古村治彦です。
ドナルド・トランプ前大統領は最後までワシントンのアウトサイダーだった。よそ者だった。そうだったからこそ、ワシントンの大掃除、「ドレイン・ザ・スワンプ」をやろうとした。しかし、それに反対したのは、ワシントンの住人たちであり、そこに民主党、共和党の違いは存在しなかった。
トランプ大統領は在外米軍の削減を進めようとした。それに対して、民主、共和両党から当然のように反対論が噴出した。バイデン政権の国務長官であり、バイデンの長年の側近であるアントニー・ブリンケンも反対を表明した。共和党内からは、リズ・チェイニー連邦下院議員が激しく反対した。
父ディック(左)とリズ・チェイニー
リズ・チェイニーは、ディック・チェイニーの長女だ。ディック・チェイニーは、ジョージ・H・W・ブッシュ(父)政権で国防長官(1989-1993年)を務め、ジョージ・W・ブッシュ(子)政権では副大統領(2001-2009年)となった。アホ息子ブッシュ政権では、ネオコン派の総帥として、実質大統領として、イラク戦争を主導し、アメリカを泥沼に引きずり込んだ張本人だ。リズはその父親の影響を強く受けている。
父親ディックが父ブッシュ政権で国防長官を務めていた時期、国務省と米国国際開発庁(USAID)に勤務していた。その後は、父親とはネオコン仲間のリチャード・アーミテージが作ったコンサルティング会社アーミテージ・アソシエイツに入社した。
父親がブッシュ(子)政権で副大統領になると、国務次官補代理(近東担当)となり、2004年の大統領選挙では父親の選対に入り、その後2005年には、筆頭国務次官補代理(近東担当)として国務省に復帰した。2014年にワイオミング州選出連邦上院議員選挙に出馬しようとして断念したが、2016年の選挙で連邦下院議員選挙に当選した。ワイオミング州は人口が少なく、連邦上院議員は2名配分されているが(連邦上院は各州2名と決められている)、連邦下院議員は州全体で1名である。その1名にリズは当選した。これはもちろん、父親の威光がある。
リズの父親ディックもワイオミング州選出の連邦下院議員を6期務めた。その前にはジェラルド・フォード政権でホワイトハウス次席補佐官(1974―1975年)と首席補佐官(1975-1977年)を務めた。連邦下院議員在任中(1979-1989年)、連邦下院共和党指導部序列3位の共和党連邦下院議員会長(1987-1989年)、序列第2位の連邦下院少数党(共和党)院内幹事(1989年)をそれぞれ務めた。
娘リズは現在連邦下院議員の3期目(2017年初当選)を務めているが、2期目の2019年から序列3位の議員会長を務めている。父親よりも共和党指導部での昇進が早い。これはもちろん、父親ディックの存在がバックにあるからだろう。
リズは共和党保守派の若きホープとなっている。彼女もまた父親の系譜に従って、ネオコン派である。そして、この親子2代のワシントンの住人は、トランプ大統領を激しく攻撃した。民主党ならばともかく、共和党内部にも敵を抱えていたとランプ大統領は四面楚歌状況であった。そして、ワシントンのアウトサイダー、トランプ大統領による大掃除は失敗に終わった。
(貼り付けはじめ)
トランプ:リズ・チェイニーの選挙についての発言は米軍の帰還Trump: Liz
Cheney's election remarks sparked by push to bring US troops home
ザック・バドリック筆
2020年11月22日
https://thehill.com/homenews/house/527055-trump-liz-cheneys-criticism-sparked-by-push-to-bring-us-troops-home
トランプ大統領は共和党連邦下院議員会会長リズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出、共和党)が「トランプ大統領は大統領選挙の結果を受け入れるべきだ」と提言したことについて反撃を行った。大統領は、「私がアメリカ軍を国内に戻していることについて、チェイニーは“大いに不満”なのだ」と述べた。
トランプは土曜日に次のようにツイートした。「悪いね、リズ、投票に関して多くの不正なカウントがあったので、選挙の結果を受け入れることができないんだ。これらの不正のおかげで選挙の結果は簡単に覆されるんだ」。トランプは、『ポリティコ』誌の記事に掲載されたチェイニーのコメントに反応しながら、広範な選挙不正という根拠のない主張を繰り返した。トランプは「あなたは、私がアメリカ軍の将兵を自分たちが属する国に戻していることに大いに不満なんだろう」とツイートした。
このツイートは、不正選挙についての論争を巻き起こす主張を封じ込める際に、SNSで目立つことになった。
