古村治彦です。
ジョー・バイデン大統領が大統領選挙からの撤退と、カマラ・ハリス副大統領を大統領選挙候補者として支持すると表明したことを受けて、アメリカ大統領選挙は急速な動きを見せている。今回の大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプ前大統領、民主党のジョー・バイデンが早々に事実上の候補者に内定して、静かに推移していた。それを大きく揺るがしたのが、先月末のCNNが主催した大統領選挙候補者討論会だった。バイデンが体調不良や言い間違い、言いよどみなどで、「酷いパフォーマンス」を見せてしまい、バイデンに対する人々の不安が一気に加速することになった。その後も状況は好転せず、民主党エリート層を中心に撤退論が大きくなっていった。通常であれば、大統領選挙候補者討論会は、民主、共和両党が全国大会を開催し、指名候補を決定した後、9月から開催される。逆の見方をすれば、その時期まで、討論会がなくて、うまくごまかしていれば、9月の討論会で酷い状況になっても、もうどうしようもなかったということも言える。6月末の討論会は、バイデン外しのための「出来レース」「宮廷内クーデター」という可能性も考えられる。
民主党は、カマラ・ハリスを候補者とするということで、「心機一転」「気分を変えて」、これからやるぞという雰囲気づくりに躍起になっている。ハリスは、政治的な実績はあまりないが、バイデンからの交代で「フレッシュさ」をアピールし、党内をまとめようとしている。バイデン選対をそのまま使いつつ、自分の側近たちを重要なポジションに就けるだろう。バラク・オバマ元大統領がハリスを支援する動きがあるということだが、現在のところ、ハリス支持を明言していない。
ハリスの副大統領候補という話が出ているが、既に多くの名前が挙がっている。ハリスとは対照的なアイデンティティの人物、例えば、男性、白人、東部から中西部出身、更に言えば、選挙戦術で言えば、激戦州となる、五大湖周辺のラストベルト出身、できれば、労働課の家庭出身という条件が考えられる。以下に9名の名前が挙がっているが、カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事は、大統領候補と同じ州出身というのは法律上不可能ということで、候補から外れるようだ。女性同士というのもバランスが悪い(これまで男性同士ばかりだったからこの表現が良くないと思うが現実的に)ということもあり、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事も厳しいだろう。
イリノイ州のJ・B・プリッツカー知事は、世界的なホテルグループのハイアットの一族であり、大富豪で、選挙資金は全て自己資金で賄えると言われているが、中西部の州知事と言っても、これでは、貧しい白人労働者たちから嫌われてしまうだろう。そう考えると、ペンシルヴァニア州知事のジョシュ・シャピロが有力候補ということになるだろう。アリゾナ州のマーク・ケリー連邦上院議員も、男性、白人、アメリカ海軍パイロット、宇宙飛行士という経歴からユニークで、こちらも有力候補だと思う。2020年の大統領選挙で、善戦した、ピート・ブティジェッジ運輸長官は、中西部インディアナ州出身で、軍務に就いていたことや同性愛者であることを公表していることなどもアピールポイントであるが、副大統領候補には難しいかもしれない。
ジョシュ・シャピロとカマラ・ハリス
マーク・ケリーとカマラ・ハリス(右)
ピート・ブティジェッジとカマラ・ハリス
トランプ陣営としては、敵をカマラ・ハリスに設定し直すという作業を強いられることになる。ハリスが副大統領としては不法移民対策で成果を挙げなかったことくらいしか攻撃材料がない。後は、カリフォルニア州司法長官、連邦上院議員(1期目の途中で副大統領に)としての仕事ぶりも攻撃材料になるだろう。民主党側は、「ハリスを“鬼検察官”として、“重罪人”トランプを討論会で徹底的に追い詰める」という目論見もあるようだ。しかし、これは逆効果になることもある。そもそも討論会は法廷ではなく、政策を討論する場所だ。もちろん、トランプの裁判の状況などについて話が及びことはあるだろうが、それは一部であるべきだ。また、検察官が法廷で被告を攻撃するならば、被告には代理人としての弁護士を立てる権利がある。それは認められていない討論会で、裁判ごっこをやるというのは、民主党の選挙に勝ちたい余りの過剰な行動と捉えられてしまう可能性がある。
