古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2024年11月

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 第二次ドナルド・トランプ政権の顔触れで注目を集めていた財務長官に、スコット・ベセントが指名された。スコット・ベセントはウォール街の投資会社の創設者で、投資家として実績を上げた人物だ。なんと言っても著名な投資家であるジョージ・ソロスの下で、10年以上にわたり、投資担当を務めた人物である。ウォール街の真ん中を歩いてきた人物と言えるだろう。ベセントはトランプ側近として、減税と規制緩和、財政赤字削減を通じての経済成長を主張している。トランプが目指す、ロナルド・レーガン政権時代の経済政策を実行することになるだろう。
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ドナルド・トランプとスコット・ベセント

 トランプの最側近となっているイーロン・マスクは、商務長官に指名されたハワード・ラトニックを財務長官に指名するように求めていたという報道もあり、今回、ベセントが指名されたことで、財務長官に関しては、トランプが自身の意思を通したということになる。しかし、財務長官指名に時間がかかったことは、陣営内部で相当な検討や話し合いが行われたことが容易に推察される。

 ベセントの財務長官指名をはじめとして、第二次ドナルド・トランプ政権は、各担当省庁の人事に相当な介入を行う用意があることは分かるが、意外と中道派というか、強固な、時に狂信的なトランプ支持を表明する人物は入っていないという印象である。狂信的な支持者は力強い存在であるが、逆に、あまりにも熱心すぎるあまりに考えが異なるようになると、強力な反対者となってしまう。これは私たちの身近な生活においても良く起きることだ。

 財務長官の場合はやはり、ウォール街の主要な人物たちとの面識がなければ務まらない。そうした点で、ソロスの下で働いて、自身の会社を成功させたベセントは適任ということになる。ベセントが減税を主張し、規制緩和を行い、経済成長率を上げる、また、トランプが主張している関税に関しても賛成しているということから、ドル安傾向になると考えられるので、日本円との関係で言えば円高ということになる。既に、市場ではそのように織り込んで動いているようだ。

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●「米次期財務長官に投資家起用 ベセント氏、減税を主張」

11/23() 9:41配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/e958a70cf6a10487f4b589260d232f2eaccb533b

 【ワシントン共同】トランプ次期米大統領は22日、財政政策のかじ取りを担う財務長官に投資家のスコット・ベセント氏を起用すると発表した。これまで規制緩和や減税を通じた経済成長を重視する姿勢を示しており、トランプ氏が選挙戦で主張した法人税や所得税の減税などを担う。

 議会上院の承認を経て正式に就任する。ベセント氏は自ら創業した投資会社の運用責任者を務め、共和党の大統領候補者選びの段階からトランプ氏への支持を明確にしてきた。

 トランプ氏はベセント氏に関し「米国の新たな黄金時代をもたらす手助けをしてくれるだろう」とコメントした。

 ベセント氏は10日のウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿では「トランプ氏は、規制緩和と税制改革を通じ、供給サイドの成長を促進するという使命を担っている」と指摘。バイデン政権による財政赤字拡大やエネルギー政策を批判した。

 米財務省は、G7で協調するロシアのウクライナ侵攻を巡る制裁や、ウクライナへの財政支援を手がけてきた。トランプ氏は支援の見直しなどに踏み切るかどうかも焦点となる。

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ドナルド・トランプ大統領はリスクの高い財務長官にスコット・ベセントを指名:知っておくべきこと(Trump taps Scott Bessent for high-stakes Treasury chief: What to know

アシュレイ・フィールズ筆
2024年11月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/business/5006200-trump-taps-scott-bessent-for-treasury-what-to-know/

ドナルド・トランプ次期大統領は金曜日、億万長者の投資家スコット・ベセントを財務長官に選んだ。トランプは、関税引き上げ(increase in tariffs)と世界貿易活動の大幅な転換(major shifts in the country’s global trade operations)を求め続けている中で、ベセントを財務長官に選んだ。

ベセントはヘッジファンドのキー・スクエア・グループの創設者として巨額の利益を上げ、数十年にわたり民主党の大統領候補を支援してきた。しかし、今回、トランプの2期目を目指す選挙キャンペーンに資金を提供した。

トランプは声明の中で、「アメリカの主流とアメリカの産業の生涯のチャンピオンとして、スコットは、アメリカの競争力を高め、不公正な貿易不均衡を止め、成長を最前線に置く経済、特に来るべき世界エネルギー支配を通じた経済の創造に取り組む私の政策を支持している」と書いている。

(1)民主党員からトランプ支持者へ転身(Democrat turned Trump supporter

ベセントは民主党とつながりがあり、バラク・オバマ、ヒラリー・クリントン、アル・ゴアの大統領選挙キャンペーンに献金し、2000年代には資金集め集会のホストを務めた。

自身の会社を設立する以前、ベセントは億万長者ジョージ・ソロスの下で10年以上、投資の最高責任者として働いていた。ソロスは民主党の最も著名な献金者の一人であるが、トランプ大統領とその同盟者たちから長年怒りを買っており、今年初めにはイスラエル・ガザ戦争に反対する大学キャンパスの抗議行動に資金を提供したと指摘する共和党員もいた。

『ナショナル・インタレスト』誌によれば、ソロスはアメリカ自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)、全米家族計画連盟(Planned Parenthood)、ブレナン・センター(Brennan Center)など民主党の活動に対する強力な支持者である。

それにもかかわらず、『ウォールストリート・ジャーナル』紙の報道によれば、ベセントは長年トランプの周辺におり、JD・ヴァンス次期副大統領とも親しい。

(2)投資家としての背景(Background as an investor

ベセントのキャリアはソロスの下で飛躍的に成長し、1992年にロンドンの投資会社の対英ポンド賭けを手伝い、会社に10億ドルの支払いをもたらしたとロイター通信は報じている。

数年後、彼は最終的に450万ドルを集め、世界のマクロ経済をモニターする自身のヘッジファンドを立ち上げた。金融業界でのキャリアを通じて、投資家であるトランプの兄ロバート・トランプとも親密な関係を築き、一族の腹心であり続けた。

金曜日の発表前、ある情報提供者は本誌に対し、ベセントがトランプ政権に参加する場合、債券市場や為替市場での経験が有利に働くだろうと語っていた。

(3)トランプ選対の経済担当顧問(Economic adviser to Trump campaign

トランプは選挙期間中、経済情勢、特に減税と関税引き上げについて頻繁に語った。選挙期間中、ベセントは定期的にトーク番組に出演し、次期大統領の経済政策を宣伝した。

財務長官候補ベセントは第一次トランプ政権時に実施された減税の支持者で、連邦上院で人事承認されれば、国内市場の規制緩和を優先することになるだろう。

AP通信によると、ベセントは、国内総生産の3%に相当する財政赤字の削減と日量300万バレルの追加石油生産を通じて3%の経済成長を促進するという提案でトランプ前大統領に感銘を与えたということだ。

しかし、トランプ支持者の中には、ベセントが関税については弱いのではないかと懸念する者もいる。トランプはベセントに関する発表で関税について全く触れなかった。

(4)関税を支持(Support of tariffs

トランプはホワイトハウスへの立候補を通じて、アメリカ国内で調達・製造されていない製品への全面戦争(all out war)を宣言した。

共和党は、全ての輸入品に10~20%の一般関税を、中国からの輸入品には60%の関税をかけることを提案し、ベセントはその監督を任されることになる。ベセントは、関税は貿易協定を洗練させるために、制裁措置の代わりに使うことができると述べた。

AP通信によると、ベセントは8月に『ブルームバーグ』誌に対し、「ある意味、関税は制裁なき経済制裁(economic sanction without a sanction)とみなすことができると思う」と語った。

ベセントは「もし中国の経済政策が気に入らなければ、過剰な生産で市場を溢れさせれば、制裁を加えることもできるし、関税をかけることもできる。それは為替操作に対する答えともなる」と述べている。

(5)歴史上として初の同性愛者を公言した財務長官(First openly gay Treasury chief

ベセントが人事承認されれば、共和党政権で初めてLGBTQの閣僚が連邦上院で人事承認されることになる。ベセンは元ニューヨーク市検察官のジョン・フリーマンと結婚している。

ベセントは、2021年に連邦上院でLGBTQを公開した初の閣僚となった運輸長官ピート・ブティジェッジの足跡をたどることになる。

その前年、トランプ大統領はゲイであることを公表しているリチャード・グレネルを連邦上院の人事承認を必要としない国家情報長官代理に任命した。

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「三つ巴」:トランプ大統領の財務省指名権は宙に浮いている(‘Three-way tie’: Trump Treasury pick hanging in limbo

アレックス・ガンギターノ筆

2024年11月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5005347-trump-treasury-pick-limbo/

ドナルド・トランプ次期大統領はここ数日、財務長官に指名されそうな人物との会合に明け暮れているが、今のところ最終決定はどう転ぶか分からない状況だ。

アポロ・グローバル・マネジメントの共同設立者であるマーク・ローワン、連邦準備制度理事会の元理事のケヴィン・ウォーシュ、キー・スクエア・グループの創設者であるスコット・ベセントの3人は今週、次期大統領と会談するためにフロリダ州パームビーチを訪れた。

共和党関係者によると、会談にはトランプと、JD・ヴァンス次期副大統領、スコット・ラトニック、リンダ・マクマホン政権移行共同議長を含むトランプのティームのメンバーも含まれていたという。ローワンは金曜日にトランプのマー・ア・ラーゴ邸に戻った、と情報関係者は付け加えた。

ある共和党関係者は「今は試合前のボールのトスを待っている、そんな状況だ。 ボールは3人の候補者のうちの真ん中に位置している」と語った。

この情報提供者は、現状を「三つ巴(three-way tie)」と表現し、指名のタイミングはトランプが「車輪を回すのを止めた時(stops spinning the wheel)」になるだろうと付け加えた。

政権移行に詳しいある関係者は「流動的だ トランプ大統領は、ウォーシュの浮き輪がどう動くか見ている」と述べた。

ビル・ハガティ連邦上院議員(テネシー州選出、共和党)も財務長官の候補と目されており、火曜日にテキサス州で行われたスペースXの打ち上げにトランプ大統領とともに出席した。

トランプ政権移行ティームはコメントの要請に応じなかった。

トランプ大統領は、ウォール街の潜在的な不安を静めながら、自身の関税計画を支持した実績のある候補者を見つけるのに苦労しているため、財務長官の競争は数日間続いた。

財務長官は、トランプ大統領にとって最も重要な閣僚候補であり、木曜日にマット・ゲイツ前連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)が辞退したことで、司法長官候補がスポットライトを浴びた後に指名されることになる。

財務省を除き、そしてトランプ大統領がケリー・ロフラー元連邦上院議員(ジョージア州選出、共和党)に農務長官を依頼する可能性もあるが、トランプ大統領はまだ労働省と住宅都市開発省のトップを誰にするか選ばなければならない。

再選を逃したばかりのロリ・チャベス=デレマー連邦下院議員(オレゴン州選出、共和党)は、労働省の最有力候補と目されており、米国際トラック運転手組合(ティームスターズ)の支援を受けてきた。

財務長官の候補者の1人は、財務長官の代わりに国家経済会議(National Economic CouncilNEC)のトップに抜擢される可能性もある。ウォーシュはまた、ジェローム・パウエル議長の任期終了後の次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に興味を示している。

今週初めにハワード・ラトニックが商務長官に指名され、財務長官候補から外れ、リンダ・マクマホンは教育長官に指名された。

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(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 ドナルド・トランプ次期大統領の司法長官人事は迷走した。最初に指名した、マット・ゲイツ前連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)は、自身の抱えるスキャンダルのために、連邦上院での人事承認が受けられないということで、指名を辞退した。トランプは、自身の顧問弁護士を務めた経験を持つ、元フロリダ州司法長官パム・ボンディを指名した。ボンディはゲイツに比べ、連邦上院での人事承認を受けられやすいということのようだ。ゲイツの指名辞退の発表があって数時間後に、ボンディの指名が発表されたということで、ゲイツの指名辞退の可能性はあらかじめ考慮され、二番手の候補だったボンディには根回しができていたということになる。ゲイツもボンディも共に、トランプの熱心な支持者で、フロリダ州を地盤としているのは重要だ。フロリダ州には、トランプの邸宅マー・ア・ラーゴがあり、トランプは登録上、フロリダ州民だ。トランプを様々な攻撃(訴訟を含む)から「守る」ということで、このような人事になったと言えるだろう。フロリダ人脈には更に、国務長官に指名されたマルコ・ルビオ連邦上院議員がいる。
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パム・ボンディとドナルド・トランプ
 アメリカの閣僚は、国務長官や農務長官、商務長官と訳されているが、英語で書けば、Secretary of StateSecretary of AgricultureSecretary of Commerceとなる。日本の財務大臣や農林水産大臣は、Minister of Financeなどとなる。アメリカの財務省はDepartment of Financeとなるが、日本の財務省はMinistry of Financeだ。日本の場合には、立憲君主制のイギリスの影響が強いために、アメリカと違うということが考えられる。アメリカの司法長官は英語ではAttorney Generalで、Secretaryは使わない。日本に訳すと、司法長官になるが、アメリカの内閣の中でこれだけ名称が異なる。Attorney Generalは、日本語で訳すと、検事総長となる。司法長官は連邦法違反の捜査や訴追の最高責任者となる。

 熱心なトランプ支持者で、トランプの担当弁護士を務めたこともあるボンディが司法長官になることで、トランプ関連の訴追は取り止めということになる。トランプに対して起こされた訴訟の内の多くは、ちょっと言いがかりではないか、わざわざ訴訟にすることはないのではないかと思われるものもあった。それを逆手に取って、トランプ側は「民主党やディープステイト側が司法を武器化(weaponization)している」という主張を展開した。それが一応収まるということになる。更に言えば、民主党に近いとされる人物たち、幹部職員クラスの更迭も行われるだろう。そして、重要なのは、司法省には反トラストを担当する部署がある。反トラストとは、現在で言えば、ビッグテックの解体ということになる。ここがどうなるかが注目される。

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司法長官の検討過程からマット・ゲイツが退く(Gaetz withdraws from attorney general consideration

イアン・スワンソン筆

2024年11月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5002448-matt-gaetz-withdraws-attorney-general/

マット・ゲイツ前連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)は木曜日、ドナルド・トランプ次期大統領の司法長官候補としての検討から退くと発表した。

ゲイツはソーシャル・プラットフォーム「X」上のメッセージで、水曜日に連邦上院議員たちと「素晴らしい会合(excellent meetings)」を持ったものの、「自身の人事承認が不当にトランプ・ヴァンス政権移行期の重要な仕事の妨げになっていることは明らかだ」と述べ、撤退の決定を発表した。

ゲイツは、「不必要に長引くワシントンの乱闘に時間を費やす時間などない。そのため、私は司法長官就任の検討から撤退する」と書いた。

ゲイツは続けて「トランプ大統領の司法省は初日から準備万端でなければならない。私は、ドナルド・J・トランプが史上最も成功した大統領となるよう、引き続き全力を尽くす。トランプ大統領が私を司法省のリーダーに指名してくれたことを永遠に光栄に思うし、彼がアメリカを救うと確信している」と書いている。

つい1週間前、トランプ大統領がゲイツを司法長官に指名すると発言したが、即座に次期大統領にとって最も物議を醸す閣僚指名となった。

ゲイツは以前、未成年の女性が関与した疑惑を含む、より広範な性売買の調査の一環として司法省の調査を受けたことがある。司法省は最終的に告発を行わないことを決定し、ゲイツはいかなる不正行為も強く否定している。

ゲイツの素早い辞退は、連邦上院での人事承認に必要な票を獲得する見込みがないことを悟っていたことを示唆している。ゲイツは、連邦上院の民主党所属議員全員が彼の指名に反対し、何人かの共和党議員が指名に不快感を示していたと仮定すれば、3人の共和党議員の反対しか許されなかっただろう。

上院議員の単純過半数からの人事承認を得ることができないことがますます明らかになり、最後にゲイツは撤退を発表した。

複数の共和党所属の上院議員は、木曜日にゲイツが撤退したというニューズに安堵の表情を浮かべ、人事承認までの道のりがいかに厳しいものであったかを考えると、正しい決断であったと賞賛した。

ロジャー・ウィッカー連邦上院議員(ミシシッピ州選出、共和党)は「前向きな進展だと思う」と述べた。

 

シンシア・ルミス連邦上院議員(ワイオミング州選出、共和党)は、ゲイツが連邦議会で直面した深刻な「逆風(headwinds)」を考えれば、正しい決断だったと述べた。

スミス議員は、「彼は昨日、連邦上院議員たちとの会話の中で、自身の指名が不安定な状況を生み出すことになるというシグナルを受け取ったに違いない。そのことを認識し、自覚したことは素晴らしいことだ」と述べた。

彼女は、ゲイツの決断は「トランプ大統領に、司法省とその方向性を変える必要があることに、同じように粘り強く取り組む人物を選ぶ機会を与える」と述べた。

トランプ大統領は声明の中で、ゲイツの努力を高く評価すると述べた。

トランプ大統領はトゥルース・ソーシャルに「彼はとてもうまくやっていたが、同時に政権の邪魔になりたくなかったので、彼は政権をとても尊敬していた。マットには素晴らしい未来があり、私は彼が素晴らしいことをするのを見るのを楽しみにしている」と書いた。

トランプ政権移行ティームのスポークスマンのカロリン・リーヴィットは、トランプ大統領は決定次第、新たな指名を発表すると述べた。

ゲイツのアメリカの最高法執行官に抜擢されたのは意外なことであり、政権移行ティームが数多くの選択肢を検討した可能性があることを示唆している。

ゲイツは連邦下院で最も声高にトランプを支持する人物の一人で、司法省を「武器化(weaponized)」したディープステイトに関する次期大統領の主張を反映し、ジャック・スミス特別検察官によるトランプの訴追を例に挙げていた。

ゲイツの動きは、連邦下院倫理委員会がゲイツに関する数年にわたる報告書の調査結果の公表を断念した翌日のことだった。しかし、この報告書が将来的にゲイツの指名阻止をする可能性を完全に閉ざした訳ではない。倫理委員会の審議に詳しい、ある情報提供者によると、倫理委員会は党派の違いで報告書をそのまま公表することには反対票を投じたが、報告書を正式に「完成(complete)」させることには賛成票を投じたという。

倫理委員会は次回12月5日に開かれる予定である。この情報提供者によると、委員たちはその会合までに報告書が「準備完了(ready)」していることを理解しており、その時点で報告書の公開に関する再投票が行われる可能性を示唆しているという。

連邦下院全体としても、民主党所属議員2名が投票を開始しようとする動きを見せたことを受け、倫理委員会に調査結果の公表を強制するかどうかについて、感謝祭の休暇後に投票を行う予定になっている。

委員会は過去3年半にわたってゲイツを断続的に調査し、性的違法行為と違法薬物使用の疑惑を調査してきた。ゲイツはまた、不適切な贈り物を受け取り、個人的な関係にある個人に特別な特権や便宜を与え、彼の行為に対する政府の捜査を妨害しようとした疑いでも告発された。

