古村治彦です。

 ジョー・バイデン大統領による一般教書演説が行われた。ロシアのウクライナ侵攻を受け、内容の修正が直前になって行われたということだ。新型コロナウイルス対策とインフレーション対策という国内政策が演説の主眼になると見られてきたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、外交政策が重要なポイントということになった。

 実際の演説は1時間ほどで最初はやはりロシアによるウクライナ侵攻が取り上げられた。プーティンを非難し、制裁には世界各国が参加しているとして、それらの国名をずらずらと列挙した。「自分たちの側が正しい」という正当性を示すために国名を列挙したと言える。その後は新型コロナウイルス対策と経済対策に話が移った。全体としては総花的で、可もなく不可もなく、ただ民主党系の議員たちを中心に無理やりにでも盛り上がっているように見せようとする意図が透けて見えて興ざめした。そのため、演説中にバイデンの話と拍手の呼吸が合わずに、バイデンの調子が上がらないようになってしまっているように感じた。

 バイデンは年齢もあるので仕方がないが、言い間違いがあり、プロンプターを読むのにいくつかの言葉や業を繰り返すところがあり、言葉に詰まるところがありであまりうまい演説という訳ではなかった。途中で早口になったところもあり、ささやくような声で話すところと大声を張り上げるところがあったが、これは私としては生理的に受け付けられず、気持ち悪く感じた。演説のうまさで言えば、バラク・オバマ元大統領はうまかったと思う。

 サキ報道官が演説の直前に「楽観主義について語る」と述べていたが、結局のところ、「このような厳しい時代ではあるが、私はこれまでの人生において最もアメリカに対して楽観的(optimistic)である」とバイデンが述べたところがそれに当たるのだろう。

 バイデンの演説を聞いて元気が出たかと言われたら、答えは「ノー」だ。内外共に厳しい状況の中で、名演説を行えば、バイデンの評価も変わったことだろうが、結局のところ、非常に「凡庸な」大統領による「凡庸な」一般教書演説となった。

(貼り付けはじめ)

バイデンは一般教書演説でプーティンを非難し、団結を呼びかけ(Biden condemns Putin, projects unity in State of Union address

モーガン・チャルファント、ブレット・サミュエルズ筆

2022年3月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/596453-biden-condemns-putin-projects-unity-in-state-of-union-address

ジョー・バイデン大統領は火曜日、ロシアのウクライナ侵攻という見通し不透明の状況の中で初の一般教書演説を行い、アメリカの議員たちや海外の同盟諸国の結束(unity)を示し、ロシアのウラジミール・プーティン大統領を非難した。

バイデンは「6日前、ロシアのウラジミール・プーティンは、自由世界の思想の根幹(foundations of the free world thinking)を揺るがそうとした。しかし彼は大きな誤算を犯した」と述べた。

バイデンは続けて「プーティンのウクライナに対する最新の攻撃は、計画的であり、全くいわれのないものだった。彼は何度も何度も外交努力を拒絶した。彼は西側とNATOが反応しないと思っていた。彼はアメリカ国民を自宅で、この議場で、この国で分裂させることができると考えた。彼はヨーロッパでも私たちを分裂させることができると考えた。プーティンは間違った。私たちは準備ができている。私たちは団結している」と述べた。

バイデン大統領は、62分間の連邦議場での一般教書演説のうち、最初の10分間をヨーロッパで進行中の危機について述べた後、インフレーションや新型コロナウイルス感染拡大への対応といった国内の優先事項に目を向けた。

バイデン大統領は演説の中で、EUやカナダに続いて、ロシアの航空機をアメリカの領空から追放する計画を発表し、アメリカと30か国が紛争によるエネルギー価格の高騰に対処するため、戦略備蓄(strategic reserves)から6千万バレルの石油の放出を強調した。

