ダニエル・シュルマン
講談社
2015-09-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





 古村治彦です。

 今回は副島隆彦先生の最新作『中国、アラブ、欧州が手を結びユーラシアの時代が勃興する』(ビジネス社、2015年7月25日刊)を皆様にご紹介いたします。

 本ブログでもご紹介しましたが、現在ロシアと中国が中心となって「ユーラシア連合」結成の動きが出ています。この動きはやがて南米にも拡大し、「アメリカ包囲網」となるでしょう。ただ、アメリカを攻撃して没落させようというものではなく、「アメリカは今まで勝手気ままに好き勝手やってきたけど、世界唯一の超大国として大変な所も担ってきてくれてどうもありがとう、ご苦労様」ということで、アメリカを普通の大国にするためのショックアブソーバーの役割を果たすものになると思います。

 副島先生の最新刊、世界の流れを捉えた名著の予感がします。夏休みに是非お読みいただければと思います。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。


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eurasia_obi

 


(貼りつけはじめ)


中国、アラブ、欧州が手を結び ユーラシアの時代 が勃興する 目次

 

 

  まえがき

 

第1章 今こそ人民元、中国株、中国金を買うべき

  中国の株はどん底の今が買い時

  1人民元= 20円の時代

  上昇する人民元の実力

  中国がロンドンの金価格決定に参加

  金価格の決定権をめぐる闘い

  台湾人の不動産"爆買い"

 

第2章 中国が目指新しい世界

  ユーラシア大陸の時代が到来する

  AIIBで中国、アラブ、欧州がつながる

  中国はアラブ世界とも連携していく

  中国の幹部たちの腐敗問題

 

第3章 「一帯一路」で世界は大きく動く

  広大な砂漠でも、水さえあれば人は生きていける

  日本企業の海水真水化プラント

  中国が打ち出した大きな世界戦略「一帯一路」

  中国は、戦争をしない。する必要がない

  インドと中国の問題もいずれ解決する

  中国と敵対する日本の反共右翼たち

  戦争は帝国を滅ぼす

  アメリカの危険な軍産複合体

  ウクライナ危機の行方とプーチンの手腕

  2007年に中国はイスラエルとの関係を切った

  帝国は民族の独立を認めない

  「香港の一国二制度」は中国民主化へのステップ

  中国の南米戦略と焦るアメリカ

  人類の歴史は理想主義では進まない

 

第4章 南沙諸島をめぐる紛争の火種

  中国が南沙諸島での実行支配を着々と進めている

  南沙諸島はもともと各国の主張がぶつかり合う紛争地域だ

  中国が南沙諸島の領有を主張する根拠

  フィリピンは中国に対抗できるのか

  日本が中国を強く非難できない理由

  領土問題は話し合いと調停で解決すべき問題である

 

第5章 欧州とアジアをつなぐアラブ、イスラム教徒の底力

  副島隆彦のイラン、ドバイ探訪記

  遊牧民が築いた帝国

  中国は大清帝国の自信を取り戻す

  イスファン(エスファハーン)とテヘランの位置関係

  アラビアのロレンスとは何者か?

  アラブ世界を分断したアメリカの力

  ペルシャ湾岸の豊かな国々

  アブダビで見たオイルマネーの威力

  アラブもヨーロッパもアメリカに騙された

 

  あとがき

 

巻末付録 主要な中国株の代表的銘柄32


まえがき

 

 世界の経済が急激に変動を始めた。この612日まで中国の株式が暴騰していたのに、大きく下落した。だからこそ今こそ日本人は中国株と人民元(じんみんげん)を買うべきなのだ。日本の株式(証)やニューヨークの株なんか買うものではない。


 中国はこれからもますます隆盛(りゅうせい)する。私は孤立無援の中でずっとこのように書いてきた。 この本は私の中国研究本の7冊目だ。


 中国を中心に世界の流れが変わった。さらに一段階、突き抜ける感じで中国の存在感(プ レゼンス)が増している。中国は強い。中国は崩れない。だから中国を買え、である。


 私が書いてきたとおり、この10年間に中国株を買い、中国で金(きん)を買い、人民元預金をした人の勝ちである。

 

