の戦場での行動を称賛することができるようになったが、新しいポリシーでは、グループによる「暴力の称賛」は依然として禁止されていると記している。フェイスブックがどのような形の非暴力的な戦争を想定してこのような規定を決めたのかは不明瞭だ(it’s unclear what sort of nonviolent warfare the company anticipates)。

 

 

非営利団体「ムネモニック」でコンテント・モデレイションMnemonicでコンテンツモデレイションの現実世界への影響を専門に研究しているディア・カイヤリは、アゾフ大隊に関するフェイスブックの新しいスタンスは、オフライン暴力に対する禁止という文脈では「ナンセンス」だと指摘する。カイヤリは「これは典型的なフェイスブックのやり方だ」と述べ、この免責によって一般のウクライナ人が、さもなければ検閲されるかもしれない身の回りの大惨事についてより自由に議論できるようになる一方で、こうした方針の微調整が必要だという事実は、ブラックリストベースの危険な個人と組織の非公開の方針が機能不全に陥っていることを反映していると指摘する。カイヤリは次のように述べている。「何が危険な組織であるかの評価は常に文脈的であるべきで、ある特定の瞬間という理由だけで、他の方法ではポリシーに適合するようなグループのために何か特別な振り分けが行われるべきではない。フェイスブックは常にその危険性のレヴェルの分析をしているはずだ」。

このポリシー変更は、「広範で大部分が非公開の危険な個人と組織に関するポリシーがオンライン上の表現の自由を抑圧している」と主張している批判者たちにとっては歓迎すべきニューズかもしれない。しかし、フェイスブックがアメリカの外交政策判断に基づいて許される言論を決定していることの更なる証拠にもなっている。例えば、昨年の夏、マザーボードは、フェイスブックが今回と同様にイランでの検閲ポリシーの例外を発表し、2週間の間、ユーザーが「ハメネイに死を」と投稿することを一時的に許可したと報じた。カイヤリはアゾフ大隊に関する検閲緩和と免責について「これはアメリカの外交政策に対する直接的な反応だと思う。そして、今回のことが示しているのは、フェイスブックが作っている禁止リストがどのように機能するのかということだ」。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 昨日、ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領がヴィデオ映像(生中継だったそうだ)で日本の国会議員たちを前にして演説を行った。国会議事堂の本会議場ではなく、議員会館の国際会議室とホールに映写設備を整えての演説となった。全体として具体的な要求はほぼなく、総花的なものとなった。

 私がまずとても違和感を持った、と言うよりも嫌悪感を持ったのはゼレンスキー大統領之円前後との山東昭子参議院議長の芝居がかった(三文芝居そのもの)スピーチだった。山東議長はお勇ましい言葉を並べ立て、「(ゼレンスキー氏が)先頭に立ち、貴国の人々が命をもかえりみず祖国のために戦っている姿を拝見し、その勇気に感動している。一日も早く貴国の平和と安定を取り戻すため、私たち国会議員も全力を尽くす」というような内容の発言を行った。ウクライナ国民が「命をかえりみず」戦い、亡くなっていることに感動しているということを日本の政治家が述べたことに私は嫌悪感を持つ。

彼女の言葉に亡くなっていった人たちへの哀惜の念や、戦争を一日も早く止めるべきだという考えは全くなかった。いざとなれば政治家たちは安全な場所にいて、国民を鼓舞して「国のために」死ねと命令する。私はこういう不安定な時期に、その人の地が出ると思う。このような他国の戦争を利用して、日頃は存分に言えないお勇ましい発言をここぞとばかりに言うような人間は最低だ。山東昭子という人物は非常に危険な人物であり、「良識の府」と言われた参議院の議長には全くもって不適格な人物だ。このような人物が政治家で、このような人物を「感動させる」ために、国家存亡に際して国民は何をさせられるのか、分かったものではない。このような政治家たちを「縛る」ために憲法があり、私は現在の憲法を変更するはないと考える。

 ゼレンスキー大統領の演説は総花的で、日本を非難することもなく、過度に持ち上げることもなく、日本側にとっては穏やかに終わった。恐らく、相当な根回しがあっただろう。それでも、原発への言及、サリンという言葉、核兵器使用という言葉、侵略の津波という言葉、今も家に帰ることができない人々がいることへの言及など、日本政府や自公政権にとっては言って欲しくなかった表現もあった。ウクライナ側はこうした言葉を嫌がらせで使う意図はなかったと思う。日本国民に訴えやすい言葉として選んだのだろうが、それが日本政府にとっては痛しかゆしということになった。

 ゼレンスキー大統領とウクライナ側からのリップサーヴィスは「国際機関が機能してくれませんでした。国連の安保理も機能しませんでした。改革が必要です」「予防的に全世界が安全を保障するために動けるためのツールが必要です。既存の国際機関がそのために機能できないので、新しい予防的なツールをつくらなければならないです。本当に侵略を止められるようなツールです。日本のリーダーシップがそういったツールの開発のために大きな役割を果たせると思います」というところだと思う。日本は長年、国連安全保障理事会の常任理事国(アメリカ、イギリス。フランス、中国、ロシア)入りを目指してきた。しかし、常任理事国の顔ぶれを見ても分かる通り、第二次世界大戦で連合国だった国々しか常任理事国になっていない。国連の実態は連合国であり、それが大きくなって国連となった。長らく敵国条項というものも存在したということもある。ウクライナは日本が常任理事国入りということになれば支持するということを述べている。しかし、国連改革は無理だ。

 そうなれば新しい国際機関や枠組みを作るということになるが、国連安保理常任理事国の特権がはく奪されるようなものになるとは考えられない。こうした議論の大本は簡単に言えば、中国とロシアを特権的な地位から追い出したいということだ。新しい国際機関や枠組みが出来たとしても、大本に中国とロシアの排除があるならば、少なくとも中国やロシアは入らない。また、アメリカと中露の間でバランスを取りたい国々も厳しい他立場に追い込まれる。世界は再び2つに分かれての新たな冷戦状態になる可能性もある。冷戦とは「長い平和」だったという主張もあるが、世界各地で悲惨な戦争、内戦が続いたこともまた事実だ。世界は混とんを深めていく。

