古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

2025年05月

 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに行きます。
 

 2025年1月20日に第2次ドナルド・トランプ政権が発足し、イーロン・マスクが率いる政府効率化省(Department of Government EfficiencyDOGE)が各政府機関の調査を行った。「急襲(blitzkriegblitz)」という言葉がぴったりだった。政府効率化省は、米国国際開発庁をはじめとするいくつかの政府機関の閉鎖と人員削減、予算削減を行おうとしているが、目標の予算の2兆ドル(約290兆円)の削減(連邦政府の予算は約7兆ドル[約1020兆円])まではまだまだ遠い道のりだ。現在、連邦議会ではトランプ大統領肝いりの予算案が共和党内部の意見対立もあり、連邦下院でだいぶ修正されており、連邦上院での更なる修正も行われる。予算案については、イーロン・マスクは「失望」しており、更に、もうすぐでトランプ政権から去る(自身のビジネスに専念するため)ことになっている。マスクとトランプは最後には意見の対立があり、イーロンが静かに政権を去るということになりそうだ。関連の記事を以下に貼り付ける。

(貼り付けはじめ)
●マスク氏、減税法案に「失望」表明 トランプ氏と意見対立鮮明に

日本経済新聞 2025529

【ワシントン=高見浩輔】米政府効率化省(DOGE)を実質的に率いる起業家のイーロン・マスク氏が、連邦議会下院が可決したトランプ減税の延長法案を批判した。米CBSテレビが5月28日、インタビューの一部を明らかにした。同法案を推進するトランプ米大統領との意見対立が鮮明になっている。

■マスク氏、「DOGEの取り組み損なう」

マスク氏は「財政赤字を削減するどころか、さらに拡大し、DOGE チームが行っている取り組みを損なうような巨額の歳出法案には率直に言って失望した」と話した。超党派組織の責任ある連邦予算委員会(CRFB)は大型法案によって政府債務が2034会計年度までの10年間に3.1兆ドル(約450兆円)膨らむと試算している。225年末に期限を迎える個人所得減税の恒久化やチップ収入や残業代への免税措置を盛り込んだ一方、歳出削減を巡っては低所得層向けの支援策をどこまで削るか調整が難航した。防衛や国境警備には増強には2000億ドルを超える額が新たに積み増された。

多くの公約を詰め込んだ法案は「1つの大きく美しい法案」と名付けられ、トランプ氏は可決後に「我が国の歴史上最も重要な立法措置の一つ」と称賛した。これに対し、マスク氏はインタビューで「法案は大きいか美しいかのどちらかだ」と皮肉った。

マスク氏は政治活動への批判が経営する米テスラの不買運動に発展したことを受け、政権から距離を置くと表明済みだ。5月20日には政治献金も今後は大幅に減らす考えを明らかにした。

■政権から距離、批判も控えめか

今回の批判も下院が5月22日に法案を可決して1週間が経過した後に発信された。マスク氏は、政権交代前の202412月、議会の与野党指導部が合意した「つなぎ法案」を直後にSNSへの大量投稿で批判して、撤回させた。当時と比べて発言は控えめだ。

DOGEが進めた連邦政府職員のリストラは、多くの訴訟に発展するなど強引さが批判されてきたが、財政規律の回復を求めるマスク氏の主張は政権発足前から一貫している。

共和内には、低所得層向けの公的医療保険といった歳出を大幅に削減すれば、2026年の中間選挙で逆風になると慎重な声が根強い。

財政改善を求める保守強硬派と大幅な歳出削減に反対する穏健派との綱引きのなかで、トランプ氏も調整に加わりお互いに妥協点を見いだしたのが今回の大型法案だ。議会の共和党指導部は上院での修正を経て7月の成立を目指している。
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●「イーロン・マスク氏、政権去る 歳出削減果たせず―米」

時事通信 外信部202505292031分配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025052900798&g=int#goog_rewarded

 【ワシントン時事】トランプ米大統領に近い実業家イーロン・マスク氏は28日、X(旧ツイッター)に「特別政府職員としての予定された任期が終了する」と投稿し、トランプ政権を去る意向を明らかにした。行政の無駄を省く新組織「政府効率化省(DOGE)」を率い、政府部門縮小の旗振り役を担ったが、強引な手法に反発は大きく、歳出削減を果たせないまま退場となった。

 大口献金者としてトランプ氏の信頼を勝ち得たマスク氏は、政権内外で権勢を振るった。世界最大の援助機関だった米国際開発局(USAID)を「犯罪組織だ」と決め付け、政府縮小の「先輩」であるアルゼンチンのミレイ大統領から贈られたチェーンソーを集会で振り回すなど、過激な言動で耳目を集め続けた。

 しかし、DOGEが音頭を取った政府職員の大量解雇や一部政府機関の解体は混乱を招き、野党民主党や労組は「マスクこそ切れ」「影の大統領だ」と批判。内部対立を辞さないやり方を巡っては、ルビオ国務長官やベセント財務長官ら重要閣僚との確執も報じられた。

 批判の高まりを背景に、マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務め、本人の富の「源泉」でもあった米電気自動車(EV)大手テスラは急激な販売不振に見舞われた。マスク氏は4月、「テスラにより多くの時間を割く」と表明することを余儀なくされた。

 トランプ政権は「歳入より歳出が問題だ」(ベセント氏)とし、歳出削減を掲げるが、トランプ氏肝煎りの大型減税関連法案ではかえって財政赤字が大きく増える見通し。与党共和党の財政規律派からは「DOGEが暴露した無駄の削減を実現する必要がある」(上院議員)との声が上がる。

 マスク氏が米テレビに対し、「赤字を増やす大規模な支出法案には失望している」と発言したことが27日伝わると、ボート行政管理予算局(OMB)長官はDOGEが示した削減案を含めた減額修正予算の提案を「来週にも行う」と表明した。トランプ政権が「小さな政府」を志向する限り、マスク氏の隠然とした影響力は残りそうだ。

(貼り付け終わり)

蒸気の記事で重要なのは、「低所得層向けの支援策をどこまで削るか調整が難航した」という部分だ。トランプ政権はポピュリズム政権であり、アメリカ国民の連邦政府やワシントン政治に対する不信感から生まれた政権だ。トランプ政権の支持基盤は、貧しい白人労働者だ。彼らはしかしながら、政府からの福祉に頼っている面もある。共和党内の財政規律派は、こうした貧しい人々向けの支援策を削りたい(その裏には富裕層への減税をしたいという考えがある、共和党は金持ちの党であるというアイデンティティは残っている)ということになる。トランプは、法案を支持しているが、イーロンとしてはそんなことをして良いのか、それならまず政府の無駄を削減する方が先だということになっているのだろう。

 更に、下記論稿にあるように、イーロン・マスクの突破力をホワイトハウスの行政管理予算局(Office of Management and BudgetOMB)のラッセル・ヴォート局長は利用してきた。下記論稿には次のように書かれている。「振り返ってみると、連邦政府の官僚機構に対する統制強化こそがDOGEの真の目的で、コスト削減は副次的なものだということは明らかだ。ヴォートは常に連邦政府の官僚機構を統制することを目標としていた。マスクは、自身の奇行で注目を集め、「政府の効率(government efficiency)」(結局のところ、誰がそれを望まないだろうか?)が全てであるかのように見せかけることで、その目的から目を逸らし、トランプへの批判を逸らす役割を果たした」。
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ラッセル・ヴォートとイーロン・マスク

 ヴォートは官僚機構を削減し、統制を強化するために、イーロン・マスクを利用した。それはお互いにとってウィンウィンの関係だ。しかし、イーロンが政権を去るとなると、そうした動きが頓挫することになる。そして、妥協派であるスコット・ベセント財務長官などが力を持ち、トランプ革命は骨抜きにされることになるだろう。ポピュリズムは常に敗北で終わるということを歴史は教えてくれるが、トランプもその教訓から逃れることは難しいのかもしれない。

(貼り付けはじめ)

イーロン・マスクはドナルド・トランプにとっての役に立つ馬鹿(訳者註:良い活動をしていると信じているが実際にはそれと気付かずに悪事に荷担している者)だった(Elon Musk Was Donald Trump’s Useful Idiot

-世界一の富豪が利用された可能性が高まっている。

ギデオン・リックフィールド筆

2025年5月14日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/05/14/elon-musk-donald-trump-doge-russell-vought/?tpcc=recirc_trending062921

イーロン・マスクは、政府効率化省(Department of Government EfficiencyDOGE)で一体何を達成したいと望んでいたのだろうか?

