古村治彦です。
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 アメリカ大統領選挙の投開票日まで残り約1カ月となった。ラストスパートといったところだ。共和党のドナルド・トランプ前大統領と副大統領候補のJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出)と、民主党のカマラ・ハリス副大統領と副大統領候補のミネソタ州知事ティム・ウォルズの戦いは佳境を迎える。日米の主流メディアは最近になって、接戦と報じているが、7月末にジョー・バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明し、ハリスが民主党の候補者になってから、民主党全国大会のあたりにかけて、ハリスの支持率が急上昇、ハリスがリードという報道を行ってきた。

 確かに、全国規模の世論調査の結果ではハリスがトランプに対してリードしている。しかし、全国規模の世論調査の結果は選挙の大きな流れをつかむくらいにしか役に立たない。なぜならば、アメリカの大統領選挙は全国規模の得票数で結果が決まるものではないからだ。
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全国規模の世論調査の動向
 アメリカの大統領選挙は各州での得票数が多かった候補者が割り当てられた選挙人を獲得するというものだ。従って、各州での動きが重要である。そして、民主党が優勢な州(ブルーステイト、blue sates)と共和党が優勢な州(レッドステイト、red states)はそれぞれ20州ずつくらい決まっている。従って、これらの州の選挙人はもう最初からハリス、トランプどちらかに行くかが決まっている。重要なのは、激戦州(battleground satestoss-up states)だ。激戦州は今回、アリゾナ州、ネヴァダ州、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州である。その中でも、私はジョージア州とペンシルヴァニア州の結果が重要だと考えている。それは、私の計算では、トランプは既に選挙人235人を固めており、ジョージア州とペンシルヴァニア州で勝てば、選挙人を35人獲得できて、過半数の270人(総数は538人)に到達することになるからだ。

 現在のところ、ジョージア州とペンシルヴァニア州は大接戦となっているが、トランプが段々と持ち直してきており、僅差でリードしている展開である。

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激戦州の世論調査の動向
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ジョージア州の世論調査の動向
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ペンシルヴァニア州の世論調査の動向

 10月1日現在の各種世論調査の結果を反映させた結果は以下のとおりである。トランプが281人、ハリスが257人となっている。このように見ると、ハリスの勢いが落ちて、トランプが持ち直しているということになる。
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ブルーステイトとレッドステイトの分布
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10月1日現在の情勢

 米大統領選挙まで残り約1カ月となっている。ハリス、トランプ両候補はデッドヒートを演じているが、ここに来てトランプが持ち直してきていると言うことができるだろう。主流派メディアではこのような話は報じられない。しかし、現実はこのようになっている。

(貼り付けはじめ)

最新のハリス対トランプ世論調査から得られる5つのポイント(5 takeaways from the latest flurry of Harris-Trump polls

ナイオール・スタンジ筆

2024年9月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4889632-latest-polls-white-house-race/

ここ数日、多くの世論調査が発表され、ホワイトハウスをめぐる選挙戦に新たな洞察を与えている。

9月10日のカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の討論会後に実施された20以上の激戦州(swing-state)で行われた世論調査の結果が全て公開されている。

この対戦では、ハリスがトランプに勝利したと広く認識されているが、彼女の勝利が選挙戦にどれだけ影響を与えたかという疑問はさらに曖昧な答えを得るようになっている。

最新の世論調査はほとんどどれも、日曜日にフロリダ州ウェストパームビーチのゴルフクラブで行われた、2度目のトランプ大統領暗殺未遂事件に対する反応を網羅するほど最近実施されたものではない。

Almost none of the latest polls were conducted recently enough to encompass reaction to the second apparent attempt on Trump’s life, which took place Sunday at his West Palm Beach, Fla., golf club.

最新の各種世論調査の特徴は以下の通りです。

(1)トランプよりハリスの方がより良い結果に-僅差であるが(It’s better to be Harris than Trump — slightly

全体として、ハリス陣営は、トランプ陣営よりも最新の世論調査の結果を喜んでいるようだ。

全国的には、ハリス副大統領がトランプ前大統領との差を僅かだが広げたことを示唆する結果が得られた。モーニング・コンサルト社の世論調査では、ハリスが6ポイント上回っており、同社の調査ではこれまでで最大のアドバンテージとなっているが、ABCニューズ・イプソスシャとヤフーニュース・YouGovの調査では、ハリスがそれぞれ4ポイントと、5ポイント上回っている。

激戦州でも、ハリスは躍進し、良い結果を残したが、しかし、それは例外中の例外である。

ハリス副大統領の選挙対策ティームは、キニピアック大学の世論調査のように、ペンシルヴァニア州で、ハリスが5ポイント上回る評判の良い世論調査を得たことに満足するだろう。あるいはミシガン州でも、有権者候補を対象としたマリスト大学の世論調査でも、同じ差をつけてリードしていた。