そもそも、副大統領は、名前は知られているが、その人柄などは全く知られていない。副大統領の仕事は、大統領に何かあった時のために健康で生きていることだ。まずは、ハリスの人物像を明らかにすることが何よりも最初にやるべきことだ。
民主党では「ハリスで決まり」「ハリスで一本化」という流れになっており、他に候補者は出ない状況を演出している。しかし、考えてみれば、バイデンが自発的に降りたことになっているが、かなりの圧力をかけられ、甘い言葉や脅しの言葉をさんざんにかけられたことは容易に想像がつく。まずは、「バイデン降ろし」が民主的だったのか、ということ、ハリスの選ばれ方が民主的かどうか、ということを疑問に思う民主党員や支持者も一定数存在すると思う。そこをどのように折り合いをつけていくかが重要である。
静かに動いていたアメリカ大統領選挙がバイデン撤退で動き始めた。これからも何が起きるか分からない。目が離せない状況になっている。
(貼り付けはじめ)
バイデンが大統領選挙から撤退:知っておくべき5つのこと(Biden withdraws
from presidential race: 5 things to know)
サラクシ・ライ、ブランドン・コンラディス筆
2024年7月21日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/4784618-joe-biden-drops-out-what-to-know-kamala-harris-trump/
ジョー・バイデン大統領は再選に向けて立候補しないと述べたが、これは民主党内多数からの圧力の高まりを受けての歴史的な決定となった。
バイデンは2025年に終了する残りの任期を全うすると述べた。
バイデンは「大統領を務めることができたことは私の人生最大の光栄だ。再選を目指したのは私の意向だが、私が辞退し、残りの任期は大統領としての責務を果たすことだけに専念することが党と国にとって最善の利益になると信じている」と述べた。
ドナルド・トランプ前大統領と支援者たちが共和党全国大会のためにミルウォーキーに集まった数日後に、この発表は大統領選挙を一変させることになった。
バイデンの退任の決定について知っておくべきことは次のとおりだ。
(1)バイデンは圧力増大を受けて選択を下した(Biden made the
choice after growing pressure)
過去数日間でバイデンの辞任を求める議員や献金者の数が増えたため、結局バイデンは党内からの圧力に屈した。
ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州出身、無所属)は日曜早朝、CNNのジェイク・タッパーに対し、バイデン大統領は「新しい世代にトーチを引き継ぐべき」と発言し、バイデンに撤退を要求した最新の注目議員となった。
マンチンは、ピーター・ウェルチ連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)、ジョン・テスター連邦上院議員(モンタナ州選出、民主党)、シェロッド・ブラウン連邦上院議員(オハイオ州選出、民主党)、マーティン・ハインリッヒ連邦上院議員(ニューメキシコ州選出、民主党)を含む民主党議員のリストに加わった。
本誌は木曜日、バイデンの決定が差し迫っており、ハリス副大統領がバイデンの後任となった場合、副大統領候補が誰になるかに既に注目が集まっていると報じた。
しかし金曜日になっても、バイデン陣営は大統領が再選に向けて出馬する決意を持っていると主張していた。
(2)ハリスが後継者となる可能性が高い(Harris becomes likely
successor)
バイデンは日曜日、ほぼ即座にハリス副大統領を次期民主党候補者として支持した。
バイデンは「今日、私はカマラが今年の我が党の候補者となることに全面的な支持を表明したい。民主党の皆さん、団結してトランプを倒す時が来た。やってやろう」と述べた。
バイデンの発表は、バイデンが新型コロナウイルス感染から回復中のデラウェア州の自宅で自己隔離している間、今週土曜日にハリスがケープコッドで200万ドルの募金活動を行った後に行われた。
ハリスは後に自身の声明を発表し、「支援を受けてこの指名を勝ち取る」と述べた。
バイデンがハリスを支持する決定を下すことは予想されていた。どれだけ多くの人が彼女を彼の有力な後継者とみなしているかを示すように、共和党全国大会のためにミルウォーキーに集まった共和党員たちは、既に彼女への攻撃を開始している。
