古村治彦です。

 ジョー・バイデン米大統領が選挙戦からの撤退を表明して、即座にカマラ・ハリス選対へと衣替えがなされた。その時間はあまりなかったバイデン選対として、バイデン再選のために働いてきた人々は、バイデン撤退を悲しむ暇もなく、ハリス選対としての活動を始めた。中にはこのスピーディーな移行についていけない人たちもいたようだが、全体としてはすぐに活動が始まったようだ。バイデンとハリスの関係については、政権内での確執、バイデンの妻(ファーストレイディー)ジルが「ハリスを副大統領にすべきではない」という発言をしたという話もあり、一枚岩でがっちりということではないようだ。

 また、選対にバラク・オバマ政権人脈の人々が多く参加すると見られて、こうした人々が選対を支えているようだ。考えてみれば、ジョー・バイデン選対もオバマ政権の人脈で構成されている訳で、この点では非常にスムーズに物事が進むということになる。

 そうして考えると、現在の民主党において最重要人物はバラク・オバマということになる。今回のバイデンの選挙戦撤退についても、バラク・オバマの許に、選挙を控えた現職の連邦議員たちから多数の連絡が入り、「バイデンでは自分たちの選挙も危ないので、バイデンを何とか説得して出馬断念させて欲しい」という懇願が寄せられたそうだ。そして、結局、最後に「猫の首に鈴を付けた」のはオバマであったようだ。オバマは民主党の最高実力者ということになる。ビル・クリントン元大統領、ヒラリークリントン夫妻も有力者であるが、やはりヒラリーが選挙で負けているということ、人気がないことで、オバマには及ばない。

 民主党とは言いながら、民主党内の「名家(王家)」が民主党の党内政治を決めているという状況である。そうした名家の代表格が、ボストンのケネディ家、ニューヨークのクリントン家、そして、シカゴのオバマ家ということになる。これらの都市はまさに民主党の金城湯池だ。ニューヨークにはクオモ家、シカゴにはデイリー家という旧名家があったが、今はそれぞれクリントン家とオバマ家が取って代わっている。民主党自体はボス政治の性質が強い政党であり、名家支配はその一環ということになる。

(貼り付けはじめ)

ジョー・バイデン選対がハリス選対にどのように変身したのか(How the Biden Campaign Transformed Into the Harris Campaign

-選対内外のスタッフたちは、過去数時間が多忙で圧倒され、感情的だったと述べている。

ケイティ・ロジャース筆

2024年7月23日

『ニューヨーク・タイムズ』紙

https://www.nytimes.com/2024/07/23/us/politics/biden-harris-campaign-transformation.html

ジョー・バイデン大統領がソーシャルメディアで選挙からの撤退を発表した後、カマラ・ハリス副大統領への陣営転換の呼びかけが、スラックを通じて届けられたのは、ある程度ふさわしいこととなった。

バイデン選対のクリエイティヴ・ディレクターであるケイト・コンウェイは日曜日、バイデン大統領のメッセージから約45分後、「オンラインに接続していて、今すぐデザイン作業ができる場合は、このメッセージに手を振って欲しい。私たちは迅速な方向転換に向けて準備を進めている」とデザイナーティーム宛てに、メッセージアプリでメッセージを送った。

これは控え目な表現となった。

様々な肌の色の手の絵文字が飛び交い、選挙スタッフは夜を徹してバイデンの広告を削除し、カマラ・ハリス副大統領の広告に差し替えた。彼らは「ハリス・フォー・プレジデント(Harris for President)」のロゴを赤、白、青でデザインした。彼らは新しいポスターを何枚も印刷した。そして真夜中ごろ、デラウェア州ウィルミントンの選挙本部で、ウイスキーで乾杯した。

ある選挙運動関係者が言うように、7月の日曜日の午後として、これは簡単な作業という訳にはいかなかった。

コンウェイは電子メールで取材に応じ、次のように述べた。「ハリス選対のクリエイティヴ・ウェブティームが活動を開始し、一夜にしてキャンペーン全体のブランドを変更し、わずか26時間で新しいウェブサイトを立ち上げた。それがどれほど難しい仕事であるかは、いくら強調してもしすぎることはない。このブランドは、庭の看板や集会のプラカードから、ウェブサイト、ソーシャル チャネル、広告に至るまで、あらゆる場所に存在している」。

バイデンが選挙運動を取り止めるという、予期せぬ決定は、2024年の大統領選を一変させただけでなく、全国の選挙事務所はもちろんのこと、選挙対策本部でブランド変更の狂乱を引き起こし、少なからずむち打ち症(whiplash)を引き起こした。

