古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

2024年10月

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。  アメリカでも、西側先進諸国でも、移民をバックグラウンドにした人々に対する攻撃が増加している。ヨーロッパ諸国では、白人による非白人への攻撃が起きている。また、アメリカでも同様の事象が起きている。アメリカの場合はネイティヴアメリカンの人々以外は、全員が元を辿れば別の国や地域からやって来た人々であり、移民や移民の子孫同士で嫌い合って、攻撃をしているという滑稽なことになっている。

 このような状況に対して、人種差別は良くない、外国人を嫌うことは良くない、それぞれ悪いことだというのが社会の前提になっている。それは全くその通りだ。これに異論を挟むことはできないし、物理的な攻撃を加えることは誰にしても犯罪行為であって、きちんとした裁判を行い、判決を確定させた上で、刑を執行しなければならない。法の下に差別があってはならない。

 下記論稿は、ドイツ国内での移民や移民のバックグラウンドを持つ人々への物理的な攻撃を行った過激派に関する書籍の内容を紹介する内容となっている。ドイツでは2000年代から、反移民思想を掲げる「国家社会主義地下組織」が組織され、実際に物理的な攻撃を実施し、複数の人々が殺害されるということが起きた。ドイツ警察の対処が遅かったために、このような考えが広がり、それが「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭を許したということになっている。
 私は、このような人種差別や外国人排斥に反対する。しかし、同時に、このような考えを持つ人々が生まれながらにそのようになったとは思わない。こうした考えを持つ人々はドイツ東部に多いとされている。ドイツは1989年に統一を果たしたが、旧東ドイツの人々は体制の大変化に戸惑い、ついていけず、置いてけぼりにされた。西側の人々から蔑まれ、待遇の良い職にありつくこともできず、結局、外国人や移民と低報酬の仕事を争うことになった。結果として、彼らには不満が鬱積し、それの向く先が移民や移民のバックグラウンドを持つ人々ということになった。彼らとて、安定した生活ができていれば、そのような考えを持つことはなかっただろう。「衣食足りて礼節を知る」という言葉もあるが、「衣食」が満足いくものであれば、そのようなことはなかった。

 また、資本主義の行き過ぎによる、優勝劣敗があまりにもきつく効きすぎてしまったのも問題だ。資本側は労働者を安くでこき使いたい。そのためには、国内で安く使える人々の大きなグループ、層を作らねばならない。貧乏人の大きな集団を作らねばならない。国内に「発展途上国」「貧乏国」を作る必要がある。ドイツであれば、ドイツ東部がそうだ。そして、そうした人々の不満は移民や外国人、移民のバックグラウンドを持つ人々に向けさせる。そうして、人種差別や排外主義が台頭してくるのである。一部政治家たちは自分たちの票を獲得し、政治家としての生活を守るために、このような劣情を利用する。日本でも全く同じことが起きている。

 犯罪行為をした者たちをただ罰するだけでは犯罪を抑止することはできない。大きな視点で、構造的に見ていく必要がある。「人種差別は駄目」「排外主義は駄目」とお題目のように唱えるだけでは何の意味もない。それを解決するためには現状を把握し、分析しなければならない。

(貼り付けはじめ)

ドイツの極右の台頭は新しい現象ではない(Germany’s Far-Right Surge Isn’t New

-2000年代初頭にドイツが致命的な過激派に立ち向かうことができなかったことは、警告となるはずだ。

エミリー・シュルテイス筆

2024年6月1日
『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/06/15/germany-far-right-neo-nazi-terrorism-europe-nsu-murders-white-nationalism/

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ドイツのミュンヘンで国家社会主義地下組織の犠牲者たちの写真を掲げる抗議者たち(2018年7月11日)

2011年11月のある朝、ドイツ東部の都市アイゼナハの銀行に2人組の男が押し入り、銀行の窓口職員をピストルで殴り、約99000ドルを盗んだ。地元警察が男たちを近くの道路脇のキャンピングカーまで追跡した後、銃声が鳴り響き、車は炎上した。警察官は車内で2人の男の死体を発見した。1人がもう1人を撃ち、銃を自分に向けたのだった。その日のうちに、アイゼナハで起こったことを聞いた約100マイル離れた女性が、自分のアパートにガソリンをまいて火をつけ、逃走した。

ウーヴェ・ベンハルトとウーヴェ・ムンドロスという2人の男は、典型的な銀行強盗ではなかった。ベアテ・ツェーペという女性とともに、彼らはドイツから移民を排除し、この国の白人としてのアイデンティティを脅かすと思われる人物を排除しようとするネオナチ・テロリストのトリオを形成していた。そして警察の捜査は、一連の銀行強盗以上のものを発見した。ベーンハルトとムンドロスは、彼らが率いる地下テロ集団である「国家社会主義地下組織(the National Socialist UndergroundNSU)」の資金源として金を盗み、当局の目を逃れながらドイツ全土で連続殺人を計画、実行していた。

NSUに関する暴露が初めて明らかになったとき、ドイツを根底から揺るがしたが、この話は国外では比較的知られていない。ジャーナリストのジェイコブ・クシュナーの新著『目を背ける:殺人、爆弾テロ、そしてドイツから移民を排除しようとする極右キャンペーンの物語(A True Story of Murders, Bombings, and a Far-Right Campaign to Rid Germany of Immigrants)』は、その状況を変えようとしている。

クシュナーは次のように書いている。「人種差別的な過去を償ったと思いたがっていた国は、暴力的な偏見が現在のものであることを認めざるを得なくなる。アドルフ・ヒトラー率いるナチスがホロコーストでユダヤ人やその他の少数民族を死に追いやってから60年、ドイツの警察はバイアスに目がくらみ、周囲で繰り広げられている人種差別的暴力に気づくことができなかった。この事件は、ドイツ人に、テロリズムは必ずしもイスラム教徒や外国人によるものではないことを認めさせるだろう。多くの場合、テロリズムは自国の白人によるものだ。そして、他に類を見ない大移動の時代において、白人テロの標的はますます移民になっている」。

『目を背ける』は主に被害者の家族や、右翼過激派テロの根絶に積極的に努めた人々の視点を通して語られており、3部構成になっている。クシュナーはまず、1990年代後半にベーンハルト、ムンドロス、ズシャペがドイツ東部の都市イエナでどのように過激化したかを説明する。彼らだけで自分たちの意見を過激化させた訳ではない。ベルリンの壁崩壊後、ドイツに入国する亡命希望者の数が急増した。これらの新たな到着者たちは、少数の注目を集める暴動や難民住宅への攻撃を含む、抗議活動や暴力にしばしば遭遇した。当時イエナでは右翼過激派の活動が盛んであった。それは、一種の二重スパイ(double agent)であるティノ・ブラントによって率いられていた。ブラントはネオナチの活動を報告することになっていた政府の情報提供者を務めながら、極右イデオロギーを推進する自分のグループに資金を提供していた。

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ドイツ・ツヴィッカウのウーヴェ・ベンハルト、ウーヴェ・ムンドロス、ベアテ・ツェーペの住居だったアパートの焼け跡(2011年11月13日)

本書の第2部では、3人の過激派が13年間にわたり、ドイツ当局の目をかいくぐって、ドイツ全土で10人の移民を殺害する計画を立て、実行に移した経緯が描かれている。2011年に銀行強盗事件が起きてから、この殺人事件は解決に至った。クシュナーは、NSUが10年間も殺人を繰り返した責任の多くは当局ン位あると主張している。当局の捜査は、移民が麻薬や組織犯罪に関与しているという、ドイツのメディアに後押しされた有害な風説(tropes)に誘導されていた。

被害者家族の直接の証言は、警察官の被害者に対する思い込みがどれほど被害者を迷わせたかを力強く物語っている。たとえば、2006年にドルトムント市内のキオスクで父メフメト・クバシクを殺害されたガムゼ・クバシクは、メフメトの違法行為について母親とともに何時間も尋問されたと説明した。ガムゼ・クバシクは「もう聞いていられなかった。私たちはまるで犯罪者のようだった」と証言した。

捜査のいくつかの側面は馬鹿馬鹿しいものに近づいている。たとえば、2005年にベーンハルトとムンドロスがニュルンベルクのケバブスタンドでイスマイル・ヤサールを射殺した後、ドイツ警察はヤサールがスタンドで麻薬を密売していたという説を執拗に追及した。警察は自分たちの仮説を裏付けるために、スナック・バーを開いて、ケバブとソーダを秘密裏に売り、1年間と約3万6000ドルの税金を費やし、誰かがやって来て麻薬の購入について尋ねてくるのを待った。しかし、誰も来なかった。「なぜなら、ヤサールが麻薬売人ではなかった」とクシュナーは書いている。ヤサールの息子ケレムは、「もし父親が生粋のドイツ人だったら、彼の殺人はすぐに解決されただろうと感じずにはいられなかった」と述べている。

しかし、クシュナーはまた、ドイツ社会全体が第二次世界大戦後の反移民、白人ナショナリズムの範囲を認めることに満足してきたと主張する。クシュナーは次のように書いている。「白人ナショナリズムは決して消えてはいなかった。ホロコーストを引き起こしたのと似たような出来事、つまり、ポグロム(pogroms 訳者註:ユダヤ人大虐殺)、ユダヤ人経営の企業に対する攻撃、ユダヤ人の家屋からの追放が、いまや移民に対しても起こっている。特にドイツ東部では、1990年代にネオナチや右翼過激派が急増し、東部全域で暴力行為を行ったスキンヘッドを指して、その時期は 『野球のバットの時代(baseball bat years)』と呼ばれることもあるほどだった」。

この本の第3部では、NSU裁判について取り上げており、この裁判は2018年に 10件の殺人罪とトリオの共犯者数名に対するズシェペの有罪判決で最高潮に達した。この判決は、殺害された人々の家族に冷たい慰めだけをもたらした。「NSUは私の父を殺害した。しかし、捜査当局は父の名誉を傷つけた。警察は父を二度目に殺害した」とガムゼ・クバシクは語った。

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2015年12月9日、ミュンヘンで殺人罪の裁判を受けるツェーペ

ドイツがNSU事件から十分に教訓を学んだと誰も信じないように、クシュナーはそれを、ドイツの移民コミュニティのメンバーに対する憎悪と暴力のより最近の事例と結びつけている。NSU スキャンダルは、ドイツの公の場から完全に消え去った訳ではないが、裁判が終わった後は新聞の見出しから外れ、他の右翼過激派暴力事件をきっかけに言及されることが最も多くなった。2020年2月、ドイツ中部の都市ハーナウで右翼過激派が人種差別的な暴挙で2軒のシーシャバーをターゲットに移民のバックグラウンドを持つ9人を殺害した。2022年11月、54歳の男が政治家、ジャーナリスト、その他の公人らに脅迫文を送った罪で約6年の懲役刑を言い渡された。その中にはフランクフルトのトルコ出身弁護士で、数人のNSU犠牲者の遺族の代理人を務めたセダ・バサイ=ユルディスも含まれていた。脅迫状には「NSU 2.0」と署名されていた。

ドイツにおける白色テロリズム(white terrorism 訳者註:右派が左派を攻撃するテロ)撲滅の問題点の1つは、反移民感情が国政でも健在であることだ。ドイツの調査報道機関コレクティブは1月、右翼過激派が昨年末に秘密裏に会合し、ドイツ国民を含む数百万人の移民のバックグラウンドを持つ人々を国外追放する計画について話し合っていたことを明らかにする暴露報告を発表した。ベルリン郊外のポツダムでの会合に出席した者の中には、ドイツ議会で77議席を占め、当時全国での投票率が22%だった極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の幹部政治家も含まれていた。コレクティブ報告書とその発表以来、無関係なスキャンダルが相次ぎ、同党の支持率は現在16%に低下したが、最近のヨーロッパ議会選挙では2019年よりも5%ポイント近く良い成績を収めた。

移民のバックグラウンドを持つ人々の「再移住(remigration)」に関するこれらの過激派の計画は、誰がドイツに帰属し、誰が属さないのか、そして最終的には誰が決定するのかをめぐる戦線に光を当てている。多くの人にとって、これらはまた、ナチスの歴史をどのように処理してきたかを誇りに思っている国において、ドイツ当局が極右イデオロギーによってもたらされる脅威を過小評価していたことを思い出させるものでもあった。コレクティブの報告書はドイツ国民の間で広範な反発を引き起こし、数百万人が街頭に出て「二度と起こさない」と宣言した。

それでもAfDは、ベーンハルト、ムンドロス、ズシャペが育ったチューリンゲン州と、彼らが本拠地を置いていたザクセン州を含む、今秋のドイツ東部3州の選挙で勝利を収める見通しだ。AfDの政治家たちは引き続き、ドイツから移民を排除したいと考える人々の、議会における代弁者だ。「これらの新たなネオナチたちは、ドイツが過去の恐怖を思い出すことに執着しすぎていると信じる政党のレトリックに勇気づけられていると感じている」とクシュナーはAfDについて書いている。

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2013年56日、ミュンヘンでのNSU殺人裁判の初日、オーバーランデスゲリヒト・ミュンヘン裁判所の法廷入口の外で機動隊と格闘するデモ参加者たち。

『目を逸らす』はドイツ国内の物語だが、クシュナーは関連性を引き出して、反移民右翼過激派の暴力に立ち向かうことができていないことが、西側民主政治体制諸国全体の問題であることを例示している。具体例は無数にある。サウスカロライナ州チャールストンの教会での黒人信者たちの虐殺、ニュージーランドのクライストチャーチにある2つのモスクの礼拝者たちの虐殺、あるいはテキサス州エルパソのウォルマートでメキシコ系アメリカ人やその他の買い物客たちの虐殺などが挙げられる。NSUトリオの原動力となった核心的なイデオロギー、つまり白人至上主義(white supremacy)は国境を越えている。

このため、NSUの記事は、白色テロリズムという自国の問題に取り組むアメリカへの警告となっている。右翼過激派によるテロ攻撃は近年増加傾向にあり、名誉毀損防止連盟(Anti-Defamation LeagueADL)によると、主に白人至上主義者らによって行われたこのような攻撃により、2017年から2022年の間に、アメリカで58人が死亡した。「私たちが目を背け続ければ、ドイツの危機や大虐殺から逃れることはできないだろう」とクシュナーは結論付けている。

※エミリー・シュルテイス:ロサンゼルスを拠点とするジャーナリストで、ヨーロッパ諸国の選挙と極右勢力の台頭を取材している。ツイッターアカウント:@emilyrs

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。

 中東情勢は悪化の一途を辿っている。2023年10月にハマスの攻撃に対する報復として、イスラエル軍はガザ地区での軍事作戦を開始し、民間人に多くの死傷者が出ている。ハマスの人質となった人々の救出は思うように進んでいない。更には、イスラエルは、イランの首都テヘランでハマスの最高指導者を殺害し、イランから報復攻撃を受けている。加えて、レバノンの武装組織ヒズボラに対しても軍事作戦を開始している。ヒズボラのメンバーたちが使用していたポケベルに爆発物を仕込み、一斉に爆発して大きな被害を出したニューズは日本でも多く報道された。このポケベルはイスラエルから輸出されたものということが後に分かった。私は「イスラエルからの輸出された製品というのは怖いな。何が仕込まれているか分からないではないか」という感想を持った。イスラエルは危険な国という印象を多くの人々に与えたと思う。

