古村治彦です。

 ウクライナ戦争は膠着状態に陥っている。東部はロシアが既に抑え、バフムトをめぐり激戦が展開されていると報道されている。春季大攻勢(spring offensive)に向けて、ウクライナは軍の態勢を立て直しているとも報じられている。主流メディアの報道では、ウクライナ軍が優勢のはずであるが、実際には苦戦している。主流メディアのウクライナ戦争の戦況報道で利用されているのが、アメリカの戦争研究所(Institute for the Study of War)というシンクタンクの出すデータである。

この戦争研究所は食わせ物のシンクタンクだ。ネオコン一族であるケーガン家の次男で文尾塚・評論家のフレデリックの妻キンバリー・ケーガンが所長をしている。長男は文筆家・評論家のロバート・ケーガン、ロバートの妻が悪名高いヴィクトリア・ヌーランド米国務次官だ。「ネオコンのこうあって欲しい」が先に来るシンクタンクのデータであるということを踏まえて見ておかないと、「メディアの報道ではウクライナ側がかなりロシア側を押し返してないとおかしいよな」ということになる。日本の戦時中の大本営発表と同じだ。

 アメリカでは、最高機密を含むウクライナ戦争に関する米国防総省の機密文書が流出したことが話題を呼んでいる。それによれば、ウクライナ側が苦戦しており、戦争はしばらく続くだろうが、ウクライナ側がロシアを押し返すことは難しいという分析が出ているということだ。簡単に言えば、ウクライナは戦争目的となった(ゼレンスキー大統領が主張している)、「クリミア半島を含む独立時の領土全ての奪還」は不可能であるということである。不可能であることにアメリカは多大なお金を注ぎ込まねばならないことになる。それで軍産複合体が儲かれば良いということになるが、その原資はアメリカ国民の税金であり、アメリカ国民を含む世界中の人々が購入するアメリカ国債だ。

 アメリカとしてはウクライナ戦争を停戦させたい。昨年にヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が提示したウクライナ東部をロシア側が実効支配し、ウクライナのNATO加盟は認めないという内容での停戦しかない。しかし、それではヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は失脚し、現在のウクライナ政府は持たないということになる。ゼレンスキー大統領を支え、焚きつけているのはイギリスである。イギリスはロシアを消耗させ、ヨーロッパ大陸諸国家のエネルギー源を自国の北海油田産の石油にさせて生殺与奪の権を握ろうとしている。イギリスはウクライナ戦争の停戦には反対するだろう。後ろ盾のイギリスの意向もあり、ゼレンスキーは停戦に応じることはできないということになれば、直近での停戦はできない。しかし、ウクライナ側も限界に近付いている中で、今年中に停戦を求める声も出てくるだろう。その時にゼレンスキーが邪魔であれば処分されることになる。属国の指導者の運命は悲しい。

(貼り付けはじめ)

アメリカの情報漏洩でウクライナ戦争努力に大打撃が与えられている(US intelligence leak deals severe blow to Ukraine war effort

ブラッド・ドレス、エレン・ミッチェル筆

2023年4月10日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/defense/3943086-us-intelligence-leak-deals-severe-blow-to-ukraine-war-effort/

ここ10年で最大のアメリカ軍機密漏洩は、ウクライナの戦争努力に深刻な打撃を与え、今年の春予想される反転攻勢を前に、ウクライナ軍にとって情報面での脅威となる。

ソーシャルメディアに流出した機密文書は、戦闘の重要な局面における軍需品、訓練、防空システムに関する詳細な情報を提示している。米国防総省は現在も文書の有効性を検証している最中だ。

アメリカとNATOの機密文書数十件(一部は「最高機密(Top Secret)」と表示されている)は、1月にインターネットの目立たない場所で流出し始め、その後はツイッターやテレグラムに流出し、先週注目を集め始めた。

これらの文書は、今年3月までの紛争状況を示しているに過ぎないが、大隊の規模、先進兵器の訓練、レオパルドII戦車などの重戦闘車両の配備など、ウクライナの軍事能力に関する情報を明らかにしている。

また、漏洩された機密情報はキエフの欠点を示している。少なくとも1つの資料には、ソ連時代の対空ミサイルシステム用の弾薬がまもなく底をつき、ウクライナの防空システムの潜在的脆弱性を露呈する可能性があると記されている。

ヨーロッパ政策分析センターの著名な研究員であるカート・ヴォルカーは、ウクライナ戦争に関するアメリカの評価と判断の「スナップショット」を世界に示すものであり、今回の流出は悪影響が懸念されると指摘している。

ヴォルカーは、「ウクライナ人、ロシア人、その他の人々に対して、『われわれの考えはこうだ』というシグナルを送ることになる」とし、「われわれの情報の質、どこから得ているのか、いくつかの手がかりを与えるかもしれない。そうなれば、私たちが情報を集めさせている人たちに、それを停止させるだろう」と述べた。

おそらく最も憂慮すべきリークは、ウクライナの防空に関する情報についてだろう。

2月の日付のついたある文書によると、S300のミサイルは5月までに、SA-11ガドフライミサイルシステムは3月末までに枯渇する。NATOによれば、両システムはウクライナの防空機能の89%を占めており、頻繁に行われるロシアのミサイル攻撃をかわすのに極めて重要である。