共和党の連邦上院議員数名は、水曜と木曜の朝、ゲイツの人事指名承認公聴会での個人的苦痛を避けるため、指名を取り下げるよう内々に提案し、最終的に指名は失敗に終わるだろうと警告していた。

連邦上院司法委員会の上級委員であるジョン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は、ゲイツに対する性的不正行為と違法薬物使用の疑惑に関するFBIの調査の詳細が、人事承認過程中に公になると警告した。

コーニンは水曜日、「いずれにせよ、私たちのところにやってくる。ここに秘密はない」と記者団に語った。

そして、コーニン議員は、ゲイツの人事承認公聴会は、最高裁判事の承認手続き中に性的暴行で告発された保守派のブレット・カヴァノー判事をめぐる残酷な争いよりも、さらに厄介なものになるだろうと警告した。

ゲイツは、人事承認公聴会が非常に厄介なものになることを承知しているかと問われ、コーニン氏は「ステロイドを使ったカヴァノーのようなものだ」と述べた。

コーニンは「彼は賢い男だ。きっと彼はそれを理解していると思う」と語った。
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ドナルド・トランプ大統領が司法長官に指名したパム・ボンディについて知っておくべきこと(What to know about Pam Bondi, Trump’s attorney general pick

レベッカ・ベイッチ、ジャレッド・ガンス、ザック・ショーンフェルド筆
2024年11月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/regulation/court-battles/5005023-trump-appoints-bondi-doj/

ドナルド・トランプ次期大統領は、元フロリダ州司法長官のパム・ボンディを司法省(Department of JusticeDOJ)のトップに再び自身の支持者を据えた。

木曜日にトランプがぼんでぃを指名したのは、マット・ゲイツ前連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)が、未成年者との性的関係疑惑に悩まされていた指名を取り下げたわずか数時間後のことだった。

ボンディの発表は多数の共和党所属の主要な連邦上院議員たちから即座に熱狂的な支持を集め、ボンディが人事承認への道が容易になる可能性があることを示した。

トランプは、トゥルース・ソーシャルへボンディの指名を発表し、その中で「あまりにも長い間、党派的な司法省が私や他の共和党員に対して武器として利用されてきた(weaponized)が、もうそのようななことはない」と書いた。

トランプ大統領が司法長官に指名した新任者について知っておくべきことを挙げていく。

(1)長年にわたるトランプとのつながり(Longtime Trump ties

ボンディは、トランプ大統領の最初の弾劾弁護団の上級顧問であったが、その職務のためにロビイング会社バラード・パートナーズから休暇を取った。彼女はその後、フロリダのロビイストであるブライアン・バラード(2016年トランプ勝利資金調達委員会の元委員長)が設立したバラード・パートナーズに再入社した。

ボンディは現在もバラード・パートナーズのパートナーであり、そこはトランプの次期首席補佐官スージー・ワイルズが働いていた場所でもある。そこでボンディは、カタール政府のためにロビー活動を行っていた。

トランプ大統領の最初の弾劾訴追に携わっていた期間中、ボンディは、後に共和党がジョー・バイデン大統領を弾劾する際の中心となる根拠のない主張を展開し、バイデン大統領が息子のハンターと腐敗したビジネス慣行に関与していたことを証拠なしに主張した。

トランプとボンディの結びつきは、トランプが政界入りする前にまでさかのぼる。2013年、トランプはドナルド・J・トランプ財団からボンディを支援する政治委員会に2万5000ドルの寄付をした。彼女は当時、トランプ大学に対する訴訟への参加を検討していた。

ボンディは2016年以来、トランプを支持しており、彼女の出身州フロリダ州選出の連邦上院議員であるマルコ・ルビオ(フロリダ州選出、共和党)が大統領選挙に出馬していたときでさえトランプ支持を明らかにしていた。第一次トランプ政権時代、ボンディは薬物中毒とオピオイド危機に焦点を当てた大統領委員会の委員を務めた。

トランプは大統領退任直前、トランプはケネディ舞台芸術センターの理事にボンディを指名した。

ボンディはまた、アメリカ・ファースト政策研究所(America First Policy Institute)でも働いている。この非営利団体は、多くの第一次政権時の高官で構成され、現在就任中の大統領に沿った政策を提唱している。

(2)トランプの虚偽選挙主張を支持(Backed Trump’s false election claims

ボンディは、トランプが2020年の選挙結果に異議を唱えていた時に、争いに加わった数多くの弁護士の一人だった。

合計62件の訴訟が起こされたが、全て失敗に終わり、いくつかの訴訟に関しては、虚偽の主張が含まれていたとして裁判官たちによる非難を招いた。

ボンディは、2020年の選挙で広範な不正投票があったというトランプの主張を支持した一人で、トランプがペンシルヴァニア州で勝利したと虚偽主張し、「不正行為の証拠(evidence of cheating)」があると主張した。

ある時、ボンディはペンシルヴァニア州で「偽の投票用紙(fake ballots)」が集計された可能性を指摘したが、その後、具体的な内容には触れなかった。

彼女はそれ以来、ジャック・スミス特別検察官を批判している。ジャック・スミスは、トランプが敗北した後に権力移譲を妨害しようとしたことや、ホワイトハウスを去った後に機密文書を誤って扱ったことに関連して、トランプを告発した。

最近のラジオ出演では、スミスや、その他のトランプを起訴した検察官たちを、「ドナルド・トランプを追いかけ、法制度を武器にする(going after Donald Trump and weaponizing our legal system)」ことで名を上げようとしている 「恐ろしい(horrible)」人たちと呼んだ。

そして、2023年のフォックス・ニューズへの出演では、「ディープステイト(deep state)」についてのトランプの主張に共鳴し、同様に検察の調査を求めた。

ボンディは、「司法省、検察官たち、悪い検察官たちは起訴されるだろう。トランプ大統領の一期目の任期において、ディープステイトは影に隠れていたが、今回の任期では、捜査当局は捜査されることになる。今では彼らにスポットライトが当てられており、全員が調査される可能性がある」と語った。

(3)永井検察官としての経験(Long prosecutorial experience

ボンディは検察官として約30年間を過ごした。彼女の初任地は、生まれ育ったタンパを含むフロリダ州ヒルズボロ郡だった。

おそらく最も目立つのは、2006年にコカイン使用による保護観察違反で1年1日の実刑判決を受けたメッツのスター選手ドワイト・グッデンを起訴したことだろう。

ボンダイは最終的に、2010年にフロリダ州司法長官に立候補するために検察官の職を退職した。テレビ出演に後押しされた共和党予備選で競り勝ったボンディは、本選挙で勝利を収め、フロリダ州初の女性司法長官となった。

2011年から2019年までフロリダ州の最高法務責任者として、最高裁を含む「医療費負担適正化法(Affordable Care Act)」を覆そうとする闘いに参加し、オピオイド危機(opioid crisis)と闘う取り組みを指揮した。

ボンディはまた、フロリダ州が州憲法で同性婚を禁じていることを擁護し、他州での同性婚を認めることは「重大な社会的な害(significant public harm)」をもたらすと法廷で主張した。彼女は、2016年にオーランドのゲイ・ナイトクラブのパルスで起きた銃乱射事件の後、その論調を変え、CNNのアンダーソン・クーパーとの有名な激しいインタヴューに至った。

ボンディは2016年のインタヴューで、「同性婚禁止はフロリダの有権者によって、私たちの州憲法に投票されたものだ。私はそれを守った。私は同性愛者が嫌いだと言ったことは一度もない」と語った。

(4)過去の各種の論争(Past controversies

ボンディは連邦上院でより好意的な評価を得ることが期待されているが、承認手続き期間中に過去の論争が再燃する可能性もある。

ボンディは、トランプ大学に対する複数の不正告発が検討されていた2013年、トランプから2万5000ドルの寄付を不正に受け取ったとして告発された。関連する疑惑は、最終的にニューヨーク州司法長官によるトランプ大学に対する訴訟に発展した。

トランプとボンディは寄付と事務所の決定との関係を否定したが、寄付そのものは非課税の慈善団体からのものであったため違法であった。トランプは2500ドルの罰金を支払った。

2017年、フロリダ州倫理委員会はこの問題を調査した結果、ボンディの不正行為を認めなかったが、トランプのティームは調査に応じなかった。

トランプは、ボンディの団体と、カンザス州にある似た名前の別の団体を混同して、偶然ボンディに寄付を送ったと主張したが、2021年に『デイリー・ビースト』紙が明らかにした電子メールには、ボンディのティームが寄付についてトランプと調整していたことが記されている。

トランプが支払った罰金は、2018年にニューヨーク州の裁判所がトランプ財団を閉鎖するように決定した判決の中で引用された数多くの不適切な行為の一つだった。

2013年、ボンディは、殺人罪で有罪判決を受けた男の死刑執行を、選挙資金集めと重なるという理由で延期するよう求めたことを公に謝罪した。当時のリック・スコット州知事(共和党)に死刑執行を3週間延期するよう要請したことは間違いであり、謝罪すると彼女は述べた。

ボンディはまた、ハリケーン・カトリーナの後、犬を養子に迎えたが、その犬をもともと飼っていた家族との争いの火種となった。ボンディは当初、その犬を家族に返すことに抵抗し、訴訟に発展した。その後、彼女はその家族と和解し、ペットを返した。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 昨日、このブログでご紹介したドナルド・トランプ次期大統領の顧問弁護士で側近のボリス・エプスタインに関する続報が出た。それは、「エプスタインがトランプ政権の高官、閣僚に押し込むために、コンサルティング契約を結んで金を払え(月に3万から4万ドル、中には10万ドル)と迫った」という内容だ。エプスタイン自身が、トランプの最側近であるという地位を利用して、官職を売ろうとしていたということになる。そして、財務長官に指名されたスコット・ベセントに対しても売り込みを行い、拒絶されたという報道がなされている。トランプ陣営では調査を完了したが、エプスタインが実際にそのような行動をしたのかどうかは明らかにしていない。エプスタインは2016年の大統領選挙から、トランプ陣営に参加し、コミュニケイション担当として活動し、テレビ番組にも出演していた。
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スティーヴ・チャンとボリス・エプスタイン
 昨日、このブログでご紹介したように、現在のトランプの最側近の地位にいるイーロン・マスクがボリス・エプスタインに対して敵意を持ち、情報漏洩をしているだろうとエプスタインを怒鳴り上げて、エプスタインはそれを否定したということだ。そして、エプスタインは、自身がロシアで生まれ育ち、ロシアとウクライナ両国に親族が住んでいるということで、ウクライナ戦争停戦に関わりたい、特使のような資格で関わりたいということをトランプに述べていたということである。

 今回の件は、トランプ側近内で内紛が起きていることを示している。今回の大統領選挙ではイーロン・マスクに注目が集まり、彼がトランプ陣営内で大きな影響力を持つようになった。それを面白く思わない勢力がトランプ陣営内にいるようだ。彼らは情報をマスコミにリークして、マスクの思うような人事をさせまいとしたようだ。そして、今回、トランプ側近のエプスタインの売官(官職売買)行為が暴かれた。これで、イーロン・マスクの力は強くなるだろう。
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 今回のようなケースはトランプ政権に限ったことではない。アメリカの政権内部には色々な人々が参加しており、一枚岩、一致団結ということは難しいようだ。色々な大枠が絡み合い、衝突が生まれる。トランプ陣営では、イーロン・マスクの力が強くなる。これは間違いのないところだ。問題は、トランプがいつまでマスクを許容するかというところだ。トランプもまたいつかマスクと衝突するということも起きるだろう。

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トランプ・ティームがボリス・エプスタインの候補者指名を後押しするための「コンサルティング契約」を調査中(Trump team reviews Boris Epshteyn ‘consulting agreements’ to push potential nominees

ブレット・サミュエルズ筆

2024年11月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/5010245-trump-boris-epshteyn-consulting-agreements/

ドナルド・トランプ次期大統領の政権移行ティームは、トランプの長年の顧問の一人が、将来のトランプ政権での仕事を希望する人たちを擁護(推薦)するために支払いを求めていたという疑惑に関連して、コンサルティング契約の内部調査を行った。

AP通信や『ニューヨーク・タイムズ』紙を含む複数の報道機関は、ボリス・エプスタインが、トランプが先週財務長官に指名したスコット・ベセントを含む二人の人物を擁護するために支払いを求めていたと結論づけたと報じた。エプスタインは不正行為を否定している。

トランプ大統領のコミュニケイション・ディレクターであるスティーヴン・チャンは声明の中で次のように語っている。「標準的な慣行(standard practice)として、選挙運動のコンサルティング契約に関する広範な見直し調査が実施され、ボリスやその他の人物を含めて完了した。私たちは今、トランプ大統領がアメリカを再び偉大にするのを助けるために、チーム一丸となって前進している」。

エプスタインは声明の中で、この主張を「虚偽であり中傷的である(false and defamatory)」と述べた。

エプスタインは「私はトランプ大統領のために、そして彼のティームとともに働けることを光栄に思う。これらの偽の主張は虚偽であり、中傷であり、アメリカを再び偉大にすることから私たちの気をそらすことはない」と述べた。

個人へのアクセスやロビー活動のために手数料を取ることに違法性はないが、トランプ大統領は以前から、彼の名前や彼の近くにいることで利益を得ようとする人々に反感を抱いてきた。トランプ陣営は以前にも、トランプの支持を得たと不正確にほのめかす候補者を標的にしたことがある。

ニューヨーク・タイムズ紙は、2月にエプスタインがベセントに、マール・ア・ラーゴ周辺で投資家であるベセントに宣伝するために、月額3万ドルから4万ドルの報酬を提案したことが内部調査で判明したと報じた。ニューヨーク・タイムズによると、ベセントはこれを断った。

ニューヨーク・タイムズは、ベセントが今月初めにエプスタインに電話をかけ、自分を中傷していないかと質問したと報じたが、エプスタインは「ボリス・ファッキング・エプシュテイン」であり、コンサルティングのために彼を雇うには遅すぎると答えたという。

エプスタインはトランプ大統領の2016年と2020年の選挙キャンペーンに参加し、2020年の選挙結果に疑念を投げかける注目の取り組みの中心にいた。エプスタインは、トランプが2023年に34件の重罪で罪状認否を受けた際、マンハッタンの裁判所でトランプと一緒に登場した、ほんの一握りの側近の一人だった。エプスタインは長年にわたり、トランプ周辺に、批判者を生み出してきた。

保守系ウェブサイトの「ジャスト・ザ・ニューズ」が、エプスタインに対する疑惑を最初に報じた。ジャスト・ザ・ニューズとの短いインタヴューの中で、トランプ大統領は、大統領に近い人物がその近さを利用して金儲けをしようとするのは珍しいことではないと認めた。

トランプはインタヴューの中で「しかし、私のために働いている人間は、どんな立場であれ、金儲けを目的にしてはならない。彼らはアメリカを再び偉大にするためだけにここにいるべきだ」と語った。

次期大統領の息子であるエリック・トランプは、月曜夜の「フォックス・ニューズ」に出演した際、エプスタインに関する疑惑について質問された。

エリック・トランプはロウラ・イングラハムに対し次のように述べた。「聞いて欲しい、私はボリスのことを何年も知っているが、彼が善良な人間であること以外は知らない。とはいえ、私の父は信じられないほどはっきりと言っている。どんなことがあっても、そんなことはするな。信じて欲しいが、もしそんなことをしたら、しっぺ返しを食らうことになる」。

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●「米政権ポスト推薦で報酬要求か トランプ氏側近、CNNなど報道」

20241126 1506分 (共同通信) 東京新聞

https://www.tokyo-np.co.jp/article/369541

 【ワシントン共同】米CNNテレビなどは25日、トランプ次期大統領の側近ボリス・エプスタイン氏が次期政権の高官ポストへの推薦や政権関係者の紹介と引き換えに、候補者に報酬を求めた疑いがあると報じた。内部調査で発覚した。毎月10万ドル(約1540万円)を要求した例もあったとしている。エプスタイン氏は「根拠のない虚偽の主張だ」と否定した。

 トランプ氏の弁護士チームは、エプスタイン氏が投資家ベセント氏に報酬の支払いを求めた疑惑を調査。ベセント氏は支払いを拒否したという。

 ベセント氏はその後、次期政権の財務長官候補に指名されている。これ以外に少なくとも1件の疑惑があるとしている。

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●「トランプ氏側近のエプスタイン氏を調査 政権移行チーム」

The Wall Street Journal 週刊ダイヤモンド

国際The Wall Street Journal

20241127 10:59
https://diamond.jp/articles/-/354605

ドナルド・トランプ次期米大統領の側近であるボリス・エプスタイン氏は先週、トランプ氏の別荘「マールアラーゴ」のロビーで、スコット・ベッセント氏に突進する様子が目撃されている。政権移行チームが財務長官候補として検討していたヘッジファンドマネジャーのベッセント氏は、エプスタイン氏に「離れろ」と述べ、歩き続けようとした。だがエプスタイン氏は声を上げ、ベッセント氏を追い続けたという。大統領警護隊(シークレットサービス)など、この様子を目にした関係者らが間に割って入り2人を落ち着かせたと、現場にいた関係者らは明らかにした。そのエプスタイン氏は現在、トランプ氏の政権移行チームによる調査対象になっている。同氏はトランプ陣営に新たに加わったメンバーと舞台裏で衝突していた他、報酬を受け取ってさまざまな調整を行っていた疑いがかけられている。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 ドナルド・トランプ次期政権の人事構想もだいぶ固まってきた。今回のトランプの政権移行ティームに大きな影響を与えているのが、イーロン・マスクである。イーロン・マスクは、今回の大統領選挙でトランプを積極的に支援し、選挙資金の提供や選挙集会での演説など、様々な活動を行った。マスクはトランプ勝利に賭けて、結果的に勝利した。イーロン・マスクはトランプに影響を与えられる、自分の意見や意向を申し述べられる立場になった。マスクはトランプの家族写真にも一緒に入ることを許されるほどで、今回の選挙の最大の勝利者はイーロン・マスクということになるだろう。
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トランプの家族とイーロン・マスクの家族

 今回、イーロン・マスクがあいつのことは気に入らないとなって、「お前が陣営の情報を色々とリークしているんだろう」と怒鳴り上げた相手がボリス・エプスタインという、ロシア生まれのトランプの顧問弁護士だ。ボリスは、トランプの息子エリックとジョージタウン大学で知り合い、トランプに紹介されたということだ。2016年のトランプ選対のコミュニケイション担当スタッフとなり、それ以来、トランプの側近グループに入っているようだ。トランプの抱える訴訟でも弁護を担当している。2020年の大統領選挙後に、選挙結果を覆そうとしたという容疑では、共謀者として名前が挙がっている。マスクに比べれば、トランプの側近歴は長い。
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ドナルド・トランプとボリス・エプスタイン
 イーロン・マスクは、トランプ政権に影響を与え、自身の利益を確保しようとしているように見える。マスクが主張したのは、今回、商務長官に指名されたハワード・ラトニックの財務長官指名だった。ラトニックか、スコット・ベセントかという最終決断になって、ベセントが財務長官になった。その前に、ラトニックが商務長官に指名されたので、ベセントの指名はほぼ決まったようなものだった。マスクの意向は実現しなかったことになる。これに対してマスクはフラストレイションを高めたことだろう。そして、「マスコミに情報が洩れて、ラトニックの名前が出たことで、財務長官になれなかった」と考えるようになったのだろうと思う。そして、トランプ陣営で一番情報が集まってくるのが顧問弁護士で選対幹部のエプスタインが犯人だということになったのだろう。

 エプスタインが実際に情報リークの犯人なのかはわからない。エプスタインにとっては、マスクに対抗して、マスクの意向をつぶせるくらいのことはできるとマスクに思わせることが重要だ。それだけ選対、側近の中で力があるということになる。また、黒幕というのは表には出てこないものだ。エプスタインは、ロシアで生まれ育ち、ロシアだけではなく、ウクライナにも親戚がいるので、ウクライナ戦争停戦の特使をやらせて欲しいとトランプに訴えているという話もある。彼自身は弁護士であって、これまで外交の経験はない。しかし、ウクライナ戦争停戦に関わることができれば、トランプの信頼も厚くなり、政権内での力を高めることができるという計算もあるのだろう。

 トランプ選対は、ヘリテージ財団の「プロジェクト2025」系、アメリカ・ファースト政策研究所系、側近系といったグループに分かれており、それぞれで主導権争いが起きている、もしくはこれから起きるということになるだろう。動きを注視していくことだ大切だろう。

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トランプのアドヴァイザーであるボリス・エプスタインとは誰か? そして、エプスタインはどうしてイーロン・マスクと衝突したのか?(Who Is Trump Adviser Boris Epshteyn, and Why Is He Clashing With Elon Musk?