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 このポケベルでの攻撃は衝撃的であったが、それ以外にも、イスラエルはレバノン、ヒズボラへの攻勢を強めている。ガザ地区に続いて、2つ目の戦線を開いたと言える。イスラエルの軍事的な優位性もあり、二正面作戦はまだ耐えられるだろうが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は戦争の段階を引き上げようとしている。イエメンのフーシ派の空額も実施している。ハマス、ヒズボラ、フーシ派は全部がイランからの支援を受けている。ネタニヤフ率いるイスラエルはイランとの全面戦争(all-out war)へと進む危険性を持っている。

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そうなると、中東全体が戦争地域ということになり、石油の供給に大きな影響が出る。そうなれば、世界経済は大きなダメージを受ける。もっと怖いのは、核戦争勃発の可能性だ。核戦争に対する禁忌が破られるとなると、核兵器使用のハードルが大きく下がることになる。それはまた世界を危機に晒すことになる。戦争の段階を引き上げるべきではない。

 アメリカは現在、大統領選挙期間中で、しかも現職のジョー・バイデン大統領が再選を目指さないということになり、レイムダック化(無力化)している。そうした中で、イスラエルのネタニヤフ首相は暴走している。アメリカはコントロールする力を失っている。イスラエルへの資金援助や武器援助をアメリカが止めない限り、イスラエルはこうした状況を変えることはしないだろう。

 イスラエルのネタニヤフ首相は家族ぐるみでお金に関するスキャンダルを抱えており、平和に復帰すれば、家族ごと有罪判決を受け、牢獄行きとなる。そのために、戦争状態を続けたいということはあるだろう。しかし、それは世界に追って大きな不幸である。

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ヒズボラのポケベル爆発は皆が考える以上に危険だ(The Hezbollah Pager Explosions Are More Dangerous Than You Think

-人権問題を超えて、今回の攻撃は中東におけるアメリカとイスラエルの政策にも疑問を投げかけるものとなった。

ハワード・フレンチ

2024年9月24日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/09/24/hezbollah-pager-explosions-lebanon-israel-middle-east-iran-us-policy/

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9月18日、ベイルート南部の地区で、前日にレバノン全土で発生したポケベルの爆発で死亡した人々の葬儀でヒズボラの旗を手にする男性。

先週、イスラエルがレバノンとシリアでヒズボラを攻撃した際、地政学的にどのような立場にあったにせよ、専門家の多くが最初に抱いたのは畏怖の感情(awe)だった。

敵対国も友好国も関係なく、作戦をやり遂げるために必要な、イスラエル情報・諜報機関の洗練の度合いに驚嘆した。イスラエルのために働く諜報員たちは、ポケベルやトランシーバーの中に微量の爆発物を仕込む仕事に重視し、これを宿敵の手にうまく渡さなければならなかった。この偉業は、1967年の六日間戦争でのアラブ連合軍に対する勝利、1976年の民間旅客機ハイジャック事件で捕らえられた人質を解放するためのウガンダのエンテベ空港攻撃、1990年代後半にさかのぼる過激派グループを攻撃するためのブービートラップ付き携帯電話の使用など、イスラエルの技術的・作戦的洗練の長い歴史を思い起こさせるものとなった。

今回の攻撃は、技術的なレヴェルでは素晴らしいものだったが、多くの批判も当然出ている。1つには、民間人に壊滅的な打撃を与えたことだ。ポケベルはヒズボラ・メンバーのものだったが、爆発によって少なくとも40人が死亡、3000人以上が負傷し、多くの非戦闘員が危険に晒される結果となった。もし運転手や親族がポケベルを携帯していたら、車の乗客や食卓にいた子どもたちはどうなっていただろうか? ヴィデオ映像によれば、市場や街角で爆発したものもあった。

政治理論家のマイケル・ウォルツァーは、『ニューヨーク・タイムズ』紙の論説ページで、攻撃の瞬間には積極的に戦争に従事していなかったヒズボラの工作員を標的にした爆発は、「戦争犯罪の可能性が非常に高い(very likely war crimes)」と書いている。レオン・パネッタ元国防長官・元CIA長官でさえも、今回の攻撃がテロの一形態であることに「疑問の余地はないと考える(think there’s any question)」と述べている。

 

イスラエルへのロケット弾発射に使われる南部のヒズボラ陣地に対するエスカレートする空からの攻撃など、レバノンにおけるイスラエルの最近の戦術に対する私の懸念は、更にその先にある。ポケベルを爆発させての攻撃という衝撃が落ち着いた後、アナリストたちはイスラエルがこの攻撃で戦略的利益を得たかどうかを問い始めた。その答えは依然として不明だ。イスラエルがガザ地区でハマスに対して1年近く攻撃を続けている間、同じことが言える。そこでは、基本的な疑問が未解決のままである。その疑問とは、イスラエルは軍事作戦が終了した後に、一体何をするのか?

この2つのキャンペーンを結びつけているのは、イスラエルは軍事的優位の政策と無制限の攻撃作戦によって長期的な安全保障を達成できるという、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の明白な見解である。アメリカは、イスラエルに対する弱腰の批判とほぼ無制限の武器供給を通じて、この立場を黙認している。ガザ地区が示し始めたように、またレバノンとの戦争が起これば、それが再確認される可能性が高いように、このアプローチは、イスラエルが平和を達成するために、巻き添え被害の有無にかかわらず「悪者たち(bad guys)」を十分に殺せるという妄信的な希望をもって、近隣の土地を焦土と化すことに等しい。

このアプローチの1つ目の、明確な欠陥は、各軍事作戦が新たな敵を生み出し、イスラエルと近隣諸国との間の敵意を永続させる危険性があることだ。例えば、ガザ地区におけるイスラエルの完全な軍事支配は、パレスチナ人の政治的および領土的権利の差し迫った必要性に対処するものではない。実際、この地域の絶望と支配は、将来、イスラエルに対する新たな形態の抵抗を確実にするだろう。同様に、イスラエルのレバノン南部への侵攻は、両国間に敵対の新たな境地を生み出すだけであり、この作戦による死と破壊により、より多くのレバノン人がイスラエルに対する暴力的報復の方向に駆り立てられるのと同じくらい確実である。

しかし、私が最も懸念しているのは、それだけにとどまらず、イスラエルと同様に、アメリカの戦略にも関わることだ。ここ数十年、同盟関係にある両国は、イランを中東における暴力と不安定化の究極の原因とみなしてきた。しかし、イランに核兵器開発を断念させるための国際的な努力を除いては、イスラエルはともかく、アメリカはイランに政治的に関与する創造性をほとんど示してこなかった。イランと政治的な関わりを持つための非現実的な前提条件、たとえばテヘランがまず自国の政治体制を変えることや、イスラエルの生存権を認めることなどは、その数には入らない。

中東地域の問題を特に扱いにくくしているのは、イスラエルとイランの両方が古い文明的および宗教的アイデンティティの化身であるということだ。西側諸国の多くは、イスラエルが聖書の国であり、多くのユダヤ人がシオニズムへの正当な支持を、部分的には古代イスラエルの存在に基づいており、その物語が旧約聖書の本質を構成していることを知っている。専門家の領域以外ではあまり理解されていないが、イランははるか古代に遡る言語、文化、アイデンティティ、帝国、国家の伝統の継承者でもある。

ガザ地区での終わりの見えない暴力に対し、多くの人々が怒りの声を上げている。ユダヤ人もパレスチナ人も、現在紛争で分断されている土地から消えることはないということを認識することに代わるものはない。つまり、永続的な和平には、この深い溝を隔てた両側の人々、ひいては国家が、互いのニーズと利益を認識することが必要である。

これはイランにも同じことが言える。人口9000万人の国を悪者扱いする政策では、イランを消し去ることはできない。実際、西側諸国がイランの孤立化を図ろうとしても、イランはヒズボラやイエメンのフーシ派といった非国家的な代理勢力を増強し、ロシアや中国との関係を深めようとする決意を強めるだけである。

イスラエルと同様、西側諸国でも中心的な関心事となっているのは、イランの核開発計画であり、テヘランが長引く研究・精製段階を脱し、すぐにでも使用可能な核兵器を開発するのではないかという見通しである。残念ながら、核保有国の核軍縮に関する世界的な実績は極めて芳しくない。ウクライナは、ソ連時代から受け継いだ核兵器を廃棄した唯一の例であり、このことが悲しいことに、ウラジーミル・プーティンのロシアに対して脆弱な国になってしまった。例えば、北朝鮮をめぐる欧米諸国とアジアの長年にわたる外交は、平壌に核プログラムを放棄するよう説得することができなかった。好むと好まざるとにかかわらず(私は好まないが)、それは北朝鮮の体制がその将来について根本的な不安を感じているからだ。更に言えば、イスラエルは公式には認めていないが、何十年もの間、核兵器を保有していることは広く知られている。

イランの核開発プログラムに対する懸念は、テヘランともっと話をし、この地域の敵対関係を和らげる方法を模索する妨げになるはずはない。イスラエルを含む中東地域の広範な安全保障を確保する唯一の方法は、何らかの形でイランを西側諸国とより深く接触させ、最終的にはイスラエルやサウジアラビアなどの他国、パレスチナ人とともに、イランの安全保障上の懸念に対処することである。欧米諸国がそうするのは早ければ早いほどよい。

※ハワード・W・フレンチ:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト、コロンビア大学ジャーナリズム大学院教授。長年にわたり海外特派員を務めた。最新作に黒人として生まれて:アフリカ、アフリカの人々、そして近代世界の形成、1471年から第二次世界大戦まで(Born in Blackness: Africa, Africans and the Making of the Modern World, 1471 to the Second World War.)』がある。ツイッターアカウント:@hofrench

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ウクライナ戦争は2022年2月24日に始まってからいまだに停戦を迎えていない。このまままた冬を迎え、年を越していくことになる。現在、中東情勢が緊迫の度合いを深めている中で、注目も薄れているように感じる。大きな動きもなく、戦況は膠着状態に陥っている。そうした中で、犠牲者だけが増えている。私は2年前から訴えているが、一日も早い停戦を望む者である。

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ウクライナの最大の支援国であるアメリカは大統領選挙期間中、しかも現職の大統領は再選を目指さないということでレイムダック状態になり、大きなことはできにくい状態にあり、選挙が終わって、新政権ができてからしばらくの間は、アメリカは動けない。そうした中で、停戦のきっかけをつかむのは難しい。ウクライナの国内状況が変わらねば、早期停戦は望めない。具体的にはヴォロディミール・ゼレンスキー大統領の交代だ。

 そうした中で、「ウクライナのNATO加盟」という話も出ている。私は、ウクライナのNATO加盟には反対する。ウクライナのNATO加盟は紛争の火種を残すことになる。それならば、EU加盟を目指すべきだ。ロシアのウラジーミル・プーティン大統領は多少の皮肉も込めながら、ウクライナのEU加盟には反対しない姿勢を示した。ウクライナの腐敗度や財政赤字をEU諸国で面倒を見られるのか、どうなんだという皮肉を示しているが、ウクライナにとっては、EU加盟は経済を向上させるには良いきっかけとなる。

EU諸国にとっては逆で、ウクライナを支援する負担を考えるとEUには加盟させたくない。しかし、ロシアをこれからも挑発する存在としては味方につけておきたい。それで、NATO加盟という話も出ている。しかし、それはあまりにも危険だという慎重論ももちろんある。自分たちからわざわざ危険を高めてしまう行為であるからだ。現在のウクライナ戦争もヨーロッパ諸国にとっては大きな負担である。そうした状況がこれからも続く上に、ロシアからの核攻撃の脅威に晒されるという危険が継続するということはヨーロッパ諸国、更にはアメリカの人々にとっては耐えがたい苦痛だ。

 アメリカと西側諸国の火遊びがロシアによるウクライナ侵攻を招いた。そうした中で、将来に火種を残すような、ウクライナのNATO加盟、NATO軍のウクライナ国内駐留という話は状況を不安定化させるだけだ。

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ウクライナはNATOへの「河川湖沼横断(渡河作戦)」を必要としている(Ukraine Needs a ‘Wet Gap Crossing’ to NATO

-ウクライナに戦時中の橋渡しをするために、アメリカ軍の戦略(playbook)を使う時が来た。

アン・マリー・デイリー筆

2024年6月18日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/06/18/ukraine-nato-bridge-biden-usa/

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NATO首脳会議中の2009年4月4日に撮影された、ドイツのケールとフランスのストラスブールを繋ぐパセレル・ミムラム歩道橋の一帯。

バイデン政権は時に、ウクライナのNATO加盟への「橋(bridge)」を築く必要性に言及する。これは適切な比喩だが、支持者たちが考えるような方法ではない。

橋について言えば、単なる希望の象徴(symbol of hope)と思うかもしれない。しかし、軍事的な文脈で使われる橋は、戦時中のインフラとしての役割を最もよく示している。なぜなら、戦時中の橋の建設は、軍事プランナーが「ウェット・ギャップ・クロッシング(河川湖沼横断、wet gap crossing)」と呼ぶ、とてつもなく困難で複雑な作戦だからである。2022年5月にウクライナがシヴェルスキー・ドネツ川を渡ろうとしたロシア軍大隊を壊滅させたように、河川湖沼横断の実施は危険を伴うが、戦略的な見返りは大きい。1944年、ジョージ・S・パットン将軍率いる第3軍はナンシーでモーゼル川を渡り、ドイツ軍の防衛ラインを転換させ、バルジの戦いのための戦略的位置を開いた。

ウクライナをNATOに加盟させることは、河川湖沼横断と同じようにリスクとコストがかかるが、戦略的な成功につながる可能性がある。もしNATO諸国がウクライナをNATOに加盟させることを本当に真剣に考えているのであれば、NATOへの架け橋を作ることは単に巧みな外交的比喩であってはならないし、シヴェルスキー・ドネツ川のロシア軍のように単に向こう側に行くためだけに試みるべきではない。困難で、洗練された、多面的な作戦のように取り組まなければならないし、第二次世界大戦中のモーゼル川横断のように、戦後のヨーロッパ・大西洋安全保障のためのより広範な戦略の一部でなければならない。

7月にワシントンで開催されるNATO首脳会議で、ウクライナのNATOにおける将来的な役割を計画する外交官や政治家たちは、河川湖沼横断に対するアメリカ軍独自のアプローチを理解するのがよいだろう。その教訓は示唆に富んでおり、身の引き締まる思いがする。