バイデン大統領は、「私たちは同盟諸国と団結し、必要に応じて更に多くのことを行う用意がある。皆さん、知っておいて欲しい。私たちは大丈夫だ」と述べた

「将来この時代の歴史が書かれる時に、プーティンのウクライナ戦争はロシアを弱くし、世界の他の国々を強くするだろう、と書かれるはずだ」とバイデンは語った。

バイデン大統領のウクライナに関する言葉遣い、特にファーストレディ(大統領夫人)の隣に座る駐米ウクライナ大使を称賛する発言は、プーティンに対して厳しい姿勢を貫くことを誓い、超党派の喝采を浴びた。民主、共和両党の連邦議員たちは、ウクライナの国旗の色にちなんで、青と黄色の服を着ていた。

しかし、演説の他の部分は、もっと党派分断的な反応があった。

バイデン大統領がトランプ政権時代に成立したアメリカの富裕層向け減税を非難すると、民主党は嘲笑の声を上げた。バイデンが来年の国内政策の計画を打ち出すと共和党の拍手はまばらで、バイデンが移民について話すと「その壁を作れ」と唱えた共和党所属の議員もいた。

バイデン大統領は、演説の前の数日間、バイデンが経済を後退させたという共和党側からの批判に反論しようと、特に消費者と中流家庭を苦しめている記録的な高いインフレーション率について発言していた。

バイデン大統領は、昨年650万人分の雇用が増加したことを売り込み、昨年(2021年)秋の超党派によるインフラ法の成立を強調し、同法の施行に伴い、今年中に6万5000マイルの高速道路と1500の橋の補修を開始する計画を発表した。

また、ジル・バイデン大統領夫人のゲストとして出席したインテル社のパット・ゲルシンガーCEOについて言及し、アメリカの製造業への投資が拡大していることを強調した。

また、バイデン大統領は、議会で停滞している政策を活性化させるため、「ビルド・バック・ベター」法案を「ビルド・ア・ベター・アメリカ」法案として名前を付け替えることを発表した。バイデン大統領は、経済計画をインフレーション対策として捉え直し、処方箋薬のコスト削減、気候にやさしい技術への投資によるエネルギーコストの削減、育児費用の削減などの行動を議会に呼びかけた。

バイデンは、「これをやり遂げよう。私たちは皆、変化を起こさなければならないことを知っている」と述べた。

バイデンはまた、共和党の反対で保留になっている連邦準備制度理事会の候補者を承認するよう連邦上院に呼びかけ、インフレーションに対処する力の多くは連邦準備制度にあることを指摘した。

バイデンは、民主党と共和党が互いを「敵」としてではなく、「同じアメリカ人」として見るよう呼びかけ、新鮮だが親しみのある団結を訴えた。彼は、麻薬の蔓延との戦いや、ソーシャルメディアにおける子供のプライバシー保護の実施など、両党の議員が共に取り組むことのできる議題をいくつか提示した。

一般教書演説の多くの時間で、バイデン大統領は企業が公正な税負担をするよう求め、中間層(middle class)を強化し、ペンシルヴァニア州スクラントン出身であることを言及し、協力すれば国は強くなると訴えるなど、選挙期間中に支持者に向けて行った演説のテーマと同じものだった。

バイデンは「このような厳しい時代ではあるが、私はこれまでの人生において最もアメリカに対して楽観的(optimistic)である」と述べた。

民主党の中には、歴史的な傾向、インフレーション、新型コロナウイルスのしつこい流行などを理由に、2022年11月のチャンスについて悲観的な(pessimistic)見方をする人たちもいる。しかし、火曜日、ウイルスに対する政府の取り組みに、ある種の転機が訪れた。

議場ではマスクの着用が義務付けられておらず、ほとんどの議員がマスクをせず、感染拡大の新たな局面を迎える時であることを示唆した。

「昨年は新型コロナウイルスによって、私たちはバラバラになってしまった。昨年は新型コロナウイルスが私たちをバラバラにしてしまったが、今年、私たちはついに再び一緒になった」と、バイデンはマスクで顔を覆わずに議場に入った後、このように発言した。

一般教書演説の中で、バイデン大統領は、国が安全に正常な状態に戻ることができると楽観視する理由として、ワクチン接種の普及、ブースター接種や治療法の利用可能性、より広く利用可能な検査を挙げた。

バイデンは「私たちは、他の病気と同じように、ウイルスとの闘いを続けていくつもりだ。そして、このウイルスは変異して広がっていくので、私たちは警戒を怠らないようにしなければならない」と述べた。

