古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

2022年09月

 古村治彦です。

 世界規模での食糧価格とエネルギー価格の高騰は続いている。あらゆる商品の値上げが続き、経済はインフレイション状態になっている。好景気の結果としてのインフレイションならば物価上昇率を給与の上昇率が上回り好循環となるが、日本の場合は給料が上がらない中で物価だけが上がるということになり、人々の生活は苦しくなり、社会は不安定になる。社会が不安定になれば、体制に対する不満から騒擾や暴動、戦争が起こりやすくなるというのは歴史が示している通りだ。

社会不安からの騒擾、体制転換について思い出すのは、2011年の「アラブの春(Arab Spring)」と呼ばれた、アフリカ北部、サハラ砂漠以北(Sub-Sahran)の国々で起きた大規模な反政府デモと体制転換にまで行きついた出来事である。アラブの春によって各国の独裁者たちは排除されることになった。非民主的な体制から民主体制へと移行することを「民主化(democratization)」と呼ぶ。

 民主化というのは素晴らしいもののように思われる。確かに独裁体制や王政の圧政から人々が解放され、人々の意思が政治に反映されるということは素晴らしいことだ。しかし、多くの場合、民主化の陰には大国の思惑がある。現代で言えばアメリカの思惑がある。アメリカはデモクラシーのチャンピオンとして、「世界中にデモクラシーを拡散する」という使命を持っているのだと考える人は多い。そして、「世界中が民主国家になれば戦争は亡くなり平和になる」という「民主平和論(democratic peace theory)」という考えが出てくる。しかし、現実はそのようにはうまくいかない。

アラブの春を例に取れば、一般の人々による自発的な、下からの民主化に向けた動きということになっている。しかし、拙著『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所)で明らかにしたように、米国務省とビッグテック(2011年当時にはこの言葉は一般的ではなかった)のツイッターとフェイスブックが関与したものである。計画的なものであった。アメリカは自分たちがみんしゅかしたいと考える国々の社会不安を利用する、もしくは社会不安を引き起こすということをこれまでやってきた。

 今回のウクライナ戦争をきっかけにエネルギー価格や食料価格の高騰が続いている。これらによって対ロシア制裁に踏み切った先進諸国内での人々の生活は苦しさを増している。日本でもあれだけ暑かった夏も過ぎ、朝晩は涼しい、もしくは寒いということになっている。ヨーロッパ諸国では例年天然ガスの価格が安い夏に冬に備えて備蓄するということが行われていたが、今年の夏はそれができなかった。今年の冬がどのような寒さになるかは分からないが、降雪地帯も多いヨーロッパ各国では厳しい冬を迎えることになるだろう。人々は自衛策として薪を貯蔵しているという話も報道されている。

 先進諸国が対ロシア経済制裁を行えばロシアはすぐに屈服するという楽観的な見通しは外れて、先進諸国の国内で不満が醸成され、社会不安が起きるような状況になっている。各国で民主化を起こす前に、自国の政権がどうなるかが分からない状況になっている。アメリカでは大統領を出し、連邦上下両院で過半数を握っている民主党に対して、11月の中間選挙で厳しい判断が下されることになる。

 日本でもあれだけ盤石と見えた自民党に対しての逆風が吹いている。岸田文雄政権の支持率が低迷している。これは、安倍晋三元首相の国葬魏の強行、統一教会と自民党との深い関係、東京オリンピックでの汚職捜査の進展、これらに加えて、人々の生活に不安感が増している状況で冬を迎えるという状況がある。

 ロシアとの関係を維持している新興国や発展途上国は少なくとも天然ガスに関しては、先進諸国よりもずっと有利な立場にいる。現物を握っている方が強いということ、先進諸国の自分たちへの過大評価と西側以外の国々(the Rest)への過小評価が一緒になって現在の状況を作り出している。先進諸国内で政情不安が起きないとも言えない。「他人の心配をしている場合か」ということだ。

(貼り付けはじめ)

食糧価格の高騰で独裁国家が崩壊した時の準備はできているのだろうか?

デイヴィッド・A・スーパー筆

2022年8月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/international/3611666-are-we-ready-for-when-dictatorships-implode-over-rising-food-prices/

ロシアがウクライナに侵攻し、世界有数の農業国である2つの国へのアクセスが阻害されたことで、世界中で食料価格が高騰している。戦闘当時両国が輸出していない商品も、入手できなくなった小麦やひまわり油で代用され、より高価になっている。さらに、エネルギー価格も高騰しているため、多くの発展途上国では、食糧が必要な時期に、食糧に使えるお金がさらに少なくなっている。

歴史上、食糧価格の高騰は、安定した専制君主(despots)に対する民衆の反乱を数多く引き起こしてきた。腐敗した政権に異議を唱えれば弾圧を受ける恐れがあった人々が、家族を養えなくなると怯え、捨て鉢になるのである。このような国民の怒りの爆発がいつ起きてもおかしくない状況にある。

残念ながら、私たちの短絡的な政策が、これらの国々の多くで民主化運動を迫害し、しばしば民主化を挫折させる一因となっている。世俗的な民主政体を求める野党の指導者たちは、民衆の反乱を指導し、怒りを前向きな方向に導くことができるだろう。もし私たちがこうした勇気はあるが困難な状況にある、人々を積極的に擁護し始めなければ、いかなる動乱も不寛容な宗教的過激派や、新世代の腐敗した日和見主義の専制君主に乗っ取られる可能性が高いだろう。

10年前の「アラブの春(Arab Spring)」革命は、専制君主制の民主化と近代化(to democratize and modernize)を目指したものと広く受け止められているが、そのきっかけはパン価格の高騰であった。エジプト革命の主要なスローガンは「パン、自由、社会正義(Bread, Freedom, and Social Justice)」であった。失業率が上昇し、食品価格が18.9%に上昇した時期に、国から補助されたパンが不足したことが、人々を街頭に繰り出させることになった。同様の価格高騰は、アラブの春以降、各地で反乱の引き金となった。

豊かな欧米諸国は、発展途上諸国の経済的に不安定な人々にとって食糧価格の重要性を過小評価しがちである。特に抑圧的な政権の下で家族を養うのに苦労している人々は、政治は自分たちにはできない贅沢だと感じているかもしれない。しかし、食糧価格が高騰すると、彼らは街頭に立つしかないと感じるかもしれない。

エジプトほど、ポジティヴな方向にもネガティヴな方向にも導く可能性を秘めた国はないだろう。エジプトは世界のアラブ系人口の約4分の1を擁し、軍事、政治、文化、宗教の分野で重要な役割を担っている。また、エジプトは小麦の輸入大国でもある。

数十年前、アンワル・エル=サダト大統領は、民衆の怒りで政権が倒れそうになった時、パンの値上げを撤回した。それ以来、歴代政権は低所得者層が利用できるように、基本的なパンの価格を低く抑えている。

汚職と新型コロナウイルス感染拡大によってエジプト経済がボロボロになる中、現大統領のアブドルファッターフ・アッ=シシ将軍は昨年、パンの値上げを提案した。批判が殺到し、政府はすぐに撤回した。今となっては、選択の余地はないのかもしれない。この地域の他の政府も同じような状況に置かれている。

レバノンは更に酷い状況だ。名目上はエジプトよりもずっと民主的だが、レバノンの政治は、敵対する外国勢力の代理人として機能する各ブロックによって腐敗したままである。

スリランカでは飢えた人々が通りを埋め尽くし、経済が大きく破綻して食糧を買うことができなくなった。

ギニアの首都ではデモ隊が暴れまわっている。

このように事件を数え上げればきりがない。

このような状況下では、「簡単な」解決策を約束したり、おなじみのスケープゴートを非難したりするデマゴーグが暴徒の先頭に立つことはあまりにも容易である。デマゴーグはもちろん、国民に永続的な救済をもたらすことはないだろうが、それが明らかになる前に、彼らは権力の座を固めてしまうだろう。

エジプトはその典型的な例である。何百万人ものエジプト人が、選挙で選ばれたものの抑圧的で無能なムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)の大統領モハメド・モルシに対して立ち上がった時、シシ大統領は彼らの願望を代弁すると主張し、権力を掌握したのである。何千人もの平和的なムスリム同胞団と世俗的な抗議者たちを殺害し、彼を脅かす可能性のある反対派の人物を投獄または追放した後、シシ大統領は厳しく管理された偽の選挙を実施した。

より良い方法がある。

食糧価格に対する民衆の反乱が、軍事専制主義者たち(miliary despots)とイスラム専制主義者たち(Islamic despots)の間の終わりなき二項対立の新たな局面を引き起こすのではなく、これらの反乱は有意義で持続的な変化のための機会を提供することができるだろう。世俗的で民主的な統治は、経済の成長の可能性を奪っている腐敗を不安定にする可能性がある。また、公的資金を際限のない軍備増強から国民のニーズに応えることに振り向けられるかもしれない。そして、不可避なこととして、無能な人々が大統領官邸に入り込もうとする時、民主的移行(democratic transitions)は、ムバラク大統領やシシ大統領のように長期にわたる損害を与える前に、その扉を開くことができる。

残念なことに、これらの国々の世俗的な民主的な指導者たちが刑務所に収監されたままでは、食糧を求める反乱は良い方向に向かうことはないだろう。

アラブの春デモを遅ればせながら一時的に支援したオバマ政権は、その後ほとんど関心を失ってしまった。ドナルド・トランプ政権も、抑圧的なシシ政権に制裁を加える瞬間があったが、その後、両大統領は結束を固めた。

ジョー・バイデンはより良くできるはずだ。

エジプトの民主活動家でブロガーのアラ・アブデル=ファッタは、アラブの春の重要な指導者だったが、シシが権力を握って以来、何度も投獄されている。彼は現在ハンガーストライキ中で、その健康状態は悪化していると伝えられている。 アル=シシ大統領は、幅広い国民的対話を望んでいると主張するが、アブデル=ファッタのような本物の反対派の声と話すよりも、むしろ投獄しているのである。

バイデン大統領は、シシ大統領に対して、正当な野党の声を投獄する限り、二国間関係の進展は不可能であるという明確なシグナルを送ることができるし、そうすべきである。彼は特に、アブデル=ファッタを釈放し、必要な治療を受けさせるよう主張すべきだ。

投獄された世俗的な民主政体擁護者たちのために立ち上がることはそれだけの価値がある。民主的で豊かなウクライナがロシアやベラルーシの独裁政権に疑問を抱かせるように、自由で民主的なエジプトは、この地域の多くの専制政権を弱体化させるだろう。多くの高学歴者が潜在能力を発揮できるようになったエジプトは、経済の停滞と化石燃料への依存で知られるこの地域において、急速に持続可能な繁栄を達成することだろう。

デイヴィッド・A・スーパー:ジョージタウン大学法学部カーマック・ウォーターハウス記念法学・経済学教授。また、センター・オン・バジェット・アンド・ポリシー・プライオリティーズの顧問弁護士を数年間務めた。ツイッターアカウント:@DavidASuper1

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

shinsoubankomuronaokinogakumontoshisou512
新装版 小室直樹の学問と思想

 今回は2022年9月1日にビジネス社から発売された『新装版 小室直樹の学問と思想』をご紹介します。本書は1992年に弓立社(ゆだちしゃ)から発刊され、2011年にビジネス社で復刊されました。今回、小室直樹先生生誕90周年ということで、新たに「はじめに 副島隆彦」と「おわりに 橋爪大三郎」を収めたものとなっています。

 以下に「はじめに 副島隆彦」、目次、「あとがき 新装・増補版に寄せて 副島隆彦」を貼り付けます。『小室直樹の学問と思想』をまだお読みになったことがない方は是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

はじめに 副島隆彦

 何ということだろう。西暦2022年の今、世界史にプーチンが率いる「ロシア帝国の大復活」が起きつつある。

 一体全体、何たることか。小室直樹先生の業績『ソビエト帝国の崩壊』(1980年刊)から42年。ロシアが大国になって戻って来て、ロシア帝国となって甦(よみがえ)りつつある。何と言う歴史の皮肉だろう。滅んだはずのソビエト赤色(せきしょく)帝国が、ロシア連邦(フェデレーション)の形で、仰々しく世界勝利者として復権しつつある。逆に、アメリカ帝国と西側(ザ・ウエスト)同盟(NATO[ネイト―]とEU[イーユー])のほうが、ウクライナ戦争で 緒戦(しょせん)の優位が消えて、たじたじとなり、敗勢が濃くなって来た(今年7月)。

 こんなご時勢で、『小室直樹の学問と思想』の再(さい)復刊(初版1992年刊)に私は立ち合うことになった。丁度30年が経たった。私自身が、もう老人になって(古希[こき]70歳)、自分の脳がスリ切れそうだ。知識人などという無残な商売は、わずか30年の時代の変化に耐えられない。私は己(おの)れに向かって冷笑する。

 日本の小室直樹と共にソビエトの崩壊を予言したことで知られる(1976年。邦訳『最後の転落 ソ連崩壊のシナリオ』)フランス知識人のイマニュエル・トッド(1951年生。71歳)が、再び時の人である。トッドは、「ウクライナ戦争の原因と責任は何よりもアメリカとNATOにある」とはっきりと書いた(『第三次世界大戦はもう始まっている』文春新書、2022年6月刊)。何故なら、プーチンがあれほどに、「これ以上NATOの東方拡大(イースターン・エクスパンジョン)をするな。ロシアは絶対に許さない」と何十度も警告を発しウクライナ国境線で軍事演習を行って威圧した。それなのに、西側は故意にプーチンの堪忍袋の緒を切らせた。アメリカとNATO(真実は英と米のディープステイト)は、手ぐすねを引いてロシアを打ちのめし、弱体化(ウィークン)できると思っ

て戦争を仕掛けた。

 ところが西側(ザ・ウエスト)のほうが開戦から4カ月経ったら、〝ゼレンスキー支援疲れ〟でボロボロになった。ロシアの味方に付いた中国とインドとサウジアラビアとブラジル、メキシコ、インドネシアなどの新興国・資源貧乏大国の同盟(新世界[エマージング]8と言う)のほうが大きく勝ち始めた。さらには、ロシアの核兵器のほうが進んでいて超音速(ハイパーソニック)で迎撃(インターセプト)できないので、西側(ザ・ウエスト)は脅し上げられる破目になった。ざまあ見ろである。

 小室直樹先生は、この本が出た時(1992年)言った。

「今こそ、マルクスを勉強し直さなければ。次に滅ぶのは、アメリカ資本主義である」とはっきり私に言った。さすがに大(だい)天才はちがう。そして先生は東ベルリンで刊行されていたドイツ語原書のマルクス・エンゲルス全集を購入して、デーンと書斎に置いた。まさしくアメリカ帝国と西側資本主義が、私たちの目の前で滅び始めている。

 あれから40年の歳月(さいげつ)が経ち、私はあきれかえって茫然(ぼうぜん)として立ちすくむ。思想と学問の研究に人生を入れあげたといっても、何事(なにごと)のことがあろう。この程度のことであったか。

 だがそれでも、本書『小室直樹の学問と思想』は、読者に検証されて世界史の荒波の中に屹立(きつりつ)する岩礁(がんしょう)のようでありたい。

=====

新装版 小室直樹の学問と思想──目次

はじめに

副島隆彦 1

まえがき 新装・増補版に寄せて橋爪大三郎 3

対談 橋爪大三郎・副島隆彦「小室直樹が我々に残した思想と意志」 8

〈復刻〉 現代の預言者 小室直樹の学問と思想 ソ連崩壊はかく導かれた …… 29

復刻(旧版)目次 …… 30

あとがき 新装・増補版に寄せて副島隆彦 265

おわりに 橋爪大三郎 269

小室直樹 略年譜・主要文献 271

=====

あとがき 新装・増補版に寄せて 副島隆彦

 今から二八年まえの一九八三年一月二六日。ロッキード事件裁判の検察官による元首相・田中角栄に対する論告求刑(ろんこくきゅうけい)があった。その日のテレビ番組で小室直樹先生が「検察官たちを送電線に逆さ吊りにしろ」と発言し、翌朝の番組では羽交い絞めにされて画面から消えた。私はその番組をたまたま見ていた。このあと、小室直樹先生の「小室ゼミ」のドアを叩いた。小室ゼミの実質の筆頭が橋爪大三郎しだった。このとき、私は二九歳で小室先生は五〇歳だった。そのとき、田中角栄は六四歳、小沢一郎氏は四〇歳である。