ステップ1:迂回を試みる(Step 1: Try to go around

河川湖沼横断は非常に困難であるため、可能であれば完全に回避することが望ましい。ウクライナをNATOに参加させるのはリスクが高すぎるから回避すべきだと言う人もいるだろう。しかし、それはウクライナにとってNATO加盟以外に良い選択肢がないという事実を無視しており、長期的に見ればウクライナをNATOに加盟させないリスクの方が大きい。軍事作戦でもそうだが、川を渡ることが目的地への最も早く効果的な方法であることはよくある。

コンバット・ブリッジング(戦闘中の架橋、combat bridging)に固有のリスクや困難が知られているにもかかわらず、軍隊がこの能力を維持しているのは、河川湖沼横断の成功によって得られる戦略的機会が、リスクや困難に見合うものである場合があることを知っているからである。また、時には迂回するという選択肢がないことも知っている。ロシアは近隣諸国を侵略し、核のサーベルを鳴らしているが、NATOを直接攻撃することはしていない。それは、NATOの第5条が依然として効果的な抑止力となっているからだ。それ以外には何も機能していないのだ。

ウクライナのNATO加盟に反対する人々は、ウクライナへの継続的な物資支援という「イスラエル・モデル(Israel model)」を選ぶべきかもしれない、あるいはG7諸国のような国々の組み合わせがウクライナに長期的な経済支援を提供することで、ロシアに勝ち目はないと確信させることができるだろうと主張する。それは、イスラエルには核兵器があり、ウクライナにはないからだ。実際、そこが重要だ。ウクライナは1994年、ウクライナの主権と領土の一体性を尊重することにロシアなどが同意したことで、核兵器を放棄した。同様に、すでにEUに加盟しているにもかかわらず、スウェーデンとフィンランドがNATOへの加盟を決定したことは、ウクライナをEUに加盟させ、EUの第42条7項の相互援助条項を与えるだけでは、ロシアの侵略を抑止するには不十分であることを示している。

ステップ2:計画とリハーサル(Step 2: Plan and rehearse

意図的な河川湖沼横断を行うことが決まったら計画が重要である。単に水際まで兵力を移動させ、水際に到達してから横断方法を考えようとしても、大惨事になることは確実だ。渡河地点の候補を偵察し、地形や敵味方の長所・短所を考慮して、どれが成功しそうかを判断し、複数の渡河地点を準備しなければならない。

ウクライナをNATOに加盟させるための選択肢はいくつかあり、いずれも検討されるべきだが、有望と思われるものばかりではない。最初の選択肢は、敵対行為が続いている間にウクライナをNATO加盟国にするというもので、理論的には可能だが、新加盟国を受け入れるには32カ国の同盟国の全会一致が必要であることから、政治的には実現不可能な可能性が高い。地理的に恵まれ、軍事的にも先進国であるスウェーデンを同盟に加入させるのに1年もかかったという事実は、この厳しい事実を裏付けている。仮に、これが政治的に実現可能になった場合、NATOは第5条の保証を単なるリップサービス以上のものにするために、速やかにウクライナに軍を展開しなければならなくなる。

2つ目の選択肢は、停戦または敵対行為の停止をめぐる交渉中の保証の一環として、ウクライナをNATOに加盟させることだ。つまり、停戦が成立次第、ウクライナはNATOに加盟することになる。ロシアはウクライナのNATO加盟のきっかけとなった戦闘停止に同意せずに戦闘を続けることが考えられるため、これはおそらくうまくいかないだろう。

3つ目の選択肢は、停戦後のウクライナの主権と領土の一体性を保証するために、NATO諸国がウクライナ領内に部隊を展開することである。これには、ウクライナに具体的な安全保障を提供する一方で、ウクライナ加盟に懐疑的なNATO諸国を味方につける時間を確保できるという利点がある。

ウクライナの将来の姿は未知数であり、ウクライナのNATO加盟のスケジュールも不明である。NATOはウクライナ加盟に対するNATO諸国の政治的支持の一致を達成するために、また、ウクライナの主権と領土の一体性を保証するために、NATO諸国の軍隊をいつ、どこで、どのように使用するかを決定するために、今すぐ作業を開始すべきである。どちらの選択肢が最も信頼できると判断されるかにかかわらず、どちらの措置も避けられないだろう。

ステップ3:戦場を準備する(Step 3: Prepare the battlespace

コンバット・ブリッジング(戦闘中の架橋、combat bridging)においては、車列を組んで橋を架けたい場所に直接車を走らせ、水中に物を置き始めるようなことはしない。それは自殺行為だ。計画を立て、リハーサルを行い、戦力を整え、有利な条件を整えるための準備を行う。同様に、何の計画も準備もせずにウクライナのNATOへの橋渡しを宣言するだけでは、ウクライナは、2008年のブカレスト宣言後に直面したのと同じ戦略的手詰まり(strategic limbo)の状態に置かれるだけであり、同様に、NATOに加盟できるようになる前にウクライナの主権を弱体化させようとするモスクワの努力を更に倍増させることになる。

NATOにとって、これは加盟諸国が今すぐウクライナのNATO加盟に賛成する票を集め始める必要があることを意味する。外交官たちは、同盟の誰が既にウクライナをNATOに加盟させることに賛成しているのか、そしてどのような条件のもとで加盟させることに賛成しているのかを理解する必要がある。「絶対的に」あるいは「戦争が終わるまでは」加盟させないという立場の人々に対しては、より創造的な解決策を提案し、議論し、内輪で固めていかなければならない。これは一時的な議論では済まない。最終的なウクライナ加盟に向けて戦場を準備するための絶え間ないキャンペーンでなければならない。

ウクライナが1991年の国境を取り戻して戦争が終結するにしても、キエフがそれを下回る形で決着するにしても、NATO加盟諸国の軍隊をウクライナ国内に駐留させ、NATOへの橋渡しに必要な時間、空間、安全を提供する必要がある。この軍隊には、NATOの核保有3カ国(英、仏、米)を含む主要同盟諸国の連合体を含めることが理想的であり、第5条の安全保障がないにもかかわらず、NATOの核保有諸国が合意された国境を守ることを約束していることを示す必要がある。ちょうど、第二次世界大戦の終結から西ドイツがNATOに加盟するまでの数年間、東ドイツのソ連軍を抑止するためにNATO軍が西ドイツに駐留した前例を真似る必要がある。

休戦または停戦後、短期間でこれらの軍隊をウクライナに移動させることは、論理的にも政治的にも極めて困難だ。したがってNATO加盟諸国は、ウクライナを包囲するNATOの防空網がNATO領内を攻撃する軌道にあるロシアのミサイルや、一方向攻撃ドローンの撃墜を開始することを宣言し、ウクライナに少人数のNATO将兵を派遣してウクライナ人に訓練を提供し、民間船舶を保護するために黒海にNATO海軍の能力を認めることについてトルコと交渉することによって、そのような動きの舞台を今すぐ整え始めるべきだ。

ステップ4:関与する(Step 4: Commit

河川湖沼横断作戦は大規模な作戦である。アメリカ陸軍では軍団レヴェルの作戦とされている。空軍、宇宙軍、サイバー資産も重要な支援を提供するように想定されている。困難でリスクが高く、コストもかかるが、適切に行えば戦略的突破口(strategic breakthrough)につながる。

リスクが大きいからこそ、作戦指揮官は関係するリスクを評価し、作戦を危険に晒すことなく、可能な限りリスクを軽減するが、同時に全てのリスクを軽減することは不可能であることを受け入れなければならない。これは極めて重要なステップだ。なぜならば、ひとたび河川湖沼横断が始まれば、指揮官はその計画に全面的に関与し、利用可能な全ての戦力を活用して成功させなければならないからだ。この種の作戦において中途半端な対策は失敗を招く。

NATOがウクライナを加盟させることを真剣に考えているのなら、そしてそうでなければならないのなら、リスクについて明確な認識を持たなければならない。この計画は、より広範な戦略を支えるものでなければならない。そして最も重要なことは、成功を約束することである。もしそうしなければ、最終的に失敗に終わる可能性が高い。

※アン・マリー・デイリー:ランド研究所政策研究員、大西洋評議会スコウクロフト記念戦略・安全保障センター大西洋横断安全保障イニシアティヴ非常駐上級研究員、米陸軍予備役将校。ランド研究所入所以前は、国防長官室でロシア戦略上級顧問およびウクライナ担当デスクを務めた。本書に含まれる見解、意見、発見、結論、提言は筆者個人のものであり、ランド研究所やその研究スポンサー、クライアント、助成機関のものではない。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。
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 アメリカ大統領選挙まで残り3週間ほどとなった。共和党のドナルド・トランプ前大統領と民主党のカマラ・ハリス副大統領の間で大接戦が演じられている。先日もこのブログでご紹介したが、激戦州(battleground statestoss-up states)はかなり絞られており、ここで大接戦が演じられている。

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激戦州を除いての状況

 今年7月末に、ジョー・バイデン大統領が再選を目指さない、そして、ハリス副大統領を支持すると発表してから、8月下旬の民主党全国大会での正式指名あたりまで、民主党側・ハリス陣営は上げ潮、上昇気流に乗っていた。「これで一気に形勢逆転だ、ハリスがトランプを突き放す」という雰囲気作りが行われた。しかし、支持率で逆転しても、突き放すまでには至らなかった。最近になって、トランプが再逆転という状況になっている。

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激戦州全体での支持率の推移(2024年10月14日まで)

 2020年の大統領選挙では、民主党のジョー・バイデン前副大統領(当時)がドナルド・トランプ大統領(当時)に勝利した。バイデンの獲得選挙人数は306人、トランプは232人だった。2016年の結果とちょうど反対となった。2016年の大統領選挙の結果はトランプが306人、ヒラリー・クリントン元国務長官(当時)が232人だった。

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2016年の結果(赤がトランプ、青がヒラリー)

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2020年の結果(赤がトランプ、青がバイデン)

 重要なのは、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ジョージア州で結果がひっくり返ったことだ。2016年の選挙ではこれらの州全てでトランプが勝利したが、2020年ではバイデンが全勝したのだ。「青い壁(Blue Wall)」の復活と喧伝された。バイデンは30年以上、民主党所属の連邦上院議員を務め、オバマ政権下の副大統領8年を加えると約半世紀にわたる国政経験があった。出身地のペンシルヴァニア州をはじめ、五大湖周辺州、中西部での幅広い人脈を持っていた。言ってみれば、バイデンは選挙戦における「地上戦の男」だ。

一方で、ヒラリーは出身こそイリノイ州シカゴであるが、配偶者のビルは南部アーカンソー州出身で知事を務め、拠点をニューヨークに置いていた。そのために、重要な五大湖周辺州や中西部では全くもって地上戦を展開できなかった。このマイナス面をカマラ・ハリスも持っている。ハリスはカリフォルニア州での検事、司法長官、連邦上院議員(1期の途中で副大統領に転出)、副大統領と、国政の経験が少ない上に、地域的にもかなり偏っている。中西部の人たちにしてみれば、「カマラってどんな人だ?」ということになる。ハリスはバイデンが復活させた「青い壁」を破られつつある。

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2024年10月14日までの支持率を換算しての予測

 選挙戦終盤になって、カマラ・ハリスの弱みがどんどん見えている状況だ。政治面での経験不足ということは否めないが、それを言えば、バラク・オバマだって、ジョージ・W・ブッシュだって、ビル・クリントンだって経験不足だった。ハリスは自身の人柄や魅力を伝える能力が足りないし、インタヴューなどで当意即妙に答える頭の回転の速さやユーモアのセンスがない。ただひたすら馬鹿笑いをしているだけのように見える。あれでは人々からの信頼は得られない。また、ジョー・バイデン政権の弱い部分や失策がハリスに重くのしかかるということもある。これはややかわいそうな面があるが、仕方がないことだ。

 ハリスに勢いが出ないということで、民主党全体に勢いがつかない状況だ。「バイデンでは選挙に勝てない、危ない」ということで、連邦議員たちがオバマに泣きつくような形で、バイデンを引きずり下ろすということをやった。それはとても民主的とは言えない強引なやり方だった。しかし、カマラ・ハリスが大統領候補になってみても、状況はさっぱり好転せずということになっている。2024年の選挙は民主党はどっちにしても、何をやっても駄目だったということになりかねない。

(貼り付けはじめ)

ハリスが負けつつある4つの理由(The 4 reasons Harris is losing

ダグラス・マッキノン筆

2024年10月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/4929051-the-4-reasons-harris-is-losing/

私は、非公式に3人の民主党選挙運動関係者と話をしたが、全員が選挙戦はカマラ・ハリス副大統領から離れつつある(勢いが落ちている)と確信している。彼らは、これが起こっている主な理由を4つ挙げていく。

第一はハリス自身だ。彼女はシンプルに、あまり良い候補者ではない。彼女は自信がなく、リハーサルのない、あるいは吟味されていない政策質問を受けるのを恐れているようだ。この責任は、政治をよく観察している人々にとっては驚きではないが、多くの有権者にとっては新たな懸念材料となっている。

この不安定さと不安感は、ハリスが2020年の大統領予備選ですぐに撤退するという醜態を演じた、最初の候補者だったときに初めて示された。今、有権者、大口献金者、民主党の権力者たちは、既視感のある明確な瞬間として、2024年に同じ失敗を思い起こそうとしている。

ハリスが低迷している第二の理由は、バイデン=ハリス政権の記録だ。それが彼女の足を引っ張り、重荷になっている。

ハリスは今週、ABCの「ザ・ヴュー」でのインタヴューでこの問題を著しく悪化させた。このインタヴューの目的は彼女を良く見せることだったにもかかわらず、ハリスは受け答えで失敗した。ハリスを支持する司会者のサニー・ホスティンは次のように質問した。「過去4年間、バイデン大統領と違うことをしましたか?」

ハリスはすぐに思惑から外れた。ハリスは「思い当たることは何もありません(There is not a thing that comes to mind)」と答えた。「思い当たることは何もない」と発言した。

この返答を聞いたハリス陣営、主要メディア、民主党のエリートたちの衝撃と落胆の悲鳴は、ワシントンDC一帯の地震計を作動させたはずだ。

驚くことでもないが、ティーム・トランプはその答えを繰り返し喧伝している。彼らは、ハリスがバイデン政権の失策に選挙戦の残りをスポット溶接したことに興奮を隠せないのだ。

第三に、最終的にフロリダ州知事ロン・デサンティスの大統領選挙キャンペーンを終わらせたのと同じ問題に行き着く。トランプが持っている「個人崇拝(カルト・オブ・パーソナリティ、cult of personality)」に対抗して選挙運動をするのは事実上不可能だ。

好むと好まざるとにかかわらず、トランプにはとらえどころのない 「それ(it)」の要素がある。それを買うことも、作り出すことも、偽ることもできない。持っているか、持っていないかだ。この「それ」のおかげで、2016年に彼は大統領の座を獲得し、2020年には現職大統領の歴代最多得票数を更新しながら、当選まであと一歩のところまで迫った。