2024年11月18日

『ニューズウィーク』誌

https://www.newsweek.com/boris-epshteyn-elon-musk-donald-trump-1987669

ドナルド・トランプ次期大統領の長年の顧問弁護士であるボリス・エプスタインが、トランプの新しい盟友である億万長者のイーロン・マスクと衝突したと言われている。

新政権の閣僚人事をめぐり、エプスタインとマスクの間に緊張が表面化した。複数の情報提供者が『アクシオス』誌に語ったところによると、2人はトランプのクラブ「マー・ア・ラーゴ」で激論を交わしているところを目撃されたという。

ニューズウィーク誌はトランプ、マスク、エプスタインの各代理人にコメントを求めた。

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2024年11月14日木曜日にマー・ア・ラーゴで開催されたアメリカ・ファースト政策研究所のパーティーに出席したイーロン・マスク、2024年7月にウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された共和党全国大会に出席するトランプのアドヴァイザーを務めるボリス・エプシュテイン

●ボリス・エプスタインとはどんな人物か?(Who Is Boris Epshteyn?

『ポリティコ』誌の報道によると、ロシア系アメリカ人のエプスタインはモスクワ生まれで、後にアメリカに渡ってきた。ジョージタウン大学で友人となったトランプの息子エリックを通じてトランプと知り合ったということだ。

エプスタインは2016年にトランプ選対に参加し、コミュニケイション担当のスタッフとなり、頻繁にテレビ出演し、トランプを擁護した。エプスタインはその後、トランプ大統領就任委員会のコミュニケイション担当部長を務めた後、2020年選挙活動では、連合担当アドヴァイザーとして参加した。

エプスタインは長年にわたりトランプ大統領の側近グループにおり、次期大統領の側近の筆頭格とみなされている。

2024年4月、トランプがビジネス記録の改ざん容疑に関する歴史的な罪状認否のためにニューヨークに到着した際、エプスタインは法廷でトランプ元大統領の横に座り、34の容疑について無罪を主張した。

●エプスタインはなぜイーロン・マスクと衝突しているのか?(Why Is Epshteyn Clashing With Elon Musk?

争いの始まりは、トランプ大統領が誰を閣僚に選ぶべきかをめぐってだったとアクシオスは報じている。

複数の情報提供者がアクシオスに語ったところによると、マスクはエプスタインがトランプの人事に影響力を持ちすぎているのではないかと疑問を呈していたという。しかし、マスクは自分のお気に入りの人物を政権に推薦しており、最近ではトランプの財務長官人事にも積極的だった。

マスクの存在感はますます大きくなっており、トランプの孫娘カイが次期大統領勝利後の家族写真で「おじさんの地位(uncle status)」に昇格したと語ったほどだ。

マスクはウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領との電話会談で次期大統領に加わったと報じられている。また、スペースXとテスラのCEOは選挙当日をトランプの自宅マー・ア・ラーゴで過ごし、共和党の勝利以来、マー・ア・ラーゴにほぼ常駐していると報じられている。

トランプ大統領はまた、連邦官僚制度の「解体(dismantle)」と人員削減を目的として、マスクを元共和党大統領候補ヴィヴェク・ラマスワミとともに政府効率省(Department of Government EfficiencyDOGE)のトップに任命した。

夕食会のある場面で、マスクがトランプ大統領の政権移行計画に関する詳細をリークしたとしてエプスタインを非難した後、「大激怒(massive blowup)」と「大爆発(huge explosion)」が起こった。エプスタインは、マスクが何を言っているのか分からないと発言したと言われている。

アクシオスによると、マスクとエプスタインの2人の間の緊張は、11月5日の選挙と迂回っ票日前から既にあったということだ。

●ボリス・エプスタインの純資産と経歴(Boris Epshteyn's Net Worth and Career History

エプスタインは弁護士兼投資銀行家であり、フォーチュンが報じたように、TGP Securities Inc.に100万ドルから500万ドルの株式を保有している。

ロースクール卒業後、エプスタインはミルバンク、ツイード、ハドレー・アンド・マクロイの各法律事務所で金融業務に携わり、特に銀行融資、証券取引、私募を担当した。

2008年、ジョン・マケイン元連邦上院議員とサラ・ペイリン元知事の選挙キャンペーンでコミュニケイション担当補佐官を務めた。

2016年にはトランプ選対の上級顧問を務めた。

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2024年5月16日木曜日、ニューヨークのマンハッタン刑事裁判所での公判中、ジェスチャーをするドナルド・トランプと顧問のボリス・エプシュテイン。エプシュテインは現在、トランプの新たな同盟者イーロン・マスクと争っているとされる

シンクレア・ブロードキャスト・グループは2017年にエプスタインを上級政治アナリストとして採用した。彼の契約期間は2019年に終了した。

2020年のトランプ大統領再選キャンペーンでは、エプスタインは、「ユダヤ人の声」トランプ諮問委員会の戦略顧問兼共同委員長を務めた。

●エプスタインと16日事件の関係(Epshteyn's Ties to January 6

エプスタインは、トランプ前大統領に対する最新の刑事起訴に含まれる、6人目の共謀者(co-conspirator)と見られている。

ジャック・スミス特別検察官は、2020年の選挙と2021年1月6日の事件の連邦捜査に関連する4つの犯罪(アメリカを欺く共同謀議、市民の権利に対する共同謀議、公的手続きの妨害、公的手続きの妨害の共同謀議)でトランプを起訴した。

共同共謀者のうち5人は、公開されている情報、引用、会合の日付など、起訴状の手がかりから特定できた。

6人目の共謀者とされる人物は現在、エプスタインであると考えられている。エプスタインは、2020年にトランプがジョー・バイデンを破ったと虚偽の宣言をするために、いくつかの主要な州に偽の選挙人を設置する計画の中心人物と言われている。

2020年12月、エプスタインからトランプの元弁護士ルディ・ジュリアーニに送られた電子メールが、トランプの起訴状に詳述されているものと一致した。エプスタインからジュリアーニとジュリアーニの息子アンドリューに送られたメールには、「選挙人のための弁護士メモ」という件名が書かれていたと『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じている。

2022年、エプスタインはジュリアーニ、シドニー・パウエル、トランプのアシスタント、ジェナ・エリスとともに、1月6日のテロを調査する連邦下院特別委員会に証拠を提出するよう召喚された。

エプスタインはまた、1月6日の攻撃に至るまでの出来事に関する連邦捜査の一環として召喚され、捜査の一環としてFBIに携帯電話を押収された。

2024年4月、エプスタインはアリゾナ州の偽選挙疑惑に関与した疑いで起訴された

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 第二次ドナルド・トランプ政権の顔ぶれがほぼ固まりつつある。注目すべきなのは、連邦通信委員会(FCC)委員長にブレンダン・カー、商務長官にハワード・ラトニックを指名したことだ。両者の共通点は、トランプ周辺世界で存在感を増し続けている、イーロン・マスクの盟友であるという点だ。マスクは、財務長官候補として、ラトニックを推薦していたという報道もあった。ブレンダン・カーはマスクの衛星による通信サーヴィス「スターリンク」を称賛している。
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ブレンダン・カー
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ハワード・ラトニック(左端)とイーロン・マスク(右端)

ラトニックはトランプの政権移行ティームの共同議長を務めていることから、財務長官の有力候補であったが、商務長官に落ち着いた。商務長官は関税を担当することになる。トランプの中国製品への60%の関税、他の国々からの輸入品には20%の関税という主張をラトニックは支持しているため、その実現のために動くだろう。アメリカ国内の製造業を活性化して、雇用を生み出すための関税引き上げということになるが、これは同時に、アメリカ国内の物価上昇を招く危険性もある。ここをどのように差配していくかが注目される。
 イーロン・マスクは電気自動車(EV)の世界的なメーカーであるテスラの創設者である。彼は、ジョー・バイデン政権が実施した、クリーンエネルギー転換の一環としての、EVへの補助金に反対してきた。トランプ政権ではEVへの補助金は廃止されるだろう。それは、テスラのオーナーとしては困るのではないかと思うが、そうではない。バイデン政権のEV補助金は中国メーカーのEVも対象だった。これが廃止され、中国製のEVへの関税がかかることで、アメリカ国内でのテスラの競争力が高まるということになる。アメリカ国内では、テスラを買うしか、選択肢がなくなるということになってしまう。

 ブレンダン・カーの連邦通信委員会委員長就任は、ビッグテック(Big Tech、グーグル、アップル、メタ[旧フェイスブックス]、アマゾン、マイクロソフトの5社)への宣戦布告ということになる。ビッグテックに関しては、インターネット上に流れる内容に関しての責任追及と情報の独占と個人情報の独占的利用に対しての批判が起きている。

アメリカの通信品位法第230条は、インターネット上の情報の自由を重視し、プロバイダや利用者の責任を限定する制度だ。具体的には、「プロバイダは、第三者が発信する情報について原則として責任を負わない有害なコンテンツに対する削除等の対応に関し責任を問われない対話的コンピューターサービスの提供者や利用者は、情報コンテンツ提供者が提供する情報の発行者や表現者とはみなされない」というもので、プラットフォーム(フェイスブックやインスタグラムなど)に利用者が載せた内容について、プラットフォーム運営会社やプロバイダは責任を問われないというものだ。これに対しては訴訟が起きている。

ビックテックに関しては情報通信の「寡占(oligopoly)」が問題になっている。独占禁止、反トラストの立場から、ビッグテックを解体せよと訴える人たちは多い。2021年に連邦取引委員会委員長に就任したリナ・カーンはその急先鋒だ。また、私が翻訳した『ビッグテック5社を解体せよ』(徳間書店、2021年)の著者で、ミズーリ州選出の連邦上院議員ジョシュ・ホウリーも独占禁止の観点から、ビッグテック解体を主張している。この戦列に、ブレンダン・カーも加わることになる。

 ブレンダン・カーの連邦通信委員会委員長就任、ハワード・ラトニックの商務長官就任で、一番「得をする」のはイーロン・マスクだ。イーロン・マスクのSNSサーヴィス「X(旧ツイッター)」のライヴァルはビッグテックであり、電気自動車(EV)メーカー「テスラ」のライヴァルは、中国のEVメーカーであるBYDである。今回の布陣は、マスクのビジネスにとって助けとなるものだ。

 私は、今回の大統領選挙の最大の勝利者はイーロン・マスクだと考えてきた。皮肉に見えるが、そのことをマスクが所有する「X」で11月8日に書いた。

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 イーロン・マスクはアメリカ国内にイーロン・マスク帝国を築こうとしている。彼の武器は、「情報通信(スターリンクとSNSX)」と「EV」だ。EVもインターネットにつなぐということを考えると、彼の帝国は「情報帝国」ということになる。それを、関税の城壁を築いたアメリカ国内で築こうとしているのだろうと思う。マスクはトランプを利用して、自身の「皇帝」としての地位を築こうとしているのだろう。トランプはそのことに気づいているのか、気づいて許しているのか、そこのところはよく分からない。

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トランプの連邦通信委員会委員長の選択について知っておくべき5つのこと(5 things to know about Trump’s FCC pick

ミランダ・ナザロン筆

2024年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/technology/4996396-5-things-to-know-about-trumps-fcc-pick/

ドナルド・トランプ次期大統領は連邦通信委員会(Federal Communications CommissionFCC)の次期委員長にブレンダン・カーを指名し、委員会が保守的な見解を「検閲している(censoring)」として、カーが非難したビッグテックやメディア企業との衝突の可能性を高めている。

FCCは、テレビ・ラジオ放送、電話、インターネット・サービス・プロヴァイダー、人工衛星を規制する独立機関である。

2017年からFCC委員を務めるカーは、テック企業や放送会社の自由に関して、FCCに劇的な変化をもたらそうとする可能性があると専門家は指摘している。

カーについて知っておくべきことを挙げていく。

(1)FCCにおいての10年を超える経験(More than a decade of FCC experience

カーの FCC での歩みは、10年以上前の2012年にスタッフとして採用されたところから始まった。カーは2017年にFCCの法務顧問に就任するまでの3年間、元FCC委員長アジット・パイ(共和党)の法律顧問を務めた。

トランプ大統領は2017年にカーを委員に任命し、バイデン大統領によって再び指名され、2029年までの任期を務めることになった。FCCは連邦法により、1つの政党から3人以上の委員を出すことはできない。

カーは近年、ソーシャルメディアを利用してバイデン政権の政策に対する懸念を表明し、共和党政権下で追求すべき代替案について議論することで、ネット上で支持を集めた。

トランプ次期大統領は日曜日、カーは「アメリカ人の自由を抑圧し、私たちの経済を抑制してきた規制戦争と戦ってきた」と述べた。

「彼は、アメリカの雇用創出者と革新者を苦しめてきた規制の猛攻撃に終止符を打ち、FCCがアメリカの地方(rural)に貢献することを確実にする」と付け加えた。

FCC次期委員長カーは、主要なインターネット・サービス・プロヴァイダーに対し、そのネットワークを通過する全ての情報を平等に扱うよう強制するネット中立性規則を撤回するようパイ前委員長が推進した際、パイ委員長と緊密に協力した。

2015年に初めて承認されたこの規則は、2017年にパイのリーダーシップの下で廃止された。FCCは今年初め、民主党のジェシカ・ローゼンウォーセルFCC委員長のリーダーシップの下、規則の復活を決議した。

ローゼンウォーセル委員長が退任した場合、反対党の大統領が就任した場合の慣例として、トランプ大統領は別の委員を任命し、共和党が多数派となり、ネット中立性規則が再び削減される可能性がある。

ローゼンウォーセルは月曜日の声明でカーを祝福した。

ローゼンウォーセルは「カー委員長がFCCに入ってから、私はカー委員がスタッフ、この新しい役割の責任、そして通信におけるアメリカの継続的なリーダーシップの重要性に精通していると確信している」と書いている。

(2)ビッグテックと放送ネットワークを批判(Critic of Big Tech, broadcast networks

大手ソーシャルメディア企業に対して厳しい批判者であるカーは、特に230条免責条項が連邦議会によって後退させられた場合、ビッグテックの権力を抑制しようとすると予想される。

カーは、トランプ勝利の直後に優先事項を示し、声明の中で次のように書いている。「政権移行が完了すれば、FCCはビッグテックを抑制し、放送局が公共の利益のために運営されることを保証し、経済成長を解き放つと同時に、私たちの国家安全保障上の利益を促進し、法執行を支援する重要な役割を担うことになるだろう」。

またカーは先週、「検閲カルテル(censorship cartel)は解体されなければならない」と述べ、特定の視点を抑圧する「中心的な役割(central role)」を担っているとされる大手テック企業を非難した。

トランプ大統領は日曜日、カーを言論の自由の「戦士(warrior)」と呼び、このアプローチを称賛している。

FCCに関するアドヴァイスを行っている「テレコミュニケイションズ・ラー・プロフェッショナルズ」のマネージング・メンバーであるマイケル・ラザルスは、大手テック企業の抑制がカーにとっての最優先事項になるだろうと予測した。

ラザルスは、「カーは、保守的であろうとリベラルであろうと、ビッグテックに対する透明性ルールが平等であることを確認するために、何らかの形でビッグテック企業を抑制することを強く主張している」と述べている。

カーは、優遇措置の疑いがあるテレビ局に対しても同様の取り締まりを示唆している。

今月初め、ハリス副大統領が選挙前の「サタデー・ナイト・ライブ」に出演した際、カーはNBCFCCの「イコール・タイム・ルール(equal time rule)」を「回避(evade)」しようとしていると主張した。NBCはその後、トランプからの短いメッセージを放送し、次期大統領に平等な時間を提供した。 

カーによる放送ネットワークへの関心も、NBCは自分にとって公平ではないと主張し、FCCCBSABCの放送ライセンスを剥奪するよう求めているトランプによる批判の継続とみなされる可能性が高い。

トランプが取り締まると脅しているコムキャストは、カーのリーダーシップを 「歓迎する」と述べ、彼には「成功した実績を持っている」と述べている。

(3)「プロジェクト2025」のFCCセクションを執筆 (Wrote the FCC section of Project 2025

カーは昨年夏、保守派のヘリテージ財団が第二次トランプ政権の政策青写真として作成した「プロジェクト2025」において、FCCの政策課題に関する項目を執筆し、民主党から批判を浴びた。

トランプ次期大統領はこのプロジェクトから距離を置こうとしているが、民主党はトランプと執筆者たちとの関係を繰り返しターゲットにしている。 

カーのセクションは、ウェブサイトやソーシャルメディア企業が、ユーザーが投稿したコンテンツに対する責任を問われないよう保護する連邦法第230条の撤回を主張した。 

FCCはソーシャルメディア企業が第230条に基づいて享受している「広範な非テキスト免除(expansive, non-textual immunities)」を廃止する命令を発行すべきだとカーは書いた。 

カーは、「裁判所は第230条を広く解釈し、一部の世界最大手企業に法文のどこにも見当たらない全面的免責権(sweeping immunity)を付与している」と述べた。