ザ・ヒル誌とデシジョンデスクHQDDHQ)の予想では、ハリスが11月に勝利する確率は55%となっている。

このような数字の意味を誇張しないことが重要だ。これは、非常に接戦であることを示している。しかし、現状に関しては、数字は色々出ているが、ハリスに有利なようだ。

(2)トランプには希望が持てる理由がいくつかある(Trump has plenty of reasons for hope

トランプと支持者たちは、最新の各種世論調査の結果に落胆する必要はない。
全体的には、ハリスに向かう小さな傾向が見られますが、決定的なものには程遠い。今回の討論会はハリス副大統領の支持率上昇に1、2ポイント貢献したかもしれないが、選挙戦の状況を変えるには至っていなかった。

木曜日に発表されたニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査の結果では、全米の有権者数では同率、全登録有権者数ではトランプが1ポイント上回った。フォックス・ニューズの世論調査では、ハリスが両カテゴリーで2ポイントの僅差でリードしている。

トランプ陣営は、ザ・ヒルとエマーソン大学による一連の世論調査を含む、いくつかの激戦州での各種世論調査の結果からも勇気づけられる。

エマーソン大学の世論調査では、ペンシルヴァニア州とウィスコンシン州で、トランプが1ポイントリードしており、トランプ前大統領が民主党の「青い壁(blue wall)」の一部を再び破壊する可能性を示唆している。エマーソンの世論調査では、バイデン大統領が2020年に支持したジョージア州で、3ポイント、アリゾナ州で1ポイントの差をつけている。

一方、ペンシルヴァニア州でのマリスト大学の世論調査では、同州での選挙戦は完全に同率となっており、キュニピアック大学やニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの調査では、ハリスがそれぞれ5ポイント、4ポイント差をつけているのとはかなり対照的だ。

(3)シグナルとノイズを分けるのは難しい(It’s tough to separate the signal from the noise

各世論調査会社や政治学者たちは、自分たちの調査が小数点以下まで確定的にしてしまうことを嫌う。

どのようなテーマに関する調査にも誤差があり、「ノイズ(noise)」の影響を受けやすくなる。つまり、世論が実際に変化したためではなく、世論調査プロセスに固有の変数によって数値が変動する。

最近の世論調査では、疑問を感じ亮奈結果も出ている。

例えば、ニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査では、ハリスがペンシルベニア州で4ポイントリードしている一方で、全米ではトランプと同点だった。

この結果は、最近の歴史と相容れない。

バイデンは、2020年の全米一般投票で、4ポイント以上の差をつけたが、ペンシルヴァニア州ではわずか1ポイント強の差で勝利した。2016年、トランプはペンシルヴァニア州でおよそ0.7ポイント差で勝利したが、全米ではヒラリー・クリントンに約2ポイント差で敗れた。

少なくとも通常とは異なると思われる結果は他にもある。

たとえば、キュニピアック大学の最新の世論調査では、ウィスコンシン州でのハリスのリードは、ミシガン州(5ポイント)やペンシルベニア州(5ポイント)よりもはるかに狭い1ポイントとなっている。

繰り返すが、このような結果は、どの世論調査会社の信頼性も損なうものではない。単に、世論調査は不正確な科学だということを強調しているに過ぎない。

(4)結局のところコイントスに変わりはない(When all is said and done, it’s still a coin flip

接戦であり激戦のレースが残り50日を切った今、どの世論調査も精査されることになるだろう。

しかし、世論調査の茶葉を読む限り、2024年の選挙戦は基本的にコイントスのようなものとなっている。

激戦州のザ・ヒル誌とデシジョンデスクHQDDHQ)の世論調査平均がそれを物語っている。ハリスはペンシルヴァニア州、ミシガン州、ネヴァダ州で約1ポイント、ウィスコンシン州では2ポイントリードしている。他の3つの激戦州では、その差は1ポイントにも満たない。

両陣営がテレビ広告に費やしている数百万ドル、トランプの世論調査を上回る傾向、あるいは民主党候補のハリスが、最高裁が「ロー対ウェイド」判決を覆してから初めての大統領選挙で、支持の急増から恩恵を受けることができるかどうかなど、この構図を変える要因は数多くある。

(5)各種世論調査はどちらの側にとっても最良の争点を伝え続けている(The polls keep telling us the best issues for either side

少なくともハリスがバイデンを民主党候補から押しのけて以来、今年のレースのいくつかの輪郭はかなり一貫している。

中絶問題は、民主党が手にする最強の選挙カードであることは明らかだ。

例えば、ニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査では、中絶に関してどちらの候補者がより信頼できるかという点で、有権者の間で、ハリスが13ポイント優勢だった。

移民問題は、選挙論的に言えば、妊娠中絶の鏡像(mirror image)である。ニューヨーク・タイムズの世論調査では、トランプはこのテーマで12ポイントの優位を保っていた。

おそらく決定的なのは、経済に関するニューヨーク・タイムズの世論調査で、トランプが13ポイント差をつけていたことだ。これは、有権者の懸念事項の中でしばしば上位にランクされるテーマで、トランプ前大統領を優位に立たせる他の調査とほぼ一致している。

(貼り付け終わり)
(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める