 日本の国にとって、田中角栄という偉大な国民政治家が、どれほど重要であるかを、小室直樹という学者が一所懸命に日本国民に説明した。小室は言った。「ロッキード事件が作ってしまった新たな規範とは何か。それは行政権力と司法権力の野合である。こうなったら、もうデモクラシーは、ほかに何があってもたちまち、頓死(とんし)するのである」と。田中角栄が切り拓いた日本国の戦後の成長経済の道は大変すばらしかった。そして私は小室直樹先生から多くを学んだ。

 角栄が検察庁と法務省、裁判所を使ったアメリカによる弾圧を受けてから三四年後の今、今度は、小沢一郎がまったく同じ仕掛けで検察庁から違法な攻撃を受けている。二〇〇人もの若い政治家を育てた小沢一郎というすばらしい政治家を、アメリカべったりの日本の保守勢力が、今もいじめている。田中角栄の遺伝子を正しく受け継いでいる小沢一郎という優れた国民政治家を、行政官僚、司法官僚たちが押さえつけようとしている。目下(もっか)の闘いは、お金の問題、すなわち財務官僚たちとの闘いではない。

 政治 Justice[ジャスティス]の力を政治的に悪用して、国民から選挙では選ばれていない司法・準司法の官僚がなぜ日本国の最高権力となり得るのか。国民から選挙で選ばれた代表である議員(政治家)たちがまったく力を持てない国にされてしまっている。ロッキード事件(一九七六年から)の時とまったく同じように、再びアメリカの力で、小沢一郎へ強制起訴などという非道なことを行っている。今こそ私たちは、日本の官僚体制を破壊しなければならない。

 私はデモクラシーを「民主主義」などと訳さない。「民主政治」と書く。デモクラシー demos-cracy(デモス-クラシィ)とは、代議制民主体制のことである。

 デモス demos- とはピープル、すなわち国民、一般大衆のことだ。クラシィ -cracy とは「体制、制度」のことである。大衆、国民が選挙で選んだ代表たちに本当の力、権力を持たせよということだ。国民に選ばれた代表たち、つまりリーダーたち権力(パウア)を持つということである。日本には本当のデモクラシーが未(いま)だない。官僚(ビューロクラット)たちが実質的に簒奪[さんだつ](盗み取っていること)している。

 小室直樹先生は本物の、日本では珍しい本当の天才でした。しかし、先生の優れた能力、知能、学問、思想を日本国が認めなかった。本当ならば小室先生を東京大学の学長にするべきだった。そうしたら、一〇〇人では済まない、一〇〇〇人のソシアル・サイエンティスト、すなわち近代学問(モダン・サイエンス)の学者たちが育っていただろう。小室直樹の才能をないがしろにして、不遇のままにした日本という国はまことに卑小で矮小(わいしょう)な国である。小室直樹が味わった悲運を払拭していく努力を私たちはこれからしていく。

 小室直樹先生の霊が現れたとしたら、何を私に望むであろうか。

 私たちが小室先生の学統を継いでいく。この私たちもあと一〇年、二〇年で死んでゆく。若い人たちにトーチを、火を繋いでいかなければならない。私には小室ゼミの一〇年間分ぐらいの資料しかない。橋爪さんは、もっと大量にたくさんの資料をお持ちである。その資料を使って、小室先生が話したことを復活させるべく、橋爪さんが小室先生の学問を話して映像で残す講義録をこれから作ってゆきたい。

 小室先生が望んだのは、思考に系統性を持つ世界基準(ワールド・ヴァリューズ)の知識である。立体的に造形的に思考することであり、世界と渡り合える知識人を育てることだった。これからアメリカが衰退するのに乗じて、日本はできる限り自立、独立すべきだ。それには、アジア諸国と戦争せず、戦争を煽動する愚かな考えに騙(だま)されず、アジア人どうし戦わず、平和に交渉し、大人の態度で、本気で対等で、ものおじせず交渉することだ。なにごとにも騙されない、操(あやつ)られない、洗脳されない、そういう国民の自覚、自立が大切である。

 残された私たちは日本の若い人たちに、何を繋いでいくか。小室先生は小室ゼミで、無料(ただ)でお金を一円も取らずに、私たちに教えてくださった。そのご恩に報いるために、私はインターネットを駆使して世界標準での知識・思想を学びたいという若い人間たちを「副島隆彦の学問道場」で育てている。小室直樹先生の御霊(みたま)に対して私が捧げることができるのは、このささやかな努力である。

 本書が、小室直樹の学問を学び継ぐ上での、さらに若い世代にとっての入門書になってほしい。

二〇一一年三月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 『愛子天皇待望(たいぼう)論』(弓立社)が2022年10月7日に発売されます。

aikotennoutaibouron511

愛子天皇待望論

 愛子さまは2022年3月17日に成人を迎え、初めての単独記者会見に臨んだ。この記者会見での受け答えの様子、ユーモアのセンスと頭の回転の速さで国民の多くが「この人が天皇で良い」と考えるようになった。以下のアドレスで記者会見の映像を見ることができる。

https://www.youtube.com/watch?v=FJEPm1xlhgY

※【映像ノーカット】愛子さま初めての単独記者会見(2022317日)

  「愛子天皇待望論」の邪魔になっているのが皇室典範という皇室関係の法律の、第1条「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」という条文だ。愛子天皇を実現するためには変更することが必要だ。この問題を含め、天皇、皇室をめぐる諸問題を副島先生がまとめ、分析をしている。それが 『愛子天皇待望論』だ。私たちが教えられてきた、習ってきて、常識とされることに鋭く切り込んで、新たな考えや視点を獲得することができる。

 以下に、まえがき、目次、あとがきを貼り付けます。

(貼り付けはじめ)

まえがき

愛子さまは、2022年3月17日に、皇居で「成年(成人)の記者会見」を立派に行っ

た。これが国民へのすばらしいお披露目(ひろめ)となった。大変評判がよかった。愛子さまはしっかりした語り口で、軽い冗談まで交えて皇室記者たちの笑いを誘った。このテレビ放送を見た多くの国民が、これを見て微笑(ほほえ)ましく思い、高く評価して、「この女性が日本の次の天皇になるにふさわしい」と判断した。

眞子さん・小室圭氏問題は遠くに過ぎ去り、日本人の多くが女性天皇を受け容れ、次は愛子天皇でいいと考えた。日本国民の8割がこれまでのいろいろの世論調査でも「愛子さまでいい」となっている。

 ところが岸田政権は、ピタリと止まって、女性(女系)天皇容認に向かって法律改正を

する動きを見せない。

日本の国家体制にとってこのことは重大であるに決まっている。天皇については、憲法第1条から8条に定めている。その次の第9条が、戦争放棄と平和憲法の定めである。天皇のお世継(よつぎ)問題が停滞している。岸田政権は、7月の参院選挙を自民党勝利で乗り切ったのだから、皇室典範(こうしつてんぱん)という法律(今はただの法律だ)を、改正する動きに出るだろう。それが多くの国民の希望だからだ。

7月8日に安倍晋三元首相が、特異な宗教団体の抗争に絡んで死亡した。しかし、この

動きを今後の日本国は皆で乗り越えてゆく。

今こそだ。今こそやるべきだ。今や急激に、 「天皇は絶対に男でなければいけない」と、頑迷に唱える者たちの政治勢力が衰えている。皇室典範をたった一行「皇位は、皇統に属する男系及び女系の長子が継承する」と、書き変えさえすればそれで済むことである。

私たちはそれをじっと待つしかない。しかし、それでも私たち国民の側から、もっと積

極的に、「女性天皇でいい。愛子さまでいい」という声を大きく上(あ)げなければいけないと思う。だから私は、この愛子天皇待望(たいぼう)論を書いてゆく

=====

愛子天皇待望論*目次

まえがき 2

第1章 次の天皇は愛子(あいこ)さまであるべきだ。 11

国民は女性天皇を望んでいる 11

皇族の表記 16

頑迷な右翼、国粋主義者たち 21

普通の国民の視点から 23

皇室典範と岸田政権 25

20歳を迎えた愛子さまの今後 28

「眞子(まこ)さま騒動」と日本人 32

女という生き物が持つ劣性 38

もう世界は王族と大貴族の時代ではない 45

君主政の国・日本 52

第2章 「万世一系」などない 69

安倍晋三と天皇家 69

イギリスが作った「現人神(あらひとがみ)」 70

「万世一系」はまやかし 75

日本の近代史で1番ワルい男 80

第3章 雅子さまの頭のご病気問題を考える 83

雅子さまの頭のご病気の本当の原因は何か 83

「帰国子女」と「合いの子さん」が抱えるクレオール問題 101

モスクワ↓スイス↓日本↓アメリカと移動した子供時代 105

「脳が割れる問題」とアイデンティティー・クライシス 106

超エリート階級が抱える精神の傷 115

雅子さまを苦しめたスキャンダルとバッシング 117

雅子さまを選んだ皇太子は我慢強い立派な人である 122

第4章 天皇家は安倍元首相を嫌っている 135

富田メモと『昭和天皇実録』 142

A級戦犯とは 148

終戦の経緯と戦後の世界体制 153

安倍晋三らの「歴史修正(しゅうせい)主義」を世界はどう見るか 157

A級戦犯合祀を受け、昭和天皇は 169

今、日本国民が理解すべきこと 174

「富田メモ」のその後 175

第5章 天皇という現人神[あらひとがみ](生き神さま)を作ったのはイギリスである 183

本物のワル・山縣有朋 183

山縣有朋の「語られない秘密」 190

病弱だった大正天皇 194

時の権力者が天皇をつくる 196

今に連なるワルの系譜「長州閥」と山縣の子分たち 204

日本を裏で操ったイギリスの制度と思想 214

現人神(あらひとがみ)とイギリス国王 220

6章 「ザ・カルト・オブ・ヤスクニ」 229

「昭和天皇・富田メモ」は米国の意思がリークさせた 229

民族派・愛国派の構想を瓦解させた「異変」 235

アメリカ大使館が仕掛けた「日本の思想警察」復活説 240

「産経・古森公開質問状」と「元国連大使」の愚かな行動 243

あとがき 249

=====

あとがき

この本『愛子天皇待望論』を書きあげて、私は思う。日本のいわゆるリベラル派あるいは反(はん)自民党(反[はん]保守党)の人々は、天皇家(皇室)のことに触(ふ)れたがらない。そういう長い慣行というか傾向がある。それがいけなかった。このことが大きく天皇家を国民から孤立させてしまった。

 天皇家のことについて気軽に語ることは、億劫(おっくう)で口はばったいと感じて発言を避ける雰囲気が日本国民にある。それを打ち破らなくてはならない。

 私は、今回、初めて天皇家とその代(だい)替わり(皇位継承)の問題について、この一冊の本を書く、と決心した。ところが、いざ書き出してみて、たった一行の文、あるいは、ひとつの文字、そして一行の文の敬語(尊敬語、丁寧語)の使い方ひとつで、ものすごく苦労した。天皇問題について何か書くことは大変なことだ、と知った。 「自分の文章は間違った(誤った)言葉づかい(文遣[ふみづか]い)をしているのではないか。自分に知性と教養が足りないことが、人様[ひとさま](読者)に露呈(露見)するのではないか」と、気が引(ひ)けた。天皇家のことになると、日本人はごく短く、仲間うちでボソボソと己れの感情を吐露(とろ)するだけで、日頃は無視している。日本国の長い伝統と重い数々の歴史が後(うしろ)にあるからだ。

 この3年間、あれほど、眞(まこ)子と小室圭問題で、2人を論難した(悪口を言った)人々は、やがて穏(おだ)やかになって自分の生活に戻っていった。さらには両親である秋篠宮家にまで飛び火して、罵(ののし)りの言葉を投げる人々が、まだ少数だがいる。世界中がコロナウイルスとワクチンの問題、そして2月からのウクライナ戦争の惨事まで、次々に事件が起こるから、いつまでも、ひとつのことで騒いでいられない。

 小室眞子さんは皇族の地位を離れて臣籍降下して、一般人(ふつうの国民)になったの

だから、これで国家問題として終わりである。あとはお世継(よつぎ)である愛子さまをどうやって私たち国民が暖かく見守ってゆくか、の問題である。

 前述したがリベラル派さらには左翼的な国民(私もここに入る)は、天皇の問題になると複雑な気持ちになって、あまり触(さわ)りたくない。

 その理由と原因を考えると、やはり戦前までの国家体制としての天皇制が持ったさまざまの抑圧と強権発動(きょうけんはつどう)と、それから、戦争にまで至って多くの国民を死なせた「天皇の戦争責任問題」があるからだ。私もやはり、天皇制と帝国憲法に戦争責任があったと思う。

 大きな観点から見て敗戦後のこの77年間の日本の天皇家は、日本国民に何も悪いことはしていない。この大きな判断に、私は至り着く。明仁(あきひと)上皇と美智子(みちこ)上皇后は、ひたすら50年間、かつて激戦地となった各地をひとつひとつ訪れ、戦死した者たちのための鎮魂(ちんこん)と慰霊のための墓参を熱心に行った。

 鎮魂と慰霊による平和への希求こそは、天皇家に課せられた最も重要な責務である。だから私なりに紆余曲折(うよきょくせつ)し懊悩(おうのう)したあとに、次の天皇を愛子さまにすることが、日本が2度と戦争しないで済む、平和な国であるために極めて大事なことだ、と結論づける。

 明仁上皇はすでに89歳になる。美智子上皇后は88歳である。長男(徳仁[なるひと]天皇)の長女である愛子さまの皇位継承を、何よりも念願し心待ちにしているだろう。私たち日本国民の大多数意思が、それを実現しなければいけない。

 その一方で天皇家になんでも責任を押しつける、という風潮が日本にあることを、私たちは気づいて留意しなければいけない。

 天皇という国王がいるせいで、全てを天皇の所為(せい)にできる、という悪弊(あくへい)が日本には有る。政治家(国家指導者)も国民も、自分たち自身の責任を自覚せずに、安易な天皇崇拝と天皇畏敬(いけい)あるいは天皇への反感(反発)によって胡麻化(ごまか)してしまう。これは明らかに国王制度をいつまでも持っていることから来る悪習、弊害である。

 超然とした特別な人々の存在を、国民文化としていつまでも無自覚に認めてゆくわけに

もゆかない。私は本文の中で書いたが、これから60年後に、愛子天皇が80歳になった頃に大きな体制変動が起きるだろう。天皇制を国家体制から外(はず)して、日本が、本物の民主政治(デモクラシー)の国になってゆくべき道筋のことにも留意しなければいけない。

 だが、今は、とにかく愚劣で頑迷で旧弊(きゅうへい)なだけの「男の天皇しか認めない」人々との明確な対決のためにも、日本国民のものおじしない敢然たる態度と、注意を喚起するために、私はここに愛子天皇待望論を書いた。

 最後に。

 私の「愛子さまを次の天皇にするべきだ。それが日本国民の大多数の願いです」という主張と主題だけを聞いて、あれこれ言わず、 「本を出しましょう」と快く出版を引き受けてくださった、弓立社の森下紀夫氏に感謝します。

 ウクライナ戦争の勃発があったために、私はその戦況(せんきょう)の追いかけに没頭した。だから丸々3ヶ月間、私はこの本の原稿を放ったらかしにした。この間、辛抱強く待って下さったフリー編集者の小川哲生氏に多大のご苦労をおかけした。これまでに頂(いただ)いた長年の友誼と併せて感謝します。

 最後に書き足す。この本の原稿は6月までにほとんど出来あがっていた。だから安倍晋

三元首相の名が、生きている人として、おそらく本書の中に100ヶ所以上に出てくる。

 そうしたら、7月8日(2022年)に、あの安倍晋三銃撃死亡の大事件が起きた。私

は、気が抜けて茫然自失した。10日間、病気で寝込んだ。この本の内容に、深く深く関

わっているからである。私は何かを強く予見していた。そしてそれが現実のものとなった。

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 2022年10月16日に第20回中国共産党大会が開催される。今回の党大会の焦点は人事であり、それについて前回、林和立の記事をご紹介した。林は今回の党大会における人事は、国防・航空宇宙産業(中国語では工航天系、jungonghangtianxi)出身者たちの登用が特徴となるだろうと書いている。今回は、アメリカの有名シンクタンクであるブルッキングス研究所のチェン・リーの記事をご紹介する。チェン・リーは航空宇宙産業出身者たちを「宇宙クラブ(cosmos club)」、中国語では「航天系(hangtianxi)」、「宇宙帮(yuzhoubang)」という言葉で一つのエリート集団としてまとめ、今回の中国共産党大会で多くが中央委員会入り、2から3人ほどが政治局(25人)入りするだろうと主張している。第7世代(1970年代生まれ)と合わせて、こうした人々がどれだけ登用されるのかに注目が集まる。

