ダニエル・シュルマン
講談社
2015-10-28


アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 現在、私の関わっている副島隆彦を囲む会の講演会DVDの作成と発想の準備に追われて忙しい状況です。ご注文いただいている皆様にはお待たせしてしまい、まことに申し訳ございません。ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」の「重たい気持ちで書く掲示板」の2015年8月15日に囲む会の須藤よしなお代表が書いている通りの状況があれからまだ続いている状況です。それでも8月31日中には完成し、発送が開始できそうです。深く深くお詫び申し上げます。

 

 さて、山形市長選挙への対応に端を発し、維新の党が分裂しました。非自民系の立候補予定者を柿沢未途幹事長が応援したことに対して、松井一郎・大阪府知事、維新の党最高顧問が批判(共産党みたいなことを言っているなどと批判)、幹事長を辞任するように求めました。これに対して、柿沢氏は辞任を否定し、松野頼久維新の党代表は辞任の必要なしと主張したことを受けて、松井氏と橋下徹・大阪市長は維新の党を離党しました。そして、大阪維新の会を国政政党にするということになり、維新の党に所属している大阪系の国会議員たちも大阪維新の会に移るということで、維新の党は分裂ということになりました。

 

 今回の分裂劇は松井一郎大阪府知事が仕掛けたものであり、橋下徹氏は脇役なのですが、維新の党分裂後、橋下氏が中心となって大阪維新の会を国政政党化し、それを松井氏らに引き継ぐということになっています。橋下氏は最初のうち、柿沢氏の処分を求めず、党も割らないという姿勢を取っていました。松井氏に引きずられているように見えます。

 

 その松井氏ですが、8月26日に東京で、安倍晋三内閣の菅義偉官房長官と会談しています。私はここで維新の党の分裂が正式に決定したと思います。それからの動きは素早く、橋下氏も巻き込んだものになっています。

 

 今回の維新の党分裂は、松井氏がチンピラのように難癖をつけて、分裂まで至りました。最初から分裂ありきで、そのための理由づけとして柿沢氏が利用されたのでしょう。また、これまでの地方選では自民党は敗北を続けています。山形市長選でも自民系が不利な状況でしたが、非自民系の立候補予定者に対して「国政政党を分裂させた責任」をかぶせて勢いを鈍らせようという考えがあるものと思います。

 

 維新の党の分裂によって、大阪維新の会は国政政党化し、5月に住民投票で否決された大阪都構想を再び公約とするということになりました。この都構想はよほど「おいしい」話で、諦めてしまうのに惜しい物なのでしょう。

 

 ここからは私の考えですが、26日の菅・松井会談では取引があったものと思われます。自民党が大阪都構想を容認し、反対している自民党府連に対してもそれを強力に圧力をかけることになるでしょう。「共産党なんぞと一緒にやりやがって」と執行部は苦々しく見ていたでしょうから、そうした点から責められることになるでしょう。松井氏が柿沢氏に対して「共産党が応援している候補なんぞ応援しやがって」と同じことです。

 

 その代り、大阪維新の会は明確にはしなくても改憲に賛成する、そして、2016年の参議院選挙では公式な選挙協力はなくても自民党に協力するということになるのでしょう。考えてみれば、松井氏や橋下氏の主張は安倍首相とほぼ同じなのですから、わざわざ別の政党である必要はないのですが、それが別の政党であるのは、野党攪乱要員としての役割を期待されてのことでしょう。つまり、野党再建・野党再編の阻害要員としての役割を期待されている訳です。

 

 来年の参議院選挙では大阪維新の会が攪乱要員として自民党を助け、野党をかき回すことでしょう。この時、有権者として本質を見誤らず、投票行動をすることで、最悪の事態である会見を防ぐことが出来ると私は考えています。

 

(新聞記事転載貼りつけはじめ)

 

●「維新分裂 民主、維新の両代表、31日午後会談へ 合流か否か…」

 

産経新聞 831()1121分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150831-00000513-san-pol

 

 民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表は31日午後、野党再編や両党の合流構想をめぐり国会内で会談する。合流構想には、来年夏の参院選に向けて巨大与党に対抗できる勢力をつくる狙いがある。両党には消極論も存在しており、成否は見通せない。

 

 民主党の枝野幸男幹事長は31日午前、両代表の会談について国会内で記者団に「松野氏の話を聞いてみないといけない」と述べるにとどめた。

 

 松野氏は30日、東京都内で記者団に「岡田氏と胸襟を開いて話したい。(自民党の)1強多弱を変えるため強い野党をつくらねばならない」と説明した。

 

 

●「<橋下新党>11月までに結成 維新から20人弱合流」

 

毎日新聞 830()90分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150830-00000005-mai-pol

 

<橋下新党>11月までに結成 維新から20人弱合流

 

橋下徹・大阪維新の会代表=大阪府枚方市で2015年8月29日、三村政司撮影

 

 維新の党を離党した橋下徹大阪市長は29日、大阪府枚方市で街頭演説し、「1カ月後か2カ月後かわからないが、大阪維新の会という国政政党を誕生させる」と述べ、大阪府知事・市長選のダブル選(11月22日投開票)の前にも、新党を結成する方針を表明した。維新の党所属国会議員51人のうち大阪系議員10人強を含む20人弱が合流する方針で、維新は分裂する見通しになった。

 

 橋下氏は「大阪維新の会のもとに国会議員を従える」と述べ、維新の党の議員を新党に合流させる考えを示した。そのうえで「大阪維新の会の看板で、北海道から九州にまで国会議員を誕生させる」と述べ、全国で候補擁立を目指すとした。

 

 橋下氏は27日に党所属国会議員へのメールで「今、党が割れるようなことはしない」と表明したが、数日のうちに党分裂を前提とした新党結成を目指す方針に転換した。

 

 これに関連し、大阪維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)は29日、府内で記者団に対し、来夏の参院選で候補擁立を目指す考えを明らかにした。橋下氏は29日も「松井氏や大阪維新の会のメンバーにその政党(新党)を引き渡す」と述べ、政界引退は変えないとしているが、松井氏は橋下氏について「国政進出を含め、政界復帰は十分ある」と述べ、強い期待感を示した。

 

 橋下、松井両氏と、馬場伸幸国対委員長ら大阪系議員約10人は大阪府内のホテルで会合を開き、国会閉会(9月27日)後に新党に参加することを確認した。新党には、非大阪系議員数人も参加する意向だ。民主出身の議員の多くは新党に参加しないと見られるが、旧結いの党出身や中間派の議員の動向が焦点となる。民主や無所属の保守系野党議員が今後、新党参加を検討する可能性もある。

 

 一方、維新の党関係者によると、橋下氏は新党へ受け入れる国会議員について、松野頼久代表らを念頭に「衆院選で比例復活した民主党出身議員は認めない」との条件を周辺に示した。対立してきた民主系を排除し、政権寄りの党運営をはかる目的とみられる。

 

 昨年の衆院選で選挙区で敗れ、比例復活した民主党出身議員は松野氏や今井雅人政調会長ら10人。新党では大阪維新の会結成当時の理念を同じくする議員を集め、「純化」を目指す狙いとみられる。【松井聡、福岡静哉】

 

 

●「菅氏と松井知事が会談」

 

産経新聞 2015年8月26日

 

 菅義偉官房長官は25日夜、維新の党顧問の松井一郎大阪府知事と東京都内で会食した。参院で審議中の安全保障関連法案や11月22日投開票の大阪市長、府知事のダブル選などをめぐり意見交換したとみられる。

 

(新聞記事転載貼りつけ終わり)






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オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23