ハリスは日曜の声明で、大統領の支持を得ることができて「光栄だ」とし、「私の意図は、大統領の支援を得て、指名を勝ち取ることだ」と述べた。
(3)彼女の副大統領候補の人選が行われている(The hunt is on for
her possible running mate)
バイデンがハリスへの支持を全面的に表明した今、誰が彼女の副大統領候補となり得るかが注目されている。
今のところ、彼女と一緒に選挙戦を戦う、副大統領候補への関心を公的に表明している人は誰もいないが、この状況は変わるだろう。既に名前が挙がっているのは、ケンタッキー州知事のアンディ・ベシア(民主党)、イリノイ州知事のJ・B・プリッツカー(民主党)、ペンシルヴァニア州知事のジョシュ・シャピロ(民主党)、ミシガン州知事のグレッチェン・ウィットマー(民主党)、ノースカロライナ州知事のロイ・クーパー、そして、アリゾナ州連邦上院議員マーク・ケリー (民主党)である。
もう一人の著名人としてカリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサム(民主党)も含まれているが、カリフォルニア州から二人の候補者を選出することができないことを考えると、彼が副大統領候補に選ばれる可能性は低い。
(4)バイデンの決断は大統領選挙を未知の領域に進めた(Decision throws
election into uncharted territory)
バイデンの決定により、選挙は激動の新たな段階に突入するが、このような事態は過去半世紀以上のアメリカ大統領選挙では見られなかった。
明確なことは、これは、大統領に辞任を求める多数の民主党関係者や寄付者にとっても安心材料となるだろう。
しかし、それは潜在的な混乱への扉を開くことにもなる。バイデンはハリスを後継者として支持したが、情報筋はこの時点からプロセスがどのように展開するのか完全には確信していない。
バイデンに支持を誓約した代議員たちは、ハリスに投票する必要はない。つまり、別の候補者を支持し、競争全国大会(contested convention)となる高まる可能性がある。
十分な数の代議員が本質的にバイデンに反抗することを選択する可能性は依然として低いが、民主党が誰を新しい候補者にするべきかをめぐって対立していることに気付いた場合、更なる混乱が生じる可能性はある。
ジム・クライバーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)を含む一部の民主党議員は、たとえハリスが後任候補になっても、彼女が正式に選ばれる前に党は「ミニ予備選(mini primary)」を開催すると強調している。
しかし、民主党議員が実際に彼女に挑戦し、黒人およびアジア系アメリカ人女性初の副大統領を飛び越えて将来の政治的キャリアを損なう危険を冒すかどうかはまだ分からない。
(5)トランプの支援者たちは既に攻撃対象をハリスに変更し始めた(Trump
allies have already started pivoting toward Harris)
バイデンの撤退発表前から、共和党はハリスがバイデンの後任候補となる場合に備えて、既にナイフを研ぎ始めていた。
トランプの支援者たちは、ミルウォーキーで過去1週間、ハリス副大統領を頻繁に追及し、特にバイデンの「国境の皇帝(border czar)」として彼女を叩き、バイデン政権の移民政策に結び付けた。
トランプ大統領は既にハリスと対決する可能性を考慮しており、バイデン大統領の撤退決定直後にCNNに対し、ハリスを打ち負かすのは容易だと語った。そして、トランプ元大統領の副大統領候補であるJ・D・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)は、土曜日にミシガン州で行われた初の共同集会中でハリスを攻撃した。
それにもかかわらず、共和党もまた、主要な敵対者が突然姿を消し、新たな敵対者がまだ確認されていないため、自分たちが未知の領域(uncharted territory)にいることに気づいている。トランプ大統領と支援者たちは、民主党が最終的に誰を指名するか見極めるまで、常に警戒を怠らず、新たな攻撃陣を形成する必要があるだろう。
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ハリスの副大統領候補に選ばれ得るのは誰か?(Who could be Harris’s
running mate?)
