古村治彦です。

 現在、第二次ドナルド・トランプ政権の「スター」となっているのは政府効率化省(Department of Government EfficiencyDOGE)を率いるイーロン・マスクだ。しかし、副大統領であるJ・D・ヴァンスもまた副大統領として順調に仕事のスタートを切り、トランプの後継者の地位を固めようとしている。イーロン・マスクは目立っており、トランプの後継者になれそうであるが、彼は南アフリカ生まれであるため、アメリカ大統領になる資格がない。トランプ運動(MAGA運動)を主導することはできるだろうが、アメリカ大統領になれない。トランプの次の大統領になれるのはJ・D・ヴァンスだ。

 そうした中で、ヴァンスが順調に力をつけているという内容の論稿が出ている。この論稿の内容をご紹介したい。
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(左から)イーロン・マスク、ドナルド・トランプ、J・D・ヴァンス

JD・ヴァンス副大統領の影響力は増大しており、ホワイトハウスや国際舞台で重要な役割を果たしている。特に、ウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領との会談では、強硬な姿勢を見せ、ゼレンスキーに対して、ゼレンスキーの無礼な態度を指摘し、アメリカからの支援に感謝を求めた。

ヴァンスは攻撃的な姿勢を持っているが、これはトランプ大統領の支持層にフレッシュな印象を与えるものとなった。ヴァンスがトランプ支持者の中で重要な地位を築いたという声もある。また、ヴァンスは国境の移民問題に関与し、南部国境を訪問するなど政治活動も活発に行っている。

ヴァンスは、トランプ大統領のアジェンダを支持し、反対派に対峙する姿勢を示すことで、政権内部での権力を強化している。その一方で、トランプ自身がヴァンスの将来に対する支援に消極的な姿勢を見せたことにより、ヴァンスが後継者になるのかということについて、疑問も出ている。

ヴァンスはトランプ政権での様々な任務に取り組み、特にTikTokの売却問題についても監督する役割を担っている。このような活動は、トランプ大統領が彼に対して深い信頼を寄せていることを示しているという分析もある。

ヴァンスは、トランプの意向を受けつつ党内の影響力を増しているが、その立ち位置は他の政治家との関係や選挙の結果によって変わりうる。彼の活動や行動は、今後のトランプ支持者としての彼の運命に大きく影響する可能性が高い。

 ヴァンスは第二次トランプ政権の閣僚の連邦上院での人事承認でも舞台裏で交渉を行ってうまく進めている。このような裏回し的な仕事をして成功しているのは大きい。トランプ政権の屋台骨を支えるということになれば、トランプの後継者としての地位を固めることになる。アメリカ大統領選挙は2028年に実施されるが、2027年にはスタートする。そう考えると、時間があるようでない。ヴァンスはトランプ政権を支える仕事をしっかりやって基盤を固めていくこと、これに尽きることになる。国務長官であるマルコ・ルビオも大統領選挙に色気を持っているだろうが、マスクとの衝突などをしているようでは、漁夫の利をヴァンスにさらわれることになる。ヴァンスの動きにこれから注目していかねばならない。

(貼り付けはじめ)

ヴァンスがトランプ世界での影響力を増大させている(Vance ramps up his clout in Trump world

アレックス・ガンギターノ筆
2025年3月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5183327-vanec-clout-trump-world/

JD・ヴァンス副大統領の影響力は上昇を続けており、ホワイトハウスや世界の舞台で鍋をかき回す(状況をかき回す、トラブルを起こす、挑発する)役割を担っている。

ヴァンスの攻撃犬としての役割は、ウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領との米大統領執務室での会談中に完全に発揮された。ヴァンスは外国の指導者であるゼレンスキーと対峙し、彼を無礼だと非難し、ロシアとの戦争中にアメリカがウクライナに提供した数十億ドルの援助に対する感謝を要求した。

ヴァンスのより攻撃的な姿勢は、ヨーロッパで波紋を呼び、南部国境を訪問するなどして、数週間にわたってテクノロジー業界の億万長者イーロン・マスクが注目を浴びた後のことだ。マスクは注目度でトランプ大統領を上回ることさえある。

ホワイトハウスの意向に詳しい情報筋は次のように語った。「ヴァンスは指名されて以来、最高の1週間を過ごした。トランプとMAGAワールドの得点源の花形プレイヤー(go-to player)として確固たる地位を築いた」。

ヴァンスは副大統領として、連邦議会合同演説の際に連邦下院本会議場でトランプの後ろの席に座り、共和党議員と一緒になってアル・グリーン議員(テキサス州選出、民主党)に野次を飛ばし、抗議のためにトランプの演説を妨害したグリーンの退場を主張した。

その後、ヴァンスは閣僚とともにアメリカ南部国境を訪れ、移民問題を強調し、パトロール隊員の許を訪問し、グレッグ・アボット州知事とともに関税と国境の壁について記者会見を開いた。

しかし、ヴァンスが本当に注目を集めたのは先週金曜日、ウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領との会談が軌道から外れ、記者たちの質問に答えて、ゼレンスキー大統領にロシアのウラジーミル・プーティン大統領との外交交渉を提案した時だった。

そのため、ゼレンスキーはヴァンスに尋ねた後、過去10年間にプーティンがウクライナに対して行った侵略のリストを読み上げた。ゼレンスキーはヴァンスに「JD、どのような外交について話しているのか?」と質問した。