チェイニーは大統領選挙勝利者であるバイデンを勝者として認めてはいないが、先週、大統領は不正の証拠の提供、さもなくば敗北受け入れ宣言を行うようにすべきだと述べた。チェイニーは金曜日に声明を発表し、次のように述べた。「アメリカは法の支配によって統治されている。大統領と彼の顧問弁護士たちは犯罪と広範な選挙不正という主張を行っている。彼らはこうした犯罪と不正が選挙結果に永居を与えたと非難している。彼らはこうした不正の明確な証拠を持っているのなら、彼らはそれらをすぐに裁判所とアメリカ国民に提示する義務がある。トランプ大統領はこうした主張の正当性を証明できない、もしくは選挙の結果を変更することができる証拠を見せることができないのなら、我が国の選挙のプロセスの尊厳を尊敬するという形で、アメリカ合衆国健康を維持し、守るという大統領就任時の宣誓を実行すべきだ」
トランプの弁護士ティームは、激戦州におけるバイデンの勝利に対して法的な手段で対抗している。ペンシルヴァニア州での提訴は土曜日、連邦判事によって棄却された。オバマ前大統領が任命したマシュー・ブラン判事は、トランプ選対の裁判提起は、「法的根拠がなく、きちんと実証された告発」ではなく、「有権者の公民権はく奪を正当化できず、全米第六位の人口を誇る州の有権者の公民権をはく奪することもできない」と発言した。
トランプ大統領は「終わりのない戦争」からアメリカ軍将兵をアメリカに戻すという公約を掲げて選挙運動を行った。1月中旬までにアフガニスタンとイラクから米軍将兵2500名を撤退させるように国防総省に命じてから数日経って、トランプ大統領は一連のコメントを出した。
トランプ大統領とディック・チェイニー元副大統領の娘であるリズ・チェイニーは過去に衝突したことがあった。
2019年、リズ・チェイニーは、トルコの計画的な侵攻に先立ち、アメリカ軍将兵のシリアからの撤退をトランプ大統領が計画したことについて、「破滅的な誤り」だと評した。
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チェイニーは連邦下院の保守派との間の緊張関係を和らげようとしている(Cheney
seeks to cool tensions with House conservatives)
ジュリー・グレイス・ブルフケ筆
2020年11月18日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/house/526588-cheney-seeks-to-cool-tensions-with-house-conservatives
連邦下院共和党議員会会長リズ・チェイニー(ワイオミング州選出、共和党)は月曜日、連邦下院フリーダム・コーカス(議員連盟)との会談の席上、これからは現職議員に対抗して予備選挙に出馬する候補者たちに政治献金を行わないと約束させられた。これは保守派の議員たちとの緊張関係を緩和しようとするものだ。
チェイニーは会談の中で2020年の中間選挙に向けて党のまとまりの必要性を主張した。会談には連邦下院少数派(共和党)院内総務(House Minority Leader)ケヴィン・マッカーシー(カリフォルニア州選出、共和党)と連邦下院少数派院内幹事(Minority Whip)スティーヴ・スカーリスも出席した。連邦下院指導部3名は連邦下院指導部を維持することを計画していた。共和党所属の連邦下院議員たちは火曜日、投票で指導部をそのまま維持することを決めた。
会談に出席した人々のうち、3名が取材に答えた。取材源の人々は、チェイニーが現職に対する挑戦者に対して資金援助を与えないと約束したことは、保守派の連邦議員たちの間での懸念を和らげるための誓いなのだと述べた。
チェイニーと保守派の連邦議員たちとの間の摩擦は今年7月に非公開で行われた会議の席上で激しいやり取りが行われた後に発生した。
チェイニーに批判的な人々は彼女の指導者としてのスタイルを攻撃し、トランプ大統領に対する忠誠を疑問視し、トーマス・メイジー連邦下院議員(ケンタッキー州選出、共和党)の予備選挙の対抗馬に資金提供を行うとした決定を激しく批判した。チェイニーは、トッド・マクマーティーが過去にSNSに行った人種差別的な投稿が発見された後、マクマーティーへの支持を取り消し、寄付を返還してもらった。
共和党のある幹部は、フリーダム・コーカスに対しての発言がなければ火曜日の共和党指導部選びにおいて、チェイニーは困難に直面したはずだと述べた。
この人物は、「フリーダム・コーカスのメンバーの中に、共和党連邦下院議員会長の投票の際に、チェイニーに対して懲罰を与えるような投票をしようと計画していた人たちがいる」と述べた。