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バイデンの一般教書演説における5つの注目を集めた瞬間(Five viral moments from Biden's State of the Union

サラクシ・ライ筆

2022年3月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/596450-five-viral-moments-from-bidens-state-of-the-union

ジョー・バイデン大統領は、ロシアのウクライナ侵攻、インフレーションの亢進、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、火曜日、彼自身初の一般教書演説を行った。

しかし、この演説は、大統領を罵倒する聴衆から、引退する最高裁判事へのスタンディングオベーションまで、数多くの人々の注目を集めた場面があった。

これから、バイデン大統領の一般教書演説で最も話題になった瞬間をいくつか紹介する。

(1)バイデンの大失言(Biden's big gaffe

バイデンは一般教書演説の中で、ウクライナ人のことを「イラン人」と言ってしまい、明らかな失態を犯してしまった。

この失言は、演説の冒頭で、ウクライナへの侵攻を開始したロシアのウラジミール・プーティン大統領を非難する際に起きた。ウクライナ人への賛辞は超党派の拍手を集めたが、彼の失言をソーシャルメディア上にいる人々は見逃さなかった。

一般教書演説の公式原稿によると、バイデンは「プーティンは戦車でキエフを取り囲むかもしれないが、ウクライナ人の心や魂を得ることはできない」と言いたかったようだ。その代わりに、バイデンは「プーティンは戦車でキエフを取り囲むかもしれないが、イランの人々の心と魂を得ることは決してできない」と言ってしまった。

この発言はツイッター上で広く共有され、連邦下院司法委員会共和党委員会のアカウントも「イラン人?」とツイッター上に投稿した。

(2)バイデン大統領の演説に意気込みを見せたシューマー(Schumer shows his enthusiasm for Biden's speech

バイデン大統領に対して少しばかり早めにスタンディングオベーションを始めたことで、チャールズ・シューマー連邦上院院内総務(ニューヨーク州選出、民主党)の熱心過ぎる反応がツイッターを騒がせた。

バイデンは演説の中で、「アメリカ人の上位1パーセントに恩恵を与えた前政権で成立した2兆円の減税とは違うのだ」とトランプ前大統領のことを言い始めた。

バイデンが発言している間に、一人だけで立ち上がったシューマーが拍手しているところにカメラが切り替わった。シューマーはニヤニヤしながら通路の向こう側を見て、そして座り直した。

バイデンは続けて「"アメリカ・レスキュー・プランは人々を助けることの手助けとなり、誰も置き去りにしなかった」と述べた。

シューマーは再び椅子から勢いよく立ち上がり、今度は多くの民主党の同僚議員たちも加わって、バイデンに満腔の拍手を送り始めた。

バイデン大統領の演説が続く中、カメラに映ったシューマーのおかしな姿はSNS上で広く共有され、その気まずい瞬間をすぐに「gif」化するよう求める声が多く聞かれた。

共和党所属のマット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出)は、この人々の関心を集めた瞬間について、「ジョー・バイデンのタイミングの悪さとつぶやきを理解しようとする全ての人たちへ」とツイートした。

(3)ボバートがバイデンの演説を罵倒する(Boebert heckles Biden's speech

ローレン・ボバート連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)は一般教書演説でバイデン大統領に何度も罵声を浴びせ、ある時はバイデンがアメリカ軍を棺桶に入れたと叫び、「13人も」と叫んだ。

バイデンはボバートの叫び声を無視し、代わりにアメリカの退役軍人が危険な焼却炉(burn pits)に晒されていることについて話し続けた。バイデンは、イラクで燃焼炉の近くで兵役についた後、癌で死亡した息子のボウ・バイデンについて言及した。

ボバートの発言は、民主党議員たちからブーイングを浴びせられた。彼女の仲間の共和党員の多くは、このやりとりを無視しているように見えた。

しかし、ボバートが演説中に口を挟んだのはこれだけではない。

バイデンが最高裁判事指名の話から移民制度改革の話に切り替えたとき、ボバートはマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出、共和党)と共に「壁を作れ(build the wall)」と叫び始めたが、バイデンは演説を続けた。