 日本がウクライナに対して軍事支援をすることはできないし、そうなれば経済制裁を続けて下さい、民生用の支援をお願いしますということくらいしかできない。だからどうしても総花的になってしまう。日本という国がやるべきことはそれくらいで良いし、それくらいしかできない。国民はウクライナ戦争以来、続く円安や資源や資材不足による、物価高騰を甘受しなければならない。そのために支払う代金だって言ってみれば、ウクライナ支援の一環だと牽強付会で言えば言える。今は戦争がエスカレーションしないことを望む。そのためにアメリカが参戦して直接ロシア軍と矛を交えるような事態に陥らないことを望む。ルシタニア号事件や真珠湾攻撃のようなことが起きないように祈るばかりだが、私は悲観的になっている。

 

(貼り付けはじめ)

●「「日本のみなさんもきっと…」ゼレンスキー大統領、演説の内容とは」

ウクライナ情勢

2022323 2029分 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASQ3R6R2JQ3RUTFK01H.html

 ウクライナのゼレンスキー大統領が同時通訳を介し、23日に行った演説の概要は以下の通り。(言葉は、演説の原文を訳したものではなく、同時通訳によるものです)

「チェルノブイリ原発が支配されました」

 細田衆議院議長、山東参議院議長、岸田総理大臣、日本国会議員のみなさま、日本国民のみなさま、本日は、私がウクライナ大統領として史上初めて、直接みなさまに対しまして、お話しできることを光栄に存じます。

 両国の間には8193キロメートルあります。経路によって飛行機で15時間もかかります。ただし、お互いの自由を感じる気持ちとの間の差はないです。生きる意欲の気持ちの差はないです。それは224日に実感しました。日本がすぐ援助の手を差し伸べてくださいました。心から感謝しております。

 ロシアがウクライナの平和を破壊し始めたときには、世の中の本当の要素を見ることができました。本当の反戦の運動、本当の自由、平和への望み、本当の地球の安全への望み。日本はこのようなアジアのリーダーになりました。

 みなさまがこの苦しい、大変な戦争の停止のために努力し始めました。日本がウクライナへの平和の復活に動き始め、それはウクライナだけではなくてヨーロッパ、世界にとって重要です。この戦争が終わらない限り、平和がない限り、安全に感じる人がいないでしょう。

 チェルノブイリ原発の事故をご存じだと思います。1986年に大きな事故がありました。放射能の放出がありました。その周りの30キロゾーンというのがいまだに危険なものでありまして、その森の中には事故収束当時から多くのがれき、機械、資材などが埋められました。

 224日にその土の上にロシア軍の装甲車両が通りました。放射性物質のダストを空気にあげました。チェルノブイリ原発が支配されました。事故があった原発を想像してみてください。核物質の処理場をロシアが戦場に変えました。また30キロメートルの閉鎖された区域を新しいウクライナに対する攻撃の準備のために使っています。

 ウクライナでの戦争が終わってからどれだけ大きな環境被害があったかを調査するのに何年もかかるでしょう。どういう核物質が空気に上がったかということです。ウクライナには現役の原子力発電所4カ所、15の原子炉があり、すべて非常に危険な状況にあります。

 すでにザポリージャ原発というヨーロッパ最大の原発が攻撃を受けています。公共施設の多くが、被害を受け、環境に対するリスクになっています。石油パイプライン、および炭鉱もそうです。またサリンなどの化学兵器を使った攻撃もロシアが今準備しているという報告を受けています。核兵器も使用された場合の世界の反応はどうなのかが、いま世界中の話題になっています。

「国際機関が機能不全」

 将来への自信、確信というのが今誰にも、どこにもないはずです。ウクライナ軍が28日にわたって、この大規模の戦争、攻撃に対して国を守っています。最大の国が戦争を起こしたのですが、影響の面、能力の面では大きくないです。道徳の面では最小の国です。

 1千発以上のミサイル、多くの空爆が落とされ、また数十の街が破壊され、全焼されています。多くの街では家族、隣の人が殺されたら、ちゃんと葬ることさえできません。埋葬が家の庭の中、道路沿いにせざるをえません。数千人が殺され、そのうち121人は子どもです。住み慣れた家を出て、身を隠すために避難しています。ウクライナの北方領土、東方領土、南方領土の人口が減り、人が避難しています。

 ロシアは海も封鎖しています。海運を障害することによって他の国にも脅威を与えるためです。すべての民族、国民にとって、社会の多様化を守り、それぞれの国境、安全を守り、また子供、孫のための将来を守るための努力が必要です。

 国際機関が機能してくれませんでした。国連の安保理も機能しませんでした。改革が必要です。ロシアによるウクライナ攻撃によって世界が不安定になっています。これからも多くの危機が待っています。世界市場における状況も不安であり、資材の輸入などの障害が出ています。

 これからも戦争をやりたいという侵略者に対して、非常に強い注意をしなければならないです。平和を壊していけないという強いメッセージが必要です。責任のある国家が一緒になって平和を守るために努力しなければならないです。

「侵略の津波を止めるために、貿易禁止を」

 日本国が建設的、原理的な立場をとっていただきましてありがとうございます。ウクライナに対する本当の具体的な支援に感謝しています。アジアで初めてロシアに対する圧力をかけはじめたのが日本です。引き続きその継続をお願いします。また制裁の発動の継続をお願いします。ロシアが平和を望む、探すための努力をしましょう。

 ウクライナに対する侵略の津波を止めるためにロシアとの貿易禁止を導入し、各企業が撤退しなければならないです。

 ウクライナの復興を考えなければならないです。人口が減った地域の復興を考えないといけないです。

 それぞれの人たちが、避難した人たちがふるさとに戻れるようにしなければならないです。日本のみなさんもきっとそういう気持ちがお分かりだと思います。住み慣れたふるさとに戻りたい気持ち。

 予防的に全世界が安全を保障するために動けるためのツールが必要です。既存の国際機関がそのために機能できないので、新しい予防的なツールをつくらなければならないです。本当に侵略を止められるようなツールです。日本のリーダーシップがそういったツールの開発のために大きな役割を果たせると思います。

 ウクライナのため、世界のため、世界が将来、明日に対して自信を持てるように。安定的で平和的な明日が来るという確信ができるように日本の国民のみなさま、一緒になって努力し、想像以上のことができます。

「日本がウクライナと共にいられることを期待」

 日本の発展の歴史は著しいです。調和をつくり、調和を維持する能力が素晴らしいです。環境を守って文化を守るというのが素晴らしいです。ウクライナ人は日本の文化が大好きです。それはただの言葉ではなくて本当にそうです。2019年私が大統領になって間もなく、私の妻が目がよく見えない子供のためのプロジェクトに参加しました。それはオーディオブックのプロジェクトでした。そして日本の昔話をウクライナ語でオーディオブックにしました。ウクライナ語で。

