古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2025年07月

 古村治彦です。
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 7月28日、自民党は両院議員懇談会を開催した。4時間にわたる会議となったが、石破茂総裁と執行部は、ほぼ全員からの発言を聞き取った。懇談会後、石破茂総裁は改めて続投の意思を示した。執行部は8月7日に両院議員総会を開催する予定だ。今回の参議院議員選挙についての自民党内の報告書は8月前半をめどに出されるとされているが、総会までに発表されるかは微妙なところだ。

 麻生太郎元首相、麻生派、高市早苗議員、元安倍派四人衆、おまけで書くと自民党組青年局といった自民党裏金・極右勢力が、石破首相退陣を求めて動いている。両院議員総会で、石破首相の退任を求める決議を通そうとして動いている。自分たちが安倍晋三政権下でしてきた失政や違法行為の責任を石破首相におっかぶせて、なかったことにして、復権しようという私利私欲にまみれ尽くした、旧態依然の、統一教会やカルト集団に汚染され尽くした自民党極右勢力の動きは断じて許されるものではない。野党支持者の中には、石破首相が退陣してのちのことを考え、高市早苗総理総裁や小泉進次郎総理総裁になるシナリオが実現することはとんでもないと考え、石破首相続投を求める人たちが出ている。

 最悪のシナリオは、自民党が参政党(加えて国民民主党)と連立を組む、あるいは閣外協力をすることだ。現在、衆参両院で自公連立政権は過半数を握っていない。野党勢力が数字上は過半数を握っている。しかし、野党は数が多く、限られたテーマでしか一致協力することができない。自公政権と部分的な協力を各党が模索していくことになる。私はそれでよいのではないかと思う。問題は参政党、国民民主党といった排外主義手的な極右政党が自公(公明は抜けるかもしれないが)と連立政権を組んで、極右的な政策を進めることだ。野党支持者を含む多くの人々がこのことに懸念を持っている。安倍政権下で進んだ日本政治の劣化を繰り返すことに懸念を持っている。特に、参政党について、その十互い知られるようになって、懸念や忌避感は大きい。7月27日に毎日新聞が発表した世論調査の数字によると、参政党に期待できると答えた19%、期待できないと答えたのは46%だったということだ。期待できると期待できないの、2つの数字の差はこれから大きくなっていくだろう。

 石破政権で保守本流による自民党の立て直しこそが、日本政治の再スタートの前提となる。それらが整ってからが、全ての政党による政権を目指すレースのスタートである。残念なことに、立憲民主党執行部は今回の選挙で議席数を増やすこともできていない上に、石破降ろしに加担するかのような発言をする幹部クラスがいる。立憲民主党もまた、内部をしっかりと整えて、日本政治の再スタートができるようにすべきだ。保守傍流・安倍政治の誕生と隆盛を許した旧民主党執行部の面々が今でも大きな顔をして闊歩しているようでは、「立民に是非政権を担って欲しい」という声が国民から澎湃として湧き上がるということは絶対に起きないとここに断言しておく。私は断言することは好まないが、このことに関しては断言しておく。立民もまた内部を改革し、中身を変えていくべきだ。

 秋からの国会で、旧安倍勢力と結んだ参政党や国民見主党が石破政権打倒、高市政権樹立のために様々な画策を行い、国益を毀損する行動に出るだろう。しかし、私利私欲にまみれた動きは国民世論の後ろ盾を得られないだろう。そして、次の選挙で審判を受けることになる。

(貼り付けはじめ)

極右の挑戦者の出現で日本の自民党は揺らぎつつある(Japan’s LDP Is Teetering as Far-Right Challenger Emerges)

-与党はソーシャルメディア時代への備えができていないのかもしれない。

ウィリアム・スポサト筆

2025年7月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/07/28/japan-election-ishiba-sanseito-ldp/

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日本の野党である参政党の指導者である神谷宗弊がメディアに話している(7月20日、東京)

日本の国会議員選挙の惨憺たる結果を受け、日本の議員や政治アナリストの間では、石破茂首相の余命は僅かだという見方が広がっている。しかしながら、続投を誓っている石破首相に直接そう告げた者はいないようだ。

現在の政治危機は、7月20日に行われた参議院選挙の結果である。参議院は国会の中では比較的権限の少ない議院である。参議院選挙は首相の選出に直接的な役割を果たさないものの、与党は堅固である一方で、個々の指導者の基盤が概して不安定な日本の政局を象徴するものだ。

1955年の結党以来、70年間のうち64年間政権を握ってきた石破首相率いる自由民主党は、宗教色の強い連立政権を組む公明党の支持を得ても、過半数の議席を失った。与党連合は現在、参議院の248議席のうち122議席を握っているが、衆議院の465議席のうちわずか220議席しか握っておらず、政権の掌握力は不安定だ。

しかし、この衰退は主要野党の勢いを全く押し上げることができていない。2017年に合流して誕生し、前身の政党が2009年から2012年にかけて政権を握った立憲民主党は、衆議院で148議席、参議院ではわずか38議席しか獲得していない。

日本は、若い有権者、特に男性がソーシャルメディアで世界観(view of the world)を構築し、そこで目にする情報に満足していないという、西側諸国で増加している勢力の仲間入りを果たしつつある。他の国々と同様に、物価高や外国人といった安易な標的に対する怒りが高まっている。しかし、その結果台頭してきたポピュリストたちは、明確な政策を提示していない。怒りのユーチューブチャンネルから誕生し、「日本人ファースト(Japanese First)」という耳になじみがある、漠然とした理念を掲げ、テレビ映りの良い参政党(Sanseito)は、今回の選挙で大勝し、前回の1議席から15議席に増え、二段階選挙の比例候補者の得票率も15%と、まずまずの成績を収めた。少なくとも今のところは、彼らは依然として少数政党のままである。

外国嫌いの右翼政党の台頭は、日本、そして自民党は既に広く外国嫌いが広がっているとみなされているので、やや過剰に思われる。2018年、自民党保守派の代表格であった当時の安倍晋三首相は、国会で「いわゆる移民政策を取るつもりはない(no intention of taking a so-called immigration policy)」と述べた。近年、低賃金労働の補充を目的とした移民の流入が見られるものの、外国人人口は日本の人口の3%を占めており、これは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も低い水準であり、アメリカの14%を大きく下回っている。もちろん、永住者(permanent residents)は約半数に過ぎない。

怒りの多くは、東京や京都といった人気都市に大勢の外国人観光客が押し寄せていることに向けられているようだ。もちろん、これは移民問題とは全く関係ないが、参政党にとって、日本の土地を買い漁り、犯罪を実行しているという外国人の悪事を語る格好のネタとなっている。参政党の主要な政策論点には、かつて「狂信的な過激派(unatic fringe)」と呼ばれていた人々が常々主張する陰謀論や虚偽が含まれており、それらは政治の片隅から中心へと躍り出る恐れがある。彼らは、新型コロナウイルスは製薬会社が仕組んだものであり、第二次世界大戦中、日本は単に他のアジア諸国の解放を目指しただけであり、グローバライゼイションは日本の輸出主導型経済(Japan’s export-driven economy)に何らかの形で打撃を与えたと主張している。

平均的な日本人にとってより顕著なのは、インフレ率が依然として緩やかであることだ。インフレ率は、物価の構成要素によって異なるが、2.5から3.5%だ。しかし、この抑えられる数字の中には、日本文化において神話的な地位を占める主食である米の小売価格が倍増しているという現実がある。

米不足は計画経済の落とし穴を明らかにした(ドナルド・トランプ米大統領は留意すべきだ)。その責任の多くは、食生活の変化に合わせて年間米生産量を削減するという、長年にわたる政府の政策にある。卸売価格と生産量が政府によって固定されていたため、日本では米備蓄が増大し、管理コストが増大した。しかし、気温上昇と戦後世代の農家の大量退職により、この状況は急激に悪化し、米の生産に利用可能な土地が減少した。これに対し、政府は価格低下を促すため、備蓄の放出と輸入の増加に着手したが、効果は鈍いままだ。

インフレの復活は、政府と中央銀行の長年の目標であり、日米両国ともデフレ圧力が経済の足かせになっていると認識していた。しかし、2024年のアメリカ大統領選挙で見られたように、たとえそれが賃金の停滞を意味するとしても、消費者はデフレを好む。

その影響は心理的なものも一部にあるが、測定可能なものでもある。インフレ環境では、物価は着実に上昇する一方で、賃金の上昇は(たとえ同じ水準であっても)緩やかになり、どんなに速く走っても追いつけないという「トレッドミル」感覚(a “treadmill” feeling)につながる。データもこの認識を裏付けており、日本の労働者の実質賃金(インフレ調整済み)は過去2年間の大半で低下している。5月には、前年同月比で2.9%下落した。

賃金の上昇も一様ではない。大企業は円安の中で増加した利益の一部を賃金の引き上げに充てることができたが、日本の労働者の70%を雇用する中小企業は圧迫されており、賃金の引き上げに苦闘している。

 

 

こうした不満はソーシャルメディアを通じて「メガホン効果(megaphone effect)」を帯びている。参政党の経済政策は漠然としており、実現可能性は低いだろうが、だからと言って、国民の支持が薄れる訳ではない。参政党のカリスマ的な指導者であり、共同創設者でもある神谷宗弊は、日本の労働力人口の減少と、対GDP比230%を超える債務比率(アメリカの約2倍)といった問題を抱えながらも、日本の経済問題は外国人労働者の削減と減税によって解決できると述べた。

「新聞を読み、それに基づいて意思決定をする人々は、伝統的な政党に投票している。一方、ブログやソーシャルメディアの投稿、YouTubeを多く見て意思決定をする人々は、反エスタブリッシュメント政党に投票する傾向がある」と、参政党の台頭を研究している、東京の早稲田大学の研究者ロメオ・マルカントゥオーニは最近ロイター通信に語った。

しかし、不満を抱える有権者に金銭を分配しようとしているのは、参政党だけではない。他の政党も所得税減税や、現在10%である消費税の減税を提案している。自民党は財政債務の悪化を懸念し、より限定的な一時金支給(more limited once-time cash payments)を提案している。

自民党は、その危機的な状況に対する対応が鈍い。党の再構築と意思決定の透明性を求める声があるにもかかわらず、焦点は石破首相の後任に誰を据えるかに移っており、最も有力視されているのは、2024年10月の党総裁選での石破以外の他の候補者たちだ。これらには、極右派(far-right)の高市早苗、小泉進次郎農水相、麻生太郎元首相などが含まれる。しかし、いずれも斬新なイメージを醸成するものではなく、それぞれに問題を抱えている。高市は過激すぎると見られ、党内のリベラル派を懐柔できない。小泉はその役割において精彩を欠き、元総裁である小泉純一郎の息子であることで知られている。一方、84歳の麻生は、頻繁な失言で知られている。

一方、石破氏、7月28日に230人を超える自民党国会議員と4時間にわたる緊迫した会合を行った後、総裁職にとどまらねばならないという立場を繰り返した。選挙後、石破には辞任を求める声が広く上がっているものの、世論調査では一定の支持も得られており、即時退陣は不透明になっている。

石破はまた、土壇場でアメリカとの貿易協定を驚異的な形で締結したことを誇示している。この協定により、少なくとも日本の輸出品、特に自動車部品への関税によるダメージは限定的なものとなる。しかし、反対派はこれを逆手に取り、合意が成立した以上、石破は辞任できると主張している。政治において、感謝の気持ちは決して余剰物にはならない。

これらは、自民党をはじめとする日本の既存政党が直面する構造的な問題を解決するものではない。慶應義塾大学産業研究所の政治問題エキスパートである茂垣昌宏は、「自民党のような包括的政党(catch-all parties)が、新興の社会課題に対応できるかどうかは不明だ。物事がうまくいかない状況下で、人間が過激化するのは自然な反応かもしれません」と語った。茂垣を含むアナリストたちは、自民党がインフレ、低経済成長、高齢化社会といった課題を受け入れ、それらに対処するための国民的な合意を模索すべきだと指摘した。ソーシャルメディアが注目するかどうかとはまた別の問題だ。

※ウィリアム・スポサト:2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿する東京在住のジャーナリストだ。20年以上、日本の政治と経済を追跡し、ロイター通信とウォールストリート・ジャーナル紙で働いてきた。また、2021年に発行されたカルロス・ゴーン事件とそれが日本にもたらした影響に関する著作の共著者でもある。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 第二次ドナルド・トランプ政権が発足し、半年以上が経過した。トランプの電撃的な政策実行も一段落したという感じになっている。そして、最近ではイーロン・マスクとの争いが起きている。身内である共和党からも批判の声が出ている。また、ジェフリー・エプスタイン事件のファイル公開について、トランプが実施しないとしたことで、支持者や共和党議員たちからも批判が出ている。

 下記論稿では、ドナルド・トランプ大統領が直面する問題として挙げられているのは、関税引き上げによる経済への影響、ロシアとウクライナの停戦・支援問題、予算をめぐる対立が挙げられている。共和党はそもそも、自由貿易(低い関税)、アイソレイショニズム(海外の戦争に関わらない)、小さな政府(小さな予算)を志向してきた。支持層は中小企業を含む経営者であり、保守政党であった。それが、トランプが大統領になって、これまでの志向とは異なる政党になった。議員たちからすれば、トランプに反対してしまうと、選挙で支持をしてもらえない、反対だと言われてしまう、対立候補を立てられてしまって党内の予備選挙で負けてしまうということがあるので、表立っての反対はできないでいた。

 しかし、たとえば、ウクライナ戦争について言えば、トランプ大統領も選挙期間中に、すぐに停船させる、ウクライナに支援はしないと述べていた。しかし、実際には停戦は出来ず、ウクライナ支援は継続されている。このことは、共和党の議員たちや支持者たちからすれば、約束不履行ということになる。