ハリスは、共和党予備選のデサンティスと同様、数千万票を擁して選挙戦をスタートさせた「個人崇拝」キャンペーンの牙城に真っ向から立ち向かうことになる。

最後に、私が話を聞いた民主党工作員たちがハリスにとって最も壊滅的な問題だと信じている問題がある。それは、昔ながらの「皆さんにとって4年前より今のほうが良いのか?(Are you better off now than you were four years ago?)」質問だ。ハリスにとっての問題は、民主党の中核選挙区内の潜在的に何百万人ものアメリカ人が、自分たちは4年前の方が良かったと信じているだけでなく、今ではバイデンとハリスの政策と失敗によって自分たちとその家族が押しつぶされていると考えていることだ。

このようなシナリオの下で、実践的で、現実的で、ある程度の影響力を持つ民主党支持者たちは何をすべきなのだろうか? ある人たちにとっては、ハリスの敗北に備え、体制を立て直し、2028年の民主党大統領候補を吟味し始めることだ。

私が話をした人たちは、ハリスと民主党全体が、党内の極左派をなだめるために左に傾きすぎていることを恐れている。彼らは、これがハリスの敗北を予想させるだけでなく、民主党候補者全体に打撃を与えているのではないかと懸念している。

来月の選挙が、私が信じる通りに進めば、2028年にはJD・ヴァンス副大統領が共和党候補の筆頭となるだろう。ロン・デサンティス前知事は彼に挑戦するのか? 可能性はある。しかし、私が話をした人たちは、共和党の支持層は深く、どの候補が選ばれても強力だと考えている。

彼らは、民主党がホワイトハウスの座を争うことを望むなら、2028年にはより中道派の候補者を選ぶ必要があると考えている。しかし、それを現実にするためには、彼らは党内の非常に声高で非常に活動的な極左翼に立ち向かう勇気と強さも見つけなければならないだろう。

これから3週間あまりで、この問題の多くがはっきりと浮かび上がってくるだろう。

※ダグラス・マッキノン:ホワイトハウスと国防総省に勤務した経験を持つ。

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民主党の有権者登録についてハリスに赤信号が灯る(Democratic voter registration raises red flags for Harris

アレクサンダー・ボルトン筆

2024年10月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4929781-voter-registration-democrats-pennsylvania-nc-nevada/

専門家たちがジョー・バイデン政権ブランドと民主党全般に対する熱意の欠如を問題視している中、主要な激戦州であるペンシルヴァニア州、ノースカロライナ州、ネヴァダ州の3州で民主党の有権者登録の優位性が低下し、カマラ・ハリス副大統領に赤信号が灯っている。

もう1つの重要な激戦州であるアリゾナ州では、共和党の有権者登録数が大幅に増加しており、2020年にバイデン大統領が僅差で勝利した州を、ハリス副大統領が守るのは厳しくなる可能性がある。

ジョージア州、ミシガン州、ウィスコンシン州など他の大統領選激戦州では、政党別の有権者登録を行っていない。

ペンシルヴァニア州とノースカロライナ州で有権者登録が民主党から離れていることは、なぜハリス陣営が水圧破砕や税制などの問題を中心に据えてきたのかを説明するかもしれない。

ネヴァダ州では、民主党の有権者登録数の優位性が低下しているが、ハリス候補は他の州とは異なり、世論調査の平均値ではトランプ前大統領に対して明確なリードを保っている。

ペンシルヴァニア州のフランクリン・アンド・マーシャル大学世論調査研究センター所長のバーウッド・ヨストは、「2020年から2024年までの変化を見ると、民主党は約30万人減少し、共和党は約7万人増加している。無党派層は約8万3000人から8万5000人増加している」と述べている。

ヨストは、ペンシルヴァニア州の一部で民主党の有権者登録数が減少しているのは、「ワシントンの政権党に対する幻滅(disenchantment with the party in power Washington)」が原因だと述べている。

ヨストは更に、「人々はバイデン大統領の就任について非常に否定的に感じている。そうだ、ハリス陣営にとっては危険信号であり、彼らはそれを修正しようとしている」と付け加えた。

ヨストは、民主党の有権者登録数の減少は、エリー郡、ノースハンプトン郡、バックス郡などの激戦となっている郡や、フェイエット郡のようなトランプの勝率を可能な限り小さく抑えたい地方の郡におけるハリスの課題であると警告した。

ヨストは「警告のサインであることは間違いないが、接戦になることは分かっていた。これもその一例だ」と語った。

ザ・ヒルとディシジョン・デスクHQがペンシルヴァニア州の最近の世論調査を分析したところ、ペンシルヴァニア州では、ハリスがトランプを1ポイントリードしているが、両候補が同程度の確率で勝利すると予測している。

ボストンにあるサフォーク大学の政治研究センター長デイヴィッド・パレオロゴスによると、2020年のペンシヴァニア州の有権者登録数は民主党が共和党を約66万6000人上回っていたが、2024年には約35万4000人にまで縮小している。

パレオロゴスによると、ノースカロライナ州における民主党の有権者登録の優位性は、2020年のプラス393000人から、2024年にはプラス130000人程度に縮小している。

パレオロゴスは本誌に対し、「この4年間で、一般的に言って、民主党への登録離れが進んでいる」と述べている。

パレオロゴスは「共和党の有権者登録の急増よりも、民主党の有権者登録の減少の方が大きい」と説明する。

パレオロゴスは「私は多くの人たちが次のような事実に注目しているとは思えない。2020年にトランプがノースカロライナ州で勝利したとき、39万人ほどの民主党員登録者がいた。それにもかかわらずトランプは勝利した。現在は13万だ。アドバンテージの3分の2が減ってしまっているのだ」と語った。

パレオロゴスはノースカロライナ州について、「ハリス氏が得た可能性のある何らかの利益や、彼女が行った可能性のあるマイクロターゲティングにもかかわらず、トランプは、ノースカロライナ州での世論調査の一部が示す結果をおそらく拡大する立場にあるようだ」と分析している。

ピッツバーグ大学の歴史学者で、選挙データを研究しているララ・パットナムは、ペンシルヴァニア州では高齢の民主党議員が亡くなりつつあり、一方でかつて「レーガン民主党員(Reagan Democrats)」に分類されていた有権者たちが共和党に党派を変えつつあると指摘している。

パットナムは「基本的な数字は、民主党の登録から共和党の登録に移る人が増えていることです」と述べている。

パットナムは「その大部分はレーガン民主党員と呼ばれる人々で、民主党として登録していたが、共和党をより強く意識するようにかなり着実にシフトしている地域にいる人々で、投票嗜好に合わせてゆっくりと登録を変更している」と説明している。

パットナムは「このような人々はラストベルトに住む人々だ。組合が衰退し、経済の活力が他の地域に移ったことで、民主党の投票と古い工業地帯との結びつきが分断されたのだ」と付け加えた。

ペンシルヴァニア州とノースカロライナ州の民主党系ストラティジストたちは、2020年にバイデンがペンシルヴァニア州で勝利し、ノースカロライナ州では僅差で敗北して以来、この2つの重要な州で党の有権者登録の優位性が損なわれていることを認めている。

トランプや他の共和党員に投票した民主党登録者が政党登録を変更するようになったのはつい最近であり、登録数の変化が投票行動に追いつきつつあるとストラティジストたちは言う。

そして、無党派またはどの政党にも所属していないとして登録している新規有権者の多くは、トランプよりもハリスを支持する可能性が高いと主張している。

ペンシルヴァニア州に拠点を置く民主党ストラティジストであるJJ・バラバンは「何が起こっているのかと言うと、民主党登録者の一部が長年の投票方法を反映して政党を変更しているということだ。2020年にトランプ大統領に投票し、2024年に登録を民主党から共和党に変更しても、ペンシルヴァニア州の投票が2024年にどのように変化するかについてはあまり示されていない」と述べている。

ノースカロライナ州では、民主党系ストラティジストのモーガン・ジャクソンは、ハリスに投票する可能性が高い若い有権者たちが無所属として登録するケースが増えていると述べた。そして主な理由の1つは、双方の評判が悪いからだとジャクソンは述べた。

ジャクソンは本誌の取材に対して次のように答えている。「確かに、民主党の有権者登録数は減少し、共和党の登録数はわずかに増えたが、真実は、人々は無所属として登録しているだけのことである。現在、無所属の人々が有権者の最大の層となっている。言わなければならないのは、それは民主、共和両既存政党のブランドが有権者から最悪だと見られているからだ」。

ジャクソンは、「特に多くの初めての新規有権者、彼らは党に対して忠誠心を持っていないだけだ。しかし、私たちが目にしているのは、無所属の有権者、その大多数が無所属ではないということだ。彼らのほとんどはどちらかの政党に同調している。その中には本当にピンポン投票者、つまりスイング投票者である少数の人々がいる」と述べた。

ザ・ヒルとディシジョン・デスクHQは、トランプがノースカロライナ州で勝利する確率を64%とし、ノースカロライナ州の世論調査平均ではトランプがハリスよりも、1ポイント有利であるとしている。

サフォーク大学のパレオロゴスは、大統領と米連邦上院の激戦区である他の2つの激戦州、アリゾナ州とネヴァダ州でも、有権者登録における両党間の差が変化していると述べた。

アリゾナ州を拠点とする共和党系ストラティジストのコンスタンティン・ケラールは、共和党幹部と活動家たちがアリゾナ州での共和党登録を増やすために協力を密にして取り組んでいると述べた。

ケラールは「共和党は実際に現場に出て、やるべき現場での仕事を行った功績が認められる」と語っている。 

ケラールは、全国の共和党の有権者登録は120万人増加したが、民主党の有権者登録は2022年以降80万人減少したと述べた。

ケラールは次のように述べている。「全国的には、過去2年間で共和党へ200万票が移動している。共和党ブランドは民主党ブランドよりも成績が良い。私たちがアリゾナでこれほどの成果を上げたのは驚くべきことではないと思う」。

アリゾナ州では、バイデンがアリゾナ州を制した2020年に比べて、共和党が有権者登録で民主党に比べて2倍になっている。

パレオロゴスは「バイデンが勝ったアリゾナ州を見てみると、アリゾナ州では共和党員の純登録者数が13万人だったが、それが2倍になった。現在、アリゾナ州における共和党登録の優位は25万9000人だ」と語った。

パレオロゴスは、9月下旬に実施されたサフォーク大学の世論調査で、アリゾナ州においてトランプがハリスを6ポイントリードしている理由がこれで説明できると述べた。

パレオロゴスは「アリゾナ州でトランプが6ポイントリードしていることに私は驚かない。全ての要因を考慮すると、それは私にとってきわめて合理的な結果だ」と述べた。

パレオロゴスは、ネヴァダ州において、民主党の有権者登録の優位性が失われたと述べている。

パレオロゴスによれば、民主党は2020年には約79000人の純有権者登録数で優位に立っていた。その後、プラス29000人の有権者のプラスに落ち込んでいる。

パレオロゴスは「接戦を維持するのに十分かもしれないし、5万人の民主党登録者を失っただけで、トランプ氏に軍配が上がるかもしれない」と述べている。

『ネヴァダ・インディペンデント』誌のCEOであり、ネヴァダ州を代表する政治評論家であるジョン・ラルストンは、ネヴァダ州における民主党有権者の優勢は2020年には約5ポイントだったが、現在は1ポイントになっていると述べた。

ラルストンは本誌の取材に対して、Eメールで、「共和党が優勢になったのではなく、無党派層が爆発的に増えたため、民主党が失った有権者が少なくなっただけだ。それでも、民主党にとっては懸念材料だ」と答えた。

ラルストンは最近のコラムの中で、ネヴァダ州で最も人口の多いクラーク郡の登録者数が 「変動(shifting)」したことで、民主党が「明らかに弱体化(apparently vulnerable)」していると指摘した。

10月1日から9日の間に、クラーク郡では共和党が民主党より少なくとも1118人多く有権者登録を獲得した。

これは、2018年、2020年、2022年の10月最初の9日間に起こったこととは異なる。その前の年はいずれも、民主党が共和党より2000人以上多く登録を獲得している。

クラーク郡の人口は230万人を超え、州全体の3分の2を超える。バイデンは33500票差で、クラーク郡で勝利した。

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 古村治彦です。
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む ←クリックすると、アマゾンのページに進みます。

 2024年10月29日に佐藤優先生と私、古村治彦の対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(秀和システム)が発売されます。

 佐藤先生が拙著『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』の書評をしてくださったご縁で、対談をできることになった。対談は7月中に行われ、アメリカ政治と国際政治について幅広く話すことができた。宗教の面からアメリカ政治を分析し、アメリカの衰退とグローバル・サウスの台頭を念頭に、国際政治に関する幅広い話題を取り上げた。これから世界はどうなっていくかについて考える際に参考にしていただけるものと確信を持っている。

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載する。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき 佐藤 優

 本書は、私とアメリカ政治を中心に国際関係に通暁した古村治彦氏(愛知大学国際問題研究所客員研究員)との初の共著だ。古村氏は、私がとても尊敬する異能の知識人・副島隆彦氏の学風を継承する優れた専門家だ。国際問題の現象面だけでなく、その内在的論理を理解して、はじめて分析が成立するという点で私と古村氏は認識を共有している。

 本書の記述は、岸田文雄前政権時代の事象を中心に論じているが、現時点で特に改める事柄はないと考えている。なぜなら、現下国際政治ゲームにおいて日本が外交の主体的プレイヤーとして活動できる閾値(いきち)が狭いからだ。

 本書の特徴は、通常の国際政治学者が重視しない宗教に着目している点だ。この点に関して、9月27日の自民党総裁選挙で同党総裁に選出され、10月1日の衆議院本会議と参議院本会議で第102代日本国内閣総理大臣に指名され、就任した石破茂氏に特別の注意を払う必要がある。

 石破氏の履歴やエピソードを伝える記事はたくさん報じられているが、なぜか同氏の宗教に言及したものが少ない。宗教が個人の内面に留まっているならば、政治分析の上で考察の対象にならない。しかし、石破氏の場合は、信仰が明らかに政治に影響を与えるタイプだ。

  石破氏は自らの信仰を公にしており、キリスト教系のメディアにも登場している。

《自民党総裁選の投開票が27日、東京・永田町の党本部で行われ、石破茂元幹事長(67)が第28代総裁に選出された。現在、自民党は衆議院で過半数の議席を保持しているため、石破氏が岸田文雄首相の後継として、第102代首相に就任することになる。

 同志社の創立者である新島襄から洗礼を受け、後に牧師となった金森通倫(みちとも)を曽祖父に持つ石破氏は、プロテスタントの4代目のクリスチャン。クリスチャンが日本の首相に就くのは、第92代首相を務めた麻生太郎副総裁(84)以来、15年ぶりとみられる。

 (中略)石破氏の父である石破二郎は、鳥取県知事や参議院議員時代に自治相(当時)などを務めた政治家。浄土真宗の仏教徒でクリスチャンではなかったが、金森以来、プロテスタントの家系の母が通っていた日本基督教団鳥取教会で石破氏は洗礼を受けた。幼少期は、同教会の宣教師によって始められた愛真幼稚園に通った。鳥取大学教育学部附属中学卒業後、上京して慶應義塾高校に進学。東京では日本キリスト教会世田谷伝道所(現世田谷千歳教会)に通い、教会学校の教師も務めた。》(9月27日、 Christian Today