 それは一つだけの例ですけれども、日本の文化が本当にウクライナ人にとって非常に興味深いです。距離があっても、価値観がとても共通しています。心が同じように温かいです。

 ロシアに対するさらなる圧力をかけることによって平和を戻すことができます。また国際機関の改革を行うことができるようになります。将来の反戦連立が出来上がった際に、日本が今と同じようにウクライナと一緒にいらっしゃることを期待しています。ありがとうございます。

 ウクライナに栄光あれ。日本に栄光あれ。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 現在のアメリカのバイデン政権における複数の重要閣僚は一つのコンサルタント会社の出身だ。それは「ウエストエグゼク・アドヴァイザーズ社(WestExec Advisors)」という。その代表がミシェル・フロノイ(Michèle Flournoy)元国防次官だ。これまでアメリカの国防長官に女性が就任したことはない。女性初の国防長官になるならこの人だとずっと言われてきたのがミシェル・フロノイだ。フロノイが代表を務めるウエストエグゼク・アドヴァイザーズ社からジョー・バイデン政権に重要閣僚が多く入っている。詳しくは拙著『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』を読んでいただきたい。バイデン政権とアメリカの外交政策について理解するにあたり、本書はお役に立てるものと自信を持っている。以下の記事はロシアによるウクライナ侵攻に関する発言をまとめたものだ。こちらも是非お読みいただきたい。

(貼り付けはじめ)

元国防次官がウクライナ紛争を乗り切るための企業へのアドバイスを語る(How A Former Under Secretary Of Defense Is Advising Companies To Navigate Ukraine War Disruptions

スティーヴン・エリルリッチ筆

2022年3月8日

『フォーブス』誌

https://www.forbes.com/sites/stevenehrlich/2022/03/08/how-a-former-under-secretary-of-defense-is-advising-companies-to-navigate-ukraine-war-disruptions/?sh=561db783b54d

「物事はより良くなる前にはより悪くなる(Things will get worse before they get better)」。オバマ大統領の下で国防次官を務め、クリントン大統領の下では国防次官補代理を務めたミシェル・フロノイは、クライアントからロシアのウクライナ戦争について尋ねられた時、まずこのような助言をするそうだ。

現在、ボストンコンサルティンググループと提携し、企業の役員や民間企業に助言を行っている、ウエストエグゼク・アドヴァイザーズ社(WestExec Advisors)の共同設立者兼マネージングパートナーであるフロノイは、1945年以来ヨーロッパで最大の地上戦に至った経緯と、今後数ヶ月から数年の間に企業が行うべき難しい選択について企業が理解できるよう日々取り組んでいる。

『フォーブス』誌とのインタヴューの中で、フロノイは、よくある誤解として、弾丸や迫撃砲が飛んでこなくなれば、いつでも元の状態に戻るという考えをすぐに否定する。実際、戦闘が終わった後も、課題はずっと続くという。フロノイは「紛争が解決するにはかなりの時間がかかるし、その後もプーティンのせいで多くの制約や制裁が残るだろう」と述べた。

フロノイは、この紛争がこれほどまでに難航するのは、プーティン側の一連の失策と間違った思い込みが、彼を泥沼に陥れたからだと言う。中でも、アメリカとヨーロッパの同盟諸国が、ロシアの金融部門と中央銀行に対して前例のない制裁措置を科したことで、厳しい統一的な対応をとることを予測できなかったことが大きい。フロノイは「NATOが見せた結束の度合いにプーティンはショックを受けたのだろう」と述べた。

フロノイはまた、プーティンの「近代的な」ロシア軍への誤った信頼も指摘しており、おそらく「イエスマン」に囲まれているために、彼は2014年のウクライナ南東部のクリミア半島の併合と同様の迅速な勝利を期待するようになったのだ。

最後に、そしておそらく最も重要なことは、ウクライナの人々の意思を否定したことである。フロノイは「彼は自軍を過大評価し、またウクライナ軍と、ウクライナ国民が冷戦終結後に経験した民主政治体制と自由のために戦おうとする度合いを過小評価した」と発言した。

これらのことは、ロシア、特にプーティンが否定的な結果、または膠着状態に陥る可能性があることを意味する。実際、従来の常識では、ロシア軍の規模の大きさから、最終的にはウクライナを敗北させると考えられてきたが、フロノイは必ずしもそうとはならない可能性を示唆している。フロノイは「現在、アメリカのロシア軍アナリストの間では、ロシア兵がキエフを包囲することはできないかもしれないとの憶測が流れている」と発言している。たとえ主要都市が陥落しても、ロシア軍に対抗するための十分な資金と洗練された抵抗軍が存在するとフロノイは予想している。

今日の紛争と歴史的な類似点を探すとき、多くのアナリストは1938年のドイツのスデーテンランド侵攻を、宥和政策(appeasement)の危険性を示す教訓として見ている。しかし、フロノイは、第二次世界大戦中のロシアのウクライナ侵攻を、1942年のヒトラーのロシア侵攻になぞらえて、別の見方をする。フロノイは、ロシアのウクライナ侵攻を、1942年のヒトラーのロシア侵攻になぞらえ、「あれは過剰拡張(オーヴァーリーチ、overreach)で戦争に負けたが、彼はそのことを知らなかった」と述べた。

フロノイは、プーティンも同じ傲慢さに屈したと言う。フロノイは次のように発言した。「ウクライナ東部や、ロシアの勢力圏を再構築するために使ってきたグレーゾーン戦術を超えるつもりだという過信(overconfidence)だ。今、私は通常の軍事力を使って他の国を侵略しようとしている。これは戦略的誤算や過剰拡張の典型的なケースとして歴史に残るだろう」。

しかし、ウクライナの支援者たちはロシアの苦戦を心強く思うかもしれないが、投資家や経営者、その他の利害関係者が心配する理由もまた存在する。紛争が解決しないまま長引けば長引くほど、制裁はより厳しくなり、ウクライナの統治は、それがどういう形であれ、より困難になる。