ゼレンスキーが口をはさもうとすると、ヴァンスは次のように語った。「私は、あなたの国の破壊を終わらせるような外交について話している。大統領、大統領、失礼ながら、あなたがアメリカの大統領執務室までやってきて、アメリカのメディアの前でこの件を争おうとするのは無礼だと思う」。

この会談について本紙の取材に答えた共和党員の中には、ヴァンスが不必要に会談を燃え上がらせたと言う者もいた。しかし、ウクライナへの資金援助に懐疑的な姿勢を強め、トランプの「アメリカ第一」のアジェンダに同調するMAGA世界でも、ヴァンスの行動は新鮮さを感じたという。

共和党の献金者であるダン・エヴァーハートは「トランプ大統領のアジェンダを全面的に擁護し、反対派に直接戦いを挑むことで、ヴァンスは政権の最高執行者(administration’s top enforcer)としての役割を確固たるものにしている。これは単なる忠誠心についてではない。それは力についてだ。トランプ大統領のためにパンチを繰り出すたびに、ヴァンス自身の支持基盤が強化され、真のMAGA戦士としての資格が強化される」と述べた。

エヴァーハートは加えて、「明確にしておきたいのは、これは今日だけの問題ではないということだ。ヴァンスはトランプ運動の未来に自らの権利を主張し、トランプが退任した後の後継者として自らを位置づけている」と述べた。

米大統領執務室でのゼレンスキーとの口論により、ヴァンスはトランプが1月に大統領に就任して以来、一度も経験したことのない形で脚光を浴びることになった。その代わりに政権の注目を浴びているのはマスクで、マスクが率いる政府効率化局(Department of Government EfficiencyDOGE)が思いつきで政府機関を丸ごと解体するなど連邦政府の急進的な改革に関与したことで、しばしば物議を醸す形で注目を集めている。

トランプ陣営に近い情報筋は次のように語った。「ヴァンスやマスクは、制限を受けずに自由に、穴を突ける権限を持っている人がいるという印象があるが、このような人たちは今まで見たことがない。トランプは自由に動くこと(freelancing)に対してある程度寛容だ。トランプは成果を出す人が好きなのだと思う」。

しかし、トランプの口調は今週、少なくともマスクに関しては少し変わった。2回目の閣僚会議でトランプは、マスクではなく閣僚たちが各省庁の予算削減を主導すべきだと主張したが、彼らが必要なことをしなければマスクがやるという但し書きを付け加えた。

『ニューヨーク・タイムズ』紙の報道によると、マスクとマルコ・ルビオ国務長官の間でも緊張が高まっていると報じられている。ルビオ国務長官は、マスクのティームが米国国際開発庁(United States Agency for International DevelopmentUSAID)を閉鎖して以来、数週間にわたってマスクに激怒していると報じられている。

一方、トランプはヴァンスの政治的将来について厳しい立場に置いている。フォックス・ニューズのインタヴューで、トランプ大統領はヴァンスが共和党の次期リーダーになることを全面的に支持しなかったため、トランプの戦略は何だったのかと多くの人が疑問に思った。専門家の一部は、それがヴァンスの姿勢を強めることにもつながったと指摘している。

トランプ世界に近いある情報筋は次のように語った。「ヴァンスはマスクとは違った形でMAGA教義の解釈者としてかなり長いリードを持っている。そのため、ヴァンスは間違いなくより積極的な姿勢を取るだろう。彼は後継者になりたいからだ」。

ヴァンスは、トランプのより物議を醸す閣僚候補の支持を舞台裏で働きかけ、共和党所属の連邦上院議員たちやホワイトハウスの注目を集めた。ヴァンスは、現在承認されている国家情報長官トゥルシー・ギャバ―ドと保健福祉長官ロバート・F・ケネディ・ジュニアに賛成票を投じられるところまで彼らを説得したとされている。

ヴァンスはまた、4月5日の期限を前に人気アプリTikTokの売却の可能性を監督するようトランプに任された。

ヴァンスの仕事に詳しい情報筋は本誌に対して次のように述べた。「ヴァンス副大統領は、トランプ大統領の明確な指示のもと、TikTokや連邦上院人事承認の支援などのプロジェクトを引き受けてきた。トランプ大統領は明らかに、副大統領が困難な任務を任せて、それを実行することについて信頼している」。

一方、ヴァンスがトランプの明確な後継者で大統領選挙の有力候補(Trump’s heir apparent and presidential hopefuls)であることに懐疑的な連邦上院議員もいる。連邦上院の大統領候補たちは、ある時点で将来のポジショニングを独自に作り始めるだろうと、トランプ世界に近い情報筋は述べた。

「トランプがヴァンスは自分の後継者かと聞かれたとき、すぐに認めなかったことは、人々の記憶に残っていないと思う」とこの情報筋は語った。

一方、ヴァンスは2028年の党の未来を担えることを示すため、多方面からその役割を固めつつある。彼は、支持を拒否したトランプを擁護し、時期尚早だと主張さえしている。

第一次トランプ政権で広報補佐官を務めたジョーダン・ウッドは次のように語った。「ヴァンスはトランプをソフトにさせるためにいるのではなく、運動全体を前進させる(entire movement forward)ためにいる。トランプにとって、ヴァンスはトランプ自身が始めたことの産物であり、若く、攻撃的で、その未来に完全に関与している」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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