古村治彦です。
今回から2回に分けて、中国政治の最新論文をご紹介します。
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新しい高位グループが党と政府との間の区別に脅威を与える(New High-Level Groups Threaten Line Between Party and Government)
Publication: China Brief Volume: 14 Issue:
7
2014年4月9日
ウィリー・ラム(Willy Lam)筆
http://www.jamestown.org/programs/chinabrief/single/?tx_ttnews%5Btt_news%5D=42208&tx_ttnews%5BbackPid%5D=25&cHash=9c04fb8086372aa9cd6deb00e61e01e7#.U1PR4X-KD4g
習近平(Xi Jinping、しゅうきんぺい、1953年~)は、複数の情報が非公開の指導的なグループや委員会に実権を集中させている。中国共産党(Chinese Communist Party)の最高指導者である習近平に、これらの機関は直属している。これらのトップレベルの意思決定・調整機関は、習近平の側近たちは、最高指導者(supremo)である習近平に直属し、報告を行っている。それらの機関とは、中央国家安全委員会(the
Central National Security Commission、CNSC)、中央全面深化改革領導小組(the Central Leading Group on Comprehensively Deepening Reforms)、中央互聯網(インターネット)安全情報化改革領導小組(the Central Leading Group on Internet Security and Informatization)である。このような機関に関しては、透明性とチェック&バランス機能の欠如に関する疑問が拭えない。李克強(Li Keqiang、りこっきょう、1955年~)国務院総理は全国人民代表者会議(National People’s Congress、NPC)で国務院は「自己革命(self-revolution)を行う決意である」と表明している。この意味は、中央政府の各部(日本で言うと各官庁)は合理化を行い、それぞれが持つ力を縮小し、市場と社会がより大きな役割を果たせるようにするというものである。(チャイナ・ニュース・サーヴィス、2014年3月5日;人民日報、2014年3月5日)
昨年(2013年)11月に開催された中国共産党中央委員会三中全会(the
Third Central Committee Plenum)において、中央国家安全委員会と中央全面深化改革領導小組の設置が決定されたが、既に重要な役割を果たすようになっている。しかし、これらの機関に関する情報はほとんど公表されていない。そのスタッフの陣容、中央国家安全委員会の構成と目標は明らかにされていない。ただ、その規約として、党、政府、軍の各機関の連携を図り、国内の安定と「敵意を持った外国勢力」が起因する脅威に対処するというものがある。トップの3名の名前と役職だけが明らかにされている。それぞれ委員長の習近平、副委員長の李克強、そして全人代常務委員会委員長の張徳江(Zhang Dejiang、ちょうとくこう、1946年~)である。この3名のメンバーは、中国最高指導部で強大な力を持つ中国共産党中央政治局常務員会(Politburo Standing Committee、PBSC)に所属している。いくつかのメディアは、中央国家安全委員会を構成することになるであろう諸機関のリストを発表した。しかし、この情報の真偽はまだ確定していない。諸機関には、中国人民解放軍(People’s Liberation Army)、中国人民武装警察部隊(People’s
Armed Police)、外交部(Ministry of Foreign Affairs)、公安部(Ministry of Public Security)、国家安全部(Ministry of
State Security)、中国共産党中央対外連絡部(CCP’s International Liaison
Department)、中国共産党中央宣伝部(Propaganda department)の名前が挙げられている。(文匯報[香港]、2013年3月7日;グローバル・タイムズ・フォーラム、2013年1月25日)