 石破氏が洗礼を受けた日本基督教団鳥取教会は、同志社系(組合派)だ。組合系にはさまざまな考え方がある。他方、石破氏が東京で通っていた日本キリスト教会世田谷伝道所は長老派(カルヴァン派)の教会だ。カルヴァン派では、各人は生まれる前から神によって定められた使命があると考える。どんな逆境でも試練と受け止めれば、必ず選ばれた者であるあなたは救われると教える。この教会で、石破氏は教会学校の教師(聖書の先生)をしていたのだから、聖書や神学についても勉強しているはずだ。

 学生時代に洗礼を受けた人でもその後はキリスト教から離れたり、信仰が薄くなってしまう人もいる、石破氏は信仰が強い方だと思う。現在も日本基督教団鳥取教会の会員だ。ちなみに私も石破氏と同じくかつてはカルヴァン派の日本キリスト教会に属していたが、現在は日本基督教団の組合派系教会に属しているプロテスタントのキリスト教徒だ。だから石破氏の信仰を皮膚感覚で理解することが出来る。

 キリスト教関係のメディアで石破氏は、2018年8月30日、渡部信氏(クリスチャンプレス発行人)と山北宣久氏(前日本基督教団総会議長)の取材でこんなやりとりをしている。

―― クリスチャン議員として、どのような思いで政治に向き合っておられますか。

 私は、神様の前に自分の至らなさ、誤っているところをお詫び申し上げるようにしています。そして、「過ちを正してください」、「ご用のために用いてください」という思いでお祈りしています。

 ―― 特に政治家として強調したい点は。

 ヨーロッパにしろ、アジアにしろ、米国もそうですが、同じ信仰を持つ人は多いはずです。にもかかわらず、世の中は争いが絶えない。いかに争いをなくしていくか。いかに互いが神の前には無力であることを共通認識し、自分だけが正しいという思いを持たず、弱い人のために働き、祈ることができるか。それをできるだけ共有したいと思っています。常にこの思いをもって、平和な世界を作りたいと考えています。

 ―― 世界にはさまざまな緊張が存在します。日本が韓国などと平和外交するためにはどうすればいいと思いますか。

 韓国の近現代史、韓国と日本が過去にどういう関係にあったのかを知らないまま、外交努力をしても説得力がありません。慰安婦問題、領土問題など、一致できない点もありますが、共にやれることもたくさんあるはずです。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政

権と共にできることは何なのか。これを考えていくことが重要だと私は思います。(中略)

 ―― 最後に、日本のクリスチャンに向けてメッセージを。

「共にお祈りください」とお願いをしたいです。》(2018年9月5日 、Christian Press

 石破氏は、自民党員の選挙によって総裁に選ばれただけではなく、神の召命によって自民党総裁、内閣総理大臣になったと一人のプロテスタントのキリスト教徒として確信しているのだと思う。本書では、ドナルド・トランプ氏に長老派(カルヴァン派)の価値観が与えている影響の重要性について言及した。石破氏に関してもそのことが言える。11月の米大統領選挙でトランプ氏が当選すれば、宗教的価値観を共有する石破氏との間で興味深い外交を展開することができると思う。

 本書を上梓するにあたっては(株)秀和システムの小笠原豊樹氏、フリーランスの編

集者兼ライターの水波康氏にたいへんにお世話になりました。どうもありがとうござい

ます。

2024年10月2日、曙橋(東京都新宿区)の自宅にて、 佐藤 優

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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』目次

まえがき(佐藤 優) 1

第1章 再選を大きく引き寄せたトランプ暗殺未遂事件 13

銃撃事件で明らかになった〝神に選ばれたトランプ〟 14

トランプ聖書は「アメリカが宗教で分断されることも辞さず」の表れ 19

トランプは自らの使命を明確に自覚した 25

トランプ暗殺未遂はディープステイトの画策 28

ディープステイトの正体とは? 33

老人いじめにならないようにトランプが賢く振舞った第1回テレビ討論会 38

中絶問題とLGBTQが大統領選の争点になる 41

トランプ政権の本質は雇用にある 48

USスチールの買収と中国への対応 52

民主党はエリートの党、共和党は庶民の党 54

平和への志向が希薄なアメリカ政治。だがトランプだけは平和を志向している 58

後退戦を展開するトランプの歴史的な役割 62

第2章 民主党の反転攻勢とアメリカで進む分断 67

バイデン撤退からカマラ・ハリスへの交代劇 68

ハリス旋風の陰で核のボタンの不安 74

国家権力を背景に仕事をしてきた弱点 80

異論を認めないハリスに外交はできない 84

ヒラリーがロールモデルだと世界戦争になる 88

民主党の副大統領候補は誰になるのか 92

内戦へと向かうアメリカの危機的な現実 96

内在する差別の実態と移民のリアル 103

苦しいアメリカ国民の生活と雇用 108

ペンシルべニア州で大統領選は決まる 113

第3章 ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス紛争から見える世界の変化 117

イスラエル・ハマス紛争はいつ終わるのか 118

イスラエルは不思議な国 122

アメリカはウクライナを勝たせる気がない 126

日本のウクライナへの軍事支援は高速道路4キロ分 133

ハマスはネタニヤフが育てた 137

イスラエルは北朝鮮に近い 144

イスラエルの論理 146

イスラエルには多方面で戦争する力がない 150

イスラエルは反アラブにも反イスラムにもなれない 153

ユダヤ人は3つに分けられる 155

キリスト教シオニストは本質において反ユダヤ的 158

イスラエルとこの世の終わり 162

ユダヤ人理解には高等魔術が役に立つ 163

第4章 ドル支配の崩壊がもたらす世界覇権国の交代 169

ハマス最高指導者・ハニーヤ暗殺の影響 170

ヨーロッパで蔓延する反ユダヤ主義 176

中東全面戦争と核拡散の恐怖 179

アメリカ離れが進み、世界構造は変化する 184

アメリカの衰退でドル支配は崩壊する 189

トランプ再選後、世界はどうなるのか 195

平和を求めない戦後アメリカ体制の欠陥 199

失われた公共圏と共同体としての世界 204

グローバル・ノースが失う世界の主導権 209

第5章 米中覇権戦争は起きるのか 215

中国は次の覇権国になれるのか 216

世界は民主主義同士で争っている 220

揺らぐデモクラシー 224

変なのしか残らない先進国の選挙 228

今日のウクライナは明日の日本 231

日本外交の未来図 236

あとがき(古村 治彦) 241

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あとがき 古村 治彦

 今回、佐藤優先生との対談が実現した。佐藤先生には、拙著『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店、2023年)を2回書評で取り上げていただいた。そのご縁で、今回、光栄な機会をいただくことができた。佐藤先生に厚く御礼を申し上げます。

 対談は、2024年7月16日、25日、8月1日の3回行われた。私にとっては対談自

体が初めてのことで、しかも、その相手が憧れの佐藤優先生ということもあり、1回目の対談は緊張しっぱなしであまり話せなかった。それでも、先生の温かいお人柄のおかげで、回を重ねるごとに緊張もほぐれて、自分らしく話すことができた。

 対談では、ドナルド・トランプ前大統領暗殺事件を手掛かりにして、宗教の面からアメリカ政治全体を分析した。私もごく一般的な知識しかない中で、必死に佐藤先生の話に食らいつきながら、政治学や国際関係論の知識で、私なりのアメリカ政治分析を披露した。また、大きな世界政治の流れについても、ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス紛争を入り口にして、ユダヤ教やイスラム教の面から分析をすることができた。また、インテリジェンス関係のお話を伺うこともできた。対談を通じて、アメリカの衰退と世界構造の大変動が起きているという共通認識で一致した。

 私たちの対談は、様々に起きる事象についてどのように考えるか、分析するかについて、私たち2人の手法、方法論を明らかにしたものとなった。読者の皆さんが様々な事象について、自分なりに分析する際の手助けとなれば幸いだ。

 対談の期間中、そして、対談後に、アメリカ政治は大きく動いた。2024年7月21日にジョー・バイデン米大統領が大統領選挙からの撤退、再選断念を表明した。そして、同時に、カマラ・ハリス副大統領を大統領選挙候補者として支持すると発表した。8月上旬には慌ただしく、カマラ・ハリスが大統領候補に、ミネソタ州知事のティム・ウォルズが副大統領候補に決まった。

 8月19日から22日にシカゴで開催された民主党全国大会をきっかけにして、上げ潮に乗って、カマラ・ハリスが支持率を伸ばし、選挙戦を優位に展開しているというのが日米の主流派メディアの報道だ。ところが、重要な激戦州では五分五分、トランプがややリード

という結果が出ている。主流派メディアの肩入れがありながら、ハリス支持は伸びていな

い。なにもこれは私の希望的観測ではない。アメリカ政治情報サイト「リアルクリアポリ

ティックス( RealClearPolitics )」が各州レヴェルの世論調査の結果を集計し、それを大統

領選挙の選挙人数に当てはめた結果では、10月1日の段階で、「トランプ281人、ハリス257人」となっている( https://www.realclearpolling.com/maps/president/2024/no-toss-up/electoral-college )。米大統領選挙はデッドヒートを続け、終盤に向かう。

 ウクライナ戦争の状況は大きく動いていない。ウクライナ側はロシア国内への攻撃を行っている。しかし、戦況を有利に展開出来ていない。9月中旬開会の国連総会出席に合わせて、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は訪米し、バイデン大統領、ハリス副大統領、民主、共和両党首脳部、トランプ前大統領と会談し、「勝利計画」を提示したようだが、相手にされなかったようだ。ウクライナ情勢は停滞したままだ。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、対談で佐藤先生と私が危惧したように、戦争を拡大させようとしている。ガザ地区でのハマスとの戦いに加え、レバノンでのヒズボラとの戦闘を激化させようとしている。9月17日にはレバノンのヒズボラのメンバーが使用していたポケベル(イスラエルが細工をして輸出)がイスラエルの遠隔操作により爆発し、12名が死亡し約2800名が負傷する事件が起きた。9月27日にはヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ師がイスラエルの空爆によって死亡した。イスラエルは10月1日にレバノンへの地上攻撃も開始した。また、イエメンのフーシ派への空爆(9月29日)も開始した。アメリカで権力の空白が生まれている中で、イスラエルのネタニヤフ政権は、中東での戦争の段階を引き上げようとしている。世界にとって非常に危険な動きだ。

 日本政治は、岸田文雄首相が2024年8月14日に退陣表明してから、慌ただしく動き始めた。9月27日に、自民党総裁選挙が実施され、石破茂氏が高市早苗氏を破って総裁に選出された。主流派マスコミは、小泉進次郎氏が先行し、高市氏が激しく追い上げと報じていたが、最後の大逆転で、石破氏が勝利を収めた。岸・安倍系清和会支配の弱体化、自民党保守本流政治の復権、日中衝突の回避のために、まことに慶賀すべき結果となった。日本も少しずつ、アメリカの属国からの方向転換を図る動きになっていく。これは、対談の中でも詳しく触れた世界の大きな流れ、アメリカの衰退と中国の台頭、西側支配の終わりとグローバル・サウスの勃興に合致している。

 対談の終わりの雑談の中で、佐藤先生から「守破離(しゅはり)」という言葉について伺った。私は落語鑑賞を趣味としている。この「守破離」という言葉は、落語協会の二階の広間に額に入れて飾ってある。伝統的な芸道や武道で大事にされている言葉だ。「守破離」とは、「剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。『守』は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。『破』は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。『離』は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階」(『大辞林』から)という意味だ。佐藤先生は神学、私は政治学や国際関係論という「型」を大事にしながら評論を行っている。

 佐藤先生は私に、「型がなければただの言いっぱなしですよ」とおっしゃった。佐藤先生は既に「離」の境地に達しておられるが、対談を通じて、改めて基本の大切さを私に教えて下さった。私も先生の言葉を肝に銘じて、型を大事に「守り」ながら、「破」「離」へ進んでいきたい。

 最後に、対談実現のために橋渡しをしてくださった、師である副島隆彦(そえじまたかひこ)先生に御礼を申し上げます。対談のアレンジ、調整を行い、まとめ役を務めた水波ブックスの水波康氏、全体編集を担当した秀和システムの小笠原豊樹編集長には大変にお世話になりました。記して感謝申し上げます。

2024年10月 古村 治彦(ふるむらはるひこ)

(貼り付け終わり)
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(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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イーロン・マスク、ドナルド・トランプ、J・D・ヴァンス
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10月9日時点での予想

 アメリカ大統領選挙投開票日まで残り1カ月を切っている。現状は大接戦であるが、民主党のカマラ・ハリス副大統領が候補者に決まってからリードしていたが、共和党のドナルド・トランプ前大統領が追い上げている状況だ。私が最重要だと考えているペンシルヴァニア州とジョージア州ではトランプがリードしている。この2つの州を抑えればトランプが勝利できる。しかし、まだリードは小さいもので、予断を許さない状況だ。詳しくは、2024年10月3日付の本ブログ記事「大統領選挙を見る際に重要なのは全米規模の世論調査よりも各州の世論調査の結果だ」をお読みいただきたい。右側のカレンダーの3日のところをクリックすると記事が出てくる。

 2016年のアメリカ大統領選挙から、アメリカ政治は大きく変化した。当時を思い出してもらいたいのだが、2015年から2016年にかけて、誰がトランプの大統領選挙当選を予想できただろうか。彼が共和党予備選挙に出馬表明した直後の世論調査では、支持率は1%にも満たないもので、泡沫候補そのものだった。それがあれよあれよという間に、「いつか勢いは衰えるさ」と人々が考える中で、最後にホワイトハウスにたどり着いたのは、ヒラリー・クリントンではなく、トランプだった。それからアメリカ政治は変わった。人々の既存の政治に対する異議申し立て、ポピュリズムが高揚する時代に入った。このことを既に1980年代に予言していた人物がいる。それがサミュエルソン・ハンティントンだ。
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サミュエル・ハンティントン

 サミュエル・ハンティントンは、既に故人となっているが、政治学分野の大学者だ。『民主化の波』『文明(間)の衝突』といった著書は必読書である。その彼が1981年に出したのが『アメリカ政治:不協和音の必然(American Politics: the Promise of Disharmony)』 (Harvard University Press, 1981)である。以下の記事では、トランプ現象について、ハンティントンの『アメリカ政治:不協和音の必然』を使って分析している。

記事の著者リー・ドラットマンは、2016年のトランプ現象について、「この怒りに満ちた幻滅(raging disillusion)の爆発は、アメリカ政治における新しい力のように感じられるが、実際には古くからあるものであり、繰り返し起きてきた。ただ、ここ数十年、これほどまでに完全に経験したことはない」と述べている。このような一般国民の怒りは、あメリカ史においては、繰り返し起きていると指摘しているのだ。