ジュリア・マンチェスター、ジュリア・ミュラー筆
2024年7月21日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/4784748-kamala-harris-pete-buttigieg-gretchen-whitmer-josh-shapiro-running-mate/
ジョー・バイデン大統領は日曜、2024年大統領選挙戦から撤退し、ハリス副大統領を後任候補として支持した。これは歴史的な動きであり、ハリスが承認された場合、副大統領候補は誰になるのかという疑問が浮上している。
それが起こるという保証はない。ハリスが正式な候補者になるためには、来月の民主党全国大会に向けて十分な数の代議員の支持を獲得する必要がある。しかし、現副大統領であり、バイデンに明確に選ばれた後継者として、彼女は明らかに本命(clear favorite)である。
彼女の副大統領に誰が選ばれるかというと、潜在的な候補者は数多くいる。
考えられる選択肢のいくつかをこれから述べていく。
(1)アンディ・ベシア(Andy Beshear)
ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事(民主党)が共和党優勢の州の民主党知事として成功を収めたことで、都市部と農村部の二極化が進む中で、民主党が将来に向けて取り組む中、民主党の知名度は更に高まった。
ベシアは2016年と2020年にケンタッキー州がトランプ前大統領に圧倒的な票を投じたにもかかわらず、2019年に当選し、2023年の再選競争でトランプが支援する共和党の挑戦者を破った。
ケンタッキー知事は今月初め、現職知事ベシアは、バイデンが民主党候補であり続ける限り再選を支持すると述べ、後任を考えたかどうかという質問を避けた。
ベシアは日曜、声明でバイデンの画期的な決断は国と党の「最善の利益(in the
best interest)」であると述べ、「結果をもたらす大統領(a consequential
president)」と称賛した。
ベシアは「今日の彼の決断は簡単ではなかったかもしれないが、それは我が国と我が党にとって最大の利益となる。彼の指導力と優しさ、そして大きく重要なことを成し遂げた大統領職の成功に感謝したい。今こそ私たちの国が団結する時だ。私たちは怒り、恨み、騒音を抑える必要がある」と述べた。
(2)ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)
インディアナ州サウスベンド市長のピート・ブティジェッジは、2020年の大統領選挙でバイデン氏と対戦して知名度を上げ、「ピート市長(Mayor Pete)」というあだ名で絶大な支持者を獲得した。
バイデンがブティジェッジを運輸長官として政権に迎え入れたとき、ブティジェッジは同性愛者であることを公にした初の閣僚として歴史に名を残した。彼の成功は、将来の大統領選への疑問や、2024年の大統領選挙でハリスの副大統領候補となることができるかどうかについての疑問を引き起こした。
ブティジェッジはバイデンの発表後、ソーシャルプラットフォームXでの声明で次のように述べた。「ジョー・バイデンはアメリカ史上最も優れ、最も影響力のある大統領の一人としての地位を獲得した。彼のリーダーシップの下で奉仕できることをとても誇りに思うし、我が国にとって何が最善かという彼の揺るぎない焦点に感謝している」。
42歳のブティジェッジの若さは、特に年齢に基づく批判がバイデンの歴史的な選挙戦からの撤退につながったため、特にトランプ大統領の新たな副大統領候補に39歳のJ・D・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州)が指名されたことを受けて、ハリスの選挙戦で、若狭対決ということで目立つことになるだろう。
(3)ロイ・クーパー(Roy Cooper)
2016年と2020年の2回の大統領選で、トランプが勝利したにもかかわらず、ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事(民主党)が当選した。