 このような状況で、来年の中間選挙に向けて、議員たちは自分たちの選挙のことを考えて動くことになる。そうなると、トランプと衝突する議員たちも出てくることになるだろう。これからのアメリカ政治に注目していかねばならない。

(貼り付けはじめ)

トランプ大統領の今後6カ月間に注目すべき右派の3つの大きな戦い(3 major fights on the right to watch in Trump’s next 6 months)

エミリー・ブルックス筆

2025年7月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/newsletters/the-movement/5412436-movement-fights-gop-trump-six-months/

共和党はドナルド・トランプ大統領の就任後6カ月間、彼を中心に団結してきた。しかし、右派内でくすぶっていた対立は、今年後半に一気に表面化すると見込まれている。

トランプの減税と支出優先事項を盛り込んだ「大きく美しい1つの予算案」が共和党によって可決されたことで、党内での他の議論を整理する余地が生まれた。トランプの支持率は夏場の低迷期に差し掛かっており、批判の余地が生まれている。また、ジェフリー・エプスタインに関する暴露がトランプの共和党への支配力の弱まりを露呈しています。

注目すべきポイントは以下の通りだ。

(1)   関税引き上げ対自由貿易本能(1. Tariff hikes versus free trade instincts)

共和党は、トランプ大統領が数カ月間一時停止していた大半の国への関税引き上げを、8月1日のもう一つの重要な期限を前にして、警戒している。

共和党所属の連邦議員の多くは、交渉の達人と常々称賛するトランプ大統領に、貿易相手国との合意締結の余地を与え、傍観してきた。しかし、ハワード・ラトニック商務長官は週末、CBSニューズの番組「フェイス・ザ・ネイション」で、8月1日の期限は厳守すると述べた。

ジョン・ケネディ連邦上院議員(ルイジアナ州選出、共和党)は先日、本誌に対し、関税をめぐる不確実性を考えると、世界経済とアメリカ経済は「現在、脆弱な状況にある」と述べた。

「ケネディ議員は私たちは未知の領域にいる。関税がアメリカ経済や世界経済にどのような影響を与えるかは分からない。私も、そして誰も分からない」と述べた。

共和党議員たちは、国際的な合意が不足する中で、迫り来る関税について既に懸念を表明し始めている。

例えば、『ポリティコ』誌が報じたように、ロン・エステス連邦下院議員(カンザス州選出、共和党)率いる共和党議員24名は先月、ジェイミーソン・グリア米通商代表部(USTR)に書簡を送り、民間航空機に対するゼロ関税政策の維持を求めた。

関税が現実味を帯び、合意がほとんど得られない場合、静かな懸念は大きく声高になる可能性が高い。

(2)ロシアとウクライナに対する姿勢(2. Posture toward Russia and Ukraine)

ロシアのウラジーミル・プーティン大統領がウクライナ侵攻を終結させるようないかなる合意にも抵抗していることから、トランプ大統領のプーティン大統領に対する忍耐は明らかに限界に達しており、結果としてトランプ大統領はロシアに対してより強硬な姿勢を取ることに前向きになっている。

トランプ大統領は7月14日、ロシアが50日以内に合意に至らなければ、ロシアに「非常に厳しい関税(very severe tariffs)」を課すと警告した。超党派の対ロシア制裁法案を支持する共和党議員たちは、トランプ大統領がゴーサインを出し次第、採決を行うと述べている。

しかし、ロシアとウクライナの衝突に自らが関与することに依然として懐疑的な共和党議員たちも少なくない。ジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出、共和党)は先週、『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタヴューで、NATO加盟国への武器供給を加速させ、その武器をウクライナに送るというトランプ大統領の計画を批判した。

グリーン議員は、「私はあらゆる集会でこう言ってきた。『ウクライナへの資金援助はもう止めろ。私たちは平和を望んでいる』と」と述べた。

先週、連邦下院共和党議員76人が、グリーン議員が提出した修正案に賛成票を投じた。修正案は否決され、下院共和党議員の過半数に満たない支持しか得られなかったものの、それでもなお大きな割合を占めており、トランプ大統領によるキエフ支援の取り組みを複雑化させる可能性がある。

(3)政府予算をめぐる対立(3. Government funding clashes)

財政タカ派の懸念もあり、トランプ大統領は共和党議員全員の同意を得るために、自らの「大きく美しい1つの予算案」の可決に尽力した。そして、9月30日の予算期限を前に連邦議会が通常の政府予算案に取り組み始めるにつれ、こうした対立と力関係は更に複雑化するだろう。

同僚のアレックス・ボルトン記者によると、政府閉鎖への懸念は既に高まっている。共和党は、バイデン前大統領の下で承認された水準で依然として運営されている政府を維持するために、連邦上院民主党の協力を必要としているからだ。

通常、連邦上院の60票の賛成多数をクリアするには、歳出に関するより穏健な合意が必要となる。そして今回は、「大きく美しい1つの予算案」と、公共放送や対外援助に既に割り当てられている予算を差し戻した法案に憤慨する民主党が、より積極的な姿勢を取ろうとしている。

更に事態を複雑にしているのは、共和党の財政赤字対策に反対するタカ派による激しい反発だ。彼らは「大きく美しい1つの予算案」が歳出削減に十分な効果を上げなかったことに失望している。

しかし、8月の休会を前に通常の政府歳出法案の審議がほとんど進んでいないため、一時的な措置が取られる可能性が高まっている。これは財政赤字対策に反対するタカ派を激怒させるような提案となるだろう。

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 2023年10月から始まったイスラエル・ハマス紛争はイランやシリア、レバノンを巻き込んでの地域紛争となっている。イスラエルがシリアやレバノンを攻撃し、紛争を拡大している。イスラエルに対しても、イランからのミサイル攻撃が実施されるなど、厳しい状況が続いている。ガザ地区ではイスラエル側による住民への非人道的な攻撃が続いている。

 イスラエルがなぜこのような残虐な行為を続けているのか。自国の安全保障のため、自国の存在を守るためという理由付けがされるが、実際のところは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が自身と家族のスキャンダルによる裁判、投獄を避けるために、権力に妄執し、極右勢力を内閣に引き入れて、戦争を継続、拡大させているからだ。自身の汚職の責任を取りたくないために、投獄されることを避けるために、首相の座を握る必要がある。そのために戦争を拡大させている。このことは、2024年に出した、佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相』(秀和システム)で、佐藤先生が指摘している。そのことがアメリカでも報道されているようだ。

 そして、ガザ地区の紛争ぼっ発当初からの窮状について、その時に政権を握っていた、ジョー・バイデン前大統領と側近たちは、その実情を知りながら、知らないと嘘をつき、そのようなことは起きていないと嘘を重ねながら、イスラエルを支援し続けたという告発がなされている。バイデン政権のそのような虚偽を押し通す姿勢に抗議して職を辞した人物たちもいて、そうした人々が声を上げている。遅きに失したという批判はあるだろうが、声を上げない(ゼロ)よりも、声を上げる(イチ)ということは、「ゼロからイチへ」という大きな行動である。

 現状、ガザ地区で日々命の危機に去られている人々への責任は当事者全てにある。アメリカは免罪されない。アメリカこそが重大な責任を負っている。ネタニヤフの延命に手を貸しているということでいけば、イスラエル国民に対しても責任を負っている。ドナルド・トランプ大統領が登場して、イスラエルへの支援を続けている。状況は変わっていない。しかし、トランプ大統領はイラン空爆を行って、事態を一応収めている。イスラエルにこれ以上の攻撃は無用、もし攻撃をすればアメリカの意向に反する行為だと釘を刺している。ネタニヤフはガザ地区で非人道的な攻撃を繰り返して、イランやイスラム組織を挑発し、先に手を出させて、イスラエルの攻撃の正当性を担保しようとしている。どこまでいっても、ガザ地区の人々は救われない。大きく見れば、世界的にイスラエルとアメリカが行っている行為は、多くの批判を浴び、怒りを集めている。結局のところ、これらはイスラエルとアメリカの国益に適わない。無理に無理を重ねていけばいつか続かなくなる。イスラエルの国際社会での立場はのけ者にならざるを得ない。イスラエルの良識あるっ勢力が権力を獲得することが何よりも重要だ。

(貼り付けはじめ)

バイデンのティームはガザ地区について嘘をついた。彼らの責任を問う時だ(Biden’s Team Lied About Gaza. It’s Time to Hold Them Accountable.)

-戦争犯罪を幇助したことへの免罪符はアメリカの民主主義を弱体化させる。

マシュー・ダス筆

2025年7月18日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/07/18/biden-war-crimes-israel-gaza-accountability/

7月11日、『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』誌は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が政治的な理由でガザ紛争を長期化させている実態を詳細に取材した記事を掲載した。この記事は、首相が自らの連立政権維持に狂信的なまでに執着し、投獄を免れるために、数万人(そして今も増え続けている)のパレスティナ人を殺害し、イスラエル人人質の命を犠牲にし、自国イスラエルを国際的なのけ者(an international pariah)にしようとしていることを示しているだけでなく、バイデン政権の戦争対応を非難する検察側の報告書における新たな証拠となっている。ジョー・バイデン前米大統領は、無責任で気難しい人物として描かれ、ネタニヤフ首相に方針転換を迫り、彼がそうすると言ったら信じ、そしてネタニヤフ首相がどうしてもそうしないと激怒するという描写が繰り返されている。

偉大なアメリカの詩人ジョージ・W・ブッシュの言葉を借りれば、「私を一度騙すなら、それはあなたが悪い。一度騙されたら、二度と騙されることはない(Fool me once, shame on you. Fool me—can’t get fooled again)」ということになる。

たとえバイデンが騙されていたとしても、言い訳はできない。もしバイデンが、何が起きているのか正確に知らなかったとしても、彼の国家安全保障ティームの他の幹部たちは確実に知っていた。数週間前、国務省のマシュー・ミラー前報道官は、イスラエルがガザ地区で「戦争犯罪を起こしていることは疑いなく事実だ」と発言して話題となった。しかし、スマートフォンを持っている人なら既に知っていたことだ。歴史上、被害者と加害者の双方によってこれほど詳細に記録され、リアルタイムで放送された大規模残虐行為(mass atrocity)はない。それでも、ミラーのような人物の発言は注目に値する。彼は以前、その証拠を見たことがないと繰り返し否定するのが仕事だった。

バイデン政権のガザ地区政策の基礎となった嘘は、ガザ地区で市民に加えられた甚大な被害は意図的なものではないというものだった。民間人に危害を加えることは、イスラエルの戦略の一部なのだ。国際司法裁判所での南アフリカの裁判でも明らかになったように、イスラエル政府高官の多くは、この点に関する彼らの意図をかなり公言している。

この戦争に関する膨大なリアルタイムの報告、とりわけパレスティナ人自身による報告に加え、スージー・ハンセンによる最近のニューヨーク・タイムズ・マガジンのカバーストーリーは、バイデン政権高官がいつ何を知っていたのかについて、これまでで最も詳細な説明を提供している。ミラーの告白とともに、政権高官たちは戦争犯罪が行われていることに気づいていなかったという主張は、これで一掃されるはずだ。それにもかかわらず、重大な人権侵害や人道援助の制限で告発されている軍への武器供与を禁止するアメリカの法律に違反して、彼らは武器を供与し続けたのだ。

バイデン政権の高官たちが、この歴史的大惨事(historic catastrophe)における自分たちの役割を正当化するために用い、そして今も用いている主な論拠について、簡単に触れておく価値がある。国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたジェイク・サリヴァンが公の場でこの件について質問された際に、サリヴァンがそれらの論拠を一つ一つ説明しているのを見たことがあるだろう。

第一に、イスラエルの敵対勢力はアメリカによる武器供給停止を攻撃の動機と解釈し、バイデン政権が避けたかった地域情勢の激化につながる可能性があるというものだ。これは二つの理由から疑問視される。一つ目は、ハマスにとって大きな失望であったが、その同盟者と目されるヒズボラとイランは、象徴的な武力誇示以外には戦争に参加する意思がなかったことは明らかである。バイデンがアメリカの大きな影響力を行使して戦争を終結させたとしても、この計算が変わらなかったという証拠は見当たらない。二つ目に、戦争が最終的に地域的に激化した際、それをエスカレートさせたのはバイデンの支援を受けたイスラエルであった。

もう一つの主張は、武器供給を維持することで、武器供給が停止されていたならば失われていたであろう、イスラエル政策に対するアメリカの影響力が一定程度発揮できたというものだ。この主張が明らかに機能しなかったという事実に加え、私がこの主張を非常に奇妙に思う理由の一つは、現在主張している同じ人物が以前はそれを否定していたという事実だ。

2018年11月、バラク・オバマ政権の元高官30人が、イエメン戦争への残虐な介入を理由にサウジアラビアへの武器供給停止を支持する公開声明を発表した。署名者たちは、以前は「同盟軍に国際人道法を遵守させ、並行する外交努力を支援するための影響力を得るために」サウジアラビアを支持していたが、今にして思えばこれは間違いだったと説明している。署名者のほぼ全員が後にバイデン政権で働いた。そして今、イスラエルのガザ戦争への支持を、サウジアラビアのイエメン戦争への支持を正当化した際に後悔したのと全く同じ言葉で正当化している人もいる。

この主張をする政府高官たちは、多大な努力によって、イスラエルが本来提供していたであろう以上の援助をガザ地区に時折送り込むことができたと指摘する。その援助が、そうでなければ援助を受けられなかった少数の人々にとって確かに大きな変化をもたらしたことは認めるべきだが、イスラエルの攻撃を支援し続けることの代償を帳消しにするには程遠い。時折ジェノサイドにブレーキをかけたからといって、大して評価されるべきではないと思う。

しかし、問題はここにある。たとえ、その正当性が理にかなっていたとしても、バイデン政権がイスラエルの行為について国内外に誤解を与え続ける必要はなかった。人道支援を妨害するイスラエルの政策には明確な証拠があるが、アメリカの安全保障上の利益は、支援を打ち切るのではなく、武器を供給し続けることが最善であると述べて、支援を継続するために法的な権利放棄の権限を使うこともできたはずだ。そうすれば、少なくとも率直な議論ができたはずだ。