先月末、反省の色を見せるマスクは、政府効率化省について「期待したほどの効果を上げていない(not as effective as I’d like)」と認めた。この準政府機関は、主に連邦職員の解雇、規制の撤廃、契約や助成金の取り消しによって、これまでにアメリカ政府に1700億ドルの節約をもたらしたと主張している。しかし、これらの節約額の大半については、証拠を示していないか、あるいは大幅に誇張している。実際には、政府効率化省の杜撰な政府削減策は、ある推計によると、今年、納税者に1350億ドルの追加負担をもたらすことになる。そして、実際の連邦政府支出は、ドナルド・トランプ大統領の就任以来、増加している。

マスクが現在、アメリカ政府関連の業務を縮小し、経営難に陥っているテスラをはじめとする所有する事業に注力する中で、波乱に満ちた在任期間中に彼を悩ませてきた疑問は依然として渦巻いている。彼は本当に連邦予算から1兆ドルを削減できると信じていたのだろうか、それともインサイダーとしての立場を利用して契約を獲得し、競合他社の情報を入手し、厄介な規制当局を自社の邪魔者から排除しようとしていただけなのだろうか? 人工知能を用いて政府のプロセスに革命を起こそうとしていたのだろうか、それとも単に「意識の高い(wokeness)」人々を排除しようとしていただけなのだろうか? 政府効率化省の真の狙いは、数十もの政府機関にまたがる政府データを統合することで、超強力な監視国家(a superpowered surveillance state)を築くことだったのだろうか?

上記の全てが同時に真実である可能性もある。しかし、コスト削減策としての政府効率化省の惨憺たる失敗は、マスクを他者、特にトランプ政権で最も影響力のある影の実力者の1人である行政管理予算局(Office of Management and BudgetOMB)のラッセル・ヴォート局長の思惑のための道具のように見せ始めている。

マスクが政府効率化省で何をしようと考えていたかを理解するには、彼の経歴を調べると役に立つ。

ウォルター・アイザックソンの『2023年のイーロン・マスク(2023 Elon Musk)』は、しばしば聖人伝的(hagiographic)だと批判されるものの、マスクの伝記作家の中で、彼と真剣に時間を過ごした唯一の人物と言える。CNNの元会長で『タイム』誌編集長でもあるアイザックソンは、マスクが20代半ばまでに、人類にとって不可欠だと彼が信じる3つの要素に基づいた「人生ヴィジョン(life vision)」を描いていたと述べている。それは、破壊的な可能性を秘めたインターネット(the internet, because of its disruptive potential)、気候変動への対応を考えた持続可能なエネルギー(sustainable energy, because of climate change)、そして人類が自らの生存のために他の惑星に植民地化しなければならないと信じていた宇宙旅行(space travel, because he believed the human race must colonize other planets to ensure its own survival)だ。

リンクトイン(LinkedIn)の共同創業者となる前に、ペイパル(PayPal)でマスクと共に働いていたリード・ホフマンは、アイザックソンに次のように語った。「イーロンはまずヴィジョンを描き、その後、それを経済的に実現するために埋め合わせる方法を見つける」。ペイパル時代の同僚であるマックス・レブチンは、「イーロンの最大の才能の1つは、自分のヴィジョンを天からの命令のように伝える能力だ」と付け加えた。

テスラはマスクにとって気候変動への取り組み方であり、スペースXは火星への道筋だった。神聖な使命感に突き動かされたマスクは、安全性や環境への影響について些細な懸念を抱く政府の規制当局を、人類の生存を阻む障害としか考えなかった。

この好例が、『ワシントン・ポスト』紙の記者ファイズ・シディキの新著『傲慢無比:イーロン・マスクの崩壊(Hubris Maximus: The Shattering of Elon Musk)』に示されている。アイザックソンとは異なり、マスクと面会のなかったシディキは、2016年からテスラのCEOであるマスクが、オートパイロット[Autopilot,](部分的自動運転モード[the car’s partial self-driving mode])搭載車による死亡事故の調査において、米国高速道路交通安全局(National Highway Traffic Safety AdministrationNHTSA)とその姉妹機関である米国運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)の職員と繰り返し衝突した様子を描写している。

シディキによると、テスラの主張の1つは、高速道路ではオートパイロットが「事故データと比較した場合、通常の運転よりも安全だった」というものだった。2022年のテスラのイヴェントで、マスクは「自動運転機能の追加が負傷や死亡を減らすと信じるようになった時点で、それを導入する道義的義務があると思う」と述べた。この論理に従えば、オートパイロットの導入を遅らせようとした規制当局は人々を殺していることになる。

官僚制と規則に対する嫌悪感に加え、マスクの「まず削減、後で修正(slash first, fix later)」というコスト削減の姿勢、計画に対する全般的な軽蔑、そして自分が常に正しいという揺るぎない信念が加わる。これらの特徴は、『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者ケイト・コンガーとライアン・マックが2024年に出した著書『文字数制限:イーロン・マスクはいかにしてTwitterを破壊したか(Character Limit: How Elon Musk Destroyed Twitter)』で巧みに記録されている。マスクはTwitter(現在はX)の従業員の5分の4を削減し、プラットフォームは当初は苦戦したものの、崩壊には至らなかった。なぜ同じアプローチが連邦政府には機能しないのだろうか?

マスクと、同じく衝動的で自信家でもあるトランプが昨年夏にDOGE構想を思いついた時、彼らが綿密に練られた計画を持っていたとはにわかには信じ難い。しかし、ヴォートという人物は、注目を集めたいだけの道化師が率いる準政府機関が、自身の目的を影に隠しながら、その目的の達成に役立つ可能性を間違いなく見抜いていた。

キリスト教国家主義者を自称するヴォートは、極右改革計画「プロジェクト2025」の立案者の1人だった。これは、トランプ氏が選挙運動中に否定したほど有害な計画であり、その後、ヴォートを行政管理予算局(OMB)に任命して、その効果的な実行を任せた。

2年前の演説で、ヴォートは「私たちは、官僚たちにトラウマになるような影響を与えたい。朝起きたら、仕事に行きたくなくなるようにしたい(We want the bureaucrats to be traumatically affected. When they wake up in the morning, we want them to not want to go to work)」と述べた。彼の最終的な目標は、妨害的な左派が跋扈する「ディープステート(deep state)」と彼が見なす連邦政府機関を弱体化させ、大統領の手にさらなる権力を与えることだった。

マスクとヴォートの関係の詳細は、『ブルームバーグ』誌のジャーナリストであるマックス・チャフキンの先月の記事で明らかになった。チャフキンは、マスクが選挙後に「ヴォートと定期的に連絡を取り合っていた」と述べ、「ヴォートに近い人々から、マスクは彼の政策を国民に訴える役割を担う存在」と見なされ、ヴォート自身からもマスクは「戦力増強装置(force multiplier)」と見なされていたと記している。

DOGEにおけるマスクの手法、例えば試用期間中の連邦職員(労働保護が最も少ない職員)の解雇や連邦データシステムの掌握といった手法が、ヴォートではなく、マスク自身の発明であったかどうかは定かではない。おそらくOMB長官であるヴォートは、マスクの強引さに匹敵する者はいないと認識し、マスクが企業で用いてきたのと同じ電撃戦的な精神を政府にも持ち込むよう促したのだろう。

政府は無駄と詐欺の巣窟だと確信していたマスクは、できるだけ多くの職員を解雇し、若い支持者にAIツールとデータへのアクセスを与えるだけで、政府支出を削減できると本気で信じていたのかもしれない。(実際には、政府支出を大幅に削減することは可能だが、それは主に防衛、金融、医療といった産業への実質的に補助金となっているものを廃止することであり、それは政府運営の合理化だけでなく、大幅な政策変更が必要となるだろう。)

マスクはまた、利益相反(conflicts of interest)は関係ないと考えているのかもしれない。結局のところ、彼の事業が全て人類のためになるのであれば、政府との契約が増えることは人類のためになるのではないだろうか?

しかし、その過程でマスクは官僚にトラウマを与えるというヴォートの目的を確実に達成した。そして、マスクが一歩退いた現在も急速に進められている政府データの統合は、ホワイトハウスが政敵や不法移民、そして不従順な政府職員を標的にするために利用される可能性がある。

振り返ってみると、連邦政府の官僚機構に対する統制強化こそがDOGEの真の目的で、コスト削減は副次的なものだということは明らかだ。ヴォートは常に連邦政府の官僚機構を統制することを目標としていた。マスクは、自身の奇行で注目を集め、「政府の効率(government efficiency)」(結局のところ、誰がそれを望まないだろうか?)が全てであるかのように見せかけることで、その目的から目を逸らし、トランプへの批判を逸らす役割を果たした。

マスクのDOGEでの任期は、彼自身、ヴォート、そしてトランプが予想していたよりも早く終わりを迎えそうだ。関税をめぐって大統領と対立し、閣僚たちを疎外し、2500万ドルを投じたにもかかわらず州司法選挙で勝利を収められなかったことは、マスクをある種の負債にしていたのかもしれない。彼の潤沢な資金力は、トランプ政権にとって常に一定の有用性を維持することを保証し、彼の所有する企業は間違いなく有利な契約の恩恵を受け続けるだろう。しかし、ここ数カ月の出来事を踏まえると、彼が騙されたと結論づけずにはいられない。

※ギデオン・リックフィールド:元『ワイアード(WIRD)』誌編集長。民主的統治の将来についてのニューズレター「フューチャーポリス(Futurepolis)」を執筆している。Blueskyアカウント:@glichfield.bsky.social Xアカウント:@glichfield