 習近平体制3期目、4期目は宇宙開発で中国がアメリカをリードすることを目指しているという論調であるが、これはより露骨に言えば、宇宙戦争などアメリカとの軍事衝突を含む、不測の国家安全保障に大きな危機を与える状況に即応できる体制を作るということになるだろう。これまでの兵士たちが銃を撃ち合う、戦車や航空機が戦うという戦争のイメージから大きく変化した戦争に備えるということになると思う。そして、習近平体制で後継者と次の政権の主要メンバーを決めておくということになる。そのキーワードが「第7世代」と「宇宙クラブ」ということになる。

 こうして見ると、中国の国家指導者層作りの精密さには驚くばかりだ。日米はまずオールドタイマーがいつまでも居座り、新陳代謝がうまくいかず、加えて能力選定や判定の手続きも機能していないように見える。日米は昔のソ連の国家指導者と同様に機能不全に陥っているのではないかとすら思えてしまう。結果として、こうしたところに国力の減退が見えてしまう。日本の閉塞状況、終わりの始まりを実感する。

(貼り付けはじめ)

習近平時代での「宇宙クラブ」の急速な台頭:第20回中国共産党大会に向けたカウントダウン(The rapid rise of 'the cosmos club' in the Xi Jinping era: Countdown to the 20th Party Congress

チェン・リー(ブルッキングス研究所ジョン・L・ソーントンセンター部長)筆

2022年9月9日

『シンク・アジア』

https://www.thinkchina.sg/rapid-rise-cosmos-club-xi-jinping-era-countdown-20th-party-congress

中国共産党中央委員会に航空宇宙分野の出身者がいることは目新しいことではないが、習近平時代ほど、このグループがこれほどの割合と規模で国家や省レヴェルの指導層に浸透したことは歴史上ない。ブルッキングス研究所ジョン・L・ソーントン中国センター部長であるチェン・リーは、彼らのうち2人、あるいは3人が第20回党大会の政治局有力候補となり、そのほとんどが習近平の3期目以降に重要な役割を果たすだろうと語っている。

tiangongspacestation 511

2021年10月19日、中国東部浙江省の杭州で開催されたクラウドコンピューティングと人工知能(AI)の会議「アプサラ会議」で展示された中国の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」の模型

過去10年間、中国の宇宙開発における野心と成果は、世界中で大いに注目されてきた。それほど注目されていないが、おそらく同じように注目されているのが、中国の政治指導層における航空宇宙産業の経営者の台頭である。最近、「宇宙クラブ(the cosmos club、航天系 [hangtianxi]、宇宙帮[yuzhoubang])」という新しい言葉が生まれた。この言葉は、中国の宇宙・航空産業から国家・省レヴェルの指導者にまで上り詰めた、独特のテクノクラート集団を指す。

いくつかの中国語メディアの論評によると、第20回中国共産党大会の前夜、宇宙クラブは新たな「政治的高地(political highland、政[]高地[zhengtan gaodì])」を占拠している。新疆ウイグル自治区党委書記の馬行瑞(Ma Xingrui、1959年-)、湖南省党委書記の張慶偉(Zhang Qingwei、1961年-)、浙江省党委書記の袁家軍(Yuan Jiajun、1962年-)、国務委員の王勇(Wang Yong、1955年-)、国務院国有資産監督管理委員会(state-owned Assets Supervision and Administration Commission SASAC)委員長の郝鵬(Hao Peng、1960年-)、国務院工業情報化部長の金壮龍(Jin Zhuanglong、1964年-)などが名を連ねている。

この6人の指導者たちは、中国の宇宙・航空産業で数十年の実務経験があり、現在、中国共産党中央委員会の正式メンバーである。このうち2人、あるいは3人は今秋の第20回党大会で政治局(訳者註:25名)の有力候補となり、そのほとんどが習近平の3期目以降に重要な役割を果たすことになる。

ccpleadersformerscientists511

左から:(上段)張慶偉湖南省党委書記、馬興瑞新疆ウイグル自治区党委書記、王勇国務委員、(下段)金壮龍国務院工業情報化部長、郝鵬国有資産監督管理委員会委員長、袁家軍浙江省党委書記

中国共産党中央委員会に航空宇宙関連の経歴を持つ指導者たちが存在することは、もちろん新しいことではない。しかし、このグループは習近平時代におけるほどの割合と規模で国家や省レヴェルの指導部に浸透したことはない。過去10年間、これらの指導者の一部は省長(党委書記や知事)を務め、長い間、国のトップへの足がかりとされてきたポジションに就いた。また、国務院の重要な閣僚ポストを務める者もいる。第19期中央委員会メンバー376人のうち、宇宙クラブ所属と呼べる指導者(文官、軍人を含む)は46人もおり、全体の12.2%を占めている。

中国共産党指導部内のこのような独特のグループの強さは、間違いなく、中国が「宇宙開発クラブ(space club)」において重要な役割を果たそうとする願望を反映している。イギリスの学者マーク・ヒルボーンが2020年の研究で述べたように、中国の宇宙計画は「特に印象的で、ここ2年間だけでも多くの国の宇宙での全成果を凌ぐ発展を示している」のである。中国の指導者たちにとって、昨年の天宮宇宙ステーションの打ち上げほど、中国の愛国心を喚起するのに有効なものはないだろう。新浪微博(Sina Weibo)のライヴビューは3億1千万回に及んだ。このエリート集団の強い代表性は、中国共産党指導部の中に、宇宙産業の「加速的発展(accelerated development)」に対するより広い支持があることの表れと見ることができるだろう。

chineserocket511

2022年7月24日、中国南部の文昌宇宙基地から飛び立つ、中国の天宮宇宙ステーション第2モジュールを搭載したロケット

エリート形成の観点からは、この集団は党指導部内の新たなテクノクラート集団に凝集される可能性がある。これは、将来の政治指導者の採用ルートを広げるだけでなく、民生と軍事の融合を含む中国指導部全体の方向性に大きな影響を与え、今後の政策選択や最高レヴェルの意思決定に影響を与える可能性が高い。

●航空宇宙産業出身の指導者たちが中央委員会に多数昇進(The prevalence of leaders with aerospace backgrounds in the Central Committee

これまでこのシリーズでは、中国共産党指導部における国有企業や金融機関出身の経営者の重要性が、特に若い年齢層で高まっていることを分析してきた。しかし、CEOから政治家に転身した人々の中で、航空宇宙・航空部門からキャリアを積んだ指導者ほど、今日の高位指導層で優位に立っているグループはない。

この2つの分野の構造的発展について、中国当局は、「航空能力と宇宙開発能力の統合(integrated air and space capability、空天一体[kongtian yiti])」として、同一のカテゴリーに(商業的にも軍事的にも)分類している。

図表1は、第19期中国共産党中央委員会に宇宙クラブから参加した人々の産業背景を、他の産業と比較したものである。航空宇宙産業が最も多く、委員12人、委員候補16人の合計28人である。このグループの代表は、2位の銀行・金融グループの代表の2倍である。

19thccpcentralcomitteemenbersindustrialbackground511
石油・化学分野での勤務経験者はわずか6人で、航空宇宙・航空機分野の4分の1以下である。これは、過去20年のいくつかの中央委員会では、上位のリーダーにとって石油分野が他の産業分野よりも高い、唯一最も重要なビジネス経歴だったことと比べると大きな変化である。

●航空宇宙産業出身の指導者たちを登用する習近平の強い意向(Xi Jinping’s strong inclination to promote leaders with aerospace backgrounds

習近平は長い間、中国の宇宙開発計画、つまり軍事と民生の両面における航空宇宙産業を優先させることを提唱しており、それは中国の国力と世界舞台での地位を示す最高の証であると考えている。習近平が2013年にトップ(国家主席)に就任して間もなく、試作品の宇宙ステーションで宇宙飛行士と時間を共有したが、中国の宇宙開発の夢(China’s space dream)は「中国をより強くする夢の一部」であると述べた。より大きく言えば、宇宙開発計画は国の再興(national rejuvenation)という長期的なヴィジョンに不可欠な部分である。

2016年以降、中国は1970年に中国初の人工地球衛星「東方紅1号(Dongfanghong-1)」が打ち上げられた4月24日を「中国宇宙の日(China’s Space Day)」と定めている。習近平をはじめとする中国共産党の指導者たちにとって、中華人民共和国は今、宇宙の次のフロンティアを開拓するための惑星間競争に全速力で取り組んでいるのである。

2017年1月、習近平は、習近平自身をトップとする「軍民融合発展委員会(Military-Civilian Fusion Commission)」という軍民の開発統合を監督する新しい委員会を設立した。軍民融合開発についての最も重要な技術提供者は、月探査計画(Lunar Exploration Programme、通称:嫦娥計画)、有人宇宙飛行計画(神舟計画)、天宮宇宙ステーションなど、注目の大型プロジェクトを実施してきた航空宇宙産業であると言ってよいだろう。

習近平が航空宇宙産業出身者を登用する重要な理由は他にもある。(1)エリートの選別ルートの拡大、(2)政治権力基盤の拡大・多様化、(3)技術革新志向の強い新世代のテクノクラートの育成、(4)経済ローカル主義と地方政治派閥を弱めるために「アウトサイダー」を省や市の指導層に登用する、(5)経済効率と地方の国際競争力を高めるため、中国の主要企業の元CEOを省長に任命する、(6)軍民企業の一体的発展を促進する、(7)より近代化した防衛産業を構築し国家安全を強化する、などが挙げられる。

chinaspacesciencespacewalkimage511

中国有人宇宙機関(China Manned Space Agency CMSA)が2022年9月2日に撮影・公開した配布資料画像で、6時間の宇宙遊泳を成功させ、船室モジュールに戻る中国の宇宙飛行士、陳冬と劉洋

「メイド・イン・チャイナ2025」計画に基づく中国の積極的な産業政策は、航空宇宙、造船、ロボット工学など、中国指導部が「戦略的に重要な分野」で国家が支援する国内プレイヤーを促進することを目的としている。宇宙クラブのメンバーたちは、中国が最重要視するハイテク分野でキャリアを積んできた。

中国の反体制派で中央党校の機関誌『学習時報』の元編集者である鄧禹文は、最近『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙の取材に対して、「習近平は航空宇宙・防衛分野で活躍した人物をより信頼している」と述べている。ある意味、中国の航空宇宙・防衛産業におけるこれらのテクノクラートは、中国共産党の指導者が「中国の特色ある社会主義(socialism with Chinese characteristics)」と呼ぶもの、あるいは批評家が「国家資本主義(state capitalism)」と表現するものを最もよく実現できているのだ。

航空宇宙産業出身の指導者たちの台頭は、政治的な考慮によっても説明することができる。これらの指導者たちは、専門家としてのキャリアのほとんどを技術分野で過ごし、省・市の指導者としての在職期間も比較的短かった。その結果、国のトップに対して忠実に動く傾向が強い。このことは、宇宙クラブに所属する有力者の経歴を詳しく見てみると明確だ。

●「宇宙クラブ」出身で注目される著名な候補者たち(Prominent candidates to watch from 'the cosmos club'

中国共産党中央委員会には、長い間、数人のロケット科学者がいた。いわゆる「2つの爆弾、1つの衛星(两一星、two bombs, one satellite)」計画(原爆、大陸間弾道ミサイル、人工衛星を指す中国の一般的な表現)の主要な貢献者の何人かは、中国共産党中央委員会の委員を務めた。国際的に著名な科学者である銭学森(Qian Xuesen、1911-2009年、97歳で没)は第9-12期中央委員候補、朱光亜(Zhu Guangya、1924-2011年、86歳で没)は第9-10期中央委員候補、第11-14期中央委員、鄧稼先(Deng Jiaxian、1924-1986年、62歳で没)は第12期中央委員、宋健(Song Jian、1931年-、90歳)は第12期中央委員候補、第13-15期中央委員、周光召(Zhou Guangzhao、1929年-、93歳)は第13-15期中央委員、羅恩杰(Luan Enjie)は第13-15期中央委員候補)をそれぞれ務めた。

最近では、中国航空工業集団公司の元会長で党委書記を務めた林左鳴(Lin Zuoming、1957年-)が第16,17期中央委員候補、第18期中央委員を務めた。しかし、上記の航空宇宙産業のテクノクラートは、いずれも省・市の指導者を務めたことはない。航空宇宙産業の発展初期における唯一の例外は河北省党委書記を務めた張雲川(、1946年-)だ。

張はハルビン軍事工程学院(Harbin Institute of Military Engineering)で教育を受けたテクノクラートで、江西省、新疆ウイグル自治区、湖南省で省レヴェルの指導部を経験した。その後、2003年から2007年にかけて、国家国防科技工業局(State Administration of Science, Technology, and Industry for National DefenseSASTIND)局長、「嫦娥プロジェクト」指導グループ長を歴任した。退任前の2007年から2011年まで河北省党委書記を務めた。第16、17期の中央委員も務めた。

表1は、第20期中央委員会入りが予想されている、航空宇宙産業での指導者経験を持つ著名な候補者20人を紹介したものである。彼らは、科学技術研究や軍産複合体に専従することが多かった一昔前の航空宇宙業界の先輩たちに比べ、政治的・職業的なキャリアパスが多様であるように見える。これらの新星たちの最も特徴的な点は、彼らの仕事の経験のほとんどが、4つの領域にまたがっていることが多いということである。科学技術研究、軍産複合体での管理業務、国務院での閣僚としての指導、省レヴェルのトップでの経験である。

20thccpcentralcommitteememberscandidateaerospacebackground511

航空宇宙と航空部門で実質的な指導者経験を共有している (30年または 40 年にわたって働いている人たちもいる) ことに加えて、現在、6人が省レヴェルの指導者を務めている (3人は党委書記、1人は省長)。国務院閣僚クラスの郝鵬、懐進鵬(Huai Jinpeng、1962年-)、唐登傑(Tang Dengjie、1964年-)を含むその他の人々は、以前は省長や省党委副書記を務めていた。その半数以上 (11人) は国務院副部長または部長としての指導経験があり、そのうち5人は現在国務院の部長を務めている。馬興瑞、懐進鵬、曹淑敏(Cao Shumin、1966年-)、張広軍(Zhang Guangjun、1965年-)などの一部の人々は、大学の党委書記、学長、学部長も務めた。

huaijinpeng511
 
懐進鵬

tangdengjie511
唐登傑

caoshumin511
 
曹淑敏

zhangguangjun511
 
張広軍

これらの有力な昇進候補の中には、既に中央委員会で長い在職期間を持つ者たちもいる。例えば、張慶偉は1960年代以降の世代(第6世代)のメンバーとして初めて中央委員会に在籍した。2002年、41歳の時に第16期中央委員会の委員となり、その後3期の委員会でもその座を守っている。袁家軍と金壮龍は、第17期中央委員会に中央委員候補として初参加した。劉石泉(Liu Shiquan、1963年-)は第16期中央委員会から4期連続委員候補を務めている。

liushiquan511
劉石泉

4人の指導者は、これまで中央委員会に参加したことがない。黄強(Huang Qiang、1963年-)は現在四川省長であることから、第20期中央委員会で委員になる可能性が高い。陝西省組織部長の程福波(Cheng Fubo、1970年-)と安徽省副省長の張紅文(Zhang Hongwen、1975年-)の、第7世代に属するリーダー2人は、今秋の第20回党大会で、中央委員会の委員候補補欠に任命されると見られる、第7世代の有力候補たちである。

最も重要なことは、第20回中国共産党大会において、中国史上初めて航空宇宙分野の指導的立場にある民間人指導者のうち2人、あるいは3人政治局(25人)入りすることが期待されていることだ。全体として、宇宙クラブのメンバーは、この秋に決定される中国共産党中央委員会で記録的な割合で代表占めることになるであろう。

huangqiang511
黄強

chengfubo511
 
程福波

zhanghongwen511
 
張紅文

この記事は最初に『チャイナ・USフォーカス』の「人事改造リポート(Reshuffling Report)」シリーズの一環で、「習近平時代での「宇宙クラブ」の急速な台頭:第20回中国共産党大会に向けたカウントダウン」として掲載された。このシリーズはブルッキングス研究所ジョン・L・ソーントン中国センター部長チェン・リーによる実証的な研究を基礎にした一連の記事で構成されている。このシリーズは第20回中国共産党大会に向けた記事の内容になっている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 2022年9月27日の安倍元晋三元首相の国葬については反対論が国民の多数を占めている。私は正直に言って、国葬が決定された直後、「世論調査を刷れば国民の半分くらいは賛成ということになるんだろう」と考えていた。安倍晋三元首相は選挙に強く6回の国政選挙で勝利を収めていたのだから、国民の半分くらいは国葬に賛成するだろうと思っていた。しかし、私の考えは間違っていた。国民の過半数が安倍元首相の国葬に反対という世論調査の結果が多く出た。安倍元首相の人気や人々からの支持はそれほど高くなかったということになる。そして、安倍元首相率いる自民党が選挙で勝ち続けたのは選挙制度のおかげも大きいということが私の中で明らかになった。