クーパーの指導の下、ノースカロライナ州は民主党の激戦区として浮上しており、逆転の可能性があると注目されている。このため、クーパーに2024年に副大統領候補となれば、州の役割がさらに高まるのではないかと示唆する人もいる。
今月初め、クーパーはバイデン撤退の話を「現時点では必要のない類の憶測(the kind
of speculation we do not need right now)」として一蹴したと伝えられている。木曜日、クーパーはフェイエットヴィルでの集会でハリスと合流し、両者は党のドラマについて直接語らなかったが、地元放送局WNCNが報じたところによると、ノースカロライナ州知事は副大統領を「仕事をやり遂げる(gets
the job done)」人物として称賛した。
クーパーは日曜の発表後、バイデンへの感謝の声明を発表し、バイデンを「我が国で最も優れた大統領の一人」と称賛した。
(4)マーク・ケリー(Mark Kelly)
アリゾナ州選出の連邦上院議員マーク・ケリー(民主党)は、2020年から連邦上院議員を務め、全国民主党の影響力のある代弁者となっている。民主党のストラティジストや献金者たちは、ハリスの副大統領候補として最適な有力候補の一人としてケリーの名前を挙げている。
民主党が資金提供する世論調査団体「ブルーラブス」のメモによると、ケリーはそれぞれの州でバイデンよりも良い成績を収めている激戦区の民主党議員数名のうちの一人である。
しかし、連邦上院民主党にとってケリーの副大統領候補指名にはある程度のリスクが伴う可能性がある。アリゾナ州の民主党知事ケイティ・ホブズは、ケリーの後任に民主党員を任命するのがほぼ確実だが、その場合、その民主党員は2026年に出馬し、2028年に再び任期を全うする必要がある。
このシナリオは、ケリーが2018年に任命されたマーサ・マクサリー元連邦上院議員(共和党)に対する特別選挙に立候補した際に経験したことを反映している。ケリーは2020年にマクサリーを破り、2022年に任期満了で再選を果たした。
(5)ウェス・ムーア(Wes Moore)
民主党のもう一人の有力な新星であるメリーランド州のウェス・ムーア知事(民主党)は、激戦州のノースカロライナ州とウィスコンシン州でバイデンの選挙活動を展開してきた。ムーア知事は今月初め、討論会の成績について民主党の各州知事とバイデンが会談した後、ホワイトハウスの外でも先頭に立った。
1期目の知事は、ボルティモア橋崩落事故への対応でもニューズに取り上げられ、全国の舞台に登場した。
しかしながら、他の多くの新しいスターである民主党知事と同様に、ムーアも全国的な知名度を高める必要があるだろう。更に、ムーアには連邦レヴェルの選挙活動の経験があまりない。
(6)ギャヴィン・ニューサム(Gavin Newsom)
カリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサム(民主党)は今回の大統領選挙で、バイデンの有力な代理候補として浮上し、現職の最有力候補としてハリスと並んで名前が浮上している。
ニューサムのバイデン用語と、昨年FOXニューズで討論したフロリダ州知事ロン・デサンティス(共和党)など共和党員らとの公開スパーリングは、ニューサムを党のスターダムに押し上げ、2028年の野心についての噂をかき立てた。
しかし、ニューサムは、バイデンの後任の話は「役に立たず不必要(unhelpful
and unnecessary)」だとし、ニューサムとミシガン州知事グレッチェン・ウィットマー(民主党)の両者が、ハリスの副大統領候補を務めることに興味がないと伝えたと伝えられている。
ニューサムとハリスはともにリベラルな民主党優勢州のカリフォルニア州出身で、こうした切符はカリフォルニア州に批判的な共和党議員からの批判に晒される可能性がある。また、同じ州からの大統領候補と副大統領候補に対する憲法の制限による障害にも直面するだろう。
ニューサムはバイデンの選挙戦撤退後の声明で、バイデンは「最も影響力があり、無私無欲な大統領(impactful and selfless presidents)の一人として歴史に残るだろう」と述べた。