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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第2次ドナルド・トランプ政権100日では様々なことが起きたが、今はひと段落で、トランプ関税については、90日間の猶予の間に、各国がトランプ詣でをして、二国間で個別交渉を行い、妥協や譲歩を引き出すという動きになっている。日本も赤澤亮正経済再生担当大臣が何度も訪米し、トランプ大統領自身とも会談を持っている。日本としては自動車に関する関税や米を含む農産物について、妥協を引き出したいところだ。
 トランプ大統領が高関税を正式に打ち出したのは2025年4月2日で、「解放記念日(Liberation Day)」関税と呼んだが、これによって、株式が大幅下落し、米国債の金利が上昇したために、後退を余儀なくされた。スコット・ベセント財務長官が主導権を握る形で、状況が悪化することを防いだ。

私が奇妙だと思っているのは、高関税を発表すれば、株価が下落し、米国債の金利が上昇するくらいのことは政権が予測していたのではないか、それなのに慌てた様子で妥協を行ったということだ。ここからは私の想像で話を進めていきたい。
 現在の株式の高騰は現実の経済全体を反映したものではない。中央銀行が供給した資金が株式や不動産投資に回っているだけのことだ。コロナ禍もあり、中央銀行は市場に多くの資金を供給した。それが社会の隅々にまで行き渡れば良かったが、無利子の資金は富裕層や大企業に集中して回り、彼らを更に肥え太らすことになった。トランプ政権を誕生させたのは、貧乏な白人労働者たちを中心とする一般国民である。トランプ政権は富裕層や大企業の利益最優先ではない。株価の下落や米国債の金利上昇はウォール街や投資マネーにとっては痛手であるが、彼らのブクブクに膨れた、あぶく銭の資産を少し減らすことは重要なことだ。トランプ政権はそこから「撤退」して妥協する形になったが、いつでもこのようなことができるんだぞということを示した。これは大きい。富裕層や大企業はトランプの一挙一投足に気を遣わねばならなくなった。

 共和党は金持ちの党であったが、トランプの出現によって、そのウイングは広がっている。そして、トランプ政権は大きな矛盾を抱えることになった。貧乏人のための政策を行いながら同時に金持ちたちの利益もある程度は守らねばならない。この矛盾をどう解決するのか、それともそもそもそんなことはできないのか、何か共通の敵を見つけるのか、これから注目していかねばならない。
(貼り付けはじめ)
ドナルド・トランプ大統領が就任100日で経済を変えた5つの方法(5 ways Trump has changed the economy in his first 100 days

トバイアス・バーンズ筆

2025年4月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/trumps-first-100-days/5273522-5-ways-trump-has-changed-the-economy-in-his-first-100-days/

ドナルド・トランプ大統領の就任から100日間の経済政策は、これまでとは全く異なるものだった。

トランプ大統領の関税措置は、世界の貿易関係を根本から覆し、企業と投資家を政権の一挙手一投足に合わせて右往左往させた。

トランプ大統領は複数の規制機関に猛攻撃を仕掛け、広範囲にわたる政府職員の人員削減を命じた。これは、テクノロジー業界の支持者たちが唱える「迅速に行動し、物事を打破する(move fast and break things)」というスローガンを、かつてないほど極端に押し進めたと言えるだろう。こうした命令と方針転換の嵐のようなリズムに、アメリカの経済同盟諸国も敵対諸国も、トランプ大統領の政策がどこに向かうのか見極めようと苦慮している。

景気後退から戦争に至るまで、経済危機の際の伝統的な安全資産であるアメリカの金融資産でさえ、弱体化の兆候を見せている。

ここで、トランプ大統領の政策が就任後100日間に経済に与えた影響を見てみよう。

(1)1世紀ぶりの高関税率(Century-high tariff rates

国際通貨基金(International Monetary FundIMF)の分析によると、アメリカの総関税率は25%を超え、1世紀以上ぶりの高水準となっている。

総関税率の主な構成要素は、中国に対する145%の関税、10%の一般関税、そして木材、自動車、金属などの製品に対する特定関税である。

金融当局は輸入税についてスタグフレーション的な見通し(a stagflationary picture)を示しており、IMFから連邦準備制度理事会(FRB)に至るまで、様々な機関が、その結果として物価上昇と経済成長率の低下を予想している。

IMFのエコノミストたちは4月の経済見通しで、「(関税水準は)それ自体が経済成長への大きなマイナスショックだ」と述べている。

トランプ大統領は関税を断続的に導入しており、発令後、すぐに撤回するといった行動を何度も繰り返してきた。

撤回された関税には、カナダとメキシコへの25%の関税、中国からの800ドル未満の貨物に対するデミミニス免除(the de minimis exemption)の終了、そして数十カ国のアメリカの貿易相手初校に対する様々な税率の国別関税の一時停止などが含まれる。商務省は火曜日、5月3日に予定されていた自動車部品への関税を縮小した。

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International StudiesCSIS)の国際ビジネス部門長ビル・ラインシュは本誌の取材に対して次のように語った。「これは(貿易相手国を)不均衡な状態に維持することを意図している。これにより、アメリカは最大限の立場を取り、その後、そこから後退することが可能になる。これはトランプのいつものやり方だ」。

ウォール街の投資家たちは関税を激しく非難している。億万長者のヘッジファンドマネージャーであるビル・アックマンは、トランプの特定国への関税は「誤った計算(bad math)」に基づいており、「世界経済を落ち込ませている(taking the global economy down)」と述べた後、最終的に関税を緩和したことを称賛した。

主要アメリカ株で構成されるダウ工業株30種平均は、トランプの就任以来約8.4%S&P500は約8.7%下落している。ハイテク株中心のナスダック総合指数は12%以上も下落している。

(2)貿易の再構築と国際関係の揺さぶり(Resetting trade, shaking up international relations

トランプ大統領の関税は、アメリカの経済的なライヴァル諸国と同盟諸国の両方を標的にしており、中国のような敵対国との緊張を高める一方で、カナダ、メキシコ、ヨーロッパ連合(European UnionEU)といった長年のパートナー国との新たな緊張を生み出している。

中国は貿易戦争に「最後まで(to the end)」戦うと明確に表明し、先手を打つかどうかはアメリカ次第だと述べている。

中国外務省の郭嘉昆(Guo Jiakun)報道官は火曜日に、「この関税戦争(tariff war)はアメリカが始めたものだ。もしアメリカが本当に交渉による解決を望むのであれば、脅迫や圧力を止め、中国との対話を追求するべきだ」と述べた。

専門家たちは、トランプ大統領と会談する代表団は、トランプ大統領が貿易戦争で実際に何を求めているのかを理解していないと指摘する。

ラインシュは本誌に対して次のように語った。「今朝と先週、外国の関係者といくつか話し合った。「彼らは『彼はXについてもYについても言及しなかった。私たちは彼が話を持ち出すと予想していたのに。一体何が起こっているんだ?』と言っている」。

生産とサプライチェインの専門家たちは、戦後のアメリカの貿易政策の集大成である世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)に体現された一元的な貿易協定とは異なる、多極的な世界貿易システムの新たな基盤が築かれつつあると見ている。

供給管理研究所(Institute for Supply ManagementISM)のCEOトム・デリーは本誌とのインタヴューで次のように語った。「私が話を聞いたほとんどの人は、二極化した貿易体制に向かっていると考えている。WTO中心の、単一の合意に基づく貿易ルールではなく、西側中心、おそらくアメリカ主導の貿易圏(a Western-centered, maybe U.S.-led trade bloc)と、東側中心、中国主導の貿易圏(an Eastern-centered, China-led trade bloc)だ」。

(3)アメリカ金融資産からの逃避(A flight from U.S. financial assets

トランプ大統領が世界経済に大きな変化をもたらしていることを示す最も確かな兆候は、おそらく、米ドルが他の通貨に対して同時に下落し、アメリカ国債が市場で売られたことだ。

通常、投資家たちは経済の不確実性が高まるとアメリカ資産に逃げ込むが、この傾向は2001年9月11日の同時多発テロから世界大不況に至るまで、様々なショックにも耐えてきた。

しかし、指標となる米ドル指数はトランプ大統領の就任以来一貫して下落しており、4月2日と4月9日の追加関税発表直後には顕著な下落を記録した。

トランプ大統領が4月2日の「解放記念日(Liberation Day)」に関税を発表した直後、債券も売られ、トランプ政権は発効当日に特定国向け関税の90日間の一時停止を宣言した。

ユーロが対ドルで上昇するにつれて、アメリカ国債とドイツ国債の利回り格差は拡大した。これは異例のパターンであり、エコノミストたちはすぐにこの動きに気づいた。

タンパ大学の経済学者ヴィヴェカナンド・ジャヤクマールは今週の論説記事で、「2年物アメリカ国債と2年物ドイツ国債の利回り格差が200ベーシスポイントを超えたにもかかわらず、ユーロは対ドルで急上昇した。これは通常の市場動向の転換を示し、アメリカからヨーロッパへの資本逃避を示唆している」と述べている。

(4)移民パターンと労働市場(Migration patterns and the labor market

トランプ大統領はまた、国連が「世界で最も危険な移民の地上陸路(deadliest migration land route)」と表現するアメリカ南部国境沿いの取り締まりを強化し、移民の流入を阻止しようと努めてきた。

アメリカ税関・国境警備局によると、2024年度のこの時点で国境での接触件数は130万件、2023年度には120万件に達していた。今年は38万1000件に上る。

近年、移民はアメリカの労働力の動向において重要な要因となっており、成長予測や物価水準にも影響を与えている。

連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は昨年、多くの人が景気後退を予想していたにもかかわらず、2024年の経済が予想を大幅に上回ったのは、移民に関する測定値の違いが原因かもしれないと指摘した。

