古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。アメリカ政治について2つの章で詳しく分析しました。2024年はアメリカ大統領選挙もあり、アメリカ政治にとって重要な年になります。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

著書『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』(2021年、秀和システム)と『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(2023年、徳間書店)で取り上げた、ウエストエグゼク・アドヴァイザーズ社の創業者にして、元米国防次官(国防総省ナンバー3)ミッシェル・フロノイが書いた重要な論稿をご紹介する。この論稿のもう1人の著者であるウェンディ・R・アンダーソンは、ビッグデータ分析業であるパランティア社の上級副社長を務めている。パランティア社は、フロノイが創設した、コンサルティング会社ウエストエグゼク・アドヴァイザーズ社の顧客だ。現在、アメリカ政府の国家情報長官(Director of National IntelligenceNDI)を務める、アヴリル・ヘインズは、ウエストエグゼク社在職中に、パランティア社のコンサルタント業務を行っていた。パランティア社の技術は、アメリカ政府の各情報・諜報機関と国防総省の対テロ対策に使用されている。パランティア社と国防総省は高度技術の提供契約を結んでいる。ウエストエグゼク社とジョー・バイデン政権にかかわる人脈については是非拙著を読んでいただきたい。

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ミッシェル・フロノイ

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アヴリル・ヘインズ

 民間のアトランティック・カウンシルが、アトランティック・カウンシルの国防技術革新採用委員会を設置し、中間報告書を発表した。この報告書を取りまとめたのが、ミッシェル・フロノイとウェンディ・R・アンダーソンだ。

彼女たちが取りまとめた内容は、以下の通りだ。国防総省が中国との競争に対応するために法的制限の緩和や予算データの改善を求めており、連邦議会にも新しいデジタル「ダッシュボード」の導入を提案している。国防総省内の官僚的なプロセスを合理化し、新たな兵器計画の立ち上げを促している。国防総省が技術革新を迅速に導入する能力不足に言及し、国防総省がソフトウェアの開発や取得において問題を抱えていると報告書で指摘している。

報告書は、連邦議会が主導する予算編成と計画プロセスに焦点を当て、国防技術革新ユニット(Defense Innovation UnitDIU)の役割拡大や運用実験との連携を強調している。アメリカのソフトウェアの優位性を活かすためには、国防総省全体で革新的なソフトウェアを採用し、従来の取得システムを超える必要がある。国防総省のチーフ・デジタル・AI局(CDAO)の設立や戦略資本局の活用を提案し、中国の脅威に対抗するためにソフトウェアの取得を加速させることが不可欠であると述べている。アメリカの戦闘力を維持するために、国防総省がソフトウェアの活用に注力する必要があり、議会と指導者が行動を起こすことが重要だ。そのためには連邦議会とホワイトハウスの指導力が必要だと主張している。

 国防総省は中国に対抗するために、最先端技術を導入して、アメリカ軍を増強すること、そのためには、国防総省により柔軟な予算運用が必要であり、そのためには国防総省により権限を持たせるべきだということになる。そして、民間の最先端技術開発を行っている各企業との協力関係を強化するということになる。これは、アメリカの「新・軍産複合体」づくりの一環であり、アメリカの産業政策の一環でもある。中国と対抗するために、アメリカは官民を挙げての「総動員」体制を取るということになる。

(貼り付けはじめ)

報告書では、「連邦議会は国防総省に武器や物資購入と予算編成の面で柔軟性を与えるべきだ」と主張(Congress should give Pentagon more flexibility in buying, budgeting, report urges

-マーク・エスパー元国防長官とデボラ・リー・ジェイムズ元空軍長官が共同議長を務めるアトランティック・カウンシルの国防技術革新採用委員会が報告書を発表し、国防に関する武器や物資取得を加速させるために政府の国防以外の諸機構における改革を奨励している。