彼女は後に「後ろにいる人たちのためにもっと大きな声で言う。壁を作れ!!!」とツイートした。

バイデンの演説中に電話をしているところを目撃されたボバートは、アメリカ人にワクチン接種を受けさせるというバイデン大統領の発言についても非難した。

「なぜジョーは国旗の代わりにファイザーのピンを背広の襟につけないのか? ジョーが誰のために働いているのか、私たちは知るべきだ」とボバートはツイートした。

(4)ブレイヤーに対する最後の歓呼の声(Breyer's last hurrah

 連邦最高裁判所判事スティーヴン・ブレイヤーが連邦議員たちからスタンディング・オヴェイションを受けた際の反応を見て、多くの人々がコメントや投稿を行った。

ブレイヤーは27年にわたり連邦最高裁判事を務め、今年の夏で引退することが決まっているブレイヤーは、議場内での反応と激しい拍手に圧倒されたようだった。両手で顔を覆う仕草も見せた。また、胸に手を当てて立ち上がった。

「今夜、この国のために人生を捧げた人を称えたいと思う。陸軍退役軍人、憲法学者、合衆国最高裁判事を引退したブレイヤー判事に敬意を表したい。ブレイヤー判事、あなたの功績に感謝の意を表する」とバイデンは述べた。

この瞬間に多くの人々がコメントをSNS上に投稿した。民主党系のストラティジストでバーニー・サンダースの補佐官を務めたチャック・ロシャは、「ブレイヤー判事の反応はなんとかわいらしく素晴らしいものだろう」とツイートした。

(5)バイデンはツイッター上で「警察への予算提供」トレンドを作り出した(Biden makes 'fund the police' trend on Twitter

バイデン大統領は、警察に対する発言で、共和党所属の議員も含む議員の大多数から大きな喝采を浴びた。

「私たちは全員、同意するはずだ。答えは、警察への予算を打ち切ること(defund the police)ではない。その答えは、警察に予算を「提供すること」(FUND the police)だ。警察に予算を提供することだ。警察に予算を提供することだ」と述べると、議場内は大きな歓声に包まれ、連邦議員たちは珍しく超党派(bipartisan)で支持を表明した。

バイデンは火曜日の演説で、「銃による暴力を減らすための効果が実証された対策を法案として提出し可決すること」「攻撃銃と大容量弾倉(assault weapons and high-capacity magazines)を禁止し、代わりに、銃製造業者をアメリカ国内で唯一訴えられない業界にし

しかし、バイデン大統領が連邦議会で喝采を浴びる一方、ツイッター上では「警察への予算打ち切り」と「警察への予算提供」をめぐって多くの人々が激しい論争を繰り広げた。

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バイデン大統領の一般教書演説で見るべき5つのポイント(Five things to watch in Biden's State of the Union address

モーガン・チャルファント、ブレット・サミュエルズ筆

2022年3月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/596312-five-things-to-watch-as-biden-delivers-state-of-the-union-amid-war-in

火曜日に行われるジョー・バイデン大統領による初めての一般教書演説は、ウクライナでの戦争のさなかに行われる。

大統領は、アフリカ系アメリカ人女性初の連邦最高裁判所判事候補を指名したばかりだ。しかし、バイデン大統領は、2年間続く新型コロナウイルスの感染拡大とインフレーションの亢進に取り組む、苛立ちを隠せないアメリカ国民に直面している。

バイデンは低調を極める支持率に直面しており、2022年の中間選挙を前にして、それを覆すことができるかどうか疑問視されている。

バイデンにとっての初めての一般教書演説を見るにあたっての5つのポイントを挙げていく。

(1)ウクライナについてどれほど言及するか?(How much of the address is about Ukraine?

