古村治彦です。
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第二次ドナルド・トランプ政権が発足し、半年以上が経過した。トランプの電撃的な政策実行も一段落したという感じになっている。そして、最近ではイーロン・マスクとの争いが起きている。身内である共和党からも批判の声が出ている。また、ジェフリー・エプスタイン事件のファイル公開について、トランプが実施しないとしたことで、支持者や共和党議員たちからも批判が出ている。
下記論稿では、ドナルド・トランプ大統領が直面する問題として挙げられているのは、関税引き上げによる経済への影響、ロシアとウクライナの停戦・支援問題、予算をめぐる対立が挙げられている。共和党はそもそも、自由貿易(低い関税)、アイソレイショニズム(海外の戦争に関わらない)、小さな政府(小さな予算)を志向してきた。支持層は中小企業を含む経営者であり、保守政党であった。それが、トランプが大統領になって、これまでの志向とは異なる政党になった。議員たちからすれば、トランプに反対してしまうと、選挙で支持をしてもらえない、反対だと言われてしまう、対立候補を立てられてしまって党内の予備選挙で負けてしまうということがあるので、表立っての反対はできないでいた。
しかし、たとえば、ウクライナ戦争について言えば、トランプ大統領も選挙期間中に、すぐに停船させる、ウクライナに支援はしないと述べていた。しかし、実際には停戦は出来ず、ウクライナ支援は継続されている。このことは、共和党の議員たちや支持者たちからすれば、約束不履行ということになる。
このような状況で、来年の中間選挙に向けて、議員たちは自分たちの選挙のことを考えて動くことになる。そうなると、トランプと衝突する議員たちも出てくることになるだろう。これからのアメリカ政治に注目していかねばならない。
(貼り付けはじめ)
トランプ大統領の今後6カ月間に注目すべき右派の3つの大きな戦い(3 major
fights on the right to watch in Trump’s next 6 months)
エミリー・ブルックス筆
2025年7月25日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/newsletters/the-movement/5412436-movement-fights-gop-trump-six-months/
共和党はドナルド・トランプ大統領の就任後6カ月間、彼を中心に団結してきた。しかし、右派内でくすぶっていた対立は、今年後半に一気に表面化すると見込まれている。
トランプの減税と支出優先事項を盛り込んだ「大きく美しい1つの予算案」が共和党によって可決されたことで、党内での他の議論を整理する余地が生まれた。トランプの支持率は夏場の低迷期に差し掛かっており、批判の余地が生まれている。また、ジェフリー・エプスタインに関する暴露がトランプの共和党への支配力の弱まりを露呈しています。
注目すべきポイントは以下の通りだ。
(1)
関税引き上げ対自由貿易本能(1. Tariff hikes
versus free trade instincts)
共和党は、トランプ大統領が数カ月間一時停止していた大半の国への関税引き上げを、8月1日のもう一つの重要な期限を前にして、警戒している。
共和党所属の連邦議員の多くは、交渉の達人と常々称賛するトランプ大統領に、貿易相手国との合意締結の余地を与え、傍観してきた。しかし、ハワード・ラトニック商務長官は週末、CBSニューズの番組「フェイス・ザ・ネイション」で、8月1日の期限は厳守すると述べた。
ジョン・ケネディ連邦上院議員(ルイジアナ州選出、共和党)は先日、本誌に対し、関税をめぐる不確実性を考えると、世界経済とアメリカ経済は「現在、脆弱な状況にある」と述べた。
「ケネディ議員は私たちは未知の領域にいる。関税がアメリカ経済や世界経済にどのような影響を与えるかは分からない。私も、そして誰も分からない」と述べた。
共和党議員たちは、国際的な合意が不足する中で、迫り来る関税について既に懸念を表明し始めている。
例えば、『ポリティコ』誌が報じたように、ロン・エステス連邦下院議員(カンザス州選出、共和党)率いる共和党議員24名は先月、ジェイミーソン・グリア米通商代表部(USTR)に書簡を送り、民間航空機に対するゼロ関税政策の維持を求めた。
関税が現実味を帯び、合意がほとんど得られない場合、静かな懸念は大きく声高になる可能性が高い。
(2)ロシアとウクライナに対する姿勢(2. Posture toward Russia
and Ukraine)
ロシアのウラジーミル・プーティン大統領がウクライナ侵攻を終結させるようないかなる合意にも抵抗していることから、トランプ大統領のプーティン大統領に対する忍耐は明らかに限界に達しており、結果としてトランプ大統領はロシアに対してより強硬な姿勢を取ることに前向きになっている。
トランプ大統領は7月14日、ロシアが50日以内に合意に至らなければ、ロシアに「非常に厳しい関税(very severe tariffs)」を課すと警告した。超党派の対ロシア制裁法案を支持する共和党議員たちは、トランプ大統領がゴーサインを出し次第、採決を行うと述べている。
しかし、ロシアとウクライナの衝突に自らが関与することに依然として懐疑的な共和党議員たちも少なくない。ジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出、共和党)は先週、『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタヴューで、NATO加盟国への武器供給を加速させ、その武器をウクライナに送るというトランプ大統領の計画を批判した。
グリーン議員は、「私はあらゆる集会でこう言ってきた。『ウクライナへの資金援助はもう止めろ。私たちは平和を望んでいる』と」と述べた。
先週、連邦下院共和党議員76人が、グリーン議員が提出した修正案に賛成票を投じた。修正案は否決され、下院共和党議員の過半数に満たない支持しか得られなかったものの、それでもなお大きな割合を占めており、トランプ大統領によるキエフ支援の取り組みを複雑化させる可能性がある。
(3)政府予算をめぐる対立(3. Government funding clashes)
財政タカ派の懸念もあり、トランプ大統領は共和党議員全員の同意を得るために、自らの「大きく美しい1つの予算案」の可決に尽力した。そして、9月30日の予算期限を前に連邦議会が通常の政府予算案に取り組み始めるにつれ、こうした対立と力関係は更に複雑化するだろう。
同僚のアレックス・ボルトン記者によると、政府閉鎖への懸念は既に高まっている。共和党は、バイデン前大統領の下で承認された水準で依然として運営されている政府を維持するために、連邦上院民主党の協力を必要としているからだ。
通常、連邦上院の60票の賛成多数をクリアするには、歳出に関するより穏健な合意が必要となる。そして今回は、「大きく美しい1つの予算案」と、公共放送や対外援助に既に割り当てられている予算を差し戻した法案に憤慨する民主党が、より積極的な姿勢を取ろうとしている。
更に事態を複雑にしているのは、共和党の財政赤字対策に反対するタカ派による激しい反発だ。彼らは「大きく美しい1つの予算案」が歳出削減に十分な効果を上げなかったことに失望している。
しかし、8月の休会を前に通常の政府歳出法案の審議がほとんど進んでいないため、一時的な措置が取られる可能性が高まっている。これは財政赤字対策に反対するタカ派を激怒させるような提案となるだろう。
(貼り付け終わり)
(終わり)

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』



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