しかし、彼らはそうしなかった。彼らは嘘をついた。何度も嘘をついた。組織的虐待の証拠はないと主張した。彼らは「あまりにも多くのパレスティナ人が殺された」などという奇妙な表現に頼った。イスラエルは人道支援を促進するために「十分なことをしていない」と言い、政策上の問題を物資供給の問題(a logistic problem)であるかのように装った。

バイデン政権は、イスラエルの行為の現実を曖昧にすることに全力を注いでいたため、幻想(the illusion)を持続させる目的でまったく新しいプロセスを作り出した。2024年2月にバイデンが率いるホワイトハウスが発表した国家安全保障覚書第20号は、米国務省に対し、「(アメリカの)防衛品と、必要に応じて防衛サーヴィスを受け取る外国政府から、アメリカと国際法を遵守するという、一定の信頼できる書面による保証を得る」よう指示した。

ここ数カ月、私はホワイトハウス、米国務省、そしてペンタゴンで働いていたバイデン政権の元高官たちと数多く面会してきた。彼らのほとんどは、この事実を否定していない。イスラエルが意図的に民間人に危害を加えており、バイデン政権はあらゆるレヴェルでそれを認識していたことを認めている。彼らは、この政策に対して政権内部で抵抗を続けてきたと主張している。彼ら全員に対する私の返答は一貫して同じだ。それは、「今すぐ声を上げ、それについての真実を語って欲しい(Speak up now and tell the truth about it)」だ。

しかし、今のところ、彼らが声を上げている姿を見ていない。ごくわずかな例外を除いて、イスラエル・パレスティナ問題担当元国務次官補のアンドリュー・ミラーや、元ホワイトハウス特別顧問のイルアン・ゴールデンバーグなどはそうしているが、彼らのほとんどは、バイデン政権が助長した残虐行為の甚大さ、そして国と世界にもたらすであろう極めて悲惨な結果について、公の場で真摯に反省しようとさえしていない。前国務長官のアントニー・ブリンケンは、ドナルド・トランプ大統領のイラン攻撃に関する最近の『ニューヨーク・タイムズ』紙の論説で、いかなる成功も自分の手柄にするという臆面もなく姿勢を示しながら、「ガザ地区」という言葉に一度だけ言及した。

それでは、アメリカの政治家と有権者たちは、この問題に対してどうすべきだろうか。バイデン政権の高官たちが外交政策エスタブリッシュメントに再び戻っていく中、これは重要な問いだ。マシュー・ミラーが上司である大統領の建前を言い続けること選んだと認めたことは、バイデンを二度と信頼できる人物として扱うべきではないことを明確に示している。しかし、私たちは既にそのことを承知しており、たとえ遅きに失したとしても、ミラーが今声を上げたことは非常に重要なのだ。

彼の同僚たちから、彼らが何を知っていたのか、いつ知ったのか、そして政策変更の試みが高官たちによって繰り返し阻止された経緯について、もっと多くの話を聞く必要がある。たとえ非常に遅ればせながらでも、声を上げる元高官たちを攻撃するのではなく、歓迎すべき。ガザ地区でのジェノサイドとされる事件の再発を防ぐには、そしてそれが最優先事項でなければならないのは、人々が歴史の記録に何が間違っていたのかを語り、遅かれ早かれそれを実行するために、知っていることを私たちに伝える場を作ることだ。

重要な時に声を上げ、公に辞任するという職業上のリスクを負った高官や任命された人々も、私たちは認めるべきだ。ジョシュ・ポール、タリク・ハバシュ、ハリソン・マン、リリー・グリーンバーグ・コール、そしてステイシー・ギルバートは皆、名誉ある公務員とはどういうことかを私たちに示してくれた。彼らは「ノー」と言う勇気を持っていた。彼らはまさに、この国が政府に必要としている人材だ。

バイデンのガザ政策を立案した人々はそうではない。率直な発言によって最終的に政府に復帰できる可能性のある、より若い高官たちとは異なり、この大惨事の最も責任のある人々は、将来の政権においていかなる役割も担うべきではない。

元政権の同僚や他の民主党員から聞いた主張の1つは、トランプとトランプ主義という真の脅威に焦点を当て、民主党連合内で争うべきではないというものだ。これは、2009年にバラク・オバマ元大統領がブッシュ政権下の拷問者たちの法的責任追及を断念した際に述べた言葉と重なる。「過去を振り返るのではなく、未来を見据えよう(Look forward as opposed to looking backward)」というものだ。

しかし、この主張には2つのポイントが欠けている。第一に、これは単に「過去を振り返る」ことではないということだ。ガザ地区でのジェノサイドは今も続いている。今まさに起こっている。むしろ、激化している。説明責任追及(accountability)は、将来の犯罪を防ぐだけでなく、現在発生している犯罪を阻止するためにも必要だ。

第二に、オバマ大統領の決定は、その時点では賢明な政治的判断だったかもしれない。しかし、2008年に経済を崩壊させた企業幹部に何の責任も負わせなかった決定と同様に、エリート層の不処罰というシステム(a system of elite impunity)を強化し、アメリカの民主政治体制を蝕んでしまった。トランプが「システムは不正に操作されている(the system is rigged)」と発言して支持を集めるのは、システムが不正に操作されているからだ。それはトランプのような富裕層のために不正に操作されている。そして、想像し得る最悪の犯罪を幇助しても、法的、職業的、その他の面で何の責任も問われない、元政府高官のようなコネと影響力を持つ人々のために不正に操作されているのだ。

アメリカの民主政治体制の再建を真剣に考えるならば、不正操作を是正し、不処罰を終わらせることが不可欠だ。ガザ地区問題への責任追及を求める闘いは、トランプ主義との闘いと切り離せない。

※マシュー・ダス:国際政策センター筆頭副会長。2017年から2022年までバーニー・サンダース連邦上院議員の外交政策アドヴァイザーを務めた。Xアカウント:@mattduss

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(終わり)

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 2025年7月20日の参院議員選挙後、参院で与党過半数を割り込んだことを受けて、自民党内から、石破茂総裁の退陣を求める声が出ている。石破降ろしの震源地は麻生太郎元首相、高市早苗代議士、萩生田光一代議士をはじめとする旧安倍派裏金四人衆だ。そこに茂木敏光代議士も加わっている。

この人物たちに共通しているのは、故安倍晋三政権下に我が世の春を謳歌しながら、その悪事や危険な思想、無能力がばれてしまい、すっかり見限られてしまったということだ。この人々が安倍政権下で行ったことが原因で引き起こされた事件や国民生活の苦難について、恬として恥じ入ることもなく、議員の職を辞することもなく、居座り、税金を原資と売る歳費を貪り食っている。自分たちが引き起こした苦難が原因での、自民党の選挙の敗北を「最高指揮官が責任を取るのが筋」と主張して、自分たちの責任を免れ、なかったことにしようとしている。

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石破首相の進退巡り自民内に亀裂 旧安倍、茂木派が辞任圧力強める

7/24(木) 18:52配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/6a75afd4a588aee9ad31ac7735407c854199a81c

参院選で大敗した石破茂首相の進退を巡り、自民党内で亀裂が生じている。退陣が不可避な情勢となりながら続投を重ねて表明した首相は24日、日米関税交渉合意への対応に意欲を示した。一方、旧安倍派と旧茂木派、麻生派の有志議員らが首相の責任を問うため、両院議員総会の開催へ署名活動を展開し、辞任圧力を一層強めた。麻生太郎最高顧問や岸田文雄前首相が23日の石破首相との会談で続投に難色を示したことも判明した。関係者が明らかにした。

首相は24日、官邸で開いた都道府県議会議長との懇談会で、関税合意を踏まえ「影響を見定めつつ、地方の声を聞きながら一つ一つ課題に必要な対応を行う」と述べた。自民内では、合意により続投する理由が薄まったとの見方がある。だが首相は、影響を受ける事業者への追加支援に今後も全力を挙げるとしている。

同懇談会の終了後、官邸に首相を訪ねた鈴木宗男氏によると、首相は退陣論に関し「いろいろな意見があっていい」と語った。関税合意に基づき「日米関係をまた発展させたい」とも強調した。

(貼り付け終わり)

 麻生、高市、旧安倍派の復活は衰退亡国への一里塚である。統一教会をはじめとするカルトと親和性の高い自民党保守傍流の安倍派の復活は東アジアの安定を大きく損なう。また、今回の参議院議員選挙で躍進した参政党や国民民主党は安倍派と親和性が高い。現在少数与党の自公政権であるが、これらが協力することで、高市早苗議員を首班指名することができる。この2つの「極右(狂右)」勢力の発言力が高まることで、排外主義、対中今日姿勢が高まることは間違ない。そうなれば、国民生活は圧迫され、経済的にも苦しい状態に追い込まれる。このようなシナリオを避けることが極めて重要だ。

 自民党は結党以来、70年の間で、何度も政局を起こし、党内の激しい闘争を経験してきた。私が思い起こすのは1979年の「四十日抗争」だ。1979年の衆議院銀選挙(総選挙)で、自民党を率いる大平正芳総裁が一般消費税導入を訴えたが、自民党内でも反発が大きく、自民党が過半数割れを起こす事態となった。この結果に対して、三木武夫元首相、福田赳夫元首相が反発し、大平正芳の退陣を求める。田中角栄はロッキード事件で自民党を離党していたが、田中派は健在で、田中角栄は大平正芳を支援した。ここに、自民党保守本流(吉田茂を源流とする、自由党系の池田勇人と佐藤栄作の流れ)と自民党保守傍流(鳩山一郎や岸信介、三木武夫の日本民主党系の流れ)の争いが勃発した。大平・田中対福田・三木・中曽根という構図になった。中曽根はやや中間的な立場だった。大平・田中は自民党本部で両院議員総会を開催しようとし、反対派がホールをバリケード封鎖し、そこに浜田幸一が乗り込んで、大暴れして、「いいか断っとくけどな、かわいい子供達の時代のために自民党があるっちゅう事を忘れるな!?お前らの為にだけ自民党があるんじゃないぞ!?」と凄むシーンはこれまでに何度もテレビで流されてきたので、見たことがある人も多いだろう。

 選挙後の国会での首班指名で、自民党の候補を決めることができずに、本会議となってしまう。結局、大平正芳と福田赳夫の2名が候補となる事態となった。

 衆議院の1回目の投票では大平135票、福田125票、他は各野党の党首などとなり、過半数を得る候補者が現れず(議席数は511)、決選投票では大平138票、福田121票、無効票252票となり、大平が首班指名された。参議院でも同様となり、1回目の投票で大平78票、社会党の飛鳥田一雄委員長51票、福田赳夫38票となり(議席数は235)、決選投票で大平97,飛鳥田52票、白票87票となり、大平が指名された。ここから党内にしこりが残ることになった。1980年の予算審議で、自民党側が野党の予算修正の申し入れを拒否したことで、社会党、公明党、民主党が態度を硬化させた。そして、5月に内閣不信任案が提出された(社会党単独提出、公明、民社が参政を確認、共産党も同調)。自民党内の反州流派の動きによっては内閣不信任案が可決されてしまうという状況となった。

 本会議での採決では、中曽根派が反対に回り、福田派や三木派からも一部反対が出た。しかし、大半は本会議を欠席した。結果として、賛成243票、反対187票で不信任案が可決された。大平内閣に残された道は内閣総辞職か、衆議院の解散総選挙で、大平首相は解散総選挙を選んだ。これは「ハプニング解散」と呼ばれる。衆参同日選挙が決まったが、選挙期間中に大平正芳首相が急死し、弔い合戦ムードとなって、争いは収まり、選挙は大勝となった。

 長くなったが、これは1979年の四十日抗争と1980年のハプニング解散の概略である。今回の石破降ろし政局もまた、保守本流と保守傍流の争いである。「茂木派は旧田中派、旧竹下派の流れをくむから保守本流なのに、石破降ろしをしているではないか」という指摘もあるだろう。その通りではあるが、茂木氏はかりそめの、一時的な派閥の領袖に過ぎなかった。田中・竹下の流れは小渕優子に行くべきもので、それまでのつなぎだった。小渕優子と青木一彦は派閥を退会している。茂木は持ち慣れない派閥を持ち、安倍晋三元首相に忠誠を誓い、浮かれに浮かれて、人望を集めるということができず、次の首相候補にも名前が出ないほどだった。茂木派という名称は一時的、かつ、不規則なものだ。

 保守本流は吉田茂を源流としているが、吉田の孫である麻生太郎は宏池会から、河野洋平と共に脱退している。河野洋平は父である河野一郎の河野派に所属していたが、河野派は中曽根派となった。中曽根は河野に派閥を譲る思惑などなく(そもそも子分を作って大事にするというタイプでもなく)、河野洋平が新自由クラブを作って自民党を離党するようにある意味では仕向けることに成功した。河野洋平は自民党に戻る時に、保守本流の宏池会に入ったが、宏池会の跡目争いで加藤紘一に敗れて、宏池会を出て河野グループを結成した。反加藤ということで、麻生も一緒に出て、後に麻生派となった。加藤のハト派色が受け入れられなかったという、単純粗雑な、「ゴルゴ13」でしか国際関係を学べなかった麻生は(「ゴルゴ13」自体は素晴らしい作品であることは言うまでもない)、祖父や父親の名前を汚す、駄目な三代目であり、川柳で言う「売り家と唐様で書く三代目」である。色々と入り組んでいるが、現在、石破降ろしをしているのは保守本流に反旗を翻す保守傍流と認定していいと考える。