シドニー・J・フリードバーグ・ジュニア筆

2023年4月12日

『ブレイキング・ディフェンス』

https://breakingdefense.com/2023/04/congress-should-give-pentagon-more-flexibility-in-buying-budgeting-report-urges/

ワシントン発。国防総省を改善するための動きは連邦議会から始まる。これこそが、マーク・エスパー(Mark Esper、1964年~、59歳)元国防長官(トランプ政権)とデボラ・リー・ジェイムズ元空軍長官が共同議長を務めるアトランティック・カウンシルの委員会の中心的主張である。

本日発表された委員会の中間報告書は、国防総省が中国と競争するために必要なスピードと規模で新技術を導入する前に、立法府は年度途中でのプロジェクト間の資金組み替えから新興企業との契約に至るまで、様々な分野で法的制限を緩和しなければならないと主張している。また、国防総省の年次予算要求において、より詳細でない予算データを連邦議会が受け入れることも求めている。

その見返りとして、連邦議会は新しいデジタル「ダッシュボード」を手に入れ、国防総省のアドヴァナ取得分析から最新のプログラム情報に直接アクセスできるようにする、というものだ。

報告書はまた、新たな兵器計画の立ち上げに必要な多くの公式要件を生み出す、悪名高い官僚的な、統合能力統合開発システム(Joint Capabilities Integration and Development System JCIDS)プロセスを回避して合理化するなど、国防総省自身が実行できる内部改革を促している。 ジェームズは本日、これらの勧告の1つである防衛技術革新ユニット(Defense Innovation Unit)の強化が既に先週国防総省によって実行されたことを指摘した。しかし、報告書でなされた10の広範な勧告のうち、9つは少なくとも、連邦議会における太陽を必要としている。

エスパーは本日午後の報告書発表の席で、「技術革新に関しては、アメリカは世界のリーダーである。私たちは世界の羨望の的だ。この国に技術革新の問題はない。しかし、国防総省がこの先端技術を迅速に導入する能力は、極めて不十分である。問題はそこにある」。

リーも同様に次のように述べた。「アメリカ合衆国には技術革新の問題がないということではない。しかし、国防総省内では技術革新の導入に関する明らかな問題を抱えている」。

国防総省が、重要な技術を試作品やパイロット・プロジェクトの段階から、官僚的ないわゆる死の谷(valley of death)を越え、大規模な製造と配備にこぎつけるのに苦労していることは、一般的な理解である。しかし、報告書の処方箋の中には、国防総省が直接関与しないものも含め、明白とは言い難いものもある。

例えば、報告書は連邦議会に対し、国防総省がよく利用するが運営はしていない、中小企業庁の中小企業技術革新研究(Small Business Innovation ResearchSBIR)助成金プログラムを改革するよう求めている。現在SBIRは、上場企業やヴェンチャーキャピタルからの出資が50%以上の小規模企業には申請を認めていない。しかし報告書は、この2つの条件によって、特にソフトウェア分野の研究開発新興企業の多くが除外されていると主張している。「これらの企業にSBIR補助金での競争を認めないことで、国防総省は産業基盤の中で最も技術力のある一角の技術競争を制限している」と報告書の著者は書いている。

しかし、報告書の提言の大部分は、議会が主導する予算編成と計画プロセスに焦点を当てたものである。エスパーとジェームズは序文で、5人のプログラム・エグゼクティブ・オフィサー(Program Executive OfficersPEO)に、各PEOが監督する複数の調達プログラム間で資金をシフトする権限を与えるパイロット・プロジェクト案を紹介している。これには連邦議会の承認が必要である。

報告書はまた、現在1700を超えるBLIPEが存在する小規模なプロジェクトが、予算内で独自の予算項目とプログラム要素を持つようになり、国防当局がそれらの間で資金を自由に移動できるようになった。この場合、国防総省は事前に許可を得なければならない現在のシステムではなく、30日以内に連邦議会に資金を戻すことができる。どちらの変更も、失敗したり行き詰まったりしたプロジェクトから、より将来性のある、あるいは緊急性の高い他のプロジェクトに資金を移動させることを、より簡単にかつ迅速にするものである。