ロシアの軍事ブロガーたちは既に、ウクライナが配備している防空システムや戦闘機などの航空機の数を推定した文書など、流出した文書を幅広く拡散している。

NATOの評価では、ウクライナはロシアのミサイル攻撃に対しては後数波しか耐えられないとし、同時に防空システムの設置場所を示す地図も提供している。

大西洋評議会ユーラシアセンターのシニアディレクターで、元駐ウクライナ米大使のジョン・ハーブストは、ウクライナの防空に関する情報を、流出した文書の中で「最も不幸な」部分と言及した。

しかし、ハーブストは、どの文書にも、NATOの同盟国やロシアの諜報機関が既に知っている以外の重要な情報は含まれていないと述べた。

ハーブストは、「情報漏洩された結果、ウクライナの戦争努力に何らかの損害が生じたことは間違いないと思う。しかし、その損害は圧倒的なものかと言えば、おそらくそうではないだろう」と述べた。

他の複数の文書では、ウクライナの旅団の強さや能力、ウクライナがどの兵器システムで訓練を受けたかなどが説明されている。2月の日付のついたある文書では、ウクライナが保有する戦車、歩兵戦闘車、砲兵部隊の数を推定されている。

ロシア国営のタス通信は情報漏洩文書の詳細を報道したが、ロシアはこのリークについて不自然なまでに沈黙を保っている。

ロシアの軍事ブロガーたちは文書について懐疑的なようで、あるアカウント「ウォークロニクル」は、資料の誤字脱字や間違いの存在を指摘し、文書の信ぴょう性に疑義を呈している。

テレグラムで100万人以上のフォロワーを持つブロガー、ライバーは、ウクライナ側が準備不足のように見せかけ、最終的にロシアのミスを促すための「コントロールされたリークと大規模な偽情報キャンペーン」であると主張している。

米国防総省がロシア軍とその能力に関する重要な情報をどのように収集しているかをロシアが把握する可能性があるため、今回のリークはアメリカにとっても懸念となる。

情報漏洩文書には、ウクライナ軍だけでなく、戦車から大砲、航空機に至るまで、ロシア軍に関する詳細な評価も含まれている。

ブルッキングス研究所の上級研究員であるマイケル・オハンロンは、今回の情報漏洩について、「ロシアが通信セキュリティを強化し、彼らの次の動きに関する私たちの知識が減少する可能性がある」と電子メールで述べている。

現在、どれだけの文書がインターネット上に出回っているかは不明だが、複数の報告書やアナリストによると、少なくとも100の別々の文書がネット上に出現しているという。

米国防総省は月曜日、流出の規模や範囲についてコメントを避け、国防総省がまだ調査中であることを明らかにした。

広報担当のクリス・ミーガー国防長官補佐は「米国防総省は24時間体制で、流出の範囲と規模、評価された影響、緩和策を検討している」と記者団に語った。

「私たちは、問題の範囲だけでなく、どのようにこれが起こったかをまだ調査している。この種の情報がどのように、誰に配布されるかを詳しく調べるための措置がとられている。また、何が流出しているのかについてはまだ調査中である」と付け加えた。

ミーガーはまた、文書の形式が、「ウクライナやロシア関連の作戦に関する日々の最新情報や、その他の情報更新を上級指導者に提供するために使用されているものと同様の形式で、国家安全保障に非常に深刻なリスクをもたらしている」と明かした。

調査団体「べリングキャット」は、ユーザーが主にゲームなどの話題について議論するウェブサイト「ディスコード」のチャンネルを通じて、3月上旬に文書が流出したことを突き止めた。

最も早く確認されたリークでは、人気ビデオゲーム「マインクラフト」に関連するディスコードのチャンネルに10件の文書が投稿されたのが最も早く確認されたリークである。べリングキャットは、別のディスコードのサーバーで1月の時点でリークがあった可能性があると発表している。

米国防総省は先週、文書流出について調査し、それに関する正式な刑事調査を司法省に任せる決定を行ったと発表した。米政府関係者は月曜日、調査は「最優先事項」であるとし、文書の一部が改ざんされていることを指摘し、文書を調べる際には注意を促した。

米国防総省は、何枚が改ざんされているかは明らかにしていない。しかし、先週注目された文書では、戦死したウクライナ人の数が膨らみ、ロシアの犠牲者の数が大幅に少なく表示されていた。

ウクライナ大統領府長官顧問のミハイロ・ポドリアックは、情報漏洩について、西側同盟諸国間の「注意をそらし」「不和を招く」試みと形容した。

月曜日、米国防総省は、更に多くの文書がネット上に現れる可能性があるのか、米国防総省の何人の職員がこれらの文書にアクセスできたのかについては質問を受けても説明しなかった。複数の政府関係者によると、今回の情報流出により、米国防総省は一部の機密情報が誰にどのように共有されているかを見直すための措置を講じることになったということだ。
(貼り付け終わり)
(終わり)

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