公的メディアと香港のマスコミは、複数の全人代の高級幹部たちの「習近平の腹心の一人である栗戦書(Li Zhanshu、りつせんしょ、1950年~)が中央国家安全委員会の総書記となり、あらゆるトラブルに対処している」という発言を引用している。栗戦書は、第18期中国共産党中央政治局委員であり、現在は中国共産党中央弁公庁(Central Committee General Office、CCGO)主任を務めている。中国共産党中央弁公庁は党全体の神経集中センターのようなものであり、中央政治局常務委員会から中央、地方のあらゆる党機関に対して指示を出す機関である。また、定期的に中国全土に対して発表される主要政策の文書を作成する機関でもある。中央弁公庁は、中央国家安全委員会のために総局と情報センターの規模を倍に拡大した。(チャイナ・ビジネス・ニュース[上海]、2014年3月10日;民報[香港]、2014年3月10日)
栗戦書は、西安市党委書記を務めた経験を持ち、習近平率いる陝西ギャングの中心メンバーである。栗戦書には外交政策の面での経験がない。このことから、中央国家安全委員会が主に国内の治安維持に特化した機関であるという主張には信憑性があることが分かる。栗戦書と彼の親分である習近平は深いつながりを持っている。このことから、最高指導者である習近平が、中央国家安全委員会の名の下で警察国家機能を利用することは難しいことではない。彼は中央国家安全委員会を利用して、反体制活動家たちを厳しく取り締まることから、急速に勢力を拡大しつつある習近平派に敵対する政敵たちを攻撃することまでできるのだ。(大公報[香港]、2014年3月7日;サウスチャイナ・モーニング・ポスト、2014年3月7日)習近平は中央国家安全委員会を支配している。その結果、習近平は、中国の国内治安に関して幅広く独立した力を持ち、コントロールができるようになるだろう。そして、鄧小平(Deng Xiaoping、とうしょうへい、1904~1997年)によって確立された集団指導体制に対して脅威を与えることになるだろう。
中央国家安全委員会の顔ぶれを見ると、この改革志向の委員会により大きな権力が集中することが容易に予想される。中央国家安全委員会の主席は習近平であり、副主席は、李克強国務院総理、イデオロギーと宣伝を担当する劉雲山(Liu Yunshan、りゅううんざん、1947年~)中国共産党中央精神文明建設指導委員会主任、張高麗(Zhang Gaoli、ちょうこうれい、1946年~)国務院常務副総理の3名が副主席となっている。彼らは全て党中央政治局常務委員である。彼らの下には、10名の政治局委員が配置されている。その中には、劉延東(Liu Yandong、りゅうえんとう、1945年~)国務院副総理、汪洋(Wang Yang、おうよう、1955年~)国務院副総理、馬凱(Ma Kai、ばがい、1946年~)国務院副総理といった国務院の閣僚級の人々や中国共産党中央各部の責任者たちが含まれている。党の中央各部の責任者で言えば、党中央弁公庁主任の栗戦書、党中央政策研究室(Central Policy Research Office、CPRO)主任の王滬寧(Wang Huning、おうこねい、1955年~)、党中央宣伝部長の劉奇葆(Liu Qibao、りゅうきほう、1953年~)、党中央組織部長の趙楽際(Zhao Leji、ちょうらくさい、1957年~)が配置されている。更には、全国人民代表者大会常務委員会副委員長の李建国(Li Jianguo、りけんこく、1946年~)、中央軍事委員会(Central Military Commission)副主席の許其亮(Xu Qiliang、きょぎりょう、1950年~)人民解放軍空軍上将、中国共産党中央政法委員会(Central Political-Legal Commission)書記の孟建柱(Meng Jianzhu、もうけんちゅう、1947年~)といった人々も含まれている。(中国青年報、2014年3月13日;民報、2014年1月23日)
王滬寧は上海にある復旦大学の教授を務めた人物であり、国家主席時代の江沢民と胡錦濤の政治アドヴァイザーであった。そして、習近平によって、中央国家安全委員会の総書記に任命された。王滬寧は現在、党中央政策研究室(Central Policy Research Office、CPRO)主任を務めている。党中央政策研究室は目立たない部署で、公式メディアでその活動が伝えられることはほとんどない。しかし、党中央政策研究室は中国で最高レベルの、国内政策、外交政策に関するシンクタンクなのである。党中央政策研究室はシンクタンク機能の他に、中央国家安全委員会の事務局と情報集積センターの役割を果たしている。中央国家安全委員会には、党中央政策研究室副主任の潘盛洲(Pan Shengzhou、はんせいしゅう)と国務院国家発展和改革委員会(National Development and Reform Commission、NDRC)副主任の穆虹(Mu Hong、むこう)の2人の副総書記がいる。潘盛洲は農業の専門家だ。穆虹の国家発展和改革委員会での仕事は、資産投資管理と主要なプロジェクトの監督である。(Finance.12cn.com、2014年3月10日;香港エコノミック・タイムズ、2014年3月10日)





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