そうなると問題は、プーティンがどう対応するかである。また、この偶発事故(misadventure)がプーティン個人に大きな影響を与える可能性もないとは言えない。フロノイは「確率の低い出来事だ。しかし、事態が進行するにつれ、ロシア国内の抗議運動が増え、オリガルヒの間で不満が増えれば、プーティンは大統領の座から追われ、場合によっては声明を失う可能性もある」と述べた。

フロノイは、このロシアの冒険主義(adventurism)が世界最大のホットスポットの一つである台湾に与える影響についても、クライアントに助言を与えている。中国がロシアを見習い、1949年の共産主義革命以来、北京の大きな目標である台湾を武力で制圧しようとするのではないか、と多くのアナリストが考えている。

しかし、フロノイは、ロシアの挑戦と評判の大暴落が、そのような侵略がすぐに起こる可能性を低くしていると考えている。台湾の蔡英文総統と会談し、台湾の人々がウクライナの意志の強さに心を動かされたと語ったばかりだ。

加えて、中国の立場からフロノイは、習近平国家主席が国際的に孤立してしまうことに監視を持っていないと指摘している。フロノイは更に、中国がロシアと緊密な関係を築き、経済的な結びつきを強めていると思われているが、それに惑わされないことが重要であると指摘する。実際、ウクライナ戦争は両国関係を冷え込ませることになりかねないと指摘する。「今、彼らは制裁の効果を弱めようとこれまで以上の努力を傾けている。しかし、最終的には、これが、プーティンにとって、うまくいかなければ、習近平は、距離を置く方法を見つけることになると考えている」とフロノイは述べた。

台湾はアメリカにとってウクライナよりもはるかに大きな貿易相手国であり、今日の経済にとって不可欠な半導体などのハイテク製造に携わっているため、この分析は投資家にとっては多少の安心材料になるかもしれない。

しかし、アジアで事業を展開する投資家や企業は、ウクライナで起きていることと無縁でいられると考えるべきではない。フロノイは最後に、ロシアの制裁対象機関に協力する中国の銀行や企業に影響を与えかねない二次的制裁に注意するよう、クライアントたちに助言を与えた。これらの企業は、関連する制裁違反の罪を犯すことになり、最終的にアメリカの罰則に直面することになりかねない。アメリカの経済戦争に決して好意的でない中国は、おそらく報復措置を取るだろう。

フロノイは「私たちは、多くのクライアントが、中国でのビジネスに関するリスク管理とリスク軽減の戦略を練っています」と述べた。

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瀬戸際にあるロシアとウクライナ:ミシェル・フロノイとの対話(Russia and Ukraine on the Brink: A Discussion with Michèle Flournoy

2022年2月15日

ウィルソン・センター

https://www.wilsoncenter.org/event/russia-and-ukraine-brink-discussion-michele-flournoy

■概説(OVERVIEW

ロシアがウクライナとの国境に兵力を集め続ける中、アメリカとNATOは起こる可能性がある紛争を抑止するための選択肢を検討する。ウィルソン・センターは、ミシェル・フロノワ元国防次官との対話を開催し、ウクライナの現場状況の詳細、抑止力の見通し、そしてこの危機がアメリカの安全保障上の利益に与える影響について検討した。

■重要なポイント(Key Takeaways

ウクライナ東部、ベラルーシに駐留しているロシア軍、黒海のロシア海軍部隊は、ヨーロッパが戦争の瀬戸際にいることを示唆している。特殊作戦や空挺部隊投入も視野に入っている。外交的な打開策と危機の緩和の可能性はますます遠のいている。

バイデン政権は、ロシアの偽旗作戦の可能性を示す情報などを積極的に共有し、ロシアの偽情報や作為的な挑発の影響を軽減することを政策として決定した。アメリカはまた、外交と潜在的制裁への統一的アプローチを確保するため、連合軍と欧州の同盟諸国の結束を強化することに重点を置いている。

このシナリオにおける「真の成功」とは、プーティンが成功するはずがない、あるいは侵攻のコストが高すぎると、前もって説得することである。ロシアがウクライナに侵攻した場合、成功とは、ロシア軍を撤退させ、ウクライナに民主的に選出された政府を復活させることによって、クレムリンがウクライナを永久にロシアの軌道に乗せるのを阻止することである。

■抜粋(Selected Quotes

●プーティンがウクライナに侵攻したら何が起こるか?(What Can We Expect to See if Putin Invades Ukraine?

「私たちはこれらを異なる時間枠で考えることが本当に重要だと私は考えている。短期的に見れば、ロシアが軍事力をフルに発揮すれば、ウクライナはそれを止めることができないだろう。ロシアは戦術的な勝利を収め、キエフを包囲し、政府に大きな圧力をかけ、もしかしたら政府を転覆させることもできるかもしれない」。

しかし、それは終わりではなく、始まりに過ぎない。今、彼らはそこにいて、より長いゲームとして考えなければならない。まず、ウクライナの人口のわずか10%が戦うと決めたとしても、それはとんでもない抵抗軍になるだろう。そして、西側諸国は、少なくとも何カ国かは、その抵抗を可能な限り支援することは間違いないだろう。エネルギー、金融、旅行、輸出規制、保険業界への制裁など、大規模な制裁が実施され、ロシア船やロシアの輸送が妨げられ、貿易は通常通りできなくなるだろう。

「結果として、非常に重い経済的負担と、完全な外交的孤立が生じるだろう。NATOEUが会合を開き、プーティンは世界のどこでも歓迎されなくなることが予想される。北京で習近平と会談することを除いてということになるが。つまり、これは長期戦だ。プーティン対西側諸国という構図になれば、きれいな図式にはならないし、プーティンにとって勝ち目のないゲームになる。私は、そのような初期の頃を経験し、ウクライナでこの侵略が繰り広げられるのを見る必要がないことを望むが、私は、プーティンが最終的に目的を達成するとは思いません。21世紀において、権威主義的な政府が、主権国家を転覆させることができ、それが不完全な民主政治体制であっても、民主政治が成功することを誰も望んでいない」。

●アメリカとNATOにとって、ロシア・ウクライナ危機からの脱出を成功させる道筋はどのようなものになるだろうか?(What Does a Successful Avenue Out of the Russia-Ukraine Crises Look Like for the U.S. and NATO?