 私は国葬という話が出てきた時から反対だ。国葬を行うための根拠となる法律はない。国会での審議もおざなりで、閣議決定で国葬実施が決まった。国家が行う行事はすべからく税金の支出が伴う。税金の使われ方を行政府が勝手に決めるというのは危険な暴走行為である。更に言えば、国家の行う全てにおいて重要なのは手続きだ。そこに毛ほどの瑕疵があれば、その行事や行為には正当性はない。今回の国葬に関しては、手続き面で多くの瑕疵がある以上、国葬に正当性はなく、それを強行することは、日本という国家の正統性もなくなるという重大な暴走ということになる。だから、私は国葬に反対だ。

 そして、安倍元首相暗殺事件によって日本政界と統一教会の深い関係が白日の下に晒された。安倍晋三元首相やその周辺の「保守」と呼ばれる政治家たちは、韓国や中国に対する嫌悪感を煽る、ナショナリスティックな言動を繰り返してきた。しかし、安倍元首相は韓国を拠点とし、「日本は韓国に奉仕する存在」と主張してきた統一教会と深い関係を築いていた。この矛盾に戸惑う人が多い。「反共」という補助線を引けばある程度理解できる。

文鮮明は「反共」を旗印にして、アメリカの共和党や世界各地の独裁者たちと深い関係を築いてきた。冷戦下、反共産主義であれば、「自由と人権の総本家」を自称するアメリカも独裁国家を支援してきた。文鮮明は膨大な資金(日本の信者や弱っている人々から搾り取った)を使ってそうした人々に取り入ってきた。日本の窓口が岸信介から発する自民党清和会であり、笹川良一であった。文鮮明が築いた反共ネットワークは、独裁国家や独裁者たちをつなぐネットワークであり、岸信介や安倍晋三はそのラインに連なる。

更に言えば、こうした反共ネットワークの基底にあるのはアメリカのCIAだった。CIAの謀略や世界各国の指導者たちをエージェントにしていった様子は『』(ティム・ワイナー著)に詳しい。岸信介は戦前には満州国建国から国家総動員計画を作り上げ、戦後はアメリカのエージェント、具体的にはCIAのエージェントとなった。日本を「反共の防波堤(bulwark against Communism)」とすることに成功した。「反共」の旗印さえ掲げれば、後は何でも良かった。岸信介の権力志向と戦前回帰志向も日米安保条約改定までは利用価値があり不問に付された。岸の日米安保改定については評価する主張もあるが、現在の「対米従属」を固定化する枠組みを強化したという点では、「反米で独立志向の立派な岸信介」という評価は過大評価だと私は考える。

 今回の安倍晋三元首相の暗殺と国葬は日本の戦後政治が抱えてきた負の部分を一部ではあるが国民に示すことになった。日本政治の汚れた部分を急に全部きれいにすることはできないし、そもそも政治に汚い部分が存在するのは当然のことだ。しかし、あまりにも汚れ過ぎている場合にはその掃除が必要だ。自民党内部の良識ある人々も含めて国民的な動きとして掃除を行うことが重要だ。

(貼り付けはじめ)

安倍晋三元首相の殺傷事件をきっかけにして統一教会について詳細に調べられる(Shinzo Abe’s Killing Puts Unification Church Under Microscope

-日本の与党と韓国の統一教会との関係が国民の怒りを買っている。

ウィリアム・スポサト筆

2022年8月29日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2022/08/29/shinzo-abe-killing-unification-church-japan/

東京発。安倍晋三元首相が暗殺された事件をきっかにして、予想もしなかった公の場での議論が起きている。当初は悲しみの声が覆っていたが、犯人が人々に注目させたかった問題について、政府に対する人々の怒りに変化している。

合法的であれ何であれ日本では銃を入手することはほぼ不可能なので、先月起きた安倍元首相襲撃は、粗末な手製の武器で行われたが、いくつかの計画変更により首相が標的になった。犯人の長期的な目標は、統一教会の宗教指導者を狙うことだったようだ。統一教会(Unification Church)は、韓国を拠点とする宗教団体で、信者に対する強引な資金集め(heavy-handed fundraising among members)や集団結婚式(mass wedding ceremonies)で知られ、論争の的になっている。統一教会の最高指導者の代わりに安倍元首相を攻撃しようと決めたのは、安倍元首相が世界平和統一家庭連合(Family Federation for World Peace and Unification)として知られる統一教会とつながりがあると考えたからである。

安倍元首相暗殺で逮捕された41歳の元自衛隊員の男性、山上徹也容疑者は、1984年に父親が亡くなった後、母親が統一教会に入り、家族が経済的に破綻したことに怒りを持っていたと捜査当局に供述している。家族の1人によると、母親は長年にわたって合計70万ドル以上の献金をしていたという。1954年にカリスマ性のある文鮮明によって設立されたこの教会は、高圧的な資金調達の手法に詐欺の疑いがあるとして、日本の警察と何度も揉めている。日本人の会員数の推定は調査によって大きく異なるが、日本の信者は主要な収入源であると考えられている。世界的には200万人から300万人の信者がいると言われている。

山上は当初、教団の再興指導者、特に2012年に文鮮明が亡くなった際に教団を引き継いだ文鮮明の未亡人、韓鶴子(Hak Ja Han、ハンハクジャ)を標的にしようと考えていたという。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で韓鶴子は予定していた日本への渡航をキャンセルし、更に山上は韓国への渡航が不可能になった。2021年の同時期、ある教団大会で安倍元首相が行った賛辞のビデオを見て予定を切り替えたという。安倍の祖父で戦後の首相だった岸信介の1950年代までさかのぼる、教会と日本の与党・自民党の関係も山上は知っていたのだろう。

政治に精通した文鮮明は、その厳格な反共主義的見解において、日米の保守派と共通の基盤を見出した。統一教会は常に論争にさらされ、カルトと揶揄されたが、それでも文鮮明は世界の有力者たちと親しくなり、彼らはしばしばその好意に応えた。また、ウォーターゲート事件で苦境に立たされたニクソン大統領を支援したことで、ニクソン大統領から感謝されたこともある。

文鮮明は、1990年にはソヴィエト連邦を訪問し、ミハイル・ゴルバチョフ大統領と会談し、政治・経済改革への支持を表明した。1995年、ジョージ・HW・ブッシュ(父)元米大統領とバーバラ・ブッシュ夫人は、文鮮明の妻が運営する教会系の団体である世界平和女性連合(Women’s Federation for World Peace)の大規模な会合で演説を行った。安倍元首相が登場した2021年のネットイベントには、ドナルド・トランプ前米大統領も登場し、文氏が1982年に設立した、共和党支持の『ワシントン・タイムズ』紙を絶賛した。

文鮮明にとって、日本は勧誘と資金調達のための肥沃な土地だった。宗教が人生において非常に重要であると答えた日本人はわずか10%であり(多くの人は神道の結婚式と仏教の葬儀を抵抗感なく行き来する)、統一教会を含む多くのニューエイジ宗教に引き寄せられる人々もいる。外部の人間から見れば、こうした宗教は世間知らずの人々からお金を搾取する洗脳カルトだが、人気が衰えないのは、何らかのニーズを満たしていることを示唆している。自民党にとって統一教会は、熱心でよく組織された支持者集団であり、信者の票集めという選挙戦の最前線での仕事を引き受けてくれた。

こうした政党と宗教のつながりは異常なことではなく、必ずしも裏があるわけでもない。アメリカの福音派(U.S. evangelicals)と共和党の密接な関係は周知の通りである。同時に、アメリア南部の黒人教会は、会員の投票率を上げるのに十分な効果があることが証明されており、ジョージア州とテキサス州の共和党は日曜日の投票を禁止しようとしたが、これは悪い方向に作用した。

日本では、過去10年間連立政権の一翼を担ってきた公明党は、1930年に設立され、過去には政府からしばしば疑いの目で見られてきた仏教運動である創価学会という宗教団体に支えられている。公明党の山口那津男代表は、宗教と政治が結びついている問題について、8月初旬の記者会見で、統一教会は別問題であると示唆し、慎重な姿勢を示している。山口代表は「社会的な問題を抱えたり、大きな迷惑をかけたりする団体については、政治家は選挙で支援を求めたり、国民を誤解させるような行動を慎むべきだ」と述べた。

安倍元首相暗殺がなければ、今さらスキャンダルに爆発することもなかっただろう。統一教会の資金調達方法は、何年も前から批判されてきた。2009年には訴訟を受けて、資金調達方法を改め、信者が返還を要求したお金を返すと約束したが、最近になって、少なくともいくつかの問題が続いていることを認めている。統一教会関係者は、元信者からの苦情を聞く仕組みがあることを指摘し、該当件数は着実に減少していると主張している。

しかし、7月8日に安倍首相が殺害されてからの数週間で、国民は統一教会の政治的なつながりに目覚め、どんなに無害に見えても心配だと感じるようになったようである。違法なものは見つかっていないが、着実な報道は、この国の最も確立された政党と、倫理的に問題があり、弱い立場の日本人を食い物にしているように見える韓国の宗教団体とのつながりに焦点をあてている。その中でも、萩生田光一元経済産業大臣は、ブッシュ元大統領が演説したのと同じ教会関連の女性団体の会合に出席し、数年にわたり毎年650ドル程度の寄付をしていたことが判明した。萩生田は、この会のメンバーは一般の有権者であり、自分はこの会の慈善活動を支援していると説明した。

このような報道の中で、共同通信社は日本の国会議員712人全員を対象に、教会との関係を問うアンケートを実施した。その結果、100人が「何らかのつながりがある」と答えた。そのほとんどは、イヴェントに参加したり、募金活動のチケットを教会員に売ったりすることであった。また、30人の議員は、教会の会員が票集めを手伝ってくれたと言っている。

国民の反応は強く、多くの政治家たちがその関係を否定したり、ごまかしたりしたが、新たな報道で事実が発覚し、不信感が募った。また、出席した会合や寄付が統一教会と関係しているとは知らなかったと説得力のない主張をする政治家もいた。自民党と統一教会とのつながりが次々と明らかになるにつれ、岸田文雄首相はますます圧力を受けるようになった。岸田首相は、政権に新しい活力を注入するために、日本ではおなじみの内閣改造にいち早く踏み切った。首相はまた、閣僚や高官は教会との関係を絶つべきだと述べたが、その作業は個々の議員に任されているようだった。岸田は最近の記者会見で、「統一教会をめぐって国民から様々な意見が寄せられている。政治の信頼を確保するために、政治家はどう行動すべきかを考えるべきだ」と述べた。

しかし、性急な措置も功を奏さず、統一教会とつながりのある議員3人がまだ閣内に残っているとの報道がなされた。このため、7月上旬の参議院議員選挙で好成績を収め、わずか1カ月前に勢いに乗っていた政権が危うくなっている。7月中旬には63%あった支持率は、毎日新聞の最新の調査では36%にとどまっている。岸田の任期が危ういと言うのは早計だが、これほどの急落があれば、普通なら不運な指導者は退陣に追い込まれる。このように国家指導者が損切りをする傾向があるため、安倍首相を除いて、日本は過去16年間、回転ドア首相が続出している。

9月下旬に予定されている安倍首相の国葬(state funeral)は、戦後日本の政治家の国葬としては、第二次世界大戦を終結させたサンフランシスコ条約の交渉にあたった吉田茂に次いで2例目であることも、こうした事態が暗礁に乗り上げた一因となっている。今回の国葬は、日本を再び世界に知らしめた安倍首相の幅広い影響力を示す、有力者の集まりとなることが約束されている。出席予定者は、バラク・オバマ前米国大統領、カマラ・ハリス米副大統領、ナレンドラ・モディ・インド首相などだ。フランスのエマニュエル・マクロン大統領やドイツのアンゲラ・メルケル元首相も出席する可能性があると報じられている。このように世界的な支持を得ているにもかかわらず、毎日新聞の世論調査では53%の人が国葬に反対していると答えている。

岸田内閣に向けられた国民の怒りは、統一教会と自民党のつながりと偽善に対する一般的な不安以上に、明確な焦点がないように思われる。安倍元首相は韓国との関係で強硬な姿勢を示したが、これは日本の多くの地域に長年存在する反韓感情の底流を反映したものだ。

しかし、安倍元首相が殺害された後に明らかになったことは、親日的なナショナリストの感情と、弱者から金を引き出すことに熱心な韓国の宗教団体を結びつけた、皮肉な関係を指摘するものだった。多くの世界的人物がそうであるように、安倍首相も常に国際的な議論より国内での議論の方が多かった。死後もそうである。

※ウィリアム・スポサト:東京を拠点とするジャーナリスト。2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿している。20年以上にわたり、日本の政治と経済を取材しており、ロイター通信とウォールストリート・ジャーナル紙で勤務していた。2021年にはカルロス・ゴーン事件と日本への影響について共著を出版した。
(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 第20回中国共産党大会が2022年10月16日に開催される。中国共産党大会は5年おきに開催される。今回の中国共産党大会は習近平体制の継続と人事面での変更が行われると考えられている。中国共産党は約9500万人の党員を擁している。中央委員200名から上が最高幹部で、そのうちの25名が政治局を構成し、更に7名が政治局常務委員(チャイナ・セヴンと呼ばれている)。中央委員に登用されることが中国の最高幹部に入ることになる。今回の第20回中国共産党大会でどのような人物が中央委員や政治局員に登用されるかに注目されている。
chinesecommunistpartystructure521

 そもそも習近平はこれまで中国共産党総書記を2期10年務めた。前任の江沢民と胡錦涛は2期10年で引退した。習近平は3期目更には4期目を目指していると見られている。習近平体制を強化するためにも人事の変更が行われるようだ。習近平の3期目継続というのは、歴史的な類推(アナロジー)で考えると、第二次世界大戦中のフランクリン・D・ルーズヴェルト米大統領を思い起こさせる。ルーズヴェルトはアメリカ史上唯一の4選を果たした大統領である。戦時下という特殊な状況であったが、アメリカの戦時体制確立と推進を行ったことで現在でも評価が高い大統領となっている。習近平も国外での厳しい状況に対処するために強固な体制を築こうとしているようだ。

国外での厳しい状況とは具体的には戦争だ。具体的にはサイバー戦争や宇宙戦争に備える体制づくりだ。習近平は既にそのための布石を打っていたようだ。下に掲載した記事の著者林和立(ウィリー・ウー=ラップ・ラム)は「この10年間で、領袖(袖、leader)である習近平は国防・航空宇宙産業(工航天系、jungonghangtianxi)の幹部や科学者を民間人のトップに登用した」と書いている。下の記事にいろいろと名前が出てくるか、こうした人々が3期目以降の習近平体制を支えていくということになるのだろう。

 これからしばらく、第20回中国共産党大会に向けでの記事をいくつかご紹介していく。

(貼り付けはじめ)

第20回中国共産党大会:習近平は次期指導者グループの構成で大きな成功を収めようと動き出している(The 20th Party Congress: Xi Set to Score Big in Composition of Next Leadership Corps

ウィリー・ウー=ラップ・ラム筆

2022年8月12日

『チャイナ・ブリーフ』

https://jamestown.org/program/the-20th-party-congress-xi-set-to-score-big-in-composition-of-next-leadership-corps/

●導入(Introduction

中国の習近平国家主席を中心に執拗に作り上げられた個人崇拝に多くの幹部が反発している。今秋の第20回中国共産党大会で中央政治局(Politburo)などの最高指導部の顔ぶれが披露されることになるが、マキャベリストの習近平はトップに君臨し続けることになるだろう。中国共産党総書記(CCP General Secretary)は、中国共産党と中国の「全ての主席(chairman of everything)」として、企業や地方行政の債務超過など経済状況の悪化に対応する最終責任を負っている(チャイナ・ブリーフ:7月18日付)。外交面では、北京のロシアとの「無制限の」準同盟(quasi-alliance)や、ナンシー・ペロシ米連邦下院議長の訪台に伴う台湾周辺での軍事訓練の長期化は、民主化を進める西側同盟と、中国、ロシア、北朝鮮などの権威主義国家(authoritarian states)による「独裁軸(autocratic axis)」のと間の「新冷戦(new Cold War)」を深刻化させるものだ。