パウエル議長は昨年4月、移民問題に言及し、「これはまさに、私たちが自問自答してきたことの真相を説明している。つまり、外部のエコノミストほぼ全員が景気後退を予測していた年に、なぜ経済が3%以上成長できたのかということだ」と述べた。

移民の減少は、長期的には労働力不足と経済成長の鈍化を意味する可能性がある。保守派は、アメリカの労働者の利益のためには、こうしたコストを支払う価値があると主張する。

ヘリテージ財団予算センター所長リチャード・スターンは、本誌に対し、「企業に不法労働者、つまり労働法を破っても税金を全額負担しなくて済む労働者を雇用する能力を与えれば、それは事実上、不法労働者を雇用するための政府補助金となってしまう」と語った。

ヘリテージ財団が重要な役割を担って策定した「プロジェクト2025」で明記された政権の取り組みについて問われたスターンは「順調に進んでいる(on track)」と述べた。

スターンは「政権最初の100日間を振り返ると、政権が容易に実行可能なプロジェクトの部分を見ると、その主要部分の多くで間違いなく順調に進んでいる」と述べた。

(5)減税に先立ちIRS(内国歳入庁)を解体(Gutting the IRS ahead of tax cuts

トランプ大統領と、イーロン・マスクが率いるコスト削減委員会(the cost-cutting panel)である政府効率化省(Department of Government EfficiencyDOGE)は、米国国際開発庁(U.S. Agency for International DevelopmentUSID)、消費者金融保護局(Consumer Financial Protection BureauCFPB)、教育省(Department of Education)など、連邦政府諸機関の閉鎖をしてきた。

保守派の中には、DOGEの取り組みを政治的な芝居だと一蹴している。財政的に保守的なマンハッタン研究所の上級研究員ジェシカ・リードルはロイター通信に対し、「DOGEは真剣な取り組みではない(DOGE is not a serious exercise)」と述べ、最終的には節約効果を上回る費用がかかると予測している。

しかし、DOGEは、1万2000人を超えるIRS職員全体の4分の1から40%を人員削減する可能性がある。これは、政府の歳入とその財源に深刻な影響を与える可能性がある。

これは特に、IRSがバイデン政権下で開始し、トランプ政権によって完全に撤回された大規模な業務改革を考慮すると、なおさらだ。

アーバン・ブルッキングス税制政策センターの上級研究員ハワード・グレックマンは本誌に対して次のように語った。「彼らは何千人もの人を解雇し、さらに何千人もの人が辞めた。所得税制度に与えるダメージは計り知れない。文字通り、私たちは、彼らが何をしているのか分からないため、ダメージを測定することができない」。

トランプが1月に再就任して以来、IRS(内国歳入庁)には5人の長官が就任しており、グレックマンはその交代率を「驚異的(remarkable)」と評した。

IRSの空洞化は、共和党議員たちが2017年の減税延長と、トランプが選挙運動中に約束した新たな未検証の減税策の追加を進めている中で起こっている。

最終的な対策は、数兆ドル規模の財政赤字を増加させる可能性があり、公式会計では無視される見込みの4.6兆ドルの財政赤字拡大も含まれる。

(貼り付け終わり)
(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 拙著『トランプの電撃作戦』(秀和システム)の第1章で、私は、ドナルド・トランプ大統領とJD・ヴァンス副大統領と、シリコンヴァレーの大立者で大富豪のイーロン・マスク、そして、ピーター・ティールとの関係を分析し、イーロン・マスクとピーター・ティールがトランプとヴァンスの影響力を行使して、アメリカ政府との数兆円規模の巨額な契約を自分たちが所有するテック大企業(スペースXとパランティア・テクノロジーズ社)と結び、新たな軍産複合体づくりを行おうとしていると結論づけた。

 リバータリアニズム(Libertarianism)を信奉するのがリバータリアン(Libertarian)と呼ばれる人々である。リバータリアニズムは故人の自由を至上の価値として尊重し、政府についてはそれを邪魔する存在する存在として敵とみなす。反福祉、反中央政府でもある。シリコンヴァレーの大立者であるイーロン・マスクやピーター・ティールは「テクノリバータリアン」である。彼らからすれば、自分たちのヴィジョンに基づいて生み出す最先端の技術に規制をかけて邪魔をしたり、企業や大富豪に高い税金を掛けたりすることは、敵対行為ということになる。ところが、実際には、ピーター・ティールは第1次ドナルド・トランプ政権誕生の立役者になり、イーロン・マスクはトランプの最側近の立場に就いた。テクノリバータリアンたちは政府を忌避するはずだが、正否を利用しようという立場になっている。

 トランプを大統領にまで押し上げたのは、一般のアメリカ国民、有権者である。彼らは、既存の政治が自分たちの利益を反映していない、ワシントン政治は汚れているのでそれを掃除しなければならないということで、自分たちの代表として、ワシントン政治とは無縁のアウトサイダーだったトランプを送り込んだ。これはポピュリズムである。このポピュリズム政権であるトランプ政権に世界で最も富裕なイーロン・マスクが参加している訳であるが、トランプを支持する貧しい白人労働者と世界で最も金持ちのイーロン・マスクの共通点は、「(現在の)中央政府、政治エスタブリッシュメントを敵とみなす」ということだ。そして、「中央政府を自分たちの利益になるように作り替える」ということだ。

 第2次トランプ政権は大きな矛盾を抱えた政権である。中央政府を敵とみなすアメリカ人が作り上げた政権が中央政府を運営することになる。しかし、それはうまくいかないだろう。高関税の被害を受けるのはアメリカ国民である。アメリカはドル安に向かい、輸入が減り、物価は高くなる。アメリカ国内で輸入に代替して物品を製造しなければならなくなるが、アメリカの労働者たちの賃金の上昇は厳しいだろう。誰かが低賃金で安い物品を作らねばならない。イーロン・マスクやピーター・ティールたちは最先端の技術をアメリカの軍事に利用させようとして多額の契約を結ぶ。結果として、彼らは大儲けということになる。アメリカの未来については悲観的にならざるを得ないが、これは大きな流れであり、人為的に止めることや流れを逆転させることはできないだろう。大きな流れに乗ったアメリカの衰退の後始末をトランプが実行するということになる。トランプは歴史の悲劇と喜劇の上に、名を残す大統領となるだろう。

(貼り付けはじめ)

テクノリバータリアンたちはいかにして大きな政府に恋をしたのか(How techno-libertarians fell in love with big government

-国家が主要な顧客になるとすぐに彼らの原則的な反対は消え去る。

クイン・スロボディアン筆

2024年6月19日

プロジェクト・シンディケイト

『ジャパン・タイムズ』紙

https://www.japantimes.co.jp/commentary/2024/06/19/japan/techno-libertarians-big-government/

マサチューセッツ州ケンブリッジ発。億万長者のテック投資家バラジ・スリニヴァサンは、2013年にシリコンヴァレーの、アメリカからの「最終的な撤退(ultimate exit)」について講演し、反政府運動家として名を馳せた。彼はアメリカを「国家のマイクロソフト(Microsoft of nations)」と呼びました。

おそらく最も印象深いのは、スリニヴァサンがアメリカの「ペーパーベルト(Paper Belt)」、つまり、法律と規制のワシントン、高等教育のボストン、エンターテインメントのロサンゼルス、広告と出版のニューヨークを現代のラストベルトと表現したことだ。

彼の考えでは、シリコンヴァレーは、規制に先行し、学術的権威を軽蔑し、ストリーミングサーヴィスを導入し、消費者直販マーケティングを刷新することで、かつて戦後アメリカの権力の中心であった全4都市を奪いつつあると見られていた。その後数年間、スリニヴァサンはテクノリバータリアンのメッセージをさらに強めた。政府への軽蔑を長々と語る演説を行い、敵対者に対しては攻撃的な姿勢を見せ、「ネットワーク国家(network state)」、つまり所有(ownership)、同意(consent)、契約(contract)を通じて全ての決定が行われる新しいタイプの政治体制について熱弁をふるった。

そして、2017年初頭、スリニヴァサンはTwitterの履歴を削除した。彼はどこへ行ってしまったのだろうか? 連邦政府が彼の専門知識を求めて彼を訪れていたことが判明した。新しく大統領に選出されたドナルド・トランプは、スリニヴァサンの友人であり、同じくリバータリアンであるテック投資家のピーター・ティールを閣僚の編成に任命し、スリニヴァサンは食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)の長官候補に挙がっていた。スリニヴァサンが昔ながらの政治権力を握ろうとした瞬間、何年にもわたる激しい反政府声明は消え去った。

これは孤立した事件ではない。実際、このような偽善は新たな規範となっている。近年、テクノリバータリアンたちは、コバンザメのように(remora-like)アメリカ政府に取り入ろうとしている。何が起こっているのか? 単なる軽率な行動なのか、それとも何か深い理由があるのか。

シリコンヴァレーを代表するテクノリバータリアンたちは、自分たちが個人的に豊かにならない場合に限り、国家に反対している。政府が主要な顧客になるという見通しに直面すると、国家権力に対するかつての原則的な反対は消えてしまう。