「本当の成功は、プーティンが成功しないこと、あるいはコストが高すぎることを前もって納得させ、状況を緩和する方法を見つけ、プーティンと交渉することだ。しかし、その可能性はますます低くなっている。もし彼が戦争を始めれば、ウクライナをロシアの軌道に永久に乗せることを阻止することが成功の鍵になると考える。そして最終的には、シナリオ通りに彼の軍隊を撤退させ、ウクライナの人々が選んだウクライナ政府を復活させることだ」。

「私たちは現在の状況からでも、現在の危機からでも多くのことを学ぶことができる、そのような教訓がたくさんあると私は考えている。ヨーロッパのエネルギーのロシアへの依存を減らすために、もっと努力する必要があります。欧州のエネルギー面でのロシアへの依存を減らすことにもっと力を入れる必要があるし、アメリカやパートナー諸国におけるサイバーの回復力にももっと力を入れる必要がある。また、バイデン大統領が検討対象から外した通常兵力の投入だけでなく、他の抑止手段についても考える必要がある。そして、どうすれば誤算を避けることができるのか、真剣に考える必要がある。まだ話していないことですが、もし戦争が進めば、ロシア軍とNATO軍が互いに直面することになります。NATO軍は実際に参戦する意図を持っていないとは思う。しかし、ロシアがバルト海の空域に侵入したり、黒海で何かが起きたりすることを想像してみて欲しい。事故の余地、誤算の余地があり、そのようなことがエスカレートにつながらないよう、細心の注意を払わねばならない」。

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元国防省トップが、ロシアが原発を押収したのは「極めて無責任」と発言(Former top defense official says Russia 'extremely irresponsible' in seizing nuclear plants

マイケル・シュニール筆

2022年3月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/sunday-talk-shows/597080-former-under-secretary-for-defense-says-russia-was-extremely

元米国国防次官ミシェル・フロノイは日曜日、ロシア軍がウクライナの原子力発電所を占拠した方法について、「極めて無責任」であると述べた。

フロノイはCNNの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」でキャスターのジェイク・タッパーにこの出来事について質問された際、「私の最大の懸念は、原子力発電所を砲撃するという信じられないほど無責任な方法を取ったことだ」と述べた。

フロノイは更に「実際に格納容器が破損して放射性物質が放出されなかったのは、まさに幸運としか言いようがない。だから、彼らはこの件に関して極めて無責任だ」と発言した。

オバマ政権下で3年間務めた元国防次官フロノイは、ロシア当局が「重要なインフラ、エネルギー、暖房用ガス、水、食料を支配し、再びウクライナ人を包囲下に置き、彼らの意志を挫こうとしている」と述べた。

ロシアは金曜日にウクライナのザポリジャー核施設を掌握した。同施設の訓練センターで火災が発生した。しかし、国連の監視機関である国際原子力機関(IAEA)は、この火災によって大気中に放射能が放出されることはなかったと発表している。

その数日前、モスクワは1986年に致命的な原発事故が起きたチェルノブイリ原発の敷地を占領した。

国防省高官は金曜日、記者団に対し、モスクワ軍がザポリジャー原子力発電所を占拠した後、アメリカはロシアの目先の「意図」に「深い懸念」を抱いていると述べた。

在ウクライナ米国大使館は、ロシアによる原発攻撃は「戦争犯罪(war crime)」だと述べた。

「原子力発電所を攻撃することは戦争犯罪である。プーティンはヨーロッパ最大の原子力発電所を砲撃し、恐怖の支配をさらに一歩進めた」と米国大使館は金曜日にツイッターに投稿した。

ロシア軍は現在、ウクライナの別の原子力施設に迫っていると報じられている。

リンダ・トーマス・グリーンフィールド米国連大使は国連安全保障理事会で、ウクライナ国内で2番目に大きいとされるユジノウクライナ原発にロシア軍が漸進して近づいていることを明らかにした。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 私は自分ではリベラルを自認し、戦争は忌避する、政治の責任とは徹頭徹尾戦争を避けることだと考えている。戦争とは外交の失敗であり、その象徴が真珠湾攻撃だったと考えている。相手に挑発されたり、騙されたりで戦争をすることまで追い込まれた時点で負けであり、その時の政治における最高指導者たちの罪は万死に値すると考えている。従って、指導者選びは慎重にしなければならないということも考えている。

 今回のロシア軍によるウクライナ侵攻で驚いたのは、日本でリベラルを自認している人たちが好戦的になっていることだ。そのこと自体に驚いているのではなく、アメリカにおけるネオコンと人道的介入主義派の関係に丸のままそっくりだということだ。「自分たちは安全な場所にいて、無責任にお勇ましい言葉を弄して、自分の煽動的な言葉の結果としてどこかで人が死に向かっているという自覚がない」という現象は残念ながら洋の東西を問わずにどこでも容易に発生することのようだ。

 以下にご紹介する論稿は私が言いたいことを全て含んでいる。これ以上に言いたいことは今のところ存在しない。私だって切れば赤い血が出る人間だ。痛ましい映像やニューズに接すれば心が痛む。何とかならないのか、プーティンはどうして戦争を始めたんだと怨嗟の声を上げたくなる。これ以上、ウクライナ、そしてロシアの人々が死ななくて済む、情勢を好転させる方法はないのかと考える。

 しかし、そのような感情の動きに支配されるのは危険なことだ。ナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン〈上〉――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』でも指摘されているように、人々が考えることができなくなる時や冷静な判断を下せなくなる時こそは権力側にとって大きなチャンスとなる。戦争を拡大させることで利益を得る人々というのがいる。そういう人々は今の状況を利用する。そして、気づいてみたら手の施しようのない更に酷い状況になっているということになってしまう。

 私たちは冷静にかつ穏やかに生きていくべきだ。SNSはエコーチェンバーのようになって、個人の声が大きく増幅される。影響力が大きい人物の声程そうなる。そういった時に、安易にお勇ましい発言をするというのは戦争を煽動しているのと同じで、私にとってみれば、非常に危険なことということになる。今の日本は非常に危険な状態にあると言わざるを得ない。第三次世界大戦が始まって、核兵器使用が現実味を帯びるようになってから、「そんなつもりで言ったのではない」と言ってみても始まらないのだ。

(貼り付けはじめ)

私たちは感情をひとまず脇にどかしてウクライナに関して厳しい問いをしなければならない(We must put emotions aside and ask the hard questions on Ukraine

ジョシュア・C・フミンスキ筆

2022年3月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/598786-we-must-put-emotions-aside-and-ask-the-hard-questions-in-ukraine