 石破降ろしは、おごり高ぶった、安倍晋三政権下の我が世の春を謳歌したい者たちが責任を取らないで済ませるために、最高指揮官に責任を代わりに取ってもらおう、それで自分たちは免罪してもらおうというふざけ切った態度でしかない。自民党の中身を変えずに、党の顔を変えてイメージを変えて人気を回復しようなどという姑息な弥縫策を進めても自民党に未来はない。自民党を正気に戻し、これまでの負の遺産を清算することが何よりも重要だ。石破茂首相の粘り腰と周囲の支えを強く願うものである。

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 石破茂首相の退陣報道が出た。今日は、ドナルド・トランプ大統領がSNSで日本と関税15%で合意、米や自動車の市場開放、日本の対米投資5500億ドル(約80兆円)で雇用創出という内容を発表した。この内容ならば、先日の参議院選挙の投開票日前にでも発表出来るではないかと思うが、石破政権、特に赤澤亮正経済再生担当大臣の粘り腰の交渉が実を結んだということになるだろう。合意内容に不満はあるだろうが、石破政権だからこそ手にできた成果でもある。これが対米隷属の旧清和会系の首相だったら、条件闘争はほぼできなかっただろう。このように、日本国民の利益のために、世界覇権国と交渉できる指導者こそが愛国者(patriot)であり、ナショナリスト(nationalist)だ。石破茂首相が敬愛する石橋湛山元首相はまさにそうだ。

 昨日、村上誠一郎総務大臣が記者会見で、「旧統一教会との関係など『自民党が数十年やってきた問題が今回、噴出したのではないか』と指摘し、『今回の結果が本当に石破さん個人の責任なのか』と述べ」たということだ。きわめて正常な見識である。村上大臣は、記者会見場で涙を浮かべていたということだが、これは、石破首相の退陣の決意を聞いていたのだろうと推察される。

 自民党保守本流の総理大臣がまた職を辞する。国民は刺激のない、面白みのない総理大臣を使い捨てる。つまらない、人気がない、問題を即座に解決することができないということを理由にして。何度も書いているが、「大国を治むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとくす」(国家を治めるには小さい魚を煮るようにする)が保守本流の真骨頂だ。退屈で苦しい日常が続き、大きな変化はない。しかし、それこそが貴重なのだ。大きな変化は危険だ。漸進的に、少しずつこそが理想だ。理想を性急に手に入れようとして、人類はどれだけの失敗をしてきたか、そのことを知っているのが保守だ。最近の言葉で言えば、それは「ショック・ドクトリン」でもある。そして、退屈で平凡な日常を過ごす力を「教養」という。物事をたくさん知っているとか、試験の出来が良かった、学歴が高いということが、教養があるとか、知性があるということではない。日本は保守と教養が衰えた国家だ。そして、この衰退はこれからも続くだろう。石破茂の師でもあった田中角栄の「必要なのは学歴ではなく学問だよ。学歴は過去の栄光。学問は現在に生きている」「いくら死にたくなくても、人間は必ず灰になる。ところが人間でも植物でも、生物は劣性遺伝なんだ。働かない、勉強しない奴は親よりバカになる」という言葉を拳拳服膺したい。

 統一教会やキリストの幕屋というような危険な考えを持つカルトとつながっていた自民党保守傍流・旧清和会、故安倍晋三元首相勢力、参政党の蠢動によって、日本政治は危険な状況に追い込まれる。高市早苗代議士を総理総裁にすることは日本滅亡への第一歩だ。しかし、そのシナリオはかなり明確に見える。参政党、国民民主党が連立、もしくは閣外協力で高市早苗政権を誕生させ、憲法改悪、国内の不満を逸らすために、外国人排斥、対中強硬姿勢からの最悪の日中衝突が見えてしまう。アメリカの対中強硬派はそのように画策するだろう。そのことを防ぐ必要がある。

 失われた30年間のうちの9割は自民党が政権を保持していた。その9割の内の約32%、3分の1弱は安倍晋三元首相が政権を担ってきた。不思議なことに、安倍晋三元首相を敬愛している人々は、安倍政権時代にはそうは言わなかったのに、急に「失われた30年」という言葉を使い始めている。そのうちの多くを安倍晋三元首相が政権を担っていたのだが。年数にして約9年、安倍首相だったのだ。安倍首相に全く責任がないかのように、そして、現在の多くの問題が、石破茂首相が引き起こしたかのように非難をしている。敢えて言うならば、故安倍晋三元首相と彼が象徴となっている、祖父岸信介元首相から戦後政治の負の部分が問題の根本だ。

 私たちは賢くならねばならない。戦略的に動かねばならない。最悪のシナリオを避けるために、一般国民にできることは少ないかもしれない。しかし、何もできないということはないし、何もしないというのは座して死を待つのと同じだ。現在は情報化社会である(もう既に古臭い言葉になっている)。まずは自分が居住している選挙区の自民党議員を調べてみる。もしこの議員が保守傍流(旧安倍派・麻生派・二階派など)に参加し、石破降ろしをやっている政治家なら投票しない、保守本流系でまともな考えならば投票する。比例は自民党、維新・国民民主・参政のゆ党以外に投票する(公明党に投票することは考慮する)ということをしてみるというのは、既に多くの方々が行っているだろうが、どうだろうかと考える。最悪を避けるための戦略的投票について、SNSを通じての洗練が望まれるところだ。

 戦後80年が戦後100年、戦後200年と続き、日本が緩やかな衰退の道を進みながら、何とか平穏に暮らしていけるようにと願うばかりだ。石破首相退陣報道を受けて、書き散らしになってしまったが、雑感を書き残しておく。

(貼り付けはじめ)

●「石破首相、退陣へ 8月末までに表明 参院選総括踏まえ」

毎日新聞 7/23(水) 11:17配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/81483105d5094d1b717f392d166ec6dd932287fd

 石破茂首相は23日、自民党が8月にまとめる参院選の総括を踏まえ、同月までに退陣を表明する意向を固め、周辺に伝えた。首相は同日、自民党の麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相と会談し、自らの進退を巡り協議するとみられる。

 ただ、参院選大敗直後に続投の意向を表明した首相に対し、党内から退陣要求や批判の声が高まっているため、判断時期が前後する可能性もある。

 首相に対しては、各地の地方組織が退陣や党の体制刷新を求める他、中堅・若手議員からは党大会に次ぐ意思決定機関「両院議員総会」を開催し、総裁選の前倒しの議決を求める声も出ている。

 こうした状況を踏まえ、首相は麻生氏ら首相経験者3人と意見を交わし、理解を求めたい考えだ。現職首相が首相経験者と一堂に会するのは異例。政府関係者は「石破首相が3人に頭を下げるスタンスだ」と話す。

 党執行部は当初31日の開催を予定していた両院議員懇談会を29日にも前倒しし、参院選の総括を開始する。8月に総括をまとめた後、執行部として責任のあり方を判断する方向だ。木原誠二選対委員長は検証・総括を終えた段階で辞任する意向を示しており、党総裁である首相の進退も判断することになる。政権幹部は「総括が出れば、執行部は責任についてしっかりと判断しないといけない」と話した。

 首相が今月中に退陣した場合、来月に召集予定の臨時国会で首相指名選挙が行われるが、少数与党の状況では自民党総裁が首相になれる保証はない。首相指名を巡り野党と協議する時間を確保するため、退陣する場合は来月以降の表明を検討している。

 首相は23日、続投理由の一つに挙げていた日米関税交渉が合意に至ったことが進退に与える影響について、「合意の内容をよく精査をしなければ申し上げることはできない」と首相官邸で記者団に語った。

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●「最側近閣僚ら涙ながらに「石破総理個人の責任か」 「支えていきたい」村上総務大臣」

7/22(火) 17:01配信 テレビ朝日系(ANN)All Nippon NewsNetwork(ANN)

https://news.yahoo.co.jp/articles/99c41b7587e157e1e187c770859f9c6c9f98caa5?source=sns&dv=sp&mid=other&date=20250722&ctg=dom&bt=tw_up

参議院選挙での大敗を巡り石破総理大臣に近い村上総務大臣は涙ながらに「支えていく」などと述べました。

村上総務大臣

「確かに選挙の結果がこうなるとね、皆さんの不満は本当によく分かります。だけど今までの色んな負の遺産を背負いながらね、やっぱりここまでやってきたっていうことに対してはね、私は石破さんだからここまでやってこられたというふうに心底、思っているので、私はできる限り一生懸命、支えていきたいとそういうふうに考えています」

 村上大臣は旧統一教会との関係など「自民党が数十年やってきた問題が今回、噴出したのではないか」と指摘し、「今回の結果が本当に石破さん個人の責任なのか」と述べました。

岩屋外務大臣

「ここは言ってみれば進むも地獄、退くも地獄ということでございますけれども、国家国民のために前に進んでいかなければならないというふうに考えている」

 また、岩屋大臣はアメリカとの関税協議での合意に向けて「国内の政治基盤が極めて不安定に映ることは決して交渉にプラスに作用しない」「足元をみられないよう、今こそ一致結束が必要だ」と強調しました。

 村上大臣、岩屋大臣、そして中谷防衛大臣ら石破内閣を支える総理最側近のメンバーは参院選投開票の前夜に集まり、与党が過半数割れしても石破総理を支えることで一致し、続投を促していたということです。

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 2025年7月20日に投票が実施され、開票作業は本日21日まで続いた参議院選挙は全議席が確定した。選挙に関わった全ての皆さんに感謝を申し上げます。私が支持できない、考えが合わない皆さんも、暑い中の選挙で支持を訴えたということに関しては、感謝と敬意を表します。

 自民党と公明党の与党は、19議席を減らして、122議席となった。自民党は39議席獲得となったが、52議席から13議席減らした。非改選と合わせると101議席となった。公明党は8議席獲得となったが、14議席から6議席減となった。非改選と合わせると、21議席となった。与党は過半数を割る敗北となった。
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 野党第一党の立憲民主党は22議席獲得となった。選挙前からの増減はなかった。非改選と合わせると38議席となった。日本維新の会は7議席獲得となり、6議席から1議席増となった。新勢力は19議席となった。国民民主党は17議席獲得となり、13議席の大幅増となった。現有議席は22議席となり、維新を抜く形になった。参政党は14議席獲得となり、13議席の大幅増となった。新勢力は15議席となった。日本共産党は4議席減の7議席、れいわ新選組は1議席増の6議席、社民党は1議席獲得しての2議席となった。また、得票率も2%を超えて、政党要件を満たした。

 自民党内部では、石破茂総裁の責任を問う声が出ている。その震源地は、麻生派を解散せずに今でもゴッドファーザー、元老を気取って、老醜をさらしている麻生太郎元首相、故安倍晋三元首相の後継者を自認しながら、旧安倍派からは嫌われていた高市早苗議員、自分たちが裏金問題で当夜執行部に迷惑を掛けながら処分を受けて逆切れ、逆恨みの旧安倍派の議員たちと言ったところだろう。「前回の総選挙、東京都議会議員選挙、今回の参議院選挙で敗北したのだから3アウトで交代だ」という野球を譬えにした声が上がっているそうだ。

 今回の参院選挙では、保守傍流系、統一教会やキリストの幕屋と言ったカルトと親和性の高い故安倍晋三元首相を崇敬するグループが大勝ちしたということだ。彼らは愛国やら日本の伝統やらをことさらに訴えながら、日本社会を破壊する勢力だ。外国勢力の走狗となって、日本を売る売国奴であり、買弁だ。そして、何よりも、日本国憲法を改悪して、台湾有事を演出して、中国との戦争を望む危険な勢力だ。こうした勢力を利用し羽陽とする外国勢力は多い。具体的には、アメリカ国内の対中強硬派で、その代表格がエルブリッジ・コルビー国防次官だ。こうした勢力は石破茂首相を降ろして、高市早苗議員を首相にし、憲法改悪勢力を糾合させて、「戦争内閣」を作らせようとする。参政党の神谷宗弊党首や各候補者たちの発言から明らかになっているように、この人々は、好戦主義者(jingoists、warmongers)だ。決して緻密な論理構成をしている訳ではないが、単純な言葉遊びが一定の有権者に響くという点で非常に厄介だ。

 日本の国益のために、石破茂政権は継続されるべきだ。自民党は政局にすべきではないと言ってみても、政局にするだろう。故安倍晋三元首相を崇敬するグループ(統一教会やアメリカの対中強硬派に利用されることを良しとする)は、復讐を果たすために、石破茂首相に狙いを定めて倒閣運動を行うだろう。麻生太郎と高市早苗という醜悪なコンビで石破降ろしに奔走するだろう。万が一、石破政権が退陣し、高市・麻生勢力が勝利し、高市議員が総裁となれば、国会の首班指名で算政党や国民民主党は高市氏に投票し、閣内に入っての連立、閣外での協力ということになるだろう。首相となった高市早苗は連立の組み換えで、公明党を排除し(既に支持層の高齢化などで力が落ちていて利用価値がない)、もしくは条件を付けて与党に残らせるが、主に国民民主、参政、更には維新を取り込む形をとるだろう。故安倍晋三元首相を崇敬する勢力による、戦争賛美翼賛会ということになるだろう。こういうシナリオだけは許してはいけない。戦後80年である今年、そのまま戦後100年、戦後200年となっていくことと目指すのが先人に応える責任ある行動だ。

 野党第一党の立件民主党を中心とした野党勢力の結集による政権交代は不可能だ。1993年の非自民・非共産の細川連立内閣を思い出してみれば、現在の多党分立状況では政権を担うことなどできない。何よりも、立憲民主党は自公の敵失がありながら、議席を増やすことができなかったことを深刻に受け止めるべきだ。立民は敗北したのだ。現在の立件民主党執行部に対する国民の不信任に値する。旧民主党政権時代に、国民を裏切り、安倍晋三政権誕生をアシストし、増税に狂奔した、現在の立民執行部は私欲を捨てて退陣し(総理大臣になりたいなどと軽々しく言うことを止めて)、党運営から察しすべきだ。立民の刷新は喫緊の課題であり、それこそが日本政治の大きな課題である。国会の議席数を見てみても、非自民、非公明の連立政権は無理筋の話であり、立民の野田佳彦代表の首班指名の可能性はない。私はその点を慶賀する。
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 物価対策や社会保障負担に関して、自民党は無策であることについて、自民党は今回の選挙の結果を受けて、法人税や所得税を含めての税制見直し、消費税減税と給付を真剣に検討すべきだ。負担できるところにお願いをするということから始めていく。対米交渉も粘り強く続けていく。「大国を治むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとくす」である。ぐずぐずに煮崩れを起こすまでかき回され続けた失われた30年からの回復を目指すのは同じくらいの時間が必要となるだろう。石破茂政権の継続、そして、自民党内の保守本流の継続を望む。