カーは更に「彼らは、インターネット企業が第230条の恩恵を受け続けながら実行できる行動の種類に対して連邦議会が課した制限を無効にする方法でこれを行った」と述べた。

第230条の改正は何年も前から検討されてきた。国家電気通信情報局による請願は、バイデン大統領の勝利直前の2020年7月に第230条の規定を明確にするよう提出されたが、依然としてFCCに対して係争中である。

フィックス・ギア・ストラテジーズのCEOでパイの元側近であるネイサン・リーマーは、本誌の取材に対して、「カーにとっての最初のステップは、その嘆願書を検討することであり、その嘆願書は第230条におけるFCCの役割に含まれるものだと思う。それがFCCの範囲内であると解釈されたことは一度もないが、本物の弁護士であるこの分野の多くの専門家にとっては、ここに事件がある」と語った。

(4)イーロン・マスクの盟友の一人(An Elon Musk ally

カーはハイテク億万長者イーロン・マスクの最も著名な同盟者の一人で、スペースX社の衛星サービス「スターリンク」に対する連邦賞の授与を提唱している。

カーは先月、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の論説において、地方の家庭や企業への高速インターネットに対するスターリンクへの8億8500万ドルの報酬をFCCが取り消したことを取り上げた。 

カーは次のように書いている。「私の見解では、これは左派のトップターゲットの一人であるマスク氏に対する規制法に他ならない。方向転換する時期はある。プログラムの DEI 要件、価格管理、テクノロジーの偏見、政府運営のネットワークに対する優先順位を取り除くのに遅すぎるということはない」。

マスクは現在、トランプの最も強力な同盟者の一人であり、次期大統領が政府効率委員会(government efficiency panel)のリーダーに選んだ人物であり、カーのリーダーシップから利益を得る可能性がある。

ラザラスは「アメリカでのブロードバンド導入とブロードバンド展開の促進に関しては、カーが衛星や新技術に対してはるかに好意的であることが分かると思います」と語った。

(5)法律業界は彼の計画に疑問を持つ(Legal industry questions his plans

法律専門家の一部は、カーの提案は現実的ではないか、FCCの権限に該当しない可能性があり、連邦議会の承認が必要になると懸念を表明した。 

ラザラスは、「カーは、放送局による違反の有無、放送局が公共の利益に基づいて運営していないかどうかについて、注意深く監視することになると思う」と語った。

ラザラスは続けて、「しかし、ライセンスを剥奪すべきかどうか検討するなど、この種のより大げさなアイデアに関しては、それはかなり大げさだと考えられるし、私たちがそうするつもりはない。そのような性質のものは何も見られないと思う」と述べた。

FCCの元首席補佐官で投資調査会社ニューストリートの政策顧問を務めたブレア・レヴィンは、ビッグテック企業に対するカーの潜在的な権限に冷や水を浴びせた。

レヴィンは次のように語っている。「突然、FCCは、テクノロジーを規制する権限を手に入れた。それは法律に反すると思う。また、特定の決定を連邦議会が決定しなければならないという近年の最高裁判所の判例にも明らかに矛盾している」。

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●「FCCは「検閲カルテル解体を」-トランプ氏が委員長に起用のカー氏」

Kelcee Griffis

20241119 16:33 JST

ブルームバーグ

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-19/SN6AQET1UM0W00

・マスク氏とも懇意でXを多用、コンテンツ選択巡り異議唱える方針

・放送局も標的になる公算大-公益のための運営義務を執行とカー氏

トランプ次期米大統領が連邦通信委員会(FCC)委員長に起用するブレンダン・カー氏は大手テクノロジー企業や放送局によるコンテンツ選択を巡り異議を唱える方針だ。

 起用が発表された直後の17日遅く、カー氏(45)はソーシャルメディアX(旧ツイッター)で、FCCに対し「検閲カルテルを解体し、米国人の日常の言論の自由を回復する」よう求めるなど要求を立て続けに投稿した。これはフェイスブックなどのソーシャルメディアによる不快とみなされるコンテンツの制限について言及している可能性が高い。

 カー氏は他のFCC当局者とは異なり、トランプ氏支持者として有名なイーロン・マスク氏が所有するXへの投稿を気ままに行うことで知られる。同氏はマスク氏がXを買収する前からソーシャルメディアの影響力を活用してきた。

 カー氏はまた、トランプ氏の返り咲きをマスク氏が支持するはるか前から同氏と足並みをそろえていた。カー氏はFCCの規則が低軌道衛星群などの新興技術よりも光ファイバーのようなインターネット配信テクノロジーを優先していると主張し、警鐘を鳴らしていた。マスク氏のスペースXはこれらの衛星を軌道に打ち上げる予定で、そのためにはFCCの承認を得る必要がある。

 保守派はソーシャルメディア企業が新型コロナウイルスを巡る偽情報など問題視される投稿を削除していることを長年批判してきた。カー氏は昨年の議会証言で「インターネット企業に圧力をかけ、米国人の保護された言論を検閲させる現政権のキャンペーン」を批判。2022年には「大手テクノロジー企業が特定の政治的発言や見解を検閲することを禁じる」テキサス州の州法を支持した控訴裁判所の判決を称賛した。

 カー氏は、ブロードバンドプロバイダーに全てのトラフィックを同じように扱うよう義務付ける、いわゆる「ネットの中立性」に関する規則には反対している一方、オンラインプラットフォームに対しては、基準に違反したとして削除される可能性がある投稿について中立性の義務を負うべきだと提案している。

 また検索結果を操作したり、ユーザーアカウントを禁止または停止したり、コンテンツ制作者を「一見して一貫性なく」収益化できないようにしたりしているとして、グーグルやフェイスブック、ユーチューブなどのプラットフォームにもブロードバンドに関する透明性開示を適用するよう求めた。

放送局もカー氏の標的になる可能性が高い。

 カー氏は18日の投稿で「放送メディアは希少かつ貴重な公共資源である電波を利用する特権を得てきた」とし、「その見返りとして、放送局は公共の利益のために運営することが法律で義務付けられている。政権移行が完了すれば、FCCはこの公益義務を執行することになる」とコメントした。

 さらにテクノロジー企業やメディア企業に新たな義務を課すとともに、インターネットインフラを大量に活用しているプラットフォームに課金することも提案した。これは、ブロードバンドインフラの拡張や低所得者層の電話やインターネット利用の支払いを支援するFCCのユニバーサルサービス基金の強化につながるもので、AT&Tなどの企業が支持している。

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トランプ大統領、商務長官にハワード・ラトニックを選出すると予想(Trump expected to pick Howard Lutnick for Commerce secretary

アレックス・ガンギターノ、ブレット・サミュエルズ筆

2024年11月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/4997898-trump-howard-lutnick-commerce/

ドナルド・トランプ次期大統領は商務長官にハワード・ラトニックを指名する見通しだ。複数の関係者が本誌に述べた。

ラトニックはカンター・フィッツジェラルド社の会長兼最高経営責任者(CEO)であり、現在はトランプ政権移行ティームの共同議長も務めている。ラトニックは特に、トランプ大統領の関税計画を公に支持しており、これは商務部門を率いる仕事の主要な部分を占めることになる。

トランプ大統領は火曜日午後の発表で人選を正式に発表し、ラトニックが「米通商代表部に対する追加の直接責任を持ち、関税と貿易の議題を主導する」と述べた。

ラトニックは、トランプ陣営で経済顧問を務めたスコット・ベッセントとともに、商務長官の最有力候補とみなされていた。

ラトニックはまた、商務省を率いる役割において、リンダ・マクマホンを破った。トランプ政権移行ティームの共同議長であるマクマホンは最有力候補とみなされており、第一次トランプ政権において、中小企業庁を率いていた。

最近、経済の重要な役割を誰が担うかをめぐる争いが国民の目にさらされる中、トランプ大統領は財務長官についての関心を高めた。億万長者のハイテク界の大物イーロン・マスクは今週末、ベッセントよりもラトニックを支持した。

ラトニックはトランプ大統領の長年の友人であり、仮想通貨の著名な支持者である。彼は、世界貿易センターで 600人以上の従業員が殺害された911事件に対するカンター フィッツジェラルドの対応を監督した。

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トランプが商務長官に指名したハワード・ラトニックについて知っておくべきこと(What to know about Howard Lutnick, Trump’s pick for commerce secretary

ファティーマ・フセイン(AP通信)筆

2024年11月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/ap/ap-business/ap-what-to-know-about-howard-lutnick-trumps-pick-for-commerce-secretary/

ワシントン(AP通信)発。ドナルド・トランプ次期大統領は、証券・投資銀行カンター・フィッツジェラルド社代表で暗号通貨支持者のハワード・ラトニックを商務長官に指名した。

この指名により、ラトニックは、新しいコンピューター・チップ工場への資金提供、貿易制限の発動、経済データの公表、天候の監視などに関与する、広大な内閣機関の責任者となる。また、各企業の最高経営責任者(CEO)や広範なビジネス・コミュニティーとのつながりが極めて重要なポジションでもある。

トランプ大統領の政権移行ティームの共同議長であるラトニックは、第一次トランプ政権の中小企業庁を率いていた元プロレス団体幹部のリンダ・マクマホンとともに、かつてトランプ大統領のNBCリアリティ番組「アプレンティス」に出演していた。彼は次期大統領の側近となっている。

上院で人事承認されれば、商務省を率いることになるこの億万長者について知っておくべきことをこれから挙げていく。

(1)イーロン・マスクが財務省長官に推した人物(He was Elon Musk’s pick to lead the Treasury Department

イーロン・マスクをはじめとするトランプ大統領周辺の人々は先週、トランプ大統領に対し、財務長官の最有力候補であるスコット・ベッセントを捨て、ラトニックを選ぶよう求めた。マスクは投稿の中で、「ベセント氏は通常通りの選択だが、ハワード・ラトニック(@Howardlutnick)氏は実際に変化を起こすだろう」と述べた。

財務省の役割は、トランプの側近グループでも異例の注目を集める争奪戦の中心となっている。同時に、この役職は金融界で注視されており、破壊的な候補者が指名されれば、トランプ大統領が注視する株式市場に直ちに悪影響を及ぼす可能性がある。トランプ大統領は、内閣の残りの空席のうち上位の1つをまだ決めていない。

残る主な候補者は、ベセント、ケヴィン・ウォーシュ元連邦準備理事会(FRB)理事、アポロ・グローバル・マネジメント社のマーク・ローワンCEO、テネシー州選出のビル・ハガティ連邦上院議員(第一次トランプ政権の元駐日本米大使)だ。

(3)ラトニックはトランプ大統領の関税案の主要な支持者だ(He is a major supporter of Trump’s tariffs plan

トランプ大統領は選挙戦で、中国からの輸入品に60%の関税をかけ、それ以外の米国の全輸入品には最大20%の関税をかけることを提案した。選挙戦では、トランプは輸入品への課税を、より良い貿易条件を打ち出すための交渉手段であると同時に、他の減税の財源を確保するための財源捻出手段でもあるとしていた。

広範な関税を課すことを主張するラトニックは、9月のCNBCのインタヴューで、トランプの関税計画を全面的に支持した。ラトニックは、「関税は大統領にとって素晴らしい手段だ。そして、私たちはアメリカの労働者を守る必要がある」と語った。

主流の経済学者たちは、一般的に関税に懐疑的で、政府が資金を調達し繁栄を促進するための非効率的な方法だと考えている。

(4)ラトニックの弟と数百名の従業員が911のテロ攻撃で殺害された(His brother and hundreds of Cantor employees were killed in the September 11th terrorist attacks

ラトニックの弟ゲイリー・ラトニックと全従業員960名のうちの658名が2001年9月11日のワールドトレードセンターへの攻撃で殺害された。ラトニックの会社はその日だけで従業員の3分の2を失った。ラトニックは、国立911日記念館・博物館、パートナーシップ・フォ・ニューヨーク・シティの理事会のメンバーである。

2013年にカンター・フィッツジェラルド社がアメリカン航空と保険会社を相手取って起こした不法死亡と人身傷害の訴で、1億3500万ドルで解決した後、ラトニックは次のように語った。「私たちは、この和解を決して平凡なものとは考えられないし、今後も考えることはないだろう。私たちにとって、この妥協案を普通、公正、合理的などという適当な言葉で表現することはできない。私たちが言えるのは、この問題の法的形式が終わったということだけだ」。

トランプ大統領が火曜日に発表した商務長官指名に関する発表では、ラトニックが経験した喪失について触れ、彼は 「言語に絶する悲劇に直面した際の回復力の体現者(the embodiment of resilience in the face of unspeakable tragedy)」であったと述べた。

(5)彼は暗号通貨の主要な支持者だ(He’s a major supporter of cryptocurrency

ラトニックは暗号通貨産業、すなわち暗号通貨テザー(cryptocurrency Tether)の目的を推進する支持者だ。

暗号通貨は、グローバルな銀行システムに依存することなく、インターネット上で取引できるデジタルマネーの一形態だ。ビットコインは最も人気のある暗号通貨である。

ラトニックは今年初めのビットコイン会議で次のように述べた。「ビットコインは金のようなもので、世界中どこでも自由に取引されるべきだ。世界最大の卸売業者(wholesaler)として、私たちはそのために全力を尽くすつもりだ。ビットコインは、例外なく、制限なく、世界中のあらゆる場所で金と同じように取引されるべきだ」。

トランプ大統領は、5月に選挙戦に向けて「仮想通貨軍団(crypto army)」と呼ばれる組織を構築する取り組みの一環として、仮想通貨での寄付の受け付けを開始すると発表して以来、仮想通貨に対して好意的な見方を示している。トランプはまた、今年初めに家族とともにワールド・リバティ・フィナンシャルという仮想通貨プラットフォームを立ち上げた。

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●「米商務長官指名のラトニック氏、中国との関係がやり玉に」

By Alexandra Alper

20241122日午後 12:39 GMT+91日前更新

https://jp.reuters.com/world/us/EV5W7FLYZZMKVLQNFY5GOSQ4P4-2024-11-21/

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ次期米大統領が商務長官に指名した実業家ハワード・ラトニック氏を巡り、中国との関係がやり玉に挙がっている。

同氏率いる金融サービス企業には、中国国有の中国人民保険集団を筆頭株主とする中誠信託との間で合弁会社を持つBGCグループや、中国企業の米国上場を支援したキャンター・フィッツジェラルドが含まれる。

議員や専門家はこれらの企業を通じて中国との関係から利益を得ているラトニック氏について、米通商代表部(USTR)にも「直接的な責任」を負う商務長官として中国に新たな関税や輸出規制を課すかどうかの決断を下す際に影響を受けかねないと指摘する。

上院財政委員会のロン・ワイデン委員長(民主党)は「ラトニック氏の中国における利益相反は相当なものだと思われる。米国民は中国政府から給料をもらっている人物に対し、働く米国民のために中国との競争条件を公平にする手助けを期待できるのだろうか」と疑問を呈した。

キャンター・フィッツジェラルド、トランプ政権移行チームからはコメントを得られていない。

米商務長官指名のラトニック氏、中国との関係がやり玉に

トランプ次期米大統領が商務長官に指名した実業家ハワード・ラトニック氏(写真)を巡り、中国との関係がやり玉に挙がっている。資料写真、ニューヨークで10月撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly

ラトニック氏はBGCのウェブサイトに21日掲載した声明で、指名が承認されれば、同社とキャンター・フィッツジェラルドの職務を退くと表明。

「米政府の倫理規則に準拠するため、これら企業の権益を売却するつもり」とし、市場で売却することは見込んでいないとした。

ワシントン大学セントルイス校のキャスリーン・クラーク教授(政府倫理学)は、ラトニック氏は実質的に中国政府の「ビジネスパートナー」だと指摘。「これは中国政府が商務長官に対して影響力を持つとの懸念を強めるものであり、最悪の場合、外国政府に支配権を明け渡すことになる」と語る。

BGCグループは、中誠信託との合弁会社の株式33%(約2800万ドル相当)を保有している。ウェブサイトによると、合弁会社は2010年に北京で初の為替取引仲介業者として営業許可を得て、国内外の為替・短期金融・債券・デリバティブ(金融派生商品)市場の仲介やデータサービスを提供している。

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キャンター・フィッツジェラルドは昨年、中国バイオテクノロジー企業である阿諾医薬(アドレー・ノーティ)(ANL.O)のナスダックIPO(新規株式公開)を引き受けた。中国が海外上場前に特別な申請書を取得することを国内企業に義務付ける新ルールを導入して以来、初めて上場に成功した中国企業だ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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 アメリカ大統領選挙が終わって3週間ほどが経過した。結果は共和党のドナルド・トランプ前大統領(次期大統領)が民主党のカマラ・ハリス副大統領を破って二回目の当選を果たした。トランプは選挙人312人(一般得票約7700万票、約49.9%)、ハリスは選挙人226人(一般得票約7400万票、約48.3%)という結果になった。トランプにとっては選挙人だけではなく、一般得票でも勝利し、圧勝、完勝ということになった。一度敗れた前大統領が再び勝利を収めたのは100年以上ぶりのことだった。

 前回は民主党のジョー・バイデン前副大統領(当時)が選挙人306名(一般得票約8100万票、約51.3%)で、共和党のドナルド・トランプ大統領(当時)を破った。トランプの獲得した選挙人は232名(一般得票約7400万票、46.8%)だった。この4年間で民主党はどうしてここまで票を落とすことになったのかということを、民主党自身が詳しく分析しているだろうが、各メディアでも出口調査の結果を基にして分析している。

 何よりも重要な原因となったのは、中絶問題を一番の争点として訴えて、経済問題を訴えることができなかった、アピールできなかったということになる。

民主党の支持基盤である、若者たち、ヒスパニック系、アフリカ系での支持を伸ばせなかった。ここに尽きるようだ。生活に密着する問題、インフレ問題について、バイデン政権も対策を行っていたが、それをアピールできなかったこと、更には生活実感として、そのような対策の効果を実感できなかったということである。インフレが直撃するのは所得が低い人々であり、そうした人々は、元々は民主党支持であったが、民主党がそうした人々の生活実感を救い取れなくなっている、また、都市部の中間層からエリート層が支持基盤となっているというところが大きい。また、有権者全体として、「経済問題はやはり、経営者出身のトランプだ」という感覚がある。

 文化的、価値観に関する問題で選挙を戦って勝てることもあるが、アメリカで生活に不安を持つ人々、明日の生活もどうなるか心配している人々、家賃高騰のために車上で生活することを余儀なくされている人々は直近の生活問題を解決することを望む。生活が安定しなければ、社会的な問題について考えることはできない。民主党はそうした生活実感を取り戻すことができるかどうか、ここが重要になってくる。

(貼り付けはじめ)

2024年大統領選挙について出口調査が語っていること(What the exit polls say about the 2024 election

ダグラス・ショーエン、カーリー・クーパーマン筆

2024年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/4993162-trump-victory-exit-polls/?tbref=hp

ドナルド・トランプ次期大統領の選挙での勝利から2週間近くが経過したが、民主党員も専門家たちも、トランプが300人以上の選挙人を獲得するために、どのようにして7つの激戦州全てを席巻したのかを理解しようとしている。

