アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙は民主、共和両党で有力候補者たちの予備選への出馬表明が次々と行われています。共和党ではテッド・クルーズ、ランド・ポール、マルコ・ルビオの3名の若手連邦上院議員が立候補を表明しました。民主党では最有力候補ヒラリー・クリントン前国務長官が立候補を表明しました。


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ランド・ポール
 

 外交政策に関して言うと、ランド・ポール議員が総攻撃に遭っています。彼はリバータリアンとして、外国に対する不介入を訴えていますが、それが共和党内部からも激しい批判に晒されています。共和党内部のネオコンと民主党の人道主義的介入派から見れば、ランド・ポールの不介入路線は最も許しがたい主張です。

 

 しかし、アメリカ国民と外国にとっては最も望ましい路線です。ランド・ポールは共和党の予備選で苦戦することになるでしょうが、舌戦を展開し、「介入主義(interventionism)」の間違いと危うさを訴え続けて欲しいと思います。

 

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ランド・ポール:グラハムとマケインはオバマにとっての「外交政策に関して愛玩犬だ」と発言(Paul: Graham and McCain are Obama’s ‘lapdogs’ on foreign policy

 

ジョナサン・イースリー(Jonathan Easley)筆

2015年4月21日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/239645-paul-graham-and-mccain-are-obamas-lapdogs-on-foreign-policy

 

 ケンタッキー州選出連邦上院議員ランド・ポール(共和党)は火曜日、彼自身と共和党内の外交政策に関してタカ派に属する政治家たちとの間の舌戦をヒートアップさせた。サウスカロライナ州選出連邦上院議員リンゼイ・グラハム(共和党)とアリゾナ州選出連邦上院議員ジョン・マケイン(共和党)をまとめてオバマ大統領の国家安全保障政策に関して「大統領の愛玩犬(lapdog)」と呼んだのだ。


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リンゼイ・グラハム

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ジョン・マケイン

 

 テレビ局フォックス・ニュースとのインタビューの中で、ポール議員はグラハム議員とマケイン議員からの批判に対してどの反応するかと質問された。グラハム議員とマケイン議員はここ数日、ランド・ポールの外国に対する不介入という考えは国家安全保障にとっての大きな脅威となると批判していた。

 

ポール議員は「こうした批判は過去20年間にわたって全ての政策に関して誤りを犯した人々からなされたものです」と発言した。

 

 ポール議員は続けて次のように発言した。「私だけがリビアでの戦争は間違っているとはっきりと主張しました。シリアのアサド政権に対して空爆を行うことはイスラム国の力を強めるだけだと主張しました。シリアの反アサド勢力に対して武器を供与することはイスラム国を強化することにしかならないと主張しました。私だけですよ。私だけがオバマ大統領とオバマ大統領の愛玩犬になってしまった人々に対して反対を唱えたのです。彼らはこのことについて恥じていると私は思います」

 

 ポール議員は、共和党の一部から彼の不介入という考えについて懐疑を持たれている。共和党タカ派はポール議員を「孤立主義者(アイソレーショニスト、isolationist)」と呼び、彼の考えは国家安全保障に対して脅威となると批判している。

 

 グラハム議員は外交政策を第一にして大統領選挙について考えを述べているのだが、彼はポール議員に対する最大の批判者となっている。

 

グラハム議員は月曜日に、MSNBCに登場し、ポール議員は外交政策について「全く間違った考えを持っている」と発言し、国家安全保障についてオバマ大統領や民主党の大統領予備選挙出馬を表明したヒラリー・クリントン前国務長官よりも軟弱な姿勢を取っていると批判した。

 

ポール議員は火曜日に「私をますます声高に批判する人々はオバマ大統領の外交政策の賛同者なのです。彼らはオバマ大統領の外交政策路線を10倍の規模に増幅して行いたいと思っているだけなのです」と発言した。

 

 ポール議員はロナルド・レーガン元大統領のように「強さを通じて平和を確保する(peace through strength)」するという考えを持っていると主張した。

 

 ポール議員は次のように発言した。「私は介入が必ずしも常に正しい答えだとは考えていません。介入によって全く予期しなかった結果が出ることもこれまで度々ありました。彼らの主張する外交政策は全く的外れです。また、混乱し、無秩序でもあります。私はこれまで全ての戦争に関わりたいと望んできた人々に行動を有権者が再調査し、再認識する必要があると思います」

 

 外交政策は共和党の大統領選挙予備選がスタートしたばかりのこの時期において最も批判の応酬が行われている分野である。共和党タカ派は中東の大混乱を受けて勢いを増している。イラクとシリアにおいてイスラム国の脅威が増大し、オバマ大統領は核開発プログラムに関してイランと交渉を行っている。これらに関して共和党タカ派は批判を強めている。

 

(終わり)