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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2025年7月20日に第27回参議院選挙の投票が粉割れ、開票作業が進んでいる。現在までのところの私の雑感を書いておきたいと思う。与党である自公は、非改選議席を合わせても過半数を確保できず、既に過半数割れとなっている衆議院と合わせて、少数与党となった。焦点は、自民党執行部の責任問題であり、森山裕幹事長の辞任で済むのか、石破茂総裁の辞任まで進むのか、ということになる。既に、前回の自民党総裁選挙で敗れた高市早苗議員が総理総裁を目指す姿勢を選挙戦終盤から見せていた。また、選挙直後には、麻生太郎元首相が率いる麻生派が集まり、麻生元首相が石破総理の責任を取り沙汰し、続投を認めないと述べたという報道が出た。自民党は政局となるだろう。

 「自民党は支持層の一部の離反を止められなかった」という報じられ方をしているが、これは、故安倍晋三元首相を支持していた人々だ。こういった人々が支持したのが、国民民主党と参政党だ。今回の選挙では誰もが述べているが、国民民主党と参政党の大幅な議席増が見込まれている。それは当たり前のことで、自民党から流れていった、ネトウヨ的な、考えの足りない、空気に流されて自分の頭では判断できない有権者たちが流れていったに過ぎない。NHKの開票速報では、国民民主が14議席から21議席の獲得予想、参政が10議席から22議席の獲得予想となっている。現在、衆院では国民民主の会派が27議席、保守党が3議席となっている。この国民民主・参政勢力は自民党で高市早苗議員が総裁になったら支持するだろう。これもまた当たり前のことで、こうした勢力の支持基盤は故安倍晋三元首相を支持した人たちだから、こうした有権者を裏切ることはできない(少なくとも最初は)。国民民主は連合との関係もあるので、国会での首班指名で、少なくとも一回目は高市氏に投票しないとも考えられるが。これらの勢力と自民党の高市をつなぐのに、小池百合子都知事が絡むことも考えられる。高市首班となれば、衆院の解散総選挙ということもあるだろう。

 故安倍晋三元首相の影響が今でも色濃く残る日本社会と政界ということが浮き彫りになった。岸田文雄、石破茂と自民党の保守本流の政治家たちが出てきて、小泉純一郎から安倍晋三へと続いた保守傍流、統一教会のようなカルトや日本会議と親和性の高い勢力が荒らしまわったこの20年近くの尻拭いをさせられた。しかも成果が出る前に厳しい状況に追い込まれた。

保守本流の要諦は「大国を治むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとくす」というもので、「むやみにかき回して煮崩れを起こさない」ということから、「政治を行う際には、小さい魚を煮る時のように、むやみに動かしたりしないで自然に任せる」ということになる。小泉改革以来、日本で行われてきたのは、まさに「むやみに菜箸を動かして、煮崩れを起こさせる」ということだった。憲政史上最長の政権担当期間となった安倍晋三元首相は、その最たるものだった。その煮崩れた日本を何とかしようとするのは短期間では非常に厳しい。しかし、国民は、「煮崩れするほどの菜箸の動き」を求めた。小泉改革や安倍政権下での動きを熱狂的に支持した多くの有権者は、今回は(そして前回の選挙では)国民民主党や参政党の「分かりやすさ」に熱狂した。熱狂の行きつく先は失望と冷笑である。私たち日本国民は小泉政権以来の「自分たちの身を煮崩す菜箸の動き」の中毒になり、更に自分たちの身を傷つけることになる。

 参政党の酷さについてはSNS上でずっと書いてきたので、ここでは繰り返さない。歴史を学び、歴史の事例から現状を類推する力を養っていれば、とても支持できるものではない。しかし、今回、多くの有権者が熱狂した。多くの有権者は与党のみならず、野党にも期待できないということで、参政党を支持したということになるだろう。私たちの日本社会は安倍晋三元首相が遺した毒が回り続け、彼に呪われたままの状況になっている。この毒を抜き、呪いを解く作業は多くの時間と失敗を要するだろう。しかし、それを私たちは我慢しなければならない。最低の守るべきラインを越えないようにしながら、少しずつでも進んでいくしかない。それに嫌気が差す人も出る。そして、極端に走るだろう。それで進まなくなることもあるだろう。しかし、私たちはそれでも一緒に進んでいかねばならない。

(終わり)

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 2025年11月にニューヨーク市長選挙が実施される。本選挙に向けて、民主党や共和党で予備選挙が実施された。ニューヨーク州やニューヨーク市が民主党の金城湯池であることを考えると、民主党の候補者になれれば、本選挙で当選することがほぼ確実ということになっている。今回、民主党予備選挙で、ニューヨーク州議会下院議員ゾーラン・マムダニ(Zohran Mamdani、1991年-、33歳)が勝利した。マムダニは前ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモを破っての勝利だった。
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アンドリュー・クオモはニューヨーク政界のサラブレッドだ。クオモ家はニューヨーク民主党の「王家」とも言える存在だ。アンドリューの父であるマリオ・クオモはニューヨーク州務長官、ニューヨーク州副知事、ニューヨーク知事を務めた。1984年の民主党全国大会で基調演説を行い、ロナルド・レーガン大統領を批判した。この演説が大きな注目を集めた。アンドリュー・クオモはビル・クリントン政権で住宅都市開発長官を務め、ニューヨーク州司法長官、ニューヨーク州知事を務めた。弟のクリス・クオモは報道分野で活躍し、CNNで自身の番組を持つほどであったが、兄アンドリューのセクシャルハラスメント疑惑をめぐり、擁護活動を行ったことでCNNを解雇された。マムダニがクオモを破ったということは、既成政治、エスタブリッシュメントに対する人々の不信が根深いということを示している。

 マムダニはウガンダ生まれで、父はアフリカ研究の学者、母は映画監督だ。両親はインド系で(父マフムードはウガンダ生まれ)、途中で南アフリカに移り、その後、アメリカに移った。父はコロンビア大学教授を務めている。マムダニはウガンダとアメリカの両方の国籍を保有している。マムダニは父と同じくイスラム教徒だ。メイン州の名門ボウディン大学に進学した。大学卒業後にラッパー活動をしながら、住宅カウンセラーを務め、社会活動や政治活動を行い、2020年にニューヨーク州議会下院議員に当選した。

 マムダニは、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)やアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)と同様に民主社会主義者を自認し、家賃の凍結、安価な公営住宅の増設、市営商店を設置し、安価や食品の供給、市営バスの無料化、富裕層への課税強化を訴えた。

 ニューヨーク州やカリフォルニア州といった民主党の金城湯池の地域では、民主党エスタブリッシュメント派への反感から、進歩主義派への支持が高まっている。これは、共和党側で言えば、ポピュリズムのドナルド・トランプ派が伸長していることと同じ動きである。民主、共和両党のエスタブリッシュメント派は自分たちが行ってきた政策の失敗を反省することから始めなければならないが、アメリカの国力減退は既に手遅れの時期に来ている。人々はますますエスタブリッシュメント派、中道から離れていくことになるだろう。

(貼り付けはじめ)

マムダニがニューヨーク市長選挙民主党予備選で正式に勝利(Mamdani formally wins Democratic primary for NYC mayor)

ジャレッド・ガンズ筆

2025年7月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/5378850-zohran-mamdani-wins-dems-nomination/

「デシジョン・デスク・HQ」は、ニューヨーク州議会議員ゾーラン・マムダニは、順位付け投票による集計(ranked choice tabulation)が終了し、ニューヨーク市長選挙の民主党候補指名を正式に獲得したと予測している。

先週火曜日の予備選挙後、マムダニは、第1ラウンドの集計で約7ポイントの差で大きくリードしていたため、元ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ(民主党)をはじめとする多くの候補者たちを破る番狂わせ(upset)の勝利はほぼ確実と思われていた。第1ラウンドで2位だったクオモが民主党予備選挙での敗北を認め、マムダニを祝福したことを受け、マムダニは勝利宣言を行った。

しかし、順位付け投票による追加集計は火曜日まで公表されなかった。

ニューヨーク市では、予備選挙日までに消印が押された郵送投票が集計対象となっているため、今後数週間のうちに未集計の投票が集計に加算される可能性がある。

ニューヨーク市の優先順位投票制度では、有権者は最大5人の候補者を優先順位順に選ぶことができる。先週のように、第一希望の票の過半数を獲得した候補者がいない場合、最も得票数の少ない候補者が脱落し、その票は支持者の第二希望の票に再配分される。

このプロセスはいずれかの候補者が過半数を獲得するまで継続される。

他の候補者たちは、得票数が少なすぎて他の候補者からの票を得ても結果に影響がなかったため、第3ラウンドに進む前に脱落した。ニューヨーク市会計監査官ブラッド・ランダーは11.2%で3位、ニューヨーク市議会議長エイドリアン・アダムズは4.2%で4位だった。

他の候補者全ての得票率は2%以下となった。

脱落した候補者の票のほぼ半分は第3ラウンドでマムダニに、4分の1強はクオモに集まった。また、4分の1の有権者は、マムダニとクオモを5人の候補者のいずれにも含めなかった。

マムダニは声明で、先週の予備選挙で民主党が「明確な声(clear voice)」を発し、「住みやすい都市、未来の政治、そして台頭する権威主義に抵抗することを恐れないリーダー」という信任を得たと述べた。

マムダニは「私たちのキャンペーンに投票してくれた54万5000人以上のニューヨーク市民の支持に深く感謝するとともに、エリック・アダムズを破り、働く人々を第一に考える市政を勝ち取る中で、この連携をさらに拡大できることを大変嬉しく思う」と述べた。

2021年からアメリカ民主社会主義党の支援を受けて州議会議員を務めるマムダニは、クオモに代わる進歩的な候補者として自らを売り込み、他の候補者を探している有権者の関心を惹きつけようとした。家賃凍結、無料バス、市営食料品店など、幅広い進歩的な政策提案を行い、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の支持を得た。

マムダニは他の候補者たちからも支持を受けており、特に市の監査役ブラッド・ランダーはマムダニと相互推薦を行っており、他の候補者を第2候補にランク付けするよう有権者に促し、クオモを破る可能性を高めた。

予備選開始当初、勝利の見込みがあるのはクオモかマムダニの2人だけと見られていた。

選挙戦は当初、クオモが他を大きく引き離して圧倒的な優位に立っていたが、他の候補者たちがなかなか支持を集められず、徐々にクオモとマムダニの2人による争いへと移行していた。

クオモは3月に選挙戦に参戦する前からほとんどの世論調査でトップを走っていたが、マムダニはここ数週間でその差を縮め、自身が大きく優位に立っていた若い有権者の支持を獲得した。クオモの強みは、特に高齢者層を中心とした年配層の支持だった。

クオモは、州および連邦レヴェルで長年公職を務めてきた経験を強調した。10年以上知事を務める前は、クリントン政権下で住宅都市開発省を率い、州司法長官も務めました。

クオモはまた、11月の大統領選挙でカマラ・ハリス前副大統領が敗北した後、アイデンティティを模索する中で、市と民主党全体が直面している問題は左派政権のせいだと非難した。

しかし、彼の純支持率は他の候補者のほとんどよりも一貫して低く、有権者の40%が彼に好意的ではないと見ていた。

知事在任中、クオモは新型コロナウイルス感染拡大中の介護施設での死亡者数を故意に過少報告したという非難を受け、複数の女性からセクハラの申し立てを受けた。クオモは、介護施設の監督に関する連邦政府のガイドラインに従っており、ハラスメントの申し立てを一貫して否定していると主張して自己弁護している。

しかし、マムダニは全般的に期待を上回る結果を残した。期待されていた分野では好成績を収め、弱点とされていた層でもまずまずの成績を残した。白人有権者や大学卒有権者に強いと予想されていたが、黒人やヒスパニック系有権者など、クオモがより強いと予想されていた層でもまずまずの成績を残した。

マムダニは、黒人とヒスパニック系が混在する地域や、裕福な高齢の白人地域で勝利を収めた。

しかし、クオモが総選挙で引き続き立候補するかどうかについては疑問が残る。

クオモは既に11月の予備選挙で、ファイト・アンド・デリヴァー党の党首として出馬表明している。予備選後、無所属で立候補するかどうかは、順位付け投票の最終結果を見てから判断すると述べた。

クオモ陣営の広報担当者リッチ・アゾパルディは声明で、30歳未満でこれまで投票経験のない有権者の数が「急増」したことで予備選挙の有権者層は変化したが、クオモの目標は変わりなく、住宅価格の高騰、住宅、教育、公共の安全問題への取り組みと人々の結束を通じて、ニューヨーク市民に「真の変化(real change)」をもたらすことだと述べた。

アゾパルディは、「過激主義、分断、空約束(empty promises)は、この街の問題の解決策にはならない。今回の選挙は予備選挙の有権者の一部の動機を探るものであり、大多数の有権者を代表するものではない」と述べ、マムダニに対するクオモの批判を改めて強調した。 アゾパルディは、「私たちの家族の経済的不安定さはここでの最優先事項だ。だからこそ、実行可能な解決策、結果、そして成果が非常に重要なのだ」とも述べた。