マーク・グリーン連邦下院議員(テネシー州選出、共和党)は会談の中で、チェイニーに対して、彼女の統一に向けたメッセージには評価するが、「あなた自身はそのメッセージ通りに行動せずに、私たち現職議員の対抗馬に対して資金を提供するという裏切り行為を行った」と発言した。会談に同席したある人物は本誌の取材に対してこのように発言した。
チェイニーは、自分は、トランプ大統領がメイジー議員に落選して欲しいというツイートをした後で、対抗馬に献金をしただけだと釈明した。2020年春にトランプ大統領の肝いりのコロナウイルス対策の経済回復政策について連邦下院で投票が行われる際、メイジー議員はその投票を遅らせるための手段を取るとトランプ大統領を脅すような発言をし、大統領を怒らせた。
チェイニーは議員たちに対して、メイジー議員に謝罪したことを明らかにした。彼女は更に、これからは現職議員を追い落とすような行動は慎むと述べ、2022年の中間選挙で共和党が連邦下院で過半数を奪回するために党内融和に貢献することに注力すると約束した。
チェイニーはトランプ大統領や保守派議員たちといくつかの問題について立場を異にしている。その中にはトランプ大統領がアフガニスタンとイラクからの米軍撤退を支持していることも含まれている。
しかし、共和党の幹部職員は、このような緊張関係は和らげられつつあると述べた。
この人物は次のように述べた。「7月以来続く敵意はなくなりつつあります。共和党の中には、チェイニーがメイジーの対立候補を支持したことやトランプ大統領についての批判をツイートしたことを怒っている人たちもいたが、それも沈静化しつつあります。チェイニーは私たちと進んで協力する姿勢を見せていますし、疑問を投げかけられても、それに応えることに躊躇していません」。
会談について詳しいある人物は取材に対して、「チェイニーは国家安全保障政策についてこれからも主張し続けると明確に表明し、出席者たちが自分たちの間で合意に達していない諸問題が存在することに合意した」と述べた。フリーダム・コーカスは国家安全保障について議論するための会議にチェイニーを招待すると表明した。
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チェイニーがトランプと戦う(Cheney takes on Trump)
-この動きによって、リズ・チェイニーがトランプ後の共和党の中でより高い指導的な地位に上昇するする可能性がある。
メラニー・ザノナ筆
2020年6月30日
『ポリティコ』誌
https://www.politico.com/news/2020/06/30/cheney-takes-on-trump-346089
リズ・チェイニーは突如としてドナルド・トランプへの共和内部の批判者の仲間入りを果たした。
更に驚くべきことは、ワイオミング州出身の共和党所属連邦下院議員であるリズ・チェイニーはこれまでトランプ大統領から激しい反撃を受けていないということだ。
トランプ批判に関して言うと、連邦下院共和党の序列3位の地位にあるチェイニーは突然批判を始めたわけではない。しかし、チェイニーはトランプ大統領に対して、彼の外交政策の決定と新型コロナウイルス感染拡大期間中の指導力について徐々に批判を強めていった。トランプ大統領に対して批判を行うことは現在の共和党においてはリスクの高い動きである。トランプ大統領との確執があると、共和党内部の予備選挙で挑戦者を勢いづかせるか、ツイッター上でのトランプ大統領からの激しい攻撃を受けるかということになるからだ。
しかし、チェイニーが発見したバランスの取れた行動を取ることができる共和党員はほとんどいない。トランプ後の共和党の姿について考えられ始めている今、トランプ大統領から比較的距離を取っているチェイニーは、共和党指導部の中でその地位を上昇させていくことだろう。
ジョン・シムクス連邦下院議員(イリノイ州選出、共和党)は「彼女は確固とした価値観を持っている、ガッツも持っている。彼女は自分の考えをはっきり述べる。こうしたことが多くの人々を惹きつけるのです」と述べている。
チェイニーはトランプに対する最も新しい批判の中で、「ロシア政府がアフガニスタンの武装勢力の人員に対してアメリカ軍将兵を殺すと賞金を出す」という布告を出しているという報告をトランプ大統領は知っているのかと疑問を呈している。そして、トランプ政権はロシア政府に対してより攻撃的な姿勢を取るように求めた。
そしてその数日前、チェイニーは、トランプに対して間接的な攻撃を行った。チェイニーはマスクをしている写真に、「ディック・チェイニーはマスクをつけようと言っている。#realmenwearmasks」というキャプションをつけてツイートをしたのだ。同様のフレーズをナンシー・ペロシ連邦下院議長も使って、トランプ大統領を厳しく批判した。このフレーズはトランプ大統領にとって触れて欲しくないテーマを含んでいる。それは、「彼の男らしさ(manhood)」da.