習近平は、経済・外交の両分野で優れた政策立案者というわけではないが、最高指導者は、個人的な帝国建設の達人であり、特に中国共産党政治におけるいわゆる「習近平派」の影響力を拡大させることに、その手腕を発揮している。2012年末に習近平が中国共産党総書記に就任した時には小派閥は、今や中国共産党の支配的な派閥となった。そのメンバーには、習近平が1985年から2007年まで務めた福建省や浙江省時代の側近や取り巻きが含まれている。習近平の出身地である陝西省や、習近平の母校である清華大学には、習近平の子飼いの者が多い。この10年間で、領袖(leader)である習近平は国防・航空宇宙産業(军工航天系jungonghangtianxi)の幹部や科学者を民間人のトップに登用した(Chinafocus.com:7月15日;チャイナ・ブリーフ:5月27日)。

一方、かつて党内で優勢だった2つの閥、共産主義青年団派(Communist Youth League Faction CYLF)と上海閥(Shanghai Faction)の重要性は低下している。李克強国務院総理(Li Keqiang、1955年-)と汪洋中国人民政治協商会議(Chinese People’s Political Consultative Conference CPPCC)主席(1955年-)の2人の中央政治局政治局常務委員(Politburo Standing Committee)は共青団派であり、政治局常務委員で胡春華政治国務院副総理(Hu Chunhua、1963年-)も共青団派だ。上海派とつながりのあった韓正政治局常務委員兼国務院常務副総理(Han Zheng、1954年-)とイデオロギー面の責任者である王滬寧政治局常務委員兼中国共産党中央書記処常務書記(Wang Huning、1955年-)は、習近平陣営に移ったようである。習近平は次の第20回党大会で3期目、いや4期目の5年制指導を目指し、長年の党の慣例を破る構えだ。また、「七上八下」(68歳で定年、67歳はもう1期できる)という有名なルールが、今大会では選択的に適用されるにとどまる可能性もある。

●中国共産党中央委員会政治局と政治局常務委員会の顔ぶれを予測する(Predicting the Politburo and its Standing Committee

中国共産党の力の均衡(バランス・オブ・パウア、balance of power)と今後の政策の方向性は、1週間の大会に出席する2300人あまりの代議員が承認する3つの組織のメンバーの派閥的な方向性に大きく左右されることになる。中央委員会には約205人の委員と約170人の委員候補(投票権のない委員という意味)がいる。中央委員会の委員は「選挙」の後、25人程度の政治局員を自分たちの中から選ぶ。そして、政治局は、常務委員会を構成する国内最高実力者7人を選ぶ(アジア社会政策研究所:8月4日付)。しかし、いわゆる代議員による投票は、トップの3段階の名簿は、派閥指導者や元代議員の意見を考慮しながら、現職の中共と政治局メンバーによって事前に決定されているため、形式的なものに過ぎない(HK01.com:1月1日;Reuters Chinese:2021年11月18日)。

2017年の第19回党大会で決定された現在の政治局は習近平派が既に支配している。この習近平に忠実なグループには、党中央弁公庁主任の丁薛祥(Ding Xuexiang、1962年-)、党組織部長の陳希(Chen Xi、1953年-)、宣伝部長の黄坤明(Huang Kunming、1956年-)、中央軍事委員会副委員長の張又侠(Zhang Youxia、1950年-)と許其亮(Xu Qiliang、1950年-)の2人の人民解放軍上将、中央政法委員会書記の郭声琨(Guo Shengkun、1954年-)らが含まれる。また、政治局には、北京市、上海市、重慶市、天津市、広東捷の党委員会書記である蔡奇(Cai Qi、1955年-)、李強(Li Qiang、1957年-)、陳敏爾(Chen Min’er、1960年-)、李鴻忠(Li Hongzhong、1956年-)、李希(Li Xi、1956年-)ら省・大都市代表が名を連ねる(VOAChinese:7月18日付)。

dingxuexiang521
丁薛祥

huangkunming512
 
黄坤明

これら習近平派の幹部たちのうち、習近平の分身と呼ばれることもある丁薛祥は、今回の第20回党大会で決定される政治局常務委員会に参加することが確実視されている。習近平は、重慶市の陳敏爾党委書記や上海市の李強党委書記など、1人か2人の地方の新星を中国共産党の最高幹部に登用したがっていることが知られている(Chinanewscenter:7月23日付;VOAChinese:3月21日付)。習近平が1期か2期の任期延長に成功し、3人の子飼いを7人で編成される政治局常務委員会に登用すれば、習派がこの最高意思決定機関を支配することが可能になる。しかし、李強の評判は、上海の新型コロナウイルス感染拡大による2ヶ月間の閉鎖という大失態によって低下している。また、広東省の党委書記である李希も最近の広東省の不甲斐ない経済状況により、昇進の可能性は低くなっている(『連合日報』:6月29日付;『網易』:5月24日付)。

chenminer511
陳敏爾

liqiang511
李強

2人の共青団派の有力者が政治局常務委員会に留まる、もしくは参加する可能性がある。67歳になる李克強国務院総理は、ここ数ヶ月、経済の難問に対処して得た信用を考えれば、最高会議である政治局常務委員会に留まる可能性がある。憲法上、李総理は中央政府のトップを2期しか務めることができないため、習近平の盟友である栗戦書(Li Zhanshu、1950年-)が非公式な定年である68歳をはるかに超えている全国人民代表大会常務委員長に移るかもしれない(ANI news:5月18日付)。また、李克強は、胡春華副総理が自分に代わって国務院総理になることを主張するかもしれない(Mingjingnews.com:7月27日付)。国務院総理の候補者の中で、副総理の経験を持っているのは胡春華だけである。汪洋と王滬寧はともに67歳で退くと言われている。

lizhanshu521
 
栗戦書

習近平にとって最も問題なのは、1957年生まれの趙楽際(Zhao Leji)であろう。2007年から2012年まで陝西省党委書記を務めた趙は、もともと習近平と親しいとされていた。しかし、陝西省の秦山沿いで民間の別荘を違法に建設し、大規模な森林破壊を行ったことをきっかけに、2人は不仲になった(Chinaaffairs.org:1月23日付、BBC中国語版 :2019年1月17日付)。風水や中国の地占いの迷信的な観点から、秦山は中国史における皇帝や独裁者の「霊的背骨(spiritual backbone)」であり「錨(anchor)」であるとされている。習近平は政権に就いた後、この別荘を取り壊すよう何度も個人的な指示を出していたが、違法建築物が取り壊されたのは2018年になってからだった。趙楽際は中国共産党中央規律検査委員会(国家最高レベルの反腐敗部門)を書記として所管しており、その責任の一端を担わなければならないと言われている。さらに、杭州の趙建勇(Zhao Jiangyong)党書記と鄭州の徐立栄(Xu Liyi)党書記という習氏のお気に入り2人の最近の懲戒・汚職関連の調査は趙書記が担当した(サウスチャイナ・モーニング・ポスト:4月11日付;環球時報:1月21日付)。

zhaoleji521
 
趙楽際

●「銃、ナイフ、ペン」の管理(Control of “The Gun, the Knife and the Pen”

政治局内では、軍や警察、思想・宣伝機構を誰が統制するかが注目される。中国共産党が権力を維持するためには、「銃とナイフとペン」の組み合わせが第一と考えられているからだ。習近平は自分の息のかかっている人物で政治局常務委員会のメンバーを占めることに苦闘するだろうが、25人の政治局員のうち高い割合を占めており、軍と警察のトップポストもスムーズに引き継ぐことができる。政治局員である張又侠、許其亮の2人の人民解放軍上将は共に退任する予定である。後任の有力候補は人民解放軍参謀本部長の李作成(Li Zuocheng)と人民解放軍政務工作部長の苗華(Miao Hua)である。習近平は李と個人的に親交があり、大会開催時に李は69歳であるが、年齢を理由に候補から外れることはないだろう。苗(1955年-)は以前、福建省や旧南京軍区に勤務しており、習近平と交わったことがある。習近平の腹心で、最近、公安部長官に昇進した王小洪(Wang Xiaohong)も福建省で20年余り勤務した。王(1957年-)は警察、秘密警察、裁判所などを管轄する中央政法委員会のトップとして政治局入りが有力視されている。

wangxiaohong522
王小洪

現職の黄坤明(1956年-)宣伝部長は、理論上はもう1期、党の「ペン」、つまり代弁者として留まることができる。しかし、習近平の浙江省時代の取り巻きは、最高指導者の周りに毛沢東的な個人崇拝を復活させていると反対派のメンバーから非難されている。このため、習近平は退任前に全国人民大会副委員長か全国政治協商会議副主席に就任する見込みである。宣伝担当の新政治局員は、著名な学者の李(書)Li Shulei、1964年-)で、最近、同部常務副部長に昇進した。李は2007年から2012年まで中央党校で習近平の代理人を務め、最高指導者のスピーチライターを務めている(Jfdaily.com66日付;Sohu.com65日付)。幹部の力と忠誠心を維持するために同様に重要なのが、組織部長である。習近平の腹心である陳希の後任には、現国務院文化部長の胡和平(Hu Heping)がダークホース的な存在として取りざたされている。胡和平(1962年-)は習近平の清華大学同窓会ネットワークと密接な関係にあり、陝西省長、党委書記の他、浙江省党委の要職を歴任してきた。胡和平は、「習近平同志の権威を党の中核として堅持することが必須である」と繰り返し強調する最も声高な地方幹部の一人である(Radio Free Asia:2021年10月29日付;Chinaaffairs.org:2021年10月26日付)。 組織部長のもう一人の候補は、現部長の陳希の副官を務める姜信治(Jiang Xinzhi、1958年-)である。姜信治は2011年から2015年まで、習のもう一つの権力基盤である福建省の組織部長を務めていた。

lishulei512
 
(書)磊

huheping511
 
胡和平

jiangxinzhi511
姜信治

●新世代のテクノクラートたちの一団(A New Breed of Technocrats

習近平は「終身指導者(leader for life)」の称号を手に入れ、派閥による政治委員会の支配を維持するとの見方が強いため、今回の大会では急激な政策変更は発表されないと見られている(Radio Free Asia:4月7日付;Radio French International:5月3日付 )。しかし、新しい中央委員会と政治局の資質と政治的性向については疑問が呈されている。その最たるものは、新指導層の中に市場志向の専門的なテクノクラートが欠けているのではないかという認識である。

朱鎔基元首相が1998年から2003年まで中央政府のトップだった時、彼は優秀な金融専門家であるテクノクラートを、中国人民銀行、財政部、銀行・保険監視機関などの官僚機構の大臣や次官に大量に登用した(Netease:2020年8月5日付)。しかし、改革志向の強い楼継偉元財政相部長(Lou Jiwei、1950年-)(Aisixiang.com: 6月21日付)をはじめ、こうしたテクノクラート系幹部はほぼ全員が引退、あるいは辞めようとしている。第20回党大会で昇進が確実視されている経済関連の最高幹部、首相の座を狙う胡春華と財政担当副首相の有力候補、何立峰(He Lifeng、1955年-)は、プロの管理者というよりヴェテラン党員である(Radio Free Asia:7月27日付;Newscenter.com:3月11日付)。彼らは、習近平派や共産主義青年団派などの強力な派閥のリーダーであることが、その地位の確立の主な理由だ。

習近平がこの10年で育てたテクノクラートたちは、航空宇宙分野(aerospace)を中心とした防衛産業の専門家やトップマネジメント担当者たちで構成されている。新疆ウイグル自治区党委書記には通常、政治局員の席が与えられるため、中国航空宇宙科学技術公司(CASC)の元総経理で中国国家宇宙局長を務めた馬興瑞(Ma Xingrui、1959年-)は、工航天系(jungonghangtianxi)のメンバーとして初めて政治局に入ることになるだろう(日経アジア、2021年12月28日付)。この習近平派閥の他の傑出した代表として、湖南省の張慶偉(Zhang Qingwei)党委書記がいる(The Diplomat:2月19日)。著名なロケット科学者であり、中国航空宇宙科学技術公司の元責任者である張慶偉(Zhang Qingwei、1961年-)は、中国の月探査プロジェクトで重要な役割を担った。2002年、41歳の若さで中央委員会の委員に就任した。もう1人、同分野の新星は浙江省党委書記の袁家軍(Yuan Jiajun、1962年-)である。浙江省は習主席の重要な権力基盤であるため、同じく中国航空宇宙科学技術公司の出身者である袁は5年後の政治局入りが有力視されている(Reddit.com:2021年12月8日付)。

maxingrui511
馬興瑞

zhangqingwei511
 
張慶偉

yuanjiajun511
 
袁家軍

アメリカやヨーロッパの同盟諸国だけでなく、日本やオーストラリアなどアジアの大国が北京の対ウクライナ姿勢に否定的な反応を示し、更にナンシー・ペロシ米連邦下院議長の台湾訪問に対する中国人民解放軍の「過剰反応(overreaction)」が明らかになったことを考えると、習近平は自国の逞しい「戦狼外交(wolf warrior diplomacy、訳者註:攻撃的、論争的な外交スタイル)」よりもパートナーシップ構築について詳しいプロの外交官のティームを配置する必要がある。外交担当の政治局員で前駐米大使の楊潔篪(Yang Jiechi、1950年-)の後任として最も可能性が高いのは、現外相の王毅Wang Yi、1953年-)である。王毅は69歳(通常の定年である68歳を1歳上回る)であることを除けば、「戦狼外交」の提唱者として知られ、中国が世界秩序の中で相対的に孤立する原因となっている(VOAChinese:7月23日付;Financial Review:7月7日付)。今年5月まで王毅の代理を務めていた楽玉成外務副部長(Le Yucheng、1963年-)は、ロシア語に堪能な彼がウクライナ危機への対応を誤ったため、突然国家ラジオ・テレビ局に異動させられた(日経アジア:7月23日付)。欧米諸国は、北京に外交政策担当の有力な政治局員がいなくなれば、国家安全保障問題で人民解放軍の将官たちがさらに大きな影響力を行使することになると懸念している。

●結論(Conclusion

政治局への昇進の可能性がある、いわゆる第7世代(Seventh-Generation7G)幹部の少なさも問題である。1970年代生まれの最高幹部は次官級にとどまり、第20回党大会で中央委員や中央委員候補になるのは比較的少ない数に留まるである(SCMP:5月23日付)。もし習近平が予想通り2032年の第22回党大会まで、あるいはそれ以降も最高指導者にとどまるとすれば、その頃には多くの第6世代政治局員が68歳の定年に達していることになる(チャイナ・ブリーフ:2021年11月12日付)。これに対し、2002年から2012年まで政権を担っていた胡錦濤前国家主席は、新進気鋭の第6世代(Sixth-Generation6G)の育成に大きな関心を寄せていた(Saiscsr.org:2021年7月31日付)。習近平が第7世代の幹部のキャリアアップに関心を示さないのは、習近平が20年の長期政権を志向しており、その場合、第7世代の後継者を若い子弟から決めるために、後10年の猶予があるからかもしれない。

習近平は昇進に関して「忠誠心(loyalty)」が「実力(competence)」に勝ることを繰り返し強調し、新政権メンバーのプロ意識の欠如を過度に懸念していないようだ(人民日報:3月24日付;Prnewswire.com:2021年9月4日付)。この1カ月余り、胡春華のような反対派罰の有力メンバーでさえ、自身が担当する習近平の農民政策の「並外れた知恵」を称える記事を書いている(Gov.cn:7月27日付)。しかし、最高指導者の子飼い、部下で構成される中央委員会(Central Committee)、政治局(Politburo)、政治局常務委員会(PBSC)は、中国共産党の統治の質を大きく低下させることになる。しかし、習近平が「中国共産党の終身核心(party core for life)」の地位確保に注力していることから、21世紀の毛沢東を自称する習近平にとって、このことは最大の関心事ではないようである。

※林和立(Willy Wo-Lap Lam、ウィリー・ウー=ラップ・ラム)博士:ジェイムズタウン財団上級研究員。『チャイナ・ブリーフ』定期寄稿者。香港中文大学歴史学部・国際政治経済修士プログラム非常勤教授。中国に関する6冊の著作があり、『習近平時代の中国政治』(2015年)がある。最新作は『中国の将来ための戦い』(ルートレッジ・パブリッシング、2020年)。

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 日本でも様々な物品で値上げラッシュが続いている。世界規模で食料価格とエネルギー価格の高騰が続いている。今年の夏の電気代を見て驚いた人も多いだろう。ヨーロッパ諸国とアメリカは、ウクライナ戦争勃発後に、対ロシア制裁を行い、ロシアを早期に屈服させる意図があったがこれに失敗し、戦争は続き、世界各国で深刻な物価高が起きている。ヨーロッパ諸国はロシアからの天然ガス輸入に依存していたところに、それが途絶してしまったために、厳しい状況になっている。そして、よりエネルギーを必要とする冬はより厳しい状況になると予想されている。
naturalgaspriceschartgraph511
天然ガスの価格の推移