一つの国家として、また政策レベルで、モスクワとのエスカレーション・スパイラル(escalation spiral)につながる可能性のある措置を取る前に、ウクライナにおけるアメリカとNATOの利益について真剣に話し合い、厳しい疑問を投げかける必要がある。

自分たちの優先事項は何か、私たちの戦略的利益は何か、現地で政治的解決の条件を整えることを支援するためにどのようなリスクなら受け入れられるかについて、私たちは自分たち自身に問いかけねばならない。私たちはリスクとどのような結果になるかについて澄んだ目で見なければならない。これらの問いに対する答えが、ウクライナへの支援の範囲や拡大に関する私たちの意思決定の原動力となるはずである。

家族が引き裂かれ、難民が近隣諸国に避難し、ウクライナの人々が勇敢で英雄的であるという心痛む光景が、このような計算を人間的ではないものとし、非常に困難なものにしている。ハードパワー、利益、リスクについて冷静に問いかけ、検討するよりも、ソーシャルメディアで拡散される感情的なイメージやストーリー、ロシアの侵攻に対する社会の反応というパフォーマンス的な側面に振り回される方がはるかに楽である。実際、ウクライナが情報戦に成功したことで、キエフがロシアの猛攻に耐えられるという期待が高まり、モスクワの戦争を維持する能力が過小評価されたのかもしれない。

結局のところ、私たちは厳しい問いを立て、率直な答えを求めなければならない。ウクライナにおける我々の利益は何なのか? 達成可能な政治的成果とは何か? ウクライナで政治的に許容できるコストで何が達成できるのか? 私たちの行動は暴力や被害を拡大させることになるのか? 我々の行動は危機のエスカレーションや拡大の可能性につながるか? その政治的目的のためにNATO軍やアメリカ軍を危険な状況に追い込むことをいとわないか? 核保有国との敵対関係がほぼ確実な状況にNATOや米軍を追い込むことをいとわないか? モスクワはどう反応するだろうか?

もし、飛行禁止区域の設定や人道的回廊の確立が道徳的に正しく、政治的に必要な決定であると信じるならば、2次、3次の質問に答える用意が必要であろう。NATO軍機が撃墜されたらどうなるのか? ブリュッセルやワシントンはどう対応するのだろうか? NATOが報復した場合、モスクワの必然的な対応に備えることができるのか? こうしたやりとりを、もっと悲惨な事態にエスカレートさせないようにするには、どうすればいいのか? そのような介入は前述のような挑発行為につながるのか? もしそうなら、その時に私たちはどのように対応するのか?

これらの問いに対する答えが何よりも私たちの政策決定の原動力とならなければならない。 

また、今回の危機はこれまでの危機とは異なるという認識を、私たち自身とロシアに明確に示す必要がある。誤算とエスカレーションのリスクは非常に現実的であり、潜在的な結果も同様である。これは、1991年や2003年のイラクでも、2001年のアフガニスタンでも、2011年のリビアでもない。これらの紛争は、西側諸国がせいぜいわずかな敵に対して圧倒的な通常戦力の優位のもとで実行されたものであり、現在のウクライナにはなかった条件だ。ウクライナにおけるロシアの最近の軍事的パフォーマンスはともかく、ロシアは依然として、非従来型および伝統的なパワーを行使する能力を持つ、ほぼ同格の核保有国

私たちは今、ウクライナの戦場でNATO・アメリカ軍がロシア軍と直接対峙するまで、1つか2つの決断を迫られている。もし私たちが慎重かつスマートな方法で行動しなければ、誰が最初に瞬きをするか、あるいは全く瞬きをしないかの結果は、破滅的なものになる可能性がある。私たちは、これらの問題を反応的にではなく、積極的に考えなければならない。 

国家安全保障問題担当大統領補佐官ジェイク・サリヴァンは、CNNの「ステート・オブ・ザ・ユニオン」でこのように述べ、「核保有国によるエスカレーションのリスクは深刻で、アメリカ国民が長年見てきた他の紛争とは異なる種類の紛争だ」と警告を発した。サリヴァンは更に「アメリカの大統領であるジョー・バイデンはその責任を極めて真剣に受け止めなければならない」と述べた。

今回の危機に最も近い類似ケースは、コソボ紛争でロシアがNATO軍の進撃に先立ちプリシュティナ空港を占拠した時であろう。NATO連合国ヨーロッパ遠征軍最高司令官ウェズリー・クラーク米陸軍大将がマイク・ジャクソン英陸軍中将に空港を奪還するよう指示し、ジャクソンは「あなたのために第三次世界大戦を始めるつもりはない(I’m not going to start the third world war for you)」と言ったと伝えられている。この事件では冷静さが勝り、その深刻さは議論の余地があるが、核武装した2つの国が互いに撃ち合うことは、どのようなシナリオであれ望ましくないことである。    

エスカレーションについて言えば、それを恐れてはならない。エスカレーションを恐れることは、敵に心理的な領域を譲ることであり、ウラジミール・プーティンは間違いなくそれを利用するだろう。むしろ、西側はエスカレーションのリスクを認識し、それに対して慎重でなければならない。もし欧米諸国が、ウクライナへの関与の範囲を狭め、政治的に定義された目的を達成するためにエスカレーションを管理できると考えるなら、エスカレーションのリスクは許容範囲内である。しかし、それには非常に大きな「もし」という言葉がつく。

また、プーチン大統領がエスカレーションをどのように理解しているのか、その理解も求めなければならない。チャタムハウスのジェームズ・ニクセイは、「核による威嚇は彼の標準的なレパートリーであり、戦争ではなく、外交戦術として成功し、ロシアに何か非道なことをさせたいと思った場合にこのような行動が取られる」と書いている。

トム・マクテイグは、『アトランティック』誌の記事の中で、ウクライナをめぐって一種のパーフェクト・ストーム(perfect storm)が形成される危険性があることを正しく論じている。「プーチンの蛮行、ウクライナの成功、西側の楽観主義によって煽られた西側のウクライナ支援の拡大が、ロシア政権の弱体化と結びついて、絶望から生まれる誤算の条件を作り出す危険性がある。では、これが本当のリスクかというとそうとも言えない。ウクライナでの「特別軍事作戦(special military operation)」や限定戦争(limited war)を、NATO諸国にまで範囲を広げ、蛮行や非通常兵器の使用をエスカレートさせたり、どこか別の場所で挑発しようとしたりする誤算とエスカレーションが進むことこそがリスクである。  

私たちは、どのように行動すべきか、その行動が何をもたらすかを決定する際に、何よりも私たちの利益を考慮しなければならない。そして、これらの行動(または行動しないこと)の決定には結果が伴うため、私たちは明確な計算を行わなければならない。

※ジョシュア・C・フミンスキ:大統領・連邦議会研究センター内のマイク・ロジャース情報諜報・国際問題センター部長兼ジョージ・メイソン大学国家安全保障研究所客員研究員。

ツイッターアカウント:@joshuachuminski.