出口調査はトランプ大統領の勝利の背後にある最大の理由を明らかにしている。有権者たちはカマラ・ハリス副大統領と民主党の左派によった綱領(left-leaning platform)を拒否した。この綱領は経済をほとんど無視しながら進歩的な社会問題に力を入れるものだった(doubled down on progressive social issues while largely neglecting the economy.)。

その代わりに、経済や移民問題といった生活に密着した台所テーブルに関する諸問題(kitchen table issues)に焦点を当てたトランプは、中絶の権利に焦点を当てたハリスや民主党よりも、特にハリスが勝利するために必要とした若年層、ヒスパニック系、黒人有権者に対して大きな効果を発揮した。

言い換えるならば、出口調査は、民主党が主要な有権者の間でさえ、意向を正しく読み取ることに失敗したことを示している。彼らは、2024年は2022年に似ていると想定していた。2022年は、中絶の権利をめぐる争いがインフレへの懸念をかき消し、全米で民主党を押し上げた。

しかしながら、CNNの2022年、2024年の出口調査によると、2022年には全米の有権者たちにとって中絶(27%)が2番目に重要な問題であったのに対し、2024年には14%だけが重要な問題だと答えただけだった。

『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、その時点までに、ヒスパニック系が多数を占める郡は2020年と比べてトランプの支持率が13ポイント、アフリカ系アメリカ人が多い郡は3ポイントも上昇しており、これは主にトランプが選挙運動の目玉とした経済への懸念によるものだと言われている。

ハリスと民主党が明確な経済政策を打ち出せなかったことは、この2つの票田(ヒスパニック系とアフリカ系アメリカ人)に特に大きなダメージを与えた。実際、ヒスパニック系有権者の40%が、経済が自分の投票にとって最も重要な問題であると答えており、CNNによれば、これは全米の有権者全体よりも8ポイント高い。

経済が最重要課題であると答えたヒスパニック系有権者のうち、3分の2(67%)がトランプに投票したのに対し、ハリスに投票したのはわずか32%であった。

更に言えば、経済を最重要課題とした20%の黒人有権者のうち、トランプはその4分の1強(26%)の票を獲得し、黒人有権者全体における支持率の2倍に達した。

ペンシルヴァニア州やアリゾナ州のようないくつかの激戦州の中では、ヒスパニック系の支持率が2020年と比べてトランプはそれぞれ27ポイント、10ポイント改善した。これが決定的だったようだ。

そのため、ヒスパニック系有権者を詳しく見ると、民主党のメッセージ発信(messaging、メッセージング)がいかにずれていたかが浮き彫りにされる。

ハリスと民主党全体は、トランプ大統領の移民排斥のレトリックに大きく傾倒したが、ヒスパニック系有権者の10人に7人以上(71%)は、ユニドスの出口調査によれば、より厳しい国境警備政策を支持している。

これと同様に、2022年の中間選挙では中絶(28%)がヒスパニック系有権者の最重要課題であったが、CNNによれば、今年同じことを答えたヒスパニック系有権者は2分の1以下(13%)であった。

同様に、伝統的に民主党の信頼できる有権者である若い有権者も、ハリスと民主党のメッセージ発信には動かなかった。ニューヨーク・タイムズの分析によると、「18~34歳の人口が多い」郡は、トランプ支持に6ポイント動いた。

特に30歳未満の有権者について見ると、ハリスはこれらの有権者の支持を勝ち取ったものの、彼女の獲得した11ポイント差は、4年前のバイデンの24ポイント差の約半分にとどまった。

ペンシルヴァニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州といった「青い壁(Blue Wall)」の州と呼ばれる各州では、民主党はハリスが選挙人270人を超えることを期待していたが、若い有権者のシフト(移動)はさらに顕著だった。

エジソン・リサーチ社によれば、2020年と比較して、30歳未満の有権者はミシガン州で24ポイント、ペンシルヴァニア州で18ポイント、ウィスコンシン州で15ポイントもトランプにシフトした。これらは激戦州7州全てで最大の動きとなった。

中間選挙とは異なり、大統領選挙はほぼ常に経済と現政権をめぐる国民投票(referenda)であり、ハリスが苦戦したのはまさにここだった。

タフツ大学の世論調査によれば、30歳以下の有権者が今回の選挙の争点として挙げたのは、中絶よりも経済であり、その割合はほぼ4対1(40%対13%)となった。

ハーヴァード大学ケネディスクール政治学研究所の世論調査ディレクターであるジョン・デラ・ヴォルペが指摘するように、「私が実施した初期のフォーカス・グループから、トランプ政権下では若年層の財政が良くなるという生得的な感覚(innate sense)があった」ということだ。

興味深いことに、外交政策が経済、移民、中絶といった問題よりも関心が低いことが多い中、中東戦争に対する一貫した立場を明確に打ち出せなかったハリスは、ミシガン州のアラブ系有権者とペンシルベニア州のユダヤ系有権者からの支持を失った。

アラブ系アメリカ人の人口が多い都市であるミシガン州ディアボーンでは、トランプが得票率42%、ハリスの36%で僅差で勝利したが、これは2020年のバイデン大統領と比べてハリスは33ポイントも得票率を下げたことになり、これは驚異的な低下となった。多くの住民は、ハリスがイスラエル支持だと感じ、それに反対した。

逆に、ペンシルヴァニア州の世論調査によれば、ハリスがジョシュ・シャピロ州知事を副大統領候補に選ばなかったことは、CNNのヴァン・ジョーンズのような一部の民主党員でさえも、反イスラエルの進歩主義派をなだめるための努力だと非難しており、ハリスはペンシルヴァニア州を失った可能性がある。

ハリスはペンシルヴァニア州のユダヤ人票を48%対41%で獲得した。しかし、『ニューヨーク・ポスト』紙は、彼女がシャピロを選んでいたら、2倍以上の差をつけて勝っていた可能性が高いという世論調査を報じた。ユダヤ系有権者が有権者の3%を占めており、トランプが13万票弱の差で勝利した、この州では、これは大きな失敗だったかもしれない。

ミシガン州とペンシルヴァニア州でのハリスの苦戦は、彼女の選挙戦を悩ませた核心的な問題を象徴している。彼女は大統領になるための政策課題を明確に示すこともなく、不人気なバイデン大統領と自分を切り離して定義することもなかった。

より大きなスケールで見れば、全米および激戦州の世論調査は、ハリスと民主党のより深い問題を明らかにしている。有権者が、食卓に食べ物を並べられるかどうかや、管理されていない南部国境の脅威よりも、中絶のような問題を優先してくれることを期待し、手遅れになるまで間違った問題を優先したのだ。

ポジティヴに捉えれば、民主党の敗北の大きさと世論調査は、2026年、そして2028年に民主党がどのように立ち直ることができるかの明確な道筋を示している。とはいえ、民主党がこの地図に従って、経済中心の中道主義を発展させることを選択するかどうかは重要である。綱領を強化するか、その代わりに左寄りの社会問題に力を入れるかは見ていかねばならない。

※ダグラス・E・ショーン、カーリー・クーパーマン:ニューヨークに拠点を置く世論調査会社「ショーン・クーパーマン・リサーチ」の世論調査専門家兼パートナー。共著として『アメリカ:団結するか、死ぬか(America: Unite or Die)』の共著者である。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが当選した。トランプ政権下、アメリカのトランプ、ロシアのウラジーミル・プーティン大統領、中国の習近平国家主席との間で「ヤルタ2.0」体制が構築されて、三国協商(Triple Entente)が構築された。今回、トランプ大統領が大統領に復帰するということになり、「ヤルタ3.0」体制となる可能性が高まっている。
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 習近平は「最高指導者(国家主席・中国共産党中央委員会総書記、中央軍事委員会主席)は2期10年(1期の任期は5年)で退く(新たな体制を作る)」という不文律を撤廃して、3期目を務めている(2022年から)。こうなると、習近平はこの3期目の5年間で退くのか、4期目を目指すのかということを考えると、やはり、後継者が誰になるか、後継者がしっかり決まらねば退くことは難しいだろう。今のところ、習近平の後継者というのは明確に決まっていないようだ。

元オーストラリアの首相で政治学者でもあるケヴィン・ラッドの論稿によると、習近平国家主席が退陣した後、中国の長期的なイデオロギーの方向性については、習近平の後継者が彼のイデオロギーを引き継ぐか、あるいはその理念が衰退するかが鍵となる。習近平の「マルクス主義的ナショナリズム」は政治的には左傾化し、外交的には右傾化するが、忠誠を誓う若い世代がより過激化する可能性もある。一方で、習近平思想は過去の毛沢東主義のように衰退する可能性もあるということだ。つまり、誰になるかは分からないが、習近平に忠誠心を持っている人物になるということだ。

 現在の中国共産党中央委員会中央政治局常務委員の7名(チャイナセヴン)の中に「後継者」になりそうな人物はいない。生年で言えば1960年代がその対象になりそうだが、序列第6位で、国務院筆頭副総理である丁薛祥(ていせつしょう、Ding Xuexiang、1962年-)で、彼は習近平の秘書出身で、実力者であるが、国家主席となれないだろう。また、今回の中央政治局政治委員(24名)のうち、国防・航空宇宙産業(中国語では工航天系、jungonghangtianxi)出身者、テクノクラートたちが多くなっている。また、今回の中央政治局政治局員からは共青団が排除され、「習近平派」が多く登用されることになった。
※2022年10月30日 中国共産党第20回党大会人事について https://suinikki.blog.jp/archives/86741740.html
※2022年09月15日 第20回中国共産党大会のキーワードは「宇宙クラブ」 https://suinikki.blog.jp/archives/86587517.html 
今回の第二次トランプ政権の人事を見てもそうだが、「忠誠心」が重要なキーワードになっている。そして、習近平にしても、トランプにしても、自身の唱えた「マルクス主義的ナショナリズム」「中国式社会主義」(習近平)、「アメリカ・ファースト」「アメリカを再び偉大に(Make America Great AgainMAGA)」(トランプ)の後継者を作り出す、キャリアの終盤ということになるだろう。トランプの後継者としては、JD・ヴァンス次期副大統領ということになるだろう。習近平についてはこれからということになるが、1960年代を飛ばして、一気に1970年代生まれが後継者ということになる可能性がある。

(貼り付けはじめ)

ポスト習近平の中国はどのようになるか?(What Will a Post-Xi China Look Like?

-習近平の長期的イデオロギー・プロジェクトの脆弱性についてケヴィン・ラッドが語る。

ケヴィン・ラッド筆

2024年10月25日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/10/25/china-xi-jinping-politics-domestic-foreign-policy-ideology-ccp-marxism-future/

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2017年9月5日、福建省アモイで開催されたBRICS首脳会議の記者会見を終えて退席する中国の習近平国家主席

習近平国家主席が退陣した後、中国の長期的なイデオロギーの方向性はどうなるのだろうか? 習近平主席退任の可能性はすぐにはないだろう。しかし、その可能性は、私たちが真剣に考え始めなければならないほど現実的である。実際、習近平がもたらした深い構造的・文化的変化が、次世代の中国指導者の下でも持続するかどうかという核心的な問題に関わる。習近平の「マルクス主義的ナショナリズム(Marxist nationalism)」は、政治や経済では左傾化し、外交では右傾化するのが特徴だが、習近平に忠誠を誓う若い世代が習近平の旗印を引き継ぐにつれて、より過激になる可能性はあるのだろうか? もしくは、「習近平思想(Xi Jinping Thought)」は、1976年から1978年にかけての毛沢東主義(Maoism)が、鄧小平とその後継者たちによって最終的に否定されるまでそうであったように、徐々に衰退していくのだろうか?

ポスト習近平の中国は多くの要因によって形成されるだろうが、その中でも最も重要なのはタイミングである。習近平は、自分の後を継いで党の最高指導部に就任する世代が、習近平のイデオロギー的方向性と熱意を共有できると確信できるまで、政権にとどまりたいと考えるだろう。これには問題がある。習近平は常に、腐敗(corruption)、出世主義(careerism)、イデオロギーの混乱(ideological confusion)を許してきた自分の世代とそのすぐ下の世代を非難している。だからこそ、習近平の党内改革キャンペーンは、個人的・政治的な恐怖と厳しさを植え付けるように設計されている。

習近平はおそらく、前任者の下で政治的権威のある重要な地位に就いた人物を自分の後任として信頼することには慎重であり続けるだろう。習近平はまた、その人物が習近平のイデオロギーと政治プログラムを将来にわたって継続するのに十分な個人的関与を持っているかどうかも疑ってかかるだろう。習近平の本能は、習近平の下で大学教育を受けた若手党幹部が政治的地位を得るまで政権を維持することだろう。習近平の「闘争への挑戦(dare to struggle、敢于斗争、ganyu douzheng)」への絶え間ない呼びかけは、国内の党学校ネットワーク(party school networks)を通じて行われ、特に若い幹部に焦点が当てられてきた。そうすることで、習近平は、過去に横行した物質主義とブルジョワの影響にまだ堕落していない彼らの若々しい理想主義(idealism)に訴えかけている。

しかしながら、将来の党指導部の地位を浄化するこの取り組みは、主に習近平が権力の座に就いた当時は子供だった1995年以降に生まれた幹部に依存することを意味する。しかし、2032年の第22回党大会までに「習世代(Xi’s generation)」はせいぜい37歳で、通常の状況ではかろうじて中央委員の補欠に任命される年齢に達するだろう。その後の2037年と2042年の2回の党大会では、習主席は85歳と90歳になるが、彼らは40代半ばになるだろう。この年齢は、この新興世代の若い中国国家主義者を、政治局のような実際の権威の地位に就かせるのに最適な年齢だ。つまり、このポスト「改革・開放(reform and opening)」世代を党の最高ポストに多数任命するには長い時間がかかるだろう。

習近平が信頼するイデオロギー保守派や個人的な忠誠心を持つ人々は党の上層部にいるだろうが、この若い世代は習近平が現場を離れた後の最大の希望であり、イデオロギー修正主義に対する政治的な防波堤となる。彼らは、習近平の後継者が政権から追放されないようにするために必要な、党中央指導部全体の政治的支持のバラスト(ballast of political support)を提供するだろう。したがって、習近平の任期が長ければ長いほど、習近平の後継者計画(succession plan)は長期的なイデオロギー的継続性を実現できる可能性が高くなる。

習近平以降の中国政治は、今後10年間に展開する地政学(geopolitics)と地経学(geoeconomics)の影響も受けるだろう。対外戦略上、最も重要なのは台湾の行方である。アメリカ、台湾、同盟諸国の軍事力不足、あるいはアメリカの政治的意思の失敗によって、アメリカの抑止力が失敗し、習近平が迅速かつ(比較的)無血で台湾を武力奪取すれば、中国国内政治における習近平の地位は揺るぎないものとなる。習近平は、毛沢東が達成できなかった祖国統一(reuniting the motherland)を成し遂げたことになる。そして習近平は、アジア全域、やがては世界全域でアメリカの地政学的衰退が始まる中、「中国による平和(パックス・シニカ、Pax Sinica)」の新時代という枠組みを打ち立てるだろう。台湾は、中国とより広い地域で、地政学的に重大な転換点と見なされるだろう。

国内的には、習近平が望む政治的継承とイデオロギー的遺産の継続の両方を確保するために、最大限の有利な状況が整うことになる。これとは対照的に、習近平が台湾を武力で解決しようとして軍事的に敗北した場合、習近平が退陣に追い込まれるのは間違いない。このような敗北は、習近平だけが中国を強大にしたという10年以上にわたる公式宣伝(official propaganda)の後にもたらされるものであり、最高レヴェルの国家的屈辱(national humiliation of the highest order)となる。それゆえ、最高の政治的代償を支払う必要がある。実際、政権そのものの正当性が真っ向から問われることになるだろう。

しかし、第3のシナリオは、現段階では、2020年代まで抑止力が維持され、戦争が回避されるというものである。この場合、習近平の長期的な内部後継者計画にとって、台湾はほとんど意味をなさないだろう。

同様に重要なことは、自己主張が強く現状に挑戦することで有名な習近平が最終的に台湾を武力で占領するにはリスクがまだ大きすぎると判断したとしても、その後の後継者がそうする用意があるとは考えにくいということだ。こうした状況下では、長期的な国家統一に向けた代替的な外交枠組みが、北京と台北の間の新世代の交渉で可能になるかもしれない。こうした理由から、国家統一における毛沢東の業績を超え、2049年の中華人民共和国建国100周年までにそれを達成したいという習近平の願望を考えると、習近平の在任期間は台湾をめぐる戦争の可能性に関して危険がピークに達している時期を表している可能性が高い。習政権時代に効果的な抑止力によって台湾問題を解決することは、依然として現状維持支持者にとって最も重要な戦略的課題であり、これが私の前著『避けられる戦争』の焦点だ。

習近平が最終的に退場した後の中国共産党(Chinese Communist PartyCCP)内の支配的な内部政治力学は、おそらく党自体の中にある長年にわたる自然な自己修正プロセスの一部となるだろう。中国共産党はその歴史を通じて、左派と右派、保守派と改革派、孤立主義者と国際主義者の間で揺れ動いてきた。これは「制御と解放(control and releasefangzhou)」の現象である。たとえば、1949年以降の時期には、毛沢東の左派が階級闘争(class struggle)、反地主運動(anti-landlord movement)、集団化された農業(collectivized agriculture)、国有化された産業(nationalized industry)に重点を置いて支配的だった。これは1956年の第8回党大会まで続き、そのとき現実主義者たちは安定した経済発展、貿易、商業を促進するために党の経済的重心を再調整しようとした。毛沢東は1958年に大躍進運動(Great Leap Forward)で報復し、通常の農業生産を犠牲にして工業化を加速しようとしたため、飢餓(famine)が蔓延した。1960年代初頭には鄧小平率いる経済現実主義者が攻勢をかけ、毛沢東は文化大革命(Cultural Revolution)で反撃し、「右派」政敵(“rightist” political opponents)を粛清し、農業と産業の集団化を強化した。これは1976年の毛沢東の死、毛沢東の左翼的誤りの正式な否定、そして鄧小平の35年に及ぶ改革開放時代の開始によって終わり、数十年ぶりに民間部門を再び受け入れた。

習近平は、中国共産党内部におけるこの長い一連の歴史的論争を、「正しい(correct)」党路線(party line)を確立するための内部弁証法的対立(internal dialectical confrontation)、矛盾(contradiction)、闘争の必然的な産物として見ていた可能性が高い。それゆえ、彼は2012年以降、特に2017年以降、鄧小平政権時代に残された経済的・社会的不均衡を是正しようと努力している。習近平の左派イデオロギー・プロジェクトに対する政治的・経済的な機運はすでに手ごわい。しかし、毛沢東の時と同様、習近平指導者が正式に退場するまで、根本的な政治的是正(fundamental political correction)を強いるほどの勢いはないだろう。習近平は間違いなく、自分の後任がどのような暫定指導部であれ、自己修正力が働く危険性を認識しており、より若く、より理想主義的で、より民族主義的な幹部をできるだけ早い時期に党指導部に登用することに拍車をかけている。