この変化はティール自身にも見て取れる。2009年、ティールは「リバータリアンにとっての重大な課題は、全ての形態の政治から脱出することだ(the great task for libertarians is to find an escape from politics in all its forms)」と宣言した。しかし、2016年には共和党全国大会で演説し、党派政治(partisan politics)に完全に関与するようになった。それから数年の間に、彼が共同設立したデータ分析企業パランティアは巨大企業へと成長し、巨額の政府契約の恩恵を受けている。現在では、収益のほぼ半分を公的資金から得ている。

もう1つの具体例は、シリコンヴァレーを代表するベンチャーキャピタル企業アンドリーセン・ホロウィッツ(a16zとしても知られる)の創業者マーク・アンドリーセンだ。スリニヴァサンはa16zのパートナーを一時期務めていた。2023年10月、アンドリーセンは「テクノ・オプティミスト宣言(The Techno-Optimist Manifesto)」を執筆した。これは、自由市場と起業家精神を持つ技術者のプロメテウス的な力を称賛する、話題を呼んだ文書である。5000語のテキストには「政府(government)」という言葉は一度も登場せず、「国家(state)」という言葉が言及されたのはわずか2回で、国家を敵(the enemy)と位置づけていた。

しかし、国家はアンドリーセンにとって必要不可欠な生活手段だ。アンドリーセンは、彼が最初のインターネットブラウザの開発に携わった土地付与大学の資金を国家が拠出した。そしてブルームバーグの報道によると、a16zは近頃ワシントンではよく知られた存在となり、「アメリカン・ダイナミズム」構想(“American Dynamism” initiative)を推進するために、他のベンチャーファンドよりもはるかに多くのロビー活動費を投じている。この構想は、政府の防衛、エネルギー、物流契約の獲得を目指す企業を支援するものだ。

このシフトの内部論理は、今ではほとんど見られなくなったティールの公的な執筆活動の1つで説明することができる。2020年、彼はジェームズ・デール・デイヴィッドソンとウィリアム・リーズ=モッグの1999年の著書『主権を持つ個人(The Sovereign Individual)』の序文を新たに執筆した。この本では、サイバー通貨や従来の市民権の放棄など、国家からの脱却の可能性を描いている。ティールは、著者が説明できなかった2つの発展、すなわち中国の台頭(the rise of China)と人工知能の進歩(advances in artificial intelligence)を指摘した。

1990年代のシリコンヴァレーでは、大躍進の裏には政府からの資金援助があったという事実を隠蔽し、代わりに自作の天才(self-made genius)という神話を育てることが可能だった。しかし、2000年代からの中国の急速な台頭は、ハイテク覇権には別の要素が必要であることを示唆した。テスラCEOのイーロン・マスクは、ティールと同様、かつては大量監視(mass surveillance)に反対していたはずだが、最近、まさにその種のデータを確保するために中国を訪れたことから、その立場は逆転した。

テスラの株価は低迷しているが、マスクは現在、アメリカの人工衛星の主要な打ち上げ会社であるスペースXや、現在ウクライナの戦争努力を支えている衛星インターネット・サーヴィスであるスターリンクといった、彼のポートフォリオのより強固な要素に頼ることができる。しかし、これらのヴェンチャーは、『主権を持つ個人(The Sovereign Individual)』で想像されたような、才能ある認知エリートと国家の関係を根本的に見直すというよりは、伝統的な軍産複合体(the traditional military-industrial complex)の反映である。

シリコンヴァレーがアメリカから撤退するという話は、いつも別の名前でフリーライド(ただ乗り)してきたものだ。そして今、それは究極の、ありのままの姿に達し始めている。テクノリバータリアンたちには、華やかさはないにせよ、より正確なレッテルが必要なのかもしれない。結局のところ、彼らは遠い惑星はおろか、大陸の果てや世界の海で政治を超えた神秘的な世界を築いている訳でもなければ、必ずしもテクノ封建主義(techno-feudalism)への転落を加速させているわけでもない。実際、彼らはテクノ・コントラクター(techno-contractors)に過ぎず、次の請求書をペーパーベルトに提出しているに過ぎない。

クイン・スロボディアン:ボストン大学フレデリック・S・パーディー記念国際研究大学院国際史教授。最新刊に『資本主義の崩壊:市場急進派と民主政治体制なき世界の夢(Crack-Up Capitalism: Market Radicals and the Dream of a World Without Democracy)』(メトロポリタン・ブックス刊、2023年)がある。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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今回はジョー・バイデン前大統領の健康問題についての報道が多く出たがそのことについて書いていく。
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ドナルド・トランプ、ジョー・バイデン、ジル・バイデン
 ジョー・バイデン前大統領の健康状態について、前立腺がんと診断され、がんが骨に転移していることが明らかになったという報道がなされた。私が甚だ疑問なのは、正式には今年の1月まで大統領を務めていたバイデンの健康診断や健康チェックの状況である。がんが骨にまで転移しているということはがんは以前からあったということであり、それを早期発見できなかったのかということだ。高齢になればがんの拡大のスピートは遅くなると聞いたことがある。それならば、そこまでがんが進行するとなると時間がかかる。大統領在任時に健康診断や健康チェックはしていなかったのか、もしくはその方法がずさんだったのではないかという疑問がある。
 次に、リベラル派のメディアの記者たちが書いた『原罪』という本についてである。この本では、ジョー・バイデンの認知機能が2024年の大統領選挙前から既に衰えており、大統領の職務遂行に支障をきたすほどだったということが書かれている。ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官の名前を思い出せない、とりとめのない話を繰り返すということがあったようだ。ホワイトハウスの高官たちはこの状況では大統領を続けるのは無理だと分かっていたようだが、夫人のジル・バイデンや側近によるグループ(「政治局(Political BureauPolitburo)」と揶揄されていたようだ)が、バイデンの再選に固執したということだ。

 バイデンの恒例や健康状態についての不安は大統領選挙前から既に出ていた。そして、今回の出版でも分かるように、それはホワイトハウスの高官たちも分かっていた。家族や側近たちだけがそれを否定していたが、バイデンで公の場で何かをするたびに多くの人々が「大丈夫だろうか、心配だ」と思うようになっていた訳で、このような不安を持たせること自体が問題ではある。

 これは民主党全体の問題でもある。党が機関として機能して、「アメリカ国民のために、バイデン大統領に対して勇退を勧告する」ということができなかったのは、実際にそんなことをするのは困難であることは分かっているが、それでも勧告すべきだった、予備選挙をきちんと実施すべきだったということになる。それだけの重たい責任がある。結局、事なかれ主義で、隠ぺいに走ったために、民主党は2024年の大統領選挙と連邦上下両院議員選挙において敗北を喫した。

 バイデン自身が決断をする、もしくはバイデンに近い人々が冷静に判断して強く勧めるということができなかったのは、バイデンという政治家の晩年に大きな汚点を残すことになった。「一期目だけで勇退します。後任は党の予備選挙でしっかりと決めてください」とバイデンが言えれば、選挙の結果は変わっていたかもしれない。しかし、バイデンは、このような大きな決断ができないくらいの人物であった。それでもアメリカ大統領になれたのだから、幸運な人物ではあっただろう。
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●「バイデン前米大統領に前立腺がんの診断 骨にも転移と事務所発表」

2025519日 BBC NEWS JAPAN

https://www.bbc.com/japanese/articles/crr7zqzwn14o

ジョー・バイデン前米大統領(82)が前立腺がんと診断されたと、個人事務所が18日、発表した。骨に転移しているという。

今年1月に退任したバイデン氏は先週、排尿に関する症状があり医師の診察を受けたところ、16日に診断を受けた。

がんは悪性度が高く、がん組織の悪性度を検査で調べ点数化した「グリソンスコア」の等級10段階のうち9だという。英研究団体キャンサーリサーチUKによると、がん細胞が急速に転移する可能性があることを示す結果だという。

バイデン氏と家族は、治療方法の選択肢を検討していると伝えられている。同氏の事務所は、がんはホルモン感受性のある種類なので、おそらく治療は可能だろうと説明した。

前大統領の病状が公表されると、与野党を問わずアメリカ政界から支援のコメントが相次いだ。

ドナルド・トランプ大統領は、自分のソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に、自分と妻メラニア氏は「ジョー・バイデン氏の最近の診断結果を聞き、悲しく思っている」と投稿。さらに、バイデン氏の妻ジル氏に対して「ジルと家族に心からお見舞い申し上げる」と呼びかけ、「ジョーの1日も早い回復を願っている」と書いた。

バイデン政権で副大統領を務めたカマラ・ハリス氏は、自分と夫のダグ・エムホフ氏がバイデン一家のために祈っているとソーシャルメディア「X」に書いた。

「ジョーは闘士なので、これまでの人生とその指導力を常に決定してきた力強さとたくましさと楽観姿勢で、この困難に立ち向かうはずだと承知している」と、ハリス氏は書いた。

バイデン氏が2009年から2017年まで副大統領を務めた際の大統領だったバラク・オバマ氏は「X」で、自分と妻のミシェル氏が「バイデン一家全員のことを考えている」と書いた。

「あらゆる種類のがんに対する画期的な治療法の発見に、ジョーほど貢献した人はいない。彼が持ち前の強い意志と品位をもって、この試練に立ち向かうと確信している。早期の完全回復を祈っている」とオバマ氏は書いた。