チェイニーの同僚政治家たちは、彼女がトランプの怒りから免れているのは、彼女の経歴やトランプ大統領と戦う際には戦略的な動きをしていることがある、と述べている。チェイニーという名前は保守主義を意味するものだ。
加えて、チェイニーはホワイトハウスを維持するという点では、トランプ大統領を強力に擁護している。弾劾の際にはチェイニーはトランプ大統領を擁護した。そして、ペロシや中国といったトランプがよく攻撃している対象を、チェイニーも攻撃している。こうして、チェイニーは共和党内部において、トランプ支持者たちから遠ざかることもなく、また、自身の本物の右派としての矜持を捨てることなく、自身の居場所を確保している。
引退を表明しているグレッグ・ウォールデン連邦下院議員(オレゴン州選出、共和党)は「これまでの連邦下院議員会会長の中で、彼女ほどプロらしくそして思慮深く自分の考えを述べる人はいませんでした」と述べている。しかし、ウォールデン議員は、「チェイニーはトランプ大統領と合意ができている点では彼を強力に擁護しています。それがワイオミング魂ということなのかもしれませんね」とも述べている。
チェイニー議員事務所は議員へのインタヴュー依頼を拒絶した。そして、今週、連邦議事堂内で本誌の取材に対して回答を拒否した。
チェイニーの協力者や友人たちは、彼女のトランプ大統領に対する公式の場での批判について、それは自分自身の政治上の野心からではなく、信念からであると述べている。
それでも、共和党所属の連邦議員やストラティジストの中には、チェイニーとトランプとの間には距離があると指摘する人たちがいる。連邦下院共和党の指導部の、カリフォルニア州選出のケヴィン・マッカーシー議員やルイジアナ州選出のスティーヴ・スカーリス議員とは対照的である。こうした人々は11月の大統領選挙が近づけば、トランプ大統領を支援することになるだろう。
共和党所属のストラティジストであるダグ・ヘイは次のように述べている。「選挙結果が現在と同じように共和党に不利なものとなれば、批判はすぐに起きるだろう。そうなれば、チェイニーのような人物たちにとって、トランプ大統領の政策の大部分は支持できるだろうが、共和党が必要としている真実を語る刃部としての役割を果たすことになる」。
加えて、匿名を条件にある共和党所属の連邦議員は次のように率直に述べた。「彼女は自分自身の将来のために道筋を敷こうとしていると思いますよ。彼女はトランプ大統領と彼の同調者たちから離れようとしているんですよ」。
リズ・チェイニーは、ディック・チェイニー元副大統領の長女であり、共和党内でも国家安全保障政策について最もタカ派の主張を行っている。リズは、高齢男性たちが長年占めてきた共和党の指導部での地位を急速に高めていった。
53歳のリズ・チャイニーは連邦下院議員の2期目を務めているが、共和党所属連邦下院議員会長を務めるように同僚たちから奨められた。この地位は連邦下院共和党内部で主張を行う重要な地位である。特に共和党が過半数を失っている現在においてはそうである。
チェイニーはまた、彼女自身の政治上の将来、どこを目標にしているかを示唆している。チェイニーは、ワイオミング州選出の連邦上院議員が引退をした際に、その人物に代わって出馬することを否定した。チェイニーは連邦下院共和党の指導部に留まり、いつの日か、連邦下院議長になるためにまい進することを選んだのだ。
連邦下院共和党筆頭副幹事長であるドリュー・ファーガソン連邦下院議員(ジョージア州選出)は、「いいですか、彼女は連邦上院議員選挙に出馬する機会もありましたが、連邦下院議員であり続けることを選びました。連邦下院こそが彼女が情熱を傾ける場所なんだと思いますよ」と述べた。
2017年に連邦下院議員になってから、チェイニーは共和党のメンバーと衝突をする人物だという評価を獲得している。当時の連邦下院議長ポール・ライアン連邦下院議員(ウィスコンシン州選出)とは国防予算をめぐって対立した。イランに対する軍事行動をめぐっては、ランド・ポール連邦上院議員(ケンタッキー州選出)と衝突した。スティーヴ・キング連邦下院議員(アイオワ州選出)については、人種差別的発言に関連して辞職を促し、出身州であるワイオミング州選出の連邦上院議員マイク・エンツィに対しては、自身が予備選挙に出るという動きもした。