そして、以下のように書いている。

「私たちが「信条に関する熱狂(creedal passion)」の時代に突入するだろうというその予言は、鳥肌が立つように感じる。ハンティントンの用語では、約60年ごとにアメリカを悩ませる組織権力に対する道徳的不信感(moralizing distrust of organized power)を指す。このような時期に、アメリカは道を見失った、憲法上のルーツに戻る必要があるという話が主流になってきた」。

ドラットマンは、ハンティントンが『アメリカ政治:不協和音の必然』の中で、「信条に関する熱狂(creedal passion)」が60年ごとに起きており、最近では1960年代の公民権運動の時代がそうであったと指摘していると述べている。ということであれば、2010年代、2020年代に「信条に関する熱狂(creedal passion)」が起きるということになるが、それがトランプ現象だったということになる。

 ドラットマンはさらに次のように書いている。

「ハンティントンの主張の核心は、アメリカは理想(ideals)に基づいて建国された国家であるということだ。問題は、その理想が決して完全には実現できないということだ。これは明らかな緊張を生む。ハンティントンは次のように説明している。「アメリカの信条から言えば、政府は平等主義的(egalitarian)で、参加型(participatory)で、開放的(open)で、非強制的(noncoercive)で、個人や集団の要求に応える(responsive to the demands of individuals and groups)ものでなければならない。しかし、政府はこれら全てを兼ね備えている政府は存在せず、それでも、統治を維持している。

つまり、アメリカ政治の中核には、「権力は道理に合わない、非正統である(Power is illegitimate)」という解決不可能なパラドックスがある。しかし、政府は権力なしに、どうやって機能するのか? つまり、政府が非正統であるのは、機能しているからであり(権力を行使している)、正統であるのは、あるいは機能していない、もしくは役に立たないかのどちらかということになる」。

 トランプ現象を何か奇異な現象、一過性の現象と考えているとそれは間違いということになる。アメリカの一般国民は60年毎に、政府が腐敗している、政治が機能不全を起こしているということを看取し、それに対して異議申し立てを行い、変革運動を起こすのだ。「現在の政府は正統ではないのに権力を行使して私たちを抑圧している」ということを人々が鋭く掴んで行動する。これがアメリカ国民の政治感覚の鋭いところだ。今回は更に、アメリカの衰退という要素も含まれている。60年間で、アメリカ政府や既存の政党は、アメリカの衰退を止められなかったという怒りもあるだろう。その衰退が良く表れているのが、中間層の没落であり、貧困白人層(プアホワイト)の増大である。

トランプが馬鹿だアホだを繰り返すような、主流マスコミや学者たちは、アメリカ政治の表面をなぞっているだけに過ぎない。その基底にある大きなアメリカ政治の構造変化を具現化しているのがトランプなのだ。
(貼り付けはじめ)
1981年刊行のこの本は、現在の不信と怒りに満ちた政治的ムードを不気味に予言していた(This 1981 book eerily predicted today's distrustful and angry political mood

リー・ドラットマン筆

2016年1月7日

『ヴォックス』誌

https://www.vox.com/polyarchy/2016/1/6/10725086/promise-of-disharmony

ドナルド・トランプやテッド・クルーズのような反エスタブリッシュメント派の候補者たちの台頭を説明しようとする試みは、ここ数ヶ月の間に、「一体何が起こっているのか?」から 「いや、冗談じゃなくて、本当に一体何が起こっているのか?」へと進んできた。しかし、少なくとも基本的な状況はますます明らかになりつつある。有権者は不機嫌になり、不信感と怒りが渦巻いている。彼らは政府が腐敗していて無反応であり、それについて何かをする時期が来たと感じている。アメリカは道を見失ってしまった。私たちは原点に戻る必要がある。私たちはアメリカを再び偉大にする(make America great again)必要がある。

この怒りに満ちた幻滅(raging disillusion)の爆発は、アメリカ政治における新しい力のように感じられるが、実際には古くからあるものであり、繰り返し起きてきた。ただ、ここ数十年、これほどまでに完全に経験したことはない。実際には1960年代以来だ。その前は1900年代に起きた。その前は1830年代だ。その前は1770年代だ。

私はこのパターンをサミュエル・ハンティントンの1981年の著書『アメリカ政治:不協和音の必然(American Politics: Promise of Disharmony)』から抜粋する。現在のジャーナリズムや分析で私が読んだものよりも、この 35年前の古典は、現在の激怒する政治精神について最も説得力のある大局的な説明を提供している。この頃、私たちが「信条に関する熱狂(creedal passion)」の時代に突入するだろうというその予言は、鳥肌が立つように感じる。ハンティントンの用語では、約60年ごとにアメリカを悩ませる組織権力に対する道徳的不信感(moralizing distrust of organized power)を指す。このような時期に、アメリカは道を見失った、憲法上のルーツに戻る必要があるという話が主流になってきた。

ハンティントンの主張の核心は、アメリカは理想(ideals)に基づいて建国された国家であるということだ。問題は、その理想が決して完全には実現できないということだ。これは明らかな緊張を生む。ハンティントンは次のように説明している。「アメリカの信条から言えば、政府は平等主義的(egalitarian)で、参加型(participatory)で、開放的(open)で、非強制的(noncoercive)で、個人や集団の要求に応える(responsive to the demands of individuals and groups)ものでなければならない。しかし、政府はこれら全てを兼ね備えている政府は存在せず、それでも、統治を維持している。

つまり、アメリカ政治の中核には、「権力は道理に合わない、非正統である(Power is illegitimate)」という解決不可能なパラドックスがある。しかし、政府は権力なしに、どうやって機能するのか? つまり、政府が非正統であるのは、機能しているからであり(権力を行使している)、正統であるのは、あるいは機能していない、もしくは役に立たないかのどちらかということになる。ハンティントンが書いたように、「アメリカ国民は、政府は政府であり続けるために必要になることをすべきではないし、政府としての自らを弱体化させなければできないことを行うべきだと信じている(The American people believe that government ought not to do things it must do in order to be a government and that it ought to do things it cannot do without undermining itself as a government)」である(訳者註:アメリカ人は強力な政府を望んでおらず、中央集権化されていない、権力の弱い政府ができることをすればよいと考えている)。

あるいは、ハンティントンが別で述べているように、「支配的な政治信条は、政府の権力と政治制度の正統性に対する、永続的な挑戦を構成している。政治的権威は、他のどこの国ではそうではないが、アメリカにおいては脆弱である」ということになる。

ハンティントンは、この私たちの理想(ideals)と私たちの制度(institutions)のギャップを「IvIギャップ」と呼んでいる。

ほとんどの場合、このギャップは大した問題ではない。ほとんどの場合、アメリカの政治に関する理想における反権力(anti-power)の精神と、アメリカの政治制度が必然的に権力寄りに機能することとの間の緊張は水面下に存在し、冷笑主義(シニシズム、cynicism)、次に自己満足(complacency)、そして偽善(hypocrisy)という予測可能なサイクルを通じて抑圧されている。しかし、およそ60年ごとに、現在の政治環境とよく似た「信条に関する熱狂」の発作として、それが公の場に噴出する。

ハンティントンのカレンダーでは、アメリカ独立戦争と「王冠(the crown)」に対する反乱の時期である1770年代にアメリカの信条的熱狂の最初の時期を位置づけている。次の時代は、1830年代に到来し、ジャクソニアン・デモクラシーが「銀行(the bank)」に対する反乱を主導した。そして、1900年代に再び、セオドア・ルーズヴェルトと進歩主義派が「利益と体制(the interests and the system)」に対する反乱を主導した。そして、1960年代に再び、活動家たちが軍産複合体(military-industrial complex)に対して反乱を起こした。このカレンダーは、2020年代の信条的熱狂(creedal passion)の新たな時期を予測している。その時期は急速に近づいている。

●「信条的熱狂(creedal passion)」の時期とはどのようなものだろうか?(What does a “creedal passion” period look like?

これらの期間は、特定の繰り返しのテーマが起きる。ハンティントンは次のように書いている。「全てに共通の敵は大規模な組織だった。4つの時代全てにおける共通の目標は、組織権力の解体または縮小、その改革と管理、意思決定のプロセスの国民参加への開放であった。4つの時代全てにおいて、権力機関が召集された。自由の理想の前に判断を下し、反権力の倫理が政治的行動の指針として再活性化した」

具体的には、ハンティントンはこれらの期間について14の特徴を挙げている。9つは一般的なムードを表している。

(1)不満が蔓延し、権威(authority)、階層(hierarchy)、専門性(specialization)、専門知識・技能(expertise)に対して、多くの人々が疑問を提示し、否定された。

(2)政治的思想は真剣に受け止められ、当時の論争において重要な役割を果たした。

(3)自由、個人主義、平等、民衆による政府の管理、政府の公開性といった伝統的なアメリカの価値観が、公的な議論の中で強調された。

(4)IvIギャップに対する道徳的憤り(moral indignation)が広まった。

(5)政治は、利益団体間の対立という通常の日常をはるかに超えた、煽動(agitation)、興奮(excitement)、騒動(commotion)、さらには大混乱(upheaval)によって特徴付けられていた。

(6)権力に対する敵意[hostility toward power](反権力の倫理)は激しく、政治の中心問題はしばしば「自由対権力(liberty versus power)」として定義される。

(7)IvIギャップの暴露やスキャンダルの暴露(muckraking)が政治の中心的な特徴であった。
(8)特定の改革や「大義(causes)」(女性、マイノリティ、刑事司法、節制、平和)に専念する運動が盛んになった。
(9)新しいメディア形態が登場し、政治におけるメディアの影響力が著しく高まった。

残りの5つの特徴は、これらの時代がもたらした政治的変化について述べている。

(10)政治参加(political participation)は拡大し、多くの場合には新しい形態が出現し、これまでとは異なるチャンネルを通じて表明された。

(11)この時代の主要な政治的亀裂は経済階級の境界を越える傾向があり、中流階級と労働者階級のグループが何らかの組み合わせで変化を推進した。

"The principal political cleavages of the period tended to cut across economic class lines, with some combination of middle- and working-class groups promoting change."

(12)権力を制限し、アメリカの理想の観点から制度を再構築するために、政治制度において大規模な改革が試みられた(その一部は成功し、一部は長続きした)。

(13)社会勢力と政治に関する諸組織(政党制度を含むがこれに限定されない)との関係において、基本的な再編成(basic realignment)が行われた。

(14)伝統的な理想の名のもとに改革を推進する風潮は、ある意味で前向きであり後ろ向きでもあり、進歩主義的であり保守的でもあった。

最後の5つについて確信を持てるかどうかは時期尚早だが、最初の9つの特徴のほとんどは、現在の政治的瞬間としっかりと共鳴しており、中には不気味なほどよく共鳴しているものもある。

ハンティントンの主張は、このサイクルはおおむね内部的な、内発的な論理(道徳主義→皮肉主義→自己満足→偽善→道徳主義[moralism –> cynicism –> complacency –> hypocrisy –> moralism])に従うというものだが、彼は信条に基づく熱狂政治(creedal passion politics)の時期に共通しがちないくつかの外的要因に注目している。

一般的に、こうした信条に関する熱狂政治は戦争や経済危機の時期には起こらない。しかし、「諸集団の間に確立された関係が破壊され、社会と経済が急速に変化する時期(during periods of rapid social and economic change, when established relationships among groups are disrupted)」には起こりやすい。ハンティントンは、「ほとんどの社会の歴史において、急速な経済的・社会的変化は、政治におけるイデオロギーの役割を高める」と説明している。彼はまた、「特定の集団の相対的な社会的・経済的地位の変化は、それらの集団がIvIギャップに注目し、政治制度や慣行に改革をもたらそうとする動機となる」とも述べている。現在、中流階級の白人たちが下降線をたどっているのは、この説明に当てはまる。

ハンティントンはまた、「若者たちは、道徳主義的行動に対する集団性向が比較的高い」とも指摘している。つまり、社会における若者の割合が比較的高いことが、信条的熱狂の瞬間に寄与しているということだ。ミレニアル世代は現在、ベビーブーム世代を抜いて全米最大の世代となっている。これも一因かもしれない。

●それからどうなるか?(And then what?

信条的熱狂(creedal passion)の各時期には、一連の政治過程改革がもたらされる(上記の特徴10から14を参照のこと)。1770年代にはアメリカ革命(American Revolution)をもたらした。1830年代には参政権(suffrage)が拡大され、近代的な大衆政党(mass political parties)が生み出された。1900年代には、様々な形態の直接民主制(various forms of direct democracy)が導入され、特に、イニシアティヴの導入と上院議員の直接選挙が大きな特徴となった。1960年代と1970年代初頭には、太陽の光と透明性に関する法律、拘束力のある大統領予備選挙、大規模な選挙資金制度改革が相次いで導入された。

しかし結局のところ、制度が完全に改革されることはなく、ただ再編成されるだけのことだ。改革は、一部の利益を強化し、他の利益を無力化する。ハンティントンが書いているように、「改革が叫ばれても、結果は再編成に留まる(The cry is reform, the result is realignment)」ということになる

このシステムが存続しているのは、「他の主要な政治システム以上に、アメリカのシステムが、その主要な制度的構成要素の定期的な再構成(reconstitution)を可能にしているからである」とハンティントンは説明する。

IvIギャップを解消し、憲法のルーツに戻ることを求める道徳主義的な政治が10年ほど続いた後、歴史的に熱は冷める。ハンティントンが書いているように、「格差をなくさなければならないという思いは、何も変えることはできないという思いに取って代わられる」。人々は、「格差は受け入れられなければならない。そしておそらく、アメリカのユーモアの中でその役割が示唆するように、楽しめさえしなければならない」と悟る。冷笑主義(シニシズム)が優勢になる。

そして、冷笑主義(シニシズム)は予想通り衰退し、政治は自己満足(complacency)の時代に入る。それに続くのが偽善(hypocrisy)の時代であった。熱狂的な支援(boosterism)と愛国主義(patriotism)が公的生活を支配する(「アメリカの制度はオープンで民主的であると見られ、アメリカはチャンスの国である」)が、美辞麗句(cheerleading)の下で、現実はもちろん異なっている。この「アメリカ的理想の強烈な主張が、IvIギャップに対する認識を新たにさせる」のである。そして、また新たな信条熱狂の時代が始まる。

●ハンティントンの主張は正しいのか?(Is Huntington right?