しかし、習近平の問題は時間がないことだ。習近平の政治戦略を根付かせるには、90代まで権力を維持し、イデオロギー的に信頼できる若手幹部を十分に登用しなければならないだろう。この戦略に立ちはだかるのは、政治的惰性(political inertia)、官僚的エントロピー(bureaucratic entropy)、そして歴史的に政治的平均に回帰する傾向にある党、これらの根源的な力である。習近平のような屈強な政治家であっても、政治的、経済的、社会的な敵対勢力との長期的な闘いに打ち勝つことは厳しい任務になる。

したがって皮肉なことに、弁証法の達人(the master dialectician)である習近平は、自らが作り出した弁証法的な力によって敗北する可能性がある。習近平が後20年以上持ちこたえられない限り、習近平が去った後、中国がイデオロギー的に極端になる可能性は低い。習近平のイデオロギー的プロジェクトが、現代中国における多くの個人の願望(individual aspirations)、社会規範(societal norms)、そして深い経済的利害(deep economic interests)に反していること、また、少なくともエリートたちの間で、中国が世界の多くからいかに孤立しているかという懸念が生じていることを考えれば、習近平以降の国も、中国現代史の過去の時代と同様、おそらく中央への修正(correction toward the center)を歓迎するだろう。

こうした理由から、より広い世界にとっての課題は、危機(crisis)、紛争(conflict,)、戦争(war)に頼ることなく、抑止力(deterrence)と外交(diplomacy)を組み合わせて習近平時代を効果的に乗り切ることだ。戦争は、その結果がどうでも、想像を絶する規模の死と破壊を生み出すだろう。また、中国、アメリカ、そして世界の政治と地政学を、予測不可能な方法で再定義することになるだろう。そして、世界は二度と同じようにはならないだろう。

※ケヴィン・ラッド:オーストラリア元首相・元外相。アジア・ソサエティ元会長、現在は駐米豪大使。オックスフォード大学で政治学博士号を取得。複数の著書を持ち、代表作に『避けられる戦争(The Avoidable War)』がある。ツイッターアカウント:@MrKRudd

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 2023年10月7日に、ガザ地区を実効支配しているイスラム政治・軍事組織ハマスがイスラエル側を攻撃し、約1200人が死亡し、200人以上が人質となった。イスラエルは報復として、ガザ地区に侵攻し、約4万人が死亡した。イスラエルはレバノンのイスラム武装組織ヒズボラへも攻撃を加えており、中東地域の不安定さは増している。イスラエルは、ハマスとヒズボラを支援するイランとも緊張を高めている。イランの核開発の進行状況によっては、中東地域での核戦争の可能性ということまで考えられる。イスラエルは、イラン政府中枢にまで情報提供者、スパイを配置しており(ハマスの最高幹部イスマーイール・ハニーヤ政治局長をテヘランで爆殺しており、これはイラン政府中枢に相当な確度の情報提供者がいることを示している)、イランの核開発は進んでおらず、核戦争までは進まないという判断を下している可能性もあるが、そのような危険性があるということだけでも、国際政治においては大きな要素になる。

 イスラエルのガザ地区やレバノンへの攻撃に対して、世界各国で反感が高まっている。アメリカの各キャンパスでの抗議活動の激化は、イスラエルを支え続けてきたアメリカの外交政策にも影響を及ぼすことになった(民主党のジョー・バイデン政権は弱腰と見られるような状況になった)。また、イスラエルはアメリカの意向に沿わない形で、中東地域での戦争の段階を拡大しているように見える。現在の戦時内閣を率いるベンヤミン・ネタニヤフ首相は戦争がない状態であれば、自身と家族の汚職問題で辞任を迫られ、裁判となり、有罪判決を受ける可能性が高いと言われている。戦争が続く限り、個人としては逮捕されるような心配はない。そのような極めて個人的な利益のために、戦争を利用しているとすれば言語道断だ。また、イスラエルの一種の「傲慢さ」に関して、世界各国で反感が高まっている。

 ハーヴァード大学のスティーヴン・M・ウォルト教授は、イスラエルの建国からの歴史を検討し、イスラエルの戦略的洞察力が落ちていることが、イスラエルを危険にさらしていると主張している。建国からしばらくの間のイスラエルの首脳陣は非常に慎重な行動をし、戦略的に動いていた。しかし、1967年の第三次中東戦争での大勝利から、そのような慎重さが失われていったと分析している。ウォルトは次のように書いている。

「イスラエルの戦略的洞察力(Israeli strategic acumen)の劇的な低下について説明するものは何か? 重要な要因の一つは、アメリカの保護(U.S. protection)とイスラエルの意向への服従(deference to Israel’s wishes)から来る傲慢さと免罪符の感覚(sense of hubris and impunity)である。世界最強の国が何をやっても支援してくれるのであれば、自分の行動を慎重に考える必要性は必然的に低下する。加えて、イスラエルが自らを被害者とみなし、自国の政策への反対をすべて反ユダヤ主義(antisemitism)のせいにする傾向は、イスラエルの指導者やその国民が、自らの行動がどのように敵意を引き起こしているのかを認識することを難しくしているからだ。ネタニヤフ首相がイスラエルで最も長く首相を務めていることも、問題の一因となっている。特に彼の行動は、自国にとって何が最善であるかという懸念だけでなく、私利私欲(汚職による服役を避けたいという願望)によって引き起こされている部分が大きいからだ。それに加えて、宗教右派(religious right)の影響力の増大がある」。

 私は常々、「勝利は敗北の始まりである」という考えを持っている。特に大勝利は、後の敗北につながることが多いと考えている。引用したように、イスラエルは第三次中東戦争以降に、慎重さを失い、結果として、自国の立場を悪くする選択を行っている。それが、現在の状況までつながっているということになる。傲慢さは人間にとって宿痾である。そして、成功や勝利によって浮かれてしまうのもまた人間の性(さが)である。

(貼り付けはじめ)

イスラエル戦略の危険な衰退(The Dangerous Decline in Israeli Strategy

-数十年にわたり、シオニスト・プロジェクトは自らを守るのが下手になっている。

スティーヴン・M・ウォルト筆

2024年8月16日
『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/08/16/the-dangerous-decline-in-israeli-strategy/

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イェルサレムのヘルツェル山で行われた故ゴルダ・メア元首相の国家追悼式典でスピーチするイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(2018年11月18日)

イスラエルは深刻な問題を抱えている。国民は深く分裂しており、この状況が改善する見通しはない。ガザ地区では勝ち目のない戦争に巻き込まれ、軍部には緊張の兆候が見られ、ヒズボラやイランとのより広範な戦争の可能性も残されている。イスラエル経済は大きな打撃を受けており、『タイムズ・オブ・イスラエル』紙は最近、6万もの企業が今年閉鎖される可能性があると報じた。

更に言えば、イスラエルの最近の行動は、その世界的なイメージを著しく損ない、かつては想像もできなかったような形で孤立国家(pariah state)となりつつある。2023年10月7日のハマスの残忍な攻撃の後、イスラエルは世界中から相当なそして適切な同情の声を受け、イスラエルには強い対応する権利があると広く受け入れられていた。しかし、それから10カ月以上が経過し、イスラエルはガザ地区でパレスティナ人に対する大量虐殺キャンペーンを展開し、ヨルダン川西岸地区では入植者による暴力が強まっている。国際刑事裁判所の主任検察官は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアヴ・ギャラント国防相に対し、戦争犯罪と人道に対する罪の容疑で逮捕状を申請した。国際司法裁判所は、イスラエルの行動は本質的にも意図的にも大量殺戮的であるとする予備的所見を発表し、裁判所はついに、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区、東エルサレム地区に対するイスラエルの占領と植民地化が明白な国際法違反であると宣言した。

ガザ地区で起きていることを見て、おぞましくはないにせよ、深く悩まずにいられるのは、シオニズムを擁護する最も頭の固い人たちだけだろう。イスラエルの行動に対するアメリカ国内の支持率は急激に低下しており、若いアメリカ人(多くの若いアメリカ系ユダヤ人を含む)は、イスラエルの行動に対するバイデン政権の杓子定規な対応に反対している。イスラエルの国家安全保障会議の元副議長エラン・エツィオンのこのツイートを読めば、イスラエルが自らに与えたダメージの大きさがよくわかるだろう。そして、世界有数のジェノサイド研究者である歴史家オメル・バルトフが最近イスラエルを訪問した際の記録を読めば、この問題が、いかに深刻かが分かるだろう。

これら全ての問題をネタニヤフ首相のせいにしたくなる誘惑に駆られるが、彼は確かに国内外から受けた批判に値する。しかし、全ての責任をビビ(ネタニヤフ)に押しつけることは、より深い問題、つまり、過去50年間にイスラエルの戦略的思考が徐々に損なわれていることを見落とすことになる。建国後の最初の20年間におけるイスラエルの功績と戦術的卓越性は、1967年以来のイスラエルの重要な戦略的選択がどの程度その安全保障を損なうのに役立ったかを、特に高齢者の間で曖昧にする傾向にある。

初期のシオニストとイスラエル第一世代の指導者たちは、鋭い戦略家だった。1900年当時のパレスティナにおけるユダヤ人人口はごくわずかで、1948年にイスラエルが建国された時点でもまだ少数派であったにもかかわらず、彼らはアラブ世界の真ん中にユダヤ人国家を建国するという、不可能に近いと思われたことに挑戦した。建国者たちは冷酷なまでに現実的であること(ruthlessly realistic)によって成功した。有利な機会を利用し、有能な準軍事組織(のちに一流の陸軍と空軍も)を構築し、世界の支配的な大国からの支持を勝ち取るために努力を重ねた。たとえば、ソ連も米国も1947年の国連分割計画を支持し、イスラエル建国直後に承認したことは記憶に新しい。ダヴィド・ベン=グリオンとその仲間のシオニスト指導者たちは、自分たちの最終的な目標に近づけるのであれば、少なくとも一時的には、長期的な目標に届かない取り決めも喜んで受け入れた。

国家の地位を獲得すると、新政府は執拗なハスバラ(hasbara、プロパガンダ)を通じて国際的な支持を獲得し、フランス、南アフリカ、その他いくつかの国との協力同盟を築くために熱心に取り組んだ。最も重要なことは、主に「イスラエル・ロビー(Israel lobby)」の力と影響力の増大に基づいて、アメリカとの「特別な関係(special relationship)」を確立したことである。イスラエルの初期の指導者たちは、敵対的な大国に囲まれた小国が国際的な支持を得るには慎重に計算し、多大な努力をしなければならないことを理解していた。巧妙な外交と少なからぬ欺瞞は、イスラエルが秘密裏に核兵器を開発し、イスラエル建国の残酷な現実を隠すのにも役立ったが、この事実はベニー・モリス、イラン・パッペ、アヴィ・シュライム、シンハ・フラパン、そして1980年代の他の「新しい歴史家」たちの業績によって広く知られるようになった。

完璧な政府など存在しないし、イスラエルの初期の指導者たちも時には過ちを犯した。ベン・グリオンは、1956年のスエズ危機でイギリス、フランスと結託してエジプトを攻撃し、イスラエルが軍を撤退させない可能性を示唆したときに過ちを犯した。しかし、ドワイト・アイゼンハワー政権がそのような不当な拡大を容認しないと明言すると、彼はすぐにその姿勢を捨てた。しかし、全体的に見れば、初期のシオニスト国家の戦略的洞察力(strategic acumen of the Zionist state in its early days)は、特に敵対国と比較した場合、印象的であった。

ターニングポイントとなったのは、1967年のアラブ・イスラエル戦争(第三次中東戦争)におけるイスラエルの圧勝だった。その結果は、当時見られたような奇跡的なものではなかったが(とりわけ、アメリカの諜報機関はイスラエルが容易に勝利するだろうと予測していた)、この勝利のスピードと規模は多くの人々を驚かせ、それ以来イスラエルの戦略的判断を損なう傲慢さを助長した。

思慮深いイスラエルの学者たちが繰り返し主張してきたように、主な誤りは、「大イスラエル(Greater Israel)」を創造する長期的な努力の一環として、ヨルダン川西岸地区とガザ地区を保持し、占領し、徐々に植民地化するという決定を下したことだった。ベン・グリオンとその支持者たちは、新しいユダヤ人国家内のパレスティナ人の数を最小限に抑えようとしていたが、ヨルダン川西岸地区とガザ地区を維持することは、イスラエルが、イスラエル系ユダヤ人の人口とほぼ同規模に急増しているパレスティナ人の人口を管理することを意味した。この結果、一般に「占領(occupation)」と呼ばれるように、イスラエルのユダヤ人としての性格と民主政治体制との間に避けがたい緊張関係(unavoidable tension between Israel’s Jewish character and its democratic system)が生まれた。それは、パレスティナ人の政治的権利を抑圧し、アパルトヘイト体制(apartheid system)を構築することによってのみ、ユダヤ人国家であり続けることができるということであった。イスラエルは、更なる民族浄化(ethnic cleansing)や大量虐殺(genocide)によってこの問題に対処することもできたが、どちらも人道に対する罪(crimes against humanity)であり、イスラエルの真の友であれば誰もそのようなことを支持することはできない。

大イスラエルの追求という決断の後には、すぐに別の過ちが生じた。イスラエルの指導者たち(そしてヘンリー・キッシンジャーを含むアメリカの指導者たち)は、エジプトのアンワル・サダト大統領が1967年にイスラエルが占領したシナイ半島の返還と引き換えに和平を結ぶ用意があるという兆候を見逃した。加えて、イスラエルの諜報機関は、エジプト軍がシナイ半島でイスラエル国防軍(Israeli Defense ForceIDF)に対抗するには弱すぎると誤って判断し、戦争まで進むのを思いとどまった。この誤った判断の結果が、1973年の第四次中東戦争だった。当初の挫折にもかかわらず、イスラエルは戦場では勝利を収めたが、戦後の交渉のテーブルでは勝利を収めることはできなかった。戦争の犠牲とアメリカからの圧力が相まって、イスラエルの指導者たちはシナイ半島を放棄するための真剣な交渉を始めるよう説得された。この転換は、やがてサダトの歴史的なエルサレム訪問、キャンプ・デイヴィッド合意、そしてその後のエジプト・イスラエル和平条約(当時のジミー・カーター米大統領の粘り強い巧みな仲介による)につながった。残念なことに、当時のメナヘム・ベギン首相は大イスラエルの目標に深く傾倒し、占領を終わらせようとはしなかったため、パレスティナ問題に真剣に取り組むこの有望な機会を逃してしまった。

戦略的判断が損なわれていることを示す次の明確な兆候は、1982年のイスラエルによるレバノン侵攻であった。この計画は、タカ派のアリエル・シャロン国防相の発案によるもので、レバノンに軍事侵攻すれば、レバノンでかなりの勢力をもっていたパレスティナ解放機構(Palestine Liberation OrganizationPLO)を掃討し、ベイルートに親イスラエル政権を樹立し、イスラエルにヨルダン川西岸地区での自由裁量(free hand)を与えることができるとベギン大統領を説得した。この侵攻は短期的には軍事的に成功したが、レバノン南部をイスラエル国防軍が占領することになり、それがヒズボラの創設につながった。PLOをレバノンから撤退させても、パレスティナの抵抗は止まらなかった。それどころか、1987年の第一次インティファーダへの道を開き、パレスティナ人が祖国を離れたり、イスラエルの恒久的な支配に服したりするつもりはないというもう一つの明確なサインとなった。

先見の明のあるイスラエル人は、パレスティナ問題が消えることはないと認識していたが、歴代のイスラエル政府は問題を悪化させるような行動をとり続けた。たとえば、PLOは1993年に最初のオスロ合意に調印してイスラエルの存在を受け入れたが、イスラエルの指導者がパレスティナ人に独自の国家を提供することはなかった。2000年のキャンプ・デイヴィッド・サミットでエフード・バラク首相(当時)が提示した寛大と思われる提案は、それまでのイスラエルのどの提案よりも進んでいたが、それでもパレスティナ人に実行可能な国家を与えるにはほど遠いものだった。イスラエルが提示した最善の案は、ヨルダン川西岸地区に2つか、3つの独立した非武装の州(separate and demilitarized cantons)を作り、イスラエルがその新しい州の国境、領空、水資源を完全に管理するというものだった。これでは実行可能な国家と言えず、ましてや正当なパレスティナの指導者が受け入れられるものでもなかった。シュロモ・ベン=アミ元イスラエル外相が後に、「私がパレスティナ人だったら、キャンプ・デイヴィッドを拒否していただろう」と認めたのも不思議ではない。

パレスティナ人と和平を結ぶには、イスラエルが占領地での入植地の拡大を止め、パレスティナ人と協力して、有能で効果的で合法的な政府を樹立する必要がある。ところが、イスラエルの指導者たち、とりわけシャロンとネタニヤフに率いられた政権は、その反対のことをしてきた。入植地の拡大を止めようとせず、ハマスへの支援を黙認してでもパレスティナ人を弱体化させ、分断させようとし、二国家解決(two-state solution)を達成しようとするアメリカの努力を何度も妨害した。その結果、破壊的だが決定的ではない衝突が繰り返された(2008年から2009年の「キャスト・リード」作戦[Operation Cast Lead]や2014年の「プロティクティヴ・エッジ」作戦[Operation Protective Edge]など)。しかし、こうした「草刈り(mow the grass)」の繰り返しはパレスティナの抵抗に終止符を打つことはなく、最終的には10月7日のハマスの越境攻撃という、ここ数十年でイスラエルに与えた最悪の打撃に至った。

イスラエルの戦略的近視眼(Israeli strategic myopia)の最新の例は、イランの核開発計画の制限を交渉する国際的な取り組みに対するイスラエルの熱烈な反対である。イスラエルは戦略的理由から、中東で核兵器を保有する唯一の国であり続けることを望んでおり、地域の最大の敵であるイランが核兵器を取得するのを望んでいない。したがって、アメリカと世界の他の主要国がイランに2015年の包括的共同行動計画への署名を説得したとき、ネタニヤフ首相と他のイスラエル指導者は喜び、安堵したはずだ。それはなぜか? なぜなら、イラン政府に対し、濃縮能力を削減し、濃縮ウランの備蓄を縮小し、国際原子力機関からの非常に立ち入った査察を受け入れることを要求し、それによってイランの爆弾が10年、あるいはそれ以上手に入らなくなる可能性があるからだ。イスラエルの安全保障高官の多くは賢明にもこの合意を支持したが、ネタニヤフ首相とその強硬派支持者、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(American Israel Public Affairs CommitteeAIPAC)やアメリカのイスラエル・ロビーのタカ派グループは断固として反対した。これらの強硬派は2018年に当時のドナルド・トランプ大統領に核合意から離脱するよう説得する上で重要な役割を果たしており、現在イランはこれまで以上に爆弾製造に近づいている。これほど近視眼的なイスラエル政策を想像するのは難しい。