アゾパルディは、「私たちは、今後の対応策を決定していく中で、ニューヨーク市内全域の人々と話し合いを続けていく」と語った。

CNNは、クオモは少なくとも11月の選挙では候補者名簿に残るものの、今後数カ月で積極的に選挙活動を行うかどうかは未定だと報じている。

マムダニは既に、無所属で再選を目指す現職のエリック・アダムズ市長、共和党候補のカーティス・スリア、そして無所属のジム・ウォルデンと対決する構えだ。予備選挙とは異なり、ニューヨーク市の総選挙では順位付け投票は行われず、勝者は他のどの候補者よりも多くの票を獲得するだけで済む。

=====
ゾーラン・マムダニの勝利から得た6つの教訓(6 lessons from Zohran Mamdani’s victory)

スティーヴ・イスラエル筆

2025年6月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/5372085-6-lessons-from-zohran-mamdanis-victory/

ニューヨーク市の政治は常に大げさで、強引で、ドラマチックなものだった。今週、それはブロードウェイの舞台にふさわしいものとなった。

現職の民主党所属のニューヨーク市長エリック・アダムズは、自身の支持基盤からあまりにも不人気になり、予備選への出馬すら断念した。彼のキャラクターは、トランプ大統領の公然たる反対者から、6件の起訴状を前にトランプ支持者へと転落した。そして驚くべき偶然にも、司法省は起訴状を取り下げた。

ニューヨーク州前知事アンドリュー・クオモが選挙戦に参戦し、莫大な資金集めで中道左派の他の候補者を瞬く間に追い落とした。一方、生まれ持った才能とテレビ映りの良さを兼ね備えた若き運動家ゾーラン・マムダニは、主流政治(mainstream politics)に対する人々の不満に刺激され、民主党支持基盤の左派を固めた。

まるで「ラマンチャの男」と「オール・ザ・キングス・メン」が出会ったかのようだ。

衝撃の結末:民主社会主義者がニューヨーク市長選挙の民主党予備選挙で勝利した。マムダニが主導権を握った。

多くの中道派民主党員にとって、マムダニの勝利は選挙前の楽観的な予測さえも大きく上回り、体制に衝撃を与えた。しかし、政治家や評論家たちは、この選挙戦から全国的な結論を導き出す際は自己責任で判断すべきだ。そこには、単なる短い言葉の断片を超越する複雑な事情がある。

ニューヨーク市長選挙民主党予備選から得られた教訓をいくつか挙げよう。

第一に、マムダニの勝利は、ほとんどのアメリカ人がイデオロギーの中心、あるいはその付近に位置しているにもかかわらず、アメリカ政治の中心は維持されていないことを示唆している。トランプとその側近たちは、共和党の正統派思想と制度を極右に引きずり込み、マムダニの勝利は民主党が再び極左に引きずり込まれたことを示唆している。私たちは反動的な政治環境(a reactionary political environment)にあり、一方の行動が他方のエネルギーを刺激している。

第二に、民主党にとって、マムダニの選挙運動は、街頭だけでなく州議会や連邦議会代表団においても世代交代を確固たるものにするものだ。より若く、より進歩的な活動家たちが政治システムに参入しつつある。これは、国政、州政、地方自治体における民主党にとって良いことだ。建設的な連携を築き、友軍の攻撃を避けることができれば、なおさらだ。

第三に、今回の選挙から一般的な傾向を推測することはできても、全米の民主党の顔ぶれを決めることにはならない。マムダニは、左派の熱狂の波に乗り、デジタルに精通した統制のとれた選挙戦を展開した。しかし、ニューヨーク市の民主党登録者の30%しか投票に行かなかった中で、彼はこの選挙に勝利した。これは、2026年に連邦下院をひっくり返すために民主党が激戦選挙区で説得する必要のある有権者を代表するサンプルではなかった。マムダニは称賛に値するが、ニューヨーク市ブルックリンとアイオワ州ブルックリンの選挙に勝つことは全くの別物だ。

第四に、民主党にはこの最悪の状況(perfect storm、パーフェクト・ストーム)においても明るい兆しがある。もし民主党が、進歩的左派の巨大なエネルギーで穏健派有権者たちにアピールする常識的な政策アジェンダを実現できれば、民主党は勝利の戦略を手にすることができる。有権者の一方の派閥を満足させるために他方の派閥を見捨てなければならないという議論は、ゼロサム戦略であり、選挙戦の戦場を拡大する方法ではない。左派対中道派ではなく、勝つためには両方がいなければならない。マムダニの焦点は、進歩主義派や穏健派が受け入れることのできる多くの問題、つまり、手頃な価格、生活の質、億万長者減税のための医療費削減に反対することのプレビューに役立つ。

第五に、マムダニの圧勝でさえも、彼の勝利の連合に軟弱な部分があることを明らかにしている。マムダニの勝利は印象的だ。クオモの牙城であるスタテン島とクイーンズでさえも、マムダニが勝利した。しかし、民主党がマムダニの戦略を全国的に採用しようとする動きには警告の兆候がある。

マムダニは 「金持ち優遇(soak the rich)」のメッセージを発していたにもかかわらず、高所得者層と中所得者層によって当選したのに対し、クオモは低所得者層を圧倒的に獲得した。再分配政策にもかかわらず、マムダニが市内の富裕層を納得させることができたのは、マムダニの政治運動にとって良い兆候である。しかし、民主党が2026年と2028年に勝利するためには、労働者階級の有権者を獲得する必要がある。

そして、バーニー・サンダースが2度の大統領選予備選挙で見せたパフォーマンスとは異なり、マムダニはクオモも圧勝した黒人有権者に苦戦した。中間選挙に出馬する民主党が黒人有権者の支持を得られなければ、来年11月に民主党が連邦下院をひっくり返すチャンスはない。マムダニの連合は今回の予備選挙で勝利するには十分だったが、民主党が全国的に勝利するには不十分だ。

第六に、民主党はマムダニのデジタル戦略による草の根動員を再現すべきである。あるXの投稿では、「Zohran Mamdani 」とツイートするだけで、すぐに1000の「いいね!」を獲得できると言われている。これは、彼のヴォランティアがニューヨーク市中の150万以上のドアをノックする、強力な地上戦に変換された。彼のダイナミックなキャンペーンは、クオモの無気力なメッセージングとは対照的だった。

ニューヨーク市長予備選挙は、11月の選挙も同様に奇妙な展開となるだろう。クオモとアダムズには、依然として無所属の票が残っている。共和党候補のカーティス・スリアワは、マムダニの立場、特にイスラエルに対する忌まわしい見解に反発している民主党支持者を引きつける新たな機会を得るかもしれない。

つまり、今後さらにドラマが展開される可能性があるということだ。これはまだ幕間の出来事に過ぎない。

※スティーヴ・イスラエル:ニューヨーク州選出の連邦下院議員(8期)を務めた。2011年から2015年まで民主党連邦下院選挙委員会の委員長を務めた。

=====

マムダニの勝利は民主党に懸念と教訓をもたらす(Mamdani’s victory brings concerns, and lessons, for Democrats)

ダグラス・ショーエン、カーリー・クーパーマン筆

2025年6月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/5374228-democrats-leftward-polarization-zohran-mamdani/

2024年の大統領選挙の重要な教訓が、民主党が経済・社会問題において中道に近づく必要があるというものだったとすれば、先週のニューヨーク市選挙は、民主党が教訓を学んでいないことを如実に示している。

実際、33歳の州議会議員ゾーラン・マムダニがニューヨーク州元知事アンドリュー・クオモを破って勝利したことは、民主党が自らのルーツを再発見するどころか、さらに左傾化を続けていることを示唆している。

さらに、進歩派や民主社会主義者はマムダニの総選挙での勝利を喜ぶだろうが、穏健派の民主党員は不安を抱いている。これは、穏健派と進歩派の間で分極化し、どちらの方向へ進むべきか確信が持てない民主党の現状を反映している。

はっきりさせておくと、マムダニの精力的な選挙運動が民主党にとってのロードマップとなるべきであることは否定できない。

マムダニは生活費に対する人々の根深い不満を掘り起こし、通常は有権者たちとしてあまり信頼できない若者の心を躍らせた。さらに、前回の選挙で民主党指導部がほとんどできなかった方法で有権者たちとの繋がりを築いた。

しかしながら、民主党は、民主党が向かっている方向性に警鐘を鳴らしつつも、活力に満ちた明るい選挙戦を展開するための教訓を吸収すべきだと言えるだろう。

マムダニは、あまりにも無意味な政策を掲げて選挙戦を展開し、『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ニューヨーク・ポスト』紙の編集委員会を結集させ、ニューヨークのような大都市を率いる能力がないと非難した。

このように、マムダニには4つの根本的な懸念事項があり、民主党がさらに1つの教訓を心に刻むべきだ。

第一の懸念は、マムダニが自らを社会主義と称し、極端な思想を掲げていることだ。2024年の選挙後数カ月にわたる世論調査では、民主党支持者でさえ、党がさらに左傾化するのではなく、中道寄りになることを望んでいることが明らかになった。

ギャラップ社の世論調査によると、民主党支持者と民主党寄りの無党派層のかなりの割合(45%)が、党がより穏健になることを望んでいるのに対し、党がよりリベラルになるべきだと答えたのは29%だった。

2021年に実施された同じ世論調査と比較すると、党が中道化になることを望む民主党支持者の割合は11ポイント増加し、よりリベラルになることを望む割合は5ポイント減少した。

共和党は、マムダニの極左政策、すなわち公共交通機関の無料化、警察予算の削減、そして、ソヴィエト連邦でさえ最終的に悪い考えだと認識した市営食料品店の開設といった政策を、民主党全体の代表として描き出そうとするだろう。

実際、トランプ大統領とJ・D・ヴァンス副大統領は既にそうし始めている。

トランプは民主党が「100%共産主義の狂人(100 percent Communist Lunatic)」を選んだことを激しく非難し、ヴァンス副大統領はマムダニを「民主党の新党首(new leader of the Democratic Party)」として冗談交じりに祝福し、さらに彼を「反ユダヤ主義の社会主義過激派(antisemitic socialist radical)」と呼んだ。

第二に、『ニューヨーク・タイムズ』紙が指摘したように、マムダニにはニューヨーク市を統治する資格が全くない。

彼の極左的な思想、経験不足、年齢を別にしても、不動産会社の大物スコット・レヒラーが「資本主義の首都(the capital of capitalism)」と呼ぶ場所で資本主義を攻撃し、大幅な増税を計画していることは、ニューヨーク市の経済を衰退させるに違いない。

同様に、3つ目の懸念は、マムダニが特定の問題でトランプ大統領に対抗できるかどうかだ。

経験豊富で資格もはるかにあるカリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサム(民主党)はこの点で成功を収めているが、ニューサムでさえホワイトハウスとの関係構築に失敗することがある。

経験不足のマムダニは、より良い結果を出すことができるだろうか? それとも、より可能性が高いのは、トランプ大統領と、ニューヨーク州知事であるキャシー・ホウクル(民主党)と衝突することになるだろうか。ホウクル知事は、マムダニの選挙運動の柱である減税政策に既に反対を表明している。

マムダニが本選挙で勝利すると仮定すると(実際、勝利する可能性が高い)、最後の懸念が浮上する。それは、マムダニがどのようにニューヨーク市を統治するのかということだ。

もし彼の任期が、非常に似た選挙戦を展開した同じく社会主義者のシカゴ市長ブランドン・ジョンソンのそれと似たものになれば、ニューヨーク市にダメージを与えるだけでなく、民主党の評判を落とすことになるかもしれない。

マムダニは2026年の中間選挙の10カ月前、来年1月に就任宣誓を行う予定だ。そして、彼の任期のピークは2028年の大統領選挙となるだろう。

マムダニの支持率がジョンソンと同程度(最近の世論調査ではわずか26%)であれば、共和党は恩恵を受けるだろう。

民主党所属の連邦議員たちは、生ぬるい支持から完全な拒否まで、様々な反応を示した。

連邦議会民主党指導部のチャック・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出)とハキーム・ジェフリーズ連邦下院議員(ニューヨーク州選出)はマムダニを祝福したが、重要なことは、全面的な支持を表明するには至らなかったことだ。

ローラ・ギレン連邦下院議員、トム・スオッツィ連邦下院議員、ジョシュ・ゴットハイマー連邦下院議員といったニューヨーク州の中道派の民主党議員たちも、マムダニから距離を置いており、ギレン議員はマムダニについて「容認できない反ユダヤ主義的な発言を繰り返しており、非常に憂慮すべきだ」と述べている。

ビル・クリントン元大統領の下で財務長官を務めたラリー・サマーズは、「インティファーダをグローバル化せよ(globalize the intifada)」というスローガンを否定しなかったが、「トロツキスト的な経済政策を提唱する候補者を選出した党の将来について、深く憂慮している」と記している。

確かに、こうした懸念にもかかわらず、民主党にとって、特に党が将来の方向性を決定づける中で、非常に現実的な教訓が1つある。マムダニが勝利したのは、彼が熱意あふれる選挙戦を展開し、有権者をその熱意で鼓舞したからだ。政治的右派と左派の両方の有権者が既成勢力の候補者にうんざりしている時代に、マムダニは非常に現実的な問題を取り上げた。

同様に、マムダニが選挙戦で訴えた問題、主に住宅価格の高騰は、たとえ彼の解決策が的外れであったとしても、正当な懸念事項である。有権者は両陣営の候補者に対し、生活費の高騰が最大の懸念事項であると訴えてきたが、対策はほとんど講じられていない。

これを念頭に置くと、民主党は、現実に根ざさないマムダニのような極端な考えではなく、真の解決策を提示する候補者を選び、選挙活動を行うことが重要だ。

2024年11月の大統領選挙でトランプを勝利に導いた3つの課題、すなわち生活費、犯罪と公共の安全、そして移民問題を考えてみよう。最初の2つの課題について、マムダニは、巨額の公共支出プロジェクトを賄うために、企業を圧迫するほどの極めて高い税金を約束し、(少なくとも過去には)ニューヨーク市警の予算を削減した。これは、昨年11月に有権者に拒否されたジョー・バイデン前大統領やカマラ・ハリス副大統領の政策よりも、はるかに左寄りだ。