ドナルド・トランプは 「アメリカを再び偉大にする 」と約束している。共和党ティーパーティー派は 「憲法トレーニング(constitutional Training)」を提供し、彼らが嫌うあらゆる連邦政府の政策に対する防御として、憲法を引用している。連邦野生生物保護区を占拠しているオレゴン州の民兵組織(militia)のリーダーであるアモン・バンディは、自身のグループを 「シティズンズ・フォ・コンスティテューショナル・フリーダム(Citizens for Constitutional Freedom)」と名付けている。アメリカ人のかなりの大多数は、政府は超富裕層のために、超富裕層によって運営されており、自分たちはほとんど何も言えないと考えている。制度に対する信頼は、世論調査史上最低の水準にある。

ハンティントンを読み直すと、彼が信条に熱中した他の時代にわたって述べている特徴は、今日の政治と驚くほど共鳴している。時計仕掛けのような正確さで、「信条的熱狂(creedal passion)」の別の時代に突入しているように感じられる。

もちろん、事態がどのように展開していくかを確実に知ることは難しい。仮にハンティントンの言う通りだとしても、各時代は前回とは微妙に違って見える。少なくとも今後10年間(そしておそらくそれ以上)は、共和党が連邦議会と州議会のほとんどを支配する可能性が高いこと、そして、道徳的な情熱は、現在左派よりも右派にあることを考えると、今回の改革への推進力はおそらく政治的右派からもたらされることになるだろう。

ハンティントンが正しければ、次の10年は、長い間停滞していた政治改革が再び可能になる時期になるだろう。アメリカ政治はエキサイティングな時代になるはずだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 先週、アメリカ大統領選挙の、副大統領候補者討論会が実施された。これまで通り、選挙戦期間中に1回実施されるので、この機会に、民主、共和両党の副大統領候補者たちは、大統領候補者と自分自身をアピールするためにハッスルする。今回の大統領選挙では、9月の大統領候補者討論会が最後の討論会になる可能性があり、より注目が集まった。
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J・D・ヴァンス(左)とティム・ウォルツ
 民主党のミネソタ州知事ティム・ウォルツ、共和党の連邦上院議員(オハイオ州選出)JD・ヴァンスは共にアメリカ中西部の男というアイデンティティを持っている。どのような討論会になるかが注目されたが、抑制された討論会になった。個人攻撃がなかったということが話題になっていたほどだ。
 全体としてのトーンでは、JD・ヴァンスが優位に立って討論を展開していた。ウォルツはアピールが十分にできなかったという感じだ。こう書いては何だが、イェール大学法科大学院卒の弁護士で起業家、ベストセラー作家であり、連邦上院議員であるヴァンスの方が、元は高校教師でしかないウォルツよりも演説や討論が上手なのは仕方がない。ヴァンスの評価が全体として高かったことを受けて、主流マスコミでは、「ヴァンスの評価の高さがドナルド・トランプへの評価に結びつく訳ではない」という評価をしているのはおかしかった。

 確かに、副大統領候補者討論会の結果で、投票先を決める人は少ないだろう。しかし、重要なことは、この討論会で負けないことだ。結果として、共和党のヴァンスが勝った、上回ったということだけが人々の記憶に残る。これはトランプ陣営にとってプラスだ。これからは、激戦州の動向がより重要になっていく。ペンシルヴァニア州ではハリスが僅差でリードしていたものが少しずつであるがトランプが追い上げている。ペンシルヴァニア州をトランプが取ればトランプ勝利と言うことになる。まさに正念場の残り1カ月弱となる。

(貼り付けはじめ)

ヴァンス・ウォルツ討論会の5つのポイント(5 takeaways from the Vance-Walz VP debate

ジュリア・マンチェスター。キャロライン・ヴァキル、ジュリア・ミュラー筆

2024年10月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4911079-vice-presidential-debate-vance-walz/

オハイオ州選出の連邦上院議員J・D・ヴァンス(共和党)とミネソタ州知事ティム・ウォルツ(民主党)が火曜日、ニューヨーク市で開催された、今回の大統領選挙で、最初のそして唯一となるであろう副大統領候補者討論会で、一対一で相まみえた。大統領選挙投開票日まで約1カ月となり、一か八かの戦いの瞬間となった。

両候補は、中絶から移民問題、外交政策まで、様々な問題で衝突した。しかし、討論会では、先月行われたカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の討論会よりも、明らかに礼儀正しく、政策に焦点を当てたものとなった。

今回の討論会がどの程度票を動かすかは不明だが、有権者が11月までにトップが絡む討論会を見る最後の機会になるかもしれない。ハリスはライヴァルに再対決を迫っているが、トランプは今のところ再対決はしないと主張している。

火曜日の副大統領討論会の5つのポイントは以下の通りだ。

(1)ヴァンスはディベートの技術を見せつけた(Vance shows his debate skills

ヴァンスは、ウォルツよりも間違いなく高い賭けを背負って討論会に臨んだ。オハイオ州選出の連邦上院議員は、オハイオ州スプリングフィールドでハイチからの移民がペットを食べているという根拠のない陰謀を宣伝したり、「子供のいない猫女(childless cat ladies)」についての過去の発言で論争と嘲笑をあおったりしてきた。

しかし、火曜の夜、ヴァンスは、トランプがなぜ自分を副大統領候補に選んだのかという疑念を、少なくとも一時的に解消した。

イェール大学で法律家としての訓練を受けたヴァンスは、火曜日の夜、明らかに本領を発揮し、トリッキーな質問をいとも簡単にかわし、スプリングフィールドでの発言の事実確認をめぐって司会者に異議を唱える場面もあった。

ヴァンスの洗練された語り口は、ウォルツが時折見せる不安定なパフォーマンスとは対照的で、オハイオ州での厳しい生い立ちを強調したのは、彼をめぐる論争で消極的になったかもしれない有権者にアピールするための明らかな努力を行った。

これは、民主党のウォルツ候補よりも低い支持率で討論会に参加したヴァンスにとってまさに必要な一発だった。

(2)ウォルツは中国に関する答えでつまずく(Walz stumbles with answer on China story

ミネソタ州知事ウォルツは火曜日の夜、更に平穏ではなかったが、それは1989年の天安門事件の際に香港にいたという主張に対してぎこちない答えをして、その不安定さが強調された。

APMリポーツやミネソタ・パブリック・ラジオを含む報道各社は最近、ウォルツが1989年の後半、8月に実際に中国にいたことを示唆する証拠があると報じ、彼の主張と矛盾することになった。

自身の発言と最近の報道との食い違いについて尋ねられたウォルツは、簡潔に答えるのに苦労し、時には 「愚かな人間(knucklehead、ナックルヘッド)」になることもあると主張した。

ウォルツは「私のコミュニティは、私が誰であるかを知っている。彼らは私がどこにいたかを知っている。私は自分のコミュニティに心血を注いできた。できる限りベストを尽くそうとしてきたが、完璧ではなかったし、時には小心者でもあった」と述べた。

再び厳しく問われたウォルツは、「これについて私が言ったのは、あの夏にそこに着いて、このことについて、言い間違えたということだけだ。だから、言い間違えたと繰り返すだけだ。私が言ったことは以上だ」と述べた。

ウォルツは更に「従って、私は民主化運動の最中に香港と中国にいて、中国に入って、そこで統治に必要なことをたくさん学んだ」と付け加えた。

共和党は、ウォルツが民主党副大統領候補に選ばれて以来、兵役や家族の不妊治療など、ウォルツの人生に関する詳細な調査を強化してきた。

ウォルツはまた、多くのコメンテーターたちが討論会後に称賛したヴァンスに対して、ノックアウト・ブローを放つこともできなかった。

(3)ヴァンスが人工妊娠中絶を中心にアピール(Vance makes appeal to center on abortion

民主党が中絶問題でトランプへの攻撃を強める中、オハイオ州選出の共和党所属連邦上院議員は中絶について政治的な中道派に訴えかけようとした。

ヴァンスは、中絶を経験した知人女性がウォルツとの討論を見ていたことに触れ、「彼女は数年前、もし中絶をしていなかったら、虐待的な関係にあったので、人生を破壊されていたかもしれないと感じたと私に言った」と述べた。

ヴァンスは「この国で罪のない生命を守りたいと誇り高く思い、弱い立場の人々を守りたいと誇り高く思う共和党員として、そこから私が得たものは、私たちの党が、率直に言って私たちを信頼していないこの問題について、アメリカ国民の信頼を取り戻すためにもっともっと良い仕事をしなければならないということだ」と語った。

ヴァンスは、共和党が「言葉の最大限の意味で親・家族()pro-family in the fullest sense of the word」になることを望んでいると述べ、女性がより手頃なコストで出産できるようにしたり、不妊治療(fertility treatments)を支援したりすることなどを共和党が支援してほしいと述べた。

同時に、ヴァンスは、以前は15週間という国家の中絶制限を支持していたなど、この問題に関する過去の発言の一部をどうするか検討する必要があった。

ヴァンスは、現在もそのような禁止措置を支持しているのかと尋ねられ、「第一に、私は全国的な禁止措置を支持したことはない。2022年の連邦上院選挙に出馬した際、全国的な最低基準の設定について話したことはある」と述べた。

トランプは、副大統領候補者討論会の最中に、自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に、連邦政府による中絶禁止令に拒否権を発動するという驚きの投稿を行った。

(4)CBSがファクトチェックとマイクをめぐり非難を浴びる(CBS draws fire over fact-checking, mics

CBSは討論会のルールの扱いをめぐって視聴者たちと壇上の候補者たちの両方から批判を集め、現在の政治情勢で討論を行う上で報道機関が直面する課題を浮き彫りにした。

全体的に控えめな討論会の中で最も緊張感のある瞬間の1つで、CBSのマーガレット・ブレナンが移民に関する自身のコメントを明確にしようとした後、ヴァンスがCBSニューズの司会者たちに異議を唱え、口論が起こり、両候補のマイクが切られる事態となった

候補者たちは、以前トランプとヴァンスが主張した、「ハイチからの移民がこの地域でペットを食べている」というデマの中心となった町スプリングフィールドをめぐって口論となった。ヴァンスは討論会では同じ主張をしなかったが、「数百万人の不法移民」がスプリングフィールドのような地域を圧倒していると述べた。

ブレナンは、スプリングフィールドには「法的地位、つまり一時的保護資格を持つハイチ人移民が多数いる」と明言した。

「司会者が経済に関する新たな質問に話を移そうとすると、ヴァンスは「そして、あなた方は私をファクトチェックしているのだから、実際に何が起こっているのかを言うことが重要だと思う」と述べた。

ブレナンは「私たちには乗り越えなければならないことがたくさんある」と強調したが、ヴァンスは更に詳しく説明し、ウォルツも短く口を挟んだ。候補者たちの音声は突然小さくなった。

討論会中、自身のトゥルース・ソーシャル・ページに投稿していたトランプは、マイクの音がカットされたことを指摘し、ファクトチェックを試みたCBSがバンスに対して「不公平」だと批判した。

CBSニューズは討論会中、視聴者をオンライン・ファクトチェック・ブログにリダイレクトするQRコードを定期的に掲載したが、CBSは、リアルタイムでファクトチェックをし合うのは候補者次第だと述べた。

先月、トランプとハリスの大統領選討論会を主催したABCニューズは、司会者のファクトチェックをライブで行ったことで、トランプと支持者たちから非難を浴びた。6月には、CNNもトランプ対バイデンの討論会でチェックを控えたことで批判を浴びた。

(5)討論会は礼儀正しく行われた(Debate is civil

火曜日の討論会は、最近の記憶の中でも最も礼儀正しい、全国レヴェルの討論会の1つとなった。過去8年間の多くの大統領選挙候補者討論会とは異なり、討論の舞台では罵り合いや個人攻撃はなかった。その代わり、ヴァンスとウォルツは政策について議論し、両陣営の相違点を明確にすることに徹した。

また、2人はあるポイントでは何度も同意し合い、討論会が終わると握手を交わし、友好的な会話を交わした。

実際、2人の候補者は、移民問題を含め、この国が直面している問題を解決したいと相手が考えていると信じていると再三指摘したが、それらの問題を解決する方法については意見の相違を口にし、激しく争った。

ウォルツは討論会の終盤に「今夜の討論会は楽しんだ。ここには多くの共通点があると思う」と語った。

また、ヴァンスはウォルツ知事の個人的な逸話として、息子が銃乱射事件を目撃したという話を紹介した。

ヴァンスは「ティム、まず、私はあなたの17歳になる息子さんが銃撃を目撃したことを知らなかった。それは本当に残念なことだ。キリストのお慈悲がありますように」と述べた。

火曜日の討論会は、個人攻撃と政治的暴力の脅威の増大によって定義される、今回の選挙サイクルにおける気分転換の場となるだろう。これらの問題をどのように解決するかについては、両者の意見の相違が目立った。

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 10月27日に投開票予定の総選挙で、自民党の裏金議員たちの公認問題がクローズアップされた。先週の段階では、原則全員公認という報道が出て、SNSを中心に嘘つきだ、変節漢だという非難の声が上がっていた。推薦人20名の内、13名が裏金議員だった高市陣営からは非難の声はなかった。しかし、日曜日、説明責任不十分な議員たちを中心に非公認となる見通しを石破首相が発表した。自民党の公認を得られなければ、比例代表への重複立候補ができず、小選挙区で落選したら復活はない。背水の陣で臨まねばならない。また、自民党所属の地方議員たちは、党の公認ではない立候補者を表立って応援することはできない。地方議員たちの行動はかなり制限される。そうなると、選挙運動もうまくできないということになる。公明党も助ける義理はないということになる。もちろん各選挙区の事情で異なるだろう。裏金議員の多くは旧安倍派・清和会の議員たちだ。まさに、安倍派の大掃除ということになる。

 自民党の裏金問題にかかわった議員たちで、政治倫理審査会への出席を拒否した政治家たちが衆院では44名に上る。これらの議員たちは説明責任を十分に果たしていないということで、非公認となる可能性がある(比例の重複立候補を認めないということで決着になりそうだ←これでも手ぬるいくらいだが落としどころだろう)。10月9日解散、15日告示、27日投開票というタイムスケジュールで慌てて記者会見を開いても、準備不足でまともな受け答えは出来ないということになるだろう。そうなればかえって逆効果ということになる。それでも、駆け込みで記者会見を開く、見苦しい議員たちが出てくるだろう。彼らは岸田文雄前首相の退陣の理由を作った人間たちであり、岸田前首相退陣の責任がる人間たちである。彼らもまたけじめをつけねばならない。
 後任問題の窓口は選対である。選対で協議ということになって、選対本部長である小泉進次郎議員が裏金議員たちに伝えることになるだろう。小泉選対本部長が非公認を伝えることになる。ここで小泉議員がうまく収められるかどうかということになる。

 先週からの動きを見ていると、「原則全員公認」という情報をマスコミに流していたのが首相周辺なのか、それ以外なのかということも気になる。裏金議員たちが先駆けて、「原則全員公認」という情報を流して、それを既成事実化して、何とかごまかそうしていた可能性がある。石破茂首相の周辺で暗闘が起きているのだろう。マスコミで報じられる情報の一部は反石破勢力の情報操作の試みである可能性がある。こうしたことを考えながら、報道に接することが重要だと考える。

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【速報】石破首相 衆院選公認問題「相当程度の非公認が生じる」説明責任不十分な者など 不記載議員の重複は認めず

10/6() 14:17配信 FNNプライムオンライン(フジテレビ系)

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c8b6d3337b6fafe8ed928c2ae6254ba930f80f8

自民党総裁の石破茂首相は6日、政治資金問題を受けた衆院選の公認問題について、党本部で記者団に対し、党の処分の重い人や説明責任を十分果たしていない人など、「相当程度の非公認が生じる」と述べた。