 以下の記事によると、ヨーロッパ諸国は通常よりも10倍も高い価格で天然ガスを購入している。そして、通常であれば夏の時期に天然ガス貯蔵施設を満杯にして冬に備えることになっているのが、それができない状況になっている。そこで、ロシア以外の国々からの輸入を企図しているが、それもうまくいっていないということだ。

 ヨーロッパ諸国では、ネクタイをしない、エアコンをかけている店のドアを開けっぱなしにしないといった、涙ぐましい努力がなされている。今年の冬はエアコンに頼らないということで、薪を貯蔵している人々も出ているようだ。

 こうした厳しい状況の中で、「ウクライナ戦争を早く止めるべきだ」「アメリカが停戦に持っていくか、天然ガスの供給を行うかをすべきだ」という声がヨーロッパ諸国で大きくなっている。ウクライナ戦争がこのまま継続すれば、エネルギー価格高騰のままで冬を迎えることになれば、ヨーロッパ諸国に住む人々にとっては自分たちの生活や生命が脅かされる事態となる。そうなればウクライナのことに構っていられるか、という考えが出てくるのは自然なことだ。

 ヨーロッパ諸国が天然ガスの供給を世界規模に拡大すれば、世界のエネルギー価格は高騰したままだ。天然資源を輸入に依存している日本にとっても他人事ではない。ヨーロッパ諸国と天然ガスをめぐって競争しなければならない状況になる。中国やインドといった国々はヨーロッパに向かうはずだったロシアからの天然ガスを手に入れることが出来るので、この競争に参加しないだろうからこれはまだ救いとなる。しかし、現状が続けば、日本もまた厳しい冬を迎えねばならない。

 ウクライナ戦争は一刻も早く停戦すべきだ。そして、対ロシア制裁を解除して、ロシアからの天然資源(肥料の原材料も含む)が世界規模で流通するようにすべきだ。これは善悪の問題ではない。貧困に苦しむ世界中の多くの人々の生存に関わる問題だ。

(貼り付けはじめ)

ヨーロッパのエネルギー危機がどれほど深刻かをあなたは知らない(You Have No Idea How Bad Europe’s Energy Crisis Is

-天然ガスの価格は通常よりも10倍になっており、産業界は停滞し、消費者たちは怒り、政治家たちはパニックに陥っている。

クリスティーナ・ルー筆

2022年8月26日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2022/08/26/europe-energy-crisis-natural-gas-economy-winter/

世界のほとんどの国がエネルギー価格の上昇に苦しんでいるとすれば、ヨーロッパは、冬の到来とともに消費者たちに大きな経済的苦痛を与えないために、緊急の救済策や対策を講じなければならないほど、窮地に追い込まれている。

最大の問題は天然ガス価格の高騰で、ヨーロッパ全域に大打撃を与え、インフレを加速させ、産業を停滞させ、一般市民が電気料金の請求書を手にしたときに戦慄するような事態を引き起こしている。ヨーロッパの天然ガス価格は現在、過去10年間の平均の約10倍で、アメリカの約10倍の価格になっている。コンサルタント会社「ラピダン・エネルギー・グループ」のグローバル・ガス市場の専門家であるアレックス・マントンは、ヨーロッパの天然ガスは非常に高価で、原油1バレルに500ドル払っているようなものだと言う。しかも、これはまだましな時期の話だ。

マントンは「事態は危機的状況にある。ガス需要がピークを迎える冬まで、あと数カ月しかない。冬の間、需要に見合うだけのガスが確保できるかどうか、本当に不安だ」と述べた。

天然ガス問題は、ロシアのウクライナ戦争によるところが大きい。ウクライナ戦争によって、ロシア産ガスのヨーロッパへの輸出が途絶え、他の地域でも価格が上がっている。しかし、戦争だけが原因ではない。気候変動によって河川が枯渇し、ヨーロッパ各地の原子力発電所の多くが停止している。また、ヨーロッパの政策立案者たちの間では、システムにショックアブソーバーを組み込む方法について、10年以上にわたって混乱が続いている。ドイツとフランスの電力価格は今週再び記録的な水準に達し、大陸の電力危機がますます深刻化していることを反映している。各国が経済的な圧力に屈する中、絶望的な時間が絶望的な手段を求めている。イギリスは家庭用エネルギーコストの上限を80%引き上げると発表し、ドイツは約500ユーロの値上げを行った。

ドイツのロベルト・ハーベック経済大臣は、「ドイツのエネルギー市場は崩壊し、それに伴ってヨーロッパのエネルギー市場の大部分も崩壊してしまうだろう」と述べた。

通常、ヨーロッパでは、夏の間にガス貯蔵量を補充し、使用量の多い冬に賄うことができる。しかし、寒さに向かう時期を控え、ロシアが天然ガスの流れを制限している今、ヨーロッパは時間との戦いに突入している。専門家たちによれば、これまでのところ、ヨーロッパ諸国はほぼ計画通りに進んでいるが、だからといって冬になったら困るというわけではないということだ。

マントンは次のように述べている。「冬になると、ヨーロッパは通常、「貯蔵しているガスを大量に使い、同時に他の供給源から大量のガスを輸入する。その両方が必要だ。しかし、今年の冬を考えると、ロシアのガスがまったく供給されなくなるという現実的な脅威がある」。平時には、ロシアは、ヨーロッパの天然ガス輸入の約40パーセントを供給している。

冬にロシアの天然ガス供給がなければ、ヨーロッパ諸国はアメリカなどからの液化天然ガス(LNG)の輸入に更に頼らざるを得なくなるだろうとマントンは付け加えた。問題は、液化天然ガスの大口需要先であるアジアが、同じように液化天然ガスの供給を競っていることだ。つまり、ヨーロッパ東部からの古いパイプ式ガスよりも常に価格が高くなる。

マントンは更に「それが、ヨーロッパと世界が直面している危機だ」と述べた。

ヨーロッパがモスクワのエネルギー供給を放棄したため、多くの指導者たちが他の国との代替取引と供給の確保を急いだ。イタリアはアルジェリアからより多くの天然ガスを確保し、他の国々はアゼルバイジャン、ノルウェー、カタールに目を向けている。ドイツはカナダとの新たな液化天然ガス取引に期待を寄せているが、カナダはあまり楽観的でない。また、ドイツは5つの浮体式液化天然ガス基地を建設中であり、オランダ、フィンランド、イタリアも浮体式液化天然ガス基地を建設してガス輸入の準備を進めているなど、液化天然ガスインフラへの投資がかなり進んでいる。

しかし、当面の間、エネルギー専門家は、各国が供給を補強するためにできることは限られていると指摘する。コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターの創設者であり、バラク・オバマ前米大統領の元特別補佐官であるジェイソン・ボードフは、「ヨーロッパへの追加供給には当面限界がある」と述べている。

ヨーロッパの指導者たちも内向きになり、電力使用量を抑制するための広範囲な省エネ策を制定している。スペインは以前、節電のために労働者にネクタイをしないよう勧告していたが、今週、消費を抑えるための冷暖房規則を含む新しい節電計画を承認した。フランスは、冷房の効いた店舗がドアを閉めない場合、罰金を科すと圧迫し、ドイツはベルリンのモニュメント脇のスポットライトを消した。また、一部のドイツ人は自らの手で、来るべき冬に備え、薪を備蓄している。このような動きは、ドイツが現在進行中の危機を理由に最後の原子力発電所の段階的廃止を延期することを議論している時に起こったものである。

ボードフは次のように語っている。「ヨーロッパが過去に経験したことのないような最悪のエネルギー危機の最中に、更に原子力発電所を廃止するのは見当違いに思える。それは、失われた原子力の供給を補い、人々のために電力を供給し続けるために、天然ガスのような代替エネルギーの供給量を見つける必要があり、穴を少しばかり深くするだけのことだ」。

ラピディアン・エネルギー・グループのグローバルなガス市場の専門家であるマントンは、施設を稼働させ続けることは口で言うほど簡単なことではないと言う。マントンは「これらの原子力発電所を運営する企業は、特定の時点、つまり今年の年末に運転を終了する計画で動いており、すでにそれに基づいて発電所を管理している。今、“継続させたい”と言えば、状況はより複雑になる」と述べている。

技術者たちが奔走する一方で、政治家たちは集まって協議しようとしている。金曜日、チェコのヨゼフ・シケラ産業相は、チェコ共和国がヨーロッパ連合のエネルギー理事会に臨時会合を開くよう要請すると述べた。

産業界と家庭がどれだけ持ちこたえられるかは不明である。コンサルタント会社オックスフォード・エコノミクスによれば、エネルギー価格の高騰とGDPの大幅な下方修正により、英国は2桁のインフレイションに見舞われているという。ヨーロッパもそれほど良い状況にない。オックスフォード・エコノミクスは報告書の中で次のように書いている。「ヨーロッパの製造業は今後複数の四半期にわたって景気後退を経験すると思われるが、家計にも影響が及ぶだろう。ガソリンと電気料金の値上げは消費者に大きな打撃を与え、値上げ幅が大きいため、政府の更なる介入の実施可能性は高いと考えられる」。

今のところ、ヨーロッパ大陸は長く辛い道のりを歩んでいるように見える。マントンは「ヨーロッパは、事態が好転する前に悪化することを覚悟しているようなものだ。大きな問題は、事態がどの程度悪化するかだ」と述べた。

※クリスティーナ・ルー:『フォーリン・ポリシー』誌編集員。ツイッターアカウントは@christinafei
(貼り付け終わり)
(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

古村治彦(ふるむらはるひこ)です。

今回は、西森マリー著『カバールの捏造情報拡散機関フェイク・ニューズメディアの真っ赤な噓』(秀和システム)を紹介します。発売日は2022年9月10日です。

『フェイク・ニューズメディアの真っ赤な噓』
カバールの捏造情報拡散機関フェイク・ニューズメディアの真っ赤な噓

西森マリー氏はこれまでにも『ディープ・ステイトの真実 ―日本人が絶対知らない! アメリカ闇の支配層”―』『カバールの正体 世界人類の99.99%を支配する』『カバールの民衆「洗脳」装置としてのハリウッド映画の正体』と真実を暴く著作を次々と発表しています。

今回は、マスメディア、マスコミがいかに「フェイクニューズ(fake news)」を流して、人々を洗脳し、思い通りに動かそうとしているかを分析しています。

長くなりますが、副島先生による監修者のことば、まえがき、目次、あとがきを以下に貼り付けます。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。  

(貼り付けはじめ)

監修者のことば   副島隆彦

西森マリーさんの最新刊が本書である。西森さんのファンには、待望のアメリカの先端の知識、政治情報が満載されていて、すばらしい内容で充実している。

 アメリカのフェイク・ニューズメディアたちが、目下、拡散している捏造情報が、これでもか、これでもか、と出て来る。そして西森さんがバサリバサリと小気味よく筆誅(ひっちゅう)を加えている。

 真実が暴(あば)かれる。日本国内のメディアも統制されているからフェイクニューズだ。真実のアメリカ情報は私たちには伝わらないようになっている。英語で向こうの最先端のニューズや評論文を、大量に読んで、それらをどんどん整理してゆく能力は、私たちにはない。

 この誰かがやらなければいけない大切な作業を、知識人バイリンガルの西森マリーが、私たち日本人向けにやってくれるので、大変助かる。

 世界を頂点から支配しているディープステイトの、さらにその上に君臨するカバールの動きが、これで一目瞭然となった。

 私が監修者として、この本のゲラの原稿 galley proof[ガリー・プルーフ]を読んでいて、一番驚いたのは、本書242ページの、2003年5月、PBS[ピービーエス](アメリカの公共放送局)のインタビューで、ビル・ゲイツは、人口制御に力を入れているのは父の影響で、「私の父はプランド・ペアレントフッド(アメリカ最大の中絶促進組織)の責任者でした」と発言。の箇所だった。マイクロソフト社の創業者のビル・ゲイツが、新型コロナウイルス製造と世界へのばらまきに、巨額の資金を出したことは、今ではよく知られている。その父親が、息子よりも熱心にジョンズ・ホプキンス大学の広報センター(ここがコロナウイルスの世界中への毎日の「大本営発表[だいほんえいはっぴょう]」の総本部)を設立した。

 やっぱりビル・ゲイツの父親ウィリアム・ヘンリー・ゲイツ(1925年-2020年9月14日死)が、世界人口削減(人類の家畜[ライヴ・ストック]化計画の一部)のための運動の原動力となった「プランド・ペアレントフッド」(表面は貧しい家の子供の富裕層への養子縁組促進のための組織)に若い頃から関わっていたことが判明した。

 このプランド・ペアレントフッド Planned Parenthood の前身は、「アメリカ産児制限連盟」(1921年創立)で、これがすぐに「世界産児制限連盟」になった。

この産児制限運動の情熱的な活動家が、マーガレット・サンガー女史である(本書105ページ)。彼女は、世界中の貧困層の女たちが、毎年のようにボコボコと子供を産んで、人口爆発が進んで、ますます貧困がはびこるという現状を強く憂うれえた。これは人類の危機だと、20世紀の初めに、欧米の支配階級の人間たちに広く知れ渡って、彼らの共通感覚(コモンセンス)となった。

 サンガー女史は日本にも来た(1922年、1954年)。廃娼(はいしょう)運動(売春宿が公的制度であったことの廃止運動)と、貧困層の産児制限(避妊)が当時の社会問題として先鋭化していた。

 これらは、学問としては優生学(eugenics ユージェニックス)として現れた。1883年にフランシス・ゴルトンが生みの親だ(本書230ページ)。「優れた人間や人種の遺伝子を優先的に残すべきである」という思想である。その原動力は、チャールズ・ダーウィンの『種の起源』(1859年刊)である。

 この6月24 日に、アメリカの最高裁判所の判決(ロー対ウェイド判決、1973年)がひっくり返った。人口妊娠中絶 abortion(アボーション)を再び認めない方向(pro-life[プロウ・ライフ] 胎児の生命重視)へ、アメリカの保守的な中西部の諸州は向かう。「生む生まないを決めるのは女の権利(人権)」と言われてきた(pro-choice[プロウ・チョイス] 中絶賛成派)のリベラル思想が、ここで止まった。

 西森マリーは、第4章1節の「中絶」(98ページから)でこの問題を詳しく丁寧に扱っている。

 アメリカの財界人たち(財団)が、マーガレット・サンガー女史の産児制限と中絶の促進に賛同して「プランド・ペアレントフッド」になってゆく。本書101ページに「1923年、LSE[エルエスイー](ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)は、(サンガー女史を支援する)ロックフェラー財団との長期にわたる関係を開始した」とある。

 カバール(ディープステイト)の中心思想はまさしく優生学(ユージェニクス)である。西森マリーが、この密に本書でたどりついている。これが本書の最大の業績である。このLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 大学)は、ヨーロッパ中の一番頭のいい左翼学生と左翼学者の結集軸である。ユヴァル・ノア・ハラリも、トマ(ス)・ピケティその他大勢もここの卒業生だ。フリードリヒ・ハイエクがここで教えていた。日本人の森嶋通夫(もりしまみちお)も長く教授をした。大(だい)経済学者のケインズもここに入る。

 このLSEは「フェビアン協会」Fabian Society とつながっていて、イギリスの社会主義者たちの大半はここの会員だ。ただし、カール・マルクス派の社会主義思想とは対立し続けた。今のイギリス労働党もフェビアン協会系である。その真実の姿は、19 世紀に大英帝国が世界支配を達成した時に、それに労働者と貧困層を巻き込んでいって、補完勢力にしたことである。

フェビアン協会に表れるイギリス社会主義者たちの自由党(リベラルパーティ Whig ホイッグの思想)が、やがてイギリス労働党の指導者たちの思想にもなった。

 それでも、貴族(Tory トーリィ党)、僧侶・国王とは激しく対立する

 切実だった産児制限(地球の人口爆発の阻止)と一心同体である、人種改良の思想である優生学が、ついにカバールのペドフィリア(犯罪的な異常幼児性欲)とトランスヒューマニズム(人間の拡張。MIT[エムアイティー]メディアラボ。すでに壊れたAI[エイアイ]信仰)の大きな破綻となって表面に正体を現した。2020年末にトランプたちが闘ったので、カバールは「新しい神を作ること」に失敗した。

 今、人間(人類)は保守化した(私も)。LGBTQの、気色の悪い、ヒゲ面(づら)の中年男が、ブラジャーとスカートをはいて「私、女です」と「私はトランスジェンダーしました」と主張して、女子トイレや女子更衣室に平気で入って来ることを、「気持ちワルいからやめなさい」と拒否する健全な保守化への道を私たちは選んだ。