そして移民問題に関して、マムダニがニューヨーク市のサンクチュアリシティ法を強硬に支持すれば、民主党はアメリカ国民よりも移民、さらには暴力犯罪者を重視するという考えを強めることになるだろう。

言い換えれば、民主党に必要なのは、有権者と繋がり、彼らが真に関心を持つ問題について、陳腐な言葉ではなく具体的​​な解決策を提示し、熱意を喚起する選挙活動を展開する候補者だ。

結局のところ、民主党は、未来に対する考え方が大きく異なる穏健派と進歩主義派に分極化し(polarized)、岐路に立たされている。民主党は、自らの立場をしっかりと見定め、党がどちらの方向に進むべきかを決めることが不可欠だ。

穏健派が優勢となり、民主党がさらに左派に進むのではなく、その原点に戻ることが私たちの望みだ。

ニューヨーク市はアメリカの大部分を代表するものではない。マムダニのような候補者が党の全国的な顔になったとしても、民主党が近い将来、政治の荒野から抜け出せるとは考えにくいだろう。

※ダグラス・E・ショーン、カーリー・クーパーマン:ニューヨーク市に拠点を置く世論調査会社ショーン・クーパーマン・リサーチの世論調査員兼パートナー。2人は共著で、『アメリカ:団結か死か(America: Unite or Die)』を刊行している。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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『トランプの電撃作戦』
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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 アメリカでは来年の2026年に連邦上下両院の選挙が実施され(大統領選挙の間に行われるので中間選挙と呼ばれる)、2028年には大統領選挙が実施される。現職のドナルドトランプ大統領は任期制限で立候補できないので、新大統領が誕生する。

最新の世論調査の結果では、共和党側では、J・D・ヴァンス副大統領が大きなリードを取ってトップになっている。民主党側では、このブログでも何度もご紹介してきたピート・ブティジェッジ前運輸長官が1位になっている。前回の大統領選挙で敗れたカマラ・ハリス前副大統領は、昨年の同様の世論調査の結果では、ハリスが大きくリードして1位だったことを考えると、ハリスの支持が下がっていると見るべきだ。これらのことは、拙著『トランプの電撃作戦』(秀和システム)で書いている。
※古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ
「2024年12月2日付 2028年米大統領選挙候補者は誰になるのかという話が早くも出ている:共和党はJ・D・ヴァンス次期副大統領が有力、民主党は多くの名前が出ている状況」
<a href=" https://suinikki.blog.jp/archives/89190113.html "> https://suinikki.blog.jp/archives/89190113.html </a>

 『トランプの電撃作戦』でも書いたが、カマラ・ハリスは2026年のカリフォルニア州知事選挙出馬を模索している。州知事選挙に関する世論調査の結果では、ハリスがトップになっている。2026年の州知事選挙に出馬して当選して州知事になれば、2028年の大統領選挙には出ることができない(1期目の途中での出馬は批判が多く出るだろうし、続けての選挙は物心両面で不可能だろう)。しかし、カリフォルニア州知事の2期目途中の2032年ならば可能性が出てくる。ハリスは2032年でもまだ60代なので、大統領選挙を狙える。
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 2028年の大統領選挙でハリスが出ないとなれば、民主党は有力者不在ということになる。今のところ、トップとなっているピート・ブティジェッジは弁舌爽やかでまだまだ若いが、同性愛者というところがどうしてもネックになる。3位につけたギャヴィン・ニューサムはカリフォルニア州では人気が高いが、ロサンゼルスでの山火事や暴動への対応などで印象が良くない。大統領選挙での激戦地域となる中西部の各州の知事であるジョシュ・シャピロ(ペンシルヴァニア州)とグレッチェン・ウィットマー(ミシガン州知事)はまだ知名度が上がっていない。こうなると、共和党側のJ・D・ヴァンス副大統領が大統領本選挙で勝利する可能性が今のところ高いということになる。

(貼り付けはじめ)

世論調査:2028年大統領選挙において共和党の明確なトップランナーはヴァンスだ(Vance is clear front-runner for GOP nod in 2028: Poll)

ジャレッド・ガンス筆

2025年6月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/5372037-vance-is-clear-front-runner-for-gop-nod-in-2028-poll/

金曜日に発表された世論調査によると、2028年共和党大統領候補指名争いで、J・D・ヴァンス副大統領が他の候補者を大きく引き離し、最有力候補となっている。

エマーソン大学世論調査によると、ヴァンス副大統領の支持率は46%で、これに次ぐのはマルコ・ルビオ国務長官の12%、フロリダ州知事ロン・デサンティス(共和党)の9%だった。無所属のロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が5%で続き、クリスティ・ノーム国土安全保障長官とニッキー・ヘイリー元国連大使はそれぞれ2%だった。

他の6人の支持率は1%以下で、回答者の17%は態度未定、4%はリストにない人物を希望すると回答した。

これは、エマーソン大学が11月に実施した、2028年共和党予備選挙を想定した世論調査と比べて、ヴァンスの支持率が向上したことを示している。この調査では、ヴァンスの支持率は30%と、デサンティスが5%、2024年共和党大統領候補のヴィヴェック・ラマスワミの3%と比べてわずかにリードしていた。

回答者の半数は、当時、誰かを支持するかは未定だと回答していた。

エマーソン大学世論調査のエグゼクティブ・ディレクターであるスペンサー・キンボールは声明の中で、ヴァンスが最有力候補としての地位を「確固たるものにした」と述べ、共和党支持の男性有権者と60歳以上の有権者の52%から支持を得たと指摘した。

トランプ大統領は、2028年の共和党候補者として誰が後継者になるかについてある程度言及しているが、特定の候補者への支持を表明することは避けている。2月にフォックス・ニューズのインタヴューで、ヴァンスを後継者と宣言するのは「時期尚早」だとしながらも、自身と他の候補者は「非常に有能」だと述べた。

先月、NBCの「ミート・ザ・プレス」のインタヴューで、トランプ大統領はヴァンス副大統領とルビオ国務長官を、自身が率いる「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again、MAGA)」運動の将来のリーダー候補として挙げた。

トランプは、「(ヴァンス氏は)素晴らしく、聡明な人物だと思う。マルコも素晴らしい。他にも素晴らしい人はたくさんいる」と語った。

今回の世論調査は6月24日から25日にかけて、共和党予備選挙の有権者416人を含む登録済み有権者1000人を対象に実施された。共和党支持者の回答の誤差は4.8ポイントだった。

=====

世論調査:カマラ・ハリスがカリフォルニア州知事選立候補者および候補予定者たちに2桁のリード(Harris holds double-digit lead over declared, potential California governor candidates: Poll)
ジュリア・ミュラー筆

2025年7月2日

『ザ・ヒル』

https://thehill.com/homenews/campaign/5382192-kamala-harris-lead-california-governor-candidates-poll/

カリフォルニア州知事選挙への出馬を検討しているカマラ・ハリス副大統領は、2026年の知事選挙を想定すると、ハリス氏の支持率は2桁のリードを保っていることが、最新の世論調査で明らかになった。

カリフォルニア大学アーバイン校社会生態学部の最新データによると、ハリスは他の立候補を表明している候補者や噂されている候補者たちと比較した場合、24%の支持率を獲得した。

実業家から政治家に転身し、来年の知事選への出馬を検討していると報じられているリック・カルーソは9%の支持率で次点となった。

ハリスがリードしているにもかかわらず、カリフォルニア州民の40%が、任期制限(3期前)を迎えるギャヴィン・ニューサム知事(民主党)の後任としてどの候補者を支持するかまだ決めていないと回答した。

しかし、ハリス前副大統領と一般的な共和党員のどちらを支持するかという質問では、ハリスの支持率はさらに高く、それぞれ41%と29%の支持率を獲得した。

今回の世論調査によると、ハリスはカリフォルニア州民の間で11%の好感度を獲得しており、これは調査対象となった候補者の中で最も高い数値である。

2024年の大統領選挙で敗北したハリスの今後の動向に政界は注目している。

ハリスは、カリフォルニア州知事選挙への出馬を真剣に検討していると報じられている。カリフォルニア州は、ハリスが以前連邦上院議員を務め、州司法長官も務めた州だ。彼女は夏の終わりまでに出馬の是非を判断すると伝えられており、その間、知事選の候補者たちには幾分か冷ややかな反応が出ている。

カリフォルニア州副知事のエレニ・クナラキス氏(民主党)と州教育長のトニー・サーモンド氏(民主党)は、2023年から出馬している。民主党側では、ケイティ・ポーター元下院議員(カリフォルニア州)、元米国保健福祉長官のザビエル・ベセラ氏、元州議会議長のトニ・アトキンス氏、元州会計監査官のベティ・イー氏、元ロサンゼルス市長のアントニオ・ビラライゴサ氏も出馬を表明している。

California Lt. Gov. Eleni Kounalakis (D) and state Superintendent of Public Instruction Tony Thurmond (D) have been running since 2023. Also in the ring on the Democratic side are former Rep. Katie Porter (Calif.), former U.S. Health and Human Services Secretary Xavier Becerra, former State Assembly Speaker Toni Atkins, former state Controller Betty Yee and former Los Angeles Mayor Antonio Villaraigosa.

カリフォルニア州のロブ・ボンタ司法長官(民主党)は2月、知事選挙への出馬を取り止める決断を下し、『ポリティコ』誌に対し、ハリスの立候補は「民主党の整理を行い、新規開拓になるだろう」と述べた。

ハリスは2028年大統領選挙の初期の世論調査でも、民主党の最有力候補として浮上している。しかし、エマーソン大学の最新データによると、ハリスの大統領選挙への再出馬への支持はここ数カ月で低下しており、2028年大統領選挙の有力候補の中では、ピート・ブティジェッジ元運輸長官に次ぐ2位となっている。

エマーソン大学はトゥルードット(Truedot)と提携し、州全体で2つの世論調査を実施した。1つ目はハリスへの好感度に関する質問を含み、5月27日から6月2日にかけてカリフォルニア州の成人2143人を対象に調査した。2つ目は知事選投票に関する質問を含み、5月29日から6月4日にかけてカリフォルニア州の成人2000人を対象に調査した。誤差は、1つ目の調査が2.9ポイント、2つ目の調査が3.6ポイントだった。

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世論調査:カマラ・ハリスは2028年の大統領選挙で支持率低下が予測されている(Kamala Harris sees support drop in potential 2028 horse race: Poll)

ジュリア・ミュラー筆

2025年6月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/5372074-support-for-harris-declines-new-poll/

2028年大統領選挙の理論上の候補者争いにおいて、カマラ・ハリス前副大統領への支持が低下していることが世論調査で明らかになった。ハリスは次の政治的行動を検討している。

エマーソン大学世論調査の最新調査によると、ハリスは2028年の大統領選挙民主党予備選挙の候補者の中で2位につけており、民主党予備選の有権者の13%から支持を得ている。16%のピート・ブティジェッジ前運輸長官にわずかに及ばなかった。

民主党支持者たちのうち、まだ決めていないと回答した人が最も多く、23%だった。ハリスに僅差で次ぐのは、任期制限にかかるカリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサム(民主党)で12%だった。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)とペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ(民主党)がそれぞれ7%の支持を得て上位5位に入った。

最新の数字は、回答者に2028年の候補者の支持を記入させたエマーソンの11月の調査とは大きく異なっている。2024年大統領選の数週間後に行われたこの調査では、ハリスの支持率は37%で、次いでニューサムが7%、ブティジェッジが4%、シャピロが3%だった。さらに35%は未定だった。

2024年の大統領選挙での敗北を受け、ハリスの今後の動向をめぐって憶測が飛び交っている。

ハリスは、以前連邦上院議員を務め、州司法長官も務めた。ハリスは、カリフォルニア州知事選への出馬を真剣に検討していると報じられている。この不透明感は知事選挙の行方を左右する要因となっており、ハリスは出馬の是非を判断する期限を夏の終わりに設定していると言われている。

同時に、2028年初頭の世論調査では、ハリスが再び大統領選挙に立候補した場合、民主党の最有力候補となることが繰り返し示されている。カリフォルニア州知事公邸への出馬は2028年大統領選挙への出馬を阻む可能性があるが、ハリスはあらゆる選択肢を検討していると報じられている。

ハリスは今春、カリフォルニア州で開催された黒人女性のためのリーダーシップ・サミットで、「私はどこにも行かない(I’m not going anywhere)」と述べた。

一方、2028年大統領選挙の共和党候補者の中では、世論調査によると、ヴァンス副大統領が明確なリードを保っており、共和党予備選の有権者の46%の支持を得ている。未決定はわずか17%だった。

ヴァンスに続いたのは、マルコ・ルビオ国務長官(12%)、そして2024年予備選挙でトランプと戦ったフロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)(9%)だった。