バイデンの再選を目指して活動してきた大勢の選挙運動員たち(中には過去数週間が人生で最も厳しかったと語る人もいる)にとって、バイデンの選挙戦撤退を悲しむ時間はあまりなかった。

6月末の討論会での悲惨なパフォーマンスの後、バイデンが選挙戦の復活を試みたが最終的には失敗に終わった後、「それは本当にほんの数週間前のことだったのだろうか?」という感慨が引き起こされえた。月曜日の午後、ハリスが選挙対策本部に到着したことは、お祝いすべき出来事となった。彼女が到着する直前、スタッフたちはまだ乾燥していないプラカードを持って印刷所から飛び出し電話を切った。

この驚異的なロケットスタートを思い出させるものは他にもいたるところにあった。まず、バイデンはまだ海の家で新型コロナウイルス感染症から回復中だったため、電話する必要があった。

バイデンは、「昨日のニューズが驚くべきものだったことは承知しているが、正しい行動だった」と語った。

そして、数時間前に報告してきたスタッフに「彼女を抱きしめて」と指示した。

選挙まで、残り106日となっており、物思いにふける時間はほんの数秒しかなかった。ハリスがエアフォース・ツゥーで、ウィルミントン(過去半世紀にわたりバイデンの政治的伝承と密接な関係にある町)に到着すると、民主党でバイデンの密接な支持者であるクリス・クーンズ連邦上院議員が出迎えた。その数時間前には、大統領は選挙活動を続けることができると断固主張していた。

陣営関係者たちは本部の内外で、過去数時間は多忙で圧倒され、感情的だったと述べている。バイデンが群衆に向かって話す間、涙を流す人もいた。また、バイデンとハリス(59歳)の数人の支援者たちは、副大統領に対する国民の支持と、身を引いて彼女を支持した、81歳の大統領への感謝の表明とのバランスを取ることが重要だと述べた。

しかし、選対内部では、バイデンが撤退して以降、熱意が高まっていることを否定する人もいた。ハリス陣営は日曜午後から月曜夜までに1億ドルを集め、初めての寄付者から多額の資金が集まった。ハリス陣営の広報担当ケヴィン・ムニョスは記者たちへのメモの中で、ハリス陣営へのヴォランティア登録者は5万8000人を超えたと述べた。ミルウォーキーで開催されたハリスの候補者としての最初の集会は非常に多くの出席者を集めたため、選対は、すぐにより大きな会場を探す必要があったと関係者は述べた。

これらの議論に詳しい関係者によると、舞台裏ではバラク・オバマ大統領の元上級顧問デイヴィッド・プルーフを含む他の民主党の人物たちがハリスのティームに協力を申し出ているという。

ハリスが選挙運動指導部の一部をそのまま維持するという事実、つまり、ジェニファー・オマリー・ディロンを選挙委員長に、ジュリー・チャベス・ロドリゲスを選挙運動部長に据えるという事実は、彼女が現在率いている選挙運動の先頭に立った人物が別の人物であることを思い出させるものだ。

ハリスの支持者たちは、職員間の緊張やバイデンが選挙に勝てるか確信が持てないとの報道にもかかわらず、ハリス副大統領はバイデンの側に固執してきたと長年主張してきたが、職員を鼓舞し、バイデンの指導力を称賛するというハリスの決断が反映されていると述べた。

民主党所属でカリフォルニア州副知事のエレニ・クナラキスは、ハリスはこれまで副大統領時代の大半を、バイデンに対して果たしてきた右腕的な役割を誇りに思って過ごしてきたと語った。

クナラキスは、「バイデンは検察官のスキルを活かして職員を訓練し、意思決定のための情報を大統領に提供するために彼女を信頼していた。彼女は、大統領が、彼女の持つそのスキルを高く評価したと誇らしげに私に語った」と述べた。

実際、ハリスは、共和党の候補者であるドナルド・J・トランプ元大統領に対する、彼女自身の政策の最初の方針を明らかにし、検察官としての過去を誇示した。

ハリスは次のように述べた。「私はあらゆる種類の加害者を相手にしてきた。女性を虐待する凶悪な犯罪者たち、消費者を騙す詐欺師、自分の利益のためにルールを破る詐欺師たち。だから、私の言うことを聞いて欲しい。私はドナルド・トランプのタイプを知っている」。

ハリスがリーダーシップを発揮し、トランプから確実に加えられる攻撃に耐える能力については未解決の疑問が残っている。

しかし、このヴィデオはすぐに拡散した。

※ケイティ・ロジャース:ホワイトハウス特派員。過去10年間、大統領、ファーストファミリー、ワシントンでの生活に関する特集を中心に、内政・外交問題を幅広く取材。ファーストレディに関する著作もある。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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