 人類の先端分子たちが、「トランスジェンダー(LGBTQ支援)と、それに反対する保守化の、果たしてどちらが正しいのか」で悩んで目下、選択を迫られている。

 西森マリーのこの本には、この問題についての各場面からのたくさん、たくさんのアメリカの最近事例がてんこ盛りで報告されている。私たちは、ここが人類の戦いの最前線である、と腹を決めなければいけない。

 第1章で、「ウクライナ戦争でプーチンのロシアが正しくカバールと戦っている」と西森マリーは断言している。私も同感だ。

 第2章で、マレーシア航空機の続けての撃墜は、ロシアではなくウクライナのネオナチ(今のゼレンスキーたち)が行った、と証明している。

 第3章で、たくさんの学校銃乱射(スクール・シューティング)も、カバールが仕組んでいて、アメリカ国民の銃で自分を守る権利(米憲法補正第2条)への攻撃だ、と。

第4、5章でBLM[ビーエルエム](暴れる黒人たち)も、CRT[シーアールティー](白

人優越主義(ホワイト・シュープレマシー)への呪い。学校教育で復讐している)と、過剰なLGBTQ礼讃が学校の中で強制されている、こと。バイデン政権になって、南の国境線から、年間350万人も不法(違法)移民(イリーガル・アライヴズ)が入って来ていること。そしてトランプ派米国民がそれに対して今も頑強に闘っていること。

 本書の最後に出てくる。カバールが表面に出てきている組織であるダヴォス会議(WEF国際経済フォーラム)のブレイン(頭脳)である、ベストセラー『サピエンス全史』(2014年英語版)の著者ユヴァル・ノア・ハラリが、5月にダヴォス会議の中心講演で発言した、以下の言葉が紹介されている。

このハラリの言葉は、今、私たちが真に考え込むべきことである。若いLSEの学生の時、選ばれてカバールの秘密結社に自ら入って儀式(ライト)を受けたであろうハラリは、いくら頭がよくても、もう一生カバールから逃げられないのである。

 「今後数十年の経済や政治における、たぶん最大の問題は、役に立たない人々をどう  する かということだろうと思います。退屈をどう処理するか、基本的に無意味で無価値な彼らが、どうやって人生の意味を見出すのか。これが問題です。

 私の推測では、現在のところ、薬物とコンピュータゲームの組み合わせが、ほとんどの解決策になるのではないかと思います。

 実際、すでにそうなっています。日本を見てください。日本はあらゆる面で世界の20年先を行っています。バーチャルな配偶者と関係を持ち、家から出ずにコンピュータだけで生活する人などが新しい社会現象となっています。余剰人間には力はありません」

                            (本書279ページ)

このハラリのコトバに私は心底、唖然とした。私のすぐ近くにこういう人間たちがいる。

 「無意味で無価値な人間たちが、どうやって人生の意味を見出すか。......現在のところ、薬物とゲームです」(ユヴァル・ノア・ハラリ)。今、私たちはこんな処(ところ)にまで来ている。

 西森マリーさん。この本でアメリカからたくさんの最先端の情報と知識をありがとう

     2022年8月16日     副島隆彦

=====

まえがき    西森マリー

 本題に入る前に、陰で世界を操る勢力の実態に関する副島隆彦先生の数々の名著、及び拙著『ディープ・ステイトの真実』『カバールの正体』(共に秀和システム)を未読の方々のために、フェイク・ニューズの成り立ちに関して簡単にご説明いたします。

 中世以降の世界は、カバール(ヨーロッパの王族、ヴァチカン、ロスチャイルドなどの中世から続く銀行家集団)と、カバールの手下であるディープステイト(NATO、国連、政治家、官僚、司法関係者、諜報・報道組織)の見えざる手によって支配されてきました。

 カバールはディープステイトを使って戦争、革命、疫病、飢餓、天災と見せかけた人災を起こして世界を大混乱に陥れ、その度に〝民衆を助ける〟振りをして、自分に都合のいい解決策を一般人に与え、権力を掌握し、民衆を統治し続けてきました。

 戦争を無くすために国境を廃止して一つの世界を作ろう!、疫病は国境を越えて襲って来るので全世界が一丸となった対策が必要だ!、飢餓に苦しむアフリカ人を救うのは全人類の義務だ!、干ばつや山火事などを引き起こす気候変動には地球が一つにまとまって対処しなければならない!、海の汚染を食い止めるためには世界規模の環境保護政策が必要だ!......カバールは、ひっきりなしにこのようなスローガンを繰り出して、国境のないワン・ワールド(一つにまとまった世界)を理想郷として売り込んでいます。

 どのスローガンもポジティヴなものに見えますが、カバールの真のゴールは、国々の主権を奪ってワン・ワールドを作り出し、その上に自分たちが君臨し、世界人類を完全に家畜化することです。

 カバールはすでに世界人類の99・99パーセントを借金奴隷にしています。アメリカの連邦準備銀行や世界のほとんどの国々に存在する中央銀行、及びIMFや世界銀行は、カバールが支配する私設組織です。ほとんどの国の政府は、カバールの組織である中央銀行が勝手に印刷するカネを借りて国家を運営し、国民から取り立てた税金を使ってカバールに借金を返済しています。

 ほとんどの国の支配層は自らの意志でカバールの手下になったか、ディープステイトに弱みを握られ、脅迫されてカバールの手下になった者たちで、アメリカでは民主党・共和党、両党の幹部は皆カバールの手下です。

 この実態に民衆が気づいたら、全世界で暴動が起きて、カバールとディープステイトの悪党どもが皆殺しにされるでしょう。

フェイク・ニューズ(=大手メディアの報道)は、この事実から民衆の目をそらし、世論操作をするためのサイオプ(心理操作作戦)の道具です。

『カバールの正体』で詳しく説明したことですが、19 世紀末期の英国の新聞記者は諜報活動も行っていました。辣腕(らつわん)記者の能力を買ったピルグリム・ソサイアティ(全世界を統一してカバールの支配下に収めることを目指す組織)が、1909年の会議で、「世界中に派遣された記者たちは、報道を通じて世論を形成するために諜報部員としての役割も果たすべきである」と判断。

 数週間後にMI5(アメリカのFBIに相当する国内の治安維持を目的とした情報機関)とMI6秘密情報部(アメリカのCIAに相当する海外でスパイ活動を行う組織)が誕生し、これをモデルにしてCIAが設立されました。

 つまり、カバールに好都合な情報のみを流す報道機関と、カバールの利益を守り、目的遂行を援助するために偽情報を捏造(ねつぞう)する諜報組織は、表裏一体のカバール広報部です。

タヴィストック・クリニック(マインド・コントロールを研究する機関、タヴィストック人間関係研究所の前身)で研究をしていた哲学者・作家のオルダス・ハクスリー(『すばらしい新世界』の著者)は、1962年に行われたインタビューで、こう語っています。

 「次の世代には、人間が隷属を好むようにする薬が発明され、いわば涙のない独裁社会が誕生し、社会全体が痛みのない強制収容所のようなものになるでしょう。人々は実際には自由を剝奪(はくだつ)されたのに、プロパガンダや洗脳、あるいは薬理学的な方法で強化された洗脳によって反抗する気持ちがなくなり、むしろ隷属を楽しむようになるでしょう」

 私たちは皆、カバールの宣伝機関(ハリウッド、芸能界、大手メディア)とカバールの代弁者(政治家、権力者)が作り上げたマトリックス(=フェイク・リアリティ)の中で生きてきました。

 カバールのマインド・コントロール術があまりにも優れていたため、ほとんどの人々がマトリックスが現実だと信じきっています。

 マトリックスが現実ではないと気づき、真実を言った人々は、カバールの手下どもから、〝頭のおかしい陰謀論者〟、〝現実が見えない精神異常者〟、〝真実と嘘の区別がつかない妄想性障害者〟と罵(ののし)られ、嘲笑されています。

 カバールのこのようなサイオプを〝ガスライティング〟と言います。これは、イングリッド・バーグマンがアカデミー主演女優賞を受賞した1944年の『ガス灯』(ガスライト)に由来します。殺された叔母の家に住むポーラ(バーグマン)が結婚した相手が、実は叔母を殺した宝石強盗で、彼は嘘をつきまくり、ポーラが自分は精神異常者だと思い込むようになる、という筋書きです。

 カバールは、「人はデータや証拠よりも〝感動的、劇的なお話〟を事実として受け容れやすい」という人間の心理をしっかりと把握しています。そのため、大昔から、「ベルギーを侵略したドイツ兵が赤ちゃんを銃剣で串刺しにしている!」などの衝撃的でヴィジュアルなお話を〝ジャーナリスト〟がでっち上げて、世界中で戦争を繰り返してきました。

 世界経済フォーラム(=カバールの実行委員会)が2015年に発表した How narratives

influence human behaviour(物語はいかに人間の行動に影響を与えるか)という記事の要点をご紹介しましょう。

● 専門的なデータは理解しにくく、データには誰も感情移入できない。行動を起こさせるのは感情なので、データよりも、NGOの感動的なお涙ちょうだい話のほうが、人々からカネを引き出し、人々を行動に駆り立てるためのインパクトがある。児童救済組織が行った実験で、困窮に関するデータを見せられたグループは平均1・17ドル、悲壮な表情の少女の写真を見せられてお涙ちょうだい話を聞かされたグループは平均2・83ドル寄付をした。

● ゴミが溢れる川をカヌーで漕ぎ、涙を流すインディアンの男性の映像に、「かつて存在した美しい自然を尊敬する人々もいるが、尊敬しない人もいる。汚染は人間が始めたものなのだから、人間が止めることができるはずだ」というナレーションが流れる〝クライング・インディアン〟の1970年のCMはインパクトがあった。環境保護政策促進のために、涙を流すインディアンと同じようなキャラクターが必要だ。

 1980年代、1990年代に北極の氷が溶けて溺れるシロクマや、氷に包まれた南極の面積が縮小して棲処(すみか)を失うペンギンの映像がニュースでよく流れ、その後、レオナルド・ディカプリオやグレタ・トゥーンベリが地球温暖化の脅威を煽っているのは、〝感情に訴える〟というカバールのシナリオに添った展開だったわけです。

 2021年11月、ワクチン拒否者を説得できずに業を煮やしたクラウス・シュワブは、〝世界をリードする科学者、哲学者、思想家を招いて、人類を集合的な未来に導くためのグレイト・ナレティヴ(すばらしい物語)を共同制作する〟ための会議を開きました。

 そして、2022年の世界経済フォーラムでは、環境保護とパンデミック対策としての全人類言行追跡の必要性が強調され、〝悪のプーティンvs 英雄ゼレンスキー〟というナレティヴにも焦点が当てられました。ロシア・ウォー・クライムズ・ハウス(ロシア戦争犯罪展示館)はフェイク・ニューズのエキスポで、ディープステイトがでっちあげた偽旗(にせはた)工作の犯罪が、〝ロシアの犯罪〟として展示されていました。

 そして、展示館を取材するフェイク・ニューズの記者たちは、一様にロシアへの怒りを露わにして、ウクライナに同情し、やけに感情的になって ロシアを批判し、ウクライナへの支援を呼びかけていました。

 これは、まさに、第1次世界大戦のときに開発され、以降ずっと使われてきたマインド・コントロールのためのサイオプ(心理操作作戦)です。

 アメリカでは長い間、自国民にサイオプをしかけてはいけない、と、法律で定められていました。しかし、2012年、オバマ政権が、外国のテロリスト向けに行っている偽情報によるサイオプを国内で使用してもいい、という法律を通しました。

 おかげで、それまでは単にカバールに都合のいい情報のみを流していた大手メディアが、堂々とフェイク・ニューズを流して、カバールのゴールを達成するためのサイオプをアメリカ国内で仕掛けるようになりました(オバマがこの法案を通そうとしていることを最初に伝え、CIAを批判したマイケル・ヘイスティング記者は、車が突然炎上して謎の死を遂げています)。

 本書では、主にここ数年の間に大手メディアが伝えたフェイク・ニューズの実態を、内部告発者の証言や情報公開法で開示された証拠などを元に検証していきます。偽情報の裏に隠された真実が見えると、カバールの企みも見えてきます。

 真実探求のために、この本をお役立ていただければ幸いです。

本文の記述の典拠となる資料、ビデオのURLは、秀和システムのホームページ https://

www.shuwasystem.co.jp/ にある本書のサイトのサポート欄に掲載してあります。

=====

『カバールの捏造情報拡散機関フェイク・ニューズメディアの真っ赤な噓』◆ 目次

監修者のことば 1

まえがき 9

第1章 ロシアの脅威を煽るためのプロパガンダ 27

1 ウクライナをめぐる真っ赤な噓 28

フェイク! 「凶悪なロシアが罪のないウクライナを侵略した」

■ステイ・ビハインド作戦 28

■ウクライナ政府によるロシア系住民のエスニック・クレンジング 32

■プーティン大統領の「開戦演説」(2022年2月24 日) 42

■プーティンはカバールと戦っている 48

2 ロシア疑惑 54

フェイク! 「トランプとロシアのアルファ銀行はヒラリーを倒すために密かに共謀していた」

■〝ロシア疑惑〟の噓をめぐる裁判 54

第2章 悪魔崇拝隠蔽工作 57

1 ジョンベネ 58

フェイク! 「ジョンベネ・ラムジー殺害事件は迷宮入りだが、両親か兄が殺したと思われる」

■悪魔崇拝ペド儀式 60

2 マレーシア航空 63

フェイク! 「マレーシア航空17便はロシアに狙撃された」

■真実はウクライナが撃墜した 64

■MH017便のすぐそばを飛んでいた2機のウクライナ戦闘機 65

■ホルマリン漬けだった死体 66

■マレーシア航空370便失踪事件 69

■カバールの一石四鳥のグラディオ 74

第3章 銃没収のためのグラディオ(偽旗工作) 77

1 補正第2条 78

フェイク! 「ハンティングや自己防衛にAR15は要らないので、AR

15 所持権は補正第2条で守られた権利ではない」

■自由とは戦って勝ち取り、守らねばならないもの 81

2 学校乱射事件 84

フェイク! 「銃擁護団体の調査によると、アメリカでは1日おきに学校乱射事件が起きている」

■ニューヨーク州バッファロー 85

■テキサス州ユヴァルディ 87

■アメリカ国民から銃を取り上げるためのグラディオ 89

3 パークランド 92

フェイク! 「パークランドの学校乱射事件は、白人至上主義者の反抗だった」

■デイヴィッド・ホグの正体 94

第4章 民主党と共和党が対立していると見せかけて分割統治をしやすくするためのミスディレクション 97

1 中絶 98

フェイク! 「中絶は女性の基本的人権で、中絶反対者は人種差別主義者だ」

■社会科学を支配したロックフェラー家 99

■マーガレット・サンガー 102

■「プランド・ペアレントフッド」の真実 108

■カバールの優生思想 111

■「中絶非合法」という誤報 112

2 BLM 114

フェイク! 「BLMブラック・ライヴズ・マターは人種差別が浸透したアメリカ社会の不正から黒人を守るための正義の組織」

■BLMの来歴 117

■暴徒と化すデモ隊 120

■BLMの資金源 124

3 白人警官による黒人殺しのニュースの噓 127

フェイク! 「アメリカでは人種差別主義者の白人警官による黒人殺害が日常茶飯事と化している」

■真実のデータ 128

■オバマが仕掛けた人種間対立 131

■ジョージ・フロイド事件 136

4 「白人優越主義者による国内テロ」という架空の脅威 138

フェイク! 「アメリカの安全を脅かす最大の脅威は白人優越主義者」

■下院公聴会 139

第5章 洗脳教育から注意をそらすための偽情報 145

1 CRT 146

フェイク! 「人種差別撤廃と黒人やヒスパニックの自尊心形成、地位向上に欠かせない教育であるCRT(クリティカル・レイス・セオリー。すべての白人は人種差別主義者だとい