イスラエルの戦略的洞察力(Israeli strategic acumen)の劇的な低下について説明するものは何か? 重要な要因の一つは、アメリカの保護(U.S. protection)とイスラエルの意向への服従(deference to Israel’s wishes)から来る傲慢さと免罪符の感覚(sense of hubris and impunity)である。世界最強の国が何をやっても支援してくれるのであれば、自分の行動を慎重に考える必要性は必然的に低下する。加えて、イスラエルが自らを被害者とみなし、自国の政策への反対をすべて反ユダヤ主義(antisemitism)のせいにする傾向は、イスラエルの指導者やその国民が、自らの行動がどのように敵意を引き起こしているのかを認識することを難しくしているからだ。ネタニヤフ首相がイスラエルで最も長く首相を務めていることも、問題の一因となっている。特に彼の行動は、自国にとって何が最善であるかという懸念だけでなく、私利私欲(汚職による服役を避けたいという願望)によって引き起こされている部分が大きいからだ。それに加えて、宗教右派(religious right)の影響力の増大がある。宗教右派の外交政策に対する救世主を求めるような見解は、最近『ハーレツ』の冷ややかな記事に要約されている。どの国でも、終末予言や神の介入を期待して戦略的決定を下すようになったら、要注意だ。

なぜそれが重要なのか? なぜなら、アメリカが9月11日の事件への対応で示したように、戦略的選択肢について知的に考えていない国は、自国にも他国にも大きな害を及ぼす可能性があるからだ。イスラエルの行動はイスラエル自身の長期的な展望を脅かすものであり、イスラエルの明るい未来を望む者は、その戦略的判断力の低下を特に懸念すべきである。イスラエルの復讐心に満ちた近視眼的な行動は、何十年もの間、罪のないパレスティナ人に甚大な被害を与え続け、現在もなおそうしている。不安定で思慮の浅い相手と密接に結びついていることは、アメリカにとっても深刻な問題である。時間、注意力、資源を浪費し続け、アメリカを無能かつ偽善的に見せるからだ。また、反米テロリズムの新たな波を刺激する可能性もあり、その結果もたらされるであろう損害は明らかだ。

残念なことに、この状況をどのように打開するかも明らかではない。アメリカのイスラエル支持者にできる最善のことは、民主党と共和党の双方に圧力をかけ、ユダヤ国家に厳しい愛情(tough love)を注ぎ、現在の軌道を再考させることである。もちろん、そのためにはAIPACのようなロビー団体が、イスラエルを現在の苦境に導いた自らの役割を反省する必要がある。残念ながら、それがすぐに実現する兆しはない。それどころか、イスラエルとその支持者であるアメリカは、さらに手をこまねいている(doubling down)。これは、大惨事(disaster)とまではいかなくとも、終わりのないトラブルの処方箋である。

※スティーヴン・M・ウォルト:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ハーヴァード大学ロバート・アンド・レニー・ベルファー記念国際関係論教授。Xアカウント:@stephenwalt

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 ドナルド・トランプ次期大統領は、内務長官にノースダコタ州知事ダグ・バーガムを指名した。また、エネルギー長官にクリス・ライトを指名した。また、バーガムは、第二次トランプ政権において新設される「国家エネルギー会議(National Energy Council)議長にも指名され、更には国家エネルギー会議議長の資格で国家安全保障会議(National Security Council)にも参加する。クリス・ライトは委員として国家エネルギー会議に出席する。
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ドナルド・トランプとダグ・バーガム
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クリス・ライト

 内務長官というのはあまり大した役割はなく、国立公園の管理をやっているんだろうくらいしか思われていない。しかし、今回、内務長官に指名されたバーガムは、新設の国家エネルギー会議議長となり、国家安全保障会議にも出席する。第二次トランプ政権において、国家戦略の枢要を担うということになる。普通に考えると、エネルギー長官のクリス・ライトが国家エネルギー会議の議長を務めそうなものだが(内務長官でも兼務できる)、委員として参加するとなると、大きなエネルギー戦略においては、ダグ・バーガムの方が格上となり、クリス・ライトは実行部隊の長ということになる。

 バーガムは石油業界との関係も深く、これから公共用地や国立公園内での、掘削を積極的に認可していくということになる。水圧破砕、フラッキングに関しては、水質汚染やがんの増加の原因になるという批判もあるが、国家戦略として、石油の増産を行うということになる。エネルギー価格の抑制という目的もある。エネルギー価格の抑制はインフレ抑制につながるということになり、経済対策という側面がある。

 第二次トランプ政権のエネルギーの大戦略は「エネルギー支配力(energy dominance)」という言葉になる。これは第一次政権でも言われていたことだが、エネルギー供給力を整備し、自国だけではなく、同盟諸国にも供給して、不測の事態にも備えるようにするというものだ。アメリカは石油や石炭、天然ガスを産出し、それを輸出することをこれから行おうというのがトランプ戦略だ。これらを減らしてクリーンエネルギーに代替するのではなく、どちらもやっていくということだ。その指揮を執るのがダグ・バーガムということになる。バーガムが率いる国家エネルギー会議がどのような役割を果たすかが注目される。そして、バーガムが国家安全保障会議に出席することになるというのは、トランプがバーガムの存在を重視しているということを示している。第二次トランプ政権において重要人物と言ことになるだろう。

 ここで重要になってくるのは原子力だ。トランプ大統領は今年8月に福島原発事故に言及して「3000年は人が入れない」と発言し、同席していたイーロン・マスクからは「それほどのことはない」とたしなめられた。こうして見ると、原子力に関して否定的とか思えばそうではなく、エネルギー支配力強化のためには原子力も必要という立場を第一次政権で取っていたことを考えると、原発についても活用していくということになる。

エネルギー長官のクリス・ライトは石油や天然ガスの採掘会社(水圧破砕、フラッキング)のCEOであると同時に、モジュール型原発企業の役員でもある。トランプはクリス・ライトについて、「彼は原子力、太陽熱、地熱、石油・ガスの分野で働いてきた」と述べている。トランプ政権は化石燃料である石油や石炭、天然ガスに注力する(「ひたすら掘れ!」政策)だけではなく、原子力を中心とする「クリーンエネルギー」も推進することになる。その理由がバイデン政権のような「気候変動対策」ではなく、「エネルギー支配力」のためと変わることになる。

 

(貼り付けはじめ)

ダグ・バーグマンは内務省を率いながらトランプのエネルギー専門官となる(Burgum will be Trump’s energy czar in addition to leading Interior Department

レイチェル・フラジン筆

2024年11月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/energy-environment/4993464-burgum-energy-czar-trump/

トランプ次期大統領が金曜日に発表したところによると、ノースダコタ州のダグ・バーガム知事(共和党)は、内務省を率いるだけでなく、連邦政府全体の幅広いエネルギー調整役も務めることになる。

トランプ次期大統領は声明の中で「ノースダコタ州知事のダグ・バーガムが、内務長官として、また新たに設立される非常に重要な国家エネルギー会議の議長として、私の政権に加わることを発表できて感激している」と述べた。

トランプは、この新たな会議には「あらゆる形態のアメリカン・エネルギーの許可、生産、発電、流通、規制、輸送に関わる全ての省庁と政府機関(all Departments and Agencies involved in the permitting, production, generation, distribution, regulation, transportation, of ALL forms of American Energy)」が含まれると述べた。

トランプ大統領は「この会議は、お役所仕事を削減し(cutting rede tapes)、経済の全セクターにわたる民間部門の投資を強化し(enhancing private sector investments across all sectors of the Economy)、長年の、しかしまったく不必要な規制よりも技術革新(INNOVATION over longstanding, but totally unnecessary, regulation)に焦点を当てることによって、アメリカのエネルギー支配への道を監督する」と付け加えた。

トランプは、国家エネルギー会議議長の役割でバーガムはホワイトハウス国家安全保障会議の議席も持つことになり、内務省において、バーガム「新たな『アメリカの繁栄の黄金時代(Golden Age of American Prosperity)』と世界平和を導く重要なリーダーとなるだろう」と述べた。

バーガムは、一時大統領選に立候補したが、その後トランプを支持し、降板した。彼はトランプの副大統領候補の一人だった。

トランプは過去にもバーガムのエネルギーに関する洞察力を称賛しており、今年初めには「私が知っている誰よりもエネルギーに詳しいだろう」と語っている。

バーガムはノースダコタ州知事として、主要な化石燃料生産州の指揮を執っていた。ノースダコタ州の石油生産量は全米第3位、石炭生産量は第7位だ。

州を率いるバーガムは、ネット・ゼロ・エミッションを達成したいと述べた。しかし彼は、地球を温暖化させる化石燃料の使用を削減することではなく、炭素回収技術(carbon capture technology)を使って排出量を削減し、相殺することで達成できると述べた。

この新たな技術は、汚染工場の排出量削減に役立つ可能性があるが、批評家たちは実際に約束した排出量削減を達成できるか疑問を呈しており、貯蔵のために炭素を輸送するパイプラインの安全性について懸念を引き起こしている。

CNBCは今年初め、バーガムが石油会社コンチネンタル・リソーシズに農地を賃貸し、2022年以降5万ドルのロイヤルティを徴収していると報じた。コンチネンタルの会長は、トランプの盟友で大口献金者のハロルド・ハムだ。

バーガムは、トランプ大統領に任命された多くの人物と同様、口止め料裁判中、次期大統領を声高に擁護してきた。

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トランプから内務長官とエネルギー専門官に指名されたダグ・バーガムについて知っておくべきこと(What to know about Doug Burgum, Trump’s pick to lead Interior Department and as energy czar

レイチェル・フラジン筆

2024年11月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/energy-environment/4992955-burgum-interior-department-nomination-trump/

ドナルド・トランプ次期大統領は、国の公有地と公共用水を管理する内務省のトップにノースダコタ州のダグ・バーガム知事(共和党)を指名した。

トランプ大統領は金曜日、バーガムがエネルギーの「許可、生産、発電、流通、規制、輸送(permitting, production, generation, distribution, regulation [and] transportation)」を担当する新設の「国家エネルギー会議(national energy council)」を率いることになるとも述べた。

彼について知っておくべき7つのポイントを以下に挙げていく。

(1)バーガムはトランプの公約である「ひたすら掘れ」を実行することが職務として任される(He’ll be tasked with carrying out Trump’s promise to ‘drill baby drill’

人事承認されれば、バーガムは陸上と海上の掘削をポートフォリオに含む政府機関を監督することになる。

トランプ大統領が頻繁に主張してきた「ひたすら掘れ」という選挙公約と、バーガム自身の「アメリカのエネルギー支配力を解き放つ(unleashing American energy dominance)」という公約から考えて、公有地や海洋での掘削の機会はさらに多く開かれる可能性が高いが、それを行うかどうかは民間企業次第ということになる。各企業がそれらのチャンスを掴みたいと思っているかどうかだ。

バーガムは、全米で3番目に石油生産量が多く、7番目に石炭生産量が多いノースダコタ州の出身であり、内務省での職務においても、これらのエネルギー源を擁護することが期待されている。

『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、大統領選挙期間中、バーガムはトランプと選挙資金を提供することを望む石油関連の億万長者たちとの連絡役も務めた。

バーガム自身も石油・ガス生産分野から利益を得ていると言われている。CNBCは今年初め、バーガムが石油会社コンチネンタル・リソーシズに農地を賃貸し、2022年以来5万ドルのロイヤルティを受け取っていると報じた。コンチネンタル社の会長は、トランプ大統領の盟友で大口献金者のハロルド・ハムだ。

(2)バーガムは気候変動対策を支持しているが、化石燃料の使用は減らしていない(He supports climate action — but not reducing the use of fossil fuels

バーガムはノースダコタ州知事として、2021年にノースダコタ州が2030年までに実質排出量ゼロを達成するという目標を設定した。これは共和党優勢州の共和党指導者としては異例の措置だ。

しかし、この目標を達成するための彼の計画には、気候変動の主な原因である化石燃料からの脱却は含まれていなかった。

その代わりにバーガムは、地球温暖化の原因となる排出ガスの大気中への流入を防ぐことができる炭素回収・貯留技術を利用して、ノースダコタ州からの排出量を削減または相殺したいと述べた。

石油・ガス産業は、化石燃料の採掘と燃焼を続けながら排出量を削減する方法として炭素回収(carbon capture)を宣伝しており、この技術は多くの共和党員たちに受け入れられ、ジョー・バイデン政権からも財政支援を受けている。

しかし、炭素回収は現在、電力部門で広く採用されている訳ではなく、環境保護運動の一部では懐疑的な見方がある。約束した排出削減を実際に実現できるのかを疑問視し、回収した炭素を輸送するためのパイプライン・インフラに関する安全性に懸念を抱いている。

(3)トランプの副大統領候補として考慮されていた(He was under consideration to be Trump’s vice presidential pick

バーガムは今回の大統領選挙で、共和党の指名獲得を目指して自ら立候補したが、昨年末に選挙戦から撤退した。 その後、彼はトランプを支持し、選挙運動のイヴェントに一緒に登場するようになった。

最終的にオハイオ州選出のJDヴァンス連邦上院議員(共和党)にその座が移るまで、彼はトランプ大統領の副大統領候補の候補者リストに入っていた。

ヴァンスと同様、バーガムも口止め料裁判の最中、ニューヨークに行ってトランプを支援した。彼は後に、トランプが2016年の選挙運動中の不倫疑惑を隠すためのビジネス記録の改ざんをめぐり、34件の重罪で有罪判決を受けたことについて、「私を躊躇させるものではない。ニューヨークでドナルド・トランプの公正な裁判を受けるのは非常に難しい 」と語った。

(4)彼はテクノロジー企業と金融企業の幹部を務めた経験を持つ(He’s a former tech and finance executive

政界入りする前、バーガムはテクノロジーの世界で名声と富を築いた。グレート・プレインズ・ソフトウェア社を率いたが、この会社は最終的にマイクロソフトに買収された。

その後、マイクロソフトの上級副社長を務め、グローバル・ビジネス・アプリケーション・ソフトウェアに携わった。

また、不動産開発会社やソフトウェア企業に投資するヴェンチャーキャピタル会社も設立した。

(5)アメリカ西部の広大な地域を監督することになる(He’s poised to oversee large swaths of the West

内務省の任務は化石燃料だけではない。内務省は数百万エーカーにおよぶ連邦所有地を管轄しており、その大部分はアメリカ西部に位置している。

内務省はそれらの土地をどのように管理するかについての決定を下す。これには、そこでエネルギーを生産すべきかどうかだけでなく、狩猟や家畜の放牧などの他の活動を行うべきかどうかについての決定も含まれる。内務省は、海洋エネルギーと保全だけでなく、国立公園や記念碑も担当している。

内務省には加えて、魚類野生生物局が含まれており、種とその生息地を開発から保護するかどうかを決定する。そして、全国のネイティヴ・アメリカン部族コミュニティと連携するインディアン問題局が置かれている。

(6)トランプが行っている人事で最も議論が起きない起用(He’s one of Trump’s least controversial nominees

バーガムは比較的議論の余地のない人選になると見られている。

トランプ大統領がバーガムを指名することが明らかになる数日前、トランプはマット・ゲイツ前連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)、トゥルシー・ギャバード元連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党[離党])、ロバート・F・ケネディ・Jr.元下院議員(ハワイ州選出)など、極論的な人物を起用すると発表した。

バーガムには、トランプ大統領の他の候補者を悩ませたような国民的知名度や、扇動的な発言やスキャンダルの歴史もない。

それにもかかわらず、いくつかの主流派や左派の環境保護団体は、バーガムは環境に害を及ぼす可能性が高いとして、彼の指名に反対を表明している。

生物多様性センターのキアラン・サックリング事務局長は次のように述べている。「バーガムは、化石燃料産業の利益のために公有地と絶滅の危機に瀕した野生生物を犠牲にする悲惨な内務長官になるだろう。バーガムは、自然遺産を大切にし、公園や野生生物保護区などの特別な場所が切り刻まれ、破壊されることを望まない圧倒的多数のアメリカ人とはまったく無縁の暴君だ」。

しかしながら、別の環境保護団体である全米野生生物連合はもっと楽観的だった。

全米野生生物連合の会長兼CEOコリン・オマラは文書で声明を発表し、その中で次のように書いている。「ダグ・バーガム知事は、科学的根拠に基づいた野生生物の管理、野生生物の生息地の保護、アウトドア・レクリエーション経済の促進、そして常識的な炭素管理と適切な場所に設置されたクリーンエネルギーによる汚染削減を、しばしば強力に支持してきた」。

オマラは更に「私たちは、彼がこれらの経験を内務省で発揮し、人々と野生生物が同様に必要としている、バランスのとれた、先見の明のあるリーダーシップを発揮してくれることを期待している」と述べている

(7)彼はまた、新設の国家エネルギー会議の責任者でもある(He’ll also be in charge of a brand new energy council

トランプ大統領は金曜の午後、内務省を率いることに加えて、バーガムが新設の「国家エネルギー会議(National Energy Council)」を率いることを発表した。

トランプ大統領は、この新設の会議を「アメリカのあらゆるエネルギーの許可、生産、発電、流通、規制、輸送に関わる全ての省庁(all Departments and Agencies involved in the permitting, production, generation, distribution, regulation, transportation, of ALL forms of American Energy)」で構成されると説明した。

トランプは、この会議はお役所仕事を削減し(cutting red tape)、民間部門の投資を「強化(enhancing)」し、規制よりも技術革新(innovation rather than regulation)に焦点を当てることを任務とすると付け加えた。

さらに、バーガムはホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーにもなる。

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ドナルド・トランプがエネルギー長官に採掘企業CEOのクリス・ライトを起用(Trump taps fracking CEO Chris Wright for Energy secretary

ブレット・サミュエルズ筆

2024年11月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/newsletters/energy-environment/4996800-trump-taps-fracking-ceo-chris-wright-for-energy-secretary/

ドナルド・トランプ次期大統領は土曜日、大口献金者であり、採掘会社のCEOでもあるクリス・ライトをエネルギー長官に指名すると発表した。

トランプは声明の中で次のように述べている。「クリスはエネルギー分野をリードする科学技術者(technologist)であり、起業家でもある。彼は原子力、太陽熱、地熱、石油・ガスの分野で働いてきた。最も重要なことは、クリスはアメリカのエネルギー独立(American Energy Independence)を促進し、世界のエネルギー市場と地政学(Global Energy Markets and Geopolitics)を変革したアメリカのシェールガス革命(American Shale Revolution)の立ち上げを支援した先駆者の一人であるということだ」。

トランプの大口献金者であるライトは、採掘・油田サーヴィス会社リバティ・エナジー社のCEOである。ライトがエネルギー省を率いるには連邦上院による人事承認が必要だ。

その役割に加え、トランプ大統領は、ライトが内務長官に指名したダグ・バーガムが率いる新設の国家エネルギー会議(Council of National Energy)のメンバーも務めると述べた。