なお、エスパーとジェームズは報告書の序文を書いたが、本文を書いた訳ではないし、必ずしも全ての項目を支持しているわけでもない。そのため、小さな字で 「本中間報告書に示された分析および提言は執筆者個人の見解であり、必ずしも委員会の見解を反映するものではない」と断り書きが入っている。

これらの執筆者は、シンクタンク所属の研究者で元国防総省高官からコンサルタントに転身したホイットニー・マクナマラ、MITREのソフトウェア取得専門家であるピーター・モディリアーニ、ジョージ・メイソン大学の研究員時代に委員会のために働いたが、その後連邦上院軍事委員会のスタッフになったエリック・ロフグレンである。

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決定的に重要なこの10年間においてアメリカのソフトウェアの優位性をどう活かすか(How to leverage America’s software advantage in the decisive decade

ミッシェル・フロノイとウェンディ・R・アンダーソンは、この新しい論説記事の中で、国防総省がソフトウェアの開発と取得を加速させる方法についてのヴィジョンを述べている。

ウェンディ・R・アンダーソン、ミッシェル・A・フロノイ筆

2023年6月13日

『ブレイキング・ディフェンス』

https://breakingdefense.com/2023/06/how-to-leverage-americas-software-advantage-in-the-decisive-decade/

アトランティック・カウンシルは今年4月、国防総省とそのパートナー機関が技術取得のスピードアップを図るために取るべき措置を取りまとめた新しい報告書を発表した。以下の論説では、その報告書の執筆者の2人、ミシェル・A・フロノイとウェンディ・R・アンダーソンが、ソフトウェア取得をめぐる問題をどのように解決すべきかについて、さらに詳しく述べている。

ジョー・バイデン大統領の国家安全保障戦略(National Security Strategy)は、2020年代を「決定的に重要な10年間(decisive decade)」と呼んでおり、ウクライナにおけるロシアの侵略や台湾に対する中国の脅威の増大によって、そのことが強調されている。しかし、アメリカの国家安全保障に必要な多くの主要防衛装備計画(major defense acquisition programs)は、今後10年間で実現される予定はなく、各軍は2030年代まで、これまでのレガシー・プラットフォームに依存し続けることになる。

このギャップを埋める1つの方法は、国防総省全体で革新的なソフトウェアを採用し、活用することである。ソフトウェアは、アメリカ軍が既存のプラットフォームから新たな能力を引き出すと同時に、信頼できる安全な意思決定のスピードと資源配分の効率を高めるのに役立つ。

しかしながら、大規模で精巧な兵器システム用に設計された現在の取得システムは、ソフトウェア開発や「サーヴィスとしてのソフトウェア(software as a service)」モデルの活用に最適化されていない。また、従来の国防総省のソフトウェア取得は、しばしば苦痛を伴うほどの時間がかかり、エンドユーザーから切り離され、到着時には時代遅れになっている。

国防総省のソフトウェアへの取り組み方について、レガシー・システムを超える時が来た。今後、国防総省は、軍がソフトウェアを迅速に実戦投入し、テストやユーザーからのフィードバックによって継続的に改善できるようなプロセスを導入すべきである。ソフトウェアを多用するシステムは、運用上のニーズや脅威が発生した場合に対応できるよう、迅速に更新されるべきである。

ここ数年、いくつかの進展があった。国防革新会議(Defense Innovation Board)と国防科学会議(Defense Science Board)の両方が、ソフトウェア取得への新たなアプローチを求めており、その結果、ソフトウェア取得経路(software acquisition pathway)が創設された。2022年には、キャスリーン・ヒックス国防副長官が国防総省ソフトウェア近代化戦略(Department of Defense Software Modernization Strategy)に署名し、今年3月には実施計画が承認された。ソフトウェア取得経路は、迅速かつ反復的な能力提供を可能にするため、ソフトウェア開発に安全性テストを統合することで、従来の官僚主義的な障害を克服しようとするものである。