う仮説)を拒絶する人間は人種差別主義者だ」

■クリティカル・レイス・セオリー 146

■糾弾される〝ホワイトネス〟 149

■驚くべきCRT教育 151

■「エクイティ」とは何か 156

2 ドント・セイ・ゲイ 158

フェイク! 「LGBTQ(異性愛者以外の人々)差別者のフロリダ州知事が学校で同性愛否定教育を強要する法律を制定した」

■LGBTQ性教育 159

■LGBTQ洗脳教育を支援する大口献金者たち 165

3 司法省が親をターゲット 167

フェイク! 「司法省は学校の方針に反対する親をテロリスト扱いしていない」

■実際は親たちを威嚇 169

第6章 バイデンを善人、トランプ大統領を悪人に見せるための作り話 175

1 ハンター・ラップトップ 176

フェイク! 「《ハンター・バイデンのラップトップからバイデン一族の汚職を証明するメールが発見された》という報道は、ロシアの偽情報である」

■真実を伝えない大手メディア 176

2 インフレ 180

フェイク! 「インフレは一過性のものだ」

■CBDCへ移行するための準備 181

3 不法移民 185

フェイク! 「国境はしっかり警備されている」

■真実は2021~2022年で350万人以上の不法入国者 185

4 偽情報取り締まり 187

フェイク! 「国土安全保障省は、外国発の偽情報を取り締まるために偽情報統制委員会

Disinformation Governance Board を設置した」

■本当は〝真実抑制委員会〟 187

5 〝トランプ大統領は人種差別主義者〟 190

フェイク! 「トランプは人種差別主義者だ」

■トランプ大統領のシャーロッツヴィル発言 191

■オバマより黒人のための施策に貢献したトランプ大統領 193

■シャーロッツヴィルの真実 196

6  〝2020年の選挙は安全だった〟 198

フェイク! 「2020年の選挙は、最も安全な選挙だった」

■実際は「最も腐敗した」選挙 199

■シドニー・パウエルが起こした訴訟で分かったこと 202

■インチキし放題の電子投票機を導入するために2000年から計画 206

7 議事堂襲撃 211

フェイク! 「2021年1月6日、選挙で負けたことを認めないトランプ大統領の扇動に乗ってトランプ支持者が議事堂を襲撃して謀反を起こした。これは、真珠湾攻撃、ウォータ

ーゲート事件、9・11 のテロを凌ぐ民主主義への激しい攻撃だった」

■トランプ大統領とトランプ支持者を陥れるための偽旗作戦 214

第7章 ワン・ワールド導入のためのサイオプ(心理操作作戦) 217

1 国連 218

フェイク! 「国連はウクライナ救援のためにもっと力を入れるべき」

■創設時からの悪魔崇拝 219

■アジェンダ21はワン・ワールド政府を目指す行動計画 223

2 コロナ 225

フェイク! 「コロナウイルスのワクチンは効果的、かつ安全だ、と科学が証明している」

■ファイザー社の報告書 226

■ワン・ワールド化のための手段 228

■カバールの人口削減作戦150年史 229

■カバールが考える人類家畜化のためのステップ 272

■事実検証機関を牛耳って、真実が表に出ないようにする 275

■ハラリの不気味なコメント 278

あとがき 281

=====

あとがき   西森マリー

 私の旧友、ユリ・ゲラーは、「僕のテレビ番組を見ながらスプーン曲げができる人間のほとんどが子どもなのは、子どもたちが〝そんな能力は存在しない〟という偽情報に洗脳されていないからだ」と言っています。

 カバールの偽情報は、セルフ・フルフィリング・プロフェスィー self-fulfilling prophecy 自己達成的予言、と呼ばれるサイオプです。カバールは自分が捏造した科学を信じさせて人類から思考・識別能力を奪い、フェイク・ニューズで世論を操作して、ワン・ワールドを受け容れさせようとしているのです。

 トランプ大統領のおかげで、アメリカ人の半数が、大手メディアの報道がフェイク・ニューズであることに気づきました。この現状を悟った報道機関は、反省するどころか居直って、ポリティコに至っては、戦争を推奨する〝ニューズ〟がロッキードやノースロップなどの軍需産業の提供で報道されていることを堂々と表示するようになりました。

 それでも、まだ目覚めないシープルの睡眠力には呆れるばかりです! コロナのワクチンとブースターを2回打ったバイデン夫妻が2回コロナに感染し、「5億人以下の人口を維持すべし」と刻まれたジョージア・ガイドストーン(カバールの石碑)が爆破され、〝バイデン〟が自転車で転倒したり、「ホロコーストの名誉を語り継ごう」と、あり得ない失言をしても、「何かヘンだ!」と気づかないとは!! 

 日本では、ジャパニーズMAGA戦士の石川新一郎さんや、洞察力溢れるバイリンガルのジャーナリスト、ケン・シノハラさん(お二人とも画面から誠意とやる気が伝わってきます!)がポッドキャストで真実を伝え、天才漫画家の片岡ジョージさんが『コロナは概念☆プランデミック』でコロナとWH王の真相を教えてくれたことが、不幸中の幸いです。

  副島隆彦先生や私の文章が届かない層(=活字離れをした若い世代や特に政治に興味がない人々)に、カバールの実態を知らせてくれる彼らは、フェイク・ニューズの壁を斬り散らして突き進む現代日本版の三銃士のような貴重な存在です。

 アメリカでは、この本の原稿を書き終えた7月後半以降、カバールの悪行に拍車がかかり、オバマ時代でさえ想像もつかなかった悪夢が毎日展開されています。

 インフレが悪化する最中、バイデンはSPR(戦略的石油備蓄)の石油をハンター・バイデンが投資している中国の会社に売り、国税庁に1240億ドルの予算を与えて8万7000人の徴収員を新たに雇う悪法をごり押ししました。大都市では強盗、暴行、殺人などの犯罪が激増。ニューヨークでは、正当防衛で強盗を殺したコンビニの店員が殺人罪で投獄されましたが、強盗が黒人だったので、左派は本気で強盗に同情しています。

 7月17日には、ジョン・ボルトンが外国でクーデターを仕込んでいたことを認める発言をしたのに、大手メディアでは誰もフォローアップの報道をしていません。7月23 日には、下院情報委員会が「特定の遺伝子を持つ人間のみを襲う生物兵器製作が可能なのでDNA情報のシェアーは危険だ」と警告したのに、ノーミー normie(現状がノーマルだと容認している視野の狭い人)はいまだに「それは陰謀論だ!」と言い張っています。

 水不足が深刻化するカリフォルニアでは、敷地内に井戸がある家庭に税金をかける州法が制定され、カリフォルニア、オレゴンなど17 州では許可無しに雨水を保存、使用することが禁じられています。カバールは、水も独り占めするつもりなのです。

 ウクライナの戦争で穀物、肥料、天然ガスが不足し、窒素削減政策でオランダの酪農が危機に瀕し、今年の冬に凍死や餓死が激増すれば、シープルも「何かヘンだ!」と気づいてくれるかもしれません。

 トランプ支持者のリーダーたちは、「凶悪なカバールに対する憎しみと怒りがアメリカ人のDNAに刻み込まれるほどの scare event スケアー・イヴェント(恐ろしい出来事)が起きて、シープルも臨死体験を味わってやっと目覚めた後に、トランプ大統領が戻ってくる」と言っています。

 スケアー・イヴェントが核戦争なのか、食糧不足による暴動なのか、新たな伝染病(=生物兵器)なのか、実際に起きるまでは分かりません。しかし7月にスリランカで起きたような暴動がアメリカで起きたら、バイデン政権は、待ってました!、とばかりに、国連軍を導入して、トランプ支持者を投獄してアメリカ人から銃を没収するでしょうから、トランプ支持者は慎重に行動を取らなくてはいけません。

 7月から8月にかけて各州で行われている予備選では、トランプ大統領が推した候補が勝っているので、カバールはサル痘の恐怖を煽って11 月の選挙を中止するか、不正しやすい郵便投票のみでの選挙にしよう、と画策しているはずです。

 8月8日には、機密文書をホワイトハウスから持ち出した容疑で、FBIがマーララーゴ(トランプ大統領のフロリダの自宅)に押し入り、金庫をこじ開け、メラニアのクローゼットまで探って、トランプ大統領のパスポートを含む大量の文書を押収しました。この直後、トランプ大統領は、アメリカ再建のために再び闘う決意を伝えるビデオをトゥルース・ソーシャルに載せ、トランプ大統領の人気はさらに高まっています。

 一方、SNSでは、ハンター・バイデンやヒラリーの罪は見逃してトランプ大統領のみを攻撃するFBIや司法省への批判が炸裂し、風刺パロディ・ニュース、バビロン・ビーは、「トランプ、2024年の再選キャンペーンを開始してくれたFBIに感謝!」と伝え、FBIのえこひいきに焦点が当たっています。

 カバールはトランプ大統領を逮捕して、トランプ支持者に暴動を起こさせるつもりでしょう。しかし、前出のビデオのBGMがQのテーマ・ソングだったので、トランプ支持者は TRUST THE PLAN, ENJOY THE SHOW ! というQの言葉を信じ、カバールの挑発に乗ることなく、現状を静観し、地方レベルで2020年の選挙の不正を暴く草の根運動に力を入れています。

 トランプ大統領がFBIを訴えて、FBIが押収した文書(トランプ政権時代に機密解除されたロシア疑惑関連文書)が裁判で公開されれば、オバマやヒラリーの悪事が白日の下に晒されます。

 私の希望的観測は、最高裁で2020年の大統領選の不正が露呈されることですが、おそらくその前に反トランプの共和党幹部と民主党が中間選挙を中止し、カバールがスケアー・イヴェントを起こしてアメリカが大混乱に陥り、大覚醒が実現すると思われます。

 合衆国憲法補正第22 条には、「任期を2年近く残して去った大統領の跡を継いで大統領になった者はその後8年、通算約10年大統領になれる」と記されています。大覚醒後、バイデン政権が崩壊し、トランプ大統領が2年、暫定的に大統領を務め、その後2024年の大統領選で圧勝し、アメリカが黄金時代を迎える、というのが最善のシナリオです。

 暫定政権の間に、カバールの手下の政治家、教育委員、判事を一掃し、正直者を政財界や司法界に入れ、クリントン夫妻、ブッシュ、オバマ、偽バイデンを投獄し、4政権が定めた法律を無効化し、カバールディープ・ステイトの息の根を止めなければなりません。

 トランプ大統領がトゥルース・ソーシャルで発表したビデオは、the best is yet to come. ベストの状況が訪れるのはこれからだ、という一言で結ばれています。スケアー・イヴェントの後に、カバールが崩壊し、人類が奴隷状態から解放されますように!

 最後に、常に鋭い指摘と精確な予知能力で私たちを導いてくださる副島隆彦先生と、私の身勝手な要求に快く対処してくださる小笠原豊樹さんに、深く御礼申し上げます。

本文の記述の典拠となる資料、ビデオのURLは、秀和システムのホームページ https://

www.shuwasystem.co.jp/ にある本書のサイトのサポート欄に掲載してあります。

8月中旬、毎日7000人の不法移民が堂々となだれ込んでいるテキサスにて

西森マリー

(貼り付け終わり)
(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 2024年のアメリカ大統領選挙についても色々と取り沙汰されている。このブログでも取り上げたが、共和党内部の反トランプの急先鋒であるリズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出)は、連邦下院議員の共和党の候補者を決める予備選挙でトランプが支持・推薦する候補者に大差をつけられて敗北した。反トランプの旗頭として、チェイニーは2024年の大統領選挙に出馬するのではないかと取り沙汰されている。政策がどうこうということよりも、「トランプを当選させない」という一本勝負で、反トランプ派を糾合しようという考えでどこまで進めるのかは分からないが、チェイニーには共和党エスタブリッシュメント派がついている。資金面などでは心配は少ないということだろう。
joebidenberniesandersdonaldtrump511

バイデン、サンダース、トランプ
 『USAトゥディ』紙が2024年に大統領選挙に出るのではないか、出て欲しいという顔ぶれ24名について、好感度調査を行った。その結果では、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が最も高い好感度を獲得した。同率2位でジョー・バイデンとドナルド・トランプが入った。その他の人たちはぱっとしない結果だったようだ。民主党進歩主義派の象徴であるアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員(ニューヨーク州選出)は中位にとどまった。サンダース、バイデン、トランプ以外の人物たちはいずれも好感度の前に知名度がなく、「そもそもどんな人なのか知らないので、好きも嫌いも判断できない」ということだったようだ。
joebidenjobapprovalratingsgraph511

 ジョー・バイデン大統領の支持率の推移を見ると、発足当初は支持率55%、不支持率38%だったが、「新婚期間(ハネムーン期間)」と呼ばれる3カ月の間に支持率が下落し、不支持率の方が高くなる逆転状態に陥った。不支持率が50%を超え、支持率が30%台中盤から40%台前半に低迷している。
favorabilitiesuspoliticalleaders2022511

 バイデン大統領の支持率にとどまらず、現在のアメリカのホワイトハウスと連邦議会の指導者たちの支持率、好感度は軒並み低い。これが示しているのは、アメリカ国民の政治に対する信頼の低下である。現在の政治状況や政策に不満を持っているのだ。サンダースが好感度調査で1位となっているのはそうした不満の反映でもある。

 アメリカの政治の停滞とそこから生み出されるアメリカ国民の政治に対する不満は一朝一夕で解決できるものではない。これは構造的な問題であり、世界規模で考えれば、アメリカの衰退の始まりということになる。国民の目を国内問題から目を逸らさせるために行われるのが「外患」、敵づくりである。そのために中露を敵視し、宇蔵院戦争に追い込んでみたが、ロシアを経済制裁で速やかに屈服させるはずが意図と違う結果になり、逆に自分たちが追い込まれる事態となっている。アメリカの衰退は印象付けられている。私たちは世界覇権(ヘゲモニー)の移動に備えることを真剣に官衙ねばならない時期に立ち会っている。

(貼り付けはじめ)

世論調査:サンダースは2024年大統領選挙候補者の間で最も高い好感度を記録(Sanders has highest favorability among possible 2024 contenders: poll

ザック・スコンフェルド筆

2022年8月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3617170-sanders-has-highest-favorability-among-possible-2024-contenders-poll/

USAトゥディ』紙・イプソス共同世論調査の最新の結果によると、バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が、2024年大統領選挙の候補者(可能性)23人の中で最も高い好感度を記録している。

世論調査の回答者の46%がサンダースに対して少なくとも幾ばくかの好感度を持ち、41%が不支持となった。

ジョー・バイデン大統領は好感度43%で、全体で2番目の好感度を記録した。しかし、彼の不支持率はサンダースの数字に比べて高くなっており、52%が大統領に対して否定的な意見を表明した。ドナルド・トランプ前大統領はバイデン大統領と同様の結果を残した。

この3人の政治における重要人物の後ろに、知名度の高い候補者たちが続いている。しかし、全国的知名度が低い候補者になると、ほとんどの有権者に知られていないという状態になっている。

カマラ・ハリス副大統領とマイク・ペンス前副大統領はともに40%以上の回答者から好意的な評価を得ており、候補者の中でそれぞれ3位と4位の数字を得ている。

民主党員・支持者の間では、バイデンが最も好感度が高く、82%の有権者が現職大統領を好意的に捉えている。共和党支持の有権者で、バイデンに好意的な見方を示したのは、わずか11%だった。

バイデンとその側近は、健康状態が許せば2024年に2期目の出馬を計画していると主張しているが、民主党の中には、支持率が低い中でバイデンの再選を支持するかどうかという質問に明言を避ける者たちもいる。

そのような民主党所属の連邦議員の多くは、質問されると「今は今年の中間選挙に集中している」と答えている。しかし、質問をかわしている人物の中には、2024年に自らホワイトハウスを目指す可能性がある人物も含まれている。

アレクサンドリア・オカシオ・コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は今年6月、CNNの番組「ステイト・オブ・ザ・ユニオン」のインタヴューで、2024年の大統領選挙でバイデンを支持するのかどうかについて言及することを避けた。

オカシオ=コルテスは「その橋は渡ったら明確にします。しかし、私は大統領がヴィジョンを持っている場合、確かに私たちは全て時間が来れば、楽しませ、検討する意思があるものだと思う」。

世論調査でのオカシオ・コルテスの好感度は、23人の候補者の中で11位と中位に位置している。

調査対象となった有権者の33%がオカシオ=コルテスを好意的に見ていると回答し、38%が好意的でないと回答した。

世論調査では、進歩的な議員の好感度は共和党員・支持者たちの間で最も低く、共和党員・支持者の回答者の10%が彼女に好感を示し、バイデンやハリスより1ポイント低いことが分かった。

世論調査によると、トランプは共和党員・支持者たちの間で最も高い好感度、81%を記録した。トランプ前大統領に続き、ペンスとテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)が、それぞれ共和党有権者の69%と68%から好感を持たれている。

メリーランド州のラリー・ホーガン知事やニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事など、世論調査の対象となった共和党穏健派の知事たちは好感度が低かった。

しかし、回答者の大多数は、この2人の知事についてよく知らないとも答えており、トランプやペンスといった知名度の高い人物は、世論調査の対象となったほとんどの有権者に知られているようだ。

今回の世論調査は、8月18日から22日にかけて、アメリカの成人2345人を対象にオンライン・インタヴューで実施された。誤差は2.5パーセントポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