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 ロシアによるウクライナ侵攻は膠着化しつつあり、双方にとって泥沼化していく可能性が高まっている。ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は3月中旬にウクライナのEUNATOの加盟は行わない(どちらもウクライナを入れようと本気で考えていないことがよく分かったと発言した)ことを示唆した。私はこれが叩き台というか、前提になって停戦交渉が進むのではないか、と考えた。そもそも1回目の停戦交渉の時にはいかなる条件も付けずに交渉を行うということだったので、「ある程度の不利を甘受しても低羽扇に進むのだろう」と私は考えていた。そして、EUNATOに入らないということ(入れてもらえないと分かった)を述べていたので、停戦に進むだろうと考えていた。

 しかし、それから急に欧米諸国の議会でヴィデオ演説を始め、戦争を煽り始めた。アメリカ連邦議会での演説の後、アメリカの議員たちの中には強硬な意見を吐く者たちも出ている。ジョー・バイデン大統領と側近たちは戦争のエスカレートだけは避けねばならないということで慎重な姿勢を堅持してきたが、エスカレートさせよという圧力も高まっている。そうなれば、不測の事態が起き、最悪の場合には米露が核爆弾を搭載したミサイルを発射し合うということにもなりかねない。

 そして、今回のロシアとの交渉が決裂すれば世界大戦が始まるというゼレンスキー大統領の発言である。ウクライナ自体には世界大戦を始める力はない。しかし、ウクライナがアメリカや国連安保理理事国でありイギリス、フランス、G7のドイツ、カナダ、日本、大きな枠組みでNATOを戦争に巻き込めば世界大戦は起こる。そうなれば戦禍はウクライナ以外にも拡大することは容易に予想されるし、それこそ米露の領土内に核ミサイルが着弾すれば甚大な被害が出る。ウクライナとロシアとの交渉が決裂しても、他国が慎重に対応していれば(飛行禁止区域設定や戦闘機供与を行わない、軍隊をウクライナに派遣しない)、世界大戦は起きない。不幸なことだが、ウクライナ国内で戦争が長引いて、ウクライナ国民の不幸が長引くだけだ。

 ゼレンスキー大統領は、ロシアとの交渉が決裂すれば、欧米諸国を巻き込んで戦争を拡大するということを警告した。しかし、欧米諸国が慎重な姿勢を崩さねば、戦争は拡大しない。しかし、その慎重な姿勢を崩す、欧米諸国も巻き込んでやる、高みの見物を許さないということであり、そのための戦術として欧米諸国の議会で演説し、下手(したて)に出て、相手のプライドをくすぐり、また、高圧的に出て相手の嫌なところをぐりぐりとついてみたいしている。私は戦争が拡大することには反対であり、ゼレンスキー大統領はこの点で非常に危険な人物であると考えている。戦争を拡大することは戦争屋、軍事産業を肥え太らせることにつながるが、ゼレンスキーがやっていることは、ウクライナ国民の中にある愛国心や義侠心を利用して、こうした人々を肥え太らせる手伝いをしているようにしか見えない。

 再度言いたい。ゼレンスキー大統領は危険だ。

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ロシアとの交渉が決裂すれば世界体制が起きるとゼレンスキーが警告(Zelensky warns of third world war if negotiations with Russia fail

オラハミハン・オシン筆

2022年3月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/sunday-talk-shows/598934-zelensky-says-if-negotiations-fail-with-russia-there-would-be-a

ウクライナ大統領ヴォロディミール・ゼレンスキーは日曜日、ロシアとの交渉が不調に終われば第三次世界大戦が起きるだろうと警告した。

ゼレンスキーはCNNのファリード・ザカリアに対して、ロシア大統領ウラジミール・プーティンとの交渉は極めて重要であり、モスクワが侵攻を開始して以来、ウクライナは締め付けられてきていると述べた。

ゼレンスキーはザカリアに対して「私たちは毎日のように、罪のない人々を失い続けてきた。ロシア軍は私たちを抹殺するために来た」と語った。

ゼレンスキーは続けて「残念ながら、私たちの尊厳では命を守れない。だから、プーティンと話す可能性を持つために、どんな形式でも、どんなチャンスでも、やらなければならないと思っている。しかし、これらの試みが失敗すれば、それは.第三次世界大戦を意味する」と述べた。

ザカリアはまた、ゼレンスキーに、ウクライナはロシアの侵攻を終わらせるために、プーティンが要求しているNATOへの加盟を見合わせるなど、妥協する考えはあるかと質問した。

ゼレンスキーは「もうこの状況を覆すことはできない。紛争を意図して奪われた領土を認めるようウクライナに要求することはできないし、こうした妥協は単純に間違っている」と続けた。

国連は最近、ロシアによる侵攻開始以来、ウクライナ国内で650万人が避難生活を送っていると発表した。

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ゼレンスキーはバイデンの対ロシア戦争をけなす(Zelensky rubbishes Biden’s war on Russia

-ロシア・ウクライナ戦争はアメリカの意思を他国に強制する能力が否応なく低下していることを示している。

MK・バハドラクマール筆

2022年3月11日

『アジア・タイムズ』紙

https://asiatimes.com/2022/03/zelensky-rubbishes-bidens-war-on-russia/

ロシアが安全保障の要求をワシントンに伝えた2021年12月中旬以降に起こったことは、いったい何だったのだろうか? この疑問は、ジョー・バイデン米大統領が公職を退いた後もずっとつきまとうだろう。

バイデン大統領時代の外交政策上の財産と半世紀にわたって公職にあり、その多くがアメリカの外交政策の領域であったはずの、この大いに期待される80歳の政治家の評判はボロボロで修復不可能な状態にある。

ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は、ウクライナが北大西洋条約機構の加盟を目指さないというロシアの要求に対して譲歩したとのニューズ報道があった。