この会議では、規制の削減(cutting regulations)と、石油・ガス生産を拡大するための投資の増加(increasing investments to ramp up oil and gas production)に焦点を当てる。トランプ大統領は、バイデン政権下でアメリカが石油生産量の記録を更新したが、自身の大統領就任と同時に掘削の更なる増加を公約に掲げ、採掘業界への支持を表明している。

エネルギー省は石油とガスの生産と輸出、そして国家の核兵器プログラムを監督している。

水圧破砕(hydraulic fracturing)の略称であるフラッキング(fracking)は、「シェールガス革命(shale revolution)」のきっかけとなった石油とガスの抽出技術(extraction technique)で、企業のエネルギー生産の可能性を大幅に高め、アメリカを世界最大の石油とガスの生産国にすることに貢献した。

しかし、この技術は、石油やガスが気候変動の原因になっている、更には、フラッキングが地震や小児がんと関連していることから、議論を引き起こしている。

トランプ大統領の支持者であり、献金者でもあるハロルド・ハムは最近、『ハート・エナジー』誌に対し、ライトがエネルギー長官の最有力候補だったと述べた。

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トランプ大統領が次期エネルギー省長官に水圧破砕会社CEOのクリス・ライトを指名(Trump picks fracking company CEO Chris Wright as next Department of Energy secretary

エラ・ニルセン筆

2024年11月16日

CNN

https://edition.cnn.com/2024/11/16/politics/chris-wright-energy-secretary-trump/index.html

ドナルド・トランプ次期大統領は土曜日、エネルギー省の次期長官に、デンヴァーを拠点とする採掘会社リバティ・エナジーCEOのクリス・ライトを指名した。

ライトは、トランプがエネルギーの「許認可、生産、発電、流通、規制、輸送(permitting, production, generation, distribution, regulation, transportation)」に関わる全ての機関で構成されると述べた、新しく設立される国家エネルギー会議(Council of National Energy)のメンバーも務めることになる。トランプ大統領が内務長官に指名したノースダコタ州知事ダグ・バーガムが国家エネルギー会議委員長を務めることになる。

トランプは土曜日に発表した声明の中で次のように述べている。「クリスはエネルギー分野をリードする科学技術者(technologist)であり、起業家でもある。彼は原子力、太陽熱、地熱、石油・ガスの分野で働いてきた。最も重要なことは、クリスはアメリカのエネルギー独立(American Energy Independence)を促進し、世界のエネルギー市場と地政学(Global Energy Markets and Geopolitics)を変革したアメリカのシェールガス革命(American Shale Revolution)の立ち上げを支援した先駆者の1人であるということだ」。

ライトは、石油と天然ガスの水圧破砕に関する自社の取り組みに加えて、モジュール式原子炉会社の取締役も務めており、原子力エネルギーの可能性についても語っている。原子力エネルギーの開発はバイデン政権のエネルギー省の大きな焦点となっている。エネルギー省には、核備蓄を管理する半独立機関である国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration)も置かれている。

オクラホマ州を拠点とする水圧破砕で成功した億万長者で、選挙期間中にトランプ大統領に助言をしてきたハロルド・ハムは月曜、業界紙『ハート・エナジー』紙に対し、ライトがエネルギー長官の最有力候補であり、ライトを「本当に、本当に頭が切れる人物」だと述べた。

ライトは化石燃料の燃焼と気候変動との関連性を認めているが、気候変動が異常気象の悪化と関連していることには疑問を表明している。彼はまた、公開インタヴューで化石燃料の断固たる支持者でもあり、発展途上国を貧困から救い出すには化石燃料が必要であると述べた。

ライトは2023年のインタヴューでCNBCに対し、「世界は石油とガスで動いており、それが必要だ」と語り、10年以内に化石燃料から移行するという呼びかけは「馬鹿げた時間枠(absurd time frame)」だと述べた。

2021年、国際エネルギー機関(IEA)は、地球温暖化による最悪の影響を世界が食い止めるためには、新たな化石燃料の開発は承認されるべきではないと述べた。それ以来、ジョー・バイデン大統領下のアメリカを含む多くの国が新たなプロジェクトを承認した。

ライトはCNBCに対し、「新しいエネルギーシステムを構築する前に、今日のエネルギーシステムの邪魔になることには何の利点もない。今後30年間、私たちの炭化水素システムに意味のある変化が見られるとは思えない」と語った。

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 第二次トランプ政権の顔ぶれでサプライズ人事となったのはピート・ヘグセスの国防長官指名だ。ヘグセスは、軍歴はあるが、これまで政府で仕事をしたことがない。2003年に名門プリンストン大学を卒業後、軍隊に入り、イラクとアフガニスタンに派遣された経験を持つ。2014年からはフォックス・ニューズの司会者として活躍していた。国防長官にはこれまで、連邦議員やアメリカ軍の最高幹部の出身者が多く起用されてきたこともあり、ヘグセスの抜擢は驚きをもって迎えられた。
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ピート・ヘグセス

ヘグセスはオバマ政権下で解禁となった、女性の戦闘行為への参加やエリート部隊(陸軍であればグリーンベレー、海軍であればネイヴィーシールズ)の参加を再び禁止することを主張している。また、軍の多様性などを進めているとして、アメリカ軍制服組の最高地位にあるCQ・ブラウン統合参謀本部議長や、他の将軍たちの解任を主張している。佐藤優先生との対談『世界覇権国交代劇の真相』の中でも触れたが、共和党側の人々は、「多様性、公平性、包摂性(diversity, equity and inclusionDEI)」(この言葉は覚えておいて損はない)「意識高い系(woke)」という言葉を使って、行き過ぎた平等や多様性の追求を批判している。ヘグセスはしがらみがない中で、アメリカ軍の「リベラル化」を阻止しようとするだろう。
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クリスティ・ノーム

 国土安全保障長官に指名されたのは、サウスダコタ州知事クリスティ・ノームだ。ノームは今回の大統領選挙で、トランプの副大統領候補として名前が挙がっていたが、自伝の中で、「しつけの出来ない」犬を殺処分したことを告白したことで、批判が集まり、副大統領候補への起用は見送られた。しかし、トランプ政権ができれば入閣するだろうと見られていた。今回、トランプ政権にとって重要政策である国境問題も担当する国土安全保障長官に起用された。ノーム自身が不法移民に対して厳しい姿勢を取ることで知られ、それから全国的な知名度を上げていった。第二次トランプ政権では、「国境専門官(border czar)」であるトム・ホーマン、政策担当大統領次席補佐官スティーヴン・ミラーと協力して、不法移民壮観に取り組むことになる。不法移民対策は治安対策や麻薬対策の一環として捉えられている。更には、対テロ対策という側面も強調されることだろう。ノームはサウスダコタ州の州議会議員や州知事を務めた経験しかなく、国政や中央政府での経験はない。

 今回、ヘグセスが国防長官、ノームが国土安全保障長官に指名されたが、両者ともに中央政府との「しがらみ」がない「アマチュア(素人)」である。組織内の人事改革や風土改革を行うための人事ということになる。かなりの抵抗も予想されることから、こうした人々がどれだけ在任できるかが注目される。
 更に言えば、ヘグセスとノームの起用は、「世界各地に展開・駐留しているアメリカ軍の一部をアメリカ国内に帰国させる。帰国したアメリカ軍部隊は国境警備と不法移民の大規模な強制送還業務に従事する」という目論見があるのではないかと考えている。トランプの「アメリカ・ファースト」「アイソレイショニズム」は国内問題解決を優先する。そして、トランプの発言で「NATO離脱」というものがある。「NATO離脱」とはヨーロッパに駐留させているアメリカ軍を転進もしくは撤退させるということだ。一部をアメリカ国内に戻し、国境警備に当たらせるというのは荒唐無稽な話ではない。ノーム知事として、サウスダコタ州兵を南部国境に送ったことがある。「アメリカ・ファースト」を敷衍すると、アメリカ軍の南部国境への展開ということは十分に考えられる。トランプ大統領はアメリカに立て籠もるという大戦力を採用しようとしている。

(貼り付けはじめ)

トランプが国防長官に指名したピート・ヘグセスについて知っておくべき5つのポイント(5 things to know about Pete Hegseth, Trump’s Pentagon nominee

アシュレイ・フィールズ筆

2024年11月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/defense/4988962-fox-news-host-nominated-defense-secretary/

ドナルド・トランプ次期大統領は、フォックス・ニューズの司会者ピート・ヘグセスを国防長官に指名する意向を表明し、常識外れの選択をした。

これは驚くべき選択で、早くも波紋を呼んでいる。それは、国防総省を率いるなら、もっと経験豊富な候補者が選ばれると多くの人が予想していたからだ。

ヘグセスは、軍における 「意識の高さ(wokeness)」に激しく反対しており、戦闘任務に女性がつくことの禁止や、統合参謀本部議長CQ・ブラウン将軍を解任することを提案している。

連邦上院で人事承認されれば、ヘグセスは1月にバイデン大統領とともに退任するロイド・オースティン国防長官の後任となる。

彼の指名について知っておくべきポイントは以下の通りだ。

(1)軍務と退役軍人擁護の記録(Record of military service and veterans’ advocacy

ヘグセスは2002年から2021年まで陸軍州兵の歩兵将校だった。陸軍州兵の記録によると、2003年にプリンストン大学を卒業後、2004年から2005年までグアンタナモ湾、2005年から2006年までイラク、2011年から2012年までアフガニスタンに派遣された。

彼の軍務に対して与えられた褒章は、ブロンズスター勲章2個、陸軍栄誉勲章2個、銅功星付き国土防衛従軍勲章、熟練歩兵および戦闘歩兵のバッジがある。

ヘグセスはまた、非営利団体「ヴェッツ・フォ・フリーダム(Vets for Freedom)」の上級部長や、退役軍人ケアの民営化を提唱する、コーク兄弟が支援する保守派退役軍人擁護団体「コンサーンド・ヴェテランズ・フォ・アメリカ(Concerned Veterans for America)」のCEOも務めた。

ヘグセスは一度も政府で仕事をしたことがない。彼は2012年にミネソタ州選出の連邦上院議員選挙に立候補したが落選し、トランプ第一次政権の退役軍人長官のポスト就任を検討された。

(2)長きにわたってフォックス・ニューズの司会者を務めてきた(Longtime Fox News personality

ヘグセスは、2014年にフォックス・ニューズの常連出演者として加わり、過去10年間の大部分で「フォックス&フレンズ」週末版の共同司会者を務めてきた。

ヘグセスはフォックス・ニューズで定期的にトランプ大統領と対談し、軍における「意識の高さ(wokeness)」や多様性(diversity)への取り組みに対して激しい怒りを表してきた。

ヘグセスはまた、フォックス・ニューズの大晦日生中継番組「パトリオット・アワード」の司会も務め、フォックスの出版社から複数の本を出している。

ヘグセスはフォックス・ニューズに入社して間もなく、放送中に斧を投げつけ、陸軍士官学校(ウェストポイント)のヘルキャッツ・フィールドバンド(マーチングバンド)のドラマーであるジェフ・プロスペリーにそれが当たって負傷させた。

プロスペリーは2015年の事件について、「お粗末な判断、明らかな過失、起こるべきでなかった、避けられたはずだ。射撃や投擲をするときは、常に的の後ろに何があるのかを知ることだ。それが基本的な安全ルールだ」と述べた。

米陸軍曹長であるプロスペリーはヘグセスを訴えたと報じられているが、彼の弁護士は今週AP通信に対し、この問題は法廷外で決着がついたと語った。

(3)戦闘任務に女性がつくことの禁止を支持(Backs banning women from combat roles

ヘグセスは、今月ポッドキャスト「ショーン・ライアン・ショー」に出演した際、女性が戦闘任務に就くことを禁止されるべきだと述べた。

ヘグセスは「私はただ率直に、女性を戦闘任務に就けるべきではないと言っている。女性を戦闘に参加させることで、より効果的になる訳でも、より強力になる訳でも、戦闘がより複雑になる訳でもない」と述べた。

ヘグセスは続けて「私たちは皆、女性と一緒に任務に就いてきたし、彼女たちは素晴らしい。ただ、人類の歴史を見て、そのようなポジションにある男性の方がより有能であるような場所で、私たちの制度がそのようなインセンティブを与える必要がないだけだ」と述べた。

ヘグセスは「男女が一緒に兵役につくということは、状況をより複雑にする。戦闘が複雑になるということは、死傷者が増えるということだ」とポッドキャストで付け加えて述べた。

オバマ政権は女性戦闘員の禁止を全面的に解除し、陸軍レンジャー部隊や海軍特殊部隊ネイヴィーシールズを含む軍隊のほぼあらゆる役割に女性が就くことを事実上認めた。

(4)統合参謀本部議長と「意識の高い」将軍たちの解任を求める(Wants to fire Joint Chiefs Chair and ‘woke’ generals

また、ショーン・ライアンとのインタヴューの中で、ヘグセスはCQ・ブラウン統合参謀本部議長や他の「意識の高い(woke)」将軍たちを「解任(fire)」する提案について概説した。

「最初に、統合参謀本部議長を解任しなければならない」と彼は述べた。

ヘグセスは、「多様性、公平性、包摂性(diversity, equity and inclusionDEI)」の取り組みについて触れ、「将軍でも提督でも、DEIの意識の高さに関与していた者は誰であれ、辞めなければならない。DEIとの戦争に参加するか、しないか、それで終わりだ。それが、私たちが気にする唯一のリトマス試験紙となる」と述べた。

ブラウンは昨年、マーク・ミリー前統合参謀本部議長の後任としてバイデン大統領によって任命された。通常であれば4年の任期がある。

トランプ大統領はブラウンを解任すると明言していないが、トランプの当選により国防総省内でその可能性についての不安が高まっている。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が火曜日に報じたところによると、トランプの政権移行ティームは、署名されれば軍幹部の解雇を早める大統領令に取り組んでいる。

(5)トランプに対して戦争犯罪人たちの恩赦を求めてロビー活動を行った(Lobbied Trump for war crimes pardons

AP通信によると、ヘグセスは2019年に戦争犯罪で告発された複数の軍人を恩赦するようトランプに働きかけた。

フォックス・ニューズの司会者であるヘグセスは、自身の番組で恩赦を働きかけ、投獄された元軍人の親族にインタヴューした。

恩赦を受けた者の中には、アフガニスタンの爆弾製造者と疑われる人物を殺害した罪で裁判を受けることになっている元アメリカ陸軍コマンドと、3人のアフガニスタン人に発砲するよう部下に命じ、2人を殺害した罪で殺人の有罪判決を受けた元陸軍中尉が含まれている。

アメリカ自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)はこの決定を声高に批判し、恩赦は「軍事司法制度を妨害するものだ」と警告した。

ACLUのスタッフ弁護士ヌール・ザファルは「トランプ大統領の介入は、被害者や生存者の生命、法の支配、軍事司法制度を無慈悲にも軽視している」と述べた。

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ドナルド・トランプは国土安全保障長官にクリスティ・ノームを指名(Trump to nominate Kristi Noem to lead Homeland Security

レベッカ・ベイッチ筆

2024年11月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/4985664-donald-trump-kristi-noem-homeland-security/

ドナルド・トランプ次期大統領は水曜日、サウスダコタ州知事クリスティ・ノーム(共和党)を国土安全保障省(Department of Homeland SecurityDHS)を率いる長官に選ぶと発表した。

この件に詳しいある関係者は火曜日の早い段階で、本誌に対してこのニューズの信ぴょう性を認めた。トランプはその日の遅くに声明の中で公式に認めた。

トランプは声明の中で次のように述べている。「クリスティは国境の安全保障について強い立場を取ってきた。彼女は“国境専門官(border czar)”であるトム・ホーマンと緊密に協力して職務を遂行し、アメリカの国土を私たちの敵たちから守り、安全にすることを確実に遂行するだろう」。

ノーム知事は以前、トランプ大統領の副大統領候補として名前が挙がっていたが、「しつけのできない(untrainable)」犬を殺してしまったという内容を自伝の中で発表したことで、その検討は頓挫した。

その代わり、ノーム知事は、テロの脅威からアメリカを守り、国境を守り、米移民法の施行を任務とする広大な政府機関を率いるよう抜擢された。トランプ大統領はまた、国土安全保障省に「アメリカ史上最大規模の国外追放作戦(largest deportation operation in American history)」を実行するよう命じた。

ノームの指名は、移民政策で強硬路線を取るというトランプ大統領の意向を示す最新の兆候であり、トランプ大統領はアメリカ史上最大の強制送還を行うとしている。

ノームが人事承認されれば、トランプが政策担当次席補佐官に抜擢したスティーヴン・ミラーと緊密に連携することになる。ミラーは、第一次トランプ政権でにおいて、最も厳しい移民政策の多くの形成に貢献した。

トランプ大統領はまた、トム・ホーマンを自身の「国境専門官」に選び、第一次トランプ政権下で早期に児童分離を提唱していた人物を再び歓迎し、トランプ政権の次期移民計画について議論する中で、最近「家族は一緒に国外追放できる(families can be deported together)」と発言した。

ノーム氏には国家安全保障分野での経験はほとんどないが、サウスダコタ州兵をアメリカ・メキシコ国境に派遣し、移民問題では声を上げてきた。

ノームはバイデン大統領が就任した直後の2021年、ソーシャル・プラットフォーム「X」に「サウスダコタ州は、バイデン政権が移転させたい不法移民を受け入れるつもりはない。不法移民へのメッセージ、それは、アメリカ人になったら電話をして欲しい、ということだ」と書いた。

彼女はまた、連邦議員在職中にトランプのイスラム教徒渡航禁止令を支持し、「テロ支配地域からの難民(refugees from terrorist-held areas)」の受け入れを一時停止することを支持した。

ノームは2017年、「難民、特にテロの温床地域からの難民を審査する能力について大統領の懸念を共有する。少なくとも政権がそれを認定するまでは、テロリスト支配地域からの難民の受け入れを一時停止することを支持する。もちろん、亡命希望者はアメリカにとって安全上の脅威ではない」と述べた。

ノームは第一次トランプ政権で、内務長官の候補者としても名前が挙がっていた。

ノームはこの時に「私はサウスダコタ州知事であることを愛しているし、トランプ大統領は、私ができる限り彼を助けることを知っている」と語った。

ノームはトランプの選挙運動に定期的に参加して登壇してきた。その中には、参加者に複数の医療緊急事態が発生したため、音楽鑑賞セッションとなったあるイヴェントも含まれている。

国土安全保障省は公共の安全にかかわる政府機関をいくつも抱えている。移民に関する任務以外にも、シークレットサーヴィス(Secret Service)、運輸保安庁(Transportation Security Agency)、米連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)が国土安全保障省に属している。

国土安全保障省にはサイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)も属している。この政府機関は各企業がサイバー攻撃を受けること、物理的な社会資本に対する攻撃を防ぐように支援することを任務としている。

本誌はトランプ選対にコメントを求めた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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