 3ページの人民元の表にあるごとく、1元=20円を突破した。


 20123月には1元=123円だった。201212月から急激な上昇トレンドが起きた。今や人民元は、16円、18円を突き抜けて、20156月に20円台に乗せた。


 人民元預金をした人の勝ちだ。このあとも人民元高(円安)は続き、1元=30円を目指す。だから今からでも私たち日本人は人民元預金をすべきである。この5年間で、日本の主要な銀行でも人民元預金はできるようになった(25参照)

 

 今も日本には中国を腐(くさ)して中国の悪口ばかり言っている人々がいる。


 そんなことでいいのか。中国で暴動が起きて共産・中国は崩れる、の中国崩壊論を唱えてきた人々の大合唱が出版界で続いた。この人々の頭は大丈夫か。中国は崩壊などしない。私たちは嫌がらないで中国を正面から見据えなければいけない。

                                    副島隆彦

 

あとがき

 

中国指導者の真意は16億人の国民を食べさせること

 

 中国についての本を、私はこの10年で対談をふくめると10冊書いた。この本はビジネス社から出す中国研究本の7冊目である。


 2007年に出した1作目の『中国 赤い資本主義は 平和な帝国を目指す』から8がたつ。まさしく私が予測(予言)したとおり、赤い資本主義(レッドキャピタリズム)である中国の巨大な隆盛は世界中を驚かせている。


「中国の不動産市場が崩れて、株式も暴落して中国は崩壊しつつある」はウソである。昨年末からの急激な中国株の上昇(2.5倍になった)のあと、612日から暴落が起きた。そして下げ止まった。だから今こそ日本人は中国株を買うべきである。外国人としての冷静な目で中国の今後を見るべきである。


 中国の不動産(高層アパートの価格)は高値のまま安定している。1割でも下げればそれを買う若い人たちのぶ厚い層がいる。2年前の私の中国本は、『それでも中国は巨大な成長を続ける』(2013年刊)であった。このコトバどおり今も巨大な成長を続けている。


 いちばん新しい中国の話題は、AIIB(エイアイアイビー)アジアインフラ投資銀行の設立である。そして中国政府が4月に打ち出した「一帯一路」(いったいいちろ)構想は、これからの世界に向かって中国が示した大きなヴィジョンだ。ユーラシア大陸のド真ん中に、10億人の新たな需要(デマンド)が生まれる。中国とロシアと、アラブ世界とヨーロッパ(インドも加わる)が組んで、新たなユーラシアの時代が始まるのだ。


 AIIBは今年の3月から急に大騒ぎになった。イギリスが参加表明したからだ。アメリカは「裏切り者」と思った。中国が音頭をとって世界中から参加国を募っている。57

国が参加を表明し(P59の表)、これらの国々は剏立メンバーになる。今年2015年の終わりから営業を始めるらしい。


 このアジアインフラ投資銀行の動きに取り残されたのが、アメリカ合衆国と日本である。ところが日本の財務省はコソコソと中国と裏取引をして、いつの間にかオブザーバー参加という形にするだろう。


 日本の安倍政権は、公然と中国ギライであり中国包囲網を敷いている。中国を敵視して対中国の軍事(安全保障)戦略まで敷いている。このように日本はアメリカにべったりとしがみついて中国と対決、対抗する姿勢のままである。日本国内は奇妙な選挙をやって国会議員の数で安倍政権が圧勝しており、彼らが国家権力を握っている。国民は身動きがとれない。日本の金持ち(富裕層)はどんどん外国に資金資産)を移し、住宅も買い、自分も逃げ出しつつある。


 不況(デフレ経済)のままの日本のことなどお構いなしに、中国の巨大な成長は続く。中国は、日本やアメリカとの敵対、対立など考えていない。そんなことをやっているヒマはない。自分が経済成長(エコノミック・グロウス)を続けることのほうが大事だ。南シナ海と東シナ海で軍事衝突を起こさないほうが、中国にとってはいいのだ。


 中国にとっていちばん大事であり、中国の指導者たちが本気で考えているのは、いますでにいる16億人の国民(公称は13億人。だが実際には17億人になるだろう)を食わせることだ。国民をなんとか食べさせて、自分たちがもっと豊かになってゆくこと。そのための大きな計画さえあれば中国の隆盛は続いてゆく。それが「一帯一路」でつくられてゆくユーラシア大陸の中心部の大開発である。ユーラシアの時代の幕開けだ。

 

  2015年7月                           副島隆彦

(貼りつけ終わり)