今週初め、ABCニューズのインタヴューで、ウクライナのNATO加盟をもう迫らないことを明らかにした。

実際、ゼレンスキー大統領は、「NATOがウクライナを受け入れる用意がないことを理解した後、この問題に関してはずいぶん前に冷静になった」とさりげなく付け加え、うっかりと事実を暴露してしまった(let the cat out of the bag)。

ゼレンスキーはその理由を「NATOは議論が分かれるような内容のものに恐れを抱いている。そして、とロシアと対峙することも恐れている」と説明した。

これは、東部ドンバス地域のルガンスクとドネツクの2つの分離共和国の主権とクリミアの地位について「妥協する余地がある」と先に明かした後のことである。

ABCニューズは東部時間月曜夜にこのインタヴューを放映したと報じている。それ以来、ウクライナ戦略、あの終末的な「地獄の制裁」、そしてここ数ヶ月のプーティンの悪魔化を指揮したバイデン陣営の2人組、アントニー・ブリンケン国務長官とヴィクトリア・ヌーランド国務次官はどこにも姿を見せなくなった。

ブリンケンが運転し、ヌーランドが隣でナビゲートするという東欧系の2人組がフロントシートに座っており、超大国としてのアメリカの威信を事実上失墜させているこの茶番劇について説明する必要があるのではないか?

疑問は山ほどある。第一に、ロシアの正当な安全保障上の要求、特にウクライナのNATO加盟と同盟の更なる拡大に関して妥協点を見出すことがそれほど容易であるなら、問題の緊急性を考慮すれば、なぜバイデンはその議論すら頑なに拒否したのだろうか?

バイデンは、来る6月29日から30日にかけてマドリッドで開催されるNATO首脳会議でウクライナの加盟を正式に決定することによって、モスクワに既成事実を作るために賢く行動したということなのだろうか?

ほとんどの国の経済が新型コロナウイルス感染拡大後の経済回復の道に入りつつあるこの時期に、ヨーロッパ経済を不安定にし、世界の石油市場を揺るがす必要があるか?

ウクライナの政権や体制に対するバイデンの不自然なまでの執着の理由な何なのか?

80歳の世界的政治家にふさわしくない、バイデンや周辺者たちのロシアに対するこのような直感的な憎悪はなぜなのか?

火曜日のホワイトハウスでの演説が示すように、ロシアに対する経済戦争がバイデンにとって非常に個人的な問題になっているのは何故か?

しかし、ウクライナのNATO加盟をめぐるこの一連のエピソードに、このような不名誉な結末が待っていたのはまったくの予想通りのことであった。バイデン、ブリンケン、ヌーランドは、1万キロも離れた場所で、他国の内政に干渉し、脅し、懲らしめ、アメリカの命令に逆らうことを罰するというネオコンの古い習慣に興じているど素人たち(dilettantes)である。

ゼレンスキーがインタヴューで話した後も、バイデンはどんな反応をしているのか? 彼は、アメリカが今後ロシアから石油を輸入しないことを発表するために演説を予定していた。ウクライナ戦争が収束に向かっていることに安堵のため息をつくべきではないだろうか?

その代わり、バイデンはアメリカの聴衆に、遠い国で民主政治体制を推進し、まだ勝ち組であることを印象づけるために、この奇妙な歯抜け策に頼ったのである。このような仕掛けは、騙されやすいアメリカ国民に対する侮辱ではないだろうか?

バイデンは、ヨーロッパの人々が、ロシアの石油に大きく依存していることを考えると、ロシアに対するそのような動きには興味がないとはっきり言った後に、この新しい一歩を踏み出したのである。

第二に、バイデンは、アメリカが実際に自分の足元を撃っていることを知らないか、そうでないふりをしているようだ。ロシアの価格は非常に競争的であり、アメリカの企業は今後、精製所に適した重質油を調達するために、より多くの費用を支払わなければならなくなるからだ。

バイデンは既にプライドを飲み込んで、アメリカの不自由な制裁下にあるヴェネズエラに官僚ティームを送り込み、ロシアの石油の代わりにニコラス・マドゥロ大統領(彼は少し前に社会主義者であるとしてCIAのヒットリストに載っていた)から石油をせびるようになっている。

マドゥロ大統領は、ヴェネズエラとアメリカのより広い互恵的な関係(mutually beneficial relationship)を示唆し、うまくやり返してきた。このドラマは全て、西半球全体が目撃する白昼の中での出来事となった。彼らは、アメリカの大統領がカカシ(man of straw)であることを笑っているのではないだろうか?

バイデンは、アメリカがロシアから石油を買うのをやめれば、プーティンが彼の「戦争マシーン」を動かすための資金を持てなくなるとを確認していると主張している。これは笑わずにはいられない主張であり、ほぼ嘘と言えるものだ。

アメリカはロシアの石油輸出総量の約12%を購入していた。なるほど、これはまともな数字だ。しかし、バイデン大統領の「地獄からの制裁(sanctions from hell)」のおかげで原油価格が1バレル130ドル近くまで高騰した世界市場で、ロシアからの石油に他の買い手がつかないとは誰にも断言できない。

バイデン大統領による石油輸入制裁措置で余った在庫を解消するために、ロシアが(アメリカ企業に対して行ってきたように)競争力のある価格を提示すれば、いくらでも買い手の候補は現れるのは間違いないところだ。

とにかく、バイデン大統領は、ロシアの現在の予算が、原油価格が1バレルあたり40ドルから45ドル程度になると考えてバランスを取っていることを知らないはずはないのである。現在の原油価格の水準では、ロシアは実際に大儲けしている。そして面白いことに、それはバイデンの制裁によるプレゼントなのだ。

根本的に、問題はアメリカのエリートたちが妄想していることだ。多極化した世界では、アメリカの意思を他国に強制する能力がどうしようもなく低下していることを世界の他の国々が知っているのに、アメリカのエリートたちはその現実に目をつぶっているの。現在の

ワシントンが被った戦略的敗北は、世界中でアメリカの威信を傷つけ、環大西洋における指導力を弱め、インド太平洋戦略を頓挫させ、21世紀におけるアメリカの影響力の低下を加速させるだろう。バイデン大統領の任期は、この重い十字架を背負うことになる。

この記事は、『インディアン・パンチライン』と『グローブトロッター』が共同で作成し、『アジア・タイムズ』紙に提供したものだ。

MK・バハドラクマールはインドの元外交官。ツイッターアカウント:@BhadraPunchline

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(終わり)


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