しかし、これはまだ有意義な形で実施されていない。今こそ、現在の勢いを利用して、ソフトウェアの採用を数十のプログラムから省庁の隅々まで確実に拡大する時である。

これが、私たちがアトランティック・カウンシルの「国防技術革新採用委員会(Commission on Defense Innovation Adoption)」に参加している理由の一つだ。先月、同委員会は、国防総省が最先端技術を採用し、運用ソリューションを迅速かつ大規模に戦闘員に提供する能力を加速させるための10の提言を強調した中間報告書を発表した。

最初の提言のひとつである国防技術革新ユニット(Defense Innovation UnitDIUの役割拡大は、既に部分的に実施されている。4月、ロイド・オースティン国防長官は、DIUを同長官直属に昇格させた。これは有望なスタートである。私たちの報告書は、DIUが国防総省全体でソフトウェアを含む商用技術の効果的な採用と拡大のための中心的な接点として機能するよう、適切な資源を確保することを勧告している。

DIUは、ソフトウェア取得経路のような既存の権限を活用するための組織的な擁護者となり、営利企業が国防総省とビジネスを行う方法を知るための調整機関となることができる。DIUはまた、サーヴィスおよび防衛機関が、商用ソリューションを購入するための方法を活用し、可能な限り共通技術を活用するよう努めるべきである。同時に、多くのソフトウェア企業が国防総省とビジネスを行う際に直面する障壁(クラウド環境へのアクセス、データ権利契約、施設や職員のクリアランスの確保など)を減らすことも重要である。

また、運用実験を獲得成果に結びつけることも極めて重要である。有望な技術が演習で実証されても、取得が遅れたり、まったく取得されなかったりすることが発生することが多い。アメリカ議会は、環太平洋合同演習や、その他の合同演習・サーヴィス関連演習のような、新しい技術やソフトウェア・アプリケーションをテストすることを目的とした主要な演習で実証される、運用上適切で成熟した商用技術のスケーリングのための資金を承認するよう勧告する。この資金は、有望なソリューションのより迅速な生産と実戦配備を可能にするため、連邦議会が提供したより柔軟な取得権限を採用するよう訓練され、インセンティヴを与えられた人員を擁するプログラム実行局または組織に向けられるべきである。

アメリカ会計検査院(Government Accountability OfficeGAO) は、国防総省のチーフ・デジタル・AI局(CDAO)は省全体のAI取得戦略を策定すべきであり、軍サーヴィスもAI取得プロセスをナビゲートするための独自のガイダンスを策定すべきであると述べている。

この資金は、民間資本を活用して生産と規模拡大を支援することができる、新設の戦略資本局(Office of Strategic Capital)を通じた融資保証の利用とマッチングされるべきである。この提言は、今日戦闘指揮官が直面している深刻な作戦上の課題に対する重要な解決策の獲得を劇的に加速させるために利用できる。

革新的なソフトウェアの取得を加速させることは、この10年間、アメリカの戦闘力を維持する上で極めて重要である。現在の課題は、アメリカの民間部門がこの技術の生産に苦労していることではなく、国防総省がこの技術を迅速かつ効果的に活用するのに苦労していることである。中国が2027年までに軍事近代化計画を完了させることを目指しているため、時間は限られている。幸いなことに、ソフトウェアの採用は、議会と国防総省の指導者が今行動すれば、実質的な進展を迅速に実現できる分野の一つだ。

ウェンディ・R・アンダーソン:パランティア社上級副社長(連邦政府、国家安全保障担当)。故アシュトン・カーター元国防長官首席補佐官を務めた。

※ミッシェル・A・フロノイ:ウエストエグゼク社共同創設者・経営パートナー。元国防次官。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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