(7)J・B・プリッツカー(JB Pritzker)
イリノイ州のJ・B・プリッツカー知事は日曜日、バイデン大統領を称賛し、11月にトランプが勝利しないように「毎日取り組む(work every day)」と誓った。
プリッツカーは「バイデン大統領に感謝の意を表し、彼の多くの功績を振り返る中で、ドナルド・トランプのホワイトハウス復帰の可能性がもたらす脅威を無視してはならない」と語った。
バイデンの有力な代理人であり、民主党優勢州(blue state)の二期目の知事を務めるプリッツカーは、バイデンの後任候補として話題になった人物の一人だ。
プリッツカーは推定35億ドルの純資産を誇り、選挙資金を簡単に自己資金で賄うことができる。そして、中絶の権利に焦点を当てたプリッツカーの政策擁護団体は、この秋、一部の州で中絶の権利を法制化する取り組みに数十万ドルを投資していることは注目に値する。
プリッツカーは来月シカゴで民主党全国大会が開催される州の知事も務める。AP通信によると、民主党全国委員会委員長は日曜日、新たな候補者を選出するための「透明性があり、かつ秩序あるプロセス(transparent and orderly process)」を約束した。
(8)ジョシュ・シャピロ(Josh Shapiro)
バイデンが選挙戦から撤退するのではないかとの憶測が高まる中、ハリスの候補としては、一期目のペンシルベニア州知事を務めるジョシュ・シャピロ(民主党)への注目が高まっている。ハリスと同様、シャピロも以前はペンシルヴァニア州の司法長官を務めていた。シャピロはまた、2022年に共和党のダグ・マストリアーノを破り、激戦州の人気知事としての地位を確立した。
シャピロ知事は先週、ペンシルヴァニア州バトラーで起きたドナルド・トランプ前大統領暗殺未遂事件を受けての統一的な論調で称賛を受けた。シャピロ知事はまた、昨年ペンシルヴァニア州に影響を与えたオハイオ州イーストパレスチナ列車脱線事故への対応でも話題になった。
シャピロはペンシルヴァニア州ではよく知られているが、11月までに全国的な知名度を高めるには多くの努力が必要だろう。ウィットマー知事やニューサム知事とは異なり、シャピロは全国的なスーパーPACを持たず、連邦レヴェルでの選挙運動の経験も無い。
(9)グレッチェン・ウィットマー(Gretchen Whitmer)
バイデン・ハリス陣営の共同議長を務めるミシガン州知事グレッチェン・ウィットマー(民主党)は、ハリスの副大統領候補者として繰り返し言及されてきた。
ウィットマーは、2016年にトランプが州をひっくり返してから2年後の2018年にミシガン州知事に初当選した。それ以来、ウィットマーはミシガン州および全米各地で民主党の有力者であることを証明してきた。ウィットマーは、州内の他の各選挙の民主党候補者とともに、2022年の選挙で、トップで再選を果たした。それ以来、ウィットマーは連邦選挙で民主党を選出することに専念する「ファイトライクヘルPAC」を設立した。
ニューサム知事と同様、ウィットマーもバイデンの後任候補として考えられている民主党政治家のトップの一人だが、日曜日にバイデンが撤退した後の声明で、ウィットマーは自身の役割は「変わらない(will remain the same)」と示唆した。
ウィットマーは「今回の選挙における私の仕事はこれまでと同じだ。それは、民主党の候補者たちを当選させ、ドナルド・トランプを止めるためにできることは何でもするということだ。トランプは、有罪判決を受けた重罪犯だ。彼の公約は、家族の生活費の高騰、中絶の全米での禁止、そして自らが抱える問題解決のためにホワイトハウスの権限を乱用することで、ミシガン州にとって、彼がやろうとしていることは間違いだ」と述べた。
ウィットマーはまた、バイデンに対して、「偉大な公僕」と賞賛した。公僕として、消費者薬価、サプライチェイン、気候変動、そして世界における指導力に関して、「素晴らしい仕事」をしたと述べた。
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