数週間前までは国内問題に焦点を当てた演説であろうと考えられていたが、この1週間でバイデンの関心はヨーロッパで進行中の外交危機に移り、演説の中でこれを正面から取り上げるだろうと予想されている。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は月曜日に記者団に対し、「この演説がほんの数ヶ月前に考えられていたものとは少し違う内容となることは間違いない」と語った。

バイデンは、懲罰的な経済制裁でプーティンに対抗するため、同盟諸国を団結させて、一致したアプローチを取ることについて話すと予想される。

クリス・クーンズ連邦上院議員(デラウェア州選出、民主党)は先週、記者団に対し、バイデンが「アメリカが持つ最重要の同盟としての NATO への神聖な関与と、ウクライナ難民やウクライナの抵抗運動(レジスタンス)、そして自由で民主的な西側の未来のための支援を提供する決意とを強化する力強いメッセージを発信するよう」に期待すると述べた。

バイデン大統領は、現在の危機を、大統領にとっての中心テーマとなっている、民主政治体制国家が独裁国家(autocracies)に勝利するための闘いであると位置づけるだろう。また、それがアメリカ人にとってどのような意味を持つのかについても語ることになりそうだ。

バラク・オバマ前大統領の下で国家安全保障会議のヨーロッパ問題担当上級部長を務めたチャールズ・カプチャンは、「この戦争はゲームチェンジャーとなる」と語った。「私たちは、第二次世界大戦後のヨーロッパにおいて、最も重要な戦争を今目撃している。この戦争は世界を変えようとしている。ヨーロッパの再軍備強化(remilitarization)と再分割(redivision)につながるだろう。それは拡大する可能性がある」と述べた。

(2)バイデンは団結を促進できるか?(Can he foster unity?

バイデンは、ワシントンDCにプロフェッショナリズムと超党派性を回復することを誓って就任したが、これまでのところ、彼の優先政策に反対し、彼の大統領としての適性(fitness)を疑問視する共和党から激しい抵抗に遭っている。

バイデン大統領は超党派の支援を集める動きを諦めておらず、超党派のインフラ法案で協力した事例を強調し、最高裁判事候補のケタンジ・ブラウン・ジャクソンへの幅広い支持を求めると考えられる。

ロシアのウクライナ侵攻により、バイデン氏と彼のティームはここ数日、演説の練り直しを余儀なくされているが、この危機は、バイデン政権がロシアへの制裁を強化する中で、バイデンにとって人々を結集させるポイントとなり得るものである。

民主党中道派系シンクタンクであるサード・ウェイの政策担当副所長ジム・ケスラーは、「バイデンという人物の特徴も理由として挙げられるが、国家安全保障の緊張が国を一つにする機会でもあるので、過去の大統領に比べるとより党派的ではない一般教書演説になると思う」と述べた。

それでも、ABCニューズと『ワシントン・ポスト』紙が日曜日に発表した世論調査の結果によると、バイデン大統領の支持率はわずか37%にとどまっている。中間選挙での連邦議会上下両院での過半数奪回に焦点を当てるため、演説に先立ってバイデンが自分たちを説得する機会はほとんどないだろうと共和党側は示唆している。

共和党全国委員会のロナ・マクダニエル委員長は、演説に先立つ記者団との電話会見で、バイデン大統領がインフレーション、犯罪、移民、新型コロナウイルス感染拡大や外交政策に関する一貫性のないメッセージ(inconsistent messaging)に対処するかどうかに注目することになるだろうだろうと述べた。

マクダニエルは「残念ながら、我々は明日の夜、アメリカの人々が気にしていることについて聞くことはできないだろう。彼はただのショーを行うだけのことだ。彼は、アメリカ国民に信じてもらいたいことを言うだろう。しかし、私たちは自分の目でそれを見ている。私たちは薄くなってしまった財布を持ちながらバイデンの演説の中身のなさを感じるだろう」と述べた。

(3)バイデンは今こそ新型コロナウイルスと共に生きる時だと宣言するか?(Does Biden declare it’s time to live with COVID-19?

アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)は金曜日、全米の多くの地域でマスク着用に関する推奨事項を緩和する最新のガイダンスを発表した。

このマスク着用に関する緩やかな姿勢への転換は、バイデン政権が数週間にわたり、患者がオミクロン変異株の感染拡大の波のピークから大幅に減少したことから、感染拡大の状態に関するトーンの転換を示唆した後に出されたものである。

民主党所属の知事の中には、マスクの必要条件を解除し始めている人たちが出ている。共和党所属の知事たちの解除はもっと早かった。ホワイトハウスも火曜日から完全にワクチンを接種した従業員のマスクの必要条件を緩める予定だ。

バイデンは、火曜日の演説でほぼ間違いなく、ワクチン接種の成功と治療法の開発を強調し、アメリカ政府が新型コロナウイルスに対するアプローチする方法を変える時が来たと示唆する可能性がある。新型コロナウイルスの感染数の変化に伴い、議場では出席者にマスク着用は要求されない。

バイデンは「新型コロナウイルスによって亡くなる人が毎日出ている。新型コロナウイルスで毎日亡くなっている人たちがいますし、免疫不全の人たちもいる。しかし、私たちが目指しているのは、新型コロナウイルスが私たちの日常生活に支障をきたさないようにさせる期間だ」と発言している。

バイデンは、アメリカが夏の数カ月に移行するにつれて感染者が横ばいになり、特に経済が成長し、インフレーションが落ち着けば、国民からの支持を受けることができると見ているだろう。

バイデン政権への移行(transition)期間中にバイデンの政権移行ティームに助言した感染症専門学者のマイケル・オスターホルムは、オミクロン変異株のような亜種が将来出現する可能性はまだあると指摘している。彼は、バイデンは国民に対して、症例が減少していくことを確信できると伝える一方で、次に何が起こるかは分からないので、変化に備える必要性を強調すべきであると述べた。

オスターホルムは「今は誰もが不確実性を望んでいない。そのため、これはまさに大変な時期ということになる」と述べた。

(4)ビルド・バック・ベター法案についてのバイデンのメッセージはどのようなものになるか?(What is his message on Build Back Better?

一般教書演説は、昨年末に頓挫したバイデンが重要政策と位置付けている法案について、議会との協議を復活させようとする機会となる。

バイデンは、医療衛生、幼児保育、エネルギー条項など ビルド・バック・ベター法案の要素について行動するよう議会に呼びかけると予想される。バイデンが実際に法案の名前を口にするかは不明である。ホワイトハウスの高官や関係者たちは、ここ数週間、この法案の名称を変更する可能性を示唆している。

ある政権高官は月曜日、記者団に対して、「法案の名前についてではない。一般教書演説で触れられるのはアイデアについてだ。家族のためのコストを下げることであり、大統領がそのようなアイデアについて話すのを期待できると思う」と述べた。

この政府高官は、バイデンが政府債務を減らす必要性についても話すと述べた。これは、2022年12月に連邦下院が可決した法案を、インフレーションへの懸念から支持できないとしたジョー・マンチン上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)を取り込むためのものだと思われる。

ケスラーは、気候変動とクリーンエネルギーの条項がビルド・バック・ベター法案の中心であるため、ウクライナ危機がバイデン大統領にとっての国内優先政策である気候変動とクリーンエネルギーの重要性を主張するきっかけになると指摘した。

ケスラーは「石油から電気そして原子力への移行は、長期的にはロシアの経済を破綻させることになる。それは3週間前にはなかった国家安全保障の意味合いを持つものだ」と述べた。

(5)経済に関する様々な懸念に彼はどのように発言するか?(How does he address economic concerns?

複数の政権関係者によれば、バイデンは演説でインフレーションを正面から取り上げ、コスト上昇に更に対処しなければならないことを強調するということだ。

バイデンは、サプライチェインの強化や公正な競争の促進など、政権が現在注力しているコスト上昇への対応策を説明し、バイデンの国内経済政策を通過させるよう連邦議会に働きかけるだろうと見られている。

インフレーション率は昨年、40年ぶりの高水準に達し、世論調査では、景気回復のペースが速いにもかかわらず、アメリカ人の大多数が経済に不満を持っていることが明らかになっている。バイデンの世論調査の数字は、国民が新型コロナウイルス感染拡大とインフレーションの両方に疲弊し続ける中で、急落し続けている。

しかし、バイデンは、インフレーションによる痛みを認めつつ、昨年の驚異的な雇用の伸びを指摘しながら、前途を楽観的に見るということで、バランスを取ることになりそうだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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