オバマ元大統領は2016年、がん治療の進歩加速を目指す「がん・ムーンショット」イニシアチブを開始。バイデン氏が取り組みを主導した。「ムーンショット」とは、月面到達を目指したアポロ計画にも匹敵する意欲的な取り組みを意味する。

男性にとって2番目に多いがん

現職の米大統領として最高齢だったバイデン氏は昨年7月、健康状態と高齢が不安視される中で、2024年大統領選から撤退を余儀なくされた。

それまで再選を目指していたバイデン氏は、共和党候補だったトランプ氏を相手にした6月末のテレビ討論会で精彩を欠いたことから、民主党内の懸念が高まり、当時のハリス副大統領が民主党候補になった。

米オハイオ州のクリーヴランド・クリニックによると、前立腺がんは男性が発症するがんの中で、皮膚がんに次いで2番目に多い。米疾病対策センター(CDC)によると、男性100人中13人がどこかの時点で前立腺がんを発症する。年齢が最も一般的な危険因子だという。

アメリカがん協会の最高科学責任者で前立腺がん専門医のウィリアム・デイハット博士はBBCに対して、バイデン氏の病状に関する公開情報を基に、悪性度の高いがんのようだと話した。

「一般的に、がんが骨に転移した場合、治癒可能ながんだという見方はしない」とデイハット博士は述べた。 ただし、ほとんどの患者は初期治療によく反応する傾向があり、「診断から何年も生きることもあり得る」という。

デイハット博士によると、バイデン氏のような診断を受けた患者にはおそらく、症状を緩和し、がん細胞の増殖を遅らせるためにホルモン療法が提供される可能性が高い。

バイデン氏は退任以来、表舞台から退き、公の場に登場することもほとんどなかった。

前大統領は今年4月、アメリカ拠点の障害者支援団体「障害者の擁護者、相談員、代表者協会」がシカゴで開いた会議で基調講演を行った。 5月には退任後初めてBBCのインタビューに応じ、2024年大統領選から退く決断は「困難」だったと認めた。

アメリカではこのところ、バイデン氏の健康状態を疑問視する指摘が相次いでいた。人気トーク番組「ザ・ヴュー」に5月に出演したバイデン氏は、ホワイトハウスでの最後の年に自分の認知能力が低下していたという意見を否定し、「それを裏付けるものは何もない」と述べた。

バイデン氏は長年にわたり、がん治療の研究推進を提唱してきた。大統領在任中の2022年には、妻ジル氏と共に、2047年までに400万人以上のがんによる死亡を防ぐための研究強化を掲げ、「がん・ムーンショット」イニシアチブを再開した。

バイデン氏の長男ボー氏は2015年、脳腫瘍のため亡くなっている。

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●「米民主党、大統領任期中のバイデン氏の衰えに衝撃受けるも沈黙守る 新著が明かす内幕」

2025.05.21 Wed posted at 20:00 JST CNN日本版

 https://www.cnn.co.jp/usa/35233278.html

(CNN) 米大統領任期中の最後の2年間、バイデン前大統領は非公開の場面で最側近の名前を思い出せずにいた。個人的な予定がどんどん制限され、首尾一貫しない発言を連発。思考の脈絡を失ったその姿は世間の目から隠され、衰えの度合いは伏せられた。CNNのジェイク・タッパー記者とアクシオスのアレックス・トンプソン記者が手掛けた新著で明らかになった。

同書に収録された詳細なエピソードの数々からは民主党議員、ホワイトハウスの側近、バイデン政権の閣僚、民主党への献金者らがバイデン氏の心身の衰えに衝撃を受ける様子が浮かび上がる。当時バイデン氏は2024年大統領選での再選に向けて動き出していたが、彼らのほぼ全員が同氏の状態について公言せず、大統領選出馬を止めようともしなかった。

「世界が目の当たりにした、バイデン氏にとって最初で最後の24年大統領選のテレビ討論は、例外的な事象ではなかった。本人が風邪を引いていたのではない。準備不足もしくは準備のし過ぎでもなかった。多少の疲労によるものでもない」。タッパー氏とトンプソン氏はそのように記す。

「長年能力に衰えが生じていた81歳の男性として、自然な結果だった。バイデン氏とその家族、彼のチームは、自分たちの利益とトランプ氏再選への不安を理由に正当化しているが、ここでの試みは思考の混乱した老人をさらに4年間、オーバルオフィス(大統領執務室)に据えておこうとするものに他ならない」

当該の新著「原罪:バイデン大統領の衰えとその隠蔽(いんぺい)、再出馬という破滅的な選択(仮題)」は、20日に発売された。本書の元になっているのは200を超えるインタビューで、その大半は民主党の内部関係者に対するものだ。ほぼ全てのインタビューが24年大統領選の終了後に行われた。

この数日、バイデン氏の年齢と健康には大きな注目が集まっている。18日には同氏の事務所が本人について、進行性の前立腺がんと診断されたと発表。がんが骨にまで転移していることを明らかにした。現在同氏と家族は、医師と相談しながら治療の選択肢を検討しているという。

それでも再選を目指したバイデン氏の選択にまつわる議論は続いている。バンス副大統領は19日に記者団に対し、バイデン氏の健康を祈る一方、「前大統領が職務可能な状態だったのかどうかについて、我々は本当に正直になる必要がある」と付け加えた。

「ある意味で、私が非難するのは彼よりも彼の周囲の人間たちだ」「我々としては健康を祈ることはできるが、同時に仕事が可能な健康状態にない人物はそもそも仕事に就くべきではないと考える」(バンス氏)

16日には、バイデン氏の元事務所や自宅から副大統領時代の機密文書が見つかった問題で同氏から聴き取り調査を行ったロバート・ハー特別検察官との会話の音声記録がアクシオスによって公開された。ハー氏は当時、聴き取り調査後の報告書でバイデン氏の記憶力の衰えに言及していた。

■最側近らが結束

タッパー氏とトンプソン氏が伝えるところによれば、バイデン氏の健康に関しては20年の段階で周囲から懸念する声が上がっていた。それでも心身の衰えが加速したのは23年から24年にかけてだという。

22年12月のある時点で、バイデン氏は政権のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)とケイト・ベディングフィールド広報部長の名前を思い出せなくなった。23年秋には、民主党全国委員会のジェイミー・ハリソン委員長を認識できないようだった(ハリソン氏はこれに異議を唱えている)。そして24年初め、バイデン氏は長年付き合いのある映画スターのジョージ・クルーニー氏のことが分からなかったという。

バイデン政権時代の一部の閣僚はタッパー氏とトンプソン氏のインタビューに答え、バイデン氏が国家的緊急事態の際、午前2時に職務を遂行できるとはとても思えないと明らかにした。

タッパー氏とトンプソン氏は、バイデン氏が妻と息子、長年の取り巻き集団などで構成される孤立したグループによって守られていたと記述する。この取り巻き集団は共産党の上級機関にちなんで「政治局」とあだ名されている。

選挙陣営スタッフなどこうした取り巻きから外れる人々は、これらの側近がバイデン氏を否定的な情報から守っていたと考えている。新書の内容によるとバイデン氏が再選への出馬を決断する際も議論は行われず、ホワイトハウスと選挙陣営に所属する他の人々の意見は入れられなかったという。

CNNへの声明で、バイデン氏の広報担当者は同書を批判。同氏が当時職務遂行が不可能な状態だったことを示す証拠はないと主張し、実際にはしっかり職務を果たした大統領だったと示唆した。

■「まるで別人」

タッパー氏とトンプソン氏は、バイデン氏の健康に関する懸念が20年大統領選の時期から存在していたことを確認した。バイデン氏は党大会の前、有権者へ向けて語りかける形式の選挙動画を撮影したが、それらの大半の映像は使用されなかった。陣営の一部はその映像に衝撃を受けている。

「まるで別人のようだった。信じられなかった。運転を任せられないおじいちゃんを眺めているようだった」「大統領が務まるとは思えなかった」。同書の中で、ある民主党議員はそう振り返った。

バイデン氏に近い一部の人々は、本人の状態の悪化を強いストレスに関連するものとの見方を示した。特に次男のハンター氏が起訴され、24年6月に有罪評決を受けたことが大きな打撃になったと、ある閣僚は証言している。

24年3月、バイデン氏は熱のこもった一般教書演説を行ったが、同日夜の高校生に向けての演説では状態の悪化にホワイトハウスの一部の側近たちが動揺。とりとめのないスピーチを続けるバイデン氏の姿に側近の一人は、自分たちが何を見せられているのか分からなかったという。

同書によればこの側近は、「これでうまくいくはずがない」「彼には無理だ。こんなことはクレージーだ。全くもってクレージーだ」と思ったという。

■テレビ討論後の圧力

散々な結果に終わった24年6月のトランプ氏とのテレビ討論後、バイデン氏の最側近らは失態を過去のものにしようとした。まるで何事もなかったかのように。

ある選挙陣営顧問は、テレビ討論の後、エアフォースワン(大統領専用機)の機内でバイデン氏と議論したときのことを振り返る。同書の中でこの顧問は、一文もまともに話せないバイデン氏に困惑。「このような会話では、相手が大統領でなくてもその人の健康状態が不安になる。だが実際ここにいるのは、現職の合衆国大統領なのだ」。この顧問はそのように当時を回想する。

バイデン氏と妻のジル夫人は今月、米ABCとの共同インタビューで大統領時代のバイデン氏の仕事ぶりを擁護。任期最後の年に認知機能が低下していたとする見方に反論した。

ジル氏は「そうした書籍を書いた人々は、ホワイトハウスで私たちと一緒にいたわけではない。だからジョー(・バイデン氏)が毎日どれだけ懸命に働いていたか、彼らは目にしていない」と主張した。

昨年の大統領選で、オバマ元大統領と民主党のシューマー上院院内総務(当時)は、バイデン氏が自身の最側近から必要な情報を与えられていないのではないかとの懸念を抱いていた。「原罪」の著者らによれば、この情報とはバイデン氏の再選の見込みがどれだけ薄いかを示す率直なデータのことを指す。オバマ氏はシューマー氏に対して、バイデン氏と話をし、データを渡すべきだと告げたという。

シューマー氏はデラウェア州へ出向き、上院民主党の間でバイデン氏の大統領選継続を望む声がいかに少ないかを表すデータを本人に示した。その上で、バイデン氏には大統領選の勝算にまつわる情報が伝えられていないと警告した。

これを聞いたバイデン氏はシューマー氏に、「カマラ(・ハリス氏)なら勝てると思うか?」と問いかけた。

「原罪」の記述によるとシューマー氏は、「彼女が勝てるかどうかは分からない」「ただあなたが勝てないことだけは分かる」と答えた。

バイデン氏は24年7月、大統領選からの撤退を決めた。

=====

バイデン前大統領の健康問題、組織的な隠ぺい疑惑…「補佐官の名前も覚えていない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.21 06:470 글자 작게
https://japanese.joins.com/JArticle/333997

米国のジョー・バイデン前大統領が少なくとも就任2年目(2022年)から「毎日会う補佐官の名前を覚えていない」という主張が出た。

昨年の米大統領選挙時代に提起されたバイデン前大統領の健康悪化と認知力の低下が、実はすでに執権初期から始まったということだ。

CNNアンカーのジェイク・タッパー氏とアクシオス誌記者のアレックス・トンプソン氏が20日(現地時間)に出版した『Original Sin(原罪)』(原題)によると、バイデン氏はこのように政権初期から認知力問題を抱えていた。

また、昨年の大統領選挙中には「車椅子を使わなければならない」という深刻な議論があったが、高齢イシューを避けるために車椅子を使わなかったという。

『原罪』はホワイトハウスと選挙キャンプ関係者200人に対するインタビューを基に執筆された。彼らはインタビューを通じてバイデン氏の家族と中心参謀らがこのような問題を組織的に隠ぺいした可能性を提起した。

著者は「昨年6月、初の大統領選挙テレビ討論で世界が見たのは突発状況や風邪、あるいは準備不足か、過度に準備された人、または少し疲れた人ではなかった」として「バイデン氏の家族と彼のチームは自分たちの私利私欲とトランプ氏の任期に対する恐れのため、数年間認知力が低下してきた81歳の老人を執務室に4年さらに置こうとする試みを正当化した」と主張した。

著者は特に「ジル夫人はホワイトハウスの参謀たちに自身を『ドクターB』と呼ぶように指示した」とし「ジル夫人は(バイデンの)再選出馬の決定を最も強く支持した人の一人であり、彼の病状悪化を最も強く否認した人」と書いた。

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 米穀の小売価格が4000円台となっている現在、国民の不満は高まっている。そうした中で、江藤拓前農水相(2025年5月21日に辞任)が「米を買ったことがない、売るほどある」などと発言したことで、顰蹙を買い、その後の釈明もとんちんかんな状態が続いたことで、石破茂首相は更迭を決断し、小泉進次郎議員を後任の農水相に抜擢した。
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 江藤前農水相の失言については当初、与野党は批判をしながらも、辞任までは必要ない、現状の米の価格の引き下げに尽力せよという考えが大勢を占めていた。それが変わったのが昨日になってからのようだ。以下に下に貼った記事から引用する。

(引用はじめ)

「実は当初、国民民主党の玉木代表は『不適切な発言』としながらも『辞める必要はないと思う』と話していたんです。それだけに、野党第1党の立憲民主党としても国民民主や維新が賛成しなければ、不信任案を出しても否決されるだけ、と様子見だったんですが、国民民主の他の幹部が、『不信任案を出しましょう』と持ちかけたことで、一気に話が進みました」

「ある立憲の幹部は『国民民主がこういう対応をすることはあまりなかった』と話しています。実際、予算や選択的夫婦別姓など、大きな課題で、これまで野党は一致しませんでした。野党が一枚岩になって対応したのは、今の国会では初めてのことです。『野党がまとまれば、大きな力になることが証明できた』と、ある立憲幹部は手応えを感じていました」

(引用終わり)

 今回の江藤前農水相更迭の流れを作ったのは国民民主党であったようだ。これまで愛並みを揃えることができなかった野党は一致結束すれば数では少数与党を上回ることができることをここで示した。他にもっと重要な場面で示すことができたのではないかと批判したくなるが、これが参院選までの政局において重要な要素ということになりそうだ。しかし、国民の批判は大きかったが、江藤前農水相の失言はそこまでのことだったのか、そして、国民民主党はどうして急に「やる気」になったのかということも疑問は残る。そして、今回の極めて政治的な動きは小泉進次郎議員を担ぎ出すための動きではなかったかという考えも出てくる。

小泉進次郎議員の「改革」路線は、国民民主党とは親和性が高い。小泉進次郎議員は昨年の自民党総裁選挙で、大きく支持を落として敗退し、その後、自民党の選挙対策本部長に起用され、衆院選挙に臨み、自公の過半数割れという結果で辞任した経緯がある。小泉進次郎議員が首相になるという話はだいぶ遠のいたが、それでもまだ「将来の総理総裁候補」ではある。ここで米の価格を下げることに成功すれば一気に劣勢を挽回できる。そもそも小泉議員が農水相に就任したくらいで米の価格が下がるなどは考えにくい。政府による施策が効果が出る頃に交代で、成果が出る時の大臣が小泉進次郎であれば、その「手柄」は小泉大臣のものとなる。

 米の価格は急上昇を続けている。その原因は「よく分からない」ということだが、需要に比べて供給が少ないために価格が上がっていると考えるのが自然だ。それでは米は不作かと言えば、ここ数年は「豊作」とは言えないまでも、1993年時のような不作ではなかった。米の流通は複雑だとも言われるが、米を精米して袋詰めして、市場に出すまでには様々な作業が必要であり、現在のコスト高では米の価格が上昇するのは仕方がない面はある。しかし、5キロで3000円台前半が適正という意見もある。
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 小泉進次郎議員を農水相に起用するにあたり、菅義偉元首相の後押しがあったという報道も出ている。神奈川売国連合が動いている。小泉議員を総理総裁候補に復活させることで利益を得るのはアメリカである。小泉議員は「米担当大臣のつもりで」で発言しているが、彼が担当しているのは「米穀」ではなく「米国」である。農林中金100兆円(運用額50兆円・外債運用20兆円)をアメリカに差し出すための「改革」を行う。そのためには、「小泉大臣のおかげで米の値段が下がった」という成功物語が必要となり、そして、これに続くのは「米の値段を吊り上げた戦犯は農協とそれにくっつく農林族議員だ」というプロパガンダだ。私たちはこのことによくよく注意しておかねばならない。

(貼り付けはじめ)

●「続投から一転…江藤氏の“更迭”なぜ? 小泉新農水相でコメ価格「3000円台」は」

5/22() 6:11配信 日テレNEWS NNN

https://news.yahoo.co.jp/articles/6e592a8a8367fdac48b0ff0005b55d16628b82f1

https://news.yahoo.co.jp/articles/6e592a8a8367fdac48b0ff0005b55d16628b82f1?page=2

「コメは買ったことがない」などと失言した江藤農水大臣が事実上、更迭され、後任として小泉進次郎氏が就任しました。なぜ、江藤農水大臣が事実上の更迭となったのか、コメ価格は下がるのか、などについて解説します。

■野党が一枚岩に 今国会で初

藤井貴彦キャスター

「当初、石破総理は続投させる考えでしたが、なぜ一転して事実上の更迭ということに変わったのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員長

「ある野党のベテラン議員は、江藤大臣に対する不信任決議案の提出に向けて、『野党がまとまった後、自民党が慌てだした』と話しています」

「実は当初、国民民主党の玉木代表は『不適切な発言』としながらも『辞める必要はないと思う』と話していたんです。それだけに、野党第1党の立憲民主党としても国民民主や維新が賛成しなければ、不信任案を出しても否決されるだけ、と様子見だったんですが、国民民主の他の幹部が、『不信任案を出しましょう』と持ちかけたことで、一気に話が進みました」

「ある立憲の幹部は『国民民主がこういう対応をすることはあまりなかった』と話しています。実際、予算や選択的夫婦別姓など、大きな課題で、これまで野党は一致しませんでした。野党が一枚岩になって対応したのは、今の国会では初めてのことです。『野党がまとまれば、大きな力になることが証明できた』と、ある立憲幹部は手応えを感じていました」

■石破内閣への不信任決議案は

藤井キャスター

「そうなると、夏には参院選もありますし、この先の野党の戦略にも今回の動きは影響しそうですね」

小栗委員長

「まさにその通りで、今後、最大の焦点は、石破内閣への不信任決議案を野党が出すのかどうかです。石破総理はこれまで周辺に、内閣不信任案が出された時点で、つまり国会での採決を待たずに衆議院を解散する意向を示していて、ある自民党幹部は『不信任案が出されたら衆参ダブル選挙になるだろう』と話しています」

「こういうことになると、選挙の準備は整っているのか、勝てる見込みはあるのか、など野党各党の思惑にもズレが出てきます。ただ、今回、野党が足並みをそろえて江藤農水大臣を辞任に追い込んだ実績は重く、立憲のある幹部は『野党のほうが数が多いという事実をもう一度、しっかり活用していかないといけない』と、国民民主のある幹部は『内閣不信任案、出すしかないだろう』と話していました」

「最終的にどうするかは、まだまだ不透明ですが、野党の結束が一歩前進するきっかけにはなったと言えそうです」

藤井キャスター

「『コメは買ったことがない』という一言から政界の大きな動きになってきましたね、李光人さん」

板垣李光人さん(俳優・『news zero』水曜パートナー)

「コメの値段が少しずつ上がり始めた時には、ここまで政治が動くことになるとは思っていなかったので、率直に驚きがあります。ただ、自分もごはんは食べますし、皆も毎日食べるよねっていうところが、皆の怒りにつながって、野党が初めてまとまって政治を動かすことになると、食の問題はすごく重大なものだなと思いました」
■「随意契約」で価格下がる? 公平性の問題も

藤井キャスター

「そして、21日に農水大臣に就任した小泉進次郎さんですが、その初日に、総理からコメ5キロの価格を3000円台にというハードルを突きつけられたわけですが、実際にコメの価格は下がるんでしょうか」

小栗委員長

「複数の政府関係者からは『トップがかわって(価格が)下がるならとっくに下がっている』と悲観的な見方も出ています。ただ、石破総理は備蓄米が市場に出回ってないことについて、21日に早速、『随意契約を活用した備蓄米の売り渡しを検討するように』と新たな指示を自ら出しました」

「これまでは競争入札でしたので、どうしても価格が上がりがちでした。これを『随意契約』にするとどうなるのか、コメの流通に詳しい宇都宮大学の松平尚也助教によると、『予定価格を決めて国が事業者と契約を行うので、この価格以下で値段を設定される。そのため、安い価格帯の備蓄米の流通が増えることになる』ということです」

「ただ、『契約する事業者をどう選定するのかという公平性の問題は予想される』と指摘していました」

■小泉氏の「改革に向けた情熱」 “変なことさせない”すでにけん制の声も

藤井キャスター

「その難しい一手を任せる重要なポジションに石破総理が、小泉さんを起用したということになるわけですね」

小栗委員長

「石破総理は、小泉さんの『改革に向けた情熱』を理由の1つにあげています。これまでの農水省の一連の対応に石破総理は『消費者ではなく農家に向きすぎている』と不満を漏らしていて、農政を改革するという点で小泉さんに期待している面もあるようです」

「ただ、小泉さんの過去の農協改革については、自民党内には『結局、改革は進まなかった』という批判的な見方もあります。実際、農水大臣の経験もある自民党のベテラン議員からは『小泉さんには変なことはさせません』と小泉さんの動きをけん制するような声もすでに上がっていて、短期間で結果を出せるのか、小泉さんにとっても石破総理にとっても正念場となりそうです」

藤井キャスター

「コメの価格は、毎週月曜日に発表されます。新大臣の手腕による効果なのか、備蓄米が行き渡り始めた効果なのか、も含めて価格動向に注目したいです」

521日『news zero』より)
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●「コメ価格の下落、備蓄米出回る4月以降か…大手スーパー担当者「大幅な値下がりはないだろう」」

2025/03/15 09:20 読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250315-OYT1T50014/

 政府がコメ価格安定を狙い初めて実施した備蓄米の入札は、9割以上が落札され、ひとまず順調な滑り出しとなった。今月下旬にもスーパーなどの店頭に並び、4月以降、販売価格も下がり始めるとみられる。昨夏の「令和の米騒動」以来続いてきたコメ価格の高騰に歯止めがかかるのかが注目される。(経済部 佐藤寛之)

■タイムラグ

 江藤農相は14日夕に開いた臨時記者会見で「胃が痛い思いをしていたが、ほっとした」と述べ、流通の停滞解消に期待感を示した。備蓄されている場所に偏りがあることを踏まえ、全国に均等に流通するよう、集荷業者や卸売業者、小売業者に通達した。

 総務省の小売物価統計調査では、東京都区部のコシヒカリ(5キロ・グラム)の価格は昨年5月から10か月連続で上昇し、今年2月には4363円で過去最高値を更新した。今後の価格について、日本国際学園大学の荒幡克己教授は「小売りや外食は既に高い価格で仕入れており、今回の放出で安い米を仕入れたとしてもタイムラグがある。4月半ばから5月の連休明けに価格は下がるのではないか」と指摘する。

 一方、入札に参加した集荷業者は「競争入札なので、安い金額では応札できなかった」と明かした。大手スーパーの担当者も「大幅に価格が下がることはないだろう」と冷ややかだ。

■不足

 これまで高騰が続いた理由は、市場に出回るコメが不足したことだ。農林水産省によると、2024年産米の生産量は前年より18万トン多い679万トン。一方で、大手集荷業者が生産者から買い集めた量(集荷量)は24年12月末時点で前年より21万トン少なく、今年1月末時点では23万トン減と減少幅が拡大した。生産量が伸びたにもかかわらず、集荷量は減ってしまっている。

 その原因の一つに、高値での売却を当て込み、一部の卸売業者や農家らがコメを抱え込んでいる実態もある。江藤氏は13日の参院農林水産委員会で「正直なところ、新しいプレーヤーが入りすぎて(流通状況が)わからない」とこぼした。

 備蓄米の放出により、流通市場でのコメ不足は和らぐとみられる。転売目当てでコメを押さえていた一部業者らも、価格が低下する前に手放さざるを得なくなりそうだ。

 ただ、農水省が計画通り21万トンの備蓄米を放出しても、コメ価格が大幅に下がるほどの影響があるかどうかは見通しにくい。24年産米は「猛暑の影響から中身がスカスカで、精米した後の量が例年より減っている」(荒幡氏)との指摘もある。
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●「菅元首相「小泉さんにぴったり」 農相就任の決断を後押しか」

5/21() 17:00配信 カナロコ by 神奈川新聞

 小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)が21日、石破茂内閣の農相に就任した。コメ価格高騰を巡る失言で前任の江藤拓氏が更迭され、米国との関税協議など難問も山積。野党時代の初当選以来、苦難を共にしてきた菅義偉元首相(同2区)が苦渋の決断を後押しした。自民党内には「総裁選への出馬を阻むための入閣要請か」との臆測も飛び交うが、小泉氏本人は「総裁選は二の次、三の次の話。コメの高騰など目の前の生活の危機を突破しないといけない」とくみする気配は皆無だ。

 「誰もが敬遠する時期で、誰もが敬遠する仕事。党の政治改革事務局長など厳しいことを選んでやってきた小泉さんにぴったりだ」。就任打診を報告した小泉氏を菅氏は励ました。自民幹部は「石破総理は断られないように外堀を埋めていた」と推測する。菅氏は神奈川新聞社の取材で「小泉氏への打診前に官邸などから相談があったのでは」と問われ、「任命権者は総理」とけむに巻いた。一方で「(打診は)テレビとかに出る前には知っていたかな」と自らの関わりに含みを持たせ、党内の「石破降ろし」の動きをけん制した。
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●「首相、コメ価格「5キロ3000円台でなければならない」国民民主・玉木氏に 党首討論」

5/22() 7:00配信 産経新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/4d5daeae8b7e711b575271d852edd8370397c0c4

石破茂首相は21日の党首討論で、スーパーなどで販売されているコメ5キロ当たりの価格について、「3000円台でなければならない」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表に答えた。

玉木氏は「コメの値段は必ず下げるのか。どのようにいつまでに5キロいくらまで下げるか」と具体的に質問した。

首相は「どこに、なぜ、どれだけのものが滞留しているのか把握しないと、おまじないを言っても仕方がない。気合で下がるわけでもないので、下げる方針が分からない」と述べた。さらに「コメの供給が安定的になされれば、こんなに価格が上下するはずがない。安定的なコメの供給を必ず実現する」とした上で、「3000円台でなければならないと思っている。4000円台などということはあってはならない」と強調した。時期については「一日も早く実現する」と述べた。

さらに首相は、実現できなかった場合に「責任を取らなければならない」と述べた。「仮に下がらないとするならば、なぜ下がらないかということをきちんと説明するのは政府の責任だ」とも語った。玉木氏は「コメの高騰が続いて1年ぐらいになるが、いまだにその分析か」と批判した。

玉木氏はコメの増産に向けて政策変更をするよう求め、首相は「増産の方向に舵を切れという主張は同意する」と明言した。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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