公認されないのは、既に行った党の処分を踏まえ、

▲非公認より重い処分を受けた人。

「党員資格停止」となった旧安倍派幹部の西村康稔元経産相、下村博文元文科相、高木毅元国対委員長が対象。

▲現時点で処分が継続していて、政治倫理審査会で説明責任を果たしていない人。

萩生田光一元政調会長、三ッ林裕巳衆院議員、旧二階派の平沢勝栄元復興相らが非公認となる見通し。

▲説明責任を十分に果たさず、地元での理解が十分に進んでいないと判断される人。

石破氏は、「結果として相当程度の非公認が生じることとなるが、国民の信頼を得る観点から公認権者として責任を持って最終的に判断をする」と強調した。

さらに、派閥の政治資金パーティーを巡る不記載があったその他の議員についても、「比例名簿への搭載はしない」として、重複立候補を認めない方針を示した。

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「国民の信頼を得る」石破首相、旧安倍派幹部ら非公認に

10/6() 18:31配信 日テレNEWS NNN

https://news.yahoo.co.jp/articles/586839643436b84afacdc05098e76dc5ca4fca8c

いわゆる裏金議員の公認問題で新たな動きです。石破首相は萩生田光一氏など旧安倍派の幹部らを非公認とし、ほかの裏金議員も比例代表での重複立候補を認めない方針を示しました。中継です。

裏金問題に対する世論の反発が収まらない中、石破首相は一時、全ての裏金議員の公認も検討しましたが、選挙への悪影響を考慮し、厳しい対応を打ち出しました。

石破首相「結果として相当程度の非公認が生ずることとなるが、国民の信頼を得る観点から、公認権者として責任を持って、最終的に判断していくものとする」

非公認となる見通しなのは、非公認より厳しい党員資格停止の処分中の旧安倍派幹部の下村博文氏、西村康稔氏。この2人に加え、高木毅氏。また、党の役職停止1年間の処分が続いていて、政治倫理審査会に出席していない萩生田光一氏、平沢勝栄氏、三ツ林裕巳氏も非公認となる見通しです。

さらに、党の処分を受けた議員で、説明責任を果たさず、地元の理解が進んでいないと判断された議員についても今後、非公認となります。

一方、処分を受けなかった議員も含め、その他の裏金議員ら、およそ40人については、選挙区での公認は認める一方、比例代表での重複立候補は認めないこととしました。

これに対し、立憲民主党の野田代表は「公認するということは、脱税の疑いのある人含めて党のお墨付きを与えることで、極めて疑問だ」などと述べ、引き続き追及する考えを示しました。

=====

石破首相、旧安倍派“裏金議員”を原則公認へ 「党内融和」を優先…「総裁選中の発言と違う」立憲・野田代表は厳しく批判

2024104日 金曜 午前11:41 フジテレビ政治部

https://www.fnn.jp/articles/-/768138

石破首相は、いわゆる派閥の裏金事件で処分を受けた旧安倍派の議員を、1027日の衆議院選挙で原則公認する方向で調整しています。

国会記者会館からフジテレビ政治部・木村祐太記者がお伝えします。

公認問題で、石破首相は党内の反発と厳しい世論との間で板挟みとなっていましたが、「党内融和」を優先したい考えです。

石破首相は総裁選中、「公認にふさわしいかどうか議論は徹底的に行われるべき」としてきたため、議員からは「これで全員公認となったら世論の理解が得られない」との声が出ていました。

ただ、この動きに猛反発したのが、旧安倍派の議員らでした。

「非公認はありえない」「なぜ蒸し返すのか」との不満が相次ぎ、執行部に直談判する議員も現れました。

こうした中、党幹部は「すでに一度処分をしている。処分は二度しない」との判断に傾き、地元が公認を申請した議員は再発防止の誓約書を書く形で公認し、比例代表との重複立候補も認める方向で調整しています。

あるベテラン議員は「公認せずに党内の分断を生めば選挙後の政権運営に影響する。仕方なかったんだろう」と石破首相の胸の内を代弁しています。

石破首相は4日午後、国会で初となる所信表明演説を行い、一番最初に裏金問題に対する反省を示し、国民に理解を呼びかける方針です。

一方、立憲民主党の野田代表は、裏金事件を巡る自民党の対応を厳しく批判しました。

立憲民主党・野田代表:

(世論調査で)裏金議員を公認することについては7割の人たちが反対している。驚きを禁じえません。選挙区では厳しく戦っていかなければいけない。

野田氏は会見で「総裁選中の発言と全然違う。今までと大きく変えることになった」と指摘し、「まずは約束を守れ」と強調しました。

また、立憲や日本維新の会など野党4党の国会対策委員長が会談し、今の臨時国会で予算委員会の開催を与党に求めた上で、応じない場合は十分な党首討論の時間を要求しました。

これに対し、与党は応じる形で党首討論の時間を確保する姿勢を示しました。

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 アメリカ大統領選挙の投開票日まで残り約1カ月となった。ラストスパートといったところだ。共和党のドナルド・トランプ前大統領と副大統領候補のJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出)と、民主党のカマラ・ハリス副大統領と副大統領候補のミネソタ州知事ティム・ウォルズの戦いは佳境を迎える。日米の主流メディアは最近になって、接戦と報じているが、7月末にジョー・バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明し、ハリスが民主党の候補者になってから、民主党全国大会のあたりにかけて、ハリスの支持率が急上昇、ハリスがリードという報道を行ってきた。

 確かに、全国規模の世論調査の結果ではハリスがトランプに対してリードしている。しかし、全国規模の世論調査の結果は選挙の大きな流れをつかむくらいにしか役に立たない。なぜならば、アメリカの大統領選挙は全国規模の得票数で結果が決まるものではないからだ。
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全国規模の世論調査の動向
 アメリカの大統領選挙は各州での得票数が多かった候補者が割り当てられた選挙人を獲得するというものだ。従って、各州での動きが重要である。そして、民主党が優勢な州(ブルーステイト、blue sates)と共和党が優勢な州(レッドステイト、red states)はそれぞれ20州ずつくらい決まっている。従って、これらの州の選挙人はもう最初からハリス、トランプどちらかに行くかが決まっている。重要なのは、激戦州(battleground satestoss-up states)だ。激戦州は今回、アリゾナ州、ネヴァダ州、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州である。その中でも、私はジョージア州とペンシルヴァニア州の結果が重要だと考えている。それは、私の計算では、トランプは既に選挙人235人を固めており、ジョージア州とペンシルヴァニア州で勝てば、選挙人を35人獲得できて、過半数の270人(総数は538人)に到達することになるからだ。

 現在のところ、ジョージア州とペンシルヴァニア州は大接戦となっているが、トランプが段々と持ち直してきており、僅差でリードしている展開である。

2024uspresidentialelectionsbattlegroundstatespolls20241001001
激戦州の世論調査の動向
2024uspresidentialelectionsgeorgiapolls20241001001
ジョージア州の世論調査の動向
2024uspresidentialelectionspennsylvaniapolls20241001001
ペンシルヴァニア州の世論調査の動向

 10月1日現在の各種世論調査の結果を反映させた結果は以下のとおりである。トランプが281人、ハリスが257人となっている。このように見ると、ハリスの勢いが落ちて、トランプが持ち直しているということになる。
2024uspresidentialelectionsbluestatesredstatesmap001
ブルーステイトとレッドステイトの分布
2024uspresidentialelectionselectorates20241001001
2024uspresidentialelectionsstatesturnpver20241001001
10月1日現在の情勢

 米大統領選挙まで残り約1カ月となっている。ハリス、トランプ両候補はデッドヒートを演じているが、ここに来てトランプが持ち直してきていると言うことができるだろう。主流派メディアではこのような話は報じられない。しかし、現実はこのようになっている。

(貼り付けはじめ)

最新のハリス対トランプ世論調査から得られる5つのポイント(5 takeaways from the latest flurry of Harris-Trump polls

ナイオール・スタンジ筆

2024年9月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4889632-latest-polls-white-house-race/

ここ数日、多くの世論調査が発表され、ホワイトハウスをめぐる選挙戦に新たな洞察を与えている。

9月10日のカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の討論会後に実施された20以上の激戦州(swing-state)で行われた世論調査の結果が全て公開されている。

この対戦では、ハリスがトランプに勝利したと広く認識されているが、彼女の勝利が選挙戦にどれだけ影響を与えたかという疑問はさらに曖昧な答えを得るようになっている。

最新の世論調査はほとんどどれも、日曜日にフロリダ州ウェストパームビーチのゴルフクラブで行われた、2度目のトランプ大統領暗殺未遂事件に対する反応を網羅するほど最近実施されたものではない。

Almost none of the latest polls were conducted recently enough to encompass reaction to the second apparent attempt on Trump’s life, which took place Sunday at his West Palm Beach, Fla., golf club.

最新の各種世論調査の特徴は以下の通りです。

(1)トランプよりハリスの方がより良い結果に-僅差であるが(It’s better to be Harris than Trump — slightly

全体として、ハリス陣営は、トランプ陣営よりも最新の世論調査の結果を喜んでいるようだ。

全国的には、ハリス副大統領がトランプ前大統領との差を僅かだが広げたことを示唆する結果が得られた。モーニング・コンサルト社の世論調査では、ハリスが6ポイント上回っており、同社の調査ではこれまでで最大のアドバンテージとなっているが、ABCニューズ・イプソスシャとヤフーニュース・YouGovの調査では、ハリスがそれぞれ4ポイントと、5ポイント上回っている。

激戦州でも、ハリスは躍進し、良い結果を残したが、しかし、それは例外中の例外である。

ハリス副大統領の選挙対策ティームは、キニピアック大学の世論調査のように、ペンシルヴァニア州で、ハリスが5ポイント上回る評判の良い世論調査を得たことに満足するだろう。あるいはミシガン州でも、有権者候補を対象としたマリスト大学の世論調査でも、同じ差をつけてリードしていた。

ザ・ヒル誌とデシジョンデスクHQDDHQ)の予想では、ハリスが11月に勝利する確率は55%となっている。

このような数字の意味を誇張しないことが重要だ。これは、非常に接戦であることを示している。しかし、現状に関しては、数字は色々出ているが、ハリスに有利なようだ。

(2)トランプには希望が持てる理由がいくつかある(Trump has plenty of reasons for hope

トランプと支持者たちは、最新の各種世論調査の結果に落胆する必要はない。
全体的には、ハリスに向かう小さな傾向が見られますが、決定的なものには程遠い。今回の討論会はハリス副大統領の支持率上昇に1、2ポイント貢献したかもしれないが、選挙戦の状況を変えるには至っていなかった。

木曜日に発表されたニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査の結果では、全米の有権者数では同率、全登録有権者数ではトランプが1ポイント上回った。フォックス・ニューズの世論調査では、ハリスが両カテゴリーで2ポイントの僅差でリードしている。

トランプ陣営は、ザ・ヒルとエマーソン大学による一連の世論調査を含む、いくつかの激戦州での各種世論調査の結果からも勇気づけられる。

エマーソン大学の世論調査では、ペンシルヴァニア州とウィスコンシン州で、トランプが1ポイントリードしており、トランプ前大統領が民主党の「青い壁(blue wall)」の一部を再び破壊する可能性を示唆している。エマーソンの世論調査では、バイデン大統領が2020年に支持したジョージア州で、3ポイント、アリゾナ州で1ポイントの差をつけている。

一方、ペンシルヴァニア州でのマリスト大学の世論調査では、同州での選挙戦は完全に同率となっており、キュニピアック大学やニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの調査では、ハリスがそれぞれ5ポイント、4ポイント差をつけているのとはかなり対照的だ。

(3)シグナルとノイズを分けるのは難しい(It’s tough to separate the signal from the noise

各世論調査会社や政治学者たちは、自分たちの調査が小数点以下まで確定的にしてしまうことを嫌う。

どのようなテーマに関する調査にも誤差があり、「ノイズ(noise)」の影響を受けやすくなる。つまり、世論が実際に変化したためではなく、世論調査プロセスに固有の変数によって数値が変動する。

最近の世論調査では、疑問を感じ亮奈結果も出ている。

例えば、ニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査では、ハリスがペンシルベニア州で4ポイントリードしている一方で、全米ではトランプと同点だった。

この結果は、最近の歴史と相容れない。

バイデンは、2020年の全米一般投票で、4ポイント以上の差をつけたが、ペンシルヴァニア州ではわずか1ポイント強の差で勝利した。2016年、トランプはペンシルヴァニア州でおよそ0.7ポイント差で勝利したが、全米ではヒラリー・クリントンに約2ポイント差で敗れた。

少なくとも通常とは異なると思われる結果は他にもある。

たとえば、キュニピアック大学の最新の世論調査では、ウィスコンシン州でのハリスのリードは、ミシガン州(5ポイント)やペンシルベニア州(5ポイント)よりもはるかに狭い1ポイントとなっている。

繰り返すが、このような結果は、どの世論調査会社の信頼性も損なうものではない。単に、世論調査は不正確な科学だということを強調しているに過ぎない。

(4)結局のところコイントスに変わりはない(When all is said and done, it’s still a coin flip

接戦であり激戦のレースが残り50日を切った今、どの世論調査も精査されることになるだろう。

しかし、世論調査の茶葉を読む限り、2024年の選挙戦は基本的にコイントスのようなものとなっている。

激戦州のザ・ヒル誌とデシジョンデスクHQDDHQ)の世論調査平均がそれを物語っている。ハリスはペンシルヴァニア州、ミシガン州、ネヴァダ州で約1ポイント、ウィスコンシン州では2ポイントリードしている。他の3つの激戦州では、その差は1ポイントにも満たない。

両陣営がテレビ広告に費やしている数百万ドル、トランプの世論調査を上回る傾向、あるいは民主党候補のハリスが、最高裁が「ロー対ウェイド」判決を覆してから初めての大統領選挙で、支持の急増から恩恵を受けることができるかどうかなど、この構図を変える要因は数多くある。

(5)各種世論調査はどちらの側にとっても最良の争点を伝え続けている(The polls keep telling us the best issues for either side

少なくともハリスがバイデンを民主党候補から押しのけて以来、今年のレースのいくつかの輪郭はかなり一貫している。

中絶問題は、民主党が手にする最強の選挙カードであることは明らかだ。

例えば、ニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査では、中絶に関してどちらの候補者がより信頼できるかという点で、有権者の間で、ハリスが13ポイント優勢だった。

移民問題は、選挙論的に言えば、妊娠中絶の鏡像(mirror image)である。ニューヨーク・タイムズの世論調査では、トランプはこのテーマで12ポイントの優位を保っていた。

おそらく決定的なのは、経済に関するニューヨーク・タイムズの世論調査で、トランプが13ポイント差をつけていたことだ。これは、有権者の懸念事項の中でしばしば上位にランクされるテーマで、トランプ前大統領を優位に立たせる他の調査とほぼ一致している。

(貼り付け終わり)
(終わり)

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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