2028年大統領選挙の一般投票では、有権者は二大政党に分かれ、一般民主党候補と一般共和党候補をそれぞれ42%ずつ支持した。さらに16%は未決定だった。

無党派層では、一般民主党候補が37%、一般共和党候補が29%で、未決定は34%だった。

6月24日、25日に実施された今回の世論調査は、アメリカの登録済み有権者1000人を対象に実施され、誤差は3ポイントだった。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 アメリカは日本に対して25%の高関税を課すことを決定したようだ。中国に対する100%を超える関税を課すということがあったので、案外高くないなと思ってしまうほどだが、日本経済に対しては影響が出る。アメリカの巨額の貿易赤字はアメリカの国内問題であり、日本だけが一方的に努力をしたり、我慢をしたり、犠牲になったりすするということはおかしい。自動車が日米間の重要な問題になっているようだが、それならば、アメリカの三大メーカーは日本で売れるような、日本人に選んでもらえるような自動車を作って輸出すべきだ。そもそも、戦後すぐからしばらくは日本国内でもアメリカ車が走っていたし、憧れの的だった。それは黒澤明監督のその頃の映画を見てみたら分かる。また、その頃の日本車は箱根の山を登り切れずにエンジンが焼けてしまって立往生をしている横をアメリカ車が颯爽と走り去っていったという逸話が残っている。高性能で価格が見合うなら、日本の消費者は買うだろう。それができないのはアメリカの怠慢だ。
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 また、日本車に高関税をかけても、アメリカの消費者は壊れにくく、長持ちし、中古として売却するにしても高くで買い取ってもらえる日本車を選ぶだろう。アメリカのインフレの状態を考えると、25%の関税はあまり影響が大きくないということも考えられる(これは机上の空論であるが)。

 輸入品に関税を掛けてお金を徴収するのは政府だが、その支払いをするのは国民だ。トランプ政権の高官勢はアメリカ国内の製造業の保護や復活を企図したものだが、そのための「補助金」をアメリカ国民が支払うということになる。これまで、私たちはアメリカが最大の市場であり、アメリカで商売をして利益を上げて、ドルを獲得するということが最上のシステムであると考えてきた。ドルを獲得しなければ国際決済はできないし、何より石油を獲得することができないということであった(ペトロダラー体制)。

 しかし、今や西側諸国の国力の減退、西側以外の国々の発展があり、アメリカ依存は得策ではない。トランプ関税について、私は一定の評価をしてきたが、それは、アメリカ国内の支持者たちからの視点としてであった。トランプ支持者たちは、貧しい白人の労働者たちであり、高関税によって彼らの仕事が一部でも戻ってくる、新しくできるということを願っている。トランプとしてはそれをかなえてやりたいということになる。実際に少しは良くなるだろう。しかし、大きく見れば、アメリカは既に厳しい状況であり、「手遅れ」である。先の大戦における、サイパン陥落後の日本のようなもので、もうどうしようもないという状況だ。何とかしたい、しかし、もう有効な方法は残っていない。既にアメリカの覇権国としての寿命は尽きつつある。

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トランプは貿易戦争に負けるだろう(Trump Will Lose the Trade War)

-多面的な紛争は、それを誘発した国にとって決して良い結末を迎えたことがない。

ロバート・D・アトキンソン筆

2025年6月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/06/12/trump-us-trade-war-tariffs-china-canada-protectionism-isi/

第一次世界大戦の敗戦後、ドイツ軍最高司令部は重要な教訓を学んだ。それは、「決して二正面作戦を戦わない(Never fight a two-front war)」というものだ。だからこそドイツは1939年、ソ連とモロトフ・リッベントロップ協定(Molotov-Ribbentrop pact)を締結し、10年間は​​両国が互いに攻撃を仕掛けないことを約束した。しかし、アドルフ・ヒトラーは10まで数えることができず、ドイツは第二次世界大戦に突入した。これもまた二正面作戦であり、ドイツにとって悲惨な結末を迎えた。

貿易戦争にも同じことが言える。一正面戦争(a one-front war)なら問題ないかもしれないが、世界全体と戦うのは避けるべきだ。コメディアンのノーム・マクドナルドが2015年の「レイト・ショー」でジョークを飛ばしたように、「前世紀の初め、ドイツは戦争を決意した。そして、誰と戦ったか? 世界だ。・・・それから約30年が経ち、ドイツは再び戦争を決意した。そして再び、世界を敵に選んだ!」

現在、ドナルド・トランプ米大統領は貿易戦争の開始を決意した。そして、誰を攻撃対象に選んだのだろうか? それは世界だ。4月のいわゆる「解放記念日(Liberation Day)」に、トランプ大統領はペンギンのいる島国やアメリカとの貿易赤字を抱える同盟諸国も含む、ほとんどの国に関税を課した。

その結果、世界の他の国々はアメリカへの反感を募らせ、アメリカに代わる貿易体制の構築を模索し始めている。日本、韓国、中国、そして東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟諸国は、ヨーロッパ連合(EU)と中国と同様、貿易協力に向けた協議を行っている。カナダもまた、トランプ大統領の関税措置を受け、EUとの貿易・投資関係強化に期待を寄せている。

それにもかかわらず、トランプはアメリカが依然としてトップであり、ボスであり、主導権を握っていると考えているようだ。しかし、そろそろ事実を直視すべき時だ。アメリカは彼の貿易戦争によって甚大な損失を被るだろう。

その理由は単純だ。特に先進産業においては、多くのアメリカ企業が生き残り、繁栄するために世界市場へのアクセスを必要としている。トランプが模範とする企業は、低中程度の技術水準で非上場のアメリカ企業であり、生産物のほぼ全てを国内で販売している。包丁メーカー、家具メーカー、ゴルフクラブメーカーなどを思い浮かべてみよう。(トランプは、自分やカントリークラブの仲間たちが、間もなく新しいアイアンセットに高額なお金を使うことになることを知っているのだろうか?)自分がこれらの企業を海外の競争から守れば、これらの企業は繁栄するだろうというのがトランプの考えだ。保護された巨大な市場があれば、繁栄しないはずがない。

話はそんなに早くは進まない。アメリカは、力強い先進産業なしには強大な力を持つことはできない。そして、これらの産業はトランプの新しい世界では深刻な苦戦を強いられるだろう。

課題には複数のベクトルがある。1つ目は、輸出向けに生産するアメリカ企業(ボーイング、メルク、ゼネラル・エレクトリックなど)は、輸入部品や材料に関税を支払うため、投入コストが大幅に増加することだ。

第二に、他国が相互関税を課すと、これらの企業の製品は価格的に海外市場から締め出されることになる。他国の企業は、マイクロン製のメモリチップではなく、韓国製のメモリチップを購入するだろう。ボーイングではなくエアバス製のジェット機、キャタピラーではなく、日立製の機械類を使うだろう。これはお分かりいただけるだろう。

さらに、トランプ大統領はアメリカ企業に対する露骨な差別への扉を開こうとしている。EUはトランプ大統領の攻撃的な姿勢を利用して、「ユーロスタック(EuroStack)」計画を正当化しようとしている。これは、コンピューターチップからサーヴァーに至るまで、ほぼ全てのアメリカ製ハイテク製品を最終的にヨーロッパ製の製品に置き換える計画である。そして、EUはついに軍事費増額計画を発表したが、それはヨーロッパ製の兵器を購入することによって行われることになる。

これは関連する課題につながる。トランプ大統領の貿易戦争下で、アメリカの輸出企業はますます海外市場から締め出されることになる一方で、競合他社はアメリカ抜きではあるものの、グローバルに統合された市場に参入することになるだろう。特に、他国が新たな貿易協定を通じてより統合された市場の構築に着手する中で、この傾向は顕著になるだろう。外国企業は革新と繁栄に必要な規模を獲得するだろう。一方、比較的小規模なアメリカ市場に依存しているアメリカの生産者たちは、徐々に縮小し、最終的には消滅する可能性もある。

トランプ氏の輸入代替産業化戦略(import substitution strategy、ISI)は、過去にも他国で試みられてきたが、失敗に終わった。国際開発コミュニティは1950年代から60年代にかけて、成長戦略として輸入代替工業化(Import substitution industrialization、ISI)を広く採用し、多くの発展途上国は1980年代以降もそれを維持した。失敗の理由の1つは、ブラジルのような比較的規模の大きい国でさえ、ますます複雑化する製品を効率的に生産できるだけの市場規模を持っていなかったことにある。国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)による最近の世界産業政策分析によると、繁栄したのは韓国や台湾のように輸出戦略(export strategies)を採用した国であり、ISIを推進した国ではないことが明らかになった。

アメリカ経済は、例えば韓国経済よりもはるかに大きいものの、今日の先進産業は、継続的な研究開発費を賄うために必要な収入を生み出すだけでも、アメリカが提供できる以上の大きな市場を必要としている。

しかし、それだけではない。世界貿易の覇権国としてのアメリカの役割が衰退するにつれ、中国が確実にその地位を奪うだろう。中国は過去15年間、あらゆる国際機関に浸透してきた。トランプ大統領が主導権を握り、世界保健機関(WHO)、パリ協定、国連人権理事会など多くの機関からアメリカが離脱したことで、勝利は中国のものとなった。

すでに多くの国々が北京を訪れ、習近平国家主席に媚びへつらって貿易協定を締結するのを目にしており、今後もこうした動きが続く可能性が高い。かつて南米で最大のアメリカからの経済支援の受取国であったブラジルとコロンビアは、すでにその道を歩んでいる。中国の先進産業は貿易戦争後、アメリカ市場へのアクセスを失うかもしれないが、世界の他の国々の市場へのアクセスは確保されるだろう。一方、アメリカ企業はアメリカ市場の残りかすを残されることになるだろう。

トランプ大統領が対外援助を削減した後、中国は他国の心を掴むためにアメリカよりもはるかに多くの資金を費やしている。風向きが東であることは、気象予報士でなくても分かる。習近平国家主席が最近ロシアの新聞に寄稿した記事にあるように、「一極主義、覇権主義、そして威圧的な行為が世界中で深刻な被害をもたらしている」。中国を自由貿易と連帯の守護者として見せることができるのは、トランプ大統領だけである。

明確にしておくと、トランプはフェアプレーをしない国々に(貿易)戦争を仕掛ける必要があった。最大の加害者は中国であり、2006年頃に世界的な貿易戦争を開始し、習近平国家主席の就任以降、これを激化させてきた。中国は他のいくつかの国と共に、体系的な重商主義的慣行(systemic mercantilist practices)に従事し、アメリカの製造業の空洞化を助長し、巨額の貿易赤字につながっている。

中国は大規模な知的財産窃盗を行った。外国企業を恫喝し、中国国内での生産と技術移転を強要した。そして、特定の産業で生産能力を獲得すると、市場を閉鎖した。

アメリカが世界貿易機関(World Trade Organization、WTO)を通じて中国の不正行為に対処しようと試みた事例はごくわずかだ。その理由の1つは、WTOの構造上、そのような行為を効果的に訴追することがほぼ不可能なためだ。アメリカ企業もまた、中国政府の報復を恐れて、WTOへの協力をほとんど拒否した。EUも同様だ。

アメリカが提訴し勝訴した訴訟は比較的少数で、レアアース輸出割当や風力発電補助金といった、ほとんどがピュロス的な勝利(pyrrhic victories、訳者註:勝利ではあるものの、その代償が大きすぎて、実質的には敗北と変わらないような状況を指す)に終わった。これらはいずれも競争の実態を変えることはなかった。そして、ほとんどの場合、中国はアメリカの訴訟に対して反訴を起こした。トランプは正しかった。宣戦布告すべき時だった。しかし、マクドナルドが言うように、世界に対して一度に宣戦布告するべきではない。

それでは、希望はあるのだろうか? おそらくないだろう。しかし、トランプに関しては予測不可能だ。

トランプがなすべきだったのは、まずヴェトナム、インドネシア、インドといった、世界貿易ルールの最も深刻な違反国に焦点を絞ることだった。関税を課す前に、これらの国々に協議を促し、アメリカの主要な要求事項を列挙し、90日以内に是正するよう求める。そして、相手が応じない場合のみ関税を課すのだ。そして、その際には、先進産業におけるアメリカの競争力にとって最も重要な貿易障壁や阻害要因に焦点を当てるべきだった。

これらの国々がエビの輸出を拡大したいなら誰が気にするだろうか? アメリカ産ウイスキーの市場を閉鎖したいなら争う価値はない。しかし、アメリカのハイテク企業を攻撃し、先進的なアメリカ製品・サービスへのアクセスを制限することなら、徹底的に抗戦する(going to the mattresses over)価値がある。

次に、ヨーロッパに軸足を移し、その後、日本、韓国、台湾に軸足を移す。お分かりだろう。しかし、世界全体と同時に戦争を仕掛けるべきではない。それがもたらすのは、世界的な反米同盟(a worldwide anti-American alliance)の形成だけだ。

中国は貿易戦争を仕掛ける際、全ての国を一度に攻撃しないだけの分別を持っている。北京は特定の国に貿易攻撃を仕掛け、しばらく様子を見て外国の反応を伺う。そして、怒りが収まると、また別の攻撃を仕掛ける。そして、沸騰した湯の中の蛙のように、他の国々は中国の攻撃をほとんどすすり泣くことなく受け止めてきた。

中国は依然として、アメリカ、そして西側諸国の先端技術産業を破壊する意志と手段を持つ唯一の国である。トランプの貿易戦争は、北京の勝利を阻止することを目的として設計されるべきである。何よりも、それはアメリカの同盟諸国と協力することを意味する。しかし、アメリカに対する敵意の高まりと国力の低下を目の当たりにすると、多くの国は北京との取引をより容易にしている。

同盟諸国がいなければ、いかなる戦争も敗北に終わる。トランプが同盟諸国との交渉に意欲を示さない限り――5月にカナダ首相マーク・カーニーと会談した際には、彼はこれを拒否した――アメリカは第一次世界大戦以前と同様に、世界的に孤立したままになるだろう。しかし、当時と現在との大きな違いは、アメリカ企業が生き残るためには技術面で世界的規模に到達する必要があり、中国がアメリカを凌駕する競争力を持つようになったことである。

アメリカがドイツよりもうまく、多面的な紛争から脱却することを願うばかりである。

※ロバート・D・アトキンソン:情報技術イノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation、ITIF)の創設者兼理事長、ジョージタウン大学エドマンド・A・ウォルシュ外交大学院の非常勤教授。クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、オバマ、トランプ、バイデン政権で顧問役を務め、『技術革新経済学:グローバル優位をめぐる競争(Innovation Economics: The Race for Global Advantage)』を含む4冊の著書がある。Xアカウント:@RobAtkinsonITIF
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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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