従って、チェイニーの同僚にしてみれば、彼女がトランプ大統領と対立するということについては何の驚きもなかった。しかし、ここ数カ月、トランプ大統領に対する、チェイニーの公の場での批判は大きくなっていった。
先月、重要な出来事が起きた。トランプと緊密で、トランプからは「私のケヴィン」と呼ばれている、マッカーシー議員は、トランプ大統領がMSNBCの番組司会者ジョー・スカーボローが女性のアシスタントを殺害したという根拠のないツイートを複数回行ったことについて、記者会見で繰り返し質問されたが、かわし続けた。一方、チェイニーは、彼女自身が感じたことをそのまま表明した。チェイニーは厳しく、大統領の攻撃について同意しないと述べた。
記者会見終了後、チェイニーは記者団に対して次のように述べた。「トランプ大統領はジョー・スカーボローについてのツイートを止めるべきでしょうね。私たちは感染拡大の真っただ中にいるのですから。トランプ大統領は我が国の最高司令官の地位にいるのです。そして、亡くなった若い女性の家族に対して大きな苦痛を与える原因となっています」。
これは、チェイニーが、アレクサンダー・ヴィンディマン少佐とマリー・ヨヴァノヴィッツ元大使のために立ち上がったことを思い出させる。2人はトランプ大統領の弾劾の際に証人となり、ツイッター上でトランプ大統領から攻撃を受けた。
コロナウイルス危機が発生した際、チェイニーは共和党内において理性的であることを主張する立場を取った。トランプ大統領が4月上旬までに経済を再開すると述べた際、チェイニーはそれに反対すると発言した。また、右派の多くがアメリカの感染症に関する専門家のトップであるアンソニー・ファウチ博士を攻撃した際には、チェイニーはすぐに彼を擁護した。
チェイニーは次のようにツイートした。「ファウチ博士は我が国のこれまでの公僕の中でも最も良い仕事をしている公僕の一人だ。彼は党派的ではない。彼が唯一関心を持っているのは人々の命を救うことだ。このウイルスを倒すために、私たちは彼の専門性と判断を必要としている。全てのアメリカ国民は、彼に感謝すべきだ。それも毎日」。
外交政策と国家安全保障政策に関する諸問題についてチェイニーはより声高に主張する。チェイニーはトランプが最近になってドイツ駐留米軍の削減計画を発表したことについて、「危険なほどに見当違い」であると評した。また、トランプ大統領がタリバンの指導者たちをキャンプ・デイヴィッドに招いて和平交渉を行うという考えを激しく非難した。また、アメリカの謀略調査用のドローンが撃ち落されたことについて、イランに対する報復をしないのなら、「それは深刻な過ち」となるだろうと述べた。
しかし、トランプ大統領を非難している他の共和党の政治家たちと違うのは、チェイニーがトランプ大統領を非難しても選挙の地盤は傷つきにくいということだ。トランプ大統領の支持基盤は外交政策では全く動かない。
そして、トランプ大統領は二期目の連邦下院議員であるチェイニーをことあるごとに褒め、ホワイトハウスでのイヴェントにたびたび招待し、チェイニーには「無制限の未来」があり、ワイオミング州の代表が彼女であることは州民にとって「幸運だ」と発言している。
ファーガソンはチェイニーのトランプ大統領に対する批判について次のように述べている。「彼女の批判については、決して個人的な感情から出ているものではありません。政策について彼女がどのように感じているかについての正直な議論を行っているだけなのです。大統領の個人的な部分を攻撃する人は多くいますが、彼女はそうではないのです」。
(貼り付け終わり)
(終わり